(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098921
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】車載用電子機器及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20230704BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20230704BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20230704BHJP
H04N 23/40 20230101ALI20230704BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
H04N5/77 200
H04N23/63 310
H04N23/40 100
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060628
(22)【出願日】2023-04-04
(62)【分割の表示】P 2022072164の分割
【原出願日】2014-04-09
(31)【優先権主張番号】P 2013081428
(32)【優先日】2013-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】尾野 久雄
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(57)【要約】 (修正有)
【課題】撮像画像を連続的に記録する画像記録装置において、撮像画像の記録動作の安定性が向上された画像記録装置を提供すること。
【解決手段】ドライブレコーダ1は、画像情報を取得するための撮像カメラと、記憶媒体を挿抜可能に収容する媒体収容部と、記憶媒体に撮像画像を記録する制御を実行可能な制御手段と、を備えており、制御手段は、撮像したタイミングの古いものから順番に撮像画像を消去して順次、記憶媒体の記憶領域の空き領域を確保しながら新しい撮像画像を該空き領域に記憶させることにより、過去の所定期間に渡る一連の撮像画像を記憶媒体を利用して記録する制御モードを実行可能であり、媒体収容部を少なくとも2基備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブレコーダの設定情報を変更する変更操作手段を備えるドライブレコーダであって、
前記設定情報の変更によって当該ドライブレコーダに装着された記憶媒体の記録データが消去されるおそれが有る旨を警告する警告手段を備えたこと
を特徴とするドライブレコーダ。
【請求項2】
前記変更操作手段としての操作ボタンを備え、
前記警告手段は、前記操作ボタンの操作による前記設定情報の変更によって記憶媒体の記録データが消去されるおそれが有る旨を警告すること
を特徴とする請求項1に記載のドライブレコーダ。
【請求項3】
警告手段として、テキスト読み上げ機能による警告機能を備えること
を特徴とする請求項1または2に記載のドライブレコーダ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のドライブレコーダに装着される記憶媒体に記録された設定情報を変更する端末側設定変更手段、及び前記ドライブレコーダに装着される記憶媒体に記録された設定情報を変更するための操作を受け付ける端末側変更操作手段を備える端末装置であって、
前記端末側変更操作手段を介して前記設定情報を変更する操作を受け付けたとき、前記記憶媒体の記録データが消去される可能性がある旨を警告する端末側警告手段を備えること
を特徴とする端末装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載のドライブレコーダの機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項4に記載の端末装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ドライブレコーダや監視装置など撮像画像を連続的に記録可能な画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、車両の前方風景を撮影し連続的に記録するドライブレコーダや、所定の監視エリアを撮影して連続的に記録する監視装置等の画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。例えば、ドライブレコーダ等の画像記録装置は、車両のイグニッションがオンに切り換えられた後、通電状態が継続する限り、記録時点が古い撮像画像を消去して空き領域を確保しながら新たな撮像画像を順次記録するものなどがある。このような記録動作を行うドライブレコーダ等によれば、現在に至る過去の所定期間に渡る撮像画像を常時、更新しながら保持できる。
【0003】
このように過去の所定期間に渡って撮像画像を記録する目的としては、交通事故等の原因を特定する目的や、従業員である運転手の運転を雇用者側が管理する目的等がある。近年、くるま用品の量販店等で安価なドライブレコーダが販売されるようになると、ドライブシーンを記録する目的や、街の風景を記録する目的などに活用して個人的に楽しむユーザーも現れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
撮像画像を連続的に記録するドライブレコーダ等の画像記録装置には、カメラやビデオカメラ等とは記憶領域の使い方が大きく異なる点がある。それは、ドライブレコーダ等の画像記録装置は、通電状態にある限り、古い撮像画像の消去と新たな撮像画像の記録とを際限なく繰り返すという動作が可能である点である。
【0006】
このようなドライブレコーダ等の画像記録装置では、撮像画像を連続的に記録するために消去と書込を際限なく繰り返す動作を行っているとき、撮像画像の連続記録に加えて、他のデータの書き込みや消去などを実行しようとすると記憶媒体へのデータアクセスの頻度が過大となったり処理が間に合わなくなるおそれがある。それ故、撮像画像を連続的に記録するために消去と書込を際限なく繰り返す動作を行っているときに同時に実行可能な処理が制限されたり、特定の処理については実行不可能になってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、撮像画像を連続的に記録可能な画像記録装置において、撮像画像を連続的に記録する動作中であっても、他のデータに関する処理を比較的容易に実行可能な画像記録装置を提供しようとする発明である。
またメモリーカードに録画するドライブレコーダにおいてメモリーカードを1つしか搭載しないドライブレコーダなど従来のドライブレコーダでは下記の様な問題や課題がある。
(a)メモリーカードの破損や不具合があった場合、録画できなくなる。特に連続録画を行っている場合は、走行中、常時上書きで録画を繰り返している(消去と記憶を繰り返している)ので破損する確率が高い。また、作動中にメモリーカードを取り外すと破損する可能性が高い。ドライブレコーダはエンジンキーに連動して電源をON、OFFさせる事が殆どだが、車両によっては、特にエンジンの始動時に電圧の変動や寸断、サージの発生等がありこれらが悪影響してメモリーカードの制御に異常が発生しメモリーカードの破損や不具合を発生させる場合もある。
(b)ドライブレコーダは、事故の記録が主目的であり、事故の記録は消えない様保存しておく必要がある。事故の検知は一般的にGセンサー等により所定以上の衝撃を検知すると事故とみなし、その前後の画像を上書き禁止にして保存する場合が多い。しかし、事故のみを確実に検知する事は難しく、路面の段差や凹凸、運転者の運転の仕方等によっても衝撃を検知してしまい、現実的には事故以外の衝撃検知での録画・記録等保存の必要がない録画が殆どで非常に多い。センサーの感度を低くすると事故の検知が出来なくなる。また、危険運転・無謀運転の目撃、事故になりそうな危険な体験、景色の良い場所等の録画はマニアル操作で、その前後の画像を上書き禁止にして保存する場合も多く、使用者によっては上書き禁止で多くを録画する。この様な上書き禁止の録画でメモリーカードが一杯になると、当然それ以上は録画できない。メモリーカードの交換や、画像の取り出し・削除、初期化等の処置をする必要があるが、走行中や旅先等何らかの事情で直ぐに処置ができない場合もあり、その場合、それ以上は記憶できずドライブレコーダとして機能しない事になる。
(c)常時連続録画と、上書きを禁止したイベント等の録画を同一のメモリーカードに記憶させるのが一般的だが、上書きを禁止した録画は何の処置もしないと増えて行く。日常的にメンテナンス/処置をすればよいが、なかなか出来ない。メモリーカード内に常時連続録画エリアと、上書き禁止記録エリアを分けておく場合もあるが、エリア分けをせず上書き禁止記録を優先して記憶させる事が多く、上書き記録が増えた分常時録画エリアを減らす様にしている場合が多い。この場合、上記(b)の様に上書き禁止の録画でメモリーカードが一杯にならなくても常時録画エリアが減り常時録画時間が短くなり、さかのぼって画像を確認できる時間が短くなってしまう。同時に、上書きが一巡する時間が短くなり消去と記録の繰り返し頻度が増し、メモリーカードの破損や不具合が発生する確率が益々高くなる問題がある。常時連続録画エリアと、上書き禁止記録エリアを分けておいた場合、当然、上書き禁止記録エリアが一杯になるとそれ以上は録画できず、エリア分けをしない方式より一杯になる可能性が高い。
(d)録画された画像をPCビューア等で確認や取り出しをする為、ドライブレコーダからメモリーカードを取り外す場合もある。取り外したまま忘れる、または何らかの事情で取り外したメモリーカードを使用できず、メモリーカードを装着せずに走行すると録画・記憶はできずドライブレコーダとして機能しない事になる。
(e)多機能なドライブレコーダになるとメモリーカードに記憶するデータや情報量が非常に多くなり、処理速度が遅くなったり、処理できない部分が発生する場合がある。またメモリーカードの使用頻度が高くなりメモリーカードの破損や不具合が発生する確率も高くなる。メモリーカードの破損や不具合が発生すると全機能が使えなくなる場合も多い。
本発明は、例えば、より継続的にドライブレコーダとしての機能を発揮でき、このような従来の問題点を解決できる画像記録装置等を提供しようとする発明である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)撮像手段が取得した撮像画像を着脱可能な記憶媒体に記録する機能を有する制御手段を備える画像記録装置において、
記憶媒体を着脱可能に保持する媒体収容部を複数備え、
前記制御手段は、複数の媒体収容部のうちの少なくともいずれか一つの媒体収容部に装着された記憶媒体に撮像画像を記録中に、いずれか他の媒体収容部に装着された記憶媒体に対して所定の書込処理を実行する機能を備えている画像記録装置とすると良い。
【0009】
この画像記録装置は、前記媒体収容部を複数備えており、複数の記憶媒体を装着可能である。前記制御手段は、複数の媒体収容部のうちの少なくともいずれか一つの媒体収容部に装着された記憶媒体に撮像画像を記録中に、いずれか他の媒体収容部に装着された記憶媒体に対して所定の書込処理を実行する機能を備えている。そのため、この画像記録装置は、撮像画像の記録処理と並行して、他の記憶媒体に対して所定の書込処理を実行できる。
【0010】
撮像画像を記録する記憶媒体とは異なる他の記憶媒体を対象として所定の書込処理を実行する場合であれば、撮像画像の記録中に所定の書込処理を実行しても、撮像画像を記録する対象の記憶媒体や所定の書込処理を実行する記憶媒体について、データの書込や読取等のデータアクセスの頻度が過大となるおそれを少なくできる。これにより、所定の書込処理を実行することで、撮像画像の記録に不具合が生じるおそれを抑制できる。
【0011】
この画像記録装置では、撮像画像の記録動作に対する影響を抑えた範囲内において、記憶媒体へのデータアクセスの頻度が比較的大きな処理を前記所定の書込処理として実行可能となる。様々な書込処理を撮像画像の記録中に実行可能であれば、撮像画像の記録だけでなく、例えばエンジン回転数、速度など車両データの記録等に画像記録装置を活用できるようになり利便性を向上できる。
【0012】
なお、撮像画像の記録中あるいは記録している最中に他の書込処理を実行する構成としては、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置を複数設けるなどして、撮像画像を記録するための処理と、他の書込処理を実行するための処理と、を同時に実行するようにしてもよいが、1つのCPU(Central Processing Unit)等の演算装置であっても、撮像画像を記録するための処理と、他の書込処理を実行するための処理と、を時分割で同時に実行するようにしてもよい。例えば、撮像画像を記録するファイルをクローズしない状態で、他のファイルへの書込処理を行うようにするとよい。例えば画像記録装置による撮像画像の記録動作が開始された後、その記録動作が終了されるまでの間に、例えばCPUが他の書込処理を割り込みで実行するようにするとよい。
【0013】
例えば、撮像手段が取得した撮像画像を着脱可能な記憶媒体に記録する機能を有する制御手段を備える画像記録装置において、記憶媒体を着脱可能に保持する媒体収容部を複数備え、前記制御手段は、複数の媒体収容部のうちの少なくともいずれか一つの媒体収容部に装着された記憶媒体を主とし、いずれか他の媒体収容部に装着された記憶媒体を副として所定の書込処理を実行する機能を備えていることを特徴とする画像記録装置とするとよい。
【0014】
(2)前記制御手段は、撮像したタイミングの古いものから順番に撮像画像を消去して順次、前記記憶媒体の記憶領域の空き領域を確保しながら新しい撮像画像を該空き領域に記憶させることにより、過去の所定期間に渡る一連の撮像画像を前記記憶媒体を利用して記録する制御モードを実行可能であり、
前記媒体収容部が少なくとも2基設けられている構成とすると良い。
【0015】
画像情報を取得するための撮像手段と、記憶媒体を挿抜可能に収容する媒体収容部と、該媒体収容部に収容された記憶媒体に前記撮像手段による撮像画像を記録する制御を実行可能な制御手段と、を備えた画像記録装置において、
制御手段は、撮像したタイミングの古いものから順番に撮像画像を消去して順次、前記記憶媒体の記憶領域の空き領域を確保しながら新しい撮像画像を該空き領域に記憶させることにより、過去の所定期間に渡る一連の撮像画像を前記記憶媒体を利用して記録する制御モードを実行可能であり、
前記媒体収容部が少なくとも2基設けられている画像記録装置とすると良い。
【0016】
上記の通り、撮像画像を連続的に記録するドライブレコーダ等の画像記録装置には、カメラやビデオカメラ等とは記憶領域の使い方が大きく異なる点がある。それは、ドライブレコーダ等の画像記録装置は、通電状態にある限り、例えば、古い撮像画像の消去と新たな撮像画像の記録とを際限なく繰り返す点である。カメラやビデオカメラであれば、新たな撮像画像の上書きによって古い撮像画像が勝手に消去されることはなく、例えば、パソコン等の端末装置に読み出された後で撮像画像が消去される。
【0017】
このように撮像画像を連続的に記録するために消去と書込を際限なく繰り返すドライブレコーダ等の画像記録装置では、撮像画像の記録、消去が繰り返されるうちにデータの書込エラーや消去エラー等が発生する可能性があり、記憶領域内の記録データに欠陥が発生する可能性があるという問題がある。
【0018】
これに対して前記画像記録装置は、前記媒体収容部を少なくとも2基備えているので、複数の記憶媒体を装着可能である。複数の記憶媒体を利用すれば、記憶媒体が1つだけの場合と比べて、各記憶媒体のデータの書き換えや消去等の実行回数を低減して負担を軽減できる。これにより、前記撮像画像を記録する際の書込エラーや消去エラー等のトラブルの発生確率を低減でき、動作信頼性を向上できる。
【0019】
このように前記画像記録装置は、撮像画像を連続的に記録するための装置であって、撮像画像の記録動作の安定性を向上するために有用な装置となっている。
【0020】
前記画像記録装置における媒体収容部の配設数は、2基であっても良いが、3基以上の複数とすると特に良い。
前記撮像手段は、CCDやCMOSなどの撮像デバイスを備えた撮像カメラ、あるいはレーザーレーダやミリ波センサや赤外線センサ等のエリアセンサを利用する撮像手段とすると良い。
前記画像記録装置は、ドライブレコーダや、監視装置等への適用において有用である。
一連の撮像画像としては、例えば、いわゆるイベント記録のように、イベント発生時点を含む所定期間(例えばイベント発生の前について第一の所定期間とイベント発生後について第二の所定期間からなる所定期間)としてもよいが、特に、イベントと関係なく記録するものとするとよく、特にいわゆる常時記録をするものとするとよい。
【0021】
前記制御手段は、撮像したタイミングの古いものから順番に撮像画像を消去して順次、前記記憶媒体の記憶領域の空き領域を確保しながら新しい撮像画像を該空き領域に記憶させることにより、撮像画像を前記記憶媒体を利用して記録する制御モードと、前記撮像画像を消去しない制御モードを実行可能であり、前記媒体収容部が少なくとも2基設けられている画像記録装置とするとよい。
【0022】
(3)前記制御手段は、いずれか2基以上の媒体収容部に収容された各記憶媒体を前記一連の撮像画像を記録するために利用し、当該各記憶媒体の中のいずれか一の記憶媒体に新たな撮像画像を記録している最中にいずれか他の記憶媒体の記憶領域を初期化する制御モードを実行可能とすると良い。
前記制御手段は、いずれか2基以上の媒体収容部に収容された各記憶媒体を撮像画像を記録するために利用し、当該各記憶媒体の中のいずれか一の記憶媒体に新たな撮像画像を記録している最中にいずれか他の記憶媒体の記憶領域を初期化する制御モードを実行可能である画像記録装置とするとよい。
【0023】
上記(3)のようにすれば、いずれかの記憶媒体に撮像画像を記録し始める際、常に初期化状態から記録を開始できる。初期化状態から記録を開始すれば、書込エラー等の発生確率を極めて低くできる。いずれかの記憶媒体の初期化作業中では、他方の記憶媒体に撮像画像を記録すれば良いので、初期化作業のために撮像画像の記録動作を中断する必要がなく、記録動作の処理効率が損なわれることもない。
なお、2つ以上の記憶媒体に同じデータを書込みすることも良い。物理的に独立した記憶媒体に同じデータを記録すれば、万が一、一方の記憶媒体にトラブルが発生しても、他方の記憶媒体からデータを読み取ることができるようになり、信頼性を向上できる。
【0024】
(4)画像記録装置では、前記一連の撮像画像を記録するために利用する記憶媒体が2つであるとき、当該2つの記憶媒体を前記一連の撮像画像を記録するために交互に利用し、いずれか一の記憶媒体に新たな撮像画像を記録している最中にいずれか他の記憶媒体の記憶領域を初期化する制御モードを実行可能とすると良い。
撮像画像を記録するために利用する記憶媒体が2つであるとき、当該2つの記憶媒体を撮像画像を記録するために交互に利用し、いずれか一の記憶媒体に新たな撮像画像を記録している最中にいずれか他の記憶媒体の記憶領域を初期化する制御モードを実行可能である画像記録装置とするとよい。
上記(4)のようにすれば、2つの記憶媒体を交互に初期化することで、いずれかの記憶媒体に撮像画像を記録し始める際、常に初期化状態から記録を開始できる。
【0025】
(5)画像記録装置では、前記一連の撮像画像を記録するために利用する記憶媒体が3つ以上の複数であるとき、当該各記憶媒体の中から選択する2つの記憶媒体を順番に入れ替え、選択した2つの記憶媒体のうちのいずれか一の記憶媒体に新たな撮像画像を記録している最中にいずれか他の記憶媒体の記憶領域を初期化する制御モードを実行可能とすると良い。
撮像画像を記録するために利用する記憶媒体が3つ以上の複数であるとき、当該各記憶媒体の中から選択する2つの記憶媒体を順番に入れ替え、選択した2つの記憶媒体のうちのいずれか一の記憶媒体に新たな撮像画像を記録している最中にいずれか他の記憶媒体の記憶領域を初期化する制御モードを実行可能である画像記録装置とするとよい。
【0026】
例えば、初期化状態の第1~第3の記憶媒体があるときには、まず、第1及び第2の記憶媒体に順番に撮像画像を記録していき、その後、第3の記憶媒体に新たな撮像画像を記録する際に第1及び第3の記憶媒体を選択し、第3の記憶媒体に撮像画像を記録する最中に第1の記憶媒体を初期化する。第3の記憶媒体に撮像画像を記録した後では、第1及び第2の記憶媒体を選択し、第1の記憶媒体に撮像画像を記録する最中に第2の記憶媒体を初期化する。第1の記憶媒体に撮像画像を記録した後では、第2及び第3の記憶媒体を選択し、第2の記憶媒体に撮像画像を記録する最中に第3の記憶媒体を初期化する。このように選択する2つの記憶媒体を順番に入れ替えることで、3つ以上の複数の記憶媒体を利用して長時間に渡る撮像画像を記録できるようになる。
【0027】
(6)前記記憶媒体には、記憶領域内のデータの記録位置を管理するためのファイル管理情報が記録されており、
いずれか一の記憶媒体に新たな撮像画像を記録している最中にいずれか他の記憶媒体を初期化するとき、新たな撮像画像を記録する動作に連動していずれか他の記憶媒体に記録済みの撮像画像を記録時点の古いものから消去していき、撮像画像を全て消去した後で前記ファイル管理情報を消去して初期化を完了する構成とすると良い。
【0028】
前記ファイル管理情報は、前記記憶媒体の記憶領域の中のどの位置にどのデータが記録されているかを管理する情報であって、記録した撮像画像等のデータ等を読み取る際に必要となる管理情報とするとよい。例えばこのようなファイル管理情報を消去した後は、消去前のデータであっても読み取り不可能となる。初期化作業の開始時にファイル管理情報を消去してしまうと、初期化作業の開始と同時にその記憶媒体に記録された撮像画像の読み取りが困難になる。一方、初期化作業の終了時にファイル管理情報を消去する場合であれば、初期化作業が開始された後であっても、記録済みの撮像画像の読み取り等が可能になる。
【0029】
いずれか一の記憶媒体に対する撮像画像の記録動作に連動していずれか他の記憶媒体の撮像画像を消去する態様としては、例えば、いずれか一の記憶媒体に新たに記録した撮像画像の時間長さと、いずれか他の記憶媒体から消去した撮像画像の時間長さと、をほぼ一致させる態様がある。この場合には、前記記憶媒体から読み取り可能な撮像画像の時間長さが、初期化作業の進捗状況に応じて変動する度合いを抑制できる。仮に、前記初期化作業の開始と同時にファイル管理情報を消去してしまうと、その記憶媒体に記録された撮像画像が一瞬にして読み取り不可能となるため、初期化作業の開始と同時に、前記記憶媒体から読み取り可能な撮像画像の時間長さが一気に短くなる。
【0030】
(7)前記制御手段は、前記記憶媒体にデータを記録する複数種類の制御モードを実行可能であり、
少なくともいずれかの記憶媒体には、前記複数種類の制御モードのうちのいずれかに対応する設定情報が記録されており、
前記制御手段は、前記設定情報が記録された記憶媒体が前記媒体収容部に収容されたとき、当該記憶媒体から読み取った設定情報に対応する制御を実行する構成とすると良い。
【0031】
この場合には、前記設定情報が記録された記憶媒体を媒体収容部に収容することで、その設定情報に従う制御を直ちに開始できるようになる。記憶媒体に記録された設定情報を書き換えることで、前記画像記録装置の動作を変更できるようになるため、非常に便利である。記憶媒体に記録した設定情報によって画像記録装置の制御モードを変更できれば、例えば、制御モードを変更するための操作手段等を画像記録装置本体に設ける必要がなくなる。この場合には、ハードウェア的な構成を簡略にできコストを抑制できると共に、故障が発生し易い操作手段のトラブルを未然に回避でき動作信頼性を向上できる。また、ユーザー側の操作による設定情報の変更を難しくすれば、例えば、運送会社やタクシー会社等に雇われたドライバー等が勝手に設定情報を変更するおそれを未然に抑制できる。このような構成は、運送会社やタクシー会社等の雇用者側が従業員であるドライバーの運転を管理するための適用において有利となる。
【0032】
(8)画像記録装置は、前記記憶媒体に記録された設定情報を変更するための操作を受け付ける変更操作手段と、
該変更操作手段を介して設定情報を変更する操作を受け付けたとき、設定情報の変更により前記記憶媒体に記録されたデータが消去される可能性がある旨を警告する警告手段と、を備えている構成とすると良い。
この場合には、設定情報の変更操作により、記録された撮像画像等が不注意等によって消去されてしまうおそれを未然に抑制できる。大事な撮像画像が消去されてしまうリスクが軽減され、使い易い画像記録装置となる。
【0033】
(9)画像記録装置は、各種のデータを記憶するための記憶手段を内蔵しており、
前記制御手段は、前記設定情報が記録された記憶媒体が前記媒体収容部に収容されたとき、当該記憶媒体から設定情報を読み取って前記記憶手段に記憶させる構成とすると良い。
この場合には、例えば、設定情報が記録された記憶媒体が抜き取られた場合であっても、その設定情報に従った制御を実現できる。例えば、設定情報が記録された記憶媒体が抜き取られたとき、記憶手段の設定情報を他の記憶媒体に記録することも良い。この場合には、設定情報の記録場所が物理的に独立した2箇所になるので、安全性を向上できる。前記記憶手段としては、フラッシュROM等の不揮発性メモリ等の電子デバイスを利用した手段が考えられる。
【0034】
(10)前記制御手段は、前記設定情報が記録された記憶媒体の記憶領域を初期化する際、初期化が終了した記憶媒体に再度、前記記憶手段が記憶する設定情報を記録する構成とすると良い。
この場合には、設定情報が記録された記憶媒体についても、その記憶領域の全領域を一旦消去する初期化が可能になる。初期化作業の終了後に再度設定情報を記録すれば、設定情報が記録された元の状態を再現できる。
【0035】
(11)前記制御手段は、いずれか2基以上の媒体収容部に収容された各記憶媒体のうちの一部の記憶媒体に前記一連の撮像画像を記録する一方、
残りの記憶媒体のいずれかには、前記一連の撮像画像のうちの特定の時間区間の撮像画像または特定の時間区間を含む撮像画像である特定画像を記録する制御モードを実行可能な構成とすると良い。
【0036】
前記一連の撮像画像と、特定画像と、を独立した記憶媒体にそれぞれ記録すれば、撮像画像と特定画像とを効率良く記録できる。前記特定の時間区間としては、例えば、保存する必要が生じた時間区間を設定すると良い。前記一方の記憶媒体に記録される前記一連の撮像画像については随時更新する必要があるため、上書きを禁止することは適切ではないが、前記他方の記憶媒体については、上書き禁止モードで撮像画像を記録することも良い。この場合には、前記他方の記憶媒体に記録された撮像画像を確実性高く保存できる。
【0037】
一般的に、記憶媒体に記録する際には、前記一連の撮像画像は例えばファイル単位で管理している場合が多い。このような構成の場合、特定の時間区間のみファイルを作成することが困難になる場合もある。この場合には、特定の時間区間の撮像画像を含むファイル単位で複製や移動すると良い。
前記制御手段は、いずれか2基以上の媒体収容部に収容された各記憶媒体のうちの一部の記憶媒体に過去の所定期間に渡る一連の撮像画像を記録する一方、残りの記憶媒体のいずれかには、前記一連の撮像画像のうちの特定の時間区間の撮像画像または特定の時間区間を含む撮像画像である特定画像を記録する制御モードを実行可能である画像記録装置とするとよい。
【0038】
(12)前記特定画像は、前記一部の記憶媒体に記録された前記一連の撮像画像のうちの一部が複製されたもの、または一部を移動したものとすると良い。
前記一連の撮像画像のうちの一部を複製するに際して、前記一連の撮像画像の対応部分を消去しても良いし、そのまま残しても良い。例えば、前記一連の撮像画像として記録した後、その一部を複製すれば、前記一連の撮像画像を記録した後の事後的な処理により特定画像を記録できる。前記一連の撮像画像と前記特定の時間区間の撮像画像との両方を同時並列で記録する必要がなくなるため、処理負荷を時間的に分散でき過大な負荷の発生を未然に回避できる。
【0039】
(13)画像記録装置は、車両に搭載される画像記録装置であって、車両の状況が反映された車両データを取得するデータ取得手段を備えており、
前記制御手段は、いずれか2基以上の媒体収容部に収容された各記憶媒体のうちの一部の記憶媒体に前記一連の撮像画像を記録する一方、
残りの記憶媒体のいずれかには、前記データ取得手段により取得された車両データを記録する制御モードを実行可能な構成とすると良い。
【0040】
この場合には、撮像画像を記録する記憶媒体と、車両データを記録する記憶媒体と、を物理的に独立させ、撮像画像と車両データとを効率良く記録できるようになる。例えば、上書き禁止モードで車両データを記録することも良い。この場合には、重要な車両データが不用意に消去されてしまうおそれを未然に抑制できる。
【0041】
なお、例えば、前記一連の撮像画像と前記車両データとの時間的なタイミングを同期させるための信号を記録しておくことも良い。このような信号が記録されていれば、前記撮像画像と前記車両データとを時間的に同期させて再生することが可能になる。
前記車両データとしては、例えば、車両の制御情報を伝達する車両内ネットワーク上を流れる情報やそれに基づいて求めた情報等がある。例えば、速度、平均速度、最高速度、5秒速度、平均5秒速度、最高5秒速度、回転数、平均回転数、最高回転数、エンジン負荷、平均負荷、最大負荷、スロットル開度、平均スロットル開度、最大スロットル開度、点火時期、燃料レベル、インマニ圧、最大インマニ圧、MAF、INJ、冷却水温度、最高冷却水温度、吸気温度、最高吸気温度、外気温、最高外気温、残燃料、燃料流量、最大燃料流量、消費燃料、生涯消費燃料、瞬間燃費、今回燃費、最大今回燃費、 生涯燃費、平均燃費、一般道平均燃費、高速道平均燃費、移動平均燃費、最大移動平均燃費、運転時間、走行時間、アイドル時間、アイドル比率、走行距離、生涯走行距離、0-20km/h 加速時間、0-20km/h 平均加速、0-20km/h 最短加速、0-40km/h 加速時間、0-40km/h 平均加速、0-40km/h 最短加速、0-60km/h 加速時間、0-60km/h 平均加速、0-60km/h 最短加速、0-80km/h 加速時間、0-80km/h 平均加速、0-80km/h 最短加速、0-20km/h 走行時間、20-40km/h 走行時間、40-60km/h 走行時間、60-80km/h 走行時間、80km/h以上 走行時間、生涯エンジン走行距離、生涯エンジン走行比率等の車両データがある。
【0042】
(14)前記制御手段は、所定のイベントが発生したとき、前記特定画像を記録する構成とすると良い。
例えば前記一連の撮像画像は、イベントの発生に関係なく、随時更新しながら記録される。前記特定画像は、前記所定のイベントが発生したときに記録される構成とするとよい。また、例えば、前記特定画像を記録した記憶媒体を上書き禁止にすると良い。この場合には、前記所定のイベントが発生したときの撮像画像である特定画像の記録状態を確実性高く維持でき、事後的にその撮像画像を確実に参照できるようになる。
【0043】
(15)前記制御手段は、所定のイベントが発生したとき、前記車両データを記録する構成とすると良い。
例えば前記一連の撮像画像は、イベントの発生に関係なく、随時更新しながら記録する構成とするとよい。また、例えば、前記車両データを記録した記憶媒体を上書き禁止にすることも良い。この場合には、前記所定のイベントが発生したときの車両データを確実性高く保存でき、事後的にその車両データを確実に参照できるようになる。
【0044】
(16)画像記録装置は、各種のデータを記憶するための記憶手段を内蔵しており、
前記制御手段は、所定のイベントが発生したとき、前記一連の撮像画像のうちの特定の時間区間の撮像画像である特定画像を前記記憶手段の記憶領域に記録する制御モードを実行可能とすると良い。
【0045】
(17)車両に搭載される画像記録装置であって、車両の状況が反映された車両データを取得するデータ取得手段を備えていると共に、各種のデータを記憶するための記憶手段と、を内蔵しており、
前記制御手段は、所定のイベントが発生したとき、前記記憶手段の記憶領域に前記車両データを記録する制御モードを実行可能とすると良い。
【0046】
これらの場合には、前記所定のイベントが発生したときの特定画像あるいは車両データを前記記憶手段に記録できるようになる。記憶媒体とは異なり記憶手段は内蔵されているので、前記媒体収容部に記憶媒体が収容されていない場合であっても特定画像や車両データの記録が可能になる。
【0047】
(18)前記所定のイベントの発生に応じて記録される前記特定画像あるいは車両データは、前記所定のイベントが発生した瞬間の時間的な前後を含む特定の時間区間の撮像画像あるいは車両データとすると良い。
この場合には、前記所定のイベントが発生した瞬間を含み、その瞬間よりも前の時点を始期とした特定の時間区間の撮像画像あるいは車両データを記録できる。前記所定のイベントが発生した瞬間よりも前の時点からの撮像画像等は、例えば、そのイベントが発生した原因や経過等を事後的に分析するために役立つ有用な資料となる。例えば、イベントが交通事故等であれば、その事故原因等を特定するために役立つ。例えば、特定の車両データが特定の状況を示したことがイベントであれば、そのときの車両の挙動や、どのような車両の動作を経由してその状況が発生したのかを特定するのに役立つ。
【0048】
(19)前記特定画像あるいは車両データの記録を要求する操作を受け付ける保存操作手段を備えており、前記所定のイベントには、少なくとも、前記保存操作手段の操作を含めると良い。
この場合には、ユーザー側の操作を契機として、特定の時間区間の撮像画像を記録できるようになる。画像記録装置のユーザー等は、記録したいシーン等が現れたとき、前記保存操作手段を操作することで、そのシーンを撮像した撮像画像を記録できる。
【0049】
前記保存操作手段は、前記撮像画像を記録する際のリアルタイムの操作であっても良いし、後で前記一連の撮像画像を再生している最中の操作であっても良い。例えば、再生中の操作によって撮像画像を記録するためには、前記一連の撮像画像を再生して表示するための液晶ディスプレイ等の表示手段を備えるとよい。
【0050】
(20)画像記録装置は、所定の物理量の計測値を取得するデータ取得手段を備えており、前記所定のイベントには、少なくとも、所定の物理量の計測値が予め定められた状態を示したことを含めると良い。
この場合には、前記計測値が予め定められた状態を示したことを契機として撮像画像あるいは車両データを記録できるようになる。記録された撮像画像等は、その状態が発生した原因や経過を事後的に分析するのに役立つ。
【0051】
なお、計測値が予め定められた状態を示す態様としては、例えば、計測値が所定の閾値を超えたこと、計測値が所定の変化を示したこと、所定の組合せ条件・パターンを満たしたこと等、様々な態様がある。計測値としては、例えば、3軸方向の加速度、速度等がある。なお、前記所定のイベントとして、予め記憶した位置への接近検知等を設定することも良い。特定位置への接近は、例えば、GPSによる位置情報を利用して検知可能である。
【0052】
(21)画像記録装置は、車両に搭載される画像記録装置であって、車両の状況が反映された車両データを取得するデータ取得手段を備えており、
前記所定の物理量は、前記車両データとして取得される物理量とすると良い。
この場合には、前記車両データが予め定められた状態を示したときの撮像画像あるいは車両データを記録できる。その状態が発生した原因や経過等を、撮像画像あるいは車両データを利用して特定できるようになる。
【0053】
(22)画像記録装置では、前記記憶媒体の記憶領域に記録されたデータを読み取りしているか、あるいは当該記憶領域にデータを書き込みしている状態である旨を示す表示部が、前記媒体収容部に対応して設けると良い。
この場合には、データアクセス中の記憶媒体を明示でき、これにより、データアクセス中に記憶媒体が不用意に抜き取られてしまうおそれを抑制できる。なお、前記媒体収容部に対応して前記表示部を設ける構成としては、例えば複数の媒体収容部に対して個別に表示部を設けてもよいが、複数の媒体収容部に対して共用される表示部を設けると特によい。
【0054】
(23)画像記録装置は、各種のデータを記憶するための記憶手段を内蔵しており、
いずれかの媒体収容部に収容された記憶媒体の記憶領域と、前記記憶手段の記憶領域と、を前記一連の撮像画像を記録するために交互に利用し、いずれか一方の記憶領域に前記撮像画像を記録している最中に他方の記憶領域を初期化する制御モードを実行可能な構成とすると良い。
いずれかの媒体収容部に収容された記憶媒体の記憶領域と、前記記憶手段の記憶領域と、を撮像画像を記録するために交互に利用し、いずれか一方の記憶領域に前記撮像画像を記録している最中に他方の記憶領域を初期化する制御モードを実行可能である画像記録装置とするとよい。この場合には、前記記憶媒体が1つしか装着されていない場合であっても、その記憶媒体と記憶手段とを交互に活用することで、一方を初期化しながら他方に撮像画像を記録していくという制御を実行できるようになる。
【0055】
(24)前記制御手段は、2種類以上の制御モードを並行して実行可能とすると良い。
この場合には、複数系統のデータを並行して記録できるようになり、データロガー的な機能が高くなる。
各制御モードとしては、例えば他のモードと区別される固有のモードとして構成するようにしてもよいが、例えば、そのような状態を採る、そのような処理を行う、そうした機能を備えるといったものとするとよい。
【0056】
(25)画像記録装置では、前記媒体収容部のうちの少なくともいずれかは、記憶媒体を挿抜する操作が他の媒体収容部とは異なっている構成とすると良い。
この場合には、操作が簡単な方の媒体収容部に収容された記憶媒体が優先的に抜き取られるように仕向けることができる。例えば、設定情報を記録した記憶媒体については、操作の難易度の高い方の媒体収容部に収容されるように構成することも良い。この場合には、設定情報が記録された記憶媒体の不用意な抜き取りを未然に抑制できる。
【0057】
(26)前記制御手段は、複数の媒体収容部にそれぞれ装着された各記憶媒体に対して、データの書込み、読み取り、消去、及び初期化の各制御を個別に実行する機能を備えていることも良い。
各記憶媒体に対して、データの書込み、読み取り、消去、及び初期化の各制御を個別に実行できれば、画像記録装置において並行して実行可能な記録動作の種類が多くなるという効果が得られる。これにより画像記録装置の機能が多彩となって利便性が向上する。例えば、特定の記憶媒体を対象として撮像画像の記録を実行しながら、エンジン回転数や車速などの車両データを他の記憶媒体に記録する等が可能になる。また例えば、2つ以上の記憶媒体を利用して撮像画像を記録する際には、最新の撮像画像の記録中に、記録している撮像画像の撮像時点が古い他の記憶媒体の記憶領域を初期化すると良い。この場合には、最新の撮像画像を記録中の記憶媒体の記憶領域が一杯になったとき、初期化された状態の他の記憶媒体を利用してその後の撮像画像の記録を継続できる。初期化された記憶媒体を利用すれば、書込エラー等を生じるおそれ少なく効率良く撮像画像を記録できる。
【0058】
(27)前記制御手段は、いずれかの媒体収容部に装着された記憶媒体について、記録済みの撮像画像に上書きして新たな撮像画像を記録するための第1の記憶媒体として制御する一方、
いずれか他の媒体収容部に装着された記憶媒体について、上書き禁止により記録済みの撮像画像を消去しない第2の記憶媒体として制御する機能を備えると良い。
このように前記第1の記憶媒体については上書き記録のための記憶媒体とし、前記第2の記憶媒体については上書き禁止により上書きを禁止する場合であれば、例えば、前記第1の記憶媒体については、撮像画像を連続的に記録する常時録画を実行する一方、前記第2の記憶媒体については、特に保存しておきたい撮像画像を記録する等の使い方が可能になる。前記制御手段は、いずれかの媒体収容部に装着された記憶媒体について、記録済みの撮像画像に上書きして新たな撮像画像を記録するための第1の記憶媒体として制御する一方、いずれか他の媒体収容部に装着された記憶媒体について、上書き禁止により記録済みの撮像画像を消去しない領域を持つ第2の記憶媒体として制御する機能を備えていることを特徴とする画像記録装置とするとよい。
例えば、第2の記憶媒体に上書きを禁止しないデータを記憶する構成とすることもできる。例えばイベント録画の一つでGセンサーが所定の衝撃を検知したらその前後を録画する場合、衝撃検知が事故の検知であれば上書き禁止の方がよいが、実際には道路の段差等路面状態や運転者の運転操作によっても衝撃として検知する場合もあり、上書き禁止にしておくと、不要な上書き禁止のデータがどんどん蓄積されてしまう。これを防ぐには、特に所定の容量を決めておき、その範囲内で上書き記録する機能を備える構成とするとよい。
【0059】
特に複数の記憶媒体(例えばメモリーカード)を装着できるようにし、その内の一つを主とし、他を副とする制御を行い、主とする記憶媒体を外したり上記問題や不具合が発生した場合、副の記憶媒体でそれを補う機能を備える構成とするとよい。
このようにすれば、従来に比べ、より継続的にドライブレコーダとして機能できる。
特に、主とする記憶媒体には、事故の記録や景色の良い場所等、保存しておきたい画像を上書き禁止や消去される確率を低く記憶させる構成とするとよい。また、副とする記憶媒体には、走行中常時録画しておくとよく、特に例えば、何らかの理由で主とする記憶媒体に記録できなかった画像を後から探すための機能を備えたり、主とする記憶媒体に移動またはコピーの少なくともいずれか一方を行う機能を備えるとよい。
常時録画の方が、上記の様に、メモリーカード等の記憶媒体の破損や不具合を発生させる確率が高いが、このようにすれば特に保存したい画像は主の方に入っており、副に破損や不具合が発生しても被害は少なくて済む。
例えば、(27)から(38)における第1の記憶媒体を副とする記憶媒体、第2の記憶媒体を主とする記憶媒体とするとよい。
主とする記憶媒体は固定せず、複数の記憶媒体を順番に主、副として使用し、主とする番の記憶媒体に記録している間に副とする記憶媒体を初期化する機能を備える構成とするとよい。このようにすれば、より破損や不具合が発生する確率を低くすることができる。
この場合、上書き常時録画も、上書き禁止イベント録画も全て同一の主とする記憶媒体に記録させる機能を備えるとよい。
特に、ドライブレコーダとしての基本となる録画データは主とする記憶媒体に記憶し、ドライブレコーダとして基本としないデータは副とする記憶媒体に入れ、分離する構成とするとよい。このようにすれば、特に、多機能なドライブレコーダにおいて、処理速度が遅くなったり、処理できない部分が発生するすとのを防ぐことができる。
また分離する事により1つの記憶媒体の使用頻度が減り、記憶媒体の破損や不具合が発生する確率をより低くすることができる。
【0060】
(28)前記制御手段は、前記第1の記憶媒体に記録された撮像画像のうち、撮像した時点の古い撮像画像に対して順次、上書き記録により新しい撮像画像を記録する連続記録を実行する機能を備えると良い。
撮像画像の連続記録による常時録画が可能となり、現在の時刻を規準として過去の所定の時間的範囲の撮像画像を記録できる。例えば、事故等が発生した瞬間の撮像画像を記録できるようになり、事故原因の究明に役立つ証拠を確保できる。
【0061】
なお、上書きを禁止する前記第2の記憶媒体には、例えば、何らかのイベントが発生したときのイベント録画による撮像画像や、マニュアル操作に応じたマニュアル操作録画による撮像画像や、静止録画など、常時録画以外の撮像画像を記録すると良い。
装着された記憶媒体が少なく前記第1の記憶媒体及び前記第2の記憶媒体に振り分けができない場合には、装着された記憶媒体を前記第1の記憶媒体として取り扱いし撮像画像の連続記録による常時録画を実行することも良い。
【0062】
(29)前記制御手段は、特定の記録条件の成立を契機として前記第2の記憶媒体に撮像画像を記録する機能を備えると良い。
この場合には、特定の記録条件が成立したときの撮像画像を、上書きが禁止された状態で確実性高く保存できる。特に、常時録画用の第1の記憶媒体とは異なる第2の記憶媒体に特定の記録条件の成立に応じた撮像画像を記録すれば、第1の記憶媒体に対する撮像画像の連続記録の処理中に何らかのトラブルが発生しても、読み取り不能等の不具合が及ぶおそれが少ない。
なお、特定の記録条件は、例えば、何らかのイベント、運転者等によるマニュアル操作等を設定すると良い。イベントは、エアバッグが展開するような事故の発生や、急ブレーキや急ハンドル等の発生や、大きな加速度の発生等とすると良い。
【0063】
(30)前記制御手段は、前記第1及び第2の記憶媒体が装着された状態で前記第1の記憶媒体が取り外されて前記第2の記憶媒体のみが装着された状態に移行したとき、当該第2の記憶媒体の記憶領域のうちの空き領域の一部に上書き可能な記憶領域を設定する機能を備えると良い。
この場合には、第1の記憶媒体が取り外されて第2の記憶媒体のみとなった後でも、撮像画像を連続記録する常時録画が可能になり画像記録装置の機能あるいは利便性の低下を抑制できる。
【0064】
前記上書き禁止により記録済みの撮像画像を消去しない領域を持つ第2の記憶媒体として制御する機能を備える構成において、前記制御手段は、前記第1及び第2の記憶媒体が装着された状態で前記第1の記憶媒体が取り外されて前記第2の記憶媒体のみが装着された状態に移行したとき、当該第2の記憶媒体の記憶領域のうちの空き領域の一部に前記第1の記憶媒体の記憶に該当するデータを記憶する上書き可能な記憶領域を設定する機能を備えている画像記録装置とするとよい。
【0065】
(31)前記制御手段は、装着された前記記憶媒体が1つのみである場合、当該1つのみの記憶媒体について、記憶領域に上書き可能な記憶領域と上書き禁止される記憶領域とを設ける第3の記憶媒体として制御する機能を備えていることも良い。
記憶媒体が1つのみであっても、例えば、常時録画の撮像画像とは別に、上書き禁止の撮像画像等のデータを記録できるようになる。上書き禁止の撮像画像は、イベント録画による撮像画像、マニアル操作録画による撮像画像、静止録画による撮像等とすると良い。その後、例えば、第1あるいは第2の記憶媒体として利用可能な記憶媒体が新たに装着された際には、その記憶媒体を第1あるいは第2の記憶媒体として取り扱うことも良い。第1の記憶媒体として取り扱う場合であれば、上書き可能に記録された例えば常時録画の撮像画像については、その全てあるいは一部を第1の記憶媒体に転送して記録することも良い。第2の記憶媒体として取り扱う場合であれば、上記第3の記憶媒体に記録された上書き禁止の撮像画像等のデータについて、その全てあるいは一部を第2の記憶媒体に転送して記録することも良い。
【0066】
前記上書き禁止により記録済みの撮像画像を消去しない領域を持つ第2の記憶媒体として制御する機能を備える構成において、前記制御手段は、装着された前記記憶媒体が1つのみである場合、当該1つのみの記憶媒体について、前記第1の記憶媒体と第2の記憶媒体の記憶に該当するデータの記憶領域を併せ持つ第3の記憶媒体として制御する機能を備えている画像記録装置とするとよい。
【0067】
(32)前記制御手段は、前記記憶媒体が1つのみ装着されている状態で記憶媒体が新たに装着されたときには、当該記憶媒体を前記第2の記憶媒体として制御する機能を備えていることも良い。
新たに装着された記憶媒体を第2の記憶媒体として取り扱う場合であれば、上書きが禁止される第2の記憶媒体に記録することで撮像画像等のデータを確実性高く保存できるようになる。保存したい撮像画像等のデータが大量にある場合には、第2の記憶媒体となる記憶媒体を装着するという使い勝手が可能になる。さらに、保存したデータを外部パソコン等に持ち出す場合には、第2の記憶媒体を取り出すだけで良くなる。
なお、第2の記憶媒体として制御される記憶媒体がなく、第1の記憶媒体として制御される記憶媒体のみである場合、この第1の記憶媒体の記憶領域の一部を上書きを禁止する領域として取り扱う一方、その後、第2の記憶媒体として制御される記憶媒体が新たに装着されたときには、第1の記憶媒体に上書きを禁止して記録されたデータの全てあるいは一部を第2の記憶媒体に転送して記録することも良い。
【0068】
(33)前記制御手段は、前記記憶媒体が1つのみ装着されている状態で記憶媒体が新たに装着されたときには、当該記憶媒体を前記第2の記憶媒体として制御すると共に、前記第3の記憶媒体の記憶領域のうち上書き禁止される記憶領域に記録されたデータを前記第2の記憶媒体に記録する機能を備えていることも良い。
この場合には、第3の記憶媒体のうち上書き禁止される記憶領域に記録されたデータを第2の記憶媒体に転送して記録することで、それらのデータを確実性高く保存できるようになる。
【0069】
なお、複数の記憶媒体が装着されており、第1の記憶媒体及び第2の記憶媒体の振り分けが可能な状態であっても、全ての記憶媒体を第1の記憶媒体として制御するモードを設けることも良い。この場合には、第1の記憶媒体の記憶領域が大きくなるので、撮像画像を連続記録する際の録画時間を長くできる。このように第1の記憶媒体が複数の場合には、いずれかの記憶媒体に記録したデータ量が一杯になったとき、撮像画像を連続記録する対象の記憶媒体を他の第1の記憶媒体に切り換えると良い。この場合には、複数の第1の記憶媒体のうちのいずれかを交互に利用して効率良く撮像画像を連続記録できるようになる。記憶媒体については、記録したデータの消去や初期化を個別にできるように構成しておくと良い。
【0070】
前記上書き禁止により記録済みの撮像画像を消去しない領域を持つ第2の記憶媒体として制御する機能を備える構成において、前記制御手段は、前記記憶媒体が1つのみ装着されている状態で記憶媒体が新たに装着されたときには、当該記憶媒体を前記第2の記憶媒体として制御すると共に、前記第3の記憶媒体の記憶領域のうち前記第2の記憶媒体の記憶に該当する記録されたデータを前記第2の記憶媒体に記録する機能を備えている画像記録装置とするとよい。
【0071】
(34)記憶媒体に記録された撮像画像の再生画像を表示するための表示手段と、再生画像の元となった撮像画像の少なくとも一部を前記第2の記憶媒体に上書きを禁止して記録するための操作を受け付ける保存操作手段と、を備える画像記録装置であることも良い。
この場合には、画像記録装置において再生画像を確認して保存すべきか否かを判断した上で、保存すべきと判断した再生画像の元の撮像画像を上書きを禁止して記録できる。再生画像により確認できれば、保存しておきたい撮像画像を上書き禁止された状態で確実性高く記録できる。例えば、常時録画により第1の記憶媒体に記録された撮像画像を再生しながら、その撮像画像の一部を第2の記憶媒体に転送して記録することも良い。あるいは、再生時にマーキングした箇所の時間的な前後の撮像画像を第2の記憶媒体に転送して記録することも良い。
【0072】
(35)前記制御手段は、前記再生画像の表示中に前記保存操作手段が操作されたとき、対応する撮像画像のうちの操作された時点を基準とした時間的な区間に対応する部分を上書き禁止された状態で記憶媒体に記録する機能を備えていることも良い。
この場合には、保存しておきたい再生画像が表示されたときに保存操作手段を操作することで、元の撮像画像を確実性高く上書き禁止された状態で記録できる。再生画像を表示させながら操作することで、保存したい撮像画像とは異なるものが間違って記録されるおそれも少ない。上書き禁止された状態で記録する撮像画像の時間的な区間は、操作された時点を規準として所定時間前まで遡った時間区間、操作された時点を規準として所定時間が過ぎるまでの時間区間、あるいは操作された時点を規準とした時間的な前後に渡る区間とすると良い。
【0073】
衝撃を検知するGセンサ等のセンサーや外部入力機能を画像記録装置に備えさせることも良い。装着された複数の記憶媒体のうちのいずれかを第1の記憶媒体とし、いずれかを第2の記憶媒体として制御する場合において、センサーや外部入力された信号を契機とし、契機となる信号入力があった時点を規準として所定時間前まで遡った時点までの時間区間の撮像画像や、その時点を規準として所定時間が過ぎるまでの時間区間の撮像画像や、これら撮像画像の両方を第2の記憶媒体に上書き禁止された状態で記録することも良い。
【0074】
前記上書き禁止により記録済みの撮像画像を消去しない領域を持つ第2の記憶媒体として制御する機能を備える構成において、前記制御手段は、前記再生画像の表示中に前記保存操作手段が操作されたとき、対応する撮像画像のうちの操作された時点を基準とした時間的な区間に対応する部分を、または時間的な区間に対応する部分を含む上書き禁止された状態で記憶媒体に記録する機能を備えている画像記録装置とするとよい。データの移動やコピーは、ファイル単位で行う場合が多く、「操作された時点を基準とした時間的な区間に対応する部分」のみではなくファイルにはそれ以外の部分も含まれる場合が多い。
【0075】
(36)前記第2の記憶媒体は、データを記憶する機能のほかに、データを外部に送信する通信機能を備えており、前記制御手段は、前記第2の記憶媒体に記録された撮像画像を外部機器に向けて送信する機能を備えていることも良い。
この場合には、上書き禁止した状態で第2の記憶媒体に記録した撮像画像を外部送信できるようになり、送信先で撮像画像を閲覧等できるようになる。このような構成は、事故発生等において特に有効となる。例えばタクシー等で居眠り運転のような運転状況が発生したときに、そのときの撮像画像をタクシー会社に直ちに送信すれば、事故等が発生する前に危ない状況を管理者側で把握できるようになる。また例えば、その後、事故が発生した際、そのときの撮像画像を直ちに送信すれば、管理者側で直ちに状況を把握して事後の対処を迅速に行えるようになる。
【0076】
通信機能付きの記憶媒体、及び通信機能のない記憶媒体が装着された場合に、通信機能付きの記憶媒体を第2の記憶媒体として制御し、通信機能のない記憶媒体を第1の記憶媒体として制御すると良い。そして、第2の記憶媒体に記録されたデータの全てあるいは一部を優先して送信すると良い。ここで、優先して送信することは、自動的に送信することとすると良い。
【0077】
(37)前記画像記録装置と、
記憶媒体に記録された設定情報を変更する設定変更手段、及び設定情報を変更するための操作を受け付ける変更操作手段を備える端末装置と、を含む画像記録システムとすると良い。
【0078】
(38)画像記録システムを構成する端末装置は、前記変更操作手段を介して前記設定情報を変更する操作を受け付けたとき、前記記憶媒体の記録データが消去される可能性がある旨を警告する警告手段を備えている構成とすると良い。
この場合には、不用意な操作によって前記記憶媒体に記録された記録データが消去されてしまうおそれを未然に抑制できる。なお、元の設定情報と、変更後の設定情報と、の関係によっては、前記記憶媒体に記録された記録データが消去されないで済む可能性もある。元の設定情報と、変更後の設定情報と、を比較して記録データが消去される危険性を判断すると共に、その可能性に応じて警告するか否かを決定する判断手段を設けることも良い。
【0079】
(A)上述した(27)から(38)に記載の「第1の記憶媒体」と「第2の記憶媒体」の記載を入れ替え、第1の記憶媒体を主とし、第2の記憶媒体を副とした構成とするとよい。例えば次の(B)から(E)のようにするとよい。(27)については、次の(B)のような構成とすると特によい。
(B)前記制御手段は、いずれかの媒体収容部に装着された記憶媒体について、上書き禁止により記録済みの撮像画像を消去しない領域を持つ、前記主とする第1の記憶媒体として制御する一方、いずれか他の媒体収容部に装着された記憶媒体について、記録済みの撮像画像に上書きして新たな撮像画像を記録するための前記副とする第2の記憶媒体として制御することを特徴とする画像記録装置とするとよい。
第1の記憶媒体にも上書きを禁止しないデータを記憶する構成とするとよい。第1の記憶媒体を主とし、第2の記憶媒体を副とするとよい。例えばイベント録画の一つでGセンサーが所定の衝撃を検知したらその前後を録画する場合、衝撃検知が事故の検知であれば上書き禁止の方がよいが、実際には道路の段差等路面状態や運転者の運転操作によっても衝撃として検知する場合もあり、上書き禁止にしておくと、不要な上書き禁止のデータがどんどん蓄積されてしまう。これを防ぐには所定の容量を決めておき、その範囲内で上書き記録した方がよい。
例えば(30)については、次の(C)のような構成とすると特によい。
(C)前記制御手段は、前記第1及び第2の記憶媒体が装着された状態で前記第2の記憶媒体が取り外されて前記第1記憶媒体のみが装着された状態に移行したとき、当該第1の記憶媒体の記憶領域のうちの空き領域の一部に前記第2の記憶媒体の記憶に該当するデータを記憶する上書き可能な記憶領域を設定する機能を備えている画像記録装置とするとよい。
例えば(31)については、次の(D)のような構成とすると特によい。
(D)前記制御手段は、装着された前記記憶媒体が1つのみである場合、当該1つのみの記憶媒体について、前記第1の記憶媒体と第2の記憶媒体の記憶に該当するデータの記憶領域を併せ持つ第3の記憶媒体として制御する機能を備えている画像記録装置とするとよい。
例えば(32)については、次の(E)のような構成とすると特によい。
(E)前記制御手段は、前記記憶媒体が1つのみ装着されている状態で記憶媒体が新たに装着されたときには、当該記憶媒体を前記第1の記憶媒体として制御すると共に、前記第3の記憶媒体の記憶領域のうち前記第1の記憶媒体の記憶に該当する記録されたデータを前記第1の記憶媒体に記録する機能を備えている画像記録装置とするとよい。
例えば(35)については、次の(F)のような構成とすると特によい。
前記制御手段は、前記再生画像の表示中に前記保存操作手段が操作されたとき、対応する撮像画像のうちの操作された時点を基準とした時間的な区間に対応する部分を、または時間的な区間に対応する部分を含めて上書き禁止された状態で記憶媒体に記録する機能を備えている画像記録装置とするとよい。
データの移動やコピーは、ファイル単位で行う場合が多く、「操作された時点を基準とした時間的な区間に対応する部分」のみではなくファイルにはそれ以外の部分も含まれる場合が多い。
(39)前記画像記録装置としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとすると良い。
【0080】
(a)録画させる撮像画像のデータである録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部を複数備え、それぞれの媒体収容部で記録方法、記録データの種類を区別して記録する画像記録装置とすると良い。
媒体収容部毎に記録方法、記録データの種類を区別する場合には、媒体収容部毎に機能を異ならせることができるとよい。記憶媒体を装着する際には、記録データ等に応じて媒体収容部を選択すれば良くなり、使い易くなる。例えば、媒体収容部毎に異なる記録方法を使用者側が把握し易くなり、書込み中の記憶媒体を脱去してしまう等のミスを未然に抑制できる。例えば、一方の媒体収容部は上書き許可、もう一方は上書き禁止と言う様に異なる記録方法にすると良い。また、一方の媒体収容部は常時録画、もう一方はイベント録画と言う様に異なる録画データにすることも良い。
【0081】
(b)録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部を複数備え、それぞれの媒体収容部で記録データが消去される確率を異なる様に制御した画像記録装置とすると良い。
例えば、一方の媒体収容部は上書きにより記録データが消去される確率が高く、もう一方は上書き禁止、または上書きで消去される確率が低くなるように記録データ量に対し十分な記憶容量を持たせておくことが良い。また、両方上書きとしても、一方は常時録画データの様にデータ量の多いデータを記録、もう一方はイベント録画の様にデータ量が少ないデータを記憶させ、記録データが消去される確率を異なる様にすると良い。
【0082】
(c)複数の媒体収容部は、上下または左右に並べて配置しない、または目立ち易さを異なる様にする、または順位が分かる様にした画像記録装置とすると良い。
この場合には、各媒体収容部について、使用者側からのアクセスのし易さに差を設けることができる。例えば、着脱頻度の高い記憶媒体/媒体収容部は分かり易い場所に、着脱頻度の低い方は比較的分かり難い所に配置すると良い。着脱頻度の高い記憶媒体/媒体収容部は分かり易い様に媒体収容部の縁を線で囲んだり色を付けると良い。着脱頻度の低い方は比較的分かり難い様に蓋をすると良い。または、1、2・・、あるいはA、B・・等の様に順位が分かる様に媒体収容部付近に印刷や彫刻をし、着脱頻度の高い記憶媒体/媒体収容部は1あるいはAとして取り出す記憶媒体を間違え難くすることも良い。
【0083】
(d)複数の記憶媒体の内、少なくとも1つは他とは異なる形状または大きさである画像記録装置とすると良い。
この場合には、複数の記憶媒体について取り違えを抑制できるという効果が得られる。例えば、着脱頻度の高い記憶媒体/媒体収容部は標準タイプの例えばSDカード等の記憶媒体、低い方は例えばマイクロSDカード等の記憶媒体というように異なる種類のSDカードを使用する事により、取り出す記憶媒体を間違え難くすると良い。
【0084】
(e)録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部を複数備え、一つの記憶媒体に録画している最中に他の記憶媒体を初期化する制御において、初期化は、所定の条件の下に自動的または半自動的に行うように制御する画像記録装置とすると良い。
自動的または半自動的に初期化を実施すれば、記憶媒体に記録されたデータが読出しできなくなる等のトラブルを未然に回避できると共に、記憶媒体におけるデータの記録効率を高く維持して記録可能なデータ量を最大に近く維持できる。
記憶媒体は定期的に初期化する事が望ましく、前回の初期化から、所定の回数の書き換えが行われた時、または所定時間の上書き記憶がされた時、または所定容量の上書き記録がされた時など所定条件で自動的に、または初期化の時期が来た事を表示またはアラームや音声で知らせ初期化を開始する確認操作を行う事により初期化を開始する等、半自動的に初期化を実施すると良い。
【0085】
(f)録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部を複数備え、一つの記憶媒体に録画している最中に他の記憶媒体を自動的に初期化する制御において、少なくとも1つの媒体収容部に装着された記憶媒体は自動的に初期化しない画像記録装置とすると良い。
自動的に初期化しない媒体収容部を設定しておけば、長期間に渡って保存しておきたいデータを確実性高く保持できる。例えば、イベント録画を記憶している記憶媒体は自動的に初期化しない様にすると良い。イベント録画は常時録画に比べ上書きによる書き換え頻度が少ないと考えられると共に、イベント録画は比較的長時間保存しておきたい録画がある可能性が高いと考えられることから、イベント録画を記憶している記憶媒体は自動的に初期化しない設定とする方が好ましい。
【0086】
(g)録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部を2個備え、一つの記憶媒体に常時録画、もう一つにイベント録画を行う様に設定されている場合、常時録画の記憶媒体を初期化している間は一時的にイベント録画の記憶媒体の一部容量に常時録画を記憶する制御を行う画像記録装置とすると良い。
この場合には、常時録画の記憶媒体についても初期化を実施できるようになり、その記憶媒体に関するトラブルの発生を抑制できる。例えば常時録画を行う記憶媒体が複数あれば順番に初期化を行えばよいが、例えば媒体収容部が2個の場合で、一つをイベント録画に使い、上記の様に自動での初期化を禁止している場合、少なくとも常時録画用の記憶媒体を初期化している間はイベント録画用の方に記録するように制御すると良い。
【0087】
(h)録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部を複数備え、少なくとも一つの記憶媒体にイベント録画を記憶し、他の記憶媒体に常時録画を記録する様に設定されている場合、イベント録画を記憶する記憶媒体の残容量が所定以下になった場合、常時録画用記憶媒体にイベント録画を記憶する制御を行う画像記録装置とすると良い。
この場合には、例えばイベント録画を上書き禁止にしている場合、記憶媒体が一杯になると記憶できなくなる事態を未然に回避できる。
なお、記憶媒体の残容量が所定以下になったこと、常時録画用の記憶媒体にイベント録画を行っていることを、例えば、アラームや音声、表示等で報知する様にすると良い。
【0088】
(i)録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部を複数備え、メインとする一つの記憶媒体に、少なくとも上書きで記憶する常時録画と上書き禁止で記憶するイベント録画の両方を記憶し、他の記憶媒体は、メインとする記憶媒体の上書き禁止で記憶された容量が所定以上になった場合、または、メインとする媒体収容部に記憶媒体が無い場合、記憶をメインとする記憶媒体以外の他の記憶媒体に記憶する制御を行う画像記録装置とすると良い。
【0089】
記憶媒体を取り出して例えばPC等の外部装置で録画データを閲覧する場合、常時録画もイベント録画も記憶されている全データを見られた方が便利である。また、事故等に遭遇した場合事故時の画像が録画されている記憶媒体を抜いて保管する場合もある。この様な場合も1枚の記憶媒体に常時録画もイベント録画も全データが入っていた方がよい。しかし、1枚の記憶媒体だと上書き禁止で容量が一杯になった場合や、記憶媒体が装着されていない場合に画像記録装置として機能しない。複数の記憶媒体が装着されていればこの様な場合でも機能する。メインとする記憶媒体は大容量、他は小容量でもよい。メインとする記憶媒体に記録されているデータの一部または全てを消去し容量に余裕が出来た場合や新しい記憶媒体が装着された場合に他の記憶媒体に記憶されていたデータの一部または全てをメインの記憶媒体に移す様にしても良い。
【0090】
(j)上記メインとする記憶媒体を装着する媒体収容部は決めておき、その媒体収容部の近くにランプを配置し、上記上書き禁止で容量が一杯になった場合や、記憶媒体が装着されていない場合に点滅または点灯させる画像記録装置とすると良い。
この場合には、データの記録に対応できない媒体収容部を分かりやすく表示でき、使用者にその旨を認識させることができる。例えば、メインの記憶媒体以外の記憶媒体に記憶している場合には、メインの記憶媒体を装着する媒体収容部のランプを点滅させる様にすれば分かり易い。また、例えば、ランプの点滅、点灯と同時に表示器での表示やアラーム、音声等で知らせる様に構成することも良い。
【0091】
(k)録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部を複数備え、メインとする一つの記憶媒体に、少なくとも上書きで記憶する常時録画と上書き禁止で記憶するイベント録画の両方を記憶し、メインとする記憶媒体を初期化する場合、メインとする記憶媒体に記憶されている少なくとも上書き禁止のデータは他の記憶媒体に複写または移動した後にメインとする記憶媒体を初期化するように構成された画像記録装置とすることも良い。
このように構成すれば、例えば上書き禁止データが入っている記憶媒体も初期化できるようになる。
【0092】
(l)録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部と、録画データを記録する不帰発性メモリを内蔵し、録画データを常には記憶媒体に記憶する様にし、内蔵メモリには記憶媒体の上書き禁止で記憶されたデータ容量が所定以上になった場合、または、メインとする媒体収容部に記憶媒体が無い場合、または記憶媒体を初期化する場合に記憶させ、記憶媒体に記録されているデータの一部または全てを消去し容量に余裕が出来た場合または新しい記憶媒体が装着された場合、内蔵メモリに記憶されていたデータの一部または全てを記憶媒体に移す画像記録装置とすると良い。
この場合であれば、媒体収容部は1個で済むようになり、製品コストを低減できる。
【0093】
(m)上記記憶媒体を初期化する場合、初期化する記憶媒体から他の記憶媒体等他の記憶媒体に記憶を切り替えた後、他の記憶媒体で所定時間の記憶または所定容量の記憶が行われた後に記憶媒体の初期化をする画像記録装置とすると良い。
なるべく新しいデータは消去されない様にしたいので、初期化する記憶媒体以外での記憶が進んでから初期化した方が望ましい。他での記憶が容量一杯まで記憶が進み上書きが開始されたら初期化する程度が望ましい。
【0094】
(n)複数の媒体収容部を設け、その内の一つはダミーである画像記録装置とすると良い。
ダミーの媒体収容部を設ければ、予備の記憶媒体の保管場所として活用できるという効果が得られる。ダミーの媒体収容部に予備の記憶媒体を装着しておき、メインの記憶媒体を抜いた時、ダミーの媒体収容部にある予備の記憶媒体に差し替えると良い。
【0095】
(o)カーナビゲーション機能を備え、同一筐体内に複数の媒体収容部を備え少なくともその内の一つは録画データ及び録画に付帯した情報やデータ専用とするとよい。
一般的にPNDと呼ばれているカーナビゲーションでは、地図やソフトウエアの更新、音楽や映像のソース提供、TVの録画、走行経路の記憶等の為にメモリーカードスロット等の媒体収容部を搭載している場合が多い。カーナビゲーション機能とドライブレコーダ機能を複合化した場合、一つの媒体収容部で両機能を使い分ける方法もあるが、ドライブレコーダ機能に走行中の画像を常時録画する機能を持たせた場合、走行中は記憶媒体に画像データを常に記憶させる必要があり、記憶媒体にカーナビゲーション機能に関するデータも入れた場合処理に不都合が生じる場合がある。そこで、媒体収容部は複数設け、少なくとも一つはドライブレコーダ機能専用にした方がよい。
【0096】
(p)レーダー探知機機能を備え、同一筐体内に複数の媒体収容部を備え少なくともその内の一つは録画データ及び録画に付帯した情報やデータ専用とするとよい。
レーダー探知機もメモリーカードに警報発生場所等のデータを入れて使用する場合が多い。上記(o)と同様の理由で媒体収容部は複数設け少なくとも一つはドライブレコーダ機能専用にした方がよい。
【0097】
(q)上記(o)(p)において特に、複数の媒体収容部の内の一つは、上記(c)、(d)を適用、及び、上記(i)、(j)、(k)のメインとする媒体収容部とするとよい。特に録画データ及び録画に付帯した情報やデータ専用とするメモリーカードに適用するとよい。
上述した構成は構成上矛盾の生じない範囲で任意に組み合わせて実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【
図1】実施例1における、ドライブレコーダの斜視図((a)は背面側、(b)は正面側)。
【
図2】実施例1における、加速度センサを搭載したホルダーの斜視図。
【
図3】実施例1における、内部に収容された撮像ユニットの斜視図((a)は背面側、(b)は正面側)。
【
図4】実施例1における、ドライブレコーダの電気的構成を説明するブロック図。
【
図5】100km/hでの急ブレーキをかけた場合の加速度と時間との相関関係を説明するグラフ。
【
図6】80km/hでの急ブレーキをかけた場合の加速度と時間との相関関係を説明するグラフ。
【
図7】加速度の大きさと時間とによって設定される閾値のイメージを説明するグラフ。
【
図8】実施例1における、シーケンシャル録画の説明図。
【
図9】実施例1における、イベント発生判定ルーチンを説明するフローチャート。
【
図10】実施例1における、ドライブレコーダとパソコンとの間のSDカードの受け渡しを説明する説明図。
【
図11】実施例1における、パソコンの電気的構成を説明するブロック図。
【
図12】実施例1における、パソコンが表示するビューア画面の一例を説明する説明図。
【
図13】実施例1における、イベントファイル列の説明図。
【
図14】実施例1における、パソコンのモニターに表示されるダイアログボックスの説明図。
【
図15】実施例1における、その他のシーケンシャル録画の説明図。
【
図16】実施例2における、デュアル録画の説明図。
【
図18】実施例5における、ドライブレコーダの正面側の斜視図。
【
図19】実施例5における、ドライブレコーダの背面側の斜視図。
【
図20】実施例5における、ドライブレコーダの取付状態の説明図。
【
図21】実施例5における、その他のドライブレコーダの背面側の斜視図。
【
図22】実施例5における、その他のドライブレコーダの背面側の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0099】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例の
図1に示す画像記録装置の一例としてのドライブレコーダ1は、撮像ユニット等が収容された略円柱状の本体ケース2を備えている。本体ケース2は、取り付け用のブラケット3を介して、例えば、車両のフロントガラス等に取り付け可能である。
【0100】
ブラケット3は、略円柱状の本体ケース2に外挿される保持リングと、この保持リングに外接する略平板状の取付プレート5と、を備えている。ブラケット3の保持リングに内挿配置された本体ケース2の端部は、略ドーナツ状のキャップ4を螺入可能に構成されている。本体ケース2の回転角度を調整した状態でキャップ4を螺入すれば、ブラケット3に対して本体ケース2を固定可能である。ブラケット3に対する本体ケース2の回転角度を調整すれば、ドライブレコーダ1の俯角を変更して撮影範囲を調整可能である。
ドライブレコーダ1は、CCDカメラ13のレンズ14を所定の方向(一般には正面方向)を向くように、取り付けプレート5を介して例えばフロントウィンドウ等に取り付け可能である。
【0101】
螺入したキャップ4の端部と略面一をなす本体ケース2の側端面には、DCジャック16へのアクセス孔171、及びパソコン等から延設されたUSBケーブルを接続可能なUSBポート172が穿孔されている。本体ケース2の逆側の側端面には、SDカードを挿入するための挿入口181、182が設けられている。特に、本例のドライブレコーダ1は、挿入口を2口備えている。挿入口181、182の両側には、LED(表示部)181A、182Aが配置されている。LED181Aは、挿入口181に挿入された記憶媒体の一例としてのメモリーカードであるSDカードへのデータアクセス中に点灯する。LED182Aは、挿入口182に挿入されたSDカードへのデータアクセス中に点灯する。
【0102】
本体ケース2は、略円柱形状を縦に2分割したような部品であるカメラカバー2b及び背面カバー2aとを組み合わせた中空ケースである。背面カバー2aの表面には、ホルダー本体7aを回動可能に保持するホルダー7(
図2)、操作手段となる第1及び第2のプッシュボタン8、9、及び第1及び第2のパイロットランプ用照光ブロック10、11等が配設されている。カメラカバー2bの表面には、CCDカメラ13のレンズ14が露出している。
【0103】
図2のホルダー本体7aには、データ取得手段としての加速度センサ15が搭載されている。ホルダー7では、ホルダー本体7aの回動に応じて加速度センサ15を基準位置となる水平方向に配置させることが可能となっている。車両の状況が反映された物理量の計測値である加速度が加速度センサ15によって計測される。
【0104】
本体ケース2の内部には、撮像ユニット21が収容されている。
図3(a)及び(b)に示すように、撮像ユニット21は、メイン基板22とサブ基板25とを重ねた基板構造を有するユニットである。メイン基板22には、CCDカメラ13、GPS受信機24、DCジャック16、図示しない電源回路等が実装されている。
【0105】
サブ基板25には、第1及び第2のプッシュボタン8、9に対応するスイッチ27、28が配置され、第1及び第2のパイロットランプ用照光ブロック10、11に対応するLED291、292が配置されている。さらに、サブ基板25には、加速度センサ15から延設された信号線を接続するための図示しないコネクタが設けられている。サブ基板25の表面及び裏面には、SDカードを装着してデータを読み書きするための媒体収容部の一例であるSDカードリーダ311、312が実装されている。2つのSDカードリーダ311、312のうち、SDカードリーダ311がマスターとなっており、SDカードリーダ312がスレーブとなっている。なお、以下の説明では、マスターのSDカードリーダ311に装填されたSDカードをマスターといい、スレーブのSDカードリーダ312に装填されたSDカードをスレーブという。
【0106】
ドライブレコーダ1は、
図4のごとく、制御手段の一例である制御コントローラ30を中心として電気的に構成されている。制御コントローラ30には、CCDカメラ13、加速度センサ15、GPS受信機24、SDカードリーダ311、312、データベース32がそれぞれ接続されている。
制御コントローラ30は、図示しないCPU、記憶手段の一例であるフラッシュROMやROMやRAM等の本体メモリ、タイマ等を含めて構成されている。
【0107】
制御コントローラ30のROMには、GPS受信機24によって受信されたGPS情報を処理するGPS情報処理プログラム、CCDカメラ13による撮像画像を本体メモリあるいはSDカードに保存させる画像処理プログラム、加速度センサ15によって検出された加速度情報を経時的に記録して加速度変化のパターンを算出する加速度変化算出プログラム、算出された加速度変化のパターンと既存の加速度変化のパターンとの相関性を判断し、その結果に基づいてその算出した加速度変化のパターンが閾値を上回るかどうかを判断する相関関数プログラム、及びOS(Operation System)等の各種プログラムが記憶されている。
【0108】
GPS受信機24は、制御コントローラ30の指示に沿って現在時間における自車の位置情報を検出する受信機である。GPS受信機24による検出タイミングは、本例では1秒毎に設定されている。検出する位置情報は、自車の位置、速度、緯度、経度、高度である。GPS受信機24は、検出した位置情報を制御コントローラ30に入力する。
CCDカメラ13は、レンズ14を介して前方風景を撮影し、撮像データを取得する撮像手段である。CCDカメラ13は、データ圧縮及びデジタル変換を実行可能なインターフェース部33を介して撮像データを制御コントローラ30に入力する。
加速度センサ15は、3軸(X、Y、Z)それぞれの方向の加速度及び傾きを検出する3軸タイプのセンサであって、検出値を制御コントローラ30に入力する。
SDカードリーダ311、312は、制御コントローラ30の制御に基づいてSDカードのデータを読み書きする。
【0109】
なお、制御コントローラ30の制御によりSDカードに記録されるデータとしては、CCDカメラ13による撮像データ(撮像画像)、GPS受信機24による位置データや速度データ等、加速度センサ15による加速度データなどがある。これらの各データは、記録した時間を相互に関連付けて記録されている。このような相互の関連付けにより、撮像データの再生と同期して、その時々の位置データや速度データや加速度データを取得可能である。以下の説明における撮像データの記録とは、速度データ、位置データ、加速度データ等と共に撮像データを同期して記録することを意味している。イベントデータ(特定画像)の記録についても同様に、速度データ、位置データ、加速度データ等と共に撮像データを同期して記録することを意味している。
【0110】
データベース32は、制御コントローラ30内、あるいは制御コントローラ30に外付けした例えばEEPROM等の不揮発性メモリである。データベース32内には、複数のイベント発生判定関数パターンが速度に応じて記憶されている。
イベント発生判定パターンは、イベント発生判定関数パターンと、イベント発生判定閾値パターンと、を組合せたパターンである。イベント発生判定関数パターンは、イベント(衝撃、急発進/急ブレーキ、急ハンドル)発生時の加速度の大きさと経過時間との関係によって示される多次元関数であり、2次元的にグラフ(曲線)化可能である。イベント発生判定関数パターンとしては、各イベントごとに固有の速度帯に対応して複数のパターンが用意されている。
【0111】
3軸方向の加速度を検出可能な加速度センサ15を備えるドライブレコーダ1では、イベント発生判定関数パターンは3種類のパターンを1組として関連付けして記憶されている。イベント発生判定関数パターンの理想的なパターンを示せば、例えば、
図5、
図6のような波形が挙げられる。
図5は、速度100km/h巡航時での急ブレーキにおけるX軸方向(車両の進行方向)のイベント発生判定関数パターンを図示したものである。
図6は、同じく速度80km/hの場合を図示したものである。これらのパターンから速度が遅い方が加速度が集束するのが早いという傾向がわかる。
【0112】
データベース32では、全てのイベント発生判定関数パターンについて、イベント発生判定閾値パターンとしての閾値が関連付けされて記憶されている。閾値は、加速度の大きさ、向き及び時間をパラメータとし、各イベント発生判定関数パターンの傾向に応じて設定されている。例えば、
図5の急ブレーキをイベントとするイベント発生判定関数パターンの場合であれば、比較的短時間で大きな加速度が発生し、その後大きな加速度が持続する状態となり、次いで比較的短い時間での逆方向への大きな加速度が発生している。このような加速度と時間の傾向から逸脱するかどうかを閾値として設定することが良い。例えば、
図7のようにL1の時間で継続する0.3Gの正の加速度の持続状態A1と、L2の時間内で0.15Gの負の加速度A2(こちらは継続は不要)と、を閾値にすることが良い。このような閾値を設定した場合には、L1の時間で継続して0.3Gより大きな正の加速度の継続と、その後のL2の時間内で0.15Gより大きな負の加速度が(こちらは継続は不要)があるとその速度でのそのイベントの閾値を越えたものと判断される。
【0113】
なお、閾値の数は、イベント発生判定関数パターンの数と同じでもよく、近似したイベント発生判定関数パターンを示す場合では共通した閾値を使用することも可能である。例えば、同じイベントの場合において一定範囲の速度帯においては、パターンにそれほどの差異がないため共通した閾値を関連付けることが可能である。
【0114】
制御コントローラ30は、前記加速度変化算出プログラムに基づいて加速度センサ15の検出値を一定タイミングでサンプリングし、加速度の大きさと時間によって定義される加速度変化のパターンの関数を算出し、相関関数プログラムに基づいて既存の加速度変化のパターンの関数と算出された関数との相関性を判断する。そして、相関類似性があると判断した場合にその算出した加速度変化のパターンが閾値を上回るかどうかを判断する。
【0115】
本例では、イベントが「衝撃」の場合には単純に閾値の加速度の大きさのみをレベルによって感度を変更させるようにしている。例えば、レベル3の加速度の大きさを100%としてレベル4は120%、レベル5は140%という具合にデフォルトを基準に割合を増減させるごとくである。一方、イベントが「急発進/急ブレーキ、急ハンドル」の場合には加速度の大きさの割合の変更に加えて、加速度の継続時間も変更させるようにしている。
【0116】
次に、以上のような構成のドライブレコーダ1の動作として、(1)SDカードへの撮像データの記録動作、(2)イベント判定動作、(3)イベントデータの記録動作、をこの順番で説明する。
車両イグニションのオン切換に応じてドライブレコーダ1に通電されると、SDカードに記憶された設定情報が読み出されて本体メモリ(RAM)にデータコピーされ、その設定情報に従う動作が開始される。なお、SDカードに設定情報が記憶されていない場合には、本体メモリ(ROM)に記憶されたデフォルト(初期設定)の設定情報がマスターのSDカードに記憶された後、本体メモリ(RAM)にデータコピーされる。
【0117】
詳しくは後述するが、SDカードの設定情報はパソコン35を利用して生成可能である。なお、以下の説明では、デフォルトの設定情報に従うドライブレコーダ1の動作を説明する。デフォルトの設定では、マスター及びスレーブのSDカードを利用して長時間に渡る一連の撮像データを記録するシーケンシャル録画の動作モード(制御モード)が設定される。ドライブレコーダ1の動作モードとしては、実施例2で後述するが、シーケンシャル録画のほか、デュアル録画、ミラー録画の動作モード等がある。
【0118】
(1)撮像データの記録動作(シーケンシャル録画)
SDカードへの撮像データの記録動作は、衝撃等のイベントが発生していない電源オン状態で継続的に実行される動作である。制御コントローラ30の制御により、2枚のSDカードを利用して、
図8のように一連の撮像データが記録される。記録される撮像データには、上記のごとく、時間的に同期して記録された速度データ、位置データ(緯度・経度)、加速度データ等が含まれている。なお、各SDカードの記憶領域は、例えばセクター等のブロック毎に管理されている。同図中の各SDカードのマス目は、このブロックを模式的に表している。
【0119】
制御コントローラ30は、2枚のSDカードが初期化状態であれば、同
図AのようにマスターのSDカードから録画(撮像データの記録)を開始する。マスターのSDカードの記憶領域が一杯になった場合には、同
図BのようにスレーブのSDカードへの録画を開始する。その後、スレーブのSDカードの記憶領域も一杯になったとき、同
図C上段のようにマスターのSDカードの記憶領域を消去して空き領域を生成する。このときの消去の順番は、SDカードの記憶領域のうち、記録された撮像データが古い(撮像タイミングが古い)ものから順番であり、同図のごとく1、2、3・・・の順番で撮像データを消去する。制御コントローラ30は、このように古い撮像データを消去しながら、同
図C下段のように新たな撮像データを記録していく。その後、マスターのSDカードの撮像データを全て書き換えたときには、同
図Cを参照して説明したマスターのSDカードの場合と同様、同
図DのごとくスレーブのSDカードに記録された撮像データを消去しながら、新たな撮像データを記録していく。
【0120】
なお、例えば、同
図EのようにスレーブのSDカードに撮像データが40番のブロックまで記録された状態で、車両イグニッションがオフに切り換えられて電源供給が遮断された場合、制御コントローラ30は、その後、車両イグニッションがオン切換されたとき、スレーブのSDカードの41番のブロックから撮像データの記録を継続する。
【0121】
(2)イベント判定動作、(3)イベントデータの記録動作
イベント判定動作は、制御コントローラ30が所定のイベント判定ルーチンを実行することにより実現される動作である。イベントデータの記録動作は、衝撃、急発進/急ブレーキ、急ハンドルなどのイベントの発生が判定されたとき、イベント判定ルーチンのなかで実行される。
【0122】
イベント発生判定ルーチンの一例について
図9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、本例のドライブレコーダ1では、このルーチンが約10m秒周期で実行される。
制御コントローラ30は、ステップS1を実行する毎に加速度をサンプリングすることで、直近の1秒間(現時点を基準とした過去の1秒間)の加速度のパターンを取得すると同時に、そのとき(現時点)の車両の速度に応じて、イベント発生判定関数パターンの補正を実行する。例えば、車両の速度が75km/hであった場合には、イベント発生判定関数パターンも75km/hのパターンで比較する必要がある。制御コントローラ30は、予め用意されたイベント発生判定関数パターンのうち、車両の速度に近い複数のパターン、例えば80km/hと60km/hのイベント発生判定関数パターンを基準に重み付けして75km/hのイベント発生判定関数パターンを算出する。
【0123】
制御コントローラ30は、ステップS2において、加速度のパターンと補正されたイベント発生判定関数パターンが合致するかどうか、つまりパターン同士の類似性を判断する。加速度のパターンもイベント発生判定関数パターンもいずれも同じ次元における関数であるため、両関数の類似性は相関関数によって判定可能である。
【0124】
いずれのイベント発生判定関数パターンとも類似しないと判断された場合には(S2:NO)、保存するべき加速度のパターンではないとして一旦ステップS1に移行する。一方、イベント発生判定関数パターンと類似であると判断された場合には(S2:YES)、ステップS3において、そのイベント発生判定閾値パターンの速度での固有の閾値を超えているかどうかを判断する。ここでの閾値としては既に閾値修正データに基づいて修正された後の閾値を用いる。
【0125】
制御コントローラ30は、ステップS3において閾値を超えているとき(S3:YES)、保存すべきイベントであると判断する。制御コントローラ30は、イベントが発生した時点を基準とした10秒前から5秒後までの特定の時間区間を指定し、SDカードに記録された一連の撮像データの中からその時間区間の撮像データ(特定画像)を本体メモリ(フラッシュROM)にコピーする。本体メモリ(フラッシュROM)にコピーされた撮像データは、イベントの発生時点を含む15秒間のイベントデータ(イベントの発生に関する情報。撮像データに同期する位置データ、速度データ、加速度データを含めて構成される。)として取り扱われる。なお、イベントが発生した際には、5秒間に渡って加速度パターンの取得動作がキャンセルされてルーチンが終了する(S4)。この取得動作のキャンセルは、重複したイベントデータの取り込みを防止するための処理である。一方、閾値を超えておらずイベントが未発生と判断された場合には(S3:NO)、保存すべき閾値を超えていないとしてステップS1に移行する。
【0126】
次に、ドライブレコーダ1対応のアプリケーションプログラムがインストールされた端末装置であるパソコン35による(1)撮像データの閲覧、(2)イベントデータの閲覧、(3)イベント判定のための閾値設定、(4)動作モード設定、についてこの順番で説明する。
(1)撮像データの閲覧
SDカードに記録された撮像データは、
図10のようにパソコン35に取り込んで閲覧できる。
図11は、パソコン35の一般的な電気的構成を説明するブロック図である。パソコン35は制御装置であるMPU(Micro Processing Unit)37を備えている。パソコン35は、キーボード42やマウス43等のデータ入力手段、及びプリンタ44やモニター45等のデータ出力手段(又は表示手段)等のユーザーインターフェースを備えている。
【0127】
MPU37には、ROM38及びRAM39が接続されているほか、データインターフェース手段としてのSDカードリーダライタ361、362や、ハードディスクドライブ40等が接続されている。ハードディスクドライブ40に収容されたハードディスクには、パソコン35の一般的なプログラム、データとともに加速度のパターンの画像をモニター45に表示させるビューアプログラムが記憶されている。このパソコン35は、ドライブレコーダ1との組合せによりドライブレコーダシステム(画像記録システム)を構成している。
【0128】
パソコン35は、キーボード42等のデータ入力手段により所定の操作が行われたとき、ビューアプログラムを立ち上げてSDカードの挿入を促すと共に、モニター45上にビューア画面を表示させる。
図12はモニター45に表示されたビューア画面51の一例である。ビューア画面51の上部には各種操作を実行させるメニューバー52が配置されている。メニューバー52の下側領域は、右側寄りに配置された垂直ラインによって左右領域に区画されている。画面幅の2/3程度を占める左側の領域では、上から順番に、撮像データを表示させる画像表示エリア53、表示切り替えボタン54、走行速度表示エリア55、加速度表示エリア56、緯度・経度表示エリア57、画像駆動・停止ボタン58、加速度履歴表示エリア59が配置されている。画面幅の1/3程度の右側の領域では、上から順番に、プレイリスト60、地図エリア61が配置されている。
【0129】
一連の撮像データを記録した2枚のSDカードが挿入された場合、プレイリスト60には、一連の撮像データのファイル番号がフォーカスされた状態で表示される。ファイル番号は、撮影された年月日と開始時間、終了時間の数字の羅列である。
【0130】
パソコン35は、ビューア画面51上の画像駆動・停止ボタン58の操作に応じて、撮像データに基づく画像を表示する。画像の表示中では、走行速度表示エリア55、加速度表示エリア56、緯度・経度表示エリア57、加速度履歴表示エリア59、地図エリア61の各表示が、表示された画像に合わせて変化する。画像は、逆方向に戻る逆再生や、一時停止等、各種の操作が可能である。また、表示切り替えボタン54を操作すれば、画像表示エリア53全面に1画面を表示させるパターン、及び連続コマ画像(例えば16画面)を表示させるパターンのうちの一方を選択可能である。
【0131】
(2)イベントデータの閲覧
ドライブレコーダ1の本体メモリ(フラッシュROM)に記録されたイベントデータは、ドライブレコーダ1の操作ボタンを利用した所定の書き出し操作によって、USBケーブルを介して通信可能な状態で接続されたパソコン35に書き出し可能である。ブラケット3から本体ケース2を取り外してパソコン35等と接続しても良く、持ち運びの容易なノートパソコン等を車両に持ち込み、ドライブレコーダ1に接続しても良い。なお、パソコン35との接続時には、車両のイグニションがオフであっても、USBケーブルを介して給電されてドライブレコーダ1が動作可能である。
【0132】
なお、SDカードやUSBメモリ等にイベントデータを書き出すことも可能である。この場合には、イベントデータの書き出しに応じてSDカードに記録されたデータが上書きされる。イベントデータの書き出しにSDカードを利用する場合には、一連の撮像データが記録されたSDカードを抜き取って別のSDカードをセットした後で、所定の書き出し操作を行うことが良い。なお、所定の書き出し操作が行われた時には、イベントデータを実際に書き出す前に、SDカードのデータが上書きされる旨の注意が音声出力される。
【0133】
USBケーブルあるいはSDカードを介してイベントデータを読み込んだパソコン35は、ビューア画面51(
図12)内のプレイリスト60に各イベントデータのファイル番号(ファイル番号は撮影された年月日時間の数字の羅列とする)をリスト表示する。プレイリスト60は、
図13のイベントファイル列63から読み込んだリストである。プレイリスト60中では、各イベントデータが古い順にリスト表示される。各イベントデータについて、ファイル名、契機となったイベントの種類を表すイベント名、イベントの感度レベルが表示される。例えばL3とあるのはそのファイルのデータの閾値はレベル3(つまりデフォルト状態)で判定していることを意味する。
【0134】
パソコン35は、メニューバー52の操作によりいずれかのファイル番号が指定されたとき、対応するイベントデータの撮像データを画像表示エリア53に表示させる。なお、このときに表示される画像はイベントが発生したと判断された時点の静止画像である。この画像の表示に伴って、走行速度表示エリア55、加速度表示エリア56、緯度・経度表示エリア57にはそれぞれその画像に対応するデータが表示され、地図エリア61には画像が撮影された地点を含む周辺地図が表示される。加速度履歴表示エリア59には、このイベントデータの撮像データが保存された時間(トータル15秒)に渡る加速度履歴が表示され、画像表示エリア53に表示されている時間の加速度位置がプロットされる。なお、画像駆動・停止ボタン58等の操作による画像操作については、一連の撮像データを閲覧する際と同様である。
【0135】
(3)イベント判定のための閾値設定
設定変更手段としての機能を備えるパソコン35において、設定情報を構成する閾値修正データの感度レベルを設定する方法について説明する。この操作は、上記と同様にアプリケーションプログラムを立ち上げビューア画面51を表示させた状態で実行する。パソコン35は、メニューバー52の設定ボタン52G(ギヤのアイコンの箇所)の押下操作がデータ入力手段により検出された場合、モニター45上に
図14に示すダイアログボックス65を表示させる。
【0136】
ダイアログボックス65の衝撃感度設定領域66には、衝撃、急発進/急ブレーキ、急ハンドルの各イベントのスライダ67a~cが表示されている。ユーザー側では、データ入力手段を利用してこれらのスライダ67a~cを適宜操作することで、各項目について所望の感度レベルを設定できる。なお、デフォルトではすべてのスライダ67a~c、68はレベル3に設定しており、この状態が上記のデータベース32内に記憶された閾値のまま(つまり係数としては「1」)の設定とされる。OKボタンのアイコン69が操作されたとき、各スライダ67a~cで設定された閾値を表す閾値修正データ(感度レベル)が設定情報としてSDカードに書き込まれる。ドライブレコーダ1側では、設定情報が記憶されたSDカードがセットされたとき、その設定情報に含まれる閾値修正データ(感度レベル)に基づいて各イベント(衝撃、急発進/急ブレーキ、急ハンドル)の閾値を変更する。
【0137】
(4)動作モード設定
設定変更手段としての機能を備えるパソコン35において、設定情報を構成する動作モードを設定する方法について説明する。この操作は、ビューア画面と切換表示される図示しないモード選択画面上で実行する。このモード選択画面は動作モードを変更するための変更操作手段を構成し、その画面上には、シーケンシャル録画、デュアル録画(実施例2で後述)、ミラー録画(同様)の各動作モードに対応する選択ボタンのほか、確定ボタンが配置されている。いずれかの選択ボタンを選択した後で確定ボタンを操作することで、所望の動作モードを選択的に設定できる。確定ボタンが操作されたとき、パソコン35は、動作モードの変更によりSDカードに記録された撮像データが消去されるおそれがある旨を表示する(警告手段による機能)と共に、設定情報の書き換えを行なっても良いかどうかをユーザーに確認する確認画面の表示に切り換える。この確認画面について変更しても良い旨の操作が行われたとき、SDカードに新たな設定情報が記憶される。
【0138】
以上のような構成の本例のドライブレコーダ1は、例えば、シーケンシャル録画の動作モードでは、2枚のSDカードを利用して長時間に渡る一連の撮像データを記録可能である。2枚のSDカードの記憶容量が一杯になった後は、一方のSDカードに記録された撮像データのうち記録時点の古いものから順番に消去しながら、その消去により生じた空き領域に新たな撮像データを記録していく。このように古い撮像データを消去しながら新たな撮像データを記録していけば、2枚のSDカードの記憶容量を有効に活用して長時間に渡る撮像データの記録が可能である。また、2枚のSDカードに一連の撮像データを記録する場合であれば、1枚のSDカードに記録する場合と比べてデータの消去、書換の頻度を低減できSDカードの負担を軽減できる。SDカードの負担を軽減できれば、撮像データを記録する際の書込エラーや消去エラー等のトラブルの発生確率を低減でき動作信頼性を向上できる。
【0139】
さらに、このドライブレコーダ1では、閾値を超える衝撃等のイベントが発生したとき、そのイベントが発生した瞬間の前後に渡る特定の時間区間(本例では15秒間)の撮像データ(イベントデータとしての特定画像)がSDカードから本体メモリ(フラッシュROM)にコピーされて記録される。イベントが発生したとき、その発生タイミングを特定する情報を一時記憶しておき、その後、CPUの計算負荷等に余裕が生じてから特定の時間区間の撮像データを本体メモリ(フラッシュROM)にコピーすることも良い。この場合には、CPUの処理負荷を時間的に分散することで、負荷の集中を抑制できる。
【0140】
撮像データを連続的に記録するドライブレコーダ1には、SDカード等のメモリーカードの記憶領域の使い方がカメラやビデオカメラ等とは大きく異なる点がある。それは、ドライブレコーダ1等の画像記録装置は、通電状態にある限り、古い撮像データの消去と新たな撮像データの記録とを際限なく繰り返す点である。カメラやビデオカメラであれば、新たな撮像データの上書きによって古い撮像データが勝手に消去されることはなく、例えば、パソコン等の端末装置に読み出された後で撮像データが消去される。
【0141】
撮像データを連続的に記録するために消去と書込を際限なく繰り返すドライブレコーダ1等の画像記録装置では、撮像データの記録、消去が繰り返されるうちにデータの書込エラーや消去エラー等が発生する可能性があり、記憶領域内の記録データに欠陥が発生するおそれがある。これに対して本例のドライブレコーダ1は、媒体収容部を2基備えているので、複数のメモリーカードを装着可能である。複数のメモリーカードを利用すれば、メモリーカードが1枚だけ装着されている場合と比べて、各メモリーカードのデータの書き換えや消去等の実行回数を低減して負担を軽減できる。これにより、撮像データを記録する際の書込エラーや消去エラー等のトラブルの発生確率を低減でき、動作信頼性を向上できる。ドライブレコーダ1は、撮像データの記録動作の安定性が向上された優れた特性の装置である。
【0142】
なお、
図8を参照して説明した本例の撮像データの記録動作を
図15のように変更することも良い。
図15AのマスターのSDカードへ記録開始する際の動作については、
図8Aの場合と同様である。相違点は、マスターのSDカードの記憶領域が一杯になった後の制御にある。
図15Bのように、スレーブのSDカードへの撮像データの記録に連動して、マスターのSDカードに記録された撮像データが消去される。ここで、連動とは、スレーブのSDカードに記録された撮像データのデータ量と、マスターのSDカードから消去された撮像データのデータ量と、が略一致しているか、一定の差が維持された状態で、撮像データの記録と消去とを並行して同期をとりながら進行させることを意味している。
【0143】
その後、スレーブのSDカードの記憶領域が一杯になったときには、
図15C上段のごとく、マスターのSDカードに記録された撮像データが全て消去された状態となる。なお、撮像データを全て消去するまで、SDカードの記憶領域に格納されたデータファイルのデータアドレス(記録位置)を管理するファイル管理情報を消去せずに有効に残しておくことが好ましい。このような制御を行えば、SDカードを初期化するまで、消去されずに残っている撮像データの読み出しが可能になる。全ての撮像データを消去した後で記憶領域の初期化フォーマットを実行してファイル管理情報を消去するのが良い。その後、同
図C下段のように、マスターのSDカードへの撮像データの記録動作に同期して、スレーブのSDカードに記録された撮像データの消去が実行される。また、設定情報を記憶するSDカードを初期化する際には、初期化した後、まず、本体メモリ(RAM)が記憶する設定情報をデータコピーすることにより設定情報を記憶する状態に復帰させると良い。
【0144】
マスターのSDカードの記憶領域が再び一杯になったときには、
図15DのごとくスレーブのSDカードの方は、撮像データが全て消去されて初期化された状態となっており、撮像データの記録を開始できる。
また、例えば、同
図EのごとくスレーブのSDカードの40番のブロックまで撮像データが記録された状態で車両イグニッションがオフに切り換えられ、その後、オンに復帰した場合には、最新の撮像データが記録されたスレーブのSDカードを利用して録画が再開される。
【0145】
なお、SDカードリーダを3基以上設けることも良い。例えば、セットされた3枚以上のSDカードを2つのグループに分けて、本例の2枚のSDカードと同様の記録動作を、各グループのSDカードに適用することも良い。この場合には、同じグループに属する2枚以上のSDカードに同じ撮像データを記録することで、いずれか一方のSDカードに何らかの記録エラーが生じても撮像データの読み出しが可能になる。
【0146】
本例では、2つのSDカードを利用して長時間に渡る一連の撮像データの記録を可能としている。この構成に代えて、いずれか一方のSDカードと、本体メモリ(フラッシュROM)と、の組合せを利用して一連の撮像データを記録することも良い。この構成の場合、前記いずれか一方のSDカードにイベントデータを記録しても良いし、残りのSDカードにイベントデータを記録しても良いし、本体メモリ(フラッシュROM)に記録しても良い。
【0147】
本例は、イベントの発生を判断するために、車両の状況が反映された物理量として加速度等を採用している。この物理量としては、加速度等のほか、例えば、車両の制御情報を伝達する車載ネットワーク上を流れる情報やそれに基づいて求めた情報等がある。例えば、速度、平均速度、最高速度、5秒速度、平均5秒速度、最高5秒速度、回転数、平均回転数、最高回転数、エンジン負荷、平均負荷、最大負荷、スロットル開度、平均スロットル開度、最大スロットル開度、点火時期、燃料レベル、インマニ圧、最大インマニ圧、MAF、INJ、冷却水温度、最高冷却水温度、吸気温度、最高吸気温度、外気温、最高外気温、残燃料、燃料流量、最大燃料流量、消費燃料、生涯消費燃料、瞬間燃費、今回燃費、最大今回燃費、 生涯燃費、平均燃費、一般道平均燃費、高速道平均燃費、移動平均燃費、最大移動平均燃費、運転時間、走行時間、アイドル時間、アイドル比率、走行距離、生涯走行距離、0-20km/h 加速時間、0-20km/h 平均加速、0-20km/h 最短加速、0-40km/h 加速時間、0-40km/h 平均加速、0-40km/h 最短加速、0-60km/h 加速時間、0-60km/h 平均加速、0-60km/h 最短加速、0-80km/h 加速時間、0-80km/h 平均加速、0-80km/h 最短加速、0-20km/h 走行時間、20-40km/h 走行時間、40-60km/h 走行時間、60-80km/h 走行時間、80km/h以上 走行時間、生涯エンジン走行距離、生涯エンジン走行比率等の車両データのいずれかを採用することも良い。これらの車両データは、例えば、車両の点検規格であるOBD(On-board Diagnostics)-II(IIはローマ数字の「2」。以下「OBD」と記載する。)規格に沿って車両側に設けられたOBDコネクタ(故障診断コネクタ)を介して取得可能である。この場合には、OBDコネクタから車両データを取得する構成がデータ取得手段となる。
【0148】
例えば、ユーザー側のマニュアルの操作によって特定の時間区間の撮像データを記録するための記録ボタン(保存操作手段)を設けることも良い。この場合、記録ボタンの操作がイベントとなる。記録ボタンを操作すれば、その前後に渡る撮像データを本体メモリ(フラッシュROM)あるいはSDカードに記録できる。ユーザーは、例えば、関心のある地点を通り過ぎたときや、記録したい交通状況に遭遇したとき等、記録ボタンを事後的に操作することにより、その地点あるいはその交通状況を含む撮像データをイベントデータとして記録できるようになって便利である。なお、ユーザー側の操作というイベントについては、記録したい対象物が現れてから実際にイベントが発生するまでにタイムラグが生じる可能性が高い。そこで、ユーザー操作というイベントに応じてイベントデータを記録する際には、そのイベントデータに対応する時間区間を長く設定することも良い。特に過去側の時間区間を長く設定すれば、記録ボタンの操作が遅れ気味になった場合であっても、所望の風景をイベントデータとして確実性高く記録できるようになる。
例えば、SDカードに記録された撮像データを再生表示可能な液晶ディスプレイを備えるドライブレコーダであっても良い。この場合であれば、ドライブレコーダによる撮像データの再生中に記録ボタンを操作することで、イベントデータの記録が可能になる。
【0149】
本例では、マスターのSDカードに対応するSDカードリーダ311の挿入口181と、スレーブのSDカードに対応するSDカードリーダ312の挿入口182と、がドライブレコーダ1の本体側面に並列して開口している。例えば、マスターのSDカードに対応する挿入口181に蓋を設ける一方、スレーブのSDカードに対応する挿入口182は蓋なしとすることも良い。この場合には、マスターのSDカードの抜き取り操作手順の方が、スレーブのSDカードの抜き取り操作手順よりも手順が多くなって煩雑化でき、これにより、スレーブのSDカードが優先的に抜き取りされるように仕向けることができる。設定情報等の重要なデータが記録されたマスターのSDカードが抜き取られるおそれを抑制でき、マスターのSDカードの不意の抜き取りに起因するトラブルを未然に回避できる。
【0150】
ドライブレコーダ1に設定情報(動作モードや閾値修正データ等)を変更する変更操作手段をなす操作ボタンを設けることも良い。この場合には、ドライブレコーダ1単体で設定情報の変更が可能になる。設定されている動作モードや、変更先の動作モード等を表示する機能を設けても良く、読み上げ機能を設けても良い。さらに、ドライブレコーダ1側で設定情報の変更を可能に構成する場合には、設定情報の変更によってSDカードの記録データが消去されるおそれが有る旨を警告する警告手段を追加することが良い。警告手段としては、テキスト読み上げ機能等を採用すると良い。この場合であれば、液晶ディスプレイ等の表示画面を追加する必要がなく、警告手段の設定によるコストアップを抑制できる。
【0151】
(実施例2)
本例は、実施例1で説明したシーケンシャル録画以外の動作モードにおけるドライブレコーダ1の動作例である。この内容について、
図16を参照して説明する。実施例1で説明したように、ドライブレコーダ1の動作モードとしては、実施例1の(1)シーケンシャル録画のほかに、(2)デュアル録画、(3)ミラー録画の動作モードがある。本例は、(2)デュアル録画の動作モード下の動作例である。
【0152】
(2)デュアル録画
デュアル録画は、
図16のごとく、マスターのSDカードにイベントデータを記録し、スレーブのSDカードに一連の撮像データを録画する動作モードである。スレーブのSDカードには、時間的に連続する一連の撮像データが記録され、記憶領域が一杯になると撮像タイミングの古い撮像データから順番に新たな撮像データに書き換えられる。一方、マスターのSDカードには、衝撃等のイベントが発生したとき、発生した瞬間を含む特定の時間区間(イベント発生前10秒間、イベント発生後5秒間)の撮像データが、スレーブのSDカードから複製(データコピー)されて記録される。なお、実施例1と同様、記録された撮像データには、撮像データのほか、同期して記録された速度データ、位置データ、加速度データ等が含まれている。
【0153】
なお、
図16の場合では、最下段のごとく、マスターのSDカードの記録データ(イベントデータ)が一杯になった後、古い記録データを消去し、新たなイベントデータを記録するための空き領域を確保している。これに代えて、上書き禁止でイベントデータを記録しても良い。イベントデータによりマスターのSDカードの記憶領域が一杯になったときには、記憶領域に空きがあるSDカードの装填を促す報知をすることも良い。なお、例えば、上書き禁止のSDカードについて、上書きが許可される許可モードを設定しても良い。この場合には、上書き禁止のSDカードの記憶領域が一杯になった後で、記録が必要な重要な風景が現れた際、許可モードを設定することでその重要な風景の撮像データを記録できる。
なお、通常時には、スレーブのSDカードに撮像データが記録され、保存しておきたい箇所を通過するときは上書き禁止のマスターのSDカードに撮像データが記録されるよう、スイッチ操作で切り換えられるように構成しても良い。このスイッチ操作は、切換スイッチの操作であっても良く、操作後所定時間に渡って切換状態が保持され、所定時間の経過に応じて元の状態に復帰するスイッチの操作であっても良い。
【0154】
デュアル録画モードで動作する際、実施例1と同様、本体メモリ(フラッシュROM)にもイベントデータを記録することも良い。この場合であれば、SDカード及び本体メモリ(フラッシュROM)の両方にイベントデータを記録することでデータのバックアップが可能となり、イベントが発生したときのデータが読み出せない等のトラブルを未然に回避できる。
【0155】
本例は、2枚のSDカードを利用してデュアル録画を実行した例である。これに代えて、いずれか一方のSDカードと、本体メモリ(フラッシュROM)を利用してデュアル録画を実行することも良い。さらに、2枚以上の複数のSDカードと、本体メモリ(フラッシュROM)を利用してデュアル録画を実行することもできる。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
【0156】
一連の撮像データを副たるスレーブのメモリーカードに記録し、イベント発生に応じた特定の時間区間の撮像データを主たるマスターのメモリーカードに記録すれば、一連の撮像データと、特定の時間区間の撮像データと、を効率良く記録できる。なお、特定の時間区間としては、例えば、保存する必要が生じた時間区間を設定することも良い。スレーブのメモリーカードに記録される一連の撮像データについては随時更新する必要があるため、上書きを禁止することは適切ではない。一方、マスターのメモリーカードについては、上書き禁止モードで撮像データを記録することも良く、この場合には、イベント発生を契機として記録された特定の時間区間の撮像データを確実性高く保存できる。
【0157】
一般的に、メモリーカードに記録する際には、一連の撮像データは例えばファイル単位で管理されている。このような構成の場合、特定の時間区間の撮像データのみをファイルとして作成することが困難になる場合もある。この場合には、特定の時間区間の撮像データを含むファイル単位でデータの複製や移動を実行すると良い。
【0158】
デュアル録画の動作モードのとき、ドライブレコーダ1の制御コントローラは、副たるスレーブのメモリーカードを上書きが許容される第1の記憶媒体として制御する一方、主たるマスターのメモリーカードについて、上書きを禁止する第2の記憶媒体として制御する。ここで、記憶媒体の第1及び第2の数字は、優先順位や主従を表すものでなく全く無関係であって、数字を入れ替えることも良い。副たるスレーブのメモリーカードについては上書き記録のための記憶媒体とし、主たるマスターのメモリーカードについては上書きを禁止する場合であれば、上記と同様、スレーブのメモリーカードには撮像データを連続的に記録する常時録画を実行する一方、マスターのメモリーカードについては特に保存しておきたい撮像データを記録する等の使い方が可能になる。
【0159】
デュアル録画の動作モードでは、ドライブレコーダ1の制御コントローラは、副たるスレーブのメモリーカードに記録された撮像データのうち、撮像した時点の古い撮像データに対して順次、上書き記録により新しい撮像データを記録する連続記録を実行する。これにより、撮像データの連続記録による常時録画が可能となり、現在の時刻を規準として過去の所定の時間的範囲の撮像画像を記録できるようになる。例えば、事故等が発生した瞬間の撮像画像を記録できるようになり、事故原因の究明に役立つ証拠を確保できる。
【0160】
なお、上書きを禁止する主たるマスターのメモリーカードには、例えば、何らかのイベントが発生したときのイベント録画による撮像データや、マニュアル操作に応じたマニュアル操作録画による撮像データや、静止録画など、常時録画以外の撮像画像を記録すると良い。ドライブレコーダ1に装着されたメモリーカードが少なくマスター/スレーブに振り分けができない場合には、装着されたメモリーカードを副たるスレーブのメモリーカードとして取り扱いし撮像データの連続記録による常時録画を実行することも良い。
【0161】
デュアル録画の動作モードでは、Gセンサによる検知加速度が所定の閾値を超える等、特定の記録条件の成立を契機としてマスターのメモリーカードに撮像データが上書き禁止で記録される。これにより、特定の記録条件が成立したときの撮像データを上書き禁止状態で確実性高く保存できる。特に、ドライブレコーダ1では、常時録画用のスレーブのメモリーカードとは異なる独立のマスターのメモリーカードに、特定の記録条件の成立に応じた撮像データが記録される。そのため、スレーブのメモリーカードに対する撮像データの連続記録の処理中に何らかのトラブルが発生しても、読み取り不能等の不具合がマスターのメモリーカードに及ぶおそれが少ない。
【0162】
なお、マスターのメモリーカードに上書き禁止で撮像データを記録するための特定の記録条件は、例えば、何らかのイベント、運転者等によるマニュアル操作等を設定すると良い。イベントは、例えば、エアバッグが展開するような事故の発生や、急ブレーキや急ハンドル等の発生や、大きな加速度の発生等とすると良い。
【0163】
なお、上書き禁止の記憶媒体に記録されたデータ量が所定以上になったとき、この記憶媒体を初期化する必要が生じたとき、ドライブレコーダが備える本体メモリに撮像画像等を記録することも良い。その後、データ消去によって記憶媒体のデータ容量に余裕ができた時、あるいは新しい記憶媒体が装着されたとき、本体メモリが記憶するデータの一部または全てを記憶媒体に移動することも良い。この場合であれば、媒体収容部を1個で構成できる可能性があり、廉価版のドライブレコーダを実現できる。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
【0164】
(実施例3)
本例は、実施例1で説明したシーケンシャル録画以外の動作モードにおけるドライブレコーダ1の動作例である。この内容について、
図17を参照して説明する。実施例1で説明したように、ドライブレコーダ1の動作モードとしては、実施例1の(1)シーケンシャル録画のほかに、(2)デュアル録画、(3)ミラー録画の動作モードがある。本例は、(3)ミラー録画の動作モード下の動作例である。
【0165】
(3)ミラー録画
ミラー録画は、
図17のごとく、マスター及びスレーブのSDカードに同じ撮像データを記録する動作モードである。イベントデータについては、実施例1のシーケンシャル録画の動作モードの場合と同様、本体メモリ(フラッシュROM)に記録される。マスターのSDカードとスレーブのSDカードの両方に同じデータを記録すれば、いずれか一方のSDカードに記録エラーが生じても他方のSDカードから一連の撮像データを読み出しできるようになり、記録動作の信頼性を高く確保できる。
【0166】
本例は、2枚のSDカードを利用してミラー録画を実行した例である。これに代えて、いずれか一方のSDカードと、本体メモリ(フラッシュROM)を利用してミラー録画を実行することも良い。さらに、2枚以上の複数のSDカードと、本体メモリ(フラッシュROM)を利用してミラー録画を実行することもできる。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
【0167】
実施例1~3のドライブレコーダ1は、SDカード等のメモリーカードを着脱可能に保持する媒体収容部を複数備えている。このドライブレコーダ1の制御コントローラ30は、複数の媒体収容部のうちの少なくともいずれか一つの媒体収容部に装着されたメモリーカードに対する撮像データの記録中に、他の媒体収容部に装着されたメモリーカードに対する書込処理や初期化処理など各種の処理を並行して実行可能である。
【0168】
例えば、撮像データを記録するメモリーカードとは別の他のメモリーカードを対象として他の書込処理を実行する場合であれば、撮像データの記録中に他の書込処理を実行しても、撮像データを記録するメモリーカードや他の書込処理を実行するメモリーカードについて、データの書込や読取等のデータアクセスの頻度が過大となるおそれを抑制できる。それ故、撮像データの記録と並行して他の書込処理を実行しても、撮像データの記録に画像の記録に不具合が生じるおそれが少なくなっている。
【0169】
ドライブレコーダ1では、撮像データの記録動作に対する影響を抑えた範囲内において、メモリーカードに対するデータアクセスの頻度が比較的大きい他の処理を実行可能である。様々な書込処理を撮像データの記録中に実行可能であれば、撮像データの記録だけでなく、様々なデータの記録等にドライブレコーダ1を活用できるようになり利便性を向上できる。
【0170】
ドライブレコーダ1の制御コントローラ30は、複数の媒体収容部にそれぞれ装着された各メモリーカードに対して、データの書込み、読み取り、消去、及び初期化の各制御を個別に実行する機能を備えている。各メモリーカードに対して、データの書込み、読み取り、消去、及び初期化の各制御を個別に実行できれば、ドライブレコーダ1において並行して実行可能な記録動作の種類が多くなるという利点が生じる。これによりドライブレコーダ1の機能が多彩となって利便性が向上する。例えば、特定のメモリーカードを対象として撮像データの記録を実行しながら、エンジン回転数や車速などの車両データを他のメモリーカードに記録する等が可能になる。また例えば、2つ以上のメモリーカードを利用して撮像データを記録する際には、最新の撮像データの記録中に、記録している撮像データの撮像時点が古い他のメモリーカードの記憶領域を初期化すると良い。この場合には、最新の撮像データを記録中のメモリーカードが一杯になったとき、初期化状態の他のメモリーカードを利用してその後の撮像データの記録を継続できる。初期化されたメモリーカードを利用すれば、書込エラー等を生じるおそれ少なく確実性高く撮像データを記録できる。
【0171】
(実施例4)
本例は、実施例2のデュアル録画を基にし、より高機能なデュアル録画を実行するドライブレコーダの例である。
【0172】
(1)マスターのメモリーカードに上書きを禁止しないデータを記録する構成例。
例えばイベント録画の一つでGセンサーが所定の衝撃を検知したらその前後を録画する場合、衝撃検知が事故の検知であれば上書き禁止の方がよいが、実際には道路の段差等路面状態や運転者の運転操作によっても衝撃として検知する場合もあり、上書き禁止にしておくと、不要な上書き禁止のデータがどんどん蓄積されてしまう。不要な上書き禁止データのオーバーフローを防ぐためには、特に所定の容量を決めておき、その範囲内で上書き記録する機能を備える構成とするとよい。
【0173】
なお、マスターのメモリーカードの記憶領域の一部について上書きを禁止する制御を行う一方、残りの一部又は全部について上書きを許容する制御を行うことも良い。例えばイベント録画の一つでGセンサーが所定の衝撃を検知したらその前後を録画する場合、衝撃検知が事故の検知であれば上書き禁止の方がよいが、実際には道路の段差等路面状態や運転者の運転操作によっても衝撃として検知する場合もあり、上書き禁止にしておくと、不要な上書き禁止のデータがどんどん蓄積されてしまう。不要な上書き禁止データのオーバーフローを防ぐためには、上書き禁止データが生成されたとき、一旦上書きが許容される領域に記録し、例えば衝撃の発生後に車両が停止された等により事故の可能性が高くなったときに上書き禁止領域にデータを移動するという制御を行うことも良い。
【0174】
(2)マスター/スレーブのメモリーカードの相互バックアップを可能とした構成例。
ドライブレコーダでは、複数のメモリーカードを装着できるようにし、その内の一つを主たるマスターとし、他を副たるスレーブとする等の制御が行われる。マスターあるいはスレーブいずれかのメモリーカードを取り外したり何らかの問題や不具合が発生した場合、そのメモリーカードの機能を、他方のメモリーカード側で補う機能を備える構成を採用することも良い。このように構成すれば、マスター及びスレーブのうちいずれか一方のメモリーカードが取り外されたり何らかの問題や不具合が発生した場合であっても、不具合等の発生前と同様の機能を維持できるようになる。
【0175】
特に、主たるマスターのメモリーカードには、事故の記録や景色の良い場所など保存しておきたい画像を、上書き禁止あるいは消去される確率を低く記録する構成とするとよい。また、副たるスレーブのメモリーカードには、走行中常時録画しておくとよく、特に例えば、何らかの理由でマスターのメモリーカードに記録できなかった画像を後から探すための機能を備えたり、主とする記憶媒体に移動またはコピーの少なくともいずれか一方を行う機能を備えるとよい。一般的に、常時録画の方が、メモリーカード等の記憶媒体の破損や不具合を発生させる確率が高くなる。上記のようなデュアル録画モードの場合、特に保存したい画像はマスターのメモリーカードの方に記録されており、スレーブのメモリーカードに破損や不具合が発生しても被害が少なくて済む。
【0176】
ドライブレコーダ1の制御コントローラは、マスター及びスレーブのメモリカードが装着された状態で上書きを許容するスレーブのメモリーカードが取り外され、上書き禁止のマスターのメモリーカードのみが装着された状態に移行したとき、そのマスターのメモリーカードの記憶領域のうちの空き領域の一部に上書き可能な記憶領域を設定することも良い。このように構成すれば、スレーブのメモリーカードが取り外されてマスターのメモリーカードのみとなった後でも、撮像データを連続記録する常時録画が可能になりドライブレコーダ1の機能低下に伴う利便性の低下を抑制できる。
【0177】
前記上書き禁止により記録済みの撮像画像を消去しない領域を持つ第2の記憶媒体として制御する機能を備える構成において、前記制御手段は、前記第1及び第2の記憶媒体が装着された状態で前記第1の記憶媒体が取り外されて前記第2の記憶媒体のみが装着された状態に移行したとき、当該第2の記憶媒体の記憶領域のうちの空き領域の一部に前記第1の記憶媒体の記憶に該当するデータを記憶する上書き可能な記憶領域を設定する機能を備えている画像記録装置とするとよい。
【0178】
なお、ドライブレコーダ1の制御コントローラは、装着されたメモリーカードが1枚のみの場合、そのメモリーカードを第3の記憶媒体として取り扱いし、記憶領域に上書き可能な記憶領域と上書き禁止される記憶領域とを設ける制御を実行することも良い。この場合であれば、装着されたメモリーカードが1枚であっても、例えば、常時録画の撮像データとは別に、上書き禁止の撮像データ等のデータを記録できるようになる。上書き禁止の撮像データは、イベント録画による撮像画像、マニアル操作録画による撮像画像、静止録画による撮像等とすると良い。その後、例えば、マスターあるいはスレーブとして利用可能なメモリーカードが新たに装着された際には、そのメモリーカードをマスターあるいはスレーブのメモリーカードとして取り扱うことも良い。上書き可能なスレーブのメモリーカードとして取り扱う場合であれば、上記第3の記憶媒体として制御された元のメモリーカードに上書き可能に記録された例えば常時録画の撮像データの全てあるいは一部を、新たなスレーブのメモリーカードに転送して記録することも良い。上書き禁止のマスターのメモリーカードとして取り扱う場合であれば、上記第3の記憶媒体として制御された元のメモリーカードに上書き禁止で記録された撮像データ等の全てあるいは一部を、新たなマスターのメモリーカードに転送して記録することも良い。
【0179】
なお、複数の記憶媒体が装着されており、第1の記憶媒体及び第2の記憶媒体の振り分けが可能な状態であっても、全ての記憶媒体を第1の記憶媒体として制御するモードを設けることも良い。この場合には、第1の記憶媒体の記憶領域が大きくなるので、撮像画像を連続記録する際の録画時間を長くできる。このように第1の記憶媒体が複数の場合には、いずれかの記憶媒体に記録したデータ量が一杯になったとき、撮像画像を連続記録する対象の記憶媒体を他の第1の記憶媒体に切り換えると良い。この場合には、複数の第1の記憶媒体のうちのいずれかを交互に利用して効率良く撮像画像を連続記録できるようになる。記憶媒体については、記録したデータの消去や初期化を個別にできるように構成しておくと良い。
【0180】
上書き禁止により記録済みの撮像画像を消去しない領域を持つ第2の記憶媒体として制御する機能を備える構成において、制御手段は、記憶媒体が1つのみ装着されている状態で記憶媒体が新たに装着されたときには、その記憶媒体を第2の記憶媒体として制御すると共に、第3の記憶媒体の記憶領域のうち上書き禁止で記録されたデータを、新たに装着された記憶媒体に記録することも良い。
【0181】
(3)マスター/スレーブのメモリーカードの入替を可能とした構成例。
主たるマスターとするメモリーカードを固定せず、ドライブレコーダ1の本体メモリを含めて複数の記憶媒体を順番に主、副として使用し、主とする番の記憶媒体に記録している間に副とする記憶媒体を初期化する機能を備える構成の例である。このような構成を採用すれば、各記憶媒体の負担を均一に近づけて破損や不具合の発生確率を低くできる。
なお、この場合、上書き常時録画も、上書き禁止イベント録画も全て同一の主とする記憶媒体に記録させる機能を備えるとよい。
【0182】
特に、ドライブレコーダとしての基本となる録画データ(撮像データ)は主とする記憶媒体に記録し、ドライブレコーダとして基本としないデータは副とする記憶媒体に記録し、記録データの種類によって記憶媒体(記憶領域)を分離する構成とするとよい。このようにすれば、特に、多機能なドライブレコーダにおいて、処理速度が遅くなったり、処理できない部分が発生するすとのを防ぐことができる。また上記のように分離する事により1つの記憶媒体の使用頻度が減り、記憶媒体の破損や不具合が発生する確率をより低くすることができる。
【0183】
ドライブレコーダは、一つの記憶媒体に録画している最中に他の記憶媒体を初期化する制御において、所定の条件の下に自動的または半自動的に初期化を行うように制御すると良い。自動的または半自動的に初期化を実施すれば、記憶媒体に記録されたデータが読出しできなくなる等のトラブルを未然に回避できると共に、記憶媒体におけるデータの記録効率を高く維持して記録可能なデータ量を最大に近く維持できる。なお、記憶媒体は定期的に初期化する事が望ましく、前回の初期化から、所定の回数の書き換えが行われた時、または所定時間の上書き記憶がされた時、または所定容量の上書き記録がされた時など所定条件で自動的に、または初期化の時期が来た事を表示またはアラームや音声で知らせ初期化を開始する確認操作を行う事により初期化を開始する等、半自動的に初期化を実施すると良い。
【0184】
上書き禁止の記憶媒体については自動的に初期化しないようにすると良い。自動的に初期化しない媒体収容部を設定しておけば、長期間に渡って保存しておきたいデータを確実性高く保持できる。例えば、イベント録画を記憶している記憶媒体は自動的に初期化しない様にすると良い。イベント録画は常時録画に比べ上書きによる書き換え頻度が少ないと考えられると共に、イベント録画は比較的長時間保存しておきたい録画がある可能性が高いと考えられることから、イベント録画を記憶している記憶媒体は自動的に初期化しない設定とする方が好ましい。
【0185】
上書き可能な常時録画の記憶媒体を初期化している間、一時的にイベント録画の記憶媒体の一部容量に常時録画を記憶する制御を行う画像記録装置とすると良い。
この場合には、常時録画の記憶媒体についても初期化を実施できるようになり、その記憶媒体に関するトラブルの発生を抑制できる。例えば常時録画を行う記憶媒体が複数あれば順番に初期化を行えばよいが、例えば媒体収容部が2個の場合で、一つをイベント録画に使い自動での初期化を禁止している場合、少なくとも常時録画用の記憶媒体を初期化している間はイベント録画用の方に記録するように制御すると良い。
【0186】
なお、イベント録画を記憶する上書き禁止の記憶媒体の残容量が所定以下になった場合、常時録画用の上書き可能な記憶媒体にイベント録画を記憶する制御を行うようにすると良い。この場合には、例えばイベント録画用の上書き禁止の記憶媒体が一杯になって、イベント発生時の撮像画像を記録できなくなってしまうおそれを未然に回避できる。なお、記憶媒体の残容量が所定以下になったことや、常時録画用の記憶媒体にイベント録画を行っていることを、例えば、アラームや音声、表示等で報知し、PCなど外部装置へのデータコピーや、記憶媒体の交換等を促すことができる。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例2と同様である。
【0187】
(実施例5)
本例は、他の実施例を基にして、一部の撮像データを上書き禁止で記録するための保存操作手段を設けたドライブレコーダ5の例である。この内容について、
図18~
図20を参照して説明する。
【0188】
図18及び
図19のドライブレコーダ5は、正面略矩形状の筐体50の内部に電子基板(図示略)を収容する電子機器である。筐体50の正面には、カメラユニット61のレンズ611が配置され、背面には、表示手段の一例である液晶ディスプレイの液晶画面630、及び各種の操作ボタン505が配置されている。筐体50の上面には、録画動作の開始停止のための保存操作手段の一例である記録ボタン521、電源ボタン523が配置されているほか、ブラケット7(
図20参照。)を取り付けるためのネジ孔501が穿設されている。筐体50の側面には、電源供給のための電源端子57、及びmicroSDカード(記憶媒体の一例であるメモリーカードの例)を挿入するための媒体収容部の一例であるカードスロット55が2つ並列して配置されている。
【0189】
ドライブレコーダ5は、取り付け用のブラケット7を介して、例えば
図20のごとく車両のフロントガラス80等に取り付け可能である。ブラケット7は、両面テープ700等を介してフロントガラス80に貼付される貼付ステー73、ドライブレコード5のネジ孔501に対応するネジ711を含む台座71等を有している。
【0190】
貼付ステー73は、
図20のごとく、フロントガラス80のガラス面に貼付される円形状の貼付プレート730の裏面に延設された湾曲状の腕部433の先端に球状の摺動ボール435が設けられた部材である。台座41は、ネジ411が立設された台座面410の反対側に、内周球面状の凹部417が設けられた部材である。凹部417の外周側には、外周ナット45を螺入する外周ネジ415が設けられている。凹部417に摺動ボール435を収容した状態で外周ナット45を締め付ければ、摺動ボール435を締め付け固定でき、これにより台座41に対する貼付ステー43の角度等を固定できる。
【0191】
ドライブレコーダ5の設置に当たっては、例えばまず、
図20のごとく、外周ナット75を軽く締め付けて貼付ステー73と台座71とを連結したブラケット7を用意し、両面テープ700を利用して貼付プレート730をフロントガラス80に貼り付ける。次に、ブラケット7のネジ711をネジ孔501に挿入できるようにドライブレコーダ5を把持し、ドライブレコーダ5自体を回転させることでネジ711を螺入する。台座面710に筐体50が押し当たるまでネジ711を螺入させ、これによりブラケット7の台座71にドライブレコーダ5を固定する。ドライブレコーダ5の撮像範囲を所望の範囲に調整した後、外周ナット75を締め付ければ、貼付ステー73の摺動ボール435を固定できる。これによりドライブレコーダ2の取付け姿勢を固定して撮像範囲を所定範囲に設定でき、ドライブレコーダ2の設置を完了できる。
【0192】
2つのカードスロット55のうち、筐体50の正面側に位置するカードスロットは、上書き可能なmicroSDカードを収容する媒体収容部となっており、背面側のカードスロットは、上書き禁止のmicroSDカードを収容する媒体収容部となっている。このように常時録画用のメモリーカード、及び上書き禁止のメモリーカードの位置を固定すれば、使用者がメモリーカードを取り違えるおそれを抑制できる。例えば、上書き禁止で記録済みのメモリーカードを常時録画用のカードスロットに装着してしまい、保存の必要があったデータが上書きで消去されてしまう等のトラブルの発生を抑制できる。
【0193】
ドライブレコーダ5は、操作ボタン505の適宜操作により、上書き可能なmicroSDカードに記録された撮像画像を液晶画面630上で再生表示する。液晶画面630による再生画像の表示中に記録ボタン521が操作されたときには、ドライブレコーダ5は、その操作時点を含む所定的な前後を含む撮像画像を上書き禁止のmicroSDカードに転送して記録する。なお、処理負荷の集中を抑制するためには、操作時点をマーキングしておき後で転送記録を実行するように構成することも良い。
【0194】
ドライブレコーダ5では、再生画像を確認して保存すべきか否かを判断した上で、保存すべきと判断した再生画像の元の撮像画像を上書きを禁止して記録できる。再生画像により確認できれば、保存しておきたい撮像画像を上書き禁止された状態で確実性高く記録できる。常時録画により上書き可能なmicroSDカードに記録された撮像画像を再生しながら、その撮像画像の一部を上書き禁止のmicroSDカードに転送して記録できる。再生画像を表示させながら記録ボタン521を操作することで、保存したい撮像画像とは異なるものが間違って記録されるおそれも少ない。上書き禁止された状態で記録する撮像画像の時間的な区間は、操作された時点を規準として所定時間前まで遡った時間区間、操作された時点を規準として所定時間が過ぎるまでの時間区間、あるいは操作された時点を規準とした時間的な前後に渡る区間とすると良い。
【0195】
なお、衝撃を検知するGセンサ等のセンサーや外部入力機能をドライブレコーダ5に設けることも良い。装着された複数の記憶媒体のうちのいずれかを上書き可能な記憶媒体とし、いずれかを上書き禁止の常時録画用の記憶媒体として制御する場合において、センサーや外部入力された信号を契機とし、契機となる信号入力があった時点を規準として所定時間前まで遡った時点までの時間区間の撮像画像や、その時点を規準として所定時間が過ぎるまでの時間区間の撮像画像や、これら撮像画像の両方を上書き禁止の記憶媒体に記録することも良い。
【0196】
なお、撮像画像の一部を上書き禁止で記録するに当たって、一般的にデータの移動やコピーはファイル単位で行う場合が多い。そこで、記録ボタン521が操作された時点を基準とした時間的な区間に対応する部分のみではなく、その部分を含むファイルを転送したりコピーすることも良い。この場合には、時間的な区間に対応する部分以外の部分が転送等されるデータに含まれることになる。このとき、上書き禁止で記録された一部の撮像画像を再生するに当たって、時間的な区間に対応する部分以外の部分の再生を割愛できるように制御することも良い。
【0197】
ドライブレコーダ5では、媒体収容部の一例であるカードスロット55毎に記録方法、記録データの種類が区別され、機能が相違している。記憶媒体の一例であるメモリーカードを装着する際には、記録データ等に応じてカードスロット55を選択すれば良くなるので使い易くなる。例えば、カードスロット55毎に異なる記録方法や記録タイミングを使用者側が把握し易くなり、書込み中のメモリーカードを脱去してしまう等のミスを未然に抑制できる。本例のように一方のカードスロット55は上書き許可、もう一方のカードスロット55は上書き禁止と言う様に異なる記録方法にすると良い。また、一方のカードスロット55は常時録画、もう一方のカードスロット55はイベント録画と言う様に異なる録画データにすることも良い。
【0198】
なお、ドライブレコーダ5の各カードスロット55について、記録データが消去される確率を異なる様に制御することも良い。例えば、一方のカードスロット55は上書きにより記録データが消去される確率が高く、もう一方のカードスロット55は上書きで消去される確率が低くなるように記録データ量に対し十分な記憶容量を持たせておくことが良い。また、両方上書きとしても、一方は常時録画データの様にデータ量の多いデータを記録、もう一方はイベント録画の様にデータ量が少ないデータを記憶させ、記録データが消去される確率を異なる様にすることもできる。
【0199】
ドライブレコーダ5では、2つのカードスロット55を左右に並べて配置している。これに代えて、一方の媒体収容部を運転者側から見える側面に配置し、他方を運転者から見えない側の側面に配置する等、複数の媒体収容部について目立ち易さを異なる様にする、または順位が分かる様にすることも良い。この場合には、各媒体収容部について、使用者側からのアクセスのし易さに差を設けることができる。例えば、着脱頻度の高い記憶媒体/媒体収容部は分かり易い場所に、着脱頻度の低い方は比較的分かり難い所に配置すると良い。着脱頻度の高い記憶媒体/媒体収容部は分かり易い様に媒体収容部の縁を線で囲んだり色を付けたり、内部照明を設けると良い。例えば、ドライブレコーダ5のようにカードスロット55を左右に並べる場合であれば、
図21のように着脱頻度の低い方は比較的分かり難い様、蓋の一例をなす開閉カバー558によって覆うことも良い。または、1、2・・、あるいはA、B・・等の様に順位が分かる様に媒体収容部付近に印刷や彫刻をし、着脱頻度の高い記憶媒体/媒体収容部は1あるいはAとして取り出す記憶媒体を間違え難くすることも好ましい。
【0200】
複数の記憶媒体のうち少なくとも1つは他とは異なる形状または大きさとすると良い。記憶媒体の大きさを異ならせれば、複数の記憶媒体について取り違えを抑制できるという効果が得られる。例えば、
図22のように、着脱頻度の高い媒体収容部55は標準タイプの例えばSDカード555等の記憶媒体、低い方の媒体収容部55Aは例えばマイクロSDカード555A等の記憶媒体というように異なる種類のSDカードを使用する事により、取り出す記憶媒体を間違え難くすると良い。
【0201】
カーナビゲーション機能を備えるドライブレコーダであっても良い。このドライブレコーダが備える複数の媒体収容部のうち、少なくとも一つは録画データ及び録画に付帯した情報やデータ専用とするとよい。一般的にPNDと呼ばれているカーナビゲーションでは、地図やソフトウエアの更新、音楽や映像のソース提供、TVの録画、走行経路の記憶等の為にメモリーカードスロット等の媒体収容部を搭載している場合が多い。カーナビゲーション機能とドライブレコーダ機能を複合化した場合、一つの媒体収容部で両機能を使い分ける方法もあるが、ドライブレコーダ機能に走行中の画像を常時録画する機能を持たせた場合、走行中は記憶媒体に画像データを常に記憶させる必要があり、記憶媒体にカーナビゲーション機能に関するデータも入れた場合処理に不都合が生じる場合がある。そこで、媒体収容部は複数設け、少なくとも一つはドライブレコーダ機能専用にした方がよい。
【0202】
レーダー探知機機能を備えるドライブレコーダであっても良い。このドライブレコーダが備える複数の媒体収容部のうち、少なくとも一つは録画データ及び録画に付帯した情報やデータ専用とするとよい。レーダー探知機もメモリーカードに警報発生場所等のデータを入れて使用する場合が多い。上記のカーナビゲーション機能を備えるドライブレコーダの場合と同様の理由で媒体収容部は複数設け少なくとも一つはドライブレコーダ機能専用にすると良い。
なお、その他の構成及び作用効果については、他の実施例と同様である。
【0203】
(実施例6)
本例は、他の実施例を基にして、メインとなる記憶媒体を設定する例である。この内容について説明する。
本例のドライブレコーダは、他の実施例と同様、撮像画像に基づく録画データを記録する記憶媒体を装着する媒体収容部を複数備えている。ドライブレコーダは、複数の媒体収容部のうちの1つであるメインの媒体収容部に装着された記憶媒体をメインの記憶媒体として制御する。
【0204】
メインの記憶媒体には、少なくとも上書き可能な常時録画と、上書き禁止で記憶するイベント録画の両方が記録される。ドライブレコーダは、メインの記憶媒体において、上書き禁止で記憶された容量が所定以上になったとき、あるいはメインの媒体収容部に記憶媒体が無いとき、他の記憶媒体に撮像画像を記録する制御を実行する。
【0205】
メインの記憶媒体を取り出して例えばPC等の外部装置で録画データを閲覧する場合、常時録画もイベント録画も記憶されている全データを閲覧でき非常に便利である。また、事故等に遭遇した場合事故時の画像が録画されている記憶媒体を抜いて保管する場合もある。この様な場合も1枚の記憶媒体に常時録画もイベント録画も全データが入っていた方がよい。
【0206】
例えば装着可能な記憶媒体が1枚のみの場合、上書き禁止で容量が一杯になった場合や、記憶媒体が装着されていない場合にドライブレコーダとしての機能が十分でなくなる。本例のドライブレコーダのようにメインの記憶媒体のほかに他の記憶媒体が装着されていれば、メインの記憶媒体の容量が一杯になったり未装着であってもドライブレコーダとしての機能を実現できる。なお、メインとする記憶媒体は大容量、他は小容量でもよい。メインとする記憶媒体に記録されているデータの一部または全てを消去し容量に余裕が出来た場合や新しい記憶媒体が装着された場合に他の記憶媒体に記憶されていたデータの一部または全てをメインの記憶媒体に移す様にしても良い。
【0207】
メインとする記憶媒体を装着する媒体収容部は決めておき、その媒体収容部の近くにランプを配置し、上書き禁止で容量が一杯になった場合や、記憶媒体が装着されていない場合に点滅または点灯させることも良い。この場合には、データの記録に対応できない媒体収容部を分かりやすく表示でき、使用者にその旨を認識させることができる。例えば、メイン以外の記憶媒体に記憶している場合には、メインの媒体収容部のランプを点滅させる様にすれば分かり易い。また、例えば、ランプの点滅、点灯と同時に表示器での表示やアラーム、音声等で知らせる様に構成することも良い。
【0208】
ドライブレコーダは、メインの記憶媒体を初期化するとき、メインとする記憶媒体に記憶されている少なくとも上書き禁止のデータは他の記憶媒体に複写または移動した後で初期化を実行する。このような初期化制御を実行すれば、例えば上書き禁止データが入っている記憶媒体も、そのデータを損なうことなく安全に初期化できる。
【0209】
メインとする媒体収容部に記憶媒体が無い場合、あるいはメインの記憶媒体を初期化する場合には、ドライブレコーダが内蔵する本体メモリに撮像画像等の記録することも良い。その後、メインの記憶媒体のデータが消去されてデータ容量に余裕が出来た場合や、新しい記憶媒体が装着されたとき、本体メモリに記憶されていたデータの一部または全てをメインの記憶媒体や他の記憶媒体に移動することも良い。この場合であれば、媒体収容部は1個で済むようになり、製品コストを低減できる。
【0210】
なお、記憶媒体を初期化する場合、初期化する記憶媒体から他の記憶媒体等他の記憶媒体に記憶を切り替えた後、他の記憶媒体で所定時間の記憶または所定容量の記憶が行われた後に記憶媒体の初期化をする画像記録装置とすると良い。
なるべく新しいデータは消去されない様にしたいので、初期化する記憶媒体以外での記憶が進んでから初期化した方が望ましい。他での記憶が容量一杯まで記憶が進み上書きが開始されたら初期化する程度が望ましい。
【0211】
本例に代えて、複数の媒体収容部のうちの一つをダミーの媒体収容部とすることも良い。ダミーの媒体収容部を設ければ、予備の記憶媒体の保管場所として活用できるという効果が得られる。ダミーの媒体収容部に予備の記憶媒体を装着しておき、メインの記憶媒体を抜いた時、ダミーの媒体収容部にある予備の記憶媒体に差し替えるという便利な使い方ができ、予備の記憶媒体を保管中に紛失してしまうおそれを抑制できる。
なお、その他の構成及び作用効果については他の実施例と同様である。
【0212】
(実施例7)
本例は、他の実施例を基にして、記憶媒体に通信機能を持たせた例である。
上書き禁止で制御するメモリーカードは、データを記憶する機能のほかに、データを外部に送信する通信機能を備えている。ドライブレコーダは、上書き禁止で記録された撮像画像を外部機器に向けて送信する制御を実行可能である。
【0213】
ドライブレコーダは、上書き禁止した状態でメモリーカードに記録した撮像画像を外部送信できるようになり、送信先で撮像画像を閲覧等できるようになる。このような構成を採用すれば、事故発生等において特に有効となる。例えばタクシー等で居眠り運転のような運転状況が発生したときに、そのときの撮像画像をタクシー会社に直ちに送信すれば、事故等が発生する前に危ない状況を管理者側で把握できるようになる。また例えば、その後、事故が発生した際、そのときの撮像画像を直ちに送信すれば、管理者側で直ちに状況を把握して事後の対処を迅速に行えるようになる。
【0214】
通信機能付きのメモリーカードと、通信機能のないメモリーカードとが、ドライブレコーダに装着された際、通信機能付きの記憶媒体を上書き禁止のメモリーカードとして制御し、通信機能のない記憶媒体を上書き可能なメモリーカードとして制御すると良い。そして、上書き禁止のメモリーカードに記録されたデータの全てあるいは一部を優先して送信すると良い。ここで、優先して送信することは、自動的に送信することとすると良い。
【0215】
例えばGセンサーが所定の衝撃を検知したとき、その時間的な前後に渡る撮像画像を上書き禁止のメモリーカードに記録すると良い。この撮像画像を直ちに外部送信することも良いが、実際には道路の段差等路面状態や運転者の運転操作によっても衝撃を検知する場合もある。正常範囲内の撮像画像を無闇に外部送信しないよう、例えば衝撃の検知に応じて撮像画像を上書き禁止のメモリーカードに記録した後、車両が停止しその停止状態がそのまま所定時間に渡って継続したときや、車両が停止してハザードランプの点灯操作が行われたとき等に上書き禁止で記録した撮像画像を外部送信するように制御することも良い。
【0216】
なお、通信機能を備えるメモリーカードの記憶領域の一部について上書きを禁止する制御を行う一方、残りの一部又は全部について上書きを許容する制御を行うことも良い。例えばイベント録画の一つでGセンサーが所定の衝撃を検知したらその前後を録画する場合、衝撃検知が事故の検知であれば上書き禁止の方がよいが、実際には道路の段差等路面状態や運転者の運転操作によっても衝撃として検知する場合もあり、上書き禁止にしておくと、不要な上書き禁止のデータがどんどん蓄積されてしまう。不要な上書き禁止データのオーバーフローを防ぐためには、上書き禁止データが生成されたとき、一旦上書きが許容される領域に記録しておき、例えば衝撃の発生後に車両が停止された、あるいはハザードランプの点灯操作等により事故の可能性が高いと推定できる状況に移行したときに、上書き禁止の領域にデータを移動させることも良い。
なお、その他の構成及び作用効果は他の実施例と同様である。
【0217】
各実施例のドライブレコーダは、媒体収容部を複数備えており、複数のメモリカードを装着可能である。このドライブレコーダは、次に列挙する点において、媒体収容部が1つのみのドライブレコーダに対して有利な点を有している。
(a)例えばメモリーカードの破損や不具合があった場合、録画できなくなる。特に連続録画を行っている場合は、走行中、常時上書きで録画を繰り返している(消去と記憶を繰り返している)ので破損する確率が高くなる。また、作動中にメモリーカードを取り外すと破損する可能性が高い。ドライブレコーダはエンジンキーに連動して電源をON、OFFさせる事が殆どだが、車両によっては、特にエンジンの始動時に電圧の変動や寸断、サージの発生等がありこれらが悪影響してメモリーカードの制御に異常が発生しメモリーカードの破損や不具合を発生させる場合もある。これに対して各実施例のドライブレコーダでは、複数のメモリーカードを装着できるので、いずれかのメモリーカードに破損等を生じても他のメモリーカードによりバックアップする制御が可能である。したがって、各十生例のドライブレコーダでは、録画が全くできなくなるような事態に陥るおそれが少なくなっている。
【0218】
(b)ドライブレコーダは、事故の記録が主目的であり、事故の記録は消えない様保存しておく必要がある。事故の検知は一般的にGセンサー等により所定以上の衝撃を検知すると事故とみなし、その前後の画像を上書き禁止にして保存する場合が多い。しかし、事故のみを確実に検知する事は難しく、路面の段差や凹凸、運転者の運転の仕方等によっても衝撃を検知してしまい、現実的には事故以外の衝撃検知での録画・記録等保存の必要がない録画が殆どで非常に多い。センサーの感度を低くすると事故の検知が出来なくなる。また、危険運転・無謀運転の目撃、事故になりそうな危険な体験、景色の良い場所等の録画はマニアル操作で、その前後の画像を上書き禁止にして保存する場合も多く、使用者によっては上書き禁止で多くを録画する。この様な上書き禁止の録画でメモリーカードが一杯になると、当然それ以上は録画できない。メモリーカードの交換や、画像の取り出し・削除、初期化等の処置をする必要があるが、走行中や旅先等何らかの事情で直ぐに処置ができない場合もあり、その場合、それ以上は記憶できずドライブレコーダとして機能しない事になる。これに対して各実施例のドライブレコーダは、複数のメモリーカードを装着可能である。例えば、上書き禁止のメモリーカードの容量が一杯になったとき、上書きを許容する常時連続録画(常時録画)用のメモリーカードの記憶領域に上書き禁止領域を設定し、保存しておきたい撮像画像等を仮置きすることも可能である。このような制御を実行すれば、上書き禁止の記憶領域が一杯になってしまい、保存したい撮像画像を記録できないような事態の発生を抑制できる。なお、メモリーカードなど記憶媒体は、当然ながら、容量が小さなものほど安価で、容量が大きなものは高価である。容量には技術的な限度があって、市販されているメモリーカードのうち、この限度に近い大容量のものは、非常に高価となる傾向にある。例えば、この大容量のメモリーカードの価格は、半分の容量のメモリーカードの価格の2倍では収まらず、3倍、4倍、5倍の価格となることもある。各実施例のように複数のメモリーカードを装着可能であれば、例えば、価格がこなれた容量のメモリーカードを2枚装着することで、2倍の容量のメモリーカードを装着したのと同様の状態を実現できる。1枚しかメモリーカードを装着できないドライブレコーダとの比較において、同じ記憶容量を確保するためのメモリーカードの購入金額が格段に少なくなっている。
【0219】
(c)メモリーカードを1つしか装着できないドライブレコーダの場合、常時連続録画と、上書きを禁止したイベント等の録画を同一のメモリーカードに記憶させるのが一般的だが、上書きを禁止した録画は何の処置もしないと増えて行く。日常的にメンテナンス/処置をすればよいが、なかなか出来ない。メモリーカード内に常時連続録画エリアと、上書き禁止記録エリアを分けておく場合もあるが、エリア分けをせず上書き禁止記録を優先して記憶させる事が多く、上書き記録が増えた分常時録画エリアを減らす様にしている場合が多い。この場合、上書き禁止の録画でメモリーカードの容量が一杯になる前に、常時録画エリアが減り常時録画時間が短くなり、さかのぼって画像を確認できる時間が短くなってしまう。同時に、上書きが一巡する時間が短くなり消去と記録の繰り返し頻度が増し、メモリーカードの破損や不具合が発生する確率が益々高くなる。一方、常時連続録画エリアと、上書き禁止記録エリアを分けておいた場合、当然、上書き禁止記録エリアが一杯になるとそれ以上は録画できず、エリア分けをしない上記の方式と比較して、上書き禁止記録エリアへの記録が不可能になるタイミングが早くなる。これに対して、各実施例のドライブレコーダでは、複数のメモリーカードを装着できるので、例えば、上書き禁止のメモリーカードと、常時連続録画用のメモリーカードと、を分けることもできる。高価な大容量のメモリーカードを用意しなくても、安価なメモリーカードを複数装着することで上書き禁止記録エリアの容量を確保できる。高価な大容量のメモリーカードを購入する必要なく保存したい撮像画像等を確実性高く記録できるので、ランニングコストが抑制され経済的である。
【0220】
(d)録画された画像をPCビューア等で確認や取り出しをする為、ドライブレコーダからメモリーカードを取り外してそのまま忘れてしまうこともある。または何らかの事情でメモリーカードを取り外すこともある。このような場合、メモリーカードを1つしか装着できないドライブレコーダであれば、メモリーカードを装着せずに走行しなければならず、録画・記憶ができなくなり、ドライブレコーダとして機能しない事になる。これに対して各実施例のドライブレコーダは、複数のメモリーカードを装着可能であるので、いずれかのメモリーカードを取り外した状態であっても他のメモリーカードでバックアップする制御が可能である。例えば、上書き禁止のメモリーカードを取り外した状態であれば、上書き可能なメモリーカードの記憶領域の一部に上書き禁止領域を設ける等のバックアップ制御が考えられる。このようなバックアップ制御を実行すれば、特定のメモリーカードが取り外された状態で走行する状態においても、特定の機能を実現できなくなる事態に陥ることがなく、ドライブレコーダの機能が損なわれる度合いを抑制できる。
【0221】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組合せた技術を包含している。
【符号の説明】
【0222】
1 ドライブレコーダ
2 本体ケース
8、9 プッシュボタン
13 CCDカメラ
15 加速度センサ
181、182 挿入口
181A、182A LED
24 GPS受信機
30 制御コントローラ
311、312 SDカードリーダ
32 データベース
35 パソコン
361、362 SDカードリーダライタ
45 モニター
【手続補正書】
【提出日】2023-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを備えるドライブレコーダの本体メモリにイベントデータを記録する機能と、
前記本体メモリに記録されたイベントデータを、USBケーブルを介して通信可能な状態で接続されたパソコンに書き出し可能に構成されたドライブレコーダ。
【請求項2】
請求項1に記載のドライブレコーダであって、
前記USBケーブルを介して前記パソコンから給電されて動作可能であるドライブレコーダ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のドライブレコーダであって、
本体ケースを備え、
前記本体ケースは、取り付け用のブラケットを介して、車両に取り付け可能であり、
前記ブラケットから前記本体ケースを取り外して前記パソコンと前記USBケーブルを介して接続可能に構成されたドライブレコーダ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のドライブレコーダであって、
メモリーカードを着脱可能に保持する媒体収容部と、
前記媒体収容部に保持された前記メモリーカードに前記イベントデータを記録する機能とを備えたドライブレコーダ。
【請求項5】
請求項1のドライブレコーダの前記本体メモリに記録されたイベントデータを、前記USBケーブルを介してパソコンに読み込む機能と、前記パソコンのビューア画面内のリストに各イベントデータのリスト表示する機能をパソコンに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記メモリーカードに記録されたイベントデータを、前記パソコンに読み込む機能と、前記パソコンのビューア画面内のリストに各イベントデータのリスト表示する機能をパソコンに実行させるためのプログラム。