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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098679
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】画像形成システム及びシート搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 9/00 20060101AFI20230703BHJP
   B65H 5/02 20060101ALI20230703BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B65H9/00 A
B65H5/02 M
G03G15/00 447
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206124
(22)【出願日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2021213825
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 司
(72)【発明者】
【氏名】長田 久
【テーマコード(参考)】
2H072
3F049
3F102
【Fターム(参考)】
2H072CA05
2H072HB08
2H072JA02
2H072JA03
3F049AA02
3F049DA19
3F049LA01
3F049LB03
3F102AA01
3F102AB01
3F102BA02
3F102BB04
3F102DA02
3F102EA12
3F102FA02
(57)【要約】
【課題】シートの種類に応じた適切な搬送力を容易に得られる構成を提供する。
【解決手段】球体20、21は、搬送ベルト12の搬送面12Aと対向する位置でシートの搬送方向において複数配置され、搬送面12Aとの間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能である。荷重変更部700は、複数の球体20、21のうちの少なくとも一部の球体21のシートに対する荷重を変更する。制御部は、搬送するシートの情報に応じて荷重変更部700を制御する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能な球体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記球体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、
前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する制御部と、
前記搬送ベルト及び前記球体によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備えた画像形成システム。
【請求項2】
前記シート情報認識部は、搬送されるシートの坪量の情報を認識し、
前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が第1の坪量の場合に比べて、坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合の方が前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を大きくするように、前記荷重変更部を動作させる請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記荷重変更部は、前記複数の球体の一部を、前記搬送面との間にシートがない状態で前記搬送面と接触する接触位置と、前記接触位置よりも前記搬送面から離間した離間位置とに移動可能な移動機構を有する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記規制部は、前記シート幅方向に関して前記搬送ベルトの両側に配置され、それぞれが前記シート幅方向に移動可能な1対の規制ガイドであり、
前記移動機構は、前記1対の規制ガイドが移動することで動作する請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記移動機構は、前記複数の球体の一部を保持し、第1の位置と第2の位置とに移動可能な保持部と、前記保持部が前記第1の位置にあるときに前記複数の球体の一部を前記接触位置に位置させ、前記保持部が前記第2の位置にあるときに前記複数の球体の一部を前記離間位置に位置させる位置決め部材と、を有し、
前記保持部は、前記1対の規制ガイドのうちの一方の規制ガイドが第1の所定位置まで移動する動作により前記第1の位置に移動し、他方の規制ガイドが第2の所定位置まで移動する動作により前記第2の位置に移動する請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記荷重変更部は、前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体を前記搬送面に向けて押圧可能な押圧部と、前記押圧部による前記球体への押圧力を変更可能な押圧力変更部と、を有する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記制御部は、ユーザの選択により前記荷重変更部を制御して、複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更するモードを有する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項8】
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能な球体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記球体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、
前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する制御部と、を備えたシート搬送装置。
【請求項9】
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置に向けて搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能な球体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記球体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記画像形成装置からの命令を受信する受信部と、
前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
前記受信部で受信した命令に応じて前記荷重変更部を制御する制御部と、を備えたシート搬送装置。
【請求項10】
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、
前記荷重変更部を制御する制御部と、
前記搬送ベルト及び前記回転体によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記搬送ベルト及び前記複数の回転体は、前記搬送ベルトと前記複数の回転体とでシートを前記所定の搬送方向に搬送している状態で前記規制部が前記シートの側縁に当接したときに該シートが前記所定の搬送方向と交差する方向に移動可能となるように構成されており、
前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する画像形成システム。
【請求項11】
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、
前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、
前記搬送ベルト及び前記複数の回転体は、前記搬送ベルトと前記複数の回転体とでシートを前記所定の搬送方向に搬送している状態で前記規制部が前記シートの側縁に当接したときに該シートが前記所定の搬送方向と交差する方向に移動可能となるように構成されており、
前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御するシート搬送装置。
【請求項12】
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置に向けて搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記画像形成装置からの命令を受信する受信部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、
前記搬送ベルト及び前記複数の回転体は、前記搬送ベルトと前記複数の回転体とでシートを前記所定の搬送方向に搬送している状態で前記規制部が前記シートの側縁に当接したときに該シートが前記所定の搬送方向と交差する方向に移動可能となるように構成されており、
前記制御部は、前記受信部で受信した命令に応じて前記荷重変更部を制御するシート搬送装置。
【請求項13】
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの坪量を認識するシート情報認識部と、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量に応じて、前記搬送ベルト、前記規制部及び前記荷重変更部を制御する制御部と、
前記搬送ベルト及び前記回転体によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記制御部は、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が第1の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体を前記搬送ベルトから離間させた状態でシートを前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制し、その後、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持し、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持した状態で前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制する画像形成システム。
【請求項14】
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの坪量を認識するシート情報認識部と、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量に応じて、前記搬送ベルト、前記規制部及び前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が第1の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体を前記搬送ベルトから離間させた状態でシートを前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制し、その後、前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持し、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持した状態で前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制するシート搬送装置。
【請求項15】
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置に向けて搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記画像形成装置からのシートの坪量を含む命令を受信する受信部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
前記受信部で受信したシートの坪量に応じて、前記搬送ベルト、前記規制部及び前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記受信部で受信したシートの坪量が第1の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体を前記搬送ベルトから離間させた状態でシートを前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制し、その後、前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持し、
前記受信部で受信したシートの坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持した状態で前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制するシート搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成システム、及び、シートを搬送するシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートを搬送するシート搬送装置においては、シートの搬送中に様々な要因でシートの位置ずれが生じる虞がある。そして、位置ずれが生じたまま、例えば、シートに画像を形成する画像形成装置に搬送された場合、シートに対して画像がずれるなどの不具合が生じてしまう。このため、搬送中のシートの位置ずれを補正するシート搬送装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、シート搬送方向に交差する幅方向片側に設けられた固定の基準ガイドと、基準ガイドに対して傾斜して設けられた搬送ベルトと、球体とを有する構成が開示されている。特許文献1に記載のシート搬送装置の場合、シートを搬送ベルトと球体とで挟持しつつ搬送することにより、シートの幅方向端縁を基準ガイドに突き当てるようにしている。そして、シートのサイドレジ(シート幅方向端縁の位置ずれ)とサイドスキュー(シート搬送方向に対するシートの幅方向端縁の傾き)を同時に補正している。
【0004】
また、特許文献1には、2列の保持板のそれぞれに複数の球体を保持し、一方の保持板の高さを手動で調整することでこの保持板に保持されている球体と搬送ベルトとの隙間を変更可能な構成が記載されている。これにより、シートの厚みによって球体がシートに当接されてたり当接されなかったりして、自動的に搬送ベルトへの押し付け力を変えることができ、シートの種類に応じた適切な搬送力を得られるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-217096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、従来、シート搬送装置やシート搬送装置を備えた画像形成装置では、1種類の成果物を大量に出力することが行われていた。一方、近年では、多品種少量の成果物を出力するニーズが増しており、様々な種類のシートに対応することが求められる。このためには、シートの種類に応じて球体と搬送ベルトとのニップ圧を適切なニップ圧に調整して搬送することが求められるが、シートの種類が変わる度に、上述の特許文献1に記載の構成のように手動で球体と搬送ベルトとの隙間を調整していたら、ユーザの手間がかかってしまう。
【0007】
本発明は、シートの種類に応じた適切な搬送力を容易に得られる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成システムは、シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能な球体と、前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記球体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する制御部と、前記搬送ベルト及び前記球体によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備える。
【0009】
また、本発明のシート搬送装置は、シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って搬送するシート搬送装置であって、前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能な球体と、前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記球体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する制御部と、を備える。
【0010】
また、本発明のシート搬送装置は、シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置に向けて搬送するシート搬送装置であって、前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能な球体と、前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記球体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、前記画像形成装置からの命令を受信する受信部と、前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、前記受信部で受信した命令に応じて前記荷重変更部を制御する制御部と、を備える。
【0011】
また、本発明の画像形成システムは、シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、前記荷重変更部を制御する制御部と、前記搬送ベルト及び前記回転体によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備え、前記搬送ベルト及び前記複数の回転体は、前記搬送ベルトと前記複数の回転体とでシートを前記所定の搬送方向に搬送している状態で前記規制部が前記シートの側縁に当接したときに該シートが前記所定の搬送方向と交差する方向に移動可能となるように構成されており、前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する。
【0012】
また、本発明のシート搬送装置は、シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って搬送するシート搬送装置であって、前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、前記搬送ベルト及び前記複数の回転体は、前記搬送ベルトと前記複数の回転体とでシートを前記所定の搬送方向に搬送している状態で前記規制部が前記シートの側縁に当接したときに該シートが前記所定の搬送方向と交差する方向に移動可能となるように構成されており、前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する。
【0013】
また、本発明のシート搬送装置は、シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置に向けて搬送するシート搬送装置であって、前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、前記画像形成装置からの命令を受信する受信部と、前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、前記搬送ベルト及び前記複数の回転体は、前記搬送ベルトと前記複数の回転体とでシートを前記所定の搬送方向に搬送している状態で前記規制部が前記シートの側縁に当接したときに該シートが前記所定の搬送方向と交差する方向に移動可能となるように構成されており、前記制御部は、前記受信部で受信した命令に応じて前記荷重変更部を制御する。
【0014】
本発明の画像形成システムは、シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、搬送するシートの坪量を認識するシート情報認識部と、前記シート情報認識部で認識したシートの坪量に応じて、前記搬送ベルト、前記規制部及び前記荷重変更部を制御する制御部と、前記搬送ベルト及び前記回転体によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備え、前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が第1の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体を前記搬送ベルトから離間させた状態でシートを前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制し、その後、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持し、前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持した状態で前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制する。
【0015】
また、本発明のシート搬送装置は、シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って搬送するシート搬送装置であって、前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、搬送するシートの坪量を認識するシート情報認識部と、前記シート情報認識部で認識したシートの坪量に応じて、前記搬送ベルト、前記規制部及び前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が第1の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体を前記搬送ベルトから離間させた状態でシートを前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制し、その後、前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持し、前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持した状態で前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制する。
【0016】
また、本発明のシート搬送装置は、シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置に向けて搬送するシート搬送装置であって、前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、前記画像形成装置からのシートの坪量を含む命令を受信する受信部と、前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、前記受信部で受信したシートの坪量に応じて、前記搬送ベルト、前記規制部及び前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記受信部で受信したシートの坪量が第1の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体を前記搬送ベルトから離間させた状態でシートを前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制し、その後、前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持し、前記受信部で受信したシートの坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持した状態で前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、シートの種類に応じた適切な搬送力を容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態に係る画像形成システムの概略構成断面図。
図2】第1の実施形態に係る中継搬送装置の斜視図。
図3】第1の実施形態に係る中継搬送装置の平面図。
図4】第1の実施形態に係る中継搬送装置の搬送ベルトユニットの断面図で、(a)両方の列の球体がシートに当接する当接状態を、(b)片方の列の球体がシートから離間する離間状態をそれぞれ示す図。
図5】第1の実施形態に係る中継搬送装置の搬送ベルトユニットの斜視図。
図6】第1の実施形態に係る搬送ベルトユニットの平面図で、(a)両方の列の球体がシートに当接する当接状態を示す図、(b)(a)のα部拡大断面図、(c)片方の列の球体がシートから離間する離間状態を示す図、(d)(c)のβ部拡大断面図。
図7】第1の実施形態に係る搬送ベルトユニットの平面図で、(a)片方の列の球体がシートから離間する離間状態を示す図、(b)離間状態から両方の列の球体がシートに当接する当接状態に移行する際の状態を示す図、(c)(b)のγ部拡大断面図。
図8】第1の実施形態に係る片方の列の球体を保持する保持板の一部を示す斜視図で、(a)球体が当接状態の位置にある図、(b)球体が離間状態の位置にある図。
図9】第1の実施形態に係る搬送ベルトユニットと規制ガイドをストッパー部分で切断した断面図。
図10】第1の実施形態に係る搬送ベルトユニットと規制ガイドを回転リンク部分で切断した断面図。
図11】第2の実施形態に係る搬送ベルトユニットの平面図で、(a)両方の列の球体がシートに当接する状態を示す図、(b)上の列の球体がシートから離間する状態を示す図。
図12】第2の実施形態に係る搬送ベルトユニットの平面図で、(a)下の列の球体がシートから離間する離間状態を示す図、(b)両方の列の球体がシートから離間する状態を示す図。
図13】第3の実施形態に係る搬送ベルトユニットの斜視図。
図14】第3の実施形態に係る搬送ベルトユニットにおいて、全ての球体がシートに当接する状態を示す、(a)平面図、(b)断面図。
図15】第3の実施形態に係る搬送ベルトユニットにおいて、一部の球体がシートから離間する状態を示す、(a)平面図、(b)断面図。
図16】第4の実施形態に係る搬送ベルトユニットにおいて、(a)球体のシートに対する荷重を小さくした状態を示す断面図、(b)球体のシートに対する荷重を大きくした状態を示す断面図。
図17】第5の実施形態に係る制御構成の第1例を示すブロック図。
図18】第5の実施形態に係る制御構成の第2例を示すブロック図。
図19】第6の実施形態に係る搬送ベルトユニットにおいて、(a)回転体のシートに対する荷重を小さくした状態を示す断面図、(b)回転体のシートに対する荷重を大きくした状態を示す断面図。
図20】第6の実施形態の別例に係る搬送ベルトユニットにおいて、(a)回転体のシートに対する荷重を小さくした状態を示す断面図、(b)回転体のシートに対する荷重を大きくした状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1図10を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成システムについて、図1を用いて説明する。
【0020】
[画像形成システム]
図1は、本実施形態に係る多段給送装置及び画像形成装置を備える画像形成システムの一例を概略的に示す断面図である。以下の説明では、画像形成部を有する画像形成装置として、電子写真方式を用いたレーザプリンタシステム(以下単にプリンタと呼ぶ)を例に挙げて説明する。なお、画像形成システムを構成する画像形成装置は、プリンタ以外に、複写機、ファクシミリ、複合機などであっても良い。また、画像形成装置は、電子写真方式に関らず、インクジェット方式などの他の方式の構成であっても良い。
【0021】
本実施形態の画像形成システム1000は、画像形成装置100と、画像形成装置100に接続されたシート給送装置としての多段給送装置200と、給送デッキ500と、を有している。多段給送装置200は、詳しくは後述するように、それぞれが複数枚のシートを収納可能な複数の収納庫を有しており、各収納庫から画像形成装置100にシートを給送可能である。また、給送デッキ500も複数枚のシートを収納可能な収納庫を有しており、シート搬送方向に関して、多段給送装置200の上流側に配置されている。また、給送デッキ500から給送されるシートは、多段給送装置200に設けられた中継搬送装置400を介して画像形成装置100に搬送される。なお、シートとしては、普通紙、薄紙、厚紙などの紙、プラスチックシートなどが挙げられる。
【0022】
画像形成装置100は、画像形成装置本体101に接続された原稿読み取り装置102又は画像形成装置本体101に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)をシートに形成する。本実施形態の場合、原稿読み取り装置102は、画像形成装置本体101の上側に配置されている。
【0023】
原稿読み取り装置102は、原稿を読み取る際には、プラテンガラス103の上に載置された原稿に走査光学系光源によって光を照射すると共に、反射光をCCDに入力することにより原稿画像を読み取るようにしている。また、原稿読み取り装置102は、自動原稿搬送装置(ADF)104を備えており、トレイ105上に載置された原稿をADF104により自動的に原稿読み取り装置102の読み取り部に搬送して、原稿画像を読み取ることも可能である。そして、読み取った原稿画像は電気信号に変換されて、後述する画像形成部110のレーザスキャナ113に伝送される。なお、レーザスキャナ113は、上述したようにパーソナルコンピュータ等から送信されてくる画像データが入力される場合もある。
【0024】
画像形成装置100は、画像形成部110、複数のシート給送装置120、シート搬送装置130等を備える。画像形成装置100は、制御部140により各部が制御される。制御部140は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。
【0025】
複数のシート給送装置120は、それぞれシートSを収納するカセット121と、ピックアップローラ122と、フィードローラ123及びリタードローラ124から構成される分離搬送ローラ対125とを備えている。カセット121内に収納されたシートSは、所定のタイミングで昇降動作して回転するピックアップローラ122と分離搬送ローラ対125とによって1枚ずつ分離されて給送される。
【0026】
シート搬送装置130は、搬送ローラ対131、レジストローラ対133を備えている。シート給送装置120から給送されたシートSは、搬送ローラ対131によりシート搬送路134を通過させられた後、レジストローラ対133に導かれる。この後、シートSは、レジストローラ対133によって、所定のタイミングで画像形成部110に送り込まれる。
【0027】
なお、後述する多段給送装置200や給送デッキ500から搬送ローラ対201を介して搬送されるシートは、画像形成装置100との接続経路202を介して画像形成装置100内に搬送される。そして、多段給送装置200や給送デッキ500から画像形成装置100内に搬送されたシートは、画像形成装置100内のシート給送装置120から搬送されるシートと同様に、レジストローラ対133を介して所定のタイミングで画像形成部110に送り込まれる。
【0028】
画像形成部110は、感光ドラム111、帯電器112、レーザスキャナ113、現像器114、転写装置115、クリーナ117等を備えている。画像形成時には、感光ドラム111が図の矢印方向に回転駆動され、まず、帯電器112により感光ドラム111の表面が一様に帯電される。そして、画像信号に応じて発光されるレーザスキャナ113からのレーザ光が帯電された感光ドラム111に照射されることで、感光ドラム111上に静電潜像が形成される。さらに、このようにして感光ドラム111上に形成された静電潜像は、この後、現像器114によってトナー像として顕像化される。
【0029】
この後、感光ドラム111上のトナー像は、転写部116において転写装置115によりシートSに転写される。さらに、このようにトナー像が転写されたシートSは、定着装置150に搬送されてトナー像の定着が行われ、この後、排出ローラ151によって機外の排出トレイ152に排出される。
【0030】
シートSの裏面にトナー像を形成する場合には、定着装置150から排出されたシートSを反転搬送路160に搬送する。そして、反転搬送路160により表裏を反転した状態で、シートSを再度、画像形成部110の転写部116に搬送する。裏面にトナー像が転写されたシートSは、定着装置150に搬送され、トナー像の定着が行われた後、排出ローラ151により排出トレイ152に排出される。なお、転写後に感光ドラム111上に残った転写残トナーは、クリーナ117により除去される。
【0031】
[多段給送装置]
引き続き、図1を用いて多段給送装置200の概要について説明する。シート搬送装置としての多段給送装置200は、複数の収納庫210a~210c、中継搬送装置400等を備える。本実施形態では、3つの収納庫210a~210cを上下に3段並べており、一番下の収納庫210cと上から2番目の収納庫210bとの間に中継搬送装置400を配置している。
【0032】
一番上の収納庫210aから給送されたシートは、搬送経路212に搬送され、上から2番目の収納庫210bから給送されたシートは、搬送経路213に搬送され、一番下の収納庫210cから給送されたシートは、搬送経路214に搬送される。また、中継搬送装置400から搬送されたシートは、搬送経路215に搬送される。搬送経路213は、途中で搬送経路212に合流している。また、搬送経路212,214,215は、合流点216で合流し、搬送経路217を通って搬送ローラ対201に搬送され、接続経路202を介して画像形成装置100に搬送される。
【0033】
また、搬送経路213と合流後の搬送経路212、中継搬送装置400、搬送経路214には、それぞれシートの重送を検知する重送検知センサが配置されている。そして、重送検知センサにより重送が検知されたシートは、搬送経路217まで搬送される。搬送経路217の下方には、重送が検知されたシートを収容する重送シート収容部(エスケープトレイ)218が配置されている。重送が検知され、搬送経路217に搬送されたシートは、搬送経路217に設けられた切換部材219により搬送経路が切り換えられることで、重送シート収容部に搬送される。
【0034】
また、多段給送装置200は、制御部203により各部が制御される。制御部203は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。また、制御部203は、画像形成装置100の制御部140と通信可能であり、制御部140と通信することでシートの給送タイミングなどを制御する。
【0035】
上流側の給送デッキ500から給送されたシートは、搬送経路512を通って中継搬送装置400に搬送される。また、多段給送装置200は、手差しでもシートが給送可能となっている。手差しで給送されたシートは、搬送経路512に合流する搬送経路510に搬送され、搬送ローラ対511により搬送経路512を介して中継搬送装置400に搬送される。
【0036】
中継搬送装置400は、詳しくは次述するが、搬送ベルト12などを備える位置ずれ補正部410を備える。位置ずれ補正部410のシート搬送方向上流側には、搬送部材としての搬送ローラ対401、位置ずれ補正部410のシート搬送方向下流側には、搬送ローラ対402が配置されている。搬送経路512を搬送されるシートは、搬送ローラ対401により位置ずれ補正部410に送られる。シートは、位置ずれ補正部410でサイドレジ(シート幅方向端縁の位置ずれ)とサイドスキュー(シート搬送方向に対するシートの幅方向端縁の傾き)が補正された後、下流側の搬送ローラ対402に受け渡される。そして、搬送ローラ対402、403により搬送経路215に搬送される。このように、中継搬送装置400は、上流側の給送デッキ500等から搬送されたシートの位置ずれなどを補正し、下流側の画像形成装置100に受け渡す。
【0037】
[中継搬送装置]
次に、中継搬送装置400について説明する。まず、中継搬送装置400の概略構成について、図2ないし図4を用いて説明する。中継搬送装置400は、シートを搬送方向(所定の搬送方向)Xに搬送する搬送部材としての搬送ローラ対401によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置100に向けて搬送する。即ち、上流側の搬送ローラ対401から上述の位置ずれ補正部410に受け渡され、シートの位置ずれ補正がされた後に位置ずれ補正部410から下流側の搬送ローラ対402にシートが受け渡される。搬送ローラ対401、402は、図3に示すように、駆動ローラ及び従動ローラがそれぞれ回転軸線方向に離間した2つのローラ部により構成されている。特に、下流側の搬送ローラ対402の幅(幅方向Yの長さ、図3に示す、搬送ローラ対402の回転軸線方向に並ぶ2つのローラ部のうちの上側のローラ部の上端と下側のローラ部の下端との間隔)は、搬送ベルト12の幅(幅方向Yの長さ)よりも大きい。位置ずれ補正部410は、搬送ベルト12、複数の回転体としての複数の球体20、21、1対の規制ガイド14A、14B、ガイド移動部420等を有する。
【0038】
搬送ベルト12は、シートを搬送方向Xに搬送する搬送部材としての搬送ローラ対401の搬送方向Xの下流側(搬送方向下流側)に配置されている。搬送ベルト12は、プーリ11A、11Bに掛け渡された無端状のベルトであり、搬送方向Xにおいて延設される搬送面12Aを有する。片側のプーリ11Aには、駆動源としてのモータM1が接続されており、搬送ベルト12は、モータM1の駆動により回転する。このような搬送ベルト12は、搬送方向Xの上流側の搬送ローラ対401から搬送面12Aに受け渡されたシートを搬送方向Xに向けて搬送する。
【0039】
球体20、21は、搬送ベルト12の搬送面12Aと対向する位置に搬送方向Xにおいて複数配置されている。図4(a)、(b)に示すように、球体20、21の少なくとも一部の球体21は、搬送面12Aと離接可能になっている。そして、一部の球体21が搬送面12Aに接地した時には、搬送面12Aに対して球体21の自重が負荷される。即ち、本実施形態では、複数の球体20、21のうちの少なくとも一部の球体21のシートに対する荷重を変更可能としている。この構成の詳しい説明については後述する。
【0040】
なお、球体(回転体)20、21は、完全な真球である必要はない。つまり球体20、21は、シートを介して搬送ベルト12とニップした状態で搬送ベルト12が回転することで、少なくとも搬送方向に回転できれば良い。本実施形態では、球体20、21は、搬送方向に加えて搬送方向と交差する方向に回転可能となっており、更に言えば、任意の方向に回転可能である。また、球体20、21は、回転できるのであれば重心が中心でなかったり表面に凹凸や平面があったりしてもよい。表面に凹凸がある球体は、例えばゴルフボールのようなものであり、表面に平面がある球体は、例えば、多面体や一部に平面が形成されているものである。
【0041】
また、本実施形態では、球体20、21は、後述する規制ガイド14A、14Bのガイド面15Aによるシートのガイド方向と一致し、2列並んで配置されている。そして、一方の球体21の列は搬送ベルト12の搬送面12Aと離接可能となっている。即ち、詳しくは後述するように、球体21は、搬送面12Aとの間でシートがない状態で搬送面12Aに接触する接触位置(図4(a)と、接触位置よりも搬送面12Aから離間した離間位置(図4(b))とに移動可能である。なお、規制ガイド14A、14Bのガイド方向と搬送ベルト12の搬送方向Xは、略一致している。
【0042】
規制部としての1対の規制ガイド14A、14Bは、図2及び図3に示すように、搬送方向Xと交差するシート幅方向Y(本実施形態では搬送方向と直交する方向)に関して、搬送ベルト12の両側に配置されている。そして、1対の規制ガイド14A、14Bは、搬送ベルト12と球体20のみ或いは球体20、21(以下、何れの場合であっても、必要に応じて便宜的に「球体20、21」という)とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向Yの両端縁(シート幅方向両端縁)をガイド可能である。即ち、1対の規制ガイド14A、14Bは、搬送ベルト12と球体20、21とを用いて搬送されているシートのシート幅方向Yの端縁である側縁に当接可能な当接部としてのガイド面15Aを有する。そして、1対の規制ガイド14A、14Bは、該シートの側縁がガイド面15Aに当接した場合に、該シートのガイド面15Aを超えるシート幅方向Yへの移動を規制する。なお、シート幅方向Yに関して片側に配置された規制ガイド14Aは、搬送ベルト12と球体20、21とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向片側の端部を規制可能である。また、シート幅方向Yに関して他側に配置された規制ガイド14Bは、搬送ベルト12と球体20、21とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向他側の端部を規制可能である。
【0043】
1対の規制ガイド14A、14Bは、図9及び図10に示すように、それぞれ側板部15と、下板部16と、上板部17と、を有し、これら各板部15、16、17で囲まれる空間内に、搬送ベルト12で搬送されるシートの端部が侵入可能としている。1対の規制ガイド14A、14Bは、後述するガイド移動部420によりガイド位置と、退避位置との移動可能に、支持軸421A、421B(図3参照)に支持されている。支持軸421A、421Bは、それぞれシート幅方向Yと略平行に配置され、1対の規制ガイド14A、14Bの搬送方向Xの端部側を支持している。1対の規制ガイド14A、14Bは、支持軸421A、421Bに沿ってシート幅方向Yに移動可能である。
【0044】
側板部15は、ガイド位置において、搬送ベルト12と球体20、21とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向Yの端縁(シート幅方向端縁)と対向するガイド面15Aを有する。ガイド面15Aは、搬送方向Xと平行に配置されている。また、ガイド面15Aは、搬送方向X及びシート幅方向Yにそれぞれ直交する面、本実施形態では、略鉛直方向に沿った面である。
【0045】
下板部16は、側板部15と直交するように配置され、ガイド位置において、搬送ベルト12と球体20、21とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向Yの端縁を支持する支持面16Aを有する。支持面16Aは、ガイド面15Aの鉛直方向下端部から略水平方向に延設されている。また、支持面16Aは、搬送ベルト12の搬送面12Aよりも鉛直方向下方に位置する。
【0046】
上板部17は、支持面16Aと対向して配置される対向面17Aを有する。対向面17Aは、ガイド位置において、搬送ベルト12と球体20、21とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向Yの端縁の上方に位置する。また、対向面17Aは、支持面16Aと略平行に形成されている。
【0047】
ガイド移動部420は、図2及び図3に示すように、1対の規制ガイド14A、14Bのうちの規制ガイド14Aを移動させる第1移動部420Aと、他側の規制ガイド14Bを移動させる第2移動部420Bとを有する。また、ガイド移動部420は、規制ガイド14Aを移動させる駆動力を発生させるモータM2、他側の規制ガイド14Bを移動させる駆動力を発生させるモータM3を有する。
【0048】
第1移動部420Aは、1対のプーリ422A、423Aと、両プーリ422A、423Aに掛け渡された無端状のベルト424Aと、ベルト424Aと規制ガイド14Aとを接続する接続部425Aとを有する。同様に、第2移動部420Bは、1対のプーリ422B、423Bと、両プーリ422B、423Bに掛け渡された無端状のベルト424Bと、ベルト424Bと他側の規制ガイド14Bとを接続する接続部425Bとを有する。
【0049】
また、図2に示すように、第1移動部420Aは駆動源としてのモータM2に、第2移動部420Bは駆動源としてのモータM3にそれぞれ駆動される。即ち、本実施形態の場合、1対の規制ガイド14A、14Bを移動させる駆動源としてのモータを別々とし、1対の規制ガイド14A、14Bは、それぞれ独立して移動可能となっている。このために、第1移動部420Aのプーリ422Aは、連結軸426Aを介してプーリ427Aと連結されており、プーリ427Aは、モータM2に回転駆動されるプーリとの間でベルト428Aを掛け渡されている。そして、モータM2の回転駆動が、ベルト428A、プーリ427A、連結軸426A、プーリ422Aを介してベルト424Aに伝達される。上述のように、ベルト424Aには、接続部425Aを介して規制ガイド14Aが接続されているため、モータM2の駆動により、規制ガイド14Aが、支持軸421A、421Bに沿ってシート幅方向Yに移動する。
【0050】
同様に、第2移動部420Bのプーリ422Bは、連結軸426Bを介してプーリ427Bと連結されており、プーリ427Bは、モータM3に回転駆動されるプーリとの間でベルト428Bを掛け渡されている。そして、モータM3の回転駆動が、ベルト428B、プーリ427B、連結軸426B、プーリ422Bを介してベルト424Bに伝達される。上述のように、ベルト424Bには、接続部425Bを介して他側の規制ガイド14Bが接続されているため、モータM3の駆動により、他側の規制ガイド14Bが、支持軸421A、421Bに沿ってシート幅方向Yに移動する。
【0051】
このようにモータM2、M3を駆動することで、規制ガイド14A、14Bをそれぞれガイド位置や退避位置に移動させている。本実施形態の場合、モータM2、M3は、パルスモータ(ステッピングモータ)としており、規制ガイド14A、14Bの位置は、モータに送るパルス数により制御している。また、規制ガイド14A、14Bは、それぞれホームポジションを有し、ホームポジションにはそれぞれ規制ガイド14A、14Bを検知するセンサを設けている。このため、ホームポジションで規制ガイド14A、14Bの位置を検知し、その後は、モータに送るパルス数により規制ガイド14A、14Bをガイド位置や退避位置に移動させるようにしている。
【0052】
また、本実施形態の場合、図3に示すように、シート幅方向Yに関して、搬送ベルト12と1対の規制ガイド14A、14Bの間に、搬送ベルト12により搬送されるシートの下面と対向する対向部材450、460を配置している。対向部材450、460は、仮に、シートの端部が規制ガイド14A、14Bの何れかに支持されずに搬送された場合に、そのシートの端部を支持する。
【0053】
中継搬送装置400は、搬送方向Xの上流の搬送ローラ対401から搬送ベルト12に受け渡されたシートを、搬送ベルト12と球体20、21によって挟持する。そして、搬送ベルト12の回転によりシートを搬送する。この際、搬送ベルト12に搬送されるシートの幅方向Yの側縁を1対の規制ガイド14A、14Bのガイド面15Aに突き当てる。シートは、ガイド面15Aへ突き当てられると、側縁をガイド面15Aに沿わせつつ搬送ベルト12との間でスリップしながら、ガイド面15Aと平行な方向に搬送される。言い換えれば、シートの側縁がガイド面15Aに当接した場合に、シートは、1対の規制ガイド14A、14Bによりガイド面15Aを超えるシート幅方向Yへの移動を規制されながら搬送される。この際、搬送ベルト12との間でシートを球体20、21により挟持しており、球体20、21は、任意方向に回転可能であるため、シートは、搬送ベルト12上を任意方向にスリップしながら移動可能である。これにより、シートのサイドレジ及びサイドスキューが補正される。なお、シートがシート幅方向の位置ずれや搬送方向の傾きがほぼ生じていない状態で中継搬送装置400に搬送された場合、このシートはガイド面15Aと当接せずに、搬送ベルト12と球体20、21により挟持搬送される。
【0054】
[搬送ベルトユニット]
次に、搬送ベルト12、複数の球体20、21などを有する搬送ベルトユニット480について、図2及び図3を参照しつつ、図4(a)ないし図8(b)を用いて説明する。搬送ベルトユニット480は、位置ずれ補正部410のうち、搬送ベルト12と球体20、21とでシートを搬送する部分である。本実施形態の場合、上述したように、複数の球体20、21は、2列並んで配置されている。
【0055】
このような複数の球体20、21は、それぞれシートのガイド方向に沿って配設された保持部としての保持板18、19に任意方向に回転可能に保持されている。保持板18に保持された複数の球体(第1の球体)20は、搬送ベルト12の上方に配置されており、搬送面12Aとの間でシートを挟持しつつ、任意方向に回転可能である。保持板18は、図2ないし図4(b)に示すように、搬送ベルト12の上方に、搬送面12Aと所定距離離れた位置に搬送方向Xに沿って配置された長尺の板であり、搬送方向Xに互いに間隔をあけて複数の保持穴18aを有する。そして、保持穴18aにそれぞれ球体20を回転自在に保持している。
【0056】
なお、保持板18には、図4(a)、(b)に示すように、複数の球体21が搬送面12A側に露出可能な複数の露出穴18bを有する。即ち、本実施形態では、2列の球体20、21は、保持板18の上方に配置されており、各球体20、21に対応するように、保持穴18a、露出穴18bがそれぞれ間隔をあけて形成されている。複数の球体21は、後述するように保持板19に保持された状態で、露出穴18bから露出する。
【0057】
また、図5に示すように、保持板18の搬送方向Xの両端に保持される球体20は、他の球体20、21と異なり、中心位置がシートの中央基準位置となるように配置されている。即ち、両端の球体20の中心が並んでいる位置は、シートの中央基準位置である。その他の複数の球体20は、この中央基準位置からシート幅方向Yの一方(図3図4(a)、(b)の右方)にシフトして配置されている。中央基準位置からシート幅方向Yの他方(図3図4(a)、(b)の左方)にシフトした位置には、球体21が配置されている。
【0058】
ここで、中央基準位置とは、シート幅方向Yにおいて、シート幅の異なる第1シートと第2シート(即ち、シートのサイズに拘わらず)が両方とも中央となる位置である。本実施形態では、球体20の列と球体21の列は、その中心位置がこの中央基準位置から等距離となるように配置されている。また、本実施形態の場合、球体20と球体21は、互いに同じ直径を有するが、互いの重さが異なる。具体的には、球体21の方が球体20よりも重くしている。また、球体20の方が球体21より配置する数を多くしている。
【0059】
更に、本実施形態では、搬送方向Xに関して、球体21の中心位置が隣り合う2つの球体20の中心位置同士の間に配置されるようにしている。これは、球体20、21が配置できるシート幅方向Yの範囲を確保しにくいためである。即ち、搬送ベルト12と球体20、21とで搬送するシートの種類として、ハガキのような小さいものがあり、このような小サイズのシートをガイドするためには、規制ガイド14A、14Bを搬送ベルト12に近づける必要がある。また、搬送ベルト12のシート幅方向の長さも小サイズのシートの幅よりも短くする必要がある。このため、例えば、球体20、21の外周面の一部が搬送ベルト12よりも外側に位置するように配置した場合、規制ガイド14A、14Bが球体20、21と干渉してしまう虞がある。したがって、本実施形態では、球体20、21を搬送方向Xに関して互い違いとなるように配置し、且つ、搬送方向Xから見て球体20の一部と球体21の一部とが重なるように、互いの中心位置をシート幅方向に関して近づけるようにしている。
【0060】
これにより、球体20、21を2列に並べても、球体20、21が配置されるシート幅方向の範囲を狭くでき、規制ガイド14A、14Bとの干渉を防止できる。本実施形態では、球体20、21は、全体がシート幅方向Yに関して搬送ベルト12の範囲内に収まるように配置されている。また、球体21は、後述するように、搬送方向Xに移動するが、球体21がどの位置に移動してもその中心位置が隣り合う2つの球体20の中心位置同士の間に配置されるようにしている。
【0061】
また、本実施形態の場合、上述のように搬送方向Xの両端側の球体20を中央基準位置に配置している。即ち、搬送方向Xの両端側では、球体20が1列になっており、重い方の球体21は配置していない。これは、搬送ベルト12の搬送方向Xの両側には、搬送ローラ対401、402がそれぞれ配置されている。このため、搬送ベルト12の両側では、搬送ローラ対401又は搬送ローラ対402でもシートが搬送された状態であり、重い方の球体21がなくてもシートの搬送力を確保できる。一方、球体20を中央基準位置からオフセットさせた場合、球体20によりシートを搬送ベルト12に押し付ける力がシート幅方向に関して偏ってしまいバランス良くシートを搬送しにくい。このため、本実施形態では、搬送ベルト12の両端では、軽い方の球体20を中央基準位置に配置して、シートをバランス良く搬送するようにしている。
【0062】
なお、球体21を保持する機構は、後述するように、搬送方向Xに移動する機能を有するため、球体21を多く配置しにくい。そこで、本実施形態では、球体21を球体20よりも数を少なくし、且つ、重さを重くしている。そして、少ない数の球体21でも、後述する離間位置において、球体20と共にシートを搬送ベルト12との間で挟持搬送する場合に、適切な搬送力を得られるようにしている。なお、球体21を多く配置するなどして、球体20と球体21の重さを同じとしても良い。また、球体20と球体21とは、互いに大きさが異なっていても良い。
【0063】
保持板19に保持された複数の球体21(第2の球体)は、搬送ベルト12の上方に配置されており、図4(a)に示す接触位置と、図4(b)に示す離間位置とに移動可能となっている。離間位置は、球体21が、搬送面12Aと対向する上側枠体486の下面から露出しない位置とすることが好ましい。但し、搬送面12Aに対する距離が十分確保できれば、球体21の一部が上側枠体486の下面から露出していても良い。
【0064】
保持板19は、保持板18上に、搬送方向Xに沿って往復移動可能に配置された長尺の板である。即ち、保持板18上で、球体20の列からシート幅方向Yに関してずれた位置に搬送方向Xに沿って配置されている。このような保持板19は、搬送方向Xに互いに間隔をあけて複数の保持穴19aを有する。そして、保持穴19aにそれぞれ球体21を回転自在に保持している。球体21は、保持板19の搬送方向Xの位置に応じて、搬送面12Aに対して離間位置と接触位置とを任意に選択することができる。また、本実施形態では、詳しくは後述するように、保持板19の搬送方向Xの往復移動は、規制ガイド14A、14Bによって動作している。本実施形態では、規制ガイド14A、14Bの動作を利用することで、球体21及び保持板19の移動を新たなアクチュエーターなどを追加せずに実現している。
【0065】
図4(a)、(b)及び図5を用いて、より詳しく説明する。搬送ベルトユニット480は、上述のように、保持板18に複数の球体20を回転自在に保持し、保持板18上にさらに搬送方向Xに沿ってスライド移動可能な保持板19に複数の球体21を回転自在に保持している。保持板18は、搬送ベルトユニット480の上側枠体486上に固定されている。上側枠体486は、中継搬送装置400側の筺体に固定されている。したがって、本実施形態の場合、上側枠体486の上方に保持板18が固定され、更に保持板18の上に保持板19がスライド移動可能に配置されている。上側枠体486には、保持板18、19に保持された複数の球体20、21が搬送ベルト12側に露出可能な露出穴486a、案内穴486bが形成されている。露出穴486aは、球体20に対応した個所に形成されている。案内穴486bは、球体21に対応した個所に形成されている。そして、詳しくは後述するように、球体21が保持板19と共に移動することで、案内穴486bに対して球体21が移動し、球体21が搬送ベルト12に接触する接触位置と、搬送ベルト12から離間する離間位置とに移動する。
【0066】
一方、搬送ベルト12は、搬送ベルト支持部材481に支持されている。搬送ベルト支持部材481は、保持板18と同様に、搬送方向Xに沿って延長する長尺の板部材からなる。図4(a)、(b)に示すように、搬送ベルト支持部材481は、搬送ベルト12を裏面から支持する搬送ベルト支持面482を有する。搬送ベルト支持面482は、搬送方向Xの略全長に亘って形成されている。搬送ベルト支持部材481は、搬送ベルト支持面482が、複数の球体20、21と搬送ベルト12を挟んで対向するように配置される。
【0067】
このような構成により、保持板18に保持された球体20は、上側枠体486から突出し、搬送ベルト支持面482に支持された搬送ベルト12の搬送面12Aに対して自重を負荷している。また、球体21も、上側枠体486から突出し、搬送ベルト支持面482に支持された搬送ベルト12の搬送面12Aに対向し、保持板19のスライドにより、搬送面12Aに対して、接触位置と離間位置とに選択的に移動できる構成となっている。なお、上述したように、図4(a)は、球体21が搬送面12Aに当接している状態を、図4(b)は、球体21が搬送面12Aに対して離間している状態を、それぞれ示している。
【0068】
[球体の離間/当接動作]
次に、図5ないし図10を用いて、保持板19に保持された球体21の搬送ベルト12に対する離間及び当接構成について詳しく説明する。まず、図5を用いて球体20及び球体21の構成について説明する。前述したように、球体20と球体21は2列に搬送方向Xに沿って並んでおり、本実施形態では球体20は12個、球体21は6個の構成である。球体20、21の数は、適宜設定可能であるが、本実施形態では、軽い方の球体20について、その装置で搬送可能な最も小さいシートに対して少なくとも3個が接触して搬送できるような数及び配置としている。球体20は保持板18により回転自在に保持され、球体21は保持板18上をスライド可能に配置された保持板19によって回転自在に保持されている。
【0069】
保持板19にはさらに、回転リンク190が連結され回転リンク190の回転に連動して保持板19と球体21が搬送方向Xに沿ってスライド移動することができる。回転リンク190は、回動軸191を中心に回動可能な本体部192を有し、本体部192には、中継搬送装置400の手前側(フロント側、規制ガイド14A側)に向けて突出するアーム部192aが一体に形成されている。また、本体部192の奥側(リア側、規制ガイド14B側)には、突起部(ボス)192bが設けられており、突起部192bは、保持板19に形成された係合孔193内に侵入し、係合孔193と係合可能である。係合孔193はシート幅方向の長さが長い長孔である。また、係合孔193は、保持板19の搬送方向Xの略中央位置に形成されている。
【0070】
また、保持板19の係合孔193の搬送方向Xの両側には、搬送方向Xに長い長孔194がそれぞれ形成されている。それぞれの長孔194には、保持板18に突設された突設部195が侵入し、突設部195が長孔194と係合可能である。このような構成により、回転リンク190が回動軸191を中心に回動すると、突起部192bと係合孔193との係合により保持板19が回転リンク190の回動方向に移動しようとする。この際、保持板19は、突設部195と長孔194との係合により移動方向が搬送方向Xに沿った方向に規制されている。したがって、回転リンク190の回動により保持板19が搬送方向Xに沿った方向に移動する。
【0071】
また、保持板19の一部には、手前側に向けて突出するように爪部196(図6(b)など参照)が設けられている。一方、この爪部196に対応する個所に、ストッパー22が保持板18に対してシート幅方向Yに移動可能に支持されている。ストッパー22は、詳しくは後述するように、爪部196と係合自在であり、保持板19が搬送方向X方向に所定量スライドすると、ストッパー22の爪部と保持板19の爪部196とが係合して、保持板19と球体21を所定量移動した位置に保持することができる。また、保持板19は引張りバネ24によって搬送方向Xと逆方向に付勢されており、ストッパー22を解除動作すると、保持板19と球体21は引張りバネ24によってスライド移動前の位置に戻される。なお、この解除動作は、ストッパー22の爪部と保持板19の爪部196の係合を解除する方向にストッパー22が押されることで行われる。
【0072】
本実施形態では、このような保持板19、上側枠体486、回転リンク190、ストッパー22、引張りバネ24などにより、球体21を接触位置と離間位置とに移動可能な移動機構600を構成する。移動機構600は、1対の規制ガイド14A、14Bが移動することで動作する。即ち、1対の規制ガイド14A、14Bを移動させるガイド移動部420と、移動機構600とで球体21のシートに対する荷重を変更する荷重変更部700を構成する。移動機構600は、保持板19と、位置決め部材としての上側枠体486とを有する。保持板19は、複数の球体の一部である球体21を保持し、第1の位置と第2の位置とに移動可能である。上側枠体486は、保持板19が第1の位置にあるときに球体21を接触位置に位置させ、保持板19が第2の位置にあるときに球体21を離間位置に位置させる。保持板19の第1の位置及び第2の位置への移動は、後述するように、1対の規制ガイド14A、14Bが移動することで行われる。これにより、荷重変更部700は、球体21が接触位置にある時と離間の位置にある時とで、球体21のシートに対する荷重を変更可能としている。例えば、球体21が接触位置にある場合には、球体21のシートに対する荷重として球体21の自重がシートに作用する。一方、球体21が離間位置にある場合には、球体21のシートに対する荷重がゼロになる。
【0073】
具体的には、図8(a)、(b)に示すように、上側枠体486には、案内穴486bが形成されている。案内穴486bは、球体21が搬送面12Aに接触する位置まで落下できる程度の大きさに開口した第1の穴486b1と、第1の穴4864b1よりも小さい開口である第2の穴486b2とが互いに連通するように形成されている。第1の穴486b1は、球体21の直径以下の直径を有する円形状に形成されている。一方、第2の穴486b2は、シート幅方向Yの長さが第1の穴486b1の直径よりも十分小さい長さであり、且つ、搬送方向Xの長さを球体21が第1の穴486b1から第2の穴486b2に移動できるだけの十分な長さとした長孔である。
【0074】
保持板19が第1の位置に位置した場合には、球体21が第1の穴486b1に位置して搬送面12Aに接触する。一方、保持板19が第2の位置に位置した場合には、球体21が第2の穴486b2に位置して搬送面12Aから離間する。球体21を保持する保持板19は、1対の規制ガイド14A、14Bのうちの一方の規制ガイド14Bが第1の所定位置まで移動する動作により第1の位置に移動し、他方の規制ガイド14Aが第2の所定位置まで移動する動作により第2の位置に移動する。
【0075】
このような球体21を接触位置と離間位置とに移動させる動作について、より詳しく説明する。まず、球体21を搬送ベルト12の搬送面12Aから離間位置に移動させる離間動作について説明する。図6(a)、(b)は、球体21が搬送面12Aに接触している接触位置にある状態を示している。即ち、両方の列の球体20、21がシートに当接する当接状態を示している。球体21が接触位置にある状態では、図6(b)に示すように、保持板19の爪部196がストッパー22の爪部22aに引っ掛かっていない状態である。これにより、保持板19が引張りバネ24の付勢力によって第1の位置に保持された状態となる。
【0076】
この状態からモータM2を駆動して、手前側の規制ガイド14Aを搬送ベルト12に向けて移動させる。図6(c)及び図10に示すように、規制ガイド14Aが第1の所定位置に到達すると、回転リンク190のアーム部192aが規制ガイド14Aに搬送ベルト12側に突出するように設けられたリンク押圧部25によって押される。すると、回転リンク190は、回動軸191を中心に図6(c)の反時計回りに回転する。
【0077】
保持板19は、回転リンク190の本体部192に設けられた突起部192bと係合孔193で係合しており、更には、下方にある保持板18に設けられた突設部195と長孔194で係合している。長孔194は搬送方向Xに沿って形成されており、保持板19の移動方向を搬送方向Xに規制している。したがって、回転リンク190の回転に連動して保持板19が、引張りバネ24の付勢力に抗して搬送方向Xに沿って図6(c)の右方向にスライド移動する。ここで、球体21は、保持板19によって回転自在に保持されているため、保持板19のスライド移動に連動して保持板19と同方向に移動する。
【0078】
保持板19と球体21が所定量スライド移動して第1の位置から第2の位置に到達すると、ストッパー22の爪部22aと保持板19の爪部196とが係合して、ストッパー22を手前側(図6(a)~(d)の下側)に移動させる。ストッパー22は、図6(b)、(d)及び図9に示すように、押圧バネ23により奥側(図6(a)~(d)の上側、図9の左側)に付勢されている。したがって、上述の保持板19のスライド移動によってストッパー22の爪部22aと保持板19の爪部196とが係合することで、ストッパー22が押圧バネ23の付勢力に抗して手前側に移動する。これにより、保持板19の爪部196がストッパー22の爪部22aを超えると、ストッパー22が押圧バネ23の付勢力により奥側に戻り、図6(d)に示すように、保持板19の爪部196とストッパー22の爪部22aとが係合し、保持板19及び球体21を第2の位置に保持する。
【0079】
この時、球体21は、保持板19と共に第2の位置にスライド移動することで、図8(a)の位置から図8(b)の位置に移動する。即ち、球体21が案内穴486bに沿って第1の穴486b1から第2の穴486b2にスライド移動する。上述のように、第2の穴486b2は、第1の穴486b1よりも幅が狭くなるように形成されている。このため、案内穴486b上を球体21が第2の穴486b2に移動することにより、球体21が上方に移動し、搬送面12Aに対して離間する。この状態が、球体21が離間位置に移動した状態である。
【0080】
次に、球体21を離間位置から搬送ベルト12の搬送面12Aに接触する接触位置に移動させる当接動作について説明する。図7(a)は、球体21が搬送面12Aから離間した離間位置にある状態を示している。即ち、片方の列の球体21がシートから離間する離間状態を示しており、この状態は、上述の図6(c)、(d)の状態である。球体21が離間位置にある状態では、図6(d)に示すように、保持板19の爪部196がストッパー22の爪部22aに引っ掛かった状態である。
【0081】
この状態からモータM3を駆動して、奥側の規制ガイド14Bを搬送ベルト12に向けて移動させる。図7(b)に示すように、規制ガイド14Bが第2の所定位置に到達すると、ストッパー22が規制ガイド14Bに搬送ベルト12側に突出するように設けられた押圧部26によって押される。押圧部26は、図9に示すように、規制ガイド14Bと、規制ガイド14Bを移動させるためのベルト428B(図2、3)とを接続する接続部425Bを設けるための板金部の搬送ベルト12側の先端に設けられている。
【0082】
このようにストッパー22は、規制ガイド14Bを搬送ベルト12に向けて移動させる動作により押され、手前側(図7(a)~(c)の下側、図9の右側)に移動する。すると、図7(c)に示すように、ストッパー22の爪部22aと保持板19の爪部196との係合が外れる。保持板19とストッパー22の係合が外れると、保持板19は引張りバネ24によって搬送方向Xと逆方向(図7(a)~(c)の右側)に戻される。
【0083】
この時、球体21は、保持板19と共に第1の位置にスライド移動することで、図8(b)の位置から図8(a)の位置に移動する。即ち、球体21が案内穴486bに沿って第2の穴486b2から第1の穴486b1にスライド移動する。上述のように、第1の穴486b1は、球体21が搬送面12Aに接触できるように開口した孔である。このため、案内穴486b上を球体21が第1の穴486b1に移動することにより、球体21が下方に移動し、搬送面12Aに対して当接する。この状態が、球体21が接触位置に移動した状態である。
【0084】
[球体の離間/当接制御]
このような球体21の搬送ベルト12の搬送面12Aに対する離間及び当接動作に関する制御について説明する。上述したように、多段給送装置200は、制御部203(図1)により各部の制御を行う。制御部203は、シートの坪量に応じて、球体21の離間及び当接動作を制御する。即ち、制御部203は、シートの坪量が第1の坪量の場合に比べて、坪量が第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合の方が球体21のシートに対する荷重を大きくするように、荷重変更部700を動作させる。具体的には、シートの坪量が所定の坪量以上の場合には、球体21を接触位置に位置させる。一方、シートの坪量が所定の坪量未満の場合には、球体21を離間位置に位置させる。所定の坪量は、例えば、351g/mである。
【0085】
シートの坪量、サイズなどのシートの情報は、例えば、ユーザが画像形成システム1000に設けられた入力部(例えば操作パネル)1001(図1)を介して入力する。入力部1001は、シートの情報を認識するシート情報認識部に対応する。制御部203は、入力部1001に入力されたシートの情報に応じて荷重変更部700を制御する。即ち、制御部203は、このシートの情報に基づいて、シートが中継搬送装置400に搬送される前に、ガイド移動部420のモータM2、M3を制御することで規制ガイド14A、14Bの何れか一方を駆動して、上述のように移動機構600により球体21を離間位置又は当接位置に位置させる。
【0086】
なお、球体21の離間及び当接動作の制御は、シートの坪量に限らず、例えば、シートの剛度に応じて行っても良い。即ち、シートの剛度が所定の剛度以上の場合に、球体21を接触位置に位置させ、シートの剛度が所定の剛度未満の場合に、球体21を離間位置に位置させる。所定の剛度は、例えば、54mNである。また、球体21の離間及び当接動作をユーザの選択により切り替えるようにしても良い。即ち、制御部203が、ユーザの選択により、球体21を接触位置に位置させるモードを有するようにしても良い。例えば、ユーザが入力部1001を操作してこのモードを選択すれば、制御部203は、球体21が接触位置に位置させる。一方、このモードが選択されていなければ、球体21が離間位置に位置した状態となる。
【0087】
このように本実施形態では、複数の球体20、21のうちの一部の球体21を搬送ベルト12の搬送面12Aに対して接触する接触位置と離間位置とに移動可能としているため、シートの種類に応じた適切な搬送力を得られる中継搬送装置400を提供できる。即ち、シートの坪量や剛度に応じて、球体21を接触位置又は離間位置に位置させることができる。
【0088】
例えば、坪量が大きくシートの搬送力が必要な場合には、球体21を接触位置に移動させることで、搬送ベルトユニット480によるシートの搬送力を確保でき、安定的にシートの搬送を行える。一方、坪量が小さいシートの場合、シートへのニップ圧が強すぎるとシートが座屈してしまう虞がある。また、このようなシートは大きな搬送力を必要としない。このため、球体21を離間位置に位置させることで、シートへのニップ圧を軽減した状態で搬送が可能となり、規制ガイド14A、14Bによるシートの整合時に、球体の負荷によるシートの座屈を軽減し安定したスキュー補正を行える。
【0089】
前述の特許文献1には、一部の球体を搬送ベルトから離間させ、且つ、その隙間を調整可能な構成が記載されているが、この構成の場合、シートの厚みに応じてミクロン単位での調整が必要となる。これに対して本実施形態では、搬送力が必要なシートに対しては球体21を接触位置に移動させ、そうでない場合には球体21を離間位置に移動させるだけであり、このような調整は必要がない。また、特許文献1に記載の構成は手動で隙間を調整する構成であるが、シートの種類が変わる度に隙間の調整を手動で行うと、ユーザの手間がかかってしまう。これに対して本実施形態では、規制ガイド14A、14Bを移動させることで球体21と搬送ベルト12との隙間を調整可能であるため、シートの種類に応じた適切な搬送力を容易に得られる。
【0090】
また、本実施形態の場合、規制ガイド14A、14Bを移動させることで球体21を離間位置と接触位置とに移動させる構成としている。このため、球体21を移動させるために新たなアクチュエーターが必要なく、低コストで上述のような構成を実現できる。
【0091】
なお、本実施形態では、球体21の移動を規制ガイド14A、14Bの押圧により動作させているが、専用のアクチュエーターで動作させてもよい。例えばソレノイド等で保持板19のスライドを直接動作させる等にしても良い。
【0092】
また、本実施形態では、荷重変更部700は球体21の荷重を変更可能としているが、球体20、21の両方の球体の荷重を変更可能としても良い。この場合に、全ての球体20、21を搬送ベルト12から離間させても良い。即ち、球体20、21のシートに対する荷重をゼロにしても良い。また、球体20、21の両方、又は、何れか一方の球体のシートに対する荷重を小さくしたり大きくしたりするようにしても良い。
【0093】
全ての球体20、21を搬送ベルト12から離間可能な構成とした場合、制御部203は、シートの坪量が第3の坪量の場合は、複数の球体20、21を搬送ベルト12から離間させた状態でシートを搬送方向Xに搬送しながら、規制ガイド14A、14Bによる該シートのシート幅方向への移動を規制し、その後、複数の球体20、21と搬送ベルト12とでシートを挟持するようにしても良い。第3の坪量のシートは、例えば、坪量が80g/m以下の薄紙のようなシートである。この場合、球体20、21を搬送ベルト12から離間させた状態でこのような動作を行うことが好ましい。なお、シートの坪量が第3の坪量よりも大きい第1の坪量または第2の坪量の場合は、複数の球体20、21と搬送ベルト12とでシートを挟持した状態で搬送方向Xに搬送しながら、規制ガイド14A、14Bによる該シートのシート幅方向への移動を規制する。また、例えば坪量が200g/m以下のシートは複数の球体20、21を搬送ベルト12から離間させて、坪量が200g/mよりも大きいシートは複数の球体20、21と搬送ベルト12とでシートを挟持した状態で搬送方向Xに搬送しながら、規制ガイド14A、14Bによる該シートのシート幅方向への移動を規制するようにしてもよい。このように、荷重の設定(荷重ゼロも含む)は2段階に設定しても良いし、3段階以上の複数段階にしても良い。
【0094】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図11(a)ないし図12(b)を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、2列の球体20、21のうちの一方の列の球体21を接触位置と離間位置とに移動させる構成について説明した。これに対して本実施形態では、各列の球体が独立して接触位置と離間位置とに移動可能としている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同様の構成には同一の符号を付して、説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0095】
本実施形態の構成では、複数の球体20A、20Bが搬送方向Xに沿って2列に配置されている。球体20A、20Bは、互いに重さが異なるが、同じ大きさとしている。また、配置する数は同じとしている。但し、重さを同じにしても良いし、大きさを異ならせても良い。更には、配置する数を異ならせても良い。
【0096】
これら球体20A、20Bのうちの一部の複数の球体20Aは、保持部としての保持板19Aに保持されている。また、残りの複数の球体20Bは、保持部としての保持板19Bに保持されている。保持板19A、19Bは、それぞれ保持板18A上に搬送方向Xに沿ってスライド移動可能である。保持板19A、19Bには、それぞれ球体20A、20Bを回転自在に保持する保持穴が形成されており、保持板18Aには、球体20A、20Bが搬送ベルト12の搬送面12A側に露出可能な露出穴が形成されている。
【0097】
また、第1の実施形態と同様に、保持板18Aが上側枠体486A上に固定されており、上側枠体486Aの球体20A、20Bに対応する位置には、それぞれ図8(a)、(b)に示したような案内穴が形成されている。そして、球体20A、20Bが保持板19A、19Bと共に、それぞれ搬送方向Xに沿って移動することで搬送面12Aに接触する接触位置と、搬送面12Aから離間した離間位置に移動する。
【0098】
本実施形態では、保持板19A、19Bにそれぞれ第1の実施形態で説明したような回転リンク190を設けている。そして、回転リンク190のアーム部192aが規制ガイド14A、14Bに押されることで、保持板19A、19Bがそれぞれ搬送方向Xに沿ってスライド移動する構成となっている。
【0099】
本実施形態では、上述のように、球体20Aと球体20Bの重さを変えることで、図11(a)~図12(b)の4パターンで、球体20A、20Bの搬送面21Aに対する接離状態を変更可能である(シートへのニップ圧としては3パターン)。図11(a)は、球体20A、20Bの両方が搬送面12Aに接触する接触位置にある状態である。図11(b)は、球体20A、20Bのうちの球体20Aが搬送面12Aから離間した離間位置に位置し、球体20Bがる接触位置にある状態である。図12(a)は、球体20A、20Bのうちの球体20Bが離間位置に位置し、球体20Aがる接触位置にある状態である。図12(b)は、球体20A、20Bの両方が離間位置にある状態である。
【0100】
このように本実施形態では、球体20A、20Bの搬送面12Aに対する押圧力を細かく設定可能である。このため、シートの種類に対して、より細かく適切な搬送力を設定でき、よりシートの搬送性を良好にできる。なお、各保持板19A、19Bの移動には、規制ガイド14A、14Bの動作以外に、ソレノイドなどの専用のアクチュエーターなどで動作させても良い。また、球体20A、20Bの両方、又は、何れか一方の球体のシートに対する荷重を小さくしたり大きくしたりするようにしても良い。
【0101】
<第3の実施形態>
第3の実施形態について、図13ないし図15(b)を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、2列の球体20、21のうちの一方の列の球体21を接触位置と離間位置とに移動させる構成について説明した。これに対して本実施形態では、1列の球体の一部が接触位置と離間位置とに移動可能としている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同様の構成には同一の符号を付して、説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0102】
本実施形態の構成では、図13に示すように、複数の球体20C、20Dが搬送方向Xに沿って1列に配置されている。具体的には、隣り合う球体20Cの間に球体20Dが位置するように配置されている。なお、搬送方向Xの両端部では、球体20Cが連続して配置されている。球体20C、20Dは、互いに重さが異なるが、同じ大きさとしている。また、配置する数は、軽い方の球体20Cを重い方の球体20Dよりも多くしている。但し、重さを同じにしても良いし、大きさを異ならせても良い。更には、配置する数を同じにしても良い。
【0103】
これら球体20C、20Dのうちの一部の複数の球体20Dは、保持部としての保持板19Cに保持されている。また、残りの複数の球体20Cは、保持部としての保持板18Bに保持されている。保持板19Cは、保持板18B上にシート幅方向Yに沿ってスライド移動可能である。保持板18B、19Cには、それぞれ球体20C、20Dを回転自在に保持する保持穴が形成されており、保持板18Bには、球体20Dが搬送ベルト12の搬送面12A側に露出可能な露出穴が形成されている。
【0104】
また、第1の実施形態と同様に、保持板18Bが上側枠体486B上に固定されており、上側枠体486Bの球体20Dに対応する位置には、図8(a)、(b)に示したような案内穴をシート幅方向Yに沿って配置した案内穴が形成されている。また、上側枠体486Bの球体20Cに対応する位置には、球体20Cが搬送面12A側に露出可能な露出穴が形成されている。そして、球体20Dが保持板19Cと共に、シート幅方向Yに沿って移動することで搬送面12Aに接触する接触位置と、搬送面12Aから離間した離間位置に移動する。
【0105】
保持板19Cには、規制ガイド14Aに対向する側面から規制ガイド14A側に突出するように受け部材197Aが、規制ガイド14Bに対向する側面から規制ガイド14B側に突出するように受け部材197Bが、それぞれ設けられている。そして、図14(a)、(b)に示すように、規制ガイド14Bが搬送ベルト12側に移動して、規制ガイド14Bに設けられた押圧部26Bが受け部材197Bを押すことで、保持板19Cが手前側(図14(a)の下側、図14(b)の左側)にシート幅方向Yに沿って移動する。保持板19Cが手前側に位置した状態では、図14(a)に示すように、球体20C、20Dが、その中心が中央基準位置に位置するように1列に並ぶ。また、この状態では、図14(b)に示すように、球体20Dは接触位置に位置する。
【0106】
一方、図15(a)、(b)に示すように、規制ガイド14Aが搬送ベルト12側に移動して、規制ガイド14Aに設けられた押圧部26Aが受け部材197Aを押すことで、保持板19Cが奥側(図15(a)の上側、図15(b)の右側)にシート幅方向Yに沿って移動する。保持板19Cが奥側に位置した状態では、図15(a)に示すように、球体20Dは、球体20Cに対してシート幅方向にずれる。また、この状態では、図15(b)に示すように、球体20Dは離間位置に位置する。
【0107】
なお、押圧部26A、26Bは、規制ガイド14A、14Bと、規制ガイド14A、14Bを移動させるためのベルト428A、428B(図2、3)とをそれぞれ接続する接続部425A、425Bを設けるための板金部の搬送ベルト12側の先端に設けられている。なお、保持板19Cの移動には、規制ガイド14A、14Bの動作以外に、ソレノイドなどの専用のアクチュエーターなどで動作させても良い。
【0108】
このような本実施形態の場合、球体20C、20Dが1列に配置されているため、2列に配置された構成に比べて省スペース化を図れる。また、規制ガイド14A、14Bがさらに搬送ベルト12側まで移動できるため、さらに小サイズのシートまで対応することができる。
【0109】
また、本実施形態においても、球体20C、20Dの両方の球体の荷重を変更可能としても良い。この場合に、全ての球体20C、20Dを搬送ベルト12から離間させても良い。即ち、球体20C、20Dのシートに対する荷重をゼロにしても良い。また、球体20C、20Dの両方、又は、何れか一方の球体のシートに対する荷重を小さくしたり大きくしたりするようにしても良い。
【0110】
<第4の実施形態>
第4の実施形態について、図16(a)、(b)を用いて説明する。上述の第1ないし第3の実施形態では、規制ガイドを移動させることで、複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する構成について説明した。特に、上述の各実施形態では、シートに接触する球体の数を変更することで、複数の球体と搬送ベルトによるシートにニップ圧を変更する構成としている。
【0111】
これに対して本実施形態では、球体のシートに対する荷重を、規制ガイドを移動させることなく、別途、アクチュエーターを用いて変更するようにしている。特に、本実施形態の場合、球体を押圧する押圧力を変更することで、複数の球体と搬送ベルトによるシートにニップ圧を変更する構成としている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同じであるため、同様の構成には同一の符号を付して、説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0112】
本実施形態では、球体20Eの荷重を変更するアクチュエーターとして荷重変更部701を備えている。荷重変更部701は、複数の球体のうちの少なくとも一部の球体20Eを搬送ベルト12の搬送面12Aに向けて押圧可能な押圧部710と、押圧部710による球体20Eへの押圧力を変更可能な押圧力変更部720と、を有する。なお、押圧部710で押圧する球体20Eは、複数の球体の一部でも良いし全部でも良い。
【0113】
押圧部710は、球体20Eに対して搬送面12Aと反対側で、保持部712に保持され、バネなどの付勢部711により球体20Eに向けて付勢されている。本実施形態では、押圧部710は、球体20Eの上方に配置され、付勢部711により下方に付勢されている。また、押圧部710は、球体や外周面が円筒面である回転体であり、球体20Eと当接した場合に、球体20Eに従動して回転可能となっている。
【0114】
押圧力変更部720は、駆動部としてのモータM10と、モータM10により回転駆動されるギア721、保持部712に設けられ、ギア721を噛み合うラック部722とを有する。ラック部722は、ギア721の回転により保持部712と共に、図16(a)、(b)の上下方向(本実施形態では重力方向)に沿って移動する。本実施形態では、モータM10を駆動してギア721及びラック部722を介して保持部712を移動させることで、押圧部710の球体20Eに対する押圧力を変更している。そして、球体20Eに対する押圧力を変更することで、球体20Eのシートに対する荷重を変更している。
【0115】
即ち、保持部712が図16(a)に示す位置にある場合には、押圧部710と球体20Eとが離間しており、球体20Eのシートに対する荷重が小さい。なお、この状態でも、球体20Eは搬送ベルト12により搬送されるシートと接触する。一方、この状態から保持部712を搬送面12Aに近づけ方向に移動させ図16(b)に示す位置に位置させる。すると、押圧部710が球体20Eと当接し、更に付勢部711の付勢力が押圧部710を介して球体20Eに加わる。この付勢力の方向は球体20Eを搬送面に向けて押す方向である。この場合には、図16(a)に示す状態よりも球体20Eのシートに対する荷重が大きくなる。
【0116】
また、本実施形態の場合、押圧力変更部720により保持部712を移動させる量を変更することで、より細かくニップ圧の調整が可能であり、例えば、搬送可能なシートの坪量の範囲を薄紙から超厚紙まで広げることができ、各種のシートにおける最も効率的なニップ圧を設定することが可能となる。
【0117】
また、本実施形態においても、球体20Eを搬送ベルト12から離間させても良い。即ち、球体20Eのシートに対する荷重をゼロにしても良い。
【0118】
このような本実施形態の場合も、上述の各実施形態と同様に、シートの種類に応じた適切な搬送力を容易に得られる。また、本実施形態の場合、上述の各実施形態と異なり、規制ガイドを移動させなくても球体20Eのシートに対する荷重を変更可能である。このため、規制ガイドを移動させられないタイミングでも球体20Eのシートに対する荷重を変更可能である。
【0119】
<第5の実施形態>
第5の実施形態について、図17及び図18を用いて説明する。上述の各実施形態では、図17に示すように、ユーザが画像形成システム1000に設けられた認識部1002を介して坪量などのシートの情報を認識し、多段給送装置200の制御部203が、この情報に基づいて球体21のシートに対する荷重を変更している。
【0120】
シートの情報としては、シートの坪量、剛度などに加えて、シートの厚さやシートの型番などが挙げられる。また、シート情報認識部としての認識部1002は、例えば、上述の操作パネルなどの入力部1001(図1)、画像形成システム1000に設けられた情報読取部などである。情報読取部としては、例えば、シートの包装紙などに貼付されているバーコードを読み取る装置や、包装紙などに設けられたICタグを無線により読み取る装置、更には、例えば特開2022-90861号公報に記載のように、シートの特性を検知するセンサなどが挙げられる。シートの特性を検知するセンサとしては、例えば、シートの厚さを検知するセンサ、坪量を検知するセンサ、表面性を検知するセンサなどが挙げられる。
【0121】
何れにしても、認識部1002は、シートの情報を入力や読み取りにより認識したり、シートの特性をセンサにより検知することでシートの情報を認識したりできるものであれば良い。また、認識部1002は、多段給送装置200に設けられていても良いし、画像形成装置100に設けられていても良い。要は、画像形成システム1000を構成する装置の何れかに設けられていれば良い。図17及び図18は、本実施形態の制御構成の2例を示している。
【0122】
図17の第1例では、画像形成システム1000に設けられた認識部1002によりシートの情報を認識し、多段給送装置200の制御部203が、この情報に応じてシートに対する荷重の変更を判断し、荷重変更部700、701を制御している。具体的には、制御部203は、シートの情報に応じて、規制ガイドを移動させるモータM2、M3や保持部712を移動させるモータM10などの駆動部1003を制御する。
【0123】
一方、図18の第2例では、画像形成システム1000に設けられた認識部1002によりシートの情報を認識し、画像形成装置100の制御部140が、この情報に応じてシートに対する荷重の変更を判断する。そして、制御部140から多段給送装置200の制御部203に荷重の変更に関する命令が送られ、制御部203が荷重変更部700、701を制御する。このために、画像形成装置100は命令を含む情報を送信する送信部141を有し、多段給送装置200は命令を含む情報を受信する受信部204を有する。画像形成装置100の制御部140が、シートの情報に応じてシートに対する荷重の変更を判断すると、送信部141から荷重の変更に関する命令が送信され、多段給送装置200の受信部204この命令を受信する。そして、制御部203がこの命令に応じて駆動部1003を制御する。
【0124】
また、シートの情報がシートの型番である場合、図17及び図18の何れの場合であっても、予め制御部203或いは制御部140にシートの型番に対応した坪量などの情報を記憶しておき、シートの型番に応じて荷重変更部700、701を制御する。例えば、給送デッキ500(図1)によく使用する複数種類のシートが前もってセットされていれば、制御部203或いは制御部140は、シートの型番から複数種類のうちのどのシートが給送デッキ500から中継搬送装置400に搬送されるかを把握でき、そのシートに応じた荷重を判断できる。なお、シートの型番は、操作パネルなどの入力部1001から直接入力したり、バーコードやICタグから読み取る情報に含むようにしても良い。
【0125】
<第6の実施形態>
第6の実施形態について、図19(a)ないし図20(b)を用いて説明する。上述の各実施形態では、複数の回転体が任意の方向に回転可能な球体である場合について説明したが、回転体はこのような球体に限らない。本実施形態では、回転体が任意の方向に回転可能な球体以外である場合の2例について説明する。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同じであるため、同様の構成には同一の符号を付して、説明及び図示を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0126】
まず、本実施形態の第1例について、図19(a)、(b)を用いて説明する。本例では、回転体301が球体であるが、回転体301は、軸302に支持され、この軸302を中心として回転するものである。なお、回転体301は、上述したように、完全な真球である必要はなく、回転できるのであれば重心が中心でなかったり表面に凹凸や平面があったりしてもよい。
【0127】
回転体301は、軸302に対して回転自在に支持されており、軸302の両端部は保持部303に支持されている。保持部303は、例えば、第4の実施形態の保持部712であり、第4の実施形態と同様に、荷重変更部701により回転体301のシートに対する荷重を変更可能である。即ち、保持部303が上下することで回転体301のシートに対する荷重を変更する。図19(a)は、回転体301が自重によりシート(第1の坪量のシート)に接触する位置である。なお、坪量が80g/m以下の超薄紙のようなシート(第3の坪量のシート)を搬送する場合は、荷重変更部701により保持部303を図の上方に上げて、回転体301の荷重を回転体301の自重よりも軽圧としたり、回転体301をシートから離間させて回転体301の荷重をゼロとしたりしてもよい(荷重ゼロとした場合、この第3の坪量のシートは請求項13~15の第1の坪量のシートに該当する)。図19(b)は、図19(a)よりもシートに対する荷重が大きくなる位置であり、例えば、保持部303を図19(a)の位置よりも下げて、不図示のバネにより回転体301を下方に押し下げるようにしている。図19(b)の位置は、搬送するシートが厚紙のように坪量が大きい場合(第2の坪量のシート)に好ましい。
【0128】
本例では、軸302は、保持部303に形成された溝304に係合されている。溝304は上下方向に長く形成されており、軸302は溝304内で上下方向に移動可能となっている。このため、保持部303の上下方向の位置が変わらなくても、回転体301は、軸302が溝304内で移動可能な範囲において、上下方向に移動することができる。なお、図19(b)では、溝304の上端が軸302と係合することで、回転体301が保持部303により下方に押し下げられている。
【0129】
軸302は、溝304に対して回転不能に支持されていても良いし、回転可能に支持されていても良い。軸302が溝304に回転不能に支持されている場合、回転体301を軸302に対して相対回転可能に支持する。軸302が溝304に回転可能に支持されている場合、回転体301を軸302に対して相対回転不能に支持されていても良いし、相対回転可能に支持されていても良い。何れにしても、回転体301は、軸302の軸線方向を中心として回転可能となっている。この回転方向は、搬送ベルト12によりシートを搬送する方向(搬送方向X)である。
【0130】
したがって、本実施形態の場合、回転体301は、シートをシート幅方向に移動させる方向には回転しない。しかしながら回転体301は球体であり、シートとの接触面積は小さく、シートが規制ガイド14A、14Bと当接してシート幅方向に移動する際に、シートと回転体301との間の摩擦力も小さい。このため、シートが幅方向に移動することが許容される。即ち、本例では、搬送ベルト12及び複数の回転体301は、搬送ベルト12と複数の回転体301とでシートを搬送方向Xに搬送している状態で規制ガイド14A、14Bがシートの側縁に当接したときに該シートが搬送方向Xと交差する方向に移動可能となるように構成されている。
【0131】
なお、シートと回転体301とが接触した状態でシートがシート幅方向に移動することを許容するために、回転体301を滑りやすい樹脂部材としても良いし、表面に滑りやすい加工をしていても良い。また、回転体301が軸302に対して緩く嵌合することで軸方向に移動可能としても良い。或いは、軸302が保持部303に対して軸方向(シート幅方向)に移動可能としても良い。このようにすることで、シートが幅方向に移動する際に、該シートと回転体301とが接触していても回転体301が軸方向に移動することで、シートの幅方向の移動を円滑に行える。
【0132】
また、回転体は、図20(a)、(b)に示すように、球体以外の回転体301Aであっても良い。本実施形態の第2例を示す図20(a)、(b)では、回転体301Aが、断面略矩形状となっており、矩形状の角部がシートと接触するようになっている。回転体301Aの形状は、シートとの接触面積を小さくできればその他の形状、例えば、円板状であっても良い。
【0133】
本例の場合も、第1例と同様に、図20(a)は、回転体301Aが自重によりシートに接触する位置である。図20(b)は、図20(a)よりもシートに対する荷重が大きくなる位置である。また、第1例と同様に、第3の坪量のシート(坪量が80g/m以下の超薄紙)を搬送する場合は、荷重変更部701により保持部303を図の上方に上げて、回転体301の荷重を回転体301の自重よりも軽圧としたり、回転体301をシートから離間させて回転体301の荷重をゼロとしたりしてもよい。また、軸302や保持部303の構成、及び、保持部303を上下に移動させる構成は、第1例と同じである。
【0134】
なお、回転体301、301Aのシートに対する荷重を変更する構成は、上述の第4の実施形態に限らず、第1ないし第3の実施形態のいずれかの構成としても良い。また、第5の実施形態で説明した制御構成についても、本実施形態に適用可能である。
【0135】
また、上述したいずれの実施形態において、上述したシートの情報に応じて複数の回転体(球体)のシートに対する荷重(荷重ゼロを含む)を変更する点で共通しており、荷重の設定は2段階に設定しても良いし、3段階以上の複数段階にしても良い。
【0136】
<他の実施形態>
上述の実施形態では、中継搬送装置400を制御する制御部203を多段給送装置200に設けたが、これらの制御を画像形成装置100の制御部140により行うようにしても良い。また、中継搬送装置400に中継搬送装置400の各部を制御する制御部を設けても良い。更に、シート搬送装置は、上述の中継搬送装置に関らず、シートの位置ずれを行えるシート搬送装置であれば、他の構成であっても良い。
【0137】
また、本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能な球体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記球体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、
前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する制御部と、
前記搬送ベルト及び前記球体によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備えた画像形成システム。
(構成2)
前記シート情報認識部は、搬送されるシートの坪量の情報を認識し、
前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が第1の坪量の場合に比べて、坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合の方が前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を大きくするように、前記荷重変更部を動作させる構成1に記載の画像形成システム。
(構成3)
前記荷重変更部は、前記複数の球体の一部を、前記搬送面との間にシートがない状態で前記搬送面と接触する接触位置と、前記接触位置よりも前記搬送面から離間した離間位置とに移動可能な移動機構を有する構成1又は2に記載の画像形成システム。
(構成4)
前記規制部は、前記シート幅方向に関して前記搬送ベルトの両側に配置され、それぞれが前記シート幅方向に移動可能な1対の規制ガイドであり、
前記移動機構は、前記1対の規制ガイドが移動することで動作する構成3に記載の画像形成システム。
(構成5)
前記移動機構は、前記複数の球体の一部を保持し、第1の位置と第2の位置とに移動可能な保持部と、前記保持部が前記第1の位置にあるときに前記複数の球体の一部を前記接触位置に位置させ、前記保持部が前記第2の位置にあるときに前記複数の球体の一部を前記離間位置に位置させる位置決め部材と、を有し、
前記保持部は、前記1対の規制ガイドのうちの一方の規制ガイドが第1の所定位置まで移動する動作により前記第1の位置に移動し、他方の規制ガイドが第2の所定位置まで移動する動作により前記第2の位置に移動する構成4に記載の画像形成システム。
(構成6)
前記荷重変更部は、前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体を前記搬送面に向けて押圧可能な押圧部と、前記押圧部による前記球体への押圧力を変更可能な押圧力変更部と、を有する構成1又は2に記載の画像形成システム。
(構成7)
前記制御部は、ユーザの選択により前記荷重変更部を制御して、複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更するモードを有する構成1ないし6の何れか1つに記載の画像形成システム。
(構成8)
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能な球体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記球体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、
前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する制御部と、を備えたシート搬送装置。
(構成9)
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置に向けて搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意の方向に回転可能な球体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記球体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記画像形成装置からの命令を受信する受信部と、
前記複数の球体のうちの少なくとも一部の球体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
前記受信部で受信した命令に応じて前記荷重変更部を制御する制御部と、を備えたシート搬送装置。
(構成10)
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、
前記荷重変更部を制御する制御部と、
前記搬送ベルト及び前記回転体によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記搬送ベルト及び前記複数の回転体は、前記搬送ベルトと前記複数の回転体とでシートを前記所定の搬送方向に搬送している状態で前記規制部が前記シートの側縁に当接したときに該シートが前記所定の搬送方向と交差する方向に移動可能となるように構成されており、
前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御する画像形成システム。
(構成11)
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの情報を認識するシート情報認識部と、
前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、
前記搬送ベルト及び前記複数の回転体は、前記搬送ベルトと前記複数の回転体とでシートを前記所定の搬送方向に搬送している状態で前記規制部が前記シートの側縁に当接したときに該シートが前記所定の搬送方向と交差する方向に移動可能となるように構成されており、
前記制御部は、前記シート情報認識部で認識したシートの情報に応じて前記荷重変更部を制御するシート搬送装置。
(構成12)
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置に向けて搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記画像形成装置からの命令を受信する受信部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、
前記搬送ベルト及び前記複数の回転体は、前記搬送ベルトと前記複数の回転体とでシートを前記所定の搬送方向に搬送している状態で前記規制部が前記シートの側縁に当接したときに該シートが前記所定の搬送方向と交差する方向に移動可能となるように構成されており、
前記制御部は、前記受信部で受信した命令に応じて前記荷重変更部を制御するシート搬送装置。
(構成13)
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの坪量を認識するシート情報認識部と、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量に応じて、前記搬送ベルト、前記規制部及び前記荷重変更部を制御する制御部と、
前記搬送ベルト及び前記回転体によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記制御部は、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が第1の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体を前記搬送ベルトから離間させた状態でシートを前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制し、その後、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持し、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持した状態で前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制する画像形成システム。
(構成14)
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
搬送するシートの坪量を認識するシート情報認識部と、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量に応じて、前記搬送ベルト、前記規制部及び前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が第1の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体を前記搬送ベルトから離間させた状態でシートを前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制し、その後、前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持し、
前記シート情報認識部で認識したシートの坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持した状態で前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制するシート搬送装置。
(構成15)
シートを所定の搬送方向に搬送する搬送部材によって搬送されたシートを受け取って、受け取ったシートを画像形成装置に向けて搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送部材に対して前記所定の搬送方向の下流側に設けられ、前記所定の搬送方向において延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記所定の搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置で前記所定の搬送方向において複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、少なくとも前記所定の搬送方向に回転する回転体と、
前記所定の搬送方向に交差する方向をシート幅方向とした場合に、前記搬送ベルトと前記回転体とを用いて搬送されているシートの前記シート幅方向の端縁である側縁に当接可能な当接部を有し、該シートの側縁が前記当接部に当接した場合に、該シートの前記当接部を超える前記シート幅方向への移動を規制する規制部と、
前記画像形成装置からのシートの坪量を含む命令を受信する受信部と、
前記複数の回転体のうちの少なくとも一部の回転体のシートに対する荷重を変更する荷重変更部と、
前記受信部で受信したシートの坪量に応じて、前記搬送ベルト、前記規制部及び前記荷重変更部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記受信部で受信したシートの坪量が第1の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体を前記搬送ベルトから離間させた状態でシートを前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制し、その後、前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持し、
前記受信部で受信したシートの坪量が前記第1の坪量よりも大きい第2の坪量の場合は、前記荷重変更部により前記複数の回転体と前記搬送ベルトとでシートを挟持した状態で前記所定の搬送方向に搬送しながら、前記規制部による該シートの前記シート幅方向への移動を規制するシート搬送装置。
【符号の説明】
【0138】
12・・・搬送ベルト
12A・・・搬送面
14A、14B・・・規制ガイド(規制部)
15A・・・ガイド面(当接部)
19、19A、19B、19C・・・保持板(保持部)
20、20A、20B、20C、20D、20E、21・・・球体(回転体)
100・・・画像形成装置
140・・・制御部
200・・・多段給送装置(シート搬送装置)
203・・・制御部
204・・・受信部
301、301A・・・回転体
400・・・中継搬送装置
486、486A、486B・・・上側枠体(位置決め部材)
600・・・移動機構
700、701・・・荷重変更部
710・・・押圧部
720・・・押圧力変更部
1000・・・画像形成システム
1001・・・入力部(シート情報認識部)
1002・・・認識部(シート情報認識部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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