(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098730
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】児童相談業務を支援する業務支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20230703BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230703BHJP
【FI】
G06Q50/22
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035993
(22)【出願日】2023-03-08
(62)【分割の表示】P 2021213751の分割
【原出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】522000762
【氏名又は名称】株式会社AiCAN
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 昂太
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】児童相談に関する意思決定の判断の質向上を実現する方法を提供する。
【解決手段】
児童相談所の利用者に関連する利用者端末にネットワークを介して接続するサーバ端末に
よって提供される、児童相談業務を支援する業務支援方法であって、サーバ端末の制御部
は、利用者端末から、子どもに関する子ども情報の登録を受け付け、前記利用者端末から
、前記子ども情報に関連づけられた、前記子どもに関する相談受付のための受付情報の登
録を受け付け、前記利用者端末から、前記受付に関連づけられた、前記子どもの保護判断
の支援のためのリスクアセス情報の登録を受け付け、前記受け付けた、子ども情報、受付
情報及びリスクアセス情報に基づいて、リスクアセス評価を実行し、前記リスクアセス評
価の結果を、前記利用者端末に送信する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
児童相談所の利用者に関連する利用者端末にネットワークを介して接続するサーバ端末
によって提供される、児童相談業務を支援する業務支援方法であって、
サーバ端末の制御部は、
利用者端末から、子どもに関する子ども情報の登録を受け付け、
前記利用者端末から、前記子ども情報に関連づけられた、前記子どもに関する相談受付
のための受付情報の登録を受け付け、
前記利用者端末から、前記受付に関連づけられた、前記子どもの保護判断の支援のため
のリスクアセス情報の登録を受け付け、
前記受け付けた、子ども情報、受付情報及びリスクアセス情報に基づいて、リスクアセ
ス評価を実行し、
前記リスクアセス評価の結果を、前記利用者端末に送信する、
方法。
【請求項2】
前記受付情報は、虐待種別、受付時間、受付区分のいずれか、または、組合せを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リスクアセス情報は、受付日時、入力者、通告受理時の情報、緊急出勤を検討するた
めの項目、調査保護を検討するための項目、リミットルールへの該当要否、添付画像及び
/または創傷、心理診断及び家の状況に関する情報、意思決定結果及び/または安全確認
結果、対応した実施に関する項目及び調査記録の決裁者に関する、いずれかの情報または
組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記利用者端末から、前記受付情報に関連づけて、前記子どもの調査に関する調査情報
に登録を受け付ける、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記利用者端末から、前記受付情報に関連づけて、前記子どもの画像及び/または創傷
、心理診断及び家の状況に関する情報を受け付ける、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、児童相談業務を支援する業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、子どもの虐待に関するリスクを評価し、子どもを虐待から保護するために、関係
各所で様々な取り組みを重ねられてきた。しかしながら、現場の担当者不足の課題、児童
虐待の対応件数の増加等の課題が挙げられている。
【0003】
このような背景の中で、虐待リスクの判断の自動化技術として、例えば、特許文献1に
おいて、子どもの身体を撮像し、撮像された画像を基に虐待兆候を自動で判別する技術が
開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、画像による虐待兆候判定に重きが行われているため、判
断の質の向上の余地があり、また、子どもの身体を時系列的に複数回撮像することを要件
とするため、緊急を要する判断が難しいという課題が挙げられる。
【0006】
そこで、本発明は、児童相談に関する意思決定の判断の質向上を実現する方法を提供す
ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、児童相談所の利用者に関連する利用者端末にネットワークを介
して接続するサーバ端末によって提供される、児童相談業務を支援する業務支援方法であ
って、サーバ端末の制御部は、利用者端末から、子どもに関する子ども情報の登録を受け
付け、前記利用者端末から、前記子ども情報に関連づけられた、前記子どもに関する相談
受付のための受付情報の登録を受け付け、前記利用者端末から、前記受付に関連づけられ
た、前記子どもの保護判断の支援のためのリスクアセス情報の登録を受け付け、前記受け
付けた、子ども情報、受付情報及びリスクアセス情報に基づいて、リスクアセス評価を実
行し、前記リスクアセス評価の結果を、前記利用者端末に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、記録、リスクアセス評価の結果、チャット、画像などを関係
者間で即時にやりとりすることを通じて、児童相談に関する意思決定の判断の質向上を実
現する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る、業務支援システムを示すブロック構成図である。
【
図2】
図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
【
図3】
図1の利用者端末200を示す機能ブロック構成図である。
【
図4】サーバ100に格納される利用者データの一例を示す図である。
【
図5】サーバ100に格納される受付データの一例を示す図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係る、業務支援方法に係るフローチャートの一例である。
【
図7】本発明の第一実施形態に係る、業務支援方法に係るフローチャートの他の一例である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る、業務支援方法に係るフローチャートのさらに他の一例である。
【
図9】利用者端末に表示される、業務支援アプリケーションのホーム画面例を示す図である。
【
図10】利用者端末に表示される、業務支援アプリケーションのリスクアセス評価を要求するための画面例を示す図である。
【
図11】利用者端末に表示される、業務支援アプリケーションの画像を登録するための画面例を示す図である。
【
図12】利用者端末に表示される、業務支援アプリケーションのリスクアセス項目の入力のための画面例を示す図である。
【
図13】利用者端末に表示される、業務支援アプリケーションのチャットコミュニケーション機能を利用するための画面例を示す図である。
【
図14】利用者端末に表示される、業務支援アプリケーションのリスクアセス評価結果の出力のための画面例を示す図である。
【
図15】本発明の第一実施形態に係る、業務支援方法に係るアプリケーションの開発のための概念を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施
形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また
、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない
。
【0011】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る業務支援システムを示すブロック構成図である。
本システム1は、児童相談所の職員等の利用者が利用する利用者端末200と、児童相談
に関する情報を記録/管理する児童相談記録システム300と、を仲介するサーバ端末1
00と、により構成される。なお、ここで、児童相談記録システム300の全部または一
部の機能をサーバ端末100に備えることもでき、全部の機能をサーバ端末100に備え
る場合は、本システム1において児童記録相談システム300を不要としてもよい。
【0012】
サーバ端末100と、利用者端末200とは、ネットワークNWを介して接続される。
ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Netwo
rk)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0013】
サーバ端末100は、児童相談所の職員等の利用者に関連する、複数の利用者端末20
0A、200Bに対して業務効率化支援のためのアプリケーションを提供し、複数の利用
者端末200A、200Bの各々から登録された情報を管理し、登録された情報に基づい
て、例えば、子どもの虐待の可能性に関するリスクアセス評価を行い、評価結果を提供す
る装置であり、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コン
ピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現さ
れてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示している
が、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0014】
利用者端末200A、200Bは、上記の通り、児童相談所の職員等の利用者であって
、サーバ端末100により提供されるアプリケーションを利用する利用者が所有する、例
えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフ
ォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。以下、説明の便宜のため、利用者端末
200A、200Bを総称して、利用者端末200として説明を行う。
【0015】
また、本システムは、ネットワークNWを介して、児童相談記録システム300と接続
し、利用者端末200を利用する利用者は、サーバ端末100または児童相談記録システ
ムに対し、子どもに関連する子ども情報を始めとした様々な情報を登録することができ、
サーバ端末100は、児童相談記録システム300に対し、情報を送受信することができ
、データの連携を図ることができる。ここで、児童相談記録システム300は、児童相談
の記録や行政文書の発行を主たる機能とするシステムであって、例えば、子どもに関連す
る児童番号や受付番号の発番、受信券や一時保護決定通知書等の発行、行政情報と連携し
た家族情報及び負担金の管理、及び手続の進行管理等を実行するシステムである。他方、
本システムは、利用者とのコミュニケーションや意思決定の支援を主たる機能とするシス
テムであって、児童相談所内外での記録の入力、閲覧および共有を可能とし、児童相談所
職員同士のチャットコミュニケーション、子どもの写真の登録及び共有、及び過去の一時
保護傾向等のシミュレーション等を実行するシステムである。上記の通り、サーバ端末1
00と児童相談記録システム300とはネットワークNWを介して接続し、例えば、QR
コード(登録商標)、児童番号または受付番号をキーとして、相互にデータ連携が行われるため、利用
者は、サーバ端末100及び児童相談記録システム300双方に対して情報を入力、登録
する必要がなく、一方のシステムに情報を登録することで他方のシステムへの同期が可能
である。なお、上述の通り、児童相談記録システム300の全部または一部の機能をサー
バ端末に備ることで、サーバ端末100において処理を完結可能な場合は、QRコード(登録商標)等
によるデータ連携を不要とすることとしてもよい。
【0016】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100と、利用者端末200及び児童相談
記録システム300とを備え、利用者または求人者が各々、利用者端末200、児童相談
記録システム300を利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明す
るが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成され、サーバ端末自身に、利用者また
は求人者が操作を行う機能を備えても良い。
【0017】
図2は、
図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、
通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0018】
通信部110は、ネットワークNWを介して利用者端末200及び児童相談記録システ
ム300と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transm
ission Control Protocol/Internet Protocol)、閉域ネットワーク等の通信規約により
通信が行われる。
【0019】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム
、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read
Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、利用者に関連する各種データ
を格納する、利用者データ格納部121、受付に関連する各種データを格納する、受付デ
ータ格納部122等を有する。さらに、記憶部120は、利用者端末200、児童相談記
録システム300と通信を行ったデータを一時的に記憶することもできる。なお、各種デ
ータを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構
築されていてもよい。
【0020】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サ
ーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit
)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として
、利用者端末200または児童相談記録システム300からの入力を受け付ける指示受付
部131と、利用者に関連する各種データを参照し、処理する、利用者データ管理部13
2と、受付に関連する各種データを参照し、処理する、受付データ管理部133と、利用
者により入力された情報を分析し、評価を実行するリスク評価部134等を有する。この
指示受付部131、利用者データ管理部132、求人者データ管理部133、リスク評価
部134は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(
電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0021】
指示受付部131は、サーバ端末100が提供し、利用者端末200において、ウェブ
ブラウザまたはアプリケーションを介して表示される画面等のユーザインターフェースを
介して、利用者が、所定の入力を行ったとき、利用者端末200から通信部110を介し
て指示を受け付ける。または、サーバ端末100または利用者端末200からの要求に応
じて、児童相談記録システム300から通信部110を介して情報を受付ける。
【0022】
利用者データ管理部132は、利用者に関連する各種データ(例えば、子ども情報、保
護者情報、関係者情報、家族グループ情報、及び関係機関情報等)を管理し、処理を行う
。
【0023】
受付データ管理部133は、受付に関連する各種データ(例えば、受付情報、リスクア
セス情報、調査情報、写真情報、シミュレーション情報、リコメンド情報等)を管理し、
処理を行う。
【0024】
リスク評価部134は、利用者端末200(または児童相談記録システム300)から
登録された情報に基づいて、子どもの虐待のリスクを評価する処理を行う。
【0025】
図3は、
図1の利用者端末200を示す機能ブロック構成図である。利用者端末200
は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、カメラ240と、制御部2
50とを備える。
【0026】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信
インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0027】
表示操作部220は、利用者が指示を入力し、制御部240からの入力データに応じて
テキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、利用者端
末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードや
マウスにより構成され、利用者端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成
されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部23
0に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)である
利用者端末200により実行される。表示操作部を介して、利用者は、提供される適性試
験に対して、キーボードの場合は、キーボードの押下、マウスの場合は、マウスによりカ
ーソルの移動、タッチパネルの場合は、タップ、スワイプ、ピンチ操作等を行うことがで
きる。
【0028】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム
、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部
230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0029】
カメラ240は、例えば、子どもの身体の部位を撮像する機能を備えるものである。
【0030】
制御部250は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、利
用者端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0031】
なお、サーバ端末100に表示操作部の機能を備える構成としても良く、この場合、利
用者端末200を備えない構成としても良い。
【0032】
なお、児童相談記録システム300の機能構成についても、サーバ端末100または利
用者端末200と実質同一であるので、説明を省略する。
【0033】
図4は、サーバ100に格納される利用者データの一例を示す図である。
【0034】
図4に示す利用者データ1000は、利用者に関連する各種データを格納する。
図4に
おいて、説明の便宜上、一利用者(利用者ID「10001」で識別される利用者)の例
を示すが、複数の利用者の情報を格納することができる。利用者に関連する各種データと
して、例えば、子どもに関する子ども情報(子どもの氏名、ID、住所、Eメールアドレ
ス等の連絡先、性別、年齢、学校名、学年、担任名、通学状況、タグ情報等)、保護者情
報(保護者の氏名、ID、住所、連絡先、性別等)、関係者情報(関係者の氏名、ID、
住所、連絡先、性別等)、家族グループ情報(家族グループ名、ID、グループ名の説明
、グループのメンバー(過去の婚姻関係、内縁の夫婦関係による保護者等も含む)、関係
機関情報(関係機関名、ID、種別(医療機関、警察、教育機関等)、住所、連絡先)等
を含むことができる。
【0035】
図5は、サーバ100に格納される受付データの一例を示す図である。
【0036】
図5に示す受付データ2000は、受付に関連する各種データを格納する。
図5において
、説明の便宜上、一受付(受付ID「20001」で識別される受付)の例を示すが、複
数の受付の情報を格納することができる。通常、受付は登録された子どもに関する子ども
情報等に対応づけて登録される。受付に関連する各種データとして、例えば、受付の基本
情報(虐待種別(身体的虐待、ネグレクト等)、対応の開始日時等)、リスクアセス情報
(受付日時、入力者、通告受理時の情報、緊急出勤を検討するための項目、調査保護を検
討するための項目、リミットルールへの該当要否、添付画像及び/または創傷、心理診断
及び家の状況に関する情報、意思決定結果及び/または安全確認結果、対応した実施に関
する項目、調査記録の決裁者等)、調査情報(対応日時、調査タイトル、議事録(調査結
果(事実))、見立て、今後の対応等)、リスクアセス情報(チェックリスト登録(調査
によって得た情報)、添付画像及び/または創傷、心理診断及び家の状況に関する情報、
次回面談日時、調査完了辞典でのステータス、調査完了時のセーフティスケール(児童の
安全について、感覚的な数値での入力結果)、対応内容、調査記録の決裁者等)、写真情
報(添付画像及び/または創傷、心理診断及び家の状況に関する情報)、シミュレーショ
ン情報(総合リスク(一次保護される傾向を表す指標)、過去の類似ケース(36の虐待
タイプに関する情報)、レーダーチャート(重篤度や再発率や対応日数等のバランスを示
すチャート))、リコメンド情報(今後の対応についてのリコメンドや参考情報)等の情
報を格納することができる。
【0037】
<処理の流れ>
図6を参照しながら、本実施形態のシステム1が実行する業務支援方法の処理の流れにつ
いて説明する。本発明の第一実施形態に係る、業務支援方法に係るフローチャートの一例
である。
【0038】
ここで、本システム1を利用するために、利用者(例えば、児童相談所の職員等)は、
利用者端末200の各々のウェブブラウザまたはアプリケーション等を利用してサーバ端
末100にアクセスし、初めてサービスを利用する場合は、新規利用者登録を行い、既に
利用者アカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証
を受けてログインすることで、サービスが利用可能となる。この認証後、ウェブサイト、
アプリケーション等を介して所定のユーザインターフェース画面が提供され、
図6に示す
ステップS101へ進む。ここで、
図9は、利用者端末200に表示されるアプリケーシ
ョンのホーム画面例を示す。利用者は、本画面上で、登録メニューを選択することで下記
に説明する登録を行うことができる。
【0039】
まず、ステップS101の処理として、サーバ端末100の制御部130の指示受付部
131は、通信部110を介して、利用者端末200から、子どもに関する子ども情報等
の基本情報の登録を受け付ける。サーバ端末100の制御部130の利用者データ管理部
132は、受け付けた基本情報を、記憶部120の利用者データ格納部121に、利用者
データ1000として利用者IDに関連づけて格納する。ここで、利用者は、児童相談記
録システム300に上記基本情報を登録している場合、利用者端末200に内蔵されたカ
メラによりQRコード(登録商標)の読み取り、表示された画面上で児童番号等の番号を入力すること
で、児童相談記録システム300に登録されている基本情報をサーバ端末100により提
供されるアプリケーションにインポートすることもできる。
【0040】
ここで、
図7に示すように、基本情報として、指示受付部131は、順不同であるが、
子どもの氏名、ID、住所、Eメールアドレス等の連絡先、性別、年齢、学校名、学年、
担任名、通学状況、タグ情報等の、子どもに関する子ども情報の登録を受け付け(ステッ
プS201)、保護者の氏名、ID、住所、連絡先、性別等の、保護者に関する保護者情
報の登録を受け付け(ステップS202)、続いて、叔父、叔母、子どもの兄の友人、母
親の交際相手等の関係者の氏名、ID、住所、連絡先、性別等の、子どもの関係者に関す
る関係者情報の登録を受け付け(ステップS203)、家族グループ名、ID、グループ
名の説明、グループのメンバー(子ども、兄弟、過去の婚姻関係、内縁の夫婦関係による
保護者等も含む)等の、家族グループに関する家族グループ情報の登録を受け付け(ステ
ップS204)、また、関係機関名、ID、種別(医療機関、警察、教育機関等)、住所
、連絡先等の、関係機関に関する関係機関情報の登録を受け付ける(ステップS205)
ことができる。
【0041】
次に、ステップS102の処理として、指示受付部131は、利用者端末200から、
受付情報の登録を受け付ける。ここで、受付とは、所定の対応を必要とする子どもの受付
のことをさし、まず、利用者は、利用者端末200に表示されるアプリケーション画面上
で、受付の基本情報(虐待種別(身体的虐待、ネグレクト等)、対応の開始日時等)の入
力を行う。サーバ端末100の制御部130の受付データ管理部133は、受け付けた基
本情報を、記憶部120の受付データ格納部122に、受付データ2000として受付I
Dに関連づけて格納する。ここで、利用者は、児童相談記録システム300に上記受付情
報を登録している場合、利用者端末200に内蔵されたカメラによりQRコード(登録商標)の読み取
り、表示された画面上で児童番号等の番号を入力することで、児童相談記録システム30
0に登録されている受付情報をサーバ端末100により提供されるアプリケーションにイ
ンポートすることもできる。
【0042】
図8に示すように、受付情報に関連づけて、指示受付部131は、順不同であるが、利
用者端末200から、対応日時、調査タイトル、議事録(調査結果(事実))、見立て、
今後の対応等の、調査情報の登録を受け付け(ステップS301)、添付画像及び/また
は創傷、心理診断及び家の状況に関する情報等の、写真情報の登録を受け付け(ステップ
S302)、続いて、チェックリスト登録(調査によって得た情報)、添付画像及び/ま
たは創傷、心理診断及び家の状況に関する情報、次回面談日時、調査完了辞典でのステー
タス、調査完了時のセーフティスケール(児童の安全について、感覚的な数値での入力結
果)、対応内容、調査記録の決裁者等の、リスクアセス情報の登録を受け付け(ステップ
S303)、また、チャットアプリケーションを介して、複数の利用者間によって入力さ
れた入力情報を受け付ける(ステップS304)ことができる。サーバ端末100の制御
部130の受付データ管理部133は、受け付けた基本情報を、記憶部120の受付デー
タ格納部122に、受付データ2000として受付IDに関連づけて格納する。ここで、
利用者は、児童相談記録システム300に上記受付情報に関連づけられた情報を登録して
いる場合、利用者端末200に内蔵されたカメラによりQRコード(登録商標)の読み取り、表示され
た画面上で児童番号等の番号を入力することで、児童相談記録システム300に登録され
ている情報をサーバ端末100により提供されるアプリケーションにインポートすること
もできる。
【0043】
ここで、上記調査情報の登録は、所外に出動している職員から得た情報を基に児童相談
所内で職員が行う操作として想定され、上記写真情報の登録及び上記リスクアセス情報の
登録は、子どもの安全確認を行うために所外に出動する職員が行う操作として想定され、
また、上記チャットコミュニケーションについては、所外に出動している職員が、調査結
果を報告し、所内の職員が送信した対応方法を確認するための操作として想定されるなど
、一連の登録情報は所内外の複数の職員により入力され受け付けられるものであってもよ
い。
【0044】
ここで、
図11に画像の登録画面例を示す。利用者は、画像の登録画面において、利用者
端末200に内蔵のカメラにより撮影された画像を取り込み、画像の種類として、創傷、
心理診断、家の状況等を選択し、創傷に関する、子どもの体の部位を選択し、また、創傷
、骨折の種類として、傷、あざ、噛み跡、熱傷、脱毛、眼の充血等を選択し、さらに、創
傷、骨折の内容をリスト(変色、出血、腫れ、ただれ、古傷、ケロイド、多発または混在
、変形/開大/欠損等)から選択することができる。
【0045】
また、ここで、
図13にチャットコミュニケーションの画面例を示す。利用者は、アプ
リケーション画面の上部に表示される、チャットコミュニケーションを利用するためのア
イコンを選択することで、チャットコミュニケーションを行う相手として、個人またはグ
ループ名のリストが表示され、各個人またはグループ名を選択することで、利用者間でチ
ャットコミュニケーションを行うことができる。
【0046】
ここで、リスクアセス情報の入力のために、利用者は、例えば、
図10の示すような、
受付情報入力画面において、リスクアセス情報の記録メニューを選択し、リスクアセスの
情報の登録フォームを選択することができる。リスクアセス情報として利用者により入力
され、受け付ける情報として、さらに詳細には、1)受付日時(リスクアセスメントを行
った日を入力)、2)入力者(入力者を選択)、3)通告受理時の情報(通告受理時の情
報を入力、選択)、4)緊急出勤(緊急出勤を検討するためのアセスメント項目をチェッ
ク)、5)調査保護検討(調査保護を検討するためのアセスメント項目をチェック)、6
)リミットルール該当(リミットルールに該当しているかをチェック)、7)画像の添付
(「創傷」、「心理診断」、「家の状況」、「その他」の画像を登録。創傷の場合には、
体の部位やけがの状況についても入力)、8)意思決定、安全確認(意思決定の結果を選
択。入力情報に基づいて、再発率や重篤度や対応日数などのシミュレーション結果や過去
の類似ケースを確認可能)、9)実施項目(実施した対応を選択肢、その対応日時を入力
)、10)決裁者(調査記録の決裁者を設定)、11)同じ内容をコピーする場合(同じ
調査記録をコピーした場合にコピーしたい子どもを選択)が挙げられる。また、
図11の
画面例に示すように、利用者は、「リスクアセス変遷」というメニューを選択することで
、リスクアセスに関する項目(例えば、緊急出勤、調査保護に関する項目)の入力内容を
日時に関連づけて入力することができる。
【0047】
次に、
図6のステップS103に戻り、制御部130のリスク評価部134は、登録され
た子どもの基本情報、受付情報及び受付情報に関連づけられたリスクアセス情報に基づい
て、子どもの虐待の可能性に関するリスクアセス評価を行う。ここで、サーバ端末100
は、記憶部130に、図示しない、入力情報として、過去の子どもの基本情報(年齢、性
別、住所(市町村))、受付情報(虐待種別、受付時間、受付区分(新規、再通告、再受
付)及び受付情報に関連づけられたリスクアセス情報(受付経路、主たる虐待者、リスク
アセスメントの各項目への該当状況)、及び、出力情報として、過去の保護率(一時保護
される傾向を表す指標)、過去の類似ケース(虐待を36タイプに分類し、当該ケースが
最も近いパターンの特徴を表示。同じパターンに属する過去の事例がある場合には、過去
のケース記録を表示)、及び、重篤度、再発率及び対応日数等の情報を機械学習で予測す
ることにより生成された学習モデルを格納し、学習モデルに基づいて、今回の入力情報に
対して、出力情報を生成する。
【0048】
次に、ステップS104の処理として、リスク評価部134は、上記ステップにおいて
生成された出力情報を利用者端末200に送信し、利用者端末200のアプリケーション
のユーザインターフェース画面に出力情報が所定のフォーマットで表示される。
【0049】
図14は、利用者端末に表示される、業務支援アプリケーションのリスクアセス評価結
果の出力のための画面例を示す図である。利用者は、利用者端末200に表示されるアプ
リケーションの個人ページ画面において「シミュレーション」タブを選択することで、図
14に示すような、総合リスク(一時保護される傾向を表す指標)、再発確率、対応日数
、重篤度に関する3指標でケースの特徴を示すレーダーチャート、及び過去の類似ケース
について可視化された画面が表示される。ここで、総合リスクについて、値が高い場合に
は、類似ケースが過去一時保護される傾向があったことを示すものであり、一時保護する
/しないという観点から、利用者に対し、緊急度の判断をサポートする。また、レーダー
チャートは、重篤度( 複数の待分類(例えば、36パターン)のうち、重篤ケース
と定義した分類(例えば、24パターン)に該当する確率)や再発率(該当する類似ケー
ス群における再発確率)や対応日数(該当するケース群における終結までに要した日数)
などのバランスを表し、レーダーチャートの面積が大きい場合には、重篤である、再発率
が高いなどの特徴があり、終結までに時間がかかる傾向があったことを意味する。過去の
類似ケースは、過去の事例を複数タイプ(例えば、36タイプ)に分類し、当該ケースが
もっとも近いパターンの特徴を表示する。同じパターンに属する過去の事例がある場合に
は、過去のケース記録を表示する。本例においては、ケース47として、「再受付の身体
的虐待事例」が表示され、当該事例は、市町村通告が多く、30%で頭部顔面、腹部の外
傷、27%で虐待継続兆候に該当し、7%で通告者が暴力を目撃、保護者と話し合いが困
難な場合があり、過去事例の5.2%にみられるパターンであることが理解される。利用
者は、過去のケース記録を確認することで、ケースがどのように変化するかのヒントを得
ることができる。
【0050】
利用者は、上記リスクアセス評価結果を参照し、また、他に登録された調査情報、写真
情報、及びチャットコミュニケーションを介して入力された情報を基に、子どもの一時保
護要否の判断を行うことができる。
【0051】
上記児童相談所に関する業務支援に関するアプリケーションについて説明したが、本実施
形態を、児童相談業務以外の業務に適用することもできる。
図15は、本発明の第一実施
形態に係る、業務支援方法に係るアプリケーションの開発のための概念を説明する図であ
る。本実施形態のように、現場ドメイン知識よる課題設定(例えば、児童相談所内外にお
けるタイムリーな状況共有等)に基づき、必要なデータを収集するシステムを開発し(例
えば、子どもの基本情報、リスクアセス評価のために必要な情報等を収集するシステム)
、収集したデータに基づき機械学習等によりデータを解析し(例えば、収集したデータに
基づきリスクアセス評価を行い)、解析結果を利用者に提示することで業務支援を行う(
例えば、リスクアセス評価結果を表示することで、利用者に子どもの一時保護要否の判断
を支援する)ことができる。利用者は、提示された解析結果に関する正否についてフィー
ドバックを行うことで、当初設定した現場における課題を見直し、さらなるアプリケーシ
ョン開発につなぐことができる。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、利用者は、児童相談所内外から児童の状況に関する
情報をタイムリーに参照することができ、また、リスクアセス評価結果等を参照すること
で、児童の一時保護要否判断を迅速かつ適切に行うことができる。
【0053】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施す
ることが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。こ
れらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求
の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1 業務支援システム 100 サーバ端末、110 通信部、120 記憶部、130
制御部、200 利用者端末、300 児童相談記録システム、NW ネットワーク