(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099271
(43)【公開日】2023-07-12
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20230705BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 201G
H01G4/30 201M
H01G4/30 512
H01G4/30 513
H01G4/30 516
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065889
(22)【出願日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0192965
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、セオ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】オー、ウォン クエン
(72)【発明者】
【氏名】イオン、ギュ ホ
(72)【発明者】
【氏名】リー、セオ ホ
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】単位体積当たりの容量が少なくならない積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品は、誘電体層111及び誘電体層と交互に配置される内部電極121、122を含み、第1方向に対向する第1面、第2面、第1面及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3面、第4面、第1面~第4面と連結され、第3方向に対向する第5面、第6面を含む本体110と、本体上に配置される外部電極130、140と、を含む。外部電極は、第3面及び第4面上に配置される第1電極層131、141、第1電極層上に配置されるセンター部及びセンター部から第1面及び第2面の一部まで延びるバンド部を含む第2電極層132、142を含む。第1電極層は、導電性金属を含む。第2電極層は、銀、ガラス並びにパラジウム、白金及び金のうち一つ以上を含み、バンド部の最大厚さは、センター部の最大厚さより大きい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び前記誘電体層と交互に配置される複数の内部電極を含み、第1方向に対向する第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、前記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体と、
前記本体上に配置される外部電極と、を含み、
前記外部電極は、前記第3面及び第4面上に配置される第1電極層、前記第1電極層上に配置されるセンター部及び前記センター部から前記第1面及び第2面の一部まで延びるバンド部を含む第2電極層を含み、
前記第1電極層は導電性金属を含み、
前記第2電極層は銀(Ag)及びガラスを含み、
前記第2電極層は、パラジウム(Pd)、白金(Pt)及び金(Au)のうち一つ以上をさらに含み、
前記センター部の最大厚さをta、前記バンド部の最大厚さをtbとするとき、ta<tbを満たす、積層型電子部品。
【請求項2】
前記ta及びtbは、0.25≦ta/tb<0.45を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記taは、10μm≦ta<18μmを満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記第2電極層の外表面はCuを含まない、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記第2電極層の外表面はCuを含まない、請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記導電性金属はCuを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1電極層はガラスをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記第2電極層はNiを含まない、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記誘電体層の平均厚さは0.35μm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記複数の内部電極の平均厚さは0.35μm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記本体は、前記誘電体層及び前記誘電体層と交互に配置される複数の内部電極を含んで容量を形成する容量形成部、前記容量形成部の第1方向の上部及び下部に配置されるカバー部を含み、
前記カバー部の平均厚さは15μm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(Multilayer Ceramic Capacitor、MLCC)は、小型でありながらも高容量が保障されるという利点により、通信、コンピュータ、家電、自動車などの産業に使用される重要なチップ部品であり、特に、携帯電話、コンピュータ、デジタルTVなど、各種の電気、電子、情報通信機器に使用される核心的な受動素子である。
【0003】
従来は、積層セラミックキャパシタを基板等に実装するために、積層セラミックキャパシタの外部電極は、電極層上に形成されためっき層を含んでいた。ただし、高温環境による実装時の基板の反り及びめっき層に含まれる錫(Sn)の酸化により、半田クラックが発生したり、接触抵抗が増加したりするという問題が発生していた。
【0004】
このような問題点を解決するために、銅(Cu)を含む第1電極層と、銀(Ag)及びパラジウム(Pd)を含む電極で形成された第2電極層とを含む外部電極構造が使用されており、このような外部電極を使用する場合、錫半田の代わりに銀エポキシ(Ag epoxy)を導電性接着剤(Conductive glue)として使用して積層セラミックキャパシタを基板に実装することができる。
【0005】
従来は、このような外部電極構造において、導電性金属を含む第1電極層を積層型電子部品の本体の頭面上に配置し、第1電極層及び本体の一部上にAg及びPdを含む第2電極層を形成して信頼性を向上させた。このとき、信頼性を向上させるために、第2電極層のセンター部の厚さをバンド部の厚さより厚く形成する場合、積層型電子部品の単位体積当たりの容量が少なくなるという問題点が発生する可能性がある。
【0006】
一方、第2電極層のセンター部の厚さ及びバンド部の厚さを調節する過程で、センター部の厚さがバンド部の厚さに比べて十分でないか、過度に厚い場合、積層型電子部品の耐湿信頼性、Void特性及びESR特性が劣化するという問題点が発生する可能性がある。
【0007】
したがって、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させながらも、優れた耐湿信頼性、Void特性及びESR特性を有することができる第2電極層のバンド部の厚さ及びセンター部の厚さの相関関係を調節する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明のいくつかの目的の一つは、第2電極層のセンター部の厚さをバンド部の厚さより厚く形成する場合、積層型電子部品の単位体積当たりの容量が少なくなるという問題点を解決することである。
【0009】
本発明のいくつかの目的の一つは、第2電極層のセンター部の厚さがバンド部の厚さに比べて十分でないか、過度な場合、積層型電子部品の耐湿信頼性、Void特性及びESR特性が劣化するという問題点を解決することである。
【0010】
ただし、本発明の目的は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、誘電体層及び上記誘電体層と交互に配置される複数の内部電極を含み、第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、上記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体と、上記本体上に配置される外部電極と、を含み、上記外部電極は、上記第3面及び第4面上に配置される第1電極層、上記第1電極層上に配置されるセンター部及び上記センター部から上記第1面及び第2面の一部まで延びるバンド部を含む第2電極層を含み、上記第1電極層は導電性金属を含み、第2電極層は銀(Ag)及びガラスを含み、パラジウム(Pd)、白金(Pt)及び金(Au)のうち一つ以上をさらに含み、上記センター部の最大厚さをta、上記バンド部の最大厚さをtbとするとき、ta<tbを満たすことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のいくつかの効果の一つは、第2電極層のバンド部の最大厚さをセンター部の最大厚さより厚く配置することにより、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させることである。
【0013】
本発明のいくつかの効果の一つは、第2電極層のセンター部の最大厚さとバンド部の最大厚さとの間の相関関係を調節して、耐湿信頼性、Void特性及びESR特性を向上させることである。
【0014】
ただし、本発明の多様かつ有益な利点及び効果は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のI-I'線に沿った断面に対する断面図である。
【
図3】
図1のII-II'線に沿った断面に対する断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による積層型電子部品の本体を分解して示す分解斜視図である。
【
図5】
図2のK1領域に対応する比較例の拡大図である。
【
図6】
図2のK1領域に対する本発明の一実施形態による積層型電子部品の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張することができ、図面上の同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0017】
そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。なお、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素については、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0018】
図面において、第1方向は積層方向又は厚さT方向、第2方向は長さL方向、第3方向は幅W方向と定義することができる。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図であり、
図2は、
図1のI-I'線に沿った断面に対する断面図であり、
図3は、
図1のII-II'線に沿った断面に対する断面図であり、
図4は、本発明の一実施形態による積層型電子部品の本体を分解して示す分解斜視図である。
【0020】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。本体110の具体的な形状に特に限定はないが、図示のように本体110は、六面体形状又はこれと類似の形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0021】
本体110は、第1方向に互いに対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに対向する第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、第3方向に互いに対向する第5及び第6面5、6を有することができる。
【0022】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であって、隣接する誘電体層111の間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0023】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り特に限定されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを使用することができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例示として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)等が一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)等が挙げられる。
【0024】
また、上記誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーに、本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などを添加することができる。
【0025】
一方、誘電体層111の平均厚さは特に限定する必要はない。例えば、誘電体層111の平均厚さtdは0.2μm以上2μm以下であってもよい。ただし、一般に誘電体層を0.6μm未満の厚さに薄く形成する場合、特に誘電体層の厚さが0.35μm以下の場合には信頼性が低下する恐れがある。
【0026】
本発明の一実施形態によると、第2電極層132、142のバンド部及びセンター部の最大厚さを調節して信頼性を向上させることができるため、誘電体層111の平均厚さが0.35μm以下の場合に、本発明による信頼性向上効果がより顕著になることができる。
【0027】
誘電体層111の平均厚さは、上記第1及び第2内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の平均厚さを意味することができる。誘電体層111の平均厚さは、本体110の長さ及び厚さ方向(L-T)の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)で画像をスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされた画像において、一つの誘電体層を長さ方向に等間隔の30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔の30個の地点は、容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の誘電体層に拡張して平均値を測定すると、誘電体層の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0028】
本体110は本体110の内部に配置され、誘電体層111と交互に配置される複数の内部電極121、122を含んで容量が形成される容量形成部Acと、上記容量形成部Acの第1方向の上部及び下部に形成されたカバー部112、113とを含むことができる。
【0029】
また、上記容量形成部Acは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であって、誘電体層111を間に挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を反復的に積層して形成することができる。
【0030】
カバー部112、113は、上記容量形成部Acの第1方向の上部に配置される上部カバー部112及び上記容量形成部Acの第1方向の下部に配置される下部カバー部113を含むことができる。上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0031】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は内部電極を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。すなわち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、セラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料を含むことができる。
【0032】
一方、カバー部112、113の平均厚さは特に限定する必要はない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の平均厚さは15μm以下であってもよい。本発明の一実施形態によると、第2電極層132、142のバンド部及びセンター部の最大厚さを調節して信頼性を向上させることができるため、カバー部の平均厚さが15μm以下の場合であっても積層型電子部品の信頼性を向上させることができる。
【0033】
カバー部112、113の平均厚さは第1方向サイズを意味することができ、容量形成部Acの上部又は下部において等間隔の5個の地点で測定したカバー部112、113の第1方向サイズを平均した値であることができる。
【0034】
また、上記容量形成部Acの側面にはマージン部114、115が配置されることができる。マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置されたマージン部114と、第6面6に配置されたマージン部115とを含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、上記セラミック本体110の幅方向の両端面(end surfaces)に配置されることができる。
【0035】
マージン部114、115は、
図3に示すように、上記本体110を幅-厚さ(W-T)方向に切断した断面(cross-section)において第1及び第2内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
【0036】
マージン部114、115は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される箇所を除いて、導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することにより形成されたものであってもよい。
【0037】
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後に内部電極が本体の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成することもできる。
【0038】
一方、マージン部114、115の幅は特に限定する必要はない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は15μm以下であってもよい。本発明の一実施形態によると、第2電極層132、142のバンド部及びセンター部の最大厚さを調節して信頼性を向上させることができるため、マージン部114、115の平均幅が15μm以下である場合であっても信頼性を向上させることができる。
【0039】
マージン部114、115の平均幅は、マージン部114、115の第3方向の平均サイズを意味することができ、容量形成部Acの側面において等間隔の5個の地点で測定したマージン部114、115の第3方向サイズを平均した値であることができる。
【0040】
複数の内部電極121、122は誘電体層111と交互に配置されることができる。複数の内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ連結されることができる。具体的に、第1内部電極121の一端は第3面に連結され、第2内部電極122の一端は第4面に連結されることができる。
【0041】
第1内部電極121は第4面4と離隔し、第3面3を介して露出し、第2内部電極122は第3面3と離隔し、第4面4を介して露出することができる。本体の第3面3には第1外部電極131が配置されて第1内部電極121と連結され、本体の第4面4には第2外部電極132が配置されて第2内部電極122と連結されることができる。
【0042】
すなわち、第1内部電極121は第2外部電極132とは連結されず、第1外部電極131と連結され、第2内部電極122は第1外部電極131とは連結されず、第2外部電極132と連結される。したがって、第1内部電極121は第4面4から一定距離離隔して形成され、第2内部電極122は第3面3から一定距離離隔して形成されることができる。
【0043】
このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されてもよい。本体110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシートとを交互に積層した後、焼成して形成することができる。
【0044】
内部電極121、122を形成する材料は特に限定されず、電気伝導性に優れた材料を使用することができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。
【0045】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
一実施形態において、内部電極121、122はNiを含むことができる。この場合、後述する本発明の第1電極層131a、132aに含まれた銅(Cu)と合金を形成するか、又は金属接合によって電気的連結性を向上させることができる。また、内部電極121、122の平均厚さは特に限定する必要はない。例えば、内部電極121、122の平均厚さは0.2μm以上2μm以下であってもよい。ただし、一般に内部電極を0.6μm未満の厚さに薄く形成する場合、特に内部電極の厚さが0.35μm以下の場合には信頼性が低下する恐れがある。
【0047】
本発明の一実施形態によると、第2電極層132、142のバンド部及びセンター部の最大厚さを調節して信頼性を向上させることができるため、内部電極121、122の厚さが平均0.35μm以下である場合に、本発明による効果がより顕著になることができ、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。
【0048】
上記内部電極121、122の平均厚さteは、内部電極121、122の平均厚さを意味することができる。内部電極121、122の平均厚さは、本体110の長さ及び厚さ方向(L-T)の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)で画像をスキャンして測定することができる。より具体的に、内部電極の平均厚さは、スキャンされた画像において、一つの内部電極を長さ方向に等間隔の30個の地点で測定した第1方向の平均サイズに該当することができる。上記等間隔の30個の地点は、容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の内部電極に拡張して平均値を測定すると、内部電極の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0049】
外部電極130、140は、本体110の第3面3及び第4面4に配置されることができる。外部電極130、140は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極130、140を含むことができる。
【0050】
本実施形態では、積層型電子部品100が2つの外部電極130、140を有する構造を説明しているが、外部電極130、140の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0051】
外部電極130、140のそれぞれは、本体110の第3面及び第4面上に配置され、導電性金属を含む第1電極層131、141を含むことができる。第1電極層131、141は、本体の第3面及び第4面上に配置され、導電性金属を含んで内部電極と電気的連結性を確保する役割を果たすことができる。すなわち、第1電極層131、141は、本体110の第2方向の一面を介して交互に第3面及び第4面に連結される第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ接触して直接的に連結されることにより、第1及び第2外部電極130、140と第1及び第2内部電極間の電気的導通を確保する。
【0052】
第1電極層131、141は、上述したように第3面及び第4面上に配置され、且つ第1面及び第2面上の一部まで延びて配置されることにより、外部電極130、140と本体110との間の結合力を向上させることができる。ただし、第1面及び第2面上の一部まで延びることは本発明の必須の構成要素ではない。すなわち、第1電極層は、外部電極130、140が占める比重を減らすために第3面及び第4面上にのみ配置されることができる。
【0053】
第1電極層131、141に含まれる導電性金属の種類は特に限定されない。上記導電性金属は、電気的連結性を向上させるために、第1及び第2内部電極121、122に含まれた金属と同じ金属を含むことができ、第1及び第2内部電極121、122に含まれた金属と合金を形成する金属を含むことができる。
【0054】
一実施形態において、第1電極層131、141に含まれる導電性金属は銅(Cu)を含むことができる。これにより、第1及び第2内部電極121、122がニッケル(Ni)を含む場合、ニッケル(Ni)-銅(Cu)合金を形成して電気的連結性をさらに向上させることができる。
【0055】
第1電極層は、導電性金属粉末及びガラスを含むペーストを本体上に塗布した後、焼成して形成することができる。上記ペーストを本体上に塗布する方法は特に限定されない。例えば、第1及び第2内部電極がそれぞれ露出する面をペーストにディッピング(dipping)したり、当該面に電極シートを転写したりすることで形成することができる。
【0056】
これにより、一実施形態において、第1電極層131、141は、上記導電性金属のほかにもガラスをさらに含むことができる。したがって、第1電極層131、141と本体110との結合力が向上することができる。
【0057】
第2電極層132、142は、上記第1電極層上に配置され、銀(Ag)を含み、これに加えてパラジウム(Pd)を含むことができる。第2電極層は、酸化を防止し、水分及び水素の浸透を防ぐ役割を果たすことができる。また、第2電極層は銀(Ag)を含むため、錫(Sn)を含む半田なしでも銀(Ag)及び樹脂を含む導電性接着剤によって基板に実装することができる。
【0058】
これにより、高温-低温サイクルにおいて外部電極と半田の熱膨張率の差によるストレスにより半田クラックが発生するという問題点を解決することができる。一方、第2電極層が銀(Ag)のみで構成されるか、銀(Ag)の含量が高くなる場合、イオンマイグレーションが発生するという問題点が発生する可能性がある。
【0059】
したがって、第2電極層132、142は、パラジウム(Pd)をさらに含むことにより、イオンマイグレーションの発生を抑制することができ、上記パラジウム(Pd)はイオンマイグレーションを防止可能な他の金属、例えば、白金(Pt)や金(Au)等と代替又は混合されてもよい。
【0060】
第2電極層132、142は、第3面及び第4面上に配置される第1電極層上に配置され、且つ本体110の第1面、第2面、第5面及び第6面の一部上に延びて配置されることができる。これにより、積層型電子部品100の耐湿信頼性を向上させることができ、曲げ強度を向上させ、基板に実装する時に外部の曲げ応力から積層型電子部品100を保護することができる。
【0061】
一実施形態において、第2電極層132、142はガラスをさらに含むことができる。ガラスはペーストを塗布及び焼成して第2電極層132、142を形成する際、銀(Ag)及びパラジウム(Pd)金属の焼結速度を制御し、焼結時に本体110に加わる応力を緩和し、基板との接着性を確保する役割を果たすことができる。
【0062】
ガラス成分は、酸化物が混合された組成であってもよく、特に限定されるものではないが、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物からなる群から選択された一つ以上であってもよい。上記遷移金属は、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)及びニッケル(Ni)からなる群から選択され、上記アルカリ金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群から選択され、上記アルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)からなる群から選択された一つ以上であってもよい。
【0063】
第2電極層132、142は、銀(Ag)粒子を含み、パラジウム(Pd)粒子、白金(Pt)粒子及び金(Au)粒子のうち一つ以上をさらに含み、これに加えてガラスを含む導電性ペーストを第1電極層131、132及び本体の一部上に塗布した後、焼成して形成することができる。このとき、第1電極層及び第2電極層は同時に焼成することができるが、これに限定されるものではない。
【0064】
第2電極層は、銀(Ag)及び樹脂を含む導電性接着剤によって基板に実装されるために、導電性接着剤と直接的に接触する部分となることができる。一方、第2電極層は、銀(Ag)及びガラスを含み、さらにパラジウム(Pd)、白金(Pt)及び金(Au)のような貴金属を含んでいるため、第1電極層の銅(Cu)が第2電極層に拡散しやすい。
【0065】
このように第2電極層に拡散したCuは第2電極層の外表面に露出し、積層型電子部品の作動環境で酸化しやすく、積層型電子部品の信頼性を低下させる原因となり得る。そこで、第2電極層のバンド部の厚さよりもセンター部の厚さを大きくすることによって、このような問題点を解決しようとする試みがあった。
【0066】
しかし、第2電極層のバンド部の最大厚さよりセンター部の最大厚さが過度に大きい場合には、外部電極が占める比重を減らすことができないため、積層型電子部品の単位体積当たりの容量が少なくなるという問題点がある。そこで、本発明では、第2電極層のバンド部の最大厚さをセンター部の最大厚さより大きくして積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させながらも、バンド部の最大厚さとセンター部の最大厚さとの相関関係を調節してESR特性、Void特性及び耐湿信頼性を向上させるものとする。
【0067】
図5は、
図2のK1領域に対応する比較例による積層型電子部品100'の拡大図である。
図5を参照すると、比較例による積層型電子部品100'の外部電極130'は、本体の第3面に配置される第1電極層131'と、第1電極層上に配置されるセンター部及び上記センター部から第1面及び第2面の一部まで延びるバンド部を含む第2電極層132'とを含み、第2電極層のセンター部の最大厚さtaがバンド部の最大厚さtbより大きい。
【0068】
これにより、積層型電子部品100'において外部電極130が占める比重が大きいため、容量形成部が占める比重を極大化することができず、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させることができない。
【0069】
図6は、
図2のK1領域に対する本発明の一実施形態による積層型電子部品100の拡大図である。本発明の一実施形態による積層型電子部品100の第2電極層132、142は、第1電極層131、141上に配置されるセンター部及び上記センター部から第1面及び第2面の一部まで延びるバンド部を含み、上記センター部の最大厚さをta、上記バンド部の最大厚さをtbとするとき、ta<tbを満たすことができる。
【0070】
これにより、積層型電子部品100において外部電極130、140が占める比重を減らして容量形成部Acが占める比重を極大化することができ、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量を向上させることができる。
【0071】
一実施形態において、上記ta及びtbは0.25≦ta/tb<0.45を満たすことができる。ta/tbが0.25未満の場合には、バンド部の最大厚さに比べてセンター部の最大厚さが十分に大きくないため、第1電極層に含まれたCuが第2電極層に拡散して第2電極層の表面に露出し、酸化物を形成することがあり、耐湿信頼性を向上させることができない。
【0072】
ta/tbが0.45以上の場合、バンド部の最大厚さに比べてセンター部の最大厚さが過度に大きいため、Void特性及びESR特性に劣化が発生する可能性があり、外部電極130、140が占める体積を最小化することができず、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させることに困難がある可能性がある。
【0073】
したがって、一実施形態では、ta及びtbが0.25≦ta/tb<0.45を満たし、バンド部の最大厚さに比べてセンター部の最大厚さを適切な値に調節することにより、耐湿信頼性、Void特性及びESR特性を向上させることができ、センター部の最大厚さを過度に増加させないため、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量も向上させることができる。
【0074】
一実施形態において、上記taは10μm≦ta<18μmを満たすことができる。taが10μm未満の場合には、センター部の最大厚さが第1電極層に含まれ得るCuの第2電極層の表面への拡散を抑制する程度に十分ではなく、耐湿信頼性を向上させることが難しい可能性がある。
【0075】
taが18μm以上の場合には、センター部の最大厚さが過度に厚く、外部電極130、140が占める比重を減らすことができないため、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量を向上させることができず、void特性及びESR特性を向上させることができない。
【0076】
したがって、一実施形態によると、taは10μm≦ta<18μmを満たすように、センター部の最大厚さを調節することによって、耐湿信頼性、Void特性及びESR特性を向上させることができ、センター部の最大厚さを過度に増加させないため、積層型電子部品100の単位体積当たりの容量も向上させることができる。
【0077】
一方、第2電極層のセンター部及びバンド部の最大厚さは、光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡(SEM)で測定することができる。具体的に、第2電極層のセンター部の最大厚さtaは、積層型電子部品の長さ及び厚さ方向の断面において、第3及び第4面上に配置された第2電極層が最大厚さを有する地点で測定した値であることができ、第2電極層のバンド部の最大厚さtbは、第1面及び第2面の一部まで延びて配置された第2電極層が最大厚さを有する地点で測定した値であることができる。
【0078】
一実施形態において、第2電極層132、142の外表面はCuを含まなくてもよい。第2電極層132、142は、上述したように導電性接着剤と直接的に接触して積層型電子部品100が基板に実装されるようにする役割を果たす。
【0079】
第1電極層131、141が銅(Cu)を含む場合、上記銅(Cu)は第2電極層132、142の内部に拡散することができ、第2電極層が十分な厚さを有さない場合には、上記銅(Cu)は、第2電極層の外表面に露出することができる。このように第2電極層の外表面に露出した銅(Cu)は、空気中や積層型電子部品100の作動環境で酸化しやすく、水分の浸透に脆弱になるという問題点が発生する可能性がある。
【0080】
本発明の一実施形態によると、ta及びtbが0.25≦ta/tb<0.45を満たすことにより、第2電極層のセンター部が十分な厚さを有し得るようにすることで、第1電極層のCuが第2電極層の外表面に拡散する現象を抑制することができる。また、taが10μm≦ta≦18μmを満たすことにより、電極層のCuが第2電極層の外表面に拡散する現象を抑制することができる。したがって、一実施形態による積層型電子部品の第2電極層132、142の外表面は銅(Cu)を含まなくてもよく、銅(Cu)を含む酸化物も含まなくてもよい。
【0081】
一実施形態において、第2電極層132、142はNiを含まなくてもよい。一般に、Sn半田によって基板に実装される積層型電子部品は、半田リフロー工程を経て外部電極と半田との熱膨張率の差によるクラックが発生する可能性がある。したがって、外部電極にNiめっき層を形成するか、又は外部電極にNiを含む合金を含ませることによって、このような問題を解決しようとする試みがあった。
【0082】
これに対し、本発明は、第2電極層132、142がAgを含むため、Sn半田の代わりにAgエポキシのような導電性接着剤によって基板に実装可能であるため、第2電極層上にNiめっき層を形成するか、又は第2電極層にNi合金を含ませなくても、半田クラックが発生するという問題点を解決することができる。
【0083】
一方、第1電極層131、141及び第2電極層132、142の成分は、SEM-EDS(Scanning Electron Microscope-Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)を用いて観察した画像から算出したものであってもよい。具体的に、積層型電子部品を幅方向(第3方向)の中央の位置まで研磨して長さ方向及び厚さ方向の断面(L-T断面)を露出させた後、第1及び第2電極層を厚さ方向に5等分した領域のうち中央に配置された領域をEDSを用いて第1及び第2電極層に含まれた各元素の成分、at%、及びwt%を測定することができる。
【0084】
積層型電子部品100のサイズは特に限定する必要はない。ただし、小型化及び高容量化を同時に達成するためには誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増加させなければならないため、0603(長さ×幅、0.6mm×0.3mm)以下のサイズを有する積層型電子部品100であるとき、本発明による信頼性向上効果がより顕著になることができる。
【0085】
したがって、製造誤差、外部電極のサイズ等を考慮すると、積層型電子部品100の長さが0.66mm以下、幅が0.33mm以下である場合、本発明による固着強度の向上効果がより顕著になることができる。ここで、積層型電子部品100の長さは、積層型電子部品100の第2方向の最大サイズを意味し、積層型電子部品100の幅は、積層型電子部品100の第3方向の最大サイズを意味することができる。
【0086】
(実施例)
下記の表1は、第1電極層のセンター部の最大厚さta及びバンド部の最大厚さtbの割合を調節して耐湿信頼性、Void特性、ESR特性を測定及び評価して示したものである。
【0087】
上記評価及び試験は、長さ×幅(L×W)が約(3.2mm±0.1mm)×(2.5mm±0.1mm)の積層型電子部品のサンプルを作製して行っており、第2電極層のセンター部の最大厚さtaは、積層型電子部品の長さ及び厚さ方向の断面において、第3及び第4面上に配置された第2電極層が最大厚さを有する地点で測定し、第2電極層のバンド部の最大厚さtbは、第1面及び第2面の一部まで延びて配置された第2電極層が最大厚さを有する地点で測定した。
【0088】
湿信頼性の評価は、85℃、相対湿度85%の環境で1~1.5Vの電圧を15~30Hrの間印加してShortが発生した場合を不良と判断し、100個のサンプルのうち不良数が3個以上の場合をNG、3個未満の場合をOKと表した。
【0089】
第2電極層のVoid特性は、本体の第3面又は第4面が地面に向かうように積層型電子部品を立てた後、光学顕微鏡で第2電極層の外表面を観察してVoidが観測される場合を不良と判断し、100個のサンプルのうち不良数が10個以上の場合をNG、10個未満の場合をOKと表した。
【0090】
ESR特性は、周波数500kHz、1Vの電圧を印加して測定したESR値が、100mΩ以上の場合を不良と判断し、100個のサンプルのうち不良数が2個以上の場合をNG、2個未満の場合をOKと表した。
【0091】
【0092】
試験番号1の場合、ta/tbが0.25未満の場合であって、第2電極層のセンター部の最大厚さがバンド部の最大厚さに比べて薄いため、Void及びESR特性に優れるが、センター部の最大厚さが十分でないため、耐湿信頼性を向上させることができないことが確認できる。
【0093】
試験番号6及び7の場合、ta/tbが0.45以上の場合であって、第2電極層のセンター部の最大厚さがバンド部の最大厚さに比べて過度に厚いため、Void特性及びESR特性が不良であることが確認できる。
【0094】
試験番号2~5は、ta/tbが0.25以上0.45未満の場合であって、第2電極層のセンター部の厚さがバンド部の厚さに比べて適切な大きさを有するため、耐湿信頼性、Void特性及びESR特性に優れることが確認できる。
【0095】
本発明では、ta/tbが0.25以上0.45未満を満たすように調節することにより、積層型電子部品の耐湿信頼性、Void特性及びESR特性を向上させることができる。
【0096】
以上のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当該技術分野における通常の知識を有する者によって様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【0097】
また、本発明で使用された「一実施形態」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記に提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態で説明された事項が他の一実施形態に説明されていなかったとしても、他の一実施形態においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に係る説明として理解されることができる。
【0098】
本発明で使用された用語は、単に一実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0099】
100:積層型電子部品
110:本体
111:誘電体層
112、113:カバー部
114、115:マージン部
121、122:第1及び第2内部電極
130、140:第1及び第2外部電極
131、141:第1電極層
132、142:第2電極層