(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099126
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】生理学的パラメータモニタリングシステム及びモニタリング方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/117 20160101AFI20230704BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20230704BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
A61B5/117
A61B5/11 110
A61B5/113
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074459
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2021138998の分割
【原出願日】2016-04-20
(31)【優先権主張番号】62/149,839
(32)【優先日】2015-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/207,687
(32)【優先日】2015-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.万歩計
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】508354647
【氏名又は名称】レスメッド センサー テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】ショルディス,レドモンド
(72)【発明者】
【氏名】ドヒニー,エメル
(72)【発明者】
【氏名】ザッファローニ,アルベルト
(57)【要約】 (修正有)
【課題】人間の検出及び識別のためのシステムを提供する。
【解決手段】人の識別または認証のために、動く被験者及び生きている被験者の特性を検出するために1つ以上のセンサが構成される。センサのシステムまたはセンサを制御するような1つ以上のプロセッサは、人を識別するために1つ以上のセンサからの信号を処理するように構成され得る。前記処理は、呼吸数、呼吸深度、動き度及び心拍数などのような信号から特徴を評価することを含むことができる。前記センサは、バイオメトリックの識別に基づいて検出制御パラメータを変更するために、例えば、センサ干渉を避けるために、自動検出制御を有する無線周波数非接触センサであり得る。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1人以上の人の生理学的パラメータをモニタリングするために人を識別するシステムで
あって、
前記1人以上の人の生理学的パラメータをモニタリングする1つ以上のセンサと、
人を識別するために前記1つ以上のセンサからの信号を処理するように構成された1つ
以上のプロセッサであって、前記処理は、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴
を含む特徴の評価を含む、1つ以上のプロセッサと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記特徴の評価は、検出された呼吸数、検出された呼吸深度、検出された動きの程度、
及び検出された心拍数、のうちの少なくとも1つの分析を含む、請求項1に記載のシステ
ム。
【請求項3】
前記1つ以上のセンサは、無線周波数非接触センサを含む、請求項1又は2に記載のシ
ステム。
【請求項4】
前記モニタリングは、睡眠中の前記人の生理学的特徴の検出を含む、請求項2に記載の
システム。
【請求項5】
前記処理は、前記人の睡眠段階の検出を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシ
ステム。
【請求項6】
前記処理は、前記人の深い睡眠の検出を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシ
ステム。
【請求項7】
前記処理は、人のREM睡眠の検出を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシス
テム。
【請求項8】
前記モニタリングは、前記人の起床時間中の生理学的特徴の検出を含む、請求項1~7
のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のセンサは、
無線周波数非接触センサと、
生体運動センサと、
ウェアラブルセンサと、
のうちの任意の1つ以上を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサの評価は、バイオメトリック及び行動特徴を含む任意の1つ
以上の特徴の検出及び分析を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のセンサは、該1つ以上のセンサのうちの少なくとも2つの間の干渉を最
小限にするように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のセンサは、距離ゲーティングパルスタイミング、パルスの放出電力レベ
ル、パルスの検出周波数及び/又は操縦可能なアンテナの位置調整、のための制御パラメ
ータを変更して干渉を最小化する、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のセンサは、有線又は無線リンクを介して通信する、請求項1~12のい
ずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
独立型人間ソースの生理学的認識を最適化し、他のソースを拒絶するために、前記1つ
以上のセンサのうちの少なくとも1つにおける性能を動的に調整するように、特性バイオ
メトリックパラメータが適用される、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のセンサと通信する制御プロセッサをさらに含み、該制御プロセッサは、
前記1つ以上のセンサと通信して、該1つ以上のセンサによる前記人、他の人、又は動物
の識別に基づいて、前記1つ以上のセンサの検出制御パラメータを調整する、請求項1~
14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上のセンサの検出制御パラメータは、距離ゲーティング、中心周波数、及び
電力レベルのうちの1つ以上を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のセンサと通信する制御プロセッサをさらに含み、該制御プロセッサは、
前記人、他の人、又は動物の識別に基づいて更なるセンサシステムを起動するように構成
される、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記更なるセンサシステムは、カメラを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
プロセッサは、前記人が以前にモニタリングされた人であるとの識別に基づいて、検出
されたバイオメトリック特性をログする、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステ
ム。
【請求項20】
プロセッサは、前記人が以前にモニタリングされていない人であるとの識別に基づいて
、検出されたバイオメトリック特性をログすることをやめる、請求項1~19のいずれか
一項に記載のシステム。
【請求項21】
プロセッサは、特定の人に対するバイオメトリック特性検出を初期化するように構成さ
れる、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサは、新たに検出されたバイオメトリック特性を、初期化されたバイオメ
トリック特性と比較して、前記特定の人を識別する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記評価は、新たに検出されたバイオメトリック特性と初期化されたバイオメトリック
特性とを比較することをさらに含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記評価は、前記信号から決定された特徴の分類を含み、該特徴は、
スペクトルピーク比、
設定オプティマイザフラグベクトル、
ピークトラフ(ピーク対谷)比、
フィルタリングされた呼吸数、
呼吸変動の尺度、
センサ信号の帯域内電力、
センサ信号の範囲、
最終呼吸数、
呼吸周期の最大振幅対最小振幅の比、
センサ信号に対する高帯域電力、
平均呼吸数、
周期的足運動活動検出、
ターンオーバーの検出、及び
後処理された動き、
のうちの1つ以上を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記評価は、前記信号から決定された特徴の分類を含み、該特徴は、心臓パラメータ、
ガルバニック皮膚反応パラメータ、運動強度パラメータ、呼吸パラメータ、血圧パラメー
タ、咳パラメータ、いびきパラメータ、睡眠パラメータ、のうちの1つ以上を含む、請求
項1~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記評価は、前記決定された特徴と過去の特徴との比較を含む、請求項24又は25に
記載のシステム。
【請求項27】
前記評価は、前記決定された特徴から、ある期間の平均及び/又は標準偏差値を計算す
ることをさらに含む、請求項24~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記システムの1つ以上のプロセッサは、別のモニタリングシステムからの1つ以上の
センサによって検出される受信データを評価する、請求項1~27のいずれか一項に記載
のシステム。
【請求項29】
前記受信データの評価は、複数の健康モニタリング装置間の同等感知の決定を含む、請
求項28に記載のシステム。
【請求項30】
モニタリング装置は、設定分類器及び被験者分類器を含み、それぞれの分類器は、人を
識別するために、前記信号からの特徴を評価するように構成される、請求項1~29のい
ずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記被験者分類器は、人を識別するために、過去の特徴を評価するようにさらに構成さ
れる、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
健康モニタリング装置は、赤外線及び赤外線放出器に感応するカメラをさらに含む、請
求項1~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記健康モニタリング装置の1つ以上のプロセッサは、前記信号からイベントを検出し
、該イベントを、該イベントを含む前記カメラで撮影されたビデオの特定の部分に関連付
けるように構成される、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記健康モニタリング装置は、バッテリー及び該バッテリーの無線充電用のコイルをさ
らに含む、請求項32又は33に記載のシステム。
【請求項35】
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のセンサを制御して、動物を示すバイオメ
トリック特性の検出に基づき、センサ検出電力、センサ周波数、センサ距離ゲーティング
、又は感知のための他の制御パラメータを変更するように構成される、請求項1~34の
いずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記1つ以上のプロセッサは、前記設定パラメータに関連付けられた特定の人の識別に
基づいて、光、音、及び/又は環境機器のうちの任意の1つ以上に対する設定パラメータ
にアクセスするように構成される、請求項1~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記1つ以上のプロセッサは、識別された特定の人の、検出されたバイオメトリックに
関連付けられた設定パラメータにより、光、音、及び/又は環境機器のうちの任意の1つ
以上における設定をトリガーするように構成される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記センサの集合体と通信する中央コントローラをさらに含み、該中央コントローラは
、構造内の識別された人の位置の確認を提供するように構成される、請求項1~37のい
ずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記1つ以上のセンサは、終夜灯を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載のシス
テム。
【請求項40】
前記1つ以上のセンサは、通過コンセントを含む、請求項1~39のいずれか一項に記
載のシステム。
【請求項41】
前記1つ以上のセンサは、該センサに電力を供給するACプラグ、及びAC電源通過コ
ンセントを含む、請求項1~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記1つ以上のセンサは、該センサに電力を供給するUSBプラグ、及びUSB通過接
続アダプダを含む、請求項1~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記1つ以上のセンサは、無線又は有線ネットワーク通信のためのネットワークインタ
フェースを含む、請求項1~42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記1つ以上のプロセッサは、前記識別された人に基づいて呼吸治療装置の動作を設定
するように構成される、請求項1~43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
該設定動作は、前記呼吸治療装置による治療を許容するか、又は拒絶する、請求項44
に記載のシステム。
【請求項46】
前記設定動作は、前記呼吸治療装置の治療を変更する、請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
前記1つ以上のプロセッサは、前記識別で評価されたバイオメトリック特性が前記呼吸
治療装置によって処理される場合、前記人の識別のために再トレーニングするように構成
される、請求項44~46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記1つ以上のプロセッサは、センサ信号品質の決定時に前記1つ以上のセンサの動作
を調整するように構成される、請求項1~47のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項49】
前記1つ以上のプロセッサは、検出されたバイオメトリック特性の品質評価に応じて前
記人を識別するために異なるバイオメトリック特性に依存するように構成される、請求項
1~48のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
前記1つ以上のプロセッサは、人を識別するためのバイオメトリック特性のベースライ
ンを初期化するための登録プロセスを動作させるように構成され、該登録プロセスは、誘
導された呼吸セッション又は自発的呼吸セッションを含む、請求項1~49のいずれか一
項に記載のシステム。
【請求項51】
前記1つ以上のプロセッサは、周波数干渉が検出される場合、前記人を識別することに
関連付けられたバイオメトリック特性を拒絶するように構成される、請求項1~50のい
ずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
前記1つ以上のプロセッサは、前記識別された人に基づいて警報の動作を設定するよう
に構成される、請求項1~51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
前記1つ以上のプロセッサは、1つ以上の他のユーザーからメインユーザーを識別する
ように構成される、請求項1~52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記システムは、1つ以上のユーザーのパラメータを経時的に追跡して、前記1つ以上
の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴のうちの少なくとも1つに基づいて分類特徴を構築
するように構成される、請求項1~53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴のうちの少なくとも1つは、次の呼
吸パラメータ、すなわち、範囲、呼吸の変化、形状、及び吸気対呼気比、のうちの1つ以
上を含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記1つ以上のプロセッサは、分類プロセスで決定された特徴からユーザーのアイデン
ティティを分類するように構成される、請求項1~55のいずれか一項に記載のシステム
。
【請求項57】
前記分類プロセスは、神経ネットワーク、隠れ層マルコフモデル、ロジスティック回帰
処理、線形カーネルサポートベクトルマシン、及びラジアルカーネルサポートベクトルマ
シン、のうちの任意の1つ以上を含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記分類プロセスは、分類の前に前記特徴に関するメイン成分分析を使用することを含
む、請求項56又は57に記載のシステム。
【請求項59】
前記分類プロセスは、リアルタイム特性及びオフライン特性を含む、請求項56~58
のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記分類プロセスは、出力事後確率を生成するために、複数の分類器及びこれらの出力
の遅延統合を含む、請求項56~59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
同一又は異なる人を検出するために配置された複数のセンサを含み、前記システムは、
該複数のセンサのパラメータを自動的に調整するように構成され、該パラメータは、範囲
、電力、周波数、検出方向、及び放射パターン、のうちの少なくとも1つを含む、請求項
1~60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
1人以上の人の生理学的パラメータをモニタリングするための、人を識別する方法であ
って、
前記1人以上の人の生理学的パラメータを、1つ以上の感知用センサでモニタリングす
るステップと、
1つ以上のプロセッサにより、人を識別するために前記1つ以上のセンサからの信号を
処理するステップであって、該処理は、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴、
を含む特徴を評価することを含む、ステップと、
を含む方法。
【請求項63】
前記特徴を評価することは、検出された呼吸数、検出された呼吸深度、検出された動き
の程度、及び検出された心拍数、のうちの少なくとも1つの分析を含む、請求項62に記
載の方法。
【請求項64】
前記1つ以上のセンサは、無線周波数非接触センサを含む、請求項62又は63に記載
の方法。
【請求項65】
前記評価することは、バイオメトリック及び行動特性を含む任意の1つ以上の特徴の検
出及び分析を含む、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記1つ以上のセンサと通信する制御プロセッサを使用して、前記1つ以上のセンサに
よる前記人、他の人、又は動物、の識別に基づいて、更なるセンサシステムを起動するス
テップをさらに含む、請求項62~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
プロセッサを使用して、前記人が以前にモニタリングされた人であるとの識別に基づい
て、検出されたバイオメトリック特性をロギングするステップをさらに含む、請求項62
~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
プロセッサを使用して、前記人が以前にモニタリングされていない人であるとの識別に
基づいて、検出されたバイオメトリック特性をロギングすることをやめるステップをさら
に含む、請求項62~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
特定の人に対するバイオメトリック特性検出を初期化するステップをさらに含む、請求
項62~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
プロセッサにおいて、新たに検出されたバイオメトリック特性を、初期化されたバイオ
メトリック特性と比較して、前記特定の人を識別するステップをさらに含む、請求項69
に記載の方法。
【請求項71】
プロセッサにおいて、新たに検出されたバイオメトリック特性と初期化されたバイオメ
トリック特性とを比較するステップをさらに含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記評価することは、前記信号から決定された特徴を分類することを含み、該特徴は、
スペクトルピーク比、
設定オプティマイザフラグベクトル、
ピークトラフ(ピーク対谷)比、
フィルタリングされた呼吸数、
呼吸変動の尺度、
センサ信号の帯域内電力、
センサ信号の範囲、
最終呼吸数、
呼吸周期の最大振幅対最小振幅の比、
センサ信号に対する高帯域電力、
平均呼吸数、
周期的足運動活動検出、
ターンオーバーの検出、及び
後処理された動き、
のうちの1つ以上を含む、請求項62~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記評価することは、前記信号から決定された特徴を分類することを含み、該特徴は、
心臓パラメータ、ガルバニック皮膚反応パラメータ、運動強度パラメータ、呼吸パラメー
タ、血圧パラメータ、咳パラメータ、いびきパラメータ、睡眠パラメータ、のうちの1つ
以上を含む、請求項62~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記評価することは、前記決定された特徴を過去の特徴と比較することを含む、請求項
72又は73に記載の方法。
【請求項75】
前記評価することは、前記決定された特徴から、ある期間の平均及び/又は標準偏差値
をプロセッサにおいて計算することをさらに含む、請求項72~74のいずれか一項に記
載の方法。
【請求項76】
前記1つ以上のプロセッサを使用し、前記1つ以上のセンサを制御して、動物を示すバ
イオメトリック特性の検出に基づき、センサ検出電力、センサ周波数、センサ距離ゲーテ
ィング、又は感知のための他の制御パラメータ、を変更するステップをさらに含む、請求
項62~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記設定パラメータに関連付けられた特定の人
の識別に基づいて、光、音、及び/又は環境機器のうちの任意の1つ以上に対する設定パ
ラメータにアクセスするステップをさらに含む、請求項62~75のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項78】
前記1つ以上のプロセッサを使用して、識別された前記特定の人の、検出されたバイオ
メトリックに関連付けられた設定パラメータにより、光、音、及び/又は環境機器のうち
の任意の1つ以上における設定をトリガーするステップをさらに含む、請求項77に記載
の方法。
【請求項79】
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記識別された人に基づいて呼吸治療装置の動
作を設定するステップをさらに含む、請求項62~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記動作を設定するステップは、前記呼吸治療装置による治療を許容するか、又は拒絶
する、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記動作を設定するステップは、前記呼吸治療装置の治療を変更する、請求項79に記
載の方法。
【請求項82】
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記人を識別するためのバイオメトリック特性
のベースラインを初期化するための登録プロセスを動作させるステップをさらに含み、該
登録プロセスは、誘導された呼吸セッション又は自発的呼吸セッションを含む、請求項6
2~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記識別された人に基づいて警報の動作を設定
するステップをさらに含む、請求項62~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記1つ以上のプロセッサにおいて、1つ以上の他のユーザーからメインユーザーを識
別するように構成される、請求項62~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
1つ以上のユーザーのパラメータを経時的に追跡して、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴
、又は動き特徴のうちの少なくとも1つに基づいて、分類特徴を構築するステップをさら
に含む、請求項62~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴のうちの少なくとも1つは、次の呼
吸パラメータ、すなわち、範囲、呼吸の変化、形状、及び吸気対呼気の比、のうちの1つ
以上を含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記1つ以上のプロセッサにおいて、分類プロセスで決定された特徴からユーザーのア
イデンティティを分類するステップをさらに含む、請求項62~86のいずれか一項に記
載の方法。
【請求項88】
前記分類プロセスは、神経ネットワーク、隠れ層マルコフモデル、ロジスティック回帰
処理、線形カーネルサポートベクトルマシン、及びラジアルカーネルサポートベクトルマ
シン、のうちの1つ以上を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記分類プロセスは、分類の前に特徴に関するメイン成分分析を使用することを含む、
請求項87又は88に記載の方法。
【請求項90】
前記分類プロセスは、リアルタイム特性及びオフライン特性を含む、請求項88又は8
9に記載の方法。
【請求項91】
前記分類プロセスは、出力事後確率を生成するために、複数の分類器及びこれらの出力
の遅延統合を含む、請求項88~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
同一又は異なる人を検出するために配置された複数のセンサを使用して、該複数のセン
サのパラメータを自動的に調整するステップをさらに含み、該パラメータは、範囲、電力
、周波数、検出方向、及び放射パターンのうちの少なくとも1つを含む、請求項62~9
1のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年4月20日に出願された米国仮特許出願第62/149,839
号及び2015年8月20日に出願された米国仮特許出願第62/207,687号に対
する出願日の利益を主張し、その全文は本明細書に参照として組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本技術は、移動個体及び生きている被験者の特性検出のための回路及びセンサに関する
。より詳細には、本技術は、例えば、特に人間の識別や認証のための信号特性に重点を置
いた、距離ゲートされた無線周波数動作感知のような、健康モニター等におけるセンサに
関する。
【背景技術】
【0003】
連続波(CW)ドップラレーダ動作センサは、連続波無線周波数(RF)キャリアを放
出し、送信されたRFをリターンエコーと混合して、移動目標物によって生成されたドッ
プラシフトに同等な差周波数を生成する。これらのセンサは、確実な限界範囲を有してい
ない(すなわち、これらは、近くて遠い両物体用信号を受信することができ、これらの受
信された信号は、レーダ断面積の関数である)。これは、誤ったトリガ、すなわち、動作
アーチファクト干渉をもたらすことができる。これらは、誤ったトリガをもたらす近距離
において好ましくない高感度を有することもできる。
【0004】
パルスドップラ動作センサは、米国特許第4,197,537号(Follenらの)
に記載されている。短いパルスが送信され、そのエコーが送信パルスと自己混合する。パ
ルス幅は、距離ゲートされた領域を定義する。送信パルスが終了すると、送信パルスの終
了後に到来する混合端部とターゲットリターンは混合されずに出るようになる。
【0005】
「差分パルスレーダ動作センサ」という名称の米国特許第5,966,090号(Mc
Ewan)に開示された差分パルスドップラ動作センサは、2つの異なるパルス幅で交互
に送信する。次いで、各幅からドップラ反応を差し引くと、かなり一定の反応対範囲を有
する距離ゲートされた「ドップラ」感知領域を生成する。
【0006】
「超広帯域レーダ動作センサ」という名称の米国特許第5,361,070号(McE
wan)に記載されたようなインパルスレーダは、送信されたパルス幅に関連する非常に
狭い感知領域を生成する。「パルスホモダインフイルード撹乱センサ」という名称の米国
特許第5,682,164号(McEwan)に記載されたような2パルスドップラレー
ダ動作センサは、第1のパルスを送信した後に、第1のパルスからのエコーと混合する第
2のパルスを生成する。従って、距離ゲートされた感知帯域には、定義された最小及び最
大の範囲が形成される。UWBレーダ動作センサは、意図的な放熱器として世界的なRF
規制承認を受けていない欠点を有する。これらは、中間範囲で物体を感知することが困難
であり、幾つかの実施形態において、RF干渉を受けやすい可能性がある。
【0007】
変調パルスドップラセンサは、McEwanの米国特許第6,426,716号に記載
されている。距離ゲートされたマイクロ波動作センサは、調節可能な最小及び最大の検出
範囲を含む。これらの装置は、送信及び混合器パルスを生成するために関連付けられたパ
ルス生成及び遅延素子を有するRF発振器、信号送信(TX)/受信(RX)アンテナま
たは一対の別個のTX及びRXアンテナ、及び混合器及びエコーパルスから距離ゲートさ
れたドップラ信号を生成するために関連付けられたフィルタリング、増幅、及び復調素子
を有する検出器/混合器を含むRF受信器を含む。
【0008】
米国特許第7,952,515号において、McEwanは、特定のホログラフィック
レーダを開示している。ホログラフィックレーダに距離ゲートを追加して具体的なダウン
レンジ領域に対する反応を制限する。McEwanは、特に、内部画像平面またはスライ
スを画像化するために材料を透過させるときに、画像化された表面のよりきれいなクラッ
タフリーレーダホログラムが得ることができるということを明示している。距離ゲーティ
ングは、積層されたホログラム技術を可能にし、この場合、複数の画像化された表面がダ
ウンレンジ方向に積層され得る。
【0009】
米国特許第7,994,968号において、McEwanは、ホログラフィックレーダ
用のRF大きさサンプラを開示している。McEwanは、RF大きさサンプラが、狭帯
域ホログラフィックパルスレーダによって生成された干渉計測パターンを精巧に解決する
ことができるということを記述している。
【0010】
米国特許公開公報第2014/0024917号において、McMahon らは、距
離ゲートされた感知用無線周波数パルスを放出するための振動信号を生成するように構成
され得る生理感知用センサを記載している。これらのセンサは、パルスを放出するように
構成された無線周波数送信器及び放出された無線周波数パルスのうちの反射したパルスを
受信するように構成された受信器を含む。受信されたパルスは、動作、睡眠、呼吸及び/
または心拍動のような生理特性を検出するように処理され得る。
【0011】
Nymiのようなウェアラブルリストバンドは、認証システム-各ユーザー用に特定さ
れたECG形状において使用され得る他の変数を導入する。(https://www.
nymi.com/)
【0012】
US20100191076 A1(Aaron Lewicke,Yi Zhang
,John D.Hat-lestad)は、昼間/夜間呼吸数モニタリングを記述して
いる。
【0013】
US8232866(William R. McGrath,Ashit Talu
kder)は、マイクロ波心臓信号を利用したリモートロングスタンドオフバイオメトリ
ック識別を記述している。
【0014】
US832100(Seth Snyder,Jasper Speicher)は、
バイオメトリックデータディスプレイシステム及び方法を記述している。
【0015】
WO2003000015(Mark D Wiederhold,Rodney P
Meyer,Steven A Israel,John M Irvine)は、生
理計測変化の分析による識別を記述している。
【0016】
US8762733(P.Alexander Derchak,Lance Mye
rs)は、生理的指紋を判断するために、生理学的バイオメトリックスを利用したアイデ
ンティティ確認用システム及び方法を記述している。
【0017】
US20110040574(Ho Chung Nicholas Fung,Ch
u Yong Sang)は、バイオメトリック識別を利用した健康モニタリングシステ
ムを記述している。
【0018】
US6993378(Mark D.Wiederhold,Steven A. I
srael,Rodney P.Meyer,John M.Irvine)は、生理計
測変化の分析による識別を記述している。
【0019】
識別または認証のための特性を感知するために、センサ及び/またはその信号処理を改
善する必要があり得る。
【0020】
認証及び他の目的のために、個人を識別することができることが好ましい。
【0021】
ウェアラブル非接触生理的行動データ収集の出現は、特定の人をその個人のバイオメト
リック「指紋」から検出し識別して、他の人(偽装したこと)からデータを拒否し、そし
て、センサ(及び潜在的に付与されるか関連付けられたサービスまたは治療)の遵守や使
用を保障する必要性を誘発する。このような特性は、生理的行動信号から引き出すことが
できる。
【0022】
センサデータが特定のユーザー及びマイクロ及びマクロ環境から収集されることを検出
することに加えて、システムが正常(健康な)信号からの偏差を検出することができ、こ
のような変化(例えば、悪化する状態または処置/治療によった好転する状態)に対して
頑強であることが好ましい。
【発明の概要】
【0023】
本技術の幾つかの実施形態の一態様は、例えば、無線周波数信号で生理的特性を検出す
るためのセンサに関する。
【0024】
本技術の幾つかの実施形態の他の態様は、例えば、無線周波数信号を利用して検出され
た信号特性から個人を認証するためのセンサに関する。
【0025】
本技術の幾つかのバージョンは、健康モニタリングのような1つ以上の人の生理学的パ
ラメータをモニタリングするための人を識別する方法またはシステムを含むことができる
。前記システムは、1つ以上の人の生理学的パラメータをモニタリングするための1つ以
上のセンサを含むことができる。前記システムは、人を識別するために1つ以上のセンサ
からの信号を処理するように構成された1つ以上のプロセッサを含むことができ、前記処
理は、呼吸特徴、心臓特徴または動き特徴、例えば、検出された呼吸数、検出された呼吸
深度、検出された動き度及び検出された心拍数のうちの任意の1つ以上を含む特徴の評価
を含み、前記評価は、検出された特徴のうちの1つ以上の分析を含む評価を含むことがで
きる。
【0026】
幾つかのバージョンにおいて、1つ以上のセンサは、無線周波数非接触センサを含む。
前記検出は、人の睡眠中に生理学的特性の検出を含むことができる。前記処理は、睡眠段
階の検出を含むことができる。前記処理は、深い睡眠の検出を含むことができる。前記処
理は、REM睡眠の検出を含むことができる。前記検出は、人の起床時間中の生理的特性
の検出を含むことができる。前記1つ以上のセンサは、明細書の詳細な説明の全般にわた
って記述される任意の1つ以上のセンサを含むことができる。前記1つ以上のプロセッサ
の評価は、明細書に記述されたセンサ信号の任意の1つ以上の特性の検出及び分析を含む
ことができる。
【0027】
幾つかのバージョンにおいて、前記1つ以上のセンサは、1つ以上のセンサのうちの少
なくとも2つのセンサの間の無線周波数(RF)干渉などの干渉を最小限にするように構
成され得る。前記1つ以上のセンサは、距離ゲーティングパルスタイミング、RFパルス
のようなパルスの放出電力レベル、RFパルスのようなパルスの検出周波数、及び/また
はRFパルスのようなパルスの検出周波数を変更し、及び/または操縦可能なアンテナの
位置を調整することによって、RF干渉などの干渉を最小限にするように構成され得る。
1つ以上のセンサは、有線または無線リンクを介して通信することができる。
【0028】
幾つかのバージョンにおいて、独立型人間ソースの生理学的認識を最適化し、他のソー
スを拒否するために、1つ以上のセンサの性能を動的に調整するようにバイオメトリック
パラメータが適用され得る。前記システムは、1つ以上のセンサと通信する制御プロセッ
サを含むことができ、前記制御プロセッサは、1つ以上のセンサと通信して、1つ以上の
センサの検出制御パラメータを調整することによって、人または動物の識別に基づいて、
1つ以上のセンサの検出制御パラメータを調整することができる。前記1つ以上のセンサ
の検出制御パラメータは、距離ゲーティング、RF中心周波数及びRF電力レベルのうち
の1つ以上を含むことができる。
【0029】
幾つかのバージョンにおいて、前記システムは、1つ以上のセンサと通信する制御プロ
セッサを含むことができる。前記制御プロセッサは、1つ以上のセンサによる人または動
物の識別に基づいて更なるセンサシステムを起動するように構成され得る。更なるセンサ
システムは、カメラを含むことができる。選択的に、システムにおいて、プロセッサは、
以前にモニタリングされた人であると確認された前記人の識別に基づいて検出されたバイ
オメトリック特性(例えば、人のアイデンティティと関連したデータベースにおけるよう
な記録データ)をログするとか、またはログすることができる。システムの幾つかのバー
ジョンにおいて、前記プロセッサは、以前にモニタリングされていない人であると確認さ
れた前記人の識別に基づいて検出されたバイオメトリック特性をロギングすることを抑制
するか、または抑制するように構成され得る。幾つかのバージョンにおいて、プロセッサ
は、特定の個人に対するバイオメトリック特性検出を初期化するように構成され得る。選
択的に、プロセッサは、新たに検出されたバイオメトリック特性を初期化されたバイオメ
トリック特性と比較して、人を識別することができる。前記評価は、新たに検出されたバ
イオメトリック特性と初期化されたバイオメトリック特性とを比較することを含むことが
できる。
【0030】
選択的に、前記評価は、前記信号などから決定された特徴などの分類を含むことができ
る。前記特徴などは、以下のうちの1つ以上を含むことができる:スペクトルピーク比;
設定オプティマイザフラグベクトル;ピークトラフ比;フィルタリングされた呼吸数;呼
吸変動尺度;センサ信号の帯域内電力;センサ信号の範囲;最終呼吸数;呼吸周期の最大
振幅対最小振幅の比;センサ信号の高帯域電力;平均呼吸数;周期的足動き活動検出;タ
ーンオーバーの検出またはターンオーバー検出;及び後処理動き。
【0031】
選択的に、前記評価は、前記特徴などが心臓パラメータ、ガルバニック皮膚反応パラメ
ータ、運動強度パラメータ、呼吸パラメータ、血圧パラメータ、咳(coughing)
パラメータ、いびきパラメータ、睡眠パラメータのうちの1つ以上を含む信号などから決
定された特徴などの分類を含むことができる。
【0032】
前記評価は、決定された特徴と過去の特徴とを比較することを含むことができる。幾つ
かのバージョンにおいて、評価は、決定された特徴などから一定期間の平均及び/または
標準偏差値を計算することをさらに含むことができる。
【0033】
幾つかのバージョンにおいて、モニタリングシステムの1つ以上のプロセッサは、他の
モニタリングシステムから1つ以上のセンサによって検出された受信データを評価する。
受信したデータの評価は、複数の健康モニタリング装置などの間の同等のものを感知する
決定を含むことができる。各々のモニタリング装置は、設定分類器及び被験者分類器を含
むことができ、各分類器は、人を識別するために、信号から特徴を評価するように構成さ
れる。被験者分類器は、人を識別するために、過去の特徴を評価するようにさらに構成さ
れ得る。健康モニタリング装置またはシステムは、赤外線及び赤外線放出器に感応するカ
メラをさらに含むことができる。幾つかのバージョンにおいて、健康モニタリング装置の
ようなモニタリングシステムの1つ以上のプロセッサは、信号からイベントを検出し、前
記イベントを含むカメラで撮影されたビデオの特定の部分に前記イベントを関連付けるよ
うに構成され得る。前記モニタリング装置またはシステムは、バッテリー及びバッテリー
の無線充電用のコイルをさらに含むことができる。
【0034】
幾つかのバージョンにおいて、前記1つ以上のプロセッサは、動物を示すバイオメトリ
ック特性の検出時に、センサ検出電力、センサ周波数、センサ距離ゲーティングまたは検
出のための他の制御パラメータを変更するために、1つ以上のセンサを制御するように構
成され得る。1つ以上のプロセッサは、設定パラメータに関連付けられた人の識別に基づ
いて、光、音及び/または環境機器のうちの任意の1つ以上に対する設定パラメータにア
クセスするように構成され得る。前記1つ以上のプロセッサは、識別された人の検出され
たバイオメトリックに関連付けられた設定パラメータで、光、音及び/または環境機器の
うちの任意の1つ以上の設定をトリガーするように構成され得る。
【0035】
幾つかのバージョンにおいて、前記システムは、前記センサなどの集合体と通信する中
央コントローラを含むことができる。中央コントローラは、構造内の識別された人々の位
置確認を提供するように構成され得る。幾つかのバージョンにおいて、1つ以上のセンサ
は、終夜灯を含むことができる。1つ以上のセンサは、通過コンセントを含むことができ
る。1つ以上のセンサは、センサに電力を供給するためのACプラグ及びAC電源通過コ
ンセントを含むことができる。1つ以上のセンサは、センサに電力を供給するためのUS
Bプラグ及びUSB通過連結アダプダを含むことができる。1つ以上のセンサは、無線ま
たは有線ネットワーク通信のためのネットワークインタフェースを含むことができる。
【0036】
幾つかのバージョンにおいて、1つ以上のプロセッサは、識別された人に基づいて呼吸
治療装置の動作を設定するように構成され得る。前記設定された動作は、呼吸治療装置へ
の治療を可能にすることができる。設定動作は、呼吸治療装置の治療を変更させることが
できるか、又は変更させる。
【0037】
選択的に、前記1つ以上のプロセッサは、前記識別で評価されたバイオメトリック特性
が呼吸治療装置によって処理される場合、前記人の識別のために再トレーニングするよう
に構成され得る。1つ以上のプロセッサは、センサ信号品質の決定時に1つ以上のセンサ
の動作を調整するように構成され得る。1つ以上のプロセッサは、検出されたバイオメト
リック特性の品質評価に応じて人を識別するために、異なるバイオメトリック特性に依存
するように構成され得る。1つ以上のプロセッサは、人を識別するためのバイオメトリッ
ク特性のベースラインを初期化するための登録プロセスを動作させるように構成され得る
。登録工程は、誘導呼吸セッションまたは自発的呼吸セッションを含むことができる。幾
つかのバージョンにおいて、1つ以上のプロセッサは、無線周波数干渉が検出されるとき
に人を識別することに関連付けられたバイオメトリック特性を拒否するように構成される
。
【0038】
本技術の幾つかのバージョンにおいて、システムの1つ以上のプロセッサは、識別され
た人に基づいて警報の動作を設定するように構成され得る。1つ以上のプロセッサは、1
つ以上の他のユーザーからメインユーザーを識別するように構成され得る。システムは、
1つ以上のユーザーのパラメータを経時的に追跡して、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴ま
たは動き特徴のうちの少なくとも一つに基づいて分類特徴を構築するように構成され得る
。一部このような場合に、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴または動き特徴のうちの少なく
とも一つは、以下の呼吸パラメータ:範囲、呼吸の変化、形状及び吸気と呼気の比のうち
の1つ以上を含む。
【0039】
選択的に、1つ以上のプロセッサは、分類プロセスで決定された特徴などからユーザー
のアイデンティティを分類するように構成され得る。分類プロセスは、神経ネットワーク
、隠れ層マルコフモデル、ロジスティック回帰処理、線形カーネルサポートベクトルマシ
ン及びラジアルカーネルサポートベクトルマシンのうちの1つ以上を含むことができる。
分類プロセスは、分類に先立って、特徴または特徴セットに関するメイン成分分析を使用
することを含むことができる。分類プロセスは、リアルタイム特性及びオフライン特性を
含むことができる。分類プロセスは、ユーザーまたはメインユーザーのアイデンティティ
に関する確率のような出力事後確率を生成するために、複数の分類器及び出力の遅延統合
または分類器の出力を含むことができる。
【0040】
場合によって、システムまたは方法は、同一または異なる人を検出するために配置され
た複数のセンサを含むことができ、前記システムは、複数のセンサの感知制御パラメータ
などのパラメータを自動的に調整することができ、前記パラメータは:範囲、電力、周波
数、検出方向及び放射パターンのうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
本技術の他の態様、特徴、及び利点は、本明細書の一部であり、一例として技術の原理
を示した添付図面に関連して、以下の詳細な説明から明らかになる。本技術の更なる態様
は、添付の特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本技術の更なる例示的な実施形態が、添付図面を参照して説明される。
【0043】
【
図1】本技術の幾つかのバージョンにおいて、無線周波数センサで実施するために適した例示的な検出装置の図である。
【
図2A】本技術の幾つかのバージョンに適したセンサ信号の評価のための概念的な構造及び工程流れを示した図である。
【
図2B】例示的な生理インジケータの検出のためのセンサ信号の更なる処理を示す図である。
【
図3】睡眠及び昼間の人間のバイオメトリックを算出するための処理システム及び流れをそれぞれ示した図である。
【
図4】睡眠及び昼間の人間のバイオメトリックを算出するための処理システム及び流れをそれぞれ示した図である。
【
図5】バイオメトリック指紋を発生させるための、特性特徴の算出のための処理を示す図である。
【
図6】アイデンティティの登録(トレーニング)及びその後の検証や拒否のためのシステム処理を示す図である。
【
図7】アイデンティティの登録(トレーニング)及びその後の検証や拒否のためのシステム処理を示す図である。
【
図8】1.8m未満の距離で非接触パルス化された連続波RFセンサを利用して記録された睡眠期間(約8.3時間)中の被験者「ユーザーA」に対する心拍数及び呼吸数の信号を示す図である。
【
図9】1.8m未満の距離で非接触パルス化された連続波RFセンサを利用して記録された睡眠期間(約8.3時間)中の
図8の被験者「ユーザーA」に対する心拍数及び呼吸数ヒストグラムを示す図である。
【
図10】1.8m未満の距離で非接触パルス化された連続波RFセンサを利用して記録された睡眠期間(6時間をわずかに超える)中の被験者「ユーザーB」に対する心拍数及び呼吸数を有する信号を示す図である。
【
図11】1.8m未満の距離で非接触パルス化された連続波RFセンサを利用して記録された睡眠期間(約8.3時間)中の
図10の被験者「ユーザーB」に対する心拍数及び呼吸数ヒストグラムを示す図である。
【
図12】0.1Hzのペーシングされる(paced)呼吸周波数に対するHRとBRとの間のクロススペクトル密度を示す図である。登録は、自発呼吸だけでなく、ペーシングされる呼吸期間を含むことができる。
【
図13】デフォルト構成で2人の人間をモニタリングする2つのセンサを示した図である。センサが各個人からオーバレイされた呼吸及び心拍数信号を受信することに応じてバイオメトリック品質は低下し、両個人の移動が検出される。
【
図14】2人の人間をモニタリングする2つのセンサを示した図である。センサが明確で分離されたバイオメトリックを最大限にするために、範囲と力を最小限にするように構成されることに応じて、バイオメトリック品質は優れている。
【
図15】デフォルト構成で1人の人間をモニタリングする2つのセンサを示した図である。センサ_aが人間_bを「見ており」重複バイオメトリックがセンサのうちの少なくとも1つで検出されることに応じて、バイオメトリック品質が低下する。
【
図16】明確で分離されたバイオメトリックを最大限にするために、範囲と力を最小限にするようになされた構成で一人の人間をモニタリングする2つのセンサを示した図である。センサ_aが節電/検索モードに入る。センサ_bは人間_bの明確なバイオメトリックを検出する。
【
図17】動物(犬)がルームに入ってベッドに横になっているベッドルームをモニタリングする2つのセンサを示した図である。センサ_aが節電/検索モードに入り、同時にセンサ_bは非人間の心拍数及び呼吸数信号をモニタリングする。
【
図18】他の生命体(例えば、犬)の干渉がありながら、3人の人間をモニタリングする3つのセンサを示した図である。
【
図19】ユーザーの識別のための例示的な分類システムの処理を示す図である。
【
図20】ベッドサイド面で検出されたユーザーが予想されたユーザーであることを確認するために、センサデータが比較される睡眠(または覚醒)環境における2人(またはそれ以上の)のユーザーの識別のための例示的な分類システムの処理を示す図である。
【
図21A】本技術によるシステムを示した図である。患者インタフェース3000を着用した患者1000が、RPT装置4000から加圧された空気の供給を受ける。RPT装置4000からの空気は、加湿器5000で加湿され、空気回路4170に沿って患者1000に移動する。ベッドパートナー1100がまた示されている。
【
図21B】鼻マスク型患者インタフェース3000を有する患者1000で使用されているRPT装置4000を示す図である。
【
図21C】フルフェイス(full-face)マスク型の患者インタフェース3000を有する患者1000で使用されているRPT装置4000を示す図である。
【
図22】鼻マスク形態になった非侵襲患者インタフェース3000を示す図である。
【
図23A】本技術の一形態によるRPT装置4000を示す図である。
【
図23B】本技術の一形態によるRPT装置4000の空気圧回路の概略的な図である。上流及び下流の方向が示されている。
【
図23C】本技術の一態様によるRPT装置4000の電気構成素子の概略的な図である。
【
図23D】本技術の一態様によるRPT装置4000で実施されるアルゴリズム4300の概略的な図である。
図9Dにおいて、実線の矢印は、例えば、電子信号による情報の実際の流れを示している。
【
図23E】本技術の一態様による
図9Dの治療エンジンモジュール4320によって行われる方法4500を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
1.背景
現在の健康管理及び個人健康の未来を窺って見ると、互いに連結されている3つのカテ
ゴリーが明白である:すなわち、(i)私たちの身体からデータを収集してモニタリング
する傾向、(ii)圧迫されている健康予算及び(iii)医療の自動化。
【0045】
(「定量化された自己(Quantified Self)」の動きに対してアーリー
アダプダから)ますますより多い健康教育を受けるようになるにつれて、人々はより長く
生きており、彼らの医者に、より多いことを要求しており、「パワーカーブ(power
curve)」が消費者に向かって移動しているといういくつかの証拠がある。この空
間にある製品が成功的になるためには、製品は、製品を人の人生に付属しなければならず
、必須品になるべきである。予防は、治療よりもはるかに安価であり、健康システムは-
医者が誰かをよく守ってくれる対価として支払って受けるが、人が病気になると支払って
受けることができない(すなわち、西洋の世界で医学が支払った典型的な方法と対照的な
)古代中国システムにより-結果ベースの措置に移行するべきである。
【0046】
医療機器及びサービスのぼやけは、医学の自動化及びエキスパートシステムの出現につ
ながっている。このような変化によって、支払者(例えば、保険会社)は、資金調逹の格
差を解消し、計画された方式で病院入院を事前対比的に管理することを追求することがで
きるので、家庭の慢性疾患をモニタリングする能力が容易になっている。
【0047】
2.ユーザーアイデンティティ
従って、偽装したことを避け、識別されたユーザーのバイオメトリック及び行動データ
の非正常的な変化を検出するために、ユーザー特定のパターン(すなわち、ユーザーを識
別すること、ここでは、一般的なバイオメトリック「指紋」という)を識別することがで
きるシステムが必要である。
【0048】
実際の人間の指紋またはたぶん虹彩スキャンとは異なり、本発明で言及された「バイオ
メトリック指紋」は、必然的にユーザーのアイデンティティの曖昧な(より正確でなない
)推定であり、2つのバイオメトリック及び行動様相の両方を含むという点に留意しなけ
ればならない。そのような生理学的及び行動的パラメータは(例えば、ユーザーがより痛
くて、より健康になり、他の生活変化を経験することによって)、時間の経過と共にユー
ザーごとに進化すると予想される。
【0049】
概要されたシステムは、ユーザー特定のパターンを検出することができることに意図さ
れる。使用の例は、ユーザーの健康及び身体鍛錬レベルを改善または管理するとか治療法
遵守を奨励するために(例えば、保険料、または支払い資格を減らすために、または追加
負担金を減らすために)、ユーザーを認証し、処方された治療を遵守するかどうかを潜在
的に確認し、及び/または支払いまたはその他インセンティブを認可することを含む。場
合によって、特定のユーザーの検出は、(例えば、センサを利用して互いに異なるセッシ
ョンなどの間で)バイオメトリック健康パラメータが以前に検出される現在のユーザーが
、健康パラメータが以前に検出された以前のユーザーと同一であることを保障するために
使用され得る。このような場合、複数のセッションから過去から検出された健康パラメー
タの分析は、異なるユーザーの健康パラメータと混じっていない単一のユーザーのものと
して確認され得る。従って、検出されたパラメータのセンサ記録は、以前に識別されたユ
ーザーのバイオメトリック確認/認証に基づくことができる。
【0050】
本技術は、ソフトウェアアルゴリズム(複数)のようなプロセス、及び1つ以上のセン
サ及びサービスからデータを読み取り、データを処理し、新たに収集されたデータ及び以
前に収集されたデータセットに基づいてシステムパラメータを適応させるシステムに関す
る。このようなセンサのうちの一部またはすべては、システムの最終ユーザーから生理学
的データ読み取り値を収集する。
【0051】
このようなソフトウェアアルゴリズム及びシステムの一例は、歩行計数用加速度計(複
数)、コンパス(複数)、全地球測位システム(Global Positioning
System:GPS)(位置設定/位置認識)及び心拍数測定モニターのような内蔵
したセンサを有するスマートフォンを含むことができる。他の例示的なシステムは、(動
き測定用)加速度計、(例えば、光学またはその他の方法を使用する)心拍数モニター、
ガルバニック皮膚反応(galvanic skin response:GSR)測定
装置、(例えば、フォトプレチスモグラフィック信号から導出された)血圧モニター、及
び/または(例えば、前述または本明細書で論議された無線RFバイオモーション(生体
運動)センサに基づく)呼吸センサを含むことができる。
【0052】
追加のデータは、無線リンクを介して「ラボオンチップ(Lab on chip)」
付着モジュールによってユーザーから、または、例えば、RFID(radio fre
quency ID、無線周波数ID)のような識別チップを介して薬物分配器から直接
、または肺活量計(ピーク流量計)のような測定装置から収集され得る。
【0053】
3.生理学的及び行動情報の検出
一実施形態において、ユーザーがベッドにいる間に心拍数、呼吸数、(例えば、浅い/
喘ぎまたは深い)呼吸深度のような生理学的パラメータ、動き度(動きの程度)及びその
他の関連するパラメータを収集する装置が、ベッドサイド(またはベッドの中または下ま
たは上に、またはユーザーに着用されて)の側に配置され得る。
【0054】
システムは、ユーザー入力を必要とせずに連続的に作動することができる。例えば、デ
バイスは、ユーザーがそばにいてもいなくても(例えば、常に)、センサが(例えば、2
4時間、7日、一週)感知するようにそれの動作をトリガー、させない。これに関して、
距離ゲーティング(range gated)RFセンサのようなデバイスは、メインユ
ーザーと他のユーザー(複数)を区別するために空間(例えば、ベッドルーム)を連続的
にモニタリングすることができる。システムは、動きパターン及び呼吸(例えば、範囲、
呼吸対呼吸変化、形状、吸気対呼気の比)に基づいて特徴の分類を構築するために、時間
の経過と共にユーザーのパラメータを追跡することができる。従って、システムは、分類
特徴を構築するように構成され得る。
【0055】
システムは、持続的にシステムのメイン(支配的な)またはプライマリユーザーを追跡
することができ、差分特徴を構築することができる。また、システムは、ユーザーが寝て
いるベッドサイドとユーザーが毎週寝る時間などのようなユーザーの習慣を追跡すること
ができる。システムは、神経ネットワーク(例えば、隠れ層マルコフモデル)のような分
類器を使用するか、より簡単な実施のために分類特徴を決定するロジスティック回帰(l
ogistic regression)を使用することができる。オフライン及びリア
ルタイムの両方で被験者分類特徴は、システムにとって検出された人が、ユーザーまたは
ユーザーのパートナーのような他のユーザーである確率を決定できるようにすることがで
きる。オフライン処理は、また、感知/モニタリングセッションの間に計算/決定され得
るリアルタイムパラメータに基づいてシステムを再トレーニングさせることができるよう
にする。これに関して、リアルタイム分類は、ユーザーがセンサの感知範囲で感知される
間に行われ得る。感知/モニタリングセッションの以後に計算/決定され得るオフライン
パラメータのようなオフライン処理は、ユーザーがこれ以上センサの範囲内にいなくなっ
たときに、以前に感知されたデータを使用して行われ得る。オフライン特徴(または複数
のオフライン特徴)またはオフラインパラメータは、オフライン処理の産物である。例え
ば、ごく最近のデータ(「リアルタイム」)に基づいて計算及び/または分類する代わり
に、オフライン処理ステップは、全体モニタリング/感知セッション(例えば、夜間)ま
たは複数のセッションなど(例えば、夜間など)の事後(post hoc)分析を可能
にする。このような処理は、例えば、ベッドパートナーが覚醒してベッドルーム/センサ
領域を離れた後に行われ得る。このようにすると、夜間/睡眠セッション(複数)のすべ
てのデータの広範囲な検討が提供され得る。リアルタイム特徴またはリアルタイムパラメ
ータは、計算されることができ、及び/または、例えば、特定の感知/モニタリングセッ
ション中にごく最近のデータを有した分類に適用され得る。
【0056】
線形カーネルまたはラジアルカーネルサポートベクトルマシン(support ve
ctor machine:SVM)のような分類のための他の技術が実現され得る。特
徴の計算は、非常に類似している多数の特徴が使用される場合に、分類に先立って特徴集
合を「白くする(whiten)」(すなわち、更なる処理の前に次元数データのような
すべての冗長データを減らす)メイン成分分析(Principal Componen
t Analysis:PCA)を使用して最適化され得る。複数の分類器が使用され得
るが、出力事後確率を形成するために、出力の「遅延統合」を使用することができる。
【0057】
複数のセンサに適用されるとき、(例えば、ベッドのいずれかの側に置かれた)複数の
センサから同一または異なる人を検出し、ネットワークを介してデータを共有することに
よって、範囲、電力、周波数、検出方向及び/または放出された放射パターンのようなセ
ンサパラメータは、病棟内の患者のような多数の人々が存在することができる領域を支援
するように自動的に調整され得る。これに関して、放出された放射パターンは、検出パタ
ーンまたは検出領域(すなわち、3次元(3D)感知空間-センサの後ろに存在し得る任
意の後方突出部(lobe)を含む)に関連する。検出パターンは、範囲及び方向に関連
する。センサは、(例えば、近距離及び遠距離ゲーティングを有する)センサの範囲、セ
ンサの放出された電力レベル(遠距離ゲート内でさえもSNR(信号対雑音)が低くなる
可能性があるため、効果的な更なる検出が以前よりもはるかに近くなるので、これも範囲
に影響を及ぼすこと)を調整するように調整され得る。電力は、感知環境に人がいないと
き、電力は低い電力/バッテリー使用のための省エネルギーにも関連することができる。
無線周波数誘電体共振発振器(dielectric resonant oscill
ator:DRO)は、センサに使用される場合、相当な電力を消費することができる。
周波数は、(例えば、干渉を避ける)共存または異なる国の規制要件のために変わること
ができる。自動化された検出方向は、デバイスのセットアップを劣悪にさせる(例えば、
最適に第1のユーザーを指さないと、システムは、ユーザーに実際の適切なセットアップ
を移すように促すことなく、このセットアップに自動的に適応することができる)。例え
ば、センサは、周波数及び放出特性を制御され、可逆可能な方式で動的に修正することが
できる再構成可能なアンテナを有することができる。
【0058】
従って、システムは、RFのような非接触センサから、例えば、運動、呼吸及び/また
は心拍数のパラメータを検出することによってユーザーを検出し、認証するように構成さ
れ得る。
【0059】
例えば、
図1に示したように、本技術の幾つかの実施形態は、装置の近傍にいるユーザ
ーまたは患者の生理学的特性を検出するために有用な感知または検出装置100を実現す
ることができる。センサは、独立型センサであり得るか、または装置のセンサによって検
出された生理学的特性の分析に基づいた自動化された治療回答を提供するために、呼吸治
療装置のような他の装置と結合され得る。例えば、コントローラ及びフロージェネレータ
ーを備えた呼吸治療装置は、このようなセンサで構成されることができ、センサによって
検出された生理学的特性に応答して患者インタフェース(例えば、マスク)において行わ
れる加圧治療を調整するように構成され得る。例示的な呼吸治療装置は、2015年7月
31日付に出願された国際特許出願第PCT/US2015/043204号に開示され
ており、その全文は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0060】
このような装置の典型的なセンサは、距離ゲーティング感知のための無線周波数パルス
のような無線周波数の波を放出するために送信器を使用することができる。送信器との組
み合わされた装置にオプションで含まれることができる受信器は、反射されたバージョン
の波を受信し処理するように構成され得る。受信された反射信号に基づいて生理学的特性
を導出するために、センサを活性化させる装置のプロセッサのような信号処理が使用され
得る。
【0061】
例えば、
図2Aに示したように、送信器は、被験者、例えば、人間に向かって無線周波
数信号を送信する。一般に、RF信号のソースは、局部発振器(local oscil
lator:LO)である。次いで、反射された信号は、原の信号の一部と共に受信され
、増幅され、ミキシングされ、このミキサーの出力は、フィルタリングされ得る。結果信
号は、人の動き、呼吸及び心臓活動に関する情報を含んでいることができ、未加工(ra
w:ロー)動作センサ信号と呼ばれる。
【0062】
図2Bは、生理学的特性のインジケータを生成するために、未加工センサ信号のいくつ
かの潜在的な処理を例示するダイヤグラムである。未加工信号は、一般に、身体動き、呼
吸及び心臓活動の組み合わせを反映する成分を含む。身体動きは、例えば、ゼロクロス(
zero-crossing)またはエネルギー包絡線検出アルゴリズム(またはより複
雑なアルゴリズム)を使用することによって識別されることができ、これは、「モーショ
ンオン」または「モーションオフ」インジケータを形成するために使用され得る。例えば
、このような動き検出アルゴリズムは、米国特許出願公開番号第2009/020397
2号に開示された方法に従って実施されることができ、この全文は、本明細書に参照によ
り組み込まれる。呼吸活動は、典型的に0.1~0.8Hzの範囲であり、その領域の通
過帯域を有した帯域通過フィルタで元の信号をフィルタリングすることによって導出され
得る。心臓活動は、より高い周波数の信号に反映され、このような活動は、1~10Hz
の範囲の通過帯域を有する帯域通過フィルタでフィルタリングすることによってアクセス
され得る。
【0063】
このような呼吸及び動きセンサは、距離ゲーティングされたRF動作検出器(moti
on detector)であり得る。センサは、DC電源入力を受けて、検出範囲内の
人の呼吸及び動き信号の同位相及び直交成分の両方を有する4つのアナログ動作チャンネ
ル出力を提供するように構成され得る。パルス化されたRFモーションセンサの場合、距
離ゲーティングは、所望の区域または範囲のみに動き検出を制限するために役に立つこと
ができる。従って、センサを利用した検出は、センサから規定された距離内で行われ得る
。
【0064】
他の例として、使用されるセンサのタイプは、前述のMcEwan及びMcMahon
の特許文献に記載された技術のうちの少なくとも一部を使用する無線周波数RFベースの
、例えば、ResMedのSleepMinder非接触センサファミリであり得る。本
明細書中に参考として組み込まれる国際公開WO2010/036700、WO2010
/091168、WO2008/057883、WO2007/143535及びWO2
015/006364に記載された測定及びデータ処理技術がまた、使用され得る。さら
に、加速度計、圧電またはUWB(RF Ultra Wide Band:RF超広帯
域)マットレス、受動赤外線または皮膚色及び動き検出機能があるカメラのような他の光
学手段を使用する代替技術も使用され得る。例えば、デバイスは、米国特許出願公開第2
009/0203972号、国際特許出願第PCT/US14/045814号;201
5年4月20日付に出願された米国仮特許出願第62/149、839号及び本願と同日
付で出願された米国仮特許出願第62/207、670号のうちのいずれかの文献に開示
されている任意の方法及びセンサに従って、動き検出アルゴリズムまたはセンサ技術を実
施することができ、これらの全体開示内容は、それぞれ本明細書中に参照により組み込ま
れる。さらに、2015年8月14日付に出願された米国仮特許出願第62/205,1
29号に記載された任意の無線周波数センサは、本発明技術の任意のバージョンで実施さ
れることができ、その全体開示内容は、本明細書中に参照により組み込まれる。
【0065】
呼吸数、慢性咳またはいびきと一致するサウンドパターンをモニタリングして分類し、
これらをファン、道路雑音及びこれと類似のような背景雑音から分離するために、マイク
ロフォンがまた、使用され得る。例えば、昼間の昼寝の間に行われることもできるが、こ
れは「夜間睡眠」モニタリングと呼ばれ、ユーザーの睡眠環境でユーザーを対象にする。
また、呼吸数及び心拍数、及び他のそのような生理学的信号は、非接触または接触関連技
術に基づいたセンサのような代替センサを使用しても検出され得る。
【0066】
ユーザーがベッドから出るとき、ユーザーの生理学的パラメータは、身体ウェアラブル
センサによって選択的にモニタリングされ得る。例えば、これは、クリップベースデバイ
ス、スティックオンパッチ(皮膚またはラボオンチップ)または腕時計スタイルデバイス
であることができ;収集されたセンサパラメータは、(加速度計を介した)動き及びステ
ップ、位置、ガルバニック皮膚反応(galvanic skin response:
GSR)、(光学、電気または動き手段による)心臓及び呼吸数及びその他の関連したパ
ラメータの一部または全部を含む。これは「昼間/覚醒モニタリング」と呼ばれ、ユーザ
ーの覚醒している活動の中でユーザーを対象にする。このようなデバイスは、FitBi
t、Basis、Apple、Withingsまたはその他の製品のようなイヤークリ
ップ、腕時計またはリストバンドフォームファクター内にあり得る。
【0067】
1つ以上のセンサからのバイオメトリックデータは、また「生存性(liveness
)」、すなわち、生きている人間の検出の信頼度をさらに高めるために、または顔認識、
皮膚色検出及び/またはマイクロブラッシュ検出のような技術を使用して特定のユーザー
を識別するために、ビデオ/カメライメージデータと融合され得る。データのこのような
融合は、更なる因子を分析するために加えることができる。例えば、皮膚色検出は、顔認
識、ジェスチャー認識及びその他の応用例における第1のステップとして使用されること
ができ、スケーリング、回転及び咬合に非常に堅牢である。
【0068】
幾つかの実施形態において、昼間及び/または夜間の呼吸数は、ベルトまたはブラジャ
ー、胸部バンド(例えば、spire.ioデバイス)、鼻カニューレにクリップされた
加速度計のようなウェアラブル呼吸センサによって、または、PPG(photople
thysmography:光電容積脈波)信号から波形を抽出して捕捉され得る。この
ようなデータは、本明細書に説明されたバイオメトリック識別にも関与され得る。
【0069】
移植可能な(すなわち、モニタリングされる人の中に移植された)装置からの圧力及び
その他のデータをシステムによって収集された値と組み合わせることが可能であることを
分からなければならない。また、ベッドルームの外部で収集されたベースラインデータを
互いに相関させることが可能である。従って、1つ以上のセンサからのデータは、例えば
、特定のユーザーに起因することができる検出されたバイオメトリックデータのベースラ
インを確立し、及び/または新たに検出されたデータを以前に収集されたデータと比較し
て新たに検出されたデータが特定のユーザーに起因することを確認することにより、人/
ユーザーのバイオメトリック確認/識別時に評価され得る。従って、システムは、現在パ
ラメータを過去パラメータと比較することができる。
【0070】
システムは、接触センサ読み取り値(例えば、身体ウェアラブルセンサからの読み取り
値)及び非接触センサ(例えば、ドップラ、RFセンサ)からのデータだけでなく、ビデ
オ検出システムからのビデオ/カメライメージデータを集計及び/または組み合わせるこ
とができる。従って、システムは、ユーザーのライフスタイルに合うように集合的24/
7作動またはその一部を行うことができる。
【0071】
本明細書で記述されるアルゴリズム及び方法は、データベース記憶装置にアクセスする
、例えば、コンピューティング装置(例えば、PC、サーバー、クラウドサービス、スマ
ートデバイスアプリケーションまたは変形体)上の1つ以上のプロセッサで実施され得る
。アルゴリズムは、一つまたは複数のデータソースを分析する分類システムに基づくこと
ができ、データベースに記憶された過去データを引き出すことができる。規則閾値、テン
プレート及び/または格納されたモデルは、ユーザー特定及び人口ベースの人口統計デー
タに基づいた適応的な確率重み付け値に基づいて変更され得る。
【0072】
3.1 センサフィードバック
システムは、フィードバックループを(例えば、PCまたはスマートフォンまたはタブ
レットのようなスマートデバイスを介して)ユーザーまたは第3者に提供することができ
、選択的には、検討、認証及び選択的仲裁のためにモニタリングセンターに提供すること
ができる。システムは、また、様々な呼吸の問題を有したユーザーを助けるために使用さ
れる持続性気道陽圧(continuous positive airway pre
ssure:CPAP)、適応補助換気装置(adaptive servo vent
ilation:ASV)及び/またはバイレベル気道陽圧(バイレベル)マシンのよう
な治療装置の治療効果に対するフィードバックを提供することができる。このような装置
は、本明細書でより詳細に説明される。
【0073】
幾つかの実施形態において、センサは、CPAP装置、例えば、フロージェネレーター
またはこれと類似の(例えば、呼吸圧力治療(Respiratory Pressur
e Therapy:RPT)装置のような呼吸治療装置と共に統合されるか、呼吸治療
装置内に統合され得るか、または一緒に通信するように構成され得る。例えば、治療を受
ける人のバイオメトリックを検出すると、システムは、予想されたシステムのユーザーが
正しい治療法を受けていたかどうかをクロスチェックすることができる。従って、システ
ムは、PAPデバイスの治療法を、例えば、識別に基づくCPAP、ASVまたはバイレ
ベルマシンにおける予想されたマシンパラメータ(圧力または流動プロトコルなど)で選
択的に再構成することが可能にすることができる。また、システムは、予想された人(例
えば、以前に検出され識別されたユーザー)が識別されることができない場合、モニタリ
ングセンター及び/またはユーザーに警報をフラグで知らせることができる。このような
治療装置の一例は、本明細書の以前セクション及び後続セクションでより詳細に説明され
る。
【0074】
同様に、予想されるバイオメトリックが検出されるとき、被験者の呼吸数及び心拍数は
、特定のユーザーに治療法をよりうまく適応させるためにシステムによって利用され得る
。例えば、上昇した心拍数を検出すると、システムは、心拍数を予想される範囲内に減少
させるために、呼吸を補助してくれるデバイスに特定の呼吸曲線を入力することができる
。
【0075】
幾つかの実施形態において、CPAP、バイレベル、ASVまたは他の治療法に対する
心拍数フィードバックが受信されるとき、治療法が使用中である場合及び使用されていな
い場合の両方も心拍数の増加を追跡し、(不整脈を示すことができる)心拍数の不規則な
変動の増加を追跡し、及び/または心拍数力学及び呼吸数力学の長期傾向を追跡すること
が可能である。
【0076】
このような方式で、フィードバックをモニタリングサーバーに提供することが可能であ
る。
【0077】
職場健康環境において、そのようなバイオメトリックデータは、モニタリングシステム
の濫用を低減及び/または防止することができる。例えば、鉱夫またはトラック運転手は
、睡眠呼吸障害スクリーニング、診断、モニタリング及び睡眠品質分析装備をこれらの居
所またはバンク(例えば、車両の運転席/寝棚)に設置することができる。いくつかのタ
イプのセンサは、ベッドサイド、上または下ではないベッド上に置かれることができる。
特定の被験者/ユーザーが説明されたバイオメトリックで実際にモニタリングされている
ことを確実にすることにより、モニタリング情報は、(すなわち、すべてのユーザーが割
り当てられたバンクで寝ていることを保証する)ロスタリングシステム(rosteri
ng system)のような中央システムに供給されることができ、例えば、意図され
た/識別された人に十分な睡眠が確実に確保されるように実施され得る。これに関して、
システムは、疲労管理システムを参照して、バンクで寝ている人を検出し、睡眠品質を追
跡することができる。一例において、ユーザーが睡眠時無呼吸症を有することができるが
、ユーザーの治療に順応しないことができる(例えば、CPAPマスクを着用しないこと
ができる)。このように、(特に、労働安全衛生上の理由で治療法を使用するべきである
と)、システムは、ユーザーのリスクが高いという警報を出すことがある。幾つかの実施
形態において、システムは、ユーザーを追跡及び/または識別する前に、システムのユー
ザーまたはオペレータから許可を要求することができる。
【0078】
一般に、幾つかのバージョンにおいて、感知されたバイオメトリックデータが(例えば
、分類された「指紋」によって)特定の人物に属するものとして識別されると、バイオメ
トリックデータは、その人のアイデンティティと関連して、例えば、データベースに記憶
され得る。
【0079】
昼間、重機械の専門運転手及び/またはオペレータまたは安全が重要なアプリケーショ
ンにいる他の人(例えば、航空交通管制官)は、Plessey EPIC容量性センサ
、レーダまたはウェアラブルデバイスのような生理学的センサを使用してモニタリングさ
れ得る。
【0080】
「覚醒している」及び「寝ている」データの例示的な収集は、以下に説明される。「覚
醒している」からの信号収集方法は、「寝ている」にも適用されることができ、その逆の
場合も同様である。
【0081】
4.「覚醒している」時間データ収集
システムによって情報がどのように利用されるかの例は、以下の通りである:
【0082】
4.1 心拍数
a.心拍数(Heart rate:HR)データは、連続または半連続的にユーザー
から収集される。これは、胸部バンド(例えば、Polarによって提供されるようなス
ポーツモニタリングバンド)、または心拍数モニタリングを実施する腕時計(例えば、B
asis時計、携帯型ECG、光電容積脈波(photoplethysmogram)
、心弾動図(ballistocardiogram)またはこれと類似の)を介して行
われ得る。理想的に、低いユーザー衝撃デバイスが使用されるが、これは長期間(数日、
数ヶ月または数年)にわたる毎日モニタリングに適する。
b.HRデータは、製品心拍数変動性(heart rate variabilit
y:HRV)推定値を生成するために分析される。
c.記録されたHRVパラメータ(例えば、心拍数の短期及び長期変動)は、正常被験
者及び慢性疾患被験者の過去パラメータ及び人口統計(予想)パラメータと比較され、特
徴は、分類器に提供される。また、信号の低域フィルタリングに基づいて、より円滑なバ
ージョンのHRVが利用されることができ;これは、メインに長期間の変動の分析及び傾
向除去されたバージョンとの比較に使用される。
【0083】
4.2 ガルバニック皮膚反応
a.ガルバニック皮膚反応(Galvanic skin response:GSR
、皮膚電気反応(electrodermal response)としても知られてい
る)は、ウェアラブルデバイス(例えば、Basis時計または他の市販のGSR測定装
置)で記録することができる。
b.GSR信号は、交感神経の「戦闘または飛行」活性化の代理測定値として使用され
る。
c.抽出されたGSR信号とHRV信号を組み合わせると、交感神経活性化と副交感神
経活性化との間の比を推算することができる。交感神経対副交感神経活性化のこのような
均衡は、システムによる正常対疾病進行状態(例えば、副交感活動の減少による増加され
た交感神経活動)の推定者として使用される。
【0084】
4.3 運動強度
a.運動強度と持続期間の変動は、「昼間」センサから捕捉され、データベースに記録
され、特定の傾向及び変動について分析される。
b.概日リズム/眠気の重複されたモデルは、一日中の活動と静止の明確なパターン(
例えば、ベッドから出た後、出勤、その後に早朝にコーヒーブレーク、その後に会議への
歩行、ランチタイムの散歩、続いて午後の眠気[最も強い睡眠駆動は、一般的に午後1時
から3時の間に起こる]、休息中の活動、家に退勤、夕方に読書/テレビ視聴中の活動減
少及び睡眠時間中の更なる減少[最も強い睡眠欲は、一般的に午前2時から4時の間に起
こる]のような時間の間に会社員の活動の増加)を示すことができる。
c.エネルギー消耗は、ステップカウンタと共に心拍数とGSRデータを組み合わせて推
定され得る。代替的に、運動強度の代用として(例えば、Nike Fuel Band
、FitBit、Jawbone Upまたはこれと同様のウェアラブルデバイスを使用
する)独立型ステップカウンター(万歩計)を使用することができる。
【0085】
4.4 呼吸パラメータ
a.呼吸数、深度及び活動(下記の「睡眠」セクションで説明する)
【0086】
4.5 血圧パラメータ
a.ウェアラブル光電容積脈波ベースセンサから導出される
【0087】
5.「睡眠」時間データ収集
「睡眠モニタリング」情報がシステムによってどのように利用されるかの例は、以下の
通りである:
【0088】
5.1 呼吸数、深度及び活動(運動)レベル
アルゴリズムは、ユーザーの息(呼吸)数及び力学関係のパターンを検出するように実
施される。アルゴリズムは、日、週、月及び/または年にわたって人のベースライン呼吸
数、動き特性及び呼吸波形形状を適応的に追跡して呼吸力学のプロフィールを構築するこ
とができる。
【0089】
アルゴリズムモジュールは、ユーザーに対する適応的ベースラインを生成し、一定期間
(例えば、24時間)にわたる中央値、平均、四分位範囲、歪度、尖度、最小及び最大呼
吸数のような呼吸数パラメータをよく見て、メインに(しかし、排他的ではない)人が眠
っている時を目標とする。さらに、吸気/呼気波形形状と短期、中期及び長期の呼吸変動
が追跡される。ユーザーのベースライン体力もこのような読み取り値に影響を与えること
ができる。
【0090】
呼吸による胸部の動き、揺れ感知及び解除、ベッドで転がし、及び(例えば、肉体的な
刺激または不快感による)スクラッチングを含んだ多数の行動による粗くて微細な動き検
出によって誘発されたものを含めて、生理学的の反復的及び可変的動きを決定するための
アルゴリズム処理ステップ及び関連するデジタル信号処理のグループとして、「覚醒して
いる」モニタリングにおいて行われる活動検出と幾つかの重なりがある。
【0091】
5.2 心拍数
心拍数は、また、接触(例えば、光学的方法を使用するBasis時計のようなウェア
ラブルデバイスまたはECG電極及び装置)から、または、(心弾動図信号―皮膚表面か
ら非侵襲的に検出された心臓の機械的動きから導出される)ウェーブレットベースの時間
-周波数変換のような技術を利用するSleepMinderのような非接触センサから
「夜間」ベッドルーム環境で推定され得る。
【0092】
5.3 咳といびき
マイクロフォンを介して記録されたオーディオ信号のデジタルサンプリングを利用して
、アルゴリズムはいびき、鼻詰まり(snuffling)、咳または呼吸困難の特徴的
なパターンを検出することができる。これは、デジタルフィルタバンク、周波数分解及び
「バースト的(bursty)」雑音の探索、すなわち、スペクトル分析を使用した「咳
署名」の探索を使用して、または、形態学的処理を使用して実現される。これらのイベン
トは、選択的に動き及び呼吸パターンとクロス相関される。
【0093】
6.信号処理
イン-ベッド(in-bed)モニタリングの1つの例示的な実現のために、本発明は
、適切なADCモジュールを使用してデジタル化された無線周波数RADARによって記
録された2つのチャンネル(同位相I及び直交Q)信号を分析する。これらのRF信号は
、連続波であるか、またはパルス化することができる(例えば、ResMedのSlee
pMinder5.8GHz及び10.525GHzセンサ、FMCW方法を使用する装
置またはその他のものに適用され得る)。幾つかの場合において、センサは、米国特許出
願公開第2014/0024917号に開示されたセンサであることができ、その全文は
、本明細書中に参照により組み込まれる。信号は、フィルタバンクに供給され、フィルタ
バンクで帯域通過フィルタリングを含めた一連のデジタルフィルタが適用されて低周波の
揺れ情報を感知して除去する。2つのチャンネル内の位相情報は、比較されて時計回り/
反時計回りのパターンを生成する。信号フォールドオーバ(foldover)を抑制す
るためにヒステリシス及びグリッチ検出が適用され、その結果、信号は、センサの基準フ
レームに対する動き源(動きソース)の相対的方向を表す。ピーク/トラフ検出及び信号
追跡は、この処理を補助するために追加で使用される。従って、システムは、動きがセン
サに向かってまたはセンサから遠ざかって移動するかどうか、方向が変わるかどうかを決
定することができる。
【0094】
信号のスペクトル内容の計算は、高速フーリエ変換及びピーク検出(周波数領域)を使
用して行われるかまたは例えば、離散化連続ウェーブレット変換(discretize
d continuous wavelet transform)、適切なベーシス選
択及びピーク検出を使用する時間-周波数処理を通じて行われる。残余低周波成分は、ま
た、より長い時間尺度傾向を決定するために処理され得る。
【0095】
チェーンストークス呼吸(Cheyne-Stokes Respiration)の
ような循環的または周期的パターンを含む睡眠呼吸障害(sleep disorder
ed breathing)のパターンは、状態の悪化を引き起こすこと以外に、ユーザ
ー認識の側面を提供することができる。このようなSDB症状の発現が検出されると、C
PAPのような治療法を後続適用することを分かっているシステムは、変化するバイオメ
トリックを認識するように自動的に再トレーニングを受けることができることを知るべき
である(すなわち、CPAP治療法介入の事前及び事後検証を確認する)。従って、呼吸
/心臓/動き活動に影響を及ぼす疾病状態が治療されると、システムは、確認プロセスを
再調整/再トレーニングすることができる。
【0096】
心房細動及び震い(発作を含む)、心室頻脈及びその他のもののような心臓パターンは
、また、アイデンティティ認識の側面を提供することができる。そのような場合、治療法
に関連するシステムへの入力は、ユーザーが自己の不整脈に関する治療を捜すと、アイデ
ンティティ検出失敗を減らすことができる。
【0097】
7.「指紋」生成
可能な多数の入力信号を処理する重要な側面は、各信号の信号品質の確固な推定値であ
る。ユーザーのバイオメトリック「指紋」を推定し、このバイオメトリックマーカーが健
康状態から病気状態に進化することを追跡して捕捉することが好ましいように、信号が品
質が悪いか、変質されたものであるかまたは好ましくないように加工され得る(すなわち
、操作され得る)ことが認識される。劣悪な信号品質は、必ずしもセンサ間の干渉によっ
て引き起こされるではない。例えば、ウェアラブル心臓モニターは、身体に不適切に接触
して使用することができないか、誤読された信号を誘発することができる。同時に着用さ
れた他の運動センサからのデータと関係して比較することは、センサの位置が間違ってい
るために長期間疑心される信号品質に対比して、身体の動きによる間歇的な劣悪信号(例
えば、他のセンサ(複数)を撹乱する動きによって潜在的に予想される信号損傷)を区別
するために役に立つことができる。
【0098】
ユーザーは、ユーザー自己ではない何らかの他の人為的または自然的動きソース上にス
テップカウンターを置くことによって、ステップカウンターを欺いて、人為的に高い読み
取り値を提供するように決定することができる。検出された動き及び/または他のパラメ
ータの時間変動統計は、ユーザーの予測されたバイオメトリック「指紋」と区別し、無効
または改ざんされた値をフラグで知らせるために使用され得る。
【0099】
パターン認識プロセスを管理するシステムは、複数の入力パラメータを受け入れること
ができ、品質推定器が実行されて任意の劣悪な品質データを破棄またはフラグ付けしたと
推定する。入力データは、寸法的に重複され得るということと、追後処理に先立ってこの
ような任意の重複性を減らすために、ランダム化されたPCA(メイン成分分析)のよう
なプロセスが適用され得るということが認識される。
【0100】
図3は、睡眠環境における人間のバイオメトリック(または複数のバイオメトリック)
を計算するためのシステムを概略的に示す。アナログセンサの場合、データはADCによ
ってデジタル化され、デジタルセンサの場合、信号は直接使用され得る。帯域通過フィル
タリングを使用して雑音ソース(例えば、メインな50/60Hz)をフィルタリングす
ることのような前処理が行われる。心拍数、呼吸数及び動き/活動は、時間周波数方法を
使用して(例えば、短時間フーリエ解析またはウェーブレット解析を使用することによっ
て)抽出される。従って、睡眠環境における運動及び呼吸信号(生理学的信号)の存在は
、距離ゲーティングされた運動センサモジュール(またはピエゾベースマットレスセンサ
またはリスト着用センサなどのような他のタイプのセンサ)のようなフィールドセンサに
よって検出される。次いで、生理学的信号が含まれた分解された運動信号に対して睡眠段
階が行われる。バイオメトリック特徴が抽出され、「指紋」/バイオメトリックは推定さ
れ、人間が以前にシステムに知られているかどうかにかかわらず、人間であるか否かに分
類される。行動データには、睡眠持続時間の長期傾向(例えば、平日/週末変動の典型的
な長期傾向)、就寝時間(平日/週末)、睡眠効率、覚醒回数、入眠するまでにかかる時
間(入眠潜時)、REMと深い睡眠の割合など-これらは、週末に社会活動するユーザー
の行動によって、例えば、自発的な睡眠制限によって影響を受けるものなどである-を含
む。
【0101】
図4は、生理学的パラメータから人間のバイオメトリック特性を計算し、選択的に、行
動特性(例えば、昼間活動、位置、一日中の特定の時間帯の心拍数/呼吸数の急増または
変動のパターンなど)を組み合わせるシステムを概略的に示す。昼間信号には、行動デー
タだけでなく、生理学的信号も含まれることができる。使用可能なセンサ及び所望のユー
スケース(use case)に応じて、睡眠時間と昼間の検出が組み合わせされるかま
たは個別的に考慮され得ることが分かる。
【0102】
図8は、1.8m未満の距離にある非接触式パルス化された連続波RFセンサを利用し
て記録した、睡眠セッション(約8.3時間)中に被験者「ユーザーA」の心拍数(上パ
ネル)及び呼吸数(下パネル)の信号を示す。
図9は、「ユーザーA」に関する関連心拍
数及び呼吸数ヒストグラムを示す。
図10は、(6時間をわずかに超える)睡眠セッショ
ン中の異なる被験者「ユーザーB」の心拍数及び呼吸数を有する信号、及び
図11の関連
する心拍数及び呼吸数ヒストグラムを示す。このような信号は、本技術の処理によって評
価され得る。
【0103】
例えば、
図5は、バイオメトリック指紋を生成するために特徴的な特徴の計算のための
処理を示す。ユーザー分類器に入力されるバイオメトリックパラメータを区別することに
よってユーザー認識が行われ得る(例えば、このような目的のために心臓及び呼吸信号か
らの特徴を計算して組み合わせることができる
図5を参照すること)。選択的に、良質の
HR(心拍数)が使用可能でないか検出されないと、システムは、考慮中の処理期間の一
部または全部の間にBR(呼吸数)に後退することができる;従って、システムは、検出
されたバイオメトリック特性の品質に応じて、人を識別するために異なるバイオメトリッ
ク特性に依存することができる。
図5に示されるか、以下で識別される特徴のうちの任意
の(例えば、2つまたはそれ以上の)特徴は、バイオメトリック指紋の一部として評価さ
れ得る:
【0104】
[呼吸/呼吸信号関連パラメータ]
-昼間及び/または夜間の呼吸数の変動性(ユーザーを特徴付ける変動性)
-これは、呼吸の間またはより長い時間尺度の間(例えば、30、60、90秒またはよ
り長い期間の間)であり得る
-経時安全性(変動性に関連する)
-呼吸数の標準偏差
-呼吸深度(浅い、深いなど)及び隣接呼吸の相対振幅
-呼吸数の平均または平均値
-アウトライヤーを拒否するためにトリミングされた平均(例えば、10%)
-覚醒または睡眠(すなわち、検出されたユーザーの睡眠状態)
-静かな期間及びREM睡眠中に見られる呼吸数の急変(突然の加速または減速)
-中央値(50百分位数)
-四分位範囲(25~75百分位数)
-5~95百分位数
-10~90百分位数
-ヒストグラムの形状
-歪度
-尖度
-経時ピーク周波数
-ピーク周波数の第2の高調波と第3の高調波の比率
-有効データの百分率(有効生理学的に妥当なデータ)
-個々信号の自己相関
-スペクトログラムの特徴的なパターン
-覚醒または睡眠
-REMと深い睡眠の相対割合
【0105】
[心臓/心臓信号]
-心拍数変動性(例えば、心弾動図(Ballistocardiogram)から導出
される)心拍動間)及びより長く定義された移動ウィンドウの間-例えば、30、60、
90秒)
-経時変動性(心拍動間/呼吸変動性)
-平均
-トリミングされた平均(10%)
-標準偏差
-中央値(50百分位数)
-四分位範囲(25~75百分位数)
-5~95百分位数
-10~90百分位数
-ヒストグラムの形状
-歪度
-尖度
-経時による安全性
-経時によるピーク周波数
-ピーク周波数の第2高調波と第3高調波の比率
-有効データの百分率(有効生理学的に妥当なデータ)
-覚醒または睡眠
-個別信号の自己相関
-スペクトログラムの特徴的なパターン
【0106】
[心臓呼吸信号]
-(移動ウィンドウで)振幅二乗クロススペクトル密度(Magnitude Squa
re Cross Spectral Density)
-クロスコヒーレンス
-呼吸副鼻腔不整脈ピーク
-自律神経系の副交感神経/交感神経均衡を示すLF/HF比
-心臓及び呼吸信号推定値のクロス相関、クロスコヒーレンス(またはクロススペクトル
密度)
-より長い時間尺度にわたった特徴的な動きパターン、すなわち、信号において観察され
る統計的挙動
-これらの心臓及び呼吸信号を検出して比較する間の動きパターン(例えば、睡眠中に幾
つかのユーザーは、より安らかな睡眠を取ることができ、幾つかのユーザーは、安眠でき
なくなることがある)
【0107】
例えば、動き及び/または他の特徴の基準分布は、計算された分布と比較されることが
でき、ノンパラメトリックコルモゴロフ-スミルノフ(Kolmogorov-Smir
nov)適合度のようなテストは、変動性に関して定義された登録されたヒストグラムの
比較器として行われ得る。パラメータの抽出は、(STFTまたはウェーブレットのよう
な)時間周波数分析技法を使用して達成することができる。
【0108】
どんな単一パラメータ(例えば、平均心拍数または休む時のまたは深い睡眠のような特
定の睡眠段階における平均呼吸数)もユーザーを区別するようにすることはできないが、
より進歩したシステムは、複数の特徴を組み合わせることができ、これに応じて特徴のグ
ループが分類器に供給される早期統合接近法が選好される。トレーニングデータ(ラベル
付けされたデータ)が使用可能であれば、監督分類システムが使用されることができ、こ
れにより、モデルパラメータを生成するために、大規模トレーニングデータセットがシス
テムに提供される。最初の使用から生じたデータ(昼間または夜間信号)は、バイオメト
リック「指紋」がユーザー特定の正確度で増加されるようにするために、フィードバック
されてユーザー特定の分類器をアップデートすることができる。これは、登録ステップを
介して達成することができ、これにより、サンプル取得テンプレートがデータベースに格
納される。続いて、アイデンティティを検証するためにマッチングステップが行われる。
そのような詳細トレーニングデータが不足していると、スパース符号化(sparse
coding)(例えば、イメージ処理フィールドから引き出されたLCCローカル座標
符号化)またはその他の符号化のような技術を用いた、半監督された、または監督されて
いない学習特徴階層(例えば、深層学習)アプローチが使用される。
【0109】
決定ベース神経ネットワークは、テンプレートマッチングステップが行われた以後に利
用されることができて、決定が検証され得る。
【0110】
ユーザーの生理学的指紋は、「正確な」(すなわち、予想される)ユーザーが検出され
ることを検査するために参照され得る。これは、例えば、ベッドルーム用テーブル(ni
ghtstand)に置かれた非接触センサがユーザーAをモニタリングするときに起こ
り得る曖昧さを低減/除去する。ユーザーAは、ベッドから出ることができ(例えば、浴
室に行く、または仕事することができるなど)、他のユーザーB(例えば、ベッドパトー
ナー(複数可)、ベビーまたはペット)は、センサ範囲内に移動することができる。基本
センサデータプロセッサは、ユーザーBのパラメータを感知するはずであり、それでは、
これをユーザーAと混同することができる。より進歩されたプロセッサは、ユーザーBの
「指紋」/パターンを感知し、これをAと区別する。静的センサがユーザー集合を知って
いる場合、システムは、処理された学習の一部として監督されたトレーニングデータにア
クセスすることができる。ユーザーを知らない場合(すなわち、システムに知られていな
い場合)、半監督された(すなわち、ユーザーAは知っているが、B、Cなどは知らない
)パターン認識が行われることができるか、または区別するラベルがないと、監督されて
いないシステムがシステムに利用可能である。半監督されたまたは監督されていないシス
テムは、ユーザーの生理学的パラメータと行動パラメータの特徴的な組み合わせの「指紋
」を生成するために、複数日/夜間のデータが必要になることができる。
【0111】
ベッドルームで非接触または最小の接触センサを使用してシステムを登録する間に、被
験者は、センサの前で特定の呼吸運動-例えば、案内された深い呼吸信号を行うように要
請され得る。システムは、案内したとき、定義された吸気/呼気期間及び深度の深いまた
は浅い特定の呼吸パターンを有したユーザーを登録することができる。検出された心拍数
信号及び他のHR特徴との一貫性のレベルは、ベースライン入力として使用され得る。よ
り複雑な登録は、システムをトレーニングさせ、及び/または昼間のセンサデータをモニ
タリングするために、より長い期間の自発的呼吸(例えば、一晩信号)を記録することを
要求する。
【0112】
登録プロセス及び後続するアイデンティティ検証のアルゴリズム的処理ステップは、図
6及び
図7で提供される。
図6において、最初に登録のためのシステムが構成される。こ
れは、実は自動または手動であることができ;例えば、睡眠セッションを登録するために
、これは手動で開始することができるが、システムは、夜間期間に生成されたデータを自
動にスキャンして基点を確認し、ユーザーに対するバイオメトリック署名(「指紋」)を
生成するために、特徴(例えば、分類器のモデル重み付け値)を計算する。これは、後で
バイオメトリック検索及び比較のためにデータベースに格納される。昼間の登録は、1つ
以上のモニタリング装置からデータを集計し、また、署名を生成するために、ユーザー行
動データを処理することができる。このような行動の側面は、悪意のあるユーザーが呼吸
及び心臓信号を模倣するのがより容易であるから、行動データには、生理学的データより
も低い重み付け値が割り当てられることができる。
【0113】
図7において、最初のステップは、有効信号(例えば、加速度計上のセンサベースライ
ン活動以上の、RFセンサの地域で検出された「存在」)が検出されること、及び人間が
検出され(呼吸及び心臓信号が検出されることを意味する)、特徴が計算され、機械学習
アルゴリズムがバイオメトリック推定値を出力することである。その後、システムは、デ
ータベースにアクセスして、(検出された信号に)適切な睡眠及び/または覚醒モデルを
チェックする。特定のユーザーが検出される確率に基づいて、システムは、可能性のある
候補者をチェックするためにアイデンティティ及びアクセス管理(identity a
nd access management:IAM)システムにアクセスする。統計的
な比較が行われ、人間のバイオメトリックを有効なものとして認証するか、(関連する権
限レベルを承認するか、チェックするか-または同一であることを確認するために別のデ
ータベースを参照するか)、バイオメトリックを拒否(ユーザーを認証しない)すること
の決定が下される。
【0114】
図8及び
図10には、(RFセンサによって検出されたものとして)ユーザーA及びユ
ーザーBの心拍数及び呼吸数のサンプルグラフが示される。これらの信号の関連するヒス
トグラムは、
図9及び
図11に示される。
【0115】
図12は、0.1Hz(6呼吸/分の深呼吸)で維持される呼吸を行う被験者の心拍数
及び同時呼吸数の部分間のクロススペクトル密度を示す。クロススペクトル(このような
方法は、システム間の関係を特性化するために使用され得る)において、ピークは、0.
1Hzで心拍数及び呼吸数に及ぼす共同影響を示す。
【0116】
ベッドで寝ている動物-例えば、犬と猫-からデータを検出して拒否することがこのシ
ステムによって可能になる。例えば、幾つかの夜間記録のために、射程距離が長いセンサ
が第2の人を検出する場合、ベッドにいる第2の人のBR及びHR成分を検出して拒否す
ることも可能であり、または第1の人が離れていれば、一日晩中可能である。
【0117】
より一般的に、特定のモニタリング技術を使用するために(例えば、一定期間にわたっ
て活動/運動を示すために)、ユーザーにインセンティブを提供する雇用者または保険会
社の場合、推定されたバイオメトリックパラメータ(複数)は、許可されたユーザーがそ
の技術を利用しており、実際に他の当事者(意図しないまたは故意に偽装したこと)では
ないことをチェックするために使用される。
【0118】
特定の睡眠段階の呼吸及び/または心拍数パラメータとの関係は、睡眠中に呼吸及び心
拍数統計パラメータが特に被験者の自発的制御の下にないので、ユーザー特定のバイオメ
トリック識別子に加外の洞察力を提供することができる。例えば、システムは、ユーザー
がREM(夢見ている)または深い睡眠中であることを検出するように構成され得る。例
えば、システムは、2013年9月19日に出願された国際特許出願第PCT/US20
13/060652号及び2014年7月8日に出願された国際特許出願第PCT/US
2014/045814号に開示された方法のように、睡眠状態または準備することを決
定するための方法を実施することができ、これらの特許出願の全文は、本明細書に参照と
して組み込まれる。優先的に、深い睡眠が選択されて昼間のストレス要因の影響がもっと
も少なく目立つようにすることができる。REM睡眠は、場合によってより大きい呼吸変
化をス召す示すことができるが、SDB症状の発現、PTSD(外傷後ストレス障害)ま
たは他の問題によって、より大きい程度に影響を及ぼし得る。軽い睡眠(第2の段階)が
また分析され得るか、第1の段階の軽い睡眠パラメータであり得る。
【0119】
批判的にも、人が眠っていれば、その人は、意識的に自己の呼吸を特定のパターンとし
て調節せず、信号が改ざんされる可能性は減る。従って、別個の覚醒及び睡眠モデルがユ
ーザーのために生成され得る。実際に、深い、REMまたは他の睡眠段階ごとに別個のモ
デルが作成され得る。従って、アイデンティティ認証プロセスにおいて、場合によって、
これらの段階のうちの任意の段階またはそれぞれの段階ごとに人の指紋が使用され得る。
次いで、これらの睡眠段階特定の指紋(複数)は、識別プロセスにおいて、特定の睡眠段
階(複数)において決定された適切な特徴で評価されるので、人の識別が特定の睡眠段階
に関連してなされ得る。
【0120】
これに関して、システムは、分析中のデータの分析を提供することができ、複数日の夜
間にわたって傾向化され得る。
【0121】
さらに、PAPデバイスまたはRPTによって検出された呼吸パターンは、ユーザーの
「指紋」の一部を形成することができる。導管及び/またはマスク、または本明細書でよ
り詳細に記述された他のそのデバイスのような患者インタフェースまたは患者回路は、加
速度計のように追加で感知する機能を含むことができるか、または導管(例えば、CPA
Pホース)の動きが検出されることができて、特性化可能な動き情報を抽出された呼吸パ
ラメータに付加することができる。このような方式で、PAPデバイスは、規定遵守のた
めにユーザーのバイオメトリック「指紋」をチェックすることができる。
【0122】
呼吸数の単純な増加は、普通風邪のような慢性的ではない条件に関連することができる
ことに留意されたい。
【0123】
個々の人に関する健康のマルチパラメータ全体論的分析は、システムが状況を認知し、
関連するデータを正しいユーザーに関連付けることができることを意味する。例えば、保
険会社は、特定の健康増進目標を満たすユーザーに基づいたシステムのユーザーに割引を
提供することができる。そのような目標は、平均心拍数減少、呼吸数減少、運動強度増加
などを達成することができる。
【0124】
単純なアクチグラフセンサまたはウェアラブルセンサによって記録されたガルバニック
皮膚反応及び/または皮膚温度の変化は、このバイオメトリック分類を増強するために使
用され得る。特定の心拍数及びGSRが変わる場合、これらは、運動強度に交互参照され
てストレスイベントまたは活動が特定の変化に影響を与えるかどうかを示すことができる
。各人のごとに、人々は運動やストレスイベントに応じて、特定の手順の心拍数、呼吸数
及びGSR変化を示すことができる。従って、ユーザーの固有のストレスレベル及びスト
レスに対処する能力は、他の使用可能なパラメータと組み合わされるときにバイオメトリ
ックマーカーとして役立ち得る。
【0125】
運動強度及び採択したステップにおけるより長期的なパターンは、ユーザー特定の行動
と相関され得る。
【0126】
システムは、(例えば、RFセンサを有する装置の)モニタリング装備の盗難を検出す
るように、すなわち、認可されていないまたは未知のユーザーのバイオメトリックが検出
されたことを検出するように構成され得る。そのような決定は、取り付けられた装備から
利用することができれば、例えば、位置データが「指紋」の一部として含まれれば、位置
データ(例えば、GPS座標)を参照することができる。
【0127】
システムは、病院環境において、異なる患者が病院のモニタリングされる異なるベッド
に移動するとか、退院し、ベッドが再使用される際にその異なる患者からの読み取り値を
自動に分離するために使用され得る。システムは、モニタリング装置から収集された病院
/クリニックデータ集合を長期間モニタリングのために家に持って帰る患者に提供される
第2のデバイスに自動に関連させることができる。
【0128】
これは、攻撃者/有害行為が、例えば、攻撃者/有害行為制御下で第2のRFセンサか
らRADAR信号を模倣またはリプレイしようと試みるリプレイ攻撃(replay a
ttack)に非常に頑強であり得ることに留意されたい。第1のRFセンサは、第2の
RFセンサからの放射及び干渉を検出し、システムに警報信号をフラグで知らせることが
できる。生理学的信号は、数秒ごとに新たに生じたバイオメトリックを提供することがで
きるので、事実上、システムは、連続的な認証を提供することができる。
【0129】
ベッドにいる第1の人及び第2の人のバイオメトリックを識別するシステムは、センサ
の範囲及び/または電力レベルを調整して、所望の人(例えば、第1の人)を検出するよ
うにするために、制御信号をRFセンサにフィードバックすることができる。
【0130】
従って、場合によって、システムは、複数の情報ソースを集め、これらのデータをスマ
ート処理して、及び/または例えば、夜行性/睡眠記録中に特定の情報のユーザー及びデ
バイスに対するフィードバックを受けてユーザーを識別することができる。そのようなシ
ステムの他のバージョンは、特定のパラメータのみを対象とすることができ、またはユー
ザー特定のパラメータに適応させないことができる。
【0131】
幾つかの技術バージョンの潜在的利点は、以下のようなものを含むことができる:
1.システムは、心臓及び/または呼吸信号に基づいて生理学的パターンを検出し、人
を識別することができる。
2.信号は、パルス化された無線周波数(RF)センサまたはセンサグループを介して
捕捉され得る。
3.システムは、ユーザーのバイオメトリックパラメータを識別することができる。す
なわち、非接触センサによって記録された心拍数及び/または呼吸数及び/または振幅に
基づいて、記録された信号が与えられたユーザーから来たものであることを検証すること
ができる。
4.システムは、睡眠及び覚醒している段階の間にバイオメトリックをアップデートす
ることができる。
5.睡眠状態は、信号に課された意識的な変動性を減らし/除去する(例えば、OH&
Sユースケースで言及されたように)(すなわち、心拍数にまた影響を及ぼし得る呼吸パ
ターンを誤分類する危険またはこれをユーザーが「偽装する」危険を減少させる)。
6.深い(最善)またはREM(次善)の睡眠中に優先的にバイオメトリックをアップ
デートすることができる。
7.システムは、サーバーと通信して既存のアイデンティティテンプレート/モデルを
チェックし、アイデンティティを決定することができる。
8.システムは、覚醒しているまたは睡眠段階を使用してユーザーを登録することがで
きる。
9.システムは、定義された吸気/呼気期間及び深度の特定の深いまたは浅い呼吸パタ
ーンが案内されるときにユーザーを登録することができる。
10.パルス化された無線周波数(RF)センサを使用するシステムは、システムに対
する「リプレイ」攻撃を軽減させるために、第2の非認可された第2のRFセンサが開始
したかどうかを検出して通知することができる。
11.システムは、人の健康状態を検出することができ、フロージェネレーターに対す
るロック及びキー、及び心拍動に適応サーボ換気装置(adaptive servo
ventilator:ASV)のスマートな適応を含んで、新しい健康条件に再トレー
ニングされ得るように治療/治療法などが作られると、入力を受信することができる。シ
ステムは、適切な人がその人のために計画された以前環境の治療法デバイスを使用してい
ることを保障することができ、そうでなければ、新しい/未知のユーザーにより適した環
境に再設定することができる。
12.システムは、昼間及び夜間に、例えば、データベース及びライブラリ内の、ウェ
アラブルセンサからの、(また昼間呼吸数用の加速度計及びビデオのような他のセンサの
「生存性」データを使用して)呼吸数、心拍数、運動パターン、ガルバニック皮膚反応、
血圧を含めたバイオメトリックデータをアップデートすることができる。
13.システムは、第2または第3の人のデータが第1の人に集中されたシステムによ
る誤りに処理されないようにするのために、一部または全部の記録期間に第2のバイオメ
トリックが検出されるときを検出することができる。
14.システムは、センサ地域で睡眠中のまたは覚醒している犬または猫のような動物
を検出することができる。
15.ベッドにいる2人の人(2つのバイオメトリック)を検出するシステムは、第1
の人をより良く検出するようにするために、制御信号をセンサ/プロセッサに送信してセ
ンサ挙動(電力/距離ゲーティング/指向性)を調整することができる(バイオメトリッ
クに基づいてセンサを調整し、特定の状況で最低のセンサ電力を選択する付随的な詳細内
容及び例である)。
16.システムは、クラウドベースであることができ、それで、システムは、センサ(
複数)が人と一緒に行動する必要がないように、異なる場所にある複数の固定または移動
センサを介して人のバイオメトリックを追跡することができる。例えば、システムは、第
1のルームにある第1のセンサから第2のルームにある第2のセンサまで人を追跡するこ
とができ、第1及び第2のセンサからの生理学的データを自動に対照することができる。
【0132】
8.0 バイオメトリックフィードバックを用いたマルチセンサ協業
複数のセンサが協業する場合、例えば、遠隔地に設置されるかまたはセンサと共存する
制御プロセッサを有するシステムから(連続的にまたはペアリングプロセスの一部として
)有線または無線リンクを介して通信する場合、特徴的なバイオメトリックパラメータは
、人間という独立的なソースの生理学的認識を最適化し、他のソースを拒否するために、
1つ以上のセンサの性能を力学的に調整するために使用され得る。
【0133】
互いに隣接した2つ以上のセンサがRF干渉または他のタイプの干渉を最小化するため
に情報を交換する場合、各センサによって検出された人間または人間たちのバイオメトリ
ックのアイデンティティ及び/または関連するバイオメトリック品質は、1つ以上のセン
サの制御パラメータを調整するための基礎として使用することができる。例えば、調整可
能なパラメータは、距離ゲーティングパルスタイミング及び(許容可能な規制限界内の)
放出された電力レベルまたはセンサのRF検出周波数(例えば、中心周波数)を含むこと
ができる。このような変更は、制御信号がこれを許容するように構成されたアナログセン
サデバイスに提供され得るが、デジタル化されたセンサ設計で最も容易に達成される。
【0134】
センサは、良好な信号品質バイオメトリックを達成するために、できるだけ最低電力量
を使用するように構成され得る。これは、環境的な理由から、そして、センサがバッテリ
ーで駆動され得る付随的な能力のため有利であり得る。また、他のセンサまたはデバイス
との干渉可能性を最小化することができる。
【0135】
8.1 マルチセンサアレイのバイオメトリック制御
センサは、最小のRF干渉を維持しながら、互いに近接して作動するように構成され得
る。これに関して、2つのセンサがベッドの対向側に配置されることができ、平凡な配列
で睡眠中の分離個体をモニタリングするようにプログラムされてあり得る。例えば、特定
のユーザーのバイオメトリック特性は、それぞれのセンサによって検出されることができ
、それぞれのセンサは、そのようなユーザーデータで初期化され得るので、センサがユー
ザーに起因することができるデータのベースラインを含むようにする。しかしながら、図
13に示されたように、更なる動作の間に、センサが各人から重複された信号を受信する
ことができるので、センサの品質は低下され得る。例えば、人間_aから信号を検出する
ようにプログラムされているセンサ_aは、人間_bから重複された呼吸、心拍数及び/
または動き信号を受信することができ、それによって、人間_aに関して受信された信号
を低下させることができる。同様に、人間_bから信号を検出するようにプログラムされ
たセンサ_bは、人間_aから重複された呼吸、心拍数及び/または動き信号を受信する
ことができ、それによって、人間_bに関する受信信号を低下させることができる。
【0136】
このような劣化を避けるために、センサは干渉を最小化するように調整され得る。例え
ば、
図14に示されたように、ベッドの対向側に配置され、平凡な配列で睡眠中の分離個
体をモニタリングするようにプログラムされている2つのセンサは、各センサの範囲及び
電力を調整することによって干渉を最小化するようにプログラムされてあり得る。これに
関して、人間_a及び人間_bからそれぞれバイオメトリックを受信するようにプログラ
ムされたセンサ_a及びセンサ_bは、明確で分離されたバイオメトリックを極大化する
ために、範囲及び電力を最小化するように構成され得る。例えば、予期しない、または与
えられたユーザーの「指紋」では特に識別されないバイオメトリックを検出するとき、セ
ンサはその検出範囲を減少させることができる。
図14の例において、センサ_bがその
初期化されたユーザーと関連付けられると認識されるバイオメトリックを検出し、その初
期化されたユーザーと関連付けられると認識されないバイオメトリックを検出すると、セ
ンサ_bは、その初期化されたユーザーと関連付けられると認識されるバイオメトリック
のみを検出するまで(例えば、電力または距離ゲーティング調整を介して)その検出範囲
を減少させることができる。センサ_aも同様にプログラムされてあり得る。従って、セ
ンサは、単一の人間からのバイオメトリック信号のみを検出するので、2つのセンサ_a
及びセンサ_bの両方によって受信されるバイオメトリック品質が優れている可能性があ
る。
【0137】
幾つかの実施形態において、ベッドの対向側に配置されね睡眠中の分離個体をモニタリ
ングするようにプログラムされている2つのセンサは、単一の個人のみをモニタリングす
ることができる。例えば、
図15に示されたように、人間_bから信号を検出するように
プログラムされたセンサ_bは、意図したとおりに人間_bから呼吸、心拍数及び/また
は動き信号を受信することができる。すなわち、例えば、センサは、その初期化されたユ
ーザーを検出されたバイオメトリックデータから認識することができる。しかしながら、
(現在は存在しない)人間_bから信号を検出するようにプログラムされているセンサ_
aは、人間_bから呼吸、心拍数及び/または動き信号を受信することができる。すなわ
ち、例えば、センサは、検出されたバイオメトリックデータがセンサの初期化されたユー
ザーから来たものではないことを認識することができる。従って、センサ_aがセンサ_
bによって検出されたバイオメトリックを複製することができるので、またはそうでなけ
れば信号が干渉することができるので、バイオメトリック品質が低下される。
【0138】
重複されたバイオメトリックまたは他の干渉を避けるために、特定の個人のバイオメト
リックを受信するようにプログラムされているセンサは、例えば、認識されていないバイ
オメトリックのみを検出するとき、節電モード及び/または検索モードに進入することが
でき、このモードにおいてセンサは、例えば、感知または感知範囲を減少させるか終了す
る。従って、
図16に示されたように、1つのセンサがスリップ状態にある間に作動中の
センサは、最小化された干渉で作動することができる。これに関して、センサ_bは、人
間_bから呼吸、心拍数及び/または動き信号を検出するようにプログラムされてあるこ
とができ、センサ_aは、(現在は存在しない)人間_aから信号を検出するようにプロ
グラムされてあり得る。センサ_aは、人間_aが存在しないと決定して節電/検索モー
ドに切り替えると、センサ_bによって検出されたバイオメトリックを複製することを避
けることができる。節電及び/または検索モードは、戻る特定の個人を待つ間にセンサの
範囲と電力を制限することができる。このように重複バイオメトリックは、もはや受信さ
れない。
【0139】
特定の実施形態において、2つ以上のセンサが使用され得る。例えば、
図18に示され
たように、近接した3つのセンサが使用され得る。これに関して、第1のセンサ「アルフ
ァ」(センサ_a)は、ベッドの第1の側にあるベッドルーム用テーブル上に位置される
ことができ、センサ_aの初期化されたユーザーであり得る第1の人間(人間_a)に向
けられ得る。人間_aとベッドを共有する人間_bは、ベッドの第2の対向側にあるベッ
ドルーム用テーブル上に配置され、センサ_bの初期化されたユーザーであり得る人間_
bに向けられている第2のセンサ「ベータ」(センサ_b)によってモニタリングするこ
とができる。一例においで、人間_bは、人間_aまたは人間_cよりも大きい体質量指
数(BMI)を有する大きい被験者であり得る。さらに、人間_cは、人間_b及び人間
_aの薄い隔壁の遠い側にあるベッドで寝ている可能性がある。センサ_cの初期化され
たユーザーであり得る人間_cは、センサ_cによってモニタリングされ得る。
【0140】
システムは、センサ_aを奇数周波数で、センサ_bを偶数周波数で、センサ_cを奇
数周波数で動作するように構成することができる。このように、センサグループの間のR
F干渉は最小化され得る。
【0141】
バイオメトリック信号は、各々のセンサデバイスから検出され得る。検出されたバイオ
メトリック信号に基づいて、人間_a、b及びcは、これらの「指紋」に基づいて識別さ
れ得る。これに関して、センサ_aは、人間_aが検出されないとき(例えば、人間_a
がルームを出たとき)(ベッドの他の側にいる)人間_bとして識別されたバイオメトリ
ック信号の一部を検出することができる。言い換えれると、人間_bのバイオメトリック
は、2つのセンサ_a及びセンサ_bの両方で検出された。従って、システム制御プロセ
ッサは、距離ゲーティングを調整する制御信号をセンサ_aに送信するか、生成して範囲
を短縮することができ、検出されたバイオメトリックを継続してモニタリングすることが
できる。さらに、システム制御プロセッサは、選択的に、センサ_aの電力レベルを減少
させることができる。
【0142】
センサ_aが人間_aを検出するとき、センサは調整されるか、そうでなければ、活性
化されて正常の電力状態に進行され得る。センサ_aが(人間_aが実際に室内にいると
き)人間_aのバイオメトリックを正しく検出し、人間_bのバイオメトリックが検出さ
れない構成がなされるとき、その検出構成の制御パラメータは、最適な設定として保存さ
れ得る。
【0143】
さらに、モニタリングするように意図されない個人または動物がセンサの範囲に入ると
き、センサは、更なる制御を変更するようにプログラムされてあり得る。例えば、
図18
に示されたように、犬_aという犬が人間_aを乗り越えてベッドの中央に登る形態でベ
ッドに入ることができる。センサは、人間以外のバイオメトリックを検出することができ
、そのような検出時に、センサは、犬_aのバイオメトリックを最小化してセンサ_a及
びセンサ_bによって人間_a及び人間_bが優先的に検出されるようにするために、セ
ンサの距離ゲーティング及び/または電力パラメータ(例えば、2つのセンサ_a及びセ
ンサ_bの両方)を調整することができる。
【0144】
このような方式で、センサの挙動は、例えば、本明細書に記述された検出方法のうちの
任意のものを含むセンサの制御プロセッサまたは他のシステム制御プロセッサによって、
モニタリングセッションの間に1回以上調整され得る。
【0145】
センサパラメータの最適化がバイオメトリック品質の向上をもたらさない任意の場合に
、ユーザーまたはユーザーたちは、1つ以上のセンサの方位を調整するように促求され得
る。
【0146】
図18に示されたような(センサ_a、センサ_b及びセンサ_cを含む)マルチセン
サセットアップの一例において、センサは、選択的に、位置チェック(例えば、GPSま
たは他の入力データ)のために、及び/または検出周波数を設定して干渉を最小化するた
めにプログラムされているプロセッサを含むことができる。これに関して、プロセッサは
、センサの位置に適したRF検出周波数を決定して利用することができる。例えば、セン
サがその位置を米国内にあると決定すると、センサは、データ(例えば、周波数及び地理
的位置に関連付けられたテーブル)にアクセスし、米国に関連してテーブルから目標検出
中心周波数及びFCCスペクトルマスクとその他のセッティングを設定することができる
。適切なETSI(European Telecommunications Sta
ndards Institute:欧州電気通信標準化機構)スペクトルマスクに応じ
て、EUの一部でも同様のパラメータを使用することができ、その地域(または現地規定
に基づいて実際に他の国)での中心周波数を許可されることもできる。このように、セン
サ_aの中心周波数は、自動に10、527、125kHzに、電力レベルは43.8%
に調整されることができ、距離ゲーティング(飛行時間)は92.5cmで検出ロ-ルオ
フを提供するように調整される。センサ_bの中心周波数は、自動に10、525、00
0kHzに、電力レベルは93.2%に調整されることができ、距離ゲーティングは16
5.2cmでロ-ルオプを提供するように調整される。センサ_cの中心周波数は、自動
に10、522、375kHzに、出力レベルは80.0%に調整されることができ、距
離ゲーティングは150.0cmでロ-ルオプを提供するように調整される。
【0147】
一例において、人間_aは、深い睡眠中に6.3bpmの四分位範囲を有する51.4
bpmの中央心拍数及び9.1bpmの四分位範囲を有するREM睡眠中に55.7bp
mの中央心拍数を有することが分かった。人間_aの個人バイオメトリックは、中央値、
結果ヒストグラムの形状及び呼吸信号と心臓信号との間の中間乃至高い一貫性で最もよく
描写され得る。人間_aの呼吸数は、睡眠中に13.1br/分(+/-3.2br/分
)であり、REM睡眠中に13.9br/分(+/-1.1br/分)であった。
【0148】
人間_bは、一晩中、ほぼ30bpmの顕著な加速がある77.5bpmの平均心拍数
を示し、根本的な間歇的不整脈に起因した拍動間の変動性が増加した。人間_bの18.
2br/minという平均呼吸数は、有意な心拍数の加速期間の間に20br/分以上に
増加した。REM睡眠中のbr/rateの変化は、4.5br/minであった。呼吸
追跡の中で呼吸停止(無呼吸及び呼吸低下)が検出された。HRにおける特徴的な徐脈/
頻脈は、これらの無呼吸症状発現と関連がある。HR/BRの一貫性は、一般にHRとB
Rの両方に顕著な変動性があるために低い。歪度及び尖度の指数は、分布が不均一である
ことを示す。
【0149】
人間_cの平均心拍数は、59.8bpmであり、深い睡眠中に特に安定している。R
EM睡眠中、変動性は2~23bpmの振動に劇的に増加した。人間_cの呼吸数の平均
は、17br/minであり、最小15.2br/minであった。
【0150】
人間_aと人間_bとの間の空間に犬_aが入るとき、センサ_bは、前述のように人
間_aのわずかに近い位置に合わせられてあり得る。例えば、認識されない/初期化され
たバイオメトリックを検出すると、センサを制御するプロセッサは、感知のための検出電
力、周波数または他の制御パラメータのようなセンサでの変化を制御することができる。
例えば、中心周波数は、10、525、000kHzに、電力レベルは84.9%に調整
されることができ、距離ゲーティングは145.6cmでロ-ルオプを提供するように調
整される。これは、(例えば、範囲、電力レベルまたは検出方向を調整することによって
)人間_aのみが検出され、犬_aは、拒否されるように(すなわち、検出されないよう
に)センサ_aパラメータを制限することによって、犬と人間を区別することを助けるは
ずであり;同様に、センサ_bパラメータは、人間_bのみが検出され、犬_aは拒否さ
れるように自動に調整される。システムは、また未知のバイオメトリックが検出されるこ
とをフラグで知らせることができ、それだけでなく、呼吸数、呼吸深度及び心拍数パラメ
ータが動物と一致することをフラグで知らせることができる。休息を取る普通の犬は、2
4回/分の呼吸を要するが、人間におけるそのような呼吸数は、うっ血性心不全またはC
OPD(慢性閉塞性肺疾患)のような慢性疾患の多くの特徴であるが、人間には、(人口
平均または個人ベースラインに対比して)浅い呼吸が伴うされ、心拍数変動性は異なる。
犬または猫が激しく運動するか、高温に曝された場合、一定期間の間に開いた口でより速
い呼吸数(喘ぐ)を予想することができる。犬の普通の呼吸範囲は、約20~30br/
分であり、心拍数は、大型品種の場合一般に60~100bpmであり、小型品種の場合
100~140bpm、子犬の場合約220bpmである。典型的な猫類の呼吸数の範囲
は、20~40br/分であり、心拍動数は、140及び220bpmである。体重が増
加すると、哺乳類の全肺活量が増加する傾向があり;普通の猫または犬は、成人よりも軽
く、赤ちゃんまたは子供に比べて異なったパターンを有する。従って、センサ制御パラメ
ータは、また、プロセッサによって人間ではない動物を示すものと認識される1つ以上の
そのようなバイオメトリック特性の検出時に調整され得る。
【0151】
同様に、他の例として、人間_aがベッドを出ると、センサ_aは、中心周波数が10
、527、125kHzであり、電力レベルが0~100%である節電/検索モードに進
入することができ、距離ゲーティング(飛行時間)は、50~300cmのロ-ルオプを
提供するように調整される。センサ_bの存在を事前に知っていれば、センサ_aの検索
モードは、センサ_bに入る可能な干渉パルスを最小化するために、電力百分率とロ-ル
オプ距離を制限することができる。
【0152】
幾つかの実施形態において、(例えば、古典的な位相配列またはデジタルビーム形成を
使用する)操縦可能なアンテナは、センサのカバレッジ範囲を調整し、干渉を最小化する
ために使用され得る。例えば、センサ_a及びセンサ_bの感知「コーン(cone)」
は、犬_aのバイオメトリック証拠を完全に排除するように調整される。
【0153】
選択的に、場合によって、例えば、センサが初期化されたユーザーを識別しない場合、
センサのバイオメトリック識別に基づいて他のシステムがトリガーされ得る。例えば、図
17に示されたように、システムのプロセッサは、予期しないバイオメトリック(例えば
、犬のバイオメトリック)を警報するために(例えば、人間_a及び人間_bのスマート
デバイスに)、警報をトリガーまたは送信することができる。更なる例として、このよう
な検出時のプロセッサは、ウェブカムを活性化させるか、または(例えば、スピーカーを
介して)音声警報をトリガーすることができる。
【0154】
特定のバイオメトリックを検出することによって、光及び/または音及び/または環境
パラメータのオーダーメード型構成が設定され得る(すなわち、識別を行うコントローラ
/プロセッサによって制御され得る)。例えば、2人のパートナーがベッドルームを共有
するシステムを考えて見る。第1のパートナーが検出されるとき、システムはスマートテ
レビをスポーツチャンネル(またはNetflixまたはこれと同様のオンラインサービ
スを介するストリーム)に切り替え、ベッドルームのメイン照明をオフする。一定時間の
後、ユーザーは、眠っていると検出され、Hi-Fiシステムを介して柔らかいジャズ音
楽がオンになり、テレビはオフになる。ユーザーが深い睡眠状態に入った後、Hi-Fi
ボリュームが徐々に減ってから消える。ベッドルームで第2のパートナーが検出されると
、Hi-Fi/ラジオは、保存された音楽コレクションからまたはストリーミング音楽サ
ービス(例えば、Spotify、Deezer、Apple)を介してポピュラー音楽
/最新の上位20個のヒット曲を再生するように構成され;さらに、ルームの照明は暗く
なり、ベッドサイドの照明は、白色/青色の含量が低いオレンジ色/赤色の色合いを持つ
ように構成される。テレビは、(低いバックライト強度で)日没のビデオシーケンスをデ
ィスプレイするか、暖炉をシミュレーションするように構成される。第2のパートナーが
第2のパートナーが眠りにつくと、ユーザーが深い睡眠に入るまで音楽とテレビの振幅は
、徐々に減少して/暗くなって、両方ともオフになる。2人のパートナーが同時にルーム
にいる場合、スポーツテレビ/ビデオストリームは、第1のパートナーのワイヤレスヘッ
ドフォンに伝達され、ポップ音楽は、第2のパートナーのワイヤレスヘッドフォン(また
は枕スピーカー)に伝達される。可能な場合、テレビ偏光子は、スポーツフィードを第1
のユーザーに伝達し、暖炉ビデオを第2のユーザーに伝達するように構成される。従って
、1つ以上のパートナーのバイオメトリックを検出してカスタマイズされたベッドルーム
(または実際リビングルーム)を経験することができるようにする。同様に、起床経験の
ために、アラームが第1のパートナー及び第2のパートナーに基づいてカスタマイズされ
得る。例えば、第1のパートナーは、第2のパートナーより後に目覚ますことを望むこと
ができる。このように、第1のパートナーを目覚めさせることを避けるために、低い振幅
アラームと共に集中照明を第2のパートナーに使用することができる。このような優先権
は、システムにプログラムされ、システムのプロセッサによって行われる識別に基づいて
アクセスされ得る。
【0155】
例えば、システムはね更なる動物及び/または(認識されない)人間がセンサの検出空
間に進入するかどうかをユーザーに警報することができる。例えば、
図17に示されたよ
うに、犬_a(または実際に他の動物または人間)がセンサ検出空間に進入し、システム
によって警報がトリガーされ得る。選択的に、イベントのイメージまたはビデオがトリガ
ーされ、認可された人に検討のために格納及び/または送信され得る。これに関して、ト
リガーされたカメラ(例えば、ネットワーク接続された、暗い照明の、イルミネータが連
合された赤外線、熱または他のタイプのもの)またはウェブカムは、認識されていない個
人のビデオを認可された人に送ることができる。この点を強調するために、1つ以上のセ
ンサ区域に泥棒/侵入者のような未知の人のバイオメトリックが発見されると、このよう
な警報が発生することもできる。ビデオ及び/またはオーディオセンサがアクセス可能で
あるか、システムの制御下にある場合、例えば、警察に連絡する前にモニタリングセンタ
ーによる検討のために、ビデオ及び/またはオーディオの録音またはライブ伝送が行われ
ることができる。このようなバイオメトリック検出は、属性の他の検出装備と共に実施さ
れるとき、PIR(受動赤外線)、他のマイクロ波侵入者センサ、ガラス破損検出器(振
動または音響)、磁気接触スィッチ、衝撃センサ、ビデオモーショントリガーまたは(例
えば、マットのような)圧力作動式と共に、侵入者警報システムの誤作動を減らすために
使用され得る。
【0156】
アパートブロックまたはオフィスビルで実施されると、このようなバイオメトリック検
出は、消防隊員が火災警報システムによって提供される人間(バイオメトリック)数をチ
ェックすること(及び稼働中であれば、アクセスカードシステムと選択的に相関させるこ
と)を助けることができることが分かる。このようなRFセンサは、標準ビデオフィード
と対照的にスモーキーまたは高熱状況で機能し続けることができる(そして、RFは、例
えば、浴室/ベッドルームなどで可能な使用のための、フルビデオ処理と同一の私生活と
密接な関係がない)。ユーザーバイオメトリックが、中央コントローラまたはセンサ集合
から識別を受信するコンピューターのようなシステムに登録されたら、火災警報コンピュ
ーターは、建物/構造物内の名前及び位置のリストを出力することができる。従って、中
央コンピューターは、各センサの位置を識別し、センサ集合のうちのどのセンサの検出範
囲内にいる人々の識別に関連して緊急時にそのようなリストを提供するためにデータを維
持することができる。
【0157】
このようなRFセンサは、多数の方式で電力を供給受けることができる。例えば、RF
センサは、AC通過コンセント内に配置されることもできる(すなわち、メーンソケット
/ACコンセントに差し込むことができ、非常にスリムなフォームファクターのピキーバ
ック(piggy-back)ACコンセントを提供することができ;USBソケットは
、デバイスの副次的使用のためにソケットフェースプレート上に提供されることもできる
)。夜間照明特徴は、例えば、廊下に配置されると、デバイス上に提供されることもでき
、RFセンサを使用した動き検出によって活性化され得る。RFセンサは、(例えば、ル
ームの一部または全体をカバーする)ソケット/ACコンセントの区域内で感知するはず
であり、Wi-Fiまたはその他の無線通信手段を介して、またはメイン配線を介して(
例えば、Homeplugまたは同様の標準を介して)データを送信する。他の例は、通
過USBアダプダまたはケーブルが提供される例である。RFセンサ及び(例えば、Wi
-Fiを介するかまたはUSBリンク自体を介する)通信は、アダプダまたはケーブルに
統合されており、USB仕様で提供される5Vからの電源をあさり/引く。これにより、
USBケーブルが提供されるどこでもRFセンサが配置され得るが、例えば、壁面の電話
機/タブレット充電器にプラグされることができ、ラップトップなどにプラグされ得る。
このようなデバイスをラップトップまたはタブレットにプラグすることによおて、デバイ
スの前や近傍でユーザーのバイオメトリックがチェックされ得ることが分かる。ACコン
セントデバイスまたはUSBインラインデバイスオプションのうちのいずれか1つは、バ
イオメトリック特性のための空間をモニタリングする非常に低コストでシンプルな(デバ
イスを単にプラグよる)機能を提供する。
【0158】
9.0 識別/区別のための更なる方法論
前述のように、識別方法論は、センサに隣接した存在を区別するためにセンサによって
使用され得る。以下の更なる実施例において、多数の存在は、特定のユーザーが識別され
得るように区別され得る。
【0159】
9.1 序論
大人の大部分は、潜在的に異なる睡眠パターンを有するパートナーと睡眠する。パート
ナーは、睡眠センサのメイン(または1次)ユーザーに先立ってベッドに入ることができ
るか、メインユーザーがベッドを離れた後にもベッドに留まることができる。パートナー
をメインユーザーとして誤認することを避けるために、プロセスはそれらの間を区別する
ためにシステムによって使用され得る。幾つかの場合、これはメインユーザーの睡眠が別
個で評価-(すなわち、パートナーの感知されたデータから分離)-され得るようにする
。
【0160】
9.2 方法論
9.2.1 実験設計
5人の健康な被験者が募集された予備研究が実施された。各被験者は、パートナーと眠
る。10.5GHz非接触センサが自分の胸に向かって、各自のベッドサイドのユニット
上で、被験者の(またはユーザーの)ベッドサイドに設置された。
図1を参照する。非接
触センサは、研究持続期間中、1日当たり24時間のデータを記録するように設置された
。一次ユーザー(以下、ユーザー)は、自分が就寝時、自分のパートナーが就寝したとき
、自分が朝に起床したとき及び自分のパートナーが起床したときの詳細を記した日誌をま
た、提供された。
【0161】
センサデータは、装置が最初にオンにされた時間と等しい開始及び終了時間を有して、
24時間の記録に分割された。1セットの注釈が、(a)ユーザーデータ、(b)パート
ナーデータ、(c)欠如、及び(d)‘不十分な情報’を識別するために、各記録ごとに
(ベッドに、ベッドの外へのユーザーが提供した日誌記録に基づいて)手動で作成された
。
【0162】
9.2.2 センサ信号及び前処理プロセス
例示的なセンサシステムは、センサのI及びQ信号を表す2つのアナログ電圧信号を出
力する。センサは、10.5GHzで無線周波数エネルギーの2つの短いパルスを発生さ
せることによって作動する。第1のパルスはメイン送信パルスとして作用し、第2のパル
スはミキサーパルスである。第1のパルスは隣近物体から反射して、センサで再び受信さ
れるエコーパルスを生成する。エコーパルスによって移動された距離は、エコー信号が再
びセンサに到逹するとき時間遅延を誘発する。このような時間遅延は、エコー信号と参照
ミキサー信号との間の位相シフトをもたらす。受信機内部でミキサーパルスとエコーパル
スを乗算(混合する)することにより、エコーパルスの任意の位相シフトに比例する信号
が発生される。動く物体(例えば、呼吸する人)は、回路内の電子装置によって検出され
得る可変型位相シフトを発生する(de Chazal,P.、Fox,N.,O'Ha
re,E.など.非接触生体運動センサを使用した睡眠/覚醒測定。J.Sleep R
es.,2011,20:356~366)。
【0163】
センサデータは、分析に先立って、フィルタリングされる(低域及びアンチ-エイリア
ス(anti-alias)フィルタリングされ、並列で、動き分析のために、高域及び
アンチ-エイリアスフィルタリングされる)。データは、エポック(epoch)(例え
ば、30秒期間または他の適切な期間)で分析される。
【0164】
初期存在有無検出を行った後に、睡眠/覚醒検出を行った。動き及び活動レベルは、毎
エポックごとに数値化され得る。呼吸数を1Hzで計算した。全体睡眠状態分析(識別さ
れた浅睡、熟眠及びREM睡眠)がまた行われることもできる。
【0165】
9.2.3 特徴の抽出及び調査
その後、特徴(例えば、25個の特徴(表1))を抽出した(例えば、すべての記録の
毎30秒エポックごとに)。従って、プロセッサは、識別プロセスにおいて以下の表の特
徴などのうちの任意の1つ以上を計算または決定するように構成され得る。初期の調査の
ために、例えば、一元分散分析(ANOVA)を使用して、誘導された特徴がユーザー及
びパートナー使用の公知された期間の間に比較され、各々の個別特徴がパートナーからユ
ーザーを有意に区別することができるかどうかを評価することができる。各々の特徴は、
また、全体記録にわたったその平均値及び特定の被験者に対する過去データからの平均値
と比較され得る。これは、可用な特徴の数を顕著に増加させる。
【0166】
表1(例示の特徴名及び説明)
【表1A】
【表1B】
【0167】
特定人を識別/認識するための分類器システムを実施するとき、特徴量は、一定期間(
例えば、毎夜、夜間、1つ以上のエポックなど)の間にユーザー及びパートナーに対して
決定または計算され得る。このような計算された多くの特徴などのうちのいずれかの1つ
は、ユーザーとパートナーとの間の統計学的に有意な区別を提供する役割をすることがで
きる。表1の特徴は、一元ANOVAを使用して個別的に評価したとき、0.05以下の
p値(ここで、我々は、p<0.05であるとき統計学的に有意であると見做す)を有す
る、パートナーデータからユーザーデータを有意に区別するものとして判明された。これ
は、これらの特徴が、ユーザーデータとパートナーデータとの間を区別するための分類器
モデルに含めるために有用であることを示す。
【0168】
9.2.4 例示的な分類器トレーニング
このような分類器は、センサ記録からのデータを使用して採択され得る。例えば、各記
録に対して、すべてのパートナーデータは、トレーニングセットの一部として使用される
ことができ、同一数のユーザーエポックが無作為に選択されてトレーニングセットを完成
することができる。
【0169】
特徴選択ルーチン(例えば、順次順方向特徴選択)がクロス検証(cross-val
idation)(例えば、10倍クロス検証)内で使用され、分類方法、例えば、ロジ
スティック回帰を使用して結合され得るこれらの特徴の下位セットを選択して、ユーザー
または自分のパートナーのみが存在したかどうかを最も識別することができる。次いで、
選択された特徴は、人を識別するために、処理装置での実施のための分類器として使用さ
れ得る。
【0170】
9.2.5 分類器の性能評価
トレーニングされた分類器は、センサ記録からのデータを使用してテストされ得る。テ
スティングセットは、すべてのパートナーデータ、及びすべてのユーザーデータを含むこ
とができる。
【0171】
9.3.0 更なる例示的な分類器
9.3.1 動き及び非動きに対する別途の分類器
多くの潜在的な特徴は、データの動きセクション中またはデータの非動き(呼吸)セク
ションの間に無意味な(すなわち、数字でない(not-a-number)/NaNま
たは0)出力を提供する。例えば、動きのセクション中、設定オプティマイザ及び呼吸数
の特徴は、NaNと同一であり得る。同様に、動き特徴は、動きが検出されないときに、
0と同一である。従って、幾つかのバージョンにおいて、表1のもののような検出特徴は
、動き中に有意義な特徴を有するグループ、及び動きが検出されなかったクリアな呼吸の
間に有意義な特徴を有するグループのような、別個のグループに組職化され得る。これら
のグループは、両方のシナリオで意味のある幾つかの重複する特徴を有することができる
。次に、分類器モデルが特徴などの各グループごとに使用されることができ、センサ信号
の分析によって設定された動きフラグが、各エポックで使用のために呼吸または動き分類
器モデルを選択するためのトリガーとして使用され得る(
図19参照)。従って、動きフ
ラグに応じて、特定のエポックが特定のユーザー(例えば、ユーザーまたはパートナー)
に関係するかどうかの分類において、異なるセットの特徴などが考慮され得る。
【0172】
9.3.2 被験者ベースメトリックスのみを使用して分類器を開発
幾つかのバージョンにおいて、特徴は、また被験者ベースまたは信号品質ベースとして
分類またはグループ化されることができ、2つの分類器を生成するために使用され得る。
信号品質ベース特徴は、実生活データ、すなわち、センサが1日24時間データを捕捉し
、ユーザーとパートナーの両方が幾つかの一定期間の間にベッドの特定の側面(常にセン
サから所定の距離範囲内にいるユーザー、及びセンサから他の距離範囲内にいるパートナ
ー)上に個別的に存在する注釈付き2つのベッド中のデータ(annotated tw
o-in-a-bed data)を使用してモデルをトレーニングするときに有用であ
る。このようなデータセットを使用して、被験者ベース特徴と共に信号品質ベース特徴が
図19の‘設定(Set up)’分類器を開発するために使用され得る。代替的に、信
号品質ベース特徴を排除し、被験者ベース特徴、例えば、呼吸数及び動きのみを含ませる
ことによって、2人の区別される被験者からの非注釈データが併合されて‘被験者分類器
(Subject classifier)’を開発することができる(
図19参照)。
ユーザーがベッドに入って寝る準備をするときに記録を開始し、ユーザーが朝に起床する
ときに記録を終了する典型的な記録は、典型的に、パートナーデータの相当な期間を含ま
ない。パートナーデータは、メインユーザーがベッドにいないがパートナーが存在すると
きにのみ存在する-信号は、ユーザーが存在し、パートナーが全く‘見え(visibl
e)’ない間にメインユーザーから反射する。このシナリオで両方のユーザーデータ及び
パートナーデータが同一の設定を使用して捕捉されるので、すべての信号品質ベース特徴
は、この‘被験者分類器’に対する分類器開発中に排除される。これらの分類方法の各々
は、使用されるトレーニングデータの属性に起因して、異なるシナリオにより適合するよ
うになることができ-すなわち、設定分類器は、睡眠セッションの開始または終了時にパ
ートナーデータを識別するためにより有用であり得る一方、被験者分類器は、日中に誰が
昼寝を取っていたのかを識別するためにより有用であり得る。
【0173】
9.3.3 過去データの使用
一般的な分類モデルは、初期使用期間、一晩または可能にはより長い間に使用され得る
。これは、時間経過よよもにモデル性能を改善するために使用され得る被験者-特定の過
去データを収集することができるようにする。これは、周期的にアップデートされ、使用
期間が延長されるにつれて徐々によりテーラード化され、より正確な分類器を提供するこ
とができる。このような分類モデルに対する例示的な処理が
図19を参照して示されてい
る。例えば、初期使用または設定期間中に、1920における設定分類処理は、ユーザー
の識別のために、特徴抽出ユニット1922から特徴などのセットを評価することができ
る。設定分類は、1924及び1926においてそれぞれ呼吸分類及び/または動き分類
のための処理を使用することができる。被験者特定の分類処理1928がまた含まれるこ
ともできる。より特定の被験者分類処理1928は、1930及び1932においてそれ
ぞれ呼吸分類及び/または動き分類のための処理を使用することもできる。処理1928
は、1920における設定分類処理によって評価された特徴などのセットよりも特徴抽出
ユニット1922から取られた特徴などの他のセットを評価することができるが、このよ
うな特徴などのセットなどの重複があり得る。
【0174】
分類器組合せ機プロセス1940は、例えば、1940において、単独でまたは一緒に
被験者分類及び設定分類プロセスから分類を選択することができる。出力は、二進決定が
行われる、ユーザーが存在する確率(百分率)である。確率が所定の閾値よりも小さい場
合、出力はパートナーが存在することであり、確率が前記閾値を上回る場合、出力はユー
ザーが存在することである。閾値は、一日の睡眠の持続期間または時間を含む(しかし、
これに限定されない)変数に基づいて、時間経過とともに変わることができる。分類器組
合せ機は、時間の関数(例えば、セッション数または収集された使用データ)として異な
る分類器プロセスなどの出力を選択的に選択するように作動することができる。例えば、
最初に設定分類のみを選択することができ、追後に(例えば、一定期間またはセッション
数の後に)、その代わりに被験者分類のみを選択することができる。選択的に、組合せ機
は、時間経過とともに異なる分類プロセスなどから出力された識別などの両方に提供され
た重み付け値を選択的に修正することができる。例えば、最初に設定分類処理によって行
われた識別により大きい重み付け値を提供することができ、使用時間が経過するにつれて
被験者分類処理の識別の重み付け値を徐々に増加させることができる。1つまたは他のデ
ータストリーム(「8.3.1動き及び非動きに対する別途の分類器」セッション参照)に
おいて可能なNaNまたは0特徴を説明するために、別途の呼吸及び動き分類処理が存在
し;別途の心臓特徴分類器がまた含まれることができる。
【0175】
9.4.0 代替機械学習モデル
選択的に、他の監督された、半監督された、または監督されていない機械学習モデルが
実施され得る。例えば、異常検出、サポートベクトルマシンまたはクラスタリング分類方
法が、更なるシステム実施において提供され得る。
【0176】
10.0 複数のユーザー/被験者の区別のための更なる方法論
図20は、例えば、複数の装置が互いに通信する場合及び/または中央処理装置、例え
ば、サーバーがセンサからのデータを処理する場合に、N装置によってモニタリングされ
るN被験者の区別のためのシステムにおいて実施され得る処理を示す。
図20では、2つ
のセンサ装置(100-A及び100-B)のみが示されている。
【0177】
例えば、各センサ装置は、共通的な近所で他のセンサ装置から受信されたデータにアク
セスするとかそれを処理することができ、段階的な分類処理を適用することができる。例
えば、
図20におけるそれぞれのセンサ装置(1及び2)は、最初に、例えば、両方のセ
ンサからのセンサデータから抽出されたセンサデータまたは特徴を比較することによって
、他の装置が検出されるか、2010a、2010bでこれを検出しているかどうかを評
価することができる。用語「特徴抽出」は、装置(2)からのデータが両方の装置(1)
(100aと呼ばれる点線領域内)だけでなく、装置(2)(100bと呼ばれる点線領
域内)上で処理される方法を指す。同様に、装置(1)からのデータも両方の装置上で処
理される。これは、両方の装置によって収集されたデータ間の比較を可能にし、同一人、
または2人の個人をモニタリングしていたかどうかを決定することができるようにする。
両方の装置が同一人をモニタリングしている場合、優れた信号品質を有するデータが使用
されることができ、分類は、どのユーザーであるかを決定するために使用される。装置が
2人の個人をモニタリングしている場合であれば、このダイアグラムは、メインユーザー
であると見做し、データ分析で進行する。
【0178】
そうでない場合、パターンを検出した装置に対する分析は、2012a、2012bに
おいて正常に進行され得る。すなわち、各装置は、その後に、各ユーザーの感知されたデ
ータ(例えば、呼吸特性、心臓特性、睡眠特性など)を収集/評価することによって、独
立的にそれぞれの異なるユーザーのモニタリングセッションに進行することができる。
【0179】
しかしながら、複数の装置が同一のパターンを検出した場合(すなわち、同一人が両方
のセンサによって検出されている場合)、並列分類器(例えば、2つ以上)が各装置上で
処理され得る。その後、各装置は、検出された被験者が、例えば、
図19で説明されたも
のに匹敵するプロセスを実施することによって、以前にモニタリングされたユーザーであ
る場合を確認/識別するための分類器を実施することができる。例えば、感知されたデー
タは、(例えば、過去データと共に)被験者認識を目標とする設定分類プロセス2020
a、2020b及び/または被験者特定の分類プロセス2028a、2028bに適用さ
れ得る。その後、分類組合せ機2040a、2040bは、データが以前にモニタリング
された被験者に関する場合を決定することができる。認識されたユーザーがいる場合であ
れば、センサモニタリングは、例えば、以前のセッションに対して累積方式で識別された
ユーザーを続いてモニタリングするために、2012a、2012bで進行することがで
きる。認識されたユーザーがいない場合、センサデータは無視され得るとか、またはセン
サは、他のユーザーに起因することができる以前のセッションからの任意のセンサ/モニ
タリングデータに対して非累積的方式に2012a、2012bで新しいユーザーをモニ
タリングするように進行することができる。
【0180】
この接近法の潜在的な利点は、複数の人(例えば、ルームの中に2つのセンサを備えた
2人)に適用されることができ、より多くの人口に対するバイオメトリック分析を必要と
しない方式で所定の人(例えば、2人)にカスタマイズ化されることである。これに関し
て、区別は、有限のグループ(例えば、家庭/ベッドパートナーまたは病室患者)に関す
る制限的問題であり得る。また、検出範囲が重複するときに、2つのセンサの両方が単一
のベッドユーザーを検出する場合にも複数のセンサの出力の共有された通信を可能にして
、睡眠/呼吸/動き/心拍数のシステムレベル分離を可能にする。従って、ベッドの形状
及び大きさ、ベッドサイドサイドロッカー、人々を広範囲に変化させる脈絡内において、
展開されたシステムの堅牢性を顕著に改善することができる。
【0181】
図20は、2つの並列または共存センサ処理を示しているが、流れ処理ブロックを更な
る装置で複製してデータを共有することによって、2人よりも多くの人がモニタリングさ
れ得ることが理解される。
【0182】
これに関して、様々な技術がセンサ装置によって、そして、これらの間でセンサデータ
を共有するために実施され得る。例えば、センサ対センサ(点対点)通信を可能にするた
めに無線通信(例えば、Wi-Fiダイレクト(アドホック))が、選択的にセンサなど
の間で実施され得る。他の形態の通信(例えば、有線または他の無線通信)が実施される
こともできる。
【0183】
11.0 追加の選択的特徴
(i)幾つかの場合に、センサ装置は、(例えば、QI無線充電器を使用して)無線で充
電され得る製品と一体化され得る。従って、このような充電可能なセンサ製品は、充電で
きるようにするバッテリー(例えば、リチウム)及びコイルを有することができる。そう
すると、このようなセンサ製品は、無線充電器に近接して配置されるときに昼の間に充電
され得る。充電の後、モニタリングセッション中に(例えば、ユーザーの近いで夜間に)
使用のためにセンサ製品を誘導するための保有構造体内に挿入され得る。例えば、センサ
は、充電可能なセンサ製品を受け取る壁マウント、スタンドまたはベッドマウントと合致
することができる。その後、無線充電器は、夜間に他の装置(例えば、スマートフォン)
を充電するために使用することができる。
【0184】
(ii)幾つかの場合に、センサ装置などは、マイクロフォン及び/または赤外線に敏感
な一体化されたカメラ(例えば、IRをフィルタリングしないか、または他に赤外線を検
出するように最適化されるカメラ装置)をそれぞれ含むことができる。赤外線放出器(例
えば、拡散器/レンズを有する1つ以上のIR LED)がまた含まれることができる。
それでは、センサ装置は、(例えば、装置メモリ上に記録され、及び/または無線通信を
介して送信される)暗いベッドルーム内のその非接触センサ(複数)及びカメラの両方を
介してユーザーの動きを記録することができる。リアルタイムでまたは夜間にイベント(
例えば、非接触または最小接触センサを介して検出されるSDBエピソード、PLM/R
LSのような特定のタイプの動き、異常的な動き、呼吸数)または(例えば、非接触マイ
クロフォン/変換器を介して検出される)いびき音、喘鳴音(wheeze)、咳のよう
な他のイベントが検出される場合、プロセッサは、検出されたイベントを共通の時間フレ
ーム中に撮影されたIRカメラによって検出されたビデオのセグメントと連結/関連付け
ることができる。その後、関連/連結されたセグメント(及び選択的に周期的な時間フレ
ーム)が、(例えば、電話機またはコンピューターのような表示装置上に表示するため)
一緒にアクセスされて、夜間の重要なイベントを見るために、ビデオをインデックスする
ための容易な方法をユーザーに提供する。従って、例えば、ビデオ内のSDBイベントを
ユーザーが見られるようにする。例えば、ユーザーは、自分自身が呼吸を停止することと
、追後に呼吸を回復することを見ることができる。イベント別にインデックスされたビデ
オは、スマート装置(例えば、一体化されたモニター/ディスプレイを有するセンサ装置
またはセンサ装置と通信するスマートフォン、ラップトップまたはコンピューター)から
見ることができ、例えば、イベント別に夜間の睡眠の非常に速いビデオ検討を可能にする
ことができる。
【0185】
(iii)このようなカメラ実施センサは、また例えば、リアルタイムまたはほぼリアル
タイムで遠隔視聴のために実施され得る。例えば、センサは、患者または他のユーザーの
睡眠及び他の状態(例えば、熟眠中のモニタリングされる被験者の覚醒状態など)に対す
る遠隔の視覚的モニタリングを可能にする役割をすることができる。従って、例えば、ク
リニック/病院環境において、乳児モニター/遠隔医療専門家モニターとしての役割をす
ることができる。
【0186】
12.0 治療
例えば、治療装置を含んだ現在技術の幾つかのバージョンに対して呼吸器疾患を治療す
るとか、改善するために様々な治療が使用され得る。また、そうではない健康な人は、呼
吸器疾患を予防するために、このような治療の利点を取ることができる。
【0187】
鼻持続的気道陽圧(CPAP)療法は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療に用いら
れてきた。この作用機序は、持続的気道陽圧が空気的副子として作用し、軟口蓋と舌を前
方に押して、後口咽頭壁から離すなどして、上気道の閉塞が防止できると言うものである
。
【0188】
非侵襲的換気(NIV)治療は、患者が完全に呼吸しおよび/または適切な酸素レベル
を体内に維持するのを支援するために、呼吸作業の一部またはすべてを行って、上気道を
通して患者に換気補助を提供する。NIVは非侵襲患者インタフェースを通じて提供され
る。NIVはCSR、OHS、COPD、NMD及び胸壁疾患の治療に使用されてきた。
【0189】
12.1 診断及び治療システム
技術の幾つかのバージョンにおいて、治療は、前述の識別装置/システムと共助して作
動することができる治療システムまたは装置によって提供され得る。このようなシステム
及び装置は、また状態を治療せずに診断するために使用されることもできる。
【0190】
治療システムは呼吸圧力治療装置(PRT装置)装置、空気回路、加湿器、患者インタ
フェースおよびデータ管理からなる。
【0191】
患者インタフェースは、例えば呼吸可能なガスの流れに提供することによって、呼吸装
置をそのユーザにインタフェースするのに使用できる。呼吸可能なガスの流れは、鼻おお
び/または口へのマスク、口へのチューブまたはユーザーの気管への気管開口チューブを
経由して提供される。適用する治療法次第で、患者インタフェースはシールを形成してよ
く、例えば患者の顔部分、治療が効果をもたらすように、周囲圧力と十分に相違した圧力
で、例えば周囲圧力に関して約10cmH2Oの陽圧で、ガスを送出する。酸素の送出ま
たは大流量の空気のようなほかの形態では、約10cmH2Oの陽圧で、空気の気道への
供給ができるシールを患者のインタフェースに含めなくてよい。
【0192】
12.2 呼吸圧力治療(RPT)装置
空気圧力発生器は、例えば産業スケールの換気システムのような様々な適用で知られて
いる。しかし医療用の空気圧力発生器には、信頼性、サイズおよび重量のようなより汎用
の空気圧力発生器で達成されない特定の要件がある。さらに、医療用にデザインされた装
置でも、快適さ、騒音、使い易さ、効率、サイズ、重量、製造可能性、コストおよび信頼
性の1つまたはそれ以上に関する欠点に含くまされている。
【0193】
睡眠呼吸障害の治療に使用する1つの既知のRPT装置は、 CPAP治療を証明する
ResMed が製造するS9Sleep Theapy Systemである。RPT
装置のもう1つの例は、人工呼吸器である。成人および小児用人工呼吸器の ResMe
d Stellar(商標)シリーズのような人工呼吸器は、NMD、OHSおよびCO
PDのような(ただしこれらに限定されない)多数の状態を治療する様々な患者に、侵襲
および非侵襲非依存人工呼吸器治療に対するサポートを提供することができる。
【0194】
RPT装置は、典型的にはモータ駆動の送風機または圧縮ガスリザーバのような圧力発
生器から成り、患者の気道に加圧された空気を供給するように構成される。RPT装置の
出口は、空気回路を経由して上記の患者のインタフェースに接続される。
【0195】
12.1 選択事項の例示的な治療装置
前述のように、1つの形態において、本技術は、呼吸器疾患を治療及び/またはモニタ
リングするための器具または装置を含むことができる。器具または装置は、空気回路41
70を介して患者インタフェース3000に至る患者1000に加圧された空気を供給す
るためのRPT装置4000であり得る。以下の説明において、RPT装置は、
図21~
24を参照して考慮され得る。
【0196】
12.2 患者インタフェース
本技術の1態様による非侵襲患者インタフェース3000は、下記の機能面を有してい
る:シール形成構造3100、プレナムチャンバー3200、位置決めおよび安定化構造
3300および空気回路4170へ接続するための接続口3600、ベント3400、空
気回路4170に接続するための接続ポート3600の1形態および額支持3700。い
くつかの形態では、機能面は1つまたはそれ以上の物理的コンポーネントによって提供さ
れてよい。いくつかの形態では、1つの物理的コンポーネントが1つまたはそれ以上の機
能的態様を提供することができる。使用中は、気道への加圧された空気の供給が容易にす
るようにシール形成構造3100は患者の気道入り口を囲むように配置される。
【0197】
12.3 RPT装置
本技術の1態様によるRPT装置4000は、機械的および空気的コンポーネンツ41
00、電気的コンポーネント4200から成り、1つまたはそれ以上のアルゴリズム43
00を実行するようにプログラムされている。RPT装置4000は、2つの部分に形成
された、上部4012と下部4014、外部ハウジング4010を有する。一つの形態で
、外部ハウジング4010は1つまたはそれ以上のパネル(複数)4015を含むことが
できる。RPT装置4000は、RPT装置4000の1つまたはそれ以上の内部コンポ
ーネントを支持するシャーシ4016を含んでよい。RPT装置4000はハンドル40
18を含んでよい。
【0198】
RPT装置4000の空気路は、入口フィルター4112、入り口マフラー4122、
加圧された空気が供給できる圧力発生器4140(例えば送風機4142)および出口マ
フラー4124と圧力センサー4272および流量センサー4274のような1つまたは
それ以上の変換器4270のような1つまたはそれ以上の空気路アイテムを含んでよい。
【0199】
1つまたはそれ以上の空気路アイテムは、空気ブロック4020と称する取外し可能な
単一の構造内に位置できる。空気ブロック4020は外部ハウジング4010内に位置で
きる。1形態において、空気ブロック4020はシャーシ4016で支持されるかまたは
その一部を形成する。
【0200】
RPT装置4000は、電源4210、1つまたはそれ以上の入力装置4220、中央
コントローラ4230、治療装置コントローラ4240、圧力発生器4140、1つまた
はそれ以上の保護回路4250、メモリー4260、変換器4270、データ通信インタ
フェース4280および1つまたはそれ以上の出力装置4290から成ることができる。
電気コンポーネント4200は単一のプリント基板ユニット(PCBA)4202上に置
くことができる。代案として、RPT装置4000は1つ以上のPCBA4202を含ん
でよい。
【0201】
12.3.1 RPT装置の機械的および空気的コンポーネンツ
RPT装置4000は、1つまたはそれ以上の下記のコンポーネンツを一体ユニットの
中に含むことができる。代案の形態で、1つまたはそれ以上の次のコンポーネンツが、そ
れぞれ別のユニットとして位置することができる。
【0202】
12.3.1.1 空気フィルター(複数)
本技術の1形態によるRPT装置4000は、空気フィルター4110または複数の空
気フィルター4110を含むことができる。
【0203】
1つの形態において、空気入口フィルター4112は、圧力発生器4140の上流の空
気路の先頭に位置している。
【0204】
1つの形態において、例えば抗菌性フィルターのような空気出口フィルター4114は
空気ブロックの出口4020と患者インタフェース3000の間に位置している。
【0205】
12.3.1.2 マフラー(複数)
本技術の1つの形態によるRPT装置4000は、マフラー4120または複数のマフ
ラー4120を含むことができる。
【0206】
本技術の1形態において、入口マフラー4122は圧力発生器4140の上流の空気路
に位置している。
【0207】
本技術の1形態において、出口マフラ―4124は圧力発生器4140と患者インタフ
ェース3000の間の空気路に位置している。
【0208】
12.3.1.13 圧力発生器
本技術の1形態において、加圧空気を供給する、圧力装置4140は制御可能な送風機
4142である。例えば送風機4142は、ボリュートの中に収めた一つまたはそれ以上
のインペラーを有するブラシレスDCモータ4144を含む。圧力発生器4140は、例
えば、約120リーッター/分の陽圧を、約4cmH2Oから約20cmH2Oの範囲ま
たはそのほかの形態で約30cmH2Oまでの範囲で空気の供給または流れを発生できる
。
【0209】
圧力発生器4140は、治療送値コントローラ4240の制御下にある。
【0210】
その他の形態において、圧力発生器4140はピストン駆動のポンプ、高圧源(例えば
、圧縮空気リザーバ)に接続された圧力調整器またはベローズであってよい。
【0211】
12.3.1.4 変換器(複数)
変換器はRPT装置の内部でも外部でもよい。外部変換器は例えば空気回路に置かれま
たは患者インタフェースのような空気回路の一部を形成する。外部変換器はデータをRP
T装置に送信または移送するドップラーレーダ動きセンサーのような非接触センサーの形
態であってよい。
【0212】
本技術の1形態において、1つまたはそれ以上の変換器4270が圧力発生器4140
の上流および/または下流に位置している。1つまたはそれ以上の変換器4270が、流
量、空気路中のそのポイントにおける圧力または温度のようなそれぞれの空気の流れの特
性を表示するデータを発生するように構築されかつ配置される。
【0213】
本技術の1形態において、1つまたはそれ以上の変換器4270を患者インタフェース
3000の近位に置かれる。
【0214】
1形態において、変換器4270からの信号は、ローパス、ハイパスまたはバンドパス
・フィルタリングなどによってフィルターにかけられる。
【0215】
12.3.1.5 抗スピルバック弁
本技術の1形態において、抗スピルバック弁4160が加湿器5000と空気ブロック
4020の間に位置している。この抗スピルバック弁は、水が加湿器5000から上流に
流れるリスク、例えばモータ4144へを低減するよう構築されかつ配置される。
【0216】
12.3.1.6 空気回路
本技術の一つの態様による空気回路4170は、空気の流れが例えば空気ブロック402
0と患者インタフェース3000のような2つのコンポーネンツ間を使用中に行き来でき
るように構築されかつ配置されるた導管またはチューブである。
【0217】
12.3.1.7 酸素補給
本技術の1形態において、補充酸素4180が例えば空気ブロック4020の上流、空
回路4170へおよび/または患者インタフェース3000へなど、空気通路中の1つま
たはそれ以上のポイントに補充される。
【0218】
12.3.2 RPT装置電気コンポーネント
12.3.2.1 電源
本技術の1つの形態において、電源4210は、RPT装置4000の外部ハウジング
4010の内部にある。本技術の他の形態において、電源4210は、RPT装置400
0の外部ハウジング4010の外部にある。
【0219】
本技術の1形態において、電源4210はRPT装置4000にのみ電気を提供する。
本技術のもう1つの形態において、電源4210はRPT装置4000と加湿器5000
の両方に電気を提供する。
【0220】
12.3.2.2 入力装置
本技術の1形態において、RPT装置4000は作業者が装置と交流できるように、ボ
タン、スイッチまたはダイアルの形態の1つまたはそれ以上の入力装置4220を含む。
ボタン、スイッチまたはダイアルは物理的装置またはタッチスクリーンからアクセスでき
るソフトウエア装置であってよい。1つの形態において、ボタン、スイッチまたはダイア
ルはハウジング4010に物理的に接続するかまたはもう1つの形態では、中央コントロ
ーラ4230と電気的接続にあるレシーバとの無線通信であってよい。
【0221】
1つの形態において、入力装置4220は作業者が値および/またはメニューオプショ
ンが選択できるように構築されかつ配置される。
【0222】
12.3.2.3 中央コントローラ
本技術の1つの形態において、中央コントローラ4230は、x86INTENLプロ
セッサのようなRPT装置4000を制御するために適したプロセッサである。
【0223】
本技術の他の形態によるRPT装置4000を制御するために適した中央コントローラ
4230は、ARMホールディングスからのARM Cortex-Mプロセッサに基づ
いたプロセッサを含む。例えば、ST MICROELECTRONICSからのSTM
32シリーズマイクロコントローラが使用され得る。
【0224】
本技術の更なる代替形態によるRPT装置4000を制御するために適した他の中央コ
ントローラ4230は、ARM9ベースの32ビートRISC CPUファミリから選択
されたメンバーを含む。例えば、ST MICROELECTRONICSからのSTR
9シリーズマイクロコントローラが使用され得る。
【0225】
本技術の所定の代替形態において、16ビートRISC CPUは、RPT装置400
0用中央コントローラ4230として使用され得る。例えば、TEXAS INSTRU
MENTSによって製造された、MSP430ファミリのマイクロコントローラからのプ
ロセッサが使用され得る。
【0226】
本技術の別の1形態において、中央コントローラ4230は専用の電子回路である。別
の1形態において、中央コントローラ4230は特定用途向け集積回路(ASIC)であ
る。もう1つの形態において、中央コントローラ4230は離散的な電子コンポーネンツ
を含む。
【0227】
中央コントローラ4230は、1つまたはそれ以上の変換器4270そして1つまたは
それ以上の入力装置4220および加湿器5000からの入力信号(複数)を受信するよ
うに構成される。
【0228】
中央コントローラ4230は、出力信号(複数)を、1つまたはそれ以上の出力装置4
290、治療装置コントローラ4240、データ通信インタフェース4280および加湿
器5000に提供するように構成される。
【0229】
本技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230は、コンピュータプログ
ラムとして表され、メモリー4260のような持続性コンピュータ可読記憶媒体に保存さ
れる1つまたはそれ以上のアルゴリズム4300のような、本明細書に記載の1つまたは
それ以上の方法論を組み込むように構成される。本技術のいくつかの形態において、前述
のように、中央コントローラ4230はRPT装置4000と統合することができる。し
かし本技術のいくつかの形態において、いくつかの方法論は遠隔に位置した装置によって
実行できる。例えば遠隔に位置した装置は、人工呼吸器の制御設定を決定し、本明細書に
記載の任意のセンサーからの保存されたデータを分析することによって呼吸関連のイベン
トが検出できる。
【0230】
中央コントローラ4230は、様々なセンサ(例えば、変換器4270)、データ通信
インタフェース4280、メモリ4260だけでなく、他の装置と相互作用する単一のコ
ントローラを含むことができるが、コントローラ4230の機能は、1つより多くのコン
トローラ間に分散され得る。従って、本明細書で使用されるように用語「中央」は、アー
キテクチャを他の装置を制御する単一のコントローラまたはプロセッサに制限することを
意味しない。例えば、代替アーキテクチャは、1つより多くのコントローラまたはプロセ
ッサを含んだ分散型コントローラアーキテクチャを含むことができる。これは、例えば、
アルゴリズム4300の一部を行う別途のローカル(すなわち、RPT装置4000内)
または遠隔に位置したコントローラ、またはアルゴリズムの一部を記憶する1つより多く
のローカルまたは遠隔メモリを含むことができる。さらに、コンピュータープログラムと
して表現されるときのアルゴリズムは、高レベルの人間可読コード(例えば、C++、ヴ
ィジュアルベーシック、他のオブジェクト指向言語など)または低/機械レベル命令語(
アセンブラ、ヴェリログなど)を含むことができる。アルゴリズム(複数)の機能によっ
て、このようなコードまたは命令語は、コントローラ、例えば、ASICまたはDSPで
焼かれることができるとか、またはアルゴリズム(複数)によって要求される作業を行う
ために、特別にプログラムされるDSPまたは汎用プロセッサにポーティングされた実行
可能なランタイムであり得る。
【0231】
12.3.2.4 時計
RPT装置4000は、中央コントローラ4230に接続された時計4232を含むこ
とができる。
【0232】
12.3.2.5 治療装置コントローラ
本技術の1形態において、治療装置コントローラ4240は、中央コントローラ423
0が実行するアルゴリズム4300の一部を形成する制御モジュール4330である。
【0233】
本技術の1形態において、治療装置コントローラ4240は専用のモータ制御の集積回
路である。例えば、ONSEMIが製造しているMC33035ブラシレスDCモータコ
ントローラの1形態である。
【0234】
12.3.2.6 保護回路
本技術によるRPT装置4000は、1つ以上の保護回路4250を含むことができる
。
【0235】
本技術による保護回路4250の1つの形態は、電気保護回路である。本技術による保
護回路4250の1つの形態は、温度または圧力安全回路である。
【0236】
12.3.2.7 メモリー
本技術の1形態により、RPT装置4000はメモリー4260、例えば、非揮発性メ
モリーを含む。いくつかの形態において、メモリー4260はバッテリー駆動のスタティ
ックRAMを含むことができる。いくつかの形態では、メモリー4260は揮発性RAM
を含むことができる。
【0237】
メモリー4260はPCBA4202上に置いてよい。メモリー4260は、EEPR
OMまたはNANDフラッシュの形態とすることができる。
【0238】
追加でまたは代案として、RPT装置4000は、例えば、Secure Dingi
tal(SD)標準で作ったメモリーカードのようなの取り外し形態のメモリー4260
を含む。
【0239】
本技術の1つの形態において、メモリー4260は、1つまたはそれ以上のアルゴリズ
ム4300のような、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の方法論を表現するコンピュ
ータプログラムのインストラクションが搭載された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体
として働く。
【0240】
12.3.2.8 変換器
変換器は、装置4000の内部、またはRPT装置4000の外部にあり得る。外部変
換器は、例えば、患者インタフェイで、空気伝達回路4170上に配置されるとか、また
はその一部を形成することができる。外部変換器は、RPT装置4000にデータを送信
または転送するドップラレーダ動きセンサのような非接触センサの形態であり得る。
【0241】
12.3.2.8.1 流量
本技術による流量変換器4274は、差圧変換器、例えば、SENSIRIONからの
SDP600シリーズ差圧変換器に基づくことができる。差圧変換器は、空気圧回路と流
体連通し、それぞれの圧力変換器のうちの1つは、流れ制限要素内のそれぞれの第1及び
第2の地点に連結される。
【0242】
一例において、流量変換器4274からの総流量(Qt)を表す信号は、中央コントロ
ーラ4230によって受信される。
【0243】
12.3.2.8.2 圧力
本技術による圧力変換器4272は、空気圧経路と流体連通状態に配置される。適した
圧力変換器4272の例は、HONEYWELL ASDXシリーズからのセンサである
。他の適した圧力変換器は、GENERAL ELECTRICからのNPAシリーズか
らのセンサである。
【0244】
使用時に、圧力変換器4272からの信号は、中央コントローラ4230によって受信
される。1つの形態において、圧力変換器4272からの信号は、中央コントローラ42
30によって受信される前にフィルタリングされる。
【0245】
12.3.2.8.3 モーター速度
本技術の1つの形態において、モーター速度変換器4276は、モーター4144及び
/または送風機4142の回転速度を決定するために使用される。モーター速度変換器4
276からのモーター速度信号は、治療装置コントローラ4240に提供され得る。モー
ター速度変換器4276は、例えば、ホール効果センサのような速度センサであり得る。
【0246】
12.3.2.9 データ通信システム
本技術の1形態において、データ通信インタフェース4280が提供でき、中央コント
ローラ4230に接続できる。データ通信インタフェース4280は遠隔外部通信ネット
ワーク4282に接続可能でありおよび/またははローカルの外部通信ネットワーク42
84に接続可能である。遠隔外部通信ネットワーク4282は遠隔外部装置4286に接
続可能である。ローカル外部通信ネットワーク4284はローカルの外部装置4288に
接続可能である。
【0247】
1つの形態において、データ通信インタフェース4280は中央コントローラ4230
の一部である。もう1つの形態において、データ通信インタフェース4280は、中央コ
ントローラ4230とは別で、集積回路またはプロセッサーを含むことができる。
【0248】
1つの形態において、遠隔外部通信ネットワーク4282はインターネットである。デ
ータ通信インタフェース4280は有線接続(例えば、イーサネット経由または光ファイ
バー)またはインターネットに接続する無線プロトコル(例えば、CDMA、GSM、L
TE)であってよい。
【0249】
1つの形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284はBluetoothま
たは消費者赤外プロトコルのような1つまたはそれ以上の通信標準を利用する。
【0250】
1つの形態において、遠隔外部装置4286は1つ以上のコンピュータ、例えばネット
ワーク・コンピュータのクラスターであってよい。1つの形態において、遠隔外部装置4
286は、物理的コンピュータと言うよりむしろ仮想コンピュータであってよい。いずれ
の場合でも、このような遠隔外部装置4286には臨床医のような適切に権限を与えられ
た人がアクセスできる。
【0251】
ローカル外部装置4288は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットまたは
遠隔制御であってよい。
【0252】
1つの形態において、インタフェースは、例えば、RFモーションセンサを含む本明細書
で説明されたセンサなどのうちのいずれかの1つのようなセンサと通信することができる
。
【0253】
12.3.2.10 オプションのディスプレイ、警報を含む出力装置
本技術による出力装置4290は、視覚、オーディオおよび触覚ユニットの一つまたは
それ以上の形態をとることができる。視覚ディスプレイは液晶表示装置(LCD)または
発光ダイオード(LED)ディスプレイであってよい。
【0254】
12.3.2.10.1 ディスプレイ・ドライバー
ディスプレイ・ドライバー4292は入力としてディスプレイ4294に表示する文字
、記号または映像を受信し、それらをコマンドに変換してディスプレイ4294にこれら
の文字、記号または映像を表示させる。
【0255】
12.3.2.10.2 ディスプレイ
ディスプレイ4294は、ディスプレイ・ドライバー4292から受信したコマンドに
対応して文字、記号または映像を視覚的に表示するように設定される。例えば、ディスプ
レイ4294は8セグメント表示であってよく、この場合ディスプレイ・ドライバー42
92は例えば数字「0」のような文字または記号のそれぞれを8つの論理信号に変換し、
8つのそれぞれのセグメントが特定の文字または記号を表示するように活性化するかどう
かを指示する。
【0256】
12.3.3 RPT装置アルゴリズム
12.3.3.1 前処理モジュール
本技術による前処理モジュール4310は、変換器4270、例えば、流量センサ42
74または圧力センサ4272からのローデータを入力として受信し、1つ以上のプロセ
スステップを行って、他のモジュール、例えば、治療エンジンモジュール4320への入
力として使用される1つ以上の出力値を計算する。
【0257】
本技術の1つの形態において、出力値は、インタフェースまたはマスク圧力Pm、呼吸
流量Qr、及び漏れ流量Qlを含む。
【0258】
本技術の様々な形態において、前処理モジュール4310は、以下のアルゴリズムのう
ちの1つ以上を含む:圧力補償4312、ベント流量推定4314、漏れ流量推定431
6、呼吸流量推定4317、換気決定4311、目標換気決定4313、呼吸数推定43
18、及びバックアップ率決定4319。
【0259】
12.3.3.1.1 圧力補償
本技術の1つの形態において、圧力補償アルゴリズム4312は、空気圧ブロック40
20の出口近くの空気圧経路内の圧力を示す信号を入力として受信する。圧力補償アルゴ
リズム4312は、空気回路4170内の圧力降下を推定し、患者インタフェース300
0での推定された圧力Pmを出力として提供する。
【0260】
12.3.3.1.2 ベント流量推定
本技術の1つの形態において、ベント流量評価アルゴリズム4314は、患者インタフ
ェース3000での推定された圧力Pmを入力として受信し、患者インタフェース300
0でのベント3400から空気のベント流量Qvを推定する。
【0261】
12.3.3.1.3 漏れ流量推定
本技術の1つの形態において、漏れ流量推定アルゴリズム4316は、総流量Qt及び
ベント流量Qvを入力として受信し、漏れ流量Qlを推定する。1つの形態において、漏
れ流量推定アルゴリズム4316は、数個の呼吸周期を含むために十分に長い期間、例え
ば、約10秒にわたって総流量とベント流量Qvとの間の差の平均を計算することによっ
て漏れ流量Qlを推定する。
【0262】
1つの形態において、漏れ流量推定アルゴリズム4316は、患者インタフェース30
00での総流量Qt、ベント流量Qv、及び推定された圧力Pmを入力として受信し、漏
れコンダクタンス(leak conductance)を計算して漏れ流量Qlを漏れ
コンダクタンス及び圧力Pmの関数であるものとして決定することによって漏れ流量Ql
を推定する。漏れコンダクタンスは、総流量Qtとベント流量Qvとの間の差と同一の低
域フィルタリングされた非ベント流量の値、及び圧力Pmの低域フィルタリングされた平
方根として計算されることができ、ここで、低域フィルタ時定数は、数個の呼吸周期を含
むために十分に長い値、例えば、約10秒を有する。漏れ流量Qlは、漏れコンダクタン
スと圧力関数Pmとの積として推定され得る。
【0263】
12.3.3.1.4 呼吸流量推定
本技術の1つの形態において、呼吸流量推定アルゴリズム4317は、総流量Qt、ベ
ント流量Qv、漏れ流量Qlを入力として受信し、総流量Qtからベント流量Qv及び漏
れ流量Ql減算することによって患者に対する空気の呼吸流量Qrを推定する。
【0264】
本技術の他の形態において、呼吸流量推定アルゴリズム4317は、呼吸流量Qrに対
するプロキシとして作用する値を提供する。呼吸流量に対する可能なプロキシは、次を含
む:
-患者1000の胸部の呼吸運動
-圧力発生器4140によって流れる電流
-圧力発生器4140のモーター速度
-患者1000の経胸腔(Trans-thoracic)インピーダンス
呼吸流量プロキシ値は、RPT装置4000内の変換器4270、例えば、モーター速
度センサ4276、またはRPT装置4000外部のセンサ、例えば、呼吸運動センサま
たは経胸腔インピーダンスセンサによって提供され得る。
【0265】
12.3.3.1.5 換気決定
本技術の1つの形態において、換気決定アルゴリズム4311は、呼吸流量Qrを受信
し、現在の患者換気を示す測定値Ventを決定する。
【0266】
幾つかの実施形態において、換気決定アルゴリズム4311は、実際患者の換気の推定
である換気の測定値Ventを決定する。
【0267】
1つのこのような実施形態において、換気の測定値Ventは、0.11Hzのコーナ
ー周波数を有する2次ベッセル低域フィルタのような低域フィルタによって選択的にフィ
ルタリングされる、呼吸流量Qrの絶対値の半分である。
【0268】
1つのこのような実施形態において、換気の測定値Ventは、総肺胞換気(gros
s alveolar ventilation)(すなわち、非解剖学的死腔換気)の
推定値である。これは、解剖学的死腔の推定値を必要とする。1つは、解剖学的死腔の良
好な予測因子として患者の身長(または重度の骨格変形の場合にはアームスパン(arm
-span))を使用することができる。それでは、総肺胞換気は、例えば、前記のよう
に決定された実際患者の換気の測定値と同一であり、推定された解剖学的死腔と推定され
た自発的呼吸数Rsとの積よりも少ない。
【0269】
他の実施形態において、換気決定アルゴリズム4311は、実際患者の換気にほぼ比例
する換気の測定値Ventを決定する。1つのこのような実施形態は、期の吸気部分にわ
たってピーク呼吸流量Qpeakを推定する。呼吸流量Qrをサンプリングすることを含
むこの手順及び多くの他の手順は、流量波形の形状が非常にあまり変わらない限り換気に
ほぼ比例する測定値を生成する(ここで、2つの呼吸の形状は、時間及び振幅に標準化さ
れた呼吸の流量波形が類似するときに類似したものとして取られる)。幾つかの簡単な例
は、中央陽性呼吸流量、呼吸流量の絶対値の中央値、及び流量の標準偏差を含む。正の係
数を使用する呼吸流量の絶対値、及びさらには正及負の係数の両方使用する幾つかの任意
の順序統計の任意の線形組み合わせは、換気にほぼ比例する。他の例は、吸気部分の中間
K比率(時間基準)における呼吸流量の平均であり、ここで、0<K<1である。流量波
形の形状が一定である場合に、換気に正比例する任意の多くの数の測定値がある。
他の形態において、換気決定アルゴリズム4311は、呼吸流量Qrに基づいていないが
、患者1000に取り付けられた適切なセンサから得られる、酸素飽和度(SaO2)、
または二酸化炭素の部分圧力(PCO2)のような現在患者の換気に対するプロキシであ
る換気の測定値Ventを決定する。
【0270】
12.3.3.1.6 目標換気決定
本技術の1つの形態において、中央コントローラ4230は、現在換気の測定値Ven
tの測定値を入力として取り込み、換気の測定値に対する目標値Vtgtの決定のために
、1つ以上の目標換気決定アルゴリズム4313を行う。
【0271】
本技術の幾つかの形態では、目標換気決定アルゴリズム4313がなく、例えば、RP
T装置4000の構成中にハードコーディングによってまたは入力装置4220を介する
手動入力によって目標換気Vtgtが予め決定される。
【0272】
適応的サーボ-換気(adaptive servo-ventilation:AS
V)治療(後述する)のような本技術の他の形態において、目標換気決定アルゴリズム4
313は、患者1000の典型的な最近の換気を示す値Vtypから目標換気Vtgtを
演算する。
【0273】
適応的サーボ-換気治療の幾つかの形態において、目標換気Vtgtは、典型的な最近
の換気Vtypより小さいが、高い割合として計算される。このような形態における高い
割合は、(80%、100%)、または(85%、95%)、または(87%、92%)
の範囲内であり得る。
【0274】
適応的サーボ-換気治療の他の形態において、目標換気Vtgtは、典型的な最近の換
気Vtypの単一倍数よりもわずかに大きいとして演算される。
【0275】
典型的な最近の換気Vtypは、幾つかの予め決定された時間尺度にわたって複数の時
間瞬間にわたった最近の換気の測定値Ventの分布がクラスタされる傾向がある値、す
なわち、最近の履歴にわたった現在換気の測定の中央傾向の測定値である。目標換気決定
アルゴリズム4313の1つの実施形態において、最近の履歴は、数分程度であるが、い
ずれの場合にも、チェーン-ストークス漸増及び漸減周期の時間尺度よりも長くすべきで
ある。目標換気決定アルゴリズム4313は、現在換気の測定値Ventから典型的な最
近の換気Vtypを決定するために、中央傾向の様々な周知の測定値のうちのいずれのも
のを使用することができる。1つのこのような測定値は、100秒と同一の時定数で、現
在換気Ventの測定値に対する低域フィルタの出力である。
【0276】
12.3.3.1.7 呼吸数推定
本技術の1つの形態において、呼吸数推定アルゴリズム4318は、患者1000に対
する呼吸流量Qrを入力として受信し、患者の自発的呼吸数Rsの推定値を生成する。
【0277】
呼吸数推定アルゴリズム4318は、患者1000が自発的に呼吸しているとき、すな
わち、RPT装置4000が「バックアップ呼吸」(後述する)を伝達していないときの
期間にわたって自発的呼吸数Rsを推定することができる。本技術の幾つかの形態におい
て、呼吸数推定アルゴリズム4318は、サーボ-補助(圧力補助(pressure
support)から最小圧力補助を引いた値として定義される)が低いとき、1つの実
施形態では、4cmH2O未満のときの期間にわたって呼吸数を推定するが、これは、こ
のような期間が自発的な呼吸努力を反映する可能性がより大きいからである。
【0278】
本技術の幾つかの形態において、呼吸数推定アルゴリズム4318は、このような期間
中の呼吸数が、覚醒中の呼吸数と実質的に異なることができるので、睡眠中の呼吸期間に
わたって呼吸数を推定する。不安は、典型的に睡眠中に優勢な呼吸数よりも高い呼吸数を
もたらす。患者が各自の呼吸過程に集中するとき、各自の呼吸数は、典型的に正常な覚醒
中または睡眠中のものよりも低い。国際公開WO2011/006199として公開され
、全体開示内容が参照として本明細書に組み込まれる国際特許出願PCT/AU2010
/000894号は、呼吸流量Qrから覚醒中の呼吸期間を識別するために使用され得る
。
【0279】
本技術の幾つかの形態において、呼吸数推定アルゴリズム4318は、関心期間中の呼
吸持続期間Ttotの中央傾向の様々な周知の統計的測定値などのうちの1つの逆数(r
eciprocal)として自発的呼吸数Rsを推定する。このような測定値などでは、
外れ値(outlier)を拒否するか、少なくとも外れ値に対して強くすることが好ま
しい。整列された呼吸持続期間の下部及び上部のK比率が捨てられる1つのこのような測
定値、すなわち、トリミングされた平均(trimmed mean)、及び残っている
呼吸持続時間に対して計算された平均は外れ値に対して強い。例えば、Kが0.25であ
るとき、これは、呼吸持続期間Ttotの上部及び下部四分位数を捨てることに該当する
。中央値は、中央傾向の他の堅固な測定値であるが、これは、時々分布が強く二峰性(b
imodal)であるときに不満足な結果を与えることができる。単純な平均は、中央傾
向の測定値として使用されることもできるが、外れ値に敏感である。不確実な呼吸数(例
えば、45呼吸/分の超過または6呼吸/分の未満)に該当する連続的な時間間隔が平均
計算で外れ値として排除される初期間隔フィルタリング段階が使用され得る。単独で、ま
たは間隔フィルタリングと組み合わせて使用され得る他のフィルタリングメカニズムは、
Nの連続的な自発的呼吸のシーケンスの一部ではない呼吸を排除すること(ここで、Nは
、幾つかの小さな整数(例えば、3)である)と連続的な自発的呼吸の初期及び後期の呼
吸を排除すること、例えば、4回の呼吸のシーケンスのうち最初及び最後呼吸を排除する
ことである。後者のメカニズムに対する理論的根拠は、自発的呼吸のシーケンス中、特に
最初及び最後呼吸、及び一般的に初期及び後期呼吸が非典型的であることができ;例えば
、最初自発的呼吸は、覚醒(arousal)の結果として、起こることができ、最終自
発的呼吸は、自発的呼吸のシーケンスを終了するバックアップ呼吸をもたらす呼吸ドライ
ブ(respiratory drive)の減少のために、より長くなることができる
。
【0280】
本技術の幾つかの形態において、呼吸数推定アルゴリズム4318は、初期推定期間を
使用して自発的呼吸数Rsの初期推定を行って、治療エンジンモジュール4320で後続
処理を開始させた後、初期推定期間より長い推定期間を使用して自発的呼吸数Rsの推定
を連続的にアップデートして、統計的頑健性を改善する。例えば、初期推定期間は、適切
な自発的呼吸の20分であり得るが、その次には、推定期間が一部の最大持続期間、例え
ば、8時間まで徐々に増加することができる。この推定のために、このような持続期間の
ローリングウィンドウが使用されるのではなく、呼吸持続期間に対する低域フィルタが、
セッションが進行されるにつれて徐々により長い反応時間(より正確には、徐々に低いコ
ーナー周波数)を有して使用され得る。
【0281】
幾つかの形態において、トリミングされた平均のような中央傾向の適切に処理された短
期間(例えば、10分)測定値は、適切な低域フィルタに入力されて、時間単位またはそ
の以上の時間尺度に対して変わる推定値Rsを提供することができる。これは、トリミン
グされた平均が数時間または数日間持続する呼吸持続期間データの移動ウィンドウに対し
て計算される必要がある場合に起こることもできるので、潜在的に大量の呼吸持続期間デ
ータが格納され、処理される必要がないという利点がある。
【0282】
本技術の幾つかの形態において、短時間にわたって、特に1回の呼吸にわたって測定さ
れた呼吸数は、また前述した中央傾向測定値での呼吸持続期間の代わりに使用されること
ができ、一般的に類似しているが同一ではない結果を提供する。
【0283】
12.3.3.1.8 バックアップ率決定
本技術の1つの形態において、バックアップ率決定アルゴリズム4319は、呼吸数推
定アルゴリズム4318によって提供された自発的呼吸数推定値Rsを入力として受信し
、「バックアップ率」Rbをリターンする。バックアップ率Rbは、RPT装置4000
が顕著な自発的呼吸努力欠如時に、患者1000にバックアップ呼吸を伝達する、すなわ
ち、人工呼吸支援を提供し続ける比率である。
【0284】
前処理モジュール4310の1つの形態では、バックアップ率決定アルゴリズム431
9がなく、代わりにバックアップ率Rbが、例えば、入力装置4220を介してRPT装
置4000に手動に提供されるか、RPT装置4000の構成時にハードコートされる。
【0285】
適応的バックアップ率として知られた1つの形態において、バックアップ率決定アルゴ
リズム4319は、バックアップ率Rbを自発的呼吸数Rsの関数として決定する。1つ
の実施形態において、関数は、バックアップ率Rbを自発的呼吸数Rsから2回/分の呼
吸のような定数を引いた値として決定する。他の実施形態において、関数は、バックアッ
プ率Rbを自発的呼吸数Rsに1よりわずかに小さい定数を乗算した値として決定する。
【0286】
可変型バックアップ率として知られた1つの形態において、バックアップ率決定アルゴ
リズム4319は、バックアップ率Rbを時間の関数として決定する。バックアップ率R
bは、持続的時限的バックアップ率(sustained timed backup
rate:STBR)として知られた最終目標バックアップ率の幾つかの分率である自発
的バックアップ率(spontaneous backup rate:SBR)として
知られた値に初期化される。分率は、2/3、または3/4、または1未満の他の正の値
であり得る。SBRは、直近の吸気が自発的(すなわち、患者-トリガーされた)呼吸で
あったときのバックアップ呼吸に対するタイムアウト期間の逆数である。STBRは、予
め決定されることができるか(例えば、前述のように手動入力またはハードコーディング
によって)または15bpmのような幾つかの典型的な呼吸数に設定され得る。以前の自
発的呼吸以後から経過された時間とともにバックアップ率Rbは、SBRからSTBRに
向かって増加される。前記増加は、予め決定されたプロフィールである、例えば、一連の
ステップ、または連続的な線形プロフィールに従うことができる。前記プロフィールは、
バックアップ率Rbが予め決定された間隔後にSTBRに逹するように選択される。前記
間隔は、30秒のような時間の単位で、または5回の呼吸のような患者の呼吸に対して測
定され得る。
【0287】
可変型バックアップ率の幾つかの形態において、バックアップ率RbがSBRからST
BRに向かって増加する予め決定された間隔は、現在換気の適切性の関数であり得る。目
標値Vtgtが換気の測定のために存在するサーボ-換気に適した1つの実施形態におい
て、バックアップ率は、換気Ventの現在測定値が目標換気Vtgt未満の範囲でより
速くSTBRに近付く。
【0288】
適応可変型バックアップ率として知られた可変型バックアップ率の1つの形態において
、バックアップ率決定アルゴリズム4319は、呼吸数推定アルゴリズム4318によっ
て提供される現在推定自発的呼吸数Rsの関数だけでなく、時間の関数としてバックアッ
プ率Rbを決定する。可変型バックアップ率決定と同様に、適応可変型バックアップ率決
定は、現在換気の適切性の関数であり得る予め決定された間隔にわたってSBRからST
BRに向かってバックアップ率Rbを増加させる。STBRは、標準呼吸数、例えば、1
5bpmに初期化され得る。自発的呼吸数Rsの信頼できる推定値が呼吸数推定アルゴリ
ズム4318から使用可能であれば、STBRは、幾つかの定数を乗算した現在推定され
た自発的呼吸数Rsに設定され得る。SBRは、可変型バックアップ率と同様に、STB
Rの幾つかの分率に設定され得る。1つの形態において、分率、例えば、2/3は、比較
的低い呼吸数、例えば、12回/分の呼吸を有する患者においてたまに長い呼吸持続期間
を収容するために、自発的呼吸数Rsの初期推定期間中に、0.55のような低い値に設
定され得る。
【0289】
幾つかの形態において、現在推定された自発的呼吸数RsがSTBRを得るために乗算
される定数は、無呼吸の間により積極的な人工呼吸を提供するように1よりもわずかに高
いことができる、例えば、1.1であることができ、これは、短い無呼吸において好まし
いことができる。定数は、特に患者努力の返還に対する患者との再同期化の困難が特定の
患者の問題であることが明かになる場合、1よりもわずかに低いことができる、例えば、
0.8であり得る。低いバックアップ率は、再同期化が一般的に生じる、呼気後休止を長
くすることによって、再同期化をより容易にする。
【0290】
12.3.3.2 治療エンジンモジュール
本技術の1つの形態において、治療エンジンモジュール4320は、患者インタフェー
ス3000での圧力Pm、患者に対する空気の呼吸流量Qr、及び自発的呼吸数の推定値
Rsのうちの1つ以上を入力として受信し、1つ以上の治療パラメータを出力として提供
する。様々な形態において、治療エンジンモジュール4320は、以下のアルゴリズムの
うちの1つ以上を含む:位相決定アルゴリズム4321、波形決定アルゴリズム4322
、吸気流れ制限決定アルゴリズム4324、無呼吸/呼吸低下決定アルゴリズム4325
、いびき検出アルゴリズム4326、気道開通性決定アルゴリズム4327、及び治療パ
ラメータ決定アルゴリズム4329。
【0291】
12.3.3.2.1 位相決定
本技術の1つの形態において、位相決定アルゴリズム4321は、呼吸流量Qrを示す
信号を入力として受信し、患者1000の現在呼吸周期の位相Φを出力として提供する。
【0292】
離散位相決定(discrete phase determination)として
知られた幾つかの形態において、位相出力Φは、離散変数である。離散位相決定の1つの
実施形態は、自発的吸気及び呼気の開始をそれぞれ検出するとき、例えば、それぞれ0及
び0.5回転値として表される吸気または呼気値を有する2値の位相出力Φを提供する。
トリガー及び周期ポイントは、位相が呼気から吸気へ、及び吸気から呼気へそれぞれ変化
する瞬間であるので、「トリガー」及び「サイクル」するRPT装置4000は、離散位
相決定を効果的に行う。2値位相決定の1つの実施形態において、位相出力Φは、呼吸流
量Qrが正の閾値を超過する値を有するときに、0の離散値(これによってRPT装置4
000を「トリガリング」)、及び呼吸流量Qrが負の閾値よりも負の値を有するときに
、0.5回転数の離散値(これによってRPT装置4000を「サイクリング」)を有す
ると決定される。
【0293】
離散位相決定の他の実施形態は、吸気、中間吸気休止、呼気のうちの1つに対する値を
有する3値位相出力Φを提供する。
【0294】
連続位相決定として知られた他の形態において、位相出力Φは、例えば、0から1回転
数まで、または0から2πラジアンまで変わる連続値である。連続位相決定を行うRPT
装置4000は、連続位相が0及び0.5回転数にそれぞれ逹するときに、トリガー及び
サイクルされ得る。連続位相決定の1つの実施形態において、位相Φの連続値は、呼吸流
量Qrのファジー論理分析を利用して決定される。この実施形態において決定される位相
の連続値は、しばしば「ファジー位相」と呼ばれる。ファジー位相決定アルゴリズム43
21の1つの実施形態では、以下の規則が呼吸流量Qrに適用される:
1.呼吸流量が0で速く増加している場合であれば、位相は0回転数である。
2.呼吸流量が大きい正数で一定した場合であれば、位相は0.25回転数である。
3.呼吸流量が0で速く低下する場合であれば、位相は0.5回転数である。
4.呼吸流量が大きい負数で一定した場合であれば、位相は0.75回転数である。
5.呼吸流量が0で一定しており、呼吸流量の5秒低域フィルタリングされた絶対値が
大きい場合であれば、位相は0.9回転数である。
6.呼吸流量が正数で位相が呼気の場合であれば、位相は0回転数である。
7.呼吸流量が負数で位相が吸気の場合であれば、位相は0.5回転数である。
8.呼吸流量の5秒低域フィルタリングされた絶対値が大きい場合、位相は20秒の時
定数で低域フィルタリングされた、患者の呼吸数と同一の一定の速度で増加している。
【0295】
各規則の出力は、位相が規則の結果値であり、大きさが規則が真であるファジー程度で
あるベクトルとして表現され得る。呼吸流量が「大きい」、「一定する」などのファジー
程度は、適切なメンバシップ関数によって決定される。ベクトルとして表現された規則の
結果値などは、以後、例えば、中心(centroid)を求める幾つかの関数によって
組み合わせされる。このような組み合わせにおいて、規則は、等しく重み付けされるとか
、異なるように重み付けされ得る。
【0296】
連続位相決定の他の実施形態において、吸気時間Ti及び呼気時間Teは、最初に呼吸
流量Qrから推定される。その後、位相Φは、以前のトリガー瞬間以後に経過された吸気
時間Tiの割合の半分、または0.5回転加えた以前の周期瞬間以後に経過された呼気時
間Teの割合の半分を加えたもの(いずれか最近のもの)として決定される。
【0297】
圧力補助換気治療(後述する)に適切な本技術の幾つかの形態において、位相決定アル
ゴリズム4321は、呼吸流量Qrが、例えば、無呼吸の間に顕著に小さい場合でもトリ
ガーされるように構成される。従って、RPT装置4000は、患者1000からの自発
的呼吸努力欠如時に「バックアップ呼吸」を伝達する。自発/時限(spontaneo
us/timed)(S/T)モードとして知られたこのような形態において、位相決定
アルゴリズム4321は、バックアップ率決定アルゴリズム4319によって提供された
バックアップ率Rbを使用することができる。
【0298】
「ファジー位相」を使用する位相決定アルゴリズム4321は、「モーメンタム」規則
をファジー位相規則に含ませることによってバックアップ率Rbを使用してS/Tモード
を実施することができる。モーメンタム規則の効果は、他に連続的位相を他の規則を介し
て繰り越す呼吸流量Qrの特徴がない場合に、バックアップ率Rbで連続位相を呼気から
吸気に繰り越すことである。1つの実施形態において、換気の測定値Vent(後述する
)が換気の目標値Vtgt(やっぱり後述する)より十分に低いことが事実であるほど、
モーメンタム規則が組み合わせでより大きく重み付けされる。しかしながら、(目標換気
に対して)軽度乃至中程度の低換気に反応する圧力補助の急速な増加の結果として、換気
は、目標換気に非常に近接することができる。患者が呼吸器によって高い割合で呼吸する
ように不必要に押し込まれることなく、他の時間(患者が中枢性無呼吸状態にない場合)
での呼吸数よりも顕著に低い割合で呼吸できるようにするために、換気が目標値に近接す
るときにモーメンタム規則に低い重み付け値が付与されることが好ましい。しかし、換気
が目標値と近いが、その下である値を上回るときにモーメンタム規則に低い重み付け値が
付与されるとき、適切な換気がバックアップ率よりはるかに下の割合で比較的高い圧力補
助で容易に達成され得る。バックアップ呼吸がより高い割合で伝達することが好ましいで
あるが、これは、目標換気がより低い圧力サポートで伝達することができるようにするか
らである。これは、様々な理由から好ましく、その中で核心的な1つは、マスク漏れを減
らすことである。
【0299】
要約すると、S/Tモードを実施するファジー位相決定アルゴリズム4321において
、バックアップ率Rbを含むモーメンタム規則の重み付け値を選択するのにジレンマが存
在する:重み付け値が高すぎる場合、患者がバックアップ率によって「押しつけられる(
pushed along)」感じを受けることができる。重み付け値が低すぎる場合、
圧力補助が過度になることができる。従って、前述のモーメンタム規則に依存しないS/
Tモードを実施する方法を提供することが好ましい。
【0300】
(離散型またはモーメンタム規則なしの連続的)位相決定アルゴリズム4321は、時
限的バックアップとして知られた方式でバックアップ率Rbを使用してS/Tモードを実
施することができる。時限的バックアップは、以下のように実施され得る:位相決定アル
ゴリズム4321は、例えば、前述のように呼吸流量Qrをモニタリングすることによっ
て自発的呼吸努力による吸気の開始を検出しようと試みる。自発的呼吸努力による吸気の
開始が、持続期間がバックアップ率Rbの逆数と等しい前回のトリガー瞬間後の一定期間
(バックアップタイミング閾値として知られた間隔)内に検出されない場合、位相決定ア
ルゴリズム4321は、位相出力Φを吸気の値に設定する(これにより、RPT装置40
00をトリガーする)。RPT装置4000がトリガーされ、バックアップ呼吸が伝達さ
れ始めると、位相決定アルゴリズム4321は、例えば、呼吸流量Qrをモニタリングす
ることのよって、自発的呼気の開始を検出しようと試み、これにより、位相出力Φが呼気
の値に設定される(これにより、RPT装置4000を循環させる)。
【0301】
前述した可変型バックアップ率システムでのように、バックアップ率Rbが時間経過に
応じてSBRからSTBRに増加する場合、バックアップタイミングの閾値はより長く開
始して徐々に短くなる。すなわち、RPT装置4000は、より多くのバックアップ呼吸
が伝達されることによって自発的呼吸努力の欠如に対して少なく警戒し始めてから徐々に
より警戒するようになる。このようなRPT装置4000は、必要なときにバックアップ
呼吸を依然として提供しながら、患者が標準の割合より低く呼吸することを好む場合に、
患者が「押しつけられる」感じを受ける可能性が少ない。
【0302】
可変型バックアップ率システムでのSTBRが前述した適応可変型バックアップ率シス
テムでのように、患者の推定された自発的呼吸数Rsに適応する場合、バックアップ呼吸
は、患者自身の最近の自発的呼吸努力に適した割合で伝達される。
【0303】
12.3.3.2.2 波形決定
本技術の1つの形態において、治療制御モジュール4330は、圧力発生器4140を
制御して波形テンプレートП(Φ)による患者の呼吸周期の位相Φの関数として変化する治
療圧力Ptを供給する。
【0304】
本技術の1つの形態において、波形決定アルゴリズム4322は、治療パラメータ決定
アルゴリズム4329によって使用される位相決定アルゴリズム4321によって提供さ
れた位相値Φの領域に対して[0、1]範囲内の値を有する波形テンプレートΠ(Φ)を
提供する。
【0305】
離散または連続値の位相のいずれかに適した1つの形態において、波形テンプレートΠ
(Φ)は、0.5回転以下の位相の値に対して1の値を有し、0.5回転超過の位相の値
に対して0の値を有する方形波テンプレートである。連続値の位相に適した1つの形態に
おいて、波形テンプレートΠ(Φ)は、2つの滑らかに湾曲した部分、すなわち、0.5
回転までの位相値に対して0から1まで滑らかに湾曲した(例えば、上昇されたコサイン
(raised cosine)の)上昇、及び0.5回転超過の位相の値に対して1か
ら0まで滑らかに湾曲した(例えば、指数(exponential)の)減衰を含む。
このような「滑らかで快適な」波形テンプレートの一例は、上昇が上昇されたコサインで
あり、滑らかな減衰が(Φが1回転に近接することによってΠの限界が正確に0になるよ
うに)準-指数(quasi-exponential)を有する「鮫ひれ」波形テンプ
レートである。
【0306】
本技術の幾つかの形態において、波形決定アルゴリズム4322は、RPT装置400
0の設定に応じて波形テンプレートのライブラリから波形テンプレートΠ(Φ)を選択す
る。ライブラリ内の各波形テンプレートΠ(Φ)は、位相値Φに対する値Πの探索テーブ
ルとして提供され得る。他の形態において、波形決定アルゴリズム4322は、おそらく
1つ以上のパラメータ(例えば、指数的に湾曲した部分の時定数)によってパラメータ化
される、予め決定された関数形態を使用して波形テンプレートΠ(Φ)を「簡単に(On
-the-fly)」計算することができる。関数形態のパラメータは、予め決定される
かまたは患者1000の現在状態に依存することができる。
【0307】
波形決定アルゴリズム4322は、吸気(Φ=0回転)または呼気(Φ=0.5回転)
の離散2値位相に適切な本技術の幾つかの形態において、波形決定アルゴリズム4322
は、直近のトリガー時点(呼気から吸気への転移)以後に測定された離散位相Φと時間t
の両方の関数として「その場で(on the fly)」波形テンプレートΠを演算す
る。このような1つの形態において、波形決定アルゴリズム4322は、波形テンプレー
トΦ、tを以下のように2つの部分(吸気と呼気)に演算する:
【数1】
ここで、Π
i(t)とΠ
e(t)は、波形テンプレートΠ(Φ、t)の吸気と呼気の部
分であり、Tiは吸気時間である。このような1つの形態において、波形テンプレートの
吸気部分Π
i(t)は、立ち上がり時間によってパラメータ化された、0から1までの滑
らかな立ち上がりであり、波形テンプレートの呼気部分Π
e(t)は、立ち下がり時間に
よってパラメータ化された1から0までの滑らかな立ち下がりである。
【0308】
12.3.3.2.3 吸気流量制限の検出
本技術の1つの形態において、プロセッサは、吸気流量制限(部分閉塞)の検出のため
に1つ以上のアルゴリズム4324を行う。
【0309】
1つの形態において、アルゴリズム4324は、呼吸流量信号Qrを入力として受信し
、呼吸の吸気部分が吸気流量制限を示す程度のメトリックを出力として提供する。
【0310】
本技術の1つの形態において、各呼吸の吸気部分は、各瞬間に推定された位相Φに基づ
いて識別される。例えば、呼吸の吸気部分は、位相Φが0.5以下である呼吸流量の値で
ある。時点を表す、多数の等間隔の地点(例えば、65個)は、各呼吸に対する吸気流れ
-時間曲線に沿って補間器によって補間される。その後、地点によって説明される曲線は
、単一長さ(持続時間/期間)及び単一面積を有するようにスケーラによってスケーリン
グされて変わる呼吸数及び深度の影響を除去する。その後、スケーリングされた呼吸は、
比較器において妨害されない正常の呼吸を表す予め記憶されたテンプレートと比較される
。このテンプレートからの吸気の間のいつでも特定された閾値(典型的に1スケーリング
された単位)より多く外れた呼吸、例えば、咳、ため息、嚥下およびしゃっくりは、拒否
される。拒否されていないデータの場合、第1のこのようなスケーリングされた地点の移
動平均は、先行する数個の吸気イベントについて中央コントローラ4230によって計算
される。これは、第2のこのような地点などについて同様の吸気イベントにわたって繰り
返される。従って、例えば、65個のスケーリングされたデータ地点が中央コントローラ
4230によって生成され、先行する数個の吸気イベント、例えば、3つのイベントの移
動平均を表す。(例えば、65個の)地点の連続的にアップデートされる値の移動平均は
、以下でQs(t)として指定された「スケーリングされた流れ(scaled flo
w)」と呼ばれる。代替的に、単一の吸気イベントが移動平均の代わりに活用され得る。
【0311】
スケーリングされた流れから、部分閉塞の決定に関する2つの形状ファクターが計算さ
れ得る。
【0312】
形状ファクター1は、中央(例えば、32個)のスケーリングされた流れ地点の平均対
全体(例えば、65個)のスケーリングされた流れ地点の平均の比率である。この比率が
1を超過する場合、呼吸は、正常であると取られる。比率が1以下の場合、呼吸は、閉塞
されたと取られる。約1.17の比率は、部分的に閉塞された呼吸と閉塞されない呼吸と
の間の閾値として取られ、典型的なユーザーの適切な酸素供給を維持することができるよ
うにする程度の閉塞と同等である。
【0313】
形状ファクター2は、中間(例えば、32個の)地点にわたって取られた、単位スケー
リングされた流れからのRMS偏差として計算される。約0.2単位のRMS偏差は、正
常と見做される。0のRMS偏差は、完全に流れ制限された呼吸であると見做される。R
MS偏差が0に近づくほど、呼吸はより流れ制限されるものと見做されることで見なされ
る。
【0314】
形状ファクター1及び2は、代替として、または組み合わせて使用され得る。本技術の
他の形態において、サンプリングされた地点、呼吸、及び中央地点の数は、前述のものと
異なることができる。また、閾値も前述のものと異なることができる。
【0315】
12.3.3.2.4 無呼吸及び呼吸低下の決定
本技術の1つの形態において、中央コントローラ4230は、無呼吸及び/または呼吸
低下の検出のために1つ以上のアルゴリズム4325を行う。
【0316】
1つの形態において、1つ以上の無呼吸/呼吸低下決定アルゴリズム4325は、呼吸
流量Qrを入力として受信し、無呼吸または呼吸低下が検出されたことを示すフラグを出
力として提供する。
【0317】
1つの形態において、無呼吸は、呼吸流量Qrの関数が予め決定された一定期間の間に
流れ閾値を下回ったときに検出されたと言える。関数は、ピーク流れ、比較的短期間の平
均流れ、または比較的短期間の平均流れ及びピーク流れの中間流れ、例えば、RMS流れ
を決定することができる。流れ閾値は、比較的長期間の流れ測定値であり得る。
【0318】
1つの形態において、呼吸低下は、呼吸流量Qrの関数が予め決定された一定期間の間
に第2流れ閾値を下回ったときに検出されたと言える。関数は、ピーク流れ、比較的短期
間の平均流れ、または比較的短期間の平均流れ及びピーク流れの中間流れ、例えば、RM
S流れを決定することができる。第2の流れ閾値は、比較的長期間の流れ測定値であり得
る。第2の流れ閾値は、無呼吸を検出するために使用される流れ閾値よりも大きい。
【0319】
12.3.3.2.5 いびきの検出
本技術の1つの形態において、中央コントローラ4230は、いびきの検出のために1
つ以上のいびき検出アルゴリズム4326を行う。
【0320】
1つの形態において、いびき検出アルゴリズム4326は、呼吸流量信号Qrを入力と
して受信し、いびきが存在する程度のメトリックを出力として提供する。
【0321】
いびき検出アルゴリズム4326は、30~300Hz範囲内の流量信号の強度を決定
するステップを含むことができる。いびき検出アルゴリズム4326は、背景雑音、例え
ば、送風機4142からシステム内の空気流の音を低減するために呼吸流量信号Qrをフ
ィルタリングするステップをさらに含むことができる。
【0322】
12.3.3.2.6 気道開通性の決定
本技術の1つの形態において、中央コントローラ4230は、気道開通性を決定するた
めに1つ以上のアルゴリズム4327を行う。
【0323】
1つの形態において、気道開通性アルゴリズム4327は、呼吸流量信号Qrを入力と
して受信し、約0.75Hz及び約3Hzの周波数範囲内の信号の電力を決定する。この
周波数範囲内のピークの存在は、開気道を示すものと見做される。ピークの欠如は、閉気
道を示すものと見做される。
【0324】
1つの形態において、ピークが求められる周波数範囲は、治療圧力Ptの小さな強制振
動の周波数である。1つの実施形態において、強制振動は、約1cmH2Oの振幅を有す
る2Hzの周波数である。
【0325】
1つの形態において、気道開通性アルゴリズム4327は、呼吸流量信号Qrを入力と
して受信し、心原性信号の存在または不在を決定する。心原性信号の不在は、閉気道を表
示であると見做される。
【0326】
12.3.3.2.7 治療パラメータの決定
本技術の幾つかの形態において、中央コントローラ4230は、治療エンジンモジュー
ル4320で1つ以上の他のアルゴリズムなどによってリターンされた値を使用して、1
つ以上の治療パラメータを決定するために1つ以上の治療パラメータ決定アルゴリズム4
329を行う。
【0327】
本技術の1つの形態において、治療パラメータは、瞬間治療圧力Ptである。この形態
の1つの実施形態において、治療パラメータ決定アルゴリズム4329は、以下の式を使
用して治療圧力Ptを決定する。
【数2】
ここで:
-Aは、振幅であり、
-Φは、現在の位相値であり;
-Π(Φ)は、現在の位相値での波形テンプレート値(0~1の範囲内)であり、
-P
0は、基本圧力である。
【0328】
波形決定アルゴリズム4322が波形テンプレートΠ(Φ)を位相Φによってインデッ
クスされた値の探索テーブルとして提供する場合、治療パラメータ決定アルゴリズム43
29は、位相決定アルゴリズム4321によってリターンされた現在の位相値Φに最も近
い探索テーブルエントリを探索することによって、または現在の位相値Φにまたがってい
る2つのエントリ間の補間によって式(1)を適用する。
【0329】
振幅A及び基本圧力P0の値は、後述する方式で選択された圧力治療モードに応じて、
治療パラメータ決定アルゴリズム4329によって設定され得る。
【0330】
12.3.3.3 治療制御モジュール
本技術の1つの形態による治療制御モジュール4330は、治療エンジンモジュール43
20の治療パラメータ決定アルゴリズム4329から治療パラメータを入力として受信し
、圧力発生器4140を制御して、治療パラメータに従って空気の流れを伝達する。
【0331】
本技術の1つの形態において、治療パラメータは、治療圧力Ptであり、治療制御モジュ
ール4330は、圧力発生器4140を制御して、患者インタフェース3000でのマス
ク圧力Pmが治療圧力Ptと同一の気体の流れを伝達する。
【0332】
12.3.3.4 欠陥状態の検出
本技術の1つの形態において、プロセッサは、欠陥状態の検出のために1つ以上の方法
4340を行う。1つ以上の方法によって検出された欠陥状態は、以下のうちの少なくと
も1つを含むことができる:
-停電(無電力、または不十分な電力)
-変換器欠陥検出
-コンポーネントの存在を検出するものの故障
-勧奨範囲外の作動パラメータ(例えば、圧力、流れ、温度、PaO2)
-検出可能な警報信号を発生させるためのテスト警報の故障。
【0333】
欠陥状態の検出時、対応するアルゴリズムは、以下のうちの1つ以上によって欠陷の存
在に対して信号を送る:
-聴覚、視覚及び/または運動(例えば、振動)警報の開始
-外部デバイスにメッセージを送信する
-事件のロギング。
【0334】
12.4 加湿器
本技術の1つの形態では、周囲空気に対して患者に伝達するために空気またはガスの絶
対湿度を変化させるための加湿器5000(例えば、
図24に示されたように)が提供さ
れる。典型的に、加湿器5000は、患者の気道への伝達の前に絶対湿度を増加させ、(
周囲空気に対して)空気の流れの温度を増加させるために使用される。
【0335】
12.5 用語解説
本技術の公開の目的で、本技術のある形式において、1つまたはそれ以上の以下の定義
を適用してよい。本技術のそのほかの形態において、代案の定義が適用できる。
【0336】
12.5.1 一般
空気:本技術のある形態において、空気は大気の空気を意味し、本技術のそのほかの形
態では、空気は例えば酸素の多い大気の空気のような呼吸できるガスのいくつかのそのほ
かの組み合わせを意味する。
【0337】
呼吸圧力治療(RPT):典型的に大気に対して陽性である処理圧力での気道への空気
供給の伝達。
【0338】
連続陽圧気道(CPAP)治療:患者のブリージングサイクルを通じて、治療圧力がほ
ぼ一定である呼吸圧力治療。ある形態では、気道への入口における圧力は呼気中にわずか
高く、吸入中にわずか低い。ある形態では、圧力は患者の異なるブリージングサイクル間
で変動する。例えば、上気道の部分的閉塞の兆候を検出すると増加し、部分的上気道閉塞
の兆候がないと低下する。
【0339】
患者:呼吸疾患を患っているかどうかに関係なく、ヒト。
【0340】
自動陽圧気道(APAP)治療:SDBイベントの有無に依存して、最小限と最大限の
間で、例えば、吸い込みから吸い込みへ、治療圧力が自動で調整可能な、CPAP治療。
【0341】
12.5.2 呼吸サイクルの様態
無呼吸:一部の定義によれば、無呼吸は呼吸流量がある期間、例えば、10秒、所定の
閾値以下に低下すると起こると言われる。閉塞性無呼吸は、患者の努力にもかかわらず気
道の閉塞により空気が流れないときに発生したと言われる。中枢性無呼吸は、気道が開い
ているにもかかわらず、呼吸努力の低下によって無呼吸が検出されたときまたは呼吸努力
がなされない時発生したと言われる。混合性無呼吸は、呼吸努力の低下または欠如が気道
の閉塞と同時に生じたときに発生したと言われる。
【0342】
ブリージング数または呼吸数(Rs):患者の自発呼吸の率で、通常1分当たりの呼吸
で測定される。
【0343】
負荷サイクル:合計呼吸存続Ttotに対する吸入時間とTiの比率。
【0344】
努力(ブリージング):呼吸努力は、呼吸を試みる患者の自発呼吸によってなされた仕
事。
【0345】
ブリージングサイクルの呼気の部分:呼気の流れの開始から吸気の流れの開始の期間。
【0346】
流れ制限:流れ制限は、患者の努力の結果が対応する流れの増加を生じない、患者の呼
吸作用における事態と解釈される。呼吸サイクルの吸気部分で流れ制限が生じると、吸気
流れの制限と記述される。呼吸サイクルの呼気部分で流れ制限が発生すると、呼気流れの
制限と記述される。
【0347】
呼吸低下:一部の定義によれば、好ましくは呼吸低下は流れにおける減少と言い、流れ
の中断ではない。一つの形態において、閾値以下の流れの低下がある期間あれば、呼吸低
下が生じたと言う。呼吸努力の低減により呼吸低下が発生した時、中枢性無呼吸が生じた
という。成人における一形態において、以下のいずれも呼吸低下と言える:
(i)患者の呼吸が少なくとも10秒間30%低下し、さらに4%の関連した脱飽和が
ある;または
(ii)患者の呼吸が少なくとも10秒間低下し(50%以下)、さらに少なくとも3
%の関連した脱飽和または覚醒がある。
【0348】
ブリージングサイクルの吸気部分:吸気流れの開始から呼気流れの開始までの期間を呼
吸サイクルの吸気部分と言う。
【0349】
開通性(気道):開いている気道の程度または気道が開いている度合。開通性の気道が
開いている。気道の開通性は、(1)の値で開そしてゼロ(0)の値で閉塞と定量化され
る。
【0350】
呼吸終末陽圧(PEEP):肺における気圧以上の圧力で、呼気の終りに存在する。
【0351】
ピーク流量(Qpeak):呼吸気流量の波形の吸気部分の間の流量の最大値。
【0352】
呼吸流量/空気流量、患者の流量、呼吸空気流量(Qr):これらの同義語は、RPT
装置の呼吸流量の推定を参照すると理解してよい。これに対して、患者が経験する実際の
呼吸流量「真の呼吸流量」または「真の呼吸空気流」があり通常1分あたりのリッターで
表す。
【0353】
1回換気量(Vt):余分の努力をしない時、通常の呼吸の間に吸気するまたは呼気す
る空気量。
【0354】
(吸気時間)(Ti):呼吸気流量波形の吸気部分の期間。
【0355】
(呼気)時間(Te):呼吸気流量波形の呼吸部分の期間。
【0356】
(合計)時間またはブリージング期間(Ttot):一つの呼吸気流量波形の吸気部分
の開始と、続く呼吸気流量波形の吸気部分の開始間の合計期間。
【0357】
上部気道閉塞(UAO):は部分的および全上気道閉塞のいずれを含む。これは流量制限
の状態に関連しており、上気道を横切る圧力差が増加すると、流量が僅か増加するかまた
は低下することさえある。(スターリング・レジスター行動)。
【0358】
換気(Vent):患者の呼吸器系で交換されるガス総量の測定値。換気の測定値は、
単位時間当たりの吸気流と呼気流の1つまたは両方を含む。1分当たりの容量で示すと、
この量はしばしば「分換気」と呼ばれる。分換気は場合によっては単に容量として与えら
れ、1分当たりの容量と理解される。
【0359】
12.5.3 RPT装置パラメータ
流量:単位時間当りに伝達される空気の瞬時容積(または質量)。流量及び換気は、単
位時間当りの容積または質量と同一の寸法を有するが、流量は、はるかに短い時間にわた
って測定される。流れは、患者の呼吸周期の吸気部分については名目上陽性であり、従っ
て患者の呼吸周期の呼気部分については陰性である。一部の場合に、流量に対する言及は
、スカラー量、すなわち、大きさのみを有する量に対する言及である。他の場合に、流量
に対する言及は、ベクトル量、すなわち、大きさと方向の両方を有する量に対する言及で
ある。流量は、記号Qで与えられる。‘流量’は、時々単に‘流れ’に短縮される。総流
速Qtは、RPT装置を出る空気の流れである。換気流量Qvは、吐き出されたガスを洗
い出すことができるようにベントを出る空気の流れである。漏れ流速Qlは、患者インタ
フェースシステムからの意図しない漏れの流量である。呼吸流量Qrは、患者の呼吸シス
テム内に受け入れられる空気の流れである。
【0360】
漏れ:単語漏れは、意図しない空気の流れと見做される。一例において、漏れは、マス
クと患者の顔との間の不完全なシール(seal)の結果として生じ得る。他の例におい
て、漏れは、周囲への旋回エルボー(swivel elbow)内で生じ得る。
【0361】
圧力:単位面積当たりの力。圧力は、cmH2O、g-f/cm2、ヘクトパスカルを
含んだ単位の範囲で測定され得る。1cmH2Oは1g-f/cm2のと同一であり、約
0.98ヘクトパスカルである。本明細書において、他に言及されない限り、圧力はcm
H2O単位で与えられる。患者インタフェース(マスク圧力)での圧力は、記号Pmで与
えられる一方、現在の瞬間の時間でマスク圧力Pmによって達成される目標値を表す処理
圧力は、記号Ptで与えられる。
【0362】
12.5.4 換気に関する用語
適応サーボ換気装置(ASV):一つの固定の目標換気よりむしろ変更可能な換気を持
ったサーボ換気装置。変更可能な目標換気は、例えば患者の呼吸特性のような患者のいく
つかの特性から学ぶことができる。
【0363】
バックアップ率:自発的な呼吸努力でトリガーされなければ、換気装置が患者に送達す
る呼吸数を決める換気装置のパラメータ(典型的には1分あたりの呼吸数)。
【0364】
サイクルド:換気装置の吸気相の終了。自発呼吸している患者に換気装置が呼吸を提供
している時、呼吸サイクルの吸気部分の終りにおいて、換気装置は呼吸の提供を停止する
ようサイクルしたと言う。
【0365】
呼気陽圧(EPAP):呼吸の間に変動している圧力が加えられるベース圧力で、換気
装置はある時間に達成しようと試みる所望のマスク圧力を生成する。
【0366】
呼気終末圧力(EEP):所望のマスク圧力で、換気装置が呼吸の呼気部分の終りに達
成しようと試みる。呼気の終りに圧力波形テンプレートII(Φ)がゼロ値であれば、即
ちΦ=1の時、II(Φ)=0であれば、EEPはEPAPに等しい。
【0367】
IPAP:呼吸の吸気部分の間に換気装置が達成しようとする所望のマスク圧力。
【0368】
圧力サポート:換気装置の呼気の間の数値を上回っている、換気装置の吸気の間の圧力
の増加を示す数で、一般に吸気中の最大値とベース圧力間の差圧(例えば、PS=IPA
P-EPAP)を意味する。ある文脈において、圧力サポートは、換気装置が実際に達成
したと言うよりはむしろ達成しようと意図する差を意味する。
【0369】
サーボ・ベンチレータ:患者の換気を測定するベンチレータで目標の換気を持ち、これ
が圧力サポートのレベルを調整して患者の換気を目標の換気に向ける。サーボ・補助:圧
力支持から最小圧力支持を差し引いたもの。
【0370】
自発/時限(S/T):自発呼吸する患者の呼吸の開始を検出しようと試みる換気装置
またはその他の装置のあるモード。しかし装置が所定の時間内に呼吸が検知できない場合
は、装置は呼吸の送達を自動的に開始する。
【0371】
スイング:圧力サポートの同等の用語。
【0372】
トリガーした:換気装置が空気の呼吸を自発呼吸している患者に送達した時、患者努力
によるブリージングサイクルの吸息部分の開始においてトリガーされたと言う。
【0373】
典型的な最近の換気:典型的な最近の換気Vtypは、ある所定の時間スケールにおけ
る換気の最近の測定値が、その周りにクラスターする傾向にある値であって、即ち、最近
の履歴における換気の測定値の中心傾向の測定値は、典型的な最近の換気の適切な値とな
る。
【0374】
人工呼吸器(Ventilator):患者に圧力補助を提供してブリージング動作の
一部または全部を行う機械デバイス。
【0375】
12.6 その他の注記
本特許文献の開示の一部は、著作権保護にあたる事項を含んでいる。著作権の所有者は
、特許商標庁の特許ファイルまたは記録にそれが載っている限り、誰かが特許文献または
特許の開示をフクシミリ複製することについて異議を唱えることはない。載っていなけれ
ば、何であれ著作権を留保する。
【0376】
文脈で明確に記載されていなければ、また値の範囲が記載されていなければ、それぞれ
の介在する値は、その範囲の上限と下限の間で、下限の単位の1/10まで、およびその
記述された範囲の任意のそのほかの記述されたまたは介在する値は、該技術に包含される
。これらの介在範囲の上限と下限は、記載された範囲における任意の具体的に除外される
限界を条件として、介在範囲に独立に含めてよく、本技術の範囲内に包含される。記述し
た範囲が一つまたは両方の制限を含む場合、これらの含まれた制限のいずれかまたは両方
を除いた範囲も該技術に含まれる。
【0377】
更に、一つまたはそれ以上の値が、技術の一部としてここに組み込まれていると記載さ
れている場合、特記のない限り、このような値は近似することができ、実際的な技術の実
装が許容するまたは必要とする範囲まで、このような値は、任意の適当な有意桁まで利用
できることを理解されたい。
【0378】
特に定義されていない限り、本明細書で使用するすべての技術的用語および科学的用語
は、この技術が属する当業者の一人によって共通して理解されるのと同じ意味を有してい
る。ここに記載のものに類似したまたは同等な任意の方法また材料も、本技術の実践また
はテストで使用できるが、限られた数の例示的方法と材料がここに記載されている。
【0379】
特定の材料が好ましくは、コンポーネントを構築するのに使用されると確認された場合
、同様の特性を有する明らかに代替の材料を代替えとして使用できる。さらに、それとは
反対に特記のない限り、ここに記載の任意のそしてすべてのコンポーネンツは製造が可能
と理解され、よって一緒にまたは別に製造することができる。
【0380】
本明細書と付属の請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」および「the」は
、文脈で明確にそうではないと記述されていない限り、複数形を含むことに留意すべきで
ある。
【0381】
ここで言及したすべての刊行物は、これら刊行物の主題である方法および/または材料
を開示しかつ記述するために参照のため取り入れられた。ここで議論する刊行物は、それ
らの開示の目的で、本出願の出願日に先立ち提供された。ここに記載のいずれも、本技術
が先行発明の理由でこのような刊行物に先行する権利を与えられたと解釈できない。さら
に記載の公開日が実際の刊行日と異なるかもしれず、それぞれ単独で確認する必要がある
。
【0382】
さらに、本開示内容を解釈する際には、すべての用語は、文脈と一致する最も広い合理
的な方式で解釈されるべきである。特に、語句「comprises」と「compri
sing」は、エレメントツ、コンポーネンツまたはステップを参照すると非独占の態様
で解釈して、参照したエレメントツ、コンポーネンツまたはステップが、存在するかまた
は利用されるかまたは明示的に参照されていないそのほかのエレメントツ、コンポーネン
ツまたはステップと組み合わされるとすべきである。
【0383】
詳細な説明で使用される件名は、読者の参照を容易にするためにのみ含まれており、開
示または特許請求の範囲にわたって見出される主題を制限するために使用してはならない
。主題の見出しは請求項または請求項の制限の範囲を解釈するのに使用してはならない。
【0384】
本明細書に記載の技術は特定の実施様態を参照して記述してきたが、これらの実施様態
は該技術の原理と適用の単なる例示であることを理解されたい。場合によっては、用語お
よび記号は、該技術を実践するのに要求されない特定の詳細を暗示することがある。例え
ば、「第1の」および「第2の」という語句が特記のない限り使用されるが、それらは任
意の順序を示すことを意図せず、はっきりと異なるエレメンツを区別するために使用でき
る。さらに方法論におけるプロセス・ステップは順に記述または例示されてもよいが、こ
のような順序は必要とされない。当業者は、このような順序が修正されてもよいことおよ
び/またはそれらの特徴が同時にまたは同期的に実施されてもよいことを認識するであろ
う。
【0385】
従って、例示的な実施様態に多数の変更が行われてもよく、該技術の趣旨および範囲か
ら逸脱することなくそのほかの配置が考案され得ることを理解されたい。
【0386】
当技術分野で公知された主題に対する本明細書でのいずれかの言及も、反対の指示が表示
されない限り、そのような主題が本技術に関連する当業者によって一般的に公知されてい
ることを認めるものではないことがさらに理解される。
【符号の説明】
【0387】
100 検出装置
1000 患者
1100 ベッドパートナー
1922 特徴抽出ユニット
1928 分類処理
1940 分類器組合せ機プロセス
3000 患者インタフェース
3100 構造
3200 プレナムチャンバ
3300 構造
3400 ベント
3600 接続ポート
3700 額支持部
4000 RPT装置
4010 外部ハウジング
4012 上部
4014 下部
4015 パネル
4016 シャーシー
4018 ハンドル
4020 空気ブロック
4100 空気的コンポーネント
4110 空気フィルタ
4112 入口空気フィルタ
4114 出口空気フィルタ
4120 マフラー
4122 入口マフラー
4124 出口マフラー
4140 圧力発生器
4142 送風機
4144 モーター
4160 バック弁
4170 空気伝達回路
4180 補充酸素
4200 電気的コンポーネント
4202 PCBA
4210 電源
4220 入力装置
4230 中央コントローラ
4232 時計
4240 治療装置コントローラ
4250 保護回路
4260 メモリ
4270 変換器
4272 圧力センサ
4274 流量センサ
4276 モーター速度センサ
4280 データ通信インタフェース
4282 遠隔外部通信ネットワーク
4284 ローカル外部通信ネットワーク
4286 遠隔外部装置
4288 ローカル外部装置
4290 出力装置
4292 ディスプレイドライバ
4294 ディスプレイ
4300 アルゴリズム
4310 処理モジュール
4311 換気決定アルゴリズム
4312 圧力補償アルゴリズム
4313 目標換気決定アルゴリズム
4313 目標換気決定
4314 ベント流量推定アルゴリズム
4316 漏れ流量推定アルゴリズム
4317 呼吸流量推定アルゴリズム
4318 呼吸数推定アルゴリズム
4319 バックアップ率決定アルゴリズム
4320 治療エンジンモジュール
4321 位相決定アルゴリズム
4322 波形決定アルゴリズム
4324 吸気流れ制限決定アルゴリズム
4325 無呼吸/呼吸低下決定アルゴリズム
4326 いびき検出アルゴリズム
4327 気道開通性決定アルゴリズム
4329 治療パラメータ決定アルゴリズム
4330 治療制御モジュール
4340 方法
4500 方法
5000 加湿器
2020a 設定分類プロセス
2020b 設定分類プロセス
2028a 特定分類プロセス
2028b 特定分類プロセス
2040a 分類組合せ機
2040b 分類組合せ機
【手続補正書】
【提出日】2023-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人を識別し、識別された人の生理学的パラメータをモニタリングする生理学的パラメータモニタリングシステムであって、
生体運動センサを含み、1つ以上の人の生理学的パラメータをモニタリングする1つ以上のセンサと、
前記1つ以上のセンサからの信号を処理して人を識別するように構成された1つ以上のプロセッサであって、処理された前記信号は前記生体運動センサからの生体運動信号を含み、前記処理は、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴または動き特徴を含む特徴の評価を含み、それによって、前記1つ以上のプロセッサは、バイオメトリックパラメータが検出されている現在のユーザーが、バイオメトリックパラメータが以前に検出された以前のユーザーと同一であると判定し、前記1つ以上のプロセッサは、前記生体運動信号を処理して1つ以上の睡眠段階を検出し、検出された前記1つ以上の睡眠段階を特徴の評価によって識別される人に関連付けるように構成されている、1つ以上のプロセッサと
を含んでなる、生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のセンサからの信号を処理して、1つ以上のバイオメトリック署名を評価することによって人を識別するように構成される、請求項1に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のバイオメトリック署名は睡眠段階特定の指紋を含んでいる、請求項2に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のバイオメトリック署名を用いて、前記ユーザーの睡眠段階から決定された特徴を評価するように構成されたユーザー識別プロセスを備える、請求項に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサは、現在のユーザーが以前のユーザーでないことを検出した場合に、前記特徴の評価を含む処理に基づいて、前記1つ以上のセンサの1つ以上の感知制御パラメータを調整するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の感知制御パラメータは、範囲、電力、周波数、検出方向および放射パターンのうちの1つ以上のものを含む、請求項5に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項7】
(a)前記1つ以上のセンサがベッドサイドのユニットとして構成されるか、または(b)前記生体運動センサが無線周波数非接触センサを含んでおり、前記生理学的パラメータが無線周波数信号で検出される、請求項1~6のいずれか一項に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項8】
マイクロフォンを用いて1つ以上のユーザーの音を決定するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項9】
前記マイクロフォンを使用して、背景雑音から分離されたユーザーの音のパターンをモニタリングして分類するように構成される、請求項8に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサは、前記人が以前にモニタリングされていない人であるとの識別に基づいて、検出されたバイオメトリック特性を記録することを控えるように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項11】
(a)前記特徴の評価は、前記1つ以上のセンサからの信号から決定された特徴の分類を含んでおり、分類された前記特徴は、ガルバニック皮膚反応パラメータと、運動強度パラメータと、血圧パラメータと、咳パラメータと、いびきパラメータと、睡眠パラメータとのうちの1つ以上のものを含むか、または(b)前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のセンサからの信号に基づいて人を識別するためのバイオメトリック特徴のベースラインを初期化する登録プロセスを動作させるように更に構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の生理学的パラメータモニタリングシステム。
【請求項12】
人を識別するように適合された生理学的パラメータモニタリングシステムの1つ以上のプロセッサによる、識別された人の生理学的パラメータをモニタリングする方法であって、
生体運動センサを含む、人の1つ以上のセンサから、1つ以上のモニタリングされた生理学的パラメータを受信するステップと、
人を識別するために前記1つ以上のセンサからの信号を処理するステップであって、処理された前記信号は、前記生体運動センサからの生体運動信号を含み、前記処理は、前記1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の呼吸器特徴、心臓特徴または動き特徴を含む特徴の評価を含み、それによって、前記1つ以上のプロセッサは、バイオメトリックパラメータが検出されている現在のユーザーが、バイオメトリックパラメータが以前に検出された以前のユーザーと同一であると決定し、前記1つ以上のプロセッサは、前記生体運動信号を処理して1つ以上の睡眠段階を検出し、検出された前記1つ以上の睡眠段階を特徴の評価によって識別される人に関連付けるものである、ステップと
を含んでなる方法。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のセンサからの信号を処理して、1つ以上のバイオメトリック署名を評価することによって人を識別する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上のバイオメトリック署名は睡眠段階特定の指紋を含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のバイオメトリック署名を用いて、前記ユーザーの睡眠段階から決定される特徴を評価するユーザー識別プロセスを動作させる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサは、現在のユーザーが以前のユーザーでないことを検出した場合に、前記特徴の評価を含む処理に基づいて、前記1つ以上のセンサの1つ以上の感知制御パラメータを調整する、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の感知制御パラメータは、範囲、電力、周波数、検出方向および放射パターンのうちの1つ以上のものを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
(a)前記1つ以上のセンサがベッドサイドユニットとして構成されるか、または(b)前記生体運動センサが無線周波数非接触センサを含んでおり、前記生理学的パラメータが無線周波数信号で検出される、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記モニタリングシステムは、マイクロフォンを用いて1つ以上のユーザーの音を決定する、請求項12~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記モニタリングシステムは、前記マイクロフォンを使用して、背景雑音から分離されたユーザーの音のパターンをモニタリングして分類する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記1つ以上のプロセッサは、前記人が以前にモニタリングされていない人であるとの識別に基づいて、検出されたバイオメトリック特性を記録することを控える、請求項12~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
(a)前記特徴の評価は、前記1つ以上のセンサからの信号から決定された特徴の分類を含んでおり、前記特徴は、ガルバニック皮膚反応パラメータと、運動強度パラメータと、血圧パラメータと、咳パラメータと、いびきパラメータと、睡眠パラメータとのうちの1つ以上のものを含むか、または(b)前記1つ以上のプロセッサが、人を識別するためのバイオメトリック特性のベースラインを初期化する登録プロセスを動作させることを更に含む、請求項12~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、1人以上の人の生理学的パラメータをモニタリングするための人を識別させるプロセッサに実行可能な命令をその上に記憶しているプロセッサ可読記憶媒体であって、
前記プロセッサに実行可能な命令は、
人の1つ以上のモニタリングされた生理学的パラメータを、生体運動センサを含む1つ以上のセンサからアクセスする命令と、
人を識別するために1つ以上のセンサからの信号を処理する命令であって、処理された前記信号は前記生体運動センサからの生体運動信号を含み、前記処理は、前記1つ以上のプロセッサによって、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴または動き特徴を含む特徴を評価することを含み、それによって、前記1つ以上のプロセッサは、バイオメトリックパラメータが検出されている現在のユーザーが、バイオメトリックパラメータが以前に検出された以前のユーザーと同一であると決定し、前記1つ以上のプロセッサは、前記生体運動信号を処理して1つ以上の睡眠段階を検出し、検出された前記1つ以上の睡眠段階を特徴の評価によって識別される人に関連付けるものである、命令と
を含んでなる、プロセッサ可読記憶媒体。
【請求項24】
前記プロセッサに実行可能な命令は、請求項12~22のいずれか一項に記載の方法を前記1つ以上のプロセッサに実行させるように構成されている、請求項23に記載のプロセッサ可読媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0386
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0386】
当技術分野で公知された主題に対する本明細書でのいずれかの言及も、反対の指示が表示されない限り、そのような主題が本技術に関連する当業者によって一般的に公知されていることを認めるものではないことがさらに理解される。
なお、本願の出願当初の開示事項を維持するために、本願の出願当初の請求項1~92の記載内容を以下に追加する。
(請求項1)
1人以上の人の生理学的パラメータをモニタリングするために人を識別するシステムであって、
前記1人以上の人の生理学的パラメータをモニタリングする1つ以上のセンサと、
人を識別するために前記1つ以上のセンサからの信号を処理するように構成された1つ以上のプロセッサであって、前記処理は、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴を含む特徴の評価を含む、1つ以上のプロセッサと、
を含む、システム。
(請求項2)
前記特徴の評価は、検出された呼吸数、検出された呼吸深度、検出された動きの程度、及び検出された心拍数、のうちの少なくとも1つの分析を含む、請求項1に記載のシステム。
(請求項3)
前記1つ以上のセンサは、無線周波数非接触センサを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
(請求項4)
前記モニタリングは、睡眠中の前記人の生理学的特徴の検出を含む、請求項2に記載のシステム。
(請求項5)
前記処理は、前記人の睡眠段階の検出を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項6)
前記処理は、前記人の深い睡眠の検出を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項7)
前記処理は、人のREM睡眠の検出を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項8)
前記モニタリングは、前記人の起床時間中の生理学的特徴の検出を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項9)
前記1つ以上のセンサは、
無線周波数非接触センサと、
生体運動センサと、
ウェアラブルセンサと、
のうちの任意の1つ以上を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項10)
前記1つ以上のプロセッサの評価は、バイオメトリック及び行動特徴を含む任意の1つ以上の特徴の検出及び分析を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項11)
前記1つ以上のセンサは、該1つ以上のセンサのうちの少なくとも2つの間の干渉を最小限にするように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項12)
前記1つ以上のセンサは、距離ゲーティングパルスタイミング、パルスの放出電力レベル、パルスの検出周波数及び/又は操縦可能なアンテナの位置調整、のための制御パラメータを変更して干渉を最小化する、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項13)
前記1つ以上のセンサは、有線又は無線リンクを介して通信する、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項14)
独立型人間ソースの生理学的認識を最適化し、他のソースを拒絶するために、前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つにおける性能を動的に調整するように、特性バイオメトリックパラメータが適用される、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項15)
前記1つ以上のセンサと通信する制御プロセッサをさらに含み、該制御プロセッサは、前記1つ以上のセンサと通信して、該1つ以上のセンサによる前記人、他の人、又は動物の識別に基づいて、前記1つ以上のセンサの検出制御パラメータを調整する、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項16)
前記1つ以上のセンサの検出制御パラメータは、距離ゲーティング、中心周波数、及び電力レベルのうちの1つ以上を含む、請求項15に記載のシステム。
(請求項17)
前記1つ以上のセンサと通信する制御プロセッサをさらに含み、該制御プロセッサは、前記人、他の人、又は動物の識別に基づいて更なるセンサシステムを起動するように構成される、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項18)
前記更なるセンサシステムは、カメラを含む、請求項17に記載のシステム。
(請求項19)
プロセッサは、前記人が以前にモニタリングされた人であるとの識別に基づいて、検出されたバイオメトリック特性をログする、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項20)
プロセッサは、前記人が以前にモニタリングされていない人であるとの識別に基づいて、検出されたバイオメトリック特性をログすることをやめる、請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項21)
プロセッサは、特定の人に対するバイオメトリック特性検出を初期化するように構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項22)
前記プロセッサは、新たに検出されたバイオメトリック特性を、初期化されたバイオメトリック特性と比較して、前記特定の人を識別する、請求項21に記載のシステム。
(請求項23)
前記評価は、新たに検出されたバイオメトリック特性と初期化されたバイオメトリック特性とを比較することをさらに含む、請求項21に記載のシステム。
(請求項24)
前記評価は、前記信号から決定された特徴の分類を含み、該特徴は、
スペクトルピーク比、
設定オプティマイザフラグベクトル、
ピークトラフ(ピーク対谷)比、
フィルタリングされた呼吸数、
呼吸変動の尺度、
センサ信号の帯域内電力、
センサ信号の範囲、
最終呼吸数、
呼吸周期の最大振幅対最小振幅の比、
センサ信号に対する高帯域電力、
平均呼吸数、
周期的足運動活動検出、
ターンオーバーの検出、及び
後処理された動き、
のうちの1つ以上を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項25)
前記評価は、前記信号から決定された特徴の分類を含み、該特徴は、心臓パラメータ、ガルバニック皮膚反応パラメータ、運動強度パラメータ、呼吸パラメータ、血圧パラメータ、咳パラメータ、いびきパラメータ、睡眠パラメータ、のうちの1つ以上を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項26)
前記評価は、前記決定された特徴と過去の特徴との比較を含む、請求項24又は25に記載のシステム。
(請求項27)
前記評価は、前記決定された特徴から、ある期間の平均及び/又は標準偏差値を計算することをさらに含む、請求項24~26のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項28)
前記システムの1つ以上のプロセッサは、別のモニタリングシステムからの1つ以上のセンサによって検出される受信データを評価する、請求項1~27のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項29)
前記受信データの評価は、複数の健康モニタリング装置間の同等感知の決定を含む、請求項28に記載のシステム。
(請求項30)
モニタリング装置は、設定分類器及び被験者分類器を含み、それぞれの分類器は、人を識別するために、前記信号からの特徴を評価するように構成される、請求項1~29のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項31)
前記被験者分類器は、人を識別するために、過去の特徴を評価するようにさらに構成される、請求項30に記載のシステム。
(請求項32)
健康モニタリング装置は、赤外線及び赤外線放出器に感応するカメラをさらに含む、請求項1~31のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項33)
前記健康モニタリング装置の1つ以上のプロセッサは、前記信号からイベントを検出し、該イベントを、該イベントを含む前記カメラで撮影されたビデオの特定の部分に関連付けるように構成される、請求項32に記載のシステム。
(請求項34)
前記健康モニタリング装置は、バッテリー及び該バッテリーの無線充電用のコイルをさらに含む、請求項32又は33に記載のシステム。
(請求項35)
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上のセンサを制御して、動物を示すバイオメトリック特性の検出に基づき、センサ検出電力、センサ周波数、センサ距離ゲーティング、又は感知のための他の制御パラメータを変更するように構成される、請求項1~34のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項36)
前記1つ以上のプロセッサは、前記設定パラメータに関連付けられた特定の人の識別に基づいて、光、音、及び/又は環境機器のうちの任意の1つ以上に対する設定パラメータにアクセスするように構成される、請求項1~34のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項37)
前記1つ以上のプロセッサは、識別された特定の人の、検出されたバイオメトリックに関連付けられた設定パラメータにより、光、音、及び/又は環境機器のうちの任意の1つ以上における設定をトリガーするように構成される、請求項36に記載のシステム。
(請求項38)
前記センサの集合体と通信する中央コントローラをさらに含み、該中央コントローラは、構造内の識別された人の位置の確認を提供するように構成される、請求項1~37のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項39)
前記1つ以上のセンサは、終夜灯を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項40)
前記1つ以上のセンサは、通過コンセントを含む、請求項1~39のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項41)
前記1つ以上のセンサは、該センサに電力を供給するACプラグ、及びAC電源通過コンセントを含む、請求項1~40のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項42)
前記1つ以上のセンサは、該センサに電力を供給するUSBプラグ、及びUSB通過接続アダプダを含む、請求項1~41のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項43)
前記1つ以上のセンサは、無線又は有線ネットワーク通信のためのネットワークインタフェースを含む、請求項1~42のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項44)
前記1つ以上のプロセッサは、前記識別された人に基づいて呼吸治療装置の動作を設定するように構成される、請求項1~43のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項45)
該設定動作は、前記呼吸治療装置による治療を許容するか、又は拒絶する、請求項44に記載のシステム。
(請求項46)
前記設定動作は、前記呼吸治療装置の治療を変更する、請求項44に記載のシステム。
(請求項47)
前記1つ以上のプロセッサは、前記識別で評価されたバイオメトリック特性が前記呼吸治療装置によって処理される場合、前記人の識別のために再トレーニングするように構成される、請求項44~46のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項48)
前記1つ以上のプロセッサは、センサ信号品質の決定時に前記1つ以上のセンサの動作を調整するように構成される、請求項1~47のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項49)
前記1つ以上のプロセッサは、検出されたバイオメトリック特性の品質評価に応じて前記人を識別するために異なるバイオメトリック特性に依存するように構成される、請求項1~48のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項50)
前記1つ以上のプロセッサは、人を識別するためのバイオメトリック特性のベースラインを初期化するための登録プロセスを動作させるように構成され、該登録プロセスは、誘導された呼吸セッション又は自発的呼吸セッションを含む、請求項1~49のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項51)
前記1つ以上のプロセッサは、周波数干渉が検出される場合、前記人を識別することに関連付けられたバイオメトリック特性を拒絶するように構成される、請求項1~50のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項52)
前記1つ以上のプロセッサは、前記識別された人に基づいて警報の動作を設定するように構成される、請求項1~51のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項53)
前記1つ以上のプロセッサは、1つ以上の他のユーザーからメインユーザーを識別するように構成される、請求項1~52のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項54)
前記システムは、1つ以上のユーザーのパラメータを経時的に追跡して、前記1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴のうちの少なくとも1つに基づいて分類特徴を構築するように構成される、請求項1~53のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項55)
前記1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴のうちの少なくとも1つは、次の呼吸パラメータ、すなわち、範囲、呼吸の変化、形状、及び吸気対呼気比、のうちの1つ以上を含む、請求項54に記載のシステム。
(請求項56)
前記1つ以上のプロセッサは、分類プロセスで決定された特徴からユーザーのアイデンティティを分類するように構成される、請求項1~55のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項57)
前記分類プロセスは、神経ネットワーク、隠れ層マルコフモデル、ロジスティック回帰処理、線形カーネルサポートベクトルマシン、及びラジアルカーネルサポートベクトルマシン、のうちの任意の1つ以上を含む、請求項56に記載のシステム。
(請求項58)
前記分類プロセスは、分類の前に前記特徴に関するメイン成分分析を使用することを含む、請求項56又は57に記載のシステム。
(請求項59)
前記分類プロセスは、リアルタイム特性及びオフライン特性を含む、請求項56~58のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項60)
前記分類プロセスは、出力事後確率を生成するために、複数の分類器及びこれらの出力の遅延統合を含む、請求項56~59のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項61)
同一又は異なる人を検出するために配置された複数のセンサを含み、前記システムは、該複数のセンサのパラメータを自動的に調整するように構成され、該パラメータは、範囲、電力、周波数、検出方向、及び放射パターン、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~60のいずれか一項に記載のシステム。
(請求項62)
1人以上の人の生理学的パラメータをモニタリングするための、人を識別する方法であって、
前記1人以上の人の生理学的パラメータを、1つ以上の感知用センサでモニタリングするステップと、
1つ以上のプロセッサにより、人を識別するために前記1つ以上のセンサからの信号を処理するステップであって、該処理は、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴、を含む特徴を評価することを含む、ステップと、
を含む方法。
(請求項63)
前記特徴を評価することは、検出された呼吸数、検出された呼吸深度、検出された動きの程度、及び検出された心拍数、のうちの少なくとも1つの分析を含む、請求項62に記載の方法。
(請求項64)
前記1つ以上のセンサは、無線周波数非接触センサを含む、請求項62又は63に記載の方法。
(請求項65)
前記評価することは、バイオメトリック及び行動特性を含む任意の1つ以上の特徴の検出及び分析を含む、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
(請求項66)
前記1つ以上のセンサと通信する制御プロセッサを使用して、前記1つ以上のセンサによる前記人、他の人、又は動物、の識別に基づいて、更なるセンサシステムを起動するステップをさらに含む、請求項62~65のいずれか一項に記載の方法。
(請求項67)
プロセッサを使用して、前記人が以前にモニタリングされた人であるとの識別に基づいて、検出されたバイオメトリック特性をロギングするステップをさらに含む、請求項62~66のいずれか一項に記載の方法。
(請求項68)
プロセッサを使用して、前記人が以前にモニタリングされていない人であるとの識別に基づいて、検出されたバイオメトリック特性をロギングすることをやめるステップをさらに含む、請求項62~67のいずれか一項に記載の方法。
(請求項69)
特定の人に対するバイオメトリック特性検出を初期化するステップをさらに含む、請求項62~68のいずれか一項に記載の方法。
(請求項70)
プロセッサにおいて、新たに検出されたバイオメトリック特性を、初期化されたバイオメトリック特性と比較して、前記特定の人を識別するステップをさらに含む、請求項69に記載の方法。
(請求項71)
プロセッサにおいて、新たに検出されたバイオメトリック特性と初期化されたバイオメトリック特性とを比較するステップをさらに含む、請求項69に記載の方法。
(請求項72)
前記評価することは、前記信号から決定された特徴を分類することを含み、該特徴は、
スペクトルピーク比、
設定オプティマイザフラグベクトル、
ピークトラフ(ピーク対谷)比、
フィルタリングされた呼吸数、
呼吸変動の尺度、
センサ信号の帯域内電力、
センサ信号の範囲、
最終呼吸数、
呼吸周期の最大振幅対最小振幅の比、
センサ信号に対する高帯域電力、
平均呼吸数、
周期的足運動活動検出、
ターンオーバーの検出、及び
後処理された動き、
のうちの1つ以上を含む、請求項62~71のいずれか一項に記載の方法。
(請求項73)
前記評価することは、前記信号から決定された特徴を分類することを含み、該特徴は、心臓パラメータ、ガルバニック皮膚反応パラメータ、運動強度パラメータ、呼吸パラメータ、血圧パラメータ、咳パラメータ、いびきパラメータ、睡眠パラメータ、のうちの1つ以上を含む、請求項62~72のいずれか一項に記載の方法。
(請求項74)
前記評価することは、前記決定された特徴を過去の特徴と比較することを含む、請求項72又は73に記載の方法。
(請求項75)
前記評価することは、前記決定された特徴から、ある期間の平均及び/又は標準偏差値をプロセッサにおいて計算することをさらに含む、請求項72~74のいずれか一項に記載の方法。
(請求項76)
前記1つ以上のプロセッサを使用し、前記1つ以上のセンサを制御して、動物を示すバイオメトリック特性の検出に基づき、センサ検出電力、センサ周波数、センサ距離ゲーティング、又は感知のための他の制御パラメータ、を変更するステップをさらに含む、請求項62~75のいずれか一項に記載の方法。
(請求項77)
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記設定パラメータに関連付けられた特定の人の識別に基づいて、光、音、及び/又は環境機器のうちの任意の1つ以上に対する設定パラメータにアクセスするステップをさらに含む、請求項62~75のいずれか一項に記載の方法。
(請求項78)
前記1つ以上のプロセッサを使用して、識別された前記特定の人の、検出されたバイオメトリックに関連付けられた設定パラメータにより、光、音、及び/又は環境機器のうちの任意の1つ以上における設定をトリガーするステップをさらに含む、請求項77に記載の方法。
(請求項79)
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記識別された人に基づいて呼吸治療装置の動作を設定するステップをさらに含む、請求項62~78のいずれか一項に記載の方法。
(請求項80)
前記動作を設定するステップは、前記呼吸治療装置による治療を許容するか、又は拒絶する、請求項79に記載の方法。
(請求項81)
前記動作を設定するステップは、前記呼吸治療装置の治療を変更する、請求項79に記載の方法。
(請求項82)
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記人を識別するためのバイオメトリック特性のベースラインを初期化するための登録プロセスを動作させるステップをさらに含み、該登録プロセスは、誘導された呼吸セッション又は自発的呼吸セッションを含む、請求項62~81のいずれか一項に記載の方法。
(請求項83)
前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記識別された人に基づいて警報の動作を設定するステップをさらに含む、請求項62~82のいずれか一項に記載の方法。
(請求項84)
前記1つ以上のプロセッサにおいて、1つ以上の他のユーザーからメインユーザーを識別するように構成される、請求項62~83のいずれか一項に記載の方法。
(請求項85)
1つ以上のユーザーのパラメータを経時的に追跡して、1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴のうちの少なくとも1つに基づいて、分類特徴を構築するステップをさらに含む、請求項62~84のいずれか一項に記載の方法。
(請求項86)
前記1つ以上の呼吸特徴、心臓特徴、又は動き特徴のうちの少なくとも1つは、次の呼吸パラメータ、すなわち、範囲、呼吸の変化、形状、及び吸気対呼気の比、のうちの1つ以上を含む、請求項85に記載の方法。
(請求項87)
前記1つ以上のプロセッサにおいて、分類プロセスで決定された特徴からユーザーのアイデンティティを分類するステップをさらに含む、請求項62~86のいずれか一項に記載の方法。
(請求項88)
前記分類プロセスは、神経ネットワーク、隠れ層マルコフモデル、ロジスティック回帰処理、線形カーネルサポートベクトルマシン、及びラジアルカーネルサポートベクトルマシン、のうちの1つ以上を含む、請求項87に記載の方法。
(請求項89)
前記分類プロセスは、分類の前に特徴に関するメイン成分分析を使用することを含む、請求項87又は88に記載の方法。
(請求項90)
前記分類プロセスは、リアルタイム特性及びオフライン特性を含む、請求項88又は89に記載の方法。
(請求項91)
前記分類プロセスは、出力事後確率を生成するために、複数の分類器及びこれらの出力の遅延統合を含む、請求項88~90のいずれか一項に記載の方法。
(請求項92)
同一又は異なる人を検出するために配置された複数のセンサを使用して、該複数のセンサのパラメータを自動的に調整するステップをさらに含み、該パラメータは、範囲、電力、周波数、検出方向、及び放射パターンのうちの少なくとも1つを含む、請求項62~91のいずれか一項に記載の方法。