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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009861
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】ICタグ内蔵玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/26 20060101AFI20230113BHJP
   A63H 15/06 20060101ALI20230113BHJP
   A63H 11/00 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
A63H33/26 A
A63H15/06 Z
A63H11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113491
(22)【出願日】2021-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 泰寛
(72)【発明者】
【氏名】田中 一歩
(72)【発明者】
【氏名】片山 周
(72)【発明者】
【氏名】高濱 靖夫
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BC02
2C150CA01
2C150DA37
2C150EB05
2C150ED52
2C150ED62
2C150FA41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安価で小型化に適したICタグ内蔵玩具を提供すること。
【解決手段】フレキシブルな基板を持つパッシブ型のICタグ40が内部に設置されたICタグ内蔵玩具であって、玩具本体の内部に、前記ICタグを、前記基板の面を一方向に弧状に湾曲させた状態で設置したことを特徴とする。これによれば、ICタグを、基板の面を一方向に弧状に湾曲させた状態で設置したので、湾曲面の母線方向及び湾曲方向の双方に直交する方向の寸法を小さくすることができ、ICタグを内蔵させた安価で小型のICタグ搭載玩具を実現できる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルな基板を持つパッシブ型のICタグが内部に設置されたICタグ内蔵玩具であって、玩具本体の内部に、前記ICタグを、前記基板の面を一方向に弧状に湾曲させた状態で設置したことを特徴とするICタグ内蔵玩具。
【請求項2】
前記ICタグ内蔵玩具は水平な設置面に置かれて使用されるものであり、前記ICタグは、湾曲面の母線が前記ICタグ内蔵玩具の設置面に対して垂直となるように内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載のICタグ内蔵玩具。
【請求項3】
前記玩具本体は柱状に構成され、前記基板は長方形であり、前記ICタグは前記基板の長辺が玩具本体の中心軸と平行となるように設置され、前記基板は短辺側が弧状となるように湾曲されていることを特徴とする請求項2に記載のICタグ内蔵玩具。
【請求項4】
前記玩具本体の下端部が半球状に下方に向けて膨出し、前記玩具本体の内部には底部に錘が設置され、その上方に前記ICタグが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のICタグ内蔵玩具。
【請求項5】
前記玩具本体の下端に開口し当該玩具本体の内外を連通させる通気孔が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のICタグ内蔵玩具。
【請求項6】
前記玩具本体の内壁には内周面が弧状となるように前記中心軸に向けて張り出すリブが前記中心軸に沿った方向に所定間隔で複数設けられ、前記基板の湾曲部外面が前記内周面に当接され貼着されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のICタグ内蔵玩具。
【請求項7】
前記リブの少なくとも1つは、前記玩具本体の外壁に設けられた括れ部を区画する壁で構成されていることを特徴とする請求項6に記載のICタグ内蔵玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はICタグ内蔵玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ICタグ内蔵玩具として、ぬいぐるみの中にパッシブ型のICタグを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-78592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ICタグは、IC、アンテナ及び基板から構成されており、基板が略平面状に形成されている。
ところで、小型玩具や形状的制約がある玩具においては、ICタグを内蔵させる場合に、基板の形状・大きさに対応した所定の平面的幅を持つ収容空間を作ることが必要とされていた。
そのため、従来は、ICタグの基板の形状・大きさに適合する収容空間を持つようにICタグ内蔵玩具自体の形状・大きさを選択していた。例えば、上記特許文献1のICタグ内蔵玩具(ぬいぐるみ)では、床に置いたとき、ぬいぐるみを平面に座らせることができるように、ぬいぐるみの設置部分を平坦又は略平面となるように形成し、その設置部分の内部にICタグを設けている。
このように、従来、ICタグ内蔵玩具自体の形状・大きさは、ICタグの基板の形状・大きさに依存していたため、デザイン設計の自由度や、ICタグ内蔵玩具の小型化が妨げられていた。
一方、ICタグ自体を小さくすることも考えられるが、この場合には、ICタグ自体の費用が嵩み、ICタグ内蔵玩具の値段が高くなる。
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたもので、安価で小型化に適したICタグ内蔵玩具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、フレキシブルな基板を持つパッシブ型のICタグが内部に設置されたICタグ内蔵玩具であって、玩具本体の内部に、前記ICタグを、前記基板の面を一方向に弧状に湾曲させた状態で設置したことを特徴とするICタグ内蔵玩具である。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、前記ICタグ内蔵玩具は水平な設置面に置かれて使用されるものであり、前記ICタグは、湾曲面の母線が前記ICタグ内蔵玩具の設置面に対して垂直となるように内蔵されていることを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第2の手段において、前記玩具本体は柱状に構成され、前記基板は長方形であり、前記ICタグは前記基板の長辺が前記玩具本体の中心軸と平行となるように設置され、前記基板は短辺側が弧状となるように湾曲されていることを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第3の手段において、前記玩具本体の下端部が半球状に下方に向けて膨出し、前記玩具本体の内部には底部に錘が設置され、その上方に前記ICタグが設けられていることを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第4の手段において、前記玩具本体の下端に開口し当該玩具本体の内外を連通させる通気孔が設けられていることを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第4又は第5の手段において、前記玩具本体の内壁には内周面が弧状となるように前記中心軸に向けて張り出すリブが前記中心軸に沿った方向に所定間隔で複数設けられ、前記基板の湾曲部外面が前記内周面に当接され貼着されていることを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、第6の手段において、前記リブの少なくとも1つは、前記玩具本体の外壁に設けられた括れ部を区画する壁で構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の手段によれば、ICタグを、基板の面を一方向に弧状に湾曲させた状態で設置したので、湾曲面の母線方向及び湾曲方向の双方に直交する方向の寸法を小さくすることができ、ICタグを内蔵させた安価で小型のICタグ搭載玩具を実現できる。
【0013】
第2の手段によれば、湾曲面の母線方向及び湾曲方向の双方に直交する水平方向の寸法を小さくすることができる。
【0014】
第3の手段によれば、水平方向の寸法を小さく抑えつつ、高さ方向に長尺である小型のICタグ搭載玩具を実現できる。
【0015】
第4の手段によれば、下端部が半球状で下方に向けて膨出し且つ底部に錘が設けられているので、外部から力を作用させると起き上がり小法師や達磨のように揺動する安価で小型のICタグ搭載玩具を実現できる。また、玩具本体内の錘の上方にICタグを設けているので、玩具本体の上部を例えばタグリーダ等に翳すことが可能であり、錘に妨げられることなく、通信が行えることになる。
【0016】
第5の手段によれば、下端に通気孔が開口されており、この通気孔の縁が面一となって設置面に触れるので、ICタグ搭載玩具を直立させる際の位置決めが簡単に行えることになる。
【0017】
第6の手段によれば、リブによってICタグを保持するので、玩具本体上部が特別に重くなることがなく、ICタグを設けても、外部から力を作用させると起き上がり小法師や達磨のように揺動をさせることができる。また、複数のリブによって確実にICタグを保持することができる。
【0018】
第7の手段によれば、玩具本体の括れ部の壁から構成されるリブを利用してICタグを保持するので、括れ部の壁を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態のIC内蔵玩具であるフィギュアの正面図である。
図2】フィギュアを下方から見た状態を示す斜視図である。
図3】NFCタグを示す図である。
図4】玩具本体の前側半体の内側斜視図である。
図5】NFCタグ及び錘を取り付けた状態の前側半体の内側を示す斜視図である。
図6】玩具本体の後側半体の内側を示す斜視図である。
図7】他の実施形態を斜め側方から見た斜視図である。
図8】発射装置の斜視図である。
図9】発射装置の分解斜視図である。
図10】発射装置の動作を説明するための平面図である。
図11】展示台にフィギュアを装着した状態を示す斜視図である。
図12】フィギュアを弾いている状態を示す斜視図である。
図13】遊び方の一例を示す図である。
図14】第4実施形態のフィギュアを左上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(第1実施形態のフィギュア10)
図1は、第1実施形態のIC内蔵玩具であるフィギュア10の正面図、図2は、フィギュア10を下方から見た状態を示す斜視図である。
このフィギュア10は、指で弾ける程度の大きさであり、起き上がり小法師として構成されている。フィギュア10は、玩具本体11の全体が円柱状に構成され、頭部10a、胴部10b及び脚部10cを備えている。頭部10aと胴部10bとの境界にはV字状の溝が全周に亘って形成され、この部分は首部10dとなっている。
【0022】
フィギュア10の頭部10aの前面には顔が描かれるとともに、頭部10aの上部には逆立った髪が立体的に形成されている。髪には、玩具本体11の内外を連通させる気道確保用の通気孔12a(図6参照)が複数形成されている。また、胴部10bの外面は円柱状ではあるが脚部10cに向けて徐々に拡径された形となっている。さらに、脚部10cの外面は下方に凸となるような半球面となっている。この脚部10cの下端中央には玩具本体11の内外を連通させる気道確保用の通気孔12b(図2)が1つ形成されている。この通気孔12bを設けることで、気道の確保は勿論のこと、通気孔12bの縁が面一となるので、フィギュア10を直立させる際の位置決めが簡単に行えることになる。
【0023】
先ず、フィギュア10に内蔵されるICタグの一例であるNFCタグ40について説明する。
図3は、NFCタグ40を示す図である。
NFCタグ40は、パッシブ型のタグであり、基板41に通信用IC42とアンテナ43とが設けられた構造となっている。NFCタグ40の基板41はフレキシブルで弾性を有し、一面に直交する方向にNFCタグ40の基板41を湾曲させることができる。実施形態では、基板41の短辺側を弧状に湾曲しているが、長辺側を湾曲させてもよい。
【0024】
図4は、玩具本体11の前側半体11aの内側斜視図、図5は、NFCタグ40及び錘13を取り付けた状態の前側半体11aの内側を示す斜視図、図6は、玩具本体11の後側半体11bの内側を示す斜視図である。
玩具本体11は、略同形に形成された前側半体11aと後側半体11bとから構成され、前側半体11aと後側半体11bとが互いに結合されて玩具本体11が構成されている。
玩具本体11の内部は中空となっている。玩具本体11内の底部(脚部10cに相当する部分)は、半球状の空間となっており、その空間には半球状の錘13が嵌合されている。錘13は、前側半体11aと後側半体11bとに前後から挟持された形で設けられている。なお、錘13の上面中央部には、通気孔13aの上端が開口されている。この通気孔13aは、上下方向に延び下端側が径の大きい段付き孔となっており、下端の開口は上記通気孔12bに連通している。
【0025】
前側半体11aの内壁には、フィギュア10の腰に相当する部分に半環状のリブ15が張り出している。リブ15の下面は、その下側に収容された錘13の上面に当接され、錘13の浮き上がりを阻止している。また、リブ15の内周部には2段の階段16が形成されている。階段16の段板16aは、平面視で半円弧状に形成され、NFCタグ40の載置部を構成し、この段板16aには、弧状に湾曲された基板41の短辺が載せられている。また、段板16aから起立した蹴込み部分は、基板41の湾曲部外面が当接される当接部を構成している。そして、この当接部には基板41の湾曲部外面が貼着されている。また、リブ15には、階段16の両側部に後方に向けて突出する突起15aが形成されている。
一方、後側半体11bの内部には、フィギュア10の腰に相当する部分に略半円状のリブ17が張り出している。リブ17の下面は、その下側に収容された錘13の上面に当接され、錘13の浮き上がりを阻止している。リブ17の弦部分には長方形の切欠き17aが形成されている。そして、切欠き17aの両端部には、上記突起15aが入り込んでいる。
【0026】
また、前側半体11aの内側には、上記V字状の溝を区画する壁が半環状のリブ18aとなって張り出している。リブ18aの内周は平坦で上記階段16の蹴込み部分と同じ曲率を有している。このリブ18aの内周面は、基板41の湾曲部外面が当接される当接部を構成している。そして、この当接部には基板41の湾曲部外面が貼着されている。
一方、後側半体11bの内部には、上記V字状の溝を区画する壁がリブ18bとなって張り出している。リブ18bの内周は尖っており上記階段16の蹴込み部分と同じ曲率を有している。このリブ18bの内周には、V字状の切欠き180が2つ形成され、この切欠き180には基板41の円弧状部分の両端が入り込んでいる。
【0027】
さらに、前側半体11aの内壁には、フィギュア10の髪下部分に半環状のリブ19aが張り出している。リブ19aの内周は平坦で上記階段16の蹴込み部分と同じ曲率を有している。このリブ19aの内周面は、基板41の湾曲部外面が当接される当接部を構成している。そして、この当接部には基板41の湾曲部外面が貼着されている。また、リブ19aの両側には突起190が設けられている。
一方、後側半体11bの内部には、フィギュア10の髪下部分に半環状のリブ19bが張り出している。また、リブ19aの両側には切欠き191が設けられている。この切欠き191には上記突起190が入り込んでいる。
【0028】
(他の実施形態のフィギュア10A,10B)
図7(A)は、第2実施形態のフィギュア10Aを側方から見た状態の斜視図、図7(B)は、第3実施形態のフィギュア10Bを側方から見た状態の斜視図である。
第2実施形態のフィギュア10A,10Bは、頭部10aが髪無しで円柱状に構成され、胴部10bが色付けされている点が異なっている。フィギュア10Aの内部構造は第1実施形態のフィギュア10と同じである。また、通気孔は後頭部に設けられている。
フィギュア10,10A,10Bは、プラスチック成型で作られており、胴部10b等には、フィギュア10,10A,10Bの装飾のため塗装により色付けや模様が付される。
しかし、フィギュア10の腰の部分は玩具本体11において径が最大となるので、発射装置20の装填の向きを考えると、腰の両脇部分10eが後述の発射装置20の凹部21aの入口や弧状摺接部22cに擦れる。この場合、フィギュア10の腰の両脇部分10eが成型色と異なる色で色付けや模様付けがされているときは、擦れによってその部分が剥がれて成型色が露出してフィギュア10のデザイン性が損なわれることになる。
そこで、第2実施形態では、フィギュア10の腰の両脇部分10eを塗装せず成型色MCを残したままにし、その他の部分に成型色MCとは異なる色の塗装を施すようにしている。
一方、第3実施形態では、予め成型色MC自体をフィギュア10の腰の両脇部分10eを含む絵柄の色に合わせた色としている。例えば、洋服部分の色を成型色している。
このようにすれば、腰の両脇部分10eが後述の発射装置20の凹部21aの入口や弧状摺接部22cに擦れても、腰の両脇部分10eの色は変化しない。
【0029】
(発射装置20)
図8は発射装置20の斜視図、図9は発射装置20の分解斜視図、図10は発射装置20の動作を説明するための平面図である。なお、以下の説明において、前後、左右及び上下は図8に示す方向を言うものとする。
発射装置20は、全体が箱状に構成されている。この発射装置20は、装置本体21と、装置本体21の左右幅方向に動作可能で互いに離接可能に構成された左右のスライド部材22とから構成されている。装置本体21と、左右のスライド部材22とは、共に、ほぼ左右対称構造となっているので、左右対称構造部分については同一符号を用いて一緒に説明する。
【0030】
装置本体21には、平面視で、フィギュア10の保持用の凹部21aと、スライド部材22の操作部22aが入出する凹部21bとが形成されている。凹部21aの入口の幅はフィギュア10の直径より小さく、フィギュア10が保持されているときは、フィギュア10を抱持ようになっている。また、凹部21aの入口は多少の弾性を有し、フィギュア10を発射するときには、入口が少し開くようになっている。
【0031】
装置本体21の上壁下には、左右のスライド部材22を収容し且つスライド部材22の左右方向の動作を許容する空間が形成されている。そして、装置本体21の、上壁下には、左右にボス21cが垂設されている。一方、スライド部材22には、左右方向に長尺で上記ボス21cが上から挿入される長孔22bが形成されている。そして、長孔22bに上から挿入されたボス21cの孔にはワッシャ(図示せず)を介して或いは介さずに頭付きピン(図示せず)が打ち込まれている。なお、ボス21cにワッシャを介して雄ねじを螺合させてもよい。
【0032】
スライド部材22の左右方向外端部には、他の部分より1段背の高い操作部22aが設けられている。操作部22aは左右のスライド部材22の左右方向の内端が互いに当接された位置で凹部21bに入り込む。
【0033】
スライド部材22の左右方向内端部には、弧状摺接部22cが形成されている。弧状摺接部22cはフィギュア10の腰の部分と略同じ曲率を有している。弧状摺接部22cは、前方からのフィギュア10を受け止めることができるように、斜め前方に向けて凹となるように湾曲している。図10(A)に示すように、左右のスライド部材22の内端同士が互いに当接している状態では、左右の弧状摺接部22cの後端同士が当接し、一方、前端同士が離間している状態にある。この状態で、前方からフィギュア10が凹部21aに押し込まれると、左右の弧状摺接部22cが摺動して互いに離間する方向に動作し、装置本体21の凹部21aにフィギュア10が保持される(図10(B))。一方、装置本体21の凹部21aにフィギュア10が保持されている状態で、左右の操作部22aを操作して左右のスライド部材22を装置本体21の内方に動作させると、フィギュア10が摺動し、フィギュア10が前方に向けて発射される。
【0034】
また、左右のスライド部材22には、左の弧状摺接部22cの後端部に、円柱部25aがその中心軸が上下方向に延在するように付設されている。この円柱部25aの上端部は左のスライド部材22の上面より上方に突出している。一方、右の弧状摺接部22cの後端部には、上記円柱部25aの右半部周面が嵌合可能な平面視で半円弧状の受け部25bが設けられている。この受け部25bの上端部の孤状片は右のスライド部材22の上面より上方に突出している。そして、左の円柱部25aは、図10(A)の状態では右の受け部25bと互いに合わさって1つの円柱ピン25となる。この円柱ピン25はフィギュア10の通気孔12a,13aと嵌合可能となっており、円柱ピン25をフィギュア10の通気孔12a,13aに嵌合させることによって、図11に示すように、発射装置20をフィギュア10の展示台としても利用できる。その結果、フィギュア10を遊びだけでなく鑑賞用として楽しむことができる。なお、発射装置20にフィギュア10を装着したときには、スライド部材22も装置本体21に固定される。
【0035】
(遊び方)
実施形態のフィギュア10(フィギュア10,10A,10Bを総称するときにはフィギュア10として説明する。)によれば次のような遊びができる。
2人のプレイヤが自身のフィギュア10を図12(A)に示すように発射装置20を用いて弾くか、図12(B)に示すように指で弾き、相手方のフィギュア10にぶつけて所定のフィールドから出したら勝ちとする遊びができる。
また、複数のプレイヤが自身のフィギュア10を弾き、所定の場所(例えば窪み)に多く入れるか、早く入れた者を勝ちとする遊びをすることができる。
さらに、携帯端末30が直接にフィギュア10のNFCタグ40と近距離通信を行ってNFCタグ40の情報を取得し、或いは、図13に示すように、タグリーダ31を介しての近距離通信でNFCタグ40の情報を携帯端末30が取得し、アプリ上でフィギュア10に対応するキャラクタを読み込んでアプリ内でバトル等をする遊びができる。
【0036】
なお、実施形態のフィギュア10では、玩具本体11の上部にNFCタグ40が内蔵され錘13が下部にあるので、下端部を携帯端末30又はタグリーダ31に翳しても通信がなされない。そのため、フィギュア10には携帯端末30又はタグリーダ31に翳す場所が分かるようにしておくことが好ましい。
図14は、その一例を示す第4実施形態のフィギュア10Cを左上方から見た斜視図である。なお、ここで、左とはフィギュア10Cから見た場合の方向を言う。
このフィギュア10Cが第1実施形態のフィギュア10と異なる点は、矩形の大きな通気孔12aを頭頂部の後頭部寄りに設けている点である。その他の部分は第1実施形態のフィギュア10と同じとなっている。
第1実施形態のフィギュア10でも通気孔12aを後側半体11bの髪に設けてはいるが、通気孔12a自体は小さく且つ立体的な髪の中に設けられているため、髪の模様として見え視覚上は髪に埋没して上方からは見にくいが、この第4実施形態のフィギュア10Cによれば、矩形の大きな通気孔12bを頭頂部の後頭部寄りに設けているので、通気孔12bが見やすく、NFCタグ40の位置を示唆するものとして機能し易いものとなる。
【0037】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態には限定されず、その要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態では、フィギュア10に本願発明を適用したものについて説明したがフィギュア10以外の玩具にも適用できることは勿論である。
【0039】
また、上記実施形態では、起き上がり小法師に本願発明を適用したものについて説明したが揺動しない玩具にも適用できることは勿論である。
【0040】
また、上記実施形態では、玩具本体11の全体が円柱状に構成されたものについて説明したが、玩具本体は円柱状でなくてもよく角柱状に構成されていてもよい。また、玩具本体は柱状に構成されていなくてもよい。すなわち、ICタグを湾曲させて設置することが有意義な玩具であれば、どのような形状の玩具であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
10,10A,10B フィギュア
11 玩具本体
11a 前側半体
11b 後側半体
12a,13a 通気孔
13 錘
15 リブ
16 リブ
17 リブ
18a リブ
18b リブ
19a リブ
19b リブ
20 発射装置
21 装置本体
25 円柱ピン
25a 半円柱体
40 NFCタグ
41 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14