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  • 特開-服薬収容容器体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099253
(43)【公開日】2023-07-12
(54)【発明の名称】服薬収容容器体
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/00 20060101AFI20230705BHJP
【FI】
A61J7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215468
(22)【出願日】2021-12-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイト:YouTubeサイト ウェブサイトのアドレス: https://www.youtube.com/watch?v=PJth-Aowp5s ウェブサイトの掲載日: 令和3年11月30日
(71)【出願人】
【識別番号】520213388
【氏名又は名称】株式会社サンポーウェルズ
(74)【代理人】
【識別番号】719003396
【氏名又は名称】川村 典康
(72)【発明者】
【氏名】川村 典康
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA34
4C047NN05
(57)【要約】
【課題】 片手が不自由な方には、片手で連続帯状の分包体を引っ張りだして、分包を安定した状態を保ちながら、片手にてハサミなどで裁断して分包を切り離すことや分包自体の開封を行うことは非常に困難であり、不便なもので使いづらいものあり、片手が不自由な方がシンプルで使いやすい服薬収容容器体を提供することである。
【解決手段】 服薬収容容器体は、薬剤を一包化した分包を複数帯状に連続して配置した分包連続体を収容する容器本体を備え、前記容器本体の側面に前記分包連続体を引き出し可能とするスリット状取り出し口を設け、前記スリット状取出し口の外下方で前記容器本体から所定間隔をおいて、引き出した前記分包連続体の先端の分包を保持する分包保持部を設けてなる。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を一包化した分包を複数帯状に連続して配置した分包連続体を収容する容器本体を備え、前記容器本体の側面に前記分包連続体を引き出し可能とするスリット状取り出し口を設け、前記スリット状取出し口の外下方で前記容器本体から所定間隔をおいて、引き出した前記分包連続体の先端の分包を保持する分包保持部を設けてなることを特徴とする服薬収容容器体。
【請求項2】
前記分包保持部は上方が開口する箱体で形成され、前記箱体の深さが前記分包の一包分の長さと略同一または前記分包の一包分の長さより短く形成されるとともに、前記箱体に保持される前記分包連続体の先端の分包が立設して保持されてなることを特徴とする請求項1に記載の服薬収容容器体。
【請求項3】
前記容器本体の一端面には、分包連続体を収容する収納開口と前記収納開口を閉じる蓋体とが設けられ、前記スリット状取り出し口の下縁部分より前記容器本体の外方向でかつ前記スリット状取り出し口より離れる方向に延びる外斜面部が設けられ、前記外斜面部と前記分包保持部の間には所定の間隔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の服薬収容容器体。
【請求項4】
前記分包を切り離しする際に、服薬収容容器体が設置された設置面より上方に持ち上がらないようにするための持ち上がり防止手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の服薬収容容器体。
【請求項5】
漢方薬などの粉薬の薬包を一包分ごとに複数立設できるように、所定間隔を開けて複数のスリット部を設けた薬包保持体を有することを特徴とする請求項1に記載の服薬収容容器体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調剤された薬剤を一包化した複数の分包を帯状に連続配置した分包連続体を収容する服薬収容容器体に関する。
【背景技術】
【0002】
調剤された薬剤を一包化した分包を複数帯状に連続して配置した分包体において、分包を一包分の分包を分包体から切り離すのは、通常、連続する分包間に設けられているミシン目状の切り離し部分を手で切り離すことになるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0264966号
【特許文献2】米国特許第02984397号
【特許文献3】特開2013-082465号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術として特許文献1、2、3に示されるように、箱状容器体に調剤し処方された薬剤を一包化した分包を帯状シートに連続した分包体を蛇腹状に折って収容するか渦巻き状に巻いて収容し、箱状体の開口部分より、帯状シートの分包体を引き出して、先端の一つの分包を手で切り離しミシン目から切り離すか、切り離しミシン目の部分を開口部分の縁部に当てて手で切り離すものである。この場合に、片手を怪我して片手しか使えないなどの片手が不自由な方にとっては、片手で薬包を引っ張り、切り離す裁断を行うことと、分包の開封を行うことは非常に困難であり、不便なもので使いづらいものであった。
そして、連続配置した分包連続体から分包を片手で切り離す作業は、分包自体に重さを加えたり、摩擦抵抗を上げたりすることで可能性はあるが、切り離した後の分包を開封する動作がいずれも発生することになる。即ち、分包の切り離しと、服用のための分包の開封の2つの工程が生じ、服用するための作業が増える難点があった。さらに切り離された分包を開封するには、より精度の高い固定能力が必要となり、作業の複雑化が生じる恐れがあった。
【0005】
本発明の目的は、片手が不自由な方がシンプルで使いやすい服薬収容容器体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の服薬収容容器体は、薬剤を一包化した分包を複数帯状に連続して配置した分包連続体を収容する容器本体を備え、前記容器本体の側面に前記分包連続体を引き出し可能とするスリット状取り出し口を設け、前記スリット状取出し口の外下方で前記容器本体から所定間隔をおいて、引き出した前記分包連続体の先端の分包を保持する分包保持部を設けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の服薬収容容器体によれば、片手で、分包をひっぱり出し、裁断・分包の開封・服用までの動作が可能となるものであり、引き出した分包連続体の先端の分包を分包保持部にて保持するできるため、片手で挟みにて裁断が可能となり、分包連続体から切り離しできると同時に、分包の上端部分を切り離すことによって開封することもでき、切り離された分包は開封した状態で分包保持部に保持され、片手で口腔に運べて服用が可能となるものあって、使いやすいものである。
【0008】
また、請求項5の本発明の服薬収容容器体によれば、漢方薬などの粉薬の薬包を一包分ごとに複数立設できるように、所定間隔を開けて複数のスリット部を設けた薬包保持体を有するので、調剤された薬剤を一包化した分包に入った薬剤と、薬包の粉薬を同時に服用できることができ、また、一包化した分包の調剤された薬剤とその他の粉薬などを同時に管理することにより、飲み忘れ防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の服薬収容容器体の実施例を示す斜視図である。
図2】本発明の服薬収容容器体の使用状態を示す実施例の斜視図である。
図3】本発明の薬包保持体を示す斜視図である、
図4】本発明の服薬収容容器体に薬包保持体を組み合わせた状態を示す実施例の概略図である。
図5】本発明の薬包保持体がシートに4つ配置して組み合わせた実施例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、服薬収容容器体の本発明の服薬収容容器体の実施例の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1、2は、本発明の服薬収容容器体の一実施形態であり、図において、Aは服薬収容容器体、1は容器本体、2はスリット状取り出し口、3は外斜面部、4は分包保持部、5は連結部、6は蓋、10は容器本体1の収容開口部である。図2に示されるように、Bは分包連続体であり、薬剤を一包化した分包を複数連続に配置して帯状になされているものである。
【0011】
服薬収容容器体Aの容器本体1は、分包を複数帯状に連続して配置した分包連続体Bを収容するものであり、容器本体1の一端面(図1の実施例では上面)には、分包連続体を容器本体1内に収容するための収容開口部10が開口し、その開口部10を閉じるための蓋体6が容器本体1に設けられている。蓋体6から延設されている縁部61が収容開口部10内に位置して閉じられるものである。服薬収容容器体Aは、プラスチック製や紙製などで形成されるものである。
【0012】
容器本体1の側面にはスリット状取り出し口2が設けられおり、スリット状取り出し口2からは容器本体1内に収容されている分包連続体Bの先端を引き出し可能となるものである。
【0013】
スリット状取り出し口2の下縁部分から外斜面部3が、容器本体1の外方向でかつスリット状取り出し口2より離れる方向に延設されている。この外斜面部3は、図2に示されるように、スリット状取り出し口2から引き出された分包連続体Bを後述する分包保持部4に導くように支持するものである。そして、外斜面部3と分包保持部4の間には所定の間隔が設けられている。そして、スリット状取り出し口2の上端縁部から庇部30が外方に延設されている。庇部30は、スリット状取り出し口2から引き出された分包連続体Bの容器本体1内への逆流防止の役目を果たすものである。
【0014】
服薬収容容器体Aの外斜面部3は、容器本体1に一体的に形成してもよいものである。そして、服薬収容容器体Aが紙製の場合では、外斜面部3は外傾斜部31及び斜面裏面部32を備え、外傾斜面3の外傾斜部31はスリット状取出し口2の下端側より容器本体1側の外斜め方向に延び、斜面裏面部32は外斜面部31から折り返えされて形成され、斜面裏面部32の容器本体1側に設けられた係止片部(図示せず)が容器本体1の側面に設けられた係止孔部(図示せず)に係合して固定されてもよいものである。また、本出願人が既に登録している特許第6876212号のような外傾斜面のような固定の仕方でもよいものである。即ち、前記外傾斜面3をくちばし形状に形成して容器本体1に組立係止することになる。
【0015】
服薬収容容器体Aの分包保持部4は、図2に示されるように、スリット状取出し口2の外下方で容器本体1から所定間隔をおいて形成されている。また、上記のように服薬収容容器体Aの容器本体1に外斜面部3を有する場合には、外斜面部3と分包保持部2の間には所定の間隔が設けられていることなる。そして、分包保持部4は、分包保持部4は上方が開口する箱体40で形成され、引き出された分包連続体Bの先端の分包b1を保持するものであり、保持された分包b1は、薬剤が入っているために箱体40略立設した状態で自立保持されることになる。
箱体40の深さが分包連続Bの分包の一包分の長さと略同一または分包の一包分の長さより短く形成されているものである。また、分包保持部4は、図1,2に示される実施形態だけでなく、その引き出された分包連続体Bの先端の分包b1を保持する機能を有するものであり、分包保持部4の他の実施形態として、クリップ形態やコップのような受け皿形態のものあってもよい。分包b1自体の長さ(大きさ)は、調剤された薬剤の量などにより60~90mmまで調整可能なものであり、服用する分包の長さ(大きさ)に合わせて、所定の長さ(高さ)の分包保持部4を使用することになる。
【0016】
図2に示されるように、引き出された分包連続Bの先端の分包b1を分包保持部4に立設して保持された状態になり、引き出された分包連続Bはスリット状取出し口2から分包保持部4に半アーチ状になるように維持され、ハサミHなどで分包b1の上端部分(図2の一点鎖線部分h)を裁断することができ、分包連続Bから分包b1が切り離すことができると同時に、分包b1自体の開封が可能となる。そして、開封された分包b1自体が分包保持部4にそのまま立設した状態で保持されるので、裁断により分包b1の開封口から薬剤がこぼれることがなく、便利なものであり、片手で持って、片手で口腔に運べば、服用が可能となるものである。そして、更に、裁断された残りの引き出されている分包連続体Bは、外斜面部3に設置された状態となり、次に引き出し際に、引き延ばしやすい状態を保つことができるものである。そして、分包保持部4の箱体40は、図1,2のように、その箱体40の上端部分が、容器本体1と反対側に斜めにカットされているものであり、ハサミHにて分包b1を裁断する際に切りやすいものである。
分包保持部4の箱体40の高さは、分包b1を裁断する際に箱体40自体を切断しない高さするのが好ましいものである。なお、分包b1自体の種々の長さに対応する場合には、分包保持部4の箱体40の高さは低めの高さにあらかじめ設定されていてもよい。
【0017】
そして、服薬収容容器体Aの容器本体1と分包保持部4とは、それぞれの下部間同士を連結体5にて一定の所定間隔を保つように連結してもよく、連結体5によって分包保持部4の位置が安定し、分包の切り離し・開封の際に、使用者が使い易いものとなる。そして、片麻痺の方では残された機能により使用できる体の部位が異なるため(例えば、指先又は指間腔で分包をつまむため)、容器本体1と分包保持部4との距離が調整可能な構造であることは好ましい。例えば、連結体5を長くして、容器本体1側の連結体5を容器本体1の下側に固定し、固定する位置を調整することにより、容器本体1と分包保持部4との距離が調整可能な構造となるものであってもよい。また、調節時に終点がわかるように、印をつけ、連結体5終端が出ないように、容器本体1との留めの機能をつけてもよい。
【0018】
分包を切り離しする際に使用者が使い易いように、服薬収容容器体Aを更に安定させるために、服薬収容容器体Aが設置された設置面より上方に持ち上がらないようにするための持ち上がり防止手段(図示せず)を備えてもよいものである。持ち上がり防止手段は、例えば、重量がある重し体で形成されていてもよく、また、服薬収容容器体A自体を設置面に固定するための手段を設けてもよい。
【0019】
次に、本発明の服薬収容容器体Aの薬包保持体Yについて述べる。薬包保持体Yは、一包化に入らない漢方薬などの粉薬の薬包yの管理を行えるものである。図4に示されるように、薬包保持体Yは、服薬収容容器体Aの容器本体1自体に設置できるものであり、あるいは容器本体1自体にジョイントできるように連結してもよい。また、服薬収容容器体Aを設置した面に薬包保持体Yを設置してもよい。この場合、薬包yの管理と分包連続体Bを同時に管理できる。薬包y自体は袋状であっても分包紙で包んだものであってもよい。
【0020】
薬包保持体Yは、保持本体7のベース部70から三角形状となるように支持片部71、71が形成され、支持片部71、71に薬包yを一包分ごとに複数立設できるように、所定間隔を開けて複数のスリット部72、72、・・・が設けられている。このスリット部72に薬包yが挟み込んで複数の薬包yが配置できることになる。保持本体7は三角形状でなく台形形状であってもよく、一包分ごとの薬包を複数立設できるものであればよい。保持本体7のスリット部72の切り込みの深さは、薬包yが自立できかつ、取り出しやすい長さを設けることがよい。
このように、薬包保持体Yは、1回分ずつの薬包が取り出しやすくでき、例えば、スリット部72を7つ設ければ一週間分の飲み忘れの防止管理もできるものであり、1週間分ずつのセットが可能になり服用の注意喚起忘れ防止となる。また、スリット部72の付近に、曜日や数字を入れてもよいものである。
【0021】
図3に示される薬包保持体Yは、保持本体7が2つ連結されているものであるが、切り離して使用できるものであり、例えば、図5に示されるように、4つの保持本体7を一つのシートに形成し、一つずつ切り離して使用してもよいのものである。切り離し方も自由にでき、自由に置き場所を選べるものであり、七日分の集合体で切って使える形状にでき、単独での使用が可能となる。保持本体7を多数設ければ、様々な薬包yがある場合には、それに応じて使用でき、多くの薬包yに応じて使えるものであり、スリット部72のスリット幅も複数種類のものを設けてもよい。なお、連結される保持本体7の数は限定されるものではない。
【0022】
また、服薬収容容器体Aの容器本体1の収容開口部10と蓋6との隙間部分に差し込むことが可能となる係合片を薬包保持体Yに設けて、服薬収容容器体Aとジョイントが可能としてもよいものである。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、片手のみの使用患者や片手をけがして片手が不自由方に服薬の補助ツールとして貢献できる。また、服薬支援ツールとして、飲み忘れ、残薬防止、医療・介護費の削減へと貢献できるものである。
【符号の説明】
【0024】
A 服薬収容容器体
1 容器本体
2 スリット状取り出し口
3 外斜面部
4 分包保持部
5 連結部
6 蓋
10 収容開口部
B 分包連続体
b1、b2 分包
Y 薬包保持体
7 保持本体
70 ベース体
71 支持片部
72 スリット部
図1
図2
図3
図4
図5