(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098514
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】画像処理装置、プログラム、及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20230703BHJP
G06T 7/20 20170101ALI20230703BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
G06T7/20 300Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215320
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石若 裕子
(72)【発明者】
【氏名】須田 和人
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA02
5L096CA02
5L096CA27
5L096DA03
5L096FA02
5L096GA51
5L096JA11
5L096JA16
5L096KA04
5L096KA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】X線検査装置の代わりに簡易に設置でき、イベント会場等での手荷物検査を非接触で自動で行う画像処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置を有する検査設備と、サーバとがネットワーク介して通信するシステムにおいて、画像処理装置として動作するサーバ100は、開口している鞄を撮像した鞄画像を取得する撮像画像取得部106と、鞄画像に基づいて、鞄の中の複数のオブジェクトを認識し、複数のオブジェクトを含む鞄の重量を推定する重量推定部110と、鞄の重量を実測した実測値を取得する実測値取得部108と、重量推定部が推定した推定重量と実測値との差分に基づいて、鞄に危険物が隠されているか否かを判定する判定部112と、を備える。重量推定部は、機械学習を用いて生成された、画像から当該画像に含まれるオブジェクトを推定する学習モデルに、鞄画像を入力することによって、複数のオブジェクトを含む鞄の重量を推定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口している鞄を撮像した鞄画像を取得する撮像画像取得部と、
前記鞄画像に基づいて、前記鞄の中の複数のオブジェクトを認識し、前記複数のオブジェクトを含む前記鞄の重量を推定する重量推定部と、
前記鞄の重量を実測した実測値を取得する実測値取得部と、
前記重量推定部によって推定された推定重量と前記実測値との差分に基づいて、前記鞄に危険物が隠されているか否かを判定する判定部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記撮像画像取得部は、重量計に配置された前記鞄を撮像した鞄画像を取得し、
前記実測値取得部は、前記重量計によって実測された前記実測値を取得する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記撮像画像取得部は、前記鞄を前記重量計に配置する前記鞄の所持者を撮像した所持者画像を取得し、
前記判定部は、前記推定重量と前記実測値との差分、及び前記所持者画像に基づいて、前記鞄に危険物が隠されているか否かを判定する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記所持者画像に基づいて推定した前記所持者の不審度と、前記推定重量と前記実測値との差分とに基づいて、前記鞄に危険物が隠されているか否かを判定する、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記推定重量と前記実測値との差分が、前記所持者の不審度に対応する差分閾値より小さい場合、前記鞄に危険物が隠されていないと判定し、前記差分が前記差分閾値より大きい場合、前記鞄に危険物が隠されていると判定する、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、人物の画像から当該人物の不審度を推定する学習モデルに前記所持者画像を入力することによって、前記所持者の不審度を推定する、請求項4又は5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、人物を被写体として含む画像と、当該人物の不審度情報とを教師データとして機械学習することによって生成された前記学習モデルに前記所持者画像を入力する、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記判定部によって前記鞄に危険物が隠されていると判定された場合に、警告を出力するよう制御する警告制御部
を更に備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記警告制御部は、前記推定重量と前記実測値との差分が大きいほど警告度の高い前記警告を出力するよう制御する、請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記重量推定部は、画像から当該画像に含まれるオブジェクトを推定する学習モデルに前記鞄画像を入力することによって、前記複数のオブジェクトを含む前記鞄の重量を推定する、請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記重量推定部は、前記鞄画像を前記学習モデルに入力することによって、前記鞄の中の前記複数のオブジェクトを認識し、複数種類のオブジェクトのそれぞれの重量が登録された重量データを参照することによって、前記複数のオブジェクトを含む前記鞄の重量を推定する、請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記重量推定部は、オブジェクトを被写体として含む画像と前記オブジェクトを識別可能なオブジェクト識別情報とを教師データとして機械学習することによって生成された前記学習モデルに前記鞄画像を入力する、請求項10又は11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記判定部は、前記推定重量と前記実測値との差分が、予め定められた差分閾値より小さい場合、前記鞄に危険物が隠されていないと判定し、前記差分が前記差分閾値より大きい場合、前記鞄に危険物が隠されていると判定する、請求項1から12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記判定部は、前記推定重量と前記実測値との差分が、前記鞄のサイズに基づく前記差分閾値より小さい場合、前記鞄に危険物が隠されていないと判定し、前記差分が前記差分閾値より大きい場合、前記鞄に危険物が隠されていると判定する、請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記判定部は、前記推定重量と前記実測値との差分が、前記鞄のサイズが大きいほど高い値を示す前記差分閾値より小さい場合、前記鞄に危険物が隠されていないと判定し、前記差分が前記差分閾値より大きい場合、前記鞄に危険物が隠されていると判定する、請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記判定部は、前記推定重量と前記実測値との差分が、前記鞄の形状に応じた前記差分閾値より小さい場合、前記鞄に危険物が隠されていないと判定し、前記差分が前記差分閾値より大きい場合、前記鞄に危険物が隠されていると判定する、請求項13から15のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記推定重量と前記実測値との差分が、前記差分閾値よりも高い指示閾値より大きい場合に、前記鞄の所持者に対して指示情報を出力するよう制御する指示制御部
を更に備える、請求項13から16のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の画像処理装置と、
前記鞄を撮像する撮像装置と
を備えるシステム。
【請求項19】
コンピュータを、請求項1から17のいずれか一項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項20】
コンピュータによって実行される画像処理方法であって、
開口している鞄を撮像した鞄画像を取得する撮像画像取得段階と、
前記鞄画像に基づいて、前記鞄の中の複数のオブジェクトを認識し、前記複数のオブジェクトを含む前記鞄の重量を推定する重量推定段階と、
前記鞄の重量を実測した実測値を取得する実測値取得段階と、
前記重量推定段階において推定された推定重量と前記実測値との差分に基づいて、前記鞄に危険物が隠されているか否かを判定する判定段階と
を備える画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、プログラム、及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、X線手荷物検査装置が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2021-099246号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、画像処理装置が提供される。画像処理装置は、開口している鞄を撮像した鞄画像を取得する撮像画像取得部を備えてよい。画像処理装置は、鞄画像に基づいて、鞄の中の複数のオブジェクトを認識し、複数のオブジェクトを含む鞄の重量を推定する重量推定部を備えてよい。画像処理装置は、前記鞄の重量を実測した実測値を取得する実測値取得部を備えてよい。画像処理装置は、重量推定部によって推定された推定重量と実測値との差分に基づいて、鞄に危険物が隠されているか否かを判定する判定部を備えてよい。
【0004】
上記撮像画像取得部は、重量計に配置された上記鞄を撮像した鞄画像を取得してよく、上記実測値取得部は、上記重量計によって実測された上記実測値を取得してよい。上記撮像画像取得部は、上記鞄を上記重量計に配置する上記鞄の所持者を撮像した所持者画像を取得してよく、上記判定部は、上記推定重量と上記実測値との差分、及び上記所持者画像に基づいて、上記鞄に危険物が隠されているか否かを判定してよい。上記判定部は、上記所持者画像に基づいて推定した上記所持者の不審度と、上記推定重量と上記実測値との差分とに基づいて、上記鞄に危険物が隠されているか否かを判定してよい。上記判定部は、上記推定重量と上記実測値との差分が、上記所持者の不審度に対応する差分閾値より小さい場合、上記鞄に危険物が隠されていないと判定し、上記差分が上記差分閾値より大きい場合、上記鞄に危険物が隠されていると判定してよい。上記判定部は、人物の画像から当該人物の不審度を推定する学習モデルに上記所持者画像を入力することによって、上記所持者の不審度を推定してよい。上記判定部は、人物を被写体として含む画像と、当該人物の不審度情報とを教師データとして機械学習することによって生成された上記学習モデルに上記所持者画像を入力してよい。
【0005】
上記画像処理装置は、上記判定部によって上記鞄に危険物が隠されていると判定された場合に、警告を出力するよう制御する警告制御部を更に備えてよい。上記警告制御部は、上記推定重量と上記実測値との差分が大きいほど警告度の高い上記警告を出力するよう制御してよい。上記重量推定部は、画像から当該画像に含まれるオブジェクトを推定する学習モデルに上記鞄画像を入力することによって、上記複数のオブジェクトを含む上記鞄の重量を推定してよい。上記重量推定部は、上記鞄画像を上記学習モデルに入力することによって、上記鞄の中の上記複数のオブジェクトを認識し、複数種類のオブジェクトのそれぞれの重量が登録された重量データを参照することによって、上記複数のオブジェクトを含む上記鞄の重量を推定してよい。上記重量推定部は、オブジェクトを被写体として含む画像と上記オブジェクトを識別可能なオブジェクト識別情報とを教師データとして機械学習することによって生成された上記学習モデルに上記鞄画像を入力してよい。
【0006】
上記判定部は、上記推定重量と上記実測値との差分が、予め定められた差分閾値より小さい場合、上記鞄に危険物が隠されていないと判定し、上記差分が上記差分閾値より大きい場合、上記鞄に危険物が隠されていると判定してよい。上記判定部は、上記推定重量と上記実測値との差分が、上記鞄のサイズに基づく上記差分閾値より小さい場合、上記鞄に危険物が隠されていないと判定し、上記差分が上記差分閾値より大きい場合、上記鞄に危険物が隠されていると判定してよい。上記判定部は、上記推定重量と上記実測値との差分が、上記鞄のサイズが大きいほど高い値を示す上記差分閾値より小さい場合、上記鞄に危険物が隠されていないと判定し、上記差分が上記差分閾値より大きい場合、上記鞄に危険物が隠されていると判定してよい。上記判定部は、上記推定重量と上記実測値との差分が、上記鞄の形状に応じた上記差分閾値より小さい場合、上記鞄に危険物が隠されていないと判定し、上記差分が上記差分閾値より大きい場合、上記鞄に危険物が隠されていると判定してよい。上記推定重量と上記実測値との差分が、上記差分閾値よりも高い指示閾値より大きい場合に、上記鞄の所持者に対して指示情報を出力するよう制御する指示制御部を更に備えてよい。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、上記画像処理装置と、鞄を撮像する撮像装置とを備えるシステムが提供される。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記画像処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される画像処理方法が提供される。情報処理方法は、開口している鞄を撮像した鞄画像を取得する撮像画像取得段階を備えてよい。情報処理方法は、鞄画像に基づいて、鞄の中の複数のオブジェクトを認識し、複数のオブジェクトを含む鞄の重量を推定する重量推定段階を備えてよい。情報処理方法は、鞄の重量を実測した実測値を取得する実測値取得段階を備えてよい。情報処理方法は、重量推定段階において推定された推定重量と実測値との差分に基づいて、鞄に危険物が隠されているか否かを判定する判定段階を備えてよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】サーバ100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図3】サーバ100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図4】サーバ100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図5】サーバ100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図6】検査を主体的に実行する場合の情報処理装置200の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図7】サーバ100又は情報処理装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
空港のように設備がきちんとしている場所では、X線検査装置等の検査システムがあり、使用者の教育も十分されている。しかし、イベントのように、十分な設備がないところでは、目視による手荷物検査が行われている。教育にも限界があり、隠されている危険物を見つけることは難しい。本実施形態に係るシステム10は、例えば、X線検査装置等の代わりに簡易に設置することができ、イベント会場等での手荷物検査を非接触で自動で行うことを可能にする。具体例として、システム10においては、開口している鞄30の中の画像からオブジェクト認識をリアルタイムに行い、各オブジェクトの重量を推定する。また、鞄30を置く場所に重量計320を設置し、実際の重量と比較し、差分が危険物を含む重量であれば、警告を出力し、警備員等のチェックを行う。また、鞄30を重量計320に置くときの所持者32の動作から、不審な動きや鞄30の重量を推定し、精度を上げる。
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、サーバ100を備えてよい。サーバ100は、画像処理装置の一例であってよい。システム10は、検査設備300を備えてよい。検査設備300は、情報処理装置200を有してよい。検査設備300は、カメラ310を有してよい。カメラ310は、鞄30を撮像する撮像装置の一例であってよい。検査設備300は、重量計320を有してよい。検査設備300は、ディスプレイ330を有してよい。
【0015】
情報処理装置200は、カメラ310によって撮像された撮像画像をカメラ310から受信して、サーバ100に送信してよい。例えば、情報処理装置200は、鞄30を撮像した鞄画像をサーバ100に送信する。例えば、情報処理装置200は、所持者32を撮像した所持者画像をサーバ100に送信する。情報処理装置200とカメラ310とは有線接続されてよい。情報処理装置200とカメラ310とは無線接続されてもよい。情報処理装置200は、ネットワーク20を介して撮像画像をサーバ100に送信してよい。なお、カメラ310が直接サーバ100に対して撮像画像を送信してもよい。
【0016】
情報処理装置200は、重量計320によって実測された物の実測値を重量計320から受信して、サーバ100に送信してよい。例えば、情報処理装置200は、鞄30を実測した実測値をサーバ100に送信する。情報処理装置200と重量計320とは有線接続されてよい。情報処理装置200と重量計320とは無線接続されてもよい。情報処理装置200は、ネットワーク20を介して実測値をサーバ100に送信してよい。なお、重量計320が直接サーバ100に対して実測値を送信してもよい。
【0017】
情報処理装置200は、サーバ100からの指示に従って、ディスプレイ330に各種情報を表示させてよい。例えば、情報処理装置200は、所持者32に対する指示情報をディスプレイ330に表示させる。例えば、情報処理装置200は、警告情報をディスプレイ330に表示させる。ディスプレイ330は、スピーカを備えてよく、情報処理装置200は、サーバ100からの指示に従って、ディスプレイ330に各種情報を音声出力させてもよい。例えば、情報処理装置200は、所持者32に対する指示情報をディスプレイ330に音声出力させる。例えば、情報処理装置200は、警告情報をディスプレイ330に音声出力させる。なお、ディスプレイ330が、直接、サーバ100からの指示に従って、各種情報を表示したり、音声出力したりしてもよい。
【0018】
ネットワーク20は、移動体通信ネットワークを含んでよい。移動体通信ネットワークは、3G(3rd Generation)通信方式、LTE(Long Term Evolution)通信方式、5G(5th Generation)通信方式、及び6G(6th Generation)通信方式以降の通信方式のいずれに準拠していてもよい。ネットワーク20は、インターネットを含んでよい。ネットワーク20は、LAN(Local Area Network)を含んでよい。
【0019】
サーバ100は、ネットワーク20に有線接続されてよい。サーバ100は、ネットワーク20に無線接続されてよい。サーバ100は、無線基地局を介してネットワーク20に接続されてよい。サーバ100は、Wi-Fi(登録商標)アクセスポイントを介してネットワーク20に接続されてよい。
【0020】
情報処理装置200は、ネットワーク20に無線接続されてよい。情報処理装置200は、無線基地局を介してネットワーク20に接続されてよい。情報処理装置200は、Wi-Fiアクセスポイントを介してネットワーク20に接続されてよい。情報処理装置200は、ネットワーク20に有線接続されてもよい。カメラ310、重量計320、及びディスプレイ330も同様に、ネットワーク20に無線接続されてよく、ネットワーク20に有線接続されてもよい。
【0021】
手荷物検査を画像処理のみで行う場合、凶器等の危険物が隠れていても、発見することは難しい。それに対して、システム10では、手荷物検査を、画像処理及び重量計によって実行する。ここでは、凶器等の危険物の類が、ある程度の重量があると仮定する。
【0022】
サーバ100は、カメラ310によって撮像された、開口している鞄30を撮像した鞄画像を取得し、鞄画像に基づいて、鞄30の中の複数のオブジェクトを認識し、複数のオブジェクトを含む鞄30の重量を推定する。また、サーバ100は、重量計320によって実測された鞄30の重量を示す実測値を取得し、鞄30の推定重量と実測値との差分を算出する。差分が閾値より大きい場合、何か重いものが隠れていることが推定されるので、サーバ100は、警告を出力する。サーバ100は、例えば、荷物検査を管理する管理者に対して、警告を出力する。
【0023】
警告の出力方法は、任意の方法であってよい。例えば、サーバ100は、管理者が所持する通信端末の警告情報を送信する。例えば、サーバ100は、管理者が閲覧しているディスプレイに警告情報を表示させる。また、例えば、サーバ100は、ディスプレイ330に警告情報を表示させる。
【0024】
図2は、サーバ100の機能構成の一例を概略的に示す。サーバ100は、記憶部102、登録部104、撮像画像取得部106、実測値取得部108、重量推定部110、判定部112、警告制御部114、指示制御部116、及びモデル生成部118を備える。なお、サーバ100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0025】
記憶部102は、各種情報を記憶する。記憶部102は、登録部104によって登録された各種情報を記憶してよい。
【0026】
登録部104は、例えば、サーバ100のユーザインタフェースを介して入力された情報を登録する。登録部104は、例えば、他の装置から受信した情報を登録する。登録部104は、例えば、ネットワーク20を介して他の装置から受信した情報を登録する。
【0027】
登録部104は、例えば、画像から画像に含まれるオブジェクトを推定する学習モデルを登録する。登録部104は、例えば、複数種類のオブジェクトのそれぞれの重量が登録された重量データを登録する。登録部104は、例えば、人物の画像から当該人物の不審度を推定する学習モデルを登録する。
【0028】
撮像画像取得部106は、カメラ310によって撮像された撮像画像を取得する。撮像画像取得部106は、取得した撮像画像を記憶部102に記憶させる。撮像画像取得部106は、例えば、カメラ310が開口している鞄30を撮像した鞄画像を取得する。撮像画像取得部106は、重量計に配置された鞄30を撮像した鞄画像を取得してよい。鞄画像は、静止画であっても、動画であってもよい。
【0029】
撮像画像取得部106は、例えば、カメラ310が鞄30の所持者32を撮像した所持者画像を取得する。撮像画像取得部106は、鞄30を重量計320に配置する所持者32を撮像した所持者画像を取得してよい。所持者画像は、静止画であっても、動画であってもよい。所持者の動きを解析する場合には、所持者画像は動画であってよい。所持者画像は、所持者32の顔認証に用いられてもよい。所持者画像を、所持者32の顔認証に用いる場合、カメラ310は、鞄30の中身と、所持者32の顔を撮像可能な位置に配置されてよい。なお、撮像画像取得部106は、鞄30の画像をカメラ310から取得し、所持者32の顔の画像を、カメラ310以外のカメラから取得してもよい。当該カメラは、例えば、所持者32の正面に当たる位置に配置されたり、鞄30を重量計320の上に配置する所持者32の顔を下側から撮像する位置に配置されたりしてよい。
【0030】
実測値取得部108は、鞄30の重量を実測した実測値を取得する。実測値取得部108は、重量計320によって実測された実測値を取得してよい。実測値取得部108は、取得した実測値を記憶部102に記憶させる。
【0031】
重量推定部110は、鞄画像に基づいて、鞄30の中の複数のオブジェクトを認識し、複数のオブジェクトを含む鞄30の重量を推定する。重量推定部110は、記憶部102に記憶されている、画像から当該画像に含まれるオブジェクトを推定する学習モデルに鞄画像を入力することによって、複数のオブジェクトを含む鞄30の重量を推定してよい。
【0032】
重量推定部110は、例えば、鞄画像を当該学習モデルに入力することによって、鞄30の中の複数のオブジェクトを認識し、記憶部102に記憶されている重量データを参照することによって、複数のオブジェクトを含む鞄30の重量を推定する。重量推定部110は、重量データを参照することによって、複数のオブジェクトのそれぞれの重量と、鞄30の重量とを抽出し、それらを加算することによって、複数のオブジェクトを含む鞄30の重量を推定してよい。
【0033】
当該学習モデルは、画像から、画像に含まれる複数のオブジェクトの重量を推定する学習モデルであってもよい。この場合、重量推定部110は、鞄画像を当該学習モデルに入力することによって、複数のオブジェクトを含む鞄30の重量を推定することができる。
【0034】
判定部112は、重量推定部110によって推定された鞄30の推定重量と、実測値取得部108によって実測された鞄30の重量の実測値との差分に基づいて、鞄30に危険物が隠されているか否かを判定する。判定部112は、推定重量と実測値との差分と、所持者画像とに基づいて、鞄30に危険物が隠されているか否かを判定してもよい。判定部112は、所持者画像に基づいて推定した所持者32の不審度と、推定重量と実測値との差分とに基づいて、鞄30に危険物が隠されているか否かを判定してよい。
【0035】
例えば、判定部112は、鞄30の不審度が予め定められた不審度閾値より低い場合において、推定重量と実測値との差分が予め定められた差分閾値より小さい場合、鞄30に危険物が隠されていないと判定し、差分閾値より大きい場合、鞄30に危険物が隠されていると判定する。そして、判定部112は、鞄30の不審度が予め定められた不審度閾値より高い場合、差分閾値を低くしたうえで、推定重量と実測値との差分が予め定められた差分閾値より小さい場合、鞄30に危険物が隠されていないと判定し、差分閾値より大きい場合、鞄30に危険物が隠されていると判定する。
【0036】
また、例えば、判定部112は、推定重量と実測値との差分が、所持者32の不審度に対応する差分閾値より小さい場合、鞄30に危険物が隠されていないと判定し、差分が差分閾値より大きい場合、鞄30に危険物が隠されていると判定する。不審度に対応する差分閾値は、不審度が高いほど低い値を示してよい。
【0037】
例えば、イベント参加者の荷物検査をする場合において、危険物の発見漏れが発生することを防ぐべく、差分閾値を低めに設定すると、ほとんどの検査で危険物が隠されていると判定してしまうことになる。これに対して、所持者32の振る舞い等によって差分閾値を調整したり、振る舞いに合った差分閾値を用いたりすることによって、検査の効率化を図ることができる。
【0038】
判定部112は、所持者画像を解析することによって、所持者32の不審度を推定してよい。例えば、判定部112は、所持者画像を解析することによって、所持者32の不審な動きや、所持者32の不審な様子を検知した場合に、不審度が高いと推定する。不審な動きの例として、動きが大きい、周りを多く見る、等が挙げられる。所持者32が周りを多く見ているか否かは、所持者32の顔、頭の回転数が閾値を超えているか、所持者32の顔の振り幅が閾値を超えているか等によって判定可能である。不審な様子の例として、鞄30のサイズに対して所持者32が重そうにしている、所持者32の顔色が悪い、等が挙げられる。所持者32の顔色が悪いか否かは、所持者32の汗の量が閾値を超えているか、所持者32の瞬きの頻度が閾値を超えているか等によって判定可能である。
【0039】
判定部112は、記憶部102に記憶されている、人物の画像から当該人物の不審度を推定する学習モデルに所持者画像を入力することによって、所持者32の不審度を推定してもよい。
【0040】
判定部112は、推定重量と実測値との差分が、予め定められた差分閾値より小さい場合に、鞄30に危険物が隠されていないと判定し、差分が差分閾値より大きい場合に、鞄30に危険物が隠されていると判定してよいが、複数の差分閾値を用いてもよい。例えば、鞄画像を解析することによって特定した鞄30の情報に基づく差分閾値を用いる。
【0041】
具体例として、判定部112は、推定重量と実測値との差分が、鞄30のサイズに基づく差分閾値より小さい場合、鞄30に危険物が隠されていないと判定し、差分が差分閾値より大きい場合に、鞄30に危険物が隠されていると判定する。判定部112は、推定重量と実測値との差分が、鞄30のサイズが大きいほど高い値を示す差分閾値より小さい場合、鞄30に危険物が隠されていないと判定し、差分が差分閾値より大きい場合に、鞄30に危険物が隠されていると判定してよい。これにより、危険物の判定精度を向上させることができる。
【0042】
また、具体例として、判定部112は、推定重量と実測値との差分が、鞄30の形状に応じた差分閾値より小さい場合、鞄30に危険物が隠されていないと判定し、差分が差分閾値より大きい場合に、鞄30に危険物が隠されていると判定する。例えば、底に向かって広がっている形状に対応する差分閾値を、底に向かって広がっていない形状に対応する差分閾値よりも低い値とする。これにより、底が広く、危険物を隠しやすい形状を有する鞄30に対して、危険物が隠されていると判定しやすくでき、危険物の判定精度を向上させることができる。
【0043】
判定部112は、所持者32の顔認証を実行してもよい。判定部112は、撮像画像取得部106が取得した所持者32の顔画像を用いて、所持者32の顔認証を実行する。例えば、何らかの会場への入場を検査する場合、判定部112は、所持者32が入場権限を有する人物であるか否かを、顔認証によって判定する。このような判定は、例えば、入場権限を有する人物の顔画像を予め登録しておくことによって実現可能である。また、例えば、判定部112は、所持者32が危険人物であるか否かを、顔認証によって判定する。このような判定は、例えば、危険人物の顔画像を予め登録しておくことによって実現可能である。判定部112が所持者32の顔認証を実行することによって、荷物検査と入場検査をまとめて実施することができ、スムーズかつセキュアな入場を実現できる。
【0044】
警告制御部114は、判定部112によって鞄30に危険物が隠されていると判定された場合に、警告を出力するよう制御する。警告の出力方法は、上述したように任意の方法であってよい。例えば、警告制御部114は、検査設備300を管理する管理者、及び検査設備300において検査を担当する担当者等の通信端末に警告情報を送信したり、当該管理者及び当該担当者等が閲覧しているディスプレイに警告情報を表示させたり音声出力させたりする。また、例えば、警告制御部114は、ディスプレイ330に警告情報を表示させる。
【0045】
警告制御部114は、推定重量と実測値との差分が大きいほど警告度の高い警告を出力するよう制御してもよい。警告制御部114は、例えば、推定重量と実測値との差分が大きいほど強い強調度の警告情報を表示出力させる。また、警告制御部114は、例えば、推定重量と実測値との差分が大きいほど大きい音量の警告情報を音声出力させる。また、警告制御部114は、例えば、推定重量と実測値との差分が大きいほど多くの対象に対して警告情報を出力する。
【0046】
警告制御部114は、判定部112が所持者32の顔認証を実行した場合において、認証結果に応じて、警告を出力するよう制御してよい。警告制御部114は、例えば、所持者32が入場権限を有していないと判定された場合に、警告を出力するよう制御する。警告制御部114は、例えば、所持者32が危険人物であると判定された場合に、警告を出力するよう制御する。
【0047】
指示制御部116は、鞄30の所持者32に対して指示情報を出力するよう制御する。指示制御部116は、例えば、所持者32に対して、鞄30を開口して重量計320の上に配置することを指示する指示情報をディスプレイ330に出力させる。
【0048】
指示制御部116は、鞄画像を解析した結果に基づく指示情報を出力するよう制御してもよい。例えば、指示制御部116は、鞄画像を解析した結果、鞄30の中に、不透明なポーチ等のように、中身が見えないオブジェクトが入っている場合に、オブジェクトを開口することを指示する指示情報をディスプレイ330に表示させる。このとき、指示制御部116は、鞄画像から当該オブジェクトを切り出した切出画像を、合わせてディスプレイ330に表示させてもよい。
【0049】
指示制御部116は、推定重量と実測値との差分に応じた指示情報を出力するよう制御してもよい。例えば、指示制御部116は、推定重量と実測値との差分が、差分閾値よりも高い指示閾値より大きい場合に、鞄30の所持者32に対して指示情報を出力するよう制御する。当該指示情報は、例えば、鞄30の中身が見やすくなるように開口をより大きく広げることを指示する内容を含む。また、当該指示情報は、例えば、鞄30の中の一部のオブジェクトを鞄30の外に出すことを指示する内容を含む。推定重量と実測値との差分が非常に大きい場合、開口している部分からは確認できないオブジェクトが鞄30の底の方に存在する可能性があるが、このような指示情報を出力することによって、オブジェクトを確認可能にできる。
【0050】
モデル生成部118は、学習モデルを生成する。モデル生成部118は、生成した学習モデルを記憶部102に記憶させる。
【0051】
例えば、モデル生成部118は、画像から当該画像に含まれるオブジェクトを推定する学習モデルを生成する。モデル生成部118は、オブジェクトを被写体として含む画像と、当該オブジェクトを識別可能なオブジェクト識別情報とを教師データとして機械学習することによって当該学習モデルを生成してよい。このような教師データは、登録部104によって登録されてよい。
【0052】
モデル生成部118は、画像から、当該画像に含まれるオブジェクトの重量を推定する学習モデルを生成してもよい。モデル生成部118は、オブジェクトを被写体として含む画像と、当該オブジェクトの重量とを教師データとして企画外周することによって当該学習モデルを生成してよい。このような教師データは、登録部104によって登録されてよい。
【0053】
例えば、モデル生成部118は、人物の画像から、当該人物の不審度を推定する学習モデルを生成する。モデル生成部118は、人物を被写体として含む画像と、当該人物の不審度情報とを教師データとして機械学習することによって当該学習モデルを生成してよい。このような教師データは、登録部104によって登録されてよい。
【0054】
図3は、サーバ100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、サーバ100が、複数の所持者32の鞄30を順番に検査する場合の処理の流れを説明する。
【0055】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、撮像画像取得部106が、カメラ310によって撮像された鞄30の鞄画像を取得する。S104では、実測値取得部108が、重量計320によって実測された鞄30の重量の実測値を取得する。
【0056】
S106では、重量推定部110が、S102において取得された靴画像に基づいて、鞄30の中の複数のオブジェクトを認識する。S108では、重量推定部110が、鞄30の重量を推定する。
【0057】
S110では、判定部112が、S108において推定された鞄30の推定重量と、S104において取得された実測値との差分が、差分閾値より大きいか否かを判定する。大きいと判定された場合、S114に進み、大きいと判定されなかった場合、S116に進む。
【0058】
S114では、警告制御部114が、警告を出力する。複数の所持者32のすべてについて検査が終了していない場合(S318でNO)、S102に戻って次の所持者32の鞄30の鞄画像を取得し、複数の所持者32のすべてについて検査が終了した場合(S318でYES)、処理を終了する。
【0059】
図4は、サーバ100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、
図3と異なる点を主に説明する。
【0060】
S202では、撮像画像取得部106が、カメラ310によって撮像された所持者32の所持者画像を取得する。S204では、判定部112が、S202において取得された所持者画像に基づいて、所持者32の不審度を推定する。
【0061】
S206では、撮像画像取得部106が、カメラ310によって撮像された鞄30の鞄画像を取得する。S208では、実測値取得部108が、重量計320によって実測された鞄30の重量の実測値を取得する。
【0062】
S210では、重量推定部110が、S206において取得された靴画像に基づいて、鞄30の中の複数のオブジェクトを認識する。S212では、重量推定部110が、鞄30の重量を推定する。
【0063】
S214では、判定部112が、S204において推定した所持者32の不審度が予め定められた不審度閾値より高いか否かを判定する。高いと判定された場合、S216に進み、高いと判定されなかった場合、S218に進む。S216では、判定部112が、差分閾値を低く変更する。
【0064】
S218では、判定部112が、S212において推定された鞄30の推定重量と、S208において取得された実測値との差分が、差分閾値より大きいか否かを判定する。大きいと判定された場合、S220に進み、大きいと判定されなかった場合、S222に進む。
【0065】
S220では、警告制御部114が、警告を出力する。複数の所持者32のすべてについて検査が終了していない場合(S318でNO)、S202に戻って次の所持者32の所持者画像を取得し、複数の所持者32のすべてについて検査が終了した場合(S318でYES)、処理を終了する。
【0066】
なお、S202における所持者画像の取得と、S208における鞄30の重量の実測値の取得は、同時に行われてもよい。また、判定部112が、S202において取得された所持者画像に対して、所持者32の顔認証をさらに実行してもよい。
【0067】
図5は、サーバ100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、
図3とは異なる点を主に説明する。
【0068】
S302では、撮像画像取得部106が、カメラ310によって撮像された鞄30の鞄画像を取得する。S304では、実測値取得部108が、重量計320によって実測された鞄30の重量の実測値を取得する。
【0069】
S306では、重量推定部110が、S302において取得された靴画像に基づいて、鞄30の中の複数のオブジェクトを認識する。S308では、重量推定部110が、鞄30の重量を推定する。
【0070】
S310では、指示制御部116が、S308において推定された鞄30の推定重量と、S304において取得された実測値との差分が、指示閾値より大きいか否かを判定する。大きいと判定された場合、S312に進み、大きいと判定されなかった場合、S314に進む。S312では、指示制御部116が、指示情報を出力する。指示情報を出力した後、撮像画像取得部206が、改めて鞄30を撮像する。
【0071】
S314では、判定部112が、S308において推定された鞄30の推定重量と、S304において取得された実測値との差分が、差分閾値より大きいか否かを判定する。大きいと判定された場合、S316に進み、大きいと判定されなかった場合、S318に進む。
【0072】
S316では、警告制御部114が、警告を出力する。複数の所持者32のすべてについて検査が終了していない場合(S318でNO)、S302に戻って次の所持者32の鞄30の鞄画像を取得し、複数の所持者32のすべてについて検査が終了した場合(S318でYES)、処理を終了する。
【0073】
上記実施形態では、サーバ100が主体となって検査を実行する例を挙げたが、これに限らず、情報処理装置200が主体となって検査を実行してもよい。この場合、情報処理装置200は、画像処理装置の一例であってよい。
【0074】
図6は、検査を主体的に実行する場合の情報処理装置200の機能構成の一例を概略的に示す。情報処理装置200は、記憶部202、登録部204、撮像画像取得部206、実測値取得部208、重量推定部210、判定部212、警告制御部214、指示制御部216、及びモデル生成部218を備える。なお、情報処理装置200がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0075】
記憶部202、登録部204、撮像画像取得部206、実測値取得部208、重量推定部210、判定部212、警告制御部214、及び指示制御部216のそれぞれは、記憶部102、登録部104、撮像画像取得部106、実測値取得部108、重量推定部110、判定部112、警告制御部114、及び指示制御部116のそれぞれと同様の機能を有してよい。ここでは、記憶部102、登録部104、撮像画像取得部106、実測値取得部108、重量推定部110、判定部112、警告制御部114、及び指示制御部116と異なる点を主に説明する。
【0076】
記憶部202は、各種情報を記憶する。登録部204は、例えば、情報処理装置200のユーザインタフェースを介して入力された情報を登録する。撮像画像取得部106は、カメラ310によって撮像された撮像画像をカメラ310から取得する。実測値取得部108は、重量計320によって実測された鞄30の重量を示す実測値を重量計320から取得する。
【0077】
重量推定部210は、鞄画像に基づいて、鞄30の中の複数のオブジェクトを認識し、複数のオブジェクトを含む鞄30の重量を推定する。判定部212は、重量推定部210によって推定された鞄30の推定重量と、実測値取得部208によって実測された鞄30の重量の実測値との差分に基づいて、鞄30に危険物が隠されているか否かを判定する。
【0078】
警告制御部214は、判定部212によって鞄30に危険物が隠されていると判定された場合に、警告を出力するよう制御する。指示制御部216は、鞄30の所持者32に対して指示情報を出力するよう制御する。モデル生成部218は、学習モデルを生成する。
【0079】
図7は、サーバ100又は情報処理装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0080】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0081】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0082】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0083】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0084】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0085】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0086】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0087】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0088】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0089】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0090】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0091】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0092】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0094】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0095】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0096】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0097】
10 システム、20 ネットワーク、30 鞄、32 所持者、100 サーバ、102 記憶部、104 登録部、106 撮像画像取得部、108 実測値取得部、110 重量推定部、112 判定部、114 警告制御部、116 指示制御部、118 モデル生成部、200 情報処理装置、202 記憶部、204 登録部、206 撮像画像取得部、208 実測値取得部、210 重量推定部、212 判定部、214 警告制御部、216 指示制御部、218 モデル生成部、310 カメラ、320 重量計、330 ディスプレイ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ