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特開2023-98504ポリマーとステンレス鋼の接合体のためのステンレス鋼の表面処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098504
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ポリマーとステンレス鋼の接合体のためのステンレス鋼の表面処理方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 11/34 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
C25D11/34 301
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215308
(22)【出願日】2021-12-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】519400575
【氏名又は名称】ドングァン ディーエスピー テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ティア ロング
(72)【発明者】
【氏名】タン,ヨン ガング
(57)【要約】
【課題】優れた接合強度を持つポリマーとステンレス鋼の接合体の製造のためにステンレス鋼の表面処理方法を提供する。
【解決手段】ポリマーとステンレス鋼の接着結合のためのステンレス鋼の表面処理方法は(a)ステンレス鋼の表面を酸性溶液を用いてエッチングするエッチング処理段階、(b)ステンレス鋼の表面を超音波で処理する表面処理段階、(c)ステンレス鋼の表面を酸性溶液でエッチングする2次エッチング処理段階、(d)酸化アノダイジング処理する1次シランカップリング(Silane Coupling)処理段階、(e)ステンレス鋼の表面の酸化膜の一部を酸性溶液を用いてエッチングして除去する段階、及び(f)酸化アノダイジング処理する2次シランカップリング処理段階を含むことを特徴とするステンレス鋼の表面処理方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーとステンレス鋼の接着結合のためのステンレス鋼の表面処理方法として、
(a)ステンレス鋼の表面を酸性溶液を用いてエッチングする1次エッチング処理段階、
(b)前記1次エッチング処理したステンレス鋼の表面を超音波で処理する表面処理段階、
(c)前記超音波で表面処理したステンレス鋼の表面を酸性溶液でエッチングする2次エッチング処理段階、
(d)前記2次エッチング処理したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する1次シランカップリング(Silane Coupling)処理段階、
(e) 前記1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の一部を酸性溶液を用いてエッチングして除去する段階、及び
(f) 表面の酸化膜の一部を除去したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する2次シランカップリング処理段階を含むことを特徴とするステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項2】
前記(d)段階で、
硝酸(濃度1~50%)、リン酸(濃度1~50%)、硫酸(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(濃度1~50%)、水酸化カリウム(濃度1~50%)、炭酸ナトリウム(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(濃度1~50%)で使用して、添加剤である0.1~1%の1次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、30~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~3A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項3】
前記(e)段階で、
硫酸、リン酸と微量の硝酸を含む酸性溶液において 30~70℃の温度で10~300秒間実施することにより、ステンレス鋼の表面の酸化膜をエッチングとともに50~60%を除去することを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項4】
前記(f)段階で、
硝酸(濃度1~50%)、リン酸(濃度1~50%)、硫酸(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(濃度1~50%)、水酸化カリウム(濃度1~50%)、炭酸ナトリウム(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(濃度1~50%)で使用して、添加剤である0.1~1%の2次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、10~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~10A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項5】
前記(d)段階又は前記(f)段階での、前記添加剤である1、2次シランカップリング剤は、
(RO)Si-(CH-NH、 (RO)Si-(CH-Si(OC、 (RO)Si-(CH-SH、 (RO)Si-CH=CH、 (RO)Si-(CH-OOC(CH)C=CH、 (RO)Si-(CH-O-CHCHCHO、 R-Si-Cl、 及び(RO)Si-(CH15CHの中少なくとも2つ以上を混合して使用することを特徴とする請求項1、2、4に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項6】
前記(d)段階又は前記(f)段階での、前記添加剤である1次シランカップリング剤と2次シランカップリング剤は同じ種類で、互いに異なる混合比率で混合されることを特徴とする請求項5に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項7】
前記(d)段階で前記1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の厚さは50~100nmであり、
前記(f)段階で前記2次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の厚さは100~150nmであることを特徴とする請求項5に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリマーとステンレス鋼の接合体の接着結合のためのステンレス鋼の表面処理方法に係り、ステンレス鋼の表面を1次アノダイジング処理と2次アノダイジング処理の2回のアノダイジング処理を通じてステンレス鋼の表面とポリマーの接合体の接合を極大化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーとステンレス鋼の接合体は防水性が必要な電子部品及びスマートフォンや電気自動車のリチウムイオンバッテリーに多く使われているが、ポリマーとステンレス鋼の接合強度に対する信頼性が低いことが問題点として挙げられている。
それで、ステンレス鋼を酸性溶液を用いエッチング処理による表面処理が、ステンレス鋼の表面の活性度および摩擦力を高め、ポリマーとの強力な接着ができるようにポリマーとステンレス鋼の接合体の製造に使用されている。しかし、酸性溶液を用いエッチング処理による表面処理だけでポリマーとの十分な接着力と密閉性を得ることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-071219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的とするところは、上記の問題を解決するためのステンレス鋼の表面処理方法であり、優れた接合強度と密閉性を持つステンレス鋼とポリマーの接合体を製造するためのステンレス鋼の表面処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ポリマーとステンレス鋼の接着結合のためのステンレス鋼の表面処理方法として、
(a)ステンレス鋼の表面を酸性溶液を用いてエッチングする1次エッチング処理段階、
(b)1次エッチング処理したステンレス鋼の表面を超音波で処理する表面処理段階、
(c)超音波で表面処理したステンレス鋼の表面を酸性溶液を用いてエッチングする2次エッチング処理段階、
(d)2次エッチング処理したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する1シランカップリング処理段階 、
(e)前記1次アノダイジング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の一部を酸性溶液を用いてエッチングして除去する段階 、及び
(f)表面の酸化膜の一部を除去したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する2次シランカップリング処理段階を含むことを特徴とする。
【0006】
前記(d)段階で、
硝酸(濃度1~50%)、リン酸(濃度1~50%)、硫酸(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(濃度1~50%)、水酸化カリウム(濃度1~50%)、炭酸ナトリウム(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(濃度1~50%)で使用して、添加剤である0.1~1%の1次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、30~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~3A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行うことを特徴とする。
【0007】
前記(e)段階で、
硫酸、リン酸と微量の硝酸を含む酸性溶液において 30~70℃の温度で10~300秒間実施することにより、ステンレス鋼の表面の酸化膜をエッチングとともに40~60%を除去することを特徴とする。
【0008】
前記(f)段階で、
硝酸(濃度1~50%)、リン酸(濃度1~50%)、硫酸(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(濃度1~50%)、水酸化カリウム(濃度1~50%)、炭酸ナトリウム(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(濃度1~50%)で使用して、添加剤である0.1~1%の2次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、10~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~10A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行うことを特徴とする。
【0009】
前記(d)段階と前記(f)段階での、前記添加剤である1次、2次シランカップリング剤は、(RO)Si-(CH-NH、 (RO)Si-(CH-Si(OC、 (RO)Si-(CH-SH、 (RO)Si-CH=CH、 (RO)Si-(CH-OOC(CH)C=CH、 (RO)Si-(CH-O-CHCHCHO、 R-Si-Cl、 (RO)-Si-R’-N、及び(RO)Si-(CH15CHの中少なくとも2つ以上を混合して使用することを特徴とする。
【0010】
前記(d)段階又は前記(f)段階での、前記添加剤である1次シランカップリング剤と2次シランカップリング剤は同じ種類で、互いに異なる混合比率で混合されることを特徴とする。
【0011】
前記(d)段階で前記1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の厚さは50~100nmであり、
前記(f)段階で前記2次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の厚さは100~150nmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
ステンレス鋼の表面に対する酸性溶液を利用してエッチング処理し、ステンレス鋼の表面を粗くし、超音波で1次表面処理して表面にマイクロクラックを生成し、酸性溶液を利用した2次エッチングを通じてマイクロクラックと共に表面をさらに粗くする。この後、1、2次シランカップリング処理によって、ステンレス鋼の表面に表面粗度が増加し、微細なボーアが多く形成され、形成されたボーアにシランカップリング剤が浸透し、ポリマーとの結合時に化学的反応を通じてシランカップリング剤とポリマーとの結合が行われる。このような表面粗さと微細なボーア及びシランカップリング剤によってポリマーとステンレス鋼の間の接合力を極大化する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明によるステンレス鋼の表面処理のそれぞれの工程によるステンレス鋼の表面の写真(a)ステンレス鋼の表面写真(b)酸化アノダイジング処理する1次シランカップリング処理段階後のステンレス鋼の表面写真(c)酸化アノダイジング処理する2次シランカップリング処理段階後のステンレス鋼の表面写真
図2】本発明によるステンレス鋼の表面処理をする酸化アノダイジング装置(a)酸化アノダイジング装置(b)酸化アノダイジング装置のパルスモードグラフ
図3】従来の製品と本願の発明品との比較テストのためにステンレス鋼試片と引張実験の方法の写真(a)従来の製品と本願の発明品をそれぞれのステンレス鋼試片(b)従来の製品と本願の発明品をそれぞれのポリマーと結合されたステンレス鋼試片(c)従来の製品と本願の発明品をそれぞれの恒温恒湿テスト後、引張実験の方法
図4】本発明によるステンレス鋼試片の表面処理のための道具です。
図5】従来の製品と本源の発明品をそれぞれ恒温恒湿テスト後、引張実験の結果
図6】従来の製品と本源の発明品をそれぞれの恒温恒湿テスト後、引張実験による破断面の写真
図7】従来の製品と本源の発明品をそれぞれの放置時間による引張実験の比較グラフ
図8】従来の製品と本源の発明品を恒温恒湿気密テストするための試片と測定機械(a)恒温恒湿気密テスト用試片(b)恒温恒湿気密テスト用測定機械
図9】従来の製品と本願の発明品のそれぞれの密閉テストの比較グラフ
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面を参照して、本発明によるポリマーとステンレス鋼の接着結合のためのステンレス鋼の表面処理方法を説明する。
(a)ステンレス鋼の表面を酸性溶液を用いてエッチングするエッチング処理段階、
(b)エッチング処理したステンレス鋼の表面を超音波で処理する表面処理段階、
(c)超音波で表面処理したステンレス鋼の表面を酸性溶液でエッチングする2次表面処理段階、
(d)2次エッチング処理したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する1次シランカップリング処理段階、
(e)1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の一部を酸性溶液を用いてエッチングして除去する段階、及び
(f)表面の酸化膜の一部を除去したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する2次シランカップリング処理段階を含む。
【0015】
(a)段階では、一般的な硫酸、リン酸と微量の硝酸を含む酸性溶液に30~60℃で10~180秒間エッチングを行う。エッチングはステンレス鋼の表面にエッチングの跡を形成し、表面を粗くする。
【0016】
(b)段階は、一般的なアルカリ洗浄剤に30~60℃で周波数24~100kHz、出力400Wで10~180秒間超音波を用いた表面処理を実施する。表面処理を通じてエッチングされたステンレス鋼の表面にマイクロクラックを生成する。
【0017】
(c)段階は、超音波処理されたマイクロクラックを持つステンレス鋼の表面を一般的な硝酸、リン酸と微量の硫酸を含む酸性溶液に30~60℃で10~180秒間、2次エッチング処理を行う。2次エッチング処理を通じてステンレス鋼の表面にさらに不規則なエッチングの跡を形成し、表面をさらに粗くする。
【0018】
(d)段階は、硝酸(濃度1~50%)、リン酸(濃度1~50%)、硫酸(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(濃度1~50%)、水酸化カリウム(濃度1~50%)、炭酸ナトリウム(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(濃度1~50%)で使用して、添加剤である0.1~1%の1次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、30~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~3A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行う1次シランカップリング処理をすることによってエッチングされたステンレス鋼の表面に数多いボーア(孔)を持つ酸化膜を形成し、形成された多孔性ボーアと一緒にボーアにシランカップリング剤を浸透させる。それで、ステンレス鋼とポリマー間の結合力を増加させて接合性を向上させる。 前記(d)段階で形成された1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の厚さは50~100nmで、表面に数多いボーア(孔)を持つ。
【0019】
(d)段階で、添加剤である1次シランカップリング剤は、(RO)Si-(CH-NH、 (RO)Si-(CH-Si(OC、 (RO)Si-(CH-SH、 (RO)Si-CH=CH、 (RO)Si-(CH-OOC(CH)C=CH、 (RO)Si-(CH-O-CHCHCHO、 R-Si-Cl、 及び(RO)Si-(CH15CHの中少なくとも2つ以上を混合して使用することが良い。
【0020】
(e)段階で、硫酸、リン酸と微量の硝酸を含む酸性溶液において 30~70℃の温度で10~300秒間に沈漬させることで、実施することにより、表面をエッチングすることでさらに荒らすとともに、マイクロクラックに浸透したシランカップリング剤を含むステンレス鋼の表面の酸化膜をエッチングとともに約60%を除去しながら多孔性のボーアを一部残すことによって、2次シランカップリング処理段階で、残ったボーア内にアノダイジング処理による他のボーアが生じられるようにボーアの一部を除去する目的がある。
【0021】
(f)段階は、硝酸(濃度1~50%)、リン酸(濃度1~50%)、硫酸(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(濃度1~50%)、水酸化カリウム(濃度1~50%)、炭酸ナトリウム(濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(濃度1~50%)で使用して、添加剤である0.1~1%の2次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、30~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~10A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行う2次シランカップリング処理をすることによってエッチングされたステンレス鋼の表面に数多いボーア(孔)を持つ酸化膜を形成し、形成された多孔性ボーアと一緒にボーアにシランカップリング剤を浸透させる。それで、ステンレス鋼とポリマー間の結合力を増加させて接合性を向上させる。 前記(f)段階で形成された1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の厚さは100~150nmで、表面に数多いボーア(孔)を持つ。このように1、2次シランカップリング処理を通じて、ステンレス鋼の表面に対する1次シランカップリング処理の時に形成された酸化膜のボーア内に2次シランカップリング処理によって、微細なボーアを再び形成して、とかげの足の裏の毛のような模様の酸化被膜模様を形成して、接触面積を最大化して、ポリマーと、ステンレス鋼の接合力を極大化する。特に2次シランカップリング剤がステンレス鋼の表面にさらに浸透し、ポリマーと結合時に強い結合力を有する。
【0022】
(f)段階での、添加剤である2次シランカップリング剤は、(RO)Si-(CH-NH、 (RO)Si-(CH-Si(OC、 (RO)Si-(CH-SH、 (RO)Si-CH=CH、 (RO)Si-(CH-OOC(CH)C=CH、 (RO)Si-(CH-O-CHCHCHO、 R-Si-Cl、 及び(RO)Si-(CH15CHの中少なくとも2つ以上を混合して使用することが良い。
【0023】
(d)と前記(f)段階での、前記添加剤である1次シランカップリング剤と2次シランカップリング剤は、互いに同じ種類を使用し、互いに異なる混合割り率で使用することが良い。互いに異なる混合割り率であるため、ポリマーとの結合力においてさらに強い結合力を有することができる。
【0024】
このような1、2次シランカップリング処理によって、ステンレス鋼の表面に表面粗度が増加し、微細なボーアが多く形成され、形成されたボーアにシランカップリング剤が浸透し、ポリマーとの結合時に化学的反応を通じてシランカップリング剤とポリマーとの結合が行われる。このような表面粗さと微細なボーア及びシランカップリング剤によってポリマーとステンレス鋼の間の接合力を極大化する効果がある。
【0025】
図1に本発明によるステンレス鋼の表面処理のそれぞれの工程によるステンレス鋼の表面の写真を示した。
(a)はステンレス鋼の表面写真であり、
(b)酸化アノダイジング処理する1次シランカップリング処理段階後のステンレス鋼の表面写真であり、
(c)酸化アノダイジング処理する2次シランカップリング処理段階後のステンレス鋼の表面写真である。
以下、具体的な実施例と図面を説明する。
【0026】
本発明の効果を立証するために従来例及び実施例1と2に対する試片をそれぞれの実験に対して各10個作って実験を行った。
使用可能なステンレス鋼はSUS2XX、SUS3XX、SUS4XX及びSUS6XX系列のステンレス鋼を使用することができる。
実験に使われた試片はSUS316のステンレス鋼を使用した。
使用されたSUS316のステンレス鋼の成分表を下記の表1に示す。
【表1】
【0027】
本発明に使用可能なポリマーは複合樹脂であり、Polyethylene、 polypropylene、polyvinyl chloride、 polyvinyl acetate、 polyacrylic acid ester、 polymethacrylic acid ester、 unsaturated polyester、 polyester、 polyamide、 polyether、 polyurethane elastomer、 polystyrene、 polysulfon、 polyether sulfone、 polyarylate、 polyacetal 、 Polyethylene terephthalate、 Polypropylene、 Polyphenylene ether、 Polyphenylene oxide、 Polyphenylene sulfide、 Polybutadiene、 Polybutylene terephthalate、 Polymethylpentene、 Liquid crystal polymerなどを使用することができる。
実験に使用された試片のポリマーは下記の表2のPPSレジン(Polyplastics Co.、 Ltd.の30%のglass fiberを有するPolypropylene sulfide(PPS))を使用した。
使用されたPPSレジンの物性表を下記の表2に示す。
【表2】
【0028】
〔従来例〕
ステンレス鋼の試片を、
(a)ステンレス鋼の表面を一般的な硫酸、リン酸と微量の硝酸を含む酸性溶液に30~60℃で10~180秒間エッチングを行うエッチング処理段階、
(b)ステンレス鋼の表面を一般的なアルカリ洗浄剤に30~60℃で周波数24~100kHz、出力400Wで10~180秒間超音波を用いた表面処理を実施する表面処理段階、
(c)ステンレス鋼の表面を一般的な硝酸、リン酸と微量の硫酸を含む酸性溶液に30~60℃で10~180秒間、2次エッチング処理を行う2次エッチング処理段階を行った従来の方法で試片を作った。
【0029】
〔実施例1〕
(a)~(c)段階後、(d)ステンレス鋼の表面を苛性ソーダ(5%)、炭酸ナトリウム(5%)、窒酸アンモニウム(5%)を3:1:1の割合で混合されたアルカリ溶液(濃度25%)に(RO)Si-(CH-Si(OC、(RO)Si-(CH-SHを1:3の割合で混合された0.5%の1次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、前記溶液で50℃で、500msパルスの整流器を使用して、1.5A/dmの電流密度で150秒間アノダイジング処理を行う1次シランカップリング処理をする。
【0030】
〔実施例2〕
(a)~(d)段階後、(e)ステンレス鋼の表面をリン酸(濃度20%)と微量の硫酸を含む酸性溶液に30~60℃で10~180秒間、エッチング処理を行して酸化膜の一部を除去する段階を実施した後、(f)ステンレス鋼の表面を苛性ソーダ(5%)、炭酸ナトリウム(5%)、窒酸アンモニウム(5%)を3:1:1の割合で混合されたアルカリ溶液(濃度25%)に(RO)Si-(CH-Si(OC、(RO)Si-(CH-SHを3:1の割合で混合された0.5%の1次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、前記溶液で50℃で、500msパルスの整流器を使用して、5A/dmの電流密度で150秒間アノダイジング処理を行う2次シランカップリング処理段階を実施して試片を作った。
【0031】
このように従来例及び実施例1~2の3つの方法で作られた試片で、それぞれ引張実験、放置時間による結合力測定及び密閉実験などを実施した。その結果は以下の通りである。
〔実験例1〕
<引張実験>
【0032】
前記従来例及び実施例1~2に使用された試片は図5の(a)のようにSUS316のステンレス鋼で、サイズは横12mm、縦40mm、厚さ3mmに製作し、従来例及び実施例1~2の工程によって製作されたステンレス鋼試片は図5の(b)のように横12mm、縦40mm、厚さ3mmのポリマーを縦方向で射出して結合させる。
接合強度を測定するためにステンレス鋼とポリマーが結合された試片を恒温恒湿1000HR前/後に図5の(c)のように引張実験を実施し、その結果を図6に示した。
【0033】
図5(a)は引張実験のために製作されたステンレス鋼試片である。
図5(b)はステンレス鋼試片にポリマーを結合させたものである。
図5(c)は引張実験方法に係る写真である。
【0034】
図6は従来の製品と本源の発明品をそれぞれ恒温恒湿テスト後、引張実験の結果を示した。
図6のグラフのように、従来例の試片より実施例1の試片が恒温恒湿試験前/後の引張力が優れていることが分かる。
また、実施例1の試片より実施例2の試片が最も優れていることが分かる。
【0035】
図7は恒温恒湿試験後、引張実験完了後、それぞれの従来例及び実施例1~2による試片の分離されたステンレス鋼表面に残っているポリマーの量に係る写真である。
従来例の試片の分離面写真で、分離されてステンレス鋼の表面にポリマーの量が30%程度存在することが分かる。
実施例1の試片の分離面写真で、分離されてステンレス鋼の表面にポリマーの量が60%程度存在することが分かる。
実施例2の試片の分離面写真で、分離されてステンレス鋼の表面にポリマーの量が80%程度存在することが分かる。
〔実験例2〕
<放置時間による結合力測定>
【0036】
図8のグラフは従来例及び実施例1~2の試片を製作して、ポリマー結合後、1カ月から12カ月間、時間経過による引張力試験を実施した結果である。
実験に使用されたサンプルはそれぞれの引張力テストに各10個をテストした後、その平均値を記載したものである。
その結果、従来例の試片より実施例1の試片が時間経過による引張力低下が優れていることが分かる。
また、実施例1の試片より実施例2の試片が時間経過による引張力低下が最も優れていることが分かる。
〔実験例3〕
<密閉実験>
【0037】
前記従来例及び実施例1~2の試片を用いてステンレス鋼とポリマーとの密閉状態を測定するために恒温恒湿1000HR後に密閉実験を実施し、その結果を図10に示す。
前記従来例及び実施例1~2に使用された試片は図9の(a)のようにSUS316のステンレス鋼で、サイズは横12mm、縦40mm、厚さ3mmに製作し、従来例及び実施例1~2の工程によって製作されたステンレス鋼試片の真ん中に直径39.6mm、厚さ1mmの円形ポリマーを射出して結合させる。
接合強度を測定するためにステンレス鋼とポリマーが結合された試片を恒温恒湿1000HR後に図9の(b)のように密閉実験を実施し、その結果を図10に示す。
【0038】
図10のグラフのように、従来例の試片より実施例1の試片が密閉性が優れていることが分かる。また、実施例1の試片より実施例2の試片が密閉性が最も優れていることが分かる。
【0039】
図9(a)は恒温恒湿後、密閉実験用試片写真である。
図9(b)は恒温恒湿後、密閉実験機器の写真である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明はポリマーとステンレス鋼の接合体の製造方法で、ステンレス鋼の表面処理を通じてポリマーとステンレス鋼の接合力を強化して部品の密閉性を向上させる効果がある。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーとステンレス鋼の接着結合のためのステンレス鋼の表面処理方法として、
(a)ステンレス鋼の表面を酸性溶液を用いてエッチングする1次エッチング処理段階、
(b)前記1次エッチング処理したステンレス鋼をアルカリ洗浄液中、超音波で処理してその表面にマイクロクラックを生成する表面処理段階、
(c)前記超音波で表面処理したステンレス鋼の表面を酸性溶液でエッチングする2次エッチング処理段階、
(d)前記2次エッチング処理したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する1次シランカップリング(Silane Coupling)処理段階、
(e)前記1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の一部を酸性溶液を用いてエッチングして除去する段階、及び
(f)表面の酸化膜の一部を除去したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する2次シランカップリング処理段階を含むことを特徴とするステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項2】
前記(d)段階で、
硝酸(電解質溶液の濃度1~50%)、リン酸(電解質溶液の濃度1~50%)、硫酸(電解質溶液の濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(電解質溶液の濃度1~50%)、水酸化カリウム(電解質溶液の濃度1~50%)、炭酸ナトリウム(電解質溶液の濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(電解質溶液の濃度1~50%)で使用して、添加剤である電解質溶液の濃度で0.1~1%の1次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、30~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~3A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項3】
前記(e)段階で、
硫酸、リン酸と微量の硝酸を含む酸性溶液において 30~70℃の温度で10~300秒間実施することにより、ステンレス鋼の表面の酸化膜をエッチングとともに50~60%を除去することを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項4】
前記(f)段階で、
硝酸(電解質溶液の濃度濃度1~50%)、リン酸(電解質溶液の濃度濃度1~50%)、硫酸(電解質溶液の濃度濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(電解質溶液の濃度1~50%)、水酸化カリウム(電解質溶液の濃度1~50%)、炭酸ナトリウム(電解質溶液の濃度1~50%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(電解質溶液の濃度1~50%)で使用して、添加剤である電解質溶液の濃度0.1~1%の2次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、10~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~10A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項5】
前記(d)段階での、前記添加剤である1次シランカップリング剤及び前記(f)段階での、前記添加剤である2次シランカップリング剤は、
(RO)Si-(CH-NH、(RO)Si-(CH-Si(OC、(RO)Si-(CH-SH、(RO)Si-CH=CH、(RO)Si-(CH-OOC(CH)C=CH、(RO)Si-(CH-O-CHCHCHO、R-Si-Cl、及び(RO)Si-(CH15CHの中少なくとも2つ以上を混合して使用することを特徴とする請求項2、4に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項6】
前記(d)段階での、前記添加剤である1次シランカップリング剤及び前記(f)段階での、前記添加剤である2次シランカップリング剤は、同じ種類で、互いに異なる混合比率で混合されることを特徴とする請求項5に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項7】
前記(d)段階で前記1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面に形成された酸化膜の厚さは50~100nmであり、
前記(f)段階で前記2次シランカップリング処理した後で、ステンレス鋼の表面に前記(d)段階で形成された酸化膜を含む全体の酸化膜の厚さは100~150nmであることを特徴とする請求項5に記載のステンレス鋼の表面処理方法。

【手続補正書】
【提出日】2023-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーとステンレス鋼の接着結合のためのステンレス鋼の表面処理方法として、
(a)ステンレス鋼の表面を酸性溶液を用いてエッチングする1次エッチング処理段階、
(b)前記1次エッチング処理したステンレス鋼をアルカリ洗浄液中、超音波で処理してその表面にマイクロクラックを生成する表面処理段階、
(c)前記超音波で表面処理したステンレス鋼の表面を酸性溶液でエッチングする2次エッチング処理段階、
(d)前記2次エッチング処理したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する1次シランカップリング(Silane Coupling)処理段階、
(e) 前記1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面の酸化膜の一部を酸性溶液を用いてエッチングして除去する段階、及び
(f) 表面の酸化膜の一部を除去したステンレス鋼の表面を酸化アノダイジング処理する2次シランカップリング処理段階を含むことを特徴とするステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項2】
前記(d)段階で、
硝酸(電解質溶液の濃度で1~49%)、リン酸(電解質溶液の濃度で1~49%)、硫酸(電解質溶液の濃度で1~49%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(電解質溶液の濃度で1~49%)、水酸化カリウム(電解質溶液の濃度で1~49%)、炭酸ナトリウム(電解質溶液の濃度で1~49%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(電解質溶液の濃度で~50%)で使用して、添加剤である0.1~1%の1次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、30~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~3A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項3】
前記(e)段階で、
硫酸、リン酸と微量の硝酸を含む酸性溶液において 30~70℃の温度で10~300秒間実施することにより、ステンレス鋼の表面の酸化膜をエッチングとともに50~60%を除去することを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項4】
前記(f)段階で、
硝酸(電解質溶液の濃度で濃度1~49%)、リン酸(電解質溶液の濃度で濃度1~49%)、硫酸(電解質溶液の濃度で濃度1~49%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合酸性溶液又は苛性ソーダ(電解質溶液の濃度で1~49%)、水酸化カリウム(電解質溶液の濃度で1~49%)、炭酸ナトリウム(電解質溶液の濃度で1~49%)の中で少なくとも2つ以上配合の混合アルカリ溶液の中1つの溶液を電解質溶液(電解質溶液の濃度で~50%)で使用して、添加剤である0.1~1%の2次シランカップリング剤(Silane Coupling agent)を添加し、10~70℃で500msパルスの整流器を使用して、0.1~10A/dmの電流密度で10~300秒間アノダイジング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項5】
前記(d)段階での、前記1次シランカップリング(Silane Coupling)処理に用いる添加剤である1次シランカップリング剤及び前記(f)段階での、前記2次シランカップリング(Silane Coupling)処理に用いる添加剤である2次シランカップリング剤は、いずれも、
(RO)Si-(CH-NH、 (RO)Si-(CH-Si(OC、 (RO)Si-(CH-SH、 (RO)Si-CH=CH、 (RO)Si-(CH-OOC(CH)C=CH、 (RO)Si-(CH-O-CHCHCHO、 R-Si-Cl、 及び(RO)Si-(CH15CHの中少なくとも2つ以上を混合して使用することを特徴とする請求項に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項6】
前記(d)段階での、前記添加剤である1次シランカップリング剤及び前記(f)段階での、前記添加剤である2次シランカップリング剤は、いずれも、同じ種類で、互いに異なる混合比率で混合されることを特徴とする請求項5に記載のステンレス鋼の表面処理方法。
【請求項7】
前記(d)段階で前記1次シランカップリング処理したステンレス鋼の表面に形成された酸化膜の厚さは50~100nmであり、
前記(f)段階で前記2次シランカップリング処理した後で、ステンレス鋼の表面に前記(d)段階で形成された酸化膜を含む全体の酸化膜の形成された酸化膜の厚さは100~150nmであることを特徴とする請求項5に記載のステンレス鋼の表面処理方法。