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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009902
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】脱落防止具
(51)【国際特許分類】
   F16B 39/04 20060101AFI20230113BHJP
   F16B 39/10 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
F16B39/04 Z
F16B39/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113564
(22)【出願日】2021-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000136686
【氏名又は名称】株式会社ブレスト工業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅野 裕太
(72)【発明者】
【氏名】今野 洋一郎
(57)【要約】
【課題】 目的は、簡単に装着でき、ボルトやナットから外れにくい脱落防止具を提供することにある。
【解決手段】 脱落防止具1は、ボルト又はナットの脱落を防止する。脱落防止具1は、ボルトのねじ部に圧嵌される円環部2を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルト又はナットの脱落を防止する脱落防止具において、
前記ボルトのねじ部に圧嵌される円環部を有する、脱落防止具。
【請求項2】
前記円環部の内面には前記ボルトのネジ谷に歯合する線条突起が設けられる、請求項1に記載の脱落防止具。
【請求項3】
前記円環部には一部分に切り欠きが形成され、前記ボルトのねじ部の外周面に側方から差し込まれる、請求項1又は2に記載の脱落防止具。
【請求項4】
前記円環部の拡径に伴う応力を分散して応力集中による破断を抑制するために前記円環部の内面には円弧形の窪みが設けられている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の脱落防止具。
【請求項5】
前記円環部に結合され、前記ナットに当接して前記ボルトに対する前記ナットの回転を係止する当接部をさらに備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の脱落防止具。
【請求項6】
前記当接部は、前記切り欠きと反対側の位置において前記円環部に結合される、請求項5に記載の脱落防止具。
【請求項7】
前記当接部は、前記切り欠きの位置と前記切り欠きに対して反対側の位置との間において前記円環部に結合される、請求項5に記載の脱落防止具。
【請求項8】
前記当接部は、前記切り欠きの両縁にそれぞれ結合される一対の当接部分からなる、請求項5に記載の脱落防止具。
【請求項9】
前記当接部は高さが前記円環部の厚みよりも長い板形状を有する、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の脱落防止具。
【請求項10】
前記当接部の幅は前記円環部の外径よりも長い、請求項5乃至9のいずれか一項に記載の脱落防止具。
【請求項11】
前記円環部と前記当接部とは一体的樹脂成形体である、請求項5乃至10のいずれか一項に記載の脱落防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトに螺合されたナットの脱落を防止し、またボルト孔に挿入されたボルトのボルト孔からの抜脱を防止する脱落防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば天井スラブ等から吊り下げられた吊りボルトにその中間位置において、チェンネル材などの各種鋼材を支持し固定するための吊りボルト用支持金具が知られている。これら金具、ボルト、ナットが各別に梱包され、作業現場において仮組みしながら吊りボルトに組み付ける必要があり、作業効率はあまり高いとはいえなかった。そのためボルトにナットを緩く螺合しながら金具どうしを仮に組み立てたいわゆる仮組みした状態で出荷して、作業現場では仮組みした状態から組み付け作業のみ行うことが作業効率の観点からは好ましいが、配送の振動等によりボルトからナットが脱落し、仮組み状態がバラバラに分解してしまう事態を避けることは難しい。
【0003】
従来から様々なナット緩み止め具が存在し、それを仮組みのために流用することは可能かもしれない(特許文献1,2参照)。しかし、ほとんどのナット緩み止め具はコイルバネ形状を有しており、ボルト及びナットを締め付けた後にボルトの下端からねじ込みながら挿入する必要があり、装着の作業性が高いとは言えず、またボルトの下側にバネ長以上の隙間がないような状況では使用できないため、仮組み用としては使い勝手が良いとは言えなかった。また鋼線を湾曲して製造するものであり、低廉化することは難しく、コストパフォーマンスに優れたものではなかった。さらに線材の先端をナットの側面に引っ掛けることによりナットの回転を係止するようになっており、ナットから外れやすいという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-203316号公報
【特許文献2】特開2002-333005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、簡単に装着でき、ボルトやナットから外れにくい脱落防止具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係るボルト又はナットの脱落を防止する脱落防止具は、ボルトのねじ部に圧嵌される円環部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る脱落防止具を示す斜視図である。
図2図1の脱落防止具の平面図である。
図3図2のA-A断面図である。
図4図1の脱落防止具の側面図である。
図5】(a)は図1の脱落防止具をボルト及び六角ナットに装着する様子を示す側面図、(b)は脱落防止具のガイド片がボルトのねじ部に接した状態を示す側面図、(c)は脱落防止具の円環部が拡径する様子を示す底面図である。
図6】(a)は図1の脱落防止具をボルト及び六角ナットに装着した状態を示す展開図、(b)は(a)の脱落防止具をボルト及び六角ナットに装着した状態を示す斜視図、(c)は(b)の側面図、(d)は(b)の底面図である。
図7図1の脱落防止具を反転してボルト及び六角ナットに装着する様子を示す図である。
図8】(a)は図7の脱落防止具をボルト及び六角ナットに装着した状態を示す展開図、(b)は(a)の脱落防止具をボルト及び六角ナットに装着した状態を示す斜視図、(c)は(b)の側面図、(d)は(b)の底面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る脱落防止具を示す斜視図である。
図10図9の脱落防止具の平面図である。
図11図10のA-A断面図である。
図12図9の脱落防止具の側面図である。
図13図9の脱落防止具をボルト及び板ナットに装着する様子を示す図である。
図14】(a)は図9の脱落防止具をボルト及び板ナットに装着した状態を示す展開図、(b)は脱落防止具をボルト及び板ナットに装着した状態を示す側面図である。
図15】第2実施形態に係る脱落防止具の変形例を示す斜視図である。
図16】第2実施形態に係る脱落防止具の他の変形例を示す斜視図である。
図17】第2実施形態に係る脱落防止具のさらに他の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本実施形態に係る脱落防止具を説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1実施形態)
図1乃至図4は本実施形態に係る脱落防止具を示している。図5には脱落防止具をボルト及びナットに装着する様子を示し、図6には脱落防止具をボルト及びナットに装着した状態を示している。なお、以下では本実施形態に係る脱落防止具1を六角ナット30に適合する例を説明するが、四角ナットなど他の種類の角ナットにも適合可能である。
【0009】
脱落防止具1は、ボルト20に螺合されたナット30の脱落を抑え、また金具等に開けられたボルト孔に挿入されたボルト20がボルト孔から抜脱する事態を抑える。脱落防止具1は、樹脂として典型的には高い耐摩耗性、高い弾性を有するポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)又はポリカーボネート(PC)等による一体的樹脂成形体である。脱落防止具1は、円環部2を有し、この円環部2の外周には矩形板形状の当接部4が結合されている。円環部2の180度未満、典型的には20°乃至30°の範囲内の角度の円弧部分が切り欠かれており、この切り欠き3に対して当接部4は円環部2の周方向に180度ずれた反対側に位置する。作業員は当接部4をつまんで、円環部2を切り欠き3からボルト20に押し込むことができる。
【0010】
円環部2の内径W0は、装着対象のボルト20のねじ部22の外径(直径)より少し短く構成されている。それにより円環部2はボルト20のねじ部22に圧嵌され、ねじ部22をその弾性により挟持する。
【0011】
当接部4の高さH1は、円環部2の厚みT1より長く構成され、当接部4の底面は円環部2の底面に揃えられている。側面視において、当接部4は円環部2に対して中心線Cに沿って突き出ている。当接部4は、円環部2の中心線Cに対して平行に、且つ円環部2の内円の接線に平行に配置される。また、当接部4は、その内側の面が円環部2の中心線Cから、ボルト20に螺合される脱落防止対象としての六角ナット30の二面幅の1/2に実質的に等価な距離を隔てて配置されており、それにより円環部2がボルト20のねじ部22に圧嵌された状態で、当接部4の内面は六角ナット30の一側面33に当接し、ボルト20に対する六角ナット30の自由回転を抑えることができる。
【0012】
典型的には当接部4の幅W2は円環部2の外径W1よりも短く構成されている。それにより脱落防止具1をボルト20及び六角ナット30に装着する際、またスパナによりボルト20を締め付け、また六角ナット30を固定する際に、スパナ及び周辺への干渉が最小限に抑えられ得る。なお、当接部4の幅W2が円環部2の外径W1よりも長く又は等価に構成されることが否定されるものではない。
【0013】
切り欠き3が形成された円環部2の両端部には、一対のガイド片5が両側に拡開する向きに設けられる。ガイド片5の内側の面がボルト20のねじ部22の外周面に当てられ、そのまま押し込まれたとき、ガイド片5の内側の面がボルト20のねじ部22の外周面に沿って移動し、それにより円環部2は拡径されボルト20のねじ部22に容易に外嵌され得る。
【0014】
円環部2の対峙する内面にはボルト20のネジ谷にかみ合う一対の線条突起6が、一対の線条突起6が設けられている。円環部2をその切り欠き3からボルト20のねじ部22に押し込む際にその押し込みの動きをできるだけ妨害しないように、線条突起6は切り欠き3の中心とその反対側の内面の後述の窪み7の中心とを結ぶ前後中心線に沿って設けられる。円環部2がボルト20のねじ部22に圧嵌された状態で、線条突起6がボルト20のネジ谷にかみ合って、ボルト20に対する脱落防止具1の位置ずれが防止される。また円環部2の内面の線条突起6が六角ナット30と同様にボルト20のネジ谷にかみ合っているので、スパナやレンチ等の締め付け工具により六角ナット30の回転を固定し、ボルト20を強く軸回転して締め付けたとき、円環部2は六角ナット30とともにボルト20のねじ部22の軸方向に沿って移動し、脱落防止具1が六角ナット30の締め付けを阻害する事態が生じない。これはボルト20に対して六角ナット30を緩める際にも同様である。
【0015】
円環部2の切り欠き3と反対側の内面には円弧形の窪み7が設けられ、円環部2の拡径に伴う応力を分散して応力集中による円環部2の破断を抑制するようになっている。
【0016】
脱落防止具1は、ボルト20と六角ナット30との間に締結対象を締め付けた後に、又はボルト20に六角ナット30を緩く螺合させた仮組みの状態で、ボルト20と六角ナット30に対して装着される。
【0017】
図5(a)に示すように、ボルト20の頭部21から見て六角ナット30の下側に脱落防止具1を配置する。つまりボルト20に螺合した六角ナット30に対してその下面に円環部2の上面が接し、当接部4が円環部2に対して上方(ボルト20の頭部21側)に突き出た姿勢で脱落防止具1を配置してそのまま水平に脱落防止具1をボルト20のねじ部22にその側方から接近させる。図5(b)、図5(c)に示すように、ガイド片5の内側の面をボルト20のねじ部22の外周面に当てがい、そのまま強く押し込むことにより、円環部2がその弾性により両側に拡がり、ねじ部22を受容する。円環部2がその弾性により縮径してねじ部22を挟持する。図6(a)、図6(b)、図6(c)、図6(d)に示すように、円環部2より突き出た当接部4の部分の内面が六角ナット30の一側面33に当接する。
【0018】
円環部2がねじ部22を挟持しているので、脱落防止具1はボルト20に対して固定される。また、当接部4が六角ナット30の一側面33に当接しているので、脱落防止具1に対する六角ナット30の回転は抑止される。従って、ボルト20に対する六角ナット30との回転、及び六角ナット30に対するボルト20の回転は、脱落防止具1を介して抑制されるので、六角ナット30がボルト20に緩く螺合された状態であっても、六角ナット30がボルト20から抜脱する事態が防止される。またボルト20が金具等のボルト孔に挿通され、六角ナット30に螺合される場合に、脱落防止具1がボルト孔の周縁に当たりボルト20がボルト孔から抜け落ちる事態を抑えることができる。また、ナットがない状態であっても、ボルト20に脱落防止具1を装着することにより、ボルト孔からボルト20が抜け落ちる事態を抑えることができる。
【0019】
円環部2がねじ部22を挟持し、且つ線条突起6がねじ部22のねじ谷にかみ合うので、脱落防止具1がボルト20に対して位置ずれを生じることがなく、また当接部4が六角ナット30の一側面33に対して面接触しているので、脱落防止具1が六角ナット30から外れ難い。
【0020】
またボルト20に対してその側方より脱落防止具1を装着することができるので、ボルト20の下端(先端)から挿入するよりも、装着の作業性が高い。さらにボルト20と六角ナット30とを相対的に軸回転させて締め付け又は緩めるとき、脱落防止具1は六角ナット30とともにボルト20のねじ部22の軸方向に沿って移動するので、ボルト20と六角ナット30とによる締め付け又は緩める作業が阻害されることもなく、また締め付けにより脱落防止具1が破損することもないので繰り返し使用に適している。
【0021】
脱落防止具1は一体的樹脂成形体として製造できるので、コストパフォーマンスに優れる。なお、脱落防止具1が弾性も持った金属製であることを否定するものではない。
【0022】
このように脱落防止具1はボルト20、六角ナット30及び金具等の仮組みに好適であり、仮組みした状態で出荷して、作業現場では仮組みした状態から組み付け作業のみ行うことができるようになり作業効率を向上することができる。
【0023】
なお、上述では、ボルト20の頭部21から見て六角ナット30の下側に脱落防止具1を装着する例を説明したが、図7図8に示すように、それとは逆向きに脱落防止具1を装着することもできる。つまり、図7に示すように、ボルト20に螺合した六角ナット30に対してその上面に円環部2の下面が接し、当接部4が円環部2に対して下方に突き出た姿勢で脱落防止具1を配置してそのまま水平に脱落防止具1をボルト20のねじ部22にその側方から接近させる。図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)に示すように、円環部2より下方に突き出た当接部4の内面が六角ナット30の一側面33に当接する。このように逆向きに脱落防止具1を装着する場合であっても同様の効果を奏することができる。この場合、締め付けにより脱落防止具1が破損する可能性があるが、締め付けた六角ナット30の緩みを止めることができる。
【0024】
なお、上述の説明では、当接部4は側面視において円環部2に対して一方に突き出ていると説明したが、当接部4は側面視において円環部2に対して上下両方向に突き出るように構成しても良い。
(第2実施形態)
図9乃至図12は本実施形態に係る脱落防止具10を示している。図13は脱落防止具10をボルト20及び板ナット40に装着する様子を示し、図14は脱落防止具10をボルト20及び板ナット40に装着した状態を示している。脱落防止具10は、鋼板が横断面コ字形に折り曲げられた溝型の板ナット40に適合している。板ナット40は、矩形の底板41と一対の側板43とからなり、底板41の中央にはボルト20に螺合するネジ孔42が形成されている。
【0025】
本第2実施形態に係る脱落防止具10が、上述の第1実施形態に係る脱落防止具1と相違する点としては、当接部14である。当接部14以外に関しては、第1実施形態に係る脱落防止具1と同じであるので説明は省略する。
【0026】
本実施形態に係る脱落防止具10が備える当接部14は、円環部2の厚みT1と同じ厚みを有し、円環部2に対して上下に段差がなくフラットに構成される。円環部2の外径W1は装着対象の板ナット40の一対の側板43の間隔よりも短く構成される。
【0027】
当接部14の幅W3は、円環部2の外径W1よりも長く構成され、平面視において当接部14の両端は円環部2よりも左右に張り出している。当接部14の幅W3は装着対象の板ナット40の一対の側板43の間隔に等価又はそれより若干短くなるように適宜設計されている。
【0028】
図13に示すように、ボルト20に螺合した板ナット40に対して、板ナット40の底板41と側板43の上縁との間に、底板41と水平な姿勢で脱落防止具10をボルト20のねじ部22にその側方から接近させる。板ナット40の一対の側板43の間隔に脱落防止具10を挿入しながら、そのまま円環部2をボルト20のねじ部22に強く押し込み、脱落防止具10をボルト20及び板ナット40に装着する。
【0029】
図14(a)、図14(b)に示すように、脱落防止具10が板ナット40の内側に収まり、当接部14の両端が板ナット40の一対の側板43の内側の面に当接する。円環部2がねじ部22を挟持し、当接部14の両端が板ナット40の一対の側板43の内側の面に当接しているので、ボルト20に対する板ナット40の回転、また板ナット40に対するボルト20の回転が抑制されるので、板ナット40がボルト20から脱落する事態が抑えられ、またボルト20が板ナット40から抜脱する事態も抑えられる。
【0030】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0031】
なお、上述では、当接部は、切り欠きの反対側の位置において円環部に結合されると説明したが、それに限定されることはない。ここで説明の便宜上、切り欠き3を円環部2の前方とし、窪み7を円環部2の後方として定義する。図15に示すように、円環部2の左側と右側のいずれか一方の側部に、当接部14を結合するものであってもよい。換言すると、当接部14は円環部2に対して、切り欠き3の位置と、切り欠き3に対して反対側の位置との間に結合される。
【0032】
また、図16に示すように、当接部14としての一対の当接部分15を、円環部2の切り欠き3の両方の縁部に、左右両側に拡がり、円環部2から左右に張り出すように円環部2に結合するものであってもよい。さらに図17に示すように、一対の当接部分16を円環部2の左右両側の側部に結合するものであってもよい。
【0033】
勿論、第1実施形態における当接部4に関しても同様であり、当接部4を円環部2の左側と右側のいずれか一方の側部に結合するものであってもよいし、当接部4をなす一対の当接部分を切り欠き3の両方の縁部に左右両側に拡がるように円環部2に結合するものであってもよいし、一対の当接部分を円環部2の左右両側の側部に結合するものであってもよい。
【0034】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0035】
1…脱落防止具、2…円環部、3…切り欠き、4…当接部、5…ガイド片、6…線条突起、7…窪み。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17