(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099289
(43)【公開日】2023-07-12
(54)【発明の名称】腕時計のための圧力リリーフ・バルブ
(51)【国際特許分類】
G04B 37/10 20060101AFI20230705BHJP
【FI】
G04B37/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022168131
(22)【出願日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】21218283.6
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508289992
【氏名又は名称】メコ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】レミ・ティリ
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ガイザー
(72)【発明者】
【氏名】エルヴェ・アヴリル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】時計ケースのための圧力リリーフ・バルブ、およびこのような圧力リリーフ・バルブを備えた腕時計を提供する。
【解決手段】圧力リリーフ・バルブ1であって、
-腕時計ケースに対して締め付けられることが意図された管2と、
-管2の軸の周りの回転および管2の軸に沿った並進において移動可能に取り付けられた凹んだヘッドであって、腕時計ケースの内側と外側との間のガスの流れを実施することができる第1の軸方向の位置、およびこのガスの流れが防止される第2の軸方向の位置を採用することができるヘッド、
-ヘッドの凹所内に取り付けられた第1のインサート4とを備え、
ヘッドは、第1のインサート4を介して管2の上に取り付けられること、ならびに、ヘッドは、ねじ山および/または接着剤を含む締付け手段によって第1のインサート4に対して締め付けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計ケースのための圧力リリーフ・バルブ(1)であって、
前記腕時計ケースに対して締め付けられることが意図された管(2)であって、軸方向を指示する軸Aを画定する管(2)と、
前記軸Aの周りの回転および前記軸Aに沿った並進において移動可能に取り付けられたヘッド(3)であって、開位置と呼ばれる、前記腕時計ケースの内側と外側との間のガスの流れを実施することができる第1の軸方向の位置、および閉位置と呼ばれる、前記腕時計ケースの前記内側と前記外側との間の前記ガスの流れが防止される第2の軸方向の位置を採用することができ、第1のカバーと呼ばれるカバー(3a)を備え、第1の凹所と呼ばれる凹所の範囲を前記ヘッド(3)内に定めている、第1の軸方向のスカートと呼ばれる軸方向のスカート(3b)を備える、ヘッド(3)と、
前記ヘッド(3)の前記第1の凹所内に取り付けられた第1のインサート(4)と
を備え、
前記ヘッド(3)は、前記第1のインサート(4)を介して前記管(2)の上に取り付けられること、ならびに、前記ヘッド(3)は、ねじ山および/または接着剤を含む締付け手段(8)によって前記第1のインサート(4)に対して締め付けられることを特徴とする圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項2】
前記第1のインサート(4)は、凹まされ、第2の凹所と呼ばれるその凹所内に第2のインサート(5)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項3】
前記第1のインサート(4)は、第2のカバーと呼ばれるカバー(4a)と、前記第2の凹所の範囲を定めている、第2の軸方向のスカートと呼ばれる軸方向のスカート(4b)とを備え、前記第2のカバー(4a)は、前記ヘッド(3)の前記第1のカバー(3a)の内面に対して配置されることを特徴とする、請求項2に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項4】
前記第1のインサート(4)の前記第2のカバー(4a)は、前記第2のカバー(4a)の内面から軸方向に沿って突出している中央接続要素(4c)を含むこと、および、前記第2のインサート(5)は、前記中央接続要素(4c)を収納するハウジング(5a)を含むことを特徴とする、請求項3に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項5】
前記圧力リリーフ・バルブ(1)は、第1の密閉ガスケット(6)を含むこと、および、前記第2のインサート(5)は、その横方向の壁の外面に、前記第1の密閉ガスケット(6)を収納するくぼみ(5b)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項6】
前記管(2)は、その内面全体にわたって、前記バルブ(1)が前記開位置に位置する場合には前記くぼみ(5b)に対向して配置され、前記バルブ(1)が前記閉位置に位置する場合には軸方向にオフセットして配置されるノッチ(2a)を含むことを特徴とする、請求項5に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項7】
前記圧力リリーフ・バルブ(1)は、第2の密閉ガスケット(10)を含むこと、前記管(2)は、その内面全体にわたってショルダー(12)を含み、前記ショルダー(12)の上に前記第2の密閉ガスケット(10)が載っていること、前記圧力リリーフ・バルブ(1)は、前記管(2)の中に軸方向に移動可能に取り付けられたプランジャー(9)を含むこと、前記プランジャー(9)は、前記バルブ(1)が前記閉位置に位置する場合には前記第2の密閉ガスケット(10)を前記ショルダー(12)に押し付け、前記バルブ(1)が前記開位置に位置する場合には前記第2の密閉ガスケット(10)を解放するフレア部分(9c)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項8】
前記圧力リリーフ・バルブ(1)は、前記第1のインサート(4)の隣りに連続する前記ヘッド(3)の前記第1の凹所内にリング(13)を含み、前記リング(13)は、ねじ山および/または接着剤を含む前記締付け手段(8)を使用して前記ヘッド(3)に対して締め付けられることを特徴とする、請求項1に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項9】
第3の凹所と呼ばれる凹所(4d)は、前記第1のインサート(4)の第2の軸方向のスカート(4b)の内面に形成され、前記第3の凹所は、前記リング(13)の上に開くこと、および、前記管(2)は、その外面に、前記第3の凹所(4d)内に配置されるカラー(2b)を含み、前記リング(13)は、前記ヘッド(3)が前記閉位置から前記開位置へ通過する際の前記ヘッド(3)の軸方向の移動を制限するバンキングを形成することを特徴とする、請求項8に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項10】
前記ヘッド(3)は、セラミック材料、サファイヤまたはサーメットなどの、500HVより硬く、好ましくは700HVより硬い、ビッカース硬さを有する材料で作製されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項11】
前記第1のインサート(4)は、500HV未満の硬さを有する材料で作製されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項12】
前記ヘッド(3)は、篏合または溶接による締付けのための手段を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の圧力リリーフ・バルブ(1)。
【請求項13】
腕時計であって、
前記腕時計のケースに対して締め付けられることが意図された管(2)であって、軸方向を指示する軸Aを画定する管(2)と、
前記軸Aの周りの回転および前記軸Aに沿った並進において移動可能に取り付けられたヘッド(3)であって、開位置と呼ばれる、前記腕時計のケースの内側と外側との間のガスの流れを実施することができる第1の軸方向の位置、および閉位置と呼ばれる、前記腕時計のケースの前記内側と前記外側との間の前記ガスの流れが防止される第2の軸方向の位置を採用することができ、第1のカバーと呼ばれるカバー(3a)を備え、第1の凹所と呼ばれる凹所の範囲を前記ヘッド(3)内に定めている、第1の軸方向のスカートと呼ばれる軸方向のスカート(3b)を備える、ヘッド(3)と、
前記ヘッド(3)の前記第1の凹所内に取り付けられた第1のインサート(4)と
を備える、圧力リリーフ・バルブ(1)を備え、
前記バルブ(1)は、前記ヘッド(3)が前記第1のインサート(4)を介して前記管(2)の上に取り付けられること、ならびに、前記ヘッド(3)がねじ山および/または接着剤を含む締付け手段(8)によって前記第1のインサート(4)に締め付けられることを特徴とする、腕時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキューバ・ダイビング用に意図された腕時計を装備した腕時計ケースのための圧力リリーフ・バルブに関する。本発明は、前記バルブを備えた腕時計にも関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリウム・バルブは、ダイバーがヘリウムと酸素とを含有したガス混合物を吸う、いわゆる飽和潜水の間に腕時計ケースの中に浸入したヘリウムを排気するために、いくつかの潜水腕時計に存在している。これは、それらを数日間にわたって水中鐘または海中基地の内側に留めることができる。この時間期間の間、ヘリウムが腕時計の中に浸入し得る。このようなバルブが無い場合、浸入したヘリウムによって生成される内部超過圧力によって、減圧フェーズの間、腕時計の損傷、例えば分離または破損した水晶の損失等が引き起こされ得る。
【0003】
従来技術では、ミドルの上に篏合され、またはねじ止めされた管の上にねじ止めされたクラウンのようなバルブ・ヘッドなどの密閉要素を締め付け、または緩めることによって単純に動作する手動ヘリウム・バルブが知られている。従来、このようなバルブは、腕時計ケースの内側の圧力を調整するために、ばねと協同することによって密閉ガスケットに圧力を加えることができるバルブ・ヘッドに接続されたプランジャーを備えている。このようなバルブは、管の上にねじ止めされた凹んだヘッド、およびバルブの水密性を保証し、その一方で、圧縮されていない場合、超過圧力の場合に腕時計ケースの内側と外側の間でガスを通過させることができる少なくとも1つのガスケットを含む。
【0004】
通常、ヘッドは、取付けを容易にする理由で、ヘッド上の篏合または溶接によって組み立てられなければならない、リング、スペーサ、バルブ・ヘッドのストロークを制御するための部材等などの異なる部品に対してさらに固着される。溶接または篏合によるこの組立ては、材料の選択を制限しており、典型的には、セラミックなどの硬い材料を可能な材料の境界から排除している。
【0005】
したがって、腕時計製造分野においては、変形および/または溶接が困難なこれらの材料の使用を可能にするバルブ内の部品配置を有する新しいバルブの開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、セラミック、サファイヤ、サーメット等などの硬い材料のバルブ・ヘッドを製造することができるよう、ヘッドと別の部品との篏合または溶接による組立てを必要としない部品配置を有する新しいバルブを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、ヘッドと管の間の組立て、または一般にヘッドと任意の部品の間の組立ては、ヘッドに固着されたインサートを介して実施される。バルブの外側からは見えない前記インサートは、任意の組立てタイプを可能にする、それほど硬くない材料で作製されていてもよい。本発明によれば、ヘッドの材料とインサートの材料の間の締付けはねじ止めによって達成され、好ましくはねじ止めおよび接着によって達成され、別法として単純に接着によって達成され、ねじ山は、例えば所望の形を有するヘッドを成形することによって直接得ることができる。次に、必要な取付け条件に応じて、篏合または溶接によって、およびねじ止めによって、ヘッドに固着されたインサートを管を含む任意の部品の上に締め付けることができる。
【0008】
より詳細には、本発明は、腕時計ケースのための圧力リリーフ・バルブであって、
- 前記腕時計ケースに締め付けられることが意図された管であって、軸方向を指示する軸Aを画定する管と、
- 前記軸Aの周りの回転および前記軸Aに沿った並進において移動可能に取り付けられたヘッドであって、開位置と呼ばれる、腕時計ケースの内側と外側との間のガスの流れを実施することができる第1の軸方向の位置、および閉位置と呼ばれる、腕時計ケースの内側と外側との間のガスの流れが防止される第2の軸方向の位置を採用することができ、第1のカバーと呼ばれるカバーを備え、第1の凹所と呼ばれる凹所の範囲をヘッド内に定めている、第1の軸方向のスカートと呼ばれる軸方向のスカートを備える、ヘッドと、
- ヘッドの前記第1の凹所内に取り付けられた第1のインサートと
を備え、
ヘッドは、第1のインサートを介して管の上に取り付けられること、ならびに、ヘッドは、ねじ山および/または接着剤を含む締付け手段によって前記第1のインサートに対して締め付けられることを特徴とする圧力リリーフ・バルブに関する。
【0009】
本発明の他の特徴および利点は、単なる非限定的な例として提供され、添付の図面を参照して説明される本発明の実施形態を読めば、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】閉位置における、本発明による圧力リリーフ・バルブの半分を断面で示す図である。
【
図2】腕時計ケースの内側に超過圧力が存在しない開位置における、この同じバルブの断面図である。
【
図3】腕時計ケースの内側に超過圧力が存在する開位置における、この同じバルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
閉位置における本発明によるバルブ1が
図1に示されており、開位置における本発明によるバルブ1が
図2および
図3に示されており、
図3では、腕時計ケース内は超過圧力である。示されているバルブは、腕時計ケースが帯びている内側の圧力が超過圧力である場合に、バルブを操作し、それによりガスを逃がすことができるよう、バルブのヘッドのねじを緩めることによってバルブを手動で開く必要がある自動バルブである。
【0012】
バルブ1は、腕時計ケース(図示せず)の上に締め付けられることが意図された管2、バルブの中心軸でもある管の軸Aの周りの回転および管の軸Aに沿った並進においてそれぞれ移動可能に取り付けられたヘッド3を含む。このヘッドは、セラミック、サファイヤ、サーメット、等などの硬い材料で作製されていても、鋼などのそれほど硬くない従来の材料で作製されていてもよい。硬い材料とは、500HVより硬く、好ましくは700HVより硬いビッカース硬さを有する材料であることを理解されたい。ヘッド3は、軸Aの周りに軸対称を有する第1の軸方向のスカート3bによって拡張された第1のカバー3aによって範囲が定められた凹所で凹まされている。本発明によれば、ヘッド3は、ヘッドの凹所内に配置された、第1のインサートと呼ばれる少なくとも1つのインサート4に固着されている。この第1のインサート4は、軸Aの周りに軸対称を有する第2の軸方向のスカート4bによって同じく拡張された第2のカバー4aによって範囲が定められた凹所を同じく含むことが好ましく、前記カバー4aは、ヘッド3のカバー3aの内面に対し配置されている(
図2)。カバー4aは、示されている例では円筒スタッドの形態の中央接続要素4cを含み、中央接続要素4cは、カバー4aの内面から突出し、軸Aの方向に延在している。この第1のインサート4は、少なくとも1つの第2のインサート5に固着されている。この第2のインサート5は、軸Aの方向に掘られた、第1のインサート4の中央接続要素4cを収納することが意図されたハウジング5aを含む。第2のインサート5は、その横方向の外面に、バルブの第1の密閉ガスケット6を収納することができ、ヘッドのねじ止め位置で管2の内壁と協同することが意図されたくぼみ5bを含む。このくぼみ5bは、横方向の壁のリム全体にわたって掘られている。
【0013】
ヘッド3は第1のインサート4を介して管2の上に取り付けられており、軸方向のスカート4bの内面の一部は管2の外面の一部の上にねじ止めされている。第1の締付け手段とも呼ばれる、ねじ止めによって締め付けるためのこれらの手段は、参照番号7を使用して示されている(
図1および
図2)。本発明によれば、ヘッド3と第1のインサート4の間の組立てはねじ止めによって達成され、好ましくはねじ止めおよび接着によって達成され、あるいは別法として単純に接着によって達成される。ヘッド3の軸方向のスカート3bの内面の一部は、第1のインサート4の軸方向のスカート4bの外面の一部の上に組み立てられている。第2の締付け手段とも呼ばれる締付け手段は、参照番号8を使用して示されている(
図1および
図2)。第1のインサート4と第2のインサート5の間の組立ては、第2のインサート5のハウジング5aの中に篏合されることが好ましい中央接続要素4cを介して達成されている。したがって第1のインサート4は、篏合中のある程度の変形を容認する、鋼などの材料で作製されている。典型的には、この材料は500HV未満の硬さを有している。
【0014】
従来、バルブは、ヘッドに対して正反対の第2のインサート5の隣りの管2の中に取り付けられているプランジャー9を含む。軸Aの方向に移動可能に取り付けられたプランジャー9はベース9aを含み、ベース9aの頂部はステム9bであり、ベースとは反対側のステム9bの端部はフレア状になっている(
図2)。フレア状になっている部分9cは、バルブの第2の密閉ガスケット10の軸受表面を画定している。このプランジャーは、所定の圧力より高い圧力がそのベース9aに加えられると、バルブ・ヘッドの方向へ軸方向に移動する。ステム9bの周りに巻かれた戻りばね11は、ベース6aに加えられた圧力P2が、ばねのこわさによって決まる所与の値より低くなると、静止位置へのプランジャー6の戻りを保証している。このばね11は、一方の端部ではベース9aで支えられ、もう一方の端部では、管2の内面から突出しているバンキング12で支えられている。前記バンキング12は、プランジャーのベース9aの方向に向いている、ばね11が支えられている下面12a、および前記下面12aとは反対側の上面12bによって画定されている。本発明によれば、第2の密閉ガスケット10は、この上面12bと、プランジャー9のステムのフレア状になっている部分9cの間に配置されている。
【0015】
管2は、その内面に形成されたショルダー12の他に、この内面のリム全体にわたって延在し、バルブが
図2および
図3に示されている開位置に位置する場合、第1の密閉ガスケット6に対向して配置されることが意図されたノッチ2aを含む。閉位置(
図1)では、ノッチ2aは、恐らく重畳して、第2のインサート5の中に形成されたくぼみ5bに対して、軸方向にオフセットされている。
【0016】
管2は、その外面に、第1のインサート4の軸方向のスカート4bの内面に形成された凹所4d内に配置されているカラー2bを含む。この凹所4dは、軸方向のスカート4bのベースで開き、リング13によって閉じられる。このリング13は、プランジャーの方向に第1のインサート4の隣りのヘッド3の凹んだ部分の中に配置されている。リング13は、第1のインサート4の凹所4dで、カラー2bを収納するハウジングの範囲を定めている。リングは、ヘッドのねじが緩められてバルブを開く際に、ヘッドの軸方向の移動を制限するバンキングを形成している。このリングは、溶接または篏合による組立てを常に回避するために、ねじ止め(締付け手段8)によって、好ましくはねじ止めおよび接着によって、あるいは別法として単純に接着によって、ヘッドの軸方向のスカートの上に組み立てられる。
【0017】
バルブの動作は以下の通りである。バルブ1の開は、ユーザがヘッド3のねじを緩めてヘッドの軸方向の移動を誘導し、管2のカラー2bをリング13に当接させることによって制御され、それによりバルブが動作位置に置かれる。この開位置では、第1の密閉ガスケット6と管2の中に形成されたノッチ2aの間にガスを通過させるための空間が開けられる。腕時計ケースの内側に超過圧力が存在しない場合(P1=P2またはP2の方がP1よりわずかに高い)、プランジャー9のフレア部分9cによって第2の密閉ガスケット10が管2のショルダー12に押し付けられる(
図2)。したがってバルブは完全に締め付けられている。腕時計ケースの内側に超過圧力が存在する場合(P2>P1)、ケースの内側と外側の間の圧力を平衡させるためにプランジャー9が上がり、第2の密閉ガスケット10を解放してガスの通過を可能にする(
図3)。ガスのこの流路は、矢印によって
図3に図式化されている。通過は、プランジャー9と管2の間の空間、第2の密閉ガスケット10とプランジャーのフレア部分9cの間、次に管2のノッチ2aと第1の密閉ガスケット6の間で連続的に実施される。その後、ガスの通過は、リング13と管2の間を通過した後、最終的に外側に達する前に、第1のインサート4の凹所4d内の第2のインサート5と管2の間、管2の上端と第1のインサート4の間、締付け手段7の第1のインサート4と第2のインサート5の間で実施される。
【符号の説明】
【0018】
1 バルブ
2 管
2a ノッチ
2b カラー
3 ヘッド
3a 第1のカバーとも呼ばれるカバー
3b 第1の軸方向のスカートとも呼ばれる軸方向のスカート
4 第1のインサート
4a 第2のカバーとも呼ばれるカバー
4b 第2の軸方向のスカートとも呼ばれる軸方向のスカート
4c 中央接続要素
4d 凹所
5 第2のインサート
5a ハウジング
5b くぼみ
6 第1の密閉ガスケット
7 第1の締付け手段
8 第2の締付け手段
9 プランジャー
9a ベース
9b ステム
9c フレア部分
10 第2の密閉ガスケット
11 ばね
12 管のショルダー
12a 下面
12b 上面
13 リング
【外国語明細書】