(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098493
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】マッサージ兼取り出し具、マッサージ兼取り出し具付き容器、マッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器および美容方法
(51)【国際特許分類】
A61H 39/04 20060101AFI20230703BHJP
A61H 7/00 20060101ALI20230703BHJP
A45D 40/26 20060101ALI20230703BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
A61H39/04 B
A61H7/00 300A
A45D40/26 Z
A45D34/04 510Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215293
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】秦 真誉
【テーマコード(参考)】
4C100
4C101
【Fターム(参考)】
4C100AD13
4C100AF03
4C100BB01
4C100CA01
4C100EA07
4C101BA01
4C101BC27
4C101BD12
4C101BE02
4C101EB14
(57)【要約】
【課題】マッサージ兼取り出し具を衛生的に使用することができる。
【解決手段】マッサージ兼取り出し具は、厚み方向に対向する第1側面および第2側面であって、把持する際に指がそれぞれ置かれるようになる第1側面および第2側面と、第1側面および第2側面の間を連結し、厚み方向に直交する長手方向に延びる底面と、を備える。長手方向における一側の端部に、容器に収容された収容物を掬い取る取り出し部が設けられ、長手方向における他側の端部に、マッサージに用いられる押圧部が設けられている。底面が載置面に接触するようにして載置面上に載置された載置状態で、取り出し部および押圧部は載置面から離れている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向に対向する第1側面および第2側面であって、把持する際に指がそれぞれ置かれるようになる第1側面および第2側面と、
前記第1側面および前記第2側面の間を連結し、前記厚み方向に直交する長手方向に延びる底面と、を備え、
前記長手方向における一側の端部に、容器に収容された収容物を掬い取る取り出し部が設けられ、
前記長手方向における他側の端部に、マッサージに用いられる押圧部が設けられ、
前記底面が載置面に接触するようにして前記載置面上に載置された載置状態で、前記取り出し部および前記押圧部は前記載置面から離れている、マッサージ兼取り出し具。
【請求項2】
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記底面は、前記長手方向の両側において前記載置面から離れるように湾曲している、請求項1に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項3】
前記長手方向における前記マッサージ兼取り出し具の長さは、前記長手方向および前記厚み方向の両方に直交する短手方向における前記マッサージ兼取り出し具の長さよりも長く、
前記短手方向における前記マッサージ兼取り出し具の長さは、前記厚み方向における前記マッサージ兼取り出し具の長さよりも長い、請求項1または2に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項4】
前記マッサージ兼取り出し具は、前記厚み方向における前記マッサージ兼取り出し具の中心を通過する中心面であって、前記厚み方向に直交する中心面に対して面対称に構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項5】
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記取り出し部は、前記載置面に近接した下縁と、前記下縁よりも前記載置面から離れた上縁と、を含み、
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記取り出し部の前記下縁および前記上縁は、前記長手方向における前記一側に向けて前記載置面から離れるように傾斜している、請求項1~4のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項6】
前記取り出し部の前記厚み方向への厚みは、前記長手方向における前記一側に向かうにつれて薄くなっている、請求項1~5のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項7】
前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方に、指を受ける凹部が設けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項8】
前記第1側面および前記第2側面の両方に、それぞれ前記凹部が設けられている、請求項7に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項9】
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記長手方向における前記マッサージ兼取り出し具の中心よりも前記他側に、前記長手方向における前記凹部の中心が位置している、請求項7または8に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項10】
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記マッサージ兼取り出し具の重心よりも前記他側に、前記長手方向における前記凹部の中心が位置している、請求項7~9のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項11】
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記凹部の最長長さが得られる方向と前記載置面との間の角度は、10度以上80度以下である、請求項7~10のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項12】
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記凹部の中心から前記取り出し部の端部までの長さは、72mm未満である、請求項7~11のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具。
【請求項13】
厚み方向に対向する第1側面および第2側面であって、把持する際に指がそれぞれ置かれるようになる第1側面および第2側面と、
前記第1側面および前記第2側面の間を連結し、前記厚み方向に直交する長手方向に延びる底面と、を備え、
前記長手方向における一側の端部に、容器に収容された収容物を掬い取る取り出し部が設けられ、
前記長手方向における他側の端部に、マッサージに用いられる押圧部が設けられ、
前記底面が載置面に接触するようにして前記載置面上に自立可能な、マッサージ兼取り出し具。
【請求項14】
前記収容物を収容する前記容器と、
請求項1~13のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具と、を備える、マッサージ兼取り出し具付き容器。
【請求項15】
容器と
前記容器に収容された収容物と、
請求項1~13のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具と、を備える、マッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載のマッサージ兼取り出し具を用いた美容方法であって、
前記取り出し部により、前記容器に収容された前記収容物を掬い取るステップと、
皮膚の対象部位に、前記取り出し部により掬い取った前記収容物を塗布するステップと、
前記押圧部により、前記収容物を塗布した前記対象部位にマッサージを行うステップと、を備える、美容方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッサージ兼取り出し具、マッサージ兼取り出し具付き容器、マッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器および美容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばクリーム状の化粧品等の収容物を容器から取り出すための取り出し具が知られている。このような取り出し具はスパチュラとも称される。取り出し具は、収容物入り容器(化粧品入り容器)と共に、あるいはそれ単体で販売されている。取り出し具には、収容物を取り出す取り出し機能の他に、目元等の皮膚の対象部位にマッサージを行うマッサージ機能を有するものもある。以下、このような取り出し具を、マッサージ兼取り出し具と称する。マッサージ兼取り出し具は、収容物を掬い取る取り出し部と、マッサージに用いられる押圧部とを有している。
【0003】
このようなマッサージ兼取り出し具は、収容物を取り出した後やマッサージに用いられた後、周囲の載置面上の任意の場所に載置される。しかしながら、マッサージ兼取り出し具を載置した場合、取り出し部や押圧部といった使用者の肌に触れる部分が載置面に接触することが考えられる。この場合、使用者の肌に触れる部分が汚れてしまい、マッサージ兼取り出し具を衛生的に使用することができなくなるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、衛生的に使用することができるマッサージ兼取り出し具、マッサージ兼取り出し具付き容器、マッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器および美容方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、
厚み方向に対向する第1側面および第2側面であって、把持する際に指がそれぞれ置かれるようになる第1側面および第2側面と、
前記第1側面および前記第2側面の間を連結し、前記厚み方向に直交する長手方向に延びる底面と、を備え、
前記長手方向における一側の端部に、容器に収容された収容物を掬い取る取り出し部が設けられ、
前記長手方向における他側の端部に、マッサージに用いられる押圧部が設けられ、
前記底面が載置面に接触するようにして前記載置面上に載置された載置状態で、前記取り出し部および前記押圧部は前記載置面から離れている、マッサージ兼取り出し具である。
【0007】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様によるマッサージ兼取り出し具において、
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記底面は、前記長手方向の両側において前記載置面から離れるように湾曲していてもよい。
【0008】
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様および上述した第2の態様のそれぞれによるマッサージ兼取り出し具において、
前記長手方向における前記マッサージ兼取り出し具の長さは、前記長手方向および前記厚み方向の両方に直交する短手方向における前記マッサージ兼取り出し具の長さよりも長くてもよく、
前記短手方向における前記マッサージ兼取り出し具の長さは、前記厚み方向における前記マッサージ兼取り出し具の長さよりも長くてもよい。
【0009】
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによるマッサージ兼取り出し具において、
前記マッサージ兼取り出し具は、前記厚み方向における前記マッサージ兼取り出し具の中心を通過する中心面であって、前記厚み方向に直交する中心面に対して面対称に構成されていてもよい。
【0010】
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによるマッサージ兼取り出し具において、
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記取り出し部は、前記載置面に近接した下縁と、前記下縁よりも前記載置面から離れた上縁と、を含んでいてもよく、
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記取り出し部の前記下縁および前記上縁は、前記長手方向における前記一側に向けて前記載置面から離れるように傾斜していてもよい。
【0011】
本開示の第6の態様は、上述した第1の態様から上述した第5の態様のそれぞれによるマッサージ兼取り出し具において、
前記取り出し部の前記厚み方向への厚みは、前記長手方向における前記一側に向かうにつれて薄くなっていてもよい。
【0012】
本開示の第7の態様は、上述した第1の態様から上述した第6の態様のそれぞれによるマッサージ兼取り出し具において、
前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方に、指を受ける凹部が設けられていてもよい。
【0013】
本開示の第8の態様は、上述した第7の態様によるマッサージ兼取り出し具において、
前記第1側面および前記第2側面の両方に、それぞれ前記凹部が設けられていてもよい。
【0014】
本開示の第9の態様は、上述した第7の態様および上述した第8の態様のそれぞれによるマッサージ兼取り出し具において、
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記長手方向における前記マッサージ兼取り出し具の中心よりも前記他側に、前記長手方向における前記凹部の中心が位置していてもよい。
【0015】
本開示の第10の態様は、上述した第7の態様から上述した第9の態様のそれぞれによるマッサージ兼取り出し具において、
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記マッサージ兼取り出し具の重心よりも前記他側に、前記長手方向における前記凹部の中心が位置していてもよい。
【0016】
本開示の第11の態様は、上述した第7の態様から上述した第10の態様のそれぞれによるマッサージ兼取り出し具において、
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記凹部の最長長さが得られる方向と前記載置面との間の角度は、10度以上80度以下であってもよい。
【0017】
本開示の第12の態様は、上述した第7の態様から上述した第11の態様のそれぞれによるマッサージ兼取り出し具において、
前記載置状態における前記厚み方向からの観察において、前記凹部の中心から前記取り出し部の端部までの長さは、72mm未満であってもよい。
【0018】
本開示の第13の態様は、
厚み方向に対向する第1側面および第2側面であって、把持する際に指がそれぞれ置かれるようになる第1側面および第2側面と、
前記第1側面および前記第2側面の間を連結し、前記厚み方向に直交する長手方向に延びる底面と、を備え、
前記長手方向における一側の端部に、容器に収容された収容物を掬い取る取り出し部が設けられ、
前記長手方向における他側の端部に、マッサージに用いられる押圧部が設けられ、
前記底面が載置面に接触するようにして前記載置面上に自立可能な、マッサージ兼取り出し具である。
【0019】
本開示の第14の態様は、
前記収容物を収容する前記容器と、
上述した第1の態様から上述した第13の態様のいずれかによるマッサージ兼取り出し具と、を備える、マッサージ兼取り出し具付き容器である。
【0020】
本開示の第15の態様は、
容器と
前記容器に収容された収容物と、
上述した第1の態様から上述した第13の態様のいずれかによるマッサージ兼取り出し具と、を備える、マッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器である。
【0021】
本開示の第16の態様は、
上述した第1の態様から上述した第13の態様のいずれかによるマッサージ兼取り出し具を用いた美容方法であって、
前記取り出し部により、前記容器に収容された前記収容物を掬い取るステップと、
皮膚の対象部位に、前記取り出し部により掬い取った前記収容物を塗布するステップと、
前記押圧部により、前記収容物を塗布した前記対象部位にマッサージを行うステップと、を備える、美容方法である。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、マッサージ兼取り出し具を衛生的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、一実施の形態によるマッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態によるマッサージ兼取り出し具を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のマッサージ兼取り出し具の側面図である。
【
図4】
図4は、
図2のマッサージ兼取り出し具の上面図である。
【
図5】
図5は、
図2のマッサージ兼取り出し具の正面図である。
【
図6】
図6は、
図2のマッサージ兼取り出し具の背面図である。
【
図7】
図7は、
図2のマッサージ兼取り出し具を別の角度から見た斜視図である。
【
図8】
図8は、
図2のマッサージ兼取り出し具を用いて収容物を掬い取る様子を説明するための図である。
【
図9】
図9は、
図2のマッサージ兼取り出し具を用いてマッサージを行う様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本開示の一実施の形態について説明する。
【0025】
図1~
図9を参照して、一実施の形態によるマッサージ兼取り出し具、マッサージ兼取り出し具付き容器、マッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器および美容方法について説明する。
【0026】
まず、
図1を用いて、本実施の形態によるマッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器1Cについて説明する。
図1は、本実施の形態によるマッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器1Cを示す斜視図である。
図1に示すように、マッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器1Cは、容器3と、収容物Cと、マッサージ兼取り出し具10とを備えている。容器3は、収容物Cを収容するように構成されている。容器3は、収容物Cを収容する容器本体4と、容器本体4の開口部を覆う蓋体5と、を含んでいてもよい。容器3とマッサージ兼取り出し具10とを合わせて、マッサージ兼取り出し具付き容器1と称する場合もある。収容物Cは、例えば、クリーム状あるいはゲル状の化粧品であってもよい。このような化粧品として、アイケア製品、その他のスキンケア製品、ヘアケア製品、メイクアップ製品等が例示される。
【0027】
次に、
図2~
図7を用いて、本実施の形態によるマッサージ兼取り出し具10について説明する。
図2は、本実施の形態によるマッサージ兼取り出し具10を示す斜視図である。
図3は、
図2のマッサージ兼取り出し具10の側面図である。
図4は、
図2のマッサージ兼取り出し具10の上面図である。
図5は、
図2のマッサージ兼取り出し具10の正面図である。
図6は、
図2のマッサージ兼取り出し具10の背面図である。
図7は、
図2のマッサージ兼取り出し具10を別の角度から見た斜視図である。本実施の形態によるマッサージ兼取り出し具10は、収容物Cを取り出す取り出し機能と、皮膚の対象部位TSにマッサージを行うマッサージ機能とを有している。
【0028】
図2~
図7に示すように、マッサージ兼取り出し具10は、全体的に丸みを帯びた形状を有している。マッサージ兼取り出し具10は、全体的に長手方向Daに延び、厚み方向Dtに薄くなっている。
図4~
図6に示すように、マッサージ兼取り出し具10は、厚み方向Dtにおけるマッサージ兼取り出し具10の中心を通過する中心面CS1であって、厚み方向Dtに直交する中心面CS1に対して面対称に構成されていてもよい。ここで、厚み方向Dtは、後述する載置状態において、載置面MSに平行な方向である。長手方向Daは、載置状態において載置面MSに平行な方向であって、厚み方向Dtに直交する方向である。短手方向Dbは、載置状態において載置面MSに直交する方向であって、長手方向Daおよび厚み方向Dtの両方に直交する方向である。
【0029】
図2~
図7に示すように、マッサージ兼取り出し具10は、第1側面20および第2側面22と、底面30と、を備えている。
図3、
図5および
図6に示すように、マッサージ兼取り出し具10は、底面30が載置台Mの載置面MSに接触するようにして載置面MS上に載置される。ここで、底面30が載置面MSに接触するようにして載置面MS上に載置された状態を載置状態とも称する。また、マッサージ兼取り出し具10は、底面30が載置面MSに接触するようにして載置面MS上に自立可能に構成されている。ここで、自立可能とは、外力が加えられていない状態で載置状態を維持可能であることを意味する。以下、マッサージ兼取り出し具10の構成について具体的に説明する。
【0030】
図2~
図7に示すように、第1側面20および第2側面22は、厚み方向Dtに対向している。すなわち、第1側面20および第2側面22は、厚み方向Dtにおける両側に設けられている。
図4に示すように、第1側面20は、厚み方向Dtにおける一側Dt1(
図4における下側)に設けられ、第2側面22は、厚み方向Dtにおける他側Dt2(
図4における上側)に設けられている。
【0031】
図2~
図7に示すように、第1側面20および第2側面22は、全体的に湾曲した形状を有している。
図4に示すように、第1側面20は、全体的に、周縁から内側に進むにつれて厚み方向Dtにおける一側Dt1に膨らむような形状を有していてもよい。また、第2側面22は、全体的に、周縁から内側に進むにつれて厚み方向Dtにおける他側Dt2に膨らむような形状を有していてもよい。
図4~
図6に示すように、第1側面20および第2側面22の形状は、中心面CS1に対して互いに面対称であってもよい。
【0032】
第1側面20および第2側面22は、マッサージ兼取り出し具10を把持する際に指がそれぞれ置かれるようになる部分である(
図8および
図9参照)。例えば、第1側面20および第2側面22に、使用者の利き手の第一指(親指)および第二指(人差し指)がそれぞれ置かれてもよい。あるいは、使用者の利き手の第一指および第三指(中指)がそれぞれ置かれてもよい。また、使用者の利き手とは反対側の手の指がそれぞれ置かれてもよい。このように第1側面20および第2側面22には、それぞれ使用者の任意の指が置かれ得る。
【0033】
また、
図2~
図7に示すように、第1側面20および第2側面22の少なくとも一方に、指を受ける凹部24、26が設けられていてもよい。図示された例においては、第1側面20および第2側面22の両方に、それぞれ凹部24、26が設けられている。
図4に示すように、凹部24は、第1側面20から厚み方向Dtにおける他側Dt2に、すなわち第2側面22に向けて窪むように形成されている。また、凹部26は、第2側面22から厚み方向Dtにおける一側Dt1に、すなわち第1側面20に向けて窪むように形成されている。
図4に示すように、凹部24、26の形状は、中心面CS1に対して互いに面対称であってもよい。凹部24、26は、第1側面20および第2側面22にそれぞれ置かれた指を受けることができる。
【0034】
凹部24、26は、任意の形状を有することができる。例えば、
図3に示すように、凹部24、26は、楕円形状を有していてもよい。すなわち、
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、凹部24、26の周縁が楕円形状であってもよい。ここで、凹部24の周縁は、第1側面20上の厚み方向Dtにおける他側Dt2に窪み始める変曲点を結んだ線として特定することができる。また、凹部26の周縁は、第2側面22上の厚み方向Dtにおける一側Dt1に窪み始める変曲点を結んだ線として特定することができる。
【0035】
凹部24、26が楕円形状のように特定の方向に延びる形状を有している場合、凹部24、26は、載置面MSに対して傾斜していてもよい。すなわち、
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、凹部24、26の最長長さが得られる方向De(例えば、楕円の長軸方向)が、載置面MSに対して傾斜していてもよい。
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、凹部24、26の最長長さが得られる方向Deと載置面MSとの間の角度θeは、例えば、10度以上80度以下であってもよく、10度以上40度以下であってもよく、20度以上40度以下であってもよい。
【0036】
また、
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、長手方向Daにおけるマッサージ兼取り出し具10の中心C1よりも長手方向Daにおける他側Da2に、長手方向Daにおける凹部24、26の中心C2が位置していてもよい。ここで、
図3に示す中心C1は、長手方向Daにおけるマッサージ兼取り出し具10の両端部間の中央に位置し、かつ短手方向Dbにおけるマッサージ兼取り出し具10の両端部間の中央に位置する中心点を示している。
図3に示す中心C2は、長手方向Daにおける凹部24、26の両端部間の中央に位置し、かつ短手方向Dbにおける凹部24、26の両端部間の中央に位置する中心点を示している。
【0037】
また、
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、マッサージ兼取り出し具10の重心Gよりも長手方向Daにおける他側Da2に、長手方向Daにおける凹部24、26の中心C2が位置していてもよい。ここで、
図3に示す重心Gは、厚み方向Dtからの観察におけるマッサージ兼取り出し具10の重心の位置を示している。
【0038】
また、
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、凹部24、26の中心C2から取り出し部40の端部までの長さLcは、72mm未満であってもよい。ここで、日本人女性の第二指の平均長さは74.1mmである。このため、長さLcは、日本人女性の第二指の平均長さ未満の長さである。長さLcは、例えば、10mm以上70mm以下であってもよく、20mm以上60mm以下であってもよく、30mm以上50mm以下であってもよい。
【0039】
また、
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、凹部24、26の最長長さが得られる方向Deにおける長さは、例えば、5mm以上30mm以下であってもよい。また、凹部24、26の最短長さが得られる方向における長さは、例えば、2mm以上25mm以下であってもよい。また、凹部24、26の深さ(厚み方向Dtにおける最長長さ)は、例えば、0.5mm以上3mm以下であってもよい。
【0040】
図2~
図7に示すように、底面30は、第1側面20および第2側面22の間を連結している。
図7に示すように、底面30は、長手方向Daに延びるような形状を有している。上述したように、底面30は、マッサージ兼取り出し具10が載置台Mの載置面MS上に載置された際に、当該載置面MSに接触する部分である。
【0041】
底面30は、任意の形状を有することができる。例えば、図示しないが、底面30は、矩形形状を有していてもよい。また例えば、
図7に示すように、底面30は、厚み方向Dtに短軸方向を有し、長手方向Daに長軸方向を有するような略楕円形状を有していてもよい。
図5および
図6に示すように、底面30の形状は、中心面CS1に対して面対称であってもよい。
【0042】
図示しないが、底面30は、載置面MSに対して平行な平面状に形成され、載置状態において底面30の全体が載置面MSに接触するように構成されていてもよい。また、
図3に示すように、底面30は、載置面MSに対して湾曲した曲面状に形成され、載置状態において底面30の一部が載置面MSに接触するように構成されていてもよい。この場合、
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、底面30は、長手方向Daの両側において載置面MSから離れるように湾曲していてもよい。すなわち、底面30は、長手方向Daにおける一側Da1の端部31から長手方向Daにおける他側Da2の端部32まで湾曲して延びるとともに、載置状態において底面30の端部31、32が載置面MSから離れていてもよい。また、
図5~
図7に示すように、底面30は、第1側面20から第2側面22まで直線状に形成されていてもよい。すなわち、底面30は、厚み方向Dtに平行な軸線AL(
図7参照)周りに湾曲した曲面であってもよい。
【0043】
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、底面30の端部31における接線T1と載置面MSとがなす角度θ1は、底面30の端部32における接線T2と載置面MSとがなす角度θ2よりも大きくてもよい。また、底面30の端部31における接線T1と載置面MSとがなす角度θ1、および底面30の端部32における接線T2と載置面MSとがなす角度θ2は、例えば、10度以上80度以下であってもよく、10度以上40度以下であってもよく、20度以上40度以下であってもよい。
【0044】
長手方向Daにおける底面30の長さは、例えば、10mm以上60mm以下であってもよい。厚み方向Dtにおける底面30の長さは、例えば、5mm以上20mm以下であってもよい。
【0045】
第1側面20、第2側面22および底面30は、一体化していてもよい。すなわち、第1側面20、第2側面22および底面30は、マッサージ兼取り出し具10として、製造時に同一材料により一体的に継ぎ目なしに形成されてもよい。マッサージ兼取り出し具10は、例えば、セラミック材料、樹脂材料、金属材料、木材等により構成されていてもよい。
【0046】
図2~
図4に示すように、マッサージ兼取り出し具10の長手方向Daにおける一側Da1の端部には、取り出し部40が設けられ、マッサージ兼取り出し具10の長手方向Daにおける他側Da2の端部には、押圧部50が設けられている。
図3に示すように、載置状態において、取り出し部40および押圧部50は載置面MSから離れている。すなわち、載置状態において、取り出し部40および押圧部50は載置面MSと非接触になっている。
【0047】
取り出し部40は、容器3に収容された収容物Cを掬い取る部分である(
図8参照)。
図2~
図7に示すように、取り出し部40は、全体的に湾曲した形状を有していてもよい。
図3に示すように、取り出し部40は、長手方向Daにおける一側Da1に延び出ていてもよい。また、取り出し部40は、長手方向Daにおける一側Da1に進むにつれて短手方向Dbにおける一側Db1に向かうように傾斜していてもよい。この場合、
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、取り出し部40は、下縁41と上縁42とを含んでいてもよい。下縁41は、厚み方向Dtからの観察における取り出し部40の縁部であって、載置面MSに近接した部分の縁部である。上縁42は、厚み方向Dtからの観察における取り出し部40の縁部であって、下縁41よりも載置面MSから離れた部分の縁部である。
図3に示すような載置状態における厚み方向Dtからの観察において、取り出し部40の下縁41および上縁42は、長手方向Daにおける一側Da1に向けて載置面MSから離れるように傾斜していてもよい。取り出し部40の下縁41および上縁42は、直線状に延びていてもよいが、
図3に示すように、湾曲して延びていてもよい。
【0048】
また、
図4に示すような載置状態における短手方向Dbからの観察において、取り出し部40は、長手方向Daにおける一側Da1に向かって先細になるように形成されていてもよい。すなわち、取り出し部40の厚み方向Dtへの厚み(厚み方向Dtにおける取り出し部40の長さ)は、長手方向Daにおける一側Da1に向かうにつれて薄くなっていてもよい。この場合において、長手方向Daにおける一部で、取り出し部40の厚みが一定となる部分が存在していてもよい。また、
図4に示すように、取り出し部40の形状は、中心面CS1に対して面対称であってもよい。
【0049】
押圧部50は、マッサージに用いられる部分である。すなわち、押圧部50は、皮膚の対象部位TSを押圧する部分である(
図9参照)。皮膚の対象部位TSは任意であるが、例えば目元、頭皮、手、ボディ等が例示される。
図2~
図7に示すように、押圧部50は、全体的に湾曲した形状を有していてもよい。
図2~
図4、
図6および
図7に示すように、押圧部50は、湾曲した湾曲面51を有していてもよい。押圧部50は、全体的に取り出し部40よりも大きくかつ厚くなるように形成されていてもよい。また、
図4に示すように、押圧部50の形状は、中心面CS1に対して面対称であってもよい。
【0050】
図3に示す長手方向Daにおけるマッサージ兼取り出し具10の長さLaは、
図3に示す短手方向Dbにおけるマッサージ兼取り出し具10の長さLb(マッサージ兼取り出し具10の高さ)よりも長くてもよい。また、
図3に示す短手方向Dbにおけるマッサージ兼取り出し具10の長さLbは、
図4に示す厚み方向Dtにおけるマッサージ兼取り出し具10の長さLt(マッサージ兼取り出し具10の厚み)よりも長くてもよい。ここで、マッサージ兼取り出し具10の各長さLa、Lb、Ltは、各方向Da、Db、Dtにおけるマッサージ兼取り出し具10の長さのうち最長となる部分の長さを意味している。マッサージ兼取り出し具10の長さLaは、例えば、20mm以上110mm以下であってもよい。マッサージ兼取り出し具10の長さLbは、例えば、10mm以上50mm以下であってもよい。マッサージ兼取り出し具10の長さLt(マッサージ兼取り出し具10の厚み)は、例えば、5mm以上30mm以下であってもよい。
【0051】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。ここでは、
図8および
図9を用いて、上述したマッサージ兼取り出し具10を用いた美容方法について説明する。
図8は、マッサージ兼取り出し具10を用いて収容物を掬い取る様子を説明するための図である。
図9は、マッサージ兼取り出し具10を用いてマッサージを行う様子を説明するための図である。
【0052】
本実施の形態による美容方法は、容器3から収容物Cを掬い取る第1ステップと、皮膚の対象部位TSに掬い取った収容物Cを塗布する第2ステップと、収容物Cを塗布した対象部位TSにマッサージを行う第3ステップと、を備えている。
【0053】
第1ステップにおいては、まず、容器3の蓋体5を容器本体4から取り外し、容器本体4の開口部を露出させる。続いて、
図8に示すように、使用者の一方の手の指により、取り出し部40が外側(手とは反対側)を向くようにマッサージ兼取り出し具10を把持する。ここで、例えば、使用者の利き手の第二指が第1側面20に置かれるとともに、当該利き手の第一指が第2側面22に置かれて、マッサージ兼取り出し具10が把持されてもよい。次に、取り出し部40を容器本体4の開口部から内部に挿入し、取り出し部40により容器3に収容された収容物Cを掬い取る。これにより、
図8に示すように、マッサージ兼取り出し具10の取り出し部40上に収容物Cを保持することができる。
【0054】
続いて、第2ステップにおいては、まず、取り出し部40により掬い取った収容物Cを、例えば利き手とは反対側の手の指に付着させる。そして、その指を目元等の皮膚の対象部位TSに接触させる。これにより、皮膚の対象部位TSに、取り出し部40により掬い取った収容物Cを塗布することができる。
【0055】
次に、第3ステップにおいては、まず、マッサージ兼取り出し具10の持ち方を変更し、
図9に示すように、使用者の一方の手の指により、押圧部50が外側(手とは反対側)を向くようにマッサージ兼取り出し具10を把持する。ここで、例えば、使用者の利き手の第一指が第1側面20に置かれるとともに、当該利き手の第二指が第2側面22に置かれて、マッサージ兼取り出し具10が把持されてもよい。続いて、マッサージ兼取り出し具10の押圧部50を、収容物Cが塗布された皮膚の対象部位TSに接触させる。次に、
図9に示すように、マッサージ兼取り出し具10の押圧部50により、皮膚の対象部位TSを押圧する。この際、皮膚の対象部位TSに収容物Cである化粧品を馴染ませるように、押圧部50を皮膚の対象部位TSに対して摺動させてもよい。このようにして、マッサージ兼取り出し具10の押圧部50により、収容物Cを塗布した皮膚の対象部位TSにマッサージを行うことができる。
【0056】
ここで、マッサージ兼取り出し具10により収容物Cを掬い取った後や、マッサージ兼取り出し具10によりマッサージを行った後に、マッサージ兼取り出し具10は、載置面MS上に載置される。この際、取り出し部や押圧部といった使用者の肌に触れる部分が載置面に接触すると、使用者の肌に触れる部分が汚れてしまい、マッサージ兼取り出し具を衛生的に使用することができなくなるおそれがある。また、マッサージ兼取り出し具の取り出し部や押圧部に残存する収容物が載置面に付着し、載置面が汚れてしまうことも考えられる。
【0057】
これに対して本実施の形態によれば、載置状態で、取り出し部40および押圧部50は載置面MSから離れている。このことにより、マッサージ兼取り出し具10を載置面MS上に載置した際に、取り出し部40や押圧部50といった使用者の肌に触れる部分が、載置面MSに接触することを回避することができる。このため、マッサージ兼取り出し具10を衛生的に使用することができる。また、マッサージ兼取り出し具10の取り出し部40や押圧部50に残存する収容物Cが載置面MSに付着して載置面MSが汚れてしまうことも回避することができる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、載置状態における厚み方向Dtからの観察において、底面30は、長手方向Daの両側において載置面MSから離れるように湾曲している。このことにより、マッサージ兼取り出し具10を載置面MSに対して傾けて載置した場合であっても、マッサージ兼取り出し具10は、長手方向Daに揺れながら自立することができる。このため、マッサージ兼取り出し具10を載置する際に底面30が載置面MSに平行になるように載置する必要がなく、載置動作を容易化することができる。また、マッサージ兼取り出し具10を載置する際に底面30が載置面MSと衝突することによって大きな音が発生することを抑制することができる。さらに、その揺れながら自立する様子は、日本の伝統工芸品である起き上がり小法師をイメージさせ、日本的な美観を呈することができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、長手方向Daにおけるマッサージ兼取り出し具10の長さLaは、短手方向Dbにおけるマッサージ兼取り出し具10の長さLbよりも長く、短手方向Dbにおけるマッサージ兼取り出し具10の長さLbは、厚み方向Dtにおけるマッサージ兼取り出し具10の長さLtよりも長い。このことにより、マッサージ兼取り出し具10は、載置面MS上に載置された際に自立した外観を呈することができる。このような自立した外観は、使用者に高級感を感じさせ、使用者の美感に強く訴えることができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、マッサージ兼取り出し具10は、厚み方向Dtにおけるマッサージ兼取り出し具10の中心を通過する中心面CS1であって、厚み方向Dtに直交する中心面CS1に対して面対称に構成されている。このことにより、使用者の利き手(右利き、左利き)に寄らずに、右手の指で把持した場合であっても、左手の指で把持した場合であっても、同様の使用感を得ることができる。このため、マッサージ兼取り出し具10の使用感を向上させることができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、載置状態における厚み方向Dtからの観察において、取り出し部40の下縁41および上縁42は、長手方向Daにおける一側Da1に向けて載置面MSから離れるように傾斜している。このことにより、マッサージ兼取り出し具10により容器3から収容物Cを掬い取る際に、取り出し部40が容器3の隅に届きやすくなり、収容物Cの掬い取りを容易化することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、取り出し部40の厚み方向Dtへの厚みは、長手方向Daにおける一側Da1に向かうにつれて薄くなっている。このことにより、マッサージ兼取り出し具10により容器3から収容物Cを掬い取る際に、取り出し部40が容器3の隅に届きやすくなり、収容物Cの掬い取りを容易化することができる。また、取り出し部40に窪みが形成されていないことにより、窪みに収容物Cが入り込んで窪みから収容物Cが取り出しにくくなることを回避することができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、第1側面20および第2側面22の少なくとも一方に、指を受ける凹部24、26が設けられている。このことにより、使用者がマッサージ兼取り出し具10を把持する際に、使用者の指が凹部24、26に沿うように置かれることができる。このため、マッサージ兼取り出し具10の把持を容易化することができる。また、使用者の指が凹部24、26内に入り込むことにより、マッサージ兼取り出し具10をしっかりと把持することができる。
【0064】
とりわけ、本実施の形態によれば、第1側面20および第2側面22の両方に、それぞれ凹部24、26が設けられている。このことにより、第1側面20に置かれる指と第2側面22に置かれる指のそれぞれが凹部24、26に沿うように置かれることができる。このため、マッサージ兼取り出し具10の把持をより一層容易化することができる。また、第1側面20に置かれる指と第2側面22に置かれる指のそれぞれが凹部24、26に入り込むことにより、マッサージ兼取り出し具10をより一層しっかりと把持することができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、載置状態における厚み方向Dtからの観察において、長手方向Daにおけるマッサージ兼取り出し具10の中心C1よりも長手方向Daにおける他側Da2に、長手方向Daにおける凹部24、26の中心C2が位置している。このことにより、取り出し部40が外側(手とは反対側)を向くようにマッサージ兼取り出し具10を把持した際、取り出し部40が長手方向Daにおける一側Da1に長く延び出ることができる。このため、容器3から収容物Cを掬い取る際に、取り出し部40が容器の奥まで届きやすくなり、収容物Cの掬い取りを容易化することができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、載置状態における厚み方向Dtからの観察において、マッサージ兼取り出し具10の重心Gよりも長手方向Daにおける他側Da2に、長手方向Daにおける凹部24、26の中心C2が位置している。このことにより、取り出し部40が外側(手とは反対側)を向くようにマッサージ兼取り出し具10を把持した際、取り出し部40が自重で下方を向くことができる。このため、収容物Cを掬い取る際のマッサージ兼取り出し具10の使用感を向上させることができる。また、押圧部50が外側(手とは反対側)を向くようにマッサージ兼取り出し具10を把持した際、取り出し部40が自重で下方を向くため、取り出し部40が手に向かう方向とは異なる方向を向くことができる。このため、マッサージを行う際に、取り出し部40が手に接触して取り出し部40に残存する収容物Cが手に付着してしまうことを抑制することができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、載置状態における厚み方向Dtからの観察において、凹部24、26の最長長さが得られる方向Deと載置面MSとの間の角度θeは、10度以上80度以下である。このことにより、押圧部50が外側(手とは反対側)を向くようにマッサージ兼取り出し具10を把持した際、使用者の指が凹部24、26の最長長さが得られる方向Deに沿うことにより、マッサージ兼取り出し具10が載置面MSに対して傾斜して把持され、取り出し部40が手に向かう方向とは異なる方向を向くことができる。このため、マッサージを行う際に、取り出し部40が手に接触して取り出し部40に残存する収容物Cが手に付着してしまうことを抑制することができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、載置状態における厚み方向Dtからの観察において、凹部24、26の中心C2から取り出し部40の端部までの長さLcは、72mm未満である。ここで、日本人女性の第二指の平均長さは74.1mmである。このため、凹部24、26の中心C2から取り出し部40の端部までの長さLcを、日本人女性の第二指の平均長さ未満の長さにすることができる。このことにより、押圧部50が外側(手とは反対側)を向くようにマッサージ兼取り出し具10を把持した際、取り出し部40が手に接触することを抑制することができる。このため、マッサージを行う際に、取り出し部40に残存する収容物Cが手に付着してしまうことを抑制することができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、マッサージ兼取り出し具10は、底面30が載置面MSに接触するようにして載置面MS上に自立可能である。このようにマッサージ兼取り出し具10が載置面MS上に自立可能であることにより、取り出し部40および押圧部50が、載置面MSに接触することを回避することができる。このため、マッサージ兼取り出し具10を衛生的に使用することができる。また、このような自立した外観は、使用者に高級感を感じさせ、使用者の美感に強く訴えることができる。
【0070】
以上述べた実施の形態によれば、マッサージ兼取り出し具を衛生的に使用することができる。
【0071】
以上において、具体例を参照しながら実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が実施の形態を限定することは意図していない。上述した実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
1:マッサージ兼取り出し具付き容器、1C:マッサージ兼取り出し具付き収容物入り容器、3:容器、10:マッサージ兼取り出し具、20:第1側面、22:第2側面、24,26:凹部、30:底面、40:取り出し部、41:下縁、42:上縁、50:押圧部、C:収容物、C1,C2:中心、CS1:中心面、G:重心、MS:載置面、TS:皮膚の対象部位