IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-表示装置 図1
  • 特開-表示装置 図2
  • 特開-表示装置 図3
  • 特開-表示装置 図4
  • 特開-表示装置 図5
  • 特開-表示装置 図6
  • 特開-表示装置 図7
  • 特開-表示装置 図8
  • 特開-表示装置 図9
  • 特開-表示装置 図10
  • 特開-表示装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099310
(43)【公開日】2023-07-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3291 20160101AFI20230705BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230705BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20230705BHJP
   G09G 3/32 20160101ALI20230705BHJP
   H10K 59/129 20230101ALI20230705BHJP
   H10K 59/30 20230101ALI20230705BHJP
【FI】
G09G3/3291
G09G3/20 612U
G09G3/20 611J
G09G3/20 642L
G09G3/20 631V
G09G3/20 623H
G09G3/20 623G
G09G3/20 623L
G09G3/20 623F
G09G3/20 612F
G09G3/20 641Q
G09G3/3233
G09G3/20 641D
G09G3/20 642A
G09G3/20 670M
G09G3/32 A
G09G3/20 623B
G09G3/20 642P
H10K59/129
H10K59/30
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199023
(22)【出願日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193166
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジョンテク
(72)【発明者】
【氏名】パク, チャン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC06
3K107CC33
3K107EE57
3K107HH04
5C080AA06
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD05
5C080DD10
5C080DD14
5C080DD25
5C080EE29
5C080EE30
5C080FF03
5C080FF11
5C080GG12
5C080HH09
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ05
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB18
5C380AB24
5C380AB34
5C380BA19
5C380BA20
5C380BA24
5C380BA25
5C380BA46
5C380BB06
5C380BB08
5C380BB13
5C380BB15
5C380BB16
5C380CA04
5C380CA12
5C380CA17
5C380CA32
5C380CC02
5C380CC07
5C380CC27
5C380CC33
5C380CC62
5C380CD012
5C380CE05
5C380CE08
5C380CF07
5C380CF09
5C380CF13
5C380CF18
5C380CF22
5C380CF41
5C380CF48
5C380CF51
5C380CF61
5C380CF66
5C380DA02
5C380DA06
5C380DA18
5C380DA35
5C380DA47
5C380DA50
5C380FA02
5C380FA12
5C380FA24
5C380FA25
5C380FA26
5C380FA28
5C380HA03
5C380HA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高電位駆動電圧の変動による表示パネル上の輝度差を解消することにより表示品質を向上させる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、複数の画素PXが配置される表示パネル50;表示パネル50に高電位駆動電圧ELVDDを印加する電力供給部40;入力される映像データRGB’の平均画像レベル(Average Picture Level;APL)を算出し、算出されたAPLに応じた高電位駆動電圧ELVDDの電圧降下を補償するための補償値をロードし、補償値に基づいてデータ電圧を生成するデータ駆動部30を含み、補償値は異なる色を表示する画素PXの各々に対して独立して決定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が配置される表示パネル;
前記表示パネルに高電位駆動電圧を印加する電力供給部;
入力される映像データの平均画像レベル(Average Picture Level;APL)を算出し、算出された前記平均画像レベルに応じた前記高電位駆動電圧の電圧降下を補償するための補償値をロードし、前記補償値に基づいてデータ電圧を生成するデータ駆動部を含み、
前記補償値は、異なる色を表示する画素の各々に対して独立して設定される、表示装置。
【請求項2】
前記データ駆動部は、
前記平均画像レベルを算出する平均画像レベル算出部;
前記平均画像レベルに応じた前記補償値を格納するメモリー;及び
算出された前記平均画像レベルに応じた前記補償値をロードし、前記補償値に基づいて前記データ電圧を生成する補償部を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記補償部は、前記異なる色を表示する画素のそれぞれに対応して独立して設けられる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記データ駆動部は、
タイミング制御部から出力されたデータ駆動制御信号に応答してサンプリング信号を出力するシフトレジスター部;
前記サンプリング信号に応答して前記映像データをデジタルデータ信号にサンプリングするラッチ部;
基準電圧を生成する基準電圧生成部;
前記基準電圧に基づいてガンマ電圧を生成するガンマ電圧生成部;及び
前記ガンマ電圧を用いて前記デジタルデータ信号をアナログデータ信号に変換し、前記アナログデータ信号を前記データ電圧として出力するデジタルアナログ変換器(DAC)を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記データ駆動部は、算出された前記平均画像レベルに応じた前記補償値を出力する補償回路部をさらに含み、
前記ガンマ電圧生成部は、前記補償値が加算または減算された基準電圧を入力される、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記補償回路部及び前記基準電圧生成部は、
前記異なる色を表示する画素のそれぞれに対応して独立して設けられる、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記ガンマ電圧は、前記異なる色を表示する画素に対して異なるガンマ電圧セットが提供される、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記データ駆動部は、算出された前記平均画像レベルが増加すると前記データ電圧が減少するように前記補償値を設定し、算出された前記平均画像レベルが減少すると前記データ電圧が増加するように前記補償値を設定する、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記補償回路部は、
前記平均画像レベルが増加すると、前記基準電圧に前記補償値を足す加算補償を行い、
前記平均画像レベルが減少すると、前記基準電圧から前記補償値を引く減算補償を行う、請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記補償値は、
前記表示装置のメモリに予め格納されている、または
前記補償値は、前記表示装置によって前記高電位駆動電圧の変動を検出することによって生成される、または
前記補償値は、前記表示装置の外部から受信される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
異なる色の複数の画素を有する表示装置のための補償方法であって、
入力映像データの平均画像レベル(APL)を計算すること、及び
算出された前記平均画像レベルに応じた高電位駆動電圧の電圧降下を補償するための補償値に基づいて、データ電圧を生成すること
を含み、
前記補償値は、前記色の各々に対して独立して設定される、補償方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置を構成する有機発光素子(以下、発光素子)は自体発光型であり、別途の光源を必要としないため、表示装置の厚さと重さを減らすことができる。また、有機発光表示装置は、低消費電力、高輝度及び高反応速度などの高品位特性を有する。
【0003】
一般に、発光素子は、アノード電極、アノード電極のエッジ領域を取り囲むバンク、バンク内でアノード電極上に形成される発光層、及び発光層とバンクとをカバーするカソード電極が積層された構造を有する。このような発光素子は、駆動トランジスタにより発光素子を流れる電流量が制御され、求められる輝度で発光する。
【発明の概要】
【0004】
実施例は、高電位駆動電圧の変動による表示パネル上の輝度差を解消することにより表示品質を向上させるためのものである。
【0005】
また、実施例は、異なる色を表示する画素間で高電位駆動電圧の補償時に発生する色座標のずれ現象を防止するためのものである。
【0006】
一実施例による表示装置は、複数の画素が配置される表示パネル、前記表示パネルに高電位駆動電圧を印加する電力供給部、入力される映像データの平均画像レベル(Average Picture Level;APL)を算出し、前記算出されたAPLに応じた前記高電位駆動電圧の電圧降下を補償するための補償値をロードし、前記補償値に基づいてデータ電圧を生成するデータ駆動部を含んでもよい。前記補償値は、異なる色を表示する画素の各々に対して独立して設定されてもよい。
【0007】
前記データ駆動部は、前記APLを算出するAPL算出部、前記APLに応じた前記補償値を格納するメモリー、及び前記算出されたAPLに応じた補償値をロードし、前記補償値に基づいて前記データ電圧を生成する補償部を含んでもよい。
【0008】
前記補償部は、前記異なる色を表示する画素のそれぞれに対応して独立して設けられてもよい。
【0009】
前記データ駆動部は、タイミング制御部から出力されたデータ駆動制御信号に応答してサンプリング信号を出力するシフトレジスター部、前記サンプリング信号に応答して前記映像データをデジタルデータ信号にサンプリングするラッチ部、基準電圧を生成する基準電圧生成部、前記基準電圧に基づいてガンマ電圧を生成するガンマ電圧生成部、及び前記ガンマ電圧を用いて前記デジタルデータ信号をアナログデータ信号に変換し、前記アナログデータ信号を前記データ電圧として出力するデジタルアナログ変換器(DAC)を含んでもよい。
【0010】
前記データ駆動部は、前記算出されたAPLに応じた前記補償値を出力する補償回路部をさらに含み、前記ガンマ電圧生成部は、前記補償値が加算または減算された基準電圧を入力されてもよい。
【0011】
前記補償回路部及び前記基準電圧生成部は、前記異なる色を表示する画素のそれぞれに対応して独立して設けられてもよい。
【0012】
前記ガンマ電圧は、前記異なる色を表示する画素に対して異なるガンマ電圧セットが提供されてもよい。
【0013】
前記データ駆動部は、前記算出されたAPLが増加すると前記データ電圧が減少するように前記補償値を設定し、前記算出されたAPLが減少すると前記データ電圧が増加するように前記補償値を設定してもよい。
【0014】
前記補償回路部は、前記APLが増加すると前記基準電圧に前記補償値を足す加算補償を行い、前記APLが減少すると前記基準電圧から前記補償値を引く減算補償を行ってもよい。
【0015】
実施例による表示装置は、高電位駆動電圧の電圧降下を補償し、画素間で発生する輝度差の問題を解決することにより表示品質を向上させることができる。
【0016】
実施例による表示装置は、高電位駆動電圧の電圧降下の補償時に色座標がずれる問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施例による表示装置の構成を示したブロック図である。
図2】一実施例による画素を示した回路図である。
図3】一実施例による表示装置の構成をより詳しく示したブロック図である。
図4】色座標のずれを説明するための図である。
図5】色座標のずれを説明するための図である。
図6】色座標のずれを説明するための図である。
図7】他の実施例による表示装置の構成をより詳しく示したブロック図である。
図8】一実施例によるデータ駆動部の構成を示したブロック図である。
図9】一実施例によるデータ駆動部の内部構成を示した図である。
図10】一実施例による補償方法を説明するためのグラフである。
図11】一実施例による補償方法を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して実施例を説明する。本明細書において、ある構成要素(又は領域、層、部分など)が他の構成要素に対して「上にある」、「連結される」、又は「結合される」と言及される場合、それは他の構成要素上に直接連結/結合されるか、又はそれらの間に第3の構成要素が配置されてもよいことを意味する。
【0019】
同一の図面符号は同一の構成要素を指称する。また、図面において、構成要素の厚さ、比率、及び寸法は、技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。「及び/又は」は、連関した構成が定義できる1つ以上の組み合わせを全て含む。
【0020】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明のために使用できるが、上記構成要素は上記用語によって限定されない。上記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本実施例の権利範囲を逸脱しないことなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名されることができる。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0021】
「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示された構成の連関関係を説明するために使用される。上記用語は相対的な概念であり、図面に表示された方向を基準として説明される。
【0022】
「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0023】
図1は、一実施例による表示装置の構成を示したブロック図である。
【0024】
図1を参照すると、表示装置(1)は、タイミング制御部(10)、ゲート駆動部(20)、データ駆動部(30)、電力供給部(40)及び表示パネル(50)を含む。
【0025】
タイミング制御部(10)は、外部から映像信号(RGB)及び制御信号(CS)を受信することができる。映像信号(RGB)は、複数の階調データを含むことができる。制御信号(CS)は、例えば、水平同期信号、垂直同期信号及びクロック信号を含むことができる。
【0026】
タイミング制御部(10)は、映像信号(RGB)及び制御信号(CS)を表示パネル(50)の動作条件に適合するように処理し、映像データ(RGB’)、スキャン駆動制御信号(CONT1)、データ駆動制御信号(CONT2)、電力供給制御信号(CONT3)を生成及び出力することができる。
【0027】
ゲート駆動部(20)は、タイミング制御部(10)から出力されるゲート駆動制御信号(CONT1)に基づいて、ゲート信号を生成することができる。ゲート駆動部(20)は、生成されたゲート信号を複数のゲートライン(GL)を介して画素(PX)に提供することができる。ゲートライン(GL)にゲート信号が順に供給されると、画素(PX)が水平ライン単位で選択されることができる。
【0028】
データ駆動部(30)は、タイミング制御部(10)から出力される映像データ(RGB’)及びデータ駆動制御信号(CONT2)に基づいて、データ信号を生成することができる。データ駆動部(30)は、スキャン信号によって水平ライン単位の画素(PX)が選択されるとき、生成されたデータ信号を複数のデータライン(DL)を介して選択された画素(PX)に提供することができる。
【0029】
電力供給部(40)は、電力供給制御信号(CONT3)に基づいて表示パネル(50)に提供される駆動電圧 (ELVDD,ELVSS) を生成することができる。電力供給部(40)は、生成された駆動電圧を、対応する電源ライン(PL1、PL2)を介して画素(PX)に提供することができる。
【0030】
表示パネル(50)には、複数の画素(PX)(又は、サーブ画素と命名される)が配置される。画素(PX)は、例えば、表示パネル(50)上にマトリックス状に配列されてもよい。画素(PX)は、ゲートライン(GL)及びデータライン(DL)を介して供給されるゲート信号及びデータ信号によって制御され、求められる輝度で発光することができる。
【0031】
それぞれの画素(PX)は、赤、緑及び青のいずれかの色で発光することができる。一実施例において、赤、緑及び青の色でそれぞれ発光する画素(PX)の集合が1つの単位画素を構成してもよい。
【0032】
タイミング制御部(10)、ゲート駆動部(20)、データ駆動部(30)及び電力供給部(40)は、それぞれ別の集積回路(Integrated Circuit;IC)で構成されるか、又は少なくとも一部が統合された集積回路で構成されてもよい。例えば、データ駆動部(30)及び電力供給部(40)の少なくとも一方がタイミング制御部(10)と統合された集積回路で構成されてもよい。
【0033】
また、図1では、ゲート駆動部(20)が表示パネル(50)とは別の構成要素として示されているが、ゲート駆動部(20)は、表示パネル(50)と一体に形成されるインパネル(In Panel)方式で構成されてもよい。例えば、ゲート駆動部(20)は、ゲートインパネル(Gate In Panel;GIP)方式により表示パネル(50)と一体に形成されてもよい。
【0034】
図2は、一実施例による画素を示した回路図である。
【0035】
図2を参照すると、画素(PX)は、スイッチングトランジスタ(ST)、駆動トランジスタ(DT)、ストレージキャパシタ(Cst)及び発光素子(LD)を含む。
【0036】
スイッチングトランジスタ(ST)の第1電極はデータライン(DL)と連結され、第2電極は第1ノード(N1)と連結される。スイッチングトランジスタ(ST)のゲート電極はゲートライン(GL)と連結される。スイッチングトランジスタ(ST)は、ゲートラインにゲートオンレベルのゲート信号が印加されるとターンオンされ、データラインに印加されるデータ信号を第1ノード(N1)に伝達する。
【0037】
ストレージキャパシタ(Cst)は、第1ノード(N1)と発光素子(LD)のアノード電極との間に連結される。ストレージキャパシタ(Cst)は、第1ノード(N1)に印加される電圧と発光素子(LD)のアノード電極に印加される電圧との差に対応する電圧を格納することができる。
【0038】
駆動トランジスタ(DT)の第1電極は、高電位駆動電圧(ELVDD)を提供され、第2電極は、発光素子(LD)のアノード電極に連結される。駆動トランジスタ(DT)のゲート電極は、第1ノード(N1)に連結される。駆動トランジスタ(DT)は、第1ノード(N1)を介してゲートオンレベルの電圧が印加されるとターンオンされ、ゲート電極に提供される電圧に対応して発光素子(LD)に流れる駆動電流の量を制御することができる。
【0039】
発光素子(LD)は、駆動電流に対応する光を出力する。発光素子(LD)は、赤、緑、青及びホワイトのいずれかの色に対応する光を出力することができる。発光素子(LD)は、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode;OLED)、又はマイクロないしナノスケール範囲のサイズを有するマイクロ無機発光ダイオードであってもよいが、本実施例はこれらに限定されない。
【0040】
本実施例において、画素(PX)の構造が図2に示されたものに限定されない。実施例によって、画素(PX)は、駆動トランジスタ(DT)の閾値電圧を補償するか、駆動トランジスタ(DT)のゲート電極の電圧、及び/又は発光素子(LD)のアノード電極の電圧を初期化するための少なくとも1つの素子をさらに含んでもよい。
【0041】
図2では、スイッチングトランジスタ(ST)及び駆動トランジスタ(DT)がNMOSトランジスタである例が示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、それぞれの画素(PX)を構成するトランジスタのうち少なくとも一部又は全部は、PMOSトランジスタで構成されてもよい。多様な実施例において、スイッチングトランジスタ(ST)及び駆動トランジスタ(DT)のそれぞれは、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly Silicon;LTPS)薄膜トランジスタ、酸化物薄膜トランジスタ、又は低温ポリオキシド(Low Temperature Polycrystalline Oxide;LTPO)薄膜トランジスタで具現されてもよい。
【0042】
図3は、一実施例による表示装置の構成をより詳しく示したブロック図である。
【0043】
図3を参照すると、表示装置(1)は、高電位駆動電圧(ELVDD)を供給されて発光する画素(PX)が配置される表示パネル(50)、表示パネル(50)に高電位駆動電圧(ELVDD)を供給する電力供給部(40)、及び入力される映像データ(RGB’)に対応して表示パネル(50)にデータ電圧(Vdata)を印加するデータ駆動部(30)を含んでもよい。
【0044】
表示パネル(50)に印加される高電位駆動電圧(ELVDD)は、表示パネル(50)内の負荷によって降下することができる。このとき、表示パネル(50)の負荷は、映像データ(RGB’)の平均画像レベル(Average Picture level、以下、APL)によって変化し得る。入力映像のAPLが高いと、表示パネル(50)に含まれた画素(PX)の消費する電流が増加するため、高電位駆動電圧(ELVDD)の電圧降下量が増加し、逆に入力映像のAPLが低いと、画素(PX)の消費する電流が減少して高電位駆動電圧(ELVDD)の電圧降下量が減少する。高電位駆動電圧(ELVDD)の電圧降下量の変動は、APLによる輝度低下又は輝度増加を引き起こして画質不良を誘発する。
【0045】
一実施例において、表示装置(1)は、このような高電位駆動電圧(ELVDD)の電圧降下(IR Drop)を補償できるように構成されてもよい。例えば、データ駆動部(30)は、入力される映像データ(RGB’)のAPLを算出し、算出されたAPLによって補償されたデータ電圧(Vdata)を表示パネル(50)に提供してもよい。APLは、映像データ(RGB’)の平均明るさであり、例えば、1フレームの映像データ(RGB’)における最も明るい色の輝度平均と定義できる。
【0046】
データ駆動部(30)は、入力される映像データ(RGB’)をデータ電圧(Vdata)に変換するが、APLによって補償されたデータ電圧(Vdata)を表示パネル(50)に提供することができる。このために、データ駆動部(30)は、APL算出部(31)、メモリー(32)、補償部(33)を含んでもよい。
【0047】
APL算出部(31)は、入力される映像データ(RGB’)のAPLをフレーム単位で算出することができる。
【0048】
メモリー(32)は、APLによるデータ電圧(Vdata)の補償値を格納することができる。補償値は、APL変化による高電位駆動電圧(ELVDD)の変動量をシミュレーションして設定されることができる。例えば、算出されたAPLが増加する場合、高電位駆動電圧(ELVDD)の電圧降下が増加し得、相対的な輝度増加を防止するためにデータ電圧(Vdata)が減少するように補償されてもよい。逆に、算出されたAPLが減少する場合、高電位駆動電圧(ELVDD)の電圧降下が減少し得、相対的な輝度減少を防止するためにデータ電圧(Vdata)が増加するように補償されてもよい。
【0049】
このような補償値は、高電位駆動電圧(ELVDD)でなる補償電圧であり、例えば、データ電圧(Vdata)を生成するための基準電圧に加減される値であってもよい。補償値は、例えば、ルックアップテーブル(Look Up Table;LUT)の形態でメモリー(32)に格納されてもよい。
【0050】
補償値は、表示装置(1)の製造時にメモリー(32)にあらかじめ格納されてもよい。又は、補償値は、表示装置(1)の駆動中に高電位駆動電圧(ELVDD)の変動を自ら感知して生成したか、又は外部から受信されたものであってもよい。
【0051】
補償部(33)は、メモリー(32)からAPLに対応する補償値をロードし、これに基づいて補償されたデータ電圧(Vdata)を生成してもよい。補償部(33)は、補償されたデータ電圧(Vdata)を表示パネル(50)に提供することができる。
【0052】
上記では、データ電圧補償がリアルタイムフレーム単位で進行される場合を例示したが、本実施例はこれに限定されない。すなわち、データ電圧補償は、任意の数のフレーム単位で行われるか、又は既設定の実行条件が満たされる場合に行われてもよい。また、データ電圧補償は、単一のフレームのAPLを基準とするか、又は複数のフレームのAPLに基づいてもよい。
【0053】
一実施例において、データ電圧(Vdata)の補償値は、映像データ(RGB’)のAPLを基準とし、表示パネル(50)上に配置される画素(PX)に対して同一に適用することができる。
【0054】
図4ないし図6は、色座標のずれを説明するための図である。
【0055】
図3を参照して説明したように、高電位駆動電圧(ELVDD)の電圧降下量は、画素(PX)で消費する電流量に応じて変化する。表示パネル(50)が赤、緑及び青を表示する画素(R、G、B)を含む場合、相対的に高い輝度で発光する青画素(B)は、他の色の画素(R、G)より多くの量の電流を消費し、相対的に低い輝度で発光する赤画素(R)は、他の色の画素(G、B)より少ない量の電流を消費することができる。
【0056】
したがって、異なる色で発光する画素(R、G、B)間において、高電位駆動電圧(ELVDD)の電圧降下量は異なるように決定される。結果的に、図4に示されたように、APLによる輝度変化は、赤画素(R)、緑画素(G)及び青画素(B)で異なるように現われる。
【0057】
図3を参照して説明したように、データ駆動部(30)は、映像データ(RGB’)のAPLによってデータ電圧(Vdata)を補償するが、図5に示されたように、異なる色の画素(R、G、B)に対して同一の補償値を適用して、APLに基づいて同一の輝度変化を有することができる。
【0058】
しかし、上述のように、異なる色の画素(R、G、B)で電圧降下量は異なるので、異なる色の画素(R、G、B)に同一の補償値を適用すると、図6に示されたように、APLによって輝度及び色座標が大きくずれるという問題が発生し得る。これは、画素(R、G、B)間でクロストークを誘発するおそれがあり、結果的に画質の不良をもたらす。
【0059】
以下では、このような問題を解決するためのデータ駆動部(30)の具体的な構成を説明する。
【0060】
図7は、他の実施例による表示装置の構成をより詳しく示したブロック図である。
【0061】
図7を参照すると、表示装置(1’)は、高電位駆動電圧(ELVDD)を供給されて発光する画素(PX)が配置される表示パネル(50)、表示パネル(50)に高電位駆動電圧(ELVDD)を供給する電力供給部(40)、及び入力される映像データ(RGB’)に対応して表示パネル(50)にデータ電圧(Vdata)を印加するデータ駆動部(30’)を含んでもよい。
【0062】
データ駆動部(30’)は、入力される映像データ(RGB’)をデータ電圧(Vdata)に変換し、APLによって補償されたデータ電圧(Vdata)を表示パネル(50)に提供することができる。このために、データ駆動部(30’)は、APL算出部(31’)、メモリー(32’)、補償部(33’)を含んでもよい。
【0063】
本実施例において、補償部(33’)は、異なる色を表示する画素(R、G、B)それぞれに対して設けられる。すなわち、補償部(33’)は、赤画素(R)のデータ電圧(Vdata)を補償するための第1補償部(33’R)、緑画素(G)のデータ電圧(Vdata)を補償するための第2補償部(33’G)、及び青画素(B)のデータ電圧(Vdata)を補償するための第3補償部(33’B)を含んでもよい。
【0064】
第1ないし第3補償部(33’R~33’B)は、同一の回路構造を有してもよい。以下で、第1ないし第3補償部(33’R~33’B)を含むデータ駆動部(30’)の具体的な構造を説明する。
【0065】
図8は、一実施例によるデータ駆動部の構成を示したブロック図である。
【0066】
図8を参照すると、データ駆動部(30’)は、基準電圧生成部(360)の第1基準電圧端子(RV1)と第n基準電圧端子(RVn)から出力される基準電圧に基づいてガンマ電圧(GMA1~GMAn)を生成するガンマ電圧生成部(330)を含む。データ駆動部(30)は、ガンマ電圧(GMA1~GMAn)に基づいてタイミング制御部(10)から供給されたデジタル形態の映像データ(RGB’)をアナログ形態のデータ電圧(Vdata)に変更して出力する。
【0067】
基準電圧生成部(360)は、外部から供給された電圧に基づいて基準電圧を生成して出力する。一実施例において、基準電圧生成部(360)は、入力される映像データ(RGB’)のAPLに基づいて決定される補償値を反映して、基準電圧を生成して出力することができる。
【0068】
このとき、補償値は、データ駆動部(30’)に対応する画素(R、G、B)によって異なるように提供され得る。例えば、補償値は、異なる色を表示する画素(R、G、B)に対してそれぞれ独立して決定されてもよく、補償値を反映して生成される基準電圧もこのような画素(R、G、B)に対してそれぞれ独立して提供されてもよい。
【0069】
基準電圧生成部(360)は、図8のように、データ駆動部(30)の外部に設けられるか、又はデータ駆動部(30)の内部に含まれてもよい。ガンマ電圧生成部(330)は、基準電圧生成部(360)から出力される基準電圧に基づいて電圧を分圧し、分圧された電圧に基づいてガンマ電圧(GMA1~GMAn)を生成してもよい。異なる色を表示する画素(R、G、B)に対して異なる基準電圧が提供されるため、これらの画素(R、G、B)に対して異なるガンマ電圧(GMA1~GMAn)が提供される。
【0070】
また、データ駆動部(30)は、シフトレジスター部(310)、ラッチ部(320)、DAC(340)、及び出力バッファー部(350)をさらに含んでもよい。
【0071】
タイミング制御部(10)から提供されるデータ駆動制御信号(CONT2)は、ソーススタートパルス(Source Start Pulse、SSP)、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock、SSC)、ソース出力イネーブル信号(Source Output Enable、SOE)などが含まれる。ソーススタートパルス(SSP)は、データ駆動部(30’)のデータサンプリング開始時点を制御する。ソースサンプリングクロック(SSC)は、ライジング又はポーリングエッジに基準してデータ駆動部(30’)内でデータのサンプリング動作を制御するクロック信号である。ソース出力イネーブル信号(SOE)は、データ駆動部(30’)の出力を制御する。
【0072】
シフトレジスター部(310)は、タイミング制御部(10)から出力されたソーススタートパルス(SSP)とソースサンプリングクロック(SSC)に応答してサンプリング信号(SAM)を出力する。ラッチ部(320)は、シフトレジスター部(310)から出力されたサンプリング信号(SAM)に応答して映像データ(RGB’)に対応するデジタルデータ信号(DDATA)を順にサンプリングし、ソース出力イネーブル信号(SOE)に対応してサンプリングされた1ライン分のデジタルデータ信号(DDATA)を同時に出力する。
【0073】
DAC(340)は、ガンマ電圧生成部(330)から出力された第1ないし第nガンマ電圧(GMA1~GMAn)に対応して、1ライン分のデジタルデータ信号(DDATA)をアナログデータ信号(ADATA)に変換する。出力バッファー部(350)は、DAC(340)から出力されたアナログデータ信号(ADATA)を増幅(又は増幅及び補償)して各データラインにデータ電圧(Vdata)として出力する。
【0074】
図9は、一実施例によるデータ駆動部の内部構成を示した図である。
【0075】
図8図9を共に参照すると、データ駆動部(30’)は、入力される映像データ(RGB’)のAPLに基づいて電圧補償を行うことができる。データ駆動部(30’)は、APLに対応して既格納の補償値を基準電圧(VREF)に反映する補償方式を用いてもよい。例えば、基準電圧生成部(360)は、映像データ(RGB’)のAPLに対応する補償値を選択し、基準電圧(VREF)に補償値を加減するための補償回路部(361)を含んでもよい。
【0076】
このようなデータ駆動部(30’)は、補償回路部(361)から提供される補償値を反映して基準電圧(VREF)を生成する基準電圧生成部(360)、基準電圧(VREF)に基づいて電圧を分圧する抵抗ストリング部、及び分圧された電圧に基づいてガンマ電圧(GMA1~GMAn)を生成するガンマ電圧生成部(330)を含んでもよい。
【0077】
基準電圧生成部(360)の第1基準電圧端子(RV1)は、ガンマ電圧生成部(330)のローガンマ(Low Gamma)電圧端子(BRV1)(又は低階調ガンマ電圧端子)に連結され、第n基準電圧端子(RVn)は、ガンマ電圧生成部(330)のハイガンマ(High Gamma)電圧端子(BRVn)(又は高階調ガンマ電圧端子)に連結される。
【0078】
補償回路部(361)は、別途のブロックとして備えられる例が図示される。しかし、補償回路部(361)は、基準電圧生成部(360)の第1基準電圧端子(RV1)と第n基準電圧端子(RVn)とから出力される基準電圧(VREF)に対する間接的な電圧の加減がなされるように別途の回路又は構成要素として構成されてもよい。
【0079】
一実施例において、映像データ(RGB’)のAPLが基準値に比べて増加した場合、補償回路部(361)は、基準電圧(VREF)に補償値を足す補償(加算補償)を行うように構成される。逆に、APLが基準値に比べて減少する場合、補償回路部(361)は、基準電圧(VREF)に補償値を足す補償(減算補償)を行うように構成される。
【0080】
補償回路部(361)によって、ガンマ電圧生成部(330)のローガンマ電圧端子(BRV1)とハイガンマ電圧端子(BRVn)とは、基準電圧生成部(360)から出力された基準電圧(VREF)をそのまま供給されることなく、加算補償又は減算補償が行われた基準電圧を供給されるようになる。
【0081】
例えば、ローガンマ電圧端子(BRV1)には、ロー基準電圧(VREF1)±高電位駆動電圧(ELVDD)からなる補償電圧(AVREF1)(以下、下位基準電圧)が供給され、ハイガンマ電圧端子(BRVn)には、ハイ基準電圧(VREFn)±高電位駆動電圧(ELVDD)からなる補償電圧(AVREFn)(以下、上位基準電圧)が供給される。
【0082】
ガンマ電圧生成部(330)は、複数の抵抗ストリング(RS1、RS2、RS3)を含んでもよい。
【0083】
第1抵抗ストリング(RS1)は、下位基準電圧(VREF1+AVREF1)と上位基準電圧(VREFn+AVREFn)との間を分圧して一部のガンマ基準電圧(GM1、GM9)を生成する。選択された一部のガンマ基準電圧(GM1、GM9)は、バッファー(BUF)を介して出力できる。
【0084】
第2抵抗ストリング(RS2)を介して一部のガンマ基準電圧(GM1、GM9)を分配する。第2抵抗ストリング(RS2)は、分配された電圧から残りのガンマ基準電圧(GM2~GM8)を選択し、バッファー(BUF)を介して出力できる。
【0085】
第3抵抗ストリング(RS3)は、ガンマ基準電圧(GM1~GM9)を分配して、全階調に対応するガンマ電圧(GMA1~GMAn)を出力できる。生成されたガンマ電圧(GMA1~GMAn)は、DAC(340)に提供され、データ電圧(Vdata)を生成するために用いられてもよい。
【0086】
上記のような実施例において、補償回路部(361)及び基準電圧生成部(360)は、異なる色を表示する画素(R、G、B)に対してそれぞれ備えられてもよい。すなわち、異なる色を表示する画素(R、G、B)に対して、独立して補償値及びこれを反映した基準電圧が提供されてもよい。結果的に、異なる色を表示する画素(R、G、B)に対して異なるガンマ電圧セットが提供され、結果的に補償されたデータ電圧(Vdata)も独立して生成され得る。
【0087】
図10及び図11は、一実施例による補償方法を説明するためのグラフである。
【0088】
図8及び図9を参照して説明したように、一実施例によるデータ駆動部(30’)は、映像データ(RGB’)のAPLによってデータ電圧(Vdata)を補償するが、異なる色を表示する画素(R、G、B)に対して独立して補償値及びこれを反映した基準電圧を提供する。それによって、図10に示されたように、異なる色の画素(R、G、B)に対して異なる補償値が適用される。
【0089】
このような補償値は、駆動電圧(ELVDD)の電圧降下量は、異なるように決定される画素(R、G、B)に対して適応的に決定されるため、図11に示されたように、補償後におけるAPLによる色座標は、画素(R、G、B)に対してずれることなく維持されることができる。
【0090】
本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更することなく他の具体的な形態に実施し得ることを理解できるであろう。よって、上述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。本発明の範囲は、上述の詳細な説明よりは後述の請求の範囲によって示され、請求の範囲の意味及び範囲、またその均等概念から導き出されるすべての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0091】
1:表示装置
10:タイミング制御部
20:ゲート駆動部
30:データ駆動部
40:電力供給部
50:表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11