(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098648
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20230703BHJP
H01G 4/224 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
H01G4/30 201M
H01G4/30 201K
H01G4/30 201F
H01G4/224 100
H01G4/30 511
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197102
(22)【出願日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0189811
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0135054
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、フィ デイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、セ ファ
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヨン ギュ
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC09
5E001AD01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AF06
5E001AG01
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG28
5E082HH43
5E082HH47
5E082HH48
5E082JJ03
5E082JJ12
5E082JJ23
(57)【要約】
【課題】積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させ、単位体積当たりの容量を向上させるために、外部電極が占める比重を最小化する場合に発生し得る信頼性の劣化を解決する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含む本体と、上記内部電極と連結された外部電極を含み、上記本体は、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面と、上記第1及び第2面との間に位置する少なくとも一つの側面を含み、上記本体において、上記第1面の側には、上記第1方向に突出した突出部と、上記突出部の周辺の外側部が形成され、上記外部電極は上記本体において、上記外側部、側面、及び第2面を覆い、上記本体の第2面は上記外部電極によって覆われた部分と上記外部電極によって覆われていない部分が実質的に共面を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、及び前記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含む本体と、
前記内部電極と連結された外部電極と、を含み、
前記本体は、前記第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面と前記第1面及び前記第2面との間に位置する少なくとも一つの側面を含み、
前記本体において、前記第1面の側には、前記第1方向に突出した突出部と前記突出部の周辺の外側部が形成され、
前記外部電極は、前記本体において前記外側部、前記側面、及び前記第2面を覆い、
前記本体の前記第2面は、前記外部電極によって覆われた部分と、前記外部電極によって覆われていない部分が実質的に共面を形成する、積層型電子部品。
【請求項2】
前記外部電極は、前記本体の前記第1面を覆う面積と前記第2面を覆う面積が互いに異なる、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記外部電極は、前記本体の前記第2面を覆う面積が前記第1面を覆う面積よりも広い、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記外部電極において、前記本体の前記外側部に配置された領域は、前記突出部の前記側面と接触する、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記外部電極の前記側面に配置される絶縁層をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記絶縁層は、前記外部電極の前記側面から前記本体の前記外側部に配置された前記外部電極上に延びて配置される、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記外部電極は、前記本体の前記第1面を覆う面積と前記第2面を覆う面積が実質的に同一である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記外部電極は、前記第1方向に前記本体の前記突出部を覆わない、請求項1から3、または7のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記本体の前記突出部は、前記外側部と連結される前記側面がラウンド形状である、請求項1から3、または7のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記本体の前記第2面は平面である、請求項1から3、または7のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記外部電極における前記本体の前記第2面を覆う部分の表面は、前記本体の前記第2面における前記外部電極によって覆われていない部分よりも、前記第1方向にさらに外側に配置された、請求項1から3、または7のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記本体の前記第1面における前記外部電極によって覆われない部分は、前記外部電極における前記本体の前記第1面を覆う部分よりも、前記第1方向にさらに外側に配置され、
前記外部電極における前記本体の前記第2面を覆う部分の表面は、前記本体の前記第2面における前記外部電極によって覆われない部分よりも、前記第1方向にさらに外側に配置された、請求項1から3、または7のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記内部電極は、前記本体の前記側面に延びて形成される、請求項1から3、または7のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
誘電体層、及び前記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含む本体と、
前記内部電極と連結された外部電極と、を含み、
前記本体は、前記第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面と前記第1面及び前記第2面との間に位置する少なくとも一つの側面を含み、
前記本体において、前記第1面の側には、前記第1方向に突出した第1突出部と前記第1突出部の周辺の第1外側部が形成され、
前記本体において、前記第2面側には、前記第1方向に突出した第2突出部と前記第2突出部の周辺の第2外側部が形成され、
前記第1突出部及び前記第2突出部は、互いに形状が異なる、積層型電子部品。
【請求項15】
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記第1方向に垂直な第2方向に測定した長さが互いに異なる、請求項14に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記第1方向に測定した厚さが互いに異なる、請求項14に記載の積層型電子部品。
【請求項17】
前記外部電極は、前記本体の前記側面、前記第1外側部、及び前記第2外側部に配置される、請求項14から16のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
係る積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子機器の部品として用いられることができる。コンピュータ、モバイル機器など、各種電子機器が小型化、高出力化され、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
また、最近、自動車用電装部品に対する業界の関心が高まり、積層セラミックキャパシタも自動車やインフォテインメントシステムに用いられるために、高信頼性の特性が求められている。
【0005】
積層セラミックキャパシタのサイズが減少すると、内部電極の対向面積が減少するため、十分な静電容量を実現することが困難になる。したがって、積層セラミックキャパシタの静電容量を増加させるために、誘電体の誘電率を上昇させたり、内部電極及び誘電体層を薄層化するなどの試みがあった。
【0006】
一方、構造的な側面では、容量形成部以外の部分を最小化するために、外部電極を下面電極の形態で形成する試みがあった。これは、容量形成部が積層セラミックキャパシタ全体において占める比重を最大化することができるため、静電容量の上昇に効果的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明のいくつかの目的の一つは、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させることである。
【0008】
本発明のいくつかの目的の一つは、単位体積当たりの容量を向上させるために、外部電極が占める比重を最小化する場合に発生し得る信頼性の劣化を解決することである。
【0009】
但し、本発明の目的は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含む本体と、上記内部電極と連結された外部電極を含み、上記本体は上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面と、上記第1及び第2面との間に位置する少なくとも一つの側面を含み、上記本体において上記第1面の側には、上記第1方向に突出した突出部と、上記突出部の周辺の外側部が形成され、上記外部電極は、上記本体において上記外側部、側面、及び第2面を覆い、上記本体の第2面は、上記外部電極によって覆われた部分と、上記外部電極によって覆われていない部分が実質的に共面を形成する。
【0011】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含む本体と、上記内部電極と連結された外部電極を含み、上記本体は、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面と、上記第1及び第2面との間に位置する少なくとも一つの側面を含み、上記本体において上記第1面の側には、上記第1方向に突出した第1突出部と、上記第1突出部の周辺の第1外側部が形成され、上記本体において上記第2面側には、上記第1方向に突出した第2突出部と、上記第2突出部の周辺の第2外側部が形成され、上記第1及び第2突出部は互いに形状が異なる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のいくつかの効果の一つは、外部電極が部品全体において占める比重を最小化し、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させることである。
【0013】
本発明のいくつかの効果の一つは、外部電極が部品全体において占める比重を最小化しながらも、外部衝撃や湿気浸透に脆弱な外部電極の端が形成されることを抑制し、積層型電子部品の耐湿信頼性を向上させることである。
【0014】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る本体を概略的に示した斜視図である。
【
図4】
図1のII-II'線に沿った断面図である。
【
図5】一実施形態に係る積層型電子部品の第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図6】一実施形態に係る積層型電子部品の第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図7】一実施形態に係る積層型電子部品の第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図8】一実施形態に係る積層型電子部品の第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図9】
図8による積層型電子部品の変形例を示した第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図10】一実施形態に係る積層型電子部品の第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図11】
図10による積層型電子部品の変形例を示した第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図12】一実施形態に係る積層型電子部品の第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図13】一実施形態に係る積層型電子部品の第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図14】一実施形態に係る積層型電子部品の第1方向及び第2方向の断面図である。
【
図15a】本発明の一実施形態及び一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した斜視図である。
【
図15b】本発明の一実施形態及び一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した斜視図である。
【
図15c】本発明の一実施形態及び一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0017】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内における機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0018】
一方、図面において、第1方向は厚さ方向またはT方向に、第2方向は長さ方向またはL方向に、そして第3方向は幅方向またはW方向に用いられることができる。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る本体を概略的に示した斜視図であり、
図3は、
図1のI-I'線に沿った断面図であり、
図4は、
図1のII-II'線に沿った断面図である。
【0020】
以下、
図1~
図4を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100について説明する。
【0021】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100は、誘電体層111、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極121、122を含む本体110と、内部電極121、122と連結された外部電極131、132を含み、本体110は上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2と、上記第1及び第2面との間に位置する少なくとも一つの側面3、4を含み、本体110において上記第1面の側には、上記第1方向に突出した突出部11と突出部11の周辺の外側部12が形成され、外部電極131、132は、本体110の外側部12、側面3、4及び第2面2を覆う。そして、本体110の第2面2は、外部電極131、132によって覆われた部分、すなわち、上記第1方向に外部電極131、132と重なる部分と外部電極131、132によって覆われていない部分、すなわち、上記第1方向に外部電極131、132と重なっていない部分が実質的に共面(co-plane)を形成する。これは、本体110の突出部11が第1面1には形成されるのに対し、第2面2には形成されていないことを意味することができる。具体的な例として、後述するように、外部電極131、132における本体110の第2面2を覆う部分の表面は、本体110の第2面2における外部電極131、132によって覆われていない部分よりも、上記第1方向にさらに外側に配置されることができる。本体110のこのような一方向の突出構造が有する技術的意味については後述する。
【0022】
図2を参照すると、本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が第1方向に交互に配置されている。
【0023】
本体110は、第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結されて上記第1及び第2面との間に位置する少なくとも一つの側面3、4、5、6を含むことができる。本実施形態では、本体110が4つの面3、4、5、6を含むが、側面の個数はこれより少なくても良く、多く変形されることもできる。
【0024】
本体110の側面のうち、第3面3及び第4面4は、第1方向に垂直な方向である第2方向に向かい合う方向に配置されることができ、本体110の側面のうち、第5面5及び第6面6は、第1~第4面1、2、3、4と連結され、上記第1方向及び第2方向に垂直な第3方向に向かい合う方向に配置されることができる。
【0025】
本体110を形成する複数の誘電体層111は、焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0026】
誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り、特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)又はBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)などが挙げられる。
【0027】
また、誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーに本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0028】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を間に挟んで互いに向かい合うように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含む。この場合、本体110は、第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで電気容量を形成する容量形成部Acと容量形成部Acの第1方向の上部及び下部に形成されたカバー部C1、C2を含むことができる。
【0029】
また、容量形成部Acは、キャパシタの容量形成に寄与する部分として、誘電体層111を間に挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成されることができる。
【0030】
カバー部C1、C2は、容量形成部Acの第1方向の上部に配置される上部カバー部C1及び容量形成部Acの第1方向の下部に配置される下部カバー部C2を含むことができる。
【0031】
上部カバー部C1及び下部カバー部C2は、単一誘電体層または2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0032】
上部カバー部C1及び下部カバー部C2は内部電極を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。
【0033】
すなわち、上部カバー部C1及び下部カバー部C2はセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料を含むことができる。
【0034】
本実施形態の場合、本体110の第1面1に突出部11及び外側部12が形成されることができるため、上部カバー部C1は、突出部11及び外側部12を含むことができる。
【0035】
また、容量形成部Acの側面には、マージン部M1、M2が配置されることができる。
【0036】
マージン部M1、M2は、本体110の第5面5に配置された第1マージン部M1と、第6面6に配置された第2マージン部M2を含むことができる。すなわち、マージン部M1、M2は、上記本体110の第3方向に向かい合うように配置される側面5、6に配置されることができる。
【0037】
マージン部M1、M2は、
図4に示されたように、上記本体110を第1方向及び第3方向に切断した断面(cross-section)で第1及び第2内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
【0038】
マージン部M1、M2は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0039】
マージン部M1、M2は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成されるところを除いて、導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することで形成されたものであることができる。
【0040】
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後の内部電極が本体の側面5、6に露出するように切断した後、単一誘電体層または2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部M1、M2を形成することもできる。
【0041】
内部電極121、122は、誘電体層111と交互に積層される。
【0042】
内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができ、第1及び第2内部電極121、122は本体110を構成する誘電体層111を間に挟んで交互に配置され、第1方向に向かい合うことができる。さらに、後述するように、第1及び第2内部電極は、本体110の側面3、4にそれぞれ露出することができる。
【0043】
図3を参照すると、第1内部電極121は第4面4と離隔し、第3面3を介して露出し、第2内部電極122は第3面3と離隔し、第4面4を介して露出することができる。本体の第3面3には第1外部電極131が配置され、第1内部電極121と連結され、本体の第4面4には第2外部電極132が配置され、第2内部電極122と連結されることができる。すなわち、第1内部電極121は本体110の第4面4で第2方向に一定距離離隔して形成され、第2内部電極122は本体110の第3面3で第2方向に一定距離離隔して形成されることができる。
【0044】
一実施形態において、内部電極121、122は、本体110の側面3、4に延びて形成されることができる。具体的には、第1内部電極121は本体110の第3面3に延びて形成されることができ、第2内部電極122は本体110の第4面4に延びて形成されることができる。これにより、第1内部電極121は後述する第1外部電極131に連結されることができ、第2内部電極122は後述する第2外部電極132に連結されることができる。
【0045】
内部電極121、122を形成する材料は特に制限されず、電気導電性に優れた材料を用いることができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。
【0046】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0047】
外部電極131、132は内部電極121、122と連結される。
【0048】
外部電極131、132は、本体110の第3面3に配置される第1外部電極131及び本体110の第4面4に配置される第2外部電極132を含むことができ、第1外部電極131は第1内部電極121と連結され、第2外部電極132は第2内部電極122と連結されることができる。
【0049】
本実施形態では、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造を説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更できる。
【0050】
外部電極131、132は本体110の側面3、4に配置されて、本体110の第1及び第2面1、2を覆うことができる。具体的には、外部電極131、132は側面3、4から本体110の第1及び第2面1、2の一部に延びて配置されることができる。
【0051】
一方、外部電極131、132は、本体110の第1面1または第2面2を全て覆う必要はなく、第1外部電極131と第2外部電極132は、一定距離を置いて第2方向に離隔して配置されることができる。
【0052】
一方、外部電極131、132は、金属などのように電気導電性を有するものであれば、どのような物質を用いても形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0053】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層、及び電極層上に形成されためっき層を含むことができる。
【0054】
電極層に対するより具体的な例として、電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0055】
また、電極層は、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であることができる。また、電極層は、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。
【0056】
電極層に含まれる導電性金属として、電気導電性に優れた材料を用いることができ、特に限定されない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びこれらの合金のうち一つ以上であることができる。
【0057】
めっき層は、実装特性を向上させる役割を果たす。めっき層の種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち一つ以上を含むめっき層であることができ、複数の層から形成されることができる。
【0058】
めっき層に対するより具体的な例として、めっき層は、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、電極層上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができる。また、めっき層は、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0059】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100は、本体110において第1面1の側には第1方向に突出した突出部11と、突出部の周辺の外側部12が形成され、外部電極131、132は、本体110の外側部12、側面3、4及び第2面2を覆うことができる。
【0060】
これにより、本体110の第1面1に突出部11が形成されていない従来の場合よりも、外部電極が部品全体において占める比重を減らすことができ、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量を向上させることができる。
【0061】
一方、単位体積当たりの容量を向上させるために、外部電極131、132が本体110の第1面1を覆わないように配置される従来の場合、外部電極の第1方向の端と本体110のコーナーが外部に露出するため、外部の衝撃や湿気の浸透に脆弱である可能性がある。
【0062】
一方、本発明の一実施形態によると、本体110の第1面1の側には、第1方向に突出した突出部11と突出部11の周辺の外側部12が形成され、外部電極131、132は、本体110の外側部12、側面3、4及び第2面2を覆うことで、本体110のコーナー及び外部電極131、132の第1方向の端が直接的に外部に露出することを防止することができる。これにより、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量を向上させながらも、耐湿信頼性を向上させることができる。
【0063】
また、本発明の一実施形態によると、外部電極131、132における本体110の第2面2を覆う部分の表面(図面を基準に下部に露出した面)は、本体の第2面2における外部電極131、132によって覆われていない部分よりも、上記第1方向にさらに外側に配置されることができる。
【0064】
一実施形態において、外部電極131、132は、本体110の側面、第1面及び第2面1、2を覆い、本体110の第1面1における外部電極によって覆われない部分は、外部電極131、132における本体110の第1面1を覆う部分よりも第1方向にさらに外側に配置され、外部電極131、132における本体110の第2面2を覆う部分は、本体110の第2面における外部電極131、132によって覆われない部分よりも上記第1方向にさらに外側に配置されることができる。
【0065】
これにより、外部電極131、132が部品全体において占める比重を最小化して、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量を向上させることができ、本体110のコーナー及び外部電極の第1方向の端が直接的に外部に露出することを防止することで、積層型電子部品100の耐湿信頼性を向上させることができる。
【0066】
一実施形態において、外部電極131、132は、本体110の第1面1を覆う面積と第2面2を覆う面積が互いに異なることができる。これにより、外部電極が部品全体において占める比重をさらに最小化することができ、実装時に固着強度を確保するために、外部電極を十分に形成することができるため、耐湿信頼性及び固着強度を向上させることができる。
【0067】
一実施形態において、外部電極131、132は、本体110の第2面2を覆う面積が第1面1を覆う面積よりも広いことができる。これにより、本体110の第2面2の側が実装面となる場合、はんだと外部電極131、132との間の接触面積を十分に広く形成して、積層型電子部品100の実装安定性が向上することができる。また、外部電極131、132において本体110の第2面2を覆う面積が比較的増えることによって、外部電極131、32と本体110との間の固着強度を十分に確保するのに対し、本体の第1面1を覆う外部電極を最小限に形成して、外部電極が部品全体において占める比重を縮小することができるため、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量を向上させることができる。
【0068】
一実施形態では、本体110の第2面2が実装面に該当することを前提として説明したが、本発明がこれに制限されるものではなく、第1面1が実装面である場合にも同様に適用されることができる。
【0069】
一方、外部電極131、132が本体110の第1面1または第2面2を覆う面積の大小関係は、積層型電子部品100の第1方向及び第2方向の断面において、本体の第1面または第2面を覆う外部電極の第2方向の長さを測定及び比較して判断することができる。
【0070】
具体的には、
図3を参照すると、外部電極131、132が本体110の第1面1を覆う第2方向の長さをLE1、外部電極131、132が本体110の第2面を覆う第2方向の長さをLE2とすると、LE1及びLE2の値を比較して面積の大小関係を判断することができる。
【0071】
一方、上記LE1及びLE2は、上記第3方向を基準に本体110の中央部で切断した第1方向及び第2方向の断面で測定した値であることができ、より具体的には、一対の外部電極131、132で測定した値の平均値であることができる。
【0072】
一実施形態において、外部電極131、132で本体110の外側部12に配置された領域は、突出部11の側面と接触することができる。
【0073】
突出部11と外側部12が連結される角は、突出部11及び外側部12を形成する際に、物理的及び化学的ストレスが集中する地点であることができる。したがって、突出部11と外側部12が連結される角は、緻密な微細構造を形成することが困難であるため、本体110の他の表面よりも外部の水分及びめっき液の浸透に比較的脆弱である場合がある。
【0074】
また、突出部11と外側部12が連結される角は、容量形成部Acに近く位置しているため、外部の水分またはめっき液が本体110の内部に浸透する場合、容量形成部Acにさらに到達し易いため、積層型電子部品100の耐湿信頼性及び耐酸性を確保することが困難である。
【0075】
一実施形態によると、外部電極131、132において本体110の外側部12に配置された領域は、突出部11の側面と接触することで、突出部11と外側部12が連結される角を外部電極131、132で覆って、外部の水分及びめっき液の主な浸透経路を遮断することができるため、積層型電子部品100の耐湿信頼性及び耐酸性を向上させることができる。
【0076】
一実施形態において、外部電極131、132は、第1方向に本体110の突出部11を覆わないことがある。これにより、同じ最大厚さを有する他の積層型電子部品よりも内部電極121、122及び誘電体層111の積層度をさらに向上させることができるため、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量をさらに向上させることができ、外部電極131、132の端が直接的に外部に露出することを防止することができるため、積層型電子部品100の耐湿信頼性を向上させることができる。
【0077】
上述したように、本体110の第2面2は、外部電極131、132によって覆われた部分と、外部電極131、132によって覆われていない部分が実質的に共面(co-plane)を形成する。これにより、本体110の第2面2は、実質的に突出部を含まない平面であっても良い。本実施形態の場合、本体110の第1面1は突出部が形成される形状であるのに対し、本体110の第2面2は平坦な形状であるため、積層型電子部品100の実装方向を区分することが容易であることができる。
【0078】
図5は、他の実施形態による積層型電子部品101の第1方向及び第2方向の断面図である。
【0079】
図5を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品101は、外部電極131、132の側面に配置される絶縁層141、142をさらに含むことができる。
【0080】
積層型電子部品101が基板に実装される場合、外部電極131、132の側面が外部に露出する場合、隣接した積層型電子部品及び他の電子部品によって損傷を受けたり、ショート(short)が発生することがある。一実施形態によると、外部電極131、132の側面に絶縁層141、142を配置することで、基板実装時に隣接した電子部品とのショートを防止することができる。
【0081】
一方、絶縁層141、142の成分は、外部の水分の浸透を防止し、隣接した他の電子部品から積層型電子部品101を保護することができる材料で構成されることができる。また、積層型電子部品101の単位体積当たりの容量を容易に向上させるために、絶縁層141、142は、薄くて均一な膜を形成することができる材料で構成されることができる。例えば、絶縁層141、142は、Si、Al、Zr、Tiの少なくともいずれかを含む酸化物、エポキシ系列の高分子材料などを含むことができる。
【0082】
さらに、絶縁層141、142は、単一の成分または複数の成分を含むことができ、より好ましくは、本体110または外部電極131、132との結合力を向上させるために、BaTiO3及びBaOなどから選択された1種以上を添加剤として含むことができる。
【0083】
絶縁層141、142を形成する方法は、成分や目的に応じて多様であることができる。例えば、絶縁ペーストを、スキージを用いて塗膜を形成した後、外部電極131、132の各断面を順次浸漬した後、乾燥する方法、ゾル-ゲル法(Sol-gel processing)、化学的蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD)、及び原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition、ALD)などで形成されることができるが、これに制限されるものではなく、薄くて均一な絶縁層を形成することができる他の方法でも形成されることができる。
【0084】
図6は、他の実施形態による積層型電子部品102の第1方向及び第2方向の断面図である。
【0085】
図6を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品102の絶縁層141、142は、外部電極131、132の側面から本体110の外側部12に配置された外部電極131、132上に延びて配置されることができる。これにより、突出部11と外側部12が連結される角を覆って水分浸透経路を遮断することで、耐湿信頼性をより向上させることができる。
【0086】
これと類似した観点から、絶縁層141、142は、本体の外側部12に配置された副電極131、132上に延びて配置され、本体の突出部11の側面と接するように配置されることで、耐湿信頼性を顕著に向上させることができる。
【0087】
図7は、他の実施形態による積層型電子部品103の第1方向及び第2方向の断面図である。
【0088】
図7を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品103の外部電極131、132は、本体110の第1面1を覆う面積と第2面2を覆う面積が実質的に同一であることができる。これにより、本体110と第1及び第2外部電極131、132間の接触面積を向上させることができ、本体110の凹凸を第1及び第2外部電極131、132で覆うことができるため、積層型電子部品103の機械的強度を向上させることができる。
【0089】
一方、外部電極131、132が本体110の第1面1または第2面2を覆う面積が実質的に同一であるか否かは、積層型電子部品103の第1方向及び第2方向の断面において、本体の第1面または第2面を覆う外部電極の第2方向の長さを測定及び比較して判断することができる。
【0090】
図8は、他の実施形態による積層型電子部品104の第1方向及び第2方向の断面図であり、
図9は、
図8による積層型電子部品104の変形例104'を示した第1方向及び第2方向の断面図である。
【0091】
図8を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品104の本体110の突出部11は、外側部12と連結される側面S1を含むことができる。
【0092】
側面S1は、突出部11の第1方向の端と外側部12を連結する面として定義されることができ、第1方向及び第2方向の断面から見たとき、直線の形態であることができる。
【0093】
一実施形態に係る積層型電子部品104の側面S1は、実質的に第1方向と一定角度をなす傾いた平面に該当することができる。すなわち、突出部11は、外側部12から突出部11の第1方向の端に行くほど、第2方向の長さが徐々に短くなる形状のテーパ形状であることができる。これにより、外部電極131、132と突出部11の側面S1が接する面積を向上させて、外部電極131、132と本体110との間の接着力の向上によって積層型電子部品104の強度を向上させることができる。
【0094】
一方、外側部12も実質的に一定の傾きを有する平面であることができ、
図8に示したように、側面S1の傾きと外側部12の傾きが異なる場合、上記側面S1及び外側部12は、ステップ(Step)形状をなすことができる。
【0095】
図9を参照すると、
図8による積層型電子部品104の変形例104'は、側面S1'と外側部12の傾きが実質的に同じであることができる。すなわち、側面S1'及び外側部12は、実質的に同一平面に形成されることができる。これにより、外部電極131、132と本体110との間の接着力を向上させて、積層型電子部品104'の強度を向上させることができるだけでなく、外側部12を覆う外部電極131、132の領域も最小化することができ、積層型電子部品104'の単位体積当たりの容量もさらに向上させることができる。
【0096】
図10は、他の実施形態に係る積層型電子部品105の第1方向及び第2方向の断面図であり、
図11は、
図10による積層型電子部品105の変形例105'を示した第1方向及び第2方向の断面図である。
【0097】
図10を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品105の本体110の突出部11は、外側部12と連結される側面S2がラウンド形状であることができる。側面S2は、第1方向及び第2方向の断面で見たとき、曲率半径を有する曲線の形態であることができる。また、側面S2がラウンド形状であるため、側面S2が直線である形態よりも外部電極131、132との接合面積を向上させることが容易であるため、積層型電子部品105の強度をさらに向上させることができる。
【0098】
図11を参照すると、
図10による積層型電子部品105の変形例105'は、外側部12も曲率半径を有する曲面であることができ、側面S2'及び外側部12の曲率半径が実質的に同一であることができる。すなわち、側面S2'及び外側部12は、実質的に一つの曲面で形成されることができる。これにより、積層型電子部品105'の強度をさらに向上させることができるだけでなく、外側部12を覆う外部電極131、132の領域も最小化することができるため、積層型電子部品105'の単位体積当たりの容量をさらに向上させることができる。
【0099】
一方、上述した実施形態は、本体110の第1面1にのみ突出部11が形成されているが、第2面2にも突出部を形成されることができ、ここで、第1及び第2面1、2の突出部11、21は互いに形状が異なることができる。
図12~
図14を参照してこれを説明する。まず、
図12は、他の実施形態に係る積層型電子部品106の第1方向及び第2方向の断面図であり、
図13は、一実施形態に係る積層型電子部品107の第1方向及び第2方向の断面図である。
【0100】
図12及び
図13を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品106、107は、誘電体層111、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極121、122を含む本体110と、上記内部電極と連結された外部電極131、132を含み、本体110の第1面1の側に形成された突出部11及び外側部12をそれぞれ第1突出部11及び第1外側部12とすると、本体110において、第2面2の側には、上記第1方向に突出した第2突出部21と、上記第2突出部の周辺の第2外側部22が形成され、第1及び第2突出部11、21は互いに形状が異なることができる。
【0101】
一方、第1面1及び第2面2に互いに異なる形状を有する上記第1及び第2突出部11、21をそれぞれ形成する場合、外部電極131、132が第1及び第2外側部12、22に配置されることができ、第1外側部12に配置された外部電極131、132の形状と第2外側部22に配置された外部電極131、132の形状も互いに異なることができる。
【0102】
第1及び第2突出部11、21の形状が互いに異なるという意味は、具体的に、第1及び第2突出部11、21は第1方向に垂直な第2方向で測定した長さLB1、LB2が互いに異なることを意味するか、または第1方向で測定した厚さTB1、TB2が互いに異なることを意味することができる。
【0103】
一方、上記LB1、LB2は、上記第3方向を基準に本体110の中央部で切断した第1方向及び第2方向の断面で測定した突出部11、21の第2方向の長さであることができる。また、上記TB1、TB2は、第3方向の中央部で切断した第1方向及び第2方向の断面で測定した突出部11、21の第1方向の長さであることができる。
【0104】
すなわち、
図12を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品106の第1及び第2突出部11、21は、上記第1方向に垂直な第2方向で測定した長さLB1、LB2が互いに異なることができる。また、
図13を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品107の第1及び第2突出部11、21は、上記第1方向に測定した厚さTB1、TB2が互いに異なることができる。
【0105】
図12及び
図13に係る積層型電子部品106、107は、本体110の第1面1及び第2面2の全てに突出部11、21が形成されるため、外部電極131、132が全体部品全体において占める比重を最小化して、積層型電子部品106、107の単位体積当たりの容量をさらに向上させることができ、第1突出部11及び第2突出部21の形状が異なるため、積層型電子部品106、107の上下面の区分が容易であるという利点がある。
【0106】
一実施形態に係る積層型電子部品106、107のように、本体110の第1面1及び第2面2の全てに突出部11、21及び外側部12、22が形成される場合、外部電極131、132は、本体110の側面3、4及び第1外側部12を覆うだけでなく、第2外側部22も覆うことができる。すなわち、一実施形態においては、上記外部電極131、132が本体110の第2外側部22にも配置されることができ、これによって本体110の第1面及び第2面1、2のいずれの面においても基板に実装が可能であるため、実装自由度を確保することができ、外側部12、22に外部電極131、132を配置することで積層型電子部品106、107の単位体積当たりの容量を向上させることができる。
【0107】
図14は、一実施形態に係る積層型電子部品108の第1方向及び第2方向の断面図である。
【0108】
図14を参照すると、一実施形態に係る積層型電子部品108の本体110の角は、ラウンド形状であることができる。
【0109】
誘電体層111上に内部電極121、122が配置されていないマージン領域が重なることによって、内部電極121、122の厚さによる段差が発生し、第1面1と側面3、4、5、6を連結するコーナー及び/または第2面2と側面3、4、5、6を連結するコーナーは、第1面1または第2面2を基準として見たとき、本体110の第1方向の中央側に収縮した形態を有することができる。または、本体の焼結固定で収縮挙動によって第1面1と側面3、4、5、6を連結するコーナー及び/または第2面2と側面3、4、5、6を連結するコーナーは、第1面または第2面を基準として見たとき、本体110の第1方向の中央側に収縮した形態を有することができる。または、チッピング不良などを防止するために、本体110の各面を連結するコーナーを別途の工程を行ってラウンド処理することで、第1面1と側面3、4、5、6を連結するコーナー及び/または第2面2と側面3、4、5、6を連結されるコーナーは、ラウンド形状であることができる。
【0110】
積層型電子部品108の第1面1の側には、上記第1方向に突出した第1突出部11と、上記第1突出部の周辺の第1外側部12が形成され、第2面2の側には、第1方向に突出した第2突出部21と、第2突出部の周辺の第2外側部22が形成されることができる。
【0111】
第1突出部11は、第1外側部12と連結される第1側面S1"を含むことができ、第2突出部21は、第2外側部22と連結される第2側面S2"を含むことができる。
【0112】
第1及び第2側面S1"、S2"は、実質的に第1方向と一定角度をなす傾いた平面に該当することができ、
図14に示したように、互いに異なる傾きを有する複数の平面からなることができる。
【0113】
図14では、第1及び第2側面S1"、S2"が平面からなるものと示したが、これに制限されるものではなく、突出部11、21及び外側部12、22を形成する工程によって、第1及び第2側面S1"、S2"は、複数の曲面からなることができる。
【0114】
図15a、15b、15cは、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100の製造方法を概略的に示した斜視図または断面図である。
【0115】
図15aを参照すると、複数個の第1内部電極パターンが印刷された第1セラミックグリーンシートと、複数個の第2内部電極パターンが印刷された第2セラミックグリーンシートが交互に積層及び圧着されて形成されたセラミックグリーンシート積層体1000の表面をダイシングブレード、レーザ照射及び化学的エッチングなどによって第3方向に平行且つ間隔が実質的に同一である複数のE1-E1線に沿って切削またはエッチングして、突出部11及び外側部12を形成することができる。このとき、切削またはエッチングは、セラミックグリーンシート積層体1000を完全に切断するのではなく、セラミックグリーンシート積層体1000の誘電体層の一部を表面から第1方向に切削またはエッチングして除去することを意味することができる。
【0116】
次に、
図15bを参照すると、突出部及び外側部が形成されたセラミックグリーンシート積層体1000を第2方向に平行且つ間隔が実質的に同一である複数のC1-C1切断線に沿って切断して、一定の幅を有する切断された積層体1100を形成することができる。このとき、
図15aのE1-E1線と
図15bのC1-C1切断線は、同一位置に形成されることができる。
【0117】
次に、
図15cを参照すると、切断された積層体1100を第3方向に平行且つ間隔が実質的に同一である複数のC2-C2切断線に沿って切断して個別的なセラミックチップ1110を形成することができる。このとき、C2-C2切断線は、
図15aのC1-C1切断線と直交することができる。
【0118】
この後、焼成過程を経て本発明の本体110を形成することができるが、これに制限されるものではなく、別途のマージン部を付着する段階をさらに行った後、焼成して本発明の本体110を形成することができる。
【0119】
この後、本体110の内部電極が延びて配置されることができる側面上に、それぞれ外部電極を形成して本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100を完成することができる。
【0120】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0121】
また、本開示で用いられた「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態で説明された事項が他の一実施形態で説明されていなくても、他の一実施形態でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連した説明であると理解することができる。
【0122】
本開示で用いられた用語は、単に一実施形態を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0123】
100、101、102、103、104、105、106、107、108 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
121、122 内部電極
131、132 外部電極
141、142 絶縁層
11、21 突出部
12、22 外側部
1000 セラミックグリーンシート積層体
1100 切断された積層体
1110 セラミックチップ