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特開2023-99324基板処理液提供装置およびそれを含む基板処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099324
(43)【公開日】2023-07-12
(54)【発明の名称】基板処理液提供装置およびそれを含む基板処理システム
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20230705BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230705BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20230705BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D1/26 Z
B05D3/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206267
(22)【出願日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193208
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0072768
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヨン,ダイ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ソ ホン
(72)【発明者】
【氏名】リ,トン ファ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ソン ファ
(72)【発明者】
【氏名】キム,テ スン
【テーマコード(参考)】
4D075
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC84
4D075BB16X
4D075CB38
4D075DA06
4D075DC24
4D075EA10
4D075EA33
4F041AA02
4F041AA05
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA13
4F041BA32
4F042AA02
4F042AA06
4F042AB00
4F042CA01
4F042CA04
4F042CA06
4F042CB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】内部攪拌流動性の確保と揺れ回復の相関関係において、最適の構造を有する基板処理液提供装置およびそれを含む基板処理システムを提供する。
【解決手段】基板処理液提供装置は、基板処理液を貯蔵する貯蔵タンクと、貯蔵タンクの内部に設置され、貯蔵タンクの内部空間を分割する隔壁を含み、基板処理液を基板上に吐出する基板処理装置と連結されて基板処理液を基板処理装置に提供し、隔壁は一面と他面を貫通して形成される複数のホールを含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理液を貯蔵する貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクの内部に設置され、前記貯蔵タンクの内部空間を分割する隔壁を含み、前記基板処理液を基板上に吐出する基板処理装置と連結されて前記基板処理液を前記基板処理装置に提供し、前記隔壁は一面と他面を貫通して形成される複数のホールを含む、基板処理液提供装置。
【請求項2】
前記貯蔵タンクと前記基板処理装置の間で循環する前記基板処理液を前記貯蔵タンクの内部に流入させる第1チューブをさらに含む、請求項1に記載の基板処理液提供装置。
【請求項3】
前記ホールは、前記第1チューブの流入口と同じ高さまで形成されるか、または前記流入口より下位の高さまで形成される、請求項2に記載の基板処理液提供装置。
【請求項4】
前記貯蔵タンクに貯蔵されている前記基板処理液を前記基板処理装置に排出させる第2チューブをさらに含み、前記第1チューブの流入口は、前記第2チューブの排出口より上位に配置される、請求項2に記載の基板処理液提供装置。
【請求項5】
前記ホールは、前記第2チューブの排出口と同じ高さまで形成されるか、または、前記排出口より上位の高さまで形成される、請求項4に記載の基板処理液提供装置。
【請求項6】
前記隔壁は複数であり、複数の隔壁は、前記貯蔵タンクの内側の一端部から他端部方向に形成される、請求項1に記載の基板処理液提供装置。
【請求項7】
前記複数の隔壁のうち少なくとも一部の隔壁は、前記他端部に接触しない、請求項6に記載の基板処理液提供装置。
【請求項8】
前記複数の隔壁のうち少なくとも一部の隔壁は、他の隔壁と異なる方向に形成される、請求項6に記載の基板処理液提供装置。
【請求項9】
前記複数の隔壁のうち少なくとも一部の隔壁は、他の隔壁と交差する、請求項6に記載の基板処理液提供装置。
【請求項10】
前記隔壁は、前記貯蔵タンクの上部を覆う蓋と結合される、請求項1に記載の基板処理液提供装置。
【請求項11】
前記隔壁の材質は、前記基板処理液の種類によって異なる、請求項1に記載の基板処理液提供装置。
【請求項12】
前記隔壁の大きさは、前記貯蔵タンクの内径や面積によって異なる、請求項1に記載の基板処理液提供装置。
【請求項13】
前記貯蔵タンクの内部に貯蔵された前記基板処理液を攪拌させる第1ポンプと、前記基板処理液を前記貯蔵タンクと前記基板処理装置の間で循環させる第2ポンプをさらに含む、請求項1に記載の基板処理液提供装置。
【請求項14】
前記第2ポンプは、前記第1ポンプより下部に配置される、請求項13に記載の基板処理液提供装置。
【請求項15】
前記第1ポンプは、磁気浮上方式で作動するマグネチックポンプである、請求項13に記載の基板処理液提供装置。
【請求項16】
前記第1ポンプは、前記基板処理液が一定の大きさ以上の粒子を含む場合に作動する、請求項13に記載の基板処理液提供装置。
【請求項17】
前記隔壁は複数であり、複数の隔壁は等間隔に配置される、請求項1に記載の基板処理液提供装置。
【請求項18】
前記隔壁は、前記ホールが形成されていないマージン領域を含む、請求項1に記載の基板処理液提供装置。
【請求項19】
基板処理液を基板上に吐出して前記基板を処理する基板処理装置と、前記基板処理装置と連結され、前記基板処理液を前記基板処理装置に提供する基板処理液提供装置と、前記基板処理装置と前記基板処理液提供装置を制御する制御装置を含み、前記基板処理液提供装置は、前記基板処理液を貯蔵する貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクの内部に設置され、前記貯蔵タンクの内部空間を分割する隔壁を含み、前記隔壁は一面と他面を貫通して形成される複数のホールを含む、基板処理システム。
【請求項20】
第1ポンプを用いて貯蔵タンクの内部に貯蔵された基板処理液を攪拌させる段階と、第2ポンプを用いて前記基板処理液を前記貯蔵タンクと基板処理装置の間で循環させる段階と、前記基板処理装置を用いて基板を処理する段階を含む基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理液提供装置およびそれを含む基板処理システムに関する。より詳細には、インクジェット設備に適用できる基板処理液提供装置およびそれを含む基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LCDパネル、PDPパネル、LEDパネルなどのディスプレイ装置を製造するために透明基板上に印刷工程(例えば、RGBパターニング(RGB Patterning))を行う場合、インクジェットヘッドユニット(Inkjet Head Unit)を備える印刷装備が用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
リザーバー(Reservoir)は、インクジェットヘッドユニットに提供する処理液(すなわち、インク)を貯蔵する装置であり、インクジェットヘッドユニットは、リザーバーから処理液の供給を受けて基板上に吐出することができる。
【0004】
リザーバーは、処理液がその内部で揺れることを防止するために、デッドゾーンを含む構造を有することができる。しかし、リザーバーのこのような構造は、内部攪拌の面で処理液の流動性低下を引き起こし得、処理液が多量の粒子を含む場合は粒子間の凝集(Aggregation)、沈降、浮遊、相分離などの問題を発生させ得る。
【0005】
本発明で解決しようとする技術的課題は、内部攪拌流動性の確保と揺れ回復の相関関係において、最適の構造を有する基板処理液提供装置およびそれを含む基板処理システムを提供することにある。
【0006】
本発明の技術的課題は上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない別の技術的課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の技術的課題を達成するための本発明の基板処理液提供装置の一面(Aspect)は、基板処理液を貯蔵する貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクの内部に設置され、前記貯蔵タンクの内部空間を分割する隔壁を含み、前記基板処理液を基板上に吐出する基板処理装置と連結されて前記基板処理液を前記基板処理装置に提供し、前記隔壁は一面と他面を貫通して形成される複数のホールを含む。
【0008】
前記基板処理液提供装置は、前記貯蔵タンクと前記基板処理装置の間で循環する前記基板処理液を前記貯蔵タンクの内部に流入させる第1チューブをさらに含み得る。
【0009】
前記ホールは、前記第1チューブの流入口と同じ高さまで形成されるか、または、前記流入口より下位の高さまで形成され得る。
【0010】
前記基板処理液提供装置は、前記貯蔵タンクに貯蔵されている前記基板処理液を前記基板処理装置に排出させる第2チューブをさらに含み、前記第1チューブの流入口は前記第2チューブの排出口より上位に配置され得る。
【0011】
前記ホールは、前記第2チューブの排出口と同じ高さまで形成されるか、または、前記排出口より上位の高さまで形成され得る。
【0012】
前記隔壁は複数であり、複数の隔壁は、前記貯蔵タンクの内側の一端部から他端部方向に形成され得る。
【0013】
前記複数の隔壁のうち少なくとも一部の隔壁は、前記他端部に接触しなくてもよい。
【0014】
前記複数の隔壁のうち少なくとも一部の隔壁は、他の隔壁と異なる方向に形成され得る。
【0015】
前記複数の隔壁のうち少なくとも一部の隔壁は、他の隔壁と交差し得る。
【0016】
前記隔壁は、前記貯蔵タンクの上部を覆う蓋と結合され得る。
【0017】
前記隔壁の材質は、前記基板処理液の種類によって異なってよい。
【0018】
前記隔壁の大きさは、前記貯蔵タンクの内径や面積によって異なってよい。
【0019】
前記基板処理液提供装置は、前記貯蔵タンクの内部に貯蔵された前記基板処理液を攪拌させる第1ポンプと、前記基板処理液を前記貯蔵タンクと前記基板処理装置の間で循環させる第2ポンプをさらに含み得る。
【0020】
前記第2ポンプは、前記第1ポンプより下部に配置され得る。
【0021】
前記第1ポンプは、磁気浮上方式で作動するマグネチックポンプであり得る。
【0022】
前記第1ポンプは、前記基板処理液が一定の大きさ以上の粒子を含む場合に作動し得る。
【0023】
前記隔壁は複数であり、複数の隔壁は等間隔に配置され得る。
【0024】
前記隔壁は、前記ホールが形成されていないマージン領域を含み得る。
【0025】
また、前記の技術的課題を達成するための本発明の基板処理液提供装置の他の面は、基板処理液を基板上に吐出する基板処理装置と連結されて前記基板処理液を前記基板処理装置に提供し、前記基板処理液を貯蔵する貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクの内部に設置され、前記貯蔵タンクの内部空間を分割し、一面と他面を貫通して形成される複数のホールを含む隔壁と、前記貯蔵タンクと前記基板処理装置の間で循環する前記基板処理液を前記貯蔵タンクの内部に流入させる第1チューブと、前記貯蔵タンクに貯蔵されている前記基板処理液を前記基板処理装置に排出させる第2チューブを含み、前記第1チューブの流入口は前記第2チューブの排出口より上位に配置され、前記隔壁の高さは前記第1チューブの流入口と前記第2チューブの排出口の間で決定され、前記ホールは前記第1チューブの流入口と前記第2チューブの排出口のうち少なくとも一つの地点を基準として選択される領域に形成される。
【0026】
また、前記の技術的課題を達成するための本発明の基板処理システムの一面は、基板処理液を基板上に吐出して前記基板を処理する基板処理装置と、前記基板処理装置と連結され、前記基板処理液を前記基板処理装置に提供する基板処理液提供装置と、前記基板処理装置と前記基板処理液提供装置を制御する制御装置を含み、前記基板処理液提供装置は、前記基板処理液を貯蔵する貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクの内部に設置され、前記貯蔵タンクの内部空間を分割する隔壁を含み、前記隔壁は一面と他面を貫通して形成される複数のホールを含む。
【0027】
前記基板処理装置はインクジェットヘッドユニットを含み、前記インクジェットヘッドユニットを用いて基板処理液を基板上に吐出し得る。
前記基板処理液は、量子ドットインクであり得る。
【0028】
また、前記の技術的課題を達成するための本発明の基板処理方法の一面は、第1ポンプを用いて貯蔵タンクの内部に貯蔵された基板処理液を攪拌させる段階と、第2ポンプを用いて前記基板処理液を前記貯蔵タンクと基板処理装置の間で循環させる段階と、前記基板処理装置を用いて基板を処理する段階を含む。
【0029】
その他実施形態の具体的な内容は、詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態による基板処理システムの内部構成を概略的に示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理装置の構造を概略的に示す図である。
図3】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す例示図である。
図4】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理液提供装置の内部構造を概略的に示す第1例示図である。
図5】基板処理液提供装置が第1例示による内部構造を有する場合の効果を説明するための参照図である。
図6】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第1例示図である。
図7】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理液提供装置の内部構造を概略的に示す第2例示図である。
図8】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理液提供装置の内部構造を概略的に示す第3例示図である。
図9】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理液提供装置の内部構造を概略的に示す第4例示図である。
図10】基板処理液提供装置を構成する第2ポンプの役割を説明するための参照図である。
図11】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第2例示図である。
図12】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第3例示図である。
図13】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第4例示図である。
図14】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第5例示図である。
図15】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第1例示図である。
図16】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第6例示図である。
図17】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第7例示図である。
図18】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第2例示図である。
図19】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第3例示図である。
図20】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第4例示図である。
図21】基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第5例示図である。
図22】本発明の一実施形態による基板処理システムの基板処理方法を順に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では添付する図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図面上の同じ構成要素については同じ参照符号を使用し、これらについての重複する説明は省略する。
【0032】
インクジェットヘッドユニットを用いて基板上に基板処理液を吐出する基板処理システムの場合、不良弾着を最小化するために基板処理液の循環構造が要求されており、それに伴い基板処理液提供装置に対しては、基板処理液の内部攪拌流動を円滑にしながら揺れも防止できる構造が要求される。本発明では、内部攪拌流動性の確保と揺れ回復の相関関係において最適の構造を有する基板処理液提供装置とそれを含む基板処理システムを提供する。以下では図面などを参照して本発明を詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態による基板処理システムの内部構成を概略的に示すブロック図である。図1によれば、基板処理システム100は、基板処理装置110、基板処理液提供装置120、および制御装置(Controller)130を含んで構成されることができる。
【0034】
基板処理装置110は、ディスプレイ装置を製造するのに用いられる基板G(例えば、ガラス基板(Glass))を処理するものである。このような基板処理装置110は、インクジェットヘッドユニット(Inkjet Head Unit)を用いて基板G上に基板処理液を吐出(Jetting)して基板Gを印刷するインクジェット設備として設けられることができる。
【0035】
基板処理装置110は、基板処理液としてインクを使用することができる。ここで、基板処理液は、基板Gを印刷処理するのに用いられる薬液をいう。基板処理液は、例えば、超微細半導体粒子を含む量子ドット(QD;Quantum Dot)インクであり得、基板処理装置110は、例えば、量子ドット(QD)インクを使用してカラーフィルタ(CF;Color Filter)を基板G上に形成させるインクジェット設備として設けられることができる。基板処理装置110は、基板処理液を用いて基板Gにピクセル印刷(Pixel Printing)をすることができ、基板処理液によってノズル(Nozzle)が詰まることを防止するために循環系インクジェット設備として設けられることができる。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理装置の構造を概略的に示す図である。図2によれば、基板処理装置110は、工程処理ユニット210、メンテナンスユニット(Maintenance Unit)220、ガントリーユニット(Gantry Unit)230、およびインクジェットヘッドユニット240を含んで構成されることができる。
【0037】
工程処理ユニット210は、基板Gに対してPT動作が行われる間、基板Gを支持するものである。ここで、PT動作は、基板処理液を用いて基板Gを印刷(Printing)処理することをいう。
【0038】
工程処理ユニット210は、非接触方式を用いて基板Gを支持することができる。工程処理ユニット210は、例えば、エアー(Air)を用いて基板Gを空中に浮上させて基板Gを支持することができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。工程処理ユニット210は、接触方式を用いて基板Gを支持することも可能である。工程処理ユニット210は、例えば、上部に安着面が設けられた支持部材を用いて基板Gを支持することもできる。
【0039】
工程処理ユニット210は、エアーを用いて基板Gを支持した状態で基板Gを移動させることができる。工程処理ユニット210は、例えば、第1ステージ(1st Stage)211、およびエアホール(Air Hole)212を含んで構成されることができる。
【0040】
第1ステージ211はベース(Base)であって、その上部に基板Gが安着できるように提供されるものである。エアホール212は、このような第1ステージ211の上部表面を貫通して形成されることができ、第1ステージ211上のプリンティング領域(Printing Zone)内に複数形成されることができる。
【0041】
エアホール212は、第1ステージ211の上部方向(第3方向)30にエアーを噴射することができる。エアホール212は、これにより第1ステージ211上に安着される基板Gを空中に浮上させることができる。
【0042】
図2には示されていないが、工程処理ユニット210は把持部(Gripper)とガイドレール(Guide Rail)をさらに含むことができる。把持部は、基板Gが第1ステージ211の長手方向(第1方向)10に沿って移動する場合、基板Gを把持して基板Gが第1ステージ211上から離脱することを防止するものである。把持部は、基板Gが移動する場合、基板Gを把持した状態でガイドレールに沿って基板Gと同じ方向に移動することができる。把持部とガイドレールは、第1ステージ211の外側に設けられることができる。
【0043】
メンテナンスユニット220は、基板G上における基板処理液の吐出位置(すなわち、打点)、基板処理液の吐出の有無などを測定するものである。メンテナンスユニット220は、インクジェットヘッドユニット240に備えられる複数のノズルそれぞれに対して、基板処理液の吐出位置、基板処理液の吐出の有無などを測定することができ、このように取得された測定結果が制御装置130に提供されるようにすることができる。
【0044】
メンテナンスユニット220は、例えば、第2ステージ(2nd Stage)221、第3ガイドレール(3rd Guide Rail)222、第1プレート(1st Plate)223、キャリブレーションボード(Calibration Board)224、およびビジョンモジュール(Vision Module)225を含んで構成されることができる。
【0045】
第2ステージ221は、第1ステージ211と同様にベースであって、第1ステージ211と並んで配置されることができる。このような第2ステージ221は、その上部にメンテナンス領域(Maintenance Zone)を含むことができる。第2ステージ221は、第1ステージ211と同じ大きさで設けられることができるが、第1ステージ211より小さいか、あるいはより大きい大きさを有するように設けられることも可能である。
【0046】
第3ガイドレール222は、第1プレート223の移動経路をガイドするものである。このような第3ガイドレール222は、第2ステージ221上に第2ステージ221の長手方向(第1方向)10に沿って少なくとも一つのラインで設けられることができる。第3ガイドレール222は、例えば、LMガイドシステム(Linear Motor Guide System)で具現されることができる。
【0047】
図2には示されていないが、メンテナンスユニット220は、第4ガイドレールをさらに含むことができる。第4ガイドレールは、第3ガイドレール222と同様に第1プレート223の移動経路をガイドするものであって、第2ステージ221上に第2ステージ221の幅方向(第2方向)20に沿って少なくとも一つのラインで設けられることができる。
【0048】
第1プレート223は、第3ガイドレール222および/または第4ガイドレールに沿って第2ステージ221上で移動するものである。第1プレート223は、第3ガイドレール222に沿って基板Gと並んで移動することができ、第4ガイドレールに沿って基板Gに接近するか、または基板Gから遠ざかることもできる。
【0049】
キャリブレーションボード224は、基板G上における基板処理液の吐出位置を測定するためのものである。このようなキャリブレーションボード224は、アラインマーク(Align Mark)、ルーラーなどを含んで第1プレート223上に設置されることができ、第1プレート223の長手方向(第1方向)10に沿って設けられることができる。
【0050】
ビジョンモジュール225は、カメラモジュール(Camera Module)を含み、基板Gについてのイメージ情報を取得するものである。ビジョンモジュール225により取得される基板Gのイメージ情報には、基板処理液の吐出の有無、基板処理液の吐出位置、基板処理液の吐出量、基板処理液の吐出面積などについての情報が含まれ得る。一方、ビジョンモジュール225は、基板処理液が吐出された基板Gについてのイメージ情報とともに、キャリブレーションボード224についての情報も取得して提供することができる。
【0051】
ビジョンモジュール225は、基板Gを処理する場合に基板Gについてのイメージ情報をリアルタイムで取得することができる。ビジョンモジュール225は、基板Gを長手方向(第1方向)10で撮影してイメージ情報を取得することができ、この場合ビジョンモジュール225は、ラインスキャンカメラ(Line Scan Camera)を含んで構成されることができる。また、ビジョンモジュール225は、基板Gを所定の大きさの領域別に撮影してイメージ情報を取得することもできる。この場合、ビジョンモジュール225は、エリアスキャンカメラ(Area Scan Camera)を含んで構成されることができる。
【0052】
ビジョンモジュール225は、基板処理液が吐出された基板Gのイメージ情報を取得するためにガントリーユニット230の底面や側面に取付けられることができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。ビジョンモジュール225は、インクジェットヘッドユニット240の側面に取付けられることも可能である。一方、ビジョンモジュール225は、基板処理装置110内に少なくとも一つ設けられることができ、固定設置されるか、または移動可能に設置されることができる。
【0053】
ガントリーユニット230は、インクジェットヘッドユニット240を支持するものである。このようなガントリーユニット230は、インクジェットヘッドユニット240が基板G上に基板処理液を吐出することができるように第1ステージ211および第2ステージ221の上部に設けられることができる。
【0054】
ガントリーユニット230は、第1ステージ211および第2ステージ221の幅方向(第2方向)20を長手方向として第1ステージ211および第2ステージ221上に設けられることができる。ガントリーユニット230は、第1ガイドレール(1st Guide Rail)270aおよび第2ガイドレール(2nd Guide Rail)270bに沿って第1ステージ211および第2ステージ221の長手方向(第1方向)10に移動することができる。一方、第1ガイドレール270aおよび第2ガイドレール270bは、第1ステージ211および第2ステージ221の長手方向(第1方向)10に沿って第1ステージ211および第2ステージ221の外側に設けられることができる。
【0055】
一方、図2には示されていないが、基板処理装置110は、ガントリー移動ユニットをさらに含むことができる。ガントリー移動ユニットは、第1ガイドレール270aおよび第2ガイドレール270bに沿ってガントリーユニット230をスライディング移動させるものである。ガントリー移動ユニットは、ガントリーユニット230の内部に設置されることができる。
【0056】
インクジェットヘッドユニット240は、基板G上に液滴(Droplet)形態で基板処理液を吐出するものである。このようなインクジェットヘッドユニット240は、ガントリーユニット230の側面かその底面に設置されることができる。
【0057】
インクジェットヘッドユニット240は、ガントリーユニット230に少なくとも一つ設置されることができる。インクジェットヘッドユニット240がガントリーユニット230に複数設置される場合、複数のインクジェットヘッドユニット240は、ガントリーユニット230の長手方向(第2方向)20に沿って一列に配置されることができる。また、複数のインクジェットヘッドユニット240は、それぞれ独立して作動することができ、これとは反対に統一的に作動することも可能である。
【0058】
インクジェットヘッドユニット240は、基板G上で所望する地点に位置するために、ガントリーユニット230の長手方向(第2方向)20に沿って移動することができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。インクジェットヘッドユニット240は、ガントリーユニット230の高さ方向(第3方向)30に沿って移動することができ、時計回りまたは反時計回りに回転することも可能である。
【0059】
一方、インクジェットヘッドユニット240は、ガントリーユニット230に固定されるよう設置されることも可能である。この場合、ガントリーユニット230が移動可能に提供されることができる。
【0060】
図2には示されていないが、基板処理装置110は、インクジェットヘッド移動ユニットをさらに含むことができる。インクジェットヘッド移動ユニットは、インクジェットヘッドユニット240を直線移動させたり回転させるものである。
【0061】
図2には示されていないが、インクジェットヘッドユニット240は、ノズルプレート、複数のノズル、圧電素子などを含んで構成されることができる。ノズルプレートは、インクジェットヘッドユニット240の本体を構成するものである。複数(例えば、128個、256個など)のノズルは、このようなノズルプレートの下部に一定の間隔を置いて多行多列で提供されることができ、圧電素子は、ノズルプレート内にノズルの個数に対応する個数だけ設けられることができる。インクジェットヘッドユニット240は、このように構成される場合、圧電素子の作動によりノズルを介して基板G上に基板処理液を吐出することができる。
【0062】
一方、インクジェットヘッドユニット240は、圧電素子に印加される電圧によってそれぞれのノズルを介して提供される基板処理液の吐出量を独立して調節することも可能である。
【0063】
以下、図1および図2を参照して説明する。
【0064】
基板処理液提供装置120は、基板処理装置110のインクジェットヘッドユニット240に基板処理液(例えば、インク)を提供するリザーバー(Reservoir)である。このような基板処理液提供装置120は、図2に示すように、基板処理装置110のガントリーユニット230に設置されることができ、貯蔵タンク310および圧力制御モジュール320を含んで構成されることができる。
【0065】
貯蔵タンク310は、基板処理液を貯蔵するものであり、圧力制御モジュール320は、貯蔵タンク310の内部圧力を調節するものである。貯蔵タンク310は、圧力制御モジュール320により提供される圧力に基づきインクジェットヘッドユニット240に適正量の基板処理液を供給することができる。
【0066】
制御装置130は、基板処理装置110を構成するそれぞれのユニットと基板処理液提供装置120の全体作動を制御するものである。制御装置130は、例えば、工程処理ユニット210のエアホール212と把持部、メンテナンスユニット220のビジョンモジュール225、ガントリーユニット230、インクジェットヘッドユニット240、基板処理液提供装置120の圧力制御モジュール320等の作動を制御することができる。
【0067】
制御装置130は、プロセスコントローラ、制御プログラム、入力モジュール、出力モジュール(または表示モジュール)、メモリモジュールなどを含んでコンピュータやサーバなどで具現されることができる。前記で、プロセスコントローラは、基板処理装置110を構成するそれぞれの構成に対して制御機能を実行するマイクロプロセッサを含むことができ、制御プログラムは、プロセスコントローラの制御により基板処理装置110の各種処理を実行することができる。メモリモジュールは、各種データおよび処理条件に応じて基板処理装置110の各種処理を実行させるためのプログラム、すなわち処理レシピが保存されるものである。
【0068】
一方、制御装置130は、インクジェットヘッドユニット240に対してメンテナンスを行わせる役割もすることができる。制御装置130は、例えば、メンテナンスユニット220の測定結果に基づき、インクジェットヘッドユニット240に備えられるそれぞれのノズルの基板処理液の吐出位置を補正したり、複数のノズルのうちから不良ノズル(すなわち基板処理液を吐出しないノズル)を検出して、不良ノズルに対してクリーニング作業が行われるようにすることができる。
【0069】
前で説明したが、インクジェットヘッドユニット240を用いて基板Gを処理する基板処理装置110の場合、基板処理液が基板G上に不良弾着することを防止するために、基板処理液を循環させる構造を有することができる。この場合、基板処理装置110と連携される基板処理液提供装置120は、インクジェットヘッドユニット240の移動に伴って基板処理液がその内部で揺れることを防止するために、デッドゾーン(Dead Zone)を含む構造を有することができる。
【0070】
基板処理液提供装置120は、内部での揺れを防止するための構造を有する場合、図3に示すように、貯蔵タンク310の内部に上下方向(第3方向)30に交差設置される複数の隔壁350a,350bを含むことができる。ここで、第1隔壁350aは、貯蔵タンク310の内側上端部から下の方向(負の第3方向)-30に長く設置されることができ、第2隔壁350bは貯蔵タンク310の内側下端部から上の方向(正の第3方向)+30に長く設置されることができる。第1隔壁350aと第2隔壁350bは、貯蔵タンク310の内部に少なくとも一つ設置されることができ、貯蔵タンク310の内部で一方向(第1方向10または第2方向20)にジグザグ状に配置されることができる。図3は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す例示図である。
【0071】
貯蔵タンク310の内部に、上記のように、複数の隔壁350a,350bが交差設置されると、基板処理液提供装置120は、基板処理液の供給および揺れの部分で十分に抑制可能な構造を有することができる。しかし、基板処理液提供装置120のこのような構造は、内部攪拌の面で基板処理液の流動性を低下させる問題を引き起こし得る。
【0072】
また、最近になって基板Gを処理するのに使用されるインクの多変性により、インク内に多数の粒子が含まれている。しかし、このように基板処理液が多量の粒子を含むようになると、粒子間の凝集(Aggregation)、沈降、浮遊、相分離など多くの問題を誘発させ得る。
【0073】
したがって、本発明では、このような問題を解決するために、基板処理液の貯蔵タンク310内部での攪拌流動を円滑にしながら揺れも防止できる構造を備えた基板処理液提供装置120について提供する。特に、本発明では内部攪拌流動性の確保と揺れ回復の相関関係において最適の構造を備えた基板処理液提供装置120について提供する。
【0074】
以下、本発明で提供する基板処理液提供装置120の構造について詳しく説明する。
【0075】
図4は、本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理液提供装置の内部構造を概略的に示す第1例示図である。図4によれば、基板処理液提供装置120は、貯蔵タンク310、圧力制御モジュール320、および第1ポンプ330を含んで構成されることができる。
【0076】
貯蔵タンク310および圧力制御モジュール320については、図2を参照して前述したため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0077】
第1ポンプ330は、貯蔵タンク310の内部に貯蔵された基板処理液を攪拌させるためにポンピング(Pumping)の役割をするものである。基板処理液提供装置120は、第1ポンプ330のこのような作用により、貯蔵タンク310の内部に貯蔵された基板処理液に対して攪拌流動性を確保することができる。
【0078】
基板処理液提供装置120は、インクジェットヘッドユニット240と一体型のモジュールで構成されることができる。したがって、本実施形態では、インクジェットヘッドユニット240がガントリーユニット230上で移動するときに、基板処理液提供装置120も共に移動することができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。基板処理液提供装置120は、インクジェットヘッドユニット240と分離型で構成されることも可能である。
【0079】
基板処理液提供装置120とインクジェットヘッドユニット240が一体型のモジュールで構成される場合、貯蔵タンク310は、インクジェットヘッドユニット240より上位水準に配置されることができる。貯蔵タンク310、第1ポンプ330、およびインクジェットヘッドユニット240は、ガントリーユニット230の前面に配置されることができ、貯蔵タンク310とインクジェットヘッドユニット240を連結する配管の長さによって、貯蔵タンク310と第1ポンプ330が、インクジェットヘッドユニット240とガントリーユニット230の前面と後面に分けられて配置されることも可能である。
【0080】
前に説明したが、基板処理装置110が基板Gを処理するのに使用される基板処理液はインクであり得る。ディスプレイ装置を製造するのに使用されるこのようなディスプレイ素子用インクは、有機素材、無機素材、金属素材などを含むことができ、前記素材を溶媒または溶質で構成してインク化することによって製造されることができる。
【0081】
ディスプレイ素子用インクは、多数の粒子を含むことができる。ここで、多数の粒子はナノサイズ(Nano Size)を有するか、マイクロサイズ(Micro Size)を有するか、または、マクロサイズ(Macro Size)を有することができる。しかし、このような粒子分散型インクの場合、時間が経過するにつれて粒子の沈降が発生し得、これは粒子の貯蔵タンク310下部への沈殿と粒子分布の不均衡を引き起こし得る。
【0082】
したがって本実施形態では、インク内の粒子の分布が均一に維持され得るように、基板処理液提供装置120が内部循環攪拌システムを備えることができる。すなわち、基板処理液提供装置120は、ポンピング力によって貯蔵タンク310内で基板処理液を攪拌させることができる第1ポンプ330を含むことができる。
【0083】
第1ポンプ330は、基板処理液提供装置120が基板処理装置110に基板処理液を提供する間、貯蔵タンク310の内部にポンピング力を提供することができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。第1ポンプ330は、基板処理液提供装置120が基板処理装置110に基板処理液を提供する間だけでなく、基板処理液提供装置120が基板処理装置110に基板処理液を提供しない間も貯蔵タンク310の内部にポンピング力を提供し続けることも可能である。
【0084】
第1ポンプ330は、貯蔵タンク310の内部にポンピング力を提供するために、貯蔵タンク310の下端部に連結されることができる。第1ポンプ330がこのように設置されると、図5に示すように、貯蔵タンク310の内部底面からその上の方向にポンピング力410を伝達できるようになり、ポンピング力410によって基板処理液420を円滑に攪拌流動させる効果を得ることができる。図5は、基板処理液提供装置が第1例示による内部構造を有する場合の効果を説明するための参照図である。
【0085】
第1ポンプ330は、貯蔵タンク310の内部にポンピング力を提供するために、貯蔵タンク310の側部に連結されることもできる。基板処理液提供装置120が基板処理装置110内に設置される場合、基板処理液提供装置120は、ガントリーユニット230の側面に取付けられるように設置されることができる。基板処理液提供装置120がこのように設置される場合、貯蔵タンク310は、図6に示すように、幅方向(第1方向10または、第2方向20)より長手方向(第3方向)30で大きい値を有するように形成されることができる。すなわち、貯蔵タンク310の高さHが貯蔵タンク310の幅Wより大きい値を有することができる(H>W)。
【0086】
本実施形態において、貯蔵タンク310は、図6に示すように直六面体形状を有することができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。貯蔵タンク310は、円柱、多角柱などの柱形状を有したり、円錐、三角錐などの錐形状を有したり、または、球形状を有することも可能である。図6は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第1例示図である。
【0087】
貯蔵タンク310が前記のような構造を有する場合、第1ポンプ330は、基板処理液の攪拌流動性を増加させるために、貯蔵タンク310の側面に対して傾斜して連結されることができる(0°<θ<90°)。この場合、第1ポンプ330は、図7に示すように上向きに傾斜して連結されることができ、図8に示すように下向きに傾斜して連結されることも可能である。図7は、本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理液提供装置の内部構造を概略的に示す第2例示図であり、図8は、本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理液提供装置の内部構造を概略的に示す第3例示図である。
【0088】
一方、第1ポンプ330は、貯蔵タンク310の上端部に連結されて貯蔵タンク310の内部上面からその下の方向へポンピング力を提供することも可能である。
【0089】
第1ポンプ330は、貯蔵タンク310内の基板処理液の自己循環および攪拌のために、マグネチックポンプで設けられることができる。例えば、第1ポンプ330は、磁気浮上の方式で作動する磁気浮上ポンプで設けられることができる。第1ポンプ330がこのように設けられると、基板処理液提供装置120は、駆動軸に固定されているインペラ攪拌機や磁石攪拌機の物理的割れ現象などの問題を解消する効果を得ることができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。第1ポンプ330は、磁気浮上方式のマグネチックポンプの他に別の方式で作動するポンプで設けられることも可能である。例えば、第1ポンプ330は、機械的エネルギーを圧力エネルギーに変換して適用できる油圧ポンプで設けられることができる。
【0090】
基板処理液提供装置120は、複数のポンプを含むことができる。ここで、複数のポンプは同じ機能を行うことができるが(例えば、第1ポンプ330と同じく基板処理液を攪拌させる役割ができるが)、互いに異なる機能を行うことも可能である。以下では複数のポンプが互いに異なる機能を行う場合について説明することにする。
【0091】
図9は、本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する基板処理液提供装置の内部構造を概略的に示す第4例示図である。図9によれば、基板処理液提供装置120は、貯蔵タンク310、圧力制御モジュール320、第1ポンプ330、および第2ポンプ340を含んで構成されることができる。
【0092】
貯蔵タンク310および圧力制御モジュール320については、前に図2を参照して説明し、第1ポンプ330については前に図4ないし図8を参照して説明したところ、ここではその詳しい説明を省略する。
【0093】
第2ポンプ340は、貯蔵タンク310とインクジェットヘッドユニット240の間で基板処理液を循環させるためにポンピングの役割をするものである。貯蔵タンク310に貯蔵されている基板処理液は、図10に示すように、第2ポンプ340の制御によりインクジェットヘッドユニット240に移動し、インクジェットヘッドユニット240は基板処理液を基板G上に吐出して基板Gが処理されるようにできる。このとき、一部の基板処理液は、インクジェットヘッドユニット240を介して基板G上に吐出されず残ることがあるが、このように残った基板処理液は、第2ポンプ340の制御により再び貯蔵タンク310に移動することができる。したがって、第2ポンプ340は、前記のような作動により、貯蔵タンク310とインクジェットヘッドユニット240の間で基板処理液を循環させる役割がすることができる。図10は、基板処理液提供装置を構成する第2ポンプの役割を説明するための参照図である。
【0094】
第2ポンプ340は、基板処理液を循環させる役割をするために貯蔵タンク310の一面に連結されることができる。この場合、第1ポンプ330と第2ポンプ340は、貯蔵タンク310の同じ面にそれぞれ連結されることができるが、貯蔵タンク310の互いに異なる面にそれぞれ連結されることも可能である。図9の例示は、第1ポンプ330と第2ポンプ340が貯蔵タンク310の同じ面、すなわち、貯蔵タンク310の下端部にそれぞれ連結される場合の例示である。
【0095】
第2ポンプ340は、貯蔵タンク310とインクジェットヘッドユニット240の間で基板処理液を循環させるために、第1ポンプ330よりさらに大きい圧力を貯蔵タンク310に提供することができる。また、第2ポンプ340は、第1ポンプ330より下部に配置されることができる。第1ポンプ330および第2ポンプ340により提供される圧力値や、第1ポンプ330と第2ポンプ340の間の配置構造は、本実施形態で必ずしも前記に限定されず、基板処理液提供装置120の形状や大きさ、構造などにより多様に変形できるのはもちろんである。
【0096】
ヘッド-リザーバーモジュール概念における設備(すなわち、本発明の場合のように基板処理液提供装置120とインクジェットヘッドユニット240を使用するインクジェット設備)では、ヘッド軸が動くとき、リザーバー内部の揺れが発生する。このとき、揺れを防止するために、リザーバーの内部に隔壁構造を適用すれば、内部体積を分割して揺れの程度を減少させることができ、揺れ回復の時間を短縮させることができる。
【0097】
しかし、このような揺れの抑制および回復構造は、リザーバー内部の攪拌流動を妨げる要素でもある。本発明は、トレードオフ(Trade Off)関係にある二つの要素を最適化して、攪拌流動が妨げられないながらも揺れを抑制し、揺れ回復の時間を短縮できる隔壁構造を提供することを特徴とする。
【0098】
図11は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第2例示図である。図11によれば、貯蔵タンク310は、ハウジング510とその内部に設置される複数の隔壁520を含んで構成されることができる。
【0099】
ハウジング510は、貯蔵タンク310の本体を構成するものであって、その内部に空いた空間が形成され、前記空間に基板処理液を貯蔵することができる。ハウジング510は、前に説明したとおり、直六面体形状を有することができ、その他に円柱、多角柱などの柱形状を有するか、円錐、三角錐など錐形状を有するか、または、球形状を有することも可能である。
【0100】
隔壁520は、ハウジング510の内部空間を分割する役割をすることができる。隔壁520は、ハウジング510の内部空間に単数個または複数個配置されることができ、その一端部がハウジング510の蓋部に結合されて設置されることができる。複数の隔壁520がハウジング510の内部空間に配置される場合、複数の隔壁520は一定間隔(例えば、1mm~5mm)を置いて配置されることができ、等間隔に配置されることができる。
【0101】
隔壁520は、ハウジング510の内側一端部と他端部にそれぞれ接するように長く形成できる。例えば、隔壁520は、図11に示すように、ハウジング510の内側上端部と下端部にそれぞれ接するように形成されることができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。隔壁520は、図12に示すように、ハウジング510の両側部にそれぞれ接するように形成されることも可能であり、図13に示すようにハウジング510の内側上端部との側面にそれぞれ接するように形成されるか、図14に示すようにハウジング510の内側下端部との側面にそれぞれ接するように形成されることも可能である。図12は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第3例示図であり、図13は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第4例示図であり、図14は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第5例示図である。
【0102】
一方、隔壁520は、ハウジング510の内側一端部に接して他端部には接しないように形成されることも可能であり、例えば複数の隔壁520は、図3に示すように、ジグザグ形状でハウジング510の内部に配置されることができる。
【0103】
隔壁520には、基板処理液のハウジング510内の流動および攪拌を考慮して複数の穿孔ホール530が形成されることができる。穿孔ホール530は、図15に示すように隔壁520の一部分に形成されるが、隔壁520の全面にわたって形成されることもできる。図15は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第1例示図である。
【0104】
本実施形態において、基板処理液提供装置120は、揺れを防止してインクジェットヘッドユニット240から流入するバブルを除去するために、貯蔵タンク310の内部に穿孔隔壁構造を含むことができる。このような穿孔隔壁構造は、所定の大きさ(例えば、0.5~2mm)を有するホールやスリットタイプが一定の間隔で配置されて形成されることができる。前記でホールは、円形や正多角形状を有することができ、スリットは楕円形や直多角形状を有することができる。スリットは、楕円形ホールや直多角形ホールを介して設けられることもできる。
【0105】
穿孔隔壁構造は、単一型、交差型、複合型など多様な構造が貯蔵タンク310の形状に合わせて適用することができる。ここで、交差型は、図11ないし図14を参照して説明した単一型のうち、少なくとも二つの単一型が混合された場合をいい、例えば隔壁520a,520bが、図16および図17に示すように、交差するように配置される場合をいう。そして、複合型は、単一型と交差型が混合された場合であって、複数の隔壁520中に一部は交差型で設けられ、その他残りは単一型で設けられる場合をいう。一方、図11ないし図14を参照して説明した単一型のうち、少なくとも二つの単一型が混合されても、複数の隔壁520は互いに交差しないように形成されることもできる。図16は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第6例示図であり、図17は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンクの内部構造を概略的に示す第7例示図である。
【0106】
一方、穿孔隔壁構造の材質は、金属、テフロン(登録商標)樹脂系などインクによって多様化されることができる。
【0107】
穿孔隔壁構造は、互いにトレードオフ(Trade Off)関係にある揺れ防止および回復速度-循環攪拌条件で最適の条件を適用することができる。穿孔ホール530が形成された隔壁520の大きさは、貯蔵タンク310の内径や面積の大きさに応じて変わることができ、隔壁520の高さは、流入口と排出口の間で決定することができる。前記で、流入口は、貯蔵タンク310とインクジェットヘッドユニット240の間で循環する基板処理液が貯蔵タンク310に流入する部分、すなわち、リザーバーの自己循環流入チューブをいい、排出口は、基板処理液が貯蔵タンク310から排出される部分、すなわち下部循環出口チューブをいう。
【0108】
例えば、穿孔ホール530が形成された隔壁520は、図18に示すように、貯蔵タンク310の内側上端部から流入口540が位置する部分まで形成されることができ、図19に示すように、貯蔵タンク310の内側上端部から排出口550が位置する部分まで形成されることもできる。または、穿孔ホール530が形成された隔壁520は、図20に示すように、流入口540と排出口550の間の部分まで形成されることもできる。図18は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第2例示図であり、図19は基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第3例示図であり、図20は基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第4例示図である。
【0109】
一方、隔壁520の高さは、流入口540と排出口550の間で決定されず、下部ヘッド供給チューブ側から決定されることも可能である。例えば、穿孔ホール530が形成された隔壁520は、図21に示すように、貯蔵タンク310の内側上端部から流入口540が位置する部分より高く形成されることができる。図21は、基板処理液提供装置を構成する貯蔵タンク内に設置される隔壁の構造を説明するための第5例示図である。
【0110】
前に説明したが、隔壁520には複数の穿孔ホール530が形成されるが、図15に示すように、穿孔ホール530が所定の大きさのマージン領域(Margin Region)560を置いて隔壁520の一部分に形成されることができる。ここで、穿孔ホール530が形成されないマージン領域560の大きさSは、貯蔵タンク310に満たされる基板処理液の量によって変わり得る。すなわち、基板処理液が貯蔵タンク310の内部空間に50%程度満たされる場合、穿孔ホール530は隔壁520の下端部から高さ方向30に50%水準まで形成されることができ、基板処理液が貯蔵タンク310の内部空間に80%程度満たされる場合、穿孔ホール530は隔壁520の下端部から高さ方向30に80%水準まで形成されることができる。
【0111】
貯蔵タンク310に満たされる基板処理液の量に関係なく、隔壁520全体に穿孔ホール530が形成されることも可能である。しかし、貯蔵タンク310内で平常時に基板処理液に浸からない穿孔ホール530が存在することになると、該当ホールに詰まった基板処理液が汚染される問題が発生し得る。したがって、本実施形態では、穿孔ホール530全てが平常時に基板処理液に浸ることができるように、貯蔵タンク310に満たされる基板処理液の量を考慮して、隔壁520でのマージン領域560の大きさを決めることができる。
【0112】
一方、貯蔵タンク310とその内部の穿孔隔壁のサイズは限定されず、攪拌と揺れ防止および回復の側面で最適の条件を適用することを基本とする。
【0113】
インクジェットヘッドユニット240に基板処理液を供給する基板処理液提供装置120は、インクジェット設備のX軸とY軸のうちどちらか一つの軸に固定されてプリンティング中に速度/加速度環境に置かれる。前記プリンティング環境で、貯蔵タンク310の内部に充填されているインクの揺れは、インクジェットヘッドのメニスカス不均衡を引き起こし得、これによる揺れの安定化待期時間の遅延は、総工程時間の遅延に影響を与え得る。また、インクジェットプリンティング工程中にヘッド吐出後に生じる空いた空間から引き起こされたバブル流入は、管路内で成長してヘッド詰まりを誘発し得る。
【0114】
本発明は、スリットタイプの揺れ回復構造および循環攪拌構造を有するインク供給装置、すなわち、基板処理液提供装置120に関するもので、前記基板処理液提供装置120は、ヘッド軸の移動にともなう揺れに対する抑制/回復構造を有することができる。
【0115】
また、基板処理液提供装置120は、攪拌のために自己ポンプ循環システムを含んだサプライリザーバーモジュール内部のバブルトラップ機能を有する揺れ回復構造を有することができ、揺れの回復と内部攪拌の流動性の確保の相関関係において、最適構造を有する穿孔スリットが適用されたサプライリザーバーとして設けられることができる。
【0116】
また、基板処理液提供装置120は、インクタンク、回転用インペラ、インペラを回転させる電磁石、電磁石に電源を供給する電場ボックス、水位計測センサ、揺れ防止および揺れ回復構造を含むことができ、リザーバー内部の隔壁を介して体積分割をして内部インクの揺れを抑制するか揺れ回復の時間を短縮することができる。また、基板処理液提供装置120は、内部インクの揺れを抑制しながら攪拌流動を阻害しない構造を有するために、穿孔あるいはスリットを限定された大きさで配置する構造を有することができる。
【0117】
次に、貯蔵タンク310、第1ポンプ330および第2ポンプ340を含む基板処理液提供装置120とインクジェットヘッドユニット240を用いて基板を処理する方法について概略的に説明する。
【0118】
図22は、本発明の一実施形態による基板処理システムの基板処理方法を順に示すフローチャートである。以下、説明は図22を参照する。
【0119】
外部に別途に設けられたタンクから貯蔵タンク310に基板処理液が供給されると、第1ポンプ330を作動させて貯蔵タンク310内の基板処理液を攪拌させる(S610)。
【0120】
その後、工程処理ユニット210の第1ステージ211上に処理対象基板Gが配置されると、第2ポンプ340を作動させて基板処理液が貯蔵タンク310とインクジェットヘッドユニット240を循環するようにする(S620)。
【0121】
その後、基板処理液が貯蔵タンク310とインクジェットヘッドユニット240の間で循環するようになると、インクジェットヘッドユニット240は、貯蔵タンク310から提供される基板処理液を基板G上に吐出して基板Gが処理されるようにする(S630)。
【0122】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造されることができ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0123】
100 基板処理システム
110 基板処理装置
120 基板処理液提供装置
130 制御装置
210 工程処理ユニット
220 メンテナンスユニット
230 ガントリーユニット
240 インクジェットヘッドユニット
310 貯蔵タンク
320 圧力制御モジュール
330 第1ポンプ
340 第2ポンプ
410 ポンピング力
420 基板処理液
510 ハウジング
520 隔壁
530 穿孔
540 流入口
550 排出口。
図1
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図22