(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098511
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ローイングスキルトレーニング装置
(51)【国際特許分類】
A63B 69/06 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
A63B69/06
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215317
(22)【出願日】2021-12-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】522002593
【氏名又は名称】水谷 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100160543
【弁理士】
【氏名又は名称】河野上 正晴
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】水谷 達也
(57)【要約】 (修正有)
【課題】水辺に設置可能、オールを用いた漕艇動作をしながら漕手の漕艇フォームを指導可能、且つ運搬が容易で低コストのローイングスキルトレーニング装置を提供する。
【解決手段】レール1、レール上を移動可能なシート2、足保持部3、前部フレーム4、後部フレーム5、側部フレーム、前部支柱7a及び後部支柱8a、並びにリガー接続部9aを備え、前部フレームは前部支柱に直交クランプを介して前後方向及び上下方向に位置調節可能に接続され、後部フレームは後部支柱に直交クランプを介して前後方向及び上下方向に位置調節可能に接続され、側部フレームは前部支柱及び後部支柱に直交クランプを介して幅方向及び上下方向に位置調節可能に接続され、前部支柱の幅及び後部支柱の幅は前部フレーム及び後部フレームに沿って変更可能であり、リガー接続部は側部フレームに接続され、フレーム及び支柱が金属パイプで構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール、
前記レール上を移動可能なシート、及び
足保持部
を備えたローイングスキルトレーニング装置であって、
前部フレーム、
後部フレーム、
上段側部フレーム及び下段側部フレームを含む側部フレーム、
前部支柱及び後部支柱、並びに
リガー接続部
をさらに備え、
前記前部フレームは、前記前部支柱に、直交クランプを介して、前記ローイングスキルトレーニング装置の前後方向及び上下方向に位置調節が可能に接続され、
前記後部フレームは、前記後部支柱に、直交クランプを介して、前記ローイングスキルトレーニング装置の前後方向及び上下方向に位置調節が可能に接続され、
前記上段側部フレーム及び前記下段側部フレームを含む前記側部フレームは、前記前部支柱及び前記後部支柱に、直交クランプを介して、前記ローイングスキルトレーニング装置の幅方向及び上下方向に位置調節が可能に接続され、
前記前部支柱の幅及び前記後部支柱の幅は、前記前部フレーム及び前記後部フレームに沿って変更可能であり、
前記レールは、前記前部フレーム及び前記後部フレームに接続され、
前記足保持部は、前記前部フレーム、前記下段側部フレーム、または前記レールに接続され、
前記リガー接続部は、前記上段側部フレームと前記下段側部フレームとに接続され、
前記前部フレーム、前記後部フレーム、前記側部フレーム、前記前部支柱、及び前記後部支柱は金属パイプで構成された、
ローイングスキルトレーニング装置。
【請求項2】
前記前部フレームは、上段前部フレーム及び下段前部フレームを含み、
前記後部フレームは、上段後部フレーム及び下段後部フレームを含み、
前記レールは、前記下段前部フレーム及び前記下段後部フレームに接続され、
前記足保持部は、前記下段前部フレーム及び前記レールに接続される、
請求項1に記載のローイングスキルトレーニング装置。
【請求項3】
前記レールと前記下段側部フレームとの幅方向の間隔が100mm以上である、請求項1または2に記載のローイングスキルトレーニング装置。
【請求項4】
前記リガー接続部は、リガーの付け根の接続部をボルトで固定するための孔を備えた取付板であり、異なる厚みの取付板に変更可能、または取付板の枚数を変更可能に構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のローイングスキルトレーニング装置。
【請求項5】
ずれ防止用のクランプ固定部をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のローイングスキルトレーニング装置。
【請求項6】
ずれ防止用のクランプをさらに備える、請求項5に記載のローイングスキルトレーニング装置。
【請求項7】
前記レールまたは前記シートは、前記シートが前記レールの幅方向に傾くことが可能な構成を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のローイングスキルトレーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船台、桟橋等の水の近くの地上に配置して用いられるローイングスキルトレーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
漕艇のオール漕ぎ運動(ローイング運動)は、自転車エルゴメータと同様に全身的な有酸素運動であることから、様々なトレーニング機器が開発されてきている。トレーニング機器としては、例えば、コンセプト(登録商標)ローイングエルゴメータやウォーターローワー(登録商標)が市販されている。
【0003】
コンセプト(登録商標)ローイングエルゴメータによれば、移動式のシートとフライホイールに取り付けた空気抵抗羽根を用いた装置で、オールにあたる取っ手を握り、膝の伸展動作によりシートを移動させながら取っ手を引くことによって、フライホイールに回転を生じさせ、ボートを漕ぐ感覚でトレーニングすることができる。
【0004】
ウォーターローワー(登録商標)によれば、ウォーターフライホイール(水によるはずみ車)を負荷装置として、移動式シートとオールを漕ぐ動作を組み合わせたトレーニングが可能である。また、油圧を負荷装置としたトレーニング機器として、スペースローワーという製品も市販されている。
【0005】
さらには、移動式シートを用いてオールを漕ぐという動作を共通にしつつ、一本のオールを両手で握り、クラッチに相当する位置を回転中心軸としてオールを漕ぐタイプのトレーニング装置が提案されている(特許文献1)。
【0006】
漕艇競技と同様なオールの動きをトレーニングできる装置として、回流水槽装置を用いたものが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007-330390号公報
【特許文献2】特開平11―299951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、電気的に動作に対する反力としての抵抗を利用しており、電気を必要とし、また、実際のオールを使ったトレーニングを行うことができないので、漕艇動作に伴うオールの先端に接続されているブレードの動きを確認することもできない。
【0009】
特許文献2に記載の装置は、機材を水に浮かべて器具を使用するものであり、回流水槽でモーターを利用して人工的に水流を発生させる必要があり、コストがかかり、装置の運搬は容易ではなく、漕艇の練習場の近く等で手軽にトレーニングを行うことができない。
【0010】
本発明者は大学ボート部のコーチングにおいて上記課題を見いだして鋭意研究を行った。本発明は、水の近くの地上に設置することができ、実際のオールを使ってブレードの水に対する動きを確認しながら漕手の漕艇フォームをリアルタイムに確認及び修正することができ、且つ運搬が容易で低コストのローイングスキルトレーニング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)レール、
前記レール上を移動可能なシート、及び
足保持部
を備えたローイングスキルトレーニング装置であって、
前部フレーム、
後部フレーム、
上段側部フレーム及び下段側部フレームを含む側部フレーム、
前部支柱及び後部支柱、並びに
リガー接続部
をさらに備え、
前記前部フレームは、前記前部支柱に、直交クランプを介して、前記ローイングスキルトレーニング装置の前後方向及び上下方向に位置調節が可能に接続され、
前記後部フレームは、前記後部支柱に、直交クランプを介して、前記ローイングスキルトレーニング装置の前後方向及び上下方向に位置調節が可能に接続され、
前記上段側部フレーム及び前記下段側部フレームを含む前記側部フレームは、前記前部支柱及び前記後部支柱に、直交クランプを介して、前記ローイングスキルトレーニング装置の幅方向及び上下方向に位置調節が可能に接続され、
前記前部支柱の幅及び前記後部支柱の幅は、前記前部フレーム及び前記後部フレームに沿って変更可能であり、
前記レールは、前記前部フレーム及び前記後部フレームに接続され、
前記足保持部は、前記前部フレーム、前記下段側部フレーム、または前記レールに接続され、
前記リガー接続部は、前記上段側部フレームと前記下段側部フレームとに接続され、
前記前部フレーム、前記後部フレーム、前記側部フレーム、前記前部支柱、及び前記後部支柱は金属パイプで構成された、
ローイングスキルトレーニング装置。
(2)前記前部フレームは、上段前部フレーム及び下段前部フレームを含み、
前記後部フレームは、上段後部フレーム及び下段後部フレームを含み、
前記レールは、前記下段前部フレーム及び前記下段後部フレームに接続され、
前記足保持部は、前記下段前部フレーム及び前記レールに接続される、
上記(1)に記載のローイングスキルトレーニング装置。
(3)前記レールと前記下段側部フレームとの幅方向の間隔が100mm以上である、上記(1)または(2)に記載のローイングスキルトレーニング装置。
(4)前記リガー接続部は、リガーの付け根の接続部をボルトで固定するための孔を備えた取付板であり、異なる厚みの取付板に変更可能、または取付板の枚数を変更可能に構成されている、上記(1)~(3)のいずれかに記載のローイングスキルトレーニング装置。
(5)ずれ防止用のクランプ固定部をさらに備える、上記(1)~(4)のいずれかに記載のローイングスキルトレーニング装置。
(6)ずれ防止用のクランプをさらに備える、上記(5)に記載のローイングスキルトレーニング装置。
(7)前記レールまたは前記シートは、前記シートが前記レールの幅方向に傾くことが可能な構成を有する、上記(1)~(6)のいずれかに記載のローイングスキルトレーニング装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、水の近くの地上に設置することができ、実際のオールを使ってブレードの水に対する動きを確認しながら漕手の漕艇フォームをリアルタイムに確認及び修正することができ、且つ運搬が容易で低コストのローイングスキルトレーニング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本ローイングスキルトレーニング装置の側面模式図(バウサイド側からみた模式図)である。
【
図2】
図2は、本ローイングスキルトレーニング装置の上面模式図である。
【
図3】
図3は、本ローイングスキルトレーニング装置の前面模式図である。
【
図4】
図4は、本ローイングスキルトレーニング装置の後面模式図である。
【
図5】
図5は、クランプを用いて、船台に配置した本装置の前部支柱のクランプ固定部及び後部支柱のクランプ固定部と、船台の底部との間を固定する態様を表す模式図である。
【
図6】
図6は、上面が水平な平面形状のレールの長手方向からみた端面模式図である。
【
図7】
図7は、上面が凸形状のレールの長手方向に垂直方向からみた端面模式図である。
【
図8】
図8は、オールのブレード及びブレードに接続するシャフトの一部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、レール、前記レール上を移動可能なシート、及び足保持部を備えたローイングスキルトレーニング装置であって、前部フレーム、後部フレーム、上段側部フレーム及び下段側部フレームを含む側部フレーム、前部支柱及び後部支柱、並びにリガー接続部をさらに備え、前記前部フレームは、前記前部支柱に、直交クランプを介して、前記ローイングスキルトレーニング装置の前後方向及び上下方向に位置調節が可能に接続され、前記後部フレームは、前記後部支柱に、直交クランプを介して、前記ローイングスキルトレーニング装置の前後方向及び上下方向に位置調節が可能に接続され、前記上段側部フレーム及び前記下段側部フレームを含む前記側部フレームは、前記前部支柱及び前記後部支柱に、直交クランプを介して、前記ローイングスキルトレーニング装置の幅方向及び上下方向に位置調節が可能に接続され、前記前部支柱の幅及び前記後部支柱の幅は、前記前部フレーム及び前記後部フレームに沿って変更可能であり、前記レールは、前記前部フレーム及び前記後部フレームに接続され、前記足保持部は、前記前部フレーム、前記下段側部フレーム、または前記レールに接続され、前記リガー接続部は、前記上段側部フレームと前記下段側部フレームとに接続され、前記前部フレーム、前記後部フレーム、前記側部フレーム、前記前部支柱、及び前記後部支柱は金属パイプで構成された、ローイングスキルトレーニング装置を対象とする。
【0015】
本装置は、船台、桟橋、ボートコースの岸、艇庫の縁等の水の近くの地上に設置することができ、実際のオールを使ってブレードの水に対する動きを確認しながら漕手の上半身及び下半身を含む全体の漕艇フォームをリアルタイムに確認及び修正することを可能とし、且つ運搬が容易で低コストで作製することができる。また、本装置によれば、実際にオールのブレードを水中に入れながら漕艇動作を行うことができるので、水圧を感じながら漕艇フォームのトレーニングが可能であり、筋力強化を行なうことも可能である。さらには、本装置によれば、スイープのトレーニング及びスカルのトレーニングの両方が可能である。本明細書において船台とは漕艇用ボートに乗り降りするために用いられている水に浮かぶ台である。図面を参照しながら、本装置の構成を説明する。
【0016】
図1に本ローイングスキルトレーニング装置(以下、本装置ともいう)の側面模式図(バウサイド側からみた模式図)、
図2に本装置の上面模式図、
図3に本装置の前面模式図、及び
図4に本装置の後面模式図を示す。
【0017】
図面において、符号a、bは、本装置の前後方向(長手方向)の軸を中心として対称となるバウサイド側及びストロークサイド側に配置され得る構成を意味する。すなわち、符号aはバウサイド側の配置を意味し、符号bはストロークサイド側の配置を意味する。
【0018】
本明細書において、スイープとは、漕手一人あたり1本のオールで漕ぐ種目をいい、スカルとは、漕手一人あたり2本のオールで左右対称に漕ぐ種目をいう。バウサイドとは、スイープにおいて漕手からみて左側(艇首から艇尾に向かって左側)を意味し、ストロークサイドとは、スイープにおいて漕手からみて右側(艇首から艇尾に向かって右側)を意味する。本明細書において、ローイングスキルトレーニング装置の前後方向とはレール上をシートが移動する方向(艇においては船首と船尾とをつなぐ方向)であり、上下方向とは鉛直方向であり、幅方向とは前後方向及び上下方向に直交する方向(ストロークサイドとバウサイドとをつなぐ方向)である。
【0019】
本装置100は、レール1、レール1上を移動可能なシート2、及び足保持部3を備える。
【0020】
レール1は、シート2がその上を移動可能な金属製のレールであり、
図1及び
図2に例示するように、本装置100の前後方向に延在する。レール1は、一本でも平行に配置された複数本でもよく、シート2がレール1にしたがって本装置100の前後方向に移動可能な構成であればよい。レール1は、その上を移動するシート2との接触面が滑らかな金属製、好ましくは鋼製である。レール1の底面は、本装置100を船台等の地上に設置したときに、船台等の地上の面に接してもよく接しなくてもよい。レール1は、従来の漕艇用トレーニング装置に用いられているレールであることができ、例えばコンセプト(登録商標)ローイングエルゴメータのレールを廃品利用してもよい。
【0021】
レール1は、その上をシート2が移動可能な構成であればよく、例えば50~100mmの幅及び1000~1500mmの長さを有するレールである。レール1は、好ましくは1~135mm、より好ましくは10~100mm、さらに好ましくは20~65mmの高さを有する。レール1が上記好ましい高さを有することにより、レール1上をシート2が移動可能であり、且つ本装置の接地面からのシートの座面の高さを低くすることができ、実際に乗艇したときの漕手の座面の水面からの高さにより近い状態を再現することができる。
【0022】
レール1は、前部フレーム4及び後部フレーム5に接続される。レール1と前部フレーム4及び後部フレーム5との接続方法はレールをフレームに固定できる方法であれば特に限定されないが、例えばU字ボルトを介して接続される。
【0023】
シート2はスライディングシートともいい、シート台座21及びシート座面22を含む。シート台座21は、レール1上を本装置100の前後方向に移動可能に構成され、例えばレール1に接しながら回転する滑車を備える。シート台座21は、好ましくは、レール1の幅方向にずれまたは落下しないように、レール1との係合機構を有する。レール1との係合機構は、レール1に接しながら回転する滑車を備える。
図6に係合機構の一例を示す。レール1の端面上部(長手方向に垂直方向の断面上部)は、レールの側面が凹んだ凹部12を備えたT字形状を有し得る。レール1の上面11には、シート台座21及びシート座面22が配置され得る。シート台座21は、レール1の上面11上を長手方向に回転可能な滑車211と、凹部12に当接または近接してレール1の長手方向に回転可能な滑車212と、滑車211及び滑車212を回転可能に保持するプレート213とを備え得る。滑車211及び滑車212はプレート213にボルト等で保持され得る。プレート213は、好ましくは鋼等の金属製であり、
図6に示すように端面がL形形状を有し得る。
【0024】
レール1の上面はレール1の幅方向の断面において水平な平面形状を備え得る。
図6は、上面11が水平な平面形状のレール1の長手方向からみた端面模式図である。
図6においては、シート2のシート台座21もまた、レール1の幅方向の断面において水平な平面形状のレールとの接触面(滑車)を備える。
図6に例示するようにレール1の上面11及びシート台座21のレールとの接触面が水平な平面形状である場合は、レール1とその上を移動するシート2のシート台座との接触面積が大きくなるので、シート2がレール1の幅方向に傾かずにバランスを気にせずにローイングトレーニングが可能である。
【0025】
レール1またはシート2は、シート2がレール1の幅方向に傾くことが可能な構成を有してもよい。レール1は、例えば、レール1の長軸を中心に回転可能に、前部フレーム4及び後部フレーム5に接続されてもよい。レール1がレール1の長軸を中心に回転可能に前部フレーム4及び後部フレーム5に接続されることにより、漕手は幅方向のバランスを取りながらローイングトレーニングが可能となる。
【0026】
別の例では、レール1は、凸形状の上面11を備え得る。
図7に、上面11が凸形状のレール1の長手方向からみた端面模式図を示す。
図7に例示するようにレール1の上面11が凸形状である場合は、その上を移動するシート2のシート台座(滑車211)との接触面積が小さくなるので、シート2がレール1の幅方向に傾きやすく、幅方向のバランスを取りながらローイングトレーニングが可能となる。
図7においては、シート2のバランスがとれた状態(鉛直方向に対するシート座面の法線の傾きが0度)では、滑車212は凹部12に接触しておらず、シート2がレール1の幅方向に、例えば、0~20度、1~15度、または2~10度傾くことが可能な程度に、滑車212と凹部12との間に隙間が設けられる。
図7においてはまた、レール1の上面11に凹部13が形成されており、滑車211が回転可能に滑車211の凸部211’が凹部13に組合わされてもよい。凸部211’が凹部13に組合わされることにより、シート2がレール1の幅方向ずれることを防止しながらシート2を傾けることができる。レールが凸部を有し、滑車211が凹部を有してもよい。
【0027】
さらに別の例では、シート2のシート台座21は、レール1の幅方向の断面において凸形状のレールとの接触面(滑車)を備え得る。シート台座21のレール1との接触面が凸形状である場合は、
図7に例示した態様と同様にレール上面11との接触面積が小さくなるので、レール1の幅方向に傾きやすく、バランスを取りながらのローイングトレーニングが可能となる。
図7と同様に、シートが幅方向にずれることを防止するために、レール上面11が凹部を有し滑車211が凸部を有してもよく、レール上面11が凸部を有し滑車211が凹部を有してもよい。
【0028】
シート座面22は、シート台座21に取り付けられており、脱着式であることができる。シート座面22は交換可能であり、厚みが異なるシート座面22をシート台座21に取り付けてもよい。漕手の身長、体重等の体格に応じて異なる厚みのシート座面22を使用することで、漕手に対するオールのグリップの上下方向の位置を調節可能である。シート座面22は、ネジ、ビス、ボルト、面ファスナー等でシート台座21に取り付けられ得る。
【0029】
本装置100を船台等の地上に配置したときに、地上面からのシートの座面の高さは、好ましくは50~180mm、より好ましくは60~170mm、さらに好ましくは70~160mmである。シートの座面の高さが上記好ましい範囲内でることにより、実際に乗艇したときの漕手の座面の水面からの高さにより近い状態を再現することができる。
【0030】
足保持部3はストレッチャーとも呼ばれ、従来の漕艇用トレーニング装置に用いられているストレッチャーまたは実際の漕艇用ボートで使用されているストレッチャーと同じ構成を有し得る。例えば、足保持部3は、コンセプト(登録商標)ローイングエルゴメータのフレックスフットを廃品利用してもよい。足保持部3は、例えば、足を固定可能なベルト32a、32bを備えた足固定部31a、31b、及び足固定部31a、31bがネジ等で固定される台座30a、30bを備える。足固定部31a、31bの本体はゴム製、ベルト32a、32bは布製または紐製であることができる。別法では、足保持部3は、例えば、足を入れる靴、及び靴の靴底がネジ等で固定される台座30a、30bを備える。足固定部または靴底が固定される台座30a、30bは、鋼等の金属製であることができる。
【0031】
足保持部3は、足固定部または靴底が固定される台座30a、30bを介して、前部フレーム4、下段側部フレーム62a、62b、またはレール1に接続される。足保持部3が前部フレーム4または下段側部フレーム62a、62bに接続される場合、前部フレーム4または下段側部フレーム62a、62bの上下方向の位置を変えることにより、足保持部の台座の上下方向の位置及び角度の調節が可能である。台座30a、30bのかかと側の端部は、漕手が適切なローイング姿勢をより容易にとることを可能にするためにシート座面22の高さに対する鉛直方向の距離を確保する観点から、船台等の地上面に接触または近い位置に配置されることが好ましく、船台等の地上面から、例えば0~20mm、1~10mm、または2~5mmに配置される。足保持部3は、好ましくは、前部フレーム4に接続される。足保持部3が前部フレーム4に接続される場合、前部フレーム4の前後方向の位置を変えることにより、漕手の体格に合わせた足保持部の位置調節が可能である。足保持部3が下段側部フレーム62a、62bまたはレール1に接続される場合、下段側部フレーム62a、62bに沿って足保持部3を固定する前後方向の位置を変えることができる。足保持部3と、前部フレーム4、下段側部フレーム62a、62b、またはレール1との接続方法は足保持部をフレームとレールに固定できる方法であれば特に限定されないが、例えばU字ボルトを介して接続される。
【0032】
本装置100は、前部フレーム4、後部フレーム5、上段側部フレーム61a、61b及び下段側部フレーム62a、62bを含む側部フレーム6、前部支柱7及び後部支柱8、並びにリガー接続部9をさらに備える。
【0033】
前部フレーム4は、前部支柱7に、直交クランプを介して、本装置100の前後方向及び上下方向に位置調節が可能に接続される。前部フレーム4は、前部支柱7に直交クランプを介して接続されるので、前部支柱7に沿って上下方向に位置調節が可能である。また、前部支柱7は側部フレーム6と直交クランプを介して接続されるので、前部支柱7は側部フレーム6に沿って本装置100の前後方向に位置調節が可能であり、前後方向に位置調節が可能な前部支柱7に直交クランプで接続される前部フレーム4もまた、本装置100の前後方向に位置調節が可能である。
【0034】
後部フレーム5は、後部支柱8に、直交クランプを介して、本装置100の前後方向及び上下方向に位置調節が可能に接続される。後部フレーム5は、後部支柱8に直交クランプを介して接続されるので、後部支柱8に沿って上下方向に位置調節が可能である。また、後部支柱8は側部フレーム6と直交クランプを介して接続されるので、後部支柱8は側部フレーム6に沿って本装置100の前後方向に位置調節が可能であり、前後方向に位置調節が可能な後部支柱8に直交クランプで接続される後部フレーム5もまた、本装置100の前後方向に位置調節が可能である。
【0035】
上段側部フレーム61a、61b及び下段側部フレーム62a、62bを含む側部フレーム6は、前部支柱7及び後部支柱8に、直交クランプを介して、本装置100の幅方向及び上下方向に位置調節が可能に接続される。側部フレーム6は、前部支柱7及び後部支柱8に直交クランプを介して接続されるので、前部支柱7及び後部支柱8に沿って上下方向に位置調節が可能である。また、前部支柱7及び後部支柱8は前部フレーム4及び後部フレーム5と直交クランプを介して接続されるので、前部支柱7及び後部支柱8は前部フレーム4及び後部フレーム5に沿って本装置100の幅方向に位置調節が可能であり、幅方向に位置調節が可能な前部支柱7及び後部支柱8に直交クランプで接続される側部フレーム6もまた、本装置100の幅方向に位置調節が可能である。上記のように、本装置は、様々な方向にフレームの位置を調節可能であり、男女の身長差・体重差等等の体格差に合わせて、トレーニングに適した調節が可能である。
【0036】
前部支柱7は、バウサイド側前部支柱7a及びストロークサイド側前部支柱7bを含む。後部支柱8は、バウサイド側後部支柱8a及びストロークサイド側後部支柱8bを含む。
【0037】
前部支柱7の幅及び後部支柱8の幅を変えることにより、前部支柱7及び後部支柱8に接続される上段側部フレーム61a、61bの幅及び前記下段側部フレーム62a、62bの幅を変えることができるので、スイープ、スカル等の幅の異なる艇のトレーニングが可能になる。前部支柱7の幅及び後部支柱8の幅は、前部フレーム4に直交クランプで接続されたバウサイド側前部支柱7aとストロークサイド側前部支柱7bとの間隔、及び後部フレーム5に直交クランプで接続されたバウサイド側後部支柱8aとストロークサイド側後部支柱8bとの間隔を変えることにより、調節可能である。
【0038】
リガー接続部9は、上段側部フレーム61a、61bと下段側部フレーム62a、62bとに接続される。リガー接続部9と、上段側部フレーム61a、61b及び下段側部フレーム62a、62bとの接続方法はリガー接続部をフレームに固定できる方法であれば特に限定されないが、例えばU字ボルトを介して接続される。
【0039】
本装置100においては、リガー接続部9が、上段側部フレーム61a、61bと下段側部フレーム62a、62bとに接続されるので、上段側部フレーム61a、61bと下段側部フレーム62a、62bの上下方向の位置を調節することにより、リガー接続部9の上下方向の取付位置を調節可能であり、リガー90の上下方向の取付位置も調節可能である。これにより、オールを支えるクラッチの上下方向の位置を変更可能であり、オールの差し込み角を適切な角度に調節することができ、シートに座る漕手の位置に対してオールのグリップ部分の位置を適切な位置に調節可能である。したがって、本装置によれば、実際にボートを漕いでいる状態に近い状態でトレーニングが可能である。
【0040】
リガー接続部9は、バウサイドリガー接続部9a及びストロークサイドリガー接続部9bのうち少なくとも一方を含む。バウサイドリガー接続部9aにはバウサイドリガー90aが接続され、ストロークサイドリガー接続部9bにはストロークサイドリガー90bが接続され得る。
【0041】
リガー接続部9が、バウサイドリガー接続部9aのみを備える場合はバウサイドトレーニングが可能であり、ストロークサイドリガー接続部9bのみを備える場合はストロークサイドトレーニングが可能であり、バウサイドリガー接続部9a及びストロークサイドリガー接続部9bの両方を備える場合は、バウサイドトレーニング、ストロークサイドトレーニング、両サイドのトレーニングが可能である。
【0042】
リガー接続部9に接続され得るバウサイドリガー90a及びストロークサイドリガー90bはそれぞれ、クラッチ接続部91a、91bを有し、クラッチ接続部91a、91bにはそれぞれ、クラッチ92a、92bが回転可能に接続され得る。クラッチ92a、92bにはそれぞれ、バウサイド用オール及びストロークサイド用オールが挿入及び支持され得る。クラッチ接続部91a、91bは、軸形状を有し、漕艇で従来用いられるクラッチ接続用の軸であることができる。クラッチ92a、92bは、漕艇で従来用いられるクラッチであることができる。
【0043】
本装置は、使用するリガーの脚の数に応じた数及び位置のリガー接続部9を備えることができる。本装置のリガー接続部9に接続され得るリガー90は、漕艇で従来用いられるリガーであることができる。リガー90は、例えば、3脚式リガー、2脚式リガー、バックウイングリガー、フロントウイングリガー等であることができる。
【0044】
複数のリガー接続部9を備える場合、好ましくは、後部側(船首側)のリガー接続部9は、後部フレーム5に接して配置される。リガー接続部9はU字ボルト等で強固に側部フレーム6に接続されるので通常のローイング動作でリガー接続部9がずれることはないが、後部側のリガー接続部9が後部フレーム5に接して配置されることで、より高い強度でローイング動作を行ってもリガー接続部9は後部フレーム5に支えられ、ずれを抑制することができる。
【0045】
前部フレーム4、後部フレーム5、側部フレーム6、前部支柱7、及び後部支柱8は金属パイプで構成される。金属パイプは、市場で容易に且つ低コストで入手可能であり、また、パイプカッター等で長さ調節が容易であり、軽量である。したがって、前部フレーム4、後部フレーム5、側部フレーム6、前部支柱7、及び後部支柱8が金属パイプで構成される本装置は低コストで作製することができ、且つ軽量であるため所望の場所に運搬及び配置が容易である。例えば、使用しないときは艇庫内に保管しておき、トレーニングするときは、水辺の地上、例えば船台に容易に人手、例えば一人で運搬及び設置することができる。本装置は、好ましくは15~50kg、より好ましくは20~40kg、さらに好ましくは25~30kgである。
【0046】
金属パイプは、好ましくは単管パイプまたはめっきパイプである。金属パイプは、例えば18~50mmの直径及び1.0~2.5mmの肉厚を有する。金属パイプは、例えば、ステンレス製またはアルミニウム製である。子供から大人までトレーニングする漕手の筋力レベルに応じて、金属パイプの直径及び肉厚並びに材質を変えることで、本装置の質量及び耐用強度の調節が可能である。例えば、直径及び肉厚が小さい金属パイプ及び/またはアルミニウム製パイプで本装置を構成すれば、運搬性を重視した筋力が弱い子供のトレーニング用として使用でき、直径及び肉厚が大きい金属パイプ及び/またはステンレス製パイプで本装置を構成すれば、耐用強度を重視した筋力が強い大人のトレーニング用として使用することができる。
【0047】
好ましくは、前部フレーム4は上段前部フレーム41及び下段前部フレーム42を含み、後部フレーム5は上段後部フレーム51及び下段後部フレーム52を含み、レール1は下段前部フレーム42及び下段後部フレーム52に接続され、足保持部3は下段前部フレーム42、下段側部フレーム62a、62b、またはレール1に接続される。足保持部3は、好ましくは、下段前部フレーム42に接続される。
【0048】
前部フレーム4が上段前部フレーム41及び下段前部フレーム42を含み、後部フレーム5が上段後部フレーム51及び下段後部フレーム52を含む場合、レール1は下段前部フレーム42及び下段後部フレーム52に接続され、足保持部3は下段前部フレーム42、下段側部フレーム62a、62b、またはレール1に接続される。上段前部フレーム41及び上段後部フレーム51はそれぞれ、前部支柱7及び後部支柱8の梁として機能し、より強い力で漕艇動作を行ってもフレームの歪みを抑制することができる。
【0049】
レール1と下段側部フレーム62a、62bとの幅方向(水平方向)の間隔は、好ましくは100mm以上、より好ましくは125mm以上、さらに好ましくは150mm以上、さらに好ましくは175mm以上、さらにより好ましくは200mm以上である。上記幅方向(水平方向)の間隔が上記好ましい範囲であることにより、本装置を運搬する際に、レール1をまたぐようにレール1と下段側部フレーム62a、62bとの間に両足を入れて上段側部フレーム61a、61bを把持することにより、一人で本装置を容易に運搬することができる。上記間隔の上限は特に限定されないが、本装置の幅の観点から、例えば250mm以下でもよい。
【0050】
リガー接続部9は、好ましくは、リガーの付け根の接続部をボルトで固定するための孔を備えた取付板であり、異なる厚みの取付板に変更可能、または取付板の枚数を変更可能に構成されている。これにより、リガーの高さ及びクラッチの高さが変更可能であり、漕手の手元に位置するオールのグリップの高さを調節することができる。このようにオールのグリップの高さを調節することができるので、様々な体格の漕手がより適切にトレーニングを行うことができる。
【0051】
本装置100を船台等の地上に配置したときに、地上面からのクラッチの底部の高さは、好ましくは220~350mm、より好ましくは230~340mm、さらに好ましくは240~330mmである。クラッチの底部の高さが上記好ましい範囲内でることにより、実際に乗艇したときの漕手に対するオールのグリップ位置により近い状態を再現することができる。
【0052】
取付板は、ステンレス、アルミニウム等の金属、木材、プラスチック、またはそれらの組み合わせで構成される。取付板の厚みは、好ましくは1~30mm、より好ましくは3~20mm、さらに好ましくは5~10mmである。複数枚の取付板を備える場合は、各取付板の厚みは異なってもよい。オールのグリップの上下方向の位置の調節を容易にする厚み及び枚数の取付板を用いればよい。別法では、本装置100は、取付板とリガーにリガーの付け根の接続部との間に配置される、リガー角度調整用部材を備えてもよい。リガー角度調整用部材は、ステンレス、アルミニウム等の金属、木材、プラスチック、またはそれらの組み合わせで構成される。リガー角度調整用部材は、取付板よりも小さい面積を有し、リガーの付け根の接続部の上部のみに配置すればクラッチ位置を低くすることができ、リガーの付け根の接続部の下部のみに配置すればクラッチ位置を高くすることができ、クラッチの鉛直方向の高さ調整をおこなうことができる。
【0053】
本装置100は、好ましくは、ずれ防止用のクランプ固定部を備える。本装置100はまた、好ましくは、ずれ防止用のクランプを備える。ずれ防止用のクランプ固定部は、クランプを用いて本装置を固定可能に構成され、例えば、前部フレーム、後部フレーム、側部フレーム、前部支柱、後部支柱、及びリガー接続部の少なくとも一つがクランプ固定部を備え得る。より好ましくは、前部支柱7が、ずれ防止用のクランプ固定部71a、71bを備え、後部支柱8が、ずれ防止用のクランプ固定部81a、81bを備える。前部支柱7及び後部支柱8が備えるクランプ固定部71a、71b、81a、81bは、支柱の地上との接地面に配置されるピラーでもよい。
【0054】
図5に、クランプ95を用いて、厚みが300mm程度の船台96に配置した本装置100のバウサイド側前部支柱7aのクランプ固定部71a(図示せず)及びバウサイド側後部支柱8aのクランプ固定部81aと、船台96の底部97との間を固定する態様を表す模式図を示す。
図5では、クランプ95を用いて、クランプ固定部71a、81aを介して、本装置100が船台に強固に固定される。
【0055】
本装置を単に水の近くの地上に配置して漕手がオールを強く漕ぐ動作をすると、オールのクラッチ及びリガーから伝わる力の作用で本装置が地上面でずれてしまうことがある。これに対して、クランプ固定部を介してクランプで本装置を船台等の地上に固定することにより、本装置のずれを抑制することができる。これにより、漕手がオールを強く漕ぐ動作をしても本装置がずれることを抑制することができるので、オールのブレードを水中に入れて実際に漕ぐ動作をしながら漕手のフォームをリアルタイムに確認及び修正するトレーニングが可能となり、連続したローイング動作及び筋力強化を行なうことも可能である。本装置と組みわせて用いられ得るオール98は、好ましくは、
図8に例示するような少なくとも一部に孔982を有するブレード981を備える。漕手の漕力やトレーニング目的に応じて、孔の面積、位置、または形状が異なるブレードを備えたオールを使用することにより、ブレードが水から受ける抵抗力を変えることができる。
図8は、オール98のブレード981及びブレードに接続するシャフト983の一部の模式図である。
【0056】
クランプ95は、本装置100を、クランプ固定部を介して、地上との間に固定可能なものであれば特に限定されず、市販のクランプを用いることができる。固定する船台等の厚みに応じて適切なクランプを用いればよい。
【0057】
クランプ95の設置箇所は、例えば、
図5に示すように、本装置が、側部フレーム6のバウサイド側だけが水際と平行になるように設置されるときは、前部支柱7aと後部支柱8aとの2カ所に設置することができる。また、例えば、本装置が船台の隅に配置され、バウサイド側と前部が水際と平行になるように設置されるときは、前部支柱7a及び7bと後部支柱8aの3カ所にクランプ95を設置することができ、さらに強固に固定することができる。また、例えば、スカルのトレーニングを行う際に、本装置を、側部フレーム6のストロークサイド側及びバウサイド側の両側が水際と平行になるように設置されるときは、前部支柱7a及び7bと後部支柱8a及び8bとの4カ所にクランプ95を設置することができる。また、例えば、スカルのトレーニング、特にエントリードリル(キャッチの位置でブレードを水中に入れる動作トレーニング)を行う際に、船台の隅に斜めに本装置を配置して、後部支柱8a及び8bの2カ所にクランプ95を設置することができる。1つのクランプ固定部に複数のクランプ95を使用してもよい。
【0058】
本装置は、水辺であれば所望の場所に配置してトレーニングに用いられ得るが、水面からの高さが好ましくは50mm以内、より好ましくは40mm以内、さらに好ましくは30mm以内の地上面に配置され得る。水面からの高さが上記好ましい範囲内の地上面に本装置が配置されることにより、漕手、オール、及び水面の位置関係が実際の乗艇中の状態により近い状態で、トレーニングすることができる。
【符号の説明】
【0059】
100 ローイングスキルトレーニング装置
1 レール
11 レール上面 12 レール側面の凹部
13 レール上面の凹部
2 シート
21 シート台座
211 レール上面を回転可能な滑車
211’ レール上面を回転可能な滑車の凸部
212 レール側面の凹部を回転可能な滑車
213 プレート
22 シート座面
3 足保持部
30a、30b 台座
31a、31b 足固定部
32a、32b ベルト
4 前部フレーム
41 上段前部フレーム
42 下段前部フレーム
5 後部フレーム
51 上段後部フレーム
52 下段後部フレーム
6 側部フレーム
61a、61b 上段側部フレーム
62a、62b 下段側部フレーム
7、7a、7b 前部支柱
前部支柱のクランプ固定部 71a、71b
8、8a、8b 後部支柱
後部支柱のクランプ固定部 81a、81b
9、9a、9b リガー接続部
90a、90b リガー
91a、91b クラッチ接続部
92a、92b クラッチ
95 クランプ
96 船台
97 船台の底部
98 オール
981 ブレード
982 ブレードの孔
983 シャフト