(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098480
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】店舗運営支援システムおよび店舗運営支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20230703BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20230703BHJP
G06Q 10/109 20230101ALI20230703BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20230703BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q10/04
G06Q10/10 340
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215271
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207778
【弁理士】
【氏名又は名称】阿形 直起
(72)【発明者】
【氏名】沙魚川 久史
(72)【発明者】
【氏名】高田 直幸
(72)【発明者】
【氏名】菅原 賢太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 学
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 謙一
(72)【発明者】
【氏名】小原 大貴
(72)【発明者】
【氏名】中江 亮
(72)【発明者】
【氏名】池野 直人
(72)【発明者】
【氏名】内田 誠一
(72)【発明者】
【氏名】長尾 惇史
(72)【発明者】
【氏名】喜久里 陽
(72)【発明者】
【氏名】笹木 陸
(72)【発明者】
【氏名】松井 毅
(72)【発明者】
【氏名】中井 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049AA10
5L049AA13
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】店舗の従業員に対して、店舗で行われるべき作業の実行を適切に促すことを可能とする店舗運営支援システムおよび店舗運営支援方法を提供する。
【解決手段】店舗運営支援システムは、店舗で行われるべき作業を示すタスクを記憶する記憶手段と、記憶されたタスクを表示する表示制御手段と、所定の完了条件が満たされた場合に表示されたタスクを完了状態に設定する設定手段と、店舗の繁忙度を推定する推定手段と、繁忙度に基づいて、表示されたタスクのうち完了状態に設定されていないタスクが示す作業の実行を促す通知を出力する通知手段と、を有する。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗で行われるべき作業を示すタスクを記憶する記憶手段と、
前記記憶されたタスクを表示する表示制御手段と、
所定の完了条件が満たされた場合に前記表示されたタスクを完了状態に設定する設定手段と、
前記店舗の繁忙度を推定する推定手段と、
前記繁忙度に基づいて、前記表示されたタスクのうち前記完了状態に設定されていないタスクが示す作業の実行を促す通知を出力する通知手段と、
を有することを特徴とする店舗運営支援システム。
【請求項2】
前記推定手段は、前記店舗の従業員数、前記店舗の客数および時間情報のうち少なくとも1つに基づいて、前記繁忙度を推定する、
請求項1に記載の店舗運営支援システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記表示されたタスクのうち前記完了状態に設定されていないタスクの状況にさらに基づいて、当該タスクが示す作業の実行を促す通知を出力する、
請求項1または2に記載の店舗運営支援システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記タスクを当該タスクが示す作業が行われるべき期限と関連付けて記憶し、
前記通知手段は、前記表示されたタスクのうち前記完了状態に設定されていないタスクの期限からの経過時間が所定時間以上であり、かつ前記繁忙度が所定値以下である場合に、前記通知を出力する、
請求項3に記載の店舗運営支援システム。
【請求項5】
前記通知手段は、前記店舗の従業員が使用する店舗端末に対して前記通知を出力し、当該通知の出力から所定時間が経過しても当該通知が示すタスクが完了状態に設定されていない場合に、前記店舗の管理者が使用する管理者端末に対してさらに通知を出力する、
請求項1-4のいずれか一項に記載の店舗運営支援システム。
【請求項6】
店舗運営支援システムによって実行される店舗運営支援方法であって、
店舗で行われるべき作業を示すタスクを記憶する記憶ステップと、
前記記憶されたタスクを表示する表示制御ステップと、
所定の完了条件が満たされた場合に前記表示されたタスクを完了状態に設定する設定ステップと、
前記店舗の繁忙度を推定する推定ステップと、
前記繁忙度に基づいて、前記表示されたタスクのうち前記完了状態に設定されていないタスクに対応する作業の実行を促す通知を出力する通知ステップと、
を含むことを特徴とする店舗運営支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗運営支援システムおよび店舗運営支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の店舗では、従業員によって、商品棚の点検や商品の補充、清掃等の様々な作業が行われている。店舗を効率的に運営するためには、このような作業が店舗の状況に応じて適時に行われることが好ましい。
【0003】
特許文献1には、店舗内で実施すべき作業をテーブルに登録し、作業者が携帯する電子機器にテーブルの内容を表示する管理システムが記載されている。特許文献1の管理システムにおいては、店舗内で実施すべき作業がテーブルに登録されたときに電子機器による報知がなされる。これにより、作業の実施が促される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の管理システムでは、作業が登録されたときに報知がなされるが、作業者が他の作業等のために、報知された作業を実施できない場合もある。このように、作業者の状況にかかわらず作業を促す報知がなされると、作業者が報知に従わないことが習慣となり、報知の意義が小さくなる。したがって、作業者が対応可能となるように、作業の実行を適切に促すことが求められている。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、店舗の従業員に対して、店舗で行われるべき作業の実行を適切に促すことを可能とする店舗運営支援システムおよび店舗運営支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る店舗運営支援システムは、店舗で行われるべき作業を示すタスクを記憶する記憶手段と、記憶されたタスクを表示する表示制御手段と、所定の完了条件が満たされた場合に表示されたタスクを完了状態に設定する設定手段と、店舗の繁忙度を推定する推定手段と、繁忙度に基づいて、表示されたタスクのうち完了状態に設定されていないタスクが示す作業の実行を促す通知を出力する通知手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る店舗運営支援システムにおいて、推定手段は、店舗の従業員数、店舗の客数および時間情報のうち少なくとも1つに基づいて、繁忙度を推定する、ことが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る店舗運営支援システムにおいて、通知手段は、表示されたタスクのうち完了状態に設定されていないタスクの状況にさらに基づいて、タスクが示す作業の実行を促す通知を出力する、ことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る店舗運営支援システムにおいて、記憶手段は、タスクをタスクが示す作業が行われるべき期限と関連付けて記憶し、通知手段は、表示されたタスクのうち完了状態に設定されていないタスクの期限からの経過時間が所定時間以上であり、かつ繁忙度が所定値以下である場合に、通知を出力する、ことが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る店舗運営支援システムにおいて、通知手段は、店舗の従業員が使用する店舗端末に対して通知を出力し、通知の出力から所定時間が経過しても通知が示すタスクが完了状態に設定されていない場合に、店舗の管理者が使用する管理者端末に対してさらに通知を出力する、ことが好ましい。
【0012】
本発明に係る店舗運営支援方法は、店舗運営支援システムによって実行される店舗運営支援方法であって、店舗で行われるべき作業を示すタスクを記憶する記憶ステップと、記憶されたタスクを表示する表示制御ステップと、所定の完了条件が満たされた場合に表示されたタスクを完了状態に設定する設定ステップと、店舗の繁忙度を推定する推定ステップと、繁忙度に基づいて、表示されたタスクのうち完了状態に設定されていないタスクに対応する作業の実行を促す通知を出力する通知ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る店舗運営支援システムおよび店舗運営支援方法は、店舗の従業員に対して、店舗で行われるべき作業の実行を適切に促すことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】店舗運営支援システム1の機能ブロック図である。
【
図3】映像テーブル611のデータ構造を示す図である。
【
図4】タスクテーブル612のデータ構造を示す図である。
【
図5】種類テーブル613のデータ構造を示す図である。
【
図7】(A)はタスク追加画面200を示す図であり、(B)は報告追加画面300を示す図である。
【
図10】タスク手動生成処理の流れを示すフロー図である。
【
図11】タスク表示処理の流れを示すフロー図である。
【
図12】完了状態設定処理の流れを示すフロー図である。
【
図13】自動判定処理の流れを示すフロー図である。
【
図15】映像表示処理の流れを示すフロー図である。
【
図16】映像表示処理の流れを示すフロー図である。
【
図18】タスクテーブル1612のデータ構造を示す図である。
【
図19】種類テーブル1613のデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明及びその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0016】
図1は、実施形態に係る店舗運営支援システム1の機能ブロック図である。店舗運営支援システム1は、店舗Tにおいて行われるべき作業を従業員に適切に実行させて店舗の運営を支援するとともに、管理施設Kにいる管理者が店舗の作業の状況を容易に把握することを可能とするシステムである。店舗Tは、コンビニエンスストア、衣料品店その他の小売店、商業施設等である。管理者が複数の店舗Tを管理する場合、管理施設Kは、例えば店舗Tの遠隔地に設けられる管理センタである。管理者が一つの店舗Tのみを管理する場合、管理施設Kは店舗Tのバックヤード等でもよい。店舗運営支援システム1は、店舗Tに配置される撮影装置2、センサ3および店舗端末4並びに管理施設Kに配置される管理者端末5および管理装置6を有する。撮影装置2、センサ3、店舗端末4、管理者端末5および管理装置6は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。
【0017】
撮影装置2は、店舗を撮影するための装置であり、例えば監視カメラである。撮影装置2は、店舗内または店舗の周辺に設置され、店舗の状況を撮影して、複数のフレーム画像を含む動画像である映像を生成する。撮影装置2は、生成された映像を管理装置6に送信する。
【0018】
センサ3は、店舗の状況を示す種々の情報を生成するための装置であり、例えば超音波センサ、赤外線センサ、重量センサ等である。ここで、店舗の状況とは店舗で行われるべき作業を示すタスクの生成要因に関する状況であり、例えば、商品の在庫状況や陳列状況、温度管理の状況など売り場における商品陳列状態が適正な状況にあるか否か、あるいは、店舗の床の汚れやゴミ箱の状況など店舗における衛生状態が適正な状況にあるか否かを特定するためのものである。
【0019】
超音波センサは、例えば店舗のゴミ箱内の所定の高さに配置され、水平方向に超音波を照射してその反射波を検出することにより、所定の高さまでゴミが堆積しているか否かを示す情報を生成する。この情報は、ゴミ箱が満杯であるか否かを示す情報として用いることができる。
【0020】
赤外線センサは、例えば商品棚の前方又は上方に設置され、商品棚の方向に赤外線を照射してその反射波を検出することにより、商品棚に陳列された商品までの距離を示す情報を生成する。この情報は、商品棚の商品が適切に前出しされているか否かを示す情報として用いることができる。
【0021】
重量センサは、例えば商品棚の棚面に配置され、商品棚に載置されている物の重量を示す情報を生成する。この情報は、商品棚に商品が適切に補充されているか否かを示す情報として用いることができる。
【0022】
センサ3は上述した例に限られず、温度センサ、湿度センサ、人感センサ、音センサ等の、店舗の状況を示す情報を生成可能な任意のセンサであってよい。センサ3は、上述したような店舗の状況を示す情報を管理装置6に送信する。なお、撮影装置2によって生成された映像も店舗の状況を示す情報として用いられる。以降では、撮影装置2によって生成された映像およびセンサ3によって生成された情報をあわせてセンサ情報と称することがある。
【0023】
店舗端末4は、店舗Tの従業員が使用する端末であり、例えば従業員が携帯する携帯電話、スマートフォンまたはタブレット等の端末である。店舗端末4は、店舗Tに設置されたPC(Personal Computer)等の装置でもよい。店舗端末4は、店舗で行われるべき作業を従業員に表示するとともに、作業に関する従業員の操作入力を受け付ける。店舗端末4は、店舗端末記憶部41、店舗端末通信部42、店舗端末表示部43、店舗端末操作部44および店舗端末処理部45を有する。
【0024】
店舗端末記憶部41は、プログラム又はデータを記憶するための構成であり、例えば、半導体メモリ装置を備える。店舗端末記憶部41は、処理部による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。プログラムは、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピュータ読み取り可能かつ非一時的な可搬型記憶媒体からインストールされる。また、プログラムは、ウェブサーバなどインターネット上の格納領域からパッケージファイルとしてダウンロードされてインストールされてもよい。かかるプログラムは管理装置6にインストールされるとともに管理装置6によって実行され、店舗端末4ではウェブブラウザなどの表示操作アプリケーションを介した管理装置6との通信により、操作可能な表示画面を受信するとともに操作結果を適宜管理装置6に送信するようにしてもよい。
【0025】
店舗端末通信部42は、他の装置との通信を可能にする構成であり、通信インタフェース回路を備える。通信インタフェース回路は、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)、有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の通信インタフェース回路である。店舗端末通信部42は、データを他の装置から受信して処理部に供給するとともに、処理部から供給されたデータを他の装置に送信する。
【0026】
店舗端末表示部43は、画像を表示するための構成であり、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイを備える。店舗端末表示部43は、処理部から供給された表示データに基づいて画像を表示する。
【0027】
店舗端末操作部44は、ユーザの操作を受け付けるための構成であり、例えば、キーパッド、キーボード又はマウスを備える。店舗端末操作部44は、タッチパネルを備えてもよい。店舗端末操作部44は、ユーザの操作に応じた信号を生成して処理部に供給する。
【0028】
店舗端末処理部45は、装置の動作を統括的に制御するデバイスであり、一又は複数のプロセッサ及びその周辺回路を備える。店舗端末処理部45は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備える。店舗端末処理部45は、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を備えてもよい。店舗端末処理部45は、記憶されているプログラムおよび各部から供給されたデータに基づいて各部の動作を制御するとともに、各種の処理を実行する。
【0029】
管理者端末5は、店舗Tの管理者が使用する端末であり、例えば管理者が携帯するスマートフォン又はタブレット等の端末である。管理者端末5は、管理施設Kに設置されたPC等の装置でもよい。管理者端末5は、管理者に対して作業の状況を撮影した映像を表示する。管理者端末5は、管理者端末記憶部51、管理者端末通信部52、管理者端末表示部53、管理者端末操作部54および管理者端末処理部55を有する。管理者端末記憶部51、管理者端末通信部52、管理者端末表示部53、管理者端末操作部54および管理者端末処理部55の構成は、店舗端末記憶部41、店舗端末通信部42、店舗端末表示部43、店舗端末操作部44および店舗端末処理部45の構成とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
【0030】
管理装置6は、店舗で行われるべき作業を管理する装置であり、例えば管理施設Kに設置された、PCまたはサーバ等の装置である。なお、管理装置6の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)により実現されてもよい。
【0031】
図2は、管理装置6の機能ブロック図である。管理装置6は、記憶部61、通信部62および処理部63を有する。
【0032】
記憶部61は、プログラム又はデータを記憶するための構成であり、例えば半導体メモリ装置を備える。記憶部61は、処理部63による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能かつ非一時的な可搬型記憶媒体から記憶部61にインストールされる。なお、記憶部61は、記憶手段の一例である。
【0033】
記憶部61は、データとして、後述する映像テーブル611、タスクテーブル612、種類テーブル613を記憶する。
【0034】
通信部62は、管理装置6を他の装置と通信可能にする構成であり、通信インタフェース回路を備える。通信インタフェース回路は、例えば有線LAN又は無線LAN等の通信インタフェース回路である。通信部62は、データを他の装置から受信して処理部63に供給するとともに、処理部63から供給されたデータを他の装置に送信する。
【0035】
処理部63は、管理装置6の動作を統括的に制御するデバイスであり、一又は複数のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部63は、例えば、CPUを備える。処理部63は、GPU、DSP、LSI、ASIC、FPGA等を備えてもよい。処理部63は、記憶部61に記憶されているプログラムおよび各部から供給されたデータに基づいて各部の動作を制御するとともに、各種の処理を実行する。
【0036】
処理部63は、取得部631、生成部632、表示制御部633、設定部634、特定部635、算出部636および通知部637を有する。取得部631、生成部632、表示制御部633、設定部634、特定部635、算出部636および通知部637は、それぞれ取得手段、生成手段、表示制御手段、設定手段、特定手段、推定手段および通知手段の一例である。これらの各部は、処理部63によって実行されるプログラムによって実現される機能モジュールである。これらの各部は、ファームウェアとして管理装置6に実装されてもよい。
【0037】
図3は、記憶部61に記憶される映像テーブル611のデータ構造を示す図である。映像テーブル611は、撮影装置2から取得された映像に関する情報を管理するテーブルであり、映像ID、ファイル名、撮影場所、撮影装置、開始時刻、終了時刻等を相互に関連付けて記憶する。
【0038】
映像IDは、動画像である複数の映像のそれぞれを識別するための情報である。ファイル名は、各映像のファイル名を示す文字列である。ファイル名は、パス等を含んでもよい。撮影場所は、店舗内の複数の場所に撮影装置2が設置されている場合における、各映像の撮影場所である。撮影装置は、対応する映像を撮影した撮影装置2を識別する情報である。開始時刻および終了時刻は、各映像の開始時点および終了時点の時刻である。
【0039】
後述するように、撮影装置2は、管理装置6に対して、店舗内の状況をリアルタイムに示すライブ映像を送信する。管理装置6は、取得したライブ映像に含まれるフレーム画像を順次記憶部61に記憶する。管理装置6は、所定の時間(
図3に示す例では、30分間)に相当するフレーム画像が記憶されると、それを一つの映像ファイルとし、上述したような情報を関連付けて映像テーブル611に記憶する。なお、映像の生成方法はこのような例に限られず、撮影装置2からライブ映像に加えて所定の時間ごとに映像ファイルが送信されるようにしてもよい。
【0040】
図4は、記憶部61に記憶されるタスクテーブル612のデータ構造を示す図である。タスクテーブル612は、店舗において行われるべき作業を示すタスクに関する情報を管理するテーブルであり、タスクID、作業内容、種類、生成方法、完了条件、センサ情報、期限、優先度、状態、完了時刻等を相互に関連付けて記憶する。
【0041】
タスクIDは、複数のタスクのそれぞれを識別するための情報である。作業内容は、各タスクが示す作業の内容を示す文字列である。この文字列が店舗端末表示部43および管理者端末表示部53に表示されることにより、従業員および管理者が店舗で行われるべき作業を把握することができる。種類は、各タスクが示す作業の分類を示す情報であり、後述する種類テーブル613に基づいて設定される。
【0042】
生成方法は、各タスクがユーザ(従業員または管理者をいう。)の操作入力に基づく手動生成方法によって生成されたか、ユーザの操作入力に基づかない自動生成方法によって生成されたかを示す情報である。
【0043】
各タスクは、ユーザの操作入力に基づく手動生成方法によって生成される。例えば、管理者は、店舗で行われるべき作業があると判断した場合には、管理者端末5に対する操作入力によってタスクを生成することができる。従業員も、店舗で行われるべき作業があると判断した場合には、店舗端末4に対する操作入力によってタスクを生成することができる。これらの場合、そのタスクには、手動生成方法によって生成されたことを示す情報が関連付けられる。
【0044】
各タスクは、ユーザの操作入力に基づくことなく、センサ情報に基づく自動生成方法によっても生成される。例えば、商品棚に設置された重量センサが、適切に商品が補充されていないことを示す情報を生成した場合に、その商品棚に商品を補充するという作業を示すタスクが生成される。撮影装置2によって生成された映像から、店舗の床に汚れがあることを示す情報が検出された場合、その床を掃除するという作業を示すタスクが生成される。ゴミ箱に設置された超音波センサが、ゴミ箱が満杯であることを示す情報を生成した場合に、そのゴミ箱を点検するという作業を示すタスクが生成される。これらの場合、そのタスクには、自動生成方法によって生成されたことを示す情報が関連付けられる。
【0045】
完了条件は、各タスクがユーザの操作入力に基づく手動完了条件とユーザの操作入力に基づかない自動完了条件とのいずれが満たされたときに完了状態に設定されるかを示す情報である。センサ情報は、自動完了条件が関連付けられたタスクが、いずれのセンサ情報に基づいて完了状態に設定されるかを示す情報である。
【0046】
手動完了条件が関連付けられたタスクは、従業員の店舗端末4に対する操作入力に基づいて完了状態に設定される。従業員は、各タスクに対応する作業を行った後に、その作業が完了したことを示す、店舗端末4に対する操作入力を行う。手動完了条件が関連付けられたタスクは、管理者の管理者端末5に対する操作入力に基づいて完了状態に設定されてもよい。
【0047】
自動完了条件が関連付けられたタスクは、従業員の操作入力に基づくことなく、センサ情報が所定の条件を満たした場合に完了状態に設定される。
図4に示す例では、「商品棚B」に設置された重量センサが生成する情報が、商品が補充されていることを所定時間以上継続して示している場合に、「商品棚Bの補充」、すなわち、商品棚Bに商品を補充するという作業を示すタスクが完了状態に設定される。また、「カメラC」の撮影装置2によって生成された映像から検出される情報が、店舗の床に汚れがないことを所定時間以上継続して示している場合に、「床の掃除」、すなわち、店舗の床を掃除するという作業を示すタスクが完了状態に設定される。「ゴミ箱A」に設置された超音波センサが生成する情報が、ゴミ箱が満杯でないことを所定時間以上継続して示している場合には、「ゴミ箱Aの点検」、すなわちゴミ箱Aの状態を点検するという作業を示すタスクが完了状態に設定される。
【0048】
各タスクは、ユーザの操作入力に基づく手動生成方法、またはユーザの操作入力に基づかない自動生成方法によって生成される。他方で、各タスクは、手動生成方法または自動生成方法のいずれによって生成されたかに応じて、完了状態に設定されるために手動完了条件と自動完了条件のいずれが用いられるかが異なる。例えば、手動生成方法によって生成されたタスクが完了状態に設定されるためには手動完了条件が用いられ、自動生成方法によって生成されたタスクが完了状態に設定されるためには自動完了条件が用いられる。
【0049】
これにより、店舗で行われるべき作業が完了しているか否かが適切に管理される。すなわち、自動完了条件に基づいてタスクが完了状態に設定されることにより、作業を行った従業員が操作入力を行う必要がなくなるため、完了している作業を示すタスクが完了状態に設定されないまま放置されることが防止される。他方で、自動生成方法によっても生成可能なタスクが手動生成方法によって生成される場合というのは、店舗でその作業を必要とする異常な事態が発生している場合であると考えられる。この場合には、センサ情報ではなくユーザの操作入力に基づいて作業が完了したか否かが判定されることが好ましい。
【0050】
例えば、商品棚に本来とは異なる商品が補充されている場合、商品棚に載置されている商品の重量は正常であるため、商品棚に設置された重量センサの情報に基づいて商品を補充するという作業を示すタスクは生成されない。この場合、そのことに気付いたユーザが、手動生成方法によって商品棚に商品を補充するというタスクを生成する。このような場合には、商品棚に設置されている重量センサの情報に基づいて、商品棚から本来とは異なる商品が取り除かれて適切な商品が補充されたか否かを判断することができない。したがって、このタスクには手動完了条件が関連付けられ、このタスクは、適切な商品を補充した従業員の操作入力に基づいて完了状態に設定される。これにより、店舗で行われるべき作業が完了しているか否かが適切に管理される。
【0051】
また、床が汚れてはいないが濡れて滑りやすくなっている場合や、ゴミ箱が満杯ではないが入口が塞がれてゴミを投入しづらくなっている場合等にも、タスクは自動生成方法によっては生成されないため、手動生成方法によって生成される。この場合も、同様に、センサ情報ではなくユーザの操作入力に基づいて作業が完了したか否かが判定されることが好ましい。
【0052】
期限は、各タスクが示す作業を行うべき時刻を示す情報である。優先度は、各タスクの優先度を示す情報である。
図4に示す例では、優先度は「高」「中」「低」の3段階で設定されているが、このような例に限られず、2段階または4段階以上に設定されてもよく、数値によって設定されてもよい。優先度は、従業員が行うべき作業を判断するために用いられるほか、後述するように、タスクが示す作業の実行を促す通知を出力するために用いられる。手動生成方法によって生成されたタスクの期限および優先度は、タスクを生成したユーザによって指定される。自動生成方法によって生成されたタスクの期限および優先度は、タスクの種類に基づいて設定される。状態は、タスクが示す作業が完了したか否かを示す情報である。完了時刻は、作業が完了状態に設定された時刻である。手動完了条件が関連付けられたタスクについては、完了時刻は、従業員によって作業が完了したことを示す操作入力がされた時刻でもよい。
【0053】
図5は、記憶部61に記憶される種類テーブル613のデータ構造を示す図である。種類テーブル613は、タスクの種類に関する情報を管理するテーブルであり、種類、手動生成キーワード、自動生成方法、自動完了条件、期限、優先度、作業時刻等を相互に関連付けて記憶する。
【0054】
種類は、各タスクが示す作業の分類を示す情報であり、店舗で行われるべき作業に応じてあらかじめ設定される。手動生成キーワードは、手動生成方法によって各種類のタスクを生成するための語句である。
図5に示す例では、「商品補充」の種類のタスクの手動生成キーワードとして「補充、品出し」が設定されている。タスクを生成するユーザがタスクの作業内容として「補充」または「品出し」という語句を含む文字列を指定することにより、生成されるタスクに「商品補充」の種類が設定される。また、作業内容にいずれの手動生成キーワードも含まれない場合には、生成されるタスクには「その他」の種類が設定される。
【0055】
自動生成方法は、タスクが自動生成方法によって生成される場合に用いられるセンサ情報を示す情報である。
図5に示す例では、「商品補充」の種類のタスクの自動生成方法として「商品棚センサ」が設定されており、商品棚に設置された重量センサが生成した情報に基づいて「商品補充」の種類のタスクが生成されることが示されている。「掃除」の種類のタスクの自動生成方法として「映像」が設定されており、撮影装置2が生成した映像に基づいて「掃除」のタスクが生成されることが示されている。「ゴミ箱点検」の種類のタスクの自動生成方法として「ゴミ箱センサ」が設定されており、ゴミ箱に設置された超音波センサが生成した情報に基づいて「ゴミ箱点検」のタスクが生成されることが示されている。「商品棚点検」、「掲示物貼替え」および「その他」の種類のタスクには自動生成方法が設定されておらず、これらの種類のタスクは自動生成方法によっては生成されないことが示されている。
【0056】
自動完了条件は、タスクが自動完了条件に基づいて完了状態に設定される場合に用いられるセンサ情報を示す情報である。
図5に示す例では、「商品補充」の種類のタスクの自動完了条件として「商品棚センサ」が設定されており、商品棚に設置された重量センサが生成した情報が所定の完了条件を満たす場合に「商品補充」の種類のタスクが完了状態に設定されることが示されている。完了条件は、あらかじめセンサ情報ごとに設定されている。例えば、商品棚に設置された重量センサが生成する情報に関する完了条件は、商品棚に載置されている商品の重量が所定時間以上継続して所定重量以下であることである。
【0057】
センサ情報に基づいて作業を行うべきであると判定可能な作業の種類には、自動生成方法が設定される。また、センサ情報に基づいて作業が完了したことを判定可能な種類には、自動完了条件が設定される。センサ情報に基づいて作業を行うべきであると判定可能な作業の種類およびセンサ情報に基づいて作業が完了したことを判定可能な種類は、管理者等のユーザによってあらかじめ指定される。
【0058】
上述したように、手動生成方法によって生成されたタスクには手動完了条件が関連付けられ、自動生成方法によって生成されたタスクには自動完了条件が関連付けられる。したがって、自動生成方法が設定されていない種類、すなわち手動生成方法でのみ生成可能な種類には、自動完了条件が設定されない。
【0059】
なお、自動生成方法として設定されるセンサ情報と、自動完了条件として設定されるセンサ情報とは、相互に異なっていてもよい。例えば、「商品補充」の種類のタスクの自動生成方法として「商品棚センサ」が設定され、自動完了条件として「カメラ」が設定されてもよい。この場合、商品棚に設置された重量センサによって生成される情報が、所定時間以上継続して商品棚に載置されている商品の重量が所定重量以下であることを示している場合に、「商品補充」の種類のタスクが生成される。そして、撮影装置2から取得された商品棚の映像から検出される情報が、所定時間以上継続して商品棚に所定量以上の商品が載置されていることを示している場合に、「商品補充」の種類のタスクが完了状態に設定される。
【0060】
期限は、タスクが自動生成方法によって生成された場合に、生成されたタスクが示す作業が行われるべき期限である。優先度は、タスクが自動生成方法によって生成された場合に、生成されたタスクに設定される優先度である。
図5に示す例では、「商品補充」の種類には、期限として「15分」が、優先度として「高」が関連付けられている。したがって、「商品補充」の種類のタスクが自動生成方法によって生成された場合には、生成された時刻から15分後の時刻が期限として設定され、優先度として「高」が設定されることが示されている。
【0061】
作業時刻は、タスクが示す作業が行われた時刻のうち管理者が映像を確認することが望まれる時刻の算出方法である。後述するように、管理者端末5は、完了状態に設定されたタスクが示す作業の状況を撮影した映像を表示する。管理者端末5は、その際に、作業時刻を用いて、撮影装置2によって撮影された映像の中からタスクが示す作業の状況を撮影した映像を表示する。一般に、管理者が作業の状況としてどのような映像を確認したいと考えるかは作業の種類によって異なるため、作業時刻は、作業が完了状態に設定された完了時刻とタスクの種類とに基づいて異なる値に設定される。
【0062】
例えば、「商品棚点検」のタスクについては、管理者は、点検後の商品棚の映像ではなく、従業員が店内を巡回して商品棚を適切に点検しているか否かを示す映像、すなわち作業が行われている途中の映像を確認したいと考える。したがって、「商品棚点検」の種類の作業時刻として、完了時刻よりも前の時刻が設定されている。一方で、「商品補充」のタスクについては、管理者は、従業員が商品を補充している映像ではなく、商品が補充された商品棚の映像、すなわち作業が完了した時点の映像を確認したいと考える。したがって、「商品補充」の種類の作業時刻として、完了時刻が設定されている。このように、作業時刻は、管理者が各種類の作業の状況としてどのような映像を確認したいと考えるかに応じてあらかじめ設定される。
【0063】
以下では、店舗端末表示部43および管理者端末表示部53に表示される各種の画面について説明する。これらの画面は、店舗端末処理部45または管理者端末処理部55から店舗端末表示部43または管理者端末表示部53に供給される表示データに基づいて表示される。
【0064】
図6は、店舗端末表示部43に表示されるタスク表示画面100を示す図である。タスク表示画面100は、管理装置6から店舗端末4に送信されるタスク表示画面100の表示データに基づいて表示される。タスク表示画面100は、タスクリスト110、完了ボタン120、タスク追加ボタン130、報告追加ボタン140を含む。
【0065】
タスクリスト110は、生成されたタスクに関する情報を一覧表示するオブジェクトである。タスクリスト110は、タスクに関する情報として、タスクが完了状態であるか否か、タスクの内容、期限および優先度を表示する。
図6に示す例では、タスクリスト110の各行の左側にチェックがされているか否かに応じて、タスクが完了状態であるか否かが示されている。また、タスクリスト110の各行の右側には優先度が表示されており、「すぐに」と表記されている場合は優先度が「高」であり、「お手すき」と表記されている場合は優先度が「低」であり、特に表記がない場合は優先度が「中」であることが示されている。
【0066】
完了ボタン120は、タスクを完了状態に設定するためのオブジェクトである。従業員が店舗端末操作部44を操作して完了ボタン120を選択する操作をした場合に、店舗端末4は、管理装置6に対してタスクの完了指示を送信する。
【0067】
完了ボタン120は、タスクリスト110に含まれるタスクのうち、完了状態に設定されておらず、かつ自動完了条件が設定されていないタスクに対応するように表示される。したがって、
図6に示す例では、完了状態に設定されている「商品棚Aの点検」および「商品棚Bの補充」のタスクの完了ボタン120は表示されていない。また、自動完了条件が設定されている「床の掃除」および「ゴミ箱Aの点検」のタスクの完了ボタン120は表示されていない。完了状態に設定されておらず、かつ自動完了条件が設定されていない「ゴミ箱Bの点検」のタスクの完了ボタン120のみが表示されている。なお、完了ボタン120は、タスクリスト上のタスクの選択操作に応じて表示されるようにしてもよい。
【0068】
タスク追加ボタン130は、新たなタスクを生成するためのオブジェクトである。従業員が店舗端末操作部44を操作してタスク追加ボタン130を選択する操作をした場合に、後述するタスク追加画面200が表示される。報告追加ボタン140は、新たな報告を生成するためのオブジェクトである。従業員が店舗端末操作部44を操作して報告追加ボタン140を選択する操作をした場合に、後述する報告追加画面300が表示される。
【0069】
図7(A)は、店舗端末表示部43に表示されるタスク追加画面200を示す図である。タスク追加画面200は、管理装置6から店舗端末4に送信されるタスク追加画面200の表示データに基づいて表示される。タスク追加画面200は、テキストボックス210、追加ボタン220およびキャンセルボタン230を含む。
【0070】
テキストボックス210は、従業員が店舗端末操作部44を操作して、作業内容、期限および優先度を入力するためのオブジェクトである。テキストボックス210は、さらにタスクの種類を入力可能であってもよい。追加ボタン220は、タスクを生成するためのオブジェクトである。従業員が店舗端末操作部44を操作して追加ボタン220を選択する操作をした場合に、店舗端末4は、テキストボックス210に入力されている作業内容、期限および優先度を含むタスクの生成指示を管理装置6に送信する。キャンセルボタン230は、タスクの生成を中止するためのオブジェクトである。従業員が店舗端末操作部44を操作してキャンセルボタン230を選択する操作をした場合に、タスク表示画面100が表示される。
【0071】
図7(B)は、店舗端末表示部43に表示される報告追加画面300を示す図である。報告追加画面300は、テキストボックス310、追加ボタン320およびキャンセルボタン330を含む。
【0072】
テキストボックス310は、従業員が店舗端末操作部44を操作して、報告内容および時刻を入力するためのオブジェクトである。追加ボタン320は、報告を生成するためのオブジェクトである。従業員が店舗端末操作部44を操作して追加ボタン320を選択する操作をした場合に、店舗端末4は、テキストボックス310に入力されている報告内容および時刻を含む報告の生成指示を管理装置6に送信する。キャンセルボタン330は、報告の生成を中止するためのオブジェクトである。従業員が店舗端末操作部44を操作してキャンセルボタン330を選択する操作をした場合に、タスク表示画面100が表示される。
【0073】
報告は、従業員から管理者に伝達すべき事項があるときに、従業員によって生成される。後述するように、管理者端末5は、報告を選択することにより、選択された報告があった時刻における店舗の状況を示す映像を表示する。したがって、従業員は報告すべき事態が生じた時刻と簡単な報告内容のみを入力すれば足り、従業員の報告作業の負担が低減される。また、管理者は、映像により従業員からの報告内容をより具体的に把握することができるようになる。なお、時刻の入力が省略されてもよい。この場合、報告が行われた時刻が報告すべき事態が生じた時刻とされてもよい。
【0074】
図8は、管理者端末表示部53に表示されるライブ映像表示画面400を示す図である。ライブ映像表示画面400は、店舗の状況をリアルタイムに示すライブ映像を表示するための画面であり、管理装置6から管理者端末5に送信されるライブ映像表示画面400の表示データに基づいて表示される。ライブ映像表示画面400は、切替タブ410、時刻表示420、ライブ映像430、完了タスクリスト440、追加ボタン450を含む。ライブ映像430は映像の表示領域の一例であり、完了タスクリスト440はタスクの表示領域の一例である。
【0075】
切替タブ410は、ライブ映像表示画面400と後述する録画映像表示画面500とを切り替えるためのオブジェクトである。管理者が管理者端末操作部54を操作して切替タブ410の「録画映像」を選択した場合に、ライブ映像表示画面400に代えて録画映像表示画面500が表示される。時刻表示420は、現在時刻を示す文字列を表示するオブジェクトである。
【0076】
ライブ映像430は、撮影装置2から取得された、店舗の状況をリアルタイムに示す映像である。
図8に示す例では、6つの撮影装置2から取得された映像がそれぞれリアルタイムに表示されている。完了タスクリスト440は、生成されたタスクのうち、完了状態に設定されたタスクのみに関する情報を選択可能に一覧表示するオブジェクトである。追加ボタン450は、新たなタスクを生成するためのオブジェクトである。管理者が管理者端末操作部54を操作して追加ボタン450を選択する操作をした場合に、前述したタスク追加画面200と同様の画面が表示される。管理者は、表示された画面に対する操作入力によってタスクを生成することができる。
【0077】
図9は、管理者端末表示部53に表示される録画映像表示画面500を示す図である。録画映像表示画面500は、店舗の過去の状況を示す録画映像を表示するための画面であり、管理装置6から管理者端末5に送信される録画映像表示画面500の表示データに基づいて表示される。録画映像表示画面500は、切替タブ510、映像情報表示520、録画映像530、シークバー540、完了タスク情報550、完了タスクリスト560および追加ボタン570を含む。録画映像530は映像の表示領域の一例であり、完了タスク情報550および完了タスクリスト560はタスクの表示領域の一例である。
【0078】
切替タブ510は、録画映像表示画面500とライブ映像表示画面400とを切り替えるためのオブジェクトである。管理者が管理者端末操作部54を操作して切替タブ510の「ライブ映像」を選択した場合に、録画映像表示画面500に代えてライブ映像表示画面400が表示される。映像情報表示520は、表示されている録画映像に関する情報を表示するためのオブジェクトである。
図9に示す例では、録画映像に関する情報として、映像ID並びに映像の開始時刻および終了時刻が示されている。
【0079】
録画映像530は、管理装置6に記憶された、店舗の過去の状況を示す映像である。
図8に示す例では、6つの撮影装置2によって撮影され、管理装置6に記憶された映像がそれぞれ表示されている。シークバー540は、表示されている録画映像530の再生箇所を示すためのオブジェクトである。シークバー540は、録画映像530として表示されているフレーム画像が撮影された時刻を、録画映像表示画面500上の位置により示す。管理者が管理者端末操作部54を操作してシークバー540を操作することにより、録画映像の再生箇所が変更される。なお、録画映像530は動画像として表示されるが、静止画像として表示されてもよい。
【0080】
完了タスク情報550は、生成されたタスクのうち、完了状態に設定されたタスクのみに関する情報を選択可能に一覧表示するオブジェクトである。完了タスク情報550は、各タスクの作業時刻の、シークバー540上における位置を識別可能に表示される。
図9に示す例では、「商品棚Bの補充」のタスクが、シークバー540の現在の再生箇所の下側に配置されている。すなわち、現在、「商品棚Bの補充」のタスクの作業時刻の映像が表示されていることが示されている。「商品棚Bの補充」のタスクの右側には「商品棚Aの点検」のタスクが配置されている。すなわち、「商品棚Bの補充」の作業時刻の映像の後に「商品棚Aの点検」の作業時刻の映像が表示されることが示されている。シークバー540が操作されて再生箇所が「商品棚Aの点検」のタスクの位置に移動された場合、「商品棚Aの点検」の作業時刻の映像が表示される。
【0081】
また、完了タスク情報550は、従業員の操作入力に基づいて生成された報告の内容を選択可能に一覧表示する。
図9に示す例では、「商品棚Aの点検」のタスクの右側には「不審者」に関する報告が表示されている。すなわち、「商品棚Aの点検」の作業時刻の映像の後に「不審者」の報告時刻の映像が表示されることが示されている。これにより、管理者は、従業員からの報告を、その報告の時刻における映像とともに確認することができるため、管理者が店舗の状況を容易かつ正確に把握することが可能となる。
【0082】
完了タスクリスト560は、生成されたタスクのうち、完了状態に設定されたタスクのみに関する情報を選択可能に一覧表示するリストである。追加ボタン570は、新たなタスクを生成するためのオブジェクトである。管理者が管理者端末操作部54を操作して追加ボタン570を選択する操作をした場合に、前述したタスク追加画面200と同様の画面が表示される。
【0083】
ライブ映像表示画面400の完了タスクリスト440に表示されたタスクのうちのいずれかのタスクが選択された場合、ライブ映像表示画面400に代えて録画映像表示画面500が表示される。このとき、録画映像表示画面500は、シークバー540が示す再生箇所が選択されたタスクの作業時刻となるように表示される。そして、録画映像530には、選択されたタスクの作業時刻のフレーム画像に続く映像が表示される。例えば、
図8に示すライブ映像表示画面400の完了タスクリスト440の「商品棚Bの補充」のタスクが選択された場合、
図9に示すように、シークバー540の再生箇所が「商品棚Bの補充」の作業時刻となった状態で録画映像表示画面500が表示される。また、録画映像530には、「商品棚Bの補充」の作業時刻のフレーム画像に続く映像が表示される。これにより、管理者が完了した作業の状況を容易に把握することが可能となる。
【0084】
録画映像表示画面500の完了タスクリスト560に表示されたタスクのうちのいずれかのタスクが選択された場合も、シークバー540が示す再生箇所が選択されたタスクの作業時刻となる。また、録画映像530には、選択されたタスクの作業時刻のフレーム画像に続く映像が表示される。
【0085】
また、完了タスク情報550に表示されたタスクのうちのいずれかのタスクが選択された場合も、シークバー540が示す再生箇所が選択されたタスクの作業時刻となる。また、録画映像530には、選択されたタスクの作業時刻のフレーム画像に続く映像が表示される。完了タスク情報550に表示された報告のうちのいずれかが選択された場合も、シークバー540が示す再生箇所が選択された報告の時刻となり、録画映像530には選択された報告の時刻のフレーム画像に続く映像が表示される。
【0086】
上述した説明では、録画映像表示画面500の完了タスク情報550はタスクを選択可能に表示するものとしたが、完了タスク情報550に表示されるタスクは選択可能でなくてもよい。この場合も、完了タスク情報550が各タスクの作業時刻のシークバー540における位置を示しているため、管理者は、シークバー540の再生箇所を各タスクが表示されている位置(
図9に示す例では、旗のマークの位置)に設定することにより、店舗の作業の状況を容易に把握することができる。
【0087】
また、ライブ映像表示画面400の完了タスクリスト440並びに録画映像表示画面500の完了タスク情報550および完了タスクリスト560のうちの一部は、表示されなくてもよい。完了タスクリスト440および560に代えて、完了状態に設定されていないタスクを含むリストが表示されてもよい。
【0088】
以下では、管理装置6によって実行される処理の流れについて説明する。管理装置6は、タスク手動生成処理、タスク表示処理、完了状態設定処理、自動判定処理、通知処理および映像表示処理を実行する。これらの処理は、記憶部61に記憶されたプログラムに基づいて、処理部63が管理装置6の各構成と協働することにより実現される。また、これらの処理は、並行して実行される。
【0089】
図10は、タスク手動生成処理の流れを示すフロー図である。タスク手動生成処理は、店舗端末4または管理者端末5が、管理装置6に対して、タスクの生成指示を送信したことに応じて実行される。店舗端末4は、タスク追加画面200の追加ボタン220が選択されたことに応じて、店舗端末通信部42を介して、タスクの生成指示を送信する。管理者端末5は、ライブ映像表示画面400の追加ボタン450または録画映像表示画面500の追加ボタン570が選択された場合に表示されるタスク追加画面に対する操作入力に基づいて、管理者端末通信部52を介して、タスクの生成指示を送信する。
【0090】
最初に、取得部631は、通信部62を介して、タスクの生成指示を取得する(ステップS11)。タスクの生成指示には、店舗端末操作部44に対する従業員の操作入力、または管理者端末操作部54に対する管理者の操作入力に基づく作業内容、期限および優先度が含まれる。
【0091】
次に、生成部632は、生成指示の内容に基づいてタスクの種類を特定する(ステップS12)。生成部632は、生成指示に含まれる作業内容を取得する。生成部632は、種類テーブル613を参照して、取得された作業内容に含まれる手動生成キーワードに基づいて、タスクの種類を特定する。
【0092】
次に、生成部632は、特定された種類のタスクを生成する(ステップS13)。生成部632は、特定された種類、手動生成方法によって生成されたことを示す情報、手動完了条件に基づいて完了状態に設定されることを示す情報、並びに生成指示に含まれる作業内容、期限および優先度を設定して、タスクをタスクテーブル612に記憶する。以上で、タスク手動生成処理は終了する。
【0093】
図11は、タスク表示処理の流れを示すフロー図である。タスク表示処理は、店舗端末4が管理装置6に対してタスク表示画面100の表示要求を送信したことに応じて実行される。店舗端末4は、店舗端末操作部44に対する、タスク表示画面100を表示するためのアプリケーションプログラムを実行させる操作に応じて、店舗端末通信部42を介して、タスク表示画面100の表示要求を送信する。
【0094】
最初に、取得部631は、通信部62を介して、タスク表示画面100の表示要求を取得する(ステップS21)。
【0095】
次に、表示制御部633は、タスク表示画面100の表示データを生成する(ステップS22)。表示制御部633は、タスク表示画面100のタスクリスト110に表示されるタスクに関する情報をタスクテーブル612から取得する。表示制御部633は、タスクテーブル612を参照して、各タスクに手動完了条件が設定されているか否かに基づいて、各完了ボタン120を表示するか否かを決定する。表示制御部633は、あらかじめ設定されたレイアウトに基づいて、タスクリスト110、完了ボタン120等の各オブジェクトを表示するタスク表示画面100の表示データを生成する。
【0096】
次に、表示制御部633は、通信部62を介して、タスク表示画面100の表示データを店舗端末4に対して送信することにより、タスク表示画面100を店舗端末4に表示させる(ステップS23)。以上で、タスク表示処理は終了する。
【0097】
図12は、完了状態設定処理の流れを示すフロー図である。完了状態設定処理は、店舗端末4が管理装置6に対してタスクの完了指示を送信したことに応じて実行される。店舗端末4は、店舗端末操作部44に対する、タスク表示画面100の完了ボタン120を選択する操作入力に応じて、店舗端末通信部42を介して、完了ボタン120が選択されたタスクの完了指示を送信する。
【0098】
最初に、取得部631は、通信部62を介して、タスクの完了指示を取得する(ステップS31)。タスクの完了指示には、完了ボタン120が選択されたタスクのタスクIDが含まれる。
【0099】
次に、設定部634は、完了指示に基づいて、タスクを完了状態に設定する(ステップS32)。設定部634は、タスクテーブル612において、完了指示に含まれるタスクIDが示すタスクを完了状態に設定する。設定部634は、タスクテーブル612において、現在時刻をタスクの完了時刻として記憶する。設定部634は、完了ボタン120が選択された時刻またはタスクの完了指示が送信された時刻をタスクの完了時刻として記憶してもよい。
【0100】
次に、特定部635は、完了状態に設定されたタスクの完了時刻と種類とに基づいて、作業時刻を算出する(ステップS33)。特定部635は、完了状態に設定されたタスクの種類をタスクテーブル612から取得する。特定部635は、取得された種類に対応する作業時刻の算出方法を種類テーブル613から取得する。特定部635は、取得された算出方法に基づいて、タスクの完了時刻から作業時刻を算出する。
【0101】
次に、特定部635は、記憶部61に記憶された映像のうちから、作業時刻の画像を特定する(ステップS34)。特定部635は、映像テーブル611を参照し、作業時刻のフレーム画像を含む映像を特定する。特定部635は、特定した映像のうちから、作業時刻のフレーム画像を特定する。作業時刻のフレーム画像は、例えば、映像に含まれるフレーム画像に付加されたタイムスタンプに基づいて特定される。特定部635は、特定したフレーム画像に、完了状態に設定されたタスクの作業の状況を撮影した画像であることを示す情報を関連付ける。このようにして、特定部635は、作業時刻に対応する、映像の時間軸上の位置を特定する。以上で、完了状態設定処理は終了する
【0102】
図13は、自動判定処理の流れを示すフロー図である。自動判定処理は、管理装置6によって所定時間ごとに実行される。
【0103】
最初に、取得部631は、通信部62を介してセンサ情報を取得する(ステップS41)。取得部631は、通信部62を介して、撮影装置2から店舗の状況を撮影した映像をセンサ情報として取得する。また、取得部631は、通信部62を介して、センサ3からセンサ3によって生成された店舗の状況を示す各種の情報をセンサ情報として取得する。取得部631は、取得したセンサ情報を記憶部61に記憶する。
【0104】
次に、生成部632は、タスクを自動生成方法により生成するための生成条件が満たされているか否かを判定する(ステップS42)。生成部632は、記憶部61に記憶されているセンサ情報に基づいて、種類テーブル613に記憶されている各種の生成条件が満たされているか否かを判定する。
【0105】
例えば、商品棚に設置されている重量センサによって生成された情報が、商品棚に載置されている商品の重量が所定時間以上継続して閾値以下であることを示している場合、生成部632は、「商品棚センサ」に関する生成条件が満たされたと判定する。また、ゴミ箱に設置されている超音波センサによって生成された情報が、ゴミ箱の内容量が所定時間以上継続して閾値以上であることを示している場合、生成部632は、「ゴミ箱センサ」に関する生成条件が満たされたと判定する。
【0106】
また、撮影装置2によって生成された映像が、店舗の床に汚れがあることを所定時間以上継続して示している場合、生成部632は、「映像」に関する生成条件が満たされたと判定する。例えば、生成部632は、撮影装置2によって生成された映像に含まれるフレーム画像に背景差分法等の方法を適用し、あらかじめ設定された背景画像と画素値の異なる差分領域を特定する。生成部632は、特定した差分領域の特徴量を抽出することにより、差分領域に床の汚れが含まれているか否かを判定する。生成部632は、撮影時刻が連続する複数の画像に対してこのような処理を適用することにより、映像が店舗の床に汚れがあることを所定時間以上継続して示しているか否かを判定する。
【0107】
いずれかのタスクの生成条件が満たされている場合(ステップS42-Yes)、生成部632は、生成条件が満たされている種類のタスクを生成する(ステップS43)。生成部632は、生成条件が満たされているセンサ情報に基づいて、生成されるタスクの作業内容を設定する。例えば、生成条件が満たされているセンサ情報が「商品棚B」に設置された重量センサであり、生成されるタスクの種類が「商品補充」である場合には、生成部632は、あらかじめ定められた規則に基づいて「商品棚Bの補充」という作業内容を設定する。生成部632は、種類テーブル613を参照して、生成されるタスクの期限および優先度を設定する。また、生成部632は、生成条件が満たされているセンサ情報に基づいて、生成されるタスクの自動完了条件の内容を設定する。例えば、生成条件が満たされているセンサ情報が「商品棚B」の重量センサである場合には、生成部632は、生成されるタスクの完了条件として自動完了条件を設定する。また、生成部632は、生成されるタスクが「商品棚B」の重量センサによって生成されるセンサ情報に基づいて完了状態に設定されることを設定する。生成部632は、設定された作業内容、完了条件、センサ情報、期限および優先度が関連付けられたタスクをタスクテーブル612に記憶する。
【0108】
いずれのタスクの自動生成条件も満たされていない場合(ステップS42-No)、自動判定処理はステップS44に進む。
【0109】
次に、設定部634は、タスクの自動完了条件が満たされているか否かを判定する(ステップS44)。設定部634は、記憶部61に記憶されているセンサ情報に基づいて、タスクテーブル612に記憶されている各タスクの完了条件が満たされているか否かを判定する。
【0110】
タスクの自動完了条件が満たされていると判定された場合(ステップS44-Yes)、設定部634は、自動完了条件が満たされているタスクを完了状態に設定する(ステップS45)。また、特定部635は、完了状態に設定されたタスクの作業時刻を算出し(ステップS46)、記憶部61に記憶された映像のうちから、作業時刻の画像を特定する(ステップS47)。ステップS45-S47の処理は、完了状態設定処理のステップS32-S34の処理と同様である。以上で、自動判定処理が終了する。
【0111】
図14は、通知処理の流れを示すフロー図である。通知処理は、管理装置6によって所定時間ごとに実行される。
【0112】
最初に、算出部636は、完了状態に設定されていないタスクがタスクテーブル612に記憶されているか否かを判定する(ステップS51)。完了状態に設定されていないタスクが記憶されていない場合(ステップS51-No)、通知処理が終了する。
【0113】
完了状態に設定されていないタスクが記憶されている場合(ステップS51-Yes)、算出部636は、店舗の繁忙度を算出することにより推定する(ステップS52)。例えば、算出部636は、店舗の従業員数、店舗の客数および完了状態に設定されていないタスクの数に基づいて、繁忙度を算出する。
【0114】
店舗の従業員数は、例えば、あらかじめ記憶部61に記憶された時間帯ごとの従業員数と、現在時刻とに基づいて算出される。店舗の客数は、例えば、撮影装置2によって生成された店舗の映像に基づいて算出される。この場合、撮影装置2によって生成された映像の複数のフレーム画像から、特徴量に基づいて、人物領域を抽出する。そして、公知のトラッキング技術等を用いて複数のフレーム画像の間で同一の人物を対応付けることにより、店舗にいる人数を算出する。算出された人数から従業員数を減ずることにより店舗の客数を算出する。完了状態に設定されていないタスクの数は、タスクテーブル612に基づいて算出される。
【0115】
算出部636は、店舗の従業員数、店舗の客数および時間情報(時間帯、日、時期等)が所定の条件を満たすか否かに基づいて、繁忙度を算出する。例えば、算出部636は、従業員数が1人である、客数が10人以上である、および昼の時間帯である、という条件のうちの一つ以上の条件が満たされる場合に、繁忙度が高いと算出する。算出部636は、繁忙度が高いと算出されておらず、かつスタッフ数が2人である、客数が3人以上である、および夜の時間帯である、という条件のうちの一つ以上の条件が満たされる場合に、繁忙度が中程度であると算出する。算出部636は、繁忙度が高い、または中程度でない場合に、繁忙度が低いと算出する。
【0116】
繁忙度の算出方法は上述した例に限られない。例えば、繁忙度は、完了状態に設定されていないタスクの状況(例えば、優先度)にさらに基づいて算出されてもよい。また、繁忙度は、店舗の客数に代えて、または店舗の客数に加えて、会計を待っている客数に基づいて算出されてもよい。また、繁忙度は、天候の情報にさらに基づいて算出されてもよい。また、時間帯として、従業員が交代する時間帯や特定の作業が行われる時間帯(例えば、商品の納入など)、セール等のイベントが開催されている時間帯が用いられてもよい。
【0117】
また、繁忙度は、店舗の従業員数、店舗の客数および時間情報のうちの1つまたは2つのみを用いて算出されてもよい。繁忙度は、店舗の従業員数、店舗の客数および時間情報を総合的に考慮して算出されてもよい。例えば、従業員数が1人である、客数が10人以上である、昼の時間帯の場合はそれぞれ3ポイントとし、スタッフ数が2人である、客数が3人~9人である、夜の時間帯の場合はそれぞれ2ポイントとし、スタッフ数が3人以上である、客数が2人以下である、朝の時間帯の場合はそれぞれ1ポイントとする。そして、合計ポイントが7ポイント以上の場合は繁忙度が高いと算出し、5~6ポイントの場合は繁忙度が中程度と算出し、4ポイント以下の場合は繁忙度が低いと算出する。
【0118】
次に、通知部637は、従業員に通知をする条件が満たされているか否かを判定する(ステップS53)。従業員に通知をする条件は、店舗の繁忙度に基づく条件である。例えば、従業員に通知をする条件は、繁忙度が所定値以下であることである。
【0119】
従業員に通知をする条件が満たされていない場合(ステップS53-No)、ステップS55に進む。
【0120】
従業員に通知をする条件が満たされている場合(ステップS53-Yes)、通知部637は、店舗端末4に対して、タスクが示す作業の実行を促す通知を出力する(ステップS54)。例えば、通知部637は、通信部62を介して、不図示の通知サーバに対して、完了状態に設定されていないタスクの作業内容を含むメッセージの通知指示を送信する。通知指示を受信した通知サーバは、店舗端末4に対して、期限からの経過時間が所定時間以上であるタスクが示す作業の実行を促すメッセージを含む通知を送信する。通知を受信した店舗端末4は、作業の実行を促すメッセージをポップアップ表示する。作業の実行を促すメッセージは、例えば「商品棚Bの補充を実行してください。」等である。通知サーバは、メールサーバ、プッシュ通知サーバ等である。なお、通知サーバは、店舗端末4とは別に従業員が携帯する携帯端末等に対して通知を送信してもよい。
【0121】
次に、通知部637は、管理者に通知をする条件が満たされているか否かを判定する(ステップS55)。管理者に通知をする条件は、例えば、店舗端末4に対する通知の出力から所定時間が経過しても、その通知が示すタスクが完了状態に設定されていないことである。
【0122】
管理者に通知をする条件が満たされていない場合(ステップS55-No)、通知処理が終了する。
【0123】
管理者に通知をする条件が満たされている場合(ステップS55-Yes)、通知部637は、管理者端末5に対して、タスクが示す作業の実行を促す通知を出力する(ステップS54)。例えば、通知部637は、通知サーバを介して、管理者端末5に対して、完了状態に設定されていないタスクが示す作業の実行を促すメッセージを送信する。以上で、通知処理が終了する。
【0124】
図15および
図16は、映像表示処理の流れの例を示すフロー図である。映像表示処理は、管理者端末5がライブ映像表示画面400の表示要求を送信したときに実行される。管理者端末5は、ライブ映像表示画面400を表示するためのアプリケーションプログラムを実行させる、管理者端末操作部54に対する操作入力があったことに応じて、管理者端末通信部52を介して、ライブ映像表示画面400の表示要求を送信する。
【0125】
図15を参照して、最初に、取得部631は、通信部62を介して、ライブ映像表示画面400の表示要求を取得する(ステップS61)。
【0126】
次に、表示制御部633は、ライブ映像表示画面400の表示データを生成する(ステップS62)。表示制御部633は、ライブ映像表示画面400の完了タスクリスト440に表示される、完了状態に設定されているタスクに関する情報をタスクテーブル612から取得する。表示制御部633は、あらかじめ設定されたレイアウトに基づいて、完了タスクリスト440を含む各オブジェクトを表示するライブ映像表示画面400の表示データを生成する。
【0127】
次に、表示制御部633は、通信部62を介して、ライブ映像表示画面400の表示データを管理者端末5に送信することにより、ライブ映像表示画面400を管理者端末5に表示させる(ステップS63)。
【0128】
次に、表示制御部633は、通信部62を介して、記憶部61に記憶された映像のうちの最新のフレーム画像を管理者端末5に送信する(ステップS64)。送信された画像は、管理者端末5において、ライブ映像表示画面400のライブ映像430として表示される。
【0129】
次に、表示制御部633は、管理者端末5からタスク選択指示が受信されたか否かを判定する(ステップS65)。管理者端末5は、ライブ映像表示画面400の完了タスクリスト440に表示されたタスクのうちのいずれかのタスクが選択された場合に、管理者端末通信部52を介して、タスク選択指示を送信する。タスク選択指示には、選択されたタスクのタスクIDが含まれる。
【0130】
タスク選択指示が受信された場合(ステップS65-Yes)、表示制御部633は、選択されたタスクの作業の状況を撮影したことを示す情報が関連付けられているフレーム画像を録画映像の再生箇所として設定する(ステップS65a)。映像表示処理は、録画映像表示画面500を表示させるためにステップS71に進む。
【0131】
タスク選択指示が受信されていない場合(ステップS65-No)、表示制御部633は、管理者端末5から切替指示が受信されたか否かを判定する(ステップS66)。管理者端末5は、ライブ映像表示画面400の切替タブ410が選択された場合に、管理者端末通信部52を介して、切替指示を送信する。
【0132】
切替指示が受信された場合(ステップS66-Yes)、映像表示処理は、録画映像表示画面500を表示させるためにステップS71に進む。
【0133】
切替指示が受信されていない場合(ステップS66-No)、表示制御部633は、管理者端末5から終了指示が受信されたか否かを判定する(ステップS67)。管理者端末5は、管理者端末操作部54に対する、ライブ映像表示画面400の表示を終了させる操作入力がなされた場合に、管理者端末通信部52を介して終了指示を送信する。
【0134】
終了指示が受信された場合(ステップS67-Yes)、映像表示処理は終了する。
【0135】
終了指示が受信されていない場合(ステップS67-No)、ステップS64に戻り、表示制御部633は、記憶部61に記憶された映像のうちの最新のフレーム画像を再び管理者端末5に送信する。すなわち、表示制御部633は、タスク選択指示、切替指示または終了指示が受信されるまで、撮影装置2から取得されて記憶部61に記憶された最新のフレーム画像を管理者端末5に順次送信する。これにより、管理者端末5に店舗の状況がリアルタイムに表示される。
【0136】
図16を参照し、タスク選択指示又は切替指示が受信された場合、表示制御部633は、録画映像表示画面500の表示データを生成する(ステップS71)。録画映像の再生箇所が設定されている場合、表示制御部633は、録画映像表示画面500のシークバー540を、設定された再生箇所を示すように設定する。録画映像の再生箇所が設定されていない場合、表示制御部633は、シークバー540の再生箇所を、所定の映像(例えば、最新に生成された映像ファイルの映像)の開始時点を示すように設定する。また、表示制御部633は、録画映像表示画面500の完了タスクリスト560に表示される、完了状態に設定されているタスクに関する情報をタスクテーブル612から取得する。表示制御部633は、あらかじめ設定されたレイアウトに基づいて、シークバー540、完了タスクリスト560を含む各オブジェクトを表示する録画映像表示画面500の表示データを生成する。
【0137】
次に、表示制御部633は、通信部62を介して、録画映像表示画面500の表示データを管理者端末5に送信することにより、録画映像表示画面500を管理者端末5に表示させる(ステップS72)。
【0138】
次に、表示制御部633は、通信部62を介して、記憶部61に記憶された映像のうちの、現在の再生箇所に続くフレーム画像を管理者端末5に送信する(ステップS73)。送信された画像は、管理者端末5において、録画映像表示画面500の録画映像530として表示される。
【0139】
次に、表示制御部633は、管理者端末5からタスク選択指示が受信されたか否かを判定する(ステップS74)。管理者端末5は、録画映像表示画面500の完了タスクリスト560に表示されたタスクのうちのいずれかのタスクが選択された場合に、管理者端末通信部52を介して、タスク選択指示を送信する。タスク選択指示には、選択されたタスクのタスクIDが含まれる。
【0140】
タスク選択指示が受信された場合(ステップS74-Yes)、表示制御部633は、再生箇所を選択されたタスクの作業時刻に設定する(ステップS74a)。表示制御部633は、選択されたタスクの作業の状況を撮影したことを示す情報が関連付けられているフレーム画像を再生箇所に設定する。その後、ステップS73に進み、表示制御部633は、記憶部61に記憶された映像のうちの、設定された再生箇所に続くフレーム画像を管理者端末5に送信する。これにより、選択されたタスクが示す作業の状況を撮影した映像が管理者端末5に表示される。
【0141】
タスク選択指示が受信されていない場合(ステップS74-No)、表示制御部633は、管理者端末5からシークバー操作指示が受信されたか否かを判定する(ステップS75)。管理者端末5は、録画映像表示画面のシークバーが操作され、再生箇所が変更された場合に、管理者端末通信部52を介してシークバー操作指示を送信する。シークバー操作指示には、変更後の再生箇所を示す情報が含まれる。
【0142】
シークバー操作指示が受信された場合(ステップS75-Yes)、表示制御部633は、タイムスタンプに基づいてシークバーの操作によって指定された時刻のフレーム画像を特定し、特定されたフレーム画像を録画映像の再生箇所に設定する(ステップS75a)。その後、ステップS73に進み、表示制御部633は、記憶部61に記憶された映像のうちの、設定された再生箇所に続くフレーム画像を管理者端末5に送信する。これにより、指定された再生箇所に対応する時刻における店舗の状況を撮影した映像が管理者端末5に表示される。
【0143】
シークバー操作指示が受信されていない場合(ステップS75-No)、表示制御部633は、切替指示が受信されたか否かを判定する(ステップS76)。管理者端末5は、録画映像表示画面500の切替タブ510が選択された場合に、管理者端末通信部52を介して、切替指示を送信する。
【0144】
切替指示が受信された場合(ステップS76-Yes)、映像表示処理は、ライブ映像表示画面400を表示させるためにステップS62に進む。
【0145】
切替指示が受信されていない場合(ステップS76-No)、表示制御部633は、終了指示が受信されたか否かを判定する(ステップS77)。管理者端末5は、管理者端末操作部54に対する、ライブ映像表示画面400の表示を終了させる操作入力がなされた場合に、管理者端末通信部52を介して終了指示を送信する。
【0146】
終了指示が受信された場合(ステップS77-Yes)、映像表示処理は終了する。
【0147】
終了指示が受信されていない場合(ステップS77-No)、ステップS73に戻り、表示制御部633は、記憶部61に記憶された映像のうち、現在の再生箇所に続くフレーム画像を再び管理者端末5に送信する。すなわち、表示制御部633は、タスク選択指示、シークバー操作指示、切替指示または終了指示が受信されるまで、撮影装置2から取得されて記憶部61に記憶されたフレーム画像を管理者端末5に順次送信する。これにより、管理者端末5に店舗の状況を撮影した映像が表示される。
【0148】
以上説明したように、管理装置6は、タスクが手動生成方法または自動生成方法のいずれによって生成されたかに応じて、タスクを完了状態に設定するために手動完了条件および自動完了条件のいずれを用いるかを異ならせる。これにより、管理装置6は、店舗で行われるべき作業が完了しているか否かを適切に管理することを可能とする。
【0149】
また、管理装置6は、店舗の繁忙度を算出し、繁忙度に基づいて、完了状態に設定されていないタスクが示す作業の実行を促す通知を出力する。これにより、管理装置6は、従業員の負担を考慮しつつ、店舗で行われるべき作業の実行を適切に促すことを可能とする。
【0150】
好ましくは、管理装置6は、店舗の客数、店舗の従業員数および時間情報に基づいて繁忙度を算出する。これにより、繁忙度が店舗の様々な要素に基づいて適切に算出されるため、管理装置6は、従業員の負担をより多角的に考慮しつつ、店舗で行われるべき作業の実行を適切に促すことを可能とする。
【0151】
また、管理装置6は、店舗端末4に対して通知を出力し、通知の出力から所定時間が経過しても通知が示すタスクが完了状態に設定されていない場合に、管理者端末5に対してさらに通知を出力する。これにより、店舗で行われるべき作業が所定時間実行させない場合にのみ管理者に通知がされるため、管理装置6は、管理者の負担を低減しつつ、店舗で行われるべき作業の実行を適切に促すことを可能とする。
【0152】
また、管理装置6は、管理者端末5に完了状態に設定されたタスクを選択可能に表示させ、表示されたタスクのうちのいずれかが選択された場合に、選択されたタスクが示す作業の状況を撮影したフレーム画像を管理者端末5に表示させる。これにより、管理装置6は、管理者が店舗の作業の状況を容易に把握することを可能とする。
【0153】
好ましくは、管理装置6は、タスクの完了時刻とタスクの種類とに基づいて作業時刻を算出して作業時刻のフレーム画像を特定し、管理者端末5においていずれかのタスクが選択された場合に、特定されたフレーム画像を表示させる。これにより、管理装置6は、管理者が作業の種類に応じて適切に作業の状況を容易に把握することを可能とする。
【0154】
好ましくは、管理装置6は、完了状態に設定されたタスクのみを選択可能に一覧表示する完了タスクリストを管理者端末5に表示させる。これにより、完了状態に設定されたタスク、すなわち作業の状況を撮影した映像が特定されたタスクのみが選択可能となるため、管理装置6は、管理者が店舗の作業の状況を映像により容易に把握することを可能とする。
【0155】
好ましくは、管理装置6は、管理者端末5において表示されている映像の再生箇所を示すシークバーを管理者端末5に表示するとともに、タスクの作業時刻の、シークバー上の位置を識別可能に表示する。これにより、管理装置6は、管理者がシークバーを操作して、直感的に店舗の作業の状況を把握することを可能とする。
【0156】
また、管理装置6は、ライブ映像を管理者端末5に表示させ、管理者端末5において何れかのタスクが選択された場合に、ライブ映像に代えて、選択されたタスクの作業時刻のフレーム画像を表示させる。これにより、管理装置6は、管理者が店舗の状況をリアルタイムに把握しながら、作業の状況をさらに把握することを可能とする。
【0157】
管理装置6には、次に述べるような各種の変形例が適用されてもよい。
【0158】
上述した説明では、設定部634は、タスクを完了状態に設定するために手動完了条件および自動完了条件のいずれかを用いるものとしたが、このような例に限られない。設定部634は、自動生成方法によって生成されたタスクを、手動完了条件および自動完了条件の両方が満たされた場合に完了状態に設定してもよい。
【0159】
この場合、自動判定処理のステップS43において、生成部632は、生成されるタスクの完了条件として手動完了条件と自動完了条件の両方を設定する。また、ステップS44において、設定部634は、自動完了条件および手動完了条件が満たされているか否かをそれぞれ判定する。
【0160】
自動完了条件および手動完了条件の両方が満たされている場合、設定部634は、タスクを完了状態に設定し、タスクの作業時刻を算出し、作業時刻の画像を特定する(ステップS45-S47)。手動完了条件が満たされているとは、取得部631がタスクの完了指示をすでに取得していることである。自動完了条件および手動完了条件の両方が満たされていない場合、自動判定処理が終了する。自動完了条件および手動完了条件のうちのいずれか一方のみが満たされている場合、設定部634は、その一方が満たされたことを示す情報をタスクに関連付けて記憶し、自動判定処理が終了する。
【0161】
また、完了状態設定処理のステップS32において、設定部634は、完了指示を取得したタスクに、自動完了条件が満たされたことを示す情報が関連付けられているか否かを判定する。設定部634は、自動完了条件が満たされたことを示す情報が関連付けられている場合にのみ、タスクを完了状態に設定する。
【0162】
このようにすることで、従業員の操作入力とセンサ情報との両方に基づいてタスクが完了状態に設定されるため、店舗において行われるべき作業が完了しているか否かがより正確に管理される。
【0163】
また、ステップS44において自動完了条件が満たされているが手動完了条件が満たされていないと判定された場合、通知部637は、店舗端末4または管理者端末5にユーザの操作入力を促す通知を出力するようにしてもよい。これにより、従業員が作業を完了したことを示す操作入力を怠り、作業が完了しているか否かが適切に管理されなくなることが防止される。
【0164】
上述した説明では、生成部632は、自動判定処理のステップS42において、自動生成方法として、センサ情報に基づいてタスクを生成するものとしたが、このような例に限られない。生成部632は、自動生成方法として、スケジュールに基づいて所定時間ごとにタスクを生成してもよい。
【0165】
この場合、ステップS42において、生成部632は、現在時刻があらかじめ設定された所定時刻である場合に、あらかじめ設定された種類のタスクを生成する。生成部632は、種類テーブル613において、生成されるタスクの種類に自動完了条件が関連付けられている場合には、生成されるタスクの完了条件として自動完了条件を設定し、生成されるタスクの種類に自動完了条件が関連付けられていない場合には、生成されるタスクの完了条件として手動完了条件を設定する。
【0166】
所定時間ごとに生成されるタスクが示す作業は、定常的な業務に関するものである場合が多い。この場合、手動生成方法によってタスクが生成される場合と異なり、センサ情報に基づいて作業が完了しているか否かが適切に判断可能である。したがって、自動生成方法として、所定時間ごとに生成されるタスクに自動完了条件が関連付けられることにより、作業が完了しているか否かが適切に判断可能である。
【0167】
上述した説明では、タスク生成処理のステップS12において、生成部632は、ユーザによって入力された作業内容に含まれる手動生成キーワードに基づいてタスクの種類を特定するものとしたが、このような例に限られない。生成部632は、作業内容の文字列に公知の形態素解析および意味解析を適用して、あらかじめ設定された複数の種類のうちからもっとも作業内容の文字列との関連性の高い種類を生成されるタスクの種類として特定してもよい。また、生成部632は、機械学習により生成された学習済みモデルを作業内容の文字列に適用することにより、生成されるタスクの種類を特定してもよい。
【0168】
上述した説明では、通知処理のステップS53-S54において、通知部637は、店舗の繁忙度に基づいて完了状態に設定されていないタスクが示す作業の実行を促す通知を出力するものとしたが、このような例に限られない。通知部637は、完了状態に設定されていない各タスクの状況にさらに基づいて、各タスクが示す作業の実行を促す通知を出力してもよい。
【0169】
タスクの状況は、例えばタスクの期限からの経過時間である。この場合、通知部637は、ステップS54において、期限からの経過時間が所定時間以上であるタスクについてのみ、通知を出力する。タスクの状況は、タスクが生成されてからの経過時間でもよい。この場合、通知部637は、ステップS54において、タスクが生成されてからの経過時間が所定時間以上であるタスクについてのみ、通知を出力する。タスクの状況は、完了状態に設定されていないタスクの数でもよい。この場合、通知部637は、ステップS54において、完了状態に設定されていないタスクの数が所定数以上である場合に、通知を出力する。タスクの状況は、タスクの優先度でもよい。この場合、通知部637は、ステップS54において、優先度が所定値以上であるタスクについてのみ、通知を出力する。また、タスクの状況は、期限からの経過時間またはタスクが生成されてからの経過時間と優先度との両方であってもよい。この場合、通知部637は、ステップS54において、期限からの経過時間またはタスクが生成されてからの経過時間が、優先度に応じて異なる所定時間以上であるタスクについてのみ、通知を出力する。
【0170】
上述した説明では、通知部637は、通知処理のステップS53-S54において店舗端末4に通知を出力し、ステップS55-S56において管理者端末5に通知を出力するものとしたが、このような例に限られない。通知部637は、従業員と管理者に共通の条件が満たされた場合に、店舗端末4と管理者端末5とに同時に通知を出力してもよい。
【0171】
上述した説明では、特定部635は、完了状態設定処理のステップS33-S34および自動判定処理のステップS46-S47において、作業時刻のフレーム画像を特定するものとしたが、このような例に限られない。特定部635は、作業時刻を算出することなく、タスクの完了時刻のフレーム画像を特定してもよい。この場合、ステップS33およびステップS46は実行されず、特定部635は、ステップS34およびステップS46において、特定されたフレーム画像に、完了状態に設定されたタスクの完了時刻の画像であることを示す情報を関連付ける。
【0172】
また、映像表示処理のステップS65aおよびS74aにおいて、表示制御部633は、完了時刻の画像であるフレーム画像と選択されたタスクの種類とに基づいて、選択されたタスクが示す作業の状況を撮影した画像を表示する。例えば、表示制御部633は、種類テーブル613から、選択されたタスクの種類に関連付けられている作業時刻の算出方法を取得する。表示制御部633は、選択されたタスクの完了時刻の画像であることを示す情報が関連付けられているフレーム画像のタイムスタンプを取得する。表示制御部633は、取得されたタイムスタンプと作業時刻の算出方法とに基づいて、選択されたタスクの作業時刻に相当するタイムスタンプが付与されているフレーム画像を再生箇所に設定する。このようにしても、管理者が店舗の状況をリアルタイムに把握しながら、作業の状況をさらに把握することが可能となる。
【0173】
表示制御部633は、作業開始から作業完了までの映像のみを切り出して再生するようにしてもよい。この場合、作業の開始時刻は、例えば、作業完了からタスクに応じた所定時間遡った時間に設定されてもよく、撮影映像に基づいて設定されてもよい。作業の開始時刻は、作業開始時に従業員又は管理者が店舗端末4において作業開始操作を行うことによって設定されてもよい。これにより、管理者が作業完了以降の映像を不必要に確認し続けてしまうことを防止できる。
【0174】
表示制御部633は、作業の所要時間が一定時間以上(例えば、10分以上)であるタスクの場合、作業の映像を再生速度を速くした状態(例えば、1.5倍速)で再生するようにしてもよい。これにより、管理者が効率よく作業の状況を確認することができる。
【0175】
図17は、他の実施形態に係る管理装置16の機能ブロック図である。管理装置16は、以下に説明する相違点を除き、管理装置6と同様の構成を有する。管理装置16は、記憶部61および処理部63に代えて記憶部161を有する点で管理装置6と相違する。
【0176】
記憶部161は、タスクテーブル612および種類テーブル613に代えてタスクテーブル1612および種類テーブル1613を記憶する点で記憶部61と相違する。
【0177】
図18はタスクテーブル1612のデータ構造を示す図であり、
図19は種類テーブル1613のデータ構造を示す図である。タスクテーブル1612は、生成方法及び完了条件が記憶されていない点でタスクテーブル612と相違する。また、種類テーブル1613は、手動完了条件を用いるか自動完了条件を用いるかを示す情報(手動/自動)を記憶している点で種類テーブル1613と相違する。すなわち、管理装置16において、タスクを完了状態に設定するために手動完了条件および自動完了条件のいずれを用いるかは、タスクの種類に応じて異なる。
【0178】
以下では、管理装置16によって実行される処理のうち、管理装置6によって実行される処理との相違点について説明する。
【0179】
タスク生成処理のステップS13において、生成部632は、種類テーブル1613を参照して、ステップS12で特定された種類のタスクに手動完了条件が用いられるか自動完了条件が用いられるかを判定する。自動完了条件が用いられる場合、生成部632は、生成指示に含まれる作業内容および特定された種類に基づいて、自動完了条件の判定に用いられるセンサ情報を特定する。例えば、作業内容に「商品棚B」という文字列が含まれており、種類が「商品補充」であれば、自動完了条件の判定には商品棚Bに設置された重量センサが用いられる。生成部632は、手動完了条件および自動完了条件のいずれに基づいて完了状態に設定されるかを示す情報、自動完了条件の判定に用いられるセンサ情報、生成指示に含まれていた作業内容、期限および優先度を関連付けて、タスクをタスクテーブル1612に記憶する。これにより、特定された種類のタスクが生成される。
【0180】
また、自動判定処理のステップS43において、生成部632は、生成条件が満たされているセンサ情報に基づいて、生成されているタスクの作業内容および種類を設定する。生成部632は、種類テーブル1613を参照して、設定された種類のタスクに手動完了条件が用いられるか自動完了条件が用いられるかを判定する。自動完了条件が用いられる場合、生成部632は、生成条件が満たされているセンサ情報を、生成されるタスクの自動完了条件の判定に用いられるセンサ情報として設定する。生成部632は、種類テーブル1613を参照して、生成されるタスクの期限および優先度を設定する。生成部632は、設定された作業内容、完了条件、センサ情報、期限および優先度が関連付けられたタスクをタスクテーブル1612に記憶する。
【0181】
以上説明したように、管理装置16は、複数種類のタスクを記憶し、タスクの種類に応じて、タスクを完了状態に設定するために手動完了条件および自動完了条件のいずれを用いるかを異ならせる。これにより、管理装置16は、店舗で行われるべき作業が完了しているか否かを適切に管理することを可能とする。
【0182】
また、管理装置16は、タスクの種類、および、タスクが手動生成方法または自動生成方法のいずれによって生成されたかに応じて、タスクを完了状態に設定するために手動完了条件および自動完了条件のいずれを用いるかを異ならせてもよい。この場合、種類テーブル1613は、手動/自動を示す情報に代えて、手動完了条件を用いるか、自動完了条件を用いるか、または生成方法に基づく完了条件を用いるかを示す情報を記憶する。
【0183】
この場合、生成処理のステップS13において、生成部632は、種類テーブル1613を参照して、ステップS12で特定された種類のタスクに手動完了条件が用いられるか、自動完了条件が用いられるか、生成方法に基づく完了条件が用いられるかを判定する。種類テーブル1613に手動完了条件が用いられることを示す情報、または生成方法に基づく完了条件が用いられることを示す情報が記憶されている場合、生成部632は、手動完了条件が用いられると判定する。種類テーブル1613に自動完了条件が用いられることを示す情報が記憶されている場合、生成部632は、自動完了条件が用いられると判定する。自動完了条件が用いられる場合、生成部632は、生成指示に含まれる作業内容および特定された種類に基づいて、自動完了条件の判定に用いられるセンサ情報を特定する。生成部632は、手動完了条件および自動完了条件のいずれに基づいて完了状態に設定されるかを示す情報、自動完了条件の判定に用いられるセンサ情報、生成指示に含まれていた作業内容、期限および優先度を関連付けて、タスクをタスクテーブル1612に記憶する。
【0184】
また、自動判定処理のステップS43において、生成部632は、生成条件が満たされているセンサ情報に基づいて、生成されているタスクの作業内容および種類を設定する。生成部632は、種類テーブル1613を参照して、設定された種類のタスクに手動完了条件が用いられるか、自動完了条件が用いられるか、生成方法に基づく完了条件が用いられるかを判定する。種類テーブル1613に手動完了条件が用いられることを示す情報が用いられることを示す情報が記憶されている場合、生成部632は、手動完了条件が用いられると判定する。種類テーブル1613に自動完了条件が用いられることを示す情報、または生成方法に基づく完了条件が用いられることを示す情報が記憶されている場合、生成部632は、自動完了条件が用いられると判定する。自動完了条件が用いられる場合、生成部632は、生成指示に含まれる作業内容および特定された種類に基づいて、自動完了条件の判定に用いられるセンサ情報を特定する。生成部632は、手動完了条件および自動完了条件のいずれに基づいて完了状態に設定されるかを示す情報、自動完了条件の判定に用いられるセンサ情報、生成指示に含まれていた作業内容、期限および優先度を関連付けて、タスクをタスクテーブル1612に記憶する。
【0185】
このようにすることで、管理装置16は、店舗で行われるべき作業が完了しているか否かをより適切に管理することを可能とする。すなわち、タスクの種類に応じて、種類に応じた完了条件を用いるべきか否かが異なる場合がある。例えば、「商品補充」のタスクや「掃除」のタスクの種類は、通常はセンサ情報に基づいて作業が完了したことが判定可能なことから自動完了条件が設定されている。しかしながら、商品棚に本来とは異なる商品が補充されている場合に手動生成方法によって生成された「商品補充」のタスクや、床が汚れてはいないが濡れて滑りやすくなっている場合に手動生成方法によって生成された「掃除」のタスクについては、センサ情報に基づいて作業が完了したことが適切に判定されない場合がある。タスクの種類に加えて、タスクの生成方法を考慮して完了条件を設定することにより、このような場合も作業の完了が適切に判定されるため、店舗で行われるべき作業が完了しているか否かがより適切に管理される。
【0186】
なお、管理装置16においても、管理装置6と同様に、設定部634は、手動完了条件および自動完了条件の両方が満たされた場合に完了状態に設定してもよい。この場合、種類テーブル1613において、タスクの種類に応じて、手動完了条件と自動完了条件のいずれか一方または両方が用いられることを示す情報があらかじめ設定される。通知部637は、自動完了条件が満たされているが手動完了条件が満たされていない場合、店舗端末4に通知を出力してもよい。
【0187】
当業者は、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。例えば、上述した実施形態及び変形例は、本発明の範囲において、適宜に組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0188】
1 店舗運営支援システム
6 管理装置
631 取得部
632 生成部
633 表示制御部
634 設定部
635 特定部
636 算出部
637 通知部