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特開2023-98788プログラム、ゲームシステム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098788
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】プログラム、ゲームシステム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/06 20060101AFI20230704BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20230704BHJP
   A63F 13/424 20140101ALI20230704BHJP
   G09B 7/02 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
G09B19/06
A63F13/55
A63F13/424
G09B7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215463
(22)【出願日】2021-12-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】520201064
【氏名又は名称】言語研究開発合同会社
(72)【発明者】
【氏名】西村 拓途
【テーマコード(参考)】
2C028
【Fターム(参考)】
2C028AA03
2C028BA01
2C028BA02
2C028BB01
2C028BC01
2C028BD01
(57)【要約】
【課題】ゲーム要素の伴う言語学習を可能とする技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、コンピュータに、次の各ステップを実行させる。ゲーム制御ステップでは、プレイヤキャラクタを操作して問題に解答可能なイベントを実行する。問題は、第1言語で示された単語又は熟語の第2言語を問う問題を含む。提示ステップでは、問題として指定された第1言語の単語又は熟語を提示する。表示制御ステップでは、問題の正答である単語又は熟語と紐付けられた第1オブジェクトと、問題の誤答である単語又は熟語と紐付けられた第2オブジェクトとを仮想空間上に出現させる。通知ステップでは、プレイヤキャラクタが第1オブジェクトに対して所定のアクションを実行した場合、問題に正解したことをプレイヤに通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムであって、
コンピュータに、次の各ステップを実行させ、
ゲーム制御ステップでは、プレイヤキャラクタを操作して問題に解答可能なイベントを実行し、
前記問題は、第1言語で示された単語又は熟語の第2言語を問う問題を含み、
提示ステップでは、問題として指定された第1言語の単語又は熟語を提示し、
表示制御ステップでは、前記問題の正答である単語又は熟語と紐付けられた第1オブジェクトと、前記問題の誤答である単語又は熟語と紐付けられた第2オブジェクトとを仮想空間上に出現させ、
通知ステップでは、前記プレイヤキャラクタが前記第1オブジェクトに対して所定のアクションを実行した場合、前記問題に正解したことをプレイヤに通知する、
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータに、受付ステップをさらに実行させ、
前記受付ステップでは、前記イベント中に第2言語で示される前記単語又は熟語の音声情報又は文字情報を受け付け、
前記表示制御ステップでは、前記音声情報または前記文字情報が所定の条件を満たした場合、前記第1オブジェクト又は前記第2オブジェクトの挙動を変化させる、
プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のゲームプログラムにおいて、
前記所定の条件は、前記音声情報に含まれる前記単語又は熟語の発音が正しい発音であると判定されることと、前記文字情報に含まれる前記単語又は熟語のスペルがことのうち少なくとも1つである、
プログラム。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載のゲームプログラムにおいて、
前記表示制御ステップでは、前記問題の正答である単語の類義語又は前記熟語と近い意味を示す熟語と紐付けられた第3オブジェクトを出現させ、
前記通知ステップでは、前記プレイヤキャラクタが前記第3オブジェクトに対して所定のアクションを実行した場合、前記プレイヤによる解答が正解に近いことを認識可能に通知する、
プログラム。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載のゲームプログラムにおいて、
前記表示制御ステップでは、前記問題の正答である単語の類義語又は前記熟語と近い意味を示す熟語と紐付けられた第3オブジェクトを出現させ、
前記通知ステップでは、前記プレイヤキャラクタが前記第3オブジェクトに対して所定のアクションを実行した場合、前記仮想空間における前記第1オブジェクトの位置を示唆する情報を通知する、
プログラム。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載のゲームプログラムにおいて、
前記表示制御ステップでは、前記第1オブジェクトまたは前記第2オブジェクトの表示態様を、各オブジェクトと紐付けられた単語の意味に対応する表示態様で表示させる、
プログラム。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載のゲームプログラムにおいて、
前記提示ステップでは、前記問題として指定された単語又は熟語を音声により提示し、
前記音声は、前記イベント中に複数回出力され、
前記通知ステップでは、前記プレイヤキャラクタが前記第1オブジェクトに接近した場合、前記音声の音量を増大させる、
プログラム。
【請求項8】
ゲームシステムであって、
請求項1~請求項7の何れか1つに記載のゲームプログラムの各ステップを実行するように構成される、
もの。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
請求項1~請求項7の何れか1つに記載のゲームプログラムの各ステップを備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、ゲームシステム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、言語学習を支援する技術が開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術は、問題の提示と解答を単に繰り返す技術にすぎず、言語学習が学習者にとって退屈なものになりやすいという問題があった。
【0004】
本発明では上記事情を鑑み、ゲーム要素の伴う言語学習を可能とする技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一態様によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、コンピュータに、次の各ステップを実行させる。ゲーム制御ステップでは、プレイヤキャラクタを操作して問題に解答可能なイベントを実行する。問題は、第1言語で示された単語又は熟語の第2言語を問う問題を含む。提示ステップでは、問題として指定された第1言語の単語又は熟語を提示する。表示制御ステップでは、問題の正答である単語又は熟語と紐付けられた第1オブジェクトと、問題の誤答である単語又は熟語と紐付けられた第2オブジェクトとを仮想空間上に出現させる。通知ステップでは、プレイヤキャラクタが第1オブジェクトに対して所定のアクションを実行した場合、問題に正解したことをプレイヤに通知する。
【0006】
本開示によれば、ゲーム要素の伴う言語学習を可能とする技術を提供する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ゲームシステム1の全体構成を示す図である。
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
図4】参考図である。
図5】参考図である。
図6】参考図である。
図7】参考図である。
図8】参考図である。
図9】参考図である。
図10】参考図である。
図11】参考図である。
図12】参考図である。
図13】参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係るゲームシステム1のハードウェア構成について説明する。図1は、ゲームシステム1の全体構成を示す図である。
【0013】
1.1 ゲームシステム1
ゲームシステム1は、プレイヤ端末2と、情報処理装置3とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成される。これらの構成要素についてさらに説明する。
【0014】
1.2 プレイヤ端末2
プレイヤ端末2は、言語学習をするプレイヤが操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0015】
プレイヤ端末2は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素がプレイヤ端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。
【0016】
表示部は、例えば、プレイヤ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、現物アートの所有者が操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、プレイヤ端末2の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部は、プレイヤ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0017】
入力部は、プレイヤ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、現物アートの所有者は、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部が、現物アートの所有者によってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部に転送され、制御部が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0018】
通信部、記憶部及び制御部は、情報処理装置3と略同様のハードウェア構成を備える。次に説明する情報処理装置3における通信部31、記憶部32及び制御部33の記載を参照されたい。
【0019】
1.3 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33を備え、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0020】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0021】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0022】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部(図3参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0023】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。図3は、情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。前述の通り、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0024】
具体的には、情報処理装置3(制御部33)は、各機能部として、受付部331と、ゲーム制御部332と、問題提示部333と、表示制御部334と、通知部335とを備える。
【0025】
受付部331は、受付ステップを実行可能に構成される。具体的には、受付部331は、通信部31又は記憶部32を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部331は、プレイヤ端末2からネットワーク及び通信部31を介して種々の情報を受け付けるように構成される。本実施形態では、受付部331が受け付けた種々の情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。特に、受付部331は、プレイヤ端末2から音声情報及び文字情報を受け付ける。
【0026】
ゲーム制御部332は、ゲーム制御ステップを実行可能に構成される。具体的には、ゲーム制御部332は、プレイヤに問題の解答を求めるゲームイベントを実行させる。
【0027】
問題提示部333は、問題提示ステップを実行可能に構成される。具体的には、問題提示部333は、プレイヤに対してゲームステージごとに問題を提示する。
【0028】
表示制御部334は、記憶部32に記憶された種々の情報又はこれらを含む画面等を、プレイヤ端末2で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部334は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、プレイヤ端末2の表示部に表示させるように制御する。表示制御部334は、視覚情報をプレイヤ端末2に表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。特に表示制御部334は、プレイヤキャラクタCに加え、第1オブジェクト41、第2オブジェクト42及び第3オブジェクト43(各々を区別しない場合、オブジェクト4と呼ぶ)を仮想空間上に表示させる。
【0029】
通知部335は、通知ステップを実行可能に構成される。具体的には、通知部335は、プレイヤ端末2に種々の情報を通知する。
【0030】
3.情報処理方法
【0031】
本節では、前述したゲームシステム1の情報処理方法について説明する。なお、図4図13は、参考図である。プログラムは、コンピュータに、次の各ステップを実行させる。なお、記憶部32は、プレイヤに提示する各問題の正答、誤答、類義語、に係るデータベース形式で記憶しているものとする。
【0032】
ゲーム制御部332は、プレイヤキャラクタを操作して問題に解答可能なイベントを実行する。
問題は、第1言語で示された単語又は熟語の第2言語を問う問題を含む。第1言語及び第2言語は特に限られないが、例えば、英語、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、ポルトガル語、ヒンドゥー語、アラビア語等である。第1言語と第2言語は、異なる言語が組み合わせられる。第1言語が日本語である場合、第2言語は英語等の外国語である。また、第1言語が外国語である場合、第1言語は日本語である。本実施形態では、英語を例に説明している。
【0033】
まず、問題提示部333は、問題として指定された第1言語の単語又は熟語を提示する。
【0034】
好ましくは、問題提示部333は、問題として指定された単語又は熟語を音声により提示してもよい。好ましくは、音声は、イベント中に複数回出力される。
【0035】
好ましくは、表示制御部334は、問題の正答である単語又は熟語と紐付けられた第1オブジェクト41と、問題の誤答である単語又は熟語と紐付けられた第2オブジェクト42とを仮想空間上に出現させる。第1オブジェクト41及び第2オブジェクト42の例は、参考図を参照されたい。
【0036】
好ましくは、表示制御部334は、第1オブジェクト41または第2オブジェクト42の表示態様を、各オブジェクトと紐付けられた単語の意味に対応する表示態様で表示させる。単語や熟語の意味を表す第1オブジェクト41が仮想空間上に配置される。オブジェクト4は、物であってもよいし、動くキャラクタであってもよい。具体的には、オブジェクト4と紐付けられた単語等の意味が物体である場合、その物の形を示す。オブジェクト4と紐付けられた単語等の意味が街や場所である場合、仮想空間上に形成されたその領域全体を示してもよい。
【0037】
第1オブジェクト41は、前記プレイヤキャラクタから離れる方向に移動し、第2オブジェクト42は、プレイヤキャラクタに近づく方向で移動する。すなわち、問題の正答でありプレイヤにとってのターゲットである第1オブジェクト41は、プレイヤキャラクタCから逃げ、誤答である第2オブジェクト42はプレイヤキャラクタCを襲ってくることとなる。
【0038】
そして、通知部335は、プレイヤキャラクタが第1オブジェクト41に対して所定のアクションを実行した場合、問題に正解したことをプレイヤに通知する。所定のアクションとは、プレイヤキャラクタが第1オブジェクトに接触することを含む。また、アクションとはとは、プレイヤキャラクタが第1キャラクタに攻撃することを含む。すなわち、プレイヤは、第1オブジェクトに接触または攻撃することで、問題に解答する。
【0039】
問題の解答が目に見える物で表されるある場合、その物に接触すればゲームクリアとなる。解答が概念を示す単語である場合、その概念を象徴する場所や人に接触すればゲームクリアとなる。例えば、日本なら、日本であると思われる場所に行けばゲームクリアとなる。問題が動作を示す単語であれば、その動作を実行すればゲームクリアとなる。
【0040】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームシステム1は、次の各構成要素を備える。ゲーム制御部332は、プレイヤキャラクタを操作して問題に解答可能なイベントを実行する。問題は、第1言語で示された単語又は熟語の第2言語を問う問題を含む。問題提示部333は、問題として指定された第1言語の単語又は熟語を提示する。表示制御部334は、問題の正答である単語又は熟語と紐付けられた第1オブジェクト41と、問題の誤答である単語又は熟語と紐付けられた第2オブジェクト42とを仮想空間上に出現させる。通知部335は、プレイヤキャラクタが第1オブジェクト41に対して所定のアクションを実行した場合、問題に正解したことをプレイヤに通知する。
【0041】
また、別の態様によれば、本実施形態の情報処理装置3が実行する情報処理方法は、ゲームプログラムの各ステップを備える。具体的には、ゲーム制御ステップでは、プレイヤキャラクタを操作して問題に解答可能なイベントを実行する。問題は、第1言語で示された単語又は熟語の第2言語を問う問題を含む。問題提示部ステップでは、問題として指定された第1言語の単語又は熟語を提示する。表示制御ステップでは、問題の正答である単語又は熟語と紐付けられた第1オブジェクト41と、問題の誤答である単語又は熟語と紐付けられた第2オブジェクト42とを仮想空間上に出現させる。通知部ステップでは、プレイヤキャラクタが第1オブジェクト41に対して所定のアクションを実行した場合、問題に正解したことをプレイヤに通知する。
【0042】
このような態様によれば、問題が提示されたプレイヤは、問題の正答を示す第1オブジェクト41を追いかけ、第1オブジェクト41に接触することでゲームクリアとなる鬼ごっこゲームが実行される。その結果、ゲーム要素の伴う言語学習を可能となる。
【0043】
4.変形例
第4節では、前述したゲームシステム1の情報処理方法の変形例について説明する。ゲームシステム1は、以下の構成を含む態様で提供されてもよい。
【0044】
受付部331は、イベント中に第2言語で示される単語又は熟語の音声情報又は文字情報を受け付ける。
【0045】
好ましくは、表示制御部334は、音声情報または文字情報が所定の条件を満たした場合、第1オブジェクト41又は第2オブジェクト42の挙動を変化させる。ここで、所定の条件は、音声情報に含まれる単語又は熟語の発音が正しい発音であると判定されることと、文字情報に含まれる単語又は熟語のスペルがことのうち少なくとも1つである。
【0046】
好ましくは、表示制御部334は、問題の正答である単語の類義語又は熟語と近い意味を示す熟語と紐付けられた第3オブジェクト43を出現させる。
【0047】
好ましくは、通知部335は、プレイヤキャラクタが第3オブジェクト43に対して所定のアクションを実行した場合、プレイヤによる解答が正解に近いことを認識可能に通知する。
【0048】
好ましくは、表示制御部334は、問題の正答である単語の類義語又は熟語と近い意味を示す熟語と紐付けられた第3オブジェクト43を出現させる。
【0049】
好ましくは、通知部335は、プレイヤキャラクタが第3オブジェクト43に対して所定のアクションを実行した場合、仮想空間における第1オブジェクト41の位置を示唆する情報を通知する。
【0050】
好ましくは、通知部335は、プレイヤキャラクタが第1オブジェクト41に接近した場合、音声の音量を増大させる。
【0051】
<1>本実施形態において、イベントのステージには制限時間が設けられてもよい。例えば、制限時間を超えるとゲームステージ(ゲームイベント)自体がゲームオーバーとなる。例えば、新たなエネミーが追加される。
【0052】
プレイヤの標的(ターゲット)である第1オブジェクト41、プレイヤキャラクタCが接触するとゲームオーバーになったりプレイヤキャラクタCがダメージを受けるエネミーである第2オブジェクト42、プレイヤキャラクタCそれぞれに制限時間が設けられてもよい。例えば、ターゲットやプレイヤキャラクタCがエネミー化する。具体的には、誤答である英単語を示す第2オブジェクト42(エネミー)が狂暴化して襲ってきてもよい。エネミーが強大化してもよい。
【0053】
<2>本実施形態において、オブジェクト4やプレイヤキャラクタCの属性が変化してもよい。第1オブジェクト41が第2オブジェクト42に変化したり、第2オブジェクト42が第1オブジェクト41に変化してもよい。また、第2オブジェクト42がプレイヤキャラクタCに変化したり、プレイヤキャラクタCが第2オブジェクト42に変化してもよい。プレイヤキャラクタCが第1オブジェクト41に変化したり、第1オブジェクト41がプレイヤキャラクタCに変化してもよい。このように、第1オブジェクト41やプレイヤキャラクタCがエネミー化してもよい。
【0054】
「XXという属性のもの」がターゲットとなるのか、エネミーとなるのか、プレイヤキャラクタCとなるのかについては、状況によって異なる。例えば、「dog」という属性のものがターゲットとなる可能性も、エネミーとなる可能性も、プレイヤキャラクタCとなる可能性もある。
【0055】
<3>問題となった訳や意味などが対応するものから逃げてプレイヤキャラクタCが接触されないようにことで、ゲームクリアとなる場合があってもよい。例えば、以下のように第2オブジェクト42とプレイヤキャラクタCの訳が対応する場合、プレイヤキャラクタCはエネミーである第2オブジェクト42から逃げる必要がある。エネミーである第2オブジェクト42が「dog」であり、プレイヤキャラクタCが「犬」である場合、プレイヤキャラクタCはエネミーである第2オブジェクト42から逃げる必要がある。万が一、エネミー「dog」に接触等受けた場合、通常のエネミーから受ける以上の大ダメージか、即ゲームオーバーとなる。
【0056】
<4>第1オブジェクト41、第2オブジェクト42、プレイヤキャラクタCそれぞれが捕食関係にあってもよい。本実施形態における捕食とは、相手を破壊して自身の何らかの属性を変化させることである。例えば、エネミー「水」がターゲットである「砂糖」を捕食することにより、エネミーが「砂糖水」に変化してもよい。
【0057】
<5>同じ役割同士の共食いが可能であってもよい。例えば、「ターゲット同士の共食い」「エネミー同士の共食い」「プレイヤキャラクタC同士の共食い」が起こり得る。例えば、ターゲットである「ゴジラ」がターゲットである「メカ」を捕食してエネミー「メカゴジラ」に変化する。
5.その他
本実施形態に係るゲームシステム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0058】
(1)情報処理装置3には、本実施形態における各機能を実現するプログラムが予めインストールされていてもよいし、コンピュータにこれをインストールして事後的に情報処理装置3として機能するように実施してもよい。
【0059】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0060】
(2)前記ゲームプログラムにおいて、前記コンピュータに、受付ステップをさらに実行させ、前記受付ステップでは、前記イベント中に第2言語で示される前記単語又は熟語の音声情報又は文字情報を受け付け、前記表示制御ステップでは、前記音声情報または前記文字情報が所定の条件を満たした場合、前記第1オブジェクト又は前記第2オブジェクトの挙動を変化させる、プログラム。
【0061】
(3)前記ゲームプログラムにおいて、前記所定の条件は、前記音声情報に含まれる前記単語又は熟語の発音が正しい発音であると判定されることと、前記文字情報に含まれる前記単語又は熟語のスペルがことのうち少なくとも1つである、プログラム。
【0062】
このような態様によれば、プレイヤは、自身の解答が正しいことを実感しながらゲーム感覚で言語学習することができる。
【0063】
(4)前記ゲームプログラムにおいて、前記表示制御ステップでは、前記問題の正答である単語の類義語又は前記熟語と近い意味を示す熟語と紐付けられた第3オブジェクトを出現させ、前記通知ステップでは、前記プレイヤキャラクタが前記第3オブジェクトに対して所定のアクションを実行した場合、前記プレイヤによる解答が正解に近いことを認識可能に通知する、プログラム。
【0064】
このような態様によれば、プレイヤは、自身の解答が問題の正答に近いことを実感しながらゲーム感覚で言語学習することができる。
【0065】
(5)前記ゲームプログラムにおいて、前記表示制御ステップでは、前記問題の正答である単語の類義語又は前記熟語と近い意味を示す熟語と紐付けられた第3オブジェクトを出現させ、前記通知ステップでは、前記プレイヤキャラクタが前記第3オブジェクトに対して所定のアクションを実行した場合、前記仮想空間における前記第1オブジェクトの位置を示唆する情報を通知する、プログラム。
【0066】
(6)前記ゲームプログラムにおいて、前記表示制御ステップでは、前記第1オブジェクトまたは前記第2オブジェクトの表示態様を、各オブジェクトと紐付けられた単語の意味に対応する表示態様で表示させる、プログラム。
【0067】
(7)前記ゲームプログラムにおいて、前記提示ステップでは、前記問題として指定された単語又は熟語を音声により提示し、前記音声は、前記イベント中に複数回出力され、前記通知ステップでは、前記プレイヤキャラクタが前記第1オブジェクトに接近した場合、前記音声の音量を増大させる、プログラム。
【0068】
(8)ゲームシステムであって、前記ゲームプログラムの各ステップを実行するように構成される、もの。
【0069】
(9)情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記ゲームプログラムの各ステップを備える、方法。
もちろん、この限りではない。
【0070】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0071】
1 :ゲームシステム
2 :プレイヤ端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :ゲーム制御部
333 :問題提示部
334 :表示制御部
335 :通知部
4 :オブジェクト
41 :第1オブジェクト
42 :第2オブジェクト
43 :第3オブジェクト
C :プレイヤキャラクタ
図1
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