(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098747
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】スロット台固定装置およびスロット台固定方法
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230704BHJP
F16H 19/02 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
A63F5/04 680
F16H19/02 N
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215361
(22)【出願日】2021-12-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】522003279
【氏名又は名称】荒野 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】荒野 淳一郎
【テーマコード(参考)】
2C182
3J062
【Fターム(参考)】
2C182EB20
3J062AB12
3J062AC08
3J062BA11
3J062CA06
(57)【要約】
【課題】島枠に対してスロット台を簡単に取り付け取り外しすることができ、取り付け取り外し時の作業スペースも小さくできるスロット台固定装置およびスロット台固定方法を提供する。
【解決手段】島枠3に固定され、スロット台2の一面を押圧可能な押圧部11を有する押圧装置10と、押圧装置10に対し、押圧装置10の押圧部11による押圧方向に関し、スロット台2の長さに押圧部11による押圧に必要な長さを加えた長さを隔てて島枠3に固定され、押圧部11で押圧されたスロット台2の一面と反対側の面を受ける受け部材20とを備え、押圧装置10は、押圧部11を常時押圧方向に付勢する付勢部材12と、圧縮空気導入時に、付勢部材12の付勢力に抗して、押圧部11を押圧方向と逆方向に退避させるエアシリンダ13を有する退避機構19とを備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
島枠(3)に挿入されたスロット台(2)を固定するスロット台固定装置であって、
島枠(3)に固定され、前記スロット台(2)の一面を押圧可能な押圧部(11)を有する押圧装置(10)と、
この押圧装置(10)に対し、該押圧装置(10)の押圧部(11)による押圧方向に関し、スロット台(2)の長さに前記押圧部(11)による押圧に必要な長さを加えた長さを隔てて前記島枠(3)に固定され、前記押圧部(11)で押圧されたスロット台(2)の前記一面と反対側の面を受ける受け部材(20)と、を備え、
前記押圧装置(10)は、
前記押圧部(11)を常時押圧方向に付勢する付勢部材(12)と、
圧縮空気導入時に、前記付勢部材(12)の付勢力に抗して、押圧部(11)を押圧方向と逆方向に退避させるエアシリンダ(13)を有する退避機構(19)と、
を備えていることを特徴とするスロット台固定装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記退避機構(19)は、
フレーム(10f)と、
このフレーム(10f)に両端が固定され、中間部分(15c)が、前記押圧部(11)に当接して押圧力を付与するベルト(15)と、
前記両端のうちいずれかの端部と前記中間部分(15c)との間に設けられたテンションローラ(15t)とを備え、
前記付勢部材(12)は、前記テンションローラ(15t)を、ベルト(15)の張り方向に付勢し、
前記エアシリンダ(13)は、圧縮空気導入時に、前記テンションローラ(15t)を、ベルト(15)の緩み側に移動させることを特徴とするスロット台固定装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記受け部材(20)は、スロット台(2)における、受け部材(20)との対向面の一端側と他端側とをそれぞれ受ける受部を有し、これら受部には、受け面の面積が300平方cm以上、410平方cm未満の滑り止めシートがそれぞれ設けられていることを特徴とするスロット台固定装置。
【請求項4】
島枠にスロット台を固定するスロット台固定方法であって、以下の工程を含むことを特徴とするスロット台2固定方法。
(1)島枠に、請求項1記載の押圧装置(10)と受け部材(20)とを取り付ける工程
(2)押圧装置(10)のエアシリンダ(13)に圧縮空気を供給しエアシリンダ(13)を作動させて押圧部(11)を押圧方向と逆方向に退避させ、島枠において押圧装置(10)と受け部材(20)との間にスロット台(2)を入れるスペース(S)を確保する工程
(3)島枠において、工程(2)で確保したスペース(S)にスロット台(2)を入れる工程
(4)押圧装置(10)のエアシリンダ(13)から空気を抜いて押圧部(11)を押圧方向へ移動させ押圧部(11)と受け部材(20)との間でスロット台(2)を挟圧して島枠に固定する工程
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロット台固定装置に関するものである。より詳しくは、島枠に対してスロット台(回胴式遊技機)を簡単に取り付け取り外しすることのできるスロット台固定装置およびスロット台固定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、
「パチスロ台が島枠に簡単かつ確実に固定できるパチスロ台取付装置を提供する」ことを課題とし、
「島枠の上板に取り付けられる長尺アーム(21)と、長尺アーム(21)の一端に設けられ、パチスロ台の一側面に当接する係止部(22)と、長尺アーム(21)の他端に設けられ、パチスロ台の他側面を係止部(22)の方向に押圧する押圧部(23)と、からなり、パチスロ台の上部を左右方向に挟み込む上部固定金具と、島枠の下板に取り付けられる長尺アーム(41)と、長尺アーム(41)の一端に設けられ、パチスロ台の一側面に当接する係止部(42)と、長尺アーム(41)の他端に設けられ、パチスロ台の他側面を係止部(42)の方向に押圧する押圧部(43)と、からなり、パチスロ台の下部を左右方向に挟み込む下部固定金具と、が備えられ、前記押圧部(23)と前記押圧部(43)が、島枠の上部外側から操作される」パチスロ台取付装置が知られている(同文献要約欄)
【0003】
同文献0014段落には、
「本発明によるパチスロ台取付装置によれば、(1)上部固定金具と下部固定金具の2つの金具で、パチスロ台の上下を左右方向に挟み込むので、パチスロ台を簡単かつ確実に固定できる。(2)パチスロ台を固定する時の反力は、長尺アームの長手方向にかかるので、上板や下板には上下方向の荷重がかからない。上下方向に押さえ込むものではないので、上板が浮き上がることはない。(3)押圧部の押圧を解除すれば、パチスロ台を容易に取り出せるので、着脱自在にできる。(4)金具で挟み込んで、ビスで固定するものではないので、パチスロ台の入れ替えが頻繁に行われても、島枠の上板と下板が傷まない。(5)上部固定金具と下部固定金具の各押圧部は、島枠の上部外側から操作できる。パチスロ台の内部に入り込んでの作業がない。(6)下部固定金具でパチスロ台の下部を最初に固定し、次に上部固定金具でパチスロ台の上部を固定する2段階で行なうことができ、パチスロ台の出面(でずら)を他のパチスロ台と整合させることが容易である。」と記載されている。
【0004】
しかし、このパチスロ台取付装置では、押圧部(23)と押圧部(43)とを操作する必要があり、その操作は、同文献0029段落に記載の通り、第1工具(例えばメスのレンチ)第1駆動軸31を回動させ、第2工具(例えばオスのレンチ)で第2駆動軸51を回動させることで行われる。
【0005】
このパチスロ台取付装置によれば、同文献0003段落記載のような従来のビスによる取り付けに比べれば、パチスロ台を容易に取り付け取り外しすることが可能ではある。
しかしながら、上記のような第1,第2工具による操作が必要とされるから、依然としてパチスロ台を簡単に取り付け取り外しできるものであるとは言い得ない。
また、第1,第2工具による操作のための作業スペースも必要とされる。
【0006】
なお、特許文献2や特許文献3に見られるように、ハンドルを回動させることで、スロット台を容易に固定できるようにした技術も知られている
【0007】
しかしこれらの技術では、ハンドルを回動させるためのスペースが必要になるという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5785344号公報
【特許文献2】実用新案登録第3197654号公報
【特許文献3】実用新案登録第3199067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、島枠に対してスロット台を簡単に取り付け取り外しすることができ、取り付け取り外し時の作業スペースも小さくできるスロット台固定装置およびスロット台固定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明のスロット台固定装置は、
島枠に挿入されたスロット台を固定するスロット台固定装置であって、
島枠に固定され、前記スロット台の一面を押圧可能な押圧部を有する押圧装置と、
この押圧装置に対し、該押圧装置の押圧部による押圧方向に関し、スロット台の長さに前記押圧部による押圧に必要な長さを加えた長さを隔てて前記島枠に固定され、前記押圧部で押圧されたスロット台の前記一面と反対側の面を受ける受け部材と、を備え、
前記押圧装置は、
前記押圧部を常時押圧方向に付勢する付勢部材と、
圧縮空気導入時に、前記付勢部材の付勢力に抗して、押圧部を押圧方向と逆方向に退避させるエアシリンダを有する退避機構と、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
このスロット台固定装置は、上記の構成となっているので、例えば次のようにして使用することができ、所望の作用効果を得ることができる。
島枠に、予め、押圧装置と受け部材とを取り付けておく。例えば、設置(固定)すべきスロット台の、左面側に押圧装置を、右面側に受け部材とを取り付けておく。
次いで、押圧装置のエアシリンダに圧縮空気を供給し(導入し)エアシリンダを作動させて押圧部を付勢部材に抗して押圧方向と逆方向に退避させ、島枠において押圧装置と受け部材との間にスロット台を入れるスペースを確保しておく。
そして、そのスペースにスロット台を入れる。
その後、押圧装置のエアシリンダから空気を抜くと、付勢部材による付勢力で押圧部が押圧方向へ移動するので、押圧部と受け部材との間でスロット台を挟圧して島枠に固定することができる。
ここで、エアシリンダから空気を抜くことは容易に行うことができる。例えば、エアシリンダへの圧縮空気を逆止弁(一方弁)を介して供給しておけば、その逆止弁を開放するだけで空気を抜くことができるので、容易にスロット台を固定することができる。
また、逆止弁を開放する操作は、例えば細い棒体で逆止弁の弁体を押し込むこと等によって行うことができるので、固定時の操作に大きな作業スペースを必要としない。
また、取り外し時には、再びエアシリンダに圧縮空気を供給するだけで、スロット台に対する挟圧状態を解除して取り外しスペースを確保することができるので、簡単に取り外すことができる。
以上のように、このスロット台固定装置によれば、島枠に対してスロット台を簡単に取り付け取り外しすることができ、取り付け取り外し時の作業スペースも小さくできる。
【0012】
このスロット台固定装置においては、
前記退避機構は、
フレームと、
このフレームに両端が固定され、中間部分が、前記押圧部に当接して押圧力を付与するベルトと、
前記両端のうちいずれかの端部と前記中間部分との間に設けられたテンションローラとを備え、
前記付勢部材は、前記テンションローラを、ベルトの張り方向に付勢し、
前記エアシリンダは、圧縮空気導入時に、前記テンションローラを、ベルトの緩み側に移動させる構成とすることができる。
【0013】
このように構成すると、シリンダの長手方向と、テンションローラの移動方向と、テンションローラに巻き掛けられるベルトの部位の方向を同じにでき、シリンダの長手方向に伸びる空間を退避機構を構成する空間として利用できるので、小さな幅に退避機構を設けることが可能となる。
【0014】
このスロット台固定装置においては、
前記受け部材は、スロット台における、受け部材との対向面の一端側と他端側とをそれぞれ受ける受部を有し、これら受部には、受け面の面積が300平方cm以上、410平方cm未満の滑り止めシートがそれぞれ設けられている構成とすることができる。
【0015】
このように構成すると、島枠に固定されて遊技に供されたスロット台の扉が開閉されることによるスロット台のズレを防止することができる。
前記受部をなす滑り止めシートの受け面の面積が300平方cm未満であると、スロット台の扉が開閉されることでずれが生じ、逆に410平方cm以上であると適所に貼るのが困難になるしシートが無駄になりやすいという難点が生じるが、受け面の面積が300平方cm以上、410平方cm未満とすることにより、シートを有効に利用してズレを防止することができる。
【0016】
また上記課題を解決するために本発明のスロット台固定方法は、
島枠にスロット台を固定するスロット台固定方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする。
(1)島枠に、請求項1記載の押圧装置と受け部材とを取り付ける工程
(2)押圧装置のエアシリンダに圧縮空気を供給しエアシリンダを作動させて押圧部を押圧方向と逆方向に退避させ、島枠において押圧装置と受け部材との間にスロット台を入れるスペースを確保する工程
(3)島枠において、工程(2)で確保したスペースにスロット台を入れる工程
(4)押圧装置のエアシリンダから空気を抜いて押圧部を押圧方向へ移動させ押圧部と受け部材との間でスロット台を挟圧して島枠に固定する工程
【0017】
このスロット台固定方法によれば、上述したように、島枠に対してスロット台を簡単に取り付け取り外しすることができ、取り付け取り外し時の作業スペースも小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るスロット台固定装置ないしスロットル台固定方法の実施の形態を示す図で(a)~(d)は使用状態説明図。
【
図2】押圧装置10を示す図で(a)は正面図、(b)は右側面図。
【
図3】押圧装置10を示す図で(a)は左側面図、(b)は断面位置を示すための正面図。
【
図4】受け部材20を示す図で、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は図(b)の平面図、(d)は図(b)におけるd-d断面図、(e)は図(b)におけるe-e断面図。
【
図7】(a)は
図3(b)におけるA矢視図、(b)は
図3(b)におけるB-B断面図、(c)は
図3(b)におけるC-C断面図、(f)は
図3(b)におけるF-F断面図、(g)は
図3(b)におけるG-G断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るスロット台固定装置ないしスロットル台固定方法の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0020】
図1および
図2~
図4に示すように、この実施の形態のスロット台固定装置1は、
島枠3に挿入されたスロット台2を固定するスロット台固定装置であって、
島枠3に固定され、スロット台2の一面2s1を押圧可能な押圧部11を有する押圧装置10と、
この押圧装置10に対し、該押圧装置10の押圧部11による押圧方向(
図1では矢印X1方向)に関し、スロット台2の長さL1に押圧部11による押圧に必要な長さL2を加えた長さ(L1+L2)を隔てて島枠3に固定され、押圧部11で押圧されたスロット台2の前記一面2s1と反対側の面2s2を受ける受け部材20と、を備えている。
【0021】
押圧装置10は、
押圧部11を常時押圧方向に付勢する付勢部材12(
図2,
図3)と、
圧縮空気導入時に、付勢部材12の付勢力に抗して、押圧部11を押圧方向と逆方向(
図1では矢印X2方向)に退避させるエアシリンダ13を有する退避機構19と、
を備えている。
【0022】
このスロット台固定装置1は、上記の構成となっているので、例えば次のようにして使用することができ、所望の作用効果を得ることができる。
【0023】
島枠3に、予め、押圧装置10と受け部材とを取り付けておく。例えば、
図1(b)に示すように、設置(固定)すべきスロット台2(
図1(a)(d)参照)の、左面側に押圧装置10を、右面側に受け部材20を取り付けておく。
【0024】
次いで、押圧装置10のエアシリンダ13に圧縮空気を供給し(導入し)エアシリンダ13を作動させて、
図1(c)に示すように、押圧部11を付勢部材12に抗して押圧方向と逆方向(矢印X2方向)に退避させ、島枠3において押圧装置10と受け部材20との間にスロット台2を入れるスペースS(S>L1+L2)を確保しておく。
【0025】
そして、
図1(d)に示すように、そのスペースSにスロット台2を入れる。
【0026】
その後、押圧装置10のエアシリンダ13から空気を抜くと、付勢部材12による付勢力で押圧部11が押圧方向(矢印X1方向)へ移動するので、押圧部11と受け部材20との間でスロット台2を挟圧して、
図1(a)で示したように島枠3に固定することができる。
【0027】
ここで、エアシリンダ13から空気を抜くことは容易に行うことができる。例えば、後述するように、エアシリンダ13への圧縮空気を逆止弁(一方弁)14を介して供給しておけば、その逆止弁14を開放するだけで空気を抜くことができるので、容易にスロット台2を固定することができる。
【0028】
また、逆止弁14を開放する操作は、例えば細い棒体で逆止弁14の弁体を押し込むこと等によって行うことができるので、固定時の操作に大きな作業スペースを必要としない。
また、取り外し時には、再びエアシリンダ13に圧縮空気を供給するだけで、スロット台2に対する挟圧状態を解除して取り外しスペースSを確保することができるので、簡単に取り外すことができる。
【0029】
以上のように、このスロット台固定装置によれば、島枠3に対してスロット台2を簡単に取り付け取り外しすることができ、取り付け取り外し時の作業スペースも小さくできる。
【0030】
また、以上から明らかなように、この実施の形態のスロット台固定方法は、島枠3にスロット台2を固定するスロット台2固定方法であって、以下の工程を含むことを特徴とするものである。
(1)島枠3に、押圧装置10と受け部材20とを取り付ける工程(
図1(b))
(2)押圧装置10のエアシリンダ13に圧縮空気を供給しエアシリンダ13を作動させて押圧部11を押圧方向と逆方向に退避させ、島枠3において押圧装置10と受け部材20との間にスロット台2を入れるスペースSを確保する工程(
図1(c))
(3)島枠3において、工程(2)で確保したスペースSにスロット台2を入れる工程(
図1(d))
(4)押圧装置10のエアシリンダ13から空気を抜いて押圧部11を押圧方向へ移動させ押圧部11と受け部材20との間でスロット台2を挟圧して島枠3に固定する工程(
図1(a))
【0031】
このスロット台固定方法によれば、島枠3に対してスロット台2を簡単に取り付け取り外しすることができ、取り付け取り外し時の作業スペースも小さくできる。
【0032】
図2,
図3に示すように、退避機構19は、
フレーム(押圧装置10のフレームでもある)10fと、
このフレーム10fに両端15b1,15b2が固定され、中間部分15cが、押圧部11に当接して押圧力F(
図6参照)を付与するベルト15と、
両端15b1,15b2のうち一方の端部15b2と中間部分15cとの間に設けられたテンションローラ15tとを備えている。
【0033】
付勢部材12はこの実施の形態では圧縮ばねであり、テンションローラ15tを、ベルト15の張り方向に付勢し、
エアシリンダ13は、圧縮空気導入時に、テンションローラ15tを、ベルト15の緩み側(図では上方)に移動させる。
【0034】
すなわちこの実施の形態では、エアシリンダ13に圧縮空気が導入されるとテンションローラ15tが付勢部材12の付勢力に抗して上動し、ベルト15が弛んで押圧部11が(矢印X2方向に)退避し(あるいは退避可能となり)、エアシリンダ13から圧縮空気が抜かれると付勢部材12の付勢力でテンションローラ15tが下動し、ベルト15が張られて押圧部11が(矢印X1方向に)突出して
図2に実線で示す状態となる。
【0035】
このような退避機構19によれば、エアシリンダ13の長手方向(
図2では上下方向)と、テンションローラ15tの移動方向と、テンションローラに巻き掛けられるベルト15の部位の方向を同じにでき、シリンダ13の長手方向に伸びる空間を退避機構19を構成する空間として利用できるので、小さな幅に退避機構19を設けることが可能となる。
【0036】
この実施の形態では、ベルト15の両端はそれぞれピン15pでフレーム10fに固定され、ベルトの中間部は、軸でフレーム10fに回転可能に取り付けられた中間ローラ15r1,15r2と、前記テンションローラ15tと、押圧部11が有するテンション受けローラ11rとに巻き掛けられているが、その巻き掛け構造は、押圧部11の位置等に応じて適宜変更することが可能である。
【0037】
図3(b)に示すように、テンションローラ15tは、エアシリンダ13のロッド13rの先端に固定された側面視U字形の取付金具13dに軸13jで回転可能に取り付けられている。
取付金具13dの前後両側面には、バネ受け座13z、13zが固定されており、このバネ受け座13zと、フレーム10fに設けられたバネ受け座10zとの間に前述した付勢部材のしての圧縮ばね12が前後左右計4本張設されている。
【0038】
図5,
図6に示すように、この実施の形態の押圧部11は、フレーム10fに対し矢印X1,X2方向(左右方向)にスライド可能に設けられたスライダ11sと、このスライダ11sの先端部に設けられた押しつけ板11pと、スライダ11sを常時退避方向(矢印X2方向)に付勢している付勢部材(ここでは4本の引っ張りばね)11bとを備えている。
【0039】
スライダ11sに、前述したテンション受けローラ11rが軸11jで回転可能に取り付けられており、軸11jの両端部分が、フレーム10fに設けられた長穴10h(
図6)で案内されるとともに、スライダ11sの左右の外側面がフレーム10fの左右の内側面で案内され、スライダ11sの上下面がフレーム10fの案内部(案内片)10g、10gで案内されることで、スライダ11sはフレーム10fに対して出没可能である。
【0040】
図3(b)を参照して説明する。この実施の形態のエアシリンダ13は単動シリンダであり、エアホース13hを通じて圧縮空気を供給するとロッド13rが付勢部材12の付勢力に抗して突出し、テンションローラ15tを移動させベルト15を弛ませて押圧部11を退避させる。
【0041】
エアホース13hの先端には、逆止弁14が設けられており、その弁体(図示せず)をピン等で押し付けて開くことで、シリンダ13から圧縮空気が抜け、テンションローラ15tが付勢部材12で付勢されてベルト15が張り、その張力で押圧部11が突出する。
【0042】
逆止弁14は公知の逆止弁、例えば自動車のタイヤに空気を入れるための逆止弁で構成でき、したがって、圧縮空気の供給装置もタイヤに空気を入れるための公知の装置(例えば持ち運び可能な装置)を利用することができる。
【0043】
図4に示すように、受け部材20は、スロット台2における、受け部材20との対向面の一端側と他端側(この実施の形態では上端側と下端側)とをそれぞれ受ける受部21を有し、これら受部21には、受け面の面積が300平方cm以上、410平方cm未満の滑り止めシート21sがそれぞれ設けられている。
【0044】
このように構成すると、島枠3に固定されて遊技に供されたスロット台2の扉が開閉されることによるスロット台2のズレを防止することができる。
受部をなす滑り止めシート21sの受け面の面積が300平方cm未満であると、スロット台2の扉が開閉されることでずれが生じ、逆に410平方cm以上であると適所に貼るのが困難になるしシートが無駄になりやすいという難点が生じるが、受け面の面積が300平方cm以上、410平方cm未満とすることにより、シートを有効に利用してズレを防止することができる。
具体的には、滑り止めシート21sの受け面は、縦200mm×奥行き205mmとしてある。なお、縦150mm×奥行き200mmでテストした結果、スロット台2の扉の開閉で僅かなずれが生じた。これにより、受け面の面積は300平方cm以上とすることが望ましいことが分かった。
【0045】
受け部材20は、上下対称に分割したプレート22,22を、長穴23hを有するジョイント部材23で連結してある。
このように構成すると、受け部材20の長さを長穴の範囲で調整することが可能となる。
【0046】
図2に示すように、押圧装置10は、上部にアジャスタ16を備えている。このアジャスタ16によって、押圧装置10を島枠3に突っ張って固定する。また、このアジャスタ16によれば、経年劣化により下がった島枠3の上枠3Uを規定寸法に押し上げることもできる。
押圧装置10の下部は、取付座10Dで島枠3の下枠3Dに取り付ける。
なお、押圧装置10は、上部、下部の取付座10DDに差し込むようにしアジャスタ16で突っ張て固定することで、メンテナンス時における脱着作業性を上げることができる。
【0047】
図5,
図6に示すように、この実施の形態の押圧部11は、前述した押しつけ板11pとこの押し付け板11pの前面に取り付けたパッド(例えばゴム板)11gと、さらにこのパッド11gの前面に設けた滑り止めシート11psとを備えている。
【0048】
押しつけ板11pは、取り付けネジ11bを着脱することで、設置場所に合わせて
図2(b)に仮想線で示すように、90度取付角度を変えることができる。
【0049】
エアホース13hは柔軟性を有するホース(例えばビニールホース)であり、島内部を引き回すことが可能である。したがってまた、圧縮空気の出し入れ口(逆止弁14)の取付位置も自由に選ぶことができ、例えば、島の内部や、表面(例えばマチ板の前面等)適宜の場所に設置できる。
【0050】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。例えば、
【0051】
この実施の形態では、押圧部11はスロット台の側面を押圧して固定する構造(方法)としたが、スロット台の上面を下方に押圧して固定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、島枠3に向かって押圧装置10を左側に、受け部材20を右側に配置したが、左右対称、すなわち、押圧装置10を右側に、受け部材20を左側に配置してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1: スロット台固定装置
2: スロット台
3: 島枠
10: 押圧装置
11: 押圧部
12: 付勢部材
13: エアシリンダ
19: 退避機構
20: 受け部材