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  • 特開-比例流量制御バルブ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098696
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】比例流量制御バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20230703BHJP
   F16K 11/044 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
F16K31/04 K
F16K11/044 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022209507
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】63/294,240
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/082,832
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505296441
【氏名又は名称】エムエイシー・バルブス,インク
【氏名又は名称原語表記】MAC VALVES,INC
【住所又は居所原語表記】30569 BECK ROAD,P.O.BOX 111,WIXOM,MICHIGAN 48393,UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソブカ デイヴィッド エム
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ ジェフリー
【テーマコード(参考)】
3H062
3H067
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB04
3H062CC02
3H062DD01
3H062DD11
3H062EE06
3H062FF07
3H062HH02
3H062HH03
3H062HH10
3H067AA02
3H067CC04
3H067CC07
3H067CC44
3H067DD02
3H067DD12
3H067DD32
3H067DD43
3H067FF01
3H067GG02
3H067GG12
3H067GG25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バルブを通過可能な正確な流体の量の比例制御を実現する。
【解決手段】バルブ保持体20の円錐形状の弁座46に接触するように構成されたバルブ部材44を規定する可動ポペット弁22を収容するバルブ保持体20を備えるバルブアセンブリ12と、バルブアセンブリ12を作動させるように構成された回転シャフト25を備えるモータアセンブリ14とを備えるバルブ装置10であって、回転シャフト25はその端部に形成されたねじ部58を有し、ねじ部58はスリーブ56に係合しており、回転シャフト25によるねじ部58の回転によって、スリーブ56が可動ポペット弁22に近づいたり離れたりするように並進して、バルブ部材44を弁座に対して係脱させる軸方向の力をポペット弁22に伝達し、バルブアセンブリ12を開閉する、バルブ装置10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ保持体の弁座に接触するように構成されたバルブ部材を規定する可動ポペット弁を収容するバルブ保持体を備えるバルブアセンブリと、
前記バルブアセンブリを作動させるように構成された回転シャフトを備えるモータアセンブリとを備えるバルブ装置であって、
前記回転シャフトはその端部に形成されたねじ部を有し、前記ねじ部はスリーブに係合しており、
前記回転シャフトによる前記ねじ部の回転によって、前記スリーブが前記可動ポペット弁に近づいたり離れたりするように並進して、前記バルブ部材を前記弁座に対して係脱させる軸方向の力を前記ポペット弁に伝達し、前記バルブアセンブリを開閉する、バルブ装置。
【請求項2】
前記弁座から離れるように前記バルブ部材を付勢するばねアセンブリをさらに備える、請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記バルブ保持体は、第1流入口と、第2流入口と、流出口とを有し、
前記第1流入口は第1流体と流体連通するように構成され、前記第2流入口は第2流体と流体連通するように構成されている、請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項4】
前記第1流体及び前記第2流体は、前記バルブアセンブリが開いているときに混ざる、請求項3に記載のバルブ装置。
【請求項5】
前記第1流体は気体を含み、前記第2流体は液体を含む、請求項4に記載のバルブ装置。
【請求項6】
前記第1流体及び前記第2流体はそれぞれ、液体か気体のいずれかを含む、請求項4に記載のバルブ装置。
【請求項7】
前記ねじ部は、前記ねじ部の360度の一回転で、前記バルブアセンブリが全開するように構成される、請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項8】
前記ねじ部と前記モータアセンブリとの間で前記回転シャフトを囲む円筒状スペーサをさらに備える、請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項9】
前記ねじ部は前記スリーブの対応するねじ切り面と噛合し、前記スリーブは円筒状の延出部を有する、請求項8に記載のバルブ装置。
【請求項10】
前記ポペット弁と前記ねじ部の間にあって、その直径が前記バルブ保持体の直径と実質的に等しい封止ダイヤフラムをさらに備える、請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項11】
弁座を規定するバルブ保持体と、
前記バルブ保持体の前記弁座と接触するように構成されたバルブ部材を規定する可動ポペット弁と、
前記可動ポペット弁を作動させるように構成された回転シャフトと、
前記回転シャフトの端部に形成されたねじ部と、
前記可動ポペット弁と前記ねじ部の間にある封止ダイヤフラムと、
前記ねじ部に係合したスリーブとを備えるバルブ装置であって、
前記回転シャフトによる前記ねじ部の回転によって、前記スリーブが前記可動ポペット弁に近づいたり離れたりするように並進して、前記バルブ部材を前記弁座に対して係脱させる軸方向の力を前記ポペット弁に伝達しバルブアセンブリを開閉する、バルブ装置。
【請求項12】
前記スリーブは、前記ねじ部と係合する内側ねじ切り面を有する、請求項11に記載のバルブ装置。
【請求項13】
前記スリーブは、前記ポペット弁に接触し、前記ポペット弁に前記軸方向の力を伝達するように構成された当接面を有する、請求項11に記載のバルブ装置。
【請求項14】
前記ねじ部を有さない前記回転シャフトの端部において、前記回転シャフトを囲む円筒状スペーサをさらに備える、請求項11に記載のバルブ装置。
【請求項15】
前記スリーブは、前記ねじ部と噛合するように構成された第1部分と、軸方向に延出する円筒状部を有する、請求項14に記載のバルブ装置。
【請求項16】
前記バルブ保持体は、第1流入口と、第2流入口と、流出口とを有し、
前記第1流入口は第1流体と流体連通するように構成され、前記第2流入口は第2流体と流体連通するように構成された、請求項11に記載のバルブ装置。
【請求項17】
前記第1流入口は前記バルブ部材の第1側に配置され、前記第2流入口は前記バルブ部材の第2側に配置され、前記流出口は前記第1流入口と前記第2流入口の間に配置され、
前記第1流体及び前記第2流体は前記バルブアセンブリが開いているときに混ざる、請求項16に記載のバルブ装置。
【請求項18】
前記第1流体及び前記第2流体はそれぞれ、液体か気体のいずれかを含む、請求項16に記載のバルブ装置。
【請求項19】
前記封止ダイヤフラムの直径は、前記バルブ保持体の直径と実質的に等しい、請求項11に記載のバルブ装置。
【請求項20】
前記回転シャフトと前記ねじ部を回転させ、前記スリーブを前記可動ポペットに近づいたり離れたりするように並進させるモータをさらに備える、請求項11に記載のバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年12月28日に出願された米国仮出願第63/294,240の利益を主張する。上記出願の開示事項は全て参照により援用される。
【0002】
本開示は、比例流量制御バルブに関する。
【背景技術】
【0003】
本セクションは、必ずしも先行技術とは限らない、本開示に関する背景情報を示すものとする。
【0004】
比例制御を備えたバルブは、バルブを通過可能な流体の量のさらなる制御を実現する。これは、例えば、医療処置または治療などの特定の用途のために特定の量の流体が必要とされる場合に特に重要であり得る。この点に関して、医療や治療中に正確な流体量が提供されない場合、医療や治療の有効性が低下する恐れがある。比例制御を必要とし得る他の用途には、飲料への正確な炭酸量の供給、モビリティアシストユニットへの流圧制御の適用、及び流体投与を要する用途が含まれる。
【発明の概要】
【0005】
本セクションは、開示事項の全体的な概要を示すものであり、その全範囲又は全ての特徴事項を包括的に開示するものではない。
【0006】
本開示の第1態様によれば、バルブ保持体の弁座に接触するように構成されたバルブ部材を規定する可動ポペット弁を収容するバルブ保持体を備えるバルブアセンブリと、バルブアセンブリを作動させるように構成された回転シャフトを備えるモータアセンブリとを備えるバルブ装置であって、回転シャフトはその端部に形成されたねじ部を有し、ねじ部はスリーブに係合しており、回転シャフトによるねじ部の回転によって、スリーブが可動ポペット弁に近づいたり離れたりするように並進して、バルブ部材を弁座に対して係脱させる軸方向の力をポペット弁に伝達し、バルブアセンブリを開閉する、バルブ装置が提供される。
【0007】
第1態様によれば、バルブ装置は、弁座から離れるようにバルブ部材を付勢するばねアセンブリをさらに備えてもよい。
【0008】
第1態様によれば、バルブ保持体は、第1流入口と、第2流入口と、流出口とを有し、第1流入口は第1流体と流体連通するように構成され、第2流入口は第2流体と流体連通するように構成されている。
【0009】
第1態様によれば、第1流体及び第2流体は、バルブアセンブリが開いているときに混ざる。
【0010】
第1態様によれば、第1流体は気体を含み、第2流体は液体を含む。
【0011】
第1態様によれば、第1流体及び第2流体はそれぞれ、液体か気体のいずれかを含む。
【0012】
第1態様によれば、ねじ部は、回転シャフトのねじ部の360度の一回転で、バルブアセンブリが全開するように構成される。
【0013】
第1態様によれば、バルブ装置は、ねじ部とモータアセンブリとの間で回転シャフトを囲む円筒状スペーサをさらに備えてもよい。
【0014】
第1態様によれば、回転シャフトのねじ部はスリーブの対応するねじ切り面と噛合し、スリーブは円筒状スペーサと摺動により係合する円筒状の延出部を有する。
【0015】
第1態様によれば、バルブ装置は、ポペット弁と回転シャフトのねじ部の間にあって、その直径がバルブ保持体の直径と実質的に等しい封止ダイヤフラムをさらに備えてもよい。
【0016】
本開示の第2態様によれば、弁座を規定するバルブ保持体と、バルブ保持体の弁座と接触するように構成されたバルブ部材を規定する可動ポペット弁と、可動ポペット弁を作動させるように構成された回転シャフトと、回転シャフトの端部に形成されたねじ部と、可動ポペット弁と回転シャフトの間にある封止ダイヤフラムと、回転シャフトのねじ部に係合したスリーブとを備えてもよいバルブ装置であって、回転シャフトによるねじ部の回転によって、スリーブが可動ポペット弁に近づいたり離れたりするように並進して、バルブ部材を弁座に対して係脱させる軸方向の力をポペット弁に伝達しバルブアセンブリを開閉する、バルブ装置が提供される。
【0017】
第2態様によれば、スリーブは、回転シャフトのねじ部と係合する内側ねじ切り面を有する。
【0018】
第2態様によれば、スリーブは、ポペット弁に接触し、ポペット弁に軸方向の力を伝達するように構成された当接面を有する。
【0019】
第2態様によれば、バルブ装置は、ねじ部を有さない回転シャフトの端部において、回転シャフトを囲む円筒状スペーサをさらに備えてもよい。
【0020】
第2態様によれば、スリーブは、回転シャフトのねじ部と噛合するように構成された第1部分と、スペーサに沿って摺動可能に構成された軸方向に延出する円筒状部を有する。
【0021】
第2態様によれば、バルブ保持体は、第1流入口と、第2流入口と、流出口とを有し、第1流入口は第1流体と流体連通するように構成され、第2流入口は第2流体と流体連通するように構成されている。
【0022】
第2態様によれば、第1流入口はバルブ部材の第1側に配置され、第2流入口はバルブ部材の第2側に配置され、流出口は第1流入口と第2流入口の間に配置され、第1流体及び第2流体はバルブアセンブリが開いているときに混ざる。
【0023】
第2態様によれば、第1流体及び第2流体はそれぞれ、液体か気体のいずれかを含む。
【0024】
第2態様によれば、封止ダイヤフラムの直径は、バルブ保持体の直径と実質的に等しい。
【0025】
第2態様によれば、バルブ装置は、回転シャフトと回転シャフトのねじ部を回転させ、スリーブを可動ポペットに近づいたり離れたりするように並進させるモータをさらに備えてもよい。
【0026】
さらなる適用可能性の範囲については、本明細書に示される記載から明らかになるだろう。当該発明の概要における記載及び具体例は例示を目的とするものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本明細書に記載の図面は、任意の実施形態を例示する目的に過ぎず、考え得る全ての実装例ではなく、本開示の範囲を限定するものではない。
【0028】
図1】本開示の原理による第1比例制御バルブの断面図。
図2】本開示の原理による第2比例制御バルブの断面図。
【0029】
対応する参照符号は、図面のうち一部の図示において対応する箇所を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより十分に説明する。例示的な実施形態は、本開示の範囲を詳細かつ十分に当業者に伝えるために示される。多くの具体的詳細が具体的な構成要素や装置や方法の例として記載され、本開示の実施形態の完全な理解を可能にしている。具体的詳細を採用する必要がないこと、例示的な実施形態を多くの異なる形態で具現化し得ること、及び、いずれも本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことは、当業者に明らかであろう。一部の例示的な実施形態では、周知のプロセス、周知の装置構造、及び周知の技術は、詳細には説明されない。
【0031】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定することを意図していない。本明細書で使用されるにあたり、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の旨を示さない限り、複数形も含むことを意図してもよい。用語「comprises」、「comprising」、「including」、及び「having」は包括的であり、記載される特徴事項、動作、要素、及び/又は、構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴事項、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しない。
【0032】
ある要素又は層が別の要素又は層「に接する」、「に係合する」、「に接続する」、又は「に連結する」と記載されるとき、その別の要素又は層に対して直接接しても、係合しても、接続しても、又は連結してもよいし、介在する要素又は層が存在してもよい。一方、ある要素が別の要素又は層「に直接接する」、「に直接係合する」、「に直接接続する」、又は「に直接連結する」と記載されるとき、介在する要素又は層が存在しなくてもよい。要素間の関係を説明するために用いられる他の語は、同様に解釈されるべきである(例えば、「~の間」対「直接~の間」、「隣接する」対「直接隣接する」)。
【0033】
本明細書において、第1、第2、第3等の用語が各種要素又は構成要素を説明するために用いられ得るが、これらの要素又は構成要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素又は構成要素を別のものから区別するためだけに使用されてもよい。「第1」、「第2」、及び他の数値等の用語は、本明細書で使用されるにあたり、文脈によって明確に示される場合を除き、連続や順序を示唆しない。従って、第1の要素又は構成要素は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素又は構成要素と称される可能性がある。
【0034】
「内の」、「外の」、「すぐ下の」、「下方の」、「下側の」、「上方の」、「上側の」等の空間に関連した用語は、図面に示されたある要素又は特徴事項と他の要素又は特徴事項との関係を説明する記載を容易にするために本明細書で使用されてもよい。空間に関連する用語は、図面に示される向きに加えて、使用時又は動作時の装置の異なる向きを包含するものとしてもよい。例えば、図中の装置をひっくり返すと、他の要素又は特徴事項の「下方」又は「すぐ下」と記載される要素は、当該他の要素又は特徴事項の「上方」に方向付けられるであろう。したがって、例示的な用語「下方」は、上方及び下方の両方の向きを包含することができる。装置は他の方向に向けられても良く(90度回転又は他の向き)、本明細書で使用される空間関連の記述はそれに応じて解釈される。
【0035】
図1は、本開示に係る第1比例制御バルブ装置10を示す。バルブ装置10は、液体及び気体を含む流体の流量を比例制御するように構成される。図示の実施形態では、バルブ装置10は、2つの流体がバルブ装置10に入り、バルブ装置10から出る前に互いに混ざることを可能にするように構成された弁である。2つの流体は同じであっても異なっていてもよく、一方の流体が液体で、他方の流体が気体であってもよいと考えられる。
【0036】
第1バルブ装置10は、バルブアセンブリ12と、バルブアセンブリ12を作動させるモータアセンブリ14を備える。モータアセンブリ14は、モータハウジング16に収容されるステッピングモータ(図示せず)とエンコーダ18を含んでもよい。エンコーダ18は、位置フィードバックとインデキシングを提供するように構成される。インデックスを用いることで、バルブ装置10はデジタルで全開閉してもよい。
【0037】
バルブアセンブリ12は、バルブ保持体20と、ポペット弁22と、ポペット弁22をモータアセンブリ14のシャフト25に接触させる連結部材24と、コネクタブッシュ26と、ばねアセンブリ28と、一対の封止ダイヤフラム30とを備える。バルブアセンブリ12は、さらに、バルブアセンブリ12をモータアセンブリ14に接続する第1ハウジング34と、ばねアセンブリ28を収容する第2ハウジング36を含むバルブハウジングアセンブリ32を備える。
【0038】
バルブ保持体20は、金属材料や高分子材料といった硬質材料から形成されてもよい。バルブ保持体20は、コネクタブッシュ26に連結される第1端部37aと、第2ハウジング36に連結される第2端部37bを有する。コネクタブッシュ26と第2ハウジング36は、バルブ保持体20の第1及び第2端部37a、37bのそれぞれに、螺合により連結されてもよい。封止ダイヤフラム30の一方はバルブ保持体20の第1端部37aとコネクタブッシュ26の間に位置し、封止ダイヤフラム30の他方はバルブ保持体20の第2端部37bと第2ハウジング36の間に位置する。封止ダイヤフラム30は、加圧下でポペット弁22のバランスをとるために用いられる。ダイヤフラム30は、ダイヤフラム30の内外径の封止を向上させる環状リブ31を備えてもよい。この点に関して、例えば、ダイヤフラム30がバルブ保持体20の第1端部37aとコネクタブッシュ26の間に位置し、これらの構成要素が共に螺合されるとき、リブ31が圧縮して封止性能を高めるように構成される。ダイヤフラム30がバルブ保持体20の第2端部37bと第2ハウジング36の間に位置し、且つ、これらの構成要素が共に螺合されるとき、同様の作用が生じる。また、リブ31の圧縮は、ダイヤフラム30を挟む構成要素の製造公差を相殺する一助となる。
【0039】
バルブ保持体20は、第1流体源(図示せず)と流体連通するように構成された第1流入側アパ-チャ又はポート38と、第2流体源(図示せず)と流体連通するように構成された第2流入側アパーチャ又はポート42と、流出側アパーチャ又はポート40とを有する。
【0040】
ポペット弁22は、バルブ保持体20内に可動に受け入れられる。バルブ保持体20と同様に、ポペット弁22は、金属材料や高分子材料といった硬質材料から形成することができる。ポペット弁22は、連結部材24に接続される近位端41と、ばねアセンブリ28に接続される遠位端43を有する。バルブ部材44は、第2ポート30でポペット弁22の近位端41及び遠位端43の間に配置される。ポペット弁22がバルブアセンブリ12のX軸に沿って前後に並進してバルブアセンブリ12を開閉すると、バルブ部材44はバルブ保持体20の弁座46に接触するように構成されている。弁座46は、流量と圧力損失を改善するように円錐状に形成される。バルブ部材44が弁座46に接触しているとき、(図1に示すように)バルブアセンブリ12は閉じており、バルブ部材44が弁座46から離れているとき、バルブアセンブリ12は開いている(図示せず)。バルブアセンブリ12が開いているとき、第1流入ポート38及び第2流入ポート42に流入する流体は、バルブ部材44を通過し、混ざり、その後流出側アパーチャ40を通ってバルブアセンブリ12から流出することができる。
【0041】
コネクタブッシュ26は、バルブ保持体20の第1端部37aを第1ハウジング34に接続する。コネクタブッシュ26は、金属材料や高分子材料といった硬質材料から形成されてもよい。コネクタブッシュ26は、バルブ保持体20に接続するための外側ねじ切り面と、第1ハウジング34に接続するための内側ねじ切り面を有する。
【0042】
ポペット弁22は、モータアセンブリ14のシャフト25によって駆動される軸方向に並進可能なスリーブ56によって作動される。より具体的には、ポペット弁22は、連結部材24とスリーブ56を介してシャフト25に接続される。連結部材24は、ポペット弁22のねじ切り凹部50と螺合により係合するねじ切り凸部48を有する。連結部材24の円筒状本体52は、シャフト25の一部であるねじ部58を囲むスリーブ56に当接するように構成された当接面54を有する。シャフト25とねじ部58が回転すると、スリーブ56を連結部材24に近づけたり離したりすることができる。スリーブ56が連結部材24に接触して、当接面54に対して力を及ぼすと、連結部材24はこの力をポペット弁22に伝達し、バルブ部材44を弁座46に係合させる。スリーブ56が連結部材24から離れると、ばねアセンブリ28がもたらす反力により、ポペット弁22のバルブ部材44は弁座46から遠ざかるように付勢され、バルブアセンブリ12が開かれる。
【0043】
ねじ部58を特別に設計及びカスタマイズしてバルブ部材44の移動を制御し、バルブアセンブリ12を通過可能な比例流量をカスタマイズすることができる。図示の実施形態では、ねじ部58の360度の一回転で、2.5mmのバルブストロークが可能になる(すなわち、バルブアセンブリ12が全開する)ように、ねじ部58は設計される。2.5mm未満のバルブストロークは、ねじ部58の回転量を制御することにより可能となる。このように、ねじ部58の回転量を制御することにより、バルブアセンブリ12を通る流量を、バルブアセンブリ12を全開閉するのではなく、厳密に制御することができる。尚、2.5mmのバルブストロークは一例に過ぎず、ねじ部58のねじ山59間のピッチを変更することにより異なるバルブストロークを得ることができる。
【0044】
ばねアセンブリ28は、バルブ保持体20の第2端部37bに取り付けられた第1ばね座60と、第2ハウジング36の内面に連結された第2ばね座62を備え、コイルばね64が第1ばね座60と第2ばね座62の間に位置している。第1ばね座60は、バルブ保持体20の第2端部37bに連結されるねじ延出部66と、ばね64の第1端部64aを支持するように構成される環状肩部68を有する。第2ばね座62は環状面72によって囲まれる円筒状凸部70を有し、ばね64の第2端部64bは円筒状凸部70を囲み、且つ、環状面72によって支持される。
【0045】
前述のように、シャフト25とねじ部58の回転によって、バルブアセンブリ12が開くことが可能な量を制御することができる。また、前述したように、ばねアセンブリ28は、ポペット弁22のバルブ部材44を、弁座46から離れるように付勢するように構成される。シャフト25とねじ部58が回転してポペット弁22を動かすと、ばね64は圧縮し、ポペット弁22はX軸に沿って動くことができる。シャフトスペーサ74は、モータアセンブリ14内に配置されたばね(図示せず)によるX軸に沿ったシャフトの動きを制限するように、特別に選択及び調整することができる軸の長さを有する中空の円筒状部材である。スリーブ56は、ねじ部58と噛合するように構成された内側ねじ切り面57と、軸方向に延出する円筒状部61を有する。円筒状部61は、スリーブ56の回転を防ぎ、シャフト25が回転するとスリーブ56の前後移動を可能にする一対の平面部を有するハウジングアセンブリ32に形成された開口に沿って摺動するように構成される。
【0046】
また、バルブアセンブリ12は、バルブ保持体20の外側周りに位置する複数の封止部材、すなわちOリング76を備えてもよい。具体的には、封止部材76は、バルブ保持体20の上方に位置する凹部78内に位置付けられる。凹部78の深さと封止部材76の断面径は、封止部材76を損傷せずにバルブアセンブリ12をマニホルド(図示せず)に挿入できるように、特別に設計及び調整されてもよい。この点に関して、従来のバルブ装置は、通常螺合して(すなわち回転して)、マニホルド(図示せず)の穴(図示せず)に噛合するため、この接続過程中に封止部材を損傷する可能性がある。さらには、従来のバルブ装置と穴の螺合を解除するとき、回転によってモータアセンブリがバルブアセンブリから離れて、バルブアセンブリが孔に残る可能性がある。これによって、バルブアセンブリを穴から外す追加の作業が必要になる。図示の構成では、バルブ装置10は、バルブ装置を回転させずにマニホルドの穴に挿入され、流体を密封する接続を確保し得る。バルブ装置10がマニホルドと共に着座したままであることを確実にするために、第1ハウジング34は、バルブ装置10をマニホルドに固定することができるファスナー82を受け入れるように構成されたアパーチャ80を有する。
【0047】
図2を参照し、第2比例制御バルブ装置100を説明する。バルブ装置100は前述のバルブ装置10に類似する。この点に関して、第2バルブ装置100は、バルブアセンブリ112と、バルブアセンブリ112を作動させるように構成されたモータアセンブリ114を備える。モータアセンブリ114は、モータハウジング116に収容されるステッピングモータ(図示せず)と、位置フィードバックとインデキシングを提供するように構成されるエンコーダ118を備えてもよい。
【0048】
バルブアセンブリ112は、バルブ保持体120と、モータアセンブリ114のシャフト124に接続されたツーピースポペット弁122と、コネクタブッシュ126と、ばねアセンブリ128と、単一の封止ダイヤフラム30とを備える。また、バルブアセンブリ112は、バルブアセンブリ112をモータアセンブリ114に接続するバルブハウジングアセンブリ132を備える。
【0049】
バルブ保持体120は、金属材料や高分子材料といった硬質材料から形成されてもよい。バルブ保持体120は、コネクタブッシュ126に連結されるように構成された第1端部120aと、バルブアセンブリ112の流出口を規定する第2開口端部120bを有する。コネクタブッシュ126は、バルブ保持体120の第1端部120aと螺合により連結されてもよい。封止ダイヤフラム130は、バルブ保持体120の第1端部120aとコネクタブッシュ126の間に位置する。封止ダイヤフラム130は、加圧下でポペット弁122のバランスをとるために用いられる。ダイヤフラム130は、バルブ保持体120の内外径の封止を向上させる環状リブ131を備えてもよい。
【0050】
バルブ保持体120は、第1流体源(図示せず)と流体連通するように構成された流入ポート138を有する。前述のように、バルブ保持体120の第2開口端部120bは、バルブアセンブリ112の流体流出口140を規定する。
【0051】
ポペット弁122は、コネクタブッシュ126及びバルブ保持体120内に可動に受け入れられる。ポペット弁122は、金属材料や高分子材料といった硬質材料から形成することができる。ポペット弁122は、コネクタブッシュ126内の近位端123とバルブ保持体120内の遠位端127を有する。ポペット弁122の近位端123は、ねじ切り凸部125aを有する。ねじ切り凸部125aは、近位端123を遠位端127に固定するように、遠位端127の対応するようにねじ切りされたねじ切り凹部125b内に受け入れられる。ダイヤフラム130は、ポペット弁122の近位端123と遠位端127の間に挟まれる。遠位端127はバルブ部材144を規定する。ポペット弁122がバルブアセンブリ112のX軸に沿って前後に並進してバルブアセンブリ112を開閉すると、バルブ部材144はバルブ保持体120の弁座146に接触するように構成されている。弁座146は、流量と圧力損失が改善するように円錐状に形成される。バルブ部材144が弁座146に接触しているとき、(図2に示すように)バルブアセンブリ112は閉じており、バルブ部材144が弁座146から離れているとき、バルブアセンブリ112は開いている(図示せず)。バルブアセンブリ112が開いているとき、流入ポート138に流入する流体はバルブ部材144を通過し、次いで、流出口140を通ってバルブアセンブリ112から流出可能である。
【0052】
コネクタブッシュ126は、バルブ保持体120の第1端部120aをハウジング132に接続する。コネクタブッシュ126は、金属材料や高分子材料といった硬質材料から形成されてもよい。コネクタブッシュ126は、バルブ保持体120に接続するための内側ねじ切り面126aと、ハウジング132に接続するための外側ねじ切り面126bを有する。半径方向内向きに延出するねじ山129は、ポペット弁122に向かって延出する。
【0053】
ポペット弁122の近位端123は、モータアセンブリ114のシャフト124によって作動される。より具体的には、ポペット弁122の近位端123は、円筒状本体152を規定する。円筒状本体152は、シャフト124の一部であるねじ部158を囲む軸方向に並進可能なねじ切りスリーブ156に当接するように構成された当接面154を有する。シャフト124とねじ部158が回転すると、スリーブ156を当接面154に近づけたり離したりすることができる。スリーブ156が当接面154に接触すると、スリーブ156はポペット弁122に力を伝達し、バルブ部材144を弁座146に係合させる。スリーブ156が当接面154から離れると、ばねアセンブリ128がもたらす反力により、ポペット弁122のバルブ部材144は弁座146から遠ざかるように付勢され、バルブアセンブリ112が開かれる。
【0054】
ねじ部158を特別に設計及びカスタマイズしてバルブ部材144の移動を制御し、バルブアセンブリ112を通過可能な比例流量をカスタマイズすることができる。図示の実施形態では、ねじ部158の360度の一回転で、2.5mmのバルブストロークが可能になる(すなわち、バルブアセンブリ112が全開する)ように、ねじ部158は設計される。2.5mm未満のバルブストロークは、ねじ部158の回転量を制御することにより可能となる。このように、ねじ部158の回転量を制御することにより、バルブアセンブリ112を通る流量を、バルブアセンブリ112を全開閉するのではなく、厳密に制御することができる。
【0055】
ポペット弁122に向かって径方向内向きに延出するねじ山129は、第1ばね座160を規定し、ポペット弁122の近位端123の径方向外向きに延出する肩部161は、第2ばね座162を規定し、コイルばね164は第1ばね座160と第2ばね座162の間に位置する。
【0056】
前述したように、シャフト124とねじ部158の回転によって、バルブアセンブリ112が開くことが可能な量を制御することができる。また、前述したように、ばねアセンブリ128は、ポペット弁122のバルブ部材144を、弁座146から離れるように付勢するように構成される。シャフト124とねじ部158が回転してポペット弁122を動かすと、ばね164は圧縮し、ポペット弁122はX軸に沿って動くことができる。シャフトスペーサ174は、モータアセンブリ114内に配置されたばね(図示せず)によるX軸に沿ったシャフトの動きを制限するように、特別に選択及び調整することができる軸の長さを有する中空の円筒状部材である。
【0057】
また、バルブアセンブリ112は、バルブ保持体120の外側周りに位置する複数の封止部材、すなわちOリング176を備えてもよい。具体的には、封止部材176は、バルブ保持体120の上方に位置する凹部178内に位置付けられる。凹部178の深さと封止部材176の断面径は、封止部材176を損傷せずにバルブアセンブリ112をマニホルド(図示せず)に挿入できるように、特別に設計及び調整されてもよい。この点に関して、従来のバルブ装置は、通常螺合して(すなわち回転して)、マニホルド(図示せず)の穴(図示せず)に噛合するため、この接続過程中に封止部材を損傷する可能性がある。さらには、従来のバルブ装置と穴の螺合を解除するとき、回転によってモータアセンブリがバルブアセンブリから離れて、バルブアセンブリが孔に残る可能性がある。これによって、バルブアセンブリを穴から外す追加の作業が必要になる。図示の構成では、バルブ装置100は、バルブ装置を回転させずにマニホルドの穴に挿入され、流体を密封する接続を確保し得る。バルブ装置100がマニホルドと共に着座したままであることを確実にするために、ハウジング132は、バルブ装置100をマニホルドに固定することができるファスナー182を受け入れるように構成されたアパーチャ180を有する。
【0058】
最後に、バルブアセンブリ12及び112のそれぞれは、その使用中に、バランスのとれた設計をもたらすことに留意されたい。バルブアセンブリ12及び112は、バルブ保持体20及び120のそれぞれが、ダイヤフラム30及び130の有効な封止直径と実質的に同じ直径を有するため、バランスがとれている。バルブ保持体20及び120の直径をダイヤフラム30及び130のそれぞれの有効な封止直径と略同じにすることにより、バルブアセンブリ12及び112が受ける圧力変動は、バルブアセンブリ12及び112の動作中、よりバランスがとれるものとなる。
【0059】
前述の実施形態の記載は、例示及び説明の目的で示されている。この記載は、包括的であること、すなわち、本開示を限定することを意図するものではない。特定の実施形態における個々の要素又は特徴事項は、一般に、その特定の実施形態に限定されないが、具体的に図示又は記載されていないとしても、適用可能な場合は交換可能であり、任意の実施形態で用いることができる。また、種々のやり方で変えても良い。このような変更は本開示からの逸脱とはみなされず、このような変更の全てが本開示の範囲内とされる。
図1
図2
【外国語明細書】