(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098844
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】靴のソールの製造方法
(51)【国際特許分類】
B29D 35/02 20100101AFI20230704BHJP
A43B 5/00 20220101ALI20230704BHJP
A43D 3/02 20060101ALI20230704BHJP
B29C 45/37 20060101ALI20230704BHJP
B29C 33/12 20060101ALI20230704BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20230704BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
B29D35/02
A43B5/00
A43D3/02
B29C45/37
B29C33/12
B29C45/14
B29C44/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022200932
(22)【出願日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】17/559,220
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511264353
【氏名又は名称】プーマ エス イー
【氏名又は名称原語表記】PUMA SE
【住所又は居所原語表記】Puma Way 1,91074 Herzogenaurach Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ハルトマン, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】サスマン, ラインホルト
(72)【発明者】
【氏名】ボナン, マウロ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】履物用品のソールのクッション性、跳ね返り、および剛性に十分に対応する方法を提供する。
【解決手段】マリッジモールドを使用する方法は、第1の壁および少なくとも1つの第2の壁を有する上部プレートと、マリッジキャビティおよび上部壁を有する下部プレートを準備することを含む。少なくとも2つのミッドソールコンポーネントが準備され、これらは第1の材料で作製され、各々が第1の領域と空洞構造を有する。少なくとも2つのミッドソールコンポーネントは、マリッジキャビティの中に配置される。上部プレートは、第1の壁と上部壁とがシールを形成するように、下部プレートに固定される。少なくとも2つのミッドソールコンポーネントを結合して、第2の空洞構造を有するミッドソールを形成する。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の壁と、少なくとも1つの第2の壁を有する上部プレートを準備し、
マリッジキャビティと上部壁を有する下部プレートを準備し、
少なくとも2つのミッドソールコンポーネントを準備し、ここで、前記少なくとも2つのミッドソールコンポーネントは、第1の材料で形成され、第1の空洞構造および第1の領域を有しており、
前記少なくとも2つのミッドソールコンポーネントが前記マリッジキャビティに配置され、
前記上部プレートが、前記第1の壁と前記上部壁とでシールを形成するように、前記下部プレートに固定され、
前記少なくとも2つのミッドソールコンポーネントを結合して、第2の空洞構造を有するミッドソールを形成する、
マリッジモールドの使用方法。
【請求項2】
第2の領域を有するアウトソールを準備することを含み、
前記第1の領域の組み立て体は、前記アウトソールの前記第2の領域と実質的に同じプロファイルを形成し、
前記アウトソールは、前記マリッジキャビティに配置され、
前記アウトソールおよび前記少なくとも2つのミッドソールコンポーネントは、相互に結合されてソールを形成する、
請求項1に記載のマリッジモールドの使用方法。
【請求項3】
前記第1の空洞構造は、前記少なくとも2つのミッドソールコンポーネントのそれぞれにおいて、少なくとも1つのチャネルを形成する、
請求項1に記載のマリッジモールドの使用方法。
【請求項4】
前記少なくとも2つのミッドソールコンポーネントのそれぞれが、オーゼティック特性を有する、
請求項3に記載のマリッジモールドの使用方法。
【請求項5】
前記オーゼティック特性は、プログラム可能に変形し、前記少なくとも2つのミッドソールコンポーネントの前記第1の材料に圧縮力が加えられると、前記第1の材料が収縮し、圧縮力に直交する方向に内側に引き込まれる、
請求項4に記載のマリッジモールドの使用方法。
【請求項6】
前記ソールが密閉されたキャビティの外側で前記ソールの形状を維持するように十分に冷却された後、前記ソールを前記下部プレートまたは前記上部プレートから引き抜くことをさらに含む、
請求項2に記載のマリッジモールドの使用方法。
【請求項7】
予め決められた時間が経過した後に、前記ソールを前記下部プレートまたは前記上部プレートから引き抜くことをさらに含む、
請求項2に記載のマリッジモールドの使用方法。
【請求項8】
前記アウトソールと、前記少なくとも2つのミッドソールコンポーネントは、液体プラスチック材料の射出、注入、または噴霧によって一体化され、前記ソールを形成する、
請求項2に記載のマリッジモールドの使用方法。
【請求項9】
前記下部プレートは、複数の外壁と、前記少なくとも1つのキャビティ壁と、前記少なくとも1つの注入通路と、本体とを有し、
前記少なくとも1つの注入通路は、前記複数の外壁の1つから始まり、前記本体を通って延在し、対応する前記少なくとも1つのキャビティ壁の各々に流体接続する、
請求項1に記載のマリッジモールドの使用方法。
【請求項10】
第1の壁と、少なくとも1つの第2の壁と、前記第1の壁から突出する複数のマンドレルとを有する上部プレートを準備し、
上部壁、本体、複数の外壁、および少なくとも1つの対応するキャビティ壁を有する少なくとも1つのキャビティを有する下部プレートを準備することを含み、
前記上部プレートは前記下部プレートに固定されてシールを形成し、
前記少なくとも1つのキャビティに液体プラスチック材料が射出、注入、または噴霧されることにより、前記少なくとも1つのキャビティに、少なくとも1つのミッドソールコンポーネントが、第1の材料で、空洞構造を有するように形成される
ミッドソールコンポーネントのモールドの使用方法。
【請求項11】
前記下部プレートは、前記複数の外壁の少なくとも1つから始まり、前記本体を貫通して突出し、前記少なくとも1つのキャビティと流体的に連通する注入通路を有し、前記下部プレートは、前記複数の外壁の少なくとも1つから始まる、
請求項10に記載のミッドソールコンポーネントのモールドの使用方法。
【請求項12】
第1の領域を有するアウトソールと、
第2の領域を有する左側ミッドソールコンポーネントと、
第3の領域を有する右側ミッドソールコンポーネントと、を含み、
前記第2の領域と前記第3の領域との組み立て体が、前記第1の領域と実質的に同じ大きさ、形状を有し、
前記アウトソール、前記左側ミッドソールコンポーネント、前記右側ミッドソールコンポーネントが結合されている、
履物用品のためのソール。
【請求項13】
少なくとも1つのチャネルを形成する細長い空洞を有するソール構造体をさらに含む、
請求項12に記載の履物用品のためのソール。
【請求項14】
前記ソールは、内側表面と外側表面を有し、前記少なくとも1つのチャネルが前記内側表面から前記外側表面まで延びている、
請求項13に記載の履物用品のためのソール。
【請求項15】
前記ソールは、オーゼティック特性を備えたソール構造を有するように形成されている、
請求項12に記載の履物用品のためのソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ソール構造のさまざまな部分や領域をプログラム可能に変形させ、着用者のために制御されたバネのような効果や減衰効果を生み出すことができるようにする、オーゼティック特性(auxetic properties)を有し、空洞が設けられたソール構造を有する履物用品のソールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の多くの靴または他の履物用品は、一般に、アッパーと、アッパーの下端部に取り付けられたソールとからなる。従来の靴は、靴を足に固定する前に使用者の足を受け入れる、アッパーおよびソールの内面によって形成される内部空間、すなわち、空洞(void)またはキャビティ(cavity)をさらに含む。ソールは、アッパーの下面または境界線に取り付けられ、アッパーと地面との間に配置される。その結果、ソールは、典型的には、靴を履いているときに、ユーザに安定性とクッション性を提供する。いくつかの実施態様では、ソールは、アウトソール、ミッドソール、およびインソールなどの複数のコンポーネントが含まれる場合がある。アウトソールは、ソールの底面にトラクションを与え、ミッドソールは、アウトソールの内面に取り付けられ、ソールにクッション性または追加された安定性を与えることができる。例えば、ソールは、ソールに沿った1つ以上の所望の位置で安定性を高めることのできる特定の発泡材料、または、ユーザが走っている、歩いている、または別の活動に従事しているときに足または脚に対するストレスまたは衝撃エネルギーを低減することのできる発泡材料を含むことができる。
【0003】
アッパーは一般にソールから上方に延び、足を完全にまたは部分的に包む内部キャビティを画定する。多くの場合、アッパーは足の甲とつま先の領域、および内側と外側の側面を覆って延在している。多くの履物用品は、アッパーの内側と外側の端の隙間を埋めるために、甲の領域を横切って延びるタン(tongue)を含むことができる(キャビティへの開口部を画定する)。タンはまた、紐締めシステムの下方で、アッパーの内側と外側の間に配置され、靴の締め付けを調節できるようにすることもできる。タンはさらに、内部空間やキャビティへの足の出し入れを可能にするために、ユーザが操作できるようにすることもできる。さらに、紐締めシステムは、ユーザがアッパーやソールの寸法を調整することを可能にし、それにより、アッパーがさまざまなサイズや形状を有するさまざまな足の形に対応できるようにすることができる。
【0004】
アッパーは、靴の1つ以上の意図された用途に基づいて選択することができ、多種多様な材料から構成することができる。アッパーはまた、アッパーの特定の領域に特化したさまざまな材料からなる部分を含むことができる。例えば、アッパーの前部や踵部分に隣接して、より高い抵抗力や剛性を提供するために、安定性を追加することが望ましい場合がある。一方、靴の他の部分には、伸縮抵抗性、柔軟性、通気性、吸湿性などの特性を備えた領域を提供するために、柔らかい織布を含めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
運動靴を含む従来の靴は、さまざまな場面で使用されている。例えば、看護師は、クッション性の高い靴を好む。テニスプレーヤーは、横方向の動きが良い靴を好む。扁平足に悩む人は、靴に中敷きを入れて、より的確なサポートを与えることが多い。ランナーは、軽くてクッション性があり、泥などの悪条件下でも機能する靴を好む。このように、さまざまなユーザのさまざまな用途に対応するために、靴のさまざまな部位、方向、ゾーンに沿ったクッション性、跳ね返り性、剛性をできるだけ広く持つ靴が望まれている。
【0006】
したがって、代替的なクッション機能を含むソール構造を有する履物用品が所望されている。代替的なクッション機能を含むソール構造の製造を容易にするために、履物用品のソールに多種多様な代替的なクッション機能をもたらす方法を提供する、履物用品のソールを製造するための方法が開示される。アウトソールと1つ以上のミッドソールコンポーネントからソールを形成することにより、ソールの異なる領域、方向およびゾーンに沿ってクッション性、跳ね返り性および剛性が変化する多様なクッション構造を提供することが可能である。チャネルの形で緩衝機能を持つ金型からさまざまなミッドソール部品を製造する方法が開示される。チャネルは、ミッドソールコンポーネントを形成するために使用される材料のオーゼティック特性を利用する。さまざまなチャネルは、ソールの幅に沿って変化させることができるソールのクッション特性を選択するさまざまな方法を提供し、ソールに対する方向の角度によって変化させることができる。ミッドソールコンポーネントのさまざまなアセンブリにおけるこの多様なチャネルは、履物用品のソールのクッション性、跳ね返り、および剛性に十分に対応する方法を提供する。先行技術に関するこれらおよびその他の欠陥は、以下の開示において概説される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載された履物用品の多くの利点は、当業者には明らかであろう。例えば、ソール構造内に画定されたさまざまな空洞構造は、空洞構造を構成する空洞の配置および配列に基づいて、ミッドソールのプログラム可能な変形を可能にすることができる。空洞構造は、アウトソールに沿った機能と組み合わせて提供されてもよく、ランニングまたは他の激しい活動中の強化されたクッション性を支援することができる。さらに、本明細書に記載されるような代替の空洞構造構成が、具体的に示され記載されるミッドソールの利点のいくつかを達成するために用いられてもよい。本明細書に記載の履物用品におけるさまざまな要素および要素の組み合わせは、減衰、バネ様効果、またはプロネーションサポートなどのさまざまな運動上の利点を靴に付加する。
【0008】
いくつかの実施形態では、マリッジモールドを使用する方法として、第1の壁および少なくとも1つの第2の壁を有する上部プレートを提供すること、マリッジキャビティおよび上部壁を有する下部プレートを提供することを含む。本方法は、第1の材料で作製された少なくとも2つのミッドソールコンポーネントをさらに提供する。少なくとも2つのミッドソールコンポーネントはそれぞれ、第1の空洞構造、および第1の領域を有する。本方法は、少なくとも2つのミッドソールコンポーネントがマリッジキャビティに位置決めされることをさらに含む。本方法は、上部壁と第1の壁とがシールを形成するように、上部プレートが下部プレートに固定されることをさらに提供する。少なくとも2つのミッドソールコンポーネントは、相互に結合して、第2の空洞構造を有するミッドソールを形成する。
【0009】
いくつかの実施形態では、マリッジモールドを使用する方法が、第2の領域を有するアウトソールを提供する手順をさらに提供することを含む。第1の領域のアセンブリは、アウトソールの第2の領域と実質的に同じであるプロファイルを共に形成する。アウトソールは、少なくとも2つのミッドソールコンポーネントとともにマリッジキャビティに配置され、その後、ソールを形成するように接合される。いくつかの実施形態では、第1の空洞構造は、少なくとも2つのミッドソールコンポーネントのそれぞれにおいて少なくとも1つのチャネルを形成する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのミッドソールコンポーネントの各々は、オーゼティック特性を示す。いくつかの実施形態では、オーゼティック特性は、少なくとも2つのミッドソールコンポーネントの第1の材料に圧縮力が加えられると、第1の材料が収縮し、圧縮力に対して横方向である内側に引き込まれるような、プログラム可能な変形を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、ソールが密閉キャビティの外側でソールの形状を維持するように十分に冷却された後に、下部プレートまたは上部プレートから引き抜かれる。いくつかの実施形態では、ソールが、予め定められた時間が経過した後に、下部プレートまたは上部プレートから引き抜かれる。いくつかの実施形態では、マリッジモールドは、2つ以上のマリッジキャビティを有する。いくつかの実施形態では、アウトソールおよび少なくとも2つのミッドソールコンポーネントは、液体プラスチック材料の射出、注入、または噴霧によって、互いに接合されてソールを形成する。いくつかの実施形態では、下部プレートは、複数の外壁と、少なくとも1つのキャビティ壁と、少なくとも1つの注入通路と、本体と、を備える。少なくとも1つの注入通路は、複数の外壁の1つから始まり、本体を通って延び、対応する少なくとも1つのキャビティ壁の各々に流体接続される。
【0011】
いくつかの実施形態では、ミッドソールコンポーネントのモールドを使用する方法は、上部プレートと下部プレートを提供することを含む。上部プレートは、第1の壁と、少なくとも1つの第2の壁と、第1の壁から突出する複数のマンドレルと、を有する。下部プレートは、上壁と、本体と、複数の外壁と、少なくとも1つの対応するキャビティ壁を有する少なくとも1つのキャビティと、を有する。上部プレートは、シールを形成するために下部プレートに固定され、少なくとも1つのミッドソールコンポーネントは、少なくとも1つのキャビティ内に形成され、第1の材料で形成され、液体プラスチック材料が少なくとも1つのキャビティに射出、注入、または噴霧されたときに空洞構造を有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、上壁と少なくとも1つのキャビティ壁との交点は、エッジを形成する。第1の点および第2の点は、エッジ上の互いに最も遠位の点として画定され、第3の点は、エッジ上の第1の点および第2の点から同様に最も遠位の点として定義される。挿入面は、第1の点、第2の点、および第3の点に交差する平面として定義される。いくつかの実施形態では、複数のマンドレルは、上部プレートが下部プレートに固定されてシールを形成するときに、挿入平面に対して実質的に垂直または垂直な方向に第1の壁から突出する。いくつかの実施形態では、下部プレートは、注入通路を有する。いくつかの実施形態では、注入通路は、複数の外壁の少なくとも1つから始まり、本体を通って突出し、少なくとも1つのキャビティに流体接続される。
【0013】
いくつかの実施形態では、履物用品のソールは、アウトソール、左側ミッドソールコンポーネント、および右側ミッドソールコンポーネントを含む。アウトソールは第1の領域を有し、左側ミッドソールコンポーネントは第2の領域を有し、右側ミッドソールコンポーネントは第3の領域を有している。相互に組み合わされた第2の領域および第3の領域は、第1の領域と実質的に同じサイズおよび形状である。アウトソール、左側ミッドソールコンポーネント、および右側ミッドソールコンポーネントは、相互に接合される。いくつかの実施形態では、ソールは、少なくとも1つのチャネルを形成する細長い空洞を有するソール構造を有する。いくつかの実施形態では、ソールは内側表面と外側表面とを有し、少なくとも1つのチャネルは内側表面から外側表面まで延在する。いくつかの実施形態では、第1のチャネルは、左側ミッドソールコンポーネントの第1の壁から左側ミッドソールコンポーネントの第2の壁まで延在する。いくつかの実施形態では、第1のチャネルは、左側ミッドソールコンポーネントの第1の壁から延在するが、左側ミッドソールコンポーネントの第2の壁までは延在しない。いくつかの実施形態では、左側ミッドソールコンポーネントは、第1のチャネルの長さに沿って2度以上のテーパが付けられた第1のチャネルを有する。いくつかの実施形態では、左側ミッドソールコンポーネントは、第1のチャネルの長さに沿って2度未満のテーパが付けられた第1のチャネルを有する。いくつかの実施形態では、形成されたソールは、オーゼティックな特性を示すソール構造を有する。
【0014】
ここに記載されている履物用品の他の側面(その特徴および利点を含む)は、ここに記載されている図面および詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。したがって、履物用品のそのようなすべての側面は、詳細な説明とこの要約に含まれることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示に従って製造されるソールを有する履物用品または靴の分解斜視図であり、履物用品は、アッパーと、貫通して伸びる複数のチャネルを有するミッドソールと、アウトソールとを含む。
【
図2】
図2は、
図1の履物用品の組み立てられた状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、アッパーが取り外され、その上にユーザの骨格足部構造が重ねられた、
図1の履物用品の上平面図である。
【
図4】
図4は、貫通して延びる複数列の垂直方向またはノーマルチャネル(perpendicular or normal channels)が示された一つの列を有するミッドソールの側面図である。
【
図5】
図5は、ノーマルチャネルが破線で示された、
図4のミッドソールの平面図である。
【
図6】
図6は、さまざまな空洞構造を構成するオーゼティック材料の変化を、さまざまな空洞構造に加えられる力に対して比較するグラフである。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aの第1のモールドを使用して製造された、内部にノーマルチャネルを有するミッドソールコンポーネントの斜視図である。
【
図8】
図8は、ノーマルチャネルを有するミッドソールコンポーネントを製造するために構成された第2のモールドの上部プレートおよび下部プレートの分解斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、
図8の第2のモールドを使用して製造された、内部にノーマルチャネルを有するミッドソールコンポーネントの側断面図である。
【
図10】
図10は、ノーマルチャネルを有するミッドソールコンポーネントを製造するために構成された第3のモールドの上部プレートおよび下部プレートの分解斜視図である。
【
図11B】
図11Bは、
図10の第3のモールドを使用して製造された、内部にノーマルチャネルを有するミッドソールコンポーネントの側面図である。
【
図12】
図12は、角度が付けられたチャネルを有するミッドソールコンポーネントを製造するために構成された第4のモールドの上部プレートおよび下部プレートの分解斜視図である。
【
図13B】
図13Bは、
図12の第4のモールドを使用して製造された、内部に角度が付けられたチャネルを有するミッドソールコンポーネントの側面図である。
【
図14】
図14は、湾曲したチャネルを有するミッドソールコンポーネントを製造するために構成された第5のモールドの上部プレート、ヒンジバー、および下部プレートの分解斜視図である。
【
図15B】
図15Bは、
図14の第5のモールドを使用して製造された、内部に湾曲したチャネルを有するミッドソールコンポーネントの側面図である。
【
図16】
図16は、光線配置(ray configuration)されたチャネルを有するミッドソールコンポーネントを製造するために構成された第6のモールドの上部プレート、4つのボリュームエレメントまたはマンドレル(mandrels)、および下部プレートの分解斜視図である。
【
図18A】
図18Aは、
図16のモールドで製造された、内部に光線配置されたチャネルを有するミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図18B】
図18Bは、
図16のモールドで製造された、内部に光線配置されたチャネルを有するミッドソールコンポーネントの斜視図である。
【
図22】
図22は、
図7A、8、10、12、および14のさまざまなモールドのそれぞれを使用するためのステップを示す図である;。
【
図25】
図25は、3つのモールドステーションとそれぞれのコンポーネントからソールの製造工程を示すフローチャートである。
【
図26】
図26は、ノーマルチャネルを有するミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図27】
図27は、ノーマルチャネルを有する別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図28】
図28は、ミッドソールを形成するために組合わされた、ノーマルチャネルを有する3つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図29】
図29は、ミッドソールを形成するために組み合わされた、ノーマルチャネルを有する2つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図30】
図30は、ミッドソールを形成するために組み合わされた、ノーマルチャネルを有する2つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図31】
図31は、ミッドソールを形成するために組合わされた、ノーマルチャネルと角度が付けられたチャネルを有する3つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図32】
図32は、ミッドソールを形成するために組合わされた、ノーマルチャネルと角度が付けられたチャネルを有する3つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図33】
図33は、ミッドソールを形成するために組合わされた、ノーマルチャネルと角度が付けられたチャネルを有する3つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図34】
図34は、ミッドソールを形成するために組合わされた、ノーマルチャネルと湾曲したチャネルを有する3つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図35】
図35は、ミッドソールを形成するために組合わされた、ノーマルチャネルと湾曲したチャネルを有する2つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図36】
図36は、ミッドソールを形成するために組合わされた、ノーマルチャネルと光線配置されたチャネルを有する2つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図37】
図37は、ミッドソールを形成するために組合わされた、ノーマルチャネルと光線配置されたチャネルを有する2つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図38】
図38は、ミッドソールを形成するために組合わされた、湾曲したチャネルおよび光線配置されたチャネルを有する3つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図39】
図39は、ミッドソールを形成するために組み合わされた、角度が付けられたチャネル、ノーマルチャネル、および光線配置されたチャネルを有する4つの別々のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図40】
図40は、ミッドソールを形成するために組み合わされた、ノーマルチャネルと湾曲したチャネルを有する4つの個別のミッドソールコンポーネントの平面図である。
【
図41A】
図41Aは、
図20Aのマリッジモールドに挿入するために互いに積み重ねられたミッドソールコンポーネントの第1の層、第2の層、および第3の層の展開された側面図である。
【
図41B】
図41Bは、
図20Aのマリッジモールドに挿入するために互いに積層されたミッドソールコンポーネントの第1の層、第2の層、および第3の層を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明および添付の図は、アッパーおよびソール構造を有する履物のさまざまな実施形態または構成を開示するものである。実施形態は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのスポーツシューズを参照して開示されているが、履物の実施形態に関連する概念は、例えば、バスケットボールシューズ、クロストレーニングシューズ、サッカーシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキーおよびスノーボードブーツ、サッカーシューズおよびクリート、歩行靴、およびトラッククリートなどの広範囲の履物および履物の形態に適用することができる。履物用品の概念は、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、ヒールなど、非運動用とされる履物用品にも適用することができる。
【0017】
本明細書で使用される用語「約」は、例えば、本明細書の開示の実施形態に含まれることのできる履物用品または他の製造品に使用される典型的な測定および製造手順を通じて、これらの手順における不慮の過誤を通じて、組成物または混合物の製造または方法の実施に使用される成分の製造、供給源または純度の違い等を通じて生じることのある数値量におけるばらつきを指す。本開示を通じて、用語「約」および「およそ」は、その用語が先行する数値の±5%の範囲を指す。
【0018】
本開示は、履物用品または履物用品の特定のコンポーネント、例えば、アッパーまたはソールの構造に向けられている。より具体的には、本開示は、さまざまなモールドを使用してソール、アウトソール、およびさまざまなミッドソールコンポーネントを成形する方法について説明する。さらに、組み立てられた履物用品、ソール、アウトソール、およびさまざまなミッドソールコンポーネントが記載されている。さまざまなミッドソールコンポーネントは、それぞれのミッドソールコンポーネント内の空洞によって画定される空洞構造を有する。アッパーは、ニットコンポーネント、織布、不織布、革、メッシュ、スエード、または前述の材料の1つ以上の組み合わせから構成されてもよい。ニットコンポーネントは糸を編むことによって、織布テキスタイルは糸を織ることによって、不織布テキスタイルは一体型不織布ウェブの製造によって製造することができる。編物には、経糸編み、緯糸編み、平編み、丸編み、または他の適切な編み物操作の方法によって形成された織物が含まれる。ニット織物は、例えば、プレーンニット構造、メッシュニット構造、またはリブニット構造を有することができる。織布織物には、例えば、平織り、綾織り、サテン織り、ドビン織り、ジャカード織り、二重織り、またはダブルクロス織りなどの多数の織物形態のいずれかの方法によって形成される織物が含まれるが、これらに限定されない。不織布は、例えば、エアレイド法またはスパンレイド法によって作られた織物を含む。アッパーは、第1の糸、第2の糸、または第3の糸などのさまざまな材料から構成されてもよく、これらは、さまざまな特性またはさまざまな視覚特性を有することができる。
【0019】
以下の説明のための一般的な概要として、
図1~5は、本開示に従った履物用品およびそのコンポーネントを開示する。
図6は、加えられた力の大きさに対して比較されるさまざまなオーゼティック材料(auxetic materials)の変位を例示するグラフである。
図7A~18Bは、さまざまなミッドソールコンポーネントを製造する6つのモールドを、さまざまなミッドソールコンポーネントと共に開示している。
図19Aおよび
図19Bは、アウトソールモールドおよびアウトソールモールドを用いて製造されたアウトソールを開示する。
図20Aおよび
図20Bは、マリッジモールドと、マリッジモールドを使用して製造されたソールを開示している。
図21~
図24は、アウトソールモールド、さまざまなミッドソールコンポーネントを製造する6つのモールド、およびマリッジモールドを用いるステップを示す図を開示している。
図25は、ミッドソールコンポーネントモールドステーション、アウトソールモールドステーション、およびマリッジモールドステーションによってそれぞれ製造されるミッドソールコンポーネント、アウトソール、およびソールの製造フローを示すフローチャートである。
図26~
図41Bは、前述のモールドを利用して製造することができるさまざまなソールの例を提供する、ミッドソールコンポーネントのさまざまなアセンブリを示す図である。
【0020】
ここで
図1および
図2を参照すると、右足用の靴として構成され、アッパー52およびソールまたはソール構造54を含む履物用品または靴50の例示的な実施形態が示されている。しかしながら、いくつかの図では、履物用品50は左足用の靴として示されており、例示的な実施形態は、左足用の靴(図示せず)も包含している。
図1は、靴50を斜視分解図で描いており、アッパー52とソール54を含み、ソール54は、アウトソール58とミッドソール60とをさらに含んでいる。ミッドソール60とそれに対応するアウトソール58は、実質的に同じ面積を有する。そのため、ミッドソール60およびアウトソール58は、ミッドソール60の平面図から測定したときの形状および大きさが、アウトソール58の平面図から測定したときの形状および大きさと実質的に類似している。アウトソール58とミッドソール60は、
図2に示すように組み合わされて、ソール54を形成する。
【0021】
図2は、アッパー52とソール54が組合わされて右足側の靴50を形成した状態の靴50の斜視図である。ミッドソール60は、複数の空洞64からなる空洞構造62を備えて示されており、空洞64は、本開示に従って、強化されたクッション性またはソール54のプログラム可能な変形を提供するパターンを規定する。プログラム可能な変形は、所定の方向から加えられる力を受けたときにソールが予測可能で反復可能な方法で変形するように、空洞64および/またはソールの素材を形成することを含む。空洞64は第1の方向に延び、ミッドソール60内にチャネル66を画定する。空洞構造62を取り囲んで画定するミッドソール60の材料は、ミッドソールを形成するための任意の既知の材料で構成される。アッパー52はソール構造54に取り付けられ、ソール構造54とともに、ユーザが足を挿入することのできる内部キャビティ70(内部キャビティ70は、明確にするために
図2に示されている)を画定している。参考までに、靴50は、前足領域72、中足領域74、および踵領域76を画定する(
図2、3を参照)。
【0022】
図3を参照すると、前足領域72は、一組の足指または指骨80、足78の拇指球82、および一組の中足骨86を足指80と接続する一組の関節84を含む足78の部分を包む靴50の部分と一般に対応している。中足領域74は、前足領域72に近接し、隣接し、一般に、足78の土踏まず90とともに足78のアーチ88を包む履物用品50の部分と対応する。踵領域76は、中足領域74に近接し、隣接しており、一般に、踵または踵骨92、足首94、またはアキレス腱(図示せず)を含む足78の後部を包囲する履物用品50の部分に対応する。本開示は、実質的に同じである左右の靴50に関するものであるが、いくつかの実施形態では、左右の靴50の間に、左右の構成以外の相違が存在することがある。さらに、いくつかの実施形態では、左靴50は、右靴50が含まない1つまたは複数の追加要素を含むことがあり、またはその逆もある。
【0023】
図2の靴50を具体的に参照すると、アッパー52は、ソール54の上に配置され、ソール54と結合された状態で示されている。アッパー52は、複数の要素、例えば、布地、ポリマーフォーム、ポリマーシート、革、または合成皮革から従来通り形成されることができ、これらは、縫い目での結合または縫合を通じて結合される。いくつかの実施形態では、アッパー52は、ニット構造またはニットコンポーネントから形成される。さまざまな実施形態において、ニットコンポーネントは、アッパー52に異なる特性を提供することができるさまざまなタイプの糸を組み込んでよい。例えば、アッパーメッシュ層は縦編みであってもよく、メッシュ裏打ち層は丸編みで構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アッパー52のさまざまな層は、アッパー52のさまざまな層を接着するように、相互に熱プレスされる。
【0024】
アッパー52を構成する材料(複数可)に関連して、特定のタイプの糸がニットコンポーネントの領域に付与する特定の特性は、少なくとも部分的に、糸のさまざまなフィラメントおよび繊維を形成する材料に依存することがある。例えば、綿は、ニット材料にソフトな効果、生分解性、または自然の美観を与えることができる。エラスタンとストレッチポリエステルはそれぞれ、ニットコンポーネントに所望の弾力性と回復性を与えることができる。レーヨンは高光沢で吸湿性のある素材を、ウールは吸湿性を高めた素材を、ナイロンは耐摩耗性のある耐久性のある素材を、ポリエステルは疎水性で耐久性のある素材を提供することが考えられる。
【0025】
ニットコンポーネントの他の特性を変化させて、ニットコンポーネントの特性に影響を与え、所望の属性を提供することができる。例えば、ニットコンポーネントを形成する糸は、モノフィラメント糸またはマルチフィラメント糸を含むことができ、または糸は、それぞれが2つ以上の異なる材料で形成されているフィラメントを含むことができる。さらに、ニットコンポーネントは、ニットコンポーネントの領域に特定の特性を付与するために、特定のニットプロセスを使用して形成される場合がある。したがって、糸を形成する材料および糸の他の特性の両方を選択して、アッパー52の特定の領域にさまざまな特性を付与することができる。いくつかの実施形態では、ニット構造体の弾性は、ニット構造体が横方向に力を加えられた後の、第1の非伸長状態におけるニット構造体の幅または長さと第2の伸長状態におけるニット構造体の幅または長さとの比較に基づいて測定することができる。いくつかの実施形態では、アッパー、例えばステッチタイプ、ヤーンタイプ、または異なるステッチタイプもしくはヤーンタイプに関連する特性、例えば弾性、美的外観、厚さ、通気性、またはスカッフ抵抗が変化することがある。
【0026】
さらに
図1および
図2を参照すると、履物用品50は、紐98および複数のハトメ(eyelets)100を含む締め付けシステム96も含む。締め付けシステム96は、ユーザがアッパー52の寸法を修正すること、例えば、着用者が望むように足78(
図3を参照)の周りに、アッパー52の一部を締め付けたり緩めたりすることを可能にすることができる。他の実施形態では、締め付けシステム96は、ベルクロ(登録商標)のような面ファスナーシステムであってよい。例えば、いくつかの実施形態では、締め付けシステム96は、1つまたは複数のフックとループの締め付けストラップを含むことができる。いくつかの実施形態では、締め付けシステム96は、当技術分野で知られている別の紐なし締め付けシステムであってもよい。さらに、さらなる実施形態では、締め付けシステム96は、異なる手動レースシステムまたは自動レースシステム、例えば、参照によりその全体が組み込まれる2019年4月23日出願の米国特許出願第16/392,470号に記載のレースシステムを含んでもよい。
【0027】
図2を参照すると、履物用品50は、外側側面102および内側側面104を画定し、紐98は外側側面102から内側側面104に延びる。ユーザが履物用品50を履いているとき、外側側面102は履物用品50の外側に面する部分に対応し、内側側面104は履物用品50の内側に面する部分に対応する。このように、左足の靴(図示せず)および右足の靴50は、対向する外側側面および内側側面を有し、内側側面は、ユーザが靴を履いているときに互いに最も近くなるようにされ、外側側面は、靴が履かれているときに互いに最も遠くなる側面として定義されている。内側側面104および外側側面102は、履物用品50の対向する遠位端で互いに隣接している。
【0028】
再び
図1を参照すると、アッパー52は、外側側面102および内側側面104に沿って、前足領域72、中足領域74、および踵領域76を横切って、ユーザの足78(
図3を参照)を収容し包囲するように延びる。完全に組み立てられたとき、アッパー52はまた、内面106および外面108を含む。内面106は内側に向き、一般に内部キャビティ70(
図2を参照)を画定し、アッパー52の外面108は外側に向き、一般にアッパー52の外周または境界を画定する。内面106および外面108は、上記に開示されたアッパー層の一部を構成することができる。アッパー52はまた、履物用品50の踵領域76に少なくとも部分的に位置し、内部キャビティ70へのアクセスを提供し、それを通して足78が挿入および抜き出される開口部110を含む。いくつかの実施形態では、アッパー52は、踵領域76の開口部110から足78の甲に対応する領域にわたって前足領域72に隣接する領域まで延びる甲領域112を含むこともできる。
【0029】
図2を参照すると、ソール54が詳細に示されている。本実施形態のソール54は、例えば、トランポリン効果、減衰、またはプロネーションサポートなどの強化されたまたは異なる運動上の利点を提供するように形成されている。複数のノッチ114(
図1、
図2および4を参照)がミッドソール60内に画定され、アウトソール58が複数のノッチ114を横切って延びる。ソール54は、交互に設けられる複数の空洞64からなる空洞構造62を含む。いくつかの実施形態では、空洞64の各々は、チャネル66を形成するソール54の全幅に沿って延びるか、または細長く形成されている。空洞64はソール54のミッドソール60を通って延び、一方、アウトソール58はミッドソール60の底面116(
図1を参照)から延びるように示されている。インソール(図示せず)が含まれ、履物用品50の内面に接続されてもよい。インソールは、靴50が着用されている間、ユーザの足78と直接接触するように配置されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態(図示せず)では、アウトソール58は、中足領域74内に配置されている切り欠き114のいくつかを横切って延在しない。いくつかの実施形態では、アウトソール58は、より多くの、またはより少ない切り欠き114を横切って延在しないことがある。
図2は、ソール54に沿って切り欠き114を11個含むが、切り欠き114のうちより多くまたはより少なく含まれてもよい。例えば、4つのノッチ114と18のノッチ114との間、または6つのノッチ114と16のノッチ114との間、または8つのノッチ114と14のノッチ114との間が存在してもよい。踵領域46はまた、概ね平坦な部分118を含む。さまざまな切り欠き114は、空洞64と組み合わせて配置され、靴50に強化された、予め定められたクッション機能を提供する。
【0031】
いくつかの実施例では、アウトソール58は、履物用品50が着用されたときに少なくとも部分的に外面、例えば地面に接触するソール54の部分として定義することができる。インソール(図示せず)は、履物用品50が着用されたときに少なくとも部分的にユーザの足に接触するソール構造54の部分として定義されてもよい。最後に、ミッドソール60は、アウトソール領域とインソール領域との間に延び、インソール領域と接続するソール54の少なくとも一部分として定義することができる。ミッドソール60は、EVAフォーム、例えば、PUMA Profoam LiteTMなどのさまざまな材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ミッドソール60内でポリウレタンが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ミッドソール60またはミッドソール60の一部は、eTPUまたはeTPUE-Eなどの粒子発泡体からなるビーズまたはペレットからなる場合がある。さらに、いくつかの実施形態では、二重または多重密度のミッドソール60を使用することができる。いくつかの実施形態では、ミッドソール60は、ゲルからなる。さらに、いくつかの実施形態では、ミッドソール60は、ゴムからなる。さらに、いくつかの実施形態では、ミッドソール60は、超臨界発泡体からなる。
【0032】
引き続き
図2を参照すると、空洞構造62は、アウトソール58およびアウトソール58内によって画定されたさまざまなノッチ114と組み合わせて、ソール構造54に機械的クッションを提供する。以下においてより詳細に説明するように、空洞構造62の空洞64は、ソール54がオーゼティック材料(auxetic material)、すなわちオーゼティック特性(auxetic properties)を有する構造として機能することを可能にするように位置決めされる。オーゼティック構造(auxetic structures)は、圧縮されたときに高いエネルギー吸収性を有し、より柔軟なために膨張し、一般に、負のポアソン比を有する構造または材料からなる。一般に、オーゼティック材料は引き伸ばされると、加えられた力に対して垂直な方向に厚くなる。その結果、引張荷重を受けると、オーゼティックな性質を持つ材料は、荷重の方向と直交する方向に膨張することになる。同じ原理は、オーゼティック材料に圧縮力が加えられた場合にも適用され、本開示では、靴50の着用者が地面に衝撃を与えるために一歩を踏み出すことによって下向きの力を加えるときに発生する。
【0033】
オーゼティック材料に圧縮力が加わると、材料は収縮し、荷重と直交する方向に内側に引き込まれる。オーゼティック構造の変形は、さまざまな空洞および/または屈曲配置の特定の内部構造によって生じる。
図1に示す実施形態では、空洞64の少なくともいくつかはオーゼティックな特性で振る舞い、ソール54に下向きの軸方向の力が加わったときにソール54がプログラム可能に変形するような配置で分布している。さまざまな空洞64の特定の配置および配列は、ソール54の特定の領域内の所望の圧縮量に依存し、空洞64の少なくとも一部の変形により、ソール54を形成する材料がソール54の中心に向かって、内側に引き寄せられる。本明細書で論じたソール54に関して、オーゼティックな空洞構造62を実施すると、ソール54の所望の圧縮を達成するのに必要な材料が少なくなり、靴50の全体重量が低減する。ソール54の重量を減らすことは、ランニング、サッカー、バスケットボールなどの多くの活動に従事する靴の着用者にとって望ましい結果である。
【0034】
図1および
図2に示す右足用の靴50は、その中の空洞構造62の特定の構成に起因して優れたクッション特性を有するソール54を含むが、本開示は、ソール54(
図6を参照)内に実装されることのできるさまざまな空洞パターンを有する別の空洞構造62(
図5、6、7B、9B、および11Bを参照)に向けられている。以下により詳細に説明するように、
図1(および
図6を参照)に示す空洞64の特定の構成は、斬新的なクッションのための構造を開発するためにソール54に加えられる圧力点および力に関するデータ収集および分析に基づいて開発されている。靴50のソール54は、レムニスケート(lemniscate)、すなわち無限記号または「8の字」の外形に似た負の空間を規定する空洞と、上述した材料などの発泡体からなる構造とを実装している。しかしながら、空洞構造62は、レムニスケートとは異なる断面形状、例えば円形を有する空洞64およびチャネル66を具現化することができる。細長い空洞64は、チャネル66を形成するキャビティである。
【0035】
ここで
図4を参照すると、
図4のミッドソール60は空洞64が一列しかないが、
図2のミッドソール60は空洞64が一列以上ある。空洞64は細長く、またはミッドソール60の幅に沿って延びて、そこにノーマルチャネル(normal channel)または垂直チャネル(perpendicular channel)120を形成する(ノーマルチャネル120に関するさらなる議論については
図7Aおよび
図7Bを参照)。ノッチ114は、ミッドソール60の底面に示されている。比較すると、
図2は、空洞64のある特定の列が空洞64の次の列の真上および真下からオフセットされるように、上下の隣接する列に対して千鳥状に配置された空洞64のいくつかの列を有する。
図4のミッドソールの下側の輪郭またはノッチ114は、アウトソール58に面しており、ミッドソール60とアウトソール58(
図2を参照)の互いへの固定を改善する役割を果たす。
【0036】
図5は、
図4のミッドソール60の平面図であり、ノーマルチャネル120が破線で示されている。ノーマルチャネル120は、ミッドソール60の全幅を横断し、ミッドソール60の主軸または長手軸122に直交して延びている。主軸122は、踵領域76から前足領域72に向かって足踏みの一般的な方向に沿って突出するミッドソール60の軸として定義される。
図5のミッドソール60は右足の靴用であり、アウトソール58(
図2を参照)に固定または接着されるように構成される。ノーマルチャネル120は、前足チャネル124、踵チャネル126、および中足チャネル(midfoot channels)128を含む。前足チャネル124のうちの2つは前足領域72に位置し、踵チャネル126のうちの3つは踵領域76に位置し、2つの中足チャネル128はミッドソール60の中足領域74において前足チャネル124と踵チャネル128の間に位置している。空洞64(
図4を参照)によって形成されるノーマルチャネル120は、ノーマルチャネル120が最初に圧縮され、その後、足踏みごとに解放されるので、ミッドソール60によって生じる反発力を強化する。
【0037】
本明細書に開示される実施形態は、靴50のミッドソール60(
図2を参照)、すなわち靴50のソール54(
図2を参照)が、特殊なばねまたはクッションのような挙動を示すことを可能にし、それによってソール54が空洞構造62を包含する凹部に起因して所定の態様でつぶれる。
図5における前足チャネル124、踵チャネル126、および中足チャネル128の方向きは、履物用品50の着用者が主軸122に沿って踵からつま先までの前方ステップを踏むときに、あるプログラム可能な変形を与える。前足チャネル124、踵チャネル128、および中足チャネル128は、以下の
図7Aおよび
図7Bの議論において定義されるように、すべてノーマルチャネル120である。前足チャネル124、踵チャネル128、および中足チャネル128の方向は、
図5に示すように、主軸122に対して斜めに突出する副軸130に沿って、着用者が踵からつま先へと足踏みをするときに、異なるプログラム可能な変形を提供する。したがって、一般的な運動方向に対する前足チャネル124、踵チャネル128、および中足チャネル128の方向は、生成されるクッションおよびバネ効果に違いを生じさせる。
【0038】
図6は、さまざまな空洞構造134、136、138、140に加えられた力に対する、さまざまな空洞構造134、136、138、140からなるオーゼティック材料132の変位を比較するグラフである。グラフに隣接して示される第1の空洞構造134、第2の空洞構造136、第3の空洞構造138、および第4の空洞構造140からなる材料132に線形の圧縮が加えられている。第1の空洞構造134と第2の空洞構造136は、0.0N(ニュートン)から0.40Nまでの比較的一定の変位と、0.45Nから0.90Nまでの比較的一定の線形の変位を実現し、一方、第3の空洞構造138は指数的な変位を実現し、第4の空洞構造140は0.0Nから1.4Nまでの線形の変位と、1.4Nから1.65Nまでの対数的な変位を実現している。
図6のグラフに描かれたさまざまな変位曲線は、繰り返しの二次元構造の中でも空洞構造134、136、138、140の形状を変えることによって達成できる異なる変位特性を強調している。グラフはさらに、曲率および自己補強の要素を有する空洞構造134、136、138、140のパターンが、圧縮抵抗の推移的な増加を提供できることを示す。さらに、データは、異なる負荷力を受けるソール構造54のさまざまな部分が、プログラム可能な変形を達成するために、変化する空洞構造134、136、138、140を含むように製造できる方法を示す。
【0039】
図6は、空洞構造62を含む材料132が歪んで抵抗力を蓄積し、圧縮力が除去されるとオーゼティック材料132の跳ね返りを補助するという基本的な考えを強調する。しかし、歪みや変位の量と、その変位を実現するために必要な力の量とは、直線ではないことが多い。空洞構造62の形状は、材料132がどのように反応するかに違いを生じさせる。空洞構造62がチャネル66に成形されると、空洞構造62におけるチャネル66の形状、密度、位置および方向が、靴50の着用および使用中に経験する強度および弾力性に違いを生じさせることが分かる。例えば、ランニング中、靴50は、踵領域76(
図3を参照)において圧縮力を受けることから始まり、足(したがって靴50)が前方に転がるにつれて、踵領域76は、前足領域72(
図3を参照)がより圧縮力を受け始め、踵領域76が反発力または跳ね返りを受けるようになるまで、より少ない圧縮力を受けることができる。同様に、前足領域72が押し離しを完了すると、前足領域72は、弾力的な力または跳ね返りを受け始める。これらの耐圧縮力および跳ね返り力は、空洞64によって形成されるチャネル66の設計、形状、密度、および方向を含む空洞構造62の設計によって部分的に作り出される。
【0040】
ソール構造54の特定の領域は、強化されたまたは最適なクッション効果を提供するために、より少ない、または代替的な種類の空洞64を含むことができる。それにもかかわらず、ソール構造54内の空洞64の位置は、特定のソール構造54のための目標とするプログラム可能なクッション性の水準に基づいている。
図6に示すさまざまな空洞構造134、136、138、140は、本明細書に開示するソール構造54内に実装することができるパターンを画定し、交互の形状、またはソール構造54に沿って異なる大きさで提供することができる。
図6の空洞構造134、136、138、140は、さまざまな射出成形製造プロセスの制約内に適合し、望ましい圧縮および変形特性を有することが判明している。
図6に開示された空洞構造134、136、138、140のパターンは、各空洞64の間に特定の厚さの材料132を有することが示されているが、そこに示された空洞構造134、136、138、140を構成するさまざまな空洞64の間に追加の材料132を設けてもよく、空洞64は代替するサイズで構成してもよいと考えられる。さらに、
図6に示す空洞構造134、136、138、140のいずれかを、異なる態様の空洞構造134、136、138、140とミッドソール60内で組み合わせてもよく、図に示すような特定の配置または方向に限定される必要はない。上述のように、
図6の空洞構造134、136、138、140は、チャネル66を画定するために材料132を完全に貫通して延びる空洞64を含む。
【0041】
なお、
図6を参照すると、そこに示された第1の空洞構造134は、二次元構造を規定し、すなわち、空洞64の各々は4つの側面によって規定されている。第1の空洞構造134は、材料1321の部分によって分離される交互の横型空洞142および縦型空洞144を含む。そのため、
図6の第1の空洞構造134は、2種類の空洞、すなわち、横型の空洞142および縦型の空洞144のみを含む。空洞142、144は、その対向する端部にあるローブ146、148と、ローブ状の端部146、148の間のウェスト状の中間部150を含む。第1の空洞構造134の横型の空洞142は、中間部150から離れるように弓なりになった凸状の形状を一般に規定する対向する左端および右端152、154を含む。横型の空洞142はさらに、その中間部150に対して概ね凹状で内側に反っている上端および下端156、158を画定する。その結果、空洞142、144の左右の端部152、154は、その上下の端部156、158と交差している。縦型の空洞144は、横型の空洞142と同じ形状であるが、横型の空洞142から90度だけオフセットされる。上述のように、材料132の一部は、
図6に示す構造の圧縮性を調整するために厚くすることができる。
【0042】
第2の空洞構造136は、
図6に示されたように、行を横切って左から右に交互に進み、列を上下に交互に進む第1の空洞160および第2の空洞162を含んでいる。第3の空洞構造138が示されており、これは、行を横切って左から右へ交互に進み、列を上下に交互に進む第1の空洞164および第2の空洞166を含む。材料132内に第4の空洞構造140が示されている。
図6の第4の空洞構造140は、2次曲線であり、空洞168のうちの1つ内の中心点で互いに交差する直交軸について対称である。空洞168は全て同一であり、さまざまな行および列内で同じ方向に配向している。
【0043】
図6に示すさまざまな空洞構造134、136、138、140は、本明細書に開示するソール構造54内に実装することのできるパターンを画定し、ソール構造54に沿って交互の形状、異なる方向、または異なるサイズを提供することができる。
図6の空洞構造134、136、138、140は、さまざまな利点を達成し、さまざまなレベルの圧縮およびせん断を規定することが判明している。本明細書で論じるように、「せん断」という用語は、加えられた力の方向に対して垂直、水平方向における材料132の変形を指す。本明細書で議論される材料132のいくつかは、等方的に膨張するのではなく、偏りをもって膨張する、剪断オーゼティック材料132である。
【0044】
なお
図6を参照すると、グラフに示すように、空洞構造140に初期変形を生じさせるためにはより高い力が必要であるが、ある程度の変形に達すると、小さな追加力でより大きな変形を達成することができる。上述したように、オーゼティック材料132を形成するように構成された本明細書で論じたさまざまな空洞構造134、136、138、140は、空洞構造134、136、138、140に圧縮力を加えると空洞構造134、136、138、140を取り囲む材料132が縮んで負荷に対して横方向に内側に引き込まれるので有利である。したがって、圧縮力が加えられると、空洞構造134、136、138、140は材料132を収縮させ、圧縮荷重の下に追加の材料132と支持を提供する。力が加えられると材料132は内側に収縮させられるので、そこにいかなる種類の空洞構造134、136、138、140も含まない材料132と同様の量の支持を提供するために、より少ない材料132が必要である。
【0045】
前述の説明から見て、当業者には多くの変更があることが明らかであり、その個々のコンポーネントを多くの履物用品50に組み込むことができることを理解されたい。したがって、履物用品50およびそのコンポーネントの態様は、履物用品50の一般的な領域または部分を参照して説明することができるが、本明細書に記載される前足領域72、中足領域74、踵領域76、内側側面104、または外側側面102の境界は履物用品50間で異なる場合があることを理解されたい。しかしながら、履物用品50の態様およびその個々のコンポーネントは、履物用品50の正確な領域または部分を参照して説明することもでき、本明細書の添付の請求項の範囲は、本明細書で論じた前足領域72、中足領域74、踵領域76、内側側面104、または外側側面102のこれらの境界線に関連する制限を組み込むことができる。
【0046】
図1~5を参照すると、
図6の議論において上述した種々の空洞64および空洞構造134、136、138、140の特定の実施形態および構成は、特定の構成を有することを特徴とするが、配置、サイズ、方向、および形状に関する空洞64の特定の配置は、ソール構造54内の望ましいクッション効果に応じて変化することができることを理解すべきである。例えば、ソール構造54は、さまざまな材料および厚さから構成されることができ、その結果、各ソール構造54は、異なる態様で力が加えられる。本明細書で開示する空洞構造134、136、138、140は、各特定のソール構造54の特性に応じて、ソール構造54をプログラム可能に変形させることを意図しており、ソール構造54ごとに変化させることができる。本開示は、本明細書で論じた空洞構造134、136、138、140が、前述の形状のうちの1つまたは複数からなる、交互の形状からなる、または交互の構成で配置される、またはソール構造54のさまざまな区域または領域内で大きさが変化する空洞64を含むことができることを意図している。
【0047】
再び
図1および
図2を参照すると、ミッドソール60の空洞構造62は、第1の空洞170および第2の空洞172を含む。空洞構造62は、2列の空洞170、172を含むだけである。しかし、空洞構造62は、26列の空洞170、172を含む(
図2を参照)。さらに、ソール構造54は、2つの円形状の空洞174を含む。空洞構造62は、1列の空洞170、172を含んでもよく、2列の空洞170、172を含んでもよく、3列の空洞170、172を含んでもよく、4列の空洞170、172を含んでもよく、5列の空洞170、172を含んでもよく、6列の空洞170、172を含んでもよい。空洞構造62は、10列から45列の空洞170、172、または15列から40列の空洞170、172、または20列から35列の空洞170、172、または25列から30列の空洞170、172を含むことができる。
図4および
図5に示す実施形態では、1つの列から配列された7つの円形チャネル120を形成する7つの円形空洞174が示される。以下の
図7、9、11、13、15、17~18、20、および
図26~40のさまざまなミッドソール60およびさまざまなミッドソールコンポーネント176に示されるチャネル120は、すべてが円形状のチャネル120であり、それが1列で描かれている。しかしながら、より精巧な形状の空洞64、特に
図1、2、および6に描かれたレムニスケート形状の空洞170、172を、描かれたソール構造54でも利用できることが理解される。
【0048】
ここで
図7Aを参照すると、第1のモールド178の分解斜視図が示され、
図7Bは、第1のモールド178によって製造された、ノーマルチャネル120を有するミッドソールコンポーネント176の斜視図が示されている。
図7Aを参照すると、第1のモールド178の上部プレート180は、法線または垂直方向のボリューム要素(perpendicular or normal volume elements)またはマンドレル(mandrels)184が突出する第1の壁または下部壁182、若しくは少なくとも1つの第2または側壁186を有する。垂直方向のマンドレル184は、鋼またはアルミニウムなどの実質的に剛性を有する材料で作製されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2の壁186は、上部プレート180を下側のモールドまたはプレート190に対して所定の位置に持ち上げるまたは配置することを支援するためのハンドル188を有する。下側のプレート190は、本体192と、複数の外壁194と、上部壁196と、少なくとも1つのキャビティ198とを有する。キャビティは、本体192内の少なくとも1つのキャビティ壁200によって画定されている。少なくとも1つの注入通路202は、複数の外壁194のうちの1つから始まり、本体192を通って延び、対応する少なくとも1つのキャビティ壁200の各々に流体接続される。第1の壁182および上部壁196は、少なくとも1つのキャビティ198を封止するために選択的に相互に固定されるように構成される。
【0049】
なお、
図7Aを参照すると、対応する少なくとも1つのキャビティ壁200と上部壁196との間に境界またはエッジ204が形成されている。
図7Aにおいて、エッジ204は長方形状である。エッジ204は、ミッドソールコンポーネント176が一旦冷却されるとそこから引き抜くことができる、第1のモールド178のパーティングラインを表す。第1の点206および第2の点208は、境界線204に沿って互いに最も遠位となる点として定義される。第3の点210は、境界204上に位置し、第1の点206および第2の点208から均等に最も遠い点、すなわち、点206、208、210が三角形を形成し、点206と210、および208と210の間の距離が等しい点として定義されている。
図7Aのエッジ204は正方形ではないので、第2の点210は、長方形状のエッジ204の長いセグメントの1つに沿って位置し、角には位置しない。挿入面212は、第1の点206、第2の点208、および第3の点210に交差する平面として定義される。第1の壁182と上部壁196とが互いに固定されてシールを形成するとき、通常のマンドレル184は、挿入面212に対して実質的に垂直または法線方向に突出する。本実施形態では、挿入面212は、上部壁196によって形成された同じ平面に沿って延びているが、代替の構成が企図される。液体プラスチック材料を少なくとも1つのキャビティ198に射出、注入、または噴霧して、ノーマルチャネル120有するミッドソールコンポーネント176(
図7Bを参照)を形成することができる。ここで、液体プラスチック材料は、ミッドソールコンポーネント176を形成するために利用される材料を指す。しかし、この表現は、本開示全体を通してミッドソールコンポーネント176を形成するために適用可能な材料に限定して解釈されるべきではなく、用途ごとに対処されることになる。いくつかの実施形態では、液体プラスチック材料は、少なくとも1つの注入通路202を介して少なくとも1つのキャビティ198に射出され、注入され、または噴霧される。
【0050】
なお、
図7Aを参照すると、第1の壁182から突出する垂直方向のマンドレル184は、少なくとも1つのキャビティ198内に突出し、上部プレート180が下部プレート190の上部壁196に固定されるときに対応する少なくとも1つのキャビティ壁200に接触するように構成される。垂直方向のマンドレル184(normal mandrels 184)は、垂直方向のマンドレル184によって形成されるチャネル120の断面形状に一致する断面形状を有している。垂直方向のマンドレル184が円形断面形状を有する場合、円形断面形状のチャネル120がミッドソールコンポーネント176に形成される。垂直方向のマンドレル184がレムニスケート断面形状を有する場合、レムニスケート断面形状のチャネル120が、ミッドソールコンポーネント176に形成される。
図7Bに示されるノーマルチャネル120は、2度以下のテーパまたはピッチを有する。いくつかの実施形態では、ノーマルチャネル120は、テーパまたはピッチを全く有しない。このようにテーパの角度が小さいか、または無いことは、ノーマルチャネル120の断面がその長さに沿って実質的に一致していることを保証する。これは、ひいては、空洞構造62がノーマルチャネル120の全長に沿って概ね同じ性能を発揮する(すなわち、同じクッション効果を有する)ことを保証する。しかしながら、マンドレル184、したがって形成されたノーマルチャネル120に沿ったテーパの程度は、マンドレル184、したがって形成されたノーマルチャネル120の長さに沿って変化させることができることが考慮されている。例えば、テーパの程度は、チャネル120の長さの大部分で0.5度であってもよいが、ノーマルチャネル120の1セグメントではほぼ2度まで増加する。
【0051】
図7Bは、第1のモールド178によって形成されたミッドソールコンポーネント176を示しており、これは、上部プレート180(
図7Aを参照)の第1の壁182に近接する挿入壁214を有し、第1のモールド178(
図7Aを参照)に形成されたときに、下部プレート190(
図7Aを参照)の対応する少なくとも一つのキャビティ壁200に近接するキャビティ対向壁216を有する。
図7Bのミッドソールコンポーネント176には、挿入壁214からキャビティ対向壁216まで延びるノーマルチャネル120の3つが示されている。
【0052】
図8は、ノーマルチャネル120を有するミッドソールコンポーネント176(
図9Bを参照)を製造するように構成されている第2のモールド222の上部プレート218および下部プレート220の分解斜視図である。第1の壁226(
図8、
図9Aを参照)から突出するノーマルマンドレル(normal mandrels)224は、少なくとも1つのキャビティ228内に突出するように構成されているが、上部プレート218が下部プレート220の上部壁232に固定されたときに対応する少なくとも1つのキャビティ壁230に接触しない。垂直方向のマンドレル224は、対応する垂直方向のマンドレル224によって形成されるチャネル120の断面形状に一致する断面形状を有している。垂直方向のマンドレル224が円形断面形状を有する場合、円形断面形状のチャネル120がミッドソールコンポーネント176に形成される(
図9Bを参照)。垂直方向のマンドレル224がレムニスケート断面形状を有する場合、レムニスケート断面形状のチャネル120が、ミッドソールコンポーネント176に形成される。
図8のノーマルチャネル120は、2度以下のテーパまたはピッチを有する。いくつかの実施形態では、ノーマルチャネル120は、テーパまたはピッチを全く有しない。このようにテーパの角度が小さいか、または無いことにより、ノーマルチャネル120の断面がその長さに沿って実質的に一致することが保証される。これにより、空洞構造62(
図9Bを参照)は、ノーマルチャネル120が終了するまで、ノーマルチャネル120の全長に沿って概ね同じ性能を発揮する(すなわち、同じクッション効果を有する)ことが保証される。
【0053】
図9Aおよび
図9Bを参照すると、形成されるノーマルチャネル120は、ミッドソールコンポーネント176の全長には及ばない。第2のモールド222によって形成されたミッドソールコンポーネント176は、上部プレート218の第1の壁226に近接する挿入壁214を有し、第2のモールド222で形成されるとき下部プレート220の対応する少なくとも1つのキャビティ壁230に近接するキャビティ対向壁216を有する。ノーマルチャネル120の5つが、
図9Bのミッドソールコンポーネント176に示されており、これらは挿入壁214から延びるが、キャビティ対向壁216まで到達しない。垂直方向のマンドレル224は、ミッドソールコンポーネント176に空洞64、したがってノーマルチャネル120を形成する。垂直方向のマンドレル224は、垂直方向のマンドレル224によって形成されるように構成される空洞64の断面形状に一致する断面形状を有する。空洞64の断面形状は、生成されるノーマルチャネル120の断面形状を画定する。
【0054】
図10は、ノーマルチャネル120(
図11Bを参照)を有するミッドソールコンポーネント176(
図11Bを参照)を製造するように構成されている第3のモールド238の上部プレート234および下部プレート236の分解斜視図である。第1の壁242から突出する垂直方向のマンドレル240は、少なくとも1つのキャビティ244内に突出するように構成され、対応する少なくとも1つのキャビティ壁246に接触することができる。いくつかの実施形態では、マンドレル240は、上部プレート234が下部プレート236の上部壁248に固定されるとき、対応する少なくとも1つのキャビティ壁246に接触しない(
図11Aを参照)。垂直方向のマンドレル240は、垂直方向のマンドレル240によって形成されるチャネル120の断面形状に一致する断面形状を有している。垂直方向のマンドレル240が円形の断面形状を有する場合、円形断面形状のチャネル120がミッドソールコンポーネント176に形成される(
図11Bを参照)。
【0055】
図10の第3のモールド238によって形成されるノーマルチャネル120は、テーパ状であり、2度以上のテーパまたはピッチを有する。いくつかの実施形態では、ノーマルチャネル120は、3度以上、または4度以上、または5度以上、または6度以上、または7度以上、または8度以上、または9度以上、または12度以上、または15度以上、または20度以上、または25度以上、または30度以上のテーパを有する。いくつかの実施形態では、ノーマルチャネル120は、
図7Aの第1のモールド178と同様の様式で、対応する少なくとも1つのキャビティ壁246まで延在する。いくつかの実施形態では、ノーマルチャネル120は、
図8の第2のモールド222と同様の形態で、対応する少なくとも1つのキャビティ壁246まで延在していない。本実施形態のテーパの角度は、ノーマルチャネル120の断面が、その長さに沿って実質的に異なることを保証する。これにより、空洞構造62が、2度以上のテーパを有するノーマルチャネル120の全長に沿って、異なる性能、すなわち、異なるクッション効果を有することが保証される。
【0056】
図11Aは、
図10のモールド238の側面図であり、
図11Bは、
図10のモールド238で作られたミッドソールコンポーネント176であり、ノーマルチャネル120が示されている。
図11Bを参照すると、ミッドソールコンポーネント176の挿入壁214およびキャビティ対向壁216が示されており、ノーマルチャネル120は、キャビティ対向壁216まで延びていない。ノーマルチャネル120はスパイク状または尖った形状で示されているが、テーパは図示されているよりも急峻であってもよいし、急峻でなくてもよい。上部プレート234(
図11Aを参照)の引き出しを容易にすることに加えて、本実施形態のノーマルチャネル120は、ノーマルチャネル120のテーパまたはピッチが、例えば2度以上異なるので、クッション効果をノーマルチャネル120の長さに沿って異なるものにすることができる。
【0057】
図12は、角度が付けられたチャネル256を有するミッドソールコンポーネント176(
図13Bを参照)を製造するように構成された第4のモールド254の上部プレート250および下部プレート252の分解斜視図である。上部プレート250は、角度が付けられたボリューム要素(volume elements)またはマンドレル260が突出する第1の壁258と、少なくとも1つの第2の壁262とを有する。いくつかの実施形態では、第1の壁258は水平ではなく、代わりに水平に対して角度をつけて配置される(
図13Aを参照)。角度が付けられたマンドレル260は、鋼またはアルミニウムなどの実質的に剛性のある材料で作製されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2の壁262は、上部プレート250を下部プレート252に対して所定の位置に持ち上げるまたは配置することを支援するためのハンドル264を有する。下部プレート252は、本体266と、複数の外壁268と、第1の壁258に対してシールされるように構成された上部壁270と、対応する少なくとも1つのキャビティ壁274を有する少なくとも1つのキャビティ272とを有する。少なくとも1つの注入通路276は、複数の外壁268のうちの1つで始まり、そこから本体266を通って延在し、対応する少なくとも1つのキャビティ壁274のそれぞれに流体接続される。第1の壁258および上部壁270は、少なくとも1つのキャビティ272を封止するために選択的に相互に固定されるように構成される。
【0058】
引き続き
図12を参照すると、エッジまたは境界278が、対応する少なくとも1つのキャビティ壁274と上部壁270との間に形成されている。
図12のエッジ278は矩形状であるが、他の実施形態では、エッジ278は正方形状とすることができる。エッジ278は、第4のモールド254のパーティングラインを表し、ここでミッドソールコンポーネント176は一旦冷却されると引き抜くことができる。第1の点280および第2の点282は、エッジ278に沿って互いに最も遠位である点として画定される。第3の点284は、境界278上で、第1の点280および第2の点282から均等に最も遠方に位置する点、すなわち、点280、282、および284が三角形を形成し、点280と284、および282と284との間の距離が等しいものとして画定されている。
図12においてエッジ278は長方形状であるため、第3の点284はエッジ278のセグメントに沿って配置され、エッジ278の角には配置されない。第1の点280、第2の点282、および第3の点284と交差する平面として、挿入面286(
図13Aに示す)が画定される。ここで、挿入面286は、上部壁270と共平面である。第1の壁258および上部壁270が互いに固定されてシールを形成するとき、角度が付けられたマンドレル260は、挿入面286に対して実質的に垂直または法線方向に突出しない。液体プラスチック材料を少なくとも1つのキャビティ272に射出、注入、または噴霧して、角度が付けられたチャネル256を有するミッドソールコンポーネント176を形成することができる。いくつかの実施形態では、液体プラスチック材料は、少なくとも1つの注入通路276を介して少なくとも1つのキャビティ272に射出され、注入され、または噴霧される。
【0059】
角度が付けられたマンドレル256は、第1の壁258から実質的に垂直に突出しない。これは、少なくとも2つの方法のうちの1つによって達成することができる。第1に、第1の壁258を水平以外の角度に勾配をつけることにより(
図13Aを参照)、上部プレート250から垂直に引き出されるとき、角度が付けられたマンドレル256は少なくとも1つのキャビティ272から引き抜くことができる。第2に、第1の壁258は、水平に配置されたままであってもよいが、上部プレート250が垂直に対して角度をつけて引き抜かれる(図示せず)。結果は同じであり、すなわち、形成されたミッドソールコンポーネント176は、挿入面286(
図13Aおよび13Bを参照)に対して実質的に垂直に突出しない角度が付けられたチャネル256を有する。ミッドソールコンポーネント176が下部プレート252から取り外されるとき、ミッドソールコンポーネント176は、本体266を干渉なく取り除くために上部壁270に対して垂直な(図示しない)角度で取り外される。
【0060】
引き続き
図12を参照すると、第1の壁258から突出する角度が付けられたマンドレル260は、少なくとも1つのキャビティ272内に突出するように構成され、上部プレート250が下部プレート252の上部壁270に固定されるとき、少なくとも1つのキャビティ壁274に接触してもよいし接触しなくてもよい。角度が付けられたマンドレル260は、角度が付けられたマンドレル260によって形成される角度が付けられたチャネル256の断面形状に一致する断面形状を有している。角度が付けられたマンドレル260が円形の断面形状を有する場合、円形断面形状の角度が付けられたチャネル256がミッドソールコンポーネント176に形成される。角度が付けられたマンドレル260がレムニスケート断面形状を有する場合、レムニスケート断面形状の角度が付けられたチャネル256が、ミッドソールコンポーネント176に形成される。形成される角度が付けられたチャネル256は、チャネル256に沿ったテーパの程度によって限定されることはない。角度が付けられたチャネル256は、2度未満のピッチまたはテーパを有していてもよい。角度は付けられたチャネル256は、2度以上のテーパを有していてもよい。いくつかの実施形態では、角度が付けられたチャネル256は、3度以上、または4度以上、または5度以上、または6度以上、または7度以上、または8度以上、または9度以上、または12度以上、または15度以上、または20度以上、または25度以上、または30度以上のテーパを有する。角度が付けられたマンドレル260は、下部プレート252の対応する少なくとも1つのキャビティ壁274に接触する、接触しないについても限定されない。
【0061】
次に、
図13Aを参照すると、
図12のモールド254の側面図が示されており、
図13Bは、角度が付けられたチャネル256を有する
図12のモールド254で製造されたミッドソールコンポーネント176の側面図が示されている。上部プレート250は、第1の壁258から突出する角度が付けられたマンドレル260を有し、少なくとも1つの第2の壁262から突出するハンドル264を有する。第1の壁258と対応する上部壁270は、水平軸288に沿って着座しておらず(
図13Aでは、水平軸288は第4のモールド254の下に示されている)、これにより上部プレート250の引き出しが容易になる。下部プレート252は、複数の外壁268と、上部壁270と、少なくとも1つのキャビティ272と、対応する少なくとも1つのキャビティ壁274と、本体266と、を有する。注入通路276(
図12を参照)は、点線で示されている。角度のついたマンドレル260は、
図13Aにおいて少なくとも1つのキャビティ272が封止されたときに、対応する少なくとも1つのキャビティ壁274に到達する。
図13Bを参照すると、ミッドソールコンポーネント176は、挿入壁214に対して垂直以外の角度で延在し、キャビティ対向壁216まで延在する3つの角度のついたチャネル256を有する。ミッドソールコンポーネント176の角度が付けられたチャネル256は、経験される力または発生する動きの方向きに応じて、異なるクッション効果を提供する。例えば、参考のために
図31を参照すると、角度が付けられたチャネル256は、力F1(290)、F2(292)、および力F3(294)を経験するときに、異なるクッション効果を提供する。
【0062】
図14は、湾曲したチャネル304(
図15Bを参照)を有するミッドソールコンポーネント176を製造するように構成された第5のモールド302の上部プレート296、ヒンジバー298、および下部プレート300の分解斜視図である。上部プレート296は、湾曲したボリューム要素またはマンドレル308が突出する第1の壁または下部壁306、少なくとも1つの第2の壁210を有する(
図14、15を参照のこと)。いくつかの実施形態では、上部プレート296は、ハンドル312を有する(明確にするために、ハンドル312は、
図15では取り除かれている)。いくつかの実施形態では、上部プレート296は、ヒンジバー298を保持するように構成されたヒンジバー保持装置または第1のローブ314を有する。湾曲したマンドレル308は、鋼またはアルミニウムなどの実質的に剛性のある材料で形成されている。
【0063】
図15Aを参照すると、第5のモールド302が示されており、このモールドは、回動ヒンジ316を中心に上部プレート296が下部プレート300上に昇降するのを容易にするヒンジバー298または同等の要素を有している。第5のモールド302の下部プレート300は、本体318と、複数の外壁320と、ヒンジバー保持装置または第2のローブ322と、上部壁324と、それぞれが対応する少なくとも1つのキャビティ壁328を有する少なくとも1つのキャビティ326とを有する。少なくとも1つの注入通路330は、複数の外壁320のうちの1つから始まり、本体318を通って延び、それぞれの対応する少なくとも1つのキャビティ壁328に流体接続される。第1の壁306および上部壁324は、液体プラスチック材料を少なくとも1つのキャビティ326に射出、注入、または噴霧してミッドソールコンポーネント176(
図15B参照)を形成できるように、選択的に相互に固定されて少なくとも1つのキャビティ326を封止するように構成される。第1の壁306から突出する湾曲したマンドレル308は、少なくとも1つのキャビティ326内に突出するように構成され、対応する少なくとも1つのキャビティ壁328に達してもよいし、対応する少なくとも1つのキャビティ壁328に達しなくてもよい。湾曲したマンドレル308が対応する少なくとも1つのキャビティ壁328に達すると、湾曲したチャネル304は、ミッドソールコンポーネント176の挿入壁214からミッドソールコンポーネント176のキャビティ対向壁216に延在する(
図34を参照)。湾曲したマンドレル308が対応する少なくとも1つのキャビティ壁328に達しない場合、形成された湾曲したチャネル304は、ミッドソールコンポーネント176の挿入壁214から延在するが、ミッドソールコンポーネント176のキャビティ対向壁216には達しない(
図15Bを参照)。
【0064】
再び
図14を参照すると、湾曲したマンドレル308は、空洞64(
図15Bを参照)を形成し、したがってミッドソールコンポーネント176に湾曲したチャネル304を形成する。湾曲したマンドレル308は、ミッドソールコンポーネント176に湾曲したマンドレル308によって形成される空洞64の断面の形状に一致する断面形状を有する。空洞64の断面形状は、湾曲したチャネル304の断面形状を画定する。上部プレート296および下部プレート300は、ヒンジバー298(
図15Aを参照)の周りに回動運動をする関係を形成する。個々の湾曲したマンドレル308は、上部プレート296がヒンジバー298(
図15Aを参照)を中心に回動して開くと、湾曲したマンドレル308が円弧332の経路に沿って挿入および引き抜くように、円弧332(
図15Aを参照)に沿って配列される。
【0065】
湾曲したマンドレル308は、2度以上のテーパまたはピッチを有することができ、または湾曲したマンドレル308は、全くテーパを有しないか、または2度未満のテーパもしくはピッチを有することができる。いくつかの実施形態では、湾曲したチャネル304は、3度以上、または4度以上、または5度以上、または6度以上、または7度以上、または8度以上、または9度以上、または12度以上、または15度以上、または20度以上、または25度以上、または30度以上のテーパを有する。湾曲したマンドレル308は、ミッドソールコンポーネント176の挿入壁214からキャビティ対向壁216に達する湾曲したチャネル304(
図15B参照)をミッドソールコンポーネント176に形成することができる。湾曲したマンドレル308は、キャビティ対向壁216に達しない湾曲したチャネル304をミッドソールコンポーネント176に形成することができる(
図15Aおよび
図15Bを参照)。湾曲したチャネル304は、半径方向の長さに沿って異なるクッション効果を提供する。
【0066】
図15Aは、
図14のモールド302の側面図であり、
図15Bは、湾曲したチャネル304を示す
図14のモールド302で作製されたミッドソールコンポーネント176である。上部プレート296と下部プレート300は、ヒンジバー298の周りで回動する関係を形成している。上部プレート296が少なくとも1つのキャビティ326に挿入されるか、またはそこから引き抜かれると、湾曲したマンドレル308はそれぞれの円弧332に沿って移動する。
図15Bでは、ミッドソールコンポーネント176が、同様の円弧332のそれぞれに沿って方向付けられた33の湾曲したチャネル304を有し、その後に対応する湾曲したチャネル304を形成した湾曲したマンドレル308が続くが、より多いまたは少ない湾曲したチャネル304が意図されている。
【0067】
図16は、光線配置(ray configuration)されたチャネル342を有するミッドソールコンポーネント176(
図18A、18Bを参照)を製造するように構成された第6のモールド340の上部プレート334、4つの光線配置されたボリューム要素またはマンドレル336、および下部プレート338の分解斜視図である。上部プレート334は、第1の壁344(
図16、17Bを参照)および少なくとも1つの第2の壁346(
図16、17Aを参照)を有する。いくつかの実施形態において、上部プレート334は、ハンドル348を有する。複数の光線配置されたマンドレル336は、鋼またはアルミニウムなどの実質的に剛性のある材料で作製されている。いくつかの実施形態では、光線配置されたマンドレル336は、それぞれ、カラー(collar)350を有する。第6のモールド340の下部プレート338は、本体352と、複数の外壁354と、上部壁356と、複数の挿入壁358と、それぞれが対応する少なくとも1つのキャビティ壁362を有する少なくとも1つのキャビティ360とを有する。少なくとも1つの注入通路364は、複数の外壁354のうちの1つから始まり、本体352を通って延び、それぞれの対応する少なくとも1つのキャビティ壁362に流体接続されている。
【0068】
第1の壁344および上部壁356は、液体プラスチック材料を少なくとも1つのキャビティ360に射出、注入、または噴霧してミッドソールコンポーネント176(
図17C、18A、18Bを参照)を形成できるように、選択的に相互に固定して少なくとも1つのキャビティ360のシールの一部を形成するように構成される。複数のマンドレル通路366は、複数の外壁354、本体352、および複数の挿入壁358を通って延在し、複数のマンドレル通路366の各々は、完全に挿入されたときに、複数のマンドレル通路366の各々の中に対応する光線配置されたマンドレル336を密封的に保持するように構成される。これが存在する場合、光線配置されたマンドレル336の完全な挿入は、対応するカラー350が複数の外壁354(
図17Bを参照)に接触することによって規定することができるが、これは、以下のように作用する。複数のマンドレル通路366の各々は、複数のマンドレル通路366の対応する1つに対して軸方向に配列させることができ、または複数のマンドレル通路366の別のものに対して軸方向に配列させないことができる。ただし、複数のマンドレル通路366のそれぞれは、例えば
図18A、
図18Bで参照されるように、複数のマンドレル通路366が同じ水平面上に位置していない場合には、あらかじめ選択された中心点368または中心軸370に向かって延びるように軸方向を向いている。中心点368は、各マンドレル通路366の軸が交差する点、すなわち光線配置されたチャネル342(明確な図は
図18Aを参照)の中央の点である。
【0069】
中心点368または中心軸370(
図18A、18Bを参照)は、ミッドソールコンポーネント176(
図18A、18Bを参照)の幾何学的中心にあることに限定されず、ミッドソールコンポーネント176内の任意の望ましいまたは予め選択された位置であってもよい。第1の壁344および上部壁356は、光線配置されたマンドレル336が対応する複数のマンドレル通路366のすべての中に密封可能に保持されなければ、少なくとも1つのキャビティ360を密封することができない。カラー350が存在する場合、少なくとも1つのキャビティ360に対して光線配置されたマンドレル336の挿入の深さを制御するためのハードストップを提供する。
【0070】
なお、
図16を参照すると、光線配置されたマンドレル336は、対応するマンドレル通路366をシールするために少なくとも1つのキャビティ360の中へ直線的に内側に移動される。光線配置されたマンドレル336は、シールを破り、光線配置されたマンドレル336からの干渉または損傷なしにミッドソールコンポーネント176を取り外すことができるように、十分なクリアランスを提供するために少なくとも1つのキャビティ360から外側に直線的に動かされる。光線配置されたマンドレル336は、光線配置されたマンドレル336が1つのプレートに取り付けられ、そして一軸に沿って動かすことができるようには方向付けられていない。その結果、光線配置されたマンドレル336は放射状に配置され(
図17C~18Bを参照)、光線配置されたマンドレル336の各々は、他の光線配置されたマンドレル336とは異なる放射状角度で動くことになる。光線配置されたマンドレル336の動きは、手動で、または自動化で、または2つの任意の組み合わせで行うことができる。大量生産の環境下では、光線配置されたマンドレル336のそれぞれを一体的に動かす単一の装置によって挿入または引き抜くように構成されるであろうことが考えられるが、代替の構成も考えられる。
【0071】
第1の壁344、上部壁356、および光線配置されたマンドレル336は、液体プラスチック材料を少なくとも1つのキャビティ360内に射出、注入、または噴霧してミッドソールコンポーネント176を形成できるように、選択的に相互に固定して少なくとも1つのキャビティ360を封止するように構成される。光線配置されたマンドレル366は、少なくとも1つのキャビティ360内に突出するように構成され、少なくとも1つのキャビティ360内の中心点368で別の光線配置されたマンドレル356に接触してもよいし、他の光線配置されたマンドレル336には接触しないようにしてもよい。光線配置されたマンドレル336は、2度以上のテーパまたはピッチ、または2度未満のテーパ、またはテーパを付けないことができる。いくつかの実施形態では、光線配置されたチャネル342は、3度以上、または4度以上、または5度以上、または6度以上、または7度以上、または8度以上、または9度以上、または12度以上、または15度以上、または20度以上、または25度以上、または30度以上のテーパを有する。
【0072】
引き続き
図16を参照すると、光線配置されたマンドレル336は、ミッドソールコンポーネント176(
図18Bを参照)に空洞64(
図18Bを参照)を形成し、すなわち光線配置されたチャネル342(
図18Bを参照)を形成する。光線配置されたマンドレル336は、光線配置されたマンドレル336によって形成される対応する空洞64の断面の形状に一致する断面形状を有する。空洞64の断面形状は、光線構成されたチャネル342の断面形状を規定する。光線配置されたチャネル342は、踵領域76内など、ミッドソールコンポーネント176内に異なるクッション性の中心点368を形成する方法を提供する(
図3、36を参照)。中心点368を左または右に、あるいは前方または後方に移行させることによって、クッション効果をミッドソールコンポーネント176内の所望の点の周りに中心を置くことができる(
図18A、18B、および36~39を参照のこと)。
【0073】
図17A~17Cを参照すると、
図16のミッドソールコンポーネントモールド340の側面図が、3つの異なる動作の段階で図示されている。動作の第1の階372(
図17Aを参照)は、ハンドル348を有する上部プレート334と、少なくとも1つのキャビティ360に流体接続された少なくとも1つの注入通路364を有する下部プレート338とを示し、マンドレル通路366の2つが示されている。動作の第2の段階374(
図17Bを参照)は、少なくとも1つのキャビティ360のシールの一部を提供するために、カラー350のハードストップで完全に挿入された光線配置されたマンドレル336を示す。動作の第3の段階376(
図17Cを参照)は、光線配置されたチャネル342を有するミッドソールコンポーネント176を第6のモールド340から引き出すことができるように、光線配置されたマンドレル336を軸方向に引き抜かれた状態を示す。
【0074】
図18Aは、光線配置されたチャネル342を有する、
図16のモールド340で製造されたミッドソールコンポーネント176の平面図であり、
図18Bは、光線配置されたチャネル342を有する、
図16のモールド340で製造されたミッドソールコンポーネント176の斜視図である。ミッドソール部品176は、中心点368と軸方向に交差するようにすべて配向された6つの光線配置されたチャネル342を含む。光線配置されたチャネル342のいずれも中心点368に達していないが、他の実施形態では、光線配置されたチャネル342が中心点368または中心軸370に達することがある。この設計は、クッション効果が光線構成チャネル342のいずれかに沿ったクッションとは異なる中心点を作り出す。
【0075】
次に
図19Aを参照すると、アウトソールモールド378の側面図が図示されており、
図19Bは、アウトソールモールド378で作られたアウトソール58を示す。アウトソールモールド378は、第1の壁または下部壁382および少なくとも1つの第2の壁384を有する上部プレート380、ならびに上部壁388、本体390、少なくとも1つのキャビティ392、対応する少なくとも1つのキャビティ壁394、および複数の外壁396を有する下部プレート386を有する。キャビティ壁394は、運動用履物用品50(
図1、2を参照)の外装の一部となるように構成されたアウトソール58(
図19Bを参照)の底部にエンボスまたは突起400を形成する輪郭398を含む。少なくとも1つの注入通路402は、複数の外壁396の少なくとも1つから始まり、本体390を通って延び、対応する少なくとも1つのキャビティ壁394(
図19Aを参照)に流体接続される。第1の壁382および上部壁388は、少なくとも1つのキャビティ392を封止するために選択的に相互に固定されるように構成される。第1の壁382および上部壁388が相互に固定され、少なくとも1つのキャビティ392が密閉されたとき、少なくとも1つのキャビティ392の体積が部分的に点線で示される。少なくとも1つの実施形態では、液体プラスチック材料が、少なくとも1つのキャビティ392に射出、注入または噴霧されて、少なくとも1つの注入通路402を介してアウトソール58を形成する。ここで、液体プラスチック材料は、アウトソール58を形成するために用いられる材料を指す。しかし、この文言は、本開示全体を通してアウトソール58を形成するのに適用可能な材料に限定して解釈されるべきではなく、用途ごとに対処することになる。
【0076】
図20Aは、マリッジモールド404を用いた一連の工程を示す側面図であり、
図20Bは、マリッジモールド404を用いて製造したソール54を示す図である。一連の工程は、第1のステップ406、第2のステップ408、第3のステップ410、および第4のステップ412を含む(
図20Aを参照)。マリッジモールド404は、第1の壁または下部壁416、および少なくとも1つの第2の壁418を有する選択的に取り外し可能な上部プレート414(第3のステップ410から第4のステップ412を比較)と、上壁422、本体424、少なくとも1つのキャビティ426、対応する少なくとも1つのキャビティ壁428、および複数の外壁430(
図20Aを参照)を有する下部プレート420を有する。いくつかの実施形態では、上部プレート414は、上部プレート414の持ち上げおよび位置決めを支援するハンドル432(第4のステップ412を参照)を有する。ハンドル432が示されているが、マリッジモールドは、特に自動化プロセスを使用する場合、ハンドルなしで操作できることが意図されており、ハンドルは必要ないと考えられる。特に自動化は、他のモールドにおいてもハンドルの採用を排除することができ、具体的には、ハンドル188、264、312、および348である。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの注入通路402は、複数の外壁430の1つから始まり、本体424を通って延び、それぞれの対応する少なくとも1つのキャビティ壁428(
図20Aを参照)に流体接続されている。
【0077】
第1の壁416および上部壁422は、少なくとも1つのキャビティ426を封止するために選択的に相互に固定するように構成される。少なくとも1つのキャビティ426の体積は、少なくとも1つのキャビティ426が密閉されたときの体積を示すために、点線(第2のステップ408を参照)によって部分的に示されている。いくつかの実施形態では、液体プラスチック材料を少なくとも1つのキャビティ426に射出、注水、または噴霧して、アウトソール58をミッドソールコンポーネント176に接着または接合することを支援することができる。ここで、液体プラスチック材料は、ミッドソールコンポーネント176をアウトソール58に接着または接合するために用いられる材料を指し、これは、液体でプラスチックであり、一旦冷却されるとさまざまなコンポーネント58、176の接着または接合を提供できる任意の材料を適用することができる。しかし、この文言は、ミッドソールコンポーネント176およびアウトソール58を相互に接着または接合するのに適用可能な材料に限定して解釈されるべきではなく、本開示を通じて用途ごとに対応されることになる。いくつかの実施形態では、接着とソール54の所望の最終形状への適合を容易にするために、液体プラスチック材料、ミッドソールコンポーネント176およびアウトソール58は、熱(図示しない加熱要素)が加えられる。いくつかの実施形態では、ソール54を形成するためにミッドソールコンポーネント176およびアウトソール58を接着または接合するためにプラスチック材料が利用されず(
図20Bを参照)、ソール54を形成するためにミッドソールコンポーネント176およびアウトソール58を共に加熱して部分的に溶かすために熱のみがマリッジモールド404へ与えられる。熱は、ミッドソールコンポーネント176およびアウトソール58を部分的に溶融させ、部分的に溶融した物体は、冷却されると相互に良好に接着される。また、熱は、同様にソール54の成形を容易にする役割を果たす。
【0078】
引き続き
図20Aを参照すると、アウトソール58は、上面から見たときのアウトソール58の形状およびサイズを画定する第1の領域434を有する。各ミッドソールコンポーネント176は、上面から見たときのミッドソールコンポーネント176の形状およびサイズを画定する第2の領域436を有する。マリッジモールド404は、対応するアウトソール58の第1の領域434と実質的に同じプロファイルを集合的に備えた第2の領域436を有するミッドソールコンポーネント176の組立体を配置するように構成される。ミッドソールコンポーネントのアセンブリ176は、ソール54を形成するために、マリッジモールド404内の対応するアウトソール58と接着または接合するように構成される。ミッドソールコンポーネント176の組み立ては、対応するアウトソール58(
図26~
図27を参照)の第1の領域434と実質的に同じサイズおよび形状である第2の領域436を有するように成形された1つミッドソール60(
図27を参照)を形成するために組み合わせることができる。あるいは、ミドルソールのコンポーネント176の第2の領域436、たとえば、左側ミドルソールのコンポーネント438の第2の領域436および右側ミドルソールのコンポーネント440の第2の領域436は、組み合わされたときに対応するアウトソール58の第1の領域434と実質的に同じプロファイルを有することができる。次に、対応するアウトソール58を、2つのミッドソールコンポーネント438、440とともにマリッジモールド404に挿入して(例として
図30を参照)、ソール54を形成することができる。特定の実施形態では、アウトソール58は、2つの対応するミッドソールコンポーネント438、440とは異なる材料で製造される。より広義には、アウトソール58およびミッドソールコンポーネント176、またはミッドソールコンポーネント176のそれぞれを異なる材料で製造することができ、またはアウトソール58およびミッドソールコンポーネントまたはミッドソールコンポーネント176を同一の材料で製造することができる。マリッジモールド404は、一つのソール54、または複数のソール54を同時に製造することができる。上部プレート414および下部プレート420がマリッジモールド404を形成するために記載されているが、他の実施形態では、少なくとも1つのキャビティ426を形成するために2つ以上のプレートを利用することができ、マリッジモールド404は上部プレート414および下部プレート420のみに限定して解釈すべきではない。
図20Bでは、アウトソール58と、ノーマルチャネル120を有する今回組み合わされたミッドソール60(
図27を参照)とを備えるソール54が示されている。
【0079】
図21は、
図19Aのアウトソールモールド378を使用するためのステップ図である。この方法は、オペレータによる手動、自動化、またはその2つの任意の組み合わせによって実行可能であることが理解される。第1のステップ442では、第1のクエリ(問い合わせ)が設けられ、上部プレート380が現在、下部プレート386に固定されてシールを形成しているか否かを判断する。答えが「いいえ」である場合、上部プレート380は、少なくとも1つのキャビティ392を封止するために下部プレート386に固定される。第2のステップ444では、液体プラスチック材料が少なくとも1つのキャビティ392に導入される。液体プラスチック材料は、少なくとも1つの射出通路402を介してアウトソール58を形成するために、液体プラスチック材料を、少なくとも1つのキャビティ392に射出、注入、または噴霧することによって導入することができる。
【0080】
第3のステップ446では、第2のクエリ(問い合わせ)が設けられ、冷却中のアウトソール58が上部プレート380を取り外すのに十分冷却されたかどうかを判断する。冷却中のアウトソール58が適切な冷却温度に達しているか否かを判断するために、上部プレート380、下部プレート386、または冷却中のアウトソール58をそれぞれ測定用に選択できることが理解される。例えば、上部プレート380の温度と冷却中のアウトソール58の温度との間の関係を特定することができる場合、クエリに答えるために上部プレート380を測定することができる。あるいは、ある時間が経過した後であれば冷却中のアウトソール58が上部プレート380を取り外すのに十分冷却されたという仮定に基づいて、ある時間の経過を測定することもできる。
【0081】
引き続き
図21を参照すると、冷却中のアウトソール58は、上部プレート380が取り外された場合、冷却されたアウトソール58が歪みなくその最終形状を保持できるときに十分に冷却されたことになる。上部プレート380があまりにも早く取り除かれた場合、アウトソール58はその適切な形状を保持するには溶融しすぎている可能性があり、冷却されたアウトソール58は欠陥のある形状になると想定される。アウトソール58を冷却しすぎると、時間を浪費することになる。第2のクエリに対する答えが「いいえ」である場合、温度が再びチェックされるまで、ある所定の時間を経過させ、すなわち、「待機」する。第4のステップ448で、上部プレート380が取り外される。代替的に、下部プレート386が上部プレート380から取り外されるか、または両方が同時に互いの380、386から引き抜かれてもよいことが理解される。第5のステップ450で、アウトソール58がアウトソールモールド378から取り出される。アウトソールモールド378は、一度に複数のアウトソール58を製造することができ、上記のステップはアウトソール58の各々に適用される。この方法は、マリッジモールド404に適したアウトソール58を製造する方法を提供する。
【0082】
図22は、
図7A、8、10、12、および14のさまざまなモールド178、222、238、254、302のそれぞれを用いる場合のステップ図である。この方法は、オペレータによる手動、自動化、またはその2つの任意の組み合わせによって実行できることが理解される。ステップは、それに関係なく同じままである。第1ステップ425では、第1のクエリ452が、上部プレート180(この議論のために、
図7の第1のモールド178およびその付属要素が例示的に選択されている)が現在、シールを形成するために下部プレート190に固定されているか否かを判定する。答えが「いいえ」である場合、上部プレート180は、少なくとも1つのキャビティ198を封止するために、下部プレート190に固定される。第2のステップ454では、液体プラスチック材料が、それぞれの少なくとも1つのキャビティ198に導入される。液体プラスチック材料は、少なくとも1つの注入通路202を介してミッドソールコンポーネント176を形成するために、液体プラスチック材料を少なくとも1つのキャビティ198に射出、注入、または噴霧することによって導入することができる。第3のステップ456では、第2のクエリが、冷却中のミッドソールコンポーネント176が、上部プレート180を取り外すのに十分冷却されたかどうかを判定する。上部プレート180、下部プレート190、または冷却中のミッドソールコンポーネント176はそれぞれ、冷却中のミッドソールコンポーネント176が、適切な冷却温度に達したかどうかを判断するための測定に選択できることが理解される。例えば、上部プレート180の温度と冷却中のミッドソールコンポーネント176の温度との間の関係を特定することができる場合、クエリに答えるために上部プレート180を測定することができる。または、ある時間が経過した後であれば冷却中のミッドソールコンポーネント176が上部プレート180を取り外すために十分に冷却されたという仮定に基づいて、一定の時間の経過を測定することもできる。
【0083】
冷却されたミッドソールコンポーネント176は、上部プレート180が取り外された場合、冷却されたミッドソールコンポーネント176が歪みなくその最終形状を保持できるときに十分に冷却されていることになる。上部プレート180を早く外しすぎると、ミッドソールコンポーネント176が溶融しすぎていて適切な形状を保持できない場合があり、冷却されたミッドソールコンポーネント176は欠陥のある形状になる。ミッドソールコンポーネント176を冷却させ過ぎると、時間の浪費となる。第2のクエリに対する答えが「いいえ」であれば、温度が再びチェックされるまで、ある所定の時間が経過され、すなわち「待機」する。第4のステップ458で、上部プレート180が取り外される。代替的に、下部プレート190が上部プレート180から取り外されるか、または両方が互いに180、190から同時に引き抜かれてもよいことが理解される。第5のステップ460で、ミッドソールコンポーネント176が第1のモールド178(または他の4つのモールドのうちの1つ)から取り出される。第1のモールド178は、一度に複数のミッドソールコンポーネント176を製造してもよく、上記のステップは、ミッドソールコンポーネント176の各々に適用される。この方法は、マリッジモールド404に適したミッドソールコンポーネント176を製造する方法を提供する。
【0084】
図23は、
図16の第6のモールド340を用いるためのステップを示す図である。この方法は、オペレータによる手動、自動化、またはその2つの任意の組み合わせによって実行できることが理解される。ステップは、それに関係なく同じままである。第1のステップ462において、第1のクエリは、現在、上部プレート334が下部プレート338に固定されているか否かを判定する。答えが「いいえ」である場合、上部プレート334は下部プレート338に固定され、密閉された少なくとも1つのキャビティ360を形成する。第2のステップ464で、光線配置されたマンドレル336をマンドレル通路366に完全に挿入して、密封を形成する。第3のステップ466において、液体プラスチック材料が少なくとも1つのキャビティ360に導入される。液体プラスチック材料は、少なくとも1つの注入通路364を介して少なくとも1つのミッドソールコンポーネント176を形成するために、液体プラスチック材料を少なくとも1つのキャビティ360内に射出、注入、または噴霧することによって導入することができる。第4のステップ468では、第2のクエリが、冷却中のミッドソールコンポーネント176が上部プレート334を取り外すのに十分冷却されたか否かを判定する。
【0085】
冷却中のミッドソールコンポーネント176が適切な冷却温度に達したかどうかを判断するために、上部プレート334、下部プレート338、または冷却中のミッドソールコンポーネント176をそれぞれ測定用に選択できることが理解される。例えば、上部プレート334の温度と冷却中のミッドソールコンポーネント176の温度との間の関係を特定することができる場合、上部プレート334を測定してクエリに答えることができる。または、ある時間が経過した後であれば冷却中のミッドソールコンポーネント176が上部プレート334を取り外すために十分に冷却されたという仮定に基づいて、一定の時間の経過を測定することもできる。
【0086】
冷却中のミッドソールコンポーネント176は、上部プレート334を取り外した場合、冷却中のミッドソールコンポーネント176が歪みなくその最終形状を保持できるときに十分に冷却されたとすることができる。上部プレート334を早く外しすぎると、ミッドソールコンポーネント176が溶融していて適切な形状を保持できない場合があり、冷却されたミッドソールコンポーネント176は欠陥のある形状になる。ミッドソールコンポーネント176を冷却し過ぎると、時間の浪費になる。第2のクエリに対する答えが「いいえ」であれば、温度が再びチェックされるまで、「待機」となり、ある所定の時間が経過するのを許容する。第5のステップ470において、光線配置されたマンドレル336は、少なくとも1つのミッドソールコンポーネント176が光線配置されたマンドレル336に接触せずに容易に除去できるように引き抜かれる。第6のステップ472で、上部プレート334が取り外される。代替的に、下部プレート338が上部プレート334から取り外されるか、または両方が互いに334、338から同時に引き抜かれてもよいことが理解される。第7のステップ474で、少なくとも1つのミッドソールコンポーネント176が第6のモールド340から取り出される。第6のモールド340は、一度に複数のミッドソールコンポーネント176を製造することができ、上記のステップは、各ミッドソールコンポーネント176に適用される。これらのステップは、マリッジモールド404に適したミッドソールコンポーネント176を製造する方法を提供する。
【0087】
図24は、
図20Aのマリッジモールド404を用いるためのステップ図である。この方法は、オペレータによる手動、自動化、またはその2つの任意の組み合わせによって実行できることが理解される。第1のステップ476において、アウトソール58が少なくとも1つのキャビティ426に挿入される。アウトソール58は、対応するミッドソールコンポーネント176のアセンブリを挿入する前に、所望の位置に配置される必要がある。第2のステップ478では、対応するミッドソールコンポーネント176の組み立て体が適切な位置に挿入される。複数のミッドソールコンポーネント176をアウトソール58への接合または接着のために配置してもよいし、1つのミッドソールコンポーネント176またはミッドソール60のみをアウトソール58への接合のために配置してもよい。さらに、対応するミッドソールコンポーネント176の組み立て体を最初にマリッジモールド404に装着することが好ましい場合、第1のステップ476と第2のステップ478の順番を逆転させることができる。第1のステップ476と第2のステップ478が逆の順番で実行される場合、対応するミッドソールコンポーネント176の部品が、アウトソール58の挿入の前に所望の位置に配置される。
【0088】
第3のステップ480では、上部プレート414を下部プレート420に固定して、密閉された少なくとも1つのキャビティ426を形成する。第4のステップ482では、対応するミッドソールコンポーネント176とアウトソール58の部品が、ソール54の最終的な形状に接着または接合される。接合は、液体プラスチック材料が少なくとも1つの注入通路(図示せず)を介して少なくとも1つのキャビティ426に射出、注入、または噴霧され、および/または熱が少なくとも1つのキャビティ426に加えられて、ソール54を形成するための対応するミッドソールコンポーネント176およびアウトソール58の組み立て体の相互の成形および接合を支援することにより達成される。少なくとも1つの実施形態では、マリッジモールド404は、ミッドソールコンポーネント176とアウトソール58とを単に結合すること以上のために用いられるが、少なくとも1つのキャビティ426の形状は、(プラスチック材料によって生じる熱および結合の助けを借りて)ソール54の最終的な形状および形態を制御するために利用される。
【0089】
引き続き
図24を参照すると、次のステップは第5のステップ484であり、これは、冷却中のソール54が上部プレート414を取り外すのに十分冷却されたか否かを判定する第1のクエリ484である。冷却中のソール54が十分に冷却されたとは、上部プレート414を取り外した場合、冷却されたソール54が歪むことなくその最終形状を保持できるときである。上部プレート414の取り外しが早すぎると、ソール54が溶融していて適切な形状を保持できない場合があり、冷却されたソール54は欠陥のある形状になる。ソール54を冷却し過ぎると、時間が浪費される。冷却中のソール54の適切な冷却温度に達したか否かを判断するために、上部プレート414、下部プレート420、またはソール54をそれぞれ測定用に選択できることが理解される。例えば、上部プレート414の温度と冷却中のソール54の温度との間の関係を知ることができれば、上部プレート414を測定してクエリに答えることができる。あるいは、ある時間が経過した後であれば冷却中のソール54が上部プレート414を取り外すのに十分に冷却されたと判断するという仮定に基づいて、ある時間の経過を測定することもできる。第5のステップ484の答えが「いいえ」であれば、再び温度を確認するまで一定の所定時間を経過させ、すなわち「待機」させる。第6のステップ486で、上部プレート414が取り外される。代替として、下部プレート420が上部プレート414から取り外されるか、または両方が同時に互いに414、420から引き離されてもよいことが理解される。第7のステップ488において、ソール54がマリッジモールド404から取り外される。マリッジモールド404は一度に複数のソール54を製造することができ、上記のステップは各ソール54に適用されることが理解される。この方法は、履物用品50を組み立てるのに適したソール54を製造する方法を提供する。
【0090】
次に、
図25を参照すると、第1のモールドステーション490、第2のモールドステーション492、および第3のモールドステーション494からのソール54の生産の流れ、およびそれらのそれぞれの製品を示す、フローチャートが示される。第1のモールドステーション490は、生産に使用されるアウトソールモールド378(
図19Aを参照)の全ての集合である。第2のモールドステーション492は、生産に使用されるミッドソールコンポーネント176(
図7A、8、10、12、14、および16を参照)を製造するために使用されるさまざまなモールド178、222、238、254、302、340の全ての集合である。第3のモールドステーション494は、生産に使用される全てのマリッジモールド404(
図20Aを参照)の集合である。第1のモールドステーション490および第2のモールドステーション492のそれぞれからのアウトソール58(
図19Bを参照)およびミッドソールコンポーネント176(
図7B、9B、11B、13B、15B、および18Aを参照)は、第3のステーション494を使用して、最終的に履物用品50を組み立てるために用いられるソール54(
図20Bを参照)を製造するのに必要な部品を提供する。
【0091】
残りの
図26~41Bは、異なるミッドソール60の配置を説明するために、対応するミッドソールコンポーネント176のアウトソール58への組み立てに対する例示的な実施形態である。要約すると、履物用品50のバリエーションは、ソール54のバリエーションによってもたらされる。ソール54のバリエーションは、ミッドソール60のバリエーションによってもたらされる。ミッドソール60のバリエーションは、対応するミッドソールコンポーネント176の組立てのバリエーションによってもたらされる。対応するミッドソールコンポーネント176の組み立てのバリエーションは、異なる空洞構造62によってもたらされる。異なる空洞構造62は、ミッドソールコンポーネント176の空洞64によって画定される。空洞64は、ミッドソールコンポーネント176内で延長または伸長されて、さまざまなチャネル120、256、304、342を生成する。さまざまなチャネル120、256、304、342は、それぞれがさまざまなチャネル120、256、304、342のうちの1つを製造することができるさまざまなモールド178、222、238、254、302、340によってミッドソールコンポーネント176に形成される。
【0092】
図26~41Bは、対応するミッドソールコンポーネント176の構成のいくつかを示しているが、対応するミッドソールコンポーネント176の他の構成は、ここに示す以外にも可能である。例えば、ミッドソール60を組み立てるために互いに組み合わせたり結合したりできるミッドソールコンポーネント176の数には制限がない。例えば、9つのミッドソールコンポーネント176を使用して1つの対応するソール54を製造することは、本開示の範囲内である。さらに、特定の実施形態では、ミッドソールコンポーネント176の挿入壁214およびキャビティ対向壁216は容易に特定されるが、他の実施形態では、特定のミッドソールコンポーネント176の挿入壁214およびキャビティ対向壁216を逆に成型することができる。例えば、
図30のミッドソールコンポーネント438、440は、挿入壁214およびキャビティ対向壁216を有するが、
図40において、左前部ミッドソールコンポーネント496、右前部ミッドソールコンポーネント498、左後部ミッドソールコンポーネント500、および右後部ミッドソールコンポーネント502は全て、挿入壁214またはキャビティ対向壁216としていずれかの壁を用いて成形することができる。
【0093】
次に
図26を参照すると、ノーマルチャネル120を有する単一のミッドソールコンポーネント176の平面図が示されている。単一のミッドソールコンポーネント176は、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する(
図20のマリッジモールド404は、
図26、また全体を通して
図27~40に引用されている)。他の実施形態では、複数のミッドソールコンポーネント438、440が、マリッジモールド404に挿入するための組立形状に組み立てられる(
図29を参照)。ノーマルチャネル120の各々は、2度以下のテーパ形状を有する。ここでは、1列のノーマルチャネル120が点線で示されている。
図27は、ノーマルチャネル120を有する単一のミッドソールコンポーネント176の平面図である。単一のミッドソールコンポーネント176は、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。前足領域72に示されたノーマルチャネル120のうちの2つは、挿入壁214からミッドソールコンポーネント176のキャビティ対向壁216まで、2度以下のテーパで延びている。図示されたチャネル120のうちの3つは、挿入壁214から延びているが、2度以下のテーパで、ミッドソールコンポーネント176のキャビティ対向壁216に達していない。3つのノーマルチャネル120のうちの1つは前足領域72に位置し、3つのノーマルチャネル120のうちの2つはミッドソールコンポーネント176の踵領域76に位置する。
【0094】
図28は、ノーマルチャネル120を有する3つのミッドソールコンポーネント504、506、508の平面図である。小型の左側ミッドソールコンポーネント504、小型の右側ミッドソールコンポーネント506、およびメインミッドソールコンポーネント508が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。図示されるノーマルチャネル120は9本である。小型の左側ミッドソールコンポーネント504のノーマルチャネル120のうちの2つは、2度以下のテーパを有して延びている。小型の右側ミッドソールコンポーネント506のノーマルチャネル120のうち2つは、2度以下のテーパを有して延びている。ノーマルチャネル120の3つは、挿入壁214からメインミッドソールコンポーネント508のキャビティ対向壁216まで延び、2度以下のテーパを有している。ノーマルチャネル120のうちの2つは、挿入壁214から延びているが、2度以下のテーパでメインミッドソールコンポーネント508のキャビティ対向壁216に達しておらず、メインミッドソールコンポーネント508の踵領域76に位置する。3つのミッドソールコンポーネント504、506、508は、マリッジモールド404内の熱で結合されるか、マリッジモールド404内の液体プラスチック材料によって結合されるか、またはその組み合わせのいずれかによって一体に結合される。ノーマルチャネル120は、3つのノーマルチャネル120のうちの2つについて、3つのミッドソールコンポーネント504、506、508にわたって整列しているが、異なるミッドソールコンポーネント176のノーマルチャネル120が互いに整列しなければならないという限定はない。ノーマルチャネル120は、所望であれば、互いにオフセットさせることができる。
【0095】
図29は、ノーマルチャネル120が示す2つのミッドソールコンポーネント438、440の平面図である。左側ミッドソールコンポーネント438および右側ミッドソールコンポーネント440が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。左側ミッドソールコンポーネント438と右側ミッドソールコンポーネント440は、垂直な正中線510に沿って接合される。左側ミッドソールコンポーネント438は、5つのノーマルチャネル120を有する。ノーマルチャネル120のうち3つは、挿入壁214から左側ミッドソールコンポーネント438のキャビティ対向壁216まで、1度以下のテーパが付けられて延びている。一方のノーマルチャネル120は、挿入壁214から延びているが、左側ミッドソールコンポーネント438のキャビティ対向壁216に到達しておらず、2度以下のテーパが付けられて、踵領域76に配置されている。一方のノーマルチャネル120は、挿入壁214から延びているが、左側ミッドソールコンポーネント438のキャビティ対向壁216に到達しておらず、2度以上のテーパが付けられて、踵領域76に配置されている。
【0096】
引き続き
図29を参照すると、右側ミッドソールコンポーネント440は、5つのノーマルチャネル120を有する。2つのノーマルチャネル120は、挿入壁214から右側ミッドソールコンポーネント440のキャビティ対向壁216まで、2度以下のテーパが付けられて延在し、1つは前足領域72に、他の1つは踵領域76に配置される。一方のノーマルチャネル120は、挿入壁214から延在し、右側ミッドソールコンポーネント440のキャビティ対向壁216に到達しておらず、2度以下のテーパが付けられて中足領域74に位置している。一方のノーマルチャネル120は、挿入壁214から延在し、右側ミッドソールコンポーネント440のキャビティ対向壁216に到達し、2度以上のテーパが付けられて前足領域72に位置している。左側ミッドソールコンポーネント438および右側ミッドソールコンポーネント440の挿入壁214は互いに近接し、左側ミッドソールコンポーネント438および右側ミッドソールコンポーネント440のキャビティ対向壁216は互いに遠位している。
【0097】
図30は、ノーマルチャネル120を有する2つのミッドソールコンポーネント438、440の平面図である。左側ミッドソールコンポーネント438および右側ミッドソールコンポーネント440は、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。左側ミッドソールコンポーネント438と右側ミッドソールコンポーネント440は、垂直方向の中間線510に沿って接合される。左側ミッドソールコンポーネント438は、5つのノーマルチャネル120を有する。4つのノーマルチャネル120は、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から左側ミッドソールコンポーネント438のキャビティ対向壁216まで延在している。一方のノーマルチャネル120は、2度以上のテーパが付けられて挿入壁214から延在しているが、左側ミッドソールコンポーネント438のキャビティ対向壁216に到達しないで、前足領域42に位置している。
【0098】
右側ミッドソールコンポーネント440は、4つのノーマルチャネル120を有する。2つのノーマルチャネル120は、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から右側ミッドソールコンポーネント440のキャビティ対向壁216まで延在し、1つは前足領域72に、他の1つは踵領域76に配置される。2つのノーマルチャネル120は、2度以上のテーパが付けられて挿入壁214から延在して右側ミッドソールコンポーネント440のキャビティ対向壁216に到達している。左側ミッドソールコンポーネント438および右側ミッドソールコンポーネント440の挿入壁214は、
図30に示すように、両方ともミッドソールコンポーネント438、440の左手側にあり、左側ミッドソールコンポーネント438および右側ミッドソールコンポーネント440のキャビティ向き壁216は両方とも
図30に示すようにミッドソールコンポーネント438、440の右手側にある。
【0099】
次に
図31を参照すると、ノーマルチャネル120および角度が付けられたチャネル256を有するミッドソールコンポーネント504、506、508の3つが平面図で図示されている。小型の左側ミッドソールコンポーネント504、小型の右側ミッドソールコンポーネント506、およびメインミッドソールコンポーネント508が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。小型の左側ミッドソールコンポーネント504および小型の右側ミッドソールコンポーネント506のそれぞれは、2度以下のテーパが付けられて、挿入壁214から2つのミッドソールコンポーネント504、506のキャビティ対向壁216に延在する角度が付けられたチャネル256をそれぞれ1つ有する。ミッドソールコンポーネント504、506、508は、マリッジモールド404に挿入するために組み立てられる様子が示されており、ソール54の垂直方向の中間線510に対して垂直ではない角度が付けれたチャネル256を有している。メインミッドソールコンポーネント508は、5つのノーマルチャネル120を有する。4つのノーマルチャネル120は、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214からメインミッドソールコンポーネント508のキャビティ対向壁216まで延在している。1つのノーマルチャネル120は、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から延在しているが、小型の左側ミッドソールコンポーネント504のキャビティ対向壁216には到達しておらず、踵領域76に位置している。
【0100】
引き続き
図31を参照すると、小型の左側ミッドソールコンポーネント504と右側ミッドソールコンポーネント506の挿入壁214とキャビティ対向壁216は、どちらの方向にも成形を行うことができるため、ミッドソールコンポーネント504、506のどちらの壁にも配置することができる。メインミッドソールコンポーネント508は、
図31に向かって右側に挿入壁214があり、
図31に向かって左側にキャビティ対向壁216がある。本実施形態では、小型の左側ミッドソールコンポーネント504は、図示される力F2(292)に対して直交する角度が付けられたチャネル256を有する。小型の右側ミッドソールコンポーネント506は、図示される力F3(294)に対して直交する角度が付けられたチャネル256を有する。メインミッドソールコンポーネント508は、図示される力F1(290)に対して直交するチャネル120を有している。
【0101】
図32は、ノーマルチャネル120、および角度が付けられたチャネル256が図示された、3つのミッドソールコンポーネント504、506、508の平面図である。小型の左側ミッドソールコンポーネント504、小型の右側ミッドソールコンポーネント506、およびメインミッドソールコンポーネント508が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。上に示す
図31と多くの点で類似しているが、
図31と
図32の違いは、
図32の主ミッドソールコンポーネント508が挿入壁214から伸びるノーマルチャネル120有しつつも、これがメインミッドソールコンポーネント508のキャビティ対向壁216には到達しておらず、2度以下のテーパが付けられており、挿入壁214が
図32の左側に位置するように配置されていることにある。さらに、小型の左側ミッドソールコンポーネント504および小型の右側ミッドソールコンポーネント506の両方が、それぞれ2つの角度が付けられたチャネル256を有している。
【0102】
なお
図32を参照すると、1つの角度が付けられたチャネル256は、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から2つのミッドソールコンポーネント504、506のキャビティ対向壁216まで延在しており、他の1つの角度が付けられたチャネル256は、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から延在しているが、2つのミッドソールコンポーネント504、506のキャビティ対向壁216まで到達していない。その結果、2つのミッドソールコンポーネント504、506の挿入壁214およびキャビティ対向壁216は、挿入壁214がメインミッドソールコンポーネント508に近接した状態で、容易に特定することができる。
【0103】
図33は、ノーマルチャネル120および角度が付けられたチャネル256が示された4つのミッドソールコンポーネント504、506、508、512の平面図である。小型の左側ミッドソールコンポーネント504、小型の右側ミッドソールコンポーネント506、メインミッドソールコンポーネント508、およびヒールミッドソールコンポーネント512が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。小型の左側ミッドソールコンポーネント504および小型の右側ミッドソールコンポーネント506の各々は、2つの角度が付けられたチャネル256を有する。角度付きチャネル256の1つは、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から2つのミッドソールコンポーネント504、506のキャビティ対向壁216まで延在しており、角度付きチャネル256の他の1つは、2度以上のテーパが付けられて挿入壁214から延在しているが、2つのミッドソールコンポーネント504、506のキャビティ対向壁216にまで達していない。メインミッドソールコンポーネント504は、挿入壁214からメインミッドソールコンポーネント505のキャビティ対向壁216まで、2度以下のテーパが付けられ延在する2つのノーマルチャネル120を有する。ヒールミッドソールコンポーネント512は、図示されるように、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から延在する2つのノーマルチャネル120を有するが、ヒールミッドソールコンポーネント512のキャビティ対向壁216には到達していない。
【0104】
図34は、ノーマルチャネル120および湾曲したチャネル304が示された3つのミッドソールコンポーネント504、5065、508の平面図である。小型の左側ミッドソールコンポーネント504、小型の右側ミッドソールコンポーネント506、およびメインミッドソールコンポーネント508が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。小型の左側ミッドソールコンポーネント504および小型の右側ミッドソールコンポーネント506の各々は、3つの湾曲したチャネル304を有する。小型の左側ミッドソールコンポーネント504は、2の湾曲したチャネル304が、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から小型の左側ミッドソールコンポーネント504のキャビティ対向壁216まで延在している。小型の左側ミッドソールコンポーネント504の挿入壁214およびキャビティ対向壁216は、反転可能であるため、図示されていない。小型の右側ミッドソールコンポーネント506では、2つの湾曲したチャネル304が、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から延在するが、小型の右側ミッドソールコンポーネント506のキャビティ対向壁216には到達していない。
【0105】
メインミッドソールコンポーネント508は、3つのノーマルチャネル120を有する。この内、2つのノーマルチャネル120は、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214からメインミッドソールコンポーネント508のキャビティ対向壁216まで延在している。他の1つのノーマルチャネル120は、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から延在しているが、メインミッドソールコンポーネント508のキャビティ対向壁216には到達せず、踵領域76に位置する。したがって、小型の左側ミッドソールコンポーネント504およびメインミッドソールコンポーネント508の挿入壁214およびキャビティ対向壁216を特定することができる。
【0106】
図35には、ノーマルチャネル120および湾曲したチャネル304が示されており、2つのミッドソールコンポーネント504、508の平面図を示す。小型の左側ミッドソールコンポーネント504およびメインミッドソールコンポーネント508が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。小型の左側ミッドソールコンポーネント504は、2度以下のテーパが付けられて挿入壁214から延在するが、小型の左側ミッドソールコンポーネント504のキャビティ対向壁216に到達しない3つの湾曲したチャネル304を有する。メインミッドソールコンポーネント508は、2度以下のテーパが付けられて延在する7つのノーマルチャネル120を有する。
【0107】
図36は、ノーマルチャネル120および光線配置されたチャネル342が示された、ミッドソールコンポーネント508、512の中の2つの平面図を示す。メインミッドソールコンポーネント508およびヒールミッドソールコンポーネント512が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。メインミッドソールコンポーネント508は、挿入壁214からメインミッドソールコンポーネント508のキャビティ対向壁216まで、2度以下のテーパが付けられて延在する4つのノーマルチャネル120を有する。小型の左側ミッドソールコンポーネント504の挿入壁214およびキャビティ対向壁216は、反転可能であるため図示されていない。ヒールミッドソールコンポーネント512は、2度以下のテーパが付けられた6つの光線配置されたチャネル342を有し、これらのチャネルは予め選択された中心点368において軸方向に整合するように配向される。
【0108】
図37は、ノーマルチャネル120および光線配置されたチャネル342が示された、ミッドソールコンポーネント508、512の中の2つの平面図を示す。ミッドソールコンポーネント508、512の組み立て体は、
図36に示したミッドソールコンポーネント508、512の組み立て体と多くの類似点を有するが、光線配置されたチャネル342は
図37において2度以上のテーパを有し、予め選択された中心点368はヒールミッドソールコンポーネント512の左側に向かってずれている。
【0109】
図38は、湾曲したチャネル304および光線配置されたチャネル342を有する3つのミッドソールコンポーネント504、506、512の平面図である。小型の左側ミッドソールコンポーネント504、小型の右側ミッドソールコンポーネント506、およびヒールミッドソールコンポーネント512が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。小型の左側ミッドソールコンポーネント504と小型の右側ミッドソールコンポーネント506は共に3つの湾曲したチャネル304を有する。3つの湾曲したチャネル304のうちの2つは、2度以上のテーパが付けられて挿入壁214から延在するが、左側および右側のフロントミッドソールコンポーネント504、506のキャビティ対向壁216に到達しない。3つの湾曲したチャネル304のうちの1つは、2度以上のテーパが付けられて挿入壁214から延在し、左側および右側のフロントミッドソールコンポーネント504、506のキャビティ対向壁216に達する。したがって、小型の左側および右側のミッドソールコンポーネント504、506の挿入壁214は、容易に特定することができる。ヒールミッドソールコンポーネント512は、ヒールミッドソールコンポーネント512の右側寄りに位置する予め選択された中心点368と軸方向に交差するように各々配向された8つの光線配置されたチャネル342を有する。3つの光線配置されたチャネル342は2度以下のテーパが付けられており、5つの光線配置されたチャネル342は2度以上のテーパが付けられている。
【0110】
図39は、ノーマルチャネル120、角度が付けられたチャネル256、および光線配置されたチャネル342が示された、ミッドソールコンポーネント504、506、508、512の4つの平面図である。小型の左側ミッドソールコンポーネント504、小型の右側ミッドソールコンポーネント506、メインミッドソールコンポーネント508、およびヒールミッドソールコンポーネント512が、マリッジモールド404に挿入するためのミッドソール60を形成する。小型の左側ミッドソールコンポーネント504および小型の右側ミッドソールコンポーネント506は共に、それぞれ2つの角度が付けられたチャネル256を有し、両方のチャネル256は2度以下のテーパが付けられて延在する。メインミッドソールコンポーネント508は、2度以下のテーパが付けられて延在するコンポーネント508の長さで延在する4つのノーマルチャネル120を有している。メインミッドソールコンポーネント508、小型の左側ミッドソールコンポーネント504、および小型の右側ミッドソールコンポーネント506の挿入壁214およびキャビティ対向壁216は、コンポーネントのいずれかの側に配置することができる。ヒールミッドソールのコンポーネント512には、
図38の中心点368よりも左側で後方に位置する中心点368と軸方向に交差する6つの光線配置されたチャネル342を有する。2つの光線配置されたチャネル342は、2度以下のテーパが付けられており、4つの光線配置されたチャネル342は、2度以上のテーパが付けられている。
【0111】
図40は、ノーマルチャネル120および湾曲したチャネル304が示された4つのミッドソールコンポーネント496、498、500、502の平面図を示す。左前部ミッドソールコンポーネント496、右前部ミッドソールコンポーネント498、左後部ミッドソールコンポーネント500、および右後部ミッドソールコンポーネント502は、マリッジモールド404へ挿入するためのミッドソール60を形成する。左前部ミッドソールコンポーネント496と右前部ミッドソールコンポーネント498は共に、2度以下のテーパが付けられた3つの湾曲したチャネル304を有する。4つのミッドソールコンポーネント496、498、500、502の全ての挿入壁214およびキャビティ対向壁216(図示せず)は、それぞれのコンポーネント496、498、500、502のどちらの側にも設けることができる。左後部ミッドソールコンポーネント500、および右後部ミッドソールコンポーネント502は、いずれも挿入壁214から2つのミッドソールコンポーネント500、502のキャビティ対向壁216まで、2度以下のテーパが付けられて延在する5つのノーマルチャネル120を有する。
【0112】
図41Aおよび
図41Bは、3層のミッドソールコンポーネント176を有する、
図20Aのマリッジモールド404に挿入するための別のミッドソールコンポーネントの配置を示す。
図41Aは、ミッドソールコンポーネント438、440、176の3つの層が分解図で示されている。第1の層514は、左側ミッドソールコンポーネント438、および第2の領域436を有する右側ミッドソールコンポーネント440を有する。第2の層516は、底部表面領域522とは異なるサイズおよび形状の上面領域520を有する第1の傾斜付きミッドソールコンポーネント518を有する。第3の層524は、第2の傾斜付きミッドソールコンポーネント526と第3の傾斜付きミッドソールコンポーネント528を有する。第2の傾斜付きミッドソールコンポーネント526は、上面領域530と底面領域532を有し、第3の傾斜付きミッドソールコンポーネント528は、上面領域534と底面538を有する。
【0113】
図41Bにおいて、第2の層516および第3の層518からの第1、第2、第3の傾斜付きミッドソールコンポーネント518、526、528は、結合層538を形成するように配置されることができ、ここで、第1、第2、第3の傾斜したミッドソールコンポーネント518、526、528のそれぞれの上面領域520、530、534と、3つのコンポーネント518、526、528の下面522、532、536は、同じサイズおよび形状である領域を形成する。結合層538は、平面視において、第1の層514のように上下に積層されたミッドソールコンポーネント176の別の層と同じ大きさと形状を有するように配置することができ、これにより、結合層542と、第1の層514のような結合層542の上下に積層された層とを、マリッジモールド404に挿入することができる。
【0114】
ミッドソールコンポーネント176の積層された層514、516、524を用いることにより、第2および第4の傾斜付きミッドソールコンポーネント526、528に対してより硬い材料を用い、次に第1の傾斜付きミッドソールコンポーネント518に対してよりクッション性の高い材料を用いるなど、所望の異なる材料でミッドソールコンポーネント176を製造することができることが意図されている。さらに、第2および第3の層516、518と比較して、第1の層514に異なる材料を使用し、所望に応じてクッション効果をさらに変化させることができる。
【0115】
本明細書に記載された実施形態のいずれもが、異なる実施形態に関連して開示された構造または方法論のいずれかを含むように変更することができる。同様に、上記に開示されたもの以外の材料または構築技術は、既知のアプローチに従って、いくつかの実施形態において置換または追加することができる。さらに、本開示は、具体的に示された型式の履物用品に限定されない。さらに、本明細書に開示された実施形態のいずれかの履物用品の側面は、任意の型式の履物用品、アパレル、または他の運動用具と協働するように変更することができる。
【0116】
前に述べたように、本開示は特定の実施形態および実施例に関連して上記で説明されているが、本開示は必ずしもそれに限定されるものではなく、多くの他の実施形態、実施例、使用、変更および実施形態からの離脱、実施例および使用は、ここに添付された請求項に包含されることを意図していることは、当業者には理解されるであろう。
【外国語明細書】