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特開2023-98860ガラス物品を形成するための装置の金型閉鎖要素を移動させるためのハンドリングユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098860
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】ガラス物品を形成するための装置の金型閉鎖要素を移動させるためのハンドリングユニット
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/04 20060101AFI20230704BHJP
   C03B 9/40 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
B25J9/04 Z
C03B9/40 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022210454
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】102021000032888
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】502164613
【氏名又は名称】ボッテロ エッセ ピ ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニーロ・チアヴァッサ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・グロッソ
(72)【発明者】
【氏名】マルチェッロ・オストレロ
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ・ヴィアダ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707CT04
3C707CT05
3C707CT07
3C707CV07
3C707CW02
3C707DS01
3C707DS06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】成形装置の金型閉鎖要素を移動させるためのハンドリングユニットであって、金型交換時の閉鎖要素の調整が容易なハンドリングユニットを提供する。
【解決手段】ガラス物品を形成するための装置において、少なくとも1つの成形金型3が、専用の閉鎖要素11によって上部において少なくとも部分的に閉じられ、閉鎖要素11の高さ位置は、電動または外部から手動で操作できる機械式伝達装置30によって、金型3の高さに応じて連続的に調節される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス物品を形成するための装置の少なくとも1つの金型閉鎖要素を移動させるためのハンドリングユニット(13)であって、前記ハンドリングユニット(13)は、
・前記装置の固定の構造体に固定されるように構成されたフレームと、
・垂直軸線(18)を有するシャフト(16)と、
・前記シャフト(16)に動力をもたらし、前記フレームに対して前記垂直軸線(18)に沿った回転並進運動にて移動させるための駆動装置(K)と、
・前記シャフト(16)から片持ち梁状に突き出しており、前記閉鎖要素を支持するように構成されたアーム(21)と、
・前記アーム(21)を前記シャフト(16)に連結する連結手段とを備え、
前記連結手段は、前記金型の高さに応じて前記シャフト(16)に沿った前記アーム(21)の垂直位置を連続的に調整するための機械式調整伝達装置(30)を備えることを特徴とする、
ハンドリングユニット(13)。
【請求項2】
前記機械式調整伝達装置(30)は、前記アーム(21)の外部に突き出し、前記外部から手動で操作することができる駆動シャフトを備えることを特徴とする、
請求項1に記載のハンドリングユニット。
【請求項3】
前記機械式調整伝達装置(30)を駆動するための電動モータ(35)と、前記電動モータを制御するための指令制御ユニット(40)とを備えることを特徴とする、
請求項1に記載のハンドリングユニット。
【請求項4】
前記指令制御ユニット(40)は、前記装置に取り付けることができる前記金型の各々について前記閉鎖要素のそれぞれの高さ基準位置を格納するメモリ手段と、前記電動モータを制御し、前記閉鎖要素を前記装置に取り付けられた前記金型に対応する前記基準位置へと移動させるための指令制御手段とを備えることを特徴とする、
請求項3に記載のハンドリングユニット。
【請求項5】
前記電動モータ(35)は、前記シャフト(16)の上部自由端の上方に配置されることを特徴とする、
請求項3に記載のハンドリングユニット。
【請求項6】
前記機械式調整伝達装置(30)は、ねじ伝達装置または歯付き伝達装置であることを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載のハンドリングユニット。
【請求項7】
前記連結手段は、前記シャフト(16)に沿って相対する方向に自由にスライドするスライドをさらに備え、
前記機械式調整伝達装置(30)は、
・前記シャフト(16)の外部に配置され、自身の軸線を中心にして回転できるやり方で、軸線方向について固定された位置にて前記シャフト(16)に連結されたねじと、
・前記ねじと螺合し、前記スライドに対して垂直方向および角度に関して固定された位置にて前記スライドに連結されたナットねじとを備えることを特徴とする、
請求項6に記載のハンドリングユニット。
【請求項8】
前記機械式調整伝達装置(30)は、
・前記シャフト(16)の上端に配置された固定部と、
・前記固定部から片持ち梁状に突き出す取り付け部と
を有する取り付けブラケットを備え、
前記ねじは、回転可能に、軸線方向について固定された位置にて、前記取り付け部に連結されていることを特徴とする、
請求項7に記載のハンドリングユニット。
【請求項9】
前記連結手段は、前記シャフト(16)に沿って相対する方向に自由にスライドするスライドをさらに備え、前記アーム(21)は、前記閉鎖要素に連結されることができる端部と、前記端部の反対側の端部取り付け部とを備え、迅速な交換を可能にする解除可能なカップリングが、前記端部取り付け部と前記スライドとの間に介装されていることを特徴とする、
請求項6に記載のハンドリングユニット。
【請求項10】
前記解除可能なカップリングは、
・前記シャフト(16)の前記垂直軸線(18)に平行であり、前記スライドによって保持された垂直ガイドと、
・前記端部取り付け部によって保持され、前記ガイドに上方から連結可能であるさらなるスライドとを備え、
ロック手段が、前記さらなるスライドを、前記ガイド上で、固定された垂直位置にロックするために設けられていることを特徴とする、
請求項9に記載のハンドリングユニット。
【請求項11】
前記連結手段は、前記シャフト(16)に沿って相対する方向に自由にスライドするスライドをさらに備え、前記ハンドリングユニット(13)は、前記スライドを前記シャフト(16)に沿ってロックするためのリモート操作可能な電動ロック手段を備えることを特徴とする、
請求項6に記載のハンドリングユニット。
【請求項12】
ガラス物品を形成するための装置の成形用金型を上部において少なくとも部分的に閉じるための閉鎖アセンブリであって、前記閉鎖アセンブリは、取り付けヘッドと、前記取り付けヘッドに連結し、前記金型を少なくとも部分的に閉じるために前記金型と連結されるように構成された少なくとも1つの閉鎖要素と、前記取り付けヘッドを移動させるためのハンドリングユニットとを備え、前記ハンドリングユニットが、
請求項1に記載のハンドリングユニットであることを特徴とする、閉鎖アセンブリ。
【請求項13】
中空ガラス物品を製造するための成形装置であって、前記装置は、中空ガラス物品を形成するための少なくとも1つの成形セクションを備え、前記成形セクションは、
・互いに異なる複数のブランク金型から選択可能であり、ガラスブランクのための少なくとも1つの成形キャビティを備えるブランク金型と、
・互いに異なる複数の仕上げ金型から選択可能であり、前記ブランクのための少なくとも1つの仕上げキャビティを備える仕上げ金型と、
・前記それぞれのキャビティの上部開口部を完全に、または部分的に閉じるための前記金型の各々のためのそれぞれの閉鎖アセンブリとを備え、
前記閉鎖アセンブリのうちの少なくとも1つは、請求項12に記載の閉鎖アセンブリである、
成形装置。
【請求項14】
前記金型の各々は、それぞれの前記電動閉鎖アセンブリを備え、電子指令制御ユニットが、すべての前記閉鎖アセンブリを金型交換プログラムに応答して制御するために設けられている、
請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2021年12月29日に出願されたイタリア特許出願第102021000032888号の優先権を主張し、このイタリア特許出願の全開示が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、中空ガラス物品を製造するための成形装置の金型閉鎖要素を移動させるためのハンドリングユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
既知のとおり、ISマシンとして広く知られている成形装置が、中空ガラス物品を形成するために使用される。
【0004】
そのような装置は、並べて配置された複数の成形セクションを備え、その各々に一連のガラスの滴が進入し、その各々から一連の成形された中空ガラス物品が取り出される。
【0005】
各々の成形セクションは、ブランク金型と、ブランク金型の下流に配置された仕上げ金型とを備える。どちらの金型も、単一の成形キャビティまたは互いに隣接して配置された複数の成形キャビティを有することができる。
【0006】
その数にかかわらず、各々の成形キャビティは上方向に開いており、ガラス物品の成形段階において上部で液密に閉じられなければならない。
【0007】
したがって、各々のキャビティは、関連の閉鎖要素を備え、この閉鎖要素は、垂直方向に延び、関連のキャビティをブランク金型の場合には完全に閉じ、仕上げ金型の場合には部分的に閉じて、圧縮された成形空気の流れを上方から仕上げ金型へと導入できるようにする。
【0008】
同じ金型の閉鎖要素は、アームの自由端に接続された専用の支持ヘッドによって保持される。アームは、電動垂直駆動シャフトから片持ち梁状に延び、クランプねじによって柱に固定されたそれぞれの取り付けクランプによって前記シャフトに連結される。
【0009】
垂直シャフトは、関連のアームと一緒に、関連の閉鎖要素を上方の休止位置と、関連の閉鎖要素がそれぞれの金型に液密に連結される下方の動作位置との間で移動させるために垂直方向に移動可能である。
【0010】
既知のとおり、ISマシンは、製造される物品に応じて異なる金型を備えるように設定される。これらの金型は、異なる寸法、特に異なる高さを有する。
【0011】
したがって、金型交換のたびに、閉鎖要素の高さ位置を、装置に取り付けられる金型の高さに応じて、閉鎖要素が下方の動作位置に配置されたときに金型に常に緊密に連結されるように、調整しなければならない。
【0012】
調整は、現在のところ、金型交換のたびに閉鎖要素を取り外し、代わりに専門用語で「キャリパー」または「フェースモールド」として知られるそれぞれの設定テンプレートを取り付ける担当作業者のチームによって手動で行われている。
【0013】
各々のフェースモールドは、関連の閉鎖要素とまったく同じやり方で装置上の金型と連結されるように寸法付けられ、作業条件下でのハンドリングユニットの不可避の変形を考慮に入れるために、関連の閉鎖要素の高さよりも小さい高さを有する。
【0014】
フェースモールドの使用は、閉鎖要素が、底部において、手動での調整の際に閉鎖要素を新たな金型に誤って接触させたり、あるいは衝突させたりした場合や、いずれにせよ意図される正しい動作位置に正確に配置されない場合に、損傷しかねない鋭いエッジを終端としているという事実により、必要不可欠となる。
【0015】
フェースモールドが取り付けられると、依然として手動で、クランプのクランプねじが、担当作業者のうちの1名の制御下で緩められ、アームおよび関連のヘッドが、フェースモールドが下方の関連の金型に連結および当接するまで上げ下げされる。
【0016】
新しい基準高さ位置として仮定されるこの位置に達すると、クランプは、依然として手動で、垂直シャフト上に再び締め付けられて、アームを前記垂直シャフトと実質的に一体にし、その後に、フェースモールドが取り外され、代わりに、新しい金型のための専用の閉鎖要素が装置に取り付けられる。
【0017】
上述のように、前述のステップは、金型交換のたびに、各々の成形セクションの両方の金型について、手動で繰り返される。
【0018】
閉鎖要素を設定する上述のやり方は、広く実施されているが、以下の理由で満足のいくものではない。
【0019】
第1に、装置に取り付けることができる各々の金型について、複数のフェースモールド(各々の金型キャビティについて1つずつ)を持つことが必要になり、これらのフェースモールドの製造ならびに保管および取り扱いの両方に関してコストが想像されることが自明である。
【0020】
さらに、成形装置全体の閉鎖要素の設定は、上述の取り付け、取り外し、および再取り付けの作業ゆえに、セクションの数につれて増加するきわめて長い時間を金型交換のたびに必要とし、生産に関して不可避の損失を伴う。
【0021】
上述したように、以上の作業は、セクション内の各々のモールドについて、少なくとも担当作業者のペアを必要とする。これは、作業者の少なくとも1名が、他方の作業者がクランプのクランプねじを緩めるときにアーム-ヘッドアセンブリを支持しなければならず、両者が垂直方向における再度の位置決めの際にアームおよび関連のヘッドに付随するからである。ねじを緩め、ヘッドを付随させ、フェースモールドを関連の金型へと正しく配置して連結させることは、アームおよびヘッドが垂直シャフトから片持ち梁状に突き出しているという事実ゆえ、クランプがシャフト上でひっかかることがないように行われなければならないため、経験および作業者間のかなりの協調を必要とする作業である。
【0022】
また、前述の作業は、作業者が装置のベースの上方に立ち、関連の金型を跨いだ状態で、したがって厄介で危険な作業条件で作業することを強いられるという事実によって困難になる。
【0023】
すべての場合において、多大かつ長時間にわたる身体的苦労が作業者について求められ、一般に、前述の作業は、必然的に装置のきわめて長い停止時間を伴う。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の目的は、成形装置の金型閉鎖要素を移動させるためのハンドリングユニットであって、上記の問題を簡単かつ費用効果の高い方法で解決することを可能にするハンドリングユニットを提供することである。
【0025】
本発明の特定の目的は、閉鎖要素の調整を、作業員の裁量を排除しつつ、迅速、きわめて安全、かつ正確に行うことを可能にするハンドリングユニットを提供することである。
【0026】
本発明のさらなる目的は、手動での作業を大幅に減らし、もしくは少なくとも単純化すること、作業員に求められる身体的な苦労を低減または排除すること、ならびにそのような調整に関与する作業員の数を減らして、作業のコストおよび機械の停止時間を最小限に抑えることを可能にするハンドリングユニットを提供することである。
【0027】
本発明の最後の目的は、製造が簡単で費用効果が高く、コンパクトであり、外部から検査および操作することができるハンドリングユニットを提供することである。
【0028】
本発明によれば、ガラス物品を形成するための装置の少なくとも1つの金型閉鎖要素を移動させるためのハンドリングユニットが提供され、このハンドリングユニットは、
・装置の固定の構造体に固定されるように構成されたフレームと、
・垂直軸線を有するシャフトと、
・前記シャフトに動力をもたらし、前記フレームに対して前記垂直軸線に沿った回転並進運動にて移動させるための駆動装置と、
・前記シャフトから片持ち梁状に突き出しており、前記閉鎖要素を支持するように構成されたアームと、
・前記アームを前記シャフトに連結させる連結手段とを備え、
前記連結手段が、金型の高さに応じて前記シャフトに沿った前記アームの垂直位置を連続的に調整するための機械式調整伝達装置を備える、ことを特徴とする。
【0029】
次に、本発明を、本発明の非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】ガラス物品を形成するための成形装置であって、成形装置の閉鎖要素を移動させるための本発明の教示に従って具現化されたハンドリングユニットの好ましい実施形態を備えた成形装置を、部分的かつ実質的なブロック配置にて示している。
図2図1のハンドリングユニットを側方からの斜視図にて示している。
図3図2と同様の図であり、図2の詳細の一変形例を示している。
図4図2の詳細を拡大して示している。
図5図2の詳細の一変形例を拡大して示している。
図6図2の接続カップリングをその構成部品に分解して示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に、ISマシンとして一般的に知られているガラス物品を成形するための成形装置が、全体として1で示されている。
【0032】
装置1は、複数の成形セクション2を備え、添付の図においては、そのうちの1つだけが示されている。
【0033】
各々の成形セクション2は、この特定の場合には、並んで配置され、上方向に開口する4つの成形キャビティ4を備えるブランク金型3と、上方向に開口する4つの仕上げキャビティ6をやはり備える仕上げ金型5とを備える。
【0034】
図示されていない変形例によれば、金型3および4は、異なる数のキャビティ4、6を備える。
【0035】
キャビティ4、6の数にかかわらず、装置1は、ブランク金型3のキャビティ4を閉鎖するための閉鎖アセンブリ8と、仕上げ金型5のキャビティ6を閉鎖し、前記キャビティ6への圧縮空気の導入を可能にするように構成された閉鎖アセンブリ9とをさらに備える。
【0036】
図2を参照すると、アセンブリ8は、支持ヘッド10と、各々のキャビティ4のための閉鎖要素11(それ自体は既知であり、詳細には説明しない)とを備える。
【0037】
各々の閉鎖要素11は、それ自体は既知のやり方でヘッド10に連結され、垂直方向に下方へと突き出し、関連のキャビティ4を完全に閉じるために金型3と連結するように構成される。
【0038】
各々のアセンブリ8は、ヘッド10および関連の閉鎖要素11を移動させるためのハンドリングユニット13をさらに含む。
【0039】
ユニット13は、ブランク金型3(図1)の近傍で装置1の構造体15に固定された専用の取り付けフレーム14を備える。
【0040】
ユニット13は、垂直軸線18と、フレーム14の上方に突出する直線状の上端部19と、シャフト16を軸線18に沿った回転並進運動にて動かすための駆動装置K(それ自体は既知であり、詳しくは説明しない)に連結された下端部(添付図面には図示されていない)とを有する関連の駆動シャフト16をさらに備える。
【0041】
ユニット13は、最終的に、軸線18に沿って相対する方向にスライド可能であるようにセクション19に連結されたスライド20と、ヘッド10を支持し、軸線18に直交して延びるアーム21とを備える。
【0042】
好ましくは、スライド20を、例えばねじ20Aに作用する専用のレンチによって外部から手動でロックすることができる。
【0043】
あるいは、スライド20は、例えば機械的摩擦または磁気式の電動ロック装置、ならびに装置の外部から制御でき、あるいはリモートで制御することができる何らかの装置によって、セクション19にロックされる。
【0044】
アーム21は、ヘッド10に堅固に接続された自由端部分22と、部分22の反対側に位置し、アーム-支持ヘッドアセンブリの迅速な交換のために解除可能なカップリング24によってスライド20に連結された取り付け端部23とを備える。
【0045】
好都合には、カップリング24は、軸線18に平行であり、スライド20に堅固に接続された垂直ガイド25と、取り付け部分23に堅固に接続され、ガイド25に上方から連結可能であるスライド26とを備える。スライド26は、専用のレンチによって外部から手動で作動させることができるクランプねじ27によって、解放可能なやり方でガイド25にクランプされる。あるいは、スライド26は、例えば機械的摩擦または磁気式の電動ロック装置、ならびに装置の外部から制御でき、あるいはリモートで制御することができる何らかの装置によって、ガイド25にロックされる。
【0046】
図4を参照すると、スライド20は、ここで説明される例ではねじ式である機械式伝達装置30の推力の下で、セクション19に沿って移動可能である。あるいは、機械式伝達装置30は、歯付きの伝達装置または何らかの他の同等のリニア伝達装置である。
【0047】
伝達装置30は、垂直シャフト16のセクション19の外側に配置され、自身の軸線31Aを中心にして回転できるやり方で、軸線方向について固定された位置にて垂直シャフト16に連結されたねじ31と、ねじ31と螺合し、スライド20に対して垂直方向および角度に関して固定された位置にてスライド20に連結したナットねじ32とを備える。
【0048】
再び図2および図4を参照すると、ねじ31は、電動モータ35によって回転する。好都合には、伝達装置30は、シャフト16の上端に配置された固定部37と、固定部37から片持ち梁状に突出する取り付け部38とを備える取り付けブラケット36を備える。ねじ31は、回転可能に、軸線方向について固定された位置にて取り付け部38に連結され、この取り付け部38から上方に突出し、モータ35のロータに堅固に接続される。
【0049】
好都合には、モータ35は、取り付け部38に堅固に取り付けられ、取り付け部38から上方に延びる。
【0050】
さらに図2を参照すると、電動モータ35は、指令制御ユニット40によって指令および制御される。
【0051】
ユニット40は、装置1に設置することができる各々の金型3、5ごとに、閉鎖要素11のそれぞれの基準位置、すなわちそれらの正確な高さ位置を記憶するメモリブロック40Aと、モータ35を制御し、現時点において装置1に取り付けられている金型に応じて閉鎖要素11を基準位置または動作位置に移動させるための指令制御ブロック40Bとを備える。
【0052】
好都合には、各々のユニット40は、金型交換プログラムに応じて前記閉鎖アセンブリのすべてを制御することによってすべての関連の閉鎖要素11の位置調整動作を同期させる全体装置ユニット41と通信する。
【0053】
再び図1を参照すると、各々のアセンブリ9は、上述したアセンブリ8と同様であり、ヘッド10の代わりに閉鎖要素45を支持するヘッド43を備えることだけが異なる。
【0054】
やはりそれ自体は既知である閉鎖要素45は、各々のキャビティ6に液密に連結し、関連のキャビティ6内にそれぞれの圧縮空気供給ダクトをそれぞれ画定するという点で、要素11から相違する。
【0055】
ヘッド43は、圧縮空気をそれぞれの閉鎖要素45へと供給するためのダクト45Aを有する点で、ヘッド10からさらに相違する。
【0056】
図3に示される変形例において、ねじ31は、カラー48(図2)によってシャフト16の部分19に固定されたウォームねじ-ウォームギア伝達装置47の一部である運動入力シャフト46への外部からの手動での作用によって、自身の軸線31Aを中心にして回転する。シャフト46は、アーム21およびスライド20の外部に軸線31Aに直交して延び、伝達装置47は、伝達装置30の一部を形成する。
【0057】
以上から、垂直シャフト16のセクション19に沿ってスライド可能なスライドの使用、および伝達装置30の存在により、セクション2を担当するたった1人の作業者が、単に一般的なクランクまたは操作レンチによってシャフト46を外部から操作し、あるいはユニット40を介してモータ35を制御するだけで、シャフト16を駆動する装置Kに介入することを必要とせずに、金型交換のたびにきわめて短時間で閉鎖要素11、45を正確に位置させることが可能になることが明らかである。
【0058】
いずれの場合も、アーム21、ひいては関連のヘッド10、43の移動の精度および連続性ゆえに、たった1人の作業者が、閉鎖要素11、45を関連のヘッド10、43から取り外したり、再び取り付けたりすることを必要とせずに、金型交換において高さ調整を実行することができ、とりわけ、既知の解決策と比較して、「フェースモールド」を使用するまでもなく閉鎖要素11および45の高さを調整することができ、結果として、「フェースモールド」を完全に排除することができ、したがって、その取り扱いおよび保管に関連するすべての問題を根本的に解決することができる。
【0059】
とくには、伝達装置30によって実行される調整の最中に、アーム21は、並進運動でのみ移動し、すなわち自身に平行なまま並進するため、閉鎖要素11、45の空間的な向きは変化しない。
【0060】
モータ35を使用することにより、作業者が、発せられた金型交換指令に応答して、個々のセクション2をリモートで操作することができ、あるいは装置全体を同時に操作することができるため、作業者について必要な肉体的苦労も実質的に排除される。
【0061】
既知の解決策と比較して、たとえモータ35によらなくても、調整が、前部において突出し、したがって外部から容易にアクセスすることができる領域に突出するシャフト46に連結させることができるクランクまたはレンチの単なる回転に限られ、金型を支持する表面へと登り降りする必要がなく、すなわち成形セクションの外部にとどまったままでよいため、身体的苦労が低減され、安全性に関してもきわめて好都合である。
【0062】
やはり既知の解決策と比較して、駆動モータ35の存在および関連の指令制御ユニットの存在が、作業者頼みの単なる視覚による制御から、例えば前記指令制御ユニット内のメモリまたはデータベースに格納された情報に基づく個々のセクション2または装置1の全体の完全に自動的な制御への移行ゆえに、動きの恣意性を排除する。
【0063】
モータ35およびねじ-ナットねじ伝達装置30の存在は、閉鎖要素11、45のきわめて正確かつ漸進的な位置決めを容易にし、したがって金型交換段階における前記閉鎖要素の損傷を防止する。
【0064】
さらに、以上から、提供されるハンドリングユニット13は、シンプルな設計であり、費用効果が高く、とりわけ非常にコンパクトであり、外部からすぐに検査可能である。
【0065】
さらに、コンパクトかつシンプルな設計であることで、上述の閉鎖アセンブリ8、9は、既存の成形装置において、それらの装置のいかなる特定の変更または調整も必要とせずに、使用することが可能である。
【0066】
以上から、上述の閉鎖アセンブリ8、9を、結果として独立請求項によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、修正および変更できることが明らかである。
【0067】
とくに、アーム21およびヘッド10、43は、例えば異なる数の閉鎖要素に対応するために、上述の形状および幾何学的配置とは異なる形状および幾何学的配置を有することができる。
【0068】
加えて、伝達装置30は、電気制御の故障を含む任意の動作状態において手動操作が可能であるように、モータ35および伝達装置47の両方を備えることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 装置
2 成形セクション
3 ブランク金型
4 成形キャビティ
5 仕上げ金型
6 仕上げキャビティ
8 閉鎖アセンブリ
9 閉鎖アセンブリ
10 支持ヘッド
11 閉鎖要素
13 ハンドリングユニット
14 取り付けフレーム
15 構造体
16 垂直シャフト、駆動シャフト
18 垂直軸線
19 部分、セクション、直線状の上端部
20 スライド
20A ねじ
21 アーム
22 自由端部分
23 取り付け端部
24 カップリング
25 垂直ガイド
26 スライド
27 クランプねじ
30 機械式伝達装置、ねじ―ナットねじ伝達装置
31 ねじ
31A 軸線
32 ナットねじ
35 駆動モータ、電動モータ
36 取り付けブラケット
37 固定部
38 取り付け部
40 指令制御ユニット
40A メモリブロック
40B 指令制御ブロック
41 全体装置ユニット
43 ヘッド
45 閉鎖要素
45A ダクト
46 運動入力シャフト
47 ウォームねじ―ウォームギア伝達装置
48 カラー
K 駆動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】