(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098463
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20230703BHJP
C11D 1/83 20060101ALI20230703BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20230703BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20230703BHJP
C11D 1/722 20060101ALI20230703BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20230703BHJP
C11D 1/29 20060101ALI20230703BHJP
C12N 9/16 20060101ALN20230703BHJP
C12N 9/50 20060101ALN20230703BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/83
C11D3/386
C11D1/72
C11D1/722
C11D1/22
C11D1/29
C12N9/16 Z
C12N9/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215240
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伏谷 将典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 準也
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 英明
【テーマコード(参考)】
4B050
4H003
【Fターム(参考)】
4B050CC08
4B050HH04
4B050KK03
4B050KK14
4B050LL04
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003AC12
4H003AC23
4H003AC24
4H003BA12
4H003DA01
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB14
4H003EB22
4H003EB36
4H003EC01
4H003EC02
4H003ED02
4H003ED28
4H003ED29
4H003FA04
4H003FA16
4H003FA27
4H003FA28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ニオイ洗浄力及び酵素安定性に優れる液体洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(A)成分:ノニオン界面活性剤と、
(B)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤と、
(C)成分:ヌクレアーゼ酵素と、
を含み、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が、1以上であり、液体洗浄剤の総質量に対する界面活性剤の総質量が40%以上である、液体洗浄剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:ノニオン界面活性剤と、
(B)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤と、
(C)成分:ヌクレアーゼ酵素と、
を含み、
(A)成分//(B)成分で表される質量比が、1以上であり、
液体洗浄剤の総質量に対する界面活性剤の総質量が40%以上である、液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
(D)プロテアーゼを含む、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(A)ノニオン界面活性剤として、
下記一般式(a1)、および(a2)を含有する、請求項1または2のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
R11-O-[(EO)s/(A11O)t]-(EO)u-R12 ・・・(a1)
(一般式(a1)中、R11は炭素数8~22の直鎖の炭化水素基である。R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A11OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。tはA11Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。uはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
R13-O-[(EO)v/(A12O)w]-(EO)x-R14 ・・・(a2)
(一般式(a2)中、R13は炭素数8~22の分岐鎖の炭化水素基である。R14は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。vはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A12OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。wはA12Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。xはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
【請求項4】
(B)成分として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、およびポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
(C)成分の含有量が、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.2質量%~5質量%であり、
(C)ヌクレアーゼ酵素/(D)プロテアーゼで表される質量比(「(C)/(D)」)が0.01以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項6】
洗剤自動投入機能を備えた洗濯機用である、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維製品用の液体洗浄剤等の日用品分野では、環境負荷に対する意識が高まっている。例えば、液体洗浄剤を収容する容器を小型化することで、物流におけるエネルギー削減やゴミの減量を図っている。
容器の小型化に伴い、洗浄力が高いことに加えて、洗濯1回当たりの使用量が少ない液体洗浄剤が求められている。こうした要求に対して、界面活性剤の濃度を高めた濃縮型の液体洗浄剤が提案されている(例えば特許文献1~3)。また、界面活性剤の洗浄力を補うために、酵素が配合されている場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-229387号公報
【特許文献2】特開2013-103951号公報
【特許文献3】特表2016-520148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヌクレアーゼ酵素は洗濯用液体洗剤の洗浄力を高めるために広く活用されている。しかしながら、ヌクレアーゼ酵素は組成物中で活性剤や溶剤などの因子により失活しやすいことが知られており、特に活性剤配合量の多い組成物中で酵素安定性を維持することは極めて困難である。
本発明は、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤を特定の比率で配合することで、ヌクレアーゼ酵素の安定性が高い濃縮液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]
(A)成分:ノニオン界面活性剤と、
(B)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤と、
(C)成分:ヌクレアーゼ酵素と、
を含み、
(A)成分/(B)成分で表される質量比が、1以上であり、
液体洗浄剤の総質量に対する界面活性剤の総質量が40%以上である、液体洗浄剤組成物。
[2]
さらに、(D)成分:プロテアーゼを含む、[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
[3]
(A)ノニオン界面活性剤として、
下記一般式(a1)、および(a2)を含有する、[1][2]に記載の液体洗浄剤組成物。
R11-O-[(EO)s/(A11O)t]-(EO)u-R12 ・・・(a1)
(一般式(a1)中、R11は炭素数8~22の直鎖の炭化水素基である。R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A11OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。tはA11Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。uはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
R13-O-[(EO)v/(A12O)w]-(EO)x-R14 ・・・(a2)
(一般式(a2)中、R13は炭素数8~22の分岐鎖の炭化水素基である。R14は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。vはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A12OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。wはA12Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。xはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
[4]
(B)成分として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、およびポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)を含有する、[1][2][3]に記載の液体洗浄剤組成物。
[5]
(C)成分の含有量が、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.2質量%~5質量%であり、
(C)ヌクレアーゼ酵素/(D)プロテアーゼで表される質量比(「(C)/(D)」)が0.01以上である、[1][2][3][4]に記載の液体洗浄剤組成物。
[6]
洗剤自動投入機能を備えた洗濯機用である、[1][2][3][4][5]に記載の液体洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、酵素安定性及びニオイ洗浄力に優れる液体洗浄剤組成物の提供を目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の液体洗浄剤組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分を含む液体状の組成物である。
【0008】
<(A)成分>
(A)成分は、ノニオン界面活性剤である。
(A)成分は1種の界面活性剤を用いてもよく、2種以上の界面活性剤を組み合わせてもよい。
【0009】
ノニオン界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、炭素数8~22の脂肪酸又は炭素数8~22のアミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシドなどが挙げられる。
なかでも、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましく、そのなかでも特に、下記一般式(a1)で表される化合物(以下、「化合物(a1)」ともいう。)、下記一般式(a2)で表される化合物(以下、「化合物(a2)」ともいう。)がより好ましい。特に、高温安定性及び低温安定性と、皮脂洗浄力に優れる観点から、ノニオン界面活性剤は化合物(a1)と化合物(a2)を含んでいることが好ましい。
【0010】
直鎖の炭化水素基を有する化合物(a1)は、下記一般式(a1)で表される化合物である。
R11-O-[(EO)s/(A11O)t]-(EO)u-R12 ・・・(a1)
(一般式(a1)中、R11は炭素数8~22の直鎖の炭化水素基である。R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A11OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。tはA11Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。uはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
【0011】
一般式(a1)中、R11の炭化水素基の炭素数は、8~22であり、10~18が好ましく、12~18がより好ましい。R11の炭化水素基は直鎖である。また、R11の炭化水素基は不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。
-O-に結合するR11の炭素原子は、第一級炭素原子でも第二級炭素原子でもよい。
【0012】
R12がアルキル基の場合、炭素数は1~6であり、1~3が好ましい。
R12がアルケニル基の場合、炭素数は2~6であり、2~3が好ましい。
R12は水素原子が特に好ましい。
【0013】
sは3~25であり、5~25が好ましく、7~20がより好ましく、7~18がさらに好ましく、9~18が特に好ましく、11~18が最も好ましい。
tは0~6であり、0~3が好ましい。
uは0~20であり、0~15が好ましく、0~10がより好ましい。
s+uは3~30が好ましく、5~25がより好ましく、5~20がさらに好ましく、7~20が特に好ましく、9~18が最も好ましく、11~18が非常に好ましい。
【0014】
tが0でない場合、つまり化合物(a1)が、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOを有する場合、[(EO)s/(A11O)t]においてEOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R11-O-」に結合してもよいし、PO又はBOが「R11-O-」に結合してもよい。
tが0でない場合、化合物(a1)は、EOとPO、又はEOとBOを有することが好ましい。
【0015】
分岐鎖の炭化水素基を有する化合物(a2)は、下記一般式(a2)で表される化合物である。
R13-O-[(EO)v/(A12O)w]-(EO)x-R14 ・・・(a2)
(一般式(a2)中、R13は炭素数8~22の分岐鎖の炭化水素基である。R14は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。vはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A12OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。wはA12Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。xはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
【0016】
一般式(a2)中、R13の炭化水素基の炭素数は、8~22であり、10~18が好ましく、12~18がより好ましい。R13の炭化水素基は分岐鎖である。また、R13の炭化水素基は不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。
-O-に結合するR13の炭素原子は、第一級炭素原子でも第二級炭素原子でもよい。
【0017】
R14がアルキル基の場合、炭素数は1~6であり、1~3が好ましい。
R14がアルケニル基の場合、炭素数は2~6であり、2~3が好ましい。
R14は水素原子が特に好ましい。
【0018】
vは3~25であり、5~18が好ましく、5~15がより好ましく、5~10がさらに好ましく、5~8が特に好ましい。
wは0~6であり、0~3が好ましい。
xは0~20であり、0~15が好ましく、0~10がより好ましい。
v+xは3~30が好ましく、5~25がより好ましく、5~20がさらに好ましく、5~15が特に好ましく、5~10が最も好ましく、5~8が非常に好ましい。
【0019】
wが0でない場合、つまり化合物(a2)が、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOを有する場合、[(EO)v/(A12O)w]においてEOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R13-O-」に結合してもよいし、PO又はBOが「R13-O-」に結合してもよい。
wが0でない場合、化合物(a2)は、EOとPO、又はEOとBOを有することが好ましい。
【0020】
一般式(a2)中で、R13の炭化水素基が分岐鎖である市販品としては、例えば、三菱化学社製のダイヤドール(登録商標)(C13、Cの次の数字は、アルコールの炭素数を示す。以下同様。)、Shell社製のNeodol(登録商標)(C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol(登録商標)23(C12とC13との混合物)、EXXAL(登録商標)13(C13)等のアルコールに対して、3~10モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;
ブテンを3量化して得られる炭素数12のアルケンをオキソ法に供して得られるC13のアルコールに対して、3又は5モル相当、もしくは7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol(登録商標) TO3、Lutensol TO5、Lutensol TO7、BASF社製);
ブテンを3量化して得られる炭素数12のアルケンをオキソ法に供して得られるC13のアルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol(登録商標) TO12、Lutensol TO15等、BASF社製);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10のアルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol XP90、BASF社製);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10のアルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol XL70、BASF社製);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10のアルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol XA60、BASF社製)などが挙げられる。
これらの中で、Sasol社製の商品名Safol23(分岐率:50質量%)(石炭のガス化から得られるオレフィンをオキソ法によりアルコールを得て、更に水素化したもの)や、シェルケミカルズ社製の商品名ネオドール23(分岐率:20質量%)(n-オレフィンから改良オキソ法により生成し、精留したもの)のように、一般式(a2)中でR13の炭化水素基が分岐鎖である化合物と、一般式(a1)中でR11の炭化水素基が直鎖である化合物の「混合物」の場合は、分岐鎖を有するものを化合物(a2)とし、一方、直鎖を有するものを化合物(a1)と区別して定義する。なお、「分岐率」とは、全高級アルコールに対する、分岐鎖をもつ高級アルコールの割合(質量%)を示す。
【0021】
ノニオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤として、下記一般式(a3)で表される化合物(以下、「化合物(a3)」ともいう。)を含んでもよい。
R15-X-[(EO)p/(A13O)q]-(EO)r-R16 ・・・(a3)
(一般式(a3)中、R15は炭素数7~21の炭化水素基である。-X-は、-COO-又は-CONH-である。R16は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。pはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A13はPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。qはA13Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。rはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
【0022】
一般式(a3)中、R15の炭化水素基の炭素数は、7~21であり、9~19が好ましく、11~19がより好ましい。R15の炭化水素基は直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。また、R15の炭化水素基は不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。
-X-に結合するR15の炭素原子は、第一級炭素原子でも第二級炭素原子でもよい。
【0023】
R16がアルキル基の場合、炭素数は1~6であり、1~3が好ましい。
R16がアルケニル基の場合、炭素数は2~6であり、2~3が好ましい。
R16はアルキル基が特に好ましい。
【0024】
pは3~25であり、5~20が好ましく、10~18がより好ましく、12~18がさらに好ましい。
qは0~6であり、0~3が好ましい。
rは0~20であり、0~15が好ましく、0~10がより好ましい。
p+rは5~30が好ましく、5~25がより好ましく、5~20がさらに好ましく、10~20が特に好ましい。
【0025】
qが0でない場合、つまり化合物(a3)が、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOを有する場合、[(EO)p/(A13O)q]においてEOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R15-X-」に結合してもよいし、PO又はBOが「R15-X-」に結合してもよい。
qが0でない場合、化合物(a3)は、EOとPO、又はEOとBOを有することが好ましい。
【0026】
(A)成分の総含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、20質量%~70質量%が好ましく、25質量%~60質量%より好ましく、25質量%~50質量%が最も好ましい。
(A)成分の総含有量が20質量%以上であることにより、(C)ヌクレアーゼ酵素安定性が向上する。
(A)成分の総含有量が70質量%以下であることにより、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
【0027】
(A)成分中における(a1)含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、20質量%~60質量%が好ましく、25質量%~50質量%より好ましく、30質量%~40質量%が最も好ましい。
(a1)が60質量%以下であることにより、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
(a1)が20質量%以上であることにより、(C)ヌクレアーゼ酵素安定性が向上する。
【0028】
(A)成分中における(a2)含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1質量%~40質量%が好ましく、5質量%~30質量%がより好ましく、10質量%~20質量%が最も好ましい。
(a2)が40質量%以下であることにより、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
(a2)が1質量%以上であることにより、(C)ヌクレアーゼ酵素安定性が向上する。
【0029】
(A)成分としては、(a1)(a2)を併用することが好ましく、(a1)/(a2)で表される質量比は0.1以上であることが好ましく、0.1~10がより好ましく、1~10がさらに好ましく、1~5が最も好ましい。
(a1)/(a2)が0.1以上であることにより、(C)ヌクレアーゼ酵素安定性が向上する。
【0030】
<(B)成分>
(B)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤である。
(B)成分は、1種の界面活性剤を用いてもよく、2種以上の界面活性剤を組み合わせてもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、α-オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)、アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩、内部オレフィンスルホン酸又はその塩(IOS)、ヒドロキシアルカンスルホン酸又はその塩(HAS)、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤などが挙げられる。
アニオン界面活性剤の塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)などが挙げられる。
これらのアニオン界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
【0031】
ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)は、下記一般式(a4)で表される。
R17-O-[(EO)m/(PO)n]-SO3-M+ ・・・(a4)
(一般式(a4)中、R17は、炭素数8~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。POはオキシプロピレン基である。mはEOの平均繰り返し数を表す0.1以上の数である。nはPOの平均繰り返し数を表す0~6の数である。[(EO)m/(PO)n]は、EOとPOの配列順に限定がないことを示し、M+は対カチオンである。)
【0032】
AESとしては、炭素数10~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、平均1~5モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。上記アルキル基又はアルケニル基の炭素数としては、10~20が好ましく、12~14がより好ましい。特に、炭素数10~20の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数12~14の直鎖のアルキル基がより好ましい。具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。
【0033】
mは0.1~5が好ましく、0.1~3がより好ましく、0.5~2がさらに好ましく、0.5~1.5が特に好ましい。
nは0~6であり、0~3が好ましく、0がより好ましい。
m+nは0超が好ましく、1~5がより好ましい。
【0034】
nが0でない場合、つまりAESがEOとPOを有する場合[(EO)m/(PO)n]においてEOとPOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R17-O-」に結合してもよいし、POが「R17-O-」に結合してもよい。
EOとPOとをブロック状に配列させる方法としては、例えば、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入する方法、プロピレンオキシドを導入した後にエチレンオキシドを導入する方法、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入し、さらに、エチレンオキシドを導入する方法等が挙げられる。
なお、上記式(a4)におけるm=0、n=0の化合物は、式(a4)で表される化合物の総質量に対して35~55質量%含有することが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、LAS、AOS、AS、AESが好ましく、なかでも、洗浄力がより高まる観点から、LAS、AESがより好ましい。液体洗浄剤は少なくともAESを含むことが好ましく、LASとAESの両方を含むことがより好ましい。
【0035】
(B)成分の総含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1質量%~40質量%が好ましく、3質量%~30質量%がより好ましく、5質量%~25質量%が最も好ましい。
(B)成分の総含有量が1質量%以上であることにより、ニオイ洗浄力が向上する。
(B)成分の総含有量が40質量%以下であることにより、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
【0036】
LAS含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.5質量%~20質量%が好ましく、1質量%~15質量%がより好ましく、2質量%~10質量%が最も好ましい。
LAS含有量が1質量%以上であることにより、液体洗浄剤組成物のニオイ洗浄力が向上する。
LAS含有量が20質量%以下であることにより、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
【0037】
AES含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、1質量%~25質量%が好ましく、5質量%~20質量%がより好ましく、7質量%~15質量%が最も好ましい。
AES含有量が1以上であることにより、液体洗浄剤組成物のニオイ洗浄力が向上する。
AES含有量が30以下であることにより、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
【0038】
液体洗浄剤組成物における(B)成分におけるLAS/AESで表される質量比は0.1以上であることが好ましく、0.1~20がより好ましく、0.5~20がさらに好ましく、0.5~10が最も好ましい。
LAS/AESが0.1以上であることにより、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
【0039】
液体洗浄剤組成物における(A)アニオン界面活性剤/(B)ノニオン界面活性剤で表される質量比(以下、「(A)/(B)」ともいう。)は1以上であり、1~40がより好ましく、2.5~25がさらに好ましく、3.5~15が最も好ましい。
(A)/(B)が1以上であることにより、(C)ヌクレアーゼ酵素安定性が向上する。
【0040】
(A)、(B)及びそれら以外の任意の界面活性剤の総含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、40質量%以上であり、40質量%~70質量%であることが好ましく、40質量%~60質量%であることがより好ましい。
液体洗浄剤組成物中の界面活性剤総量が40質量%以上であることにより、ニオイ洗浄力が向上する。
【0041】
本発明の(C)成分である核酸分解酵素(ヌクレアーゼ)とは、デオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)に作用し、これらを分解する酵素の総称である。核酸は糖と塩基、リン酸からなるヌクレオチドがリン酸エステル結合で連なった高分子である。糖の違いによりデオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)とがあり、ヌクレアーゼは核酸の糖とリン酸の間のホスホジエステル結合を加水分解してヌクレオチドとする。
(C)成分としては様々な核酸分解酵素(ヌクレアーゼ)が使用可能である。ヌクレアーゼには種類によりリボ核酸特異的なもの、デオキシリボ核酸特異的なもの、両方を分解可能なものと言った差異がある。また、デオキシリボ核酸でも一本鎖、二本鎖、環状と言った基質である核酸の形状により作用性に差異がある。更にはエンド型かエキソ型かといった作用特性の差異もある。しかしながら、本質的には存在する核酸を分解する程、菌が死滅しやすくなるため、如何なる核酸分解酵素を用いても良い。ただし、菌の種類によって各種成分の量や核酸の状況は様々であるが、核酸をランダムに切断した方が、基本的に構造破壊は起こしやすい。よって、リボ核酸でもデオキシリボ核酸でも、またどのような形状の核酸でも、エンド機作で分解可能であるタイプである方が、効率的であり、様々な菌に対処し易い。また、核酸分解酵素の中でもデオキシリボ核酸分解酵素(DNase)が好ましい。(C)成分は、デオキシリボ核酸及びリボ核酸の両方を分解可能な酵素であってよい。また、(C)成分は、エンド型の酵素であってよい。また、(C)成分は、デオキシリボ核酸分解酵素であってよい。
【0042】
(C)成分としては、Cyronase Cold-Active Nuclease(タカラバイオ株式会社製)、Benzonase(MILLIPORE製)、Pristine 100L(ノボザイムズ社製)などの市販品を用いることができる。
【0043】
(C)成分の総含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.2質量%~5質量%が好ましく、0.3質量%~3質量%より好ましく、0.4質量%~1質量%が最も好ましい。
(C)成分の総含有量が0.2質量%以上であることにより、ニオイ洗浄力が向上する。
(C)成分の総含有量が5質量%以下であることにより、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
【0044】
(D)成分はプロテアーゼである。
プロテアーゼは、一般に、酵素を含有する製剤(酵素製剤)として市販されている。液体洗浄剤を調製する際、通常、プロテアーゼは酵素製剤の形態で配合される。
【0045】
プロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼのように、分子内にセリン、ヒスチジン、及びアスパラギン酸を有するプロテアーゼが好ましい。
プロテアーゼを含有する製剤(プロテアーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、Coronase Evity 48L、Progress Uno101L;ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX、Properase Lなどが挙げられる。
【0046】
これらの酵素製剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
【0047】
(D)成分の総含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1質量%~5質量%が好ましく、0.3質量%~4質量%より好ましく、0.4質量%~3質量%が最も好ましい。
(D)成分の総含有量が0.1質量%以上であることにより、ニオイ洗浄力が向上する。
(D)成分の総含有量が5質量%以下であることにより、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
液体洗浄剤組成物における(C)ヌクレアーゼ酵素/(D)プロテアーゼで表される質量比(以下、「(C)/(D)」ともいう。)は0.01以上であることが好ましく、0.04~20がより好ましく、0.1~10がさらに好ましく、0.5~5が最も好ましい。
(C)/(D)が0.01以上であることにより、ニオイ洗浄力が向上する。
【0048】
<任意成分>
液体洗浄剤は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分以外の成分(任意成分)を含んでいてもよい。
任意成分としては、例えば、有機溶剤、石鹸、酵素安定化剤、ハイドロトロープ剤、pH調整剤、漂白剤、蛍光増白剤、ソイルリリース剤、分散剤、消泡剤(但し、(A)成分及び石鹸を除く)、キレート剤、風合い向上剤、抗菌剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、色素などが挙げられる。
なお、液体洗浄剤中の各成分の含有量の合計が、100質量%となる。
【0049】
有機溶剤としては、例えば、炭素数2~4の1価アルコール、炭素数2~4の多価アルコール、グリコールエーテル系溶剤、ポリオール化合物、メトキシ基を有するアルコール、フェニル基を有するアルコール等が挙げられる。
炭素数2~4の1価アルコールとしては、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール等が挙げられる。
炭素数2~4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、1、3-ブチレングリコール 、ソルビトール等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えばポリエチレングリコール等が挙げられる。メトキシ基を有するアルコールとしては、例えば、3-メトキシブタノ-ル、3-メトキシ-3-メチルブタノ-ル、3-メトキシ-3-エチルブタノ-ル、3-メトキシ-3-プロピルブタノ-ル、3-メトキシ-2-メチルブタノ-ル、3-メトキシ-2-エチルブタノ-ル、3-メトキシ-2-プロピルブタノ-ル、3-メトキシ-1-メチルブタノ-ル、3-メトキシ-1-エチルブタノ-ル、3-メトキシ-1-プロピルブタノ-ル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-3-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-3-プロピルブチルアセテート、3-メトキシ-2-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-2-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-2-プロピルブチルアセテート、3-メトキシ-1-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-1-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-1-プロピルブチルアセテート等が挙げられる。
フェニル基を有するアルコールとしては、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
有機溶剤の中でも、エタノール、2-プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコール、3-メトキシ-3-メチルブタノ-ル、フェノキシエタノールがより好ましい。
これらの有機溶剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して1~15質量%が好ましく、5~10質量%がより好ましい。
【0050】
石鹸は、高級脂肪酸又はその塩である。「高級脂肪酸」とは、炭素数8~22の脂肪酸を意味する。液体洗浄剤が石鹸を含んでいれば、すすぎ性(消泡性)が向上する。
石鹸としては、一般の液体洗浄剤に使用される石鹸のいずれも使用でき、なかでも炭素数8~22の脂肪酸又はその塩が好ましい。脂肪酸の炭素数は10~20が好ましく、12~18がより好ましい。
石鹸を構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよく、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸との混合物であってもよい。脂肪酸としては、例えばステアリン酸、リノール酸、オレイン酸、ヤシ脂肪酸などが挙げられる。
脂肪酸の塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)などが挙げられる。
これらの石鹸は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
石鹸の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.5~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましく、1.2~7質量%がさらに好ましい。石鹸の含有量が、上記下限値以上であればすすぎ性がより向上し、上記上限値以下であれば液安定性に優れる。
【0051】
酵素安定化剤としては、例えばホウ酸、ホウ砂、ギ酸又はその塩、安息香酸、乳酸又はその塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類などが挙げられる。
これらの酵素安定化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
酵素安定化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~2質量%が好ましく、0.1~1.5質量%がより好ましい。
【0052】
ハイドロトロープ剤としては、例えばパラトルエンスルホン酸又はその塩、クメンスルホン酸又はその塩、安息香酸塩、尿素などが挙げられる。
これらのハイドロトロープ剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
ハイドロトロープ剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~15質量%が好ましい。
【0053】
pH調整剤としては、例えば無機酸(塩酸、硫酸、リン酸等)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等)、アンモニアなどが挙げられる。
これらのpH調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
【0054】
漂白剤としては、過酸化水素などが挙げられる。
漂白剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~10質量%が好ましい。
【0055】
蛍光増白剤としては、例えば4,4’-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム塩等のビフェニル型の蛍光増白剤;4,4’-ビス((4-アミノ-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジニル-2)アミノ)スチルベン-2,2’-ジスルホン酸塩等のスチルベン型の蛍光増白剤などが挙げられる。
これらの蛍光増白剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
蛍光増白剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~10質量%が好ましい。
【0056】
ソイルリリース剤(SR剤)としては、例えばアルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位、並びにオキシアルキレン単位を有するポリマーが挙げられる。このようなポリマーとしては、例えば国際公開第2017/142012号に記載されているものが挙げられる。ソイルリリース剤の市販品としては、例えばクラリアント社製の商品名「TexCare SRN -170」などが挙げられる。
また、ソイルリリース剤としては、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体等の高分子が挙げられる。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、例えば国際公開第2017/142012号や特表2017-514967号公報に記載されているものが挙げられる。市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」などが挙げられる。
また、ソイルリリース剤としては、特開2019-90057号公報に記載されているカチオン化セルロースが挙げられる。
これらのソイルリリース剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
ソイルリリース剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~20質量%が好ましい。ソイルリリース剤を配合することは再汚染防止の点で好ましい。
【0057】
分散剤としては、例えばポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、高分子ポリカルボン酸またはそれらの塩等が挙げられる。
これらの分散剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
分散剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~5質量%が好ましい。
【0058】
消泡剤としては、例えばアルコールのプロピレンオキシド付加物(但し、(A)成分を除く)、脂肪酸エステルなどが挙げられる。
アルコールのプロピレンオキシド付加物(但し、(A)成分を除く)としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のモノアルコールにプロピレンオキシドを付加させたもの;エタンジオール等のジオール、グリセリン等のトリオール、エリスリトール等のテトラオール、ソルビトール等のヘキサオール等の多価アルコールにプロピレンオキシドを付加させたものなどが挙げられる。
脂肪酸エステルとして具体的には、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル(別称:イソオクチル酸2-エチルヘキシル、2H08)などが挙げられる。
これらの消泡剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
消泡剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~5質量%が好ましい。
【0059】
キレート剤としては、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、トリエチレンテトラ酢酸(TTHA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、クエン酸等の酸又はその塩の有機ホスホン酸類などが挙げられる。
キレート剤の塩の形態としては、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。
これらのキレート剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
キレート剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.001~10質量%が好ましい。
【0060】
風合い向上剤としては、例えばジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンなどが挙げられる。これらのシリコーンとしては、例えばオイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、エマルション型、自己乳化型等が挙げられる。
これらの風合い向上剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
風合い向上剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~20質量%が好ましい。
【0061】
防腐剤としては、例えばダウ・ケミカル社製の商品名「ケーソンCG」、ソー・ジャパン社製の商品名「アクチサイドMBS」、クラリアント社製の商品名「NIPACIDE BIT 20」などが挙げられる。
これらの防腐剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
防腐剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.001~1質量%が好ましい。
【0062】
酸化防止剤としては、例えばBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)などが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
酸化防止剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~3質量%が好ましい。
【0063】
香料としては、香料原料単体、又は、香料原料と香料用溶剤と香料安定化剤等とからなる香料組成物を含むものが挙げられ、液体洗浄剤に通常用いられる香料を配合することができる。また、カプセル香料を液体洗浄剤に配合してもよい。
香料の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~5質量%が好ましい。
【0064】
色素としては、例えばキノン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、キノリン系色素、ピレン系色素などが挙げられる。なお、本明細書において、下記の「C.I.」は、カラーインデックスの略である。各色素の構造は「法定色素ハンドブック」(日本化粧品工業連絡会編)、染料便覧(有機合成化学協会編)に記載されている。
キノン系色素としては、例えばC.I.Solvent Blue 63(C.I.ソルベント ブルー 63、青色403号)、ミリケン社製のLiquitint Blue HP、Liquitint Blue BL等の商品名が挙げられる。
トリフェニルメタン系色素としては、例えば緑色3号(C.I.42053)等が挙げられる。
キノリン系色素としては、例えば黄色203号(C.I.Acid Yellow 3)が挙げられる。
色素の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~100質量ppmが好ましい。
【0065】
(C)(D)以外の酵素としては、例えばアミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼなどが挙げられる。
【0066】
アミラーゼを含有する製剤(アミラーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、Amplify Prime;ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl;天野エンザイム社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ;生化学工業社から入手できる商品名DB-250などが挙げられる。
リパーゼを含有する製剤(リパーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100Lなどが挙げられる。
セルラーゼを含有する製剤(セルラーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名ケアザイム4500L、ケアザイムプレミアム4500L、エンドラーゼ5000L、セルクリーン4500Tなどが挙げられる。
マンナナーゼを含有する製剤(マンナナーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L、Mannaway 200Lなどが挙げられる。
ペクチナーゼを含有する製剤(ペクチナーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できるPectawash、Pectaway、XPectなどが挙げられる。
【0067】
抗菌剤としては、例えばダイクロサン、トリクロサン、四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム等の陽イオン殺菌剤、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、8-オキシキノリン、ポリリジンなどが挙げられる。
これらの抗菌剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
抗菌剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましく、0.1~0.5質量%がさらに好ましい。
【0068】
水としては特に制限されず、精製水、蒸留水、イオン交換水、水道水などが使用できる。水としては、これらの一つを単独で用いてもよいし、2以上を組み合わせて用いてもよい。
水の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して10~40質量%であることが好ましく、15~35質量%であることがより好ましく、20~30質量%であることがさらに好ましい。
水の含有量が10質量%以上であれば、(C)ヌクレアーゼ酵素の安定性が向上する。
水の含有量が40質量%以下であれば、液体洗浄剤組成物の安定性が向上する。
【0069】
<物性>
(pH)
液体洗浄剤の25℃におけるpHは4~10が好ましく、5~9が好ましく、6~8がより好ましい。
液体洗浄剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。 本明細書におけるpHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(東亜ディーケーケー社製、製品名「HM-30G」)により測定される値である。
【0070】
(粘度)
液体洗浄剤の25℃における粘度は10~2000mPa・sが好ましく、10~100mPa・sがより好ましく、10~500mPa・sがさらに好ましい。
液体洗浄剤の粘度は、B型粘度計を用い、下記条件で測定した値である。
<<測定条件>>
ローター:3番ローター(1000mPa・s未満の場合)又は4番ローター(1000mPa・s以上の場合)。
回転数:60rpm。
測定温度:25℃。
粘度の読み取り:ローターの回転開始30秒後。
【0071】
<製造方法>
液体洗浄剤の製造方法は特に制限されるものではなく、液体洗浄剤は常法に準じて製造することができる。
例えば、液体洗浄剤は、上述した(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分の一部と、必要に応じてpH調整剤以外の任意成分とを混合し、必要に応じてpH調整剤を用いて所定のpHに調整した後、残りの(D)成分を混合することで製造できる。なお、pH調整剤を用いて所定のpHに調整する場合は、pHを調整した後に(C)成分を配合することが好ましい。
【0072】
<使用方法>
液体洗浄剤の使用方法としては、例えば液体洗浄剤を洗濯機の液体洗浄剤の投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法、液体洗浄剤を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤を予め水に溶解して調製される洗浄液に被洗物を浸漬する方法、液体洗浄剤を被洗物に直接塗布して、例えば3分~24時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法等が挙げられる。
【0073】
また、近年実用化された洗剤自動投入機能を備えた洗濯機を使用することも好ましい。洗剤自動投入機能は、洗剤を収納したタンクから、投入用配管を経由して、自動的に洗濯槽に洗剤を投入する機能である。投入用配管の途中には、シリンジポンプ等の計量手段が設けられており、洗濯物の量等に応じて設定された一定量を、タンクから洗濯槽へと移送できるようになっている。
【0074】
洗剤自動投入機能を利用すれば、計量の手間が省けるだけでなく、計量時に液体洗浄剤が手に付着したり、こぼれて洗濯機や周囲を汚してしまったりすることを回避できる。
また、本発明の液体洗浄剤は濃縮型であるため、洗濯1回当たりの使用量が、10mL前後と非常に少ない場合がある。このような少量の液体洗浄剤は、キャップ等で正確に計量することが難しく、液量が不足したり過剰となったりしやすい。洗剤自動投入機能を利用すれば、少量の液体洗浄剤でも正確に計量することができるので、充分な洗浄力を発揮しやすく、使いすぎによる無駄も回避できるので好ましい。
【0075】
また、自動で所定の量の液体を吐出できる自動ディスペンサーを使用することも好ましい。自動ディスペンサーを使用する場合も、少量の液体洗浄剤でも正確に計量することができるため、充分な洗浄力を発揮しやすく、使いすぎによる無駄も回避できるので好ましい。
自動ディスペンサーの中には、赤外線センサなどを利用して、スイッチ等に触れなくとも自動的に吐出するものも市販されている。このような自動ディスペンサーを使用すれば、片手に保持した容器を差し出すだけで液体洗浄剤を計量することができ、使用者の負担軽減効果が大きい。
【0076】
また、自動ディスペンサーを使用する場合、軟質容器に吐出された液体洗浄剤を受け、その軟質容器をそのまま洗濯機に投入することも好ましい。これにより、吐出された液体洗浄剤の全量を、確実に洗浄液中に溶解させることができる。
そのまま洗濯機に投入可能な軟質容器の材質としては、例えば、シリコ-ン樹脂、ポリ塩化ビニル、エラストマー、軟質ポリエステル、軟質ポリプロピレン、ポリウレタン等が挙げられる。
【0077】
被洗物の例としては、例えば衣類(衣料)、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品などが挙げられる。繊維製品の素材は特に限定されず、綿、絹、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド等の化学繊維などのいずれでもよい。
液体洗浄剤を水に溶解して使用する場合、例えば5~5000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
衣類量あたりの水量である浴比(洗濯時の洗浄液の質量/衣類の質量)は、ドラム型洗濯機であれば5以上、縦型洗濯機であれば10以上が好ましい。
洗浄処理において使用される液体洗浄剤の量は、被洗物の合計質量(布量)/液体洗浄剤の合計質量の比が、10~500が好ましく、10~300がさらに好ましく、10~100がさらに好ましい。
液体洗浄剤は、繊維製品用の洗浄剤として好適である。
【0078】
<作用効果>
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分を45質量%以上と、(C)成分を2質量%以上含み、かつ(D)成分の含有量が40質量%以下であるため、濃縮型であり、洗浄力に優れる。加えて、本発明の液体洗浄剤は、(B)成分を3~10質量%含むので、濃縮型でありながら、高温又は低温で保存しても沈殿物が生じにくく、高温安定性及び低温安定性に優れる。また、本発明の液体洗浄剤は、冷水に対する溶解性にも優れる。
本発明の液体洗浄剤は濃縮型であることから、洗濯1回当たりの使用量が少ない。また、液体洗浄剤を収容する容器を小型化にでき、物流におけるエネルギー削減やゴミの減量を図ることができる。
【0079】
洗剤自動投入機能を備えた洗濯機は、衣類乾燥時に、洗剤を収容するタンク内の温度も上昇しやすい。本発明の液体洗浄剤は、高温安定性に優れるので、洗剤自動投入機能を備えた洗濯機のタンク内に収容しても沈殿物が生じにくい。本発明の液体洗浄剤は、高温だけでなく低温で保存しても沈殿物が生じにくい。したがって、洗剤自動投入機能を備えた洗濯機の投入用配管やシリンジポンプ内が沈殿物で閉塞されることを防止できる。
【0080】
また、本発明の液体洗浄剤は、高温又は低温で保存しても沈殿物が生じにくいことから、自動ディスペンサーを使用する場合も、ノズルや吐出機構内が沈殿物で閉塞されることを防止できる。したがって、例えばベランダ等、気温の変動が激しい場所に洗濯機と自動ディスペンサーを設置して使用することも可能である。
【0081】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
実施例及び比較例における使用原料及び評価方法は、以下の通りである。
【0082】
[使用原料]
<(A)成分>
・A-1(直鎖AE(15EO)):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製、商品名「LMAO-90」、一般式(a1)中、R11が炭素数12の直鎖状のアルキル基(C12)及び炭素数14の直鎖状のアルキル基(C14)であり(質量比でC12:C14=75:25)、酸素原子に結合するR11の炭素原子は第一級炭素原子であり、R12が水素原子であり、sが15であり、tが0であり、uが0である化合物(a1)。)。
・A-2(直鎖AE(12EO)):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製、商品名「LMAL-90」、一般式(a1)中、R11が炭素数12の直鎖状のアルキル基(C12)及び炭素数14の直鎖状のアルキル基(C14)であり(質量比でC12:C14=75:25)、酸素原子に結合するR11の炭素原子は第一級炭素原子であり、R12が水素原子であり、sが12であり、tが0であり、uが0である化合物(a1)。)。
・A-3(直鎖AE(7EO)):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製、商品名「LMAG-90」、一般式(a1)中、R11が炭素数12の直鎖状のアルキル基(C12)及び炭素数14の直鎖状のアルキル基(C14)であり(質量比でC12:C14=75:25)、酸素原子に結合するR11の炭素原子は第一級炭素原子であり、R12が水素原子であり、sが7であり、tが0であり、uが0である化合物(a1)。)。
・A-4(MEE):ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(ライオン社製、商品名「CEAO-90」、一般式(a3)中、R15が炭素数11~13のアルキル基であり、R16がメチル基であり、-X-が-COO-であり、Xに結合するR15の炭素原子が第二級炭素原子であり、pが15であり、qが0であり、rが0である化合物(a3)。)。
・A-5(分岐AE(7EO)):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数13のアルコールに7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。一般式(a2)中、R13が炭素数13の分岐鎖状のアルキル基であり、酸素原子に結合するR13の炭素原子は第一級炭素原子であり、R14が水素原子であり、vが7であり、wが0であり、xが0である化合物(a2)。下記合成方法により合成されたもの。)。
・A-6(分岐AE(3EO)):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数13のアルコールに3モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。一般式(a2)中、R13が炭素数13の分岐鎖状のアルキル基であり、酸素原子に結合するR13の炭素原子は第一級炭素原子であり、R14が水素原子であり、vが7であり、wが0であり、xが0である化合物(a2)。下記合成方法により合成されたもの。)。
・A-7(EOPOノニオン):EO7PO2ノニオン、第一級アルコールに、7モル相当のエチレンオキシドと2モル相当のプロピレンオキシドを付加したもの。(d1)式中、R31=炭素数12の第一級アルキル基及び炭素数14の第一級アルキル基、-L-が-O-、v=7、w=2、x=0、R32=Hである化合物。
・A-8(ソフタノール70)、日本触媒社製。第二級アルコール1モルに、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。(d1)式中、R31=炭素数12~14のアルキル基、-L-が-O-、v=5、w=0、x=0、R32=Hである化合物。
【0083】
(A-2の合成)
Sasol社製のEXXAL(登録商標)13を400gと、30質量%NaOH水溶液3.33gを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)1145gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p-トルエンスルホン酸を加えて中和し、A-2を得た。
<A-4の合成方法>
A-4を以下の合成方法に準じて合成した。
1Lセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール(IPA)(一級試薬、関東化学株式会社製)525gと、酢酸カルシウム一水和物(特級試薬、関東化学株式会社製)150gを入れ、ディスパー撹拌翼により20℃で混合して分散物を得た(分散工程)。前記分散物を3000rpmで撹拌しながら、滴下ロートによって、硫酸(特級試薬、関東化学株式会社製)75gを60分間かけて添加し混合した(混合工程)。混合工程では硫酸の添加で発熱するので、セパラブルフラスコを温浴で、反応温度を15~25℃に制御した。硫酸を添加した後、20℃に保ちながら、さらに2時間撹拌し(触媒熟成工程)、アルコキシル化触媒を得た。
オートクレーブに、上記アルコキシル化触媒2.1gと、ラウリン酸メチル(パステルM12、ライオンケミカル株式会社製)462gと、ミリスチン酸メチル(パステルM14、ライオンケミカル株式会社製)166gとを入れ、撹拌した。撹拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換し、160℃に昇温し、0.1~0.5MPaの条件で、エチレンオキシド(EO)1876g(ラウリン酸メチルとミリスチン酸メチルとの合計の15倍モル)を導入して撹拌した(付加反応工程)。さらに、付加反応温度で0.5時間撹拌した(熟成工程)後、80℃に冷却し、反応粗製物(脂肪酸メチルエステルエトキシレート(MEE)、EO平均付加モル数=15)2516gを得た。前記反応粗製物をろ過して触媒を除去したものをA-4とした。
<EOPOノニオンの合成方法>
P&G社製の「CO-1270」224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gと、を耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次いで、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、撹拌しつつ、エチレンオキシド(ガス状)352gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら、アルコール液中に徐々に加えて反応させた。次いで、プロピレンオキシド116gを導入してさらに反応させた。
次いで、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを留去した。次いで、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p-トルエンスルホン酸を加えて中和し、EOPOノニオンを得た。
【0084】
<(B)成分>
・B-1(LAS):炭素数10~14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名「ライポンLH-200」)。
・B-2(AES):ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(天然アルコール(P&G社製の商品名「CO-1270」)に1モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。一般式(a4)中、R17が炭素数12の直鎖状のアルキル基(C12)及び炭素数14の直鎖状のアルキル基(C14)であり(質量比でC12:C14=75:25)、mが1であり、nが0であり、Mがナトリウムであり、A-6全体に対するmが0かつnが0である化合物の割合が43質量%である。下記合成方法により合成されたもの。)。
【0085】
(B-2の合成)
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてプロクター・アンド・ギャンブル社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ:Hewlett-Packard社製のGC-5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra-1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)と、を用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物の量が、得られたアルコールエトキシレート全体に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりB-2を得た。
・B-3(IOS):下記調製方法1より得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシ体の含有量は85質量%。
(B-3の合成)
二重結合が2位に存在する割合の合計が26質量%であり、かつシス体/トランス体の質量比が27/73であり、パラフィン成分を2.0質量%含む内部オレフィン混合物を内部オレフィンとして用いた。この内部オレフィンは、C14以下が3質量%、C15が33質量%、C16が39質量%、C17が24質量%、C18以上が1質量%からなる内部オレフィン混合物である。この内部オレフィン混合物を用い、内径6mmφ、長さ1.2mのガラス製薄膜式スルホン化装置を使用して、窒素で希釈したSO3ガス(SO3濃度:5体積%)により、反応器温度10℃、SO3/内部オレフィンのモル比1.1の条件下で、常法通りスルホン化反応を行い、内部オレフィンスルホン酸を得た。得られた反応生成物である内部オレフィンスルホン酸を5℃で1時間熟成し、次いで、1.11倍モル(対内部オレフィンスルホン酸)の15%水酸化ナトリウム水溶液を加え、30℃で30分間攪拌して中和反応を行い、中和生成物を得た。その後、この中和生成物をオートクレーブ中で、160℃で40分間加熱し、加水分解して内部オレフィンスルホン酸Na塩を得た。
・B-4(AEPS):炭素数12の直鎖一級アルコール〔東京化成工業株式会社製、商品名:1-ドデカノール(分子量186.33)、純度>99%〕640g及びKOH1.0gを攪拌装置、温度制御装置、自動導入装置を備えたオートクレーブに仕込み、110℃、1.3kPaにて30分間脱水を行った。脱水後窒素置換を行い、120℃まで昇温した後、プロパン-1,2-ジイルオキサイドを199g仕込んだ。120℃にて付加反応・熟成を行った後、145℃に昇温し、エチレンオキサイド(以下「EO」という)を303g仕込んだ。145℃にて付加反応・熟成を行った後、80℃まで冷却し、4.0kPaで未反応のEOを除去した。未反応EO除去後、1.0gの酢酸をオートクレーブ内に加え、80℃で30分間攪拌した後、抜き出しを行い、平均PO付加モル数pが1.0、平均EO付加モル数qが2.0であるアルコキシレートを得た。
得られたアルコキシレートを、SO3ガスを用いて下降薄膜式反応器により硫酸化した。得られた硫酸化物をモノエタノールアミンにて中和し、AEPSを含む組成物を得た。
【0086】
<(C)成分>
・C-1:ヌクレアーゼ(ノボザイムズ社製、商品名「Pristine 100L」)。
【0087】
<(D)成分>
・D-1:プロテアーゼ1(ノボザイムズ社製、商品名「Progress Uno100L」)。
・D-2:プロテアーゼ2(ノボザイムズ社製、商品名「Coronase EvityL」)。
・D-3:プロテアーゼ3(ノボザイムズ社製、商品名「LiquanaseEvity 3.5L」)。
【0088】
<任意成分>
・ポリエチレングリコール(純正化学社製、商品名「PEG#1000」、質量平均分子量1000)。
・エタノール(日本アルコール販売社製、商品名「特定アルコール95度合成」)。
・3-メトキシ-3-メチルブタノール(クラレ社製、商品名「ソルフィット」)。
・椰子脂肪酸:石鹸(日油社製、商品名「椰子脂肪酸」)。
・乳酸ナトリウム:酵素安定化剤(武蔵野化学研究所社製、商品名「乳酸ソーダ60E」)。
・パラトルエンスルホン酸:ハイドロトロープ剤(協和発酵キリン社製、商品名「PTS酸」)。
・水酸化ナトリウム:pH調整剤(東亞合成社製、商品名「水酸化ナトリウム」)。
・モノエタノールアミン:pH調整剤(日本触媒社製、商品名「モノエタノールアミン」)。
・クエン酸:(一方社油脂工業株式会社製、商品名「液体クエン酸」)。
・ダイクロサン(4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル)( BASF社製、商品名「TINOSAN HP100」)。
・ソイルリリースポリマー(BASF社製の商品名「Sokalan HP20」)。
・アミラーゼ(ノボザイムズ社製、商品名「Amprify Prime100L」)。
・マンナナーゼ(ノボザイムズ社製、商品名「Mannaway200L」)。
・ペクチナーゼ(ノボザイムズ社製、商品名「XPect1000L」)。
・セルラーゼ(ノボザイムズ社製、商品名「Carezyme Premium4500L」)。
・1,2-ベンズイソチアゾリンー3-オン(クラリアントジャパン社製、商品名「NIPACIDE BIT20」)。
・酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン(住友化学社製、商品名「SUMILZER BHT-R」)。
・香料:特開2002-146399号公報の表11~18に記載の香料組成物A。
・色素:癸巳化成株式会社製、商品名「緑色3号」。
・水:イオン交換水。
【0089】
[評価方法]
<ニオイ洗浄力の評価>
綿肌シャツ(綿100%)を洗濯機(ハイアール社製、製品名「JW-Z23A型」)で10分間洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水、浴比20倍)した。その際、洗浄剤として、市販の合成洗剤(ライオン株式会社製、商品名「トップ」)を用い、合成洗剤の洗濯機への投入量を25g/水道水30Lとして洗濯処理を行った。
洗濯処理された綿肌シャツを約23℃、相対湿度90%RHの室内にて5時間乾燥した。次いで、綿肌シャツを20~40代男性10人に12時間着用させた後、各例の液体洗浄剤を用いて、洗濯機(ハイアール社製、製品名「JW-Z23A型」)の通常コースで洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水、浴比20倍)を行った。その際、液体洗浄剤の洗濯機への投入量を10mL/水道水30Lとして洗濯処理を行った。なお、浴比合わせの衣料として、新品の綿100%のBVD肌シャツ(富士紡ホールディングス株式会社製)を、全自動洗濯機(パナソニック株式会社製、製品名「NA-F70SD1」)のおまかせコースで洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水)5回行ったものを用いた。
上記綿肌シャツの洗濯処理が終了した後、室温(約23℃)で24時間自然乾燥を行った。その後、6名の専門パネラーがそれぞれ乾燥後の綿肌シャツの臭いを嗅ぐという官能評価を行った。該官能評価は、下記の評価基準に基づいて点数化することにより行った。具体的には、専門パネラーが、乾燥後の綿肌シャツのそれぞれの臭いを嗅ぎ、下記評価基準における6段階の臭気強度表示に従って評価した。そして、綿肌シャツの平均点を算出した。
【0090】
<官能評価の評価基準(臭気強度表示)>
0点:異臭が全くしない。
1点:異臭がやっと感知できる程度に感じられる。
2点:異臭が弱く感じられる。
3点:異臭がやや強く感じられる。
4点:異臭が強く感じられる。
5点:異臭がかなり強く感じられる。
下記基準にて◎及び○であればニオイ洗浄力が良好であると判断した。
◎:臭気強度0点。
〇:臭気強度1~2点。
×:臭気強度3~5点。
【0091】
<ヌクレアーゼ活性評価>
溶解液と希釈液を以下の手順で作製した。溶解液は4.5Lの超純水に亜硫酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製)50.0gに溶解させた水溶液である。希釈液は4.5Lの超純水に20.4gの塩化マグネシウム6水和物(富士フイルム和光純薬社製)、30.3g Sigma7-9(Sigma-Aldrich社製)、16.7mLのBrij L23(Sigma-Aldrich社製)を溶解させ、42mLの4M HCL(林純薬工業社製)を入れた後、4M HCLもしくは4M NaOH(林純薬工業社製)を使いpH7.8に合わせたもの使用した。
液体洗浄剤組成物5gを500mLメスフラスコに入れ、溶解液でメスアップし15分攪拌し、この溶液をサンプル溶液とした。100μLの希釈液(ブランクのみ)、サンプル溶液をピペットでエッペンドルフチューブに移し、ピペットで15秒毎に400μLの基質反応液をチューブに加え、蓋をした後30℃のウォーターバスに入れた。各チューブに同様の操作を繰り返した。タイマーを使い各チューブを30℃で50分間加温した後、15秒間隔で500μLの停止反応液をピペットを用いて加えて3~7秒間撹拌し、氷浴中に10~20分静置した。その後14000rpmで5分間遠心分離し、ピペットにてブランク、サンプルの上澄み50μLを96穴UVマイクロプレート(ワトソン社製)に移した。200μLの超純水を各サンプルに加え、マイクロプレートリーダー(テカン社製 Infinite Pro2000)を用いて260nmで測定した。
【0092】
<ヌクレアーゼ残存率計算法>
製造後、37℃で1週間保存した液体洗浄剤組成物(37℃保存品)及び5℃で1週間保存した液体洗浄剤組成物(5℃保存品)について上記ヌクレアーゼ活性の測定を行い、それらの測定結果から、下記(s1)式により、ヌクレアーゼ活性残存率(%)を求めた。
ヌクレアーゼ活性残存率(%)=(37℃保存品の吸光度α-37℃保存品の吸光度β)/(5℃保存品の吸光度α-5℃保存品の吸光度β)×100 ・・・(s1)
求めたヌクレアーゼ活性残存率(%)から、ヌクレアーゼの安定性を以下の評価基準で評価し、「◎」、「○」であればヌクレアーゼ安定性が良好であると判定した。
◎:81~100%。
○:60%~80%。
×:60%未満。
【0093】
【0094】