(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098614
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ガンマカメライメージング方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01T 1/16 20060101AFI20230703BHJP
G01T 1/167 20060101ALI20230703BHJP
G01T 1/36 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
G01T1/16 A
G01T1/167 C
G01T1/36 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174910
(22)【出願日】2022-10-31
(31)【優先権主張番号】202111627470.7
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】515221794
【氏名又は名称】ヌクテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180699
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 渓
(74)【代理人】
【識別番号】100192603
【弁理士】
【氏名又は名称】網盛 俊
(72)【発明者】
【氏名】ガオワー チュウヤ
(72)【発明者】
【氏名】シュンケン フー
(72)【発明者】
【氏名】クン ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】ヅァンシュエ ジン
(72)【発明者】
【氏名】チータン マー
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188AA06
2G188BB04
2G188BB15
2G188BB17
2G188DD05
2G188EE36
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ガンマカメライメージング方法及び装置を提供する。
【解決手段】当該方法は、ガンマカメラによりキャプチャされた一種又は複数種の放射性物質のエネルギースペクトルから各種の放射性物質の一つ又は複数のエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域として選択することと、当該一種又は複数種の放射性物質における各種の放射性物質の監視エネルギー領域に対してそれぞれ画像再構成を行うことと、画像再構成により得られた各画像を正規化することと、正規化された各画像を重畳して合成画像を形成すること、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガンマカメラによりキャプチャされた一種類又は複数種類の放射性物質のエネルギースペクトルから、各種類の放射性物質の一つ又は複数のエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域として選択することと、
前記一種類又は複数種類の放射性物質における各種類の放射性物質の監視エネルギー領域に対してそれぞれ画像再構成を行うことと、
前記画像再構成により得られた各画像を正規化することと、
正規化された各画像を重畳して合成画像を形成すること、
を含む、
ガンマカメライメージング方法。
【請求項2】
前記選択は、
前記エネルギースペクトルからトラバースピークサーチを行い、ピークサーチ結果を所定の核種ライブラリに記載されている放射性物質の各分岐エネルギーと対比することにより、前記一種類又は複数種類の放射性物質を決定することと、
前記一種類又は複数種類の放射性物質のうちの各種類の放射性物質に対して、当該放射性物質の分岐のうちの分岐が高い又はエネルギーが低い分岐を、当該放射性物質の監視対象の一つ又は複数の分岐として決定することと、
各種類の放射性物質の前記一つ又は複数の分岐のうちの各分岐に対して、当該分岐の中心エネルギーを中心としかつ当該分岐に対応するスペクトルピークの半値幅を幅とするエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域のうちの一つとして決定することと、
を含む、
請求項1に記載のガンマカメライメージング方法。
【請求項3】
前記画像再構成により得られた各画像に対して、各前記画像に閉領域があるか否かを判定することと、
前記画像に閉領域がある場合、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が所定の閾値より小さい場合、当該画像に対応する監視エネルギー領域のエネルギー範囲を適応的に調整することと、
をさらに含む、
請求項1に記載のガンマカメライメージング方法。
【請求項4】
前記適応的に調整することは、調整対象の監視エネルギー領域に対して、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が前記所定の閾値に達するまで、所定のエネルギーステップを単位として段階的に増大又は減少させること、
を含む、
請求項3に記載のガンマカメライメージング方法。
【請求項5】
前記画像に閉領域がない場合、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄すること、をさらに含む、
請求項3に記載のガンマカメライメージング方法。
【請求項6】
前記画像に閉領域がない場合、所定時間後に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄すること、をさらに含む、
請求項3に記載のガンマカメライメージング方法。
【請求項7】
前記重畳は、正規化された各画像を異なる色チャネルで重畳して前記合成画像を形成すること、を含む、
請求項1に記載のガンマカメライメージング方法。
【請求項8】
ガンマカメラによりキャプチャされた一種類又は複数種類の放射性物質のエネルギースペクトルから、各種類の放射性物質の一つ又は複数のエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域として選択する選択モジュールと、
前記一種類又は複数種類の放射性物質における各種類の放射性物質の監視エネルギー領域に対してそれぞれ画像再構成を行う画像再構成モジュールと、
前記画像再構成により得られた各画像を正規化する正規化モジュールと、
正規化された各画像を重畳して合成画像を形成する重畳モジュールと、
を備える、
ガンマカメライメージング装置。
【請求項9】
前記選択モジュールは、
前記エネルギースペクトルからトラバースピークサーチを行い、ピークサーチ結果を所定の核種ライブラリに記載された放射性物質の各分岐エネルギーと対比することにより、前記一種類又は複数種類の放射性物質を決定するピークサーチモジュールと、
前記一種類又は複数種類の放射性物質のうちの各種類の放射性物質に対して、当該放射性物質の分岐のうちの分岐が高い又はエネルギーが低い分岐を、当該放射性物質の監視対象の一つ又は複数の分岐として決定する分岐決定モジュールと、
各種類の放射性物質の前記一つ又は複数の分岐のうちの各分岐に対して、当該分岐の中心エネルギーを中心としかつ当該分岐に対応するスペクトルピークの半値幅を幅とするエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域の一つとして決定するエネルギー領域決定モジュールと、
を備える、
請求項8に記載のガンマカメライメージング装置。
【請求項10】
前記画像再構成モジュールは、
前記画像再構成により得られた各画像に対して、各前記画像に閉領域があるか否かを判定する閉領域判定モジュールと、
前記画像に閉領域がある場合、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が所定の閾値より小さい場合に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のエネルギー範囲を適応的に調整するエネルギー領域調整モジュールと、
を備える、
請求項8に記載のガンマカメライメージング装置。
【請求項11】
前記エネルギー領域調整モジュールは、調整対象の監視エネルギー領域に対して、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が前記所定の閾値に達するまで、所定のエネルギーステップを単位として段階的に増大又は減少させるように構成されている、
請求項10に記載のガンマカメライメージング装置。
【請求項12】
前記画像再構成モジュールは破棄モジュールをさらに備え、
前記破棄モジュールは、前記画像に閉領域がない場合に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄するように構成されている、
請求項10に記載のガンマカメライメージング装置。
【請求項13】
前記画像再構成モジュールは破棄モジュールをさらに備え、
前記破棄モジュールは、前記画像に閉領域がない場合に、所定時間後に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄するように構成されている、
請求項10に記載のガンマカメライメージング装置。
【請求項14】
コマンドが記憶されている記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記コマンドを実行して請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるプロセッサと、
を備える、
ガンマカメライメージング装置。
【請求項15】
コマンドが記憶されているコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コマンドは、プロセッサにより実行されることで、前記プロセッサに請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法を実行させる、
コンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
請求項8乃至13のいずれか一項に記載のガンマカメライメージング装置を備える、ガンマカメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガンマカメラの技術分野に関し、特にガンマカメライメージング方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガンマカメラは、核セキュリティ及び核物質の検知の分野に応用されている。その主な機能は放射性物質の汚染領域の放射場に対して動的及び静的イメージングを行い、かつ光学イメージングによる画像と融合して、放射性物質の分布情報を得ることである。
【0003】
従来のガンマカメラは、一般的に線形データ処理方法を採用し、すなわち受信された信号が分けられず、全ての有効エネルギーセグメントの信号に対して共に投影画像の回復及び元画像再構成を行っている。データ処理過程において量子化ロス及び近似処理があるため、画像を再構成した後、輝度ムラの背景に常に統計的揺らぎ及び陰影がある。その後に輝度閾値又は顕著度閾値等を用いて画像領域をスクリーニングし、明らかなイメージング画像の一部のみを選択して光学画像と融合している。
【発明の概要】
【0004】
本願の一態様によれば、ガンマカメライメージング方法を提供し、当該方法は、ガンマカメラによりキャプチャされた一種類又は複数種類の放射性物質のエネルギースペクトルから、各種類の放射性物質の一つ又は複数のエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域として選択することと、前記一種類又は複数種類の放射性物質における各種類の放射性物質の監視エネルギー領域に対してそれぞれ画像再構成を行うことと、前記画像再構成により得られた各画像を正規化することと、正規化された各画像を重畳して合成画像を形成すること、を含む。
【0005】
いくつかの実施例において、前記選択は、前記エネルギースペクトルからトラバースピークサーチを行い、ピークサーチ結果を所定の核種ライブラリに記載されている放射性物質の各分岐エネルギーと対比することにより、前記一種類又は複数種類の放射性物質を決定することと、前記一種類又は複数種類の放射性物質のうちの各種類の放射性物質に対して、当該放射性物質の分岐のうちの分岐が高い又はエネルギーが低い分岐を、当該放射性物質の監視対象の一つ又は複数の分岐として決定することと、各種類の放射性物質の前記一つ又は複数の分岐のうちの各分岐に対して、当該分岐の中心エネルギーを中心としかつ当該分岐に対応するスペクトルピークの半値幅を幅とするエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域のうちの一つとして決定することと、を含む。
【0006】
いくつかの実施例において、前記ガンマカメライメージング方法は、前記画像再構成により得られた各画像に対して、各前記画像に閉領域があるか否かを判定することと、前記画像に閉領域がある場合、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が所定の閾値より小さい場合、当該画像に対応する監視エネルギー領域のエネルギー範囲を適応的に調整することと、をさらに含む。
【0007】
いくつかの実施例において、前記適応的に調整することは、調整対象の監視エネルギー領域に対して、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が前記所定の閾値に達するまで、所定のエネルギーステップを単位として段階的に増大又は減少させること、を含む。
【0008】
いくつかの実施例において、前記画像に閉領域がない場合、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄すること、をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施例において、前記ガンマカメライメージング方法は、前記画像に閉領域がない場合、所定時間後に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄すること、をさらに含む。
【0010】
本願の別の態様によれば、ガンマカメライメージング装置を提供し、ガンマカメライメージング装置は、ガンマカメラによりキャプチャされた一種類又は複数種類の放射性物質のエネルギースペクトルから、各種類の放射性物質の一つ又は複数のエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域として選択する選択モジュールと、前記一種類又は複数種類の放射性物質における各種類の放射性物質の監視エネルギー領域に対してそれぞれ画像再構成を行う画像再構成モジュールと、前記画像再構成により得られた各画像を正規化する正規化モジュールと、正規化された各画像を重畳して合成画像を形成する重畳モジュールと、を備える。
【0011】
いくつかの実施例において、選択モジュールは、前記エネルギースペクトルからトラバースピークサーチを行い、ピークサーチ結果を所定の核種ライブラリに記載された放射性物質の各分岐エネルギーと対比することにより、前記一種類又は複数種類の放射性物質を決定するピークサーチモジュールと、前記一種類又は複数種類の放射性物質のうちの各種類の放射性物質に対して、当該放射性物質の分岐のうちの分岐が高い又はエネルギーが低い分岐を、当該放射性物質の監視対象の一つ又は複数の分岐として決定する分岐決定モジュールと、各種類の放射性物質の前記一つ又は複数の分岐のうちの各分岐に対して、当該分岐の中心エネルギーを中心としかつ当該分岐に対応するスペクトルピークの半値幅を幅とするエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域の一つとして決定するエネルギー領域決定モジュールと、を備える。
【0012】
いくつかの実施例において、画像再構成モジュールは、前記画像再構成により得られた各画像に対して、各前記画像に閉領域があるか否かを判定する閉領域判定モジュールと、前記画像に閉領域がある場合、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が所定の閾値より小さい場合に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のエネルギー範囲を適応的に調整するエネルギー領域調整モジュールと、を備える。
【0013】
いくつかの実施例において、エネルギー領域調整モジュールは、調整対象の監視エネルギー領域に対して、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が前記所定の閾値に達するまで、所定のエネルギーステップを単位として段階的に増大又は減少させるように構成されている。
【0014】
いくつかの実施例において、前記画像再構成モジュールは破棄モジュールをさらに備え、前記破棄モジュールは、前記画像に閉領域がない場合に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄するように構成されている。いくつかの実施例において、前記破棄モジュールは、前記画像に閉領域がない場合に、所定時間後に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄するように構成されている。
【0015】
本願の別の態様によれば、コマンドが記憶されている記憶部と、前記記憶部に記憶された前記コマンドを実行して上記ガンマカメライメージング方法を実行するように構成されるプロセッサと、を備えるガンマカメライメージング装置を提供する。
【0016】
本願の別の態様によれば、コマンドが記憶されているコンピュータが読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コマンドは、プロセッサにより実行されることで、前記プロセッサに上記ガンマカメライメージング方法を実行させる。
【0017】
本願の別の態様によれば、上記いずれかのガンマカメライメージング装置を含むガンマカメラを提供する。
【0018】
本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法及び装置は各種類の放射性物質の各監視エネルギー領域を個別に分析することにより、全ての放射性物質を考慮することができ、かつバックグラウンドノイズを低減して信号対雑音比を向上することができる。また、本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法及び装置はさらに動的測定モードで動いている放射性物質の投影画像のみをリフレッシュし、それにより運動物質と静止物質のイメージングが互いに影響しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面を参照することにより本発明の特徴及び利点をより明確に理解することができる。図面は、本発明を限定するものではなく、例示的なものである。図面は、以下のように示す。
【
図1a】ガンマカメラが三つの放射性源(Am‐241、Co‐57、Ba‐133)からキャプチャしたエネルギースペクトルの図を示す。
【
図1b】ガンマカメラが三つの放射性源(Am‐241、Co‐57、Ba‐133)からキャプチャしたエネルギースペクトルの図を示す。
【
図2】ガンマカメラが通常の方法を用いて
図1の三つの放射性源(Am‐241、Co‐57、Ba‐133)のエネルギースペクトルに対して画像再構成を行って得られた例示的な画像を示す。
【
図3】本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法のフローチャートを示す。
【
図4】ガンマカメラが三つの放射性源(Am‐241、Co‐57、Ba‐133)からキャプチャしたエネルギースペクトルの図を示す。
【
図5】ガンマカメラが本願の実施例の方法を使用して
図4の三つの放射性源(Am‐241、Co‐57、Ba‐133)のエネルギースペクトルに対して画像再構成を行って得られた例示的な合成画像を示す。
【
図6】ガンマカメラが高エネルギー放射性物質(例えばCo‐60)からキャプチャしたエネルギースペクトルの図を示す。
【
図7a】ガンマカメラが通常の方法を用いて二つの放射性源(Am‐241、Co‐57)を画像再構成して得られた画像の概略図を示す。
【
図7b】ガンマカメラが本願の実施例の方法を用いて同様の放射性源を画像再構成して得られた画像の概略図を示す。
【
図8】本願の実施例に係るガンマカメライメージング装置のブロック図を示す。
【
図9】本願の実施形態に係るガンマカメライメージング装置を実現するための計算装置の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ガンマカメラの監視結果の表示方式は画像であり、人の目でスクリーン上の画像を観察して放射性物質の分布及び種類を判断するため、放射性物質がイメージングできるか否かはガンマカメラの監視結果に影響を与えるキーである。イメージングの基本的な条件は、統計学で放射線源から射出されたガンマイベントの数が環境バックグラウンドのガンマイベントの一定の割合を超えることであり、つまり、信号対雑音比が一定の閾値に達して初めて、統計及び画像処理方法により理想的な分析結果を得ることができる。
【0021】
実際に使用する場合には、所定の信号対雑音比に達することは一定の難度がある。その原因は検出器のサイズ、材料等の制限により、高エネルギー粒子の検出効率が低く、低エネルギー粒子に対して、環境にさらに相当数の環境バックグラウンドノイズが存在することである。そのため、従来のガンマカメラは、検出距離が一般的に遠すぎず且つその測定時間が長めである必要があった。
【0022】
図1はガンマカメラが三つの放射性源(Am‐241、Co‐57、Ba‐133)からキャプチャしたエネルギースペクトルの図を示す。
図1は、
図1(a)及び
図1(b)を含み、ここで横軸はエネルギーを示し、チャネル値を単位とし、縦軸はカウント値を示す。
図1(a)では、Am‐241によるエネルギースペクトル領域を実線枠で表記し、Co‐57によるエネルギースペクトル領域を一点鎖線枠で表記し、Ba‐133によるエネルギースペクトル領域を破線枠で表記している。
図1(b)において、ライトグレー領域は有効情報を提供し、ダークグレー領域はノイズ情報を提供する(該例において、コンプトン散乱プラトーデータを使用せず、全吸収ピーク(full energy peak)のみを有効情報として使用してイメージングする)。ガンマカメラのデータ処理に対して、ダークグレー領域の面積に対するライトグレー領域の面積が一定の比率に達して初めて、ガンマカメラの良好なイメージングを保証することができる。
【0023】
イメージングできる前提で、複数種類の放射性物質の強弱の差が大きいと、再構成画像における各放射性点源で形成された輝度ムラの輝度の差も大きくなる。弱い放射源の輝度ムラは強い放射源で形成された統計的揺らぎ背景に遮蔽されやすく、輝度値がスクリーニング閾値を超えにくいため、光学画像と融合するための選択とならず、或いは、光学画像と融合するために選択されてもその輝度も非常に弱く、目視観察しにくい。
【0024】
図2はガンマカメラが通常の方法を用いて
図1の三つの放射性源(Am‐241、Co‐57、Ba‐133)のエネルギースペクトルに対して画像再構成を行って得られた例示的な画像を示す。当該画像における横縦軸はガンマカメライメージング画像の画素刻みである。当該画像において、エネルギースペクトルにおけるAm‐241の二つのスペクトルピークを示す輝度ムラのみを観察することができ、Co‐57及びBa‐133を観測することができない。そのため、通常の方法は全ての放射線源からの情報を十分に表示することができない。
【0025】
本願の実施例によれば、ガンマカメライメージング方法及び装置を提供し、それは各放射性源の有効情報を十分に利用して視野内の放射性物質の分布状況を最適化的に表示することができる。
【0026】
図3は本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法のフローチャートを示す。
図3に示すように、本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法100は、ステップS101~S104を含む。
【0027】
ステップS101において、ガンマカメラによりキャプチャされた一種類又は複数種類の放射性物質のエネルギースペクトルから各種類の放射性物質の一つ又は複数のエネルギー範囲を当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域として選択する。
【0028】
ステップS01に対して、いくつかの実施例において、監視エネルギー領域の選択は、前記エネルギースペクトルからトラバースピークサーチを行い、ピークサーチ結果を所定の核種ライブラリに記載されている放射性物質の各分岐エネルギーと対比することにより、前記一種類又は複数種類の放射性物質を決定することと、前記一種類又は複数種類の放射性物質のうちの各種類の放射性物質に対して、当該放射性物質の分岐のうち分岐が高い又はエネルギーが低い分岐を当該放射性物質の監視対象の一つ又は複数の分岐として決定することと、各種類の放射性物質の前記一つ又は複数の分岐のうちの各分岐に対して、当該分岐の中心エネルギーを中心としかつ当該分岐に対応するスペクトルピークの半値幅を幅とするエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域の一つとして決定することと、を含む。
【0029】
理解すべきこととして、一種類の放射性物質に対して一つの監視エネルギー領域を選択してもよく、複数の監視エネルギー領域を選択してもよく、異なる放射性物質に対して選択された監視エネルギー領域が重なる可能性がある。また、各種類の放射性物質の分岐の決定について、主に二つの標準、すなわち分岐比及びエネルギーを考慮する。ガンマカメラの検出器の高エネルギーガンマ粒子に対する検出効率が非常に低いため、エネルギーが低い分岐をできるだけ選択する。分岐比が高いほど、同量の放射性物質が生成したガンマ粒子の数が多いため、分岐比が高い分岐をできるだけ選択する。理解すべきこととして、ここで使用される用語「低い」及び「高い」は放射性物質の各分岐に対して比較したものである。
【0030】
ステップS102において、前記一種類又は複数種類の放射性物質における各種類の放射性物質の監視エネルギー領域に対してそれぞれ画像再構成を行う。
【0031】
ステップS102について、画像再構成は必要に応じて一般的な関連復号方法又は統計学的復号方法を選択することができる。
【0032】
いくつかの実施例において、本願に係るガンマカメライメージング方法は、画像再構成により得られた各画像に対して、各画像に閉領域があるか否かを判定すること、画像に閉領域がある場合、閉領域と閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が所定の閾値より小さい場合、当該画像に対応する監視エネルギー領域のエネルギー範囲を適応的に調整することと、をさらに含む。いくつかの実施例において、適応的に調整することは、調整対象の監視エネルギー領域に対して、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が前記所定の閾値に達するまで、所定のエネルギーステップを単位として段階的に増大又は減少させること、を含むことができる。適応的に調整するエネルギー範囲は検出器の解像度及び隣接ピークの距離により決定され、一般的に、ガンマカメラのエネルギー標定が正確である場合、適応的に調整する程度が大きくなく、例えば、一般的に2~5個の半値幅範囲を選択することができる。
【0033】
ガンマカメラは、静的測定モード及び動的測定モードで動作することができる。静的測定モードでは、本願に係る方法は、画像に閉領域がない場合、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄すること、をさらに含むことができる。または、動的測定モードでは、本願に係る方法は、画像に閉領域がない場合、所定時間後に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄すること、をさらに含むことができる。動的測定モードにおいて、放射性物質の動的運動により画像再構成で得られた画像に閉領域が現れる可能性があるため、所定時間で継続的に観測した後に依然として閉領域がなければデータを破棄できる。イメージングできない監視エネルギー領域データを破棄することにより、計算量を減少させることができるだけでなく、バックグラウンドノイズの影響を減少させることができる。
【0034】
ステップS103において、画像再構成により得られた各画像を正規化する。ステップS103に対して、正規化において、画素値を最大値~最小値区間から0~1の区間に正規化する。各画像がいずれも等しい最大値に正規化されるため、弱い放射源による画像を強調することに相当する。
【0035】
ステップS104において、正規化された各画像を重畳して合成画像を形成する。ステップS104に対して、画像の重畳は異なる色チャネルを採用して各放射性物質の分布を明確に示すことができる。
【0036】
本願の実施例のガンマカメライメージング方法によれば、各監視エネルギー領域のデータを個別に分析すると、当該エネルギー領域外の他の情報はいずれも排除され、当該エネルギー領域内のバックグラウンドイベントのみがノイズを構成し、このノイズがバックグラウンド全体に対して大量に減少されるため、当該方法は信号対雑音比を効果的に向上させることができる。また、本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法が各監視エネルギー領域のデータを個別に分析するもう一つの利点は、動的モードで、ある放射性物質の運動をリアルタイムに検出する場合、他の監視エネルギー領域を除去せず、当該放射性物質の選択された監視エネルギー領域の投影画像のみを除去してリフレッシュを行うことができるため、同じ監視エネルギー領域を使用する場合、運動物質と静止物質のイメージングは互いに影響されない。
【0037】
図4はガンマカメラが三つの放射性源(Am‐241、Co‐57、Ba‐133)からキャプチャしたエネルギースペクトルの図を示す。
図4において、横軸はエネルギーを示し、チャネル値を単位とし、縦軸はカウント値を示し、かつライトグレー領域は有効情報を提供し、ダークグレー領域はノイズ情報を提供する。
図4に示すように、本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法はフルエネルギースペクトルから4つの監視エネルギー領域を決定し、Am‐241の二つの分岐(図においてスペクトルピークで示し、順に第1のスペクトルピーク及び第2のスペクトルピークと呼ばれる)、Co‐57の一つの分岐(第3のスペクトルピークと呼ばれる)、Ba‐133の一つの分岐(第4のスペクトルピークと呼ばれる)を含み、それらは最適な信号対雑音比の領域である。これらの四つの監視エネルギー領域に対して、それぞれイメージングを行う。Ba‐133の355kevでの特徴ピークは、その最適な信号対雑音比の領域も閾値の要求に達することができないため、イメージングすることができない。
【0038】
この4つの監視エネルギー領域に対して画像再構成により得られた各画像を正規化し、かつ正規化された各画像を重畳して合成画像を形成する。
図5はガンマカメラが本願の実施例の方法を用いて
図4の三つの放射性源(Am‐241、Co‐57、Ba‐133)のエネルギースペクトルに対して画像再構成を行って得られた例示的な合成画像を示す。
図5において、第1のスペクトルピーク及び第2のスペクトルピークから再構成してAm‐241の画像を得て、第3のスペクトルピークから再構成してBa‐133の画像を得て、第4のスペクトルピークから再構成してCo‐57の画像を得て、ここで画像において矢印でイメージング位置を示す。
【0039】
通常の方法を利用して取得されたイメージング画像(
図2に示すように)に比べて、本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法により取得されたイメージング画像(
図5に示すように)はより多くの放射性物質に関する情報を含む。ガンマカメラの検出効率及びエネルギー解像度は高くなく、弱いピーク、多重線を示す確率が大きいため、通常の曲線形状に基づくピークサーチ方法ではピークをうまくサーチすることができない。従って、本方法は核種ライブラリのピークサーチと類似するトラバース方法を使用する。ガンマカメラの検出可能な放射性物質の種類は多くないため、全ての検出可能な放射性物質に対してトラバース計算を行っても、計算量及びリアルタイム処理の速度は許容範囲内にある。いくつかの特別な場合、例えば高エネルギーの放射性物質(例えばCo‐60)ついては、信号対雑音比が向上するため、数十個のガンマイベントを蓄積するだけで良好な画像を形成することができ、逆に測定時間を減少させることができる。例えば、
図6におけるCo‐60のエネルギースペクトルはその最適な結像エネルギー領域が300~450チャンネル(図において枠線で示す)にあり、エネルギースペクトルにおいてピーク形状が完全に観測されないが、本願の実施例の方法によれば非常に明らかな再構成画像を得ることができる。
【0040】
本願の実施例の方法は、主にガンマカメラ視野内の放射性物質の種類と分布を表示する。ガンマカメラの応用シーンに対して、放射性物質の存在性及び位置情報がより重要であり、相対的な強弱の重要性が低く、放射性物質の強弱情報を検査する必要がある場合、通常の表示モードで表示することができる。
【0041】
別の例として、
図7はガンマカメラが通常の方法を用いて二つの放射性源(Am‐241、Co‐57)に対して画像再構成して得られた画像と本願の実施例の方法を用いて同様の放射性源に対して画像再構成して得られた画像との対比の概略図を示す。
図7は左側の
図7(a)及び右側の
図7(b)を含み、ここで
図7(a)は通常の方法を利用して取得されたガンマ画像であり、
図7(b)は本願の実施例の方法を利用して取得されたガンマ画像である。ガンマカメラで測定された放射場視野内に、Am‐241及びCo‐57の二つの放射性点源がある。左側の画像からは中間の左寄りの位置のAm‐241輝度ムラしか見えないが、Am‐241源のアクティビティが大きく、背景全体が非常に明るいため、Co‐57の輝度ムラを遮蔽している。右側の画像から二つの点源(Am‐241、Co‐57)のイメージング(左寄りがAm‐241であり、右寄りがCo‐57である)が明らかに見える。注意すべきことは、本願の実施例に係る方法は各再構成された画像を異なる色チャネルで合成するため、得られたガンマ画像はカラーマップであり、例えば、Am‐241はシアンで示すことができ、Co‐57は赤色で示すことができる。各色チャネルは例と異なってもよく、需要に応じて設定することができる。
【0042】
以下、本発明の実施例に係るガンマカメライメージング装置について説明する。
図8は本願の実施例に係るガンマカメライメージング装置のブロック図を示す。
図8に示すように、本願の実施例に係るガンマカメライメージング装置800は選択モジュール801、画像再構成モジュール802、正規化モジュール803、及び重畳モジュール804を備える。具体的には、選択モジュール801は、ガンマカメラによりキャプチャされた一種類又は複数種類の放射性物質のエネルギースペクトルから各種類の放射性物質の一つ又は複数のエネルギー範囲を当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域として選択する。画像再構成モジュール802は、前記一種類又は複数種類の放射性物質における各種類の放射性物質の監視エネルギー領域に対してそれぞれ画像再構成を行う。正規化モジュール803は、前記画像再構成により得られた各画像を正規化する。また、重畳モジュールは、正規化された各画像を重畳して合成画像を形成する。
【0043】
いくつかの実施例において、選択モジュール801は、前記エネルギースペクトルからトラバースピークサーチを行い、ピークサーチ結果を所定の核種ライブラリに記載されている放射性物質の各分岐エネルギーと対比することにより、前記一種類又は複数種類の放射性物質を決定するピークサーチモジュール8011と、前記一種類又は複数種類の放射性物質のうちの各種類の放射性物質に対して、当該放射性物質の分岐のうちの分岐が高い又はエネルギーが低い分岐を当該放射性物質の監視対象の一つ又は複数の分岐として決定する分岐決定モジュール8012と、各種類の放射性物質の前記一つ又は複数の分岐のうちの各分岐に対して、当該分岐の中心エネルギーを中心としかつ当該分岐に対応するスペクトルピークの半値幅を幅とするエネルギー範囲を、当該放射性物質の一つ又は複数の監視エネルギー領域の一つとして決定するエネルギー領域決定モジュール8013と、を備える。
【0044】
いくつかの実施例において、画像再構成モジュール802は、前記画像再構成により得られた各画像に対して、各前記画像に閉領域があるか否かを判定する閉領域判定モジュール8021と、前記画像に閉領域がある場合、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が所定の閾値より小さい場合に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のエネルギー範囲を適応的に調整するエネルギー領域調整モジュール8022と、を備える。
【0045】
いくつかの実施例において、エネルギー領域調整モジュール8022は、調整対象の監視エネルギー領域に対して、前記閉領域と前記閉領域以外の背景領域とのコントラスト比が前記所定の閾値に達するまで、所定のエネルギーステップを単位として段階的に増大又は減少させるように構成されている。
【0046】
いくつかの実施例において、画像再構成モジュール802はさらに破棄モジュール8023を備え、当該破棄モジュール8023は前記画像に閉領域がない場合に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄するように構成されている。いくつかの実施例において、当該破棄モジュール8023は前記画像に閉領域がない場合に、所定時間後に、当該画像に対応する監視エネルギー領域のデータを破棄するように構成されている。
【0047】
上記本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法及び装置は、ガンマカメラに用いられて強調されたガンマ画像を取得することができるため、光学画像と融合して放射性物質及びその分布情報を識別するために用いられる。本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法及び装置は各種類の放射性物質の各監視エネルギー領域を個別に分析することにより、全ての放射性物質を考慮することができ、かつバックグラウンドノイズを低減して信号対雑音比を向上することができる。また、本願の実施例に係るガンマカメライメージング方法及び装置はさらに動的測定モードで動いている放射性物質の投影画像のみをリフレッシュし、それにより運動物質と静止物質のイメージングが互いに影響しないようにすることができる。
【0048】
いくつかの実施例において、本願はガンマカメライメージング装置をさらに提供し、それは、コマンドが記憶されている記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記コマンドを実行して上記ガンマカメライメージング方法を実行するように構成されるプロセッサと、を備える。
【0049】
いくつかの実施例において、本願は上記いずれかのガンマカメライメージング装置を備えるガンマカメラを提供する。
【0050】
図9は、本願の実施例に係るガンマカメライメージング装置を実現するための計算装置の一例を示すブロック図である。図に示すように、計算装置900は一つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサコア901及び記憶部902を含むことができる。本願(特許請求の範囲を含む)においては、用語「プロセッサ」及び「プロセッサコア」は同義語と見なすことができるが、コンテキストで明確に他の要求がある場合はこの限りではない。プロセッサ901は任意のタイプのプロセッサを含むことができ、例えば中央処理ユニット、マイクロプロセッサ等である。プロセッサ901はマルチコアを有する集積回路として実現されてもよく、例えば、マルチコアマイクロプロセッサである。実施例において、記憶部902はシステムメモリであってもよい。いくつかの実施例において、記憶部902はプロセッサ901と集積することができる。計算装置900は大容量記憶装置903(例えば、磁気ディスク、ハードディスクドライブ、揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random-access memory、DRAM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)、デジタル多機能ディスク(digital versatile disk、DVD)等)を含むことができる。一般的には、記憶部902及び/又は大容量記憶装置903は任意のタイプの一時的及び/又は持続的記憶を行ってもよく、揮発性及び不揮発性メモリ、光学、磁性及び/又は固体大容量記憶等を含むが、これらに限定されない。揮発性メモリは静的及び/又は動的ランダムアクセスメモリを含むことができるが、これらに限定されない。不揮発性メモリは電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ、相変化メモリ、抵抗式メモリ等を含むが、これらに限定されない。
【0051】
計算装置900はさらに入力/出力(I/O)装置904(例えば、ディスプレイ(例えば、タッチパネルディスプレイ)、キーボード、カーソル制御、リモコン、ゲームコントローラ、撮像装置等)及び通信インタフェース905(例えばネットワークインタフェースカード、モデム、赤外線受信機、無線受信機(例えば、ブルートゥース)等)を含むことができる。通信インタフェース905は、有線または無線により他の装置と通信してデータを送受信してもよい。例えば、当該通信インタフェース905により、ガンマ線イメージング画像は伝送されて光学イメージング画像と融合することができる。
【0052】
上記計算装置900の要素はシステムバス906を介して互いに結合することができ、システムバス906は一つ又は複数のバスを示す。複数のバスの場合、それらは一つ又は複数のバスブリッジ(図示せず)によりブリッジ接続されてもよい。これらの各元素は、従来公知の機能を発揮することができる。具体的には、記憶部902及び大容量記憶装置903を用いてガンマカメライメージング装置の操作のためのプログラミングコマンドの動作コピー及び持続的コピーを記憶することができる。様々な要素は(一つ又は複数の)プロセッサ901によりサポートされているアセンブリコマンド又はこのようなコマンドにコンパイルされた高級言語により実現されてもよい。プログラミングコマンドの永久コピーは工場で大容量記憶装置903に入れられてもよく、又は現場で例えば配布媒体(図示せず)(例えばコンパクトディスク(CD))により、又は通信インタフェース905(配布サーバ(図示せず))により配布されてもよい。そのため、いくつかの実施例において、本願は、コマンドが記憶されるコンピュータが読み取り可能な可読記憶媒体を提供し、前記コマンドはプロセッサに実行される時に前記プロセッサに上記ガンマカメライメージング方法を実行させる。
【0053】
各素子の数、能力及び/又は容量は変化することができ、これは計算装置900が固定の計算装置として用いられるか、又は移動計算装置として用いられるかに依存する。様々な実現方式において、計算装置900はラップトップ、ネットブック、ノートパソコン、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット装置、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話又はデジタルカメラの一つ又は複数のコンポーネントを含むことができる。別の実施形態において、計算装置900は任意の他のデータを処理する電子装置であってもよい。
【0054】
以上の本発明の実施例に対する詳細な説明は多くの具体的な詳細を含むことにより、本発明に対する全面的な理解を提供している。しかしながら、当業者にとって、本発明はこれらの具体的な詳細のうちのいくつかの詳細を必要としない状況で実施することができることは、明らかである。以上の実施例の説明は本発明の例示を示すことにより本発明をより明確に理解するためのものに過ぎない。本発明は、以下に提供された任意の具体的な配置及び方法ステップに限定されるものではなく、本発明の教示から逸脱しない前提で関連要素、部材及び方法ステップの任意の修正、置換及び改善をカバーできる。
【0055】
注意すべきことは、請求項において、用語「含む」及び「備える」は、請求項に列挙されていない素子又はアセンブリが存在することを排除するものではない。素子又はアセンブリの前にある冠詞「一種類」又は「一つ」もこのような素子又はアセンブリが複数で存在する場合を排除するものではない。
【0056】
また、注意すべきことは、本明細書で使用される言語は主に可読性及び教示の目的のために選択されたものであり、本発明の主題を解釈する又は限定するために選択されたものではない。そのため、添付の特許請求の範囲及び主旨から逸脱しない状況での多くの修正及び変更は、本技術分野の当業者にとって一目でわかる。本発明の範囲について、明細書で行われた説明はいずれも例示的なものであり、限定的なものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって限定されている。