(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098960
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】老化細胞および細胞老化関連分泌形質による発毛の刺激
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20230704BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20230704BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230704BHJP
A61K 35/35 20150101ALI20230704BHJP
A61K 35/36 20150101ALI20230704BHJP
A61K 8/98 20060101ALI20230704BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P17/14
A61P43/00 111
A61K35/35
A61K35/36
A61K8/98
A61Q7/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023062008
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2019552267の分割
【原出願日】2018-03-21
(31)【優先権主張番号】62/475,688
(32)【優先日】2017-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】マクシム・ブイ・プリクス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】脱毛に罹患した領域を処置する方法を提供する。
【解決手段】脱毛に罹患した領域において対象における発毛を向上させるまたは誘導するための方法であって、少なくとも1つの細胞老化関連分泌形質(SASP)因子、または少なくとも1つのSASP因子を分泌する少なくとも1つの老化細胞を脱毛に罹患した領域において対象にデリバリーすることを含み、少なくとも1つの老化細胞は、非複製的であるか、または非複製的形質を呈する少なくとも1つの細胞を含み、少なくとも1つの老化細胞または少なくとも1つのSASP因子のデリバリーは、脱毛に罹患した領域において毛包の成長期の延長および休止期の短縮のうちの1つ以上を誘導し、毛包の成長期の延長および/または休止期の短縮は、脱毛に罹患した領域において対象における発毛を向上させるまたは誘導する、方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱毛に罹患した領域において対象における発毛を向上させるまたは誘導するための方法であって、
少なくとも1つの細胞老化関連分泌形質(SASP)因子、または前記少なくとも1つのSASP因子を分泌する少なくとも1つの老化細胞を前記脱毛に罹患した領域において前記対象にデリバリーすること
を含み、
前記少なくとも1つの老化細胞は、非複製的であるか、または非複製的形質を呈する少なくとも1つの細胞を含み、
前記少なくとも1つの老化細胞または前記少なくとも1つのSASP因子のデリバリーは、前記脱毛に罹患した領域において毛包の成長期の延長および休止期の短縮のうちの1つ以上を誘導し、
前記毛包の前記成長期の延長および/または前記休止期の短縮は、前記脱毛に罹患した領域において前記対象における発毛を向上させるまたは誘導する、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの老化細胞は、メラノサイトである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メラノサイトは、母斑由来である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記母斑は、有毛母斑である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記SASP因子は、オステオポンチンポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記オステオポンチンポリペプチドは、骨髄細胞を前記脱毛に罹患した領域に動員する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記骨髄細胞は、さらなるオステオポンチンポリペプチドまたはSASP因子を分泌して、前記脱毛に罹患した領域において前記対象における発毛をさらに向上させるまたは誘導する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記デリバリーすることは、前記少なくとも1つの老化細胞の局所デリバリーを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記局所デリバリーは、マイクロニードルデバイスの適用に続いて行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記局所デリバリーは、フラクショナルレーザー処置の適用に続いて行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記デリバリーすることは、前記少なくともSASP因子の局所デリバリーを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記局所デリバリーは、マイクロニードルデバイスの適用に続いて行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記局所デリバリーは、フラクショナルレーザー処置の適用に続いて行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの老化細胞種を脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む、方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの老化細胞種は、老化細胞の集団である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記老化細胞の集団は、純粋な老化細胞の集団である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの老化細胞は、ヒト老化細胞である、請求項14から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの老化細胞は、老化メラノサイト、老化線維芽細胞、老化ケラチノサイト、および老化脂肪細胞からなる群から選択される、請求項14から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
SASP由来の少なくとも1つの因子を脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む、方法。
【請求項20】
SASP由来の少なくとも1つの因子および免疫細胞種由来の少なくとも1つの因子を脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む、方法。
【請求項21】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、SASP分子のカクテルである、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、アンジオゲニン(ANG)、アンフィレギュリン(AREG)、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL1)、C-Cモチーフケモカインリガンド11(CCL11)、C-Cモチーフケモカインリガンド13(CCL13)、C-Cモチーフケモカインリガンド16(CCL16)、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、C-Cモチーフケモカインリガンド20(CCL20)、C-Cモチーフケモカインリガンド25(CCL25)、C-Cモチーフケモカインリガンド26(CCL26)、C-Cモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、C-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7)、C-Cモチーフケモカインリガンド8(CCL8)、コロニー刺激因子2(CSF2)、コロニー刺激因子3(CSF3)、カテプシンB(CTSB)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド13(CXCL13)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド2(CXCL2)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド3(CXCL3)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、dickkopf WNTシグナル伝達経路インヒビター1(DKK1)、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、エピレギュリン(EREG)、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)、線維芽細胞増殖因子7(FGF7)、フィブロネクチン1(FN1)、ヘパリン結合EGF様増殖因子(HBEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞間接着分子1(ICAM1)、細胞間接着分子3(ICAM3)、インターフェロンガンマ(IFNG)、インスリン様増殖因子1(IGF1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質1(IGFBP1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2)、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(IGFBP3)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(IGFBP4)、インスリン様増殖因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インスリン様増殖因子結合タンパク質6(IGFBP6)、インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)、インターロイキン12B(IL12B)、インターロイキン13(IL13)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン1アルファ(IL1A)、インターロイキン1ベータ(IL1B)、インターロイキン21(IL21)、インターロイキン4(IL4)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン6シグナル伝達物質(IL6ST)、インターロイキン7(IL7)、ガレクチン9(LGALS9)、マクロファージ遊走阻止因子(グリコシル化阻害因子)(MIF)、水晶体線維の主要内在性タンパク質(MIP)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子サブユニットB(PDGFB)、ホスファチジルイノシトールグリカン型アンカー生合成クラスF(PIGF)、プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ受容体(PLAUR)、プロラクチン(PRL)、セルピンファミリーBメンバー2(SERPINB2)、セルピンファミリーEメンバー1(SERPINE1)、オステオポンチン(SPP1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGFB1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ2(TGFB2)、腫瘍壊死因子(TNF)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー10c(TNFRSF10C)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー11b(TNFRSF11B)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNFRSF1B)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー13(TNFSF13)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、Wntファミリーメンバー16(WNT16)、およびWntファミリーメンバー5A(WNT5A)からなる群から選択される、請求項19から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記免疫細胞は、マクロファージ、好中球、B細胞、T細胞、好酸球、好塩基球、リンパ球、および単球からなる群から選択される、請求項20から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
デリバリーに先立って任意の1つ以上の阻害因子のSASP分子の前記カクテルを欠乏させることをさらに含む、請求項21から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
デリバリーすることは、少なくとも1つの皮内注射を含む、請求項14から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの皮内注射は、複数の繰り返しの皮内注射を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも1つの正常な細胞を少なくとも1つの発がん因子に曝露することを含む、老化細胞を生じさせる方法。
【請求項28】
少なくとも1つの正常な細胞を少なくとも1つの老化誘導因子に曝露することを含む、老化細胞を生じさせる方法であって、
前記老化誘導因子は、BRAFV600E、NRASQ61R、HRASG12V、p21CIP/WAF、p16INK4A、およびp14ARFからなる群から選択される、方法。
【請求項29】
SASP由来の少なくとも1つの因子を含む、組成物。
【請求項30】
SASP由来の少なくとも1つの因子および少なくとも1つの免疫細胞を含む、組成物。
【請求項31】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、SASP分子のカクテルである、請求項29または30に記載の組成物。
【請求項32】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、アンジオゲニン(ANG)、アンフィレギュリン(AREG)、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL1)、C-Cモチーフケモカインリガンド11(CCL11)、C-Cモチーフケモカインリガンド13(CCL13)、C-Cモチーフケモカインリガンド16(CCL16)、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、C-Cモチーフケモカインリガンド20(CCL20)、C-Cモチーフケモカインリガンド25(CCL25)、C-Cモチーフケモカインリガンド26(CCL26)、C-Cモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、C-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7)、C-Cモチーフケモカインリガンド8(CCL8)、コロニー刺激因子2(CSF2)、コロニー刺激因子3(CSF3)、カテプシンB(CTSB)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド13(CXCL13)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド2(CXCL2)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド3(CXCL3)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、dickkopf WNTシグナル伝達経路インヒビター1(DKK1)、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、エピレギュリン(EREG)、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)、線維芽細胞増殖因子7(FGF7)、フィブロネクチン1(FN1)、ヘパリン結合EGF様増殖因子(HBEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞間接着分子1(ICAM1)、細胞間接着分子3(ICAM3)、インターフェロンガンマ(IFNG)、インスリン様増殖因子1(IGF1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質1(IGFBP1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2)、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(IGFBP3)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(IGFBP4)、インスリン様増殖因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インスリン様増殖因子結合タンパク質6(IGFBP6)、インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)、インターロイキン12B(IL12B)、インターロイキン13(IL13)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン1アルファ(IL1A)、インターロイキン1ベータ(IL1B)、インターロイキン21(IL21)、インターロイキン4(IL4)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン6シグナル伝達物質(IL6ST)、インターロイキン7(IL7)、ガレクチン9(LGALS9)、マクロファージ遊走阻止因子(グリコシル化阻害因子)(MIF)、水晶体線維の主要内在性タンパク質(MIP)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子サブユニットB(PDGFB)、ホスファチジルイノシトールグリカン型アンカー生合成クラスF(PIGF)、プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ受容体(PLAUR)、プロラクチン(PRL)、セルピンファミリーBメンバー2(SERPINB2)、セルピンファミリーEメンバー1(SERPINE1)、オステオポンチン(SPP1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGFB1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ2(TGFB2)、腫瘍壊死因子(TNF)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー10c(TNFRSF10C)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー11b(TNFRSF11B)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNFRSF1B)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー13(TNFSF13)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、Wntファミリーメンバー16(WNT16)、およびWntファミリーメンバー5A(WNT5A)からなる群から選択される、請求項29から31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
前記少なくとも1つの免疫細胞は、マクロファージである、請求項30から32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
デリバリーすることは、マイクロニードルデバイスまたはフラクショナルレーザー処置の適用に続く局所デリバリーを含む、請求項14から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
実質的にSASP由来の因子から構成される組成物をデリバリーすることを含む、方法。
【請求項36】
前記SASP由来の因子は、アンジオゲニン(ANG)、アンフィレギュリン(AREG)、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL1)、C-Cモチーフケモカインリガンド11(CCL11)、C-Cモチーフケモカインリガンド13(CCL13)、C-Cモチーフケモカインリガンド16(CCL16)、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、C-Cモチーフケモカインリガンド20(CCL20)、C-Cモチーフケモカインリガンド25(CCL25)、C-Cモチーフケモカインリガンド26(CCL26)、C-Cモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、C-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7)、C-Cモチーフケモカインリガンド8(CCL8)、コロニー刺激因子2(CSF2)、コロニー刺激因子3(CSF3)、カテプシンB(CTSB)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド13(CXCL13)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド2(CXCL2)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド3(CXCL3)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、dickkopf WNTシグナル伝達経路インヒビター1(DKK1)、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、エピレギュリン(EREG)、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)、線維芽細胞増殖因子7(FGF7)、フィブロネクチン1(FN1)、ヘパリン結合EGF様増殖因子(HBEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞間接着分子1(ICAM1)、細胞間接着分子3(ICAM3)、インターフェロンガンマ(IFNG)、インスリン様増殖因子1(IGF1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質1(IGFBP1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2)、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(IGFBP3)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(IGFBP4)、インスリン様増殖因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インスリン様増殖因子結合タンパク質6(IGFBP6)、インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)、インターロイキン12B(IL12B)、インターロイキン13(IL13)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン1アルファ(IL1A)、インターロイキン1ベータ(IL1B)、インターロイキン21(IL21)、インターロイキン4(IL4)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン6シグナル伝達物質(IL6ST)、インターロイキン7(IL7)、ガレクチン9(LGALS9)、マクロファージ遊走阻止因子(グリコシル化阻害因子)(MIF)、水晶体線維の主要内在性タンパク質(MIP)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子サブユニットB(PDGFB)、ホスファチジルイノシトールグリカン型アンカー生合成クラスF(PIGF)、プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ受容体(PLAUR)、プロラクチン(PRL)、セルピンファミリーBメンバー2(SERPINB2)、セルピンファミリーEメンバー1(SERPINE1)、オステオポンチン(SPP1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGFB1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ2(TGFB2)、腫瘍壊死因子(TNF)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー10c(TNFRSF10C)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー11b(TNFRSF11B)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNFRSF1B)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー13(TNFSF13)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、Wntファミリーメンバー16(WNT16)、およびWntファミリーメンバー5A(WNT5A)を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1つの老化細胞およびSASP由来の少なくとも1つの因子を脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む、方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの老化細胞は、老化メラノサイト、老化線維芽細胞、老化ケラチノサイト、および老化脂肪細胞からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、アンジオゲニン(ANG)、アンフィレギュリン(AREG)、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL1)、C-Cモチーフケモカインリガンド11(CCL11)、C-Cモチーフケモカインリガンド13(CCL13)、C-Cモチーフケモカインリガンド16(CCL16)、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、C-Cモチーフケモカインリガンド20(CCL20)、C-Cモチーフケモカインリガンド25(CCL25)、C-Cモチーフケモカインリガンド26(CCL26)、C-Cモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、C-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7)、C-Cモチーフケモカインリガンド8(CCL8)、コロニー刺激因子2(CSF2)、コロニー刺激因子3(CSF3)、カテプシンB(CTSB)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド13(CXCL13)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド2(CXCL2)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド3(CXCL3)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、dickkopf WNTシグナル伝達経路インヒビター1(DKK1)、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、エピレギュリン(EREG)、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)、線維芽細胞増殖因子7(FGF7)、フィブロネクチン1(FN1)、ヘパリン結合EGF様増殖因子(HBEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞間接着分子1(ICAM1)、細胞間接着分子3(ICAM3)、インターフェロンガンマ(IFNG)、インスリン様増殖因子1(IGF1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質1(IGFBP1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2)、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(IGFBP3)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(IGFBP4)、インスリン様増殖因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インスリン様増殖因子結合タンパク質6(IGFBP6)、インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)、インターロイキン12B(IL12B)、インターロイキン13(IL13)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン1アルファ(IL1A)、インターロイキン1ベータ(IL1B)、インターロイキン21(IL21)、インターロイキン4(IL4)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン6シグナル伝達物質(IL6ST)、インターロイキン7(IL7)、ガレクチン9(LGALS9)、マクロファージ遊走阻止因子(グリコシル化阻害因子)(MIF)、水晶体線維の主要内在性タンパク質(MIP)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子サブユニットB(PDGFB)、ホスファチジルイノシトールグリカン型アンカー生合成クラスF(PIGF)、プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ受容体(PLAUR)、プロラクチン(PRL)、セルピンファミリーBメンバー2(SERPINB2)、セルピンファミリーEメンバー1(SERPINE1)、オステオポンチン(SPP1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGFB1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ2(TGFB2)、腫瘍壊死因子(TNF)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー10c(TNFRSF10C)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー11b(TNFRSF11B)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNFRSF1B)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー13(TNFSF13)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、Wntファミリーメンバー16(WNT16)、およびWntファミリーメンバー5A(WNT5A)からなる群から選択される、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
SASP由来の少なくとも1つの因子および少なくとも1つの免疫細胞由来の少なくとも1つの因子をデリバリーすることを含む、方法。
【請求項41】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、アンジオゲニン(ANG)、アンフィレギュリン(AREG)、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL1)、C-Cモチーフケモカインリガンド11(CCL11)、C-Cモチーフケモカインリガンド13(CCL13)、C-Cモチーフケモカインリガンド16(CCL16)、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、C-Cモチーフケモカインリガンド20(CCL20)、C-Cモチーフケモカインリガンド25(CCL25)、C-Cモチーフケモカインリガンド26(CCL26)、C-Cモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、C-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7)、C-Cモチーフケモカインリガンド8(CCL8)、コロニー刺激因子2(CSF2)、コロニー刺激因子3(CSF3)、カテプシンB(CTSB)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド13(CXCL13)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド2(CXCL2)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド3(CXCL3)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、dickkopf WNTシグナル伝達経路インヒビター1(DKK1)、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、エピレギュリン(EREG)、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)、線維芽細胞増殖因子7(FGF7)、フィブロネクチン1(FN1)、ヘパリン結合EGF様増殖因子(HBEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞間接着分子1(ICAM1)、細胞間接着分子3(ICAM3)、インターフェロンガンマ(IFNG)、インスリン様増殖因子1(IGF1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質1(IGFBP1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2)、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(IGFBP3)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(IGFBP4)、インスリン様増殖因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インスリン様増殖因子結合タンパク質6(IGFBP6)、インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)、インターロイキン12B(IL12B)、インターロイキン13(IL13)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン1アルファ(IL1A)、インターロイキン1ベータ(IL1B)、インターロイキン21(IL21)、インターロイキン4(IL4)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン6シグナル伝達物質(IL6ST)、インターロイキン7(IL7)、ガレクチン9(LGALS9)、マクロファージ遊走阻止因子(グリコシル化阻害因子)(MIF)、水晶体線維の主要内在性タンパク質(MIP)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子サブユニットB(PDGFB)、ホスファチジルイノシトールグリカン型アンカー生合成クラスF(PIGF)、プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ受容体(PLAUR)、プロラクチン(PRL)、セルピンファミリーBメンバー2(SERPINB2)、セルピンファミリーEメンバー1(SERPINE1)、オステオポンチン(SPP1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGFB1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ2(TGFB2)、腫瘍壊死因子(TNF)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー10c(TNFRSF10C)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー11b(TNFRSF11B)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNFRSF1B)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー13(TNFSF13)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、Wntファミリーメンバー16(WNT16)、およびWntファミリーメンバー5A(WNT5A)からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記免疫細胞は、マクロファージ、好中球、B細胞、T細胞、好酸球、好塩基球、リンパ球、および単球からなる群から選択される、請求項39または40に記載の方法。
【請求項43】
複製老化を実現するために細胞を繰り返し継代することを含む、老化細胞を生じさせる方法。
【請求項44】
少なくとも1種類の免疫細胞とともに培養された老化細胞由来の少なくとも1つの因子を含む、組成物。
【請求項45】
前記老化細胞由来の少なくとも1つの因子は、アンジオゲニン(ANG)、アンフィレギュリン(AREG)、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL1)、C-Cモチーフケモカインリガンド11(CCL11)、C-Cモチーフケモカインリガンド13(CCL13)、C-Cモチーフケモカインリガンド16(CCL16)、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、C-Cモチーフケモカインリガンド20(CCL20)、C-Cモチーフケモカインリガンド25(CCL25)、C-Cモチーフケモカインリガンド26(CCL26)、C-Cモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、C-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7)、C-Cモチーフケモカインリガンド8(CCL8)、コロニー刺激因子2(CSF2)、コロニー刺激因子3(CSF3)、カテプシンB(CTSB)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド13(CXCL13)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド2(CXCL2)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド3(CXCL3)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、dickkopf WNTシグナル伝達経路インヒビター1(DKK1)、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、エピレギュリン(EREG)、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)、線維芽細胞増殖因子7(FGF7)、フィブロネクチン1(FN1)、ヘパリン結合EGF様増殖因子(HBEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞間接着分子1(ICAM1)、細胞間接着分子3(ICAM3)、インターフェロンガンマ(IFNG)、インスリン様増殖因子1(IGF1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質1(IGFBP1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2)、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(IGFBP3)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(IGFBP4)、インスリン様増殖因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インスリン様増殖因子結合タンパク質6(IGFBP6)、インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)、インターロイキン12B(IL12B)、インターロイキン13(IL13)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン1アルファ(IL1A)、インターロイキン1ベータ(IL1B)、インターロイキン21(IL21)、インターロイキン4(IL4)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン6シグナル伝達物質(IL6ST)、インターロイキン7(IL7)、ガレクチン9(LGALS9)、マクロファージ遊走阻止因子(グリコシル化阻害因子)(MIF)、水晶体線維の主要内在性タンパク質(MIP)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子サブユニットB(PDGFB)、ホスファチジルイノシトールグリカン型アンカー生合成クラスF(PIGF)、プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ受容体(PLAUR)、プロラクチン(PRL)、セルピンファミリーBメンバー2(SERPINB2)、セルピンファミリーEメンバー1(SERPINE1)、オステオポンチン(SPP1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGFB1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ2(TGFB2)、腫瘍壊死因子(TNF)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー10c(TNFRSF10C)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー11b(TNFRSF11B)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNFRSF1B)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー13(TNFSF13)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、Wntファミリーメンバー16(WNT16)、およびWntファミリーメンバー5A(WNT5A)からなる群から選択される、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
老化細胞が、老化メラノサイト、老化線維芽細胞、老化ケラチノサイト、および老化脂肪細胞からなるからなる群から選択される、請求項43または44に記載の組成物。
【請求項47】
前記少なくとも1種類の免疫細胞は、マクロファージ、好中球、B細胞、T細胞、好酸球、好塩基球、リンパ球、および単球からなる群から選択される、請求項43から45のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
請求項43から46のいずれか1項に記載の組成物を使用することを含む方法であって、前記組成物を脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む、方法。
【請求項49】
SASP由来のすべての因子を含む、組成物。
【請求項50】
アンジオゲニン(ANG)、アンフィレギュリン(AREG)、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL1)、C-Cモチーフケモカインリガンド11(CCL11)、C-Cモチーフケモカインリガンド13(CCL13)、C-Cモチーフケモカインリガンド16(CCL16)、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)、C-Cモチーフケモカインリガンド20(CCL20)、C-Cモチーフケモカインリガンド25(CCL25)、C-Cモチーフケモカインリガンド26(CCL26)、C-Cモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、C-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7)、C-Cモチーフケモカインリガンド8(CCL8)、コロニー刺激因子2(CSF2)、コロニー刺激因子3(CSF3)、カテプシンB(CTSB)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド1(CXCL1)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド13(CXCL13)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド2(CXCL2)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド3(CXCL3)、C-X-Cモチーフケモカインリガンド8(CXCL8)、dickkopf WNTシグナル伝達経路インヒビター1(DKK1)、上皮増殖因子(EGF)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、エピレギュリン(EREG)、線維芽細胞増殖因子2(FGF2)、線維芽細胞増殖因子7(FGF7)、フィブロネクチン1(FN1)、ヘパリン結合EGF様増殖因子(HBEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、細胞間接着分子1(ICAM1)、細胞間接着分子3(ICAM3)、インターフェロンガンマ(IFNG)、インスリン様増殖因子1(IGF1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質1(IGFBP1)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2)、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(IGFBP3)、インスリン様増殖因子結合タンパク質4(IGFBP4)、インスリン様増殖因子結合タンパク質5(IGFBP5)、インスリン様増殖因子結合タンパク質6(IGFBP6)、インスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)、インターロイキン12B(IL12B)、インターロイキン13(IL13)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン1アルファ(IL1A)、インターロイキン1ベータ(IL1B)、インターロイキン21(IL21)、インターロイキン4(IL4)、インターロイキン6(IL6)、インターロイキン6シグナル伝達物質(IL6ST)、インターロイキン7(IL7)、ガレクチン9(LGALS9)、マクロファージ遊走阻止因子(グリコシル化阻害因子)(MIF)、水晶体線維の主要内在性タンパク質(MIP)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子サブユニットB(PDGFB)、ホスファチジルイノシトールグリカン型アンカー生合成クラスF(PIGF)、プラスミノーゲン活性化因子、ウロキナーゼ受容体(PLAUR)、プロラクチン(PRL)、セルピンファミリーBメンバー2(SERPINB2)、セルピンファミリーEメンバー1(SERPINE1)、オステオポンチン(SPP1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ1(TGFB1)、トランスフォーミング増殖因子ベータ2(TGFB2)、腫瘍壊死因子(TNF)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー10c(TNFRSF10C)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー11b(TNFRSF11B)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNFRSF1B)、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー13(TNFSF13)、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)、Wntファミリーメンバー16(WNT16)、およびWntファミリーメンバー5A(WNT5A)を含む、組成物。
【請求項51】
少なくとも1つの免疫細胞を少なくとも1つの老化細胞とともに培養することから得られる因子のカクテルをデリバリーすることを含む、方法。
【請求項52】
前記少なくとも1つの免疫細胞は、マクロファージ、好中球、B細胞、T細胞、好酸球、好塩基球、リンパ球、および単球からなる群から選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記少なくとも1つの老化細胞は、老化メラノサイト、老化線維芽細胞、老化ケラチノサイト、および老化脂肪細胞からなる群から選択される、請求項1、50および51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、Angptl4、Axl、Bmp4、C1qtnf2、C1qtnf5、C1qtnf7、Ccl17、Ccl4、Ccl5、Ccl6、Ccl9、Ctsb、Cxcl12、Cxcl9、Dhh、Dkk3、Fgf7、Frzb、Fstl1、Gdf10、Igfbp2、Igfbp4、Igfbp7、Il10、Il1a、Il1f9、Inhba、Insl6、Mif、Mmp11、Mmp12、Mmp14、Mmp2、Mmp23、Mmp3、Nrg2、Ogn、Omd、Pdgfa、Plat、Postn、Retnla、Sct、Sparc、Spp1、Timp1、Tnf、Tnfaip6、Wif1、およびWisp1からなる群から選択される、請求項1、19から21、37、38、および40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、ANGPTL7、BAMBI、CCL18、DKKL1、FGFBP2、FRZB、GDF1、GDF10、GDF11、GDF15、IL17D、MMP17、PDGFD、SPP1、TNFSF12、C1QTNF5、NRG3、PLAT、およびTIMP2からなる群から選択されるヒト母斑皮膚に固有の因子である、請求項1、19から21、37、38、または40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記SASP由来の因子は、Angptl4、Axl、Bmp4、C1qtnf2、C1qtnf5、C1qtnf7、Ccl17、Ccl4、Ccl5、Ccl6、Ccl9、Ctsb、Cxcl12、Cxcl9、Dhh、Dkk3、Fgf7、Frzb、Fstl1、Gdf10、Igfbp2、Igfbp4、Igfbp7、Il10、Il1a、Il1f9、Inhba、Insl6、Mif、Mmp11、Mmp12、Mmp14、Mmp2、Mmp23、Mmp3、Nrg2、Ogn、Omd、Pdgfa、Plat、Postn、Retnla、Sct、Sparc、Spp1、Timp1、Tnf、Tnfaip6、Wif1、およびWisp1からなる群から選択される因子を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項57】
前記SASP由来の因子は、ANGPTL7、BAMBI、CCL18、DKKL1、FGFBP2、FRZB、GDF1、GDF10、GDF11、GDF15、IL17D、MMP17、PDGFD、SPP1、TNFSF12、C1QTNF5、NRG3、PLAT、およびTIMP2からなる群から選択されるヒト母斑皮膚に固有の因子を含む、請求項35に記載の組成物。
【請求項58】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、Angptl4、Axl、Bmp4、C1qtnf2、C1qtnf5、C1qtnf7、Ccl17、Ccl4、Ccl5、Ccl6、Ccl9、Ctsb、Cxcl12、Cxcl9、Dhh、Dkk3、Fgf7、Frzb、Fstl1、Gdf10、Igfbp2、Igfbp4、Igfbp7、Il10、Il1a、Il1f9、Inhba、Insl6、Mif、Mmp11、Mmp12、Mmp14、Mmp2、Mmp23、Mmp3、Nrg2、Ogn、Omd、Pdgfa、Plat、Postn、Retnla、Sct、Sparc、Spp1、Timp1、Tnf、Tnfaip6、Wif1、およびWisp1からなる群から選択される、請求項29から31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項59】
前記SASP由来の少なくとも1つの因子は、ANGPTL7、BAMBI、CCL18、DKKL1、FGFBP2、FRZB、GDF1、GDF10、GDF11、GDF15、IL17D、MMP17、PDGFD、SPP1、TNFSF12、C1QTNF5、NRG3、PLAT、およびTIMP2からなる群から選択されるヒト母斑皮膚に固有の因子である、請求項29から31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項60】
前記老化細胞由来の少なくとも1つの因子は、Angptl4、Axl、Bmp4、C1qtnf2、C1qtnf5、C1qtnf7、Ccl17、Ccl4、Ccl5、Ccl6、Ccl9、Ctsb、Cxcl12、Cxcl9、Dhh、Dkk3、Fgf7、Frzb、Fstl1、Gdf10、Igfbp2、Igfbp4、Igfbp7、Il10、Il1a、Il1f9、Inhba、Insl6、Mif、Mmp11、Mmp12、Mmp14、Mmp2、Mmp23、Mmp3、Nrg2、Ogn、Omd、Pdgfa、Plat、Postn、Retnla、Sct、Sparc、Spp1、Timp1、Tnf、Tnfaip6、Wif1、およびWisp1からなる群から選択される、請求項44に記載の組成物。
【請求項61】
前記老化細胞由来の少なくとも1つの因子は、ANGPTL7、BAMBI、CCL18、DKKL1、FGFBP2、FRZB、GDF1、GDF10、GDF11、GDF15、IL17D、MMP17、PDGFD、SPP1、TNFSF12、C1QTNF5、NRG3、PLAT、およびTIMP2からなる群から選択されるヒト母斑皮膚に固有の因子である、請求項44に記載の組成物。
【請求項62】
以下のSASP因子を含む組成物:Angptl4、Axl、Bmp4、C1qtnf2、C1qtnf5、C1qtnf7、Ccl17、Ccl4、Ccl5、Ccl6、Ccl9、Ctsb、Cxcl12、Cxcl9、Dhh、Dkk3、Fgf7、Frzb、Fstl1、Gdf10、Igfbp2、Igfbp4、Igfbp7、Il10、Il1a、Il1f9、Inhba、Insl6、Mif、Mmp11、Mmp12、Mmp14、Mmp2、Mmp23、Mmp3、Nrg2、Ogn、Omd、Pdgfa、Plat、Postn、Retnla、Sct、Sparc、Spp1、Timp1、Tnf、Tnfaip6、Wif1、およびWisp1。
【請求項63】
以下のヒト母斑皮膚のSASP因子を含む組成物:ANGPTL7、BAMBI、CCL18、DKKL1、FGFBP2、FRZB、GDF1、GDF10、GDF11、GDF15、IL17D、MMP17、PDGFD、SPP1、TNFSF12、C1QTNF5、NRG3、PLAT、およびTIMP2。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年3月23日に出願された米国特許仮出願第62/475,688号の利益を主張するものである。上記の出願の内容は、参照によってその全体が本明細書に明確に組み込まれたものとする。
【0002】
分野
(i)脱毛を処置する方法、(ii)老化細胞を得て、それを発毛刺激のために皮膚にデリバリーするための方法、ならびに(iii)老化細胞関連分泌形質(senescent cell associated secretory phenotype)(SASP)分子およびその組み合わせを生成し、発毛刺激のためにそれを皮膚にデリバリーするための方法の実施形態が本明細書に記載されている。
【背景技術】
【0003】
背景
脱毛(脱毛症)は、(i)毛髪再生周期の増殖期(growth phase)(成長期(anagen phase)とも呼ばれる)の短縮の結果、段々に短い毛髪が産生される、(ii)周期の静止期(rest phase)(休止期(telogen phase)とも呼ばれる)の延長の結果、毛包が新しい毛髪を産生することを止めるか、または(iii)上記2つのメカニズムの組み合わせに起因する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の利用可能な脱毛に対する処置には、増殖期の継続時間を延長するためのアプローチが含まれる。当該技術分野では、静止期を短縮することを含む脱毛処置および効果的に休止状態の毛包を休止期から成長期へ移行させる処置が不足している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態において、脱毛に罹患した領域において対象における発毛を向上させるまたは誘導するための方法が提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、少なくとも1つの細胞老化関連分泌形質(SASP)因子、または前記少なくとも1つのSASP因子を分泌する少なくとも1つの老化細胞もしくは細胞種を脱毛に罹患した領域において対象にデリバリーすることを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞または細胞種は、非複製的であるか、または非複製的形質を呈する少なくとも1つの細胞種を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞もしくは細胞種または少なくとも1つのSASP因子のデリバリーは、脱毛に罹患した領域において毛包の成長期の延長および休止期の短縮のうちの1つ以上を誘導する。いくつかの実施形態において、毛包の成長期の延長および/または休止期の短縮は、脱毛に罹患した領域において対象における発毛を向上させるまたは誘導する。
【0006】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞は、メラノサイトである。いくつかの実施形態において、メラノサイトは、母斑皮膚由来のものである。いくつかの実施形態において、母斑は、有毛母斑である。いくつかの実施形態において、SASP因子は、オステオポンチンポリペプチドである。いくつかの実施形態において、オステオポンチンポリペプチドは、骨髄細胞を脱毛に罹患した領域に動員する。いくつかの実施形態において、骨髄細胞は、さらなるオステオポンチンポリペプチドまたは他のSASP因子を分泌して、脱毛に罹患した領域において対象における発毛をさらに向上させるまたは誘導する。いくつかの実施形態において、デリバリーすることは、少なくとも1つの老化細胞または細胞種の局所デリバリーを含む。いくつかの実施形態において、局所デリバリーは、マイクロニードルデバイスの適用に続いて行われる。いくつかの実施形態において、局所デリバリーは、フラクショナルレーザー処置の適用に続いて行われる。いくつかの実施形態において、デリバリーすることは、少なくとも1つのSASP因子の局所デリバリーを含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、局所デリバリーは、マイクロニードルデバイスの適用に続いて行われる。いくつかの実施形態において、局所デリバリーは、フラクショナルレーザー処置の適用に続いて行われる。
【0008】
いくつかの実施形態において、少なくとも1種類の老化細胞または細胞種を皮膚の脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む方法が提供される。
【0009】
いくつかの実施形態において、老化細胞によって分泌される少なくとも1つの因子、すなわち、老化細胞関連分泌形質(SASP)分子を皮膚の脱毛に罹患した領域に注射することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態において、少なくとも1種類の正常な細胞を少なくとも1つの発がん因子に曝露して、その老化を誘導することを含む方法が提供される。
【0010】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの正常な細胞を少なくとも1種類の老化誘導因子に曝露することを含む方法が提供される。
【0011】
いくつかの実施形態において、少なくとも部分的に、実質的に、または完全にSASP由来の因子から構成される組成物をデリバリーすることを含む方法が提供される。
【0012】
いくつかの実施形態において、SASP由来の少なくとも1つの因子および少なくとも1つの老化細胞または細胞種を脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む方法が提供される。
【0013】
いくつかの実施形態において、SASP由来の少なくとも1つの因子および免疫細胞由来の少なくとも1つの因子を脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む方法が提供される。
【0014】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞を少なくとも1つの免疫細胞または細胞種と共培養することによって産生される因子のカクテルをデリバリーすることを含む方法が提供される。
【0015】
いくつかの実施形態において、SASP由来の少なくとも1つの因子を含む組成物が提供される。
【0016】
いくつかの実施形態において、SASP因子としては、Angptl4、Axl、Bmp4、C1qtnf2、C1qtnf5、C1qtnf7、Ccl17、Ccl4、Ccl5、Ccl6、Ccl9、Ctsb、Cxcl12、Cxcl9、Dhh、Dkk3、Fgf7、Frzb、Fstl1、Gdf10、Igfbp2、Igfbp4、Igfbp7、Il10、Il1a、Il1f9、Inhba、Insl6、Mif、Mmp11、Mmp12、Mmp14、Mmp2、Mmp23、Mmp3、Nrg2、Ogn、Omd、Pdgfa、Plat、Postn、Retnla、Sct、Sparc、Spp1、Timp1、Tnf、Tnfaip6、Wif1、およびWisp1が挙げられる。いくつかの実施形態において、ヒト母斑皮膚に固有のSASP因子:ANGPTL7、BAMBI、CCL18、DKKL1、FGFBP2、FRZB、GDF1、GDF10、GDF11、GDF15、IL17D、MMP17、PDGFD、SPP1、TNFSF12、C1QTNF5、NRG3、PLAT、およびTIMP2。
【0017】
いくつかの実施形態において、少なくとも1種類の免疫細胞または細胞種とともに培養された老化細胞由来の少なくとも1つの因子を含む組成物が提供される。
【0018】
いくつかの実施形態において、一部またはすべてのSASP由来の因子を含む組成物が提供される。
【0019】
いくつかの実施形態において、表1.1に列挙されているすべての因子を含む組成物が提供される。
【0020】
上で概要が示され、下でさらに詳細に記載される組成物および関連する方法は、専門家が行う特定の行為を記載するが、当然のことながら、それらは、別の関係者によるそうした行為の指示も含む場合がある。したがって、「少なくとも1つの老化細胞種を移植すること」などの行為は、「少なくとも1つの老化細胞種の移植を教示すること」を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、がん遺伝子により誘導される細胞老化の段階を示す。
【
図2】
図2は、有毛母斑の動物モデルであるTyr-Nras
Q61Kマウスの皮膚の毛包の周りの多くのTrp2陽性老化メラノサイトを示す画像を含む(右パネル)。正常な皮膚(左パネル)では、Trp2陽性正常メラノサイトは毛包内にのみ存在する(矢印)。
【
図3】
図3Aの上パネルは、Tyr-Nras
Q61Kマウスの皮膚におけるいわゆる毛包バルジ幹細胞の合計パーセンテージが著しくは改変されないことを示す。
図3Bの下パネルは、静止状態のバルジ幹細胞のパーセンテージが対照マウスと比較してはるかに低い(0.05%対14.2%)ことを示しており、これは、Tyr-Nras
Q61Kマウスの母斑皮膚の内部における毛包幹細胞の過剰活性化を示す。
図3Bは、一部の実施形態によると、Tyr-Nras
Q61Kマウスの皮膚が対照マウスからの皮膚(5.77%)と比較して、免疫細胞の数(20.7%)が著しく増加したことを示している。
【
図4】
図4A~4Bは、幼い小児の先天性の色素性母斑を示す。
図4C~4Dは、向上した再発毛を示すために生後50日目の剃毛後、および後の生後62日目の実験マウスおよび対照マウスの画像を含む。
図4E~Fは、生後56日目の実験マウスおよび対照マウスの組織学的データおよび画像を示す。
図4Fにおける白くなった皮膚のLacZ画像中の複数の箇所は、WNTシグナル伝達および発毛を示す。
図4Gは、生後のサンプル採取実施およびデータ収集のタイミングのタイムライン概要を示す。
【
図5】
図5A~5Eは、がん遺伝子により誘導された発毛を示す画像および実験を含む。
図5B~2Cは、実験の描写および得られたデータを含み、ここでは、FACSによって分離された細胞を野生型マウスに注射した。
図5Cは、注射した老化メラノサイト細胞に反応した発毛を示す。
図5D~5Eは、対照マウスおよび実験マウスにおける発毛または発毛の欠如を示す画像を含む。
【
図6】
図6A~6Gは、遺伝子発現の生物情報学的解析により生成されたデータおよび情報を示す。
図6Aのプロットは、主成分分析(PCA)の結果を示し、これは、遺伝子発現が野生型マウスと実験マウスの間で幹細胞を変化させることを示す。
図6Bは、野生型マウスと実験マウスの間の差次的に発現した遺伝子のヒートマップを含む。
図6Bはまた、生後30日目および56日目の野生型マウスと比較した実験マウスの有毛母斑幹細胞においてアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた遺伝子のベン図も含む。
図6Cは、実験細胞および対照細胞に関するシングルセルRNA-seqデータを示す
図6Dからのヒートマップデータの遺伝子オントロジー解析を示す。
図6Eは、シングルセルシーケンシング解析からのバイオリンプロットを示す。
図6Fは、選択遺伝子に関するRNAシーケンシングデータを確認するqRT-PCRデータのプロットを含む。
図6Gは、野生型と比較して実験マウスにおいてダウンレギュレート(左の長方形)、またはアップレギュレート(右の長方形)されたシグナル伝達・転写関連遺伝子の表である。
図6Hおよび6H’は、毛包幹細胞におけるパルスチェイス実験からのデータおよび組織構造画像を示す。
図6Iは、培養されたGFP標識バルジ幹細胞および毛芽(HG)細胞の画像を含む。
図6I’は、付着細胞の平均数またはGFP標識バルジ幹細胞およびHG細胞の静止状態までの継代数のグラフによる描写を含む。
【
図7】
図7A~7Nは、メラノサイトの画像および解析のグラフィカルデータを含む。
図7A~7D、7Gおよび7Hは、バルクRNAシーケンシングの解析を含む。
図7Dは、母斑を有するマウスの皮膚から抽出された突然変異体メラノサイトにおいて増加したシグナル伝達因子(上部円)、および培養細胞において特定されたSASP因子(左および右円)を含むベン図を含む。
図7Eおよび7Fは、シングルセルRNAシーケンシングからのデータのプロットを含む。
図7Iは、皮膚細胞において測定された分泌および表面結合オステオポンチン(Spp1)タンパク質のプロットを示す。
図7Jは、マウス母斑皮膚におけるオステオポンチンの複数のアイソフォームのウエスタンブロットデータを示す。
図7Kは、Spp1に関する遺伝子レポーターアッセイの画像を含む。
図7Lは、データを収集した時点のデータおよび3色のタイムラインを示す。このデータは、Spp1が母斑発毛に関与する唯一の分子ではないことを示す。
図7Mは、対照マウスおよび実験マウスにおける創傷に誘導された発毛の写真およびグラフィカルデータを示す。
図7Nは、Spp1注射またはウシ血清アルブミン(BSA)対照後の発毛の写真およびグラフィカルデータを示す。
【
図8】
図8A~8Dは、骨髄細胞のRNAシーケンシングデータを含む。
図8Aは、PCAプロットである。
図8Bは、ヒートマップである。
図8Cは、遺伝子オントロジー解析を示す。
図8Dは、RNAシーケンシング解析によって特定された突然変異体骨髄細胞において差次的に発現した遺伝子のベン図および概要を含む。ベン図は、培養細胞において特定されたSASP因子(左円)、ならびにメラノサイト(下の円)および骨髄細胞(右円)のSASP因子を含む。
図8Eは、
図8A~8Dに示したRNAシーケンシング解析に関する遺伝子発現データを確認するqRT-PCRデータのプロットを含む。
図8Fおよび8Gは、骨髄細胞のシングルセル遺伝子発現解析を含む。
図8Hおよび8Iは、野生型マウスおよび実験マウスの皮膚にある骨髄細胞の画像を含む。
図8H’および8I’は、野生型マウスおよび実験マウス皮膚にある骨髄細胞の数の簡潔な定量情報を含むプロットである。
図8Jは、BSAまたはSpp1を注射したマウス皮膚の画像を含み、Spp1に応じた免疫細胞の到来を示す。
図8Kおよび8K’は、母斑皮膚の発毛の維持における骨髄細胞の関与を確認する画像およびグラフィカルデータを含む。
【
図9】
図9Aは、さまざまな細胞種におけるcd44発現のプロットを示す。
図9Bは、細胞種ごとに並べたcd44のアイソフォームを示す。
図9Cは、cd44に関する遺伝子レポーターアッセイの画像を含む。
図9Dおよび9D’は、オステオポンチンを含むビーズを注射した皮膚を示す画像およびグラフィカルデータを含む。
図9Eおよび9E’は、創傷に誘導された発毛を示す画像およびグラフィカルデータを含む。これらの図のデータは、オステオポンチンがcd44に作用して、その結果をもたらすことを示す。
図9Fおよび9F’は、休止期および成長期における生後52日目の実験マウスの画像を含む。
図9Gは、実験マウスのデータを収集した時点の概要を含む。
図9G’は、
図9Gに示した時点の実験マウスにおける異所性(ectopic)成長期HFを定量するプロットを含む。
【
図10】
図10A~10Iおよび10G’~10I’は、顔面有毛母斑を有する3人のヒト対象からのデータの描写を含む。各患者の有毛母斑皮膚、ならびに各患者からの対照非母斑皮膚に関するRNAシーケンシングデータを得た。
図10Aは、RNAシーケンシングデータのPCA分析である。
図10Bは、RNAシーケンシングデータのヒートマップである。
図10Cは、RNAシーケンシングデータの遺伝子オントロジー解析である。
図10Dは、ヒト対照皮膚と比較してヒト母斑皮膚でアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた遺伝子を示す。
図10Eは、対照皮膚と比較してヒト母斑皮膚においてアップレギュレートされた分子の概要、ならびにヒト母斑皮膚においてアップレギュレートされた遺伝子(左上の円)、実験マウスにおいてアップレギュレートされた遺伝子(下の円)、および培養細胞における遺伝子(右上の円)の間の重なる部分を示すベン図を含む。
図10Fは、qRT-PCRによって示されるヒト母斑における遺伝子の発現を示すグラフによる描写を含む。
図10G~10Iおよび10G’~10I’は、ヒト母斑および対照皮膚の組織構造画像を含む。
【
図11】
図11A~11Fは、生後15、23、44、62、69および100日目における実験マウスおよび対照マウスの組織学的データおよび画像を示し、それぞれの時点において、実験マウスが発毛していることを示す。
【
図12】
図12A~12Bは、アルビノバックグラウンドと交配した後またはそうでないものの生後56日目および100日目の対照マウスおよび実験Tyr-Nras
Q61Kマウスの組織学的データおよび画像を示す。これらのデータは、メラニンが必ずしもTyr-Nras
Q61Kマウスに見られる発毛の原因ではないことを示す。
【
図13】
図13A~13Bは、Tyr-CreER
T2;tdTomatoマウスの皮膚から細胞選別によって単離された蛍光老化メラノサイト(
図13Aのパネル)が免疫不全SCIDマウスの皮膚に注射されると、異所性発毛が誘導され得ることを示す(
図13Aの図、および
図13Bのパネルを参照)。
【
図14】
図14A~14Bは、対照マウスおよび実験マウスにおける発毛または発毛の欠如の画像を含む。
【
図15】
図15は、シングルセルシーケンシングデータにおける細胞周期の状態の解析を示す。
【
図16】
図16は、シングルセルシーケンシング解析からのバイオリンプロットを示す。
【
図17】
図17は、シングルセルシーケンシング解析からのバイオリンプロットを示す。
【
図18】
図18A~18Dは、HG細胞のRNAシーケンシング解析を示す。
【
図19】
図19A~19Eは、DP線維芽細胞のRNAシーケンシングデータのRNAシーケンシング解析およびqRT-PCR検証を示す。
【
図20】
図20A~20Dは、cd45造血細胞のRNAシーケンシング解析を示す。
【
図21】
図21A~21Cおよび21B’~21C’は、RNAシーケンシング解析の詳細な解析のグラフィカルデータを含む。
【
図22】
図22は、休止期(停止期)および成長期(増殖期)にある毛包の絵である。図は、バルジ、HG細胞およびDP細胞が毛包内に互いに関連してどこに存在するかを示す。図は、母斑皮膚における各細胞種のシグナル伝達変化の概要を示す。
【
図23】
図23A~23Bは、Spp1に関する遺伝子レポーターアッセイの画像を含む。Spp1の発現は、2つの時点で示されている(全組織および詳細な切片)。これらのデータは、Spp1が野生型よりも突然変異体マウスにおいてより産生されることを示す。
【
図24】
図24A~24Fは、生後のさまざまな時点における実験マウスおよび対照マウス皮膚の画像を含む。
【
図25】
図25A~25Bは、発毛におけるcd44の役割を示す画像を含む。
【
図26】
図26A~26Dは、生後30、56、69および100日目における休止期および成長期の実験マウスの画像を含む。
【
図27】
図27A~27Dは、生後のさまざまな時点における実験マウスおよび対照マウスならびに皮膚の画像を含む。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ヒトにおける脱毛(脱毛症とも呼ばれる)は、毛包による毛髪合成の生理的な周期的プロセスであるいわゆる毛周期の以下の2つの変化に起因する:(a)増殖期(成長期とも呼ばれる)の短縮の結果、段々に短い毛髪が産生されていく;および(b)静止期(休止期とも呼ばれる)の延長の結果、毛包が長期間すべて一緒に新しい毛髪を作ることを止める。
【0023】
脱毛に対する薬理学的な解決手段は、シグナル伝達経路を調節することを含み、これは、通常、全身、局部または局所デリバリーされる医薬品のいずれかを用いてより長い増殖期およびより短い静止期を誘導する。現在まで、最も顕著な抗脱毛効果は、さまざまなやり方でアンドロゲンシグナル伝達を低減する薬剤に対して記録され、その効果は、主に増殖期を延長することに向けられている。休止期から成長期への移行に対するアンドロゲンシグナル伝達の低減の効果は、大きくない。このため、例えば、フィナステリドの抗脱毛効果は、極めて段階的なものであり、完全に現れるのに数年かかる。特に、休止状態の毛包は、観察可能なフィナステリドの成長期延長効果のためにまず自発的に新しい成長期に入る必要がある。
【0024】
マウスでは、活性化または抑制が毛包の休止期から新しい成長期への移行を促進することが可能な多くの他のシグナル伝達経路が特定された。しかしながら、大部分はヒトでの増殖期活性化に対して、その効果が研究されていない。さらに、新しい増殖期を刺激することが可能ないくつかの重要なシグナル伝達分子は強力な増殖因子でもあり、これは、望ましくない場合が多い、多くの他のオフターゲット副作用(off-target side effect)を有する。例えば、マウスにおいて発毛を活性化させる(active)ことが可能なWNTシグナル伝達は、がん細胞の増殖を助長するシグナルも出す可能性がある。したがって、脱毛を処置するためにWNT分子を使用することは、皮膚腫瘍形成の高いリスクをもたらすかもしれない。
【0025】
現在まで、(i)新しい毛髪の増殖期を効率的に活性化させるため、および(ii)同時に増殖期の継続時間、よって毛髪の長さを増加させるためのヒトにおける治療的解決手段は存在しない。
【0026】
「有毛母斑」
「有毛母斑」は、研究中であり、ほとんど理解されていない現象である。母斑は、良性の皮膚病変の1種であり、これは、色素性で、増加した数の特殊なメラノサイトを含む。正常な皮膚と違って、有毛母斑皮膚病変は、いわゆる老化メラノサイトを多く含み、これは、発がん突然変異を得た結果として老化する。周辺の非母斑皮膚と比較して向上した発毛を伴うヒト毛髪母斑の例を
図5Aに示す。いわゆる細胞老化関連分泌形質(SASP)の活性化を含むがん遺伝子誘導性老化細胞形成の典型的な段階を
図1に示す。
【0027】
産毛と呼ばれる通常の体毛は、一般に非常に短く、細く、非色素性であることが多いため、ほとんど目に見えない。しかしながら、こうした毛髪は、母斑の境界内側にあると長く、太い有色の目立つ頭皮様の毛髪(硬毛とも呼ばれる)に変わる。臨床的に、多くの硬毛を得ることが最終的な目標である場合、産毛から硬毛への変化は極めて望ましく、脱毛を処置するための基礎をなす。
【0028】
いくつかのマウスモデルを使用した研究は、母斑皮膚にある特殊な老化メラノサイトが発毛を活性化させることができるかどうかの仮説を試験した。こうした研究は、老化メラノサイトが実際に顕著に発毛を向上させることを示した。これらの研究は、老化メラノサイトが、それが分泌するSASP因子によりこの効果を実現することも示した。一般に、SASPは、老化メラノサイトを含むすべての種類の老化細胞によって産生される炎症シグナル伝達経路のメンバー中で豊富な一連の分泌シグナル伝達分子である。
【0029】
「有毛母斑」由来の老化メラノサイトにおけるSASPプロフィール
有毛母斑皮膚由来の老化メラノサイトのSASPプロフィールは、選別細胞に対するRNAシーケンシングによって評価され、確立された。この分析から、個々の分子としてか、または組み合わせでのいずれかで母斑における発毛の促進に関与しているようである複数の候補分子プレーヤーが特定された。まとめると、このデータに基づいて、老化細胞由来のSASP因子が発毛を向上させる主要なものであることが確認された。これは、本明細書中で開示されているいくつかの実施形態による休止状態(休止期)の毛包を、老化細胞または老化細胞由来のSASPまたはSASPの成分のいずれかに曝露することが、その活性化を誘導し、発毛を向上させることを示す。
【0030】
さらに、このデータは、老化メラノサイト産生SASPはまた、免疫細胞、特に、マクロファージの皮膚への動員および活性化も誘導することを示している。選別された母斑皮膚のマクロファージに対するRNAシーケンシング研究は、それらが多くの同じSASP因子およびその他のさらなる炎症性サイトカインも分泌することを示した。したがって、事実上、マクロファージおよびその分泌分子が老化細胞由来のSASP因子の発毛誘導効果を増幅および増強する。したがって、マクロファージ由来のシグナル伝達因子とともにSASPまたはSASPの成分が発毛誘導効果の増強をもたらすことがある。
【0031】
発毛を誘導するために老化細胞、SASPおよび免疫細胞由来の因子を利用する実施形態
本明細書に記載されているいくつかの実施形態において、SASP因子は、皮膚注射のために、培養された老化メラノサイトまたは任意の他の種類の老化細胞(線維芽細胞、ケラチノサイトなど)から回収され、精製される。有利にも、さまざまな種類の老化細胞がそのSASP分子プロフィールの大部分を共有するため、さまざまな老化細胞が使用可能であることが確認された。本明細書に記載されているいくつかの実施形態において、分泌因子は、マクロファージなどの免疫細胞との老化細胞の共培養物から回収され、精製される。回収されたら、こうした「生理活性因子カクテル」は、以下に限定されないが、直接的な皮内注射、マイクロニードルデバイスまたはフラクショナルレーザー処置の適用を用いた局所デリバリーを含む多くの方法により皮膚にデリバリーすることができる。
【0032】
本明細書に記載されているいくつかの実施形態において、発毛は、(i)老化細胞もしくは(ii)老化細胞由来のシグナル伝達分子の生理活性SASPカクテル、または(iii)老化細胞とマクロファージの組み合わせによって産生されるシグナル伝達分子カクテルによって刺激される。
【0033】
脱毛に罹患した領域の処置の方法の実施形態
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞種を脱毛に罹患した領域に移植することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態において、老化細胞の集団を脱毛に罹患した領域に移植することを含む方法が提供される。
【0034】
いくつかの実施形態において、老化細胞の集団は、純粋な老化細胞の集団である。例えば、本方法は、70%を超えて純粋な、80%を超えて純粋な、90%を超えて純粋な、または95%を超えて純粋な老化細胞の集団を移植することを含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞およびSASP由来の少なくとも1つの因子を脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む方法が提供される。
【0036】
本明細書に記載されている老化細胞のいずれも、あらゆる生物由来のものであってもよい。いくつかの実施形態において、老化細胞は、ヒト老化細胞である。いくつかの実施形態において、老化細胞は、老化メラノサイト、老化線維芽細胞、老化ケラチノサイト、または老化脂肪細胞のうちの任意の1つ以上である。いくつかの実施形態において、老化細胞は、老化したか、または老化形質に入った任意の細胞種である。いくつかの実施形態において、老化形質は、非複製的形質を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、SASP由来の少なくとも1つの因子を脱毛に罹患した領域に移植することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態において、免疫細胞によって産生された少なくとも1つの因子を脱毛に罹患した領域に添加することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態において、SASP由来の少なくとも1つの因子および免疫細胞由来の少なくとも1つの因子を脱毛に罹患した領域に添加することを含む方法が提供される。
【0038】
いくつかの実施形態において、少なくとも部分的、実質的または完全にSASP由来の因子から構成される組成物を、脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む方法が提供される。いくつかの実施形態において、SASP由来の少なくとも1つの因子および少なくとも1つの免疫細胞由来の少なくとも1つの因子を、脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む方法が提供される。
【0039】
いくつかの実施形態において、老化細胞を少なくとも1種類の免疫細胞とともに培養することから得られる少なくとも1つの因子を、脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む方法が提供される。老化細胞は、皮膚の任意の老化細胞である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞は、老化メラノサイト、老化線維芽細胞、老化ケラチノサイト、または老化脂肪細胞のうちの任意の1つ以上を含む。免疫細胞は、任意の免疫細胞である。いくつかの実施形態において、免疫は、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、およびマクロファージのうちの任意の1つ以上を含む。
【0040】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞を少なくとも1つの免疫細胞と共培養することによって産生される因子のカクテルをデリバリーすることを含む方法が提供される。少なくとも1つの老化細胞は、皮膚で見出される任意の老化細胞(senescent in cell)である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞は、老化メラノサイト、老化線維芽細胞、老化ケラチノサイト、または老化脂肪細胞のうちの任意の1つ以上である。少なくとも1つの免疫細胞は、任意の免疫細胞種である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの免疫細胞は、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球および単球のうちの任意の1つ以上である。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、マクロファージである。
【0041】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの老化細胞および老化細胞由来の少なくとも1つの因子を脱毛に罹患した領域にデリバリーすることを含む方法が提供される。少なくとも1つの老化細胞は、任意の老化細胞である。いくつかの実施形態において、老化細胞は、老化メラノサイト、老化線維芽細胞、老化ケラチノサイト、および老化脂肪細胞のうちの任意の1つ以上である。
【0042】
いくつかの実施形態において、それらに限定されないが、表1に列挙されている任意の1つ以上の因子を含むSASP由来の1つ以上の因子をデリバリーすることを含む本明細書に記載されている方法のいずれかにおいて。
【0043】
【0044】
いくつかの実施形態において、1つ以上のSASP因子は、1つ以上の細胞によって産生される。いくつかの実施形態において、1つ以上の細胞は、哺乳動物細胞、ヒト細胞、マウス細胞、ラット細胞、細菌細胞、酵母菌細胞、および/または1つ以上のSASP因子を産生することが可能な細胞のあらゆる他の種類のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上のSASP因子は、細胞から分泌される。いくつかの実施形態において、1つ以上のSASP因子は、培地へ分泌される。いくつかの実施形態において、1つ以上のSASP因子は、分泌後に単離および/または精製される。例えば、1つ以上のSASP因子は、細胞および細胞と関連する培地を遠心分離した後で上清から単離および/または精製されてもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上のSASP因子は、細胞から分泌されずに単離および/または精製される。いくつかの実施形態において、1つ以上のSASP因子は、標準的な分子生物学技術の使用によるなど細胞において組み換えで産生される。いくつかの実施形態において、1つ以上のSASP因子は、合成される。いくつかの実施形態において、1つ以上のSASP因子は、商業的に購入される。
【0045】
いくつかの実施形態において、SASP因子としては、Angptl4、Axl、Bmp4、C1qtnf2、C1QTNF5、C1qtnf7、Ccl17、Ccl4、Ccl5、Ccl6、Ccl9、Ctsb、Cxcl12、Cxcl9、Dhh、Dkk3、Fgf7、Frzb、Fstl1、Gdf10、Igfbp2、Igfbp4、Igfbp7、Il10、Il1a、Il1f9、Inhba、Insl6、Mif、Mmp11、Mmp12、Mmp14、Mmp2、Mmp23、Mmp3、Nrg2、Ogn、Omd、Pdgfa、Plat、Postn、Retnla、Sct、Sparc、Spp1、Timp1、Tnf、Tnfaip6、Wif1、および/またはWisp1などのマウスSASP因子が挙げられる。いくつかの実施形態において、SASP因子としては、ANGPTL7、BAMBI、CCL18、DKKL1、FGFBP2、FRZB、GDF1、GDF10、GDF11、GDF15、IL17D、MMP17、PDGFD、SPP1、TNFSF12、C1QTNF5、NRG3、PLAT、および/またはTIMP2などのヒト母斑皮膚SASP因子が挙げられる。いくつかの実施形態は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、その間の任意の数、またはそれ以上の本明細書において記載または特定されているSASP因子を含む。
【0046】
免疫細胞由来の少なくとも1つ以上の因子をデリバリーすることを含む本明細書に記載されている方法のいずれかにおいて、因子は、任意の白血球種由来である。いくつかの実施形態において、任意の白血球種由来の因子は、造血幹細胞からもたらされる。いくつかの実施形態において、白血球由来の因子は、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球および単球のうちの任意の1つ以上から得られる。いくつかの実施形態において、1つ以上の因子が由来する免疫細胞は、マクロファージである。
【0047】
いくつかの実施形態において、デリバリーすることは、少なくとも1回の皮内注射を含む。いくつかの実施形態において、デリバリーすることは、複数の繰り返しの皮内注射を含む。いくつかの実施形態において、デリバリーすることは、局所デリバリーを含む。いくつかの実施形態において、局所デリバリーは、マイクロニードルデバイスまたはフラクショナルレーザー処置の適用に続く。
【0048】
本明細書中で開示されているあらゆる組成物は、本明細書中で開示されている任意の方法により脱毛に罹患した領域にデリバリーすることができる。
【0049】
老化細胞を生じさせる方法の実施形態
いくつかの実施形態において、1つ以上の正常な細胞を1つ以上の発がん因子に曝露することを含む老化細胞を生じさせる方法が提供される。いくつかの実施形態において、1つ以上の正常な細胞を1つ以上の老化誘導因子(senescent inducing factor)に曝露することを含む老化細胞を生じさせる方法が提供される。いくつかの実施形態において、複製老化を実現するために細胞の繰り返しの継代を含む老化細胞を生じさせる方法が提供される。
【0050】
組成物の実施形態
いくつかの実施形態において、SASP由来の少なくとも1つの因子を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態において、SASP由来の少なくとも1つの因子および1つの免疫細胞種由来の少なくとも1つの因子を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態において、SASP由来の少なくとも1つの因子は、表1に列挙されている任意の1つ以上の因子である。
【0051】
免疫細胞由来の因子を含む組成物において、この因子は、任意の1つ以上の白血球または白血球の任意の組み合わせ由来である。いくつかの実施形態において、造血幹細胞からもたらされる任意の1つ以上の白血球由来の因子。いくつかの実施形態において、白血球由来の因子は、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球および単球のうちの任意の1つ以上に由来するものである。いくつかの実施形態において、1つ以上の因子が由来する免疫細胞は、マクロファージである。
【0052】
いくつかの実施形態において、少なくとも1種類の免疫細胞とともに培養された老化細胞由来の少なくとも1つの因子を含む組成物が提供される。老化細胞は、皮膚で見出される任意の老化細胞を含むことができる。いくつかの実施形態において、老化細胞は、老化メラノサイト、老化線維芽細胞、老化ケラチノサイト、および老化脂肪細胞のうちの任意の1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、老化細胞由来の少なくとも1つの因子としては、表1.1に列挙されている任意の1つ以上の因子が挙げられるがそれらに限定されない。
【0053】
いくつかの実施形態において、SASP由来のすべての因子を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態において、表1.1に列挙されている因子のそれぞれを含む組成物が提供される。
【0054】
いくつかの実施形態において、1つ以上のSASP因子を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態において、本組成物は、1つ以上のSASP因子を含有する培地または上清を含む。いくつかの実施形態において、培地または上清に含まれるSASP因子は、細胞によって培地または上清へ分泌される。
【実施例0055】
上記の実施形態のいくつかの態様を以下の実施例においてさらに詳細に開示するが、これは本開示の範囲を限定することは決して意図されない