(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099130
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】二部リン酸エステルエポキシ組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 59/40 20060101AFI20230704BHJP
C08G 59/20 20060101ALI20230704BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
C08G59/40
C08G59/20
C08L63/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023074658
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2021541435の分割
【原出願日】2020-03-25
(31)【優先権主張番号】62/828,691
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508036075
【氏名又は名称】ゼフィロス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【弁理士】
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】チャプリツキ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】モータザヴィアン,ハミド
(72)【発明者】
【氏名】ヒックス,ケビン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】室温で硬化する硬質発泡体材料、汚染表面を含む広範に様々な基材への接着性を提供する硬質発泡体材料などの特性を有する二部系を提供する。
【解決手段】二部系であって、a)1つ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、1つ以上のフェノキシ樹脂、1つ以上のシラン変性エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組合せを含む前記1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能化樹脂を含む第1の成分と、b)1つ又はそれ以上のリン酸エステルであって、カシューナッツ殻液から誘導されたリン酸エステル又は2-エチルヘキシルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルを含む第2の成分と、を備え、前記第1の成分と前記第2の成分は室温にて液体であり、前記第1の成分を前記第2の成分と室温にて混合した際に固体である組成物が形成される、二部系を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二部系であって、
a)1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能化樹脂を含む第1の成分と、
b)1つ又はそれ以上のリン酸エステルを含む第2の成分と、を備え、
前記第1の成分と前記第2の成分は室温にて液体であり、前記第1の成分を前記第2の成分と室温にて混合した際に固体である組成物が形成される、二部系。
【請求項2】
前記第1の成分と前記第2の成分を混合した際に、前記組成物は約0℃から約50℃の温度にて硬化する、請求項1に記載の系。
【請求項3】
前記第1の成分と前記第2の成分を混合した際に、前記組成物は0%から500%の体積膨張をきたす、請求項1又は請求項2に記載の系。
【請求項4】
前記第2の成分は、前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルのうちの少なくとも2つ又は更には少なくとも3つを含んでいる、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項5】
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、カシューナッツ殻液(CNSL)から誘導されたリン酸エステルを含む、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項6】
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルを含む、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項7】
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、フェニルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルを含む、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項8】
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、エポキシ化パラ-ターシャリブチルフェノールから誘導されたリン酸エステルを含む、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項9】
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、ノニルフェノールエトキシル化リン酸エステルを含む、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項10】
前記第1の成分は1つ又はそれ以上の添加剤を含んでいる、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項11】
前記1つ又はそれ以上の添加剤は、コアシェルポリマー、炭酸カルシウム、鉱物、補強性繊維、疎水性シリカ、モノマー、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せ、のうちの1つ又はそれ以上を含む、請求項10に記載の二部系。
【請求項12】
約0.1重量%から約40重量%の量で存在する炭酸カルシウム、を含んでいる請求項10に記載の二部系。
【請求項13】
超微細炭酸カルシウム、微細炭酸カルシウム、中微細炭酸カルシウム、又はそれらの任意の組合せ、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項14】
前記第1の成分は、約0.1重量%から約10重量%の量の微細炭酸カルシウムと、約0.1重量%から約30重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項15】
前記第1の成分は、約0.1重量%から約10重量%の量の超微細炭酸カルシウムと、約0.1重量%から約20重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、請求項1から請求項13の何れか一項に記載の二部系。
【請求項16】
前記第2の成分は1つ又はそれ以上の添加剤を含んでいる、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項17】
前記第2の成分の前記1つ又はそれ以上の添加剤は、板状アルミナ、補強性繊維、疎水性シリカ、鉱物、モノマー、リン酸、又はそれらの任意の組合せ、のうちの1つ又はそれ以上を含む、請求項16に記載の二部系。
【請求項18】
前記1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能化樹脂は、1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂、1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組合せを含む、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項19】
エピクロロヒドリンとビスフェノールAの反応生成物;エピクロロヒドリンとビスフェノールFの反応生成物;又はそれら両方を含む1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項20】
1-クロロ-2,3-エポキシプロパン及びフェノールとのホルムアルデヒドオリゴマー反応生成物;ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-コ-ホルムアルデヒド];又はそれら両方を含む1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項21】
約2から約3の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;約3から約4の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;又はそれら両方を含む1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項22】
エポキシ化ソルビトールを含む1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項23】
約4重量%から約60重量%の量で存在する1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項24】
約0.1重量%から約50重量%の量で存在する1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項25】
約0.1重量%から約40重量%の量で存在する1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項26】
約0.1重量%から約12重量%の量で存在する1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項27】
約1重量%から約25重量%の量で存在する1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂、を含んでいる上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項28】
前記組成物は約10℃から約50℃の温度にて硬化する、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項29】
前記組成物は約15℃から約25℃の温度にて硬化する、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項30】
前記組成物は約1分から約30分の硬化時間を有する、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項31】
前記組成物は約7分から約10分の硬化時間を有する、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項32】
前記組成物は約10%から約500%の体積膨張をきたす、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項33】
前記組成物は約50%から約100%の体積膨張をきたす、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項34】
前記組成物は望ましい組立体上に分注される、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項35】
前記組成物は空洞充填コンパウンドである、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項36】
前記二部系は、硬化剤、潜伏性硬化促進剤、又はそれら両方を実質的に不含である、上記請求項の何れか一項に記載の二部系。
【請求項37】
二部系であって、当該二部系は、
a)1つ又はそれ以上の第1成分添加剤、及び少なくとも3つのエポキシ樹脂又はエポキシ官能性樹脂であって、1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂;1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂;1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂;1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂;1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂;又はそれらの任意の組合せから選択された少なくとも3つのエポキシ樹脂又はエポキシ官能性樹脂、を含む第1の成分と、
b)第2の成分であって、
i)第1のリン酸エステル、
ii)第2のリン酸エステル、
iii)随意的な第3のリン酸エステル、及び、
iv)1つ又はそれ以上の第2成分添加剤、を含む第2の成分と、を備え、
前記第1の成分と前記第2の成分を混合して組成物を形成した際、前記組成物は約0℃から約50℃の温度にて硬化する、二部系。
【請求項38】
前記第1のリン酸エステルは、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルである、請求項37に記載の二部系。
【請求項39】
前記第2のリン酸エステルは、カシューナッツ殻液(CNSL)から誘導されたリン酸エステル、エポキシ化パラ-ターシャリブチルフェノールから誘導されたリン酸エステル、ノニルフェノールエトキシル化リン酸エステル、又はそれらの組合せである、請求項37又は請求項38に記載の二部系。
【請求項40】
フェニルグリシジルエーテルから誘導された前記第3のリン酸エステル、を含んでいる請求項37から請求項39の何れか一項に記載の二部系。
【請求項41】
前記1つ又はそれ以上の第1成分添加剤は、コアシェルポリマー、炭酸カルシウム、鉱物、モノマー、補強性繊維、疎水性シリカ、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項37から請求項40の何れか一項に記載の二部系。
【請求項42】
前記炭酸カルシウムは、超微細炭酸カルシウム、微細炭酸カルシウム、中微細炭酸カルシウム、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項41に記載に二部系。
【請求項43】
前記第1の成分は、約0.1重量%から約10重量%の量の微細炭酸カルシウムと、約0.1重量%から約10重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、請求項37から請求項42の何れか一項に記載の二部系。
【請求項44】
前記第1の成分は、約0.1重量%から約10重量%の量の超微細炭酸カルシウムと、約0.1重量%から約10重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、請求項37から請求項43の何れか一項に記載の二部系。
【請求項45】
前記1つ又はそれ以上の第2成分添加剤は、板状アルミナ、補強性繊維、疎水性シリカ、鉱物、モノマー、リン酸、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項37から請求項44の何れか一項に記載の二部系。
【請求項46】
前記1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAの反応生成物;エピクロロヒドリンとビスフェノールFの反応生成物;又はそれら両方を含む、請求項37から請求項45の何れか一項に記載の二部系。
【請求項47】
前記1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂は、約4重量%から約15重量%の量で存在している、請求項37から請求項46の何れか一項に記載の二部系。
【請求項48】
前記1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、1-クロロ-2,3-エポキシプロパン及びフェノールとのホルムアルデヒドオリゴマー反応生成物;ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-コ-ホルムアルデヒド];又はそれら両方を含む、請求項37から請求項47の何れか一項に記載の二部系。
【請求項49】
前記1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、約2から約3の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;約3から約4の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;又はそれら両方を含む、請求項37から請求項48の何れか一項に記載の二部系。
【請求項50】
前記1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、約0.1重量%から約50重量%の量で存在している、請求項37から請求項49の何れか一項に記載の二部系。
【請求項51】
前記1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂はエポキシ化ソルビトールを含む、請求項37から請求項50の何れか一項に記載の二部系。
【請求項52】
前記1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、約10重量%から約22重量%の量で存在している、請求項37から請求項51の何れか一項に記載の二部系。
【請求項53】
前記1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、約7重量%から約12重量%の量で存在している、請求項37から請求項52の何れか一項に記載の二部系。
【請求項54】
前記1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂は、約2重量%から約6重量%の量で存在している、請求項37から請求項53の何れか一項に記載の二部系。
【請求項55】
前記組成物は約10℃から約40℃の温度にて硬化する、請求項37から請求項54の何れか一項に記載の二部系。
【請求項56】
前記組成物は約15℃から約25℃の温度にて硬化する、請求項37から請求項55の何れか一項に記載の二部系。
【請求項57】
前記組成物は約5分から約15分の硬化時間を有する、請求項37から請求項56の何れか一項に記載の二部系。
【請求項58】
前記組成物は約7分から約10分の硬化時間を有する、請求項37から請求項57の何れか一項に記載の二部系。
【請求項59】
前記組成物は約10%から約200%の体積膨張をきたす、請求項37から請求項58の何れか一項に記載の二部系。
【請求項60】
前記組成物は約50%から約100%の体積膨張をきたす、請求項37から請求項59の何れか一項に記載の二部系。
【請求項61】
前記組成物は望ましい組立体上に分注される、請求項37から請求項60の何れか一項に記載の二部系。
【請求項63】
前記組成物は空洞充填コンパウンドである、請求項37から請求項61の何れか一項に記載の二部系。
【請求項64】
前記二部系は、硬化剤、潜伏性硬化促進剤、又はそれら両方を実質的に不含である、請求項37から請求項62の何れか一項に記載の二部系。
【請求項65】
方法であって、当該方法は、
a)二部系を提供する工程であって、前記二部系は第1の成分と第2の成分を含み、前記第1の成分は1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能性樹脂を含み、前記第2の成分は1つ又はそれ以上のリン酸エステルを含む、二部系を提供する工程と、
b)前記第1の成分と前記第2の成分を混合して組成物を形成する工程と、を備え、
前記組成物は約0℃から約50℃の温度にて硬化する、方法。
【請求項66】
前記第2の成分は少なくとも2つ又は少なくとも3つの異なるリン酸エステルを含んでいる、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記第1の成分は1つ又はそれ以上の第1成分添加剤を含んでいる、請求項65又は請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第2の成分は1つ又はそれ以上の第2成分添加剤を含んでいる、請求項65から請求項67の何れか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記1つ又はそれ以上の第1成分添加剤は炭酸カルシウムを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
約10℃から約40℃の温度にて前記組成物を硬化させる工程、を含んでいる請求項65から請求項69の何れか一項に記載の方法。
【請求項71】
約15℃から約25℃の温度にて前記硬化性組成物を硬化させる工程、を含んでいる請求項65から請求項69の何れか一項に記載の方法。
【請求項72】
約5分から約15分内に硬化を完了するように前記組成物を硬化させる工程、を含んでいる請求項65から請求項71の何れか一項に記載の方法。
【請求項73】
約7分から約10分内に硬化を完了するように前記組成物を硬化させる工程、を含んでいる請求項65から請求項71の何れか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記組成物を約10%から約200%の体積膨張へ膨張させる工程、を含んでいる請求項65から請求項73の何れか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記組成物を少なくとも約50%から約100%の体積膨張へ膨張させる工程、を含んでいる請求項65から請求項73の何れか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記硬化性組成物を望ましい組立体上へ分注する工程、を含んでいる請求項65から請求項75の何れか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記組成物は空洞充填コンパウンドである、請求項65から請求項76の何れか一項に記載の方法。
【請求項78】
硬化剤、硬化促進剤、又はそれら両方を実質的に不含とする組成物を形成する工程、を含んでいる請求項65から請求項77の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、概括的には、第1の成分と第2の成分を有する組成物及び同組成物を使用する方法に関する。より具体的には、本教示はエポキシ及びリン酸エステルベースの構造発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
航空宇宙産業、自動車、商業車両、建設、エレクトロニクス、その他、の様な多くの業界では様々な目的で室温硬化及び発泡型の硬質構造発泡体が採用される頻度が高い。例えば、運輸業や建設業では、構造的支持、密封、及び音減衰を提供するために、硬質構造発泡体材料が使用されることがある。
【0003】
室温活性化(例えば膨張)が所望される場合、ポリウレタンベースの材料が最もよく用いられる。ポリウレタン材料は多くの短所を有し、そのうちのいくつかとして、イソシアネートの含有、特定の基材に対する制限された接着能力、湿潤又は多湿の環境での貧弱な耐加水分解性、低速反応系を作成するのに不向きであること、温度変化に対する感受性が高く、分注及び発泡中のプロセス及び膨張のばらつきを生じさせること、及び調合時の混合比における高い特異性の必要性、が挙げられる。
【0004】
ポリウレタンベースの材料の代替として、リン酸が硬質構造発泡体材料を作成する場合のエポキシ官能性材料(例えばポリマー材料)のための唯一の硬化剤として使用されることもある。しかしながら、リン酸は追加の懸念を招く。1つの例として、リン酸を用いた反応時間は非常に速く、発泡工程に先立ってポリマー材料を表面上に配置させるのに時間を要する組み立てプロセスにとって理想的でない。ゆえに、一部の用途では、幾分遅い反応時間が好ましい。一部の状況では、リン酸の低いpHとスプラッシュハザードに対する懸念があるかもしれない。従って、より高いpHを有しスプラッシュハザードの軽減された代わりの材料が好ましいであろう。また、リン酸とポリマー材料の間には粘度に有意差がある。これは、材料の製造(例えば混合)と材料の貯蔵の両方に課題を提起する。リン酸はまた、多くのポリマー材料よりもはるかに低い分子量を有しており、そのことが望ましからざる混合比の原因になっている。1:1、2:1、4:1、又は10:1という比較的同等の混合比なら好ましいであろう。最後に、リン酸の反応特性は、多くの化学成分がリン酸とともに利用されたときにその高い全体的反応性のせいで不安定になり得ることから、硬質発泡体材料を調合するのを困難にしている。接着性、物理的又は化学的な適合性、又は他の事由にとって有利となり得る様々な異なる部分(moieties)を含有する能力があれば好ましいだろう。
【0005】
本明細書にあらゆる目的で参考文献として援用される国際公開第2016/149700A1号は、リン酸の代替としてのリン酸エステルの使用を開示している。
【0006】
上記教示にもかかわらず、改善された硬質発泡体材料の必要性が依然として存在する。室温(例えば周囲温度)で硬化する硬質発泡体材料の必要性が存在する。周囲温度の変化の結果としてより可変的な様式で発泡及び架橋する既知の硬質発泡体材料に比べ、下げた温度での発泡及び架橋を提供する硬質発泡体材料の必要性が存在する。場合によっては汚染表面を含む広範に様々な基材への接着性を提供する硬質発泡体材料の必要性が存在する。追加の成分の必要性なしに硬化と発泡の両方を可能にする成分を利用した硬質発泡体材料の必要性が存在する。発火、発煙、及び毒性(FST)についての所望の特性を提供し、しかもそれらの特性を付与するにあたり望ましくない作用剤の使用を排除した硬質発泡体材料の必要性が存在する。本教示は上記便益の1つ又はそれ以上を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2016/149700号
【特許文献2】米国特許第5,648,401号明細書
【発明の概要】
【0008】
本教示は、1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能化樹脂を含む第1の成分と、1つ又はそれ以上のリン酸エステルを含む第2の成分と、を備える二部系であって、第1の成分と第2の成分は室温にて液体であり、第1の成分を第2の成分と室温にて混合した際に固体である組成物が形成される、二部系を提供している。
【0009】
第1の成分と第2の成分を混合した際に、組成物は約0℃から約50℃の温度範囲に亘って反応して受容可能な完成生成物を作成し得る。第1の成分と第2の成分を混合した際に、組成物は0%から500%の体積膨張をきたし得る。第2の成分は、1つ又はそれ以上のリン酸エステルのうちの少なくとも2つ又は更には少なくとも3つを含んでもよい。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、カシューナッツ殻液(CNSL)から誘導されたリン酸エステルを含み得る。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルを含み得る。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、フェニルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルを含み得る。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、エポキシ化パラ-ターシャリブチルフェノールから誘導されたリン酸エステルを含み得る。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、ノニルフェノールエトキシル化リン酸エステルを含み得る。概して、何れの単官能性エポキシドも使用に適したリン酸エステルを作成するための反応前駆体として考慮され得る。
【0010】
第1の成分は1つ又はそれ以上の添加剤を含んでもよい。1つ又はそれ以上の添加剤は、ビスフェノールA、ブタジエン-アクリルコポリマー混合物、炭酸カルシウム、鉱物、補強性繊維、疎水性シリカ、モノマー、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せ、のうちの1つ又はそれ以上を含み得る。系は、約0.5重量%から約20重量%の量で存在する炭酸カルシウムを含んでもよい。系は、超微細炭酸カルシウム、微細炭酸カルシウム、中微細炭酸カルシウム、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。第1の成分は微細炭酸カルシウムを約0.5重量%から約15重量%の量で含んでもよい。第1の成分は中微細炭酸カルシウムを約1重量%から約20重量%の量で含んでもよい。第1の成分は超微細炭酸カルシウムを約0.1重量%から約5重量%の量で含んでもよい。第1の成分は中微細炭酸カルシウムを約1重量%から約10重量%の量で含んでもよい。
【0011】
第2の成分は1つ又はそれ以上の添加剤を含んでもよい。1つ又はそれ以上の添加剤は、板状アルミナ、補強性繊維、疎水性シリカ、鉱物、モノマー、リン酸、又はそれらの任意の組合せ、のうちの1つ又はそれ以上を含み得る。1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能化樹脂は、1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂、1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0012】
系は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAの反応生成物;エピクロロヒドリンとビスフェノールFの反応生成物;又はそれら両方、を含む1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂を含んでもよい。系は、1-クロロ-2,3-エポキシプロパン及びフェノールとのホルムアルデヒドオリゴマー反応生成物;ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-コ-ホルムアルデヒド];又はそれら両方、を含む1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂を含んでもよい。系は、約2から約3の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;約3から約4の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;又はそれら両方、を含む1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂を含んでもよい。系は、エポキシ化ソルビトールを含む1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂を含んでもよい。系は、約2重量%から約40重量%の量で存在する1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂を含んでもよい。系は、約30重量%から約50重量%の量で存在する1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂を含んでもよい。系は、約5重量%から約35重量%の量で存在する1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂を含んでもよい。系は、約0.1重量%から約12重量%の量で存在する1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂を含んでもよい。系は、約1重量%から約10重量%の量で存在する1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂を含んでもよい。
【0013】
組成物は約0℃から約50℃の温度にて有効に機能し得る。組成物は約15℃から約25℃の温度にて硬化し得る。組成物は約1分から約30分の硬化時間を有し得る。組成物は約7分から約10分の硬化時間を有し得る。組成物は約10%から約500%の体積膨張をきたし得る。組成物は約50%から約100%の体積膨張をきたし得る。
【0014】
組成物は望ましい組立体上に分注されてもよい。組成物は空洞内に分注されてもよい。二部系は潜伏性硬化剤、硬化促進剤、又はそれら両方を実質的に不含とすることができる。
【0015】
本明細書の教示は、更に、1つ又はそれ以上の第1成分添加剤、及び少なくとも1つのエポキシ樹脂又はエポキシ官能性樹脂であって、1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂;1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂;1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂;1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂;1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂;又はそれらの任意の組合せから選択された少なくとも1つのエポキシ樹脂又はエポキシ官能性樹脂、を含む第1の成分と、第1のリン酸エステル、随意的な第2のリン酸エステル、随意的な第3のリン酸エステル、及び1つ又はそれ以上の第2成分添加剤、を含む第2の成分と、を備えている二部系を提供している。第1の成分と第2の成分を混合して組成物を形成した際、組成物は約0℃から約50℃の温度にて硬化し得る。
【0016】
第1のリン酸エステルは、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルであってもよい。第2のリン酸エステルは、カシューナッツ殻液(CNSL)から誘導されたリン酸エステル、エポキシ化パラ-ターシャリブチルフェノールから誘導されたリン酸エステル、ノニルフェノールエトキシル化リン酸エステル、又はそれらの組合せであってもよい。系は、フェニルグリシジルエーテルから誘導され得る第3のリン酸エステルを含んでもよい。組成物はいくらかの追加のリン酸を有していてもよい。
【0017】
1つ又はそれ以上の第1成分添加剤は、コアシェルポリマー、炭酸カルシウム、鉱物、モノマー、補強性繊維、疎水性シリカ、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せを含み得る。炭酸カルシウムは、超微細炭酸カルシウム、微細炭酸カルシウム、中微細炭酸カルシウム、又はそれらの任意の組合せを含み得る。第1の成分は微細炭酸カルシウムを約4重量%から約6重量%の量で含んでもよい。第1の成分は中微細炭酸カルシウムを約4重量%から約6重量%の量で含んでもよい。第1の成分は超微細炭酸カルシウムを約0.1重量%から約2重量%の量で含んでもよい。第1の成分は中微細炭酸カルシウムを約1重量%から約3重量%の量で含んでもよい。1つ又はそれ以上の第2成分添加剤は、板状アルミナ、補強性繊維、疎水性シリカ、鉱物、モノマー、リン酸、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0018】
1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAの反応生成物;エピクロロヒドリンとビスフェノールFの反応生成物;又はそれら両方、を含み得る。1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂は、約4重量%から約15重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、1-クロロ-2,3-エポキシプロパン及びフェノールとのホルムアルデヒドオリゴマー反応生成物;ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-コ-ホルムアルデヒド];又はそれら両方、を含み得る。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、約2から約3の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;約3から約4の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;又はそれら両方、を含み得る。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、約30重量%から約50重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂はエポキシ化ソルビトールを含み得る。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、約10重量%から約22重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、約7重量%から約12重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂は、約2重量%から約6重量%の量で存在してもよい。
【0019】
本明細書の教示は、更に、二部系を提供する工程であって、二部系は第1の成分と第2の成分を含み、第1の成分は1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能性樹脂を含み、第2の成分は1つ又はそれ以上のリン酸エステルを含む、二部系を提供する工程と、第1の成分と第2の成分を混合して組成物を形成する工程と、を備える方法に向けられている。組成物は、約0℃から約50℃の温度にて硬化し得る。
【0020】
第2の成分は少なくとも1つのリン酸エステルを含んでもよい。方法は、約5分から約30分内に硬化を完了するように組成物を硬化させる工程を含んでもよい。方法は、約7分から約10分内に硬化を完了するように組成物を硬化させる工程を含んでもよい。方法は、組成物を約10%から約200%の体積膨張へ膨張させる工程を含んでもよい。方法は、組成物を少なくとも約50%から約100%の体積膨張へ膨張させる工程を含んでもよい。
【0021】
方法は、硬化性組成物を望ましい組立体上へ又は空洞内に分注する工程を含んでもよい。方法は、潜伏性硬化剤、硬化促進剤、又はそれら両方を実質的に不含とする組成物を形成する工程を含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本教示は、ここに説明される改善された組成物及び方法によって上記の必要性の1つ又はそれ以上を満たす。本明細書に提示されている解説及び例示は、当業者に本教示、その原理、及びその実践的適用に習熟してもらうことを意図している。当業者は本教示を特定の使用の必要条件に最も適切であり得る数多くの形態に適合させ適用することができる。従って、示されている本教示の特定の実施形態は網羅的であろうとする意図もなければ本教示を限定する意図もない。ゆえに本教示の範囲は、以上の記述を参照して確定されるのではなく、代わりに付随の特許請求の範囲並びにその様な特許請求の範囲が権利を有する等価物の完全な範囲を参照して確定されるべきである。特許出願及び特許公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により援用される。更に、付随の特許請求の範囲から収集され得るところの他の組合せが実施可能であり、その様な組合せもまたこれによりこの書面による記述へ参照により組み入れられる。
【0023】
本願は、2019年4月3日出願の米国仮特許出願第62/828,691号の出願日の恩典を主張し、同仮出願の内容をあらゆる目的で参照により本明細書に援用する。
【0024】
本教示は、A側(即ち「第1の成分」)とB側(即ち「第2の成分」)を備える二部組成物であり得る組成物を提供している。混合した際に、二部組成物は硬化性組成物を形成し、反応生成物は完全に硬化したときに硬質発泡材料となり得る。
【0025】
A側は、1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂、1つ又はそれ以上の添加剤、1つ又はそれ以上のモノマー、又はそれらの任意の組合せを備えてもよい。1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂は、1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上の反応性希釈剤、1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂、1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のモノマー、又はそれらの任意の組合せを含み得る。1つ又はそれ以上の添加剤は、1つ又はそれ以上の強化剤(例えばコアシェルポリマー)、炭酸カルシウム、鉱物、補強性繊維又は他の補強性粒体、疎水性シリカ、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0026】
B側は、1つ又はそれ以上のリン酸エステル、リン酸、1つ又はそれ以上の添加剤、1つ又はそれ以上のモノマー、又はそれらの任意の組合せを備えてもよい。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、第1のリン酸エステル、第2のリン酸エステル、第3のリン酸エステル、又はそれらの任意の組合せを含み得る。1つ又はそれ以上の添加剤は、1つ又はそれ以上の強化剤(例えばコアシェルポリマー)、鉱物、補強性繊維又は他の補強性粒体、疎水性シリカ、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0027】
1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、1つ又はそれ以上のカスタマイズされたリン酸エステルであってもよい。1つ又はそれ以上のカスタマイズされたリン酸エステルは、リン酸と各種アルコールの反応によって生成されてもよい。1つ又はそれ以上のカスタマイズされたリン酸エステルは、リン酸とリン酸エステル前駆体(即ち、まだリン酸と反応していない成分)のエポキシド基の反応によって生成されてもよい。1つ又はそれ以上のカスタマイズされたリン酸エステルは、ニュージャージー州モンマスジャンクションのカードライト・コーポレイション(Cardolite Corporation)社から商業的に入手可能なCardolite(登録商標)LITE2513HPの商標名で販売されている様なカシューナッツ殻液(CNSL)のグリシジルエーテルとリン酸の反応によって生成されてもよい。1つ又はそれ以上のカスタマイズされたリン酸エステルは、ニュージャージー州モアズタウンのCVCサーモセット・スペシャルティーズ(CVC Thermoset Specialties)社から商業的に入手可能なERISYS(登録商標)GE-13という商標名で販売されている様なフェニルグリシジルエーテルとリン酸の反応によって生成されてもよい。1つ又はそれ以上のカスタマイズされたリン酸エステルは、ニュージャージー州モアズタウンのCVCサーモセット・スペシャルティーズ(CVC Thermoset Specialties)社から商業的に入手可能なERISYS(登録商標)GE-6という商標名で販売されている様な2-エチルヘキシルグリシジルエーテルとリン酸の反応によって生成されてもよい。1つ又はそれ以上のカスタマイズされたリン酸エステルは、ニュージャージー州モアズタウンのCVCサーモセット・スペシャルティーズ(CVC Thermoset Specialties)社から商業的に入手可能なERISYS(登録商標)GE-11という商標名で販売されている様なエポキシ化パラ-ターシャリブチルフェノールとリン酸の反応によって生成されてもよい。
【0028】
1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルであってもよい。1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルは、カスタマイズされたリン酸エステルに成り代わってB側へ投入された場合、恐らくは遊離リン酸の量が低いことに因り反応及び発泡がより低速の硬化性組成物をもたらす結果になるだろう。1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルの反応及び発泡は、B側にリン酸を添加することによって改善され得る(即ち、スピードアップできる)。1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルは、水溶液中に約1から3のpHを有していてもよい。1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルは、ASTM D445に従って測定して25℃にて約32,500cPから約42,500cPの粘度を有していてもよい。1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルは、ノニルフェノールエトキシル化リン酸エステルであってもよい。適した商業的に事前反応させたリン酸エステルの例には、アッシュランド・インク(Ashland, Inc.)社(ケンタッキー州コビントン)から商業的に入手可能なDextrol(商標)OC-110、Dextrol OC-40、及びStrodex MO-100の商標名で販売されているものがあるだろう。
【0029】
商業的に事前反応させたリン酸エステルはB側に存在してもよい。1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルは、B側の約6重量%から約18重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルは、B側の約8重量%から約16重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルは、B側の約10重量%から約14重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の商業的に事前反応させたリン酸エステルは、B側の約12重量%の量で存在してもよい。
【0030】
1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、リン酸エステル前駆体対リン酸の化学量論比の或る範囲の反応によって生成され得る。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、リン酸エステル前駆体対リン酸約0.7:1からリン酸エステル前駆体対リン酸約1:0.7の反応によって生成されてもよい。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、リン酸エステル前駆体対リン酸約0.8:1からリン酸エステル前駆体対リン酸約1:0.8の反応によって生成されてもよい。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、リン酸エステル前駆体対リン酸約0.9:1からリン酸エステル前駆体対リン酸約1:0.9の反応によって生成されてもよい。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、リン酸エステル前駆体対リン酸約1:1の反応によって生成されてもよい。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、リン酸エステル前駆体対リン酸約0.8:1の反応によって生成されてもよい。
【0031】
カシューナッツ殻液(CNSL)は、アナカルド酸、カードル、カルダノール、又はそれらの任意の組合せを含め、カシューナッツ殻液(CNSL)から一般的に抽出された化学物質を含み得る。好ましくは、カシューナッツ殻液(CNSL)のグリシジルエーテル)はカルダノールのグリシジルエーテルである。
【0032】
1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、以下に示されているモノ-エステル、ジ-エステル、又はトリ-エステルから選択されることができる。
【化1】
【0033】
1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、以下に描かれているエポキシド基とリン酸の反応から得ることができる。
【化2】
【0034】
B側は、1つ又はそれ以上のリン酸エステル、1つ又はそれ以上のリン酸エステル前駆体、又はそれら両方を備えてもよい。B側は、A側と組み合わされる前にリン酸と組み合わされる1つ又はそれ以上のリン酸エステル前駆体を備えてもよい。B側は、B側への添加前に事前反応(即ち、エポキシドとリン酸塩の反応)済みの1つ又はそれ以上のリン酸エステルを備えてもよい。
【0035】
第1のリン酸エステルは、リン酸と2-エチルヘキシルグリシジルエーテルとの反応生成物であってもよい。第2のリン酸エステルは、エポキシ化パラ-ターシャリブチルフェノールの反応生成物、カシューナッツ殻液(CNSL)のグリシジルエーテルの反応生成物、ノニルフェノールエトキシル化リン酸エステル、又はそれらの組合せであってもよい。第3のリン酸エステルは、リン酸とフェニルグリシジルエーテルの反応生成物であってもよい。B側は、第1のリン酸エステル、第2のリン酸エステル、第3のリン酸エステル、又はそれらの組合せを含んでもよい。
【0036】
第1のリン酸エステルは、B側の約1重量%から約70重量%の量で存在してもよい。第1のリン酸エステルは、B側の約5重量%から約60重量%の量で存在してもよい。第1のリン酸エステルは、B側の約10重量%から約30重量%の量で存在してもよい。第2のリン酸エステルは、仮に存在するなら、B側の約1重量%から約80重量%の量で存在してもよい。第2のリン酸エステルは、B側の約3重量%から約50重量%の量で存在してもよい。第2のリン酸エステルは、B側の約5重量%から約40重量%の量で存在してもよい。第3のリン酸エステルは、仮に存在するなら、B側の約0.5重量%から約90重量%の量で存在してもよい。第3のリン酸エステルは、B側の約10重量%から約70重量%の量で存在してもよい。第3のリン酸エステルは、B側の約20重量%から約65重量%の量で存在してもよい。
【0037】
B側はリン酸を含んでもよい。リン酸は、オルトリン酸、ポリリン酸、又はそれら両方であってもよい。リン酸はポリリン酸であってもよい。リン酸は、1つ又はそれ以上のリン酸エステル中の遊離酸であってもよく、1つ又はそれ以上のリン酸エステルとは独立に添加されてもよく、又はその両方であってもよい。B側へのリン酸の添加は、結果として得られる反応生成物の膨張(例えば発泡)増加をもたらすことができるだろう。B側へのリン酸の添加は二部系の反応性を高めて、温度が23℃より下の場合の膨張、硬化、又はそれら両方の所望レベルを維持するのを支援することができるだろう。
【0038】
独立に添加されるリン酸は、仮に存在するなら、水溶液中に85%以上又は更には95%以上(即ち「試薬等級」)の量で在ってもよい。独立に添加されるリン酸は、B側の約0.1重量%から約30重量%の量で存在してもよい。独立に添加されるリン酸は、B側の約2重量%から約6重量%の量で存在してもよい。独立に添加されるリン酸は、B側の約4重量%の量で存在してもよい。
【0039】
リン酸と1つ又はそれ以上のエポキシ基含有成分の反応から生成される1つ又はそれ以上のリン酸エステルは遊離酸を含んでいてもよい。1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、約1%以上の遊離酸、約3%以上の遊離酸、約5%以上の遊離酸、約15%以下の遊離酸、約13%以下の遊離酸、又は更には約11%以下の遊離酸を有していてもよい。
【0040】
A側とB側の添加に際し、二部系は、金属炭酸塩又は金属重炭酸塩と酸の反応の結果として発泡し、化学的発泡剤として働くガス(例えば二酸化炭素)の放出を生じさせ得る。その様な反応メカニズムは、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される米国特許第5,648,401号に記載されている。
【0041】
硬化、発泡、又はそれら両方は、約50℃以下、約40℃以下、約30℃以下、約20℃以下、又は約0℃以下の温度にて起こり得る。硬化、発泡、又はそれら両方は、約0℃以上、約10℃以上、又は更には約20℃以上の温度にて起こり得る。硬化、発泡、又はそれら両方は、約10℃から約50℃又は更にはそれより高い温度にて起こり得る。硬化、発泡、又はそれら両方は、約10℃の温度にて起こり得る。硬化、発泡、又はそれら両方は、室温にて(例えば、約15℃から約25℃の温度にて)起こり得る。硬化、発泡、又はそれら両方は約23℃の温度にて起こり得る。硬化と発泡は異なる温度にて又は実質的に同じ温度にて起こり得る。
【0042】
本開示は、他の硬化剤又は硬化系に比べて、(例えば室温にて)刺激を加えることなしに起こる相対的に速い硬化時間、発泡時間、又はそれら両方を企図している。反応生成物の硬化時間は75分以下、50分以下、30分以下、20分以下、2分以上、8分以上、又は更には16分以上であり得る。結果としてられる反応生成物の硬化時間は約5分から約20分であり得る。結果として得られる反応生成物の硬化時間は約10分であり得る。結果として得られる反応生成物の硬化時間は約7分であり得る。結果として得られる反応生成物の硬化時間は約5分であり得る。硬化と発泡は異なる時間にて又は実質的に同じ時間にて起こり得る。
【0043】
結果として得られる反応生成物の完全硬化前に発泡が始まることになるだろう。反応生成物の発泡時間(即ち、二部系がそれ以内で活発に発泡するという時間枠)は30分以下、又は更には約20分以下であり得る。反応生成物の発泡時間は約1分から約10分であり得る。反応生成物の発泡時間は約5分であり得る。反応生成物の発泡時間は約7分であり得る。
【0044】
A側は、1つ又はそれ以上のエポキシベースの材料(即ち、1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂)を含んでもよい。1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂は、任意の従来のダイマー、オリゴマー、又はポリマーエポキシ樹脂であってもよい。1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂は、少なくとも1つのエポキシド官能基を含有していてもよいし(即ち、単官能性)、又は1つより多いエポキシド官能基を含有していてもよい(即ち、多官能性)。1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂は、1つ以上のエポキシド官能基、2つ以上のエポキシド官能基、3つ以上のエポキシド官能基、又は更には4つ以上のエポキシド官能基を含有していてもよい。1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂は、変性エポキシ樹脂(例えば、シラン変性、エラストマー変性、など)であってもよい。1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂は、脂肪族、脂環式、芳香族など、又はそれらの任意の組合せであってもよい。1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂は、固体(例えば、ペレット、塊、細片など、又はそれらの任意の組合せ)として供給されてもよいし、又は液体(例えば、液体エポキシ樹脂)として供給されてもよい。本明細書での使用に際し、別途言及のない限り、エポキシ樹脂はそれが23℃の温度にて固体であるなら固体であり、23℃の温度にて液体であるなら液体樹脂である。1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂は、1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上の反応性希釈剤、1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂、1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0045】
二部系は1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂を含んでもよい。液体エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂成分のためのベースとして機能することができるだろう。液体エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリン(これ以降は「EPH」)と任意の従来のビスフェノールとの反応生成物であってもよい。液体エポキシ樹脂は、EPHとビスフェノールA(これ以降は「BPA」)又はビスフェノールF(これ以降は「BPF」)又はそれら両方との反応生成物であってもよい。液体エポキシ樹脂は、ASTM D1652-97に従って測定して約160g/当量から約192g/当量のエポキシド当量(これ以降は「EEW」)を有していてもよい。液体エポキシ樹脂は約20から約25のエポキシドパーセンテージを有していてもよい。液体エポキシ樹脂は、ASTM D-445に従って測定して25℃にて2,000cPから約14,000cPの粘度を有していてもよい。適したBPAベースの液体エポキシ樹脂の一例には、オリン・コーポレイション(Oline Corporation)社(ミズーリ州クレイトン)から商業的に入手可能なD.E.R.(商標)331があるだろう。適したBPFベースの液体エポキシ樹脂の一例には、ククドケミカル(Kukdo Chemical)社(韓国)から商業的に入手可能なYDF-170があるだろう。
【0046】
液体エポキシ樹脂はA側の部分として存在してもよい。液体エポキシ樹脂は、A側の約4重量%から約70重量%の量で存在してもよい。液体エポキシ樹脂は、A側の約6重量%から約10重量%の量で存在してもよい。液体エポキシ樹脂は、A側の約8重量%の量で存在してもよい。
【0047】
二部系は1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂を含んでもよい。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、反応生成物の、圧縮弾性率を小さくするように、破損ひずみ(strain to failure)を大きくするように、復元時間を短縮するように、架橋密度の程度を下げるように、耐衝撃性を高めるように、接着性を改善するように、耐剥離性を改善するように、又はそれらの任意の組合せを達成するように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、一部には粘度改質剤の役目をすることによって二部系のガス閉じ込め能力を改善することができるだろう。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、二官能性グリシジルエーテルエポキシ樹脂、非変性BPAベースエポキシ樹脂、多官能性エポキシ化ポリブタジエン樹脂、又はそれらの任意の組合せであってもよい。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、ASTM D1652-97に従って測定して約260から約500のEEWを有していてもよい。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、ASTM D445に従って測定して25℃にて約700cPから約25,000cPの粘度を有していてもよい。適した可撓性エポキシ樹脂の例としては、NC-514(ニュージャージー州モンマスジャンクションのカードライト・コーポレイション(Cardolite Corporation)社から商業的に入手可能)、Araldite(登録商標)PY4122(ユタ州ソルトレイクシティのハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ(Huntsman Advanced Materials)社から商業的に入手可能)、Poly bd(登録商標)605E(ペンシルベニア州エクストンのクレイバレー(Cray Valley)社から商業的に入手可能)、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0048】
1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂はA側に存在してもよい。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、A側の約0.5重量%から約40%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、A側の約35重量%から約45重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、A側の約39重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、A側の約10重量%から約18重量%の量の二官能性グリシジルエーテルエポキシ樹脂、A側の約8重量%から約16重量%の量の非変性BPAベースエポキシ樹脂、及びA側の約8重量%から約16重量%の量の多官能性エポキシ化ポリブタジエン樹脂を含み得る。1つ又はそれ以上の可撓性エポキシ樹脂は、A側の約5重量%から約20重量%の量の二官能性グリシジルエーテルエポキシ樹脂、A側の約5重量%から約20重量%の量の非変性BPAベースエポキシ樹脂、及びA側の約5重量%から約20重量%の量の多官能性エポキシ化ポリブタジエン樹脂を含み得る。二成分系は、二官能性グリシジルエーテルエポキシ樹脂とカルダノール由来の二官能性エポキシと多官能性エポキシ化ポリブタジエン樹脂をそれぞれ約1:1:1の比で含んでもよい。二成分系は、二官能性グリシジルエーテルエポキシ樹脂とカルダノール由来の二官能性エポキシと多官能性エポキシ化ポリブタジエン樹脂を含んでもよい。上記樹脂は約1:0.8:0.8の比でそれぞれ存在してもよい。二成分系は、二官能性グリシジルエーテルエポキシ樹脂とカルダノール由来の二官能性エポキシと多官能性エポキシ化ポリブタジエン樹脂を含んでもよい。上記樹脂はそれぞれ約1:0.9:0.9の比で存在してもよい。
【0049】
本明細書に記載の二部系は、更に、1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂を含んでもよい。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、耐化学薬品性、耐溶剤性、耐温度性、又はそれらの任意の組合せを反応生成物へ付与するように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、A側の部分として存在してもよい。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、ASTM D1652-97に従って測定して約165g/当量から約183g/当量のEEWを有していてもよい。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、約2.1から約6.5の平均エポキシ官能性を有していてもよい。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、ASTM D445に従って測定して25℃にて約18,000cPから約30,000cPの粘度を有していてもよい。適したエポキシフェノールノボラック樹脂の例には、CVCサーモセット・スペシャルティーズ(CVC Thermoset Specialties)社(ニュージャージー州モアズタウン)から商業的に入手可能なEpalloy(登録商標)8250(1-クロロ-2,3-エポキシプロパン及びフェノールとのホルムアルデヒドオリゴマー反応生成物;2.6官能性)及びEpalloy(登録商標)8330(ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-コ-ホルムアルデヒド];3.6官能性)の商標名で販売されているものがあるだろう。
【0050】
1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、A側の約10重量%から約60重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、第1の成分又はA側の約35重量%から約45重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、A側の約38重量%から約42重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、A側の約42重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、A側の約0.1重量%から約50重量%の量で存在する約3.6官能性エポキシフェノールノボラック樹脂及びA側の約22重量%から約32重量%の量で存在する約6.5官能性エポキシノボラック樹脂を含み得る。1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、A側の約15重量%の量で存在する約3.6官能性エポキシフェノールノボラック樹脂及びA側の約28重量%の量で存在する約6.5官能性エポキシノボラック樹脂を含み得る。二部系は、約3.6官能性エポキシフェノールノボラック樹脂と約6.5官能性エポキシフェノールノボラック樹脂を約1:2から約1:3の比で含んでもよい。
【0051】
二部系は1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂を含んでもよい。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、反応生成物の架橋度を高めるように、反応生成物の耐化学薬品性を高めるように、又はそれら両方を達成するように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂はエポキシ化ソルビトールを含み得る。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、ASTM D1652-97に従って測定して約160g/当量から約195g/当量のEEWを有していてもよい。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、ASTM D445に従って測定して25℃にて約4,000cPから約18,000cPの粘度を有していてもよい。適した脂肪族多官能性エポキシ樹脂の例には、CVCサーモセット・スペシャルティーズ(CVC Thermoset Specialties)社(ニュージャージー州モアズタウン)から商業的に入手可能なERISYS(登録商標)GE-60及びERISYS(登録商標)GE-61の商標名で販売されているものがあるだろう。
【0052】
1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂はA側の部分として存在してもよい。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、A側の約4重量%から約60重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、A側の約10重量%から約22重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、A側の約20重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂はA側の約13重量%の量で存在してもよい。
【0053】
二部系は1つ又はそれ以上の反応性希釈剤を含んでもよい。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、二部系の分注プロセスを修正するため及び分注後の二部系の工作物上の流れを修正するために二部系の全体的な粘度を下げるように、多官能性希釈剤については反応生成物の架橋度を高めるように、又はそれら両方を達成するように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤はポリマーであってもよく、それによって反応性希釈剤は反応生成物の可撓性を高めることができるだろうし;1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は多官能性であってもよく、それによって反応性希釈剤は架橋増加を促進し及び反応生成物に耐化学薬品性を付与することができるだろうし;又はそれら両方であってもよい。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、ポリグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、又はそれら両方を含み得る。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、ASTM D1652-97に従って測定して約150g/当量から約170g/当量のEEWを有していてもよい。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、ASTM D445に従って測定して25℃にて約200cPから約300cPの粘度を有していてもよい。適した反応性希釈剤の一例には、CVCサーモセット・スペシャルティーズ(CVC Thermoset Specialties)社(ニュージャージー州モアズタウン)から商業的に入手可能なERISYS(登録商標)GE-31及びERISYS(登録商標)GE-24の商標名で販売されているものがあるだろう。
【0054】
1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、A側の約5重量%から約20重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、A側の約8重量%から約16重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、A側の約10重量%から約14重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、A側の約13重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、A側の約2重量%から約6重量%の量で存在するポリグリコールジグリシジルエーテル及びA側の約6重量%から約14重量%の量で存在するトリメチロールエタントリグリシジルエーテルを含み得る。1つ又はそれ以上の反応性希釈剤は、A側の約4重量%の量で存在するポリグリコールジグリシジルエーテル及びA側の約9%の量で存在するトリメチロールエタントリグリシジルエーテルを含み得る。二部系は、ポリグリコールジグリシジルエーテルとトリメチロールエタントリグリシジルエーテルを約1:2から約1:3の比でそれぞれ含んでもよい。
【0055】
二部系は1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂(即ち、ポリヒドロキシエーテル)を含んでもよい。1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、改善された接着性、耐腐食性、耐熱性、又はそれらの任意の組合せを反応生成物へ付与するように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、BPAとEPHの反応から誘導されてもよい。1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、末端のヒドロキシル基を有するとともにすべての繰り返しポリマー単位にヒドロキシル基を有していてもよい。1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、ASTM D1652-97に従って測定して約202g/当量から約214g/当量のEEWを有していてもよい。1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、ASTM D445に従って測定して25℃にて約20,000cPから約50,000cPの粘度を有していてもよい。適したフェノキシ樹脂の一例には、ガブリエル・ケミカル(Gabriel Chemical)社(オハイオ州アクロン)から商業的に入手可能なフェノキシLER-HBがあるだろう。
【0056】
1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、A側の約1重量%から約20重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、A側の約7重量%から約12重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂はA側の約10重量%の量で存在してもよい。
【0057】
二部系は1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂を含んでもよい。1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂は、特にガラス、金属、又はそれら両方への接着性について、改善された接着性を反応生成物へ付与するように機能することができるだろう。適したシラン変性エポキシ樹脂の一例には、ククドケミカル(韓国)から商業的に入手可能なEPOKUKDO(登録商標)KSR-177の商標名で販売されているものがあるだろう。シラン変性エポキシは、環式エポキシドで終端する直鎖状二官能性シリコンプレポリマー(例えば、脂環式エポキシド基を有するプレポリマー)であってもよい。別の適した材料は脂環式エポキシド基を有するシリコンプレポリマーであろう。1つのその様な材料の例が、カナダのオンタリオ州のシルテック・コーポレイション(Siltech Corporation)社から入手可能なSilmer EPC Di-50の商標名で市販されている。
【0058】
1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂はA側に存在してもよい。1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂は、A側の約1重量%から約7重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂は、A側の約2重量%から約6重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂はA側の約4重量%の量で存在してもよい。
【0059】
二部系は1つ又はそれ以上のモノマーを含んでもよい。1つ又はそれ以上のモノマーは、反応生成物の特に金属基材への接着特性を改善するように、反応生成物の可撓性を高めるように、反応生成物の耐衝撃性を高めるように、又はそれらの任意の組合せを達成するように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上のモノマーは、単官能性、二官能性、又は多官能性であってもよい。1つ又はそれ以上のモノマーは、アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化反応生成物であってもよい。1つ又はそれ以上のモノマーは、単官能性アクリルモノマーであってもよい。好ましくは、1つ又はそれ以上のモノマーは、メタクリレートアシッドエステル(methacrylate acid ester)と2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレートの混合物であってもよい。適したモノマーの例には、サルトマー(Sartomer)社(ペンシルベニア州エスクトン)から商業的に入手可能なSR9050の商標名で販売されているものがあるだろう。
【0060】
二部系は、1つ又はそれ以上のモノマーを、A側に、B側に、又はそれら両方に含んでもよい。1つ又はそれ以上のモノマーは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約0.5重量%から約26重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のモノマーは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約12重量%から約24重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のモノマーは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約14重量%から約22重量%の量で存在してもよい。1つ又はそれ以上のモノマーは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約18重量%の量で存在してもよい。
【0061】
硬化速度、架橋度、又はそれら両方は、二部系(A側及びB側)の官能性の関数であり得る。ポリマー長さがより短い(即ち、より低い粘度)の事前重合化成分を有する二部系にとってはより高い官能性(即ち、1つ又はそれ以上の重合化可能成分の官能基の数)が望ましいであろう、というのもそれによって、より短いポリマーに起因する構造的主鎖の欠如はより高い架橋度によって補償されるからである。長さがより長い(即ち、より高い粘度)の事前重合化成分を有する二部系にとってはより低い官能性が望ましいであろう、というのもそれによって、より長いポリマーに起因するより多い構造的主鎖の存在は高い官能性の必要性を排除するからである。
【0062】
B側の官能性は、少なくとも一部には、A側中の金属炭酸塩とリン酸及びリン酸エステルとの反応によって低下するかもしれない。結果としてB側の官能性は現場反応混合物内で低下する可能性がある。A側は、B側の低下した官能性を補償するために官能性の高い成分を含んでもよい。A側は、2より高い官能性を有する反応性原料を使用することによって官能性を高めて調合されてもよい。
【0063】
二部系は1つ又はそれ以上の添加剤を含んでもよい。1つ又はそれ以上の添加剤は、1つ又はそれ以上の強化剤、炭酸カルシウム、鉱物、補強性繊維又は他の補強性粒体、疎水性シリカ、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0064】
二部系は1つ又はそれ以上の強化剤を含んでもよい。1つ又はそれ以上の強化剤は、反応生成物内でエネルギーを分散させる(即ち、耐衝撃性を高める)ように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上の強化剤は、Tピール強度増加に寄与することができるだろう。1つ又はそれ以上の強化剤は、熱可塑性樹脂、熱硬化性又は熱硬化可能樹脂、エラストマーなど、又はそれらの任意の組合せを備え得る。1つ又はそれ以上の強化剤は、エラストマー(エラストマー含有材料を含む)、コアシェルポリマー(限定するわけではないがエラストマーを含んでいてもよい)、又はそれら両方を含み得る。
【0065】
コアシェルポリマーは、仮に存在するなら、第1のポリマー材料(即ち、コア材料)と第2のポリマー材料(即ち、シェル材料)を備え得る。第1のポリマー材料は全体的に第2のポリマー材料によって封入されていてもよい。コアシェルポリマーは、第1のポリマー材料を約30重量%以上、50重量%以上、又は更には70重量%以上の量で含んでもよい。第1のポリマー材料、第2のポリマー材料、又はそれら両方は、1つのポリマー、2つのポリマー、3つのポリマー、又は更には3つより多いポリマーを、一体に組み合わせて、又は一体に反応(例えば、逐次重合)させて、又は一体に組合せ且つ一体に反応させて備えていてもよいし、又は、別個の又は同一のコアシェルポリマー系の一部であってもよい。適したコアシェルポリマーの例には、カネカ北米LLC(Kaneka North America LLC)社(テキサス州パサデナ)から商業的に入手可能なKane Ace(商標)MX-267及びMX-257の商標名で販売されているものがあるだろう。
【0066】
コアシェルポリマーは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約1重量%から約25重量%の量で存在してもよい(例えば、10重量%の量で存在する場合は、A側に5%の量、B側に5%の量で存在してもよい)。コアシェルポリマーは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約5重量%から約20重量%の量で存在してもよい。コアシェルポリマーは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約5重量%程度の量で存在してもよい。コアシェルポリマーは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約17重量%の量で存在してもよい。
【0067】
二部系は1つ又はそれ以上の金属炭酸塩を含んでもよい。1つ又はそれ以上の金属炭酸塩は、酸の存在下にガスを発生させるように、充填剤の役目を果たすように、硬化活動を遅らせるように、発泡(例えば膨張)プロセスの開始又は総範囲を制御するように、又はそれら両方を制御するように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上の金属炭酸塩は金属炭酸塩又は金属重炭酸塩であってもよい。適した金属炭酸塩の例としては、炭酸カルシウム、炭酸ニッケル、炭酸バリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの組合せが挙げられる。好ましくは、1つ又はそれ以上の金属炭酸塩は炭酸カルシウムを含み得る。金属炭酸塩、金属重炭酸塩、又はそれら両方の粒径は二部系の膨張及び硬化を制御することができ、従って金属炭酸塩、金属重炭酸塩、又はそれら両方の酸と反応させるのに利用できる全表面積は、金属炭酸塩、金属重炭酸塩、又はそれら両方の粒径と二部系中に存在する量の両方の関数である。
【0068】
炭酸カルシウム(CaCO3)は1つ又はそれ以上の炭酸カルシウム充填剤として存在してもよい。1つ又はそれ以上の炭酸カルシウム充填剤は、約1ミクロンから約50ミクロンの中央値粒径を有していてもよい。炭酸カルシウムは中微細(medium fine)粒径であってもよい。例えば、中微細炭酸カルシウムの中央値粒径は約22ミクロンであるとしてもよい。適した中微細炭酸カルシウムの一例には、ジョージア州アトランタのフーバー・エンジニアード・マテリアルズ(Huber Engineered Materials)社から商業的に入手可能なHubercarb(登録商標)Q200があるだろう。炭酸カルシウムは微細(fine)粒径であってもよい。例えば、微細炭酸カルシウムの中央値粒径は4ミクロンであるとしてもよい。適した微細炭酸カルシウムの一例には、ジョージア州アトランタのフーバー・エンジニアード・マテリアルズ(Huber Engineered Materials)社から商業的に入手可能なHubercarb(登録商標)Q4があるだろう。炭酸カルシウムは、超微細(ultra-fine)粒径であってもよい。例えば、超微細炭酸カルシウムの中央値粒径は約1ミクロンであるとしてもよい。適した超微細炭酸カルシウムの一例には、ジョージア州アトランタのフーバー・エンジニアード・マテリアルズ(Huber Engineered Materials)社から商業的に入手可能なHubercarb(登録商標)Q1があるだろう。二部系は、中微細炭酸カルシウム、微細炭酸カルシウム、超微細炭酸カルシウム、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0069】
炭酸カルシウムは、A側の約1重量%から約40重量%の量で存在してもよい。炭酸カルシウムは、A側の約2重量%から約12重量%の量で存在してもよい。炭酸カルシウムは、A側の約2重量%の量で存在してもよい。炭酸カルシウムは、A側の約8重量%の量で存在してもよい。炭酸カルシウムは、A側の約10重量%の量で存在してもよい。炭酸カルシウムは、A側の約0.5重量%から約5重量%の量で存在する超微細炭酸カルシウム;A側の約0.5重量%から約7重量%の量で存在する微細炭酸カルシウム;A側の約0.5重量%から約7重量%の量で存在する中微細粉砕炭酸カルシウム;又はそれらの組合せを含み得る。中微細炭酸カルシウム対微細炭酸カルシウムの比は、約3:1から約1:3であってもよい。中微細炭酸カルシウム対微細炭酸カルシウムの比は、約1:1であってもよい。中微細炭酸カルシウム対超微細炭酸カルシウムの比は、約3:1から約1:3であってもよい。中微細炭酸カルシウム対超微細炭酸カルシウムの比は、約1:1であってもよい。
【0070】
炭酸カルシウムは被覆を含んでもよい。被覆は、活性化プロセス、膨張プロセス、又はそれら両方のプロセス中に分解して膨張を遅らせるか、低速化するか、又はそれら両方を達成するいずれの材料であってもよい。被覆は、ワックス、脂肪酸、又はそれらの組合せであってもよい。
【0071】
二部系は1つ又はそれ以上の鉱物を含んでもよい。1つ又はそれ以上の鉱物(即ち、「鉱物補強材」)は反応生成物を構造的に補強するように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上の鉱物は、反応生成物の引張強さ、曲げ強さ、又はそれら両方を改善することができるだろう。1つ又はそれ以上の鉱物は、限定するわけではないがイノケイ酸塩(例えば、ウォラストナイト)及びフィロケイ酸塩(例えば、カオリナイト、バーミキュライト、タルク、マスコバイトなど)を含むいずれの適したケイ酸塩鉱物であってもよい。1つ又はそれ以上の鉱物の個々の結晶又は結晶群の特徴的外部形状は針状又は針様であってもよい。1つ又はそれ以上の鉱物の中央値粒径は約10ミクロンから約20ミクロンであってもよい。中央値粒径は約12ミクロンから約18ミクロンであってもよい。
【0072】
1つ又はそれ以上の鉱物はウォラストナイト(CaSiO3)を含み得る。ウォラストナイトは比較的純粋(即ち、他の金属酸化物の様な不純物が2重量%未満)であってもよい。ウォラストナイトは、鉱物構造中のカルシウムを置換する鉄、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、カリウム、ナトリウム、又はストロンチウムのうちの1つ又はそれ以上の酸化物を含む不純物を含有していてもよい。適したウォラストナイトの例には、NYCOミネラルズ・インク(NYCO Minerals Inc.)社(ニューヨーク州ウィルズボロ)から商業的に入手可能なNYGLOS(登録商標)12及びNYGLOS(登録商標)8の商標名で販売されているものがあるだろう。
【0073】
1つ又はそれ以上の鉱物は、A側の、B側の、又はそれら両方の部分として存在してもよい。ウォラストナイトは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約1重量%から約18重量%の量で存在してもよい。ウォラストナイトは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約3重量%から約7重量%の量で存在してもよい。ウォラストナイトは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約4重量%の量で存在してもよい。
【0074】
1つ又はそれ以上の鉱物は改質されていてもよい。例えば、1つ又はそれ以上の鉱物は、焼成された(即ち、乾燥させるための高温で焼かれた)カオリナイト(即ち、カオリン粘土)を含み得る。二部系は焼成カオリン粘土を含んでもよい。焼成カオリン粘土は、存在する不純物からの発泡(例えば膨張)プロセスを刺激することができるだろう。焼成カオリン粘土は、平均ストークス当量直径を介して測定して1.3ミクロンの平均粒径を有していてもよい。焼成カオリン粘土は、中央径マルバーンレーザー(median Malvern laser)を介して測定して3.2ミクロンの平均粒径を有していてもよい。適した焼成カオリン粘土の例には、KaMin(登録商標)LLC社(ジョージア州メーコン)から商業的に入手可能なKaMin(登録商標)70Cの商標名で販売されているものがあるだろう。
【0075】
焼成カオリン粘土はA側の部分として存在してもよい。焼成カオリン粘土は、A側の約0.25重量%から約5重量%の量で存在してもよい。焼成カオリン粘土は、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約1重量%から約4重量%の量で存在してもよい。焼成カオリン粘土は、A側の約2重量%の量で存在してもよい。
【0076】
二部系は1つ又はそれ以上の補強性繊維を含んでもよい。補強性繊維は、反応生成物を構造的に補強するように機能することができるだろう。1つ又はそれ以上の補強性繊維は、反応生成物の引張強さ、曲げ強さ、又はそれら両方を改善することができるだろう。1つ又はそれ以上の補強性繊維は、A側に、B側に、又はそれら両方に存在してもよい。1つ又はそれ以上の補強性繊維は、A側の、B側の、又はそれら両方の内部に均一に分散されていてもよい。1つ又はそれ以上の補強性繊維は、ポリマー繊維、ガラス繊維(即ち、グラスファイバー)、又はそれら両方を備え得る。ポリマー繊維は、ナイロン、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、アラミド繊維(例えば、Kevlar(登録商標))など、又はそれらの任意の組合せを含み得る。ガラス繊維は、アルミノホウケイ酸ガラス(「E-ガラス」)、アルカリ石灰ガラス(「A-ガラス」又は「C-ガラス」)、耐電気/化学薬品性ガラス(「E-CR-ガラス」)、ホウケイ酸ガラス(「D-ガラス」)、アルミノケイ酸ガラス(「R-ガラス」又は「S-ガラス」)、又はそれらの任意の組合せを含み得る。補強性繊維は細断繊維であってもよい。補強性繊維は、約0.1cm以上、約0.3cm以上、又は更には約0.6cm以上の細断長さであってもよい。補強性繊維は、約2.0cm以下、約1.5cm以下、又は更には約1.0cm以下の細断長さであってもよい。適したグラスファイバーの例には、ジュシUSA(Jushi USA)社(サウスカロライナ州コロンビア)から商業的に入手可能な細断ストランドがあるだろう。
【0077】
補強性繊維は、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約0.01重量%から約15重量%の量で存在してもよい。補強性繊維は、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約1重量%から約10重量%の量で存在してもよい。補強性繊維は、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約3重量%の量で存在してもよい。
【0078】
二部系は疎水性シリカを含んでもよい。疎水性シリカは、粘度を制御するように(例えば、増粘化)、チキソトロピーを制御するように、疎水性を高めるように、又はそれらの組合せを達成するように機能することができるだろう。疎水性シリカはヒュームドシリカであってもよい。疎水性シリカは表面処理されていてもよい。例えば、疎水性シリカは、ポリジメチルシロキサン(これ以降は「PDMS」)又はヘキサメチルジシラザン(これ以降は「HMDZ」)で表面処理されたヒュームドシリカであってもよい。疎水性シリカは、A側の、B側の、又はそれら両方の部分として存在してもよい。適した疎水性シリカの例には、エボニック・コーポレイション(Evonik Corporation)社(ニュージャージー州パルシパニ)から商業的に入手可能なAEROSIL(登録商標)R202の商標名で販売されているものやキャボット・コーポレイション(Cabot Corporation)社(マサチューセッツ州ボストン)から商業的に入手可能なCABO-SIL(登録商標)TS-530及びTS-720の商標名で販売されているものがあるだろう。
【0079】
疎水性シリカは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約0.25重量%から約15重量%の量で存在してもよい。疎水性シリカは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約0.1重量%から約4重量%の量で存在してもよい。疎水性シリカは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約1重量%から約3重量%の量で存在してもよい。疎水性シリカは、A側の約1重量%の量で存在してもよい。疎水性シリカは、B側の約1重量%から約3重量%の量で存在してもよい。A側の疎水性シリカ対B側の疎水性シリカの比は、約1:3から約3:1であってもよい。A側の疎水性シリカ対B側の疎水性シリカの比は、約1:2から約2:1であってもよい。
【0080】
二部系は板状アルミナを含んでもよい。板状アルミナは、硬度、耐熱的衝撃性、耐機械的衝撃性、高い熱容量、高い電気抵抗、又はそれらの任意の組合せを反応生成物へ付与するように機能することができるだろう。板状アルミナは、A側に、B側に、又はそれら両方に存在してもよい。板状アルミナは、そのコランダム形態(即ち、結晶性酸化アルミニウム)に変換され焼結されたαアルミナであってもよく、等級づけられた顆粒又は粉体として提供されていてもよい。板状アルミナは、約44ミクロンから約4760ミクロンまで等級づけ(即ち、サイズにより分別)されていてもよい。板状アルミナは、約44ミクロンへ等級づけられていてもよい。
【0081】
板状アルミナは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約3重量%から約15重量%の量で存在してもよい。板状アルミナは、A側の、B側の、又はA側とB側の両方の組合せの、約4重量%から約12重量%の量で存在してもよい。板状アルミナは、A側の約5重量%の量で存在してもよい。板状アルミナは、A側の約10重量%の量で存在してもよい。
【0082】
二部系は、組成物の1つ又はそれ以上の様々な特性を改善するための1つ又はそれ以上の機能性添加剤を含んでもよい。適した機能性添加剤の例として、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、カップリング剤、硬化剤、難燃剤、発泡剤、熱安定剤、耐衝撃性改良剤、潤滑剤、可塑剤、防腐剤、処理助剤、及び安定剤など、及びそれらの任意の組合せを挙げることができる。
【0083】
二部系を工作物上に分注する際に二部系が分注ビードに隣接する区域へ不要に流れ込むのを防止するために、又は二部系を分注する際に分注ビードに隣接する区域への流れ込みを制御する(即ち、所望量の流れを許容する)ために、A側の、B側の、又はそれら両方の粘度は23℃にて十分に高くてよい。不要な流れを防ぐか又は流れを制御するために必要なA側の、B側の、又はそれら両方の粘度は、分注ビードの大きさに依存し得る。例えば、分注される二部系のビードが厚いほど、意図しない流れを妨ぐか又は流れを制御するのに必要な粘度は高くなる。23℃でのA側の粘度は、約20,000cPから約50,000cP、又は更には約35,000cPから約45,000cPであってもよい。23℃でのA側及びB側の粘度は、約250,000cPから約400,000cPであってもよい。10℃でのA側の粘度は、約280,000cPから約350,000cP、又は更には約300,000cPから約325,000cPであってもよい。23℃でのB側の粘度は、約20,000cPから約50,000cP、又は更には約35,000cPから約45,000cPであってもよい。10℃でのB側の粘度は、約130,000cPから約220,000cP、又は更には約175,000cPから約195,000cPであってもよい。
【0084】
二部系は、A側とB側を混合した際に、二部系の元の体積の約10%より多く、約50%より多く、約100%より多く、約300%より少なく、約200%より少なく、又は約150%より少なく発泡し得る。二部系は、二部系の元の体積の約50%から約100%膨張し得る。
【0085】
二部系は、硬化剤(即ち、典型的な硬化剤)、硬化促進剤、又はそれら両方を不含であってもよい。典型的な硬化剤としては、ルイス塩基(即ち、アニオン触媒)、ルイス酸(即ち、カチオン触媒)、UV触媒、アミン類、無水物、フェノール類、チオール類、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。前述の硬化剤の代わりに、二部系は、リン酸エステルとエポキシド基、ヒドロキシ基、又はそれら両方との間の、リン酸によって触媒される重合化反応で硬化することができる。二部系は、リン酸エステルと炭酸カルシウムの化学的相互作用によって硬化されもするし、膨張させられもする。本開示の硬化及び膨張系を利用すれば、全体としての成分(即ち、硬化剤、硬化促進剤、及び発泡剤)の数を減らすことによって調合の複雑さを軽減できることが判明したが、とはいえ所望の膨張と硬化時間の実現には最適化するための手腕が問われる。
【0086】
本教示の1つの非限定的な実施形態では、二部系は、A側(「第1の成分」)中に、次のもの、即ち:1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂、1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上の強化剤(例えば、コアシェルポリマー)、補強性繊維(例えば、アラミド繊維)、中微細炭酸カルシウム、微細炭酸カルシウム、超微細炭酸カルシウム、疎水性シリカ、鉱物(例えば、ウォラストナイト)、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せ、のうちの1つ又はそれ以上を含んでもよい。二部系は、B側(「第2の成分」)中に、次のもの、即ち:第1のリン酸エステル、第2のリン酸エステル、第3のリン酸エステル、界面活性剤、モノマー、鉱物(例えば、ウォラストナイト)、疎水性シリカ、リン酸、又はそれらの組合せ、のうちの1つ又はそれ以上を含んでもよい。
【0087】
二部系は、1:6から6:1のA側対B側比で一体に混合されてもよい。二部系は、1:4から4:1のA側対B側比で一体に混合されてもよい。二部系は1:1のA側対B側比で一体に混合されてもよい。二部系は4:1のA側対B側比で一体に混合されてもよい。
【0088】
本教示による非限定的な例としての調合範囲が下表1に提供されている。
【表1】
【0089】
本教示による調合物の追加の実施例(「I.E.」)が下表2及び下表3に提供されている。量は重量%として表されている。
【0090】
【0091】
【0092】
表4及び表5は、表2による調合物の周囲温度での技術データを提供している。圧縮弾性率は、サンプルに加えられる圧縮応力(単位面積あたりの力)と結果として生じる圧縮(変形)の関数であるとしてもよい。したがって、より高い圧縮弾性率が望ましい。密度対圧縮弾性率の比として観たときに、より低い比は全体的により強固な反応生成物のマトリックスを示唆し得る。25.4mm立方体を使用し、ASTM D1621にしたがって圧縮特性が判定された。試験サンプルは立方体の寸法の50%まで圧縮された。クロスヘッド運動速度は12.7mm/分で一定に保たれた。
【0093】
【0094】
【表5】
1)発熱のピーク温度は空洞の形状及び体積に依存する
2)1インチ(2.54cm)立方体として用意された立方体サンプルを12.5mm/分の速度で圧縮して行われた圧縮試験に基づく
3)0.75mmのボンドライン、25.4mmのオーバーラップ、試験速度10mm/分
【0095】
二部系は、並列型カートリッジ、ペール、及びドラムとして提供されてもよい。二部系は工作物への適用前に混合されることができる。二部系は、工作物への分注前に二部系を混合できる任意の適した分注器を介して工作物へ適用されることができる。例えば、二部系は、本明細書に記載されている様に適した混合比を有する混合硬化性組成物を送達するように構成されている静止型混合器を介して工作物上へ分注されてもよい。
【0096】
結果として得られる反応生成物は、多くの基材への優れた接着性を速い硬化時間と共に提供する。結果として得られる反応生成物は、ガラス、金属、ポリマー(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性又は熱硬化可能樹脂、又はエラストマー)又はそれらの任意の組合せへの優れた接着性を提供することができるだろう。特に、反応生成物は熱可塑性樹脂に対し発泡型の熱硬化性樹脂代替物に比べて優れた接着性を提供する。
【0097】
二部系は運輸用途で利用することができる。二部系は自動車用途で利用することができる。二部系は、限定するわけではないが車両の内装、車両の外装、商用車両、建築構造などを含む用途で利用することができる。系は、各種産業の製造オペレーションの様な多様な用途に利用することができ、また様々な建設目的のために利用することができる。
【0098】
本教示は、A側(即ち、第1の成分)とB側(即ち、第2の成分)を含む二部系を提供する工程を備え得る方法を提供している。A側は1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂を含み、B側は1つ又はそれ以上のリン酸エステル及び随意的にはリン酸を含んでいる。A側とB側は混合されて硬化性組成物を形成することができる。方法は、硬化性組成物を50℃未満の温度で硬化させ、それによって反応生成物を形成する工程を含んでもよい。方法は、第1の成分と第2の成分を混合して反応プロドを形成する工程を備えてもよい。方法は、第1の成分と第2の成分の反応生成物が50℃未満の温度で硬化する工程を備えてもよい。方法は、1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂、炭酸カルシウム、又はそれら両方を含むA側と共に採用されてもよい。方法は、1つ又はそれ以上のリン酸エステル、リン酸、又はそれら両方を含むB側と共に採用されてもよい。方法は、1つ又はそれ以上の添加剤を有するA側、B側、又はそれら両方と共に採用されてもよい。
【0099】
本明細書の教示の使用は、難燃性を実証するための要件のうちの1つ又はそれ以上を満たす(例えば14C.F.R.の25.853及び14C.F.R.の25.856(客室内装についての米国運輸省連邦規則集、限定するわけではないが14C.F.R.の25.853(a)並びに参照補遺F及びその中で参照される手続きを含む)に示されている垂直燃焼及び/又は煙密度要件(又は何か他の要件)を満たす)のに十分な難燃性を呈する材料をもたらすことができ、上記規則集条項は何れも参照によりあらゆる目的で援用される。
【0100】
本明細書での使用に際し、別段の言及のない限り、教示は、属(リスト)の何れかの員が属から除外されること及び/又はマーカッシュグルーピングの何れかの員がグルーピングから除外されることもあり得るものと想定している。
【0101】
別段の言及のない限り、本明細書に記載されている何れかの数的値は、何れかの下位値と何れかの上位値との間に少なくとも2単位の隔たりがあることを前提に、下位値から上位値までのすべての値を1単位の増分で含む。一例として、成分の量、特性、又はプロセス変数の値、例えば温度、圧力、時間などが、例えば1から90、好ましくは20から80、より好ましくは30から70であると述べられている場合、中間範囲の値(例えば15から85、22から68、43から51、30から32など)は本明細書の教示の範囲内にあるものとする。同様に、個々の中間値も本教示の範囲内である。1未満の値については、1単位は、それ相応に0.0001、0.001、0.01、又は0.1であるものと考えられる。これらは、何が具体的に意図されているかの一例にすぎず、列挙されている最も低い値と最も高い値との間の数的値のすべての実施可能な組合せが、同様のやり方で、本出願内で明示的に述べられているものと見なされる。見て分かる様に、本明細書での「重量部」として表されている量の教示は更に、同じ範囲が重量%の用語で表されることも企図している。従って、「結果として得られる組成物の少なくとも「x」重量部」という用語での範囲的な表現はまた、同じ記載された量「x」について、結果として得られる組成物の重量%での範囲の教示も企図している。
【0102】
別段の言及のない限り、すべての範囲は、両方の終点及び終点間のすべての数を含む。範囲に関連しての「約」又は「近似的」の使用は範囲の両端へ適用される。従って、「約20から30」は、少なくとも指定された終点を含めて「約20から約30」をカバーすることを意図している。別段の言及のない限り、数的量と組み合わされた「約」又は「近似的」という用語を用いた教示は、記載された量の教示も当該の記載された量の近似値の教示同様に網羅する。一例として、「約100」という教示は「100」という教示を網羅する。
【0103】
特許出願及び特許公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により援用される。組合せを記述するための「本質的に○○から成る」という用語は、識別されている要素、原料、成分、又は工程、並びに組合せの基本的で新規性のある特性に実質的に影響を及ぼさないその様な他の要素、原料、成分、又は工程を含むものとする。本明細書での、要素、原料、成分、又は工程の組合せを記述するための「○○を備える」又は「○○を含む」という用語の使用は、当該の要素、原料、成分、又は工程から成る又は本質的に成る実施形態も想定している。
【0104】
複数の要素、原料、成分、又は工程は、単一の一体化された要素、原料、成分、又は工程によって提供されることもできる。代替的に、単一の一体化された要素、原料、成分、又は工程が、別々の複数の要素、原料、成分、又は工程へ分割されることもあり得る。要素、原料、成分、又工程を記述するための原文の「a」又は「one」の対訳である「或る」又は「1つの」という開示は、追加の要素、原料、成分、又は工程を排除することを意図していない。
【0105】
以上の記述は説明を目的としており制限を課そうとするものではないことが理解される。当業者には、上記説明が読まれ次第、提供されている実施例の他にも多くの実施形態並びに多くの適用が明らかとなろう。従って、本発明の範囲は、上記説明を参照して確定されるべきではなく、代わりに、付随の特許請求の範囲並びにその様な特許請求の範囲が権利を有する等価物の完全な範囲を参照して確定されるべきである。特許出願及び特許公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により援用される。付随の特許請求の範囲での、本明細書に開示されている主題の何れかの態様の省略は、その様な主題の放棄でもなければ、本発明者らがその様な主題を開示されている発明の主題の一部だと考えなかったと解釈されてもならない。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二部系であって、
a)1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能化樹脂であって、1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂、1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組合せを含む前記1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能化樹脂を含む第1の成分と、
b)1つ又はそれ以上のリン酸エステルであって、カシューナッツ殻液から誘導されたリン酸エステル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステル、又はそれら両方を含む前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルを含む第2の成分と、を備え、
前記第1の成分と前記第2の成分は室温にて液体であり、前記第1の成分を前記第2の成分と室温にて混合した際に固体である組成物が形成される、二部系。
【請求項2】
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、フェニルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルを更に含む、請求項1に記載の二部系。
【請求項3】
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、エポキシ化パラ-ターシャリブチルフェノールから誘導されたリン酸エステルを更に含む、請求項1又は2に記載の二部系。
【請求項4】
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、ノニルフェノールエトキシル化リン酸エステルを更に含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項5】
0.1重量%から40重量%の量で存在する炭酸カルシウム、を含んでいる請求項1に記載の二部系。
【請求項6】
超微細炭酸カルシウム、微細炭酸カルシウム、中微細炭酸カルシウム、又はそれらの任意の組合せ、を含んでいる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項7】
前記第1の成分は、0.1重量%から10重量%の量の微細炭酸カルシウムと、0.1重量%から30重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項8】
前記第1の成分は、0.1重量%から10重量%の量の超微細炭酸カルシウムと、0.1重量%から20重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項9】
エピクロロヒドリンとビスフェノールAの反応生成物;エピクロロヒドリンとビスフェノールFの反応生成物;又はそれら両方を含む1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、を更に含んでいる請求項1乃至8のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項10】
1-クロロ-2,3-エポキシプロパン及びフェノールとのホルムアルデヒドオリゴマー反応生成物;ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-コ-ホルムアルデヒド];又はそれら両方を含む1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、を更に含んでいる請求項1乃至9のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項11】
2から3の官能性を有する1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、3から4の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂、又はそれら両方を更に含んでいる請求項1乃至10のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項12】
前記1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、エポキシ化ソルビトールを含んでいる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項13】
4重量%から60重量%の量で存在する1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、を更に含んでいる請求項1乃至12のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項14】
前記1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、0.1重量%から50重量%の量で存在する、請求項10又は11に記載の二部系。
【請求項15】
前記1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、0.1重量%から40重量%の量で存在する、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項16】
前記1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、0.1重量%から12重量%の量で存在する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項17】
前記1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂は、1重量%から25重量%の量で存在する、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の二部系。
【請求項18】
前記二部系は、硬化剤、潜伏性硬化促進剤、又はそれら両方を不含である、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の二部系。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
次に、本願発明の実施の形態の例を示す。
[形態1]
二部系であって、
a)1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能化樹脂を含む第1の成分と、
b)1つ又はそれ以上のリン酸エステルを含む第2の成分と、を備え、
前記第1の成分と前記第2の成分は室温にて液体であり、前記第1の成分を前記第2の成分と室温にて混合した際に固体である組成物が形成される、二部系。
[形態2]
前記第1の成分と前記第2の成分を混合した際に、前記組成物は約0℃から約50℃の温度にて硬化する、形態1に記載の系。
[形態3]
前記第1の成分と前記第2の成分を混合した際に、前記組成物は0%から500%の体積膨張をきたす、形態1又は形態2に記載の系。
[形態4]
前記第2の成分は、前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルのうちの少なくとも2つ又は更には少なくとも3つを含んでいる、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態5]
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、カシューナッツ殻液(CNSL)から誘導されたリン酸エステルを含む、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態6]
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルを含む、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態7]
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、フェニルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルを含む、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態8]
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、エポキシ化パラ-ターシャリブチルフェノールから誘導されたリン酸エステルを含む、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態9]
前記1つ又はそれ以上のリン酸エステルは、ノニルフェノールエトキシル化リン酸エステルを含む、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態10]
前記第1の成分は1つ又はそれ以上の添加剤を含んでいる、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態11]
前記1つ又はそれ以上の添加剤は、コアシェルポリマー、炭酸カルシウム、鉱物、補強性繊維、疎水性シリカ、モノマー、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せ、のうちの1つ又はそれ以上を含む、形態10に記載の二部系。
[形態12]
約0.1重量%から約40重量%の量で存在する炭酸カルシウム、を含んでいる形態10に記載の二部系。
[形態13]
超微細炭酸カルシウム、微細炭酸カルシウム、中微細炭酸カルシウム、又はそれらの任意の組合せ、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態14]
前記第1の成分は、約0.1重量%から約10重量%の量の微細炭酸カルシウムと、約0.1重量%から約30重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態15]
前記第1の成分は、約0.1重量%から約10重量%の量の超微細炭酸カルシウムと、約0.1重量%から約20重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、形態1から形態13の何れか一項に記載の二部系。
[形態16]
前記第2の成分は1つ又はそれ以上の添加剤を含んでいる、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態17]
前記第2の成分の前記1つ又はそれ以上の添加剤は、板状アルミナ、補強性繊維、疎水性シリカ、鉱物、モノマー、リン酸、又はそれらの任意の組合せ、のうちの1つ又はそれ以上を含む、形態16に記載の二部系。
[形態18]
前記1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能化樹脂は、1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂、1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組合せを含む、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態19]
エピクロロヒドリンとビスフェノールAの反応生成物;エピクロロヒドリンとビスフェノールFの反応生成物;又はそれら両方を含む1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態20]
1-クロロ-2,3-エポキシプロパン及びフェノールとのホルムアルデヒドオリゴマー反応生成物;ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-コ-ホルムアルデヒド];又はそれら両方を含む1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態21]
約2から約3の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;約3から約4の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;又はそれら両方を含む1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態22]
エポキシ化ソルビトールを含む1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態23]
約4重量%から約60重量%の量で存在する1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態24]
約0.1重量%から約50重量%の量で存在する1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態25]
約0.1重量%から約40重量%の量で存在する1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態26]
約0.1重量%から約12重量%の量で存在する1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態27]
約1重量%から約25重量%の量で存在する1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂、を含んでいる上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態28]
前記組成物は約10℃から約50℃の温度にて硬化する、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態29]
前記組成物は約15℃から約25℃の温度にて硬化する、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態30]
前記組成物は約1分から約30分の硬化時間を有する、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態31]
前記組成物は約7分から約10分の硬化時間を有する、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態32]
前記組成物は約10%から約500%の体積膨張をきたす、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態33]
前記組成物は約50%から約100%の体積膨張をきたす、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態34]
前記組成物は望ましい組立体上に分注される、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態35]
前記組成物は空洞充填コンパウンドである、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態36]
前記二部系は、硬化剤、潜伏性硬化促進剤、又はそれら両方を実質的に不含である、上記形態の何れか一項に記載の二部系。
[形態37]
二部系であって、当該二部系は、
a)1つ又はそれ以上の第1成分添加剤、及び少なくとも3つのエポキシ樹脂又はエポキシ官能性樹脂であって、1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂;1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂;1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂;1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂;1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂;又はそれらの任意の組合せから選択された少なくとも3つのエポキシ樹脂又はエポキシ官能性樹脂、を含む第1の成分と、
b)第2の成分であって、
i)第1のリン酸エステル、
ii)第2のリン酸エステル、
iii)随意的な第3のリン酸エステル、及び、
iv)1つ又はそれ以上の第2成分添加剤、を含む第2の成分と、を備え、
前記第1の成分と前記第2の成分を混合して組成物を形成した際、前記組成物は約0℃から約50℃の温度にて硬化する、二部系。
[形態38]
前記第1のリン酸エステルは、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルから誘導されたリン酸エステルである、形態37に記載の二部系。
[形態39]
前記第2のリン酸エステルは、カシューナッツ殻液(CNSL)から誘導されたリン酸エステル、エポキシ化パラ-ターシャリブチルフェノールから誘導されたリン酸エステル、ノニルフェノールエトキシル化リン酸エステル、又はそれらの組合せである、形態37又は形態38に記載の二部系。
[形態40]
フェニルグリシジルエーテルから誘導された前記第3のリン酸エステル、を含んでいる形態37から形態39の何れか一項に記載の二部系。
[形態41]
前記1つ又はそれ以上の第1成分添加剤は、コアシェルポリマー、炭酸カルシウム、鉱物、モノマー、補強性繊維、疎水性シリカ、板状アルミナ、又はそれらの任意の組合せを含む、形態37から形態40の何れか一項に記載の二部系。
[形態42]
前記炭酸カルシウムは、超微細炭酸カルシウム、微細炭酸カルシウム、中微細炭酸カルシウム、又はそれらの任意の組合せを含む、形態41に記載に二部系。
[形態43]
前記第1の成分は、約0.1重量%から約10重量%の量の微細炭酸カルシウムと、約0.1重量%から約10重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、形態37から形態42の何れか一項に記載の二部系。
[形態44]
前記第1の成分は、約0.1重量%から約10重量%の量の超微細炭酸カルシウムと、約0.1重量%から約10重量%の量の中微細炭酸カルシウムと、を含んでいる、形態37から形態43の何れか一項に記載の二部系。
[形態45]
前記1つ又はそれ以上の第2成分添加剤は、板状アルミナ、補強性繊維、疎水性シリカ、鉱物、モノマー、リン酸、又はそれらの任意の組合せを含む、形態37から形態44の何れか一項に記載の二部系。
[形態46]
前記1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAの反応生成物;エピクロロヒドリンとビスフェノールFの反応生成物;又はそれら両方を含む、形態37から形態45の何れか一項に記載の二部系。
[形態47]
前記1つ又はそれ以上の液体エポキシ樹脂は、約4重量%から約15重量%の量で存在している、形態37から形態46の何れか一項に記載の二部系。
[形態48]
前記1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、1-クロロ-2,3-エポキシプロパン及びフェノールとのホルムアルデヒドオリゴマー反応生成物;ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-コ-ホルムアルデヒド];又はそれら両方を含む、形態37から形態47の何れか一項に記載の二部系。
[形態49]
前記1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、約2から約3の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;約3から約4の官能性を有するエポキシフェノールノボラック樹脂;又はそれら両方を含む、形態37から形態48の何れか一項に記載の二部系。
[形態50]
前記1つ又はそれ以上のエポキシフェノールノボラック樹脂は、約0.1重量%から約50重量%の量で存在している、形態37から形態49の何れか一項に記載の二部系。
[形態51]
前記1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂はエポキシ化ソルビトールを含む、形態37から形態50の何れか一項に記載の二部系。
[形態52]
前記1つ又はそれ以上の脂肪族多官能性エポキシ樹脂は、約10重量%から約22重量%の量で存在している、形態37から形態51の何れか一項に記載の二部系。
[形態53]
前記1つ又はそれ以上のフェノキシ樹脂は、約7重量%から約12重量%の量で存在している、形態37から形態52の何れか一項に記載の二部系。
[形態54]
前記1つ又はそれ以上のシラン変性エポキシ樹脂は、約2重量%から約6重量%の量で存在している、形態37から形態53の何れか一項に記載の二部系。
[形態55]
前記組成物は約10℃から約40℃の温度にて硬化する、形態37から形態54の何れか一項に記載の二部系。
[形態56]
前記組成物は約15℃から約25℃の温度にて硬化する、形態37から形態55の何れか一項に記載の二部系。
[形態57]
前記組成物は約5分から約15分の硬化時間を有する、形態37から形態56の何れか一項に記載の二部系。
[形態58]
前記組成物は約7分から約10分の硬化時間を有する、形態37から形態57の何れか一項に記載の二部系。
[形態59]
前記組成物は約10%から約200%の体積膨張をきたす、形態37から形態58の何れか一項に記載の二部系。
[形態60]
前記組成物は約50%から約100%の体積膨張をきたす、形態37から形態59の何れか一項に記載の二部系。
[形態61]
前記組成物は望ましい組立体上に分注される、形態37から形態60の何れか一項に記載の二部系。
[形態63]
前記組成物は空洞充填コンパウンドである、形態37から形態61の何れか一項に記載の二部系。
[形態64]
前記二部系は、硬化剤、潜伏性硬化促進剤、又はそれら両方を実質的に不含である、形態37から形態62の何れか一項に記載の二部系。
[形態65]
方法であって、当該方法は、
a)二部系を提供する工程であって、前記二部系は第1の成分と第2の成分を含み、前記第1の成分は1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂又はエポキシ官能性樹脂を含み、前記第2の成分は1つ又はそれ以上のリン酸エステルを含む、二部系を提供する工程と、
b)前記第1の成分と前記第2の成分を混合して組成物を形成する工程と、を備え、
前記組成物は約0℃から約50℃の温度にて硬化する、方法。
[形態66]
前記第2の成分は少なくとも2つ又は少なくとも3つの異なるリン酸エステルを含んでいる、形態65に記載の方法。
[形態67]
前記第1の成分は1つ又はそれ以上の第1成分添加剤を含んでいる、形態65又は形態66に記載の方法。
[形態68]
前記第2の成分は1つ又はそれ以上の第2成分添加剤を含んでいる、形態65から形態67の何れか一項に記載の方法。
[形態69]
前記1つ又はそれ以上の第1成分添加剤は炭酸カルシウムを含む、形態67に記載の方法。
[形態70]
約10℃から約40℃の温度にて前記組成物を硬化させる工程、を含んでいる形態65から形態69の何れか一項に記載の方法。
[形態71]
約15℃から約25℃の温度にて前記硬化性組成物を硬化させる工程、を含んでいる形態65から形態69の何れか一項に記載の方法。
[形態72]
約5分から約15分内に硬化を完了するように前記組成物を硬化させる工程、を含んでいる形態65から形態71の何れか一項に記載の方法。
[形態73]
約7分から約10分内に硬化を完了するように前記組成物を硬化させる工程、を含んでいる形態65から形態71の何れか一項に記載の方法。
[形態74]
前記組成物を約10%から約200%の体積膨張へ膨張させる工程、を含んでいる形態65から形態73の何れか一項に記載の方法。
[形態75]
前記組成物を少なくとも約50%から約100%の体積膨張へ膨張させる工程、を含んでいる形態65から形態73の何れか一項に記載の方法。
[形態76]
前記硬化性組成物を望ましい組立体上へ分注する工程、を含んでいる形態65から形態75の何れか一項に記載の方法。
[形態77]
前記組成物は空洞充填コンパウンドである、形態65から形態76の何れか一項に記載の方法。
[形態78]
硬化剤、硬化促進剤、又はそれら両方を実質的に不含とする組成物を形成する工程、を含んでいる請求項65から請求項77の何れか一項に記載の方法。
以上の記述は説明を目的としており制限を課そうとするものではないことが理解される。当業者には、上記説明が読まれ次第、提供されている実施例の他にも多くの実施形態並びに多くの適用が明らかとなろう。従って、本発明の範囲は、上記説明を参照して確定されるべきではなく、代わりに、付随の特許請求の範囲並びにその様な特許請求の範囲が権利を有する等価物の完全な範囲を参照して確定されるべきである。特許出願及び特許公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により援用される。付随の特許請求の範囲での、本明細書に開示されている主題の何れかの態様の省略は、その様な主題の放棄でもなければ、本発明者らがその様な主題を開示されている発明の主題の一部だと考えなかったと解釈されてもならない。
【外国語明細書】