(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099125
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】入出庫予約システム、入出庫予約装置、入出庫予約方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20230101AFI20230704BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074451
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2019016892の分割
【原出願日】2019-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2018016969
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518039224
【氏名又は名称】株式会社エムティアール
(71)【出願人】
【識別番号】515276059
【氏名又は名称】株式会社ロジクリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】松村 昌純
(72)【発明者】
【氏名】武田 浩一
(57)【要約】 (修正有)
【課題】効率的な物流センターでの入荷又は出荷が可能な入出庫予約システムを提供する。
【解決手段】入出庫予約システムにおいて、入出庫予約装置の入出庫予約プログラムは、車両の属性と入庫予定時刻を受信する車両情報受付部、入庫予約を確保する入庫予約部、各バースへの車両の接続状況とバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付けるバース状況受付部、車両が接車するバースを提示するバース提示部、車両が物流センター内に入構したことを検知する着車検知部及び入庫予約に関連付けられた車両が入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する入庫予約監視部を含む。入庫予約監視部は、入庫予約に関連付けられた車両が入庫予定時刻を既定時間過ぎても着車検知部による着車が検知されない場合に予約を保留とし、入庫予約を、配置及び入庫予約の時間を管理しているタイムテーブルから保留された入庫予約が配置されるプールエリアへ移動する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の配送に用いる車両の属性と、前記車両が、荷物を入出庫する物流センターに入庫する入庫予定時刻とを車両情報として受信する車両情報受付部と、
前記車両情報受付部により受信した車両の属性と入庫予定時刻とに基づいて、前記車両が接車するバースと前記バースにおける作業時間とを入庫予約として確保する入庫予約部と、
物流センターにおいて、荷下ろし又は積み込みを行うバースの状況を受け付けるバース状況受付部と、
前記バース状況受付部により受け付けた情報と、前記入庫予約部により確保された入庫予約とに基づいて、前記車両が接車するバースをドライバーに提示するバース提示部と、
車両が物流センター内に入構したことを検知する着車検知部と
を有し、
前記バース状況受付部は、各バースへの車両の接続状況、及びバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付け、
前記入庫予約部により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する入庫予約監視部
をさらに有し、
前記入庫予約監視部は、前記入庫予約部により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知部による着車を検知されない場合に、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知部による着車を検知されない入庫予約を保留とし、
前記入庫予約監視部は、入庫予約を配置及び入庫予約の時間を管理しているタイムテーブルから、保留された入庫予約が配置されるプールエリアへ前記入庫予約を移動する
入出庫予約システム。
【請求項2】
前記バース状況受付部が受け付けたバース状況、及び前記入庫予約部により確保された入庫予約を表示する表示部と、
ユーザの操作に応じて、前記表示部により表示されたバース状況及び入庫予約に基づいて、既に確保された入庫予約を変更する予約変更部と
をさらに有し、
前記予約変更部は、前記入庫予約監視部により前記プールエリアへ移動された入庫予約を、入庫予約の条件に合致するよう前記タイムテーブルへ一括で再配置する
請求項1に記載の入出庫予約システム。
【請求項3】
前記バース提示部により提示されたバースを、前記着車検知部により検知された車両のドライバーの端末に送信する送信部
をさらに有し、
前記バース提示部は、前記着車検知部により車両が入構したことを検知した場合に、前記入構した車両に関連付けられる入庫予約と、前記バース状況受付部により受け付けたバースの状況とに基づいて、前記入構した車両が接車するバースを決定する
請求項1に記載の入出庫予約システム。
【請求項4】
前記バース状況受付部が受け付けたバース状況、及び前記入庫予約部により確保された入庫予約を表示する表示部をさらに有し、
前記表示部は、少なくとも、車両が入構待ちの状態、車両が着車した状態、車両がバースに接車した状態、及び車両がバースから退車した状態に応じて、入庫予約の表示を識別する
請求項1に記載の入出庫予約システム。
【請求項5】
ユーザの操作に応じて、前記表示部により表示されたバース状況及び入庫予約に基づいて、既に確保された入庫予約を変更する予約変更部
をさらに有し、
前記予約変更部は、ユーザによる入庫予約の変更操作が、既に確保された入庫予約の条件に合致しない場合に、予約の変更を禁止する
請求項4に記載の入出庫予約システム。
【請求項6】
前記入庫予約部より確保された入庫予約と、入庫実績である、実際に車両が荷下ろし又は積み込みを行った作業時間、車両が前記着車検知部により検知された着車時間、又は、車両が実際に接車したバースとを比較する比較部
をさらに有し、
前記比較部の比較結果に基づいて、前記バース提示部は、前記車両が接車するバースを提示する
請求項1に記載の入出庫予約システム。
【請求項7】
荷物の配送に用いる車両の属性と、前記車両が、荷物を入出庫する物流センターに入庫する入庫予定時刻とを車両情報として受信する車両情報受付部と、
前記車両情報受付部により受信した車両の属性と入庫予定時刻とに基づいて、前記車両が接車するバースと前記バースにおける作業時間とを入庫予約として確保する入庫予約部と、
物流センターにおいて、荷下ろし又は積み込みを行うバースの状況を受け付けるバース状況受付部と、
前記バース状況受付部により受け付けた情報と、前記入庫予約部により確保された入庫予約とに基づいて、前記車両が接車するバースをドライバーに提示するバース提示部と、
車両が物流センター内に入構したことを検知する着車検知部と
を有し、
前記バース状況受付部は、各バースへの車両の接続状況、及びバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付け、
前記入庫予約部により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する入庫予約監視部
をさらに有し、
前記入庫予約監視部は、前記入庫予約部により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知部による着車を検知されない場合に、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知部による着車を検知されない入庫予約を保留とし、
前記入庫予約監視部は、入庫予約を配置及び入庫予約の時間を管理しているタイムテーブルから、保留された入庫予約が配置されるプールエリアへ前記入庫予約を移動する
入出庫予約装置。
【請求項8】
コンピュータが、荷物の配送に用いる車両の属性と、前記車両が、荷物を入出庫する物流センターに入庫する入庫予定時刻とを車両情報として受信する車両情報受付ステップと、
コンピュータが、前記車両情報受付ステップにおいて受信した車両の属性と入庫予定時刻とに基づいて、前記車両が接車するバースと前記バースにおける作業時間とを入庫予約として確保する入庫予約ステップと、
コンピュータが、物流センターにおいて、荷下ろし又は積み込みを行うバースの状況を受け付けるバース状況受付ステップと、
コンピュータが、前記バース状況受付ステップにおいて受け付けた情報と、前記入庫予約ステップにおいて確保された入庫予約とに基づいて、前記車両が接車するバースをドライバーに提示するバース提示ステップと、
コンピュータが、車両が物流センター内に入構したことを検知する着車検知ステップと
を有し、
前記バース状況受付ステップにおいて、各バースへの車両の接続状況、及びバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付け、
コンピュータが、前記入庫予約ステップにおいて取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する入庫予約監視ステップ
をさらに有し、
前記入庫予約監視ステップにおいて、前記入庫予約ステップにおいて取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知ステップにおいて着車を検知されない場合に、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知ステップにおいて着車を検知されない入庫予約を保留とし、
前記入庫予約監視ステップにおいて、入庫予約を配置及び入庫予約の時間を管理しているタイムテーブルから、保留された入庫予約が配置されるプールエリアへ前記入庫予約を移動する
入出庫予約方法。
【請求項9】
荷物の配送に用いる車両の属性と、前記車両が、荷物を入出庫する物流センターに入庫する入庫予定時刻とを車両情報として受信する車両情報受付ステップと、
前記車両情報受付ステップにおいて受信した車両の属性と入庫予定時刻とに基づいて、前記車両が接車するバースと前記バースにおける作業時間とを入庫予約として確保する入庫予約ステップと、
物流センターにおいて、荷下ろし又は積み込みを行うバースの状況を受け付けるバース状況受付ステップと、
前記バース状況受付ステップにおいて受け付けた情報と、前記入庫予約ステップにおいて確保された入庫予約とに基づいて、前記車両が接車するバースをドライバーに提示するバース提示ステップと、
車両が物流センター内に入構したことを検知する着車検知ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記バース状況受付ステップにおいて、各バースへの車両の接続状況、及びバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付け、
前記入庫予約ステップにおいて取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する入庫予約監視ステップ
をさらにコンピュータに実行させ、
前記入庫予約監視ステップにおいて、前記入庫予約ステップにおいて取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知ステップにおいて着車を検知されない場合に、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知ステップにおいて着車を検知されない入庫予約を保留とし、
前記入庫予約監視ステップにおいて、入庫予約を配置及び入庫予約の時間を管理しているタイムテーブルから、保留された入庫予約が配置されるプールエリアへ前記入庫予約を移動する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出庫予約システム、入出庫予約装置、入出庫予約方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、車両情報及び前記車両情報に割当てるための荷情報を記憶するサーバと通信可能に接続され、前記車両情報及び荷情報に従って配車計画を作成する情報処理装置において、前記荷情報を構成する荷データを割当てる前記車両情報を構成する車両データと、当該荷データの配送時間とを決定すると共に、未割当てとなる荷データを決定する第1の決定手段と、前記車両情報に関する制約条件及び当該制約条件を緩和する制約条件緩和情報と、前記荷情報に関する制約条件及び当該制約条件を緩和する制約条件緩和情報との少なくとも一方を、前記サーバから取得する取得手段と、前記取得手段により取得された制約条件緩和情報に従って、前記車両情報に関する制約条件及び前記荷情報に関する制約条件の少なくとも一方を緩和して、前記第1の決定手段で未割当てとなっている荷データの前記車両データに対する割当て位置を特定する特定手段と、前記特定手段で特定された割当て位置に対して、前記未割当てとなっている荷データに対する車両データ及び配送時間を決定する第2の決定手段と、前記第2の決定手段で決定された荷データに対する車両データ及び配送時間を表した配送ルートを、前記割当て位置の特定に用いられた前記制約条件緩和情報と共に表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、効率的な物流センターへの入荷または物流センターからの出荷を可能にする入出庫予約システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る入出庫予約システムは、荷物の配送に用いる車両の属性と、前記車両が、荷物を入出庫する物流センターに入庫する入庫予定時刻とを車両情報として受信する車両情報受付部と、前記車両情報受付部により受信した車両の属性と入庫予定時刻とに基づいて、前記車両が接車するバースと前記バースにおける作業時間とを入庫予約として確保する入庫予約部と、物流センターにおいて、荷下ろし又は積み込みを行うバースの状況を受け付けるバース状況受付部と、前記バース状況受付部により受け付けた情報と、前記入庫予約部により確保された入庫予約とに基づいて、前記車両が接車するバースをドライバーに提示するバース提示部と、車両が物流センター内に入構したことを検知する着車検知部とを有し、前記バース状況受付部は、各バースへの車両の接続状況、及びバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付け、前記入庫予約部により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する入庫予約監視部をさらに有し、前記入庫予約監視部は、前記入庫予約部により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知部による着車を検知されない場合に、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知部による着車を検知されない入庫予約を保留とし、前記入庫予約監視部は、入庫予約を配置及び入庫予約の時間を管理しているタイムテーブルから、保留された入庫予約が配置されるプールエリアへ前記入庫予約を移動する。
【0006】
好適には、前記バース状況受付部が受け付けたバース状況、及び前記入庫予約部により確保された入庫予約を表示する表示部と、ユーザの操作に応じて、前記表示部により表示されたバース状況及び入庫予約に基づいて、既に確保された入庫予約を変更する予約変更部とをさらに有し、前記予約変更部は、前記入庫予約監視部により前記プールエリアへ移動された入庫予約を、入庫予約の条件に合致するよう前記タイムテーブルへ一括で再配置する。
【0007】
好適には、前記バース提示部により提示されたバースを、前記着車検知部により検知された車両のドライバーの端末に送信する送信部をさらに有し、前記バース提示部は、前記着車検知部により車両が入構したことを検知した場合に、前記入構した車両に関連付けられる入庫予約と、前記バース状況受付部により受け付けたバースの状況とに基づいて、前記入構した車両が接車するバースを決定する。
【0008】
好適には、前記バース状況受付部が受け付けたバース状況、及び前記入庫予約部により確保された入庫予約を表示する表示部をさらに有し、前記表示部は、少なくとも、車両が入構待ちの状態、車両が着車した状態、車両がバースに接車した状態、及び車両がバースから退車した状態に応じて、入庫予約の表示を識別する。
【0009】
好適には、ユーザの操作に応じて、前記表示部により表示されたバース状況及び入庫予約に基づいて、既に確保された入庫予約を変更する予約変更部をさらに有し、前記予約変更部は、ユーザによる入庫予約の変更操作が、既に確保された入庫予約の条件に合致しない場合に、予約の変更を禁止する。
【0010】
好適には、前記入庫予約部より確保された入庫予約と、入庫実績である、実際に車両が荷下ろし又は積み込みを行った作業時間、車両が前記着車検知部により検知された着車時間、又は、車両が実際に接車したバースとを比較する比較部をさらに有し、前記比較部の比較結果に基づいて、前記バース提示部は、前記車両が接車するバースを提示する。
【0011】
本発明に係る入出庫予約装置は、荷物の配送に用いる車両の属性と、前記車両が、荷物を入出庫する物流センターに入庫する入庫予定時刻とを車両情報として受信する車両情報受付部と、前記車両情報受付部により受信した車両の属性と入庫予定時刻とに基づいて、前記車両が接車するバースと前記バースにおける作業時間とを入庫予約として確保する入庫予約部と、物流センターにおいて、荷下ろし又は積み込みを行うバースの状況を受け付けるバース状況受付部と、前記バース状況受付部により受け付けた情報と、前記入庫予約部により確保された入庫予約とに基づいて、前記車両が接車するバースをドライバーに提示するバース提示部と、車両が物流センター内に入構したことを検知する着車検知部とを有し、前記バース状況受付部は、各バースへの車両の接続状況、及びバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付け、前記入庫予約部により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する入庫予約監視部をさらに有し、前記入庫予約監視部は、前記入庫予約部により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知部による着車を検知されない場合に、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知部による着車を検知されない入庫予約を保留とし、前記入庫予約監視部は、入庫予約を配置及び入庫予約の時間を管理しているタイムテーブルから、保留された入庫予約が配置されるプールエリアへ前記入庫予約を移動する。
【0012】
本発明に係る入出庫予約方法は、コンピュータが、荷物の配送に用いる車両の属性と、前記車両が、荷物を入出庫する物流センターに入庫する入庫予定時刻とを車両情報として受信する車両情報受付ステップと、コンピュータが、前記車両情報受付ステップにおいて受信した車両の属性と入庫予定時刻とに基づいて、前記車両が接車するバースと前記バースにおける作業時間とを入庫予約として確保する入庫予約ステップと、コンピュータが、物流センターにおいて、荷下ろし又は積み込みを行うバースの状況を受け付けるバース状況受付ステップと、コンピュータが、前記バース状況受付ステップにおいて受け付けた情報と、前記入庫予約ステップにおいて確保された入庫予約とに基づいて、前記車両が接車するバースをドライバーに提示するバース提示ステップと、コンピュータが、車両が物流センター内に入構したことを検知する着車検知ステップとを有し、前記バース状況受付ステップにおいて、各バースへの車両の接続状況、及びバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付け、コンピュータが、前記入庫予約ステップにおいて取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する入庫予約監視ステップをさらに有し、前記入庫予約監視ステップにおいて、前記入庫予約ステップにおいて取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知ステップにおいて着車を検知されない場合に、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知ステップにおいて着車を検知されない入庫予約を保留とし、前記入庫予約監視ステップにおいて、入庫予約を配置及び入庫予約の時間を管理しているタイムテーブルから、保留された入庫予約が配置されるプールエリアへ前記入庫予約を移動する。
【0013】
本発明に係るプログラムは、荷物の配送に用いる車両の属性と、前記車両が、荷物を入出庫する物流センターに入庫する入庫予定時刻とを車両情報として受信する車両情報受付ステップと、前記車両情報受付ステップにおいて受信した車両の属性と入庫予定時刻とに基づいて、前記車両が接車するバースと前記バースにおける作業時間とを入庫予約として確保する入庫予約ステップと、物流センターにおいて、荷下ろし又は積み込みを行うバースの状況を受け付けるバース状況受付ステップと、前記バース状況受付ステップにおいて受け付けた情報と、前記入庫予約ステップにおいて確保された入庫予約とに基づいて、前記車両が接車するバースをドライバーに提示するバース提示ステップと、車両が物流センター内に入構したことを検知する着車検知ステップとをコンピュータに実行させ、前記バース状況受付ステップにおいて、各バースへの車両の接続状況、及びバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付け、前記入庫予約ステップにおいて取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する入庫予約監視ステップをさらにコンピュータに実行させ、前記入庫予約監視ステップにおいて、前記入庫予約ステップにおいて取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知ステップにおいて着車を検知されない場合に、入庫予定時刻を既定時間過ぎても前記着車検知ステップにおいて着車を検知されない入庫予約を保留とし、前記入庫予約監視ステップにおいて、入庫予約を配置及び入庫予約の時間を管理しているタイムテーブルから、保留された入庫予約が配置されるプールエリアへ前記入庫予約を移動する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、効率的な物流センターへの入荷または物流センターからの出荷を可能にする入出庫予約システムを提供することを目的とする
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】入出庫予約サービスの概要を説明する図である。
【
図2】入出庫予約システム1の全体構成を例示する図である。
【
図3】入出庫予約装置3のハードウェア構成を例示する図である。
【
図4】入出庫予約装置3の機能構成を例示する図である。
【
図5】入出庫予約システム1における入庫予約画面を例示する図である。
【
図6】入出庫予約システム1における入庫予約の表示を例示する図である。
【
図7】入出庫予約システム1におけるタイムテーブルとステータス表示を例示する図である。
【
図8】オペレータ(ユーザ)による入庫予約の再配置を例示する図である。
【
図9】入出庫予約システム1における実績照会を例示する図である。
【
図10】入出庫予約システム1における実績詳細を例示する図である。
【
図11】入出庫予約システム1におけるID管理構造を例示する図である。
【
図12】(a)は、入庫予約における、いつもの基本情報登録を例示する図であり、(b)は、いつもの車両情報を例示する図である。
【
図13】(a)は、入出庫予約システム1におけるバースロックの登録を例示する図であり、(b)は、優先バースの登録を例示する図である。
【
図14】入出庫予約システム1における入庫予約のオペレーション処理(S10)を説明するフローチャートである。
【
図15】入出庫予約システム1における入庫予約開始日時の設定例を表示する図である。
【
図16】入出庫予約システム1における先行予約処理(S20)を説明するフローチャートである。
【
図17】入出庫予約システム1における先行予約登録画面を例示する図である。
【
図18】(a)は、入出庫予約システム1における着車検索画面を例示する図であり、(b)は、予約番号検索画面を例示する図であり、(c)は、携帯番号検索画面を例示する図である。
【
図19】(a)は、入出庫予約システム1における入庫予約の検索結果一覧画面を例示する図であり、(b)は、着車受付画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
まず、背景について説明する。
物流センターでは、納品車両が荷下ろしに着手するまでの待ち時間が増加しており、数時間以上納品車両が待機している場合も少なくなく、作業者が荷役作業に従事する時間以外でロスが生じている状況がある。また、待機中の車両が排出する二酸化炭素、騒音、迷惑駐車等の問題も存在する。
【0017】
そこで、本願発明の入出庫予約システム1は、上記課題を鑑みて、トラックが到着し荷下ろしを行うバースの空き状況を最適化するものである。そして、入出庫予約システム1は、バース毎に受け入れ可能な荷物の種類が異なるため、入庫予定車両について事前登録を受け付け、受け入れ可能な空きバースに対応した荷物を輸送する車両に対し、選択的に予約時間を割り当てる。
【0018】
さらに、入出庫予約システム1は、各拠点の異なる倉庫側の特性を登録することができ、予約時間の割り当てには、倉庫側の情報を活用する。倉庫側の情報とは、例えば、倉庫のサイズ、バースと倉庫との位置関係・距離、及びバースのサイズ、入出庫可能な商品等である。
【0019】
そして、入出庫予約システム1は、入庫予約のプール機能(保留機能)有しており、入庫予定時間の指定のないトラックや、道路状況等何らかの事情により予定の変更が生じた場合、一旦予約を外して保留することができ、保留車両についても、バースの状況とリンクしており、保留車両に対して待ち時間が最少となる入庫予約を再予約可能である。
【0020】
このように、入出庫予約システム1は、バースの状況に応じて、バースに適した車両を効率的に誘導することを可能にする。
【0021】
図1は、入出庫予約サービスの概要を説明する図である。
図1に例示するように、入出庫予約サービスにおいて、発注者は、取引先に商品の発注を行い、取引先は、発注された商品の配送を運送会社に委託し、運送会社は、商品を物流センターに納品または物流センターから出荷する。入出庫予約サービスは、商品の流通において、物流センターにおける商品を入出庫する車両の作業の予約を効率的に行うものである。具体的には、入出庫予約サービスは、入出庫予約システム1により提供され、発注者、取引先、運送会社及び物流センターにおいて操作する端末は、インターネットを介して接続している。入出庫予約システム1において、発注者からは、物流センターへの入出庫の検索及び閲覧が可能であり、取引先及び運送会社からは、入出庫の予約、検索、及び閲覧が可能であり、物流センターからは、入出庫の実績の閲覧、検索が可能である。すなわち、各役割に応じた機能の使用が可能である。
【0022】
図2は、入出庫予約システム1の全体構成を例示する図である。
図2に例示するように、入出庫予約システム1は、入出庫予約装置3、物流センター端末5、取引先端末7、運送会社端末9、及び物流センターで入出庫する車両のドライバーが携帯するドライバー端末11により構成される。ここで、本実施形態において、入庫予約とは、バースにおける入庫作業または出庫作業を行うための作業予約を示す。
入出庫予約装置3は、取引先端末7、運送会社端末9、またはドライバー端末11から物流センターにおける入出庫作業の予約を受付け、予約を管理するコンピュータ端末である。入出庫予約装置3は、入庫予定時刻と車両の属性とに基づいて、入庫作業を行う場所(バース)と時間とを入庫予約として確保する。入出庫予約装置3は、確保された入庫予約をドライバー端末11に送信する。また、入出庫予約装置3は、バースの状況と入庫予約を取った車両の状況とに基づいて、入庫予約の状況を示す。そして、物流センターにおいて、入出庫予約装置3は、ユーザの操作に応じて、入庫予約の状況に基づいて入庫予約を変更する。
【0023】
物流センター端末5は、物流センターにおいて操作するコンピュータ端末であり、入出庫予約システム1において、入庫予約の閲覧と、入庫予約の検索と入庫予約の変更、バース稼働率、入庫予約の尊守率、及び荷下ろし時間尊守率、待機時間状況等の閲覧をする。
取引先端末7は、発注者の取引先において操作するコンピュータ端末であり、入出庫予約システム1において、入庫予約を取得する。
物流センター端末5は、携帯型のコンピュータ端末であってもよく、例えば、タブレット端末でもよい。
運送会社端末9は、商品の配送を委託された運送会社において操作するコンピュータ端末であり、入出庫予約システム1において、入庫予約を取得する。
ドライバー端末11は、商品を配送する車両のドライバーが操作する携帯型コンピュータ端末であり、入出庫予約システム1において、入庫予約を取得、また、入出庫予約装置3から入出庫作業を行うバース情報を受け取る。
【0024】
図3は、入出庫予約装置3のハードウェア構成を例示する図である。
図3に例示するように、入出庫予約装置3は、CPU200、揮発性メモリ202、HDDメモリ204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、表示装置208、及び入力装置210を有し、これらの構成はバス212を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
揮発性メモリ202は、例えば、主記憶装置として機能する。
HDDメモリ204は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラム(例えば、
図4の入出庫予約プログラム30)やその他のデータファイル(例えば、
図4のID管理データベース600及び設定情報データベース610)を格納する。
ネットワークIF206は、無線で通信するためのインタフェースであり、電話回線又はインターネットを介した通信を実現する。
表示装置208は、例えば、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置210は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0025】
図4は、入出庫予約装置3の機能構成を例示する図である。
図4に例示するように、本例の入出庫予約装置3には、入出庫予約プログラム30がインストールされると共に、ID管理データベース600(ID管理DB600)、及び設定情報データベース610(設定情報DB610)により構成される。
入出庫予約プログラム30は、車両情報受付部300、入庫予約部302、バース状況受付部304、バース提示部306、着車検知部308、送信部310、表示部312、第1の権限付与部314、第2の権限付与部316、予約変更部318、比較部320、予約開始設定部322、先行予約設定部324、仮予約部326、本予約移行期設定部328、及び入庫予約監視部330を有する。ID管理DB600は、入出庫予約システム1の使用権限であるユーザIDを管理及び格納し、IDの種類毎のアクセス権限を定義する。設定情報DB610は、入出庫予約システム1の設定情報を格納し、管理する。具体的には、設定情報DB610は、物流センターにおける基本情報、カレンダー、表示開始時刻、荷下ろし予備時間、及び着車遅れ監視時間、運送会社の基本情報、バース番号、バースの接車可能サイズ、バースのカテゴリー(配送商品の種類)、車種、入出荷形態、バースの稼働時間等を管理する。
なお、入出庫予約プログラム30の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0026】
車両情報受付部300は、荷物の配送に用いる車両の属性と、車両が荷物を入出庫する物流センターに入庫または出庫する入庫予定時刻とを車両情報として受信する。車両の属性には、少なくとも、車両を識別する識別番号(車番)、車種、配送する荷物の種類(カテゴリー)、荷物量、作業予定時間、及びドライバー端末11の連絡先を含む。
入庫予約部302は、車両情報受付部300により受信した車両の属性と入庫予定時刻とに基づいて、車両が接車するバースとバースにおける作業時間とを入庫予約として確保する。
バース状況受付部304は、物流センターにおいて、荷下ろし及び積み込みを行うバースの状況を受け付ける。具体的には、バース状況受付部304は、各バースへの車両の接続状況、及びバースの開放待ち車両の有無をバース状況として受け付ける。
バース提示部306は、バース状況受付部304により受け付けたバースの状況と、入庫予約部302により確保された入庫予約とに基づいて、車両が接車するバースをドライバーに提示する。具体的には、バース提示部306は、着車検知部308により車両が入構したことを検知した場合に、入構した車両に関連付けられる入庫予約と、バース状況受付部304により受け付けたバースの空き状況とに基づいて、入構した車両が接車するバースを決定する。
【0027】
着車検知部308は、車両が物流センター内に入構したことを検知する。
送信部310は、バース提示部306により提示されたバースを入構した車両のドライバーの端末に送信する。具体的には、バース提示部306により決定されたバースの識別情報をドライバー端末11の連絡先へ送信する。
表示部312は、バース状況受付部304が受信するバース状況及び入庫予約部302により確保された入庫予約を表示する。具体的には、表示部312は、少なくとも、車両の入構待ちの状態、車両が着車した状態、車両がバースに接車した状態、及び車両がバースから退車した状態に応じて入庫予約の表示を識別する。
第1の権限付与部314は、商品の発注者の取引先において、入庫予約部302により入庫予約を取得するためのIDを、発行する権限を付与する。
第2の権限付与部316は、取引先が商品の配送を委託する運送会社において、入庫予約部302により入庫予約を取得するためのIDを、発行する権限を付与する。
具体的には、第2の権限付与部316は、第1の権限付与部314により付与された権限における承認に基づいて、IDを発行する権限を付与される。さらに、第1の権限付与部314により付与された権限は、第2の権限付与部316により付与された権限において発行されたIDを編集できるが、第2の権限付与部316により付与された権限は、第1の権限付与部314により付与された権限において発行されたIDを編集できない。
予約変更部318は、ユーザの操作に応じて、表示部312により表示されたバース状況及び入庫予約に基づいて、既に確保された入庫予約を変更する。具体的には、予約変更部318は、ユーザの予約の変更操作が、既に確保された入庫予約の条件に合致しない場合に予約の変更を禁止する。
【0028】
比較部320は、入庫予約部302より確保された入庫予約と、実際に車両が荷下ろし又は積み込みを行った作業時間、車両が着車検知部308により検知された着車時間、又は、車両が実際に接車したバースとを比較する。比較部320の比較結果に基づいて、バース提示部306は、車両が接車するバースを提示する。
予約開始設定部322は、物流センターへの納品または物流センターからの出荷のタイミングを表す便別に、入庫予約部302による入庫予約の受け付け開始日時を設定する。具体的には、予約開始設定部322は、設定された受け付け開始日時に満たない日時の入庫予約の受け付けを禁止する。
先行予約設定部324は、ユーザ別に入庫予約可能な期間、又は曜日を設定する。
仮予約部326は、先行予約設定部324により設定された期間、又は曜日に仮の入庫予約を取得する。入庫予約部302は、仮予約部326により受け付けた入庫予約について、さらに車両の属性及び入庫予定時刻を受け付けた場合に、仮の入庫予約を本予約である入庫予約として登録する。具体的には、仮予約部326は、本予約移行期設定部328(後述)により設定された期間中に、仮の入庫予約を取得した車両の属性と入庫予定時刻とを受け付けなかった場合に、仮の入庫予約を削除する。
本予約移行期設定部328は、仮予約部326により取得された仮の入庫予約において、さらに車両の属性と入庫予定時刻とを受け付け可能な期間を設定する。
入庫予約監視部330は、入庫予定時刻を既定時間過ぎても着車しない入庫予約を保留にする。具体的には、入庫予約部302により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する。より具体的には、入庫予約監視部330は、入庫予約部302により取得された入庫予約に関連付けられた車両が、入庫予定時刻を既定時間過ぎても着車検知部308による着車を検知されない場合に、到着遅れである入庫予約を保留とする。さらに、入庫予約監視部330は、バースの状況を表すバースモニタにおいて、入庫予約を表す入庫予約BOXが配置及び表示されているタイムテーブルから、保留された入庫予約BOXが配置されるプールエリアへ入庫予約BOXを移動する。
【0029】
図5は、入出庫予約システム1における入庫予約画面を例示する図である。
図6は、入出庫予約システム1における入庫予約の表示を例示する図である。
入出庫予約システム1における入庫予約において、ユーザは、基本情報と車両情報とを登録する。具体的には、ユーザは、基本情報として、会社名、便区分、営業日(物流センターへの着車日)、時刻(入庫予定時刻)、車種、カテゴリー(商品の種類)、作業種別、荷物量、作業時間(作業予定時間)を入力する。さらに、ユーザは、車両情報として、運送会社名、ドライバー名、ドライバーの操作するドライバー端末11の携帯番号、物流センターへ着車する車両の車番、積み荷のメーカー名等、発地(出発地)の住所、ドライバーの操作するドライバー端末11のメールアドレスを入力する。また、ユーザは、入庫予約の登録の際、添付ファイルのアップロード、削除、及びダウンロードができる。例えば、添付ファイルは、配送車両大きさ、形状を認識できる写真、又は、荷物の形状、量を認識できる写真等である。さらに、配送伝票の写真を添付ファイルとすることもできる。これにより、物流センターにおける事前準備と他システムへのデータ作成準備との効率が上がる。
【0030】
入庫予約部302は、登録された基本情報及び車両情報基づいて、入庫予約を確保し、予約番号を発行する。具体的には、入庫予約部302は、基本情報と、車両情報と、現在の入庫予約状況と基づいて入庫予約を取得する。
図5に例示するように、入庫予約が取得されると、予約番号と、ユーザにより登録された基本情報と、車両情報とが表示される。また、入庫予約部302は、ユーザにより添付されたデータに基づいて、入庫予約を確保してもよい。
図6に例示するように、入庫予約が確保されると、表示部312は、入庫予約をタイムテーブル上に表示する。また、バースロック(後述)または優先バース(後述)が設定されている場合に、入庫予約部302は、バースロックまたは優先バースに設定されているバース及び時間を予約対象から除外して入庫予約を確保する。
【0031】
図7は、入出庫予約システム1におけるタイムテーブルとステータス表示を例示する図である。バースモニタは、タイムテーブルとプールエリアとを有し、
図7に例示するように、タイムテーブルは、入庫予約を配置及び入庫予約の時間を管理し、縦軸が時間、横軸がバース識別情報(バース番号又はバース名)を表す。タイムテーブルは、各入庫予約と入庫予約の状態とを識別して表示する。入庫予約はBOX単位で表示され、入庫予約のステータスに応じて表示方法が分かれている。具体的には、入庫予約のBOXは、入庫予約した車両が未着車の場合、車両が着車した場合、車両がバースに接車した場合、車両がバースから退車した場合、車両が到着遅れしている場合、及び、積み込み又は荷下ろしが遅れている場合に応じて表示方法が分かれている。より具体的には、バースモニタでは、未着車、着車、接車、及び到着遅れ、作業遅れを、色を分けて表示し、退車は、入庫予約BOXを削除することで表す。これにより、バースモニタのオペレータ(ユーザ)は、視覚的にバースの状況を把握することが可能である。また、タイムテーブルには現在時刻線が表示され、入庫予約時間に近づいてきたこと、入庫予約時間を過ぎたことを視覚的に把握できる。
また、バースモニタのタイムテーブルは、日またがりで表示可能であり、入庫予約も日をまたいだ入庫予約が可能である。これにより、物流センターの運営時間が深夜0:00をまたがっている場合にも対応可能である。
【0032】
図8は、オペレータ(ユーザ)による入庫予約の再配置を例示する図である。
図8に例示するように、予約が埋まっていたために入庫予約が取得できなかった車両、又は、入庫予定時刻に着車しなかった車両に関連付けられた入庫予約は、プールエリアに登録される。具体的には、入庫予約監視部330は、入庫予定時刻を既定時間過ぎても着車しない入庫予約BOXをタイムテーブルからプールエリアに登録する。オペレータ(ユーザ)は、ドラッグ&ドロップによりプールエリアに存在する入庫予約BOXを再配置する。再配置の際、予約変更部318は、オペレータ(ユーザ)の操作に応じて、バースの状況及び入庫予約に基づいて、再配置先の日時及びバース番号への入庫予約が可能であるか否かを判定し、可能である場合は、再配置された入庫予約を確定する。
予約変更部318は、再配置可能であるか否かを車両の属性に基づいて判定する。具体的には、予約変更部318は、作業予定時間が空き時間内であるか否か、及びバースが入庫予約の荷物の種別に対応しているか否か等に基づいて再配置可能であるか否かを判定する。
このように、オペレータ(ユーザ)操作において、バースの状況に応じて入庫予約の変更が可能であるため、バースの稼働率を上げることが可能である。
また、
図8に例示するように、予約変更部318は、ユーザの自動配置ボタンの押下により、プールエリアに存在する入庫予約を一括でタイムテーブルに再配置する。具体的には、予約変更部318は、当日のプールエリアにある着車中の入庫予約BOXを、現在時刻以降で自動配置する。これにより、オペレータが各入庫予約の条件に合致する再配置場所を検討せずとも、入庫予約が再配置される。
【0033】
図9は、入出庫予約システム1における実績照会を例示する図である。
図10は、入出庫予約システム1における実績詳細を例示する図である。
図9に例示するように、入出庫予約システム1では、実績照会が可能である。具体的には、入庫予約を取得した車両が実際に入庫した際の、着車してから退車するまでの実績を表示する。実績照会画面では、物流センターに入庫し、作業を行った車両の一覧が表示され、各車両の予約番号、営業日、予約日時、予約会社名、ユーザID、ユーザ名、センター、便区分、車種、カテゴリー、及び作業種別が表示される。
図10に例示するように、実績詳細画面では、予約者情報、納品予定、基本情報、納品実績、車両情報が表示される。納品実績では、着車、接車、退車、作業時間、接車したバース番号が表示される。
比較部320は、入庫予約と入庫実績とに基づいて、予約遵守率、荷下ろし時間遵守率、バース稼働率、物流センターにおける滞在時間、待機時間を算出する。予約遵守率は、到着予定時刻と着車実績時刻との差異に基づいて算出される。荷下ろし時間遵守率は、荷下ろし予定時間と実際にかかった荷下ろしの時間との差異に基づいて算出される。バース稼働率は、各バースにおいて、入庫実績/入庫予約により算出される。滞在時間は、車両の着車から接車までの時間、及び接車から退車までの時間が算出される。待機時間は、到着予定時刻と接車実績時刻との差異に基づいて算出される。
【0034】
図11は、入出庫予約システム1におけるID管理構造を例示する図である。
入出庫予約システム1の使用には使用権限であるIDが必要である。IDは、物流センター用ID、プライマリユーザ(取引先)用ID、及びセカンダリユーザ(運送会社)用IDがあり、物流センター用ID、プライマリユーザ(取引先)用ID、セカンダリユーザ(運送会社)用IDの順に階層構造となっている。ここで、プライマリユーザとは、発注者の取引先における入出庫予約システム1のユーザを示し、セカンダリユーザとは、取引先が商品の配送を委託した運送会社の入出庫予約システム1におけるユーザを示す。物流センター用IDには、センター管理者ID、及びセンターユーザIDがあり、プライマリユーザ用IDには、プライマリ管理者ID、及びプライマリユーザIDがあり、セカンダリユーザ用IDには、セカンダリ管理者ID、及びセカンダリユーザIDがある。プライマリ管理者は、センター管理者へIDを申請及び承認によりプライマリ管理者IDを取得する。セカンダリ管理者は、プライマリ管理者へIDを申請及び承認によりセカンダリ管理者IDを取得する。各ユーザIDは、各管理者により発行される。
【0035】
センター管理者IDは、下位のプライマリ管理者ID、プライマリユーザID、セカンダリ管理者ID、セカンダリユーザIDを閲覧及び編集可能である。また、センター管理者IDは、下位のIDによる入庫予約及び入庫実績を閲覧できる。センター管理者IDは、下位のIDを閲覧、編集、または実績照会をする際は、プライマーユーザまたはセカンダリユーザであるか否かの表示はされない。つまり、センター管理者は、下位の階層構造を意識することなく、IDの閲覧、編集、または実績照会が可能である。
一方で、セカンダリ管理者IDは、上位のIDを閲覧、編集、または実績照会が出来ない。さらに、セカンダリ管理者IDは、上位のIDによる入庫予約及び入庫実績を閲覧不可である。プライマリ管理者IDにおいても、上位のIDの閲覧、編集、または実績照会はできないが、下位のIDの閲覧、編集、または実績照会は可能である。
さらに、プライマリ管理者IDは、同じ階層に位置する他のプライマリ(他の取引社)管理者ID、プライマリ(他の取引社)ユーザID、及び他のプライマリ(他の取引社)管理者IDの下位にいるセカンダリ管理者ID、セカンダリユーザIDの閲覧、編集、及び実績照会はできない。セカンダリ管理者IDにおいても、同じ階層に位置する他のセカンダリ(他の運送会社)管理者ID、及びセカンダリ(他の運送会社)ユーザIDの閲覧、編集、及び実績照会はできない。
【0036】
図12(a)は、入庫予約における、いつもの基本情報登録を例示する図であり、(b)は、いつもの車両情報を例示する図である。
図12に例示するように、入庫予約登録時に、基本情報と車両情報の項目に、予め登録しておいた情報(いつもの情報)を入力することができる。いつもの情報は、会社毎に登録できる。
図12(a)に例示するように、「予約登録画面」で、事前に登録している情報を選択すると、選択した情報が自動的に入力される。また、
図12(b)の車両情報についても同様に、登録している情報を選択すると、選択した情報が自動的に入力される。
これにより、入庫予約登録の度にユーザが基本情報と車両情報を入力する必要がなくなり、入庫予約時の操作性向上が実現される。
【0037】
図13の(a)は、バースロックの登録を例示する図であり、(b)は、優先バースの登録を例示する図である。
図13の(a)に例示するように、特定のバースを、メンテナンス、又は荷下ろし遅延時の対応バース専用のバース(バースロック)として設定可能である。バースロックに登録した時間帯は、入庫予約の登録はできないが、物流センター用IDにより、入庫予約を変更する際は、バースロックが設定された時間帯でも変更が可能である。
また、
図13の(b)に例示するように、特定のバースを、路線業者等特定の運送会社のためのバース(優先バース)として設定可能である。具体的には、優先バースとして設定した期間及び時間帯は、路線業者のみが入庫予約を登録でき、通常の業者は対象の時間帯に入庫予約を取得することができない。
【0038】
図14は、入庫予約車両システム1における入庫予約のオペレーション処理(S10)を説明するフローチャートである。
図14に例示するように、ステップ100(S100)において、車両情報受付部300は、ユーザによる車両の属性と入庫予定時刻の登録を受け付ける。具体的には、車両情報受付部300は、入出庫予約システム1の入庫予約画面において、ユーザによる基本情報と車両情報とを受け付ける。
ステップ105(S105)において、入庫予約部302は、車両情報受付部300により受け付けた基本情報と車両情報とに基づいて、車両が接車するバースとバースにおける作業時間とを入庫予約として確保する。また、入庫予約部302は、確保した入庫予約の予約番号を発行し、予約番号をユーザが操作する端末の入庫予約登録画面に表示する。
ステップ110(S110)において、着車検知部308は、物流センターに入構した車両を検知する。検知方法は、物流センター内に設置された受付端末において、ドライバーによる予約番号の入力による検知、物流センター内に設置された画像認識機能を搭載したカメラ(車番検知カメラ)による車番の検知、又はドライバー端末11による、入出庫予約装置3への着車入力の通知による検知でもよい。着車検知部308により、車両を検知した場合に、入庫予約のオペレーション処理(S10)は、S115へ移行し、着車を検知していない場合は、待機する。
【0039】
ステップ115(S115)において、入庫予約監視部330は、着車検知部308により検知された車両が入庫予定時刻に対して到着遅れであるか否かを判定する。入庫予約監視部330により到着遅れであると判定された場合に、入庫予約のオペレーション処理(S10)は、S120へ移行し、到着遅れでない場合に、S125へ移行する。
ステップ120(S120)において、入庫予約監視部330により、到着遅れと判定された車両に関連付けられる入庫予約BOXが、バースモニタのプールエリアに存在する場合に、オペレータ(ユーザ)は、再入庫予約を取得する。具体的には、オペレータ(ユーザ)は、プールエリアに存在する入庫予約BOXを、ドラッグ&ドロップにより再配置することで再入庫予約をとる。
ステップ125(S125)において、表示部312は、着車した車両に関連付けられた入庫予約BOXのバースモニタ上の表示色を着車を示す色に変更し、入庫予約BOXのステータスを着車に変更する。バース状況受付部304は、各バースへの車両の接続状況を認識、及びバースの開放待ち車両の有無を確認する。
ステップ130(S130)において、バース提示部306は、バース状況受付部304により受け付けたバース状況と入庫予約とに基づいて、着車した車両の接車するバースを決定する。送信部310は、ドライバー端末11に決定したバース情報を送信する。表示部312は、バースを提示した入庫予約BOXのステータスを接車に変更する。具体的には、接車を指示された車両に関連付けられた入庫予約BOXのバースモニタ上の表示色を、接車を示す色に変更する。
【0040】
ステップ135(S135)において、着車検知部308は、物流センターから出構する車両を検知する。検知方法は、物流センター内の出口付近に設置された設置された画像認識機能を搭載したカメラによる車番の検知、ドライバー端末11による、入出庫予約装置3への退車入力の通知、又は、ドライバーによる退車の報告による検知でもよい。着車検知部308により、車両の退車を検知した場合に、入庫予約のオペレーション処理(S10)は、S140へ移行し、退車を検知していない場合は、待機する。
ステップ140(S140)において、表示部312は、退車した車両に関連付けられる入庫予約BOXのステータスを退車に変更する。具体的には、退車した車両に関連付けられる入庫予約BOXのバースモニタ上から削除する。
【0041】
図15は、入庫予約車両システム1における入庫予約開始日時の設定例を表示する図である。
予約開始設定部322は、ユーザの指定した日時を入庫予約の受け付け開始日時として設定する。
図15に例示するように、予約開始設定部322は、ユーザによる便及び入庫予約の受け付け開始日時の指定に基づいて、予約開始日時を設定し、設定された便及び開始日時に満たない入庫予約の受け付けを禁止する。これにより、バースの予約の悪用(空予約)防止し、公平な入庫予約を実現する。
また、予約開始設定部322は、事前に設定してある荷物量毎の最大作業時間以上の予約を禁止する。さらに、予約開始設定部322は、設定された予約開始日時以降に取得された入庫予約が、直前にキャンセルされた場合でも、キャンセルされた入庫予約のデータ(削除データ)を保持する。これにより、キャンセル後の削除データを閲覧することができる。
【0042】
図16は、入出庫予約システム1における先行予約処理(S20)を説明するフローチャートである。
図16に例示するように、ステップ200(S200)において、物流センターにおいて、ユーザ用の先行予約を登録する。具体的には、仮予約部326は、センター管理者IDまたはセンターユーザIDにより、特定ユーザの、毎週決まった時刻の入庫予約、又は、作業時間が長時間に渡る入庫予約を予め物流センター側で確保しておく。より具体的には、
図17に例示するように、先行予約設定部324は、センター管理者IDまたはセンターユーザIDにより、先行予約登録画面において、入庫予定期間、会社名、入庫予定の車種、接車予定のバース番号、入庫予定時刻、先行予約の削除条件、曜日指定、便区分、カテゴリー、及び荷下ろし時間の登録を受け付ける。仮予約部326は、先行予約設定部324により受け付けた情報に基づいて、仮の入庫予約を取得する。
ステップ205(S205)において、仮予約部326が、仮予約に関して、定まった車両の属性及び入庫予定時刻の情報を受け付けた場合に、先行予約処理(S20)は、S210へ移行し、受け付けなかった場合に、S215へ移行する。
ステップ210(S210)において、本予約移行期設定部328は、確定した車両の属性及び入庫予定時刻の情報を受け付けた日時が、本予約への移行可能期間であるか否かを判別する。移行可能期間内である場合に、先行予約処理(S20)は、S220へ移行し、移行可能期間を超えている場合にS215へ移行する。
ステップ215(S215)において、仮予約部326は、仮の入庫予約を削除する。
ステップ220(S220)において、入庫予約部302は、仮の入庫予約を本予約である入庫予約として登録する。
【0043】
以上説明したように、入出庫予約システム1は、既に予約されている入庫予約と、バースの状況と、入庫予定の車両に関する情報とに基づいて、適切な空き時間及びバース番号を判断する。これにより、入出庫予約システム1は、入庫予約を取得するためのバースの空き時間を最小限にし、バース稼働率を向上させる。また、物流センターでは、入庫予約の取得により、バース毎にいつ、どんな荷物が、どのような車両により入庫されるか事前に把握可能である。事前に入庫予定車両を把握可能であるため、入庫予定の車両が着車した場合の入荷台帳記入が不要となり、受付業務が低減される。さらに、入庫予定により入荷作業計画の精度を上げることも可能である。物流センター側では、バース状況に応じて、着車した車両に接車するバースを提示するため、臨機応変な対応が可能であり、着車した車両の待機時間を減少させることができる。そして、入庫予約と入庫実績との比較により、車両の待機理由を明らかにすることができ改善に繋げることが可能である。
【0044】
図18(a)は、入出庫予約システム1における着車検索画面を例示する図であり、(b)は、予約番号検索画面を例示する図であり、(c)は、携帯番号検索画面を例示する図である。
図19(a)は、入出庫予約システム1における入庫予約の検索結果一覧画面を例示する図であり、(b)は、着車受付画面を例示する図である。
上記実施形態では、着車検知部308は、着車したことを、物流センター内に設置された受付端末による入力受付、画像認識機能を搭載したカメラ(車番検知カメラ)による車番の検知、又はドライバー端末11による、入出庫予約装置3への着車入力の通知により検知していたが、これに限定されず、例えば、タブレット端末により着車を受付けてもよい。具体的には、ドライバーが、物流センター到着時に、
図18に例示するように、予約番号、携帯番号、または車番に基づいて、タブレット端末において当日の入庫予約を検索する。そして、
図19に例示するように、ドライバーは、検索結果一覧から対象の入庫予約を選択し、着車受付画面において着車を通知してもよい。
【0045】
上記実施形態では、入出庫予約システムにおいて、バース稼働率、入庫予約の尊守率、及び荷下ろし時間尊守率、待機時間状況を算出し、照会しているが、これに限定されず、例えば、入庫予約のキャンセルデータ(削除データ)に基づいて、キャンセル数及びキャンセル率を照会できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 入出庫予約システム
3 入出庫予約装置
5 物流センター端末
7 取引先端末
9 運送会社端末
11 ドライバー端末