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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009919
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】導光板および画像表示方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230113BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20230113BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230113BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20230113BHJP
【FI】
F21S2/00 433
G09F13/18 N
G09F13/18 K
F21Y115:10
F21Y113:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113586
(22)【出願日】2021-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】391034765
【氏名又は名称】中井銘鈑株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】中井 誠治
(72)【発明者】
【氏名】平子 理奈
【テーマコード(参考)】
3K244
5C096
【Fターム(参考)】
3K244AA09
3K244BA04
3K244BA27
3K244BA48
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA17
3K244EA02
3K244EA12
3K244EA22
3K244EC19
3K244EC27
5C096AA01
5C096BA02
5C096BA04
5C096CA02
5C096CA16
5C096CA22
5C096CA32
5C096CA33
5C096CB02
5C096CC06
5C096CD02
5C096CD23
5C096CD28
5C096CD33
5C096FA01
5C096FA02
5C096FA04
5C096FA05
5C096FA09
(57)【要約】
【課題】残像に頼ることなく、フィールドシーケンシャルによる駆動装置が不要で、しかも、複数の光の色により高い表現性を備えた表示画像を得ることができる導光板および画像表示方法の提供を目的とする。
【解決手段】表示画像50,60の表示色を構成する光の色に対応して分離形成された複数の導光層11,12,13を備え、これら複数の導光層11,12,13を重合して積層構造が形成され、上記各導光層11,12,13の外表面には、上記表示画像50,60の表示色を上記光の色に対応して分離した光出射部21,22,23が設けられたことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画像の表示色を構成する光の色に対応して分離形成された複数の導光層を備え、
これら複数の導光層を重合して積層構造が形成され、
上記各導光層の外表面には、上記表示画像の表示色を上記光の色に対応して分離した光出射部が設けられた
導光板。
【請求項2】
上記複数の導光層は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層と、緑色導光層と、青色導光層とのうちの少なくとも2層を備えた
請求項1に記載の導光板。
【請求項3】
上記複数の導光層は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層と、緑色導光層と、青色導光層との3層を備えた
請求項1に記載の導光板。
【請求項4】
上記光出射部は凸状または凹凸状に形成された
請求項1~3の何れか一項に記載の導光板。
【請求項5】
上記光出射部は透明印刷インクにより凸状または凹凸状に形成された
請求項4に記載の導光板。
【請求項6】
上記表示画像の発光色密度が高い部位に対応して上記光出射部の形成密度を大とし、
上記表示画像の発光色密度が低い部位に対応して上記光出射部の形成密度を小と成した
請求項1~5の何れか一項に記載の導光板。
【請求項7】
表示画像の表示色を構成する光の色に対応して分離形成された複数の導光層を備え、
これら複数の導光層を重合して積層構造が形成され、
上記各導光層の外表面には、上記表示画像の表示色を上記光の色に対応して分離形成した光出射部が設けられ、
上記各層の光出射部から出射される光により表示画像を形成する
画像表示方法。
【請求項8】
上記複数の導光層は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層と、緑色導光層と、青色導光層とのうちの少なくとも2層を有し、
上記各層の光出射部から出射される光により表示画像を形成する
請求項7に記載の画像表示方法。
【請求項9】
上記複数の導光層は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層と、緑色導光層と、青色導光層との3層を有し、
上記各層の光出射部から出射される光により表示画像を形成する
請求項7に記載の画像表示方法。
【請求項10】
上記表示画像の発光色密度の高低に対応して、上記光出射部の形成密度を大小に設定し、
上記各層の光出射部の密度により上記表示画像の発光色密度を異ならせる
請求項7~9の何れか一項に記載の画像表示方法。
【請求項11】
上記赤色導光層と、上記緑色導光層と、上記青色導光層との対応部位にそれぞれ上記光出射部を形成し、これら各導光層に導光される光を上記各光出射部から出射して表示画像の白色を形成する
請求項9に記載の画像表示方法。
【請求項12】
上記複数の各導光層の対応部位には、上記光出射部が存在しない無光部が形成され、
該無光部により表示画像の黒色を形成する
請求項7~9の何れか一項に記載の画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LEDを光源として導光層の表面に画像を表示する導光板および画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述例の導光板としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
すなわち、該特許文献1に開示されたものは、単一層の導光層の端部に赤色LED、緑色LED、青色LEDをそれぞれ配置すると共に、導光層を赤色表示エリアと緑色表示エリアと青色表示エリアとに分けている。
【0003】
そして、導光層表面に画像を表示する際には、最初の一定時間は赤色LEDの点灯により赤色表示エリアのみを表示し、次の一定時間は緑色LEDの点灯により緑色表示エリアのみを表示し、さらに次の一定時間は青色LEDの点灯により青色表示エリアのみを表示する。
【0004】
このような赤、緑、青の画像を時間的に順次表示し、肉眼の残像を利用して一つのカラー画像として認識させるものであるが、この従来構造においては、2msec以下のタイムラグで赤色LED、緑色LED、青色LEDを点灯・切換えするフィールドシーケンシャルによる駆動装置が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014―26198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、残像に頼ることなく、フィールドシーケンシャルによる駆動装置が不要で、しかも、複数の光の色により高い表現性を備えた表示画像を得ることができる導光板および画像表示方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による導光板は、表示画像の表示色を構成する光の色に対応して分離形成された複数の導光層を備え、これら複数の導光層を重合して積層構造が形成され、上記各導光層の外表面には、上記表示画像の表示色を上記光の色に対応して分離した光出射部が設けられたものである。
【0008】
上記構成によれば、表示画像の表示色を構成する光の色に対応して導光層を複数層に分離形成しているので、単独の導光層の光出射部から出射される単独の光の色、または、複数の導光層の光出射部から出射される複数の光の色の組合せにより、表示画像の色彩表現を行なうことができる。
このように、複数の光の色により高い表現性を備えた表示画像を得ることができる。また、フィールドシーケンシャルによる駆動装置や複雑な制御も不要となる。
【0009】
この発明の一実施態様においては、上記複数の導光層は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層と、緑色導光層と、青色導光層とのうちの少なくとも2層を備えたものである。
【0010】
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、赤色導光層と緑色導光層との2層を採用した場合には、少なくとも赤色と、緑色と、黄色との各色の光を得ることができる。また、緑色導光層と青色導光層との2層を採用した場合には、少なくとも緑色と、青色と、水色との各色の光を得ることができる。さらに、青色導光層と赤色導光層との2層を採用した場合には、少なくとも、青色と、赤色と、赤紫色との各色の光を得ることができる。
このように、複数の光の色により高い表現性を備えた表示画像を確保することができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記複数の導光層は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層と、緑色導光層と、青色導光層との3層を備えたものである。
【0012】
上記構成によれば、単独の導光層の光出射部から出射される単独の光の色(赤、緑、青)、または、複数の導光層の光出射部から出射される複数の光の色の組合せにより、フルカラーの表示画像の色彩表現を行なうことができる。
このように、光の三原色により高度の表現性を備えたフルカラーの表示画像を得ることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記光出射部は凸状または凹凸状に形成されたものである。
上述の凹凸状は導光層表面をサンドブラスト(sand blast)加工により形成してもよい。また、上述の凸状または凹凸状は透明印刷インクにより形成してもよい。
上記構成によれば、上述の導光層を導波する光を、上記凸状または凹凸状の光出射部にて、画像を表示すべき方向に向けて適切に出射することができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記光出射部は透明印刷インクにより凸状または凹凸状に形成されたものである。
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、光出射部を仮に凹溝にて形成した場合には、非発光時に凹溝が白濁して見えるが、上記光出射部を透明印刷インクにより凸状または凹凸状に形成することで、上述の如き白濁を防止することができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記表示画像の発光色密度が高い部位に対応して上記光出射部の形成密度を大とし、上記表示画像の発光色密度が低い部位に対応して上記光出射部の形成密度を小と成したものである。
【0016】
上記構成によれば、表示画像の発光色密度の高低に対応して、光出射部の形成密度を大小に設定したので、表示画像の色密度に対応した表示が得られ、立体感のある表示画像を確保することができる。
【0017】
この発明による画像表示方法は、表示画像の表示色を構成する光の色に対応して分離形成された複数の導光層を備え、これら複数の導光層を重合して積層構造が形成され、上記各導光層の外表面には、上記表示画像の表示色を上記光の色に対応して分離形成した光出射部が設けられ、上記各層の光出射部から出射される光により表示画像を形成するものである。
【0018】
上記構成によれば、表示画像の表示色を構成する光の色に対応して導光層が複数層に分離されており、単独の導光層の光出射部から出射される単独の光の色、または、複数の導光層の光出射部から出射される複数の光の色の組合せにより表示画像を形成することができる。
これにより、複数の光の色により色彩表現を行なうことができ、表示画像の表現性向上を図ることができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記複数の導光層は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層と、緑色導光層と、青色導光層とのうちの少なくとも2層を有し、上記各層の光出射部から出射される光により表示画像を形成するものである。
【0020】
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、赤色導光層と緑色導光層との2層を採用した場合には、少なくとも、赤色と、緑色と、黄色との各色の光を得ることができる。また、緑色導光層と青色導光層との2層を採用した場合には、少なくとも、緑色と、青色と、水色との各色の光を得ることができる。さらに、青色導光層と赤色導光層との2層を採用した場合には、少なくとも、青色と、赤色と、赤紫色との各色の光を得ることができる。
このように、上記各層の光出射部から出射される単独光または複数の色の光の組合せにより、高い表現性を備えた表示画像を形成することができる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、上記複数の導光層は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層と、緑色導光層と、青色導光層との3層を有し、上記各層の光出射部から出射される光により表示画像を形成するものである。
【0022】
上記構成によれば、単独の導光層の光出射部から出射される単独の光の色(赤、緑、青)、または、複数の導光層の光出射部から出射される複数の光の色の組合せにより、フルカラーの表示画像を形成することができる。
これにより、光の三原色による高度の表現性を備えたフルカラーの表示画像を得ることができる。
【0023】
この発明の一実施態様においては、上記表示画像の発光色密度の高低に対応して、上記光出射部の形成密度を大小に設定し、上記各層の光出射部の密度により上記表示画像の発光色密度を異ならせるものである。
上記構成によれば、表示画像の発光色密度に対応した表示を行なうので、立体感のある表示画像を形成することができる。
【0024】
この発明の一実施態様においては、上記赤色導光層と、上記緑色導光層と、上記青色導光層との対応部位にそれぞれ上記光出射部を形成し、これら各導光層に導光される光を上記各光出射部から出射して表示画像の白色を形成するものである。
【0025】
上記構成によれば、赤色、緑色、青色の各導光層の対応部位にそれぞれ形成された光出射部から光を出射して白色光を形成するので、表示画像の表現性をさらに向上させることができる。
【0026】
この発明の一実施態様においては、上記複数の各導光層の対応部位には、上記光出射部が存在しない無光部が形成され、該無光部により表示画像の黒色を形成するものである。
上記構成によれば、上述の無光部により表示画像の黒色が形成されるので、表示画像の表現性のさらなる向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、残像に頼ることなく、フィールドシーケンシャルによる駆動装置が不要で、しかも、複数の光の色により高い表現性を備えた表示画像を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】導光板の基本的構成、並びに、導光板による画像表示の原理を示す説明図。
図2】(a)は形成密度を小と成した光出射部の断面図、(b)は形成密度を大と成した光出射部の断面図。
図3】形成密度を漸次変化させた状態の光出射部を示す断面図。
図4】(a)は3層構造の導光板を示す断面図、(b)は図4(a)で示す導光板を用いた画像表示方法により表示された表示画像の説明図。
図5】(a)は2層構造の導光板を示す断面図、(b)は図5(a)で示す導光板を用いた画像表示方法により表示された表示画像の説明図。
図6】導光板および画像表示方法の比較例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
残像に頼ることなく、フィールドシーケンシャルによる駆動装置が不要で、しかも、複数の光の色により高い表現性を備えた表示画像を得るという目的を、表示画像の表示色を構成する光の色に対応して分離形成された複数の導光層を備え、
これら複数の導光層を重合して積層構造が形成され、上記各導光層の外表面には、上記表示画像の表示色を上記光の色に対応して分離した光出射部が設けられるという構成にて実現した。
【実施例0030】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は導光板および画像表示方法を示し、図1は導光板の基本的構成、並びに、導光板による画像表示の原理を示す説明図、図2(a)は形成密度を小と成した光出射部の断面図、図2(b)は形成密度を大と成した光出射部の断面図、図3は形成密度を漸次変化させた状態の光出射部を示す断面図である。
また、図4(a)は3層構造の導光板を示す断面図、図4(b)は図4(a)で示す導光板を用いた画像表示方法により表示された表示画像の説明図である。
【0031】
まず、図1を参照して導光板10の基本的構成、並びに、導光板10による画像表示の原理について説明する。
表示画像50,60,70(図4図5参照)の表示色を構成する光の色に対応して分離形成された複数の導光層11,12,13を備え、これら複数の各導光層11,12,13を重合して積層構造の導光板10が形成されている(図1参照)。
【0032】
この実施例では、複数の導光層11,12,13は、光の三原色(赤、緑、青)に対応して分離形成された赤色導光層11と、緑色導光層12と、青色導光層13との3層を備えているが、必ずしも、赤色、緑色、青色の導光層11,12,13に限定されるものではなく、例えば、橙色(オレンジ色)などの他の光の色の導光層であってもよく、導光層の層数は2層以上であれば、必ずしも3層に限定されるものではない。
【0033】
表示画像の表示色が黄色である場合、この表示色(黄色)を構成する光の色は、赤色と緑色とに分離することができる。表示画像の表示色が赤紫色(いわゆるマゼンタ)である場合、この表示色(赤紫色)を構成する光の色は、赤色と青色とに分離することができる。表示画像の表示色が水色(いわゆるシアン)である場合、この表示色(水色)を構成する光の色は、緑色と青色とに分離することができる。さらに、表示画像の表示色が白色である場合、この表示色(白色)を構成する光の色は、赤色と緑色と青色とに分離することができる。
一方で、表示画像の表示色が赤色、緑色、青色である場合、この表示色(赤色、緑色、青色)を構成する光の色はそのまま赤色、緑色、青色とすることができる。
【0034】
図1に示すように、各導光層11,12,13の外表面には、1層単独で、または2層以上で、表示画像の表示色を出射すべく、上記光の色に対応して分離した特定位置に光出射部21,22,23が設けられている。
【0035】
詳しくは、表示画像の表示色が赤色である場合には、赤色導光層11にのみ光出射部21が設けられている。表示画像の表示色が緑色である場合には、緑色導光層12にのみ光出射部22が設けられている。表示画像の表示色が青色である場合には、青色導光層13にのみ光出射部23が設けられている。
【0036】
また、表示画像の表示色が黄色である場合には、各導光層11,12の対向位置に光出射部21,22がそれぞれ設けられている。表示画像の表示色が赤紫色である場合には、各導光層11,13の対向位置に光出射部21,23がそれぞれ設けられている。表示画像の表示色が水色である場合には、各導光層12,13の対向位置に光出射部22,23がそれぞれ設けられている。さらに、表示画像の表示色が白色である場合には合計3層の全ての導光層11,12,13の対向位置に光出射部21,22,23がそれぞれ設けられている。
【0037】
上記光出射部21,22,23が設けられる位置は、表示画像50,60,70(図4図5参照)の各色がカラー表示されるそれぞれの色別の表示エリアに対向する。
【0038】
一方、図1に示すように、全ての導光層11,12,13が対向する位置において何れの導光層11,12,13にも光出射部21,22,23が全く存在しない無光部24が形成されており、この無光部24により表示画像の黒色を形成するように構成している。
【0039】
上述の各導光層11,12,13は、それぞれ透明な合成樹脂により形成されている。この実施例では、上述の各導光層11,12,13は、同一形状の方形状に形成されているが、導光板10の使用場所に応じて任意の形状とすることができる。
【0040】
上述の合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリオレフィンやスチレンとアクリロニトリルとの共重合体、スチレンとブタジェンとの共重合体、スチレンとメチルメタクルレートとの共重合体などを用いることができる。
【0041】
図1に示すように、赤色導光層11の端部には少なくとも1つの赤色LED31を設けている。また、緑色導光層12の端部には少なくとも1つの緑色LED32を設けている。さらに、青色導光層13の端部には少なくとも1つの青色LED33を設けている。
【0042】
そして、上記各導光層11,12,13と、上記各光出射部21,22,23と、上記各LED31,32,33と、の各要素によりサイドライト型の表示装置30が構成されている。
【0043】
ここで、上述の赤色LED31としては、GaAs赤色発光ダイオードを用いることができ、緑色LED32としては、ZnCdSe緑色発光ダイオードを用いることができ、青色LED33としては、InGaN青色発光ダイオードを用いることができる。
図1に示すように、各LED31,32,33から発せられる光は、それぞれの導光層11,12,13内を導波し、光出射部21,22,23から外部に出射される。
【0044】
3層の導光層11,12,13が対向する位置において赤色導光層11にのみ光出射部21が設けられた位置においては、当該光出射部21から赤色の可視光40Rが出射され、表示画像の所定エリアが赤色となる。
【0045】
3層の導光層11,12,13が対向する位置において緑色導光層12にのみ光出射部22が設けられた位置においては、当該光出射部22から出射された緑色の可視光40Gが導光層11を透過するので、表示画像の所定エリアが緑色となる。
【0046】
3層の導光層11,12,13が対向する位置において青色導光層13にのみ光出射部23が設けられた位置においては、当該光出射部23から出射された青色の可視光40Bが各導光層12,11を透過するので、表示画像の所定エリアが青色となる。
【0047】
3層の導光層11,12,13が対向する位置において赤色導光層11と緑色導光層12とに光出射部21,22が設けられた位置においては、光出射部22からの緑色の可視光と、光出射部21からの赤色の可視光とが混ざって黄色の可視光40Yになるので、表示画像の所定エリアが黄色となる。
【0048】
3層の導光層11,12,13が対向する位置において赤色導光層11と青色導光層13とに光出射部21,23が設けられた位置においては、光出射部23からの青色の可視光と、光出射部21からの赤色の可視光とが混ざって赤紫色の可視光40Mになるので、表示画像の所定エリアが赤紫色となる。
【0049】
3層の導光層11,12,13が対向する位置において緑色導光層12と青色導光層13とに光出射部22,23が設けられた位置においては、光出射部23からの青色の可視光と、光出射部22からの緑色の可視光とが混ざって水色の可視光40Cになるので、表示画像の所定エリアが水色となる。
【0050】
3層の導光層11,12,13が対向する位置において全ての導光層11,12,13に光出射部21,22,23がそれぞれ設けられた位置においては、光出射部23からの青色の可視光と、光出射部22からの緑色の可視光と、光出射部21からの赤色の可視光とが混ざって白色の可視光40Wとなるので、表示画像の所定エリアが白色となる。
一方で、導光板10の無光部24と対向する表示画像の所定エリアは黒色となる。
【0051】
また、図示しないが、赤:緑:青の比率を百分率で、50%:25%:25%にすると茶色の可視光が得られるので、各光出射部21,22,23の密度等の特定により茶色の可視光を得ることができる。さらに 赤:緑:青の比率をその他の比率に設定すると、その他の色の可視光を得ることができる。
【0052】
このように、複数色の可視光により表示画像の色彩表現を行ない、複数の光の色により高い表現性を備えた表示画像を得るように構成したものである。すなわち、表示画像において表示すべき色が得られるように、導光層11,12,13の所定部位に光出射部21,22,23の少なくとも1つを形成することで、単独の可視光(赤色、緑色、青色の可視光参照)または複数の可視光の組合せにより(組合せにより、黄色、赤紫色、水色、白色その他の色となる)、表示画像を所期の色で表現することができる。
【0053】
図2に示すように、上述の光出射部21,22,23は凸状または凹凸状(この実施例では凸状)に形成されている。詳しくは、光出射部21,22,23は透明印刷インクにより凸状または凹凸状に形成されている。
【0054】
これにより、導光層11,12,13を導波する光を、上述の凸状または凹凸状の光出射部21,22,23にて、画像を表示すべき方向に向けて適切に出射することができる。この場合、上述の光出射部21,22,23が仮にサンドブラスト加工等により凹溝にて形成されると、LEDの非発光時に凹溝が白濁して見えるが、光出射部21,22,23は透明印刷インクにより凸状または凹凸状に形成されるので、斯る白濁を防止することができる。
【0055】
また、図2(b)に示すように、表示画像の発光色密度が高い部位に対応して光出射部21,22,23の形成密度を大とし、図2(a)に示すように、表示画像の発光色密度が低い部位に対応して光出射部21,22,23の形成密度を小と成している。
【0056】
このように、表示画像の発光色密度の高低に対応して、光出射部21,22,23の形成密度を大小に設定することで、表示画像の色密度に対応した画像表示が得られ、立体感のある表示画像を確保するように構成している。
図3に示すように、表示画像の発光色密度が漸次変化する部位に対応して、光出射部21,22,23の形成密度を漸次変化させている。
【0057】
図面では、図示左側から図示右側にかけて左右方向に光出射部21,22,23の形成密度を漸減させた構造を例示しているが、表示画像の発光色密度の変化方向に対応して、上下方向または斜め方向に直線状または曲線状に光出射部21,22,23の形成密度を漸次変化させるとよい。
これにより、表示画像の発光色密度の変化に対応した画像のグラデーション(gradation、段階的変化)表示が得られ、より一層立体感のある表示画像が得られる。
【0058】
図4(a)は3層構造の導光板10を示す断面図、図4(b)は図4(a)で示す導光板10を用いた画像表示方法により表示された表示画像50,60の説明図である。但し、図4(a)は図4(b)のA―A線断面位置における導光板10の構造を示している。なお、説明の便宜上、表示画像50としてリンゴを例示し、表示画像60として瓜を例示している。
【0059】
表示画像50は赤色表示エリア50Rと、黄色表示エリア50Yと、白色表示エリア50Wと、黒色表示エリア50BKと、を備えている。
また、表示画像60は、緑色表示エリア60Gと、黄色表示エリア60Yと、白色表示エリア60Wと、黒色表示エリア60BKと、を備えている。
【0060】
一方の表示画像50の赤色表示エリア50Rに対向して、赤色導光層11には光出射部21が形成されている。また、表示画像50の黄色表示エリア50Yに対向して、赤色導光層11と緑色導光層12との両者には、光出射部21,22が形成されている。さらに、表示画像50の白色表示エリア50Wに対向して、全ての導光層11,12,13には、光出射部21,22,23がそれぞれ形成されている。さらにまた、表示画像50の黒色表示エリア50BKに対向し各導光層11,12,13には無光部24が形成されている。
【0061】
他方の表示画像60の緑色表示エリア60Gに対向して、緑色導光層12には光出射部22がそれぞれ形成されている。また、表示画像60の黄色表示エリア60Yに対向して、赤色導光層11と緑色導光層12との両者には、光出射部21,22が形成されている。
【0062】
表示画像50,60の表示に際して各LED31,32,33を発光させると、赤色表示エリア50Rに対向して赤色導光層11にのみ光出射部21が設けられた位置においては、当該光出射部21から赤色の可視光が出射される。
【0063】
黄色表示エリア50Y,60Yに対向して赤色導光層11と緑色導光層12との両者に光出射部21,22が設けられた位置においては、光出射部22からの緑色の可視光と、光出射部21からの赤色の可視光とが出射され、これら可視光が混ざって黄色の可視光となる。
【0064】
白色表示エリア50Wに対向して全ての導光層11,12,13に光出射部21,22,23が設けられた位置においては、光出射部23から青色の可視光が出射され、光出射部22から緑色の可視光が出射され、光出射部21から赤色の可視光が出射され、これらの各可視光が混ざって白色の可視光となる。
【0065】
緑色表示エリア60Gに対向して緑色導光層12にのみ光出射部22が設けられた位置においては、当該光出射部22から緑色の可視光が出射される。
黒色表示エリア50BKに対向して各導光層11,12,13に無光部24が設けられた位置は、黒色となる。
【0066】
これにより、表示画像50の赤色表示エリア50R、黄色表示エリア50Y、白色表示エリア50W、黒色表示エリア50BKは、それぞれ赤色、黄色、白色、黒色でカラー表示される。
また、表示画像60の緑色表示エリア60G、黄色表示エリア60Yも、それぞれ緑色、黄色でカラー表示される。
【0067】
図4(a)においては、図4(b)のA-A線断面位置における導光板10の構造のみを示したが、表示画像50,60の全体が表示されるように光出射部21,22,23の形成の有無、並びに、光出射部21,22,23の形成位置を表示画像50,60の表示色を構成する光の色に対応して特定することで、表示画像50,60の全体をカラー表示することができる。
【0068】
ここで、上述の表示画像50,60のカラー表示に際しては、各LED31,32,33を同時駆動(同時発光)すればよいので、フィールドシーケンシャル(時間的に赤、緑、青の画像を順次表示し、時間的に混合することで、フルカラー表示を得る方式)による駆動装置や複雑な制御が不要となる。
【0069】
図4で示した実施例においては、複数の導光層11,12,13を光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層11と、緑色導光層12と、青色導光層13との3層で構成したが、次に、図5を参照して、複数の導光層11,12を2層で構成する実施例について説明する。
【0070】
図5(a)は2層構造の導光板10を示す断面図、図5(b)は図5(a)で示す導光板10を用いた画像表示方法により表示された表示画像70の説明図である。但し、図5(a)は図5(b)のB―B線断面位置における導光板10の構造を示している。なお、説明の便宜上、表示画像70としてチューリップを例示している。
上記表示画像70は、黄色表示エリア70Yと、緑色表示エリア70Gと、赤色表示エリア70Rと、を備えている。
【0071】
図5(b)のB―B線断面位置における表示画像70の黄色表示エリア70Yに対向して、赤色導光層11と緑色導光層12との両者には、光出射部21,22が形成されている。また、表示画像70の赤色表示エリア70Rに対向して、赤色導光層11には光出射部21が形成されている。
【0072】
表示画像70の表示に際して、各LED31,32を発光させると、黄色表示エリア70Yに対向して赤色導光層11と緑色導光層12との両者に光出射部21,22が設けられた位置においては、光出射部22から緑色の可視光が出射され、光出射部21から赤色の可視光が出射され、これら可視光が混ざって黄色の可視光となる。
【0073】
赤色表示エリア70Rに対向して赤色導光層11にのみ光出射部21が設けられた位置においては、当該光出射部21から赤色の可視光が出射される。
これにより、表示画像70の黄色表示エリア70Y、赤色表示エリア70Rは、それぞれ黄色、赤色でカラー表示される。
【0074】
図5(a)においては、図5(b)のB-B線断面位置における導光板10の構造のみを示したが、表示画像70の全体が表示されるように光出射部21,22の形成の有無、並びに、光出射部21,22の形成位置を表示画像70の表示色を構成する光の色に対応して特定することで、表示画像70の全体をカラー表示することができる。
【0075】
要するに、図5で示した実施例は、複数の導光層が光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層11と、緑色導光層12と、青色導光層13とのうちの少なくとも2層(赤色導光層11と緑色導光層12)を備えたものである。
【0076】
図6は導光板および画像表示方法の比較例を示す説明図である。
この比較例においては、単一の導光層81により導光板80を形成している。この導光板80の端部には、赤色、緑色もしくは青色の何れか1つの光を発するLED82が設けられている。また、上述の導光層81の外表面には表示画像の表示エリアに対応して、サンドブラスト加工による凹凸部にて形成された複数の光出射部83が設けられている。
【0077】
この比較例において、上述のLED82を駆動すると、LED82から光が発せられ、この光は導光層81内を導波し、光出射部83から外部に出射され、出射された可視光84により表示画像が形成される。しかしながら、光出射部83から出射される光の色は、使用するLED82の1つのみの発光色(単色)となる。この結果、表示画像の色彩が単純となり、表現性が低いものとなる。
【0078】
以上詳述したように、上記実施例の導光板10は、表示画像50,60,70の表示色を構成する光の色に対応して分離形成された複数の導光層(導光層11,12,13のうちの少なくとも何れか2層)を備え、これら複数の導光層11,12,13を重合して積層構造が形成され、上記各導光層11,12,13の外表面には、上記表示画像50,60,70の表示色を上記光の色に対応して分離した光出射部21,22,23が設けられたものである(図1図4図5参照)。
【0079】
この構成によれば、表示画像50,60,70の表示色を構成する光の色に対応して導光層11,12,13を複数層に分離形成しているので、単独の導光層(導光層11,12,13のうちの何れか1層)の光出射部から出射される単独の光の色、または、複数の導光層(導光層11,12,13のうちの少なくとも何れか2層)の光出射部から出射される複数の光の色の組合せにより、表示画像50,60,70の色彩表現を行なうことができる。
【0080】
このように、複数の光の色により高い表現性を備えた表示画像50,60,70を得ることができる。また、フィールドシーケンシャルによる駆動装置や複雑な制御も不要となる。
【0081】
また、上記複数の導光層11,12,13は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層11と、緑色導光層12と、青色導光層13とのうちの少なくとも2層を備えたものである(図1図4図5参照)。
【0082】
この構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、赤色導光層11と緑色導光層12との2層を採用した場合には、少なくとも赤色と、緑色と、黄色との各色の光を得ることができる。また、緑色導光層12と青色導光層13との2層を採用した場合には、少なくとも緑色と、青色と、水色との各色の光を得ることができる。さらに、青色導光層13と赤色導光層11との2層を採用した場合には、少なくとも、青色と、赤色と、赤紫色との各色の光を得ることができる。
このように、複数の光の色により高い表現性を備えたカラフル(色彩豊か)な表示画像50,60,70を確保することができる。
【0083】
さらに、上記複数の導光層11,12,13は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層11と、緑色導光層12と、青色導光層13との3層を備えたものである(図1図4参照)。
【0084】
この構成によれば、単独の導光層(導光層11,12,13のうちの何れか1層)の光出射部から出射される単独の光の色(赤、緑、青)、または、複数の導光層(導光層11,12,13のうちの少なくとも何れか2層)の光出射部から出射される複数の光の色(黄色、水色、赤紫色、白色など)の組合せにより、フルカラーの表示画像50,60,70の色彩表現を行なうことができる。
このように、光の三原色により高度の表現性を備えたフルカラーの表示画像50,60,70を得ることができる。
【0085】
さらにまた、上記光出射部21,22,23は凸状または凹凸状に形成されたものである(図2参照)。
上述の凹凸状は導光層11,12,13表面をサンドブラスト(sand blast)加工により形成してもよい。また、上述の凸状または凹凸状は透明印刷インクにより形成してもよい。
【0086】
この構成によれば、上述の導光層11,12,13を導波する光を、上記凸状または凹凸状の光出射部21,22,23にて、画像50,60,70を表示すべき方向に向けて適切に出射することができる。
【0087】
加えて、上記光出射部21,22,23は透明印刷インクにより凸状または凹凸状に形成されたものである(図2参照)。
この構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、光出射部21,22,23を仮に凹溝にて形成した場合には、非発光時に凹溝が白濁して見えるが、上記光出射部21,22,23を透明印刷インクにより凸状または凹凸状に形成することで、上述の如き白濁を防止することができる。
【0088】
また、上記表示画像50,60,70の発光色密度が高い部位に対応して上記光出射部21,22,23の形成密度を大とし(図2の(b)参照)、上記表示画像50,60,70の発光色密度が低い部位に対応して上記光出射部21,22,23の形成密度を小と成したものである(図2の(a)参照)。
【0089】
この構成によれば、表示画像50,60,70の発光色密度の高低に対応して、光出射部21,22,23の形成密度を大小に設定したので、表示画像50,60,70の色密度に対応した表示が得られ、立体感のある表示画像50,60,70を確保することができる。
【0090】
さらに、上記実施例の画像表示方法は、表示画像50,60,70の表示色を構成する光の色に対応して分離形成された複数の導光層(導光層11,12,13のうちの少なくとも何れか2層)を備え、これら複数の導光層11,12,13を重合して積層構造が形成され、上記各導光層11,12,13の外表面には、上記表示画像50,60,70の表示色を上記光の色に対応して分離形成した光出射部21,22,23が設けられ、上記各層の光出射部21,22,23から出射される光により表示画像50,60,70を形成するものである(図1図4図5参照)。
【0091】
この構成によれば、表示画像50,60,70の表示色を構成する光の色に対応して導光層11,12,13が複数層に分離されており、単独の導光層(導光層11,12,13のうちの何れか1層)の光出射部から出射される単独の光の色、または、複数の導光層(導光層11,12,13のうちの少なくとも何れか2層)の光出射部から出射される複数の光の色の組合せにより表示画像50,60,70を形成することができる。
これにより、複数の光の色により色彩表現を行なうことができ、表示画像50,60,70の表現性向上を図ることができる。
【0092】
また、上記複数の導光層11,12,13は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層11と、緑色導光層12と、青色導光層13とのうちの少なくとも2層を有し、上記各層の光出射部21,22,23から出射される光により表示画像50,60,70を形成するものである(図1図4図5参照)。
【0093】
この構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、赤色導光層11と緑色導光層12との2層を採用した場合には、少なくとも、赤色と、緑色と、黄色との各色の光を得ることができる。また、緑色導光層12と青色導光層13との2層を採用した場合には、少なくとも、緑色と、青色と、水色との各色の光を得ることができる。さらに、青色導光層13と赤色導光層11との2層を採用した場合には、少なくとも、青色と、赤色と、赤紫色との各色の光を得ることができる。
【0094】
このように、上記各層11,12,13の光出射部21,22,23から出射される単独光(赤色、緑色、青色の光)または複数の色の光(黄色、水色、赤紫色、白色等の光)の組合せにより、高い表現性を備えた表示画像50,60,70を形成することができる。
【0095】
さらに、上記複数の導光層11,12,13は光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層11と、緑色導光層12と、青色導光層13との3層を有し、上記各層11,12,13の光出射部21,22,23から出射される光により表示画像50,60,70を形成するものである(図1図4参照)。
【0096】
この構成によれば、単独の導光層(導光層11,12,13のうちの何れか1層)の光出射部から出射される単独の光の色(赤、緑、青)、または、複数の導光層(導光層11,12,13のうちの少なくとも何れか2層)の光出射部から出射される複数の光の色(黄色、水色、赤紫色、白色など)の組合せにより、フルカラーの表示画像50,60,70を形成することができる。
これにより、光の三原色による高度の表現性を備えたフルカラーの表示画像50,60,70を得ることができる。
【0097】
さらにまた、上記表示画像50,60,70の発光色密度の高低に対応して、上記光出射部21,22,23の形成密度を大小に設定し、上記各層11,12,13の光出射部21,22,23の密度により上記表示画像50,60,70の発光色密度を異ならせるものである(図2参照)。
この構成によれば、表示画像50,60,70の発光色密度に対応した表示を行なうので、立体感のある表示画像を形成することができる。
【0098】
加えて、上記赤色導光層11と、上記緑色導光層12と、上記青色導光層13との対応部位にそれぞれ上記光出射部21,22,23を形成し、これら各導光層11,12,13に導光される光を上記各光出射部21,22,23から出射して表示画像50,60の白色を形成するものである(図1図4参照)。
【0099】
この構成によれば、赤色、緑色、青色の各導光層11,12,13の対応部位にそれぞれ形成された光出射部21,22,23から光を出射して白色光を形成するので、表示画像50,60の表現性をさらに向上させることができる。
【0100】
また、上記複数の各導光層11,12,13の対応部位には、上記光出射部21,22,23が存在しない無光部24が形成され、該無光部24により表示画像の黒色を形成するものである(図1図4参照)。
この構成によれば、上述の無光部24により表示画像50,60の黒色が形成されるので、表示画像50,60の表現性のさらなる向上を図ることができる。
【0101】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の導光層は、実施例の赤色導光層11、緑色導光層12、青色導光層13に対応し、
以下同様に、
光出射部は、赤色導光層11の光出射部21、緑色導光層12の光出射部22、青色導光層13の光出射部23に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0102】
例えば、上記実施例においては、光の三原色に対応して分離形成された赤色導光層11と、緑色導光層12と、青色導光層13とのうちの少なくとも2層を用いたが、光の三原色に限ることなく、橙色導光層を用いる構造を採用してもよい。この場合、導光層の端部にはGaAs橙色発光ダイオードを設けるとよい。
【0103】
また、上記実施例においては、黄色の可視光40Yを得るために、赤色導光層11と緑色導光層12との光を組合せたが、黄色導光層を用いる構造を採用してもよい。この場合には、導光層の端部にGaP黄色発光ダイオードを設けるとよい。
【0104】
さらに、上記実施例においては、白色の可視光40Wを得るために、赤色導光層11と緑色導光層12と青色導光層13との光を組合せたが、青色発光ダイオードと黄色蛍光体とを備えた白色発光体(いわゆる白色発光ダイオード)を用いる構造を採用してもよい。このように構成すると単一の導光層により白色の可視光を得ることができる。
【0105】
さらに、上記実施例においては2層の導光層を積層した構造(図5参照)と、3層の導光層を積層した構造(図4参照)と、を例示したが、4層またはそれ以上の導光層を積層した構造であってもよい。
さらにまた、上記実施例においては導光層の表面側に光出射部を設けたが、導光層の裏面側に光出射部を設ける構造を採用してもよい。
【0106】
加えて、各導光層11,12,13におけるLED31,32,33が設けられた側の端部において、各層間をマスクするマスク部材を設け、隣接するLEDからの光が隣り合う導光層に侵入することを防止するように構成してもよい。
【0107】
また、図示実施例においては赤色LED31、緑色LED32、青色LED33を導光層11,12,13の同一端面に配置したが、例えば赤色LED31と青色LED33とを導光層11,13の一方の端面に配置し、緑色LED32を導光層12の他方の端面に配置するように、各LED31,32,33を導光層11,12,13の異なる端面に配置してもよい。
【0108】
また、導光層11,12,13が長方形状の場合、赤色LED31を導光層11の左側端面に、緑色LED32を導光層12の下側または上側端面に、青色LED33を導光層13の右側端面に、それぞれ配置するように、各LED31,32,33の配置を90度ずつ異ならせて配置してもよい。
【0109】
さらに、各LED31,32,33を導光層11,12,13のそれぞれの両端面に配置してもよい。
また、導光層11,12,13が長方形状の場合には、LED31,32,33を対向する一対の少なくとも一方側の長辺に配置すると、導波距離が短くなり、発色しやすくなる。
【0110】
さらに、図示実施例のように各LED31,32,33を導光層11,12,13の同一端面(左側端面)に配置した場合には、他の端面(右側端面、上側端面、下側端面)に光の反射性が高い金属シート、いわゆる、ミラーシートを取付け、これにより光の発散防止を図り、導光層内でLED光を乱反射させるように構成してもよい。
【0111】
さらに、上記実施例においては光出射部21,22,23を透明印刷インクにより凹凸状に形成したが、レーザー加工や成型プロッタ加工等の他の手段により形成してもよい。
さらに、透明印刷インクに代えて、白色印刷インクにより光出射部21,22,23を形成し、発色性の向上を図ってもよい。
【0112】
さらにまた、赤色導光層11、緑色導光層12,青色導光層13の3層構造に、白色導光層を加えて4層構造とし、白色導光層には各光出射部21,22,23と対向する位置に光出射部をそれぞれ形成して、画像表示される表示色を際立たせるように構成してもよい。
加えて、各LEDにはそれぞれ調光機を取付け、色味を調整すべく構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
以上説明したように、本発明は、LEDを光源として導光層の表面に画像を表示する導光板および画像表示方法について有用である。
【符号の説明】
【0114】
10…導光板
11…赤色導光層(導光層)
12…緑色導光層(導光層)
13…青色導光層(導光層)
21,22,23…光出射部
24…無光部
50,60,70…表示画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6