(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098813
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法、および位相カット調光器に接続された回路
(51)【国際特許分類】
H05B 45/315 20200101AFI20230704BHJP
【FI】
H05B45/315
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147952
(22)【出願日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】202111640638.8
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】511268432
【氏名又は名称】台達電子企業管理(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F&7F&8F, Building 1, No.1675, Huadong Road, Pudong, Shanghai, 201209, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】章興華
(72)【発明者】
【氏名】包宇剛
(72)【発明者】
【氏名】傅小平
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA24
3K273BA26
3K273BA30
3K273BA31
3K273CA02
3K273EA06
3K273EA07
3K273EA10
3K273EA22
3K273EA24
3K273EA36
3K273FA13
3K273FA14
3K273FA23
3K273FA30
3K273FA40
3K273GA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法、および位相カット調光器に接続された回路を提供する。
【解決手段】ブリーダの入力電圧を検出して検出電圧を取得し、検出電圧を予め設定した基準電圧と比較して、第1時間帯において検出電圧が予め設定した基準電圧未満であった場合、第1時間帯の起点を第1時刻とし、第1時間帯の終点を第2時刻とするステップS101と、第2時刻に第1所定時間を遅延させてブリーダをOFFにするステップS102と、第1時刻から第2所定時間を前倒しにしてブリーダをONにするステップS103とを含む。制御器に入力された比較信号に基づき調光器の動作順序を検出することができ、ブリーダを制御することで調光時に点滅がないように確保することができる。また、前部カット調光器および後部カット調光器を兼ね備え、互換性が良く、制御精度が高く、干渉防止能力が強い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリーダの入力電圧を検出して検出電圧を取得し、前記検出電圧を予め設定した基準電圧と比較して、第1時間帯において前記検出電圧が前記予め設定した基準電圧未満であった場合、前記第1時間帯の起点を第1時刻とし、前記第1時間帯の終点を第2時刻とするステップと、
前記第2時刻に第1所定時間を遅延させて前記ブリーダをOFFにするステップと、
前記第1時刻から第2所定時間を前倒しにして前記ブリーダをONにするステップと
を含むことを特徴とする、位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項2】
前記ブリーダをOFFにすることに対応して、低レベルの制御信号を生成して前記ブリーダに送出し、前記ブリーダをONにすることに対応して、高レベルの制御信号を生成して前記ブリーダに送出する、請求項1に記載の位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項3】
第1タイマーを利用して前記ブリーダをOFFにし、前記第1タイマーとは異なる第2タイマーを利用して前記ブリーダをONにする、請求項1に記載の位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項4】
前記検出電圧と前記予め設定した基準電圧を比較した波形をリアルタイムで検出するステップと、
前記波形の立ち下がりエッジを検出したとき、前記第1タイマーを起動させ、かつ前記第1タイマーの設定時間が終了したとき、前記ブリーダをOFFにするステップと、
前記波形の立ち上がりエッジを検出したとき、前記第2タイマーを起動させ、かつ前記第2タイマーの設定時間が終了したとき、前記ブリーダをONにするステップとを含み、
前記第1タイマーの設定時間が前記第1所定時間に等しく、前記第2タイマーの設定時間が前記入力電圧の現在の基準周期から前記第2所定時間を引いた時間に等しい、請求項3に記載の位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項5】
前記波形の立ち上がりエッジを検出して前記第2タイマーを起動するに先立って、さらに前記入力電圧の現在の基準周期を決定する、請求項4に記載の位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項6】
前記入力電圧の現在の基準周期を決定するに当たって、
前記波形の隣接する2つの立ち上がりエッジに基づいて前記入力電圧の第1周期を決定し、前記波形の隣接する2つの立ち下がりエッジに基づいて前記入力電圧の第2周期を決定し、前記第1周期と前記第2周期とを比較した結果、小さい方の周期を前記入力電圧の現在の基準周期とする、請求項5に記載の位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項7】
前記入力電圧の第1周期を決定するに当たって、
マイクロコントローラユニットにより、前記波形の隣接する2つの立ち上がりエッジの現在のキャプチャ値に基づいて現在の第1周期を算出し、
前記現在の第1周期とパワーグリッド周期を比較し、前記現在の第1周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲内にあった場合、前記現在の第1周期を前記入力電圧の第1周期とし、前記現在の第1周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲外にあった場合、前回の第1周期を前記入力電圧の第1周期とし、
前記入力電圧の第2周期を決定するに当たって、
前記マイクロコントローラユニットにより、前記波形の隣接する2つの立ち下がりエッジの現在のキャプチャ値に基づいて現在の第2周期を算出し、
前記現在の第2周期と前記パワーグリッド周期を比較し、前記現在の第2周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲内にあった場合、前記現在の第2周期を前記入力電圧の第2周期とし、前記現在の第2周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲外にあった場合、前回の第2周期を前記入力電圧の第2周期とする、請求項6に記載の位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項8】
前記位相カット調光器は、前部カット調光器又は後部カット調光器である、請求項1に記載の位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項9】
前記位相カット調光器が前部カット調光器であった場合、前記ブリーダを流れる電流を検出することで前記ブリーダを制御する、請求項8に記載の位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項10】
前記ブリーダを流れる電流を検出することで前記ブリーダを制御するに当たって、
前記入力電圧に対して位相カット処理を行う時間帯において、前記ブリーダがON状態にあり、前記入力電圧がゼロであり、検出された前記ブリーダを流れる電流もゼロであり、
前記入力電圧がゼロを超えた場合、前記ブリーダを流れる電流がゼロから立ち上がるのが検出され、このとき第1タイマーを起動させ、かつ前記第1所定時間を遅延させてから前記ブリーダをOFFにする、請求項9に記載の位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法。
【請求項11】
位相カット調光器に電気的に接続されるブリーダと、
前記ブリーダの入力電圧を検出し、検出電圧を取得する入力電圧検出器と、
前記検出電圧と予め設定した基準電圧を比較することにより1つの比較信号を生成して、第1時間帯において前記検出電圧が前記予め設定した基準電圧未満であった場合、前記第1時間帯の起点を第1時刻とし、前記第1時間帯の終点を第2時刻とする比較器と、
前記検出電圧及び前記比較信号に基づき、前記第2時刻に第1所定時間を遅延させて前記ブリーダをOFFにし、かつ前記第1時刻から第2所定時間を前倒しにして前記ブリーダをONにする制御器と
を備えることを特徴とする、位相カット調光器に接続された回路。
【請求項12】
前記制御器は、前記ブリーダをOFFにすることに対応して、低レベルの制御信号を生成して前記ブリーダに送出し、かつ前記ブリーダをONにすることに対応して、高レベルの制御信号を生成して前記ブリーダに送出する、請求項11に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項13】
前記制御器は、前記ブリーダをOFFにする第1タイマー、および前記ブリーダをONにする第2タイマーを更に備える、請求項11に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項14】
前記制御器は、前記検出電圧と前記予め設定した基準電圧を比較した波形をリアルタイムで検出し、前記波形の立ち下がりエッジを検出したとき、前記第1タイマーを起動させ、かつ前記第1タイマーの設定時間が終了したとき、前記ブリーダをOFFにし、前記波形の立ち上がりエッジを検出したとき、前記第2タイマーを起動させ、かつ前記第2タイマーの設定時間が終了したとき、前記ブリーダをONにするように構成され、
そのうち前記第1タイマーの設定時間が前記第1所定時間に等しく、前記第2タイマーの設定時間が前記入力電圧の現在の基準周期から前記第2所定時間を引いた時間に等しい、請求項13に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項15】
前記制御器は、前記波形の立ち上がりエッジを検出して前記第2タイマーを起動するに先立って、さらに前記入力電圧の現在の基準周期を決定する、請求項14に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項16】
前記入力電圧の現在の基準周期を決定するに当たって、前記制御器は、前記波形の隣接する2つの立ち上がりエッジに基づいて前記入力電圧の第1周期を決定し、前記波形の隣接する2つの立ち下がりエッジに基づいて前記入力電圧の第2周期を決定し、前記第1周期と前記第2周期とを比較した結果、小さい方の周期を前記入力電圧の現在の基準周期とする、請求項15に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項17】
前記制御器は、マイクロコントローラユニットであり、
前記第1周期を決定するに当たって、前記制御器は、
前記マイクロコントローラユニットにより、前記波形の隣接する2つの立ち上がりエッジの現在のキャプチャ値に基づいて現在の第1周期を算出し、
前記現在の第1周期とパワーグリッド周期を比較し、前記現在の第1周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲内にあった場合、前記現在の第1周期を前記第1周期とし、前記現在の第1周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲外にあった場合、前回の第1周期を前記第1周期とし、
前記第2周期を決定するに当たって、前記制御器は、
前記マイクロコントローラユニットにより、前記波形の隣接する2つの立ち下がりエッジの現在のキャプチャ値に基づいて現在の第2周期を算出し、
前記現在の第2周期と前記パワーグリッド周期を比較し、前記現在の第2周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲内にあった場合、前記現在の第2周期を前記第2周期とし、前記現在の第2周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲外にあった場合、前回の第2周期を前記第2周期とする、請求項16に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項18】
前記位相カット調光器は、前部カット調光器又は後部カット調光器である、請求項11に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項19】
前記位相カット調光器が前部カット調光器であった場合、前記制御器は、前記ブリーダを流れる電流を検出することで前記ブリーダを制御する、請求項18に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項20】
前記ブリーダを流れる電流を検出することで前記ブリーダを制御するに当たって、前記制御器は、
前記入力電圧に対して位相カット処理を行う時間帯において、前記ブリーダをON状態にし、前記入力電圧をゼロにし、検出された前記ブリーダを流れる電流もゼロにし、
前記入力電圧がゼロを超えた場合、前記ブリーダを流れる電流がゼロから立ち上がるのを検出し、このとき第1タイマーを起動させ、かつ前記第1所定時間を上乗せしてから前記ブリーダをOFFにする、請求項19に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項21】
前記比較器および前記制御器は、マイクロコントローラユニットに集積される、請求項11に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項22】
整流器を更に備え、
前記整流器は、前記位相カット調光器によって位相カット処理が行われた電圧を整流し、かつ整流済の電圧を前記ブリーダ及び前記入力電圧検出器に出力する、請求項11~請求項21の何れか1項に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【請求項23】
前記位相カット調光器からの電圧を受け取り、かつ負荷へ給電を行う電力コンバータを更に備え、
前記制御器は、前記比較信号に基づいて調光信号を決定し、前記電力コンバータは、前記調光信号を受け取り、かつ前記負荷の輝度を調整する、請求項22に記載の位相カット調光器に接続された回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子技術分野に関し、特に、位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法および位相カット調光器に接続された回路に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場に出回っている多くの位相カット調光器は、サイリスタ(Thyristor)または双方向サイリスタであるトライアック(Triac)により制御され、サイリスタの特性によると、サイリスタを流れる電流が、該サイリスタをONに維持する電流より少ない場合、サイリスタがOFFになり、ライトが消える。
【0003】
よって、サイリスタ調光器にもLED電源を使用できるようにするためには、LED電源が動作しているときに、サイリスタを流れる電流を、サイリスタの保持電流より大きくする必要があり、こうして初めてサイリスタ調光器が良好に動作し、調光を実現することができる。
【0004】
調光器の正常な動作を保証するのに十分な保持電流を提供するために、現在、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)リアルタイム検出によってブリーダを制御することが広く使われている。
図1に示すように、ブリーダの入力電圧を検出すると、検出電圧Vtが得られる。検出電圧Vtが予め設定した閾値Vdより低い場合、MCUは、制御信号ScによりブリーダをONにする。検出電圧Vtが予め設定した閾値Vdより高い場合、MCUは、制御信号ScによりブリーダをOFFにする。しかしながら、このような制御方法では、MCUは、検出電圧Vtをリアルタイムでサンプリングする必要があり、ブリーダを正確に制御するために比較的高いサンプリングレートが必要であるので、比較的に多くのMCU実行時間を取らなければならない。また、このような制御方法では、干渉された場合、回路損失が比較的大きく、発熱が著しく、回路の効率に影響を与える可能性がある。また、後部カット調光器の場合、このような制御方法では、前倒しにしてブリーダをONにすることができないため、位相カット角度の検出が不正確になり、調光に影響を与えて点滅を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされ、従来技術の一つ又は複数の欠陥を解決することができる、位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法及び位相カット調光器に接続された回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成すべく、本発明の1つの実施形態によれば、本発明は、位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法を提供する。該方法は、前記ブリーダの入力電圧を検出して検出電圧を取得し、前記検出電圧を予め設定した基準電圧と比較し、第1時間帯において、前記検出電圧が前記予め設定した基準電圧より低く、前記第1時間帯の起点が第1時刻であり、前記第1時間帯の終点が第2時刻であることと、前記第2時刻をベースにして第1所定時間を遅延させて前記ブリーダをOFFにすることと、前記第1時刻をベースにして第2所定時間を前倒しにして前記ブリーダをONにすることとを備える。
【0007】
本発明の一好適な実施形態において、前記ブリーダをOFFにすることは、前記ブリーダに低レベルの制御信号を生成することに対応し、前記ブリーダをONにすることは、前記ブリーダに高レベルの制御信号を生成することに対応する。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、第1タイマーにより前記ブリーダをOFFにし、前記第1タイマーとは異なる第2タイマーにより前記ブリーダをONにする。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、前記方法は、前記検出電圧と前記予め設定した基準電圧を比較した波形をリアルタイムで検出することと、前記波形の立ち下がりエッジを検出したとき、前記第1タイマーを起動させ、前記第1タイマーの設定時間が終了したとき、前記ブリーダをOFFにし、前記第1タイマーの前記設定時間が前記第1所定時間に等しいであることと、前記波形の立ち上がりエッジを検出したとき、前記第2タイマーを起動させ、前記第2タイマーの設定時間が終了したとき、前記ブリーダをONにし、前記第2タイマーの前記設定時間が前記入力電圧の現在の基準周期から前記第2所定時間を引いたものに等しいであることとを備える。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、前記波形の立ち上がりエッジを検出した後、前記第2タイマーを起動する前に、前記入力電圧の現在の基準周期を決定することを更に備える。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、前記の、前記入力電圧の現在の基準周期を決定することは、前記波形の隣接する2つの立ち上がりエッジに基づいて前記入力電圧の第1周期を決定することと、前記波形の隣接する2つの立ち下がりエッジに基づいて前記入力電圧の第2周期を決定することと、前記第1周期と前記第2周期とを比較した結果、小さい方の周期を選択して前記入力電圧の現在の基準周期とすることとを備える。
【0012】
本発明の一好適な実施形態において、前記入力電圧の第1周期を決定することは、マイクロコントローラユニットにより、前記波形の隣接する2つの立ち上がりエッジの現在のキャプチャ値に基づいて現在の第1周期を算出することと、前記現在の第1周期をパワーグリッド周期と比較し、前記現在の第1周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲内にあった場合、前記現在の第1周期を前記入力電圧の第1周期とし、前記現在の第1周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲外にあった場合、前回の第1周期を前記入力電圧の第1周期として用いることとを備える。前記入力電圧の第2周期を決定することは、前記マイクロコントローラユニットにより、前記波形の隣接する2つの立ち下がりエッジの現在のキャプチャ値に基づいて現在の第2周期を算出することと、前記現在の第2周期をパワーグリッド周期と比較し、前記現在の第2周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲内にあった場合、前記現在の第2周期を前記入力電圧の第2周期とし、前記現在の第2周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲外にあった場合、前回の第2周期を前記入力電圧の第2周期として用いることとを備える。
【0013】
本発明の一好適な実施形態において、前記位相カット調光器は、前部カット調光器又は後部カット調光器である。
【0014】
本発明の一好適な実施形態において、前記位相カット調光器が前部カット調光器であった場合、前記ブリーダを流れる電流を検出することでブリーダを制御する。
【0015】
本発明の一好適な実施形態において、前記ブリーダを流れる電流を検出することでブリーダを制御することは、前記入力電圧が位相カットされている期間、前記ブリーダがON状態であり、前記入力電圧がゼロであり、検出された前記ブリーダを流れる電流もゼロであることと、前記入力電圧がゼロを超えた場合、前記ブリーダを流れる電流がゼロより大きくなり始めることが検出され、このとき第1タイマーを起動させ、前記第1所定時間を遅延させた後に前記ブリーダをOFFにすることを備える。
【0016】
上述した目的を達成するために、本発明は、位相カット調光器に接続された回路を更に提供する。該回路は、前記位相カット調光器に電気的に接続されるブリーダと、前記ブリーダの入力電圧を検出し、検出電圧を取得するための入力電圧検出器と、前記検出電圧と予め設定した基準電圧を比較することにより、1つの比較信号を生成するために用いられ、第1時間帯において、前記検出電圧が前記予め設定した基準電圧より低く、前記第1時間帯の起点が第1時刻であり、前記第1時間帯の終点が第2時刻である比較器と、前記検出電圧及び前記比較信号に基づき、前記第2時刻をベースにして第1所定時間を遅延させて前記ブリーダをOFFにし、前記第1時刻をベースにして第2所定時間を前倒しにして前記ブリーダをONにするための制御器とを備える。
【0017】
本発明のもう1つの実施形態において、前記制御器は、前記ブリーダに低レベルの制御信号を生成することにより、前記ブリーダをオフすることに対応し、前記ブリーダに高レベルの制御信号を生成することにより、前記ブリーダをONにすることに対応する。
【0018】
本発明のもう1つの実施形態において、前記制御器は、前記ブリーダをOFFにするための第1タイマーと、前記ブリーダをONにするための第2タイマーとを更に備える。
【0019】
本発明のもう1つの実施形態において、前記制御器は、前記検出電圧及び前記予め設定した基準電圧を比較した波形をリアルタイムで検出することと、前記波形の立ち下がりエッジが検出された場合、前記第1タイマーを起動させ、前記第1タイマーの設定時間が終了したとき、前記ブリーダをOFFにすることと、前記波形の立ち上がりエッジが検出された場合、前記第2タイマーを起動させ、前記第2タイマーの設定時間が終了したとき、前記ブリーダをONにすることを行うように構成されている。なお、前記第1タイマーの前記設定時間が前記第1所定時間に等しく、前記第2タイマーの前記設定時間が前記入力電圧の現在の基準周期から前記第2所定時間を引いたものに等しい。
【0020】
本発明のもう1つの実施形態において、前記制御器は、前記波形の立ち上がりエッジを検出した後、前記第2タイマーを起動する前に、前記入力電圧の現在の基準周期を決定するためにも用いられている。
【0021】
本発明のもう1つの実施形態において、前記制御器が前記入力電圧の現在の基準周期を決定することは、前記波形の隣接する2つの立ち上がりエッジに基づき、前記入力電圧の第1周期を決定することと、前記波形の隣接する2つの立ち下がりエッジに基づき、前記入力電圧の第2周期を決定することと、前記第1周期及び前記第2周期のうち小さい値を選択して前記入力電圧の現在の基準周期とすることとを備える。
【0022】
本発明のもう1つの実施形態において、制御器は、マイクロコントローラユニットである。前記制御器が入力電圧の第1周期を決定することは、マイクロコントローラユニットにより、前記波形の隣接する2つの立ち上がりエッジの現在の取得値に基づき、現在の第1周期を算出することと、前記第1周期とパワーグリッド周期を比較し、前記現在の第1周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲内にあった場合、前記現在の第1周期を前記入力電圧の第1周期とし、前記現在の第1周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲外にあった場合、前回の第1周期を前記入力電圧の第1周期として用いることを備える。前記制御器が前記入力電圧の第2周期を決定することは、前記マイクロコントローラユニットにより、前記波形の隣接する2つの立ち下がりエッジの現在の取得値に基づき、現在の第2周期を算出することと、前記第2周期と前記パワーグリッド周期を比較し、前記現在の第2周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲内にあった場合、前記現在の第2周期を前記入力電圧の第2周期とし、前記現在の第2周期が前記パワーグリッド周期の正常範囲外にあった場合、前回の第2周期を前記入力電圧の第2周期として用いることを備える。
【0023】
本発明のもう1つの実施形態において、前記位相カット調光器は、前部カット調光器又は後部カット調光器である。
【0024】
本発明のもう1つの実施形態において、前記位相カット調光器が前部カット調光器であった場合、前記制御器は、前記ブリーダを流れる電流を検出することにより、前記ブリーダを制御する。
【0025】
本発明のもう1つの実施形態において、前記の、前記制御器が前記ブリーダを流れる電流を検出することでブリーダを制御することは、前記入力電圧が位相カットされている期間、前記ブリーダがON状態であるように制御し、前記入力電圧がゼロであり、検出された前記ブリーダを流れる電流もゼロであることと、前記入力電圧がゼロを超えた場合、前記ブリーダを流れる電流がゼロより大きくなり始めることが検出され、このとき第1タイマーを起動するように制御し、前記第1所定時間を遅延させた後に前記ブリーダをOFFにすることを備える。
【0026】
本発明のもう1つの実施形態において、前記比較器と前記制御器は、マイクロコントローラユニットに集積されている。
【0027】
本発明のもう1つの実施形態において、前記回路は、前記位相カット調光器が位相カットした後の電圧を整流し、整流済の電圧を前記ブリーダ及び前記入力電圧検出器に出力するための整流器を更に備える。
【0028】
本発明のもう1つの実施形態において、前記回路は、前記位相カット調光器により出力された電圧を受け取り、負荷に電力を供給する電力コンバータを更に備える。なお、前記制御器は、前記比較信号に基づいて調光信号を決定するためにも用いられ、前記電力コンバータは、前記調光信号を受け取り、前記負荷の輝度を調整する。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、制御器に入力された比較信号に基づき調光器の動作順序を検出し、調光器が点滅しないようにブリーダを制御することができる。本発明は、前部カット調光器及び後部カット調光器を兼ね備え、互換性が良く、制御精度が高く、干渉防止能力が高い。
【0030】
本発明の追加の側面及びメリットは、一部が以下の説明に記載され、一部が説明により明らかになり、又は、本発明の実施により習得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】本発明による位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法のフローチャートを例示する模式図である。
【
図3】本発明による位相カット調光器に接続された回路の構成アーキテクチャを例示する模式図である。
【
図4】本発明による位相カット調光器に接続されるブリーダに対して前部カット制御を行う波形を例示する模式図である。
【
図5】本発明による位相カット調光器に接続されるブリーダに対して後部カット制御を行う波形を例示する模式図である。
【
図6】本発明の制御方法でMCUによりソフトウェア制御を行うフローチャートを例示する模式図である。
【
図7】本発明の制御方法を1つの具体的な実施形態に応用する回路構造を示す模式図である。
【
図8】実際の応用において前部カット調光器に対して前部カット制御を行う波形を例示する模式図である。
【
図9】実際の応用において後部カット調光器に対して後部カット制御を行う波形を例示する模式図である。
【
図10】位相カット調光器が前部カット調光器である場合のもう1つの実施形態の回路の構成アーキテクチャを例示する模式図である。
【
図11】
図10に示す実施形態において前部カット制御を行う波形を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面を参照しながら、例示する実施形態を説明することにより、本発明の上述した及び他の特徴とメリットがより明らかになる。以下、本発明の技術的特徴および技術効果をより深く理解できるよう、実施形態とパラメータ数値を挙げて且つ図面を参照しながら本発明をより詳しく説明する。また、以下において本発明の構成や詳細をより直感的に示すために交流充電の場合を例示して説明するが、本発明は交流に限らず直流充電にも適用可能である点に留意されたい。
【0033】
以下、図面を参照しながら、例示する実施形態をより詳細に説明する。しかしながら、例示する実施形態は、様々な形で実施することができ、本明細書に記載の実施方法に限ると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態の提供により、本発明がより全面的で且つ完全となり、例示する実施形態の構想を完全に当業者に伝えることができる。図面における同じ符号は、同じ又は類似する構造を示すので、詳しい説明を省略する。
【0034】
ここで説明する及び/又は図示する要素/構成部分/等を紹介する際、「一つ」、「一」、「該」、「前記」及び「少なくとも1つ」の用語は、一つ又は複数の要素/構成部分が存在することを示す。「含有」、「含む」及び「有する」の用語は、開放的な包括的意味を示し、列挙された要素/構成部分/等の他に、他の要素/構成部分/等も存在することができることを示す。また、特許請求の範囲の「第一」、「第二」等の用語は、標識としてのみ用いられており、その対象を数字で制限するものではない。
【0035】
図2に示すように、本発明は、位相カット調光器に接続されたブリーダを制御する方法100を提供する。該方法は、主に、ステップS101、ステップS102及びステップS103を備える。
【0036】
ステップS101において、ブリーダの入力電圧を検出することにより、検出電圧を取得し、前記検出電圧を予め設定した基準電圧と比較し、第1時間帯において、前記検出電圧が前記予め設定した基準電圧より低く、前記第1時間帯の起点が第1時刻であり、前記第1時間帯の終点が第2時刻である。
【0037】
ステップS102において、前記第2時刻をベースにして第1所定時間を遅延させて(すなわち、第1所定時間を上乗せして)前記ブリーダをOFFにする。
【0038】
S103において、前記第1時刻をベースにして第2所定時間を前倒しにして(すなわち、第2所定時間早めて)前記ブリーダをONにする。
【0039】
図3に示すように、本発明の位相カット調光器25に接続される回路200を示しており、該回路200は、例えば、位相カット調光器25を通じてL線とN線の間を接続することができる。前記回路200は、例えば、ブリーダ21、入力電圧検出器22、比較器23及び制御器24を備えても良い。なお、前記ブリーダ21は、位相カット調光器25に電気的に接続することができる。前記入力電圧検出器22は、前記ブリーダ21の入力電圧を検出することにより、検出電圧Vtを取得することができる。前記比較器23は、前記検出電圧Vtと1つの予め設定した基準電圧Vrefを比較することにより、比較信号Dim_inを生成するために用いられることができる。なお、第1時間帯において、前記検出電圧Vtは、前記予め設定した基準電圧Vrefより低く、前記第1時間帯の起点が第1時刻であり、前記第1時間帯の終点が第2時刻である。前記制御器24は、前記検出電圧Vt及び前記比較信号Dim_inに基づき、前記第2時刻をベースにして第1所定時間を遅延させて前記ブリーダをOFFにし、前記第1時刻をベースにして第2所定時間を前倒しにして前記ブリーダをONにするために用いられることができる。
【0040】
本実施形態において、前記ブリーダ21は、例えば、定電流ブリーダ回路であっても良く、前記制御器24は、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)であっても良く、前記負荷28は、例えば、LEDであっても良いが、本発明は、これに限定されない。
【0041】
本発明の幾つかの実施形態において、前記回路200は、前記位相カット調光器25により位相カットされた後の電圧を整流し、整流済の電圧を前記ブリーダ21及び前記入力電圧検出器22に出力するための整流器26を更に備えても良い。
【0042】
本発明の幾つかの実施形態において、前記回路200は、前記位相カット調光器25により出力された電圧を受け取り、負荷28に電力を供給する電力コンバータ27を更に備えても良い。前記電力コンバータ27は、例えば、AC/DC変換器であっても良い。なお、前記制御器24は、前記比較信号Dim_inに基づいて調光信号Dimを決定することにも更に用いられることができ、前記電力コンバータ27は、前記調光信号Dimを受け取り、前記負荷28(例えば、LED)の輝度を調整する。
【0043】
図3に示す1つの具体的な実施形態において、制御器24は、MCUであり、負荷28は、LEDであり、電力コンバータ27は、AC/DC変換器であることを例とし、本発明の回路及びその制御方法を更に詳しく説明する。具体的な本実施形態において、L線とN線の間のAC電圧が位相カット調光器25により位相カットされた後に電力コンバータ27に出力される。電力コンバータ27は、位相カットされた後の電圧を変換し、負荷28に出力電圧を提供する。整流器26は、位相カットされた後の電圧を全波電圧に整流する。該全波電圧は、入力電圧検出器22により変換されて検出電圧Vtが得られ、検出電圧Vtは、MCUのサンプリングポート(例えば、ポートA1)及び比較器23に同時に送られる。比較器23の基準端子は、固定された予め設定した基準電圧Vrefであり、検出電圧Vtと予め設定した基準電圧Vrefが比較された後に比較信号Dim_inが生成され、MCUに送られて(例えば、ポートA2に送信されて)調光電流を算出するために用いられる。
図4は、比較信号Dim_inの波形を示している。当然ながら、ここの比較器23も、MCU内部の比較器を採用して実現することができ、即ち、比較器23と制御器24は、回路コストを節約するために、MCUに集積することができる。MCUは、比較信号Dim_inの高レベルと低レベルの幅をサンプリングすることにより、位相カット角度を算出し、ポートA3から調光輝度に対応する調光信号Dimを出力する。該調光信号Dimは、最終的に電力コンバータ27が相応する電流を出力するように制御することにより、LED(即ち、負荷28)の輝度を制御する。整流後の電圧は、同時にブリーダ21に送ることもでき、ブリーダ21のオンとオフは、MCUの制御信号Sc(MCUのポートA4から出力する)により決定することができ、例えば、前記ブリーダに低レベルの制御信号を生成することにより、前記ブリーダをOFFにすることに対応し、前記ブリーダに高レベルの制御信号を生成することにより、前記ブリーダをONにすることに対応することができるが、本発明は、これに限らない。
【0044】
本発明の具体的な制御波形は、
図4及び
図5に示すように、前部カット調光器と後部カット調光器が接続される場合の動作波形が含まれている。
図4は、前部カット調光器に使用されて前部カット制御を行う制御波形を示しており、
図5は、後部カット調光器に使用されて後部カット制御を行う制御波形を示している。
図4及び
図5に示すように、上から下へ順に検出電圧Vt、比較信号Dim_in、第1タイマーの出力DT1、第2タイマーの出力DT2、制御信号Sc、ブリーダを流れる電流ibleederの波形である。比較信号Dim_inは、検出電圧Vtと予め設定した基準電圧Vrefを比較した波形である。なお、検出電圧Vtが予め設定した基準電圧Vrefより大きい場合、比較信号Dim_inは、低レベル(ロー:Low)である。逆に、検出電圧Vtが予め設定した基準電圧Vrefより小さい場合、比較信号Dim_inは、高レベル(ハイ:High)である。
【0045】
図3を参照し、
図4に示すように、前部カット調光器の前部カット制御を例とし、ブリーダの制御ロジックは、次のとおりである。MCUは、比較信号Dim_inをリアルタイムで検出し、比較信号Dim_inの第1時間帯tp内であれば、検出電圧Vtが予め設定した基準電圧Vrefより低く、前記第1時間帯tpの起点を第1時刻t1とし、前記第1時間帯tpの終点を第2時刻t2とする。
【0046】
MCUが比較信号Dim_inの立ち下がりエッジを検出した場合、MCUは、第1タイマーを起動させ、第1タイマーは、設定時間Td1以内に高レベルを出力する。なお、第1タイマーは、第2時刻t2をベースにして設定時間を開始し、この設定時間は、例えば、第1タイマーの出力DT1波形の時点STでスタートし、それの時点ENで終了する。第1タイマーの設定時間Td1が終了したとき、MCUは、制御信号Scによりブリーダ21をOFFにし、ブリーダ21を流れる電流がゼロになる。例えば、設定時間Td1が終了したとき、制御信号Scが高レベルから低レベルに変化し、ブリーダ21が動作しないようにさせる(即ち、ブリーダがOFFになる)。
【0047】
MCUが比較信号Dim_inの立ち上がりエッジを検出した場合、MCUは、第2タイマーを起動させ、第2タイマーは、設定時間Td2以内に高レベルを出力する。なお、第2タイマーは、第1時刻t1をベースにして設定時間を開始し、この設定時間は、例えば、第2タイマーの出力DT2波形の時点STでスタートし、それの時点ENで終了する。第2タイマーの設定時間Td2が終了したとき、MCUは、制御信号Scによりブリーダ21をONにする。例えば、設定時間Td2が終了したとき、制御信号Scが低レベルから高レベルに変化し、ブリーダ21が動作するようにさせる(即ち、ブリーダがONになる)。
【0048】
本発明の幾つかの実施形態において、特に、第1タイマーの設定時間Td1が第1所定時間に等しく、1つの固定値である。該設定時間Td1を大きくし過ぎないようにすべきである。前部カット調光器の場合、この時の入力電圧が比較的高いため、該設定時間Td1が大きすぎると、ブリーダの損失が大きくなり、回路効率に影響を与えるためである。従って、調光器にリンキングが生じるときに調光器がOFFにならないようにすれば良い。第2タイマーの設定時間Td2は固定されておらず、MCUは、比較信号Dim_inを正しく検出することができるように、該第2タイマーは、比較信号Dim_inの次の立ち上がりエッジが来る前にブリーダをONにするように保証する必要がある。よって、該第2タイマーは、ブリーダの入力電圧の現在の基準周期Tから第2所定時間Taheadを引くことにより、設定時間Td2を算出すことができ、即ち、Td2=T-Taheadである。
【0049】
本発明の幾つかの実施形態において、前記比較信号Dim_inの立ち上がりエッジを検出した後且つ第2タイマーを起動する前に、前記入力電圧の現在の基準周期を決定することを更に備える。特に、MCUは、比較信号Dim_inに基づいて入力電圧の現在の基準周期Tを検出する。入力電圧の歪み又は調光による干渉を避けるために、MCUは、比較信号Dim_inの隣接する2つの立ちあがりエッジの第1周期T1及び隣接する2つの立ち下がりエッジの第2周期T2を同時に検出し、第1周期T1と第2周期T2のうち比較的小さい値を選択して前記入力電圧の現在の基準周期Tとし、これを、第2タイマーの設定時間Td2を算出するための基準値とする。よって、信頼性を高め、ブリーダがONにされるのが遅すぎることによる調光器のオフを避けることができる。
【0050】
1つの好ましい実施形態において、第1周期T1及び第2周期T2は、MCUの取得機能により実現することができ、具体的な制御は、
図6に示されるフローチャート図を参照することができる。MCUは、比較信号Dim_inの隣接する2つの立ち上がりエッジの現在の取得値に基づき、第1周期T1を決定し、比較信号Dim_inの隣接する2つの立ち下がりエッジの現在の取得値に基づき、第2周期T2を決定することができる。
【0051】
より具体的には、
図6に示すように、MCUが比較信号Dim_inの立ち上がりエッジを検出した場合(S11:yes)、MCUは、現在の取得値を読み取り、隣接する2つの立ち上がりエッジの現在の取得値に基づいて現在第1周期Ts1を算出することができる(S12)。現在第1周期Ts1がパワーグリッド周期の正常範囲内にある場合(例えば、Ts1は、50Hz±3Hz又は60Hz±3Hzを満たす場合(S13:yes)、但し、本発明は、これに限定されない)、MCUは、現在第1周期Ts1を選択して第1周期T1とする(S14)。現在第1周期Ts1がパワーグリッド周期の正常範囲内にない場合(例えば、Ts1は、50Hz±3Hz又は60Hz±3Hzを満たさない場合(S13:no)、但し、本発明は、これに限定されない)、MCUは、前回の第1周期を選択して第1周期T1とする。
【0052】
MCUが比較信号Dim_inの波形の立ち下がりエッジを検出した場合(S24:yes)、MCUは、現在の取得値を読み取り、隣接する2つの立ち下がりエッジの現在の取得値に基づいて現在第2周期Ts2を算出することができる(S25)。現在第2周期Ts2がパワーグリッド周期の正常範囲内にある場合(例えば、Ts2は、50Hz±3Hz又は60Hz±3Hzを満たす場合(S26:yes)、但し、本発明は、これに限定されない)、MCUは、現在第2周期Ts2を選択して第2周期T2とする(S27)。現在第2周期Ts2がパワーグリッド周期の正常範囲内にない場合(例えば、Ts2は、50Hz±3Hz又は60Hz±3Hzを満たさない場合(S26:no)、但し、本発明は、これに限定されない)、MCUは、前回の第2周期を選択して第2周期T2とする。なお、前記第2周期T2は、次回において計算して得られた第1周期T1と比較することにより、前記入力電圧の現在の基準周期Tを算出することにも用いられることができる(同図における破線で示された箇所)。
【0053】
第1周期T1と第2周期T2を決定すると、MUCは、第1周期T1と第2周期T2を比較し(S15)、第1周期T1と第2周期T2のうち比較的小さい値を選択して前記入力電圧の現在の基準周期Tとし、該現在の基準周期Tを第2タイマーの設定時間Td2の基準値とする。例えば、T1>T2の場合、現在の基準周期T=T2であり(S16)、それ以外の場合、現在の基準周期T=T1である(S17)。従って、MCUは、第2タイマーの設定時間Td2=T-Taheadを更に計算することができ(S18)、前記比較信号Dim_inの波形の立ち上がりエッジを検出したとき、第2タイマーを起動させ(S19)、前記比較信号Dim_inの波形の立ち下がりエッジを検出したとき、第1タイマーを起動することができる(S28)。第2タイマーの設定時間Td2が終了したとき(S20:yes)、MCUは、制御信号ScによりブリーダをONにする(S21)。第1タイマーの設定時間Td1が終了したとき(S22:yes)、MCUは、制御信号ScによりブリーダをOFFにする(S23)。
【0054】
図5は、後部カット調光器が後部カット制御を行う波形を示している。
図5の波形から分かるように、同じ制御ロジックは、後部カット調光器にも適用することができる。
図6は、MCUの具体的な制御フローを示している。
【0055】
図7は、本発明の制御方法について、1つの具体的な実施形態の回路構造を示している。
図7に示される具体的な実施形態において、整流器26は、電力コンバータ27の入力電圧を整流するためのダイオードD1及びダイオードD2を備える。入力電圧検出器22は、ブリーダの入力電圧を検出し、検出電圧Vtを取得するために直列に接続される抵抗器R2及び抵抗器R3を備える。ブリーダ21は、スイッチ管Q1、抵抗器R1、抵抗器R6、抵抗器R7、コンデンサC1、ダイオードD3、3極トランジスタQ2、抵抗器R4及び抵抗器R5を備える。MCUは、検出電圧Vtと比較信号Dim_inを検出することにより、ブリーダのオン及びオフを制御し、調光用の調光信号Dimを生成する。なお、入力電圧検出器22の抵抗器R2及び抵抗器R3は、入力電圧を分圧して検出電圧Vtを取得し、該検出電圧VtをMCUに送信する。比較器23は、検出電圧Vtと予め設定した基準電圧Vrefを比較することにより、比較信号Dim_inを生成し、該比較信号Dim_inは、MCUが位相カット角度の大きさを算出し、ブリーダ21を制御するために用いられる。安定した電圧源Vccは、抵抗器R6、抵抗器R7、コンデンサC1及びダイオードD3によりスイッチ管Q1のG極に安定した電圧を生成する。MCUにより出力される制御信号Scが低レベルであった場合、3極トランジスタQ2がOFFになり、スイッチ管Q1が駆動電圧の制御でONになり、電流が抵抗器R1を流れる。抵抗器R1の電流が増加すると、ネガティブフィードバックの作用により、スイッチ管Q1のG極とS極の両端の電圧Vgsが低下し、最終的には、1つの固定値で安定するため、抵抗器R1を流れる電流は、一定値である。この電流は、回路の位相カット調光器25に保持電流を提供することができる。MCUにより出力される制御信号Scが高レベルであった場合、3極トランジスタQ2がONになり、スイッチ管Q1の駆動端が接地され、スイッチ管Q1がOFFになり、電流が抵抗器R1を流れない。
図8及び
図9は、実際の応用における、前部カット調光器と後部カット調光器に対する具体的な制御波形を示している。
【0056】
本発明の制御方法のメリットは、次の通りである。(1)入力電圧の周期をリアルタイムでサンプリングするので、パワーグリッド電圧及び周波数の変動に適応し、異常な制御によるちらつきを避けることができる。(2)同じ制御ロジックを、前部カット調光器及び後部カット調光器に同時に用いることができ、接続される調光器が前部カット調光器であるか又は後部カット調光器であるかを検出する必要がなく、互換性が高く、制御が簡単である。(3)デジタル制御を用いてブリーダのオン及びオフの時間を正確に制御することができ、制御が精確であり、回路損失を減少することができ、効率を高めることができる。(4)適切な現在の基準周期Tを選択することにより、パワーグリッド電圧の正と負の半波非対称性によるブリーダの制御順序の異常の状況を減少し、位相カット角度の検出精度を高め、ちらつきを避けることができる。
【0057】
本発明の幾つかの実施形態において、接続される位相カット調光器が
図10に示されるような前部カット調光器であった場合、ブリーダを流れる電流ibleederを検出することにより、ブリーダのオンオフのロジックを制御することができる。例えば、抵抗器R8及び抵抗器R9を含む検出分岐回路により電流ibleederを検出することができ、検出された電流ibleederは、MCUのポートA5に送られ、
図11は、具体的な制御波形を示している。前部カット調光器の場合、入力電圧が位相カットされている期間において、ブリーダは、常に有効状態にあり、即ち、ブリーダが受信する制御信号は、高レベルであるが、入力電圧がゼロであるため、検出された、ブリーダを流れる電流ibleederもゼロである。入力電圧がゼロを超えた場合、検出された、ブリーダを流れる電流ibleederがゼロより大きくなり始めるので、この時、第1タイマーを起動させ、設定時間Td1(例えば、第1所定時間に等しい)が終了したとき、再びブリーダをOFFにする。ブリーダのオンオフのロジックは、前の方法と同じである。
【0058】
図10~
図11に示す実施形態の制御方法を用いてブリーダを制御するメリットは、次の通りである。即ち、ブリーダのブリーダ電流ibleederを直接にサンプリングすることにより、MCUがブリーダの実際の損失をより便利で且つ正確に計算し、適切な保護を行い、ブリーダの過熱や損傷を防ぎ、回路を保護すると同時に損失を更に減らすことができる。
上記の実施形態は本発明を例示したに過ぎず、本発明はこれらの実施形態に制限されない。なお、本発明の宗旨から逸脱しない前提で当業者が本発明に対して種々の変更や変化を施してもよく、これらの変更や変化も本発明の範囲内である点に留意されたい。