(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099215
(43)【公開日】2023-07-11
(54)【発明の名称】状況認識に基づく外科用デバイスの機能の調節
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20230704BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023078536
(22)【出願日】2023-05-11
(62)【分割の表示】P 2020536213の分割
【原出願日】2018-11-14
(31)【優先権主張番号】16/182,256
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/729,183
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/692,747
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/692,768
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/659,900
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/692,748
(32)【優先日】2018-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,898
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,882
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,887
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/640,415
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/640,417
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,877
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,340
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,341
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/611,339
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機能の調節が可能な外科用デバイスを提供する。
【解決手段】互いに開閉可能な第1のジョーおよび第2のジョーを有するエンドエフェクタと、開状態にある前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの少なくとも一方を閉状態に移動させるために操作される閉鎖トリガと、前記閉鎖トリガの操作量または前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの前記少なくとも一方の閉鎖方向への移動量に応じて、前記エンドエフェクタに適用される電力レベルを制御する制御回路と、前記エンドエフェクタへの電力供給を起動する作動ボタンと、を備え、前記作動ボタンが起動された場合に、前記閉鎖トリガの前記操作量または前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの前記少なくとも一方の前記閉鎖方向への前記移動量に応じて、前記エンドエフェクタに適用される前記電力レベルが変更される、外科用デバイスである。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに開閉可能な第1のジョーおよび第2のジョーを有するエンドエフェクタと、
開状態にある前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの少なくとも一方を閉状態に移動させるために操作される閉鎖トリガと、
前記閉鎖トリガの操作量または前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの前記少なくとも一方の閉鎖方向への移動量に応じて、前記エンドエフェクタに適用される電力レベルを制御する制御回路と、
前記エンドエフェクタへの電力供給を起動する作動ボタンと、を備え、
前記作動ボタンが起動された場合に、前記閉鎖トリガの前記操作量または前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの前記少なくとも一方の前記閉鎖方向への前記移動量に応じて、前記エンドエフェクタに適用される前記電力レベルが変更される、外科用デバイス。
【請求項2】
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが完全開放位置から所定の部分閉鎖位置までの範囲にあり、前記作動ボタンが起動した際に、前記エンドエフェクタに第1の電力レベルが適用され、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが前記所定の部分閉鎖位置を超えて閉鎖され、前記作動ボタンが起動した際に、前記エンドエフェクタに第2の電力レベルが適用され、前記第2の電力レベルは、前記第1の電力レベルよりも大きい、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項3】
前記エンドエフェクタに前記第1の電力レベルが適用されることにより、前記エンドエフェクタに保持されている組織が凝固され、前記エンドエフェクタに前記第2の電力レベルが適用されることにより、前記エンドエフェクタに保持されている前記組織が切断される、請求項2に記載の外科用デバイス。
【請求項4】
前記エンドエフェクタへの電力供給を起動する第2の作動ボタンを更に備え、
前記作動ボタンが起動した場合に前記エンドエフェクタに供給される電力レベルは、前記第2の作動ボタンが起動した場合に前記エンドエフェクタに供給される電力レベルよりも大きい、請求項1~3の何れか1項に記載の外科用デバイス。
【請求項5】
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが完全開放位置から所定の部分閉鎖位置までの範囲にあり、前記作動ボタンが起動した際に、前記エンドエフェクタに第1の電力レベルが適用され、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが前記所定の部分閉鎖位置を超えて閉鎖され、前記作動ボタンが起動した際に、前記エンドエフェクタに第2の電力レベルが適用され、
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが前記完全開放位置から前記所定の部分閉鎖位置までの範囲にあり、前記第2の作動ボタンが起動した際に、前記エンドエフェクタに第3の電力レベルが適用され、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが前記所定の部分閉鎖位置を超えて閉鎖され、前記第2の作動ボタンが起動した際に、前記エンドエフェクタに第4の電力レベルが適用され、
前記第2の電力レベルは、前記第1の電力レベルよりも大きく、前記第4の電力レベルは、前記第3の電力レベルよりも大きく、前記第1の電力レベルは、前記第3の電力レベルよりも大きく、前記第2の電力レベルは、前記第4の電力レベルよりも大きい、請求項4に記載の外科用デバイス。
【請求項6】
前記エンドエフェクタに前記第3の電力レベルが適用されることにより、前記エンドエフェクタに保持されている組織が凝固され、前記エンドエフェクタに前記第4の電力レベルが適用されることにより、前記エンドエフェクタに保持されている前記組織が切断される、請求項5に記載の外科用デバイス。
【請求項7】
前記作動ボタンの押圧量が大きくなるに従って、前記エンドエフェクタに適用される前記電力レベルが大きくなる、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項8】
前記第2の作動ボタンの押圧量が大きくなるに従って、前記エンドエフェクタに適用される前記電力レベルが大きくなる、請求項4に記載の外科用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「ADJUSTMENT OF A SURGICAL DEVICE FUNCTION BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」と題する、2018年11月6日出願の米国特許非仮出願第16/182,256号の利益を主張する。
【0002】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「A CONTROL FOR A SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE THAT ADJUSTS ITS FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」と題する2018年9月10日出願の米国特許仮出願第62/729,183号に対する優先権を主張する。
【0003】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SMART ACTIVATION OF AN ENERGY DEVICE BY ANOTHER DEVICE」と題する2018年6月30日出願の米国特許仮出願第62/692,747号、「SMART ENERGY ARCHITECTURE」と題する2018年6月30日出願の米国特許仮出願第62/692,748号、及び「SMART ENERGY DEVICES」と題する2018年6月30日出願の米国特許仮出願第62/692,768号に対する優先権を主張する。
【0004】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する、2018年4月19日出願の米国特許仮出願第62/659,900号に対する優先権を主張する。
【0005】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,898号、「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,887号、「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,882号、及び「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,877号の優先権を主張する。
【0006】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国特許仮出願第62/640,417号、及び「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国特許仮出願第62/640,415号に対する優先権を主張する。
【0007】
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号、「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,340号、及び「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,339号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0008】
本開示は、外科用のシステム及びデバイスに関する。臨床情報は、手術前、手術中、及び/又は手術後に、様々な異なる外科用デバイスに収集及び/又は記憶することができる。特定の情報は、臨床医にとって、手術前、手術中、及び/又は手術後の1つ以上の臨床決定を行う際に、有用であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に記載の様々な態様は、機構及び動作方法の両方に関して、その更なる目的及び利点と共に、以下の添付図面と併せて、以下の説明を参照することにより最もよく理解することができる。
【
図1】本開示の少なくとも1つの態様に係る、コンピュータ実装対話型外科用システムのブロック図である。
【
図2】本開示の少なくとも1つの態様に係る、手術室内で外科的処置を行うために使用される外科用システムの図である。
【
図3】本開示の少なくとも1つの態様に係る、可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブの図である。
【
図4】本開示の少なくとも1つの態様に係る、外科用ハブ筐体の、及び外科用ハブ筐体のドロアー内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールの部分斜視図である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの態様に係る、双極、超音波、及び単極接点、並びに排煙構成要素を備える組み合わせ発生器モジュールの斜視図である。
【
図6】本開示の少なくとも1つの態様に係る、複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジングの複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す図である。
【
図7】本開示の少なくとも1つの態様に係る、複数のモジュールを受容するように構成された垂直モジュール式ハウジングを示す図である。
【
図8】本開示の少なくとも1つの態様に係る、医療施設の1つ以上の手術現場、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式デバイスをクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワークを示す図である。
【
図9】本開示の少なくとも1つの態様に係る、コンピュータ実装対話型外科用システムを示す図である。
【
図10】本開示の少なくとも1つの態様に係る、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す図である。
【
図11】本開示の少なくとも1つの態様に係る、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ネットワークハブデバイスの一態様を示す図である。
【
図12】本開示の少なくとも1つの態様に係る、クラウドコンピューティングシステムのクラウドコンポーネントに接続することができる、外科用ハブに連結された複数のスマート外科用器具を含むクラウドコンピューティングシステムのブロック図である。
【
図13】本開示の少なくとも1つの態様に係る、クラウドコンピューティングシステムの機能モジュールアーキテクチャの図である。
【
図14】本開示の少なくとも1つの態様に係る、状況認識外科用システムの図である。
【
図15】本開示の少なくとも1つの態様に係る、外科用ハブの状況認識を示す時間線である。
【
図16】本開示の少なくとも1つの態様に係る、エンドエフェクタ及びトリガを含む外科用器具であって、エンドエフェクタが閉鎖される程度は、トリガが作動される度合いによって制御される外科用器具の立面図である。
【
図17】本開示の少なくとも1つの態様に係る、
図16の外科用器具のトリガ角度に対するエンドエフェクタ閉鎖及びトランスデューサ振幅を示す一対のグラフである。
【
図18】本開示の少なくとも1つの態様に係る、組み合わせエネルギ器具、外科用ステープラ、及び吸引/灌注デバイスを含む、外科用分野における複数のデバイスを伴う外科的処置であって、組み合わせエネルギ器具の詳細立面図、及び滅菌野内の複数のデバイスの外科的機能を調節するためのタッチスクリーン制御部を含む滅菌野ディスプレイの詳細平面図を更に示している、外科的処置の概略図である。
【
図19A】本開示の少なくとも1つの態様に係る、状況認識外科用ハブからの入力に基づく臨床医の提案を含む表示スクリーンの図である。
【
図19B】本開示の少なくとも1つの態様に係る、予測された外科的行為及び状況認識手術ハブからの入力に基づいて、提案が高い優先度レベルで示されている、
図19Aの表示スクリーンの図である。
【
図20】本開示の少なくとも1つの態様に係る、予測された結果と相関する手術中データを例示し、予測された結果に基づいて対応する提案を更に示す、ブロック図である。
【
図21】本開示の少なくとも1つの態様に係る、外科用排出システムの概略図である。
【
図22】本開示の少なくとも1つの態様に係る、外科用排出システムを含む外科用システムの斜視図である。
【
図23】本開示の少なくとも1つの態様に係る、排出システムの排出器ハウジングの概略図である。
【
図24】本開示の少なくとも1つの態様に係る、時間に対する微粒子濃度、ファン回転速度、及びエネルギデバイス電力を示す一連のグラフである。
【
図25】本開示の少なくとも1つの態様に係る、超音波通過型粒子検出システムの図である。
【
図26】本開示の少なくとも1つの態様に係る、超音波反射粒子検出システムの図である。
【
図27】本開示の少なくとも1つの態様に係る、
図26の超音波反射粒子検出システムを使用して組織表面情報を検出するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年11月6日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「SURGICAL NETWORK,INSTRUMENT,AND CLOUD RESPONSES BASED ON VALIDATION OF RECEIVED DATASET AND AUTHENTICATION OF ITS SOURCE AND INTEGRITY」と題する米国特許出願第16/182,224号、
・「SURGICAL SYSTEM FOR PRESENTING INFORMATION INTERPRETED FROM EXTERNAL DATA」と題する米国特許出願第16/182,230号、
・「MODIFICATION OF SURGICAL SYSTEMS CONTROL PROGRAMS BASED ON MACHINE LEARNING」と題する米国特許出願第16/182,233号、
・「ADJUSTMENT OF DEVICE CONTROL PROGRAMS BASED ON STRATIFIED CONTEXTUAL DATA IN ADDITION TO THE DATA」と題する米国特許出願第16/182,239号、
・「SURGICAL HUB AND MODULAR DEVICE RESPONSE ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第16/182,243号、
・「DETECTION AND ESCALATION OF SECURITY RESPONSES OF SURGICAL INSTRUMENTS TO INCREASING SEVERITY THREATS」と題する米国特許出願第16/182,248号、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEM」と題する米国特許出願第16/182,251号、
・「AUTOMATED DATA SCALING,ALIGNMENT,AND ORGANIZING BASED ON PREDEFINED PARAMETERS WITHIN SURGICAL NETWORKS」と題する米国特許出願第16/182,260号、
・「SENSING THE PATIENT POSITION AND CONTACT UTILIZING THE MONO-POLAR RETURN PAD ELECTRODE TO PROVIDE SITUATIONAL AWARENESS TO A SURGICAL NETWORK」と題する米国特許出願第16/182,267号、
・「POWERED SURGICAL TOOL WITH PREDEFINED ADJUSTABLE CONTROL ALGORITHM FOR CONTROLLING END EFFECTOR PARAMETER」と題する米国特許出願第16/182,249号、
・「ADJUSTMENTS BASED ON AIRBORNE PARTICLE PROPERTIES」と題する米国特許出願第16/182,246号、
・「REAL-TIME ANALYSIS OF COMPREHENSIVE COST OF ALL INSTRUMENTATION USED IN SURGERY UTILIZING DATA FLUIDITY TO TRACK INSTRUMENTS THROUGH STOCKING AND IN-HOUSE PROCESSES」と題する米国特許出願第16/182,242号、
・「USAGE AND TECHNIQUE ANALYSIS OF SURGEON/STAFF PERFORMANCE AGAINST A BASELINE TO OPTIMIZE DEVICE UTILIZATION AND PERFORMANCE FOR BOTH CURRENT AND FUTURE PROCEDURES」と題する米国特許出願第16/182,255号、
・「IMAGE CAPTURING OF THE AREAS OUTSIDE THE ABDOMEN TO IMPROVE PLACEMENT AND CONTROL OF A SURGICAL DEVICE IN USE」と題する米国特許出願第16/182,269号、
・「COMMUNICATION OF DATA WHERE A SURGICAL NETWORK IS USING CONTEXT OF THE DATA AND REQUIREMENTS OF A RECEIVING SYSTEM/USER TO INFLUENCE INCLUSION OR LINKAGE OF DATA AND METADATA TO ESTABLISH CONTINUITY」と題する米国特許出願第16/182,278号、
・「SURGICAL NETWORK RECOMMENDATIONS FROM REAL TIME ANALYSIS OF PROCEDURE VARIABLES AGAINST A BASELINE HIGHLIGHTING DIFFERENCES FROM THE OPTIMAL SOLUTION」と題する米国特許出願第16/182,290号、
・「CONTROL OF A SURGICAL SYSTEM THROUGH A SURGICAL BARRIER」と題する米国特許出願第16/182,232号、
・「SURGICAL NETWORK DETERMINATION OF PRIORITIZATION OF COMMUNICATION,INTERACTION,OR PROCESSING BASED ON SYSTEM OR DEVICE NEEDS」と題する米国特許出願第16/182,227号、
・「WIRELESS PAIRING OF A SURGICAL DEVICE WITH ANOTHER DEVICE WITHIN A STERILE SURGICAL FIELD BASED ON THE USAGE AND SITUATIONAL AWARENESS OF DEVICES」と題する米国特許出願第16/182,231号、
・「ADJUSTMENT OF STAPLE HEIGHT OF AT LEAST ONE ROW OF STAPLES BASED ON THE SENSED TISSUE THICKNESS OR FORCE IN CLOSING」と題する米国特許出願第16/182,229号、
・「STAPLING DEVICE WITH BOTH COMPULSORY AND DISCRETIONARY LOCKOUTS BASED ON SENSED PARAMETERS」と題する米国特許出願第16/182,234号、
・「POWERED STAPLING DEVICE CONFIGURED TO ADJUST FORCE,ADVANCEMENT SPEED,AND OVERALL STROKE OF CUTTING MEMBER BASED ON SENSED PARAMETER OF FIRING OR CLAMPING」と題する米国特許出願第16/182,240号、
・「VARIATION OF RADIO FREQUENCY AND ULTRASONIC POWER LEVEL IN COOPERATION WITH VARYING CLAMP ARM PRESSURE TO ACHIEVE PREDEFINED HEAT FLUX OR POWER APPLIED TO TISSUE」と題する米国特許出願第16/182,235号、及び
・「ULTRASONIC ENERGY DEVICE WHICH VARIES PRESSURE APPLIED BY CLAMP ARM TO PROVIDE THRESHOLD CONTROL PRESSURE AT A CUT PROGRESSION LOCATION」と題する米国特許出願第16/182,238号。
【0011】
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年9月10日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「A CONTROL FOR A SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE THAT ADJUSTS ITS FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」と題する米国特許仮出願第62/729,183号、
・「AUTOMATED DATA SCALING,ALIGNMENT,AND ORGANIZING BASED ON PREDEFINED PARAMETERS WITHIN A SURGICAL NETWORK BEFORE TRANSMISSION」と題する米国特許仮出願第62/729,177号、
・「INDIRECT COMMAND AND CONTROL OF A FIRST OPERATING ROOM SYSTEM THROUGH THE USE OF A SECOND OPERATING ROOM SYSTEM WITHIN A STERILE FIELD WHERE THE SECOND OPERATING ROOM SYSTEM HAS PRIMARY AND SECONDARY OPERATING MODES」と題する米国特許仮出願第62/729,176号、
・「POWERED STAPLING DEVICE THAT IS CAPABLE OF ADJUSTING FORCE,ADVANCEMENT SPEED,AND OVERALL STROKE OF CUTTING MEMBER OF THE DEVICE BASED ON SENSED PARAMETER OF FIRING OR CLAMPING」と題する米国特許仮出願第62/729,185号、
・「POWERED SURGICAL TOOL WITH A PREDEFINED ADJUSTABLE CONTROL ALGORITHM FOR CONTROLLING AT LEAST ONE END EFFECTOR PARAMETER AND A MEANS FOR LIMITING THE ADJUSTMENT」と題する米国特許仮出願第62/729,184号、
・「SENSING THE PATIENT POSITION AND CONTACT UTILIZING THE MONO POLAR RETURN PAD ELECTRODE TO PROVIDE SITUATIONAL AWARENESS TO THE HUB」と題する米国特許仮出願第62/729,182号、
・「SURGICAL NETWORK RECOMMENDATIONS FROM REAL TIME ANALYSIS OF PROCEDURE VARIABLES AGAINST A BASELINE HIGHLIGHTING DIFFERENCES FROM THE OPTIMAL SOLUTION」と題する米国特許仮出願第62/729,191号、
・「ULTRASONIC ENERGY DEVICE WHICH VARIES PRESSURE APPLIED BY CLAMP ARM TO PROVIDE THRESHOLD CONTROL PRESSURE AT A CUT PROGRESSION LOCATION」と題する米国特許仮出願第62/729,195号、及び
・「WIRELESS PAIRING OF A SURGICAL DEVICE WITH ANOTHER DEVICE WITHIN A STERILE SURGICAL FIELD BASED ON THE USAGE AND SITUATIONAL AWARENESS OF DEVICES」と題する仮米国特許出願第62/729,186号。
【0012】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月28日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許出願第16/115,214号、
・「TEMPERATURE CONTROL OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許出願第16/115,205号、
・「RADIO FREQUENCY ENERGY DEVICE FOR DELIVERING COMBINED ELECTRICAL SIGNALS」と題する米国特許出願第16/115,233号、
・「CONTROLLING AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO TISSUE LOCATION」と題する米国特許出願第16/115,208号、
・「CONTROLLING ACTIVATION OF AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO THE PRESENCE OF TISSUE」と題する米国特許出願第16/115,220号、
・「DETERMINING TISSUE COMPOSITION VIA AN ULTRASONIC SYSTEM」と題する米国特許出願第16/115,232号、
・「DETERMINING THE STATE OF AN ULTRASONIC ELECTROMECHANICAL SYSTEM ACCORDING TO FREQUENCY SHIFT」と題する米国特許出願第16/115,239号、
・「DETERMINING THE STATE OF AN ULTRASONIC END EFFECTOR」と題する米国特許出願第16/115,247号、
・「SITUATIONAL AWARENESS OF ELECTROSURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第16/115,211号、
・「MECHANISMS FOR CONTROLLING DIFFERENT ELECTROMECHANICAL SYSTEMS OF AN ELECTROSURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第16/115,226号、
・「DETECTION OF END EFFECTOR IMMERSION IN LIQUID」と題する米国特許出願第16/115,240号、
・「INTERRUPTION OF ENERGY DUE TO INADVERTENT CAPACITIVE COUPLING」と題する米国特許出願第16/115,249号、
・「INCREASING RADIO FREQUENCY TO CREATE PAD-LESS MONOPOLAR LOOP」と題する米国特許出願第16/115,256号、
・「BIPOLAR COMBINATION DEVICE THAT AUTOMATICALLY ADJUSTS PRESSURE BASED ON ENERGY MODALITY」と題する米国特許出願第16/115,223号、及び
・「ACTIVATION OF ENERGY DEVICES」と題する米国特許出願第16/115,238号。
【0013】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年8月23日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「CONTROLLING AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO TISSUE LOCATION」と題する米国特許仮出願第62/721,995号、
・「SITUATIONAL AWARENESS OF ELECTROSURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許仮出願第62/721,998号、
・「INTERRUPTION OF ENERGY DUE TO INADVERTENT CAPACITIVE COUPLING」と題する米国特許仮出願第62/721,999号、
・「BIPOLAR COMBINATION DEVICE THAT AUTOMATICALLY ADJUSTS PRESSURE BASED ON ENERGY MODALITY」と題する米国特許仮出願第62/721,994号、及び
・「RADIO FREQUENCY ENERGY DEVICE FOR DELIVERING COMBINED ELECTRICAL SIGNALS」と題する米国特許仮出願第62/721,996号。
【0014】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月30日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「SMART ACTIVATION OF AN ENERGY DEVICE BY ANOTHER DEVICE」と題する米国特許仮出願第62/692,747号、
・「SMART ENERGY ARCHITECTURE」と題する米国特許仮出願第62/692,748号、及び
・「SMART ENERGY DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/692,768号。
【0015】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する米国特許出願第16/024,090号、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する米国特許出願第16/024,057号、
・「SYSTEMS FOR ADJUSTING END EFFECTOR PARAMETERS BASED ON PERIOPERATIVE INFORMATION」と題する米国特許出願第16/024,067号、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する米国特許出願第16/024,075号、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する米国特許出願第16/024,083号、
・「SURGICAL SYSTEMS FOR DETECTING END EFFECTOR TISSUE DISTRIBUTION IRREGULARITIES」と題する米国特許出願第16/024,094号、
・「SYSTEMS FOR DETECTING PROXIMITY OF SURGICAL END EFFECTOR TO CANCEROUS TISSUE」と題する米国特許出願第16/024,138号、
・「SURGICAL INSTRUMENT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLIES」と題する米国特許出願第16/024,150号、
・「VARIABLE OUTPUT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLY」と題する米国特許出願第16/024,160号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国特許出願第16/024,124号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE CIRCUIT」と題する米国特許出願第16/024,132号、
・「SURGICAL INSTRUMENT WITH A TISSUE MARKING ASSEMBLY」と題する米国特許出願第16/024,141号、
・「SURGICAL SYSTEMS WITH PRIORITIZED DATA TRANSMISSION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第16/024,162号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国特許出願第16/024,066号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSOR ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第16/024,096号、
・「SURGICAL EVACUATION FLOW PATHS」と題する米国特許出願第16/024,116号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND GENERATOR CONTROL」と題する米国特許出願第16/024,149号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND DISPLAY」と題する米国特許出願第16/024,180号、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許出願第16/024,245号、
・「SMOKE EVACUATION SYSTEM INCLUDING A SEGMENTED CONTROL CIRCUIT FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許出願第16/024,258号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国特許出願第16/024,265号、及び
・「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国特許出願第16/024,273号。
【0016】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月28日出願の以下の米国特許仮出願を所有する。
・「A METHOD OF USING REINFORCED FLEX CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS WITH ELECTROSURGICAL DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/691,228号、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する米国特許仮出願第62/691,227号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国特許仮出願第62/691,230号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国特許仮出願第62/691,219号、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/691,257号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国特許仮出願第62/691,262号、及び
・「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国特許仮出願第62/691,251号。
【0017】
本出願の出願人は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月19日出願の以下の米国特許仮出願を所有する。
・「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する米国特許仮出願第62/659,900号。
【0018】
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月30日出願の以下の米国特許仮出願を所有する。
・「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する2018年3月30日出願の米国特許仮出願第62/650,898号、
・「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」と題する米国特許仮出願第62/650,887号、
・「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/650,882号、及び
・「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」と題する米国特許仮出願第62/650,877号。
【0019】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,641号、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,648号、
・「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,656号、
・「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題する米国特許出願第15/940,666号、
・「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,670号、
・「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第15/940,677号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許出願第15/940,632号、
・「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,640号、
・「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/940,645号、
・「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」と題する米国特許出願第15/940,649号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第15/940,654号、
・「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」と題する米国特許出願第15/940,663号、
・「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題する米国特許出願第15/940,668号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許出願第15/940,671号、
・「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」と題する米国特許出願第15/940,686号、
・「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」と題する米国特許出願第15/940,700号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,629号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許出願第15/940,704号、
・「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」と題する米国特許出願第15/940,722号、
・「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」と題する米国特許出願第15/940,742号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,636号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,653号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許出願第15/940,660号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」と題する米国特許出願第15/940,679号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」と題する米国特許出願第15/940,694号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許出願第15/940,634号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許出願第15/940,706号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,675号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,627号、
・「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,637号、
・「CONTROLS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,642号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,676号、
・「CONTROLLERS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,680号、
・「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,683号、
・「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,690号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,711号。
【0020】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月28日出願の以下の米国特許仮出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許仮出願第62/649,302号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許仮出願第62/649,294号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許仮出願第62/649,300号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許仮出願第62/649,309号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許仮出願第62/649,310号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許仮出願第62/649,291号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/649,296号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許仮出願第62/649,333号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許仮出願第62/649,327号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許仮出願第62/649,315号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許仮出願第62/649,313号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,320号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,307号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許仮出願第62/649,323号。
【0021】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月8日出願の以下の米国特許仮出願を所有する。
・「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許仮出願第62/640,417号、及び
・「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国特許仮出願第62/640,415号。
【0022】
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の以下の米国特許仮出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願番号米国特許仮出願第62/611,341号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国特許仮出願第62/611,340号、及び
・「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,339号。
【0023】
外科用デバイス及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意されたい。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうちの1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0024】
外科用ハブ
図1を参照すると、コンピュータ実装対話型外科用システム100は、1つ以上の外科用システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、記憶デバイス105に連結されたリモートサーバ113を含み得るクラウド104)と、を含む。各外科用システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、
図1に示すように、外科用システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科用システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O、及びPは1以上の整数である。
【0025】
様々な態様では、
図1~
図7を参照して本明細書に記載されるインテリジェント器具112は、エネルギデバイス213000(
図16)、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/潅注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)、として実装することができる。そのような例では、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)などのインテリジェント器具112(例えば、デバイス1
a~1
n)は、
図8を参照して説明されるように、外科用データネットワーク201内で動作するように構成される。
【0026】
図2は、外科用手術室116内の手術台114上に横たわっている患者に対して外科的処置を行うために使用される外科用システム102の例を示す。ロボットシステム110は、外科的処置において外科用システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開中に、外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見る間、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像デバイス124によって得ることができ、医療用撮像デバイス124は撮像デバイス124を配向するために患者側カート120によって操作することができる。ロボットハブ122は、外科医のコンソール118を介して外科医に対するその後の表示のために、手術部位の画像を処理するように使用することができる。
【0027】
他のタイプのロボットシステムを、外科用システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,339号に記載されている。
【0028】
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析の様々な例は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国特許仮出願第62/611,340号に記載されている。
【0029】
様々な態様では、撮像デバイス124は、少なくとも1つの画像センサと1つ以上の光学構成要素とを含む。好適な画像センサには、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor、CMOS)センサが含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
撮像デバイス124の光学構成要素は、1つ以上の照明光源及び/又は1つ以上のレンズを含んでもよい。1つ以上の照明光源は、手術野の部分を照明するように方向付けられてもよい。1つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0031】
1つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと称されることもある可視スペクトルは、人間の目に可視である(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に反応する。
【0032】
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する電磁スペクトルの一部分である(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長)。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(infrared、IR)、マイクロ波、及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線、及びガンマ線電磁放射線になる。
【0033】
様々な態様では、撮像デバイス124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに適した撮像デバイスの例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-ネプロスコープ(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
一態様では、撮像デバイスは、トポグラフィと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたって特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長からの光に感受性の器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色、及び青色の受容体で取り込むことのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、手術作業が完了した後に、処置された組織上で上述の試験の1つ以上を実施するために手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
【0035】
いかなる外科手術においても手術室及び外科用機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「外科的現場(surgical theater)」、すなわち手術室又は処置室に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療デバイス及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。その滅菌プロセスの一部は、撮像デバイス124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性である。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの、微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科的処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なされ得ることが理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0036】
様々な態様では、可視化システム108は、
図2に示すように、滅菌野に対して戦略的に配置される1つ以上の撮像センサと、1つ以上の画像処理ユニットと、1つ以上のストレージアレイと、1つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
【0037】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114のところにいるオペレータに可視であるように、滅菌野内に配置される。加えて、可視化タワー111は、滅菌野の外に位置付けられる。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109、及び119を利用して、滅菌野の中及び外のオペレータに対する情報フローを調節するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像デバイス124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌オペレータが外科的処置に関連する診断ステップを実施することを可能にすることができる。
【0038】
一態様では、ハブ106は、滅菌野内で、可視化タワー111のところにいる非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台のところにいる滅菌オペレータが見ることができるようにも構成される。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
【0039】
図2を参照すると、外科用器具112は、外科的処置において外科用システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調節するようにも構成されている。例えば、座標情報フローは、2017年12月28日に出願された、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号に更に記載されており、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。可視化タワー111のところにいる非滅菌オペレータによって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内でハブ106によって外科用器具ディスプレイ115に送られてもよく、ここで診断入力又はフィードバックは外科用器具112のオペレータによって見られてもよい。外科用システム102と共に使用するのに適した例示的な外科用器具は、例えば、2017年12月28日に出願された、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許仮出願第62/611,341号の「Surgical Instrument Hardware」という見出しの下に記載されており、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
ここで
図3を参照すると、ハブ106が、可視化システム108、ロボットシステム110、及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信している状態で示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140(単極発生器142、双極発生器144、及び/又は超音波発生器143を含むことができる)、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134を含む。特定の態様では、
図3に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、及び/又は手術室マッピングモジュール133を更に含む。
【0041】
外科的処置中、封止及び/又は切断のため組織へのエネルギ印加は、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注を伴う。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン、及び/又はデータラインは、外科的処置中に絡まり合うことが多い。外科的処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
【0042】
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギ印加を伴う外科的処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギ発生器構成要素、双極RFエネルギ発生器構成要素、及び単極RFエネルギ発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールは、更に、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギ供給ケーブルと、組織への治療エネルギの印加によって発生した煙、流体、及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延びる流体ラインと、を含む。
【0043】
一態様では、流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延びる。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
【0044】
特定の外科的処置は、1つより多いエネルギのタイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギのタイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギのタイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は、組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は、封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が異なる発生器を収容して、これらの間の双方向通信を円滑にするように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
【0045】
本開示の態様は、組織へのエネルギ印加を伴う外科的処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギを生成させるように構成された第1のエネルギ発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギ発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、第1のエネルギ発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0046】
上記に加えて、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギを生成するように構成された第2のエネルギ発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を更に含み、第2のエネルギ発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、第2のエネルギ発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0047】
更に、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギ発生器モジュールと第2のエネルギ発生器モジュールとの間の通信を円滑にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを更に含む。
【0048】
図3~
図7を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128と、のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128間の双方向通信を更に円滑にする。
図5に示すように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット139内に支持される、統合された単極、双極、及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。
図5に示すように、発生器モジュール140は、単極デバイス146、双極デバイス147、及び超音波デバイス148に接続するように構成され得る。あるいは、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入及びハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間の双方向通信を円滑にするように構成されてもよい。
【0049】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間の双方向通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
【0050】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成された、本明細書ではドロアーとも称されるドッキングステーション又はドロアー151を含む。
図4は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ発生器モジュール145の後側に電力及びデータ接点を有するドッキングポート152は、組み合わせ発生器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の位置へと摺動されると、対応するドッキングポート150をハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の電力及びデータ接点と係合するように構成される。一態様では、組み合わせ発生器モジュール145は、
図5に示すように、双極、超音波、及び単極モジュールと、単一のハウジングユニット139と共に一体化された排煙モジュールと、を含む。
【0051】
様々な態様では、排煙モジュール126は、捕捉/回収された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけて、例えば、排煙モジュール126へと搬送する流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに連結されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延びる流体経路を画定する。
【0052】
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み(aspiration)流体ライン及び吸引(suction)流体ラインを含む外科用ツールに連結される。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延びる可撓管の形態である。1つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位からの流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成され得る。
【0053】
一態様では、外科用ツールは、その遠位端部にエンドエフェクタを有するシャフトと、エンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギ処置部と、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端部に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延びる。同様に、灌注管はシャフトを通って延びることができ、かつ、エネルギ送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギ送達器具は、超音波及び/又はRFエネルギを手術部位に送達するように構成され、最初にシャフトを通って延びるケーブルによって発生器モジュール140に連結される。
【0054】
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別にハブ筐体136内に収容され得る。このような実施例では、流体インターフェースは、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
【0055】
一態様では、モジュール140、126、128及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートを位置合わせして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内でこれらの対応部品と係合させるように構成された位置合わせ機能を含み得る。例えば、
図4に示すように、組み合わせ発生器モジュール145は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成された側部ブラケット155を含む。ブラケットは協働して、組み合わせ発生器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気係合させるように誘導する。
【0056】
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロアー151はサイズが同じ又は実質的に同じであり、モジュールはドロアー151内に受容されるサイズに調節される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロアー151はサイズが異なり、特定のモジュールを収容するように各々設計される。
【0057】
更に、適合しない接点を備えるドロアーにモジュールを挿入することを避けるために、特定のモジュールの接点を、特定のドロアーの接点と係合するように鍵付きにしてもよい。
【0058】
図4に示されるように、1つのドロアー151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロアー151のドッキングポート150に連結されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の双方向通信を円滑にすることができる。あるいは又は更に、ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線双方向通信を円滑にしてもよい。例えば、Air Titan-Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を用いてもよい。
【0059】
図6は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジング160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式ハウジング160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成される。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式ハウジング160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入される。
図6に示すように、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング160内で横方向に配置される。代替的に、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング内で垂直方向に配置されてもよい。
【0060】
図7は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式ハウジング164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式ハウジング164のドッキングステーション又はドロアー167内に摺動可能に挿入される。垂直モジュール式ハウジング164のドロアー167は垂直方向に配置されているが、特定の場合では、垂直モジュール式ハウジング164は、横方向に配置されたドロアーを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式ハウジング164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。
図7の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が設けられる。加えて、垂直モジュール式ハウジング164は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容するマスタモジュール178を含む。
【0061】
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像デバイスと共に使用するように適合されている。一態様では、撮像デバイスは、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式ハウジングで構成される。ハウジングは、使い捨てハウジングであってもよい。少なくとも1つの実施例では、使い捨てハウジングは、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に連結される。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科的処置のタイプに応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはスキャンされたビームの撮像用に構成される。同様に、光源モジュールは、外科的処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
【0062】
外科的処置中に、手術野から外科用デバイスを除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用デバイスと交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましくない結果をもたらし得る。本開示のモジュール撮像デバイスは、手術野から撮像デバイスを除去する必要なく、外科的処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成される。
【0063】
一態様では、撮像デバイスは、複数のチャネルを含む管状ハウジングを備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の実施例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらの対応するチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が採用されてもよい。
【0064】
様々な実施例で、複数の撮像デバイスが、複数の視野を提供するために手術野内の様々な位置に位置決めされる。撮像モジュール138は、最適な視野を提供するために撮像デバイス間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像デバイスからの画像を統合するように構成することができる。
【0065】
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像デバイスは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。こうしたシステムは、撮像モジュール138と一体化され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0066】
図8は、医療施設の1つ以上の手術現場、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式デバイスをクラウドベースのシステム(例えば記憶デバイス205に連結されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203は更に、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム210に連結することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント、又は切り替え式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つのデバイス(又はセグメント)から別のデバイスに、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェントな外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機能を含む。インテリジェントな外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0067】
手術現場に配置されたモジュール式デバイス1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、デバイス1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。デバイス1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。デバイス1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術現場に配置されたモジュール式デバイス2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、デバイス2a~2mをクラウド204に接続することができる。デバイス2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。デバイス2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
【0068】
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数のデバイス1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科的処置中に、デバイス1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、デバイス1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式デバイスの中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギベースの外科用デバイスに連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された外科用デバイス、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
【0069】
一態様では、外科用データネットワーク201は、デバイス1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ、ネットワークスイッチ、及びネットワークルータとの組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結されたデバイス1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナルデバイスを有するのではなく、共有コンピューティングリソースに依存することは理解されるであろう。「クラウド」という用語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語は、そのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために使用することができ、この場合、サーバ、記憶デバイス、及びアプリケーションなどの様々なサービスは、外科的現場(例えば、固定式、移動式、一時的、又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつインターネットを介してモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続されたデバイスに送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。このコンテキストにおいて、クラウドサービスプロバイダは、1つ以上の手術現場内に位置するデバイス1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調節するエンティティであり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、及び手術現場内に位置する他のコンピュータ化デバイスによって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実行することができる。ハブハードウェアは、複数のデバイス又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及び記憶デバイスと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0070】
デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的成果の改善、コスト低減、及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏れ又は灌流を評価するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病状を特定するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。これは、組織及び表現型の位置特定及びマージン確認を含む。撮像デバイスと一体化された様々なセンサ、及び複数の撮像デバイスによってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入、及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科的処置の結果を改善するために、データを分析することができる。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に採用してもよく、標準化されたアプローチを使用することは、外科治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科治療及び外科医の挙動に対する修正を示唆するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0071】
一実装態様では、手術現場デバイス1a~1nは、ネットワークハブに対するデバイス1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャストデバイスとして実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術現場ネットワーク内に位置するデバイス1a~1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、デバイスデータを転送するための任意の媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control/Internet Protocol、MAC/IP)は記憶しない。デバイス1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関する経路選択テーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体、及びクラウド204上のリモートサーバ213(
図9)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0072】
別の実装形態では、手術現場デバイス2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術現場内に位置するデバイス2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャストデバイスである。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数のデバイス2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するためにデバイス2a~2mのMACアドレスを記憶して使用する。
【0073】
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結される。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、デバイス1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術現場、又は異なる医療施設の異なる手術現場に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数のデバイスが同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0074】
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSBデバイスをホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、デバイスをホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線又は無線能力を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術現場内に位置するデバイス1a~1nとデバイス2a~2mとの間の通信のために使用されてもよい。
【0075】
他の実施例では、手術現場デバイス1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイルデバイスから短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術現場デバイス1a~1n/2a~2mは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリ)、WiMAX(IEEE802.16ファミリ)、IEEE802.20、ロングタームエボリューション(long-term evolution、LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0076】
モジュール式通信ハブ203は、手術現場デバイス1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、デバイス1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載される数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってこのデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0077】
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンのデバイスとして使用されてもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術現場デバイス1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
【0078】
図9は、コンピュータ実装対話型外科用システム200を示す。コンピュータ実装対話型外科用システム200は、多くの点で、コンピュータ実装対話型外科用システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装対話型外科用システム200は、多くの点で外科用システム102と類似する1つ以上の外科用システム202を含む。各外科用システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装対話型外科用システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術現場内に位置する他のコンピュータ化デバイスなどの複数の手術現場デバイスに接続されたモジュール式制御タワー236を備える。
図10に示されるように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。
図9の実施例に例示するように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結された撮像モジュール238、エネルギデバイス241に連結された発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意選択でディスプレイ237に連結されたスマートデバイス/器具235、及び非接触センサモジュール242に連結される。手術現場デバイスは、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータ記憶デバイスに連結される。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。とりわけ、デバイス/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載される有線又は無線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、デバイス/器具ディスプレイ、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、画像及びオーバーレイ画像と共にモジュール式制御タワーに接続されたデバイスから受信したデータを表示してもよい。
【0079】
図10は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続デバイスなどのモジュール式通信ハブ203と、例えば局所処理、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム210と、を備える。
図10に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続できるモジュール(例えば、デバイス)の数を拡張するために階層化構成で接続され、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができる。
図10に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチの各々は、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続される。クラウド204への通信は、有線又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0080】
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術現場の寸法を測定し、また超音波又はレーザ型非接触測定デバイスのいずれかを使用して外科的現場のマップを生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術現場の周囲壁に反射したときのエコーを受信することによって手術現場をスキャンし、ここでセンサモジュールが、手術現場のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調節するように構成される。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信し、手術現場の周囲壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して、手術現場のサイズを判定し、かつBluetoothペアリング距離限界を調節することによって手術現場をスキャンする。
【0081】
コンピュータシステム210は、プロセッサ244とネットワークインターフェース245とを備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、記憶デバイス248、メモリ249、不揮発性メモリ250、及び入力/出力インターフェース251に連結される。システムバスは、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(Industrial Standard Architecture、ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro-Chearmel Architecture、MSA)、拡張ISA(Extended ISA、EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(Intelligent Drive Electronics、IDE)、VESAローカルバス(VESA Local Bus、VLB)、周辺デバイス相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(Advanced Graphics Port、AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(Personal Computer Memory Card International Association bus、PCMCIA)、小型計算機システム・インターフェース(Small Computer Systems Interface、SCSI)、又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるがこれらに限定されない任意の様々なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のうちのいずれかであってもよい。
【0082】
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(single-cycle serial random access memory、SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EEPROM)、及び/又は、1つ以上のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)若しくは1つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder input、QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0083】
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機能を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0084】
システムメモリには、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含むことができる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(basic input/output system、BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリには、ROM、プログラマブルROM(programmable ROM、PROM)、電気的プログラマブルROM(electrically programmable ROM、EPROM)、EEPROM、又はフラッシュメモリが含まれ得る。揮発性メモリには、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)が含まれる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)、シンクロナスDRAM(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクリンクDRAM(Synchlink DRAM、SLDRAM)、及びダイレクトランバスRAM(direct Rambus RAM、DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0085】
コンピュータシステム210は、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体、例えばディスク記憶デバイスなども含む。ディスク記憶デバイスには、磁気ディスクドライブ、フロッピディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのようなデバイスが含まれるが、これらに限定されない。加えて、ディスク記憶デバイスは、記憶媒体を、独立して、又はコンパクトディスクROMデバイス(compact disc ROM、CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(compact disc recordable drive、CD-R Drive)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(compact disc rewritable drive、CD-RW Drive)、若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(digital versatile disc ROM drive、DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない他の記憶媒体との組み合わせで、含むことができる。ディスク記憶デバイスのシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0086】
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアにはオペレーティングシステムが含まれる。ディスク記憶デバイス上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶デバイス上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0087】
ユーザは、I/Oインターフェース251に連結された入力デバイスを介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力デバイスには、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライト・ディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが含まれるが、これらに限定されない。これら及び他の入力デバイスは、インターフェースポートを介し、システムバスを通してプロセッサに接続する。インターフェースポートは、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びUSBを含む。出力デバイスは、入力デバイスと同じタイプのポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、またコンピュータシステムからの情報を出力デバイスに出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力デバイスの中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタなどのいくつかの出力デバイスが存在することを示すために提供される。出力アダプタには、例示としてのものであり限定するものではないが、出力デバイスとシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが含まれる。遠隔コンピュータなどの他のデバイス及び/又はデバイスのシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0088】
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータなどの1つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピアデバイス、又は他の一般的なネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータと共にメモリ記憶デバイスのみが示される。遠隔コンピュータは、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術には、光ファイバ分散データインターフェース(Fiber Distributed Data Interface、FDDI)、銅線分散データインターフェース(Copper Distributed Data Interface、CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが含まれる。WAN技術には、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(Integrated Services Digital Network、ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、並びにデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line、DSL)が含まれるがこれらに限定されない。
【0089】
様々な態様では、
図10のコンピュータシステム210、
図9~
図10の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(single instruction multiple data、SIMD)、又は複数命令複数データ(multiple instruction multiple data、MIMD)技術を用いる並列コンピューティングを用いて速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実行することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0090】
通信接続とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのために通信接続はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアには、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が含まれる。
【0091】
様々な態様では、
図9及び
図10を参照して説明したデバイス/器具235は、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)として実装することができる。したがって、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)は、モジュール式制御タワー236及び外科用ハブ206とインターフェースするように構成される。いったん外科用ハブ206に接続されると、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)は、クラウド204、サーバ213、ハブに接続された他の器具、ハブディスプレイ215、若しくは可視化システム209、又はこれらの組み合わせとインターフェースするように構成される。更に、ハブ206に接続されると、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)は、ハブローカルコンピュータシステム210で利用可能な処理回路を利用してもよい。
【0092】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様に係る、USBネットワークハブ300デバイスの一態様の機能ブロック図を示す。図示した態様では、USBネットワークハブデバイス300は、Texas Instruments製TUSB2036集積回路ハブを採用する。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302及び最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308を提供するCMOSデバイスである。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1~DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1~DP3)出力を含む差動データポートである。
【0093】
USBネットワークハブ300デバイスは、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態マシンを備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に統合される。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられたデバイスの速度に応じてスルーレートを自動的に設定することによって、最高速度及び低速のデバイスの両方をサポートする。USBネットワークハブ300デバイスは、バス電力モード又はセルフ電力モードのいずれかで構成されてもよく、電力を管理するためのハブ電力論理312を含む。
【0094】
USBネットワークハブ300デバイスは、シリアルインターフェースエンジン310(SIE)を含む。SIE310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET、及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(NRZI)データ符号化/復号及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(PID)の生成、及びチェック/復号、並びに/又はシリアルパラレル/パラレルシリアル変換が挙げられ得る。310は、クロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して、上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するために、サスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマ316回路及びハブリピータ回路318に連結される。SIE310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介したシリアルEEPROMからのコマンドを制御するように、インターフェース論理328を介してコマンドデコーダ326に連結される。
【0095】
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バス電力モード及びセルフ電力モードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバス電力ハブ、及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフ電力ハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成されてもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のあるデバイスを接続するために露出される、といった具合である。
【0096】
外科用ハブ及び/又は外科用ハブネットワークの構造及び機能に関する更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する、2018年4月19日出願の米国特許仮出願第62/659,900号に見出すことができる。
【0097】
クラウドシステムハードウェア及び機能モジュール
図12は、本開示の少なくとも1つの態様に係る、コンピュータ実装対話型外科用システムのブロック図である。一態様では、このコンピュータ実装対話型外科用システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及び手術現場又は医療施設を含む様々な外科用システムの動作に関するデータを監視及び分析するように構成される。コンピュータ実装対話型外科用システムは、クラウドベースの分析システムを含む。クラウドベースの分析システムは、外科用システムとして記載されているが、必ずしもそのように限定されるものではなく、一般的にクラウドベースの医療システムであってもよい。
図12に示すように、クラウドベースの分析システムは、複数の外科用器具7012(器具112と同じ又は類似であってもよい)と、複数の外科用ハブ7006(ハブ106と同じ又は類似であってもよい)と、外科用ハブ7006をクラウド7004(クラウド204と同じ又は類似であってもよい)に連結するための外科用データネットワーク7001(ネットワーク201と同じ又は類似であってもよい)とを備える。複数の外科用ハブ7006のそれぞれは、1つ以上の外科用器具7012に通信可能に連結される。ハブ7006はまた、ネットワーク7001を介してコンピュータ実装対話型外科用システムのクラウド7004に通信可能に連結される。クラウド7004は、様々な外科用システムの動作に基づいて生成されたデータを記憶、操作、及び通信するためのハードウェア及びソフトウェアのリモートの集中型源である。
図12に示すように、クラウド7004へのアクセスは、インターネット又は何らかの他の適切なコンピュータネットワークであってもよいネットワーク7001を介して達成される。クラウド7004に結合される外科用ハブ7006は、クラウドコンピューティングシステムのクライアント側(すなわち、クラウドベースの分析システム)と見なすことができる。外科用器具7012は、本明細書に記載される様々な外科的処置又は動作の制御及び実施のために、外科用ハブ7006とペアリングされている。
【0098】
加えて、外科用器具7012は、(送受信機もまた含んでもよい)対応する外科用ハブ7006へのデータ伝送、及び外科用ハブ7006からのデータ伝送のための送受信機を備えてもよい。外科用器具7012と対応するハブ7006との組み合わせは、医療手術を提供するための医療施設(例えば、病院)内の手術現場などの、特定の位置を示してもよい。例えば、外科用ハブ7006のメモリは、位置データを記憶してもよい。
図12に示すように、クラウド7004は、中央サーバ7013(
図1のリモートサーバ113、及び/又は
図9のリモートサーバ213と同じ又は類似であってもよい)、ハブアプリケーションサーバ7002、データ分析モジュール7034、及び入力/出力(「I/O」)インターフェース7007を備える。クラウド7004の中央サーバ7013は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理し、これは、クライアント外科用ハブ7006による要求を監視し、要求を実行するためのクラウド7004の処理能力を管理することを含む。中央サーバ7013のそれぞれは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ及び磁気記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含むことができる、好適なメモリデバイス7010に連結された1つ以上のプロセッサ7008を備える。メモリデバイス7010は、実行されると、プロセッサ7008が、以下で説明するクラウドベースのデータ分析、動作、提案、及び他の動作のために、データ分析モジュール7034を実行させる、機械実行可能命令を含んでもよい。更に、プロセッサ7008は、ハブ7006によって独立して実行されるハブアプリケーションと独立して、又はハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール7034を実行することができる。中央サーバ7013はまた、メモリ2210内に常駐することができる集約された医療データデータベース2212を含む。
【0099】
ネットワーク7001を介した様々な外科用ハブ7006への接続に基づいて、クラウド7004は、様々な外科用器具7012及びそれらの対応するハブ7006によって生成された特定のデータからのデータを集約することができる。そのような集約データは、クラウド7004の集約された医療データのデータベース7011内に記憶されてもよい。具体的には、クラウド7004は、有利には、集約されたデータ上でデータ分析及び動作を実行して、個別のハブ7006がそれ自体で達成できない洞察を得てもよく、かつ/又は機能を実行してもよい。この目的で、
図12に示すように、クラウド7004と外科用ハブ7006とは、情報を送受信するように通信可能に連結される。I/Oインターフェース7007は、ネットワーク7001を介して複数の外科用ハブ7006に接続される。このようにして、I/Oインターフェース7007は、外科用ハブ7006と集約された医療データデータベース7011との間で情報を転送するように構成することができる。したがって、I/Oインターフェース7007は、クラウドベース分析システムの読み出し/書き込み動作を容易にすることができる。そのような読み出し/書き込み動作は、ハブ7006からの要求に応じて実行されてもよい。これらの要求は、ハブアプリケーションを介してハブ7006に送信される場合がある。I/Oインターフェース7007は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにクラウド7004をハブ7006に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを含み得る1つ以上の高速データポートを含むことができる。クラウド7004のハブアプリケーションサーバ7002は、外科用ハブ7006によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有機能をホストし、供給するように構成される。例えば、ハブアプリケーションサーバ7002は、ハブアプリケーションがハブ7006によって作成された要求を管理して、集約された医療データデータベース7011へのアクセスを制御し、負荷バランス調節を実行してもよい。データ分析モジュール7034を、
図13を参照して更に詳細に説明する。
【0100】
本開示に記載される特定のクラウドコンピューティングシステムの構成は、具体的には、外科用器具7012、112などの医療用デバイスを使用して実行される医療動作及び処置のコンテキストにおいて生じる様々な問題に対処するように設計されている。特に、外科用器具7012は、外科手術の成績を改善するための技術を実施するために、クラウド7004と相互作用するように構成されたデジタル外科用デバイスであってもよい。様々な外科用器具7012及び/又は外科用ハブ7006は、臨床医が外科用器具7012とクラウド7004との間の相互作用の態様を制御してもよいように、タッチ制御されるユーザインターフェースを含んでもよい。聴覚的に制御されるユーザインターフェースなどの制御のための他の好適なユーザインターフェースもまた使用することもできる。
【0101】
図13は、本開示の少なくとも1つの態様に係る、コンピュータ実装対話型外科用システムの機能アーキテクチャを示すブロック図である。クラウドベース分析システムは、医療分野において具体的に生じる問題にデータ分析ソリューションを提供するために、クラウド7004のプロセッサ7008によって実行され得る複数のデータ分析モジュール7034を含む。
図13に示すように、クラウドベースのデータ分析モジュール7034の機能は、外科用ハブ7006上でアクセスされ得るハブアプリケーションサーバ7002によってホストされたハブアプリケーション7014を介して支援することができる。クラウドプロセッサ7008及びハブアプリケーション7014は、データ分析モジュール7034を実行するために連携して動作してもよい。アプリケーションプログラムインターフェース(API)7016は、ハブアプリケーション7014に対応する一連のプロトコル及びルーチンを定義する。加えて、API7016は、アプリケーション7014の動作のために、集計された医療データのデータベース7011内へのデータの記憶及びここからの読み出しを管理する。キャッシュ7018は、データも(例えば、一時的に)記憶し、アプリケーション7014によって使用されるデータのより効率的な検索のためにAPI7016に結合される。
図13のデータ分析モジュール7034は、リソース最適化7020、データ収集及び集約7022、認可及びセキュリティ7024、制御プログラム更新7026、患者転帰分析7028、提案7030、並びにデータ分類及び優先順位付け7032のためのモジュールを含む。他の好適なデータ分析モジュールは、いくつかの態様により、クラウド7004によって実装される場合もある。一態様では、データ分析モジュールは、傾向、転帰、及び他のデータの分析に基づいて特定の提案に使用される。
【0102】
例えば、データ収集及び集約モジュール7022は、顕著な特徴又は構成(例えば、傾向)の識別、冗長データセットの管理、及び手術ごとにグループ化することができるが、必ずしも実際の外科手術日付及び外科医に紐づけされていないペアリングされたデータセットへのデータの記憶を含む、自己記述型データ(例えば、メタデータ)を生成するために使用される場合がある。特に、外科用器具7012の動作から生成される対のデータセットは、例えば出血又は非出血事象などのバイナリ分類を適用することを含み得る。より一般的には、バイナリ分類は、望ましい事象(例えば、成功した外科的処置)又は望ましくない事象(例えば、誤発射又は誤使用された外科用器具7012)のいずれかとして特徴付けられてもよい。集約された自己記述型データは、外科用ハブ7006の様々なグループ又はサブグループから受信された個々のデータに相当してもよい。したがって、データ収集及び集約モジュール7022は、外科用ハブ7006から受信した生データに基づいて、集約メタデータ又は他の編成されたデータを生成することができる。この目的で、プロセッサ7008は、データ分析モジュール7034を実行するために、ハブアプリケーション7014及び集約された医療データデータベース7011に動作的に結合することができる。データ収集及び集約モジュール7022は、集約された編成済みデータを集約された医療データデータベース2212に記憶してもよい。
【0103】
リソース最適化モジュール7020は、この集約されたデータを分析して、特定の医療施設又は医療施設のグループに関するリソースの最適な使用を決定するように構成することができる。例えば、リソース最適化モジュール7020は、そのような器具7012の対応する予測されるデマンドに基づいて、医療施設のグループに関する外科用ステープラ7012の最適な順序点を決定してもよい。リソース最適化モジュール7020はまた、リソース使用を改善することができるかどうかを判定するために、様々な医療施設のリソース使用又は他の動作構成を評価する場合があるであろう。同様に、提案モジュール7030は、データ収集及び集約モジュール7022から集約された編成済みデータを分析して提案を提供するように構成することができる。例えば、提案モジュール7030は、特定の外科用器具7012が、例えば、期待される誤り率よりも高いことに基づいて改善されたバージョンにアップグレードされるべきであることを、医療施設(例えば、病院などの医療サービス提供者)に提案することができる場合もある。加えて、提案モジュール7030及び/又はリソース最適化モジュール7020は、製品再注文ポイントなどのより良好な供給チェーンパラメータを提案し、異なる外科用器具7012、その使用の、又は手術結果を改善する処置ステップなどの示唆を提供することができる場合もある。医療施設は、対応する外科用ハブ7006を介してそのような提案を受信することができる。様々な外科用器具7012のパラメータ又は構成に関するより具体的な提案もまた提供することができる。ハブ7006及び/又は外科用器具7012はそれぞれ、クラウド7004によって提供されるデータ又は提案を表示する表示スクリーンを有することができる場合もある。
【0104】
患者転帰分析モジュール7028は、外科用器具7012の現在使用されている動作パラメータに関連付けられた手術結果を分析することができる。患者転帰分析モジュール7028はまた、他の潜在的な動作パラメータを分析及び評価してもよい。これに関連して、提案モジュール7030は、より良好な封止又はより少ない出血などの、より良好な手術結果をもたらすことに基づいて、これらの他の潜在的な動作パラメータを使用して提案することができる場合もある。例えば、提案モジュール7030は、対応するステープル留め外科用器具7012に特定のカートリッジをいつ使用すべきかに関する提案を、外科用ハブ7006に送信することができる。したがって、クラウドベースの分析システムは、共通変数を制御している間に、生データの大規模な収集を分析し、複数の医療施設にわたって(有利には、集約されたデータに基づいて決定される)集中的提案を提供するように構成されてもよい。例えば、クラウドベースの分析システムは、単一の医療施設だけでは独立して分析できない方法で、医療行為のタイプ、患者のタイプ、患者の数、医療提供者/施設が、同様のタイプの器具などを使用する医療提供者の間の地理的類似性などに基づいてデータを分析、評価、及び/又は集約することができる場合もある。
【0105】
制御プログラム更新モジュール7026は、対応する制御プログラムが更新されたときに、様々な外科用器具7012の提案を実施するように構成することができる場合もある。例えば、患者転帰分析モジュール7028は、特定の制御パラメータを成功した(又は失敗した)結果とリンクする相関関係を識別することができる場合もある。このような相関関係は、更新された制御プログラムが制御プログラム更新モジュール7026を介して外科用器具7012に送信されるときに対処されてもよい。対応するハブ7006を介して送信される器具7012への更新は、クラウド7004のデータ収集及び集約モジュール7022によって収集され、かつ分析された集約された成績データを組み込んでもよい。加えて、患者転帰分析モジュール7028及び提案モジュール7030は、集約された成績データに基づいて、器具7012を使用する改善された方法を識別することができる場合もある。
【0106】
クラウドベースの分析システムは、クラウド7004によって実装されるセキュリティ機能を含んでもよい。これらのセキュリティ機能は、認可及びセキュリティモジュール7024によって管理されてもよい。それぞれの外科用ハブ7006は、ユーザ名、パスワード、及び他の好適なセキュリティ資格情報などの関連する固有の資格情報を有することができる。これらの資格情報は、メモリ7010に記憶され、許可されたクラウドアクセスレベルに関連付けることができる場合もある。例えば、正確な資格情報を提供することに基づいて、外科用ハブ7006は、クラウドと所定の範囲まで通信するアクセスを付与されてもよい(例えば、特定の定義されたタイプの情報の送信又は受信を行ってもよい)。この目的で、クラウド7004の集約された医療データデータベース7011は、提供された資格情報の精度を検証するための資格情報のデータベースを含んでもよい。異なる資格情報は、クラウド7004によって生成されたデータ分析を受信するための所定のアクセスレベルなど、クラウド7004との相互作用のための様々なレベルの許可に関連付けられてもよい。
【0107】
更に、セキュリティ目的で、クラウドは、ハブ7006、器具7012、及び禁止されたデバイスの「ブラックリスト」を含んでもよい他のデバイスのデータベースを維持することができる場合もある。具体的には、ブラックリストに記載された外科用ハブ7006は、クラウドとの相互作用を許可されない可能性がある一方で、ブラックリストに記載された外科用器具7012は、対応するハブ7006への機能的アクセスを有さない可能性があり、かつ/又はその対応するハブ7006とペアリングされたときに、完全に機能することが妨げられる可能性がある。更に又はあるいは、クラウド7004は、不適合性又は他の指定された基準に基づいて、器具7012にフラグを立ててもよい。このようにして、偽造医療用デバイス及びそのようなデバイスの、クラウドベースの分析システム全体での不適切な再使用を識別し、対処することができる。
【0108】
外科用器具7012は、無線送受信機を使用して、例えば、対応するハブ7006及びクラウド7004へのアクセスのための認可資格情報を表してもよい無線信号を送信してもよい。有線送受信機も、信号を送信するために使用することができる。そのような認可資格情報は、外科用器具7012のそれぞれのメモリデバイスに記憶することができる。認可及びセキュリティモジュール7024は、認可資格情報が正確であるか又は偽造であるかを判定することができる。認可及びセキュリティモジュール7024はまた、強化されたセキュリティのために、認可資格情報を動的に生成してもよい。資格情報はまた、ハッシュベースの暗号化を使用することなどによって、暗号化することができる場合もある。適切な認可を送信すると、外科用器具7012は、対応するハブ7006及び最終的にはクラウド7004に信号を送信して、器具7012が医療データを取得して送信する準備ができていることを示してもよい。これに応答して、クラウド7004は、集約された医療データデータベース7011に記憶するための医療データを受信することが可能な状態に遷移してもよい。このデータ伝送準備は、例えば、器具7012上の光インジケータによって示すことができる場合もある。クラウド7004はまた、それらの関連する制御プログラムを更新するために、外科用器具7012に信号を送信することができる。クラウド7004は、制御プログラムに対するソフトウェアアップデートが適切な外科用器具7012にのみ送信されるように、特定のクラスの外科用器具7012(例えば、電気外科用器具)に向けられた信号を送信することができる。更に、クラウド7004は、選択的データ送信及び認可資格情報に基づいてローカル又はグローバルの問題に対処するために、システムワイドソリューションを実装するために使用することができる場合もある。例えば、外科用器具7012のグループが共通の製造不良を有するものとして識別される場合、クラウド7004は、このグループに対応する認可資格情報を変更して、このグループの動作ロックアウトを実施してもよい。
【0109】
クラウドベースの分析システムは、(例えば、提案モジュール2030を介して)改善された実務及び提案の変更を判定するために、複数の医療施設(例えば、病院のような医療施設)を監視することを可能にしてもよい。したがって、クラウド7004のプロセッサ7008は、個々の医療施設に関連付けられたデータを分析して、施設を識別し、そのデータを他の医療施設に関連付けられた他のデータと集約することができる。グループは、例えば、同様の操作行為又は地理的位置に基づいて定義することができる場合がある。このようにして、クラウド7004は、医療施設グループの幅広い分析及び提案を提供してもよい。クラウドベースの分析システムはまた、強化された状況認識のために使用することができる場合がある。例えば、プロセッサ7008は、(全体的な動作及び/又は様々な医療処置に対する)特定の施設に対するコスト及び有効性に関する提案の効果を予測的にモデル化してもよい。その特定の施設に関連するコスト及び有効性はまた、他の施設又は任意の他の同等の施設の対応するローカル領域と比較することもできる。
【0110】
データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、重大性(例えば、データに関連付けられた医療事象の重篤度、意外さ、不審さ)に基づいてデータを優先順位付けし、かつ分類してもよい。この分類及び優先順位付けは、本明細書に記載されるクラウドベースの分析及び動作を改善するために、上記の他のデータ分析モジュール7034の機能と併せて使用してもよい。例えば、データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、データ収集及び集約モジュール7022並びに患者転帰分析モジュール7028によって実行されるデータ分析に対する優先度を割り当てることができる。異なる優先順位レベルは、迅速応答のための上昇、特別な処理、集約された医療データデータベース7011からの除外、又は他の好適な応答などの、(緊急性のレベルに対応する)クラウド7004からの特定の応答をもたらすことができる。更に、必要に応じて、クラウド7004は、対応する外科用器具7012からの追加データのために、ハブアプリケーションサーバを介して要求(例えば、プッシュメッセージ)を送信することができる。プッシュメッセージは、支援又は追加のデータを要求するために、対応するハブ7006上に表示された通知をもたらすことができる。このプッシュメッセージは、クラウドが有意な不規則性又は外れ値を検出し、クラウドが不規則性の原因を判定することができない状況で必要とされてもよい。中央サーバ7013は、例えば、データが所定の閾値を超えて予測値とは異なると判定されるとき、又はセキュリティが含まれていたと見られる場合など、特定の重大な状況においてこのプッシュメッセージをトリガするようにプログラムされてもよい。
【0111】
様々な態様では、
図12及び
図13を参照して上述した外科用器具7012は、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)として実装することができる。したがって、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)は、外科用ハブ7006及びクラウド7004とインターフェースするように構成されたネットワーク2001と、インターフェースするように構成される。したがって、中央サーバ7013及びデータ分析モジュール7034によって提供される処理能力は、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)からの情報(例えば、データ及び制御)を処理するように構成される。
【0112】
クラウド分析システムに関する更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する、2018年4月19日出願の米国特許仮出願第62/659,900号に見出すことができる。
【0113】
状況認識
感知されたデータに応答する制御アルゴリズムを含む「インテリジェント」デバイスは、感知されたデータを考慮することなく動作する「データ処理能力のない(dumb)」デバイスに改善を加えたものであり得るが、いくつかの感知されたデータは、単独で考慮される場合、すなわち、実行される外科的処置のタイプ又は手術されている組織のタイプのコンテキストなしでは、不完全又は決定的ではない可能性がある。処置コンテキストを知る(例えば、手術される組織のタイプ又は行われている処置のタイプを知る)ことがなければ、制御アルゴリズムは、特定のコンテキストを含まない感知データが与えられると、モジュール式デバイスを不正確に又は準最適に制御することがある。例えば、特定の感知されたパラメータに応答して外科用器具を制御するための制御アルゴリズムの最適な方法は、手術されている特定の組織のタイプに従って変化する可能性がある。これは、異なる組織のタイプが異なる特性(例えば、引き裂きに対する抵抗)を有し、これにより外科用器具によって取られた動作に対して異なって応答するという事実に起因する。したがって、特定のパラメータについて同じ測定値が感知された場合であっても、外科用器具が異なる動作をとることが望ましいことがある。1つの具体的な例として、器具がそのエンドエフェクタを閉鎖するために予想外に高い力を感知することに応答して外科用ステープル及び切断器具を制御する最適な方法は、組織のタイプが引き裂きの影響を受けやすいか、又はこれに耐性があるかによって異なる。肺組織などの引き裂きの影響を受けやすい組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、組織の引き裂きを回避するために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプダウンさせる。胃組織などの引き裂きに耐性がある組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、エンドエフェクタが組織に適切にクランプされることを確実にするために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプアップさせる。肺組織がクランプされているのか、胃組織がクランプされているのかを知らなければ、制御アルゴリズムは、準最適な決定を行うことがある。
【0114】
1つの解決策は、様々なデータソースから受信したデータに基づいて行われる外科的処置に関する情報を導出し、次いで、ペアリングされるモジュール式デバイスを適宜制御するように構成されたシステムを含む、外科用ハブを利用する。言い換えると、外科用ハブは、受信したデータから外科的処置に関する情報を推定し、次いで、外科的処置の推定されたコンテキストに基づいて、外科用ハブとペアリングされるモジュール式デバイスを制御するように構成される。
図14は、本開示の少なくとも1つの態様に係る、状況認識外科用システム5100の図を示す。いくつかの例示では、データソース5126は、例えば、モジュール式デバイス5102(患者及び/又はモジュール式デバイス自体に関連付けられたパラメータを検出するように構成されたセンサを含むことができる)、データベース5122(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者監視デバイス5124(例えば、血圧(BP)モニタ及び心電図(EKG)モニタ)を含む。
【0115】
多くの点においてハブ106と同様であり得る外科用ハブ5104は、例えば、受信したデータの特定の組み合わせ又はデータソース5126からデータが受信される特定の順序に基づいて、データから外科的処置に関するコンテキスト情報を導出するように構成することができる。受信したデータから推定されるコンテキスト情報は、例えば、行われる外科的処置のタイプ、外科医が行っている外科的処置の特定のステップ、手術されている組織のタイプ、又は処置の対象である体腔を含むことができる。受信したデータから外科的処置に関連する情報を導出又は推定するための外科用ハブ5104のいくつかの態様によるこの能力は、「状況認識」と称され得る。一例示では、外科用ハブ5104は、受信したデータから外科的処置に関連するコンテキスト情報を導出する外科用ハブ5104に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである状況認識システムを組み込むことができる。
【0116】
外科用ハブ5104の状況認識システムは、様々な異なる方法でデータソース5126から受信したデータからコンテキスト情報を導出するように構成され得る。一例示では、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース5122、患者監視デバイス5124、及び/又はモジュール式デバイス5102からのデータ)を、外科的処置に関する対応するコンテキスト情報と相関させるために、訓練データで訓練されたパターン認識システム、又は機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)を含む。言い換えると、機械学習システムは、提供された入力から外科的処置に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練され得る。別の例示では、状況認識システムは、外科的処置に関する事前に特徴付けされたコンテキスト情報を、コンテキスト情報に対応する1つ以上の入力(又は入力の範囲)と対応させて記憶する、ルックアップテーブルを含むことができる。1つ以上の入力による問い合わせに応答して、ルックアップテーブルは、モジュール式デバイス5102を制御するために状況認識システムの対応するコンテキスト情報を返すことができる。一例示では、外科用ハブ5104の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ以上のモジュール式デバイス5102の特定の制御調節又は制御調節のセットに関連付けられる。別の例示では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供されたときに1つ以上のモジュール式デバイス5102の1つ以上の制御調節を生成又は読みだす、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又は他のそのようなシステムを含む。
【0117】
状況認識システムを組み込む外科用ハブ5104は、外科用システム5100に多くの利益を提供する。1つの利益は、感知及び収集されたデータの解釈を改善することを含み、これは、外科的処置の過程中の処理精度及び/又はデータの使用を改善する。以前の例に戻ると、状況認識外科用ハブ5104は、どのタイプの組織が手術されているかを判定することができ、したがって、外科用器具のエンドエフェクタを閉じるために予想外に高い力が検出されると、状況認識外科用ハブ5104は、組織のタイプに合わせて外科用器具のモータを正しくランプアップ又はランプダウンすることができる。
【0118】
別の実施例として、手術されている組織のタイプは、特定の組織間隙測定のための外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値になされる調節に影響を及ぼすことができる。状況認識外科用ハブ5104は、行われている外科的処置が胸部処置であるのか又は腹部処置であるのかを推定することができ、これにより状況認識外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺であるのか(胸部手術の場合)又は胃であるのか(腹部手術の場合)を判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織のタイプに合わせて適切に調節することができる。
【0119】
更に別の実施例として、送気処置中に手術されている体腔のタイプは、排煙器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識手術ハブ5104は、手術部位が(外科的処置が送気を利用していると判定することによって)圧力下にあるかどうかを判定し、処置タイプを判定することができる。処置タイプが一般的に特定の体腔内で実行されるため、外科用ハブ5104は、手術されている体腔に合わせて適切に排煙器のモータ速度を制御することができる。したがって、状況認識手術ハブ5104は、胸部手術及び腹部手術の両方のために一定量の排煙を提供することができる。
【0120】
更に別の実施例として、行われている処置のタイプは、超音波外科用器具又は高周波(RF)電気外科用器具が作動するのに最適なエネルギレベルに影響を及ぼし得る。関節鏡処置は、例えば、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるため、より高いエネルギレベルを必要とする。状況認識外科用ハブ5104は、外科的処置が関節鏡処置であるかどうかを判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、流体充填環境を補償するために、発生器のRF電力レベル又は超音波振幅(すなわち、「エネルギレベル」)を調節することができる。関連して、手術されている組織のタイプは、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具が作動するのに最適なエネルギレベルに影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科的処置の予想される組織プロファイルに従って、どのタイプの外科的処置が行われているかを判定し、次いで、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギレベルをそれぞれカスタマイズすることができる。更に、状況認識外科用ハブ5104は、処置ベースでのみではなく、外科的処置の過程にわたって、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギレベルを調節するように構成することができる。状況認識外科用ハブ5104は、外科的処置のどのステップが行われているか、又はその後に行われるかを判定し、次いで発生器及び/又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具の制御アルゴリズムを更新して、外科的処置のステップに従って予想される組織タイプに適切な値にエネルギレベルを設定することができる。
【0121】
更に別の例として、外科用ハブ5104が1つのデータソース5126から引き出す結論を改善するために、追加のデータソース5126からデータが引き出されることができる。状況認識外科用ハブ5104は、モジュール式デバイス5102から受信したデータを、他のデータソース5126からの外科的処置に関して構築したコンテキスト情報で増強することができる。例えば、状況認識外科用手術ハブ5104は、医療用撮像デバイスから受信したビデオ又は画像データに従って、止血が発生したかどうか(すなわち、手術部位での出血が止まっているかどうか)を判定するように構成することができる。しかしながら、場合によっては、ビデオ又は画像データは、決定的でない可能性がある。したがって、一例示では、外科用ハブ5104は、生理学的測定(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に接続されたBPモニタによって感知された血圧)を、(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に連結された医療用撮像デバイス124(
図2)からの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶接の完全性についての判定を行うように更に構成され得る。言い換えると、外科用ハブ5104の状況認識システムは、生理学的測定データを考慮して、可視化データを分析する際に追加のコンテキストを提供することができる。追加のコンテキストは、可視化データがそれ自体では決定的ではないか、又は不完全であり得る場合に有用であり得る。
【0122】
別の利益としては、外科的処置の過程中に医療従事者が外科用システム5100と対話するか又はこれを制御するために必要とされる回数を低減するために、行われている外科的処置の特定のステップに従って、ペアリングされるモジュール式デバイス5102を積極的かつ自動的に制御することを含む。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、処置の後続のステップが器具の使用を必要とすると判定した場合に、RF電気外科用器具が接続されている発生器を積極的に起動させることができる。エネルギ源を積極的に起動することにより、処置の先行するステップが完了するとすぐに器具を使用準備完了にすることができる。
【0123】
別の実施例として、状況認識外科用ハブ5104は、外科的処置の現在又は後続のステップが、ディスプレイ上の異なる視界又は拡大の程度を必要とするかどうかを、外科医が見る必要があると予想される手術部位における特徴に従って判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、(例えば、可視化システム108のために医療用撮像デバイスによって供給される)表示された視界を、それに応じて積極的に変化させることができ、ディスプレイが外科的処置にわたって自動的に調節するようにする。
【0124】
更に別の例として、状況認識外科用ハブ5104は、外科的処置のどのステップが行われているか、又はその後に実行されるか、及び、特定のデータ又はデータ間の比較が外科的処置のそのステップに必要とされるかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、外科医が特定の情報を尋ねるのを待つことなく、行われている外科的処置のステップに基づいて、自動的にデータスクリーンを呼び出すように構成することができる。
【0125】
別の利益は、外科的処置の設定中又は外科的処置の過程中にエラーをチェックすることを含む。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、手術現場が、行われる外科的処置のために適切に又は最適に設定されているかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、行われている外科的処置のタイプを判定し、(例えば、メモリから)対応するチェックリスト、製品位置、又は設定ニーズを読み出し、次いで、現在の手術現場のレイアウトを、外科用ハブ5104が行われていると判定した外科的処置のタイプの標準レイアウトと比較するように構成することができる。一例示では、外科用ハブ5104は、例えば、適切なスキャナによってスキャンされる、処置のためのアイテムのリスト、及び/又は外科用ハブ5104とペアリングされているデバイスのリストを、所与の外科的処置のためのアイテム及び/又はデバイスの提案される若しくは予想されるマニフェストと比較するように構成することができる。リスト間に任意の不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、特定のモジュール式デバイス5102、患者監視デバイス5124、及び/又は他の外科用アイテムが欠落していることを示す警告を提供するように構成することができる。一例示では、外科用ハブ5104は、例えば、近接センサによってモジュール式デバイス5102及び患者監視デバイス5124の相対距離又は位置を判定するように構成することができる。外科用ハブ5104は、デバイスの相対位置を、特定の外科的処置のための提案又は予想されるレイアウトと比較することができる。レイアウト間に不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、外科的処置の現在のレイアウトが提案されるレイアウトから逸脱していることを示す警告を提供するように構成することができる。
【0126】
別の例として、状況認識外科用ハブ5104は、外科医(又は他の医療従事者)が誤りを犯しているか、又は別の方法で外科的処置の過程中に期待される一連の行動から逸脱しているかどうかを判定することができる。例えば、外科用ハブ5104は、実施される外科的処置のタイプを判定し、(例えば、メモリから)機器使用のステップ又は順序の対応するリストを取り出し、次いで、外科的処置の過程中に行われているステップ、又は使用されている機器を、外科用ハブ5104が行われていると判定した外科的処置のタイプの予想されたステップ又は機器と比較するように構成することができる。一例示では、外科用ハブ5104は、外科的処置における特定のステップで、予期しない動作が実行されているか、又は予期しないデバイスが外科的処置の特定のステップで利用されていることを示す警告を提供するように構成することができる。
【0127】
全体的に、外科用ハブ5104のための状況認識システムは、各外科的処置の特定のコンテキストのために外科用器具(及び他のモジュール式デバイス5102)を調節し(例えば異なる組織タイプに対して調節するなど)、外科的処置中の動作を検証することによって、外科的処置の結果を改善する。状況認識システムはまた、処置の特定のコンテキストに従って、次のステップを自動的に示唆すること、データを提供すること、及び外科的現場内のディスプレイ及び他のモジュール式デバイス5102を調節することによって、外科的処置を実行する際の外科医の効率を改善する。
【0128】
一態様では、
図24~
図40を参照して以下に説明されるように、モジュール式デバイス5102は、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)として実装することができる。したがって、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)として実装されたモジュール式デバイス5102は、データソース5126として動作し、データベース5122及び患者監視デバイス5124と相互作用するように構成される。組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)として実装されたモジュール式デバイス5102は、外科用ハブ5104に情報(例えば、データ及び制御)を提供し、外科用ハブ5104から情報(例えば、データ及び制御)を受信するために、外科用ハブ5104と相互作用するように更に構成される。
【0129】
ここで
図15を参照すると、例えば、外科用ハブ106又は206(
図1~
図11)などの、ハブの状況認識を示す時間線5200が示されている。時間線5200は例示的な外科的処置、及び外科用ハブ106、206が、外科的処置の各ステップでデータソースから受信したデータから導き出すことができるコンテキスト情報である。時間線5200は、手術現場を設置することから開始し、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程で、看護師、外科医、及び他の医療関係者によって取られるであろう典型的なステップを示す。
【0130】
状況認識外科用ハブ106、206は、外科的処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ106、206とペアリングされたモジュール式デバイスを利用する度に生成されるデータを含むデータをデータソースから受信する。外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式デバイス及び他のデータソースからこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどのステップが実施されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。外科用ハブ106、206の状況認識システムは、例えば、レポートを生成するために処置に関するデータを記録し、医療関係者によって取られているステップを検証し、特定の処置ステップに関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、表示スクリーンを介して)提供し、コンテキストに基づいてモジュール式デバイスを調節し(例えば、モニタを起動する、医療用撮像デバイスの視界(FOV)を調節する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギレベルを変更する)、上記の任意の他のそのような動作を行うことが、可能である。
【0131】
この例示的な処置における第1のステップ5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから患者のEMRを読み出す。EMRにおける選択された患者データに基づいて、外科用ハブ106、206は、実行される処置が胸部処置であることを判定する。
【0132】
第2のステップ5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ106、206は、スキャンされた用品を様々なタイプの処置で利用される用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせ(mix of supplies)が胸部処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ106、206はまた、処置が楔形処置ではないと判定することができる(入来する用品が、胸郭楔形処置に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸郭楔形処置に対応していないかのいずれかであるため)。
【0133】
第3のステップ5206では、医療関係者は、外科用ハブ106、206に通信可能に接続されたスキャナを介して患者のバンドをスキャンする。続いて、外科用ハブ106、206は、スキャンされたデータに基づいて患者の識別情報を確認することができる。
【0134】
第4のステップ5208では、医療スタッフが補助デバイスをオンにする。利用される補助設備は、外科的処置のタイプ及び外科医が使用する技術に応じて異なり得るが、この例示的な場合では、排煙器、吸入器、及び医用撮像デバイスが含まれる。起動されると、モジュール式デバイスである補助機器は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式デバイスの特定の近傍内に位置する外科用ハブ106、206と自動的にペアリングすることができる。続いて、外科用ハブ106、206は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式デバイスのタイプを検出することによって、外科的処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式デバイスのこの特定の組み合わせに基づいて、外科的処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組み合わせ、手術に使用される医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式デバイスのタイプに基づいて、外科用ハブ106、206は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ106、206が、何の特定の処置が実施されているかを知ると、続いて外科用ハブ106、206は、メモリから、又はクラウドからその処置のステップを読み出して、次に接続されたデータソース(例えば、モジュール式デバイス及び患者監視デバイス)からその後受信したデータを相互参照して、外科的処置のどのステップを外科チームが実行しているかを推定することができる。
【0135】
第5のステップ5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視デバイスを患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視デバイスは、外科用ハブ106、206とペアリングすることができる。外科用ハブ106、206が患者監視デバイスからデータの受信を開始すると、外科用ハブ106、206は患者が手術現場にいることを確認する。
【0136】
第6のステップ5212では、医療関係者は患者に麻酔を誘発する。外科用ハブ106、206は、例えば、EKGデータ、血圧データ、ベンチレータデータ、又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式デバイス及び/又は患者監視デバイスからのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推定することができる。第6のステップ5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部分が開始する。
【0137】
第7のステップ5214では、手術されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ106、206は、例えば、患者の肺が虚脱されたことをベンチレータデータから推定することができる。外科用ハブ106、206は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期されるステップ(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術ステップであると判定することができる。
【0138】
第8のステップ5216では、医療用撮像デバイス(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像デバイスからのビデオ映像が開始される。外科用ハブ106、206は、医療用撮像デバイスへの接続を通じて医療用撮像デバイスデータ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信する。医療用撮像デバイスデータを受信すると、外科用ハブ106、206は、外科的処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ106、206は、実施されている特定の処置が、肺葉切除とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2のステップ5204で受信したデータに基づいて、楔形処置は外科用ハブ106、206によって既に割り引かれていることに留意されたい)。医療用撮像デバイス124(
図2)からのデータは、患者の解剖学的構造の可視化に関して配向されている医療用撮像デバイスの角度を判定することによる、用いられている(すなわち、起動されており、外科用ハブ106、206とペアリングされている)数又は医療用撮像デバイスを監視することによる、及び用いられている可視化デバイスのタイプを監視することによる、ことを含む多くの異なる方法の中から実施されている処置のタイプに関するコンテキスト情報を判定するために用いられ得る。例えば、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置し、一方、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前肋間位置に配置する。例えば、パターン認識又は機械学習技術を使用して、状況認識システムは、患者の解剖学的構造の可視化に基づいて、医療用撮像デバイスの位置を認識するように訓練され得る。別の例として、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は単一の医療用撮像デバイスを利用するが、VATS区域切除術を実施するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の例として、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブに通信可能に連結され得る)を利用し、これはVATS肺葉切除術では利用されない。医療用撮像デバイスからのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ106、206は、実行中の特定のタイプの外科的処置、及び/又は特定のタイプの外科的処置に使用されている技術を判定することができる。
【0139】
第9のステップ5218で、外科チームは、処置の切開ステップを開始する。外科用ハブ106、206は、エネルギ器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ106、206は、受信されたデータを外科的処置の読み出しされたステップと相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、前に考察された処置のステップが完了した後)で発射されているエネルギ器具が切開ステップに対応していると判定することができる。特定の例では、エネルギ器具は、ロボット外科用システムのロボットアームに取り付けられたエネルギツールであり得る。
【0140】
第10のステップ5220で、外科チームは、処置の結紮ステップに進む。外科用ハブ106、206は、器具が発射されていることを示す外科用ステープル留め及び切断器具からのデータを受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前ステップと同様に、外科用ハブ106、206は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内のステップと相互参照することによって、この推定を導出することができる。特定の例では、外科用器具は、ロボット外科用システムのロボットアームに取り付けられた外科用ツールであり得る。
【0141】
第11のステップ5222では、処置の区域切除部分が実施される。外科用ハブ106、206は、そのカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されるステープルのサイズ又はタイプに対応することができる。異なるタイプのステープルが異なるタイプの組織に利用されているため、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織のタイプを示すことができる。この場合、発射されるステープルのタイプは実質組織(又は他の同様の組織タイプ)に利用され、これにより、外科用ハブ106、206は、処置の区域切除部分が実行されていると推定することができる。
【0142】
続いて第12のステップ5224で、結節切開ステップが実行される。外科用ハブ106、206は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を実施していると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に利用されるRF又は超音波器具は結節切開ステップ程に対応しており、この結節切開ステップにより外科用ハブ106、206がこの推定を行うことが可能となる。異なる器具が特定の作業に対してより良好に適合するため、外科医は、処置の特定のステップに応じて、定期的に外科用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギ(すなわち、RF又は超音波)器具を交互に切り替えていることに留意されたい。したがって、ステープル留め/切断器具及び外科用エネルギ器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどのステップを実施中であるかを示すことができる。更に、特定の例では、外科的処置中の1つ以上のステップにロボットツールを使用することができ、及び/又は外科的処置中の1つ以上のステップにハンドヘルド式外科用器具を使用することができる。外科医は、例えば、ロボットツールとハンドヘルド式外科用器具とを順に交代させることができ、及び/又は、例えば、デバイスを同時に使用することができる。第12のステップ5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始する。
【0143】
第13のステップ5226では、患者の麻酔がリバースされる。外科用ハブ106、206は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。
【0144】
最後に、第14のステップ5228は、医療関係者が患者から様々な患者監視デバイスを除去することである。したがって、外科用ハブ106、206は、ハブがEKG、BP、及び患者監視デバイスからの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。この例示的な処置の説明から分かるように、外科用ハブ106、206と通信可能に連結された各種データソースから受信されたデータに基づいて、外科用ハブ106、206は、そのときに所与の外科的処置の各ステップが行われていることを判定又は推定することができる。
【0145】
様々な態様では、組み合わせエネルギ器具213100(
図18)、外科用ステープラ213102(
図18)、吸引/灌注デバイス213104(
図18)、滅菌野ディスプレイ213108(
図18)、外科用デバイス213204(
図19A及び
図19B)、外科用排出システム50400(
図21)、電気外科用器具50630(
図22)、排出システム50600(
図22)、排出システム50900(
図23)、スコープ213501(
図25)、及び外科用デバイス213608(
図26)は、例えば、時間線5200によって示されるように、外科用ハブ106又は206(
図1~
図11)などのハブ環境における状況認識において動作するように構成される。状況認識については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する2018年4月19日出願の米国特許仮出願第62/659,900号で更に説明されている。特定の例では、例えば本明細書で開示される様々なロボット外科用システムを含むロボット外科用システムの動作は、その状況認識、及び/若しくはその構成要素からのフィードバックに基づいて、並びに/又はクラウド104からの情報に基づいて、ハブ106、206によって制御することができる。
【0146】
適応制御スキーム及び対話型システム制御
様々な態様では、外科用ハブのコンピュータシステムなどのコンピュータシステムは、例えば、捕捉されたデータの周りのより深いコンテキストを抽出し、次いで、このより深いコンテキストを利用して、オペレータのための実行可能なアイテムの適応性を改善するように構成することができる。より深いコンテキストは、メタデータ及びデータの組み合わせを含むことができ、異なるソースからのデータ及び/又は異なる時間(例えば、手術前、手術中、手術後)に得られたデータを合成して、関係及び/又は相関を決定する。一例では、データのコンテキストは、外科的処置中の外科用ハブの状況認識によって通知することができ、それは、ステップ固有の若しくは時間的な調節及び/又は臨床医への提案などの実行可能なアイテムを示すことができる。システムは、相互依存的な制御の態様を有する調節可能な制御スキームを実施するように構成することができる。例えば、システムは、捕捉されたデータに基づいて対話型システム制御を有する適応制御スキームを提供するように構成することができる。
【0147】
一態様では、外科用ハブ又はハブに接続されたデバイスの制御は、感知された状況又は使用状況に基づいてその機能を調節するように(又はその機能を調節させるように)構成することができる。機能は、例えば、外科的機能のスケール又は程度(例えば、電力レベル又はクランプ力)を調節すること、外科的機能の1つ以上の閾値(例えば、電力レベルの最大限界値及び最小限界値)を調節すること、外科的機能の結果としての動作を調節すること(例えば、エネルギモダリティを変更すること)、外科的機能に影響を与える測定のタイプを調節すること(例えば、オンオフ起動からオペレータ制御の可変起動へ)、及び/又は外科的機能の相補的な動作を調節すること(例えば、選択されたエネルギモダリティに基づいてクランプ力を調節すること)、によって調節することができる。外科的機能の調節の更なる実施例が、本明細書に記載される。
【0148】
一態様では、測定のタイプは、例えばひずみゲージ又はホール効果センサを用いるなど、オンオフ起動検出と程度の測定との間で変化し得る。例えば、外科的機能のためのアクチュエータは、第1の外科的状態に対応する第1のモードではオンオフアクチュエータとして動作し、第2の外科的状態に対応する第2のモードでは程度に基づくアクチュエータとして動作することができる。程度に基づくアクチュエータは、例えば、発射ストロークの長さ及び/若しくは力、エンドエフェクタ閉鎖量及び/若しくはクランプ力、並びに/又はエネルギ起動タイプ及び/若しくはレベルを調節するように構成することができる。一態様では、起動及び/又は非起動閾値は、処置における時間に基づいて、及び/又は、例えば、システムの状況認識によって通知され得る、精密使用の外科的ステップであるか又は大まかな使用の外科的ステップであるかに基づいて調節することができる。
【0149】
一態様では、外科用ハブは、処置中に利用可能なデータから収集された実行可能なコンテキスト上の2次情報の手術室又は外科的現場内のディスプレイ上の視覚的表示に優先順位を付けるように構成することができる。優先順位付けは、例えば、実用可能な情報の確実性及び/又は重要性に基づくことができる。一態様では、実用可能な情報のための起動又はトグルアイコンは、通常のグラフィカルインターフェースがハイライトされていないところをハイライトすることを含むことができる。ディスプレイは、例えば、外科用デバイス又はメインディスプレイ(例えば、外科用ハブに接続されたディスプレイ)上にあってもよい。
【0150】
特定の例では、臨床医は、複数の外科的機能のために外科用デバイスを使用することを望む場合がある。例えば、外科用デバイスを使用して、血管を凝固させ、組織を切断し、及び/又は組織を封止することができる。これらの異なる機能を達成するために、外科用デバイスの制御スキームを調節することができる。例えば、異なる電力レベル又は閾値を利用することができる。更に又はあるいは、異なるエネルギモダリティ(例えば、超音波、双極、及び単極)を利用することができる。外科用デバイス上及び/又は遠隔コンソール上の複雑な制御に頼ることなく、異なる外科的機能を迅速に切り替えることが望ましい場合がある。特定の例では、既存の外科用デバイスを用いて、及び/又は最小限の入力制御、すなわちアクチュエータを有する外科用デバイスを用いて、そのような制御スキームの調節及び適応を実施することが望ましい場合がある。
【0151】
特定の態様では、外科用システムは、処置内の監視された条件に基づいて、制御の自動変化を実施するように構成することができる。単一の入力制御又はアクチュエータを利用して、異なる外科的機能を実現することができる。入力制御で作動可能な利用可能な外科的機能は、外科的処置の外科的ステップ又は状態に依存し得る。様々な実施形態では、状況認識外科用ハブ又はハブに接続された外科用デバイスは、その状況認識から外科的ステップ及び/又は状態を判定することができる。したがって、システムは、ユーザの意図の状況認識に基づいて、デバイスの制御スキームを調節するように構成することができる。一例では、第1の外科的状態(外科用ハブの状況認識によって判定される)では、トランスデューサの電力レベルは、第1の範囲によって規定することができ、第2の外科的状態(外科用ハブの状況認識によって判定される)では、トランスデューサの電力レベルは、第2の異なる範囲によって規定することができる。更に又はあるいは、第1の外科的状態(外科用ハブの状況認識によって判定される)では、組み合わせエネルギデバイスは、組み合わせモードで動作することができ、第2の外科的状態(外科用ハブの状況認識によって判定される)では、組み合わせエネルギデバイスは、電気外科的エネルギを適用せずに超音波モードで動作することができる。異なる外科的機能は、単一のアクチュエータによって実施することができ、それは、外科用ハブの状況認識によって通知されるスマート又はインテリジェントなアクチュエータを備えることができる。
【0152】
一態様では、外科用デバイスは、入力を受信するように構成されたアクチュエータを備えることができる。外科用デバイスは、外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信し、入力に応答してアクチュエータから作動信号を受信し、作動信号に応答して外科的機能を実施するように構成された制御回路を更に備えることができる。外科的機能は、外科的状態が第1の外科的状態に対応するときの第1の外科的機能と、外科的状態が第2の外科的状態に対応するときの第2の外科的機能とを含むことができる。第2の外科的状態は、第1の外科的状態とは異なってもよく、第2の外科的機能は、第1の外科的機能とは異なってもよい。別の態様では、非一時的媒体に記憶されるコンピュータ可読命令は、実行されると、インテリジェント外科用デバイスなどの機械に、外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信させ、外科用デバイスのアクチュエータに適用される入力に応答して作動信号を受信され、作動信号に応答して外科的機能を実施させることができる。外科的機能は、外科的状態が第1の外科的状態に対応するときの第1の外科的機能と、外科的状態が第2の外科的状態に対応するときの第2の外科的機能とを含むことができる。第2の外科的状態は、第1の外科的状態とは異なってもよく、第2の外科的機能は、第1の外科的機能とは異なってもよい。代替的な制御スキームの調節及び適応が、本明細書で更に説明される。
【0153】
本明細書に更に記載されるように、例えばアクチュエータなどの制御部の機能は、外科的現場で現在使用されている他の器具、外科的処置のステップ、及び/又は外科用デバイスの2次制御部への入力を含む、1つ以上の要因に基づいて調節することができる。そのような要因は、本明細書に更に記載されるように、状況認識から少なくとも部分的に判定することができる。
【0154】
いくつかの用途では、外科用デバイスのアクチュエータ上のアクチュエータ及び/又は入力の力の変位の程度は、外科用デバイスの電力(例えば、振幅)限界に影響を及ぼし得る。ここで
図16を参照すると、エネルギデバイス213000は、第1の作動ボタン213002及び第2の作動ボタン213004を含むことができる。様々な例において、第1の作動ボタン213002は第1の電力レベルに対応することができ、第2の作動ボタン213004は、第2の電力レベルに対応することができる。例えば、第1の作動ボタン213002は、切断モードに対応することができる、より高い又は最大の電力レベルを含むことができ、第2の作動ボタン213004は、凝固モードに対応することができる、より低い又は最小の電力レベルを含むことができる。そのような例では、第1の作動ボタン213002は「切断ボタン」と呼ぶことができ、第2の作動ボタン213004は、「凝固ボタン」と呼ぶことができる。
【0155】
作動ボタン213002、213004は、作動ボタン213002、213004がオンオフスイッチとして機能することを可能にし、オペレータがそれに加える力を検出することもまた可能にするばねバイアスの態様を有することができる。一態様では、作動ボタン213002、213004は、ボタンの移動範囲の特定の部分を占める第1の又は通常の起動と、ボタンの移動範囲の別の部分を占める第2の又は変更された起動を有することができる。例えば、ボタンの移動範囲の最初の70~80%は、エネルギの起動をもたらすことができ、ボタンの移動範囲の残りの部分は、エネルギレベルを調節することができる。そのような例では、臨床医が、より高いバイアス力を克服することによって作動ボタン213002、213004のいずれかを更に圧縮した場合、ボタンは機能を変更し、切断又は凝固エネルギレベルを印加するだけでなく、発生器に設定されたレベルから電力レベルを増加させることができるだろう。例えば、作動ボタンがボタンの移動範囲の残りの部分に移動したとき、電力レベルを1レベル増加させることができる。この動作では、高い力での作動は、エネルギを起動させることと、エネルギの電力レベルを増加させることの両方に作用する。
【0156】
一態様では、作動ボタン213002、213004によって制御される外科的機能は、エンドエフェクタ213006及び/又は閉鎖トリガ213008の位置に供され得る。例えば、依然として
図16を参照すると、第1の移動範囲にわたる(すなわち、第1の角度θ
1にわたる)閉鎖トリガ213008の動きは、エンドエフェクタ213006の第1の量、第1の距離aの閉鎖に影響し得る。第2の移動範囲にわたる(すなわち、第2の角度θ
2わたる)閉鎖トリガ213008の動きは、エンドエフェクタ213006の第2の量、第2の距離bの閉鎖に影響し得る。特定の実施形態では、第1の量は、ジョー213010、213012の閉鎖運動に対応することができ、第2の量は、ジョー213010、213012のクランプ運動に対応することができる。第1のジョー213010は、特定の例では、第2のジョー213012に対して相対的に移動することができるクランプアームであることができる。他の例では、第2のジョー213012のみ及び/又はジョー213010、213012の両方は、閉鎖トリガ213008によって移動されて、エンドエフェクタ213006を閉鎖及び/又はクランプすることができる。
【0157】
第1の作動ボタン213002及び/又は第2の作動ボタン213004は、閉鎖トリガ213008及び/又はクランプアーム213010の位置に基づいて、異なる外科的機能を実施することができる。例えば、エンドエフェクタ213006のジョー213010、213012が完全開放閾値と部分閉鎖閾値との間にあるとき(例えば、閉鎖範囲全体の2/3だけ閉じたとき)に作動ボタン213002、213004が起動された場合、作動ボタン213002、213004は、それぞれの第1のエネルギレベルを有することができる。更に、ジョー213010、213012が部分閉鎖閾値(例えば、2/3よりも閉じる)を超えて移動される場合、第1の作動ボタン213002及び第2の作動ボタン213004は、それぞれの第2のエネルギレベルを有することができる。各ボタン213002、213004の第2のエネルギレベルは、それぞれの作動ボタン213002、213004の対応する第1のエネルギレベルよりも高くすることができる。例えば、ジョー213010、213012がそれらの間に組織を能動的にクランプするときなど、ジョー213010、213012がより閉鎖されるとき、エネルギレベルはより高くなることができる。
【0158】
エネルギデバイス213000のトリガ角度(θ)に対するジョー閉鎖及びトランスデューサ振幅を示す一対のグラフ213020、213022が、
図17に示されている。グラフ213020を参照すると、エネルギデバイス213000の制御アルゴリズムは、トリガ角度(θ)、すなわち閉鎖トリガ213008(
図16)が押下される程度に従って、超音波トランスデューサの振幅を調節するように構成される。振幅は、
図17に示されるトリガ角度閾値213024などの1つ以上の閾値で調節することができる。
【0159】
より具体的には、閉鎖トリガ213008の第1の移動範囲の間(例えば、第1のトリガ変位角度θ1にわたる)、第1の作動ボタン213002は、第1の最大閾値Maxaでエネルギを起動することができ、第2の作動ボタン213004は、第1の最小閾値Minaでエネルギを起動することができる。閉鎖トリガ213008の第2の移動範囲の間(例えば、第2のトリガ変位角度θ2にわたる)、第1の作動ボタン213002は、第2の最大閾値Maxbでエネルギを起動することができ、第2の作動ボタン213004は、第2の最小閾値Minbでエネルギを起動することができる。図示のグラフ213022では、第1の最小閾値Minaは第2の最小閾値Minbとは異なり、第1の最大閾値Maxaは、第2の最大閾値Maxbとは異なる。より具体的には、第1の最小閾値Minaは第2の最小閾値Minb未満であり、第1の最大閾値Maxaは第2の最大閾値Maxb未満である。
【0160】
図17に示すように、第1の最小閾値Min
aは、トランスデューサ振幅限界の30%であり、第2の最小閾値Min
bは、トランスデューサ振幅限界の75%である。更に、第2の最大閾値Max
bは、トランスデューサ振幅限界の100%であり、一方、第1の最大閾値Max
aは、トランスデューサ振幅限界の40%のみである。他の閾値が企図される。例えば、第2の最小閾値Min
bは、第1の最大閾値Max
a未満であってもよい。
【0161】
更に他の例では、第1の最小閾値Minaは、第2の最小閾値Minbより大きくてもよく、及び/又は第1の最大閾値Maxaは、第2の最大閾値Maxbよりも大きくてもよい。更に他の例では、トリガ変位角度がトリガ角度閾値213024を超えるとき、制限のうちの1つのみを調節することができる。例えば、第2の作動ボタン213004は、角度θ1及びθ2を含む閉鎖トリガ213008の全移動範囲中に第1の最小閾値Minaを維持することができる。言い換えると、トランスデューサの振幅は、第2の作動ボタン213004が第1のジョー213010及び/又は閉鎖トリガ213008の位置にかかわらず押圧されるときに、30%に維持することができる。更に又はあるいは、制限のうちの1つ以上を、追加のトリガ角度閾値で調節することができる。
【0162】
ここでグラフ213020を参照すると、閉鎖トリガ213008の閉鎖率もまた、検出された外科的状態及び/又は外科的ステップに基づいて調節することができる。例えば、閉鎖トリガ213008は、第1のトリガ変位範囲θ1にわたる第1の移動範囲の間に第1の率で閉鎖することができ、閉鎖トリガ213008は、第2のトリガ変位範囲θ2にわたる第2の移動範囲の間に第2の率で閉鎖することができる。より具体的には、傾斜A/区域Aに対応する第1の率は、閉鎖トリガ213008がトリガ角度閾値213024を満たすまで継続することができる。図示の構成では、トリガ角度閾値213024は、75%のエンドエフェクタ閉鎖に対応する。他の例では、トリガ角度閾値213024は、例えば、3分の2閉鎖及び/又は90%閉鎖などの、75%未満又は75%超のエンドエフェクタ閉鎖を規定することができる。トリガ角度閾値213024に到達すると、閉鎖トリガ213008が100%閉鎖されるまで、閉鎖率をゾーンBの第2の率まで増加させることができる。他の例では、閉鎖率は、トリガ角度閾値213024に到達した時点で減少させることができる。更に又はあるいは、閉鎖率は、追加のトリガ角度閾値で調節することができる。
【0163】
様々な例において、閉鎖トリガ213008の位置は、外科的処置の外科的状態を示すことができる。例えば、閉鎖トリガ213008は、第1の外科的ステップの間は開放したままであることができ、第2の外科的ステップの間は第1の程度まで閉鎖することができ、第3の外科的ステップの間は第2の程度まで閉鎖することができる。例えば、開放ジョーを使用して血管を焼灼することができ、部分的に閉鎖されたジョーを使用して組織を凝固させることができ、及び/又は完全に閉鎖されたジョーを使用して組織を切断することができる。閉鎖トリガ213008の位置を監視することによって、制御回路は、外科的状態及び/又はステップを判定し、検出された状態及び/又はステップに基づいてハブに接続されたデバイスの外科的機能、すなわち電力レベルを調節するように構成される。状況認識は、判定を更に通知することができる。例えば、特定のタイプの外科的処置中、及び/又は特定のタイプの組織を治療するとき、最大閾値及び/又は最小閾値及び/又はトリガ角度閾値は、第1の方法で調節することができ、別のタイプの外科的処置中、及び/又は別のタイプの組織を治療するとき、最大閾値及び/又は最小閾値及び/又はトリガ角度閾値は、第2の方法で調節することができる。例えば、肺組織及び胃組織は、異なる応答を必要とする場合がある。更に、又はあるいは、動脈及び静脈は、異なる閾値を必要とする場合がある。状況認識は、外科的処置及び/又は組織のタイプを判定することができる。
【0164】
様々な例では、外科用デバイスの1つ以上の制御部及び/又はアクチュエータは、外科用デバイス上の別の制御部/アクチュエータに基づいて調節することができる。第1の制御部/アクチュエータを作動させることにより、第2の制御部/アクチュエータに調節された機能を持たせることができる。
図16を再び参照すると、例えば、エネルギデバイス213000のジョー213010、213012が大きく開放されており、エネルギが起動ボタン213002、213004のうちの1つを介して起動されている場合、外科用システムは、外科医が、例えば後方切断などの第1の外科的機能のために器具を使用しようとしていることを感知するか、又は他の方法で判定することができる。したがって、最小及び最大電力レベル(例えば、振幅)は、第1の外科的機能の通常レベルに設定することができる。エネルギデバイス213000のジョー213010、213012が半分を超えて開放されている場合、エネルギ起動ボタン213002、213004は、超音波応答のみを駆動することができる。しかし、ジョー213010、213012が半分を超えて閉鎖されている場合、エネルギデバイス213000は、標準的な組み合わせの超音波-電気外科用モードで機能することができる。更に別の例として、エネルギデバイス213000のジョー213010、213012は、超音波エネルギが印加されているときに最高の圧縮レベルで完全にクランプされ、ユーザは、閉鎖トリガ213008を介してより多くの圧力を要求するが、依然として最大エネルギ起動ボタン213002を作動させている場合、エネルギモダリティは、超音波から電気外科用RFに自動的に移行することができ、エネルギデバイス213000は、クランプジョー213010で加える圧力を更に増加させることができる。
【0165】
一態様では、制御は、同じ外科的現場で現在使用されている他の器具に従って調節することができる。例えば、2次エネルギデバイスが視野内にある場合(例えば、スコープの視野)、及び所定のキー及び/又は制御アクチュエータのシーケンスが作動される場合、外科用ハブは、1次エネルギデバイスの制御を、視野内でも調節することができる。閉鎖トリガ及びエネルギボタンが1次エネルギデバイス上で作動され、2次デバイスが視野内にある場合、2次エネルギデバイス上のスケーラブルな調節制御を使用して、1次エネルギデバイスのための電力レベルを制御することができる。そのような例では、1次エネルギデバイスに電力を供給する発生器は、2次エネルギデバイス上の制御を用いて上昇又は下降させることができる。外科的機能のそのような遠隔制御は、様々な例において、外科的動作の所定のシーケンスが実行されたとき、及び/又は外科的処置における特定のステップの間にのみ、有効にすることができる。
【0166】
別の実施例では、外科用デバイス間の接触(touching)又は接触(contact)は、外科用デバイスのうちの1つが他の外科用デバイスの制御を調節することを可能にすることができる。例えば、第2の外科用デバイスが第1の外科用デバイスに接触すると、次いで、第2の外科用デバイスによって、又は第2の外科用デバイス上で実行される特定の動作又は動作の組み合わせは、制御アルゴリズムに第1の外科用デバイスの機能を調節させることができる。例えば、第2の外科用デバイスのジョーが完全に開いた構成にあるとき、ジョーは、第1の外科用デバイス上の作動ボタンを押すことができ、次いで、第2の外科用デバイス上の調節制御を使用して、例えば発生器によって提供される電力などの第1の外科用デバイスの電力レベルを変更することができる。所望のレベルが設定されると、第2の外科用デバイスは、第1の外科用デバイスとの接触から取り外すことができる。その後、第1及び第2の外科用デバイスは、新たに設定された電力レベルで通常のデバイスとして動作することができる。一例では、連続性センサは、外科用デバイス間の接触を検出するように構成することができる。
【0167】
一態様では、外科用デバイスの制御は、実行される外科的処置のステップに従って調節することができる。状況認識は、外科的処置の現在及び/又は次のステップを外科的ハブに通知することができる。例えば、前の外科的動作並びに及/又は外科用デバイス及び/若しくは発生器の使用順序に基づいて、外科用ハブは、外科的処置が現在、結節切開ステップ、血管切除ステップなどにあるかどうかなど、特定の外科的処置のどの特定のステップが実行されているかを判定することができる。外科用ハブが、使用されているエネルギデバイスが微細切開モードにあると判定した場合、システムは、エネルギデバイスのボタンの機能を、異なる設定、例えば、この処置ステップで使用するためのより低い電力設定に自動的に調節することができる。一実施では、外科用ハブ及び/又は発生器は、処置上の特定のステップ又はコンテキストを判定することができる。
【0168】
別の実施では、システムは、外科的処置の各段階で、及び/又は特定の数若しくはタイプの外科用器具交換後に、特定の臨床医の最も一般的な使用を分析することによって、処置固有のステップ又はコンテキストを学習し予測することができる。そのような学習モードでは、一態様では、発生器は、最初は、制御デバイスに対する任意の自動調節を実施しない。むしろ、同じステップを含む所定の処置数にわたって同じ臨床医の挙動を監視した後、外科用デバイスは、臨床医による監視及び過去の使用に基づいてボタンの使用を自動的に変更することができる。様々な例において、外科用デバイスは、制御の機能が調節されたときに、臨床医に通知を提供することができる。例えば、外科用デバイスは、聴覚的な通知(例えば、ビープ音又は音声での説明)、視覚的な合図(例えば、スクリーン上の点滅する光及び/又は文言)及び/又は触覚的な警告(例えば、アクチュエータボタン自体などの、外科用デバイス又はその一部の振動及び/又は動き)を提供することができる。他の例では、外科用ハブは、制御部に対する調節を提案することができる。外科用ハブからの提案は、本明細書で更に説明される。
【0169】
様々な態様では、外科用ハブ、外科用器具、及び他のデバイスの制御は、滅菌野ディスプレイ上で動作するスクリーンに基づいて調節することができる。外科用デバイスの制御は、表示された情報に基づいて調節することができる。一態様では、可視化デバイス(例えば、スコープ)の焦点の移動又は調節を通常制御する制御部は、例えば、ハイパースペクトル撮像オーバーレイがアクティブである場合に拡大を調節するように構成することができる。ハイパースペクトル撮像は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」と題する、2018年3月29日出願の米国特許出願第15/940,722号に更に記載されている。
【0170】
別の実施例として、滅菌野ディスプレイの視野内の外科用器具のためのハンドル上の制御部は、滅菌野ディスプレイ上の選択によって調節することができる。更に、調節は、様々な例において状況認識に基づくことができる。例えば、システムは、特定の外科用デバイスが利用されていると判定することができ、その外科用デバイスの機能を、滅菌野内の表示スクリーンなどの第2のデバイスから制御することを可能にすることができる。ここで
図18を参照すると、組み合わせエネルギ器具213100、外科用ステープラ213102、吸引/灌注デバイス213104、及び滅菌野ディスプレイ213108を含む外科的処置が示されている。組み合わせエネルギデバイス213100は、異なるエネルギモダリティを実装するように構成された単一のエネルギボタン213110を含む。例えば、組み合わせエネルギデバイス213100は、双極モード、単極モード、超音波モード、及び/又はそれらの様々な組み合わせ(例えば、混合モード)で動作することができる。一例では、組み合わせエネルギデバイス213100は、単極-双極モードで動作することができる。別の例では、組み合わせエネルギデバイス213100は、超音波-双極モードで動作することができ、更に他の例では、組み合わせエネルギデバイスは、超音波-単極モードで動作することができる。様々なエネルギモダリティは、連続的に適用する及び/又は同時に混合することができる。
【0171】
一態様では、滅菌野ディスプレイ213108の視野内の外科用器具のハンドル上の制御部は、滅菌野ディスプレイ213108上の選択によって調節することができる。例えば、組み合わせエネルギ器具213100は、組織を選択的に切断及び凝固させるためにエネルギを印加するように構成され得る単一のボタン213110を含む。ボタン213110によって起動されるエネルギモダリティは、滅菌野ディスプレイ213108上の選択によって調節することができる。
【0172】
一態様では、エネルギ起動ボタン213110は、滅菌野ディスプレイ213108がボタン213110の機能を変更するために使用されているとき、及び/又は滅菌野ディスプレイ213108がボタン213110の制御を共有しているときに、変更するか、又は他の方法で示すインジケータを有することができる。例えば、組み合わせエネルギデバイス213100は、滅菌野ディスプレイ213108などの2次デバイスから調節されたときに、ハンドル及び/又はエネルギ起動ボタン213110自体の上にLEDを含むことができ、このLEDは、色を変化させることができ、及び/又は他の方法で外観を変化させることができる(例えば、エネルギ起動ボタン213110の色を変化させ、並びに/又は点滅光及び/若しくはパルス光で照明される)。一例では、ボタン213110は、切断機能のために多色LEDから光チャネルを通して投影される通常の赤色の色相を有することができ、一方、青色の色相は、凝固機能のために多色LEDから光チャネルを通して投影することができる。例えば、滅菌野ディスプレイ213108が、外科的機能を混合エネルギモダリティに変更すると、赤色であったボタン213110を紫色に変更することができる。様々な例では、滅菌野ディスプレイ213108上のインターフェースエリアはまた、外科野ディスプレイ213108上の表示された制御と混合エネルギデバイス213100との間の機能がリンクされていることを示すために、対応する色のインジケータ(例えば、ボタン213110が紫色の色相で照らされているときに紫色の文言及び/又はハイライト)を含むこともできる。
【0173】
様々な外科用器具は、その上のボタン/アクチュエータの数及びタイプ、並びに外科用器具の所望の外科的機能に応じて異なる方法で制御することができる。例えば、外科用器具が2つのボタン(例えば、凝固に適した第1の電力レベルに対応する第1のボタン、及び切断に適した第2の電力レベルに対応する第2のボタン)を含む場合、滅菌野ディスプレイ213108は、第1及び第2のボタンの機能を調節するように構成することができる。例えば、ボタンのうちの1つを利用して単極エネルギを起動することができ、他のボタンは、混合エネルギを起動するように構成することができる。そのような例では、ボタンは、無菌野ディスプレイ213108が使用されているときに変化して、ボタンの機能を変更し、及び/又は無菌野ディスプレイ213108がボタンの制御を共有していることを示す、インジケータ(例えば、色LED)を含むことができる。インジケータは、選択されたエネルギモダリティ及び/又はエネルギモダリティがどのように選択されたかを伝えることができる。例えば、第1のボタンは赤い色相のLEDを含むことができ、第2のボタンは青い色相のLEDを含むことができる。第1のボタンが、混合エネルギモダリティを起動するように構成されると、赤い色相のLEDは紫の色相になることができる。更に、滅菌野ディスプレイ213108上のインターフェースエリアは、紫色インジケータを含むことができる。
【0174】
様々な例では、滅菌野ディスプレイ213108は、臨床医が、組み合わせエネルギデバイス213100のハンドル上のボタンの機能を切り替えることを可能にすることができる。そのような場合、2つのボタンの色を反転させることができる。別の例では、ボタンの機能を変更することができる。例えば、第2のボタン(例えば、以前は組織を切断するのに適した電力レベル対応していた)をエネルギ起動ボタンに変更することができ、第1のボタン(例えば、以前は組織を凝固させるのに適した電力レベルに対応していた)を電力レベル調節制御に変更することができる。そのような例では、電力レベル調節制御が起動されるたびに、滅菌野ディスプレイ213108は、新たに選択された電力レベルを示すことができる。例えば、滅菌野ディスプレイ213108は、点滅アイコンを利用して発生器電力レベルへの変化を示すことができる。その後、第2のボタン(現在エネルギ起動ボタンとして機能している)の起動を使用して、新たに設定された電力レベルでエネルギを起動及び停止させることができる。
【0175】
更に他の例では、組み合わせエネルギデバイス213100上のボタン213110及び/又は他のボタンは、オンオフ起動機能から感圧起動機能に変更することができる。例えば、ボタン213110に加えられるより高いレベルの力は、ボタン213110上の力に基づいて電力レベルを上げることなどによって、エネルギ起動の強度を増大させるように構成することができる。更に、滅菌野ディスプレイ213108を使用して、ボタン213110の別個のオン/オフ機能を感圧調節機能に変更することができる。更に、滅菌野ディスプレイ213108及びボタン213110は、電力レベルが変更されたときに、異なる指標を利用することができる。例えば、ボタンから放出される光は、感圧起動が組み合わせエネルギデバイス213100の電力レベルを調節するとき、強度を変化させることができる。更に、滅菌野ディスプレイ213108は、現在の機能及びペアリングを示すために、ボタン213110の色と同期した色を示すことができる。
【0176】
様々な例において、外科用ハブは、外科的処置中に臨床医に提案を提供するように構成することができる。例えば、外科用ハブは、複数のソースからのデータを集約して、提案される外科的動作を決定することができる。様々な例において、提案は、外科用ハブの状況認識に基づくことができる。提案の関連性又は重要性は、外科的コンテキスト又はシナリオに依存する場合がある。例えば、一般的な提案は、様々なデータソース及び/又はセンサによって取得されたデータに基づいて、より高いレベルに高めることができる。外科用ハブは、かなりの量の情報を集約することができるので、臨床医に対する提案事項に優先順位をつけて、所与の時間にあまりにも多くのデータで臨床医を圧倒することを避けるのに、有用であることができる。例えば、臨床医が常に提案よって妨害され、その提案のいくつか又は多くは関連性のないもの及び/又は役に立たないものである場合、臨床医は、ハブの提案を完全に無視し、及び/又は外科用ハブ上の提案設定を無効にすることができる。状況認識に基づいて提案に優先順位をつけることにより、臨床医は、実行可能な項目及び/又は時間的に制約のある項目に関して十分な情報を得ることができる。
【0177】
様々な例において、提案の重要性は、外科用デバイスの位置に依存し得る。例えば、実行可能な態様は、臨床医にハイライト又は強調することができる。加えて、非実行可能な態様及び/又は重要でない態様は、離散的に表示してもよく、及び/又は選択的に視界から隠して表示してもよい。外科用デバイスの位置が、提案が臨床医によって実行可能であることを示す場合、外科用ハブは、提案を強調することができ、一方、非実行可能な提案は、より離散的に及び/又は選択的に視界から隠して表示することができる。そのような例では、実行可能な提案は臨床医に選択的に伝達され、それは、臨床医が、そのような提案の価値を適時に考慮することを可能にする。
【0178】
様々な例では、例えば、外科用システムは、手術室において臨床医に提案を選択的に表示するように構成されたスクリーンを含むことができる。外科用システムはまた、スクリーンに通信可能に連結された制御回路及び状況認識外科用ハブを含むことができ、制御回路は、外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信するように構成され、外科的状態に基づいて提案の優先レベルを判定し、ディスプレイを介して提案の優先レベルを通信するように構成される。様々な例では、制御回路は、プロセッサ及びプロセッサに通信可能に連結されたメモリを備え、メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶して、外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信し、外科的状態に基づいて提案の優先レベルを判定し、ディスプレイを介して提案の優先レベルを通信する。様々な例では、非一時的のコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令を記憶しており、コンピュータ可読命令は、実行されると、インテリジェント外科用デバイスなどの機械に、外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信させ、外科的状態に基づいて提案の優先レベルを判定させ、ディスプレイを介して提案の優先レベルを伝達させる。
【0179】
様々な態様では、外科用システムは、コンテキスト情報の特定の態様が実行可能であるときに臨床医に通知を提供するように構成することができる。例えば、
図19A及び
図19Bは、外科用ハブ106(
図1~
図3)又は外科用ハブ206(
図10)又は外科用ハブ7006(
図12)などの、状況認識外科用ハブからの入力に基づく、臨床医への提案213202、213202’を含む表示スクリーン213200を示す。様々な例では、表示スクリーン213200は、コンテキストに依存した提案を提供する表示スクリーン213200上のユーザインターフェースオーバーレイを含む。例えば、外科用システムは、実行可能なアイコンを有するデータフィードをハイライトして、基礎となるコンテキストが実行可能な態様を有することを示すことができる。様々な例では、提案フィードは常に存在し得る。しかしながら、提案は、提案が実行可能である場合にのみ強調される。提案は、例えば、ハイライト、点滅、及び/又はマーキングで強調することができる。他の例では、提案フィードは、実行可能なアイテムを含む場合にのみ表示される。
【0180】
図19Bに示すように、提案213202’は、予想される外科的行為及び状況認識外科用ハブからの入力に基づいて高い優先度レベルを示すためにハイライトされる。より具体的には、
図19Aでは、外科用デバイス213204は、肺213208の病変領域213206の概ね近傍にある第1の位置に示されている。
図19Bでは、外科用デバイス213204は、病変領域213206に向かって移動している。外科用デバイス213204の軌跡及び/又は外科用デバイス213204の位置に基づいて、外科用システムは、
図19Aからの提案213202が現在実行可能であると判断することができ、したがって、
図19Bに示すように、提案213202’をハイライトで示すことができる。言い換えると、外科用デバイス213204の位置変化は、コンテキストに基づく提案の信頼度を変化させる。信頼度の増加は、提案213202’のための高い優先度レベルに対応する。
【0181】
実行可能な態様又は実行可能なアイテムは、特定の例において、器具機能パラメータにおけるユーザ選択された変化であることができる。例えば、脆い組織がシステムによって検出される場合、システムは、組織を保護するための調節を提案することができる。一例では、外科用システムは、ステープラの標的クランプ負荷の低減を提案することができる。更に又はあるいは、外科用システムは、例えば、バットレス又は組織厚さ補償器などの外科用補助材料の使用を提案することができる。別の例として、システムが、例えば、治癒に影響を及ぼす患者及び托鉢者(mendicant)の共存性などの共存性を検出した場合、システムは、ユーザが圧縮待ち時間を調節すること、補助材料を利用すること、及び/又は低減されたステープルサイズを利用することを促すか、又は提案するように構成することができる。
【0182】
一態様では、実行可能な態様は、デバイス配置中に処置上重要な情報を自動的にオーバーレイすることができる。例えば、
図19A及び
図19Bを再び参照すると、表示スクリーン213200は、外科用デバイスの付近の病変領域213206及び/又は結節をラベル付け及び/又は呼び出すように構成されている。様々な態様では、自動機能は、ユーザの好みに応じて、オンとオフの間で切り替えることができる。同様に、提案フィードは、オンとオフの間で切り替えることができる。様々な例では、提案は、実行可能である場合、及び/又はオペレータによって予めプログラムされている及び/又は調節されている所定の閾値を超える優先度レベルに上昇した場合にのみ表示することができる。
【0183】
一態様では、システムは、現在の外科的ステップ又は実行に直接的な関連事項を有するデータフィードをハイライトするように構成することができる。外科的コンテキスト内の関連データは、臨床医が後続の機能的タスクのうちの1つ以上をどのように実施するするかに影響を及ぼす可能性がある。例えば、血圧測定に関連するデータフィードは、血圧測定が異常に高い又は低い場合など、特定の例において強調することができる。異常に高い又は低い血圧は、臨床医がエネルギデバイスを用いて大きな血管の切断を行う方法に影響を及ぼし得る。したがって、様々な例では、状況認識が、臨床医が切断を行う準備をしていることを示す場合、血圧データをハイライトすることができる。別の実施例として、システムは、患者への戻り経路リンケージを監視するように構成することができる。戻り経路リンケージが制限され、単極電気外科用器具が切開又はモビリゼーションのために利用される場合、例えば、戻り経路リンケージデータを臨床医のためにハイライトすることができる。
【0184】
更に別の例では、インドシアニングリーン(ICG)イメージングの近赤外(NIR)蛍光は、手術部位の1つ以上のセンサによって検出された状況認識及び/又はコンテキストの手がかりによって判定された実行可能なアイテムに基づいてハイライトすることができる。NIR蛍光を使用して、例えば、解剖学的構造、灌流及び灌流欠陥、並びにリンパ系を可視化することができる。NIR光の高い浸透深さにより、ICGの分布を組織表面下10mmの深さまで可視化することができる。肝臓手術では、肝臓転移又は肝臓の原発腫瘍を可視化するために、システムを使用することができる。例示的な用途としては、以下が含まれる:
・灌流の可視化、そこでは、虚血領域がより容易に効率的にリアルタイムで表示され、及び/又は灌流が、例えば吻合部において検査され、それにより、外科医が、計画された切除領域の、並びに大腸又は食道の切除及び胃バイパス術におけるその後の吻合、例えば、開腹手術におけるフラップ形成術の灌流評価、肝セグメントの可視化、腹腔鏡下、内視鏡下、及び開腹手術における集学的使用の迅速な灌流評価のためなどの手術中行動をとることを可能にすることができる;
・胆管系の解剖学的構造の可視化、それにより、例えば、手術期間を短縮して胆嚢管と総胆管との区別を容易にするための胆嚢摘出術において、胆管の解剖学的構造の迅速な信頼性の高い識別を可能にし、及び、例えば部分的な肝切除術に続くなどのICGを用いた手術中の胆汁漏れの表示を可能にすることができる;
・例えば、肝臓表面又はその下の転移及び肝細胞癌の手術中可視化、表層又は近表面マイクロ転移のミリメートル範囲までの診断、切除境界のより容易な画定、及び肝臓セグメントの可視化を含む、肝細胞癌及び転移の可視化;並びに
・リンパ系の可視化、それにより、例えば腫瘍を排出するリンパ系全体をリアルタイムで可視化することが可能になり、リンパ節の可視化、リンパ液漏れの局在化、並びに、例えば婦人科、泌尿器科、及び一般外科の集学的使用における確立された方法と比べて遜色がない検出率を有する核医学的画像化を回避することができる。
【0185】
NIR/ICG可視化は、例えば、www.karlstorz.com/ie/en/nir-icg-near-infrared-fluorescence.htmに記載されているKARL STORZからのOPAL1(登録商標)技術によって提供することができる。NIR/ICGデータは、状況認識及び予想される外科的ステップに基づいて外科医が後続のステップをどのように実行するかにとって可視化が重要である場合に、臨床医に強調するか、又はハイライトすることができる。
【0186】
別の実施例では、外科用システムは、画像化又は分析システムが外科用デバイスの現在のステップ又は現在のタスクに関連するものを検出していることを外科用システムが検出したときに、代替の画像化又は分析システムをハイライトするように構成することができる。例えば、システムは、解剖用器具が有意な血管又は下部構造と交差しようとするときに、レーザドップラスキャニングアレイ機能をハイライトすることができる。別の実施例として、システムは、ステープラが周辺組織領域の限界内に配置されているように見えるとき、コンピュータ断層撮影(CT)イメージングをハイライトすることができる。臨床医に対する様々な提案は、滅菌野内の表示スクリーン上で伝達することができる。様々な例では、1つ以上の提案は、滅菌エリア内の聴覚的及び/又は触覚的表示、例えば、提案が実行可能であり、及び/又は時間的に制約がある場合には、音声での警告及び/又はビープ音などによって、更に強調することができる。
【0187】
様々な例では、提案は、提案が所定の時間及び/又は数の外科的ステップ内で実施できる場合に実行可能である。例えば、提案は、処置の今後数分(例えば、1~2分)以内に実施されるべきである場合に、実行可能であることができる。特定の例では、提案は、例えば、処置の次の5秒、10秒、又は30秒以内に実行されるべきであれば、実行可能であることができる。時間枠は、例えば臨床医の反応スキルによって判定することができる。特定の例では、提案のための第1のタイプの強調は、第1の時点で提供することができ、第2のタイプの強調は、提案が、より時間的に制約がある/緊急である場合には後の時点で提供することができる。更に他の例では、臨床医の状況認識に基づいて予測される次の外科的ステップに関連する場合に、提案を提供することができる。他の例では、提案は、それが実施されるべきステップの2つ前に提供することができる。読者は、実行可能な提案のための様々な時間ベースの設定及びステップベースの設定が、臨床医及び/又はオペレータによって予め定められ、及び/又は調節され得ることを理解するであろう。特定の例では、実行可能な提案は、例えば、外科的トレーニングセッション中などに必要とされ得る。他の例では、実行可能な提案は、臨床医によって任意選択的及び/又はカスタマイズ可能であり得る。
【0188】
様々な態様では、外科用システムは、臨床医のためのデータブリッジを実装するように構成することができる。外科用ハブ内のデータを臨床医が使用するためのディスプレイにインターフェースするための様々な技術が本明細書に記載される。例えば、手術中の外科的データは、手術後ケアメトリクスの実装及び追跡に寄与することができる。
【0189】
図20は、手術中の外科的データ213302が予測転帰213304と相関し、対応する提案213306が提供されることを例示するブロック
図213300を示す。例えば、手術中の外科的データ213302は、手術中の外科的データ213302に基づいて予測された転帰213304を判定するために、先行転帰と相関させて、重要な懸念、提案、及び潜在的な最良の実施について臨床医に通知することができる。更に、手術中の外科的データ213302は、事前の症例履歴と相関させて、病院や医療システムなどのオペレータ又は組織によってフラグが立てられたケアメトリクスの転帰を予測することができる。データ相関に基づく予測転帰213304は、例えば、患者の滞在期間、再入院率、再手術率、胸部チューブ除去までの時間、結腸運動までの時間、及び保険又は他の臨床的にコード化された事象(例えば、出血に関連する合併症、輸血、などのためのICD-9又はICD-10コード)の回数、タイプ、及び重症度を含むことができる。更に、手術中データセットは、いくつかの態様面において、処置からの利用可能なすべての1次及び2次データソース(例えば、EMR、状況認識学習、ビデオ、など)の包括的なものであり得る。
【0190】
ブロック
図213300は、腫瘍が患者の骨盤の奥深くに位置する下部前方切除(LAR)処置を指す。例えば、ビデオ及び/又は様々なセンサから得ることができる発射情報は、マージンが最適以下であることを示し、それは癌再発の機会の増加に対応する。発射情報はまた、大腸に有意な緊張がかかっていることを示し、それは漏れのリスクの増加に対応する。更に、発射情報は、発射ラインが垂直ではないことを示し、これは、結腸運動までの時間の増加に対応する。手術中の外科的データ213302は、処置時間も監視する。
図20の実施例では、処置時間は、広範な切開及び有意な結腸操作により「非常に長い」として特徴付けられる。組み合わせて、これらの因子はまた、癌再発の可能性の増加にも対応する。データブリッジは、例えば、送達された薬剤及び/又は患者の人口統計などの追加データも取得することができ、それらのデータは、様々な予測された転帰及び/又は併存疾患に更に対応することができる。様々な予測された転帰213304に基づいて、外科用ハブは、積極的な腫瘍学的追跡治療、直腸ドレインの配置、食事制限の増加、病院のコスト分析、及び予測された入院期間(LOS)を含む、手術後ケアのための様々な提案を提供することができ、病院のベッドの割り当て及び/又は要件を通知することができる。
【0191】
様々な態様では、外科用システムは、例えば、スコープの視野(FOV)内で、粒子状物質及び/又はエアロゾル粒子などの要素の動き、速度、加速度、及び/又は向きを検出するように構成することができる。これらの特性のうちの1つ以上を検出することによって、外科用システムは、外科的処置中に抽出可能なデータの深さを増加させることができ、かつ/又は臨床医の外科的処置の態様を明らかにすることができる。例えば、システムは、臨床医の注意を引くための能動的な実行可能な事象を判定するように構成することができる。
【0192】
手術部位における流体流の特性は、外科用ハブ及び/又は臨床医のための実行可能なアイテム又は調節のインンジケータとすることができる。流体流は、例えば、煙、送気液、血液、造影剤、及び/又は色素の流れを含む。様々な例では、流体流の特性は、例えば、エネルギ治療中の煙の発生の増加、出血の検出、灌流評価、及び/又は漏れている吻合の検出などの異なる外科的事象に対応することができる。検出された流体流の1つの特性又は複数の特性によって判定された実行可能なアイテムに基づいて、提案を提供することができる。しかしながら、流体流の1つ以上の特性の検出及び/又は監視がなければ、様々な実行可能なアイテム及び対応する提案を判定することは困難であり得る。
【0193】
様々な例において、流体流の1つ以上の特性を検出及び/又は監視することによって、外科用ハブによる分析のために、より深いデータの詳細を抽出することができる。結果として、実行可能なアイテムは、識別及び/又はより迅速に識別することができ、対応する提案を適時に提供及び/又は実装することができる。特定の例では、外科用ハブは、自動的に調節を実装し、かつ/又は実行可能なアイテムを臨床医に警告することができる。
【0194】
一態様では、外科用システムは、患者の腹腔内の流体中の浮遊粒子の特性を検出するように構成されたセンサと、外科的機能を実装するように構成された外科用デバイスと、プロセッサ及びプロセッサに通信可能に連結されたメモリを備えた制御回路と、を備え、制御回路は、センサ及び外科用デバイスに通信可能に連結される。制御回路は、流体中の浮遊粒子の特性を示すセンサからの入力信号を受信し、入力信号に応答して、外科用機能への調節を示す出力信号を外科用デバイスに提供するように構成することができる。外科用システムは、例えば、身体(例えば、腹部)内の送気ガス内の浮遊微粒子及びエアロゾルを検出するように構成することができる。一態様では、検出方法は、例えば、光学、レーザ屈折、超音波、及び/又は磁気共鳴を含む。一態様では、機能的な調節は、例えば、発生器の出力レベル、空間の通気、排煙の程度、濾過の程度、及び/又は凝縮を誘発するための2次凝縮器の適用に影響を与えることを含むことができる。一態様では、調節は、既に作動していたシステムの比例増加、既に作動していたシステムへの第2の効果又は機能の追加、1つの作動又は機能の別のシステムへの完全な取り換えをもたらすことができる。様々な調節が、本明細書に更に記載される。
【0195】
手術部位における流体流の1つ以上の特性を検出することは、本明細書に更に記載される1つ以上の測定システム及び/又は方法を包含することができる。例えば、光学測定システム及び/又は超音波測定システムを用いることができる。光学測定システムは、例えば、レーザドップラ流速計(LDV)又はレーザドップラ流量計(LDF)、粒子画像流速計(PIV)、及び/又はインドシアニングリーン(ICG)の近赤外(NIR)蛍光を含み、それらは本明細書に更に記載される。超音波測定システムは、例えば、非接触通過型超音波検出及び非接触反射型超音波検出を含み、それらも本明細書に更に記載される。粒子の流れを検出及び/又は撮像するための様々な技術は、例えば、煙の検出及び排出の制御、エアロゾル及び微粒子の区別、出血の検出、解剖学的構造を識別するための灌流評価、色素の識別、破壊された表層の表面反射の区別、及び例えば表面上の流動、漏れ、及び/又は滲出する流体の区別を含む、多くの外科的用途に用いることができる。様々な外科的用途が、本明細書に更に記載される。
【0196】
臨床的又は医学的応用においてLDFと呼ばれることが多いLDVは、レーザビームのドップラシフトが、透明又は半透明の流体流中の速度、及び/又は不透明な反射面の直線的又は振動的な運動を測定するために使用される技術である。一実施例では、コリメートされた、単色でコヒーレントなレーザ光の2つのビームが、測定される流体の流れの中で交差する。2つのビームは、通常、単一のビームを分割して得られるため、2つのビーム間のコヒーレンスが確保される。可視スペクトル(390~750nm)の波長を有するレーザ、例えば、He-Ne、アルゴンイオン、及び/又はレーザダイオードを使用することができ、それにより、ビーム経路を観察することができる。他の例では、可視スペクトル以外の波長を利用することができ、それは、例えば、臨床医の気を散らすこと及び/又は他の画像/可視化システムとの干渉を回避することができる。透過光学系は、ビームの焦点で交差するように2つのビームを集中させる。交差するビームは、例えば、干渉し、一組の直線フリンジを生成することができる。流体中に取り込まれた粒子がフリンジを通過すると、それらは光を反射し、次いで受光光学素子によって収集され、光検出器に集束される。反射光は強度が変動し、その周波数は入射光と散乱光の間のドップラシフトに等しく、したがって、2つのビームの平面内にある粒子速度の成分に比例する。LDVセンサが、フリンジが流れの方向に対して垂直になるような流れと位置合わせされている場合、光検出器からの電気信号は、全粒子速度に比例する。3つのデバイス(例えば、He-Ne、アルゴンイオン、及びレーザダイオードレーザ)を異なる波長で組み合わせることにより、様々な例において、3つの流速成分すべてを同時に測定することができる。
【0197】
様々な例において、PIVシステムを利用して、流体流の2次元又は3次元ベクトル場を判定することができる。PIVは、流体中の瞬間速度測定値及び関連する特性を得るために使用することができる、流れの可視化の光学的方法である。流体は、流体の流動力学に忠実に従うと想定されるトレーサ粒子を含む。巻き込み粒子を含む流体は、粒子が見えるように照明され、粒子の運動は、流れの速度と方向(速度場)を計算するために使用される。PIVセンサは、電荷結合素子(CCD)チップを有するデジタルカメラなどのカメラ、光ビームを線又はシートに変換するために使用される円筒レンズなどの、照明される物理的領域を制限するための光学的配置を有するストロボ又はレーザ、カメラ及びレーザを制御するための外部トリガとして機能する同期器、及び調査対象の流体内のシード粒子又はトレーサ粒子、を含むことができる。光ファイバーケーブル又は液体光ガイドは、レーザをレンズ設定に接続することができ、PIVソフトウェアを使用して、例えば光学画像を後処理することができる。
【0198】
2次元PIV用途では、光散乱粒子のレーザ光シートを連続した2つのフレームを通して照射し、これをキャプチャして粒子の移動及びその移動のベクトルの2次元マップを生成する。ステレオPIV又は3次元PIVについては、2つ以上のカメラを互いに所定の角度で利用して、2つの連続するフレームを捕捉することができ、別のカメラを、面外測定を可能にするように構成することができる。一態様では、時間分解粒子追跡は、粒子軌道又は経路の評価、並びに粒子の体積及び速度の判定を可能にすることができる。
【0199】
本明細書に記載の光学粒子検出及び追跡技術及びシステムのための外科的用途としては、例えば、煙検出用途、出血検出用途、灌流評価用途、及び色素識別用途を挙げることができる。様々な例示的な用途が、本明細書に更に記載される。
【0200】
1つの用途では、例えば腹腔などの内部空洞内の煙の存在及び/又は濃度の検出は、送気設備の速度制御、排煙設備の速度制御若しくは起動、及び/又は発生器アルゴリズムパラメータの適応を利用して、煙の生成を最小限に抑えることができる。排煙システムは、本明細書で更に説明される。
【0201】
様々な例において、外科用ハブは、排煙システムに通信可能に連結することができる。煙は、1つ以上のエネルギデバイスを利用する外科的処置中に発生することが多い。エネルギデバイスは、エネルギを使用して、組織に影響を及ぼす。エネルギデバイスでは、本明細書に更に記載されるように、エネルギは発生器によって供給される。エネルギデバイスは、1つ以上の無線周波数(RF)電極を有する電気外科用デバイスなどの、組織接触電極を有するデバイス、及び超音波ブレードを有する超音波デバイスなどの、振動表面を有するデバイスを含む。電気外科用デバイスでは、発生器は、振動電流を発生させて電極に電力供給するように構成されている。超音波デバイスでは、発生器は、超音波振動を発生させて超音波ブレードに電力供給するように構成されている。
【0202】
多くの外科用システムは、外科的処置から生じる煙を捕捉し、捕捉された煙をフィルタ及び排気ポートを通じて臨床医及び/又は患者から離れる方向に方向付ける外科用排出システムを用いる。例えば、排出システムは、電気外科的処置中に発生する煙を排出するように構成され得る。読者は、このような排出システムを「排煙システム」と呼ぶことができるが、そのような排出システムは、手術部位から単に煙を排出するだけではなく、それ以外のものも排出するように構成され得ることを理解するであろう。本開示全体をとおして、排出システムによって排出される「煙」は、煙だけに限定されない。むしろ、本明細書に開示される排煙システムは、液体、気体、蒸気(vapor)、煙、蒸気(steam)、又はこれらの組み合わせを含む様々な流体を排出するために使用することができる。流体は、生物起源とすることができ、及び/又は処置中に外部ソースから手術部位に導入することができる。流体としては、例えば、水、生理食塩水、リンパ液、血液、滲出液、及び/又は化膿性排出物を挙げることができる。その上、流体は、排出システムによって排出される微粒子又は他の物質(例えば、細胞物質又は細胞片)を含み得る。例えば、このような微粒子は、流体中に懸濁され得る。例示的な排煙システム、並びにその様々なサブアセンブリ及び/又は構成要素を、
図21~
図23に示す。排煙システムは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2018年6月29日出願の「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国特許出願第16/024,066号に更に記載される。
【0203】
特定の例では、プロセッサは、外科用排出システムの排出器ハウジング内に位置することができる。例えば、
図21を参照すると、プロセッサ50408及びそのためのメモリ50410は、外科用排出システム50400の排出器ハウジング50440内に配置される。プロセッサ50408は、モータドライバ50428、様々な内部センサ50430、ディスプレイ50442、メモリ50410、及び通信デバイス50418と信号通信する。通信デバイス50418は、物理的有線又は無線で通信するように構成された送受信機を含むことができる。通信デバイス50418は、1つ以上の追加の送受信機を更に含んでもよい。送受信機には、セルラモデム、無線メッシュネットワーク送受信機、Wi-Fi(登録商標)送受信機、低電力ワイドエリア(LPWA)送受信機、及び/又は近距離通信送受信機(NFC)を含むことができるが、これらに限定されない。通信デバイス50418は、携帯電話、センサシステム(例えば、環境、位置、動きなど)及び/又はセンサネットワーク(有線及び/又は無線)、コンピューティングシステム(例えば、サーバ、ワークステーションコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(登録商標)及びGalaxyTab(登録商標)など)、超携帯型コンピュータ、超モバイルコンピュータ、ネットブックコンピュータ、及び/又はサブノートコンピュータなどを含むことができるか、又はこれらと通信するように構成することができる。本開示の少なくとも1つの態様では、デバイスのうちの1つはコーディネータノードであってもよい。
【0204】
送受信機は、プロセッサ50408からそれぞれのユニバーサル非同期レシーバ-トランスミッタ(UART)を介してシリアル送信データを受信し、シリアル送信データをRF搬送波に変調して送信RF信号を生成し、それぞれのアンテナを介して送信RF信号を送信するように構成することができる。送受信機は、それぞれのアンテナを介して、シリアル受信データで変調されたRF搬送波を含む受信RF信号を受信して、受信RF信号を復調してシリアル受信データを抽出し、シリアル受信データをそれぞれのUARTに提供してプロセッサ50408に提供するように更に構成される。各RF信号は、関連する搬送波周波数及び関連するチャネル帯域幅を有する。チャネル帯域幅は、搬送波周波数、送信データ、及び/又は受信データに関連付けられている。各RF搬送波周波数及びチャネル帯域幅は、送受信機の動作周波数範囲に関連する。各チャネル帯域幅は、送受信機が順守し得る無線通信規格及び/又はプロトコルに更に関連する。言い換えると、各送受信機は、選択された無線通信規格及び/又はプロトコル、例えば、Wi-Fi(登録商標)のためのIEEE802.11a/b/g/n及び/又はZigbeeルーティングを使用する無線メッシュネットワークのためのIEEE802.15.4の実装に対応してもよい。
【0205】
通信デバイス50418は、外科用排出システム50400内のプロセッサ50408が外科用システム内の他のデバイスと通信することを可能にすることができる。例えば、通信デバイス50418は、1つ以上の外部センサ50432、1つ以上の外科用デバイス50444、1つ以上のハブ50448、1つ以上のクラウド50446、並びに/又は1つ以上の追加の外科用システム及び/若しくはツールへの有線及び/又は無線通信を可能にすることができる。読者は、
図21の外科用排出システム50400が、特定の例において電気外科用システムに組み込まれ得ることを容易に理解するであろう。外科用排出システム50400はまた、そのポンプモータ50451を含むポンプ50450、排出導管50436、及び排気口50452も含む。様々なポンプ、排気導管、及び排気口が、本明細書に更に記載される。外科用排出システム50400はまた、感知及びインテリジェント制御デバイスも含むことができる。感知及びインテリジェント制御デバイスは、排煙システムと他のデバイスとの間の通信を円滑にして、それらの制御プログラムを適合させるセンサアルゴリズム及び通信アルゴリズムを含む。
【0206】
外科用排出システム50400は、外科用システムの1つ以上のパラメータを監視するようにプログラムすることができ、外科用排出システム50400内の外科用ハブ及び/若しくはハブに接続された外科用デバイスのプロセッサ、並びに/又はプロセッサ50408と信号通信してメモリに記憶されている1つ以上のアルゴリズムに基づいて、外科用機能に影響を及ぼすことができる。本明細書に開示される様々な例示的な態様は、例えば、そのようなアルゴリズムによって実装することができる。例えば、インテリジェントな外科用排出システム及び調節アルゴリズムは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する、2018年6月29日出願の米国特許出願第16/024,066号に更に記載されている。
【0207】
電気外科用システムは、信号発生器、電気外科用器具、戻り電極、及び外科用排出システムを含むことができる。発生器は、RF電気エネルギを生成するRF波発生器であってもよい。電気外科用器具に接続されるのは、ユーティリティ導管である。ユーティリティ導管は、信号発生器から電気外科用器具に電気エネルギを伝達するケーブルを含む。ユーティリティ導管はまた、捕捉及び/又は収集された煙及び/又は流体を手術部位から離れる方向に搬送する真空ホースも含む。そのような例示的な電気外科用システム50601は、
図22に示されている。より具体的には、電気外科用システム50601は、発生器50640と、電気外科用器具50630と、戻り電極50646と、排出システム50600とを含む。電気外科用器具50630は、ハンドル50632及び排出システム50600の吸引ホース50636に流体連結された遠位導管開口部50634を含む。電気外科用器具50630はまた、発生器50640によって電力供給される電極も含む。第1の電気接続部50642、例えば、ワイヤは、電気外科用器具50630から発生器50640まで延びる。第2の電気接続部50644、例えば、ワイヤは、発生器50646から電極、すなわち戻り電極50646まで延びる。他の例では、電気外科用器具50630は、双極電気外科用器具であってもよい。電気外科用器具50630上の遠位導管開口部50634は、排出システム50600の排出器ハウジング50618内に設置されたフィルタのフィルタ端部キャップ50603に延びる吸引ホース50636に流体連結されている。
【0208】
他の例では、排出システム50600の遠位導管開口部50634は、電気外科用器具50630とは別個のハンドピース又はツール上にあってもよい。例えば、排出システム50600は、発生器50640に連結されていない、及び/又は組織通電表面を含まない外科用ツールを含むことができる。特定の例では、排出システム50600の遠位導管開口部50634は、電気外科用ツールに解放可能に取り付けることができる。例えば、排出システム50600は、遠位導管開口部で終端するクリップオン又はスナップオン導管を含むことができ、それは外科用ツールに解放可能に取り付けることができる。
【0209】
電気外科用器具50630は、本明細書に記載されるように、患者の標的組織に電気エネルギを送達して、組織を切断し、かつ/又は標的組織の中及び/若しくは付近の血管を焼灼するように構成されている。具体的には、電極先端部に密着又は隣接した患者の細胞物質の加熱を引き起こすために、電極先端部によって患者に放電が行われる。組織の加熱は、電気外科用器具50630を使用して電気外科手術を実施することが可能となるように、適度に高い温度で生じる。戻り電極50646、すなわち戻りパッドは、回路を完成させ、患者の体内を通過するエネルギのための発生器50640への戻り電気経路を提供するために、外科的処置中に患者の下に配置することができる。
【0210】
電極先端部による患者の細胞物質の加熱、又は出血を防止するための血管の焼灼は、結果として、本明細書に更に記載されるように、焼灼が行われる場所に煙が放出されることになることが多い。そのような例では、排出導管開口部50634が電極先端部付近にあるため、排出システム50600は、外科的処置中に放出される煙を捕捉するように構成されている。真空吸引によって、煙は、電気外科用器具50630を通じて導管開口部50634内に、及び排煙システム50600の排出器ハウジング50618に向かって吸引ホース50636内に引き込まれ得る。様々な例において、電気外科用システム50601及び/又は排出システム50600は、
図21の制御概略図に関して本明細書に記載されるような、プロセッサ及びメモリを含む制御回路を含むことができる。
【0211】
ここで
図23を参照すると、排出システム50900用の別の排出器ハウジング50918が示されている。例えば、排出器ハウジング50918は、排出器ハウジング50918への入口50922と排出器ハウジング50918への出口50924との間の流路50904を画定する。入口50922と出口50924との中間に、流体トラップ50960、フィルタ50970、ポンプ50906が順次配置されている。排出器ハウジング50918は、モジュール式流体トラップ及び/又は交換可能なフィルタ50970を受容するように寸法決めされたソケット又はレセプタクル50971を含むことができる。切換弁50934において、流体は、流体トラップ50960の凝縮器50935内に方向付けることができ、煙は、そのままフィルタ50970に向かうことができる。特定の例では、流体トラップ50960は、捕捉された流体が流体トラップ50960から飛散するのを防止するために、例えば、バッフル50964などのバッフル及び/又はスクリーン50962などのスプラッタスクリーンを含むことができる。フィルタ50970は、プリーツ加工された超低浸透空気(ULPA)フィルタ50942及び炭フィルタ50944を含む。封止された導管又は管50905は、様々な一列の構成要素間に延びる。排出器ハウジング50918はまた、センサ50830、50832、50836、50838、50840、50846、50848、50850、50852、及び50854も含み、それらは、本明細書及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTOL」と題する、2018年6月29日出願の米国特許出願番号第16/024,066号に更に記載されている。
【0212】
図23を更に参照すると、排出器ハウジング50918はまた、遠心送風機機構50980及び再循環弁50990も含む。再循環弁50990は、流体トラップ50960を通って流体を再循環させるために選択的に開放及び閉鎖することができる。例えば、流体検出センサ50836が流体を検出する場合、再循環弁50990は、流体がフィルタ50970から離れるように方向付けられて流体トラップ50960内に戻るように開放することができる。流体検出センサ50836が流体を検出しない場合、弁50990は、煙がフィルタ50970へと方向付けられるように閉鎖することができる。再循環弁50990を介して流体が再循環されるときに、流体は、再循環導管50982を通って引き込まれ得る。遠心送風機機構50980は、再循環導管50982と係合して、再循環導管50982内に再循環吸引力を発生させる。より具体的には、再循環弁50990が開放され、ポンプ50906が起動されると、フィルタ50970の下流のポンプ50906によって発生した吸引力は、第1の遠心送風機、又は第1の回転かご50984の回転を発生させることができ、この回転は、第2の遠心送風機、又は第2の回転かご50986内に伝えられて、再循環流体を再循環弁50990を通して流体トラップ50960に引き込む。
【0213】
本開示の様々な態様では、
図21の制御概略図は、
図22及び
図23の様々な外科用システム、排出システム、センサシステム、及び排出器ハウジングと共に利用することができる。
【0214】
手術部位から排出される煙は、液体、エアロゾル、及び/若しくは気体を含むことができ、並びに/又は、例えば、粒子状物質及び異なるサイズ及び/若しくは密度の粒子などの、異なる化学的及び/若しくは物理的特性の物質を含むことができる。手術部位から排出される異なるタイプの物質は、外科用排出システム及びそのポンプの効率に影響を及ぼし得る。更に、特定のタイプの材料は、ポンプが過剰な電力を引き込むことを必要とする可能性があり、及び/又はポンプ用のモータを損傷する危険性を有し得る。
【0215】
ポンプに供給される電力は、流路に沿った1つ以上のセンサからの入力に基づいて、排出システムを通る煙の流量を制御するように変調することができる。センサからの出力は、例えば、排煙システムの状態又は品質、並びに/又は物質のタイプ及び比率、化学的特性、密度、及び/若しくは微粒子の大きさなどの、排出された煙の1つ以上の特性を示すことができる。本開示の一態様では、排出システム内の2つの圧力センサ間の圧力差は、例えば、フィルタ、流体トラップ、及び/又はシステム全体の状態など、それらの間の領域の状態を示すことができる。センサ入力に基づいて、ポンプ用モータの動作パラメータは、モータに供給される電流及び/又はモータ速度を変更するように構成されたデューティサイクルを変更することによって調節することができる。
【0216】
本開示の一態様では、排出システムを通る煙の流量を調節することによって、フィルタの効率を改善することができ、及び/又はモータを焼損から保護することができる。
【0217】
外科用排出システムは、煙内の微粒子のサイズ及び/又は濃度を検出するための1つ以上の粒子カウンタ又は粒子センサを含むことができる。再び
図23を参照すると、粒子センサ50838及び50848が示されている。読者は、様々な粒子測定手段が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、粒子センサは、光学センサ、レーザセンサ、光電センサ、イオン化センサ、静電センサ、及び/又はそれらの組み合わせであることができる。様々な粒子センサが、本明細書に更に記載される。
【0218】
様々な例において、モータの速度、ひいてはポンプの速度は、外科用排出システム内の1つ以上の粒子センサによって検出される微粒子濃度に基づいて調節することができる。例えば、粒子センサが、流路内の煙の量の増加に対応し得る、流路内の微粒子の濃度の増加を検出した場合、モータの回転速度を増加させてポンプの速度を上げさせ、より多くの流体を手術部位から排煙システム内に引き込むことができる。同様に、粒子センサが、流路内の煙の量の減少に対応し得る、流路内の微粒子の濃度の減少を検出した場合、モータの回転速度を減少させてポンプの速度を減少させ、手術部位からの吸引を低減することができる。外科用排出システムのための追加の及び代替的な調節アルゴリズムが、本明細書で更に説明される。更に、特定の例では、排煙システムからのセンサデータに基づいて、本明細書に更に記載されるように、外科用システム内の発生器を制御して、手術部位で発生する煙の量を調節することができる。
【0219】
外科用排出システムの流路に沿って配置された粒子センサに加えて、システムは、周囲の部屋、例えば手術室又は外科的現場内の微粒子濃度を検出するための1つ以上のセンサを含むことができる。再び
図23を参照すると、空気品質粒子センサ50852は、排出器ハウジング50918の外部表面上に設置される。空気品質粒子センサ50852の代替的な位置も想定される。
【0220】
少なくとも1つの例では、粒子センサは、フィルタの下流に配置することができ、特定の例では、フィルタの出口又はその近くに配置することができる。例えば、粒子センサ50848は、排煙システム50900内のフィルタ50970及びポンプ50906の下流に配置される。粒子センサ50848がフィルタ50970の下流に配置されているため、粒子センサは、フィルタ50970が煙から十分な微粒子を除去したことを確認するように構成される。様々な例では、そのようなセンサは、排出器ハウジング50918の排気出口50924に隣接することができる。本開示の一態様では、静電粒子センサを利用することができる。例えば、排気出口50924は、濾過システムの下流側で、外科的現場に排気される前に排気流が通過する静電微粒子センサを含むことができる。
【0221】
外科用排出システムの1つ以上のセンサによって検出された微粒子濃度は、多数の異なる方法で臨床医に通信することができる。例えば、排出器ハウジング50918及び/又は排出デバイスは、1つ以上のライト及び/又は表示スクリーンなどのインジケータを含むことができる。例えば、排出器ハウジング50918上のLEDは、センサによって検出された微粒子の量に応じて色を変化させる(例えば、青から赤に)ことができる。他の例では、インジケータは、例えば、触覚、聴覚、及び/又は視覚であり得るアラーム又は警告を含むことができる。そのような例では、空気品質センサ(例えば、粒子センサ50852)によって検出された周囲空気中の微粒子濃度が閾値量を超えると、外科的現場内の臨床医にインジケータによって通知することができる。
【0222】
特定の例では、外科用排出システムは、光学センサを含むことができる。光センサは、光又は光の変化を電子信号に変換する電子センサを含むことができる。光センサは、煙の中の粒子を検出し計数するために光散乱法を利用して、煙の中の粒子の濃度を判定することができる。様々な例では、光は、レーザベースである。例えば、一例では、レーザ光源は、粒子が検出チャンバを通って移動する際に粒子を照射するように構成される。粒子がレーザのビームを通過する際に、光源は、屈折され、不明瞭化され、再方向付けされ、及び/又は吸収される。散乱光は光検出器によって記録され、記録された光は分析される。例えば、記録された光は、煙中の微粒子濃度に対応する粒子のサイズ及び量を示す電気信号に変換することができる。煙中の微粒子濃度は、例えば、レーザ光センサによってリアルタイムで計算することができる。本開示の一態様では、粒子センサ50838、50848、50852のうちの少なくとも1つは、レーザ光学センサである。様々な代替的な感知技術及びセンサ構成は、本明細書に更に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する2018年6月29日出願の米国特許出願第16/024,066号に更に記載されている。
【0223】
腹腔内の煙の存在及び濃度に基づいて、煙発生を最小限に抑える又は制御するための発生器アルゴリズムを適合させることができる。例えば、以前の発射及び/又はエネルギ起動など、以前の外科的事象から得られた情報及び/又は知識を使用して、発生器制御アルゴリズムの1つ以上のパラメータを調節することができる。ここで
図24を参照すると、粒子数213406、ファン回転速度213408、及びエネルギデバイス電力213410が時間(t)に対して示されている一連のグラフ213400、213402、及び213404が示されている。粒子数213406は、本明細書に開示された様々なセンサ及び/又は検出技術を用いて検出することができる。1つ以上の外科用機能及び/又は又は1つ以上のデバイスは、手術部位(例えば、患者の内部空洞内)の煙濃度に対応する検出された粒子数213406に応答して調節することができる。更に、調節のタイプ及び/又は程度は、以前の発射及び/又は起動中に得られた知識に依存得る。
【0224】
エネルギデバイス電力213410は、時間t
0から時間t
2までの第1の起動213412の間、及び時間t
5から時間t
7までの第2の起動213414の間に提供される。第1の起動213412の間に得られた知識を利用して、第2の起動213414中に適用される制御回路の制御アルゴリズムを調節することができる。制御回路は、例えば、
図21の制御概略図に示されるように、外科用ハブ及び/又は排煙器に包含され得る。
【0225】
更に
図24を参照すると、エネルギデバイスが第1の起動213412のために起動されると、エネルギデバイスの電力213410は、既定の電力レベル213430に設定され、粒子数213406は、第1の閾値213416に向かって増加し始める。既定の電力レベル213430は、臨床医が選択した電力レベルであることができる。例えば、既定の電力レベル213430は、外科用デバイス及び/又は外科用ハブに予めプログラムすることができる。特定の例では、外科用デバイスは、臨床医によって起動されるアクチュエータ及び/又は制御ボタンに応じて、異なる所定の電力レベルで動作するように構成することができる。
【0226】
時刻t1において、第1の起動213412が継続すると、粒子数213406は、第1の起動213412が終了する時刻t2において、ピーク値213418まで第1の閾値213416を超えて増加する。粒子数213406が時刻t1で第1の閾値213416を超えることに応答して、排煙器と信号通信している制御回路は、第1の調節213420を実施するように構成される。例えば、制御回路は、ファン回転速度213408を低設定213426から高設定213428に増加させるように構成される。
【0227】
第1の起動213412が時刻t2で終了した後、粒子数213406は、ピーク値213418から減少し始めることができる。しかし、排煙器は、粒子数213406が第1の閾値213416を下回る時刻t3まで、高設定213428で動作し続けることができる。粒子数213406が第1の閾値213416を下回って減少することに応答して、ファン回転速度213408を低設定213426まで低下させることができ、様々な例では、粒子数213406が時刻t4でゼロに低下したときに、ファン回転速度213408をオフにすることができる。他の例では、排煙器は、追加の粒子数閾値に対応することができ、及び/又は、例えば、粒子数213406に比例してスケーリングすることができる、追加の速度を含むことができる。様々な例では、排煙器は、粒子数がゼロ及び/又は最小閾値を下回る場合、スリープモード又は休止モードにあるときに、超低設定で動作することができ、及び/又はオンオフをサイクルすることができる。
【0228】
第2の起動213414が開始された時点t
5において、粒子計数213406は再び増加し始め、ファン回転速度213408は、低設定213426に設定されて、手術部位から煙を抽出することができる。様々な例において、何らかの煙が検出される前に、排煙器は、エネルギデバイスの起動に応答して起動され得る。
図24に示すように、特定の例では、ファン回転速度213408が低設定213426に設定されている間、粒子数213406は、第2の起動213414中増加し続けることができ、時刻t
6において、第2の起動213414が継続すると、粒子数213406は、第1の閾値213416を超えて再び増加する。制御回路が再び第1の調節213420を実施すると、粒子数213406は、第2の起動213414が終了する時刻t
7において、ピーク値213418まで再び仮想曲線213424に従う。しかしながら、第2の起動213416において、粒子数213406が再び時刻t
6において第1の閾値213416を超えることに応答して、制御回路は、制御アルゴリズムを適応させ、第1の調節213420とは異なる第2の調節213422を実施するように構成される。
【0229】
例えば、時刻t
6において、ファン回転速度213408を低設定213426から高設定213428に増加させることに加えて、制御回路は、エネルギデバイス電力213410を所定の電力レベル213430を下回って減少させるように構成される。例えば、臨床医によって作動される制御は、所定の電力レベル213430に対応することができる。しかし、外科用ハブの制御回路は、エネルギデバイス電力213430を調節された電力レベル213432に調節することができる。
図24の調節された電力レベル213432は、所定の電力レベル213430よりも小さい。他の例では、ハブ制御された調節は、例えば、持続時間及び/又は周波数が変化するパルスを印加することによって(例えば、パルス幅変調及び/又はパルス周波数変調)、及び/又はエネルギモダリティを調節することによって、エネルギデバイス電力213410を増加させ、及び/又は他の方法でエネルギデバイス電力を調節することができる。
【0230】
第2の調節213422は、第1の調節213420に対するシステムの応答に基づいて学習又は開発することができる。例えば、第1の調節213420を実施するときに得られるピーク値213418が、高すぎる、並びに/又は臨床医の視界を妨害する及び/若しくは組織へのエネルギの適用と干渉するなど、望ましくない結果と関連付けられていると依然として考えられる場合、例えば、制御回路は異なる調節を求めることができる。本明細書に記載されるように、第2の調節213422は、第1の調節213422(すなわち、低設定213426から高設定213428へのファン回転速度213408の調節)、及びエネルギデバイス電力213410に対する追加の調節を含む。他の例では、第2の調節213422は、第1の調節213420を置き換えることができる。
【0231】
特定の例では、第2の調節213422は、第1の調節213420の閾値及び/又は程度を調節することができる。例えば、第2の調節213422は、ファン回転速度213408を、高設定213428よりも大きなレベルまで増加させることを含むことができる。様々な例では、第2の調節213422は、所望の効果に比例する第1の調節213420への修正を含むことができる。例えば、第1の調節213410がファン回転速度213408を10%上昇させ、煙濃度の10%低減を得た場合、第2の調節213422はファン回転速度213408の15%低減となり、煙濃度の所望の15%低減を得ることができる。
【0232】
本明細書に記載される第1及び第2の調節は、例示的な調節である。調節は、例えば、発生器の電力レベル、排煙器の電力レベル、空間の通気、並びに排煙システムにおける濾過及び/又は凝縮誘導の程度及び/又はタイプを変更することを含むことができる。
【0233】
本明細書に記載されているように、例えば流体の方向性及び速度を判定することができる粒子の改良された識別及び追跡のための技術は、様々な外科的用途に利用することができる。例えば、本明細書に更に記載されるように、改善された技術を煙検出用途に使用することができる。更に又はあるいは、煙の方向性及び/又は速度に基づいて、外科用システムは、排煙モータ制御を調節して煙をより迅速に浄化し、次いで減速して手術室(OR)内のノイズを最小限に抑えるように、構成することができる。別の例として、システムは、送気再循環を増加させて、活性動作領域から微粒子を排出することができる。例えば、臨床医が積極的に作業及び/又は治療を行っている治療領域に向かって移動する煙をセンサが検出した場合、空洞内の循環を増加させて妨害微粒子(すなわち煙)を治療領域から迅速に遠ざけることが好ましいことがある。
【0234】
1つの用途では、粒子の識別及び追跡のための改善された技術は、出血検出のために利用することができる。流れの方向性及び速度に基づいて、制御回路及び/又は外科用ハブは、出血に対処するために判定を行い、及び/又は後続のステップを提案することができる。別の用途では、粒子の識別及び追跡のための改善された技術は、組織の灌流評価に利用することができる。灌流評価は、例えば、解剖学的構造を識別するために利用することができる。一実施例では、ICGのNIR照明を使用して、肺セグメント内の灌流を画像化することができる。このような灌流の可視化を使用して、例えば、セグメント切除処置のためにセグメント間平面を識別/画定することができる。その後、制御回路及び/又は外科用ハブは、判定を行い、及び/又は後続のステップを提案することができる。例えば、制御回路及び/又は外科用ハブは、特定の外科用デバイス及び/又は場所を提案することができる。特定の例では、制御回路及び/又は外科用ハブは、外科用デバイスを所望の位置に案内することができる。
【0235】
1つの用途では、粒子の識別及び検出のための改善された技術は、色素の移動と共に使用することができ、それにより、システムが漏れ経路をハイライトすることを可能にすることができる。例えば、漏れの大きさ及び位置を判定することができる。一例では、吻合部を漏れ試験するとき、大腸から腹部への漏れ経路を識別することができる。様々な例では、漏れ経路の特定は、臨床医の意思決定プロセスに情報を与えることができる。例えば、漏れ経路に対処する方法及び/又は時期に関する提案を臨床医に提供することができる。特定の例では、ハブによって提供されるコンテキスト情報は、臨床医に提供される提案に影響を及ぼし得る。コンテキスト情報は、大腸色素流体内の現在の圧力、コンピュータ断層撮影(CT)画像化及び/若しくは器具操作力からの組織の生存可能性、並びに/又は患者特有の悪化因子を考慮して機能的な漏れの確率を示すことができ、それは、例えば、電子健康記録(EHR)で識別することができる。提案は、検出された関連事項(例えば、漏れの大きさ、「ドッグイヤー」又は横方向の交差マージン/ステープルされた角部に対する漏れの場所、及び/又は円形ステープラで検出された圧縮荷重)の識別に基づいて、吻合を補強するための実行可能な製品の示唆を含むことができる。更に又はあるいは、提案は、フィブリン、トロンビン、及び/又は酸化再生セルロース(ORC)などの補強剤のオーバーレイのプロポーザルを含むことができる。更に又はあるいは、提案は、例えば、組織の緊張又は側副血液供給の問題に起因して、線の一部分をとめ縫い又は再ステープル留めするプロポーザルを含むことができる。
【0236】
様々な例では、手術部位における流体流の1つ以上の特性の検出は、本明細書に更に記載される様々な測定システム及び/又は技術のうちの1つ以上を包含することができる。例えば、レーザドップラ流速計(LDV)又はレーザドップラ流量計(LDF)、粒子画像流速計(PIV)、及び/又はインドシアニングリーン(ICG)の近赤外(NIR)蛍光などの光学的測定システムを利用することができる。他の例では、カメラ/光学測定システムの代わりに、検出及び/又は測定は、粒子を追跡するために代替的な感知アレイを利用することができる。例えば、非接触通過型超音波検出及び非接触反射型超音波検出などの超音波測定システムを、例えば利用することができる。
【0237】
一態様では、非接触通過型超音波を粒子検出のために利用することができる。
図25の超音波通過型粒子検出システム213500を参照すると、超音波エミッタ213502は、光学スコープと同様に患者の体内(例えば、腹腔内)に配置することができる。様々な例では、エミッタ213502は、撮像システム用スコープ213501の遠位端部に配置することができる。スコープは、手術部位を観察し、医師が見ることができるディスプレイにそのビューを送信するカメラを含むことができる。スコープには、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-ネプロスコープ、S状結腸鏡、胸腔鏡、尿管鏡、及び体外視鏡が含まれるが、これらに限定されない。他の例では、エミッタ213502は、スコープからの別個の異なるデバイスであってもよい。超音波エミッタ213502は、流体213504(例えば、煙微粒子及び/又は蒸気エアロゾルなどの移動粒子)を通過し、流体213504の反対側で受信機213506によって受信される均質な音のカーテンを送信するように構成されている。受信機213506は、例えば、エンドエフェクタ及び/又はエンドエフェクタの細長いチャネル内に受容されたステープルカートリッジ213508の遠位ノーズなどの外科用デバイス上に配置することができる。他の例では、受信機213506は、別個の異なる外科用ツール上に配置することができる。様々な音波がエミッタ213502から流体213504を通過するとき、特定の波は流体213504によって遮断され得る。受信機213506によって受信された音波に基づいて、超音波通過型粒子検出システム213500は、ドップラシフト、すなわち、流体流の特性に対応する音波の加速又は減速を判定するように構成される。
【0238】
超音波通過型粒子検出システム213500の外科的用途には、例えば、流れの中の微粒子の速度、方向性、及び濃度の検出、並びに流れのパターン及び/又は分散速度の検出を含む、煙検出用途及び排出の制御が含まれる。外科用使用はまた、エアロゾル粒子と微粒子との区別(例えば、蒸気からの煙の区別)も含む。そのような区別は、例えば、適切に抽出されていない場合に粒子状物質フィルタを損傷する可能性がある流路内のエアロゾルに対処するために流体流路を変更するなど、排煙システムを調節する際に有用であり得る。粒子検出及び監視のための、例えば超音波通過型粒子検出システム213500を利用した超音波技術などの、粒子検出及び監視のための追加の外科的用途が、本明細書に更に記載される。更に、外科用システム及び/又は制御回路は、外科的処置中に外科的機能を調節及び/又は示唆するために、そのような超音波通過型粒子検出システムからの情報を利用するように構成することができる。
【0239】
一態様では、非接触反射音検出を粒子検出に利用することができる。ここで
図26を参照すると、超音波反射粒子検出システム213600が示されている。
図25に関して上述した超音波通過型技術と同様に、超音波反射粒子検出システム213600は、エミッタ、すなわち送信機/音源213602及び受信機213606を含む。しかしながら、この超音波反射粒子検出システム213600は、エミッタ213602と受信機213606が同じ外科用デバイス213608上に共配置されている点で、超音波通過型粒子検出システム213500とは異なる。他の例では、エミッタ213602及び受信機213606は、別個のデバイス上に配置されているが、互いに隣接して配置されていることができる。様々な例では、外科用デバイス213608は、例えば、デバイス213502(
図25)などのスコープであり得る。
【0240】
超音波反射粒子検出システム213600は、反射音波を検出するように構成されている。音波の反射及び屈折は、外科用デバイス213608が標的とする組織Tの表面特性に依存する。外科用デバイス213608は組織Tと接触していないため、組織Tの表層態様、例えば、組織Tの表面特徴、及び組織T内の深さの特性/特徴を感知しないように構成される。例えば、
図27のフローチャート213650を参照すると、ブロック213652において、音波特性に関するエミッタ213602及び受信機213606からのデータが得られ、ブロック213654で分析するための制御回路に提供される。制御回路は、ブロック213656において組織表面情報を判定するように構成される。入力信号を受信し、組織表面情報を計算し、出力を提供するための様々な制御回路を、本明細書に記載される様々な制御回路に組み込むことができる。例えば、入力信号から組織表面情報を判定するためのアルゴリズムは、本明細書に記載される様々な制御回路のメモリに記憶することができる。
【0241】
超音波反射粒子検出システムの外科的用途には、例えば、破壊された表層の表面反射の区別及び組織表面上の流動流体又は滲出流体の検出が含まれる。例えば、壊れた又は中断された表層の組織特徴を示す音の反射は、感染、癒着、瘢痕化、リモデリング、及び癌などの不健康な組織特徴を検出するために使用することができる。そのような組織特徴は、より中断される組織表面に対応することができ、したがって、典型的には連続的な中断されていない表面を画定している健康な組織と比較して超音波の屈折及び減衰の増加を引き起こす。組織の表面上で流れる又は滲出する流体は、表面に向けられた音波に異なるドップラ効果も生じさせるとともに、固体組織表面の反射とは異なる音反射を生成することができる。更に、存在する流体が多くなるほど、音波のエネルギの一部分を吸収するために流体が誘発することができる吸音が大きくなる。更に、音波に対するドップラ効果は、流体が送信機及び受信機に向かって移動しているか、又は送信機及び受信機から離れて移動しているかに応じて、音波のドップラ波のシフトをもたらす。流体流の方向性を検出することができる。様々な例では、送信機によって放出される周波数の範囲を変化させることにより、システムは、例えば、検出された流体の表面張力、弾性率、及び又は粘度を更に改善することができる。外科用システム又はその制御回路は、したがって、外科的処置中に外科用機能を調節及び/又は示唆するために、そのような超音波反射粒子検出システムからの情報を利用するように構成することができる。
【0242】
様々な態様では、システムは、流路に沿った粒子の識別及び検出のための本明細書に記載された様々な技術を用いて、例えば、排煙システムによって腹部から除去/排気されるか、又は灌注/送気システムによって濾過され置換される流れの中の物質を監視するように構成することができる。特定の例では、システムは、抽出されたガス内の粒子を検出し、それらの流量を直接測定するように構成することができる。一態様では、超音波通過型アレイは、例えば、送気ガスを抽出している通路又は送気ガスを濾過している通路の間の交差部に配置することができる。そのようなアレイは、通過する粒子を検出するように構成することができ、したがって、通過する粒子のタイプ及び濃度を判定するのに使用することができる。超音波通過型アレイの代替は、同様に配置することができるレーザカウンタアレイである。レーザカウンタアレイは、通路の一方の側から他方の側に通過する遮断されたレーザ光波、又は粒子からの光の屈折を測定することができる。
【0243】
様々な例では、渦流出は、上述した超音波通過型アレイ又はレーザカウンタアレイのいずれかと組み合わせて使用することができる。渦流出は、単に所定の流量を与えられた粒子の存在又は濃度を使用するのではなく、粒子のサイズ及びそれらの流量を検出するように構成される。渦流量計を利用する場合、流れを測定するために必要な流れ内の可動部又は要素は存在しない。有利には、これは、検出システムを洗浄し再利用する能力を改善することができ、及び/又は、例えば、検出システム内の体液の蓄積を最小化することができる。
【実施例0244】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
実施例1-患者の腹腔内の流体中の浮遊粒子の特性を検出するように構成されたセンサと、外科的機能を実施するように構成された外科用デバイスと、流体中の浮遊粒子の特性を示すセンサからの入力信号を受信し、入力信号に応答して、外科的機能に対する調節を示す出力信号を外科用デバイスに供給する、プロセッサ及びプロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリを備える制御回路と、を備える、外科用システム。
【0245】
実施例2-センサが、光学センサ、レーザセンサ、超音波センサ、磁気共鳴センサ、及び渦流出センサのうちの少なくとも1つを含む、実施例1に記載の外科用システム。
【0246】
実施例3-流体中の浮遊粒子の特性が、粒子のタイプ、粒径、粒子濃度、粒子速度、及び粒子方向のうちの少なくとも1つを含む、実施例1及び2のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0247】
実施例4-外科的機能に対する調節が、流体中の浮遊粒子の特性に基づいて外科的機能を比例的に増加させること、補助外科用機能を外科用機能に追加すること、及び外科用機能を代替的な外科的機能で置き換えることのうちの少なくとも1つを含む、実施例1~3のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0248】
実施例5-外科用デバイスが、ある電力レベルでエネルギデバイスに電力を供給するように構成された発生器を備え、外科的機能に対する調節は、発生器からエネルギデバイスに供給される電力レベルを調節することを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0249】
実施例6-外科用デバイスが、ある速度で動作するように構成されたポンプを備える排煙器を備え、外科的機能に対する調節は、ポンプの速度を調節することを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0250】
実施例7-外科用デバイスが、濾過システムを備えた排煙器を備え、外科的機能に対する調節は、排煙器の濾過システムを通る流路を調節することを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0251】
実施例8-濾過システムが微粒子フィルタを備え、入力信号が流体中の浮遊粒子の微粒子濃度の増加を示すとき、流路が微粒子フィルタを通して迂回される、実施例7に記載の外科用システム。
【0252】
実施例9-濾過システムが凝縮器を備え、入力信号が流体中の浮遊粒子のエアロゾル濃度の増加を示すとき、流路が凝縮器を通して迂回される、実施例7及び8のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0253】
実施例10-外科用デバイスが手術室ベントを備え、外科的機能に対する調節が、手術室ベントを調節してそれによって通気を増加させることを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0254】
実施例11-制御回路は、流体中の浮遊粒子の複数の特性を示す複数の入力信号を受信するように更に構成され、複数の入力信号は入力信号を含み、複数の入力信号に応答して、外科的機能に対する調節を示す出力信号を外科用デバイスに供給するように更に構成される、実施例1~10のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0255】
実施例12-コンピュータ可読命令を記憶する非一時的媒体であって、コンピュータ可読命令は、実行されると、外科用デバイスに、患者の腹腔内の流体中の浮遊粒子の特性を示すセンサから入力信号を受信させ、入力信号に応答して、外科的機能に対する調節を示す出力信号を外科用デバイスに供給させる、非一時的媒体。
【0256】
実施例13-コンピュータ可読命令は、実行されると、外科用デバイスに、発生器の電力レベルを調節するために、出力信号を発生器に供給させる、実施例12に記載の非一時的媒体。
【0257】
実施例14-コンピュータ可読命令は、実行されると、外科用デバイスに、排煙器のポンプの速度を調節するために、排煙器に出力信号を供給させる、実施例12に記載の非一時的媒体。
【0258】
実施例15-コンピュータ可読命令は、実行されると、外科用デバイスに、排煙器に出力信号を供給して、排煙器を通る流路を調節させる、実施例12に記載の非一時的媒体。
【0259】
実施例16-コンピュータ可読命令は、実行されると、外科用デバイスに、流体中の浮遊粒子の特性の変化に比例して外科的機能を変更することによって、外科的機能を調節させる、実施例12~15のいずれか1つに記載の非一時的媒体。
【0260】
実施例17-コンピュータ可読命令は、実行されると、外科用デバイスに、外科的機能と組み合わせて補助外科的機能を追加することによって、外科的機能を調節させる、実施例12~16のいずれか1つに記載の非一時的媒体。
【0261】
実施例18-コンピュータ可読命令は、実行されると、外科用デバイスに、外科的機能を代替的な外科的機能に置き換えることによって、外科的機能を調節させる、実施例12~17のいずれか1つに記載の非一時的媒体。
【0262】
実施例19-患者の腹腔内の流体中の浮遊粒子の特性を示すセンサから入力信号を受信することと、入力信号に応答して、外科用デバイスの外科的機能に対する調節を示す出力信号を外科用デバイスに自動的に供給することと、を含む、方法。
【0263】
実施例20-入力信号を受信した後の時間における流体中の浮遊粒子の特性を示す第2の入力信号をセンサから受信することと、第2の入力信号に応答して、第2の外科用デバイスの外科的機能に対する調節を示す第2の外科用デバイスに第2の出力信号を自動的に供給することと、を更に含み、第2の外科用デバイスは第1の外科用デバイスとは異なる、実施例19に記載の方法。
【0264】
実施例21-入力を受信するように構成されたアクチュエータと、制御回路であって、外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信し、入力に応答してアクチュエータから作動信号を受信し、作動信号に応答して外科的機能を実装するように構成された制御回路と、を備え、外科的機能は、外科的状態が第1の外科的状態に対応するときの第1の外科的機能を含み、外科的機能は、外科的状態が第2の外科的状態に対応するときの第2の外科的機能を含み、第2の外科的状態は、第1の外科的状態とは異なり、第2の外科的機能は、第1の外科的機能とは異なる、外科用デバイス。
【0265】
実施例22-状況認識外科用ハブが、状況認識モジュールを備え、外科的状態が外科的処置におけるステップを含む、実施例21に記載の外科用デバイス。
【0266】
実施例23-外科的状態が、外科的現場で現在使用されている一連の外科用デバイスの識別を含む、実施例21及び22のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0267】
実施例24-外科的状態が、外科用デバイスの一部分の位置を含む、実施例21~23のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0268】
実施例25-外科的状態が、外科用デバイスのエンドエフェクタのジョーの位置を含む、実施例21~24のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0269】
実施例26-アクチュエータが、第1の位置から第2の位置へ第1の移動範囲にわたって移動可能であり、第2の位置から第3の位置へ第2の移動範囲にわたって移動可能であり、第1の移動範囲におけるアクチュエータの動きが、外科的機能を起動させるように構成されており、第2の移動範囲におけるアクチュエータの動きが、外科的機能の程度を測定するように構成されている、実施例21~25のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0270】
実施例27-アクチュエータの位置を判定するように構成されたホール効果センサを更に備え、第1の外科的機能が起動を含み、第2の外科的機能が、ホール効果センサによって検出されたアクチュエータの位置に基づいて起動の程度を調節することを含む、実施例21~26のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0271】
実施例28-アクチュエータに動作可能に連結されたひずみゲージを更に備え、ひずみゲージが、アクチュエータ上の入力の力を判定するように構成されており、第1の外科的機能が起動を含み、第2の外科的機能が、ひずみゲージによって検出された入力の力に基づいて起動の程度を調節することを含む、実施例21~26のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0272】
実施例29-第1の外科的機能が、第1の最大閾値及び第1の最小閾値によって制限され、第2の外科的機能が、第2の最大閾値及び第2の最小閾値を含み、第1の最大閾値が第2の最大閾値と異なり、第1の最小閾値が第2の最小閾値とは異なる、実施例21~28のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0273】
実施例30-第1の外科的状態が、大まかな使用の外科的ステップに対応し、第2の外科的状態が、精密使用の外科的ステップに対応する、実施例21~29のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0274】
実施例31-アクチュエータは、ボタン、スイッチ、トグル、トリガ、レバー、ダイヤル、及びノブのうちの少なくとも1つを備える、実施例21~30のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0275】
実施例32-制御回路が、プロセッサと、プロセッサに通信可能に連結されたメモリと、を備える、実施例21~31のいずれか1つに記載の外科用デバイス。
【0276】
実施例33-コンピュータ可読命令を記憶する非一時的媒体であって、コンピュータ可読命令は、実行されると、外科用デバイスに、外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信させ、外科用デバイスのアクチュエータに適用された入力に応答して作動信号を受信させ、作動信号に応答して外科的機能を実装させ、外科的機能は、外科的状態が第1の外科的状態に対応するときの第1の外科的機能を含み、外科的機能は、外科的状態が第2の外科的状態に対応するときの第2の外科的機能を含み、第2の外科的状態は、第1の外科的状態とは異なり、第2の外科的機能は、第1の外科的機能とは異なる、非一時的媒体。
【0277】
実施例34-手術室において臨床医に提案を選択的に表示するように構成されたスクリーンと、プロセッサ及びプロセッサと信号通信するメモリとを備える制御回路と、を備え、メモリが、外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信し、外科的状態に基づいて提案の優先レベルを判定し、スクリーンを介して提案の優先レベルを通信する、ための、プロセッサによって実行可能な命令を記憶している、システム。
【0278】
実施例35-制御回路が、外科的状態に基づいて、複数の可能な提案から1つ以上の提案を選択するように更に構成されている、実施例34に記載のシステム。
【0279】
実施例36-制御回路が、予測される外科的動作に基づいて提案の優先レベルを調節するように更に構成されており、予測される外科的動作が外科的状態に基づく、実施例35に記載のシステム。
【0280】
実施例37-予測される外科的動作が、手術部位における外科用デバイスの位置に基づく、実施例36に記載のシステム。
【0281】
実施例38-高い優先レベルが、マーキング、強調、ハイライト、及び点滅のうちの少なくとも1つで伝達される、実施例34~37のいずれか1つに記載のシステム。
【0282】
実施例39-スクリーンが外科用デバイス上に配置されている、実施例34~38のいずれか1つに記載のシステム。
【0283】
実施例40-手術室に配置可能なビデオモニタを備えた撮像システムを更に備えており、スクリーンがビデオモニタ上に配置されている、実施例34~39のいずれか1つに記載のシステム。
【0284】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」の範囲をそのような詳細に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多数の修正、変形、変化、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変化、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0285】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を介してデバイス及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々に及び/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実現することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。更に、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の例証的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることが当業者には理解されるであろう。
【0286】
様々な開示された態様を実行するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、又は他の記憶デバイスなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって分配され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読記憶デバイスに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体には、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が含まれる。
【0287】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤド回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びそれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用するとき、「制御回路」には、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路、並びに及び/又は通信デバイスデバイス(例えば、モデム、通信スイッチ、若しくは光-電気機器)を形成する電気回路が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ若しくはデジタルの形式又はこれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。
【0288】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリデバイス内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0289】
本明細書の任意の態様で使用するとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのどちらかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0290】
本明細書の任意の態様で使用するとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながるステップの自己無撞着シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をなすことができる物理的量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理的量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0291】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信デバイスは、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol、TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。あるいは又は更に、通信デバイスは、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。あるいは又は更に、通信デバイスは、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。あるいは又は更に、送受信機は、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode、ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルが、本明細書で等しく企図される。
【0292】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「判定する」、「表示する」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理的(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送、若しくは表示デバイス内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作及び変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算デバイスの動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0293】
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、コンテキスト上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0294】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0295】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は、「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む特許請求の範囲に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0296】
更に、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、コンテキスト上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、特許請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0297】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンスで示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、コンテキスト上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、コンテキスト上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0298】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機能、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる「一態様では」、「態様では」、「例示では」、及び「一例示では」という句は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0299】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は参照により本明細書に組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0300】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0301】
〔実施の態様〕
(1) 入力を受信するように構成されたアクチュエータと、
制御回路であって、
外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信し、
前記入力に応答して前記アクチュエータから作動信号を受信し、
前記作動信号に応答して外科的機能を実装するように構成された制御回路と、を備え、前記外科的機能は、前記外科的状態が第1の外科的状態に対応するときの第1の外科的機能を含み、前記外科的機能は、前記外科的状態が第2の外科的状態に対応するときの第2の外科的機能を含み、前記第2の外科的状態は、前記第1の外科的状態とは異なり、前記第2の外科的機能は、前記第1の外科的機能とは異なる、外科用デバイス。
(2) 前記状況認識外科用ハブが、状況認識モジュールを備え、前記外科的状態が外科的処置におけるステップを含む、実施態様1に記載の外科用デバイス。
(3) 前記外科的状態が、外科的現場で現在使用されている一連の外科用デバイスの識別を含む、実施態様1に記載の外科用デバイス。
(4) 前記外科的状態が、前記外科用デバイスの一部分の位置を含む、実施態様1に記載の外科用デバイス。
(5) 前記外科的状態が、前記外科用デバイスのエンドエフェクタのジョーの位置を含む、実施態様4に記載の外科用デバイス。
【0302】
(6) 前記アクチュエータが、第1の位置から第2の位置へ第1の移動範囲にわたって移動可能であり、前記第2の位置から第3の位置へ第2の移動範囲にわたって移動可能であり、前記第1の移動範囲における前記アクチュエータの動きが、前記外科的機能を起動させるように構成されており、前記第2の移動範囲における前記アクチュエータの動きが、前記外科的機能の程度を測定するように構成されている、実施態様1に記載の外科用デバイス。
(7) 前記アクチュエータの前記位置を判定するように構成されたホール効果センサを更に備え、前記第1の外科的機能が起動を含み、前記第2の外科的機能が、前記ホール効果センサによって検出された前記アクチュエータの前記位置に基づいて前記起動の程度を調節することを含む、実施態様1に記載の外科用デバイス。
(8) 前記アクチュエータに動作可能に連結されたひずみゲージを更に備え、前記ひずみゲージが、前記アクチュエータ上の前記入力の力を判定するように構成されており、前記第1の外科的機能が起動を含み、前記第2の外科的機能が、前記ひずみゲージによって検出された前記入力の前記力に基づいて前記起動の程度を調節することを含む、実施態様1に記載の外科用デバイス。
(9) 前記第1の外科的機能が、第1の最大閾値及び第1の最小閾値によって制限され、前記第2の外科的機能が、第2の最大閾値及び第2の最小閾値を含み、前記第1の最大閾値が前記第2の最大閾値と異なり、前記第1の最小閾値が前記第2の最小閾値とは異なる、実施態様1に記載の外科用デバイス。
(10) 前記第1の外科的状態が、大まかな使用の外科的ステップ(gross usage surgical step)に対応し、前記第2の外科的状態が、精密使用の外科的ステップ(precision usage surgical step)に対応する、実施態様9に記載の外科用デバイス。
【0303】
(11) 前記アクチュエータが、ボタン、スイッチ、トグル、トリガ、レバー、ダイヤル、及びノブのうちの少なくとも1つを備える、実施態様1に記載の外科用デバイス。
(12) 前記制御回路が、プロセッサと、前記プロセッサに通信可能に連結されたメモリと、を備える、実施態様1に記載の外科用デバイス。
(13) コンピュータ可読命令を記憶する非一時的媒体であって、前記コンピュータ可読命令は、実行されると、外科用デバイスに、
外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信させ、
外科用デバイスのアクチュエータに適用された入力に応答して作動信号を受信させ、
前記作動信号に応答して外科的機能を実装させ、前記外科的機能は、前記外科的状態が第1の外科的状態に対応するときの第1の外科的機能を含み、前記外科的機能は、前記外科的状態が第2の外科的状態に対応するときの第2の外科的機能を含み、前記第2の外科的状態は、前記第1の外科的状態とは異なり、前記第2の外科的機能は、前記第1の外科的機能とは異なる、非一時的媒体。
(14) 手術室において臨床医に提案を選択的に表示するように構成されたスクリーンと、
プロセッサ及び前記プロセッサと信号通信するメモリを備える制御回路と、を備え、前記メモリが、
外科的状態を示す状況認識外科用ハブからの信号を受信し、
前記外科的状態に基づいて前記提案の優先レベルを判定し、
前記スクリーンを介して前記提案の前記優先レベルを通信する、ための、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶している、システム。
(15) 前記制御回路が、前記外科的状態に基づいて、複数の可能な提案から1つ以上の提案を選択するように更に構成されている、実施態様14に記載のシステム。
【0304】
(16) 前記制御回路が、予測される外科的動作に基づいて前記提案の前記優先レベルを調節するように更に構成されており、前記予測される外科的動作が前記外科的状態に基づく、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記予測される外科的動作が、手術部位における外科用デバイスの位置に基づく、実施態様16に記載のシステム。
(18) 高い優先レベルが、マーキング、強調、ハイライト、及び点滅のうちの少なくとも1つで伝達される、実施態様14に記載のシステム。
(19) 前記スクリーンが外科用デバイス上に配置されている、実施態様14に記載のシステム。
(20) 前記手術室に配置可能なビデオモニタを備えた撮像システムを更に備えており、前記スクリーンが前記ビデオモニタ上に配置されている、実施態様14に記載のシステム。