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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099342
(43)【公開日】2023-07-12
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230705BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20230705BHJP
   H01L 21/683 20060101ALN20230705BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H05H1/46 R
H05H1/46 M
H01L21/68 R
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211393
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0192279
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アン,チャン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】グ,ジャ ミュン
(72)【発明者】
【氏名】ヨ,サン ムン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,テ フン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA05
2G084AA08
2G084BB02
2G084BB14
2G084CC05
2G084CC08
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD37
2G084DD38
2G084DD55
2G084DD66
2G084FF32
2G084HH15
2G084HH23
2G084HH24
5F004AA01
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB25
5F004BD03
5F004CA03
5F131AA02
5F131BA19
5F131CA06
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、内部空間を有するチャンバと、前記内部空間で基板を支持する支持ユニットと、上部から眺める時、前記支持ユニットの縁領域に配置されるリングユニットと、前記リングユニットと電気的に連結され、前記基板の縁領域のプラズマの流動または密度を調節するように構成されるインピーダンス制御ユニットと、及び前記リングユニット、そして、前記インピーダンス制御ユニットの間に配置されるフィルターユニットを含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する装置において、
内部空間を有するチャンバと、
前記内部空間で基板を支持する支持ユニットと、
上部から眺める時、前記支持ユニットの縁領域に配置されるリングユニットと、
前記リングユニットと電気的に連結され、前記基板の縁領域のプラズマの流動または密度を調節するように構成されるインピーダンス制御ユニットと、及び
前記リングユニット、そして、前記インピーダンス制御ユニットの間に配置されるフィルターユニットを含む基板処理装置。
【請求項2】
前記フィルターユニット、そして、前記インピーダンス制御ユニットを電気的に連結させるケーブルをさらに含む請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記フィルターユニットは、
前記インピーダンス制御ユニットが発生させる高調波が前記リングユニットに伝達されることをフィルタリングするように構成される請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記フィルターユニットは、
前記インピーダンス制御ユニットが発生させる高調波のうちで第3調波が前記リングユニットに伝達されることをフィルタリングするように構成される請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記フィルターユニットは、
収容空間を有するハウジングと、及び
前記収容空間に提供され、前記高調波をフィルタリングするフィルターを含む請求項3または請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ハウジングには、
前記内部空間で発生する熱を排出する少なくとも一つ以上の放熱ホールが形成される請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記インピーダンス制御ユニットは、
前記リングユニットでアールエフ信号を伝達するアールエフ電源と、及び
前記リングユニットの上側で発生する前記プラズマの流動または密度を制御するための可変コンデンサを有するインピーダンス制御回路を含む請求項1乃至請求項4のうちで何れか一つに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記リングユニットは、
前記基板の縁領域の下及び/または前記基板の縁領域外周に配置されるように構成されるエッジリングと、及び
前記エッジリングの下に配置されるカップリングリングを含み、
前記インピーダンス制御ユニットは、
前記カップリングリングと電気的に連結される請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記カップリングリングは、
前記インピーダンス制御ユニットと電気的に連結されるリング電極と、及び
前記リング電極を取り囲むように構成され、絶縁素材で提供される絶縁胴体を含む請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
プラズマを利用して基板を処理する装置において、
内部空間を有するチャンバと、
前記内部空間で基板を支持する支持ユニットと、
前記内部空間でプラズマを発生させる電源ユニットと、
前記基板に伝達される前記プラズマの流動または密度を調節する伝導性コンポーネントと、
前記伝導性コンポーネントと電気的に連結されて前記基板に伝達される前記プラズマの流動または密度を調節するためのインピーダンスを調節するインピーダンス制御ユニットと、及び
前記インピーダンス制御ユニット、そして、前記伝導性コンポーネントの間に配置されるフィルターユニットを含む基板処理装置。
【請求項11】
前記インピーダンス制御ユニットは、
前記伝導性コンポーネントにアールエフ信号を伝達するアールエフ電源と、及び
前記基板に伝達される前記プラズマの密度を調節するためのインピーダンス制御回路を含む請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記フィルターユニットは、
前記アールエフ電源が伝達する前記アールエフ信号の定数倍の周波数を有する信号をフィルタリングするように構成される請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記フィルターユニットは、
前記アールエフ電源が伝達する前記アールエフ信号の3倍の周波数を有する信号をフィルタリングするように構成される請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記フィルターユニット、そして、前記インピーダンス制御ユニットを電気的に連結させるアールエフケーブルをさらに含む請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記フィルターユニットは、
収容空間を有するハウジングと、及び
前記収容空間に提供され、前記インピーダンス制御ユニットが発生させる高調波が前記伝導性コンポーネントに伝達されることをフィルタリングするフィルターを含む請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記ハウジングには、
前記フィルターが発生させる熱を外部に排出する少なくとも一つ以上の放熱ホールが形成される請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記支持ユニットの縁領域に配置され、前記伝導性コンポーネントを有するリングユニットをさらに含む請求項10乃至請求項16のうちで何れか一つに記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記リングユニットは、
上部から眺める時、前記基板の縁領域または前記基板の縁領域の外周を取り囲むように構成されるエッジリングを含み、
前記伝導性コンポーネントは、
リング形状を有するが、前記エッジリングより下に配置される請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
基板を処理する方法において、
チャンバが有する内部空間に工程ガスを供給し、工程ガスを励起してプラズマを発生させて前記基板を処理するが、
前記基板の縁領域の下に配置されたリングユニットと電気的に連結されたインピーダンス制御ユニットの可変コンデンサを調節して前記基板に伝達されるプラズマの密度または流動を調節し、
前記インピーダンス制御ユニットと前記リングユニットとの間に配置されたフィルターは前記インピーダンス制御ユニットが発生させる高調波が前記リングユニットに伝達されることをフィルタリングする基板処理方法。
【請求項20】
前記フィルターと前記インピーダンス制御ユニットはアールエフケーブルによってお互いに連結されるが、前記フィルターがフィルタリングする前記高調波は前記インピーダンス制御ユニットが発生させるアールエフ信号が有する3倍の周波数を有する請求項19に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造するために、基板をフォトリソグラフィー、蝕刻、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、そして、洗浄など多様な工程を遂行して基板上に所望のパターンを形成する。このうち蝕刻工程は基板上に形成された膜のうちで選択された加熱領域を除去する工程で湿式蝕刻と乾式蝕刻が使用される。このうち乾式蝕刻のためにプラズマを利用した蝕刻装置が使用される。プラズマはイオンや電子、ラジカルなどでなされたイオン化されたガス状態を言う。プラズマは非常に高い温度や、強い高周波電子系(RF Electromagnetic Fields)によって生成される。高周波電子系はお互いに対向される電極ら(複数の電極のこと。以下においては部材等の名詞+「ら」は、複数の部材等のことを示す。)のうちで何れか一つでアールエフジェネレーター(RF Generator)がアールエフ電圧を印加する。アールエフジェネレーターが印加するアールエフパワーはチャンバ内の空間に供給された工程ガスを励起させてプラズマを発生させる。
【0003】
一方、ウェハーなどの基板上に形成された膜を均一に除去するためには基板上にプラズマを均一に伝達することが重要である。すなわち、基板上部のプラズマ密度を均一に調節することが必要である。このために、チャンバ内のプラズマ密度を調節することができる伝導性コンポーネント(例えば、基板の縁領域の下に配置されるカップリングリング)にインピーダンス制御ユニットがアールエフ信号を伝達して基板上部のプラズマ密度を制御する。また、インピーダンス制御ユニットは可変コンデンサを含んで、可変コンデンサのキャパシタンスの調節によってプラズマ密度は制御される。
【0004】
しかし、この場合インピーダンス制御ユニットが発生させることができる高調波(Harmonics)成分が伝導性コンポーネントを通じてチャンバ内のプラズマ密度に影響を及ぼすことがある。すなわち、高調波成分によって基板に対する処理均一度が悪くなることがある。また、インピーダンス制御ユニットとカップリングリングをお互いに電気的に連結するケーブルは、工程が進行されることによって劣化によってそのインピーダンスが変化することがある。変化されたケーブルのインピーダンスによって基板に対する処理均一度が悪くなることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2020-0135114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、基板を効率的に処理することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0007】
また、本発明はプラズマによる基板処理均一性を改善することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0008】
また、本発明は、基板処理装置らの間の基板処理程度をマッチングさせることができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0009】
また、本発明はケーブルのインピーダンスが変化しても基板に対する処理均一度を改善することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを一目的とする。
【0010】
本発明が解決しようとする課題が前述した課題に限定されるものではなくて、言及されない課題らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基板処理装置を提供する。基板処理装置は、内部空間を有するチャンバと、前記内部空間で基板を支持する支持ユニットと、上部から眺める時、前記支持ユニットの縁領域に配置されるリングユニットと、前記リングユニットと電気的に連結され、前記基板の縁領域のプラズマの流動または密度を調節できるように構成されるインピーダンス制御ユニットと、及び前記リングユニット、そして、前記インピーダンス制御ユニットの間に配置されるフィルターユニットを含むことができる。
【0012】
一実施例によれば、前記フィルターユニット、そして、前記インピーダンス制御ユニットを電気的に連結させるケーブルをさらに含むことができる。
【0013】
一実施例によれば、前記フィルターユニットは、前記インピーダンス制御ユニットが発生させる高調波が前記リングユニットに伝達されることをフィルタリングするように構成されることができる。
【0014】
一実施例によれば、前記フィルターユニットは、前記インピーダンス制御ユニットが発生させる高調波のうちで第3調波が前記リングユニットに伝達されることをフィルタリングするように構成されることができる。
【0015】
一実施例によれば、前記フィルターユニットは、収容空間を有するハウジングと、及び前記収容空間に提供され、前記高調波をフィルタリングするフィルターを含むことができる。
【0016】
一実施例によれば、前記ハウジングには、前記内部空間で発生する熱を排出する少なくとも一つ以上の放熱ホールが形成されることができる。
【0017】
一実施例によれば、前記インピーダンス制御ユニットは、前記リングユニットにアールエフ信号を伝達するアールエフ電源と、及び前記リングユニットの上側で発生する前記プラズマの流動または密度を制御するための可変コンデンサを有するインピーダンス制御回路を含むことができる。
【0018】
一実施例によれば、前記リングユニットは、前記基板の縁領域の下及び/または前記基板の縁領域外周に配置されるように構成されるエッジリングと、及び前記エッジリングの下に配置されるカップリングリングを含み、前記インピーダンス制御ユニットは、前記カップリングリングと電気的に連結されることができる。
【0019】
一実施例によれば、前記カップリングリングは、前記インピーダンス制御ユニットと電気的に連結されるリング電極と、及び前記リング電極を取り囲むように構成され、絶縁素材で提供される絶縁胴体を含むことができる。
【0020】
また、本発明はプラズマを利用して基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、内部空間を有するチャンバと、前記内部空間で基板を支持する支持ユニットと、前記内部空間でプラズマを発生させる電源ユニットと、前記基板に伝達される前記プラズマの流動または密度を調節する伝導性コンポーネントと、前記伝導性コンポーネントと電気的に連結されて前記基板に伝達される前記プラズマの流動または密度を調節するためのインピーダンスを調節するインピーダンス制御ユニットと、及び前記インピーダンス制御ユニット、そして、前記伝導性コンポーネントの間に配置されるフィルターユニットを含むことができる。
【0021】
一実施例によれば、前記インピーダンス制御ユニットは、前記伝導性コンポーネントにアールエフ信号を伝達するアールエフ電源と、及び前記基板に伝達される前記プラズマの密度を調節するためのインピーダンス制御回路を含むことができる。
【0022】
一実施例によれば、前記フィルターユニットは、前記アールエフ電源が伝達する前記アールエフ信号の定数倍の周波数を有する信号をフィルタリングするように構成されることができる。
【0023】
一実施例によれば、前記フィルターユニットは、前記アールエフ電源が伝達する前記アールエフ信号の3倍の周波数を有する信号をフィルタリングするように構成されることができる。
【0024】
一実施例によれば、前記フィルターユニット、そして、前記インピーダンス制御ユニットを電気的に連結させるアールエフケーブルをさらに含むことができる。
【0025】
一実施例によれば、前記フィルターユニットは、収容空間を有するハウジングと、及び前記収容空間に提供され、前記インピーダンス制御ユニットが発生させる高調波が前記伝導性コンポーネントに伝達されることをフィルタリングするフィルターを含むことができる。
【0026】
一実施例によれば、前記ハウジングには、前記フィルターが発生させる熱を外部に排出する少なくとも一つ以上の放熱ホールが形成されることができる。
【0027】
一実施例によれば、前記支持ユニットの縁領域に配置され、前記伝導性コンポーネントを有するリングユニットをさらに含むことができる。
【0028】
一実施例によれば、前記リングユニットは、上部から眺める時、前記基板の縁領域または前記基板の縁領域の外周を取り囲むように構成されるエッジリングを含み、前記伝導性コンポーネントは、リング形状を有するが、前記エッジリングより下に配置されることができる。
【0029】
また、本発明は、基板を処理する方法を提供する。基板処理方法は、チャンバが有する内部空間に工程ガスを供給し、工程ガスを励起してプラズマを発生させて前記基板を処理するが、前記基板の縁領域の下に配置されたリングユニットと電気的に連結されたインピーダンス制御ユニットの可変コンデンサを調節して前記基板に伝達されるプラズマの密度または流動を調節し、前記インピーダンス制御ユニットと前記リングユニットとの間に配置されたフィルターは前記インピーダンス制御ユニットが発生させる高調波が前記リングユニットに伝達されることをフィルタリングすることができる。
【0030】
一実施例によれば、前記フィルターと前記インピーダンス制御ユニットはアールエフケーブルによってお互いに連結されるが、前記フィルターがフィルタリングする前記高調波は前記インピーダンス制御ユニットが発生させるアールエフ信号が有する3倍の周波数を有することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施例によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0032】
また、本発明の一実施例によれば、プラズマによる基板処理均一性を改善することができる。
【0033】
また、本発明の一実施例によれば、基板処理装置らの間の基板処理程度をマッチングさせることができる。
【0034】
また、本発明の一実施例によれば、ケーブルのインピーダンスが変化しても基板に対する処理均一度を改善することができる。
【0035】
本発明の効果が前述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施例による基板処理装置の姿を見せてくれる図面である。
図2図1のインピーダンス制御ユニット及びフィルターユニットを概略的に示した図面である。
図3図2のフィルターユニットのハウジングを概略的に示した図面である。
図4図2のフィルターユニットのインピーダンス制御回路を概略的に示した図面である。
図5】本発明の一実施例によるフィルターユニットが設置されない場合ケーブルの劣化程度による基板処理程度を示したグラフである。
図6】本発明の一実施例によるフィルターユニットが設置された場合ケーブルの劣化程度による基板処理程度を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の他の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述される実施例を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、お互いに異なる多様な形態で具現されることができるし、単に、本実施例は本発明の開示が完全であるようにさせ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に知らせてくれるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0038】
仮に、定義されなくても、ここで使用されるすべての用語(技術、あるいは、科学用語らを含む)は、この発明が属した従来技術で普遍的技術によって一般に収容されることと等しい意味を有する。一般な辞書らによって定義された用語らは関連される技術、そして/あるいは、本出願の本文に意味するものと等しい意味を有することで解釈されることができるし、そして、ここで明確に定義された表現ではなくても概念化されるか、あるいは、過度に形式的に解釈されないであろう。
【0039】
本明細書で使用された用語は実施例らを説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使用される‘包含する'及び/または、この動詞の多様な活用型、例えば、‘包含'、‘包含する'、‘含み'、‘含んで'などは言及された組成、成分、構成要素、段階、動作及び/または素子は一つ以上の他の組成、成分、構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除しない。本明細書で‘及び/または'という用語は、羅列された構成らそれぞれまたは、これらの多様な組合を示す。
【0040】
第1、第2などの用語は多様な構成要素らを説明するのに使用されることができるが、前記構成要素らは前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま第1構成要素は第2構成要素で命名されることができるし、類似に第2構成要素も第1構成要素で命名されることができる。
【0041】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0042】
本明細書全体で使用される‘~部’及び‘~モジュール’は少なくとも一つの機能や動作を処理する単位として、例えば、ソフトウェア、FPGAまたはASICのようなハードウェア構成要素を意味することができる。ところが、‘~部’及び‘~モジュール’がソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。‘~部’及び‘~モジュール’はアドレシングすることができる保存媒体にあるように構成されることもできて、一つまたはその以上のプロセッサらを再生させるように構成されることもできる。
【0043】
一例として‘~部’及び‘~モジュール’は、ソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素ら、クラス構成要素ら及びタスク構成要素らのような構成要素らと、プロセスら、関数ら、速成ら、プロシージャら、サブルーチンら、プログラムコードのセグメントら、ドライバーら、ファームウエア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造ら、テーブルら、アレイら及び変数らを含むことができる。構成要素と‘~部’及び‘~モジュール’で提供する機能は複数の構成要素及び‘~部’及び‘~モジュール’らによって分離されて遂行されることもできて、他の追加的な構成要素と統合されることもできる。
【0044】
以下では、図1乃至図6を参照して本発明の実施例に対して説明する。
【0045】
図1は、本発明の一実施例による基板処理装置を概略的に示した図面である。
【0046】
図1を参照すれば、基板処理装置10はプラズマを利用して基板(W)を処理する。例えば、基板処理装置10は基板(W)に対して蝕刻工程を遂行することができる。基板処理装置10はチャンバ100、支持ユニット200、下部電極ユニットの一例)、ガス供給ユニット300、上部電極ユニット400、温度調節ユニット500、電源ユニット600、リングユニット700、高調波制御ユニット800、フィルターユニット(F)、そして、制御機900を含むことができる。
【0047】
チャンバ100は内部空間101を有することができる。内部空間101では基板(W)が処理されることができる。内部空間101ではプラズマによって基板(W)が処理されることができる。基板(W)はプラズマによって蝕刻されることができる。プラズマは基板(W)に伝達されて基板(W)上に形成された膜を蝕刻することができる。
【0048】
チャンバ100の内壁は耐プラズマ性が優秀な素材でコーティングされることができる。チャンバ100は接地されることができる。チャンバ100には基板(W)が搬入または搬出されることができる搬出入口(図示せず)が形成されることができる。搬出入口はドア(図示せず)によって選択的に開閉されることができる。基板(W)が処理される間には内部空間101が搬出入口によって閉鎖されることができる。また、基板(W)が処理される間には内部空間101が真空圧雰囲気を有することができる。
【0049】
チャンバ100の底には排気ホール102が形成されることができる。排気ホール102を通じて内部空間101の雰囲気は排気されることができる。排気ホール102は内部空間101に減圧を提供する排気ライン(VL)と連結されることができる。内部空間101に供給された工程ガス、プラズマ、工程副産物などは、排気ホール102と排気ライン(VL)を通じて基板処理装置10の外部に排気されることができる。また、排気ライン(VL)が提供する減圧によって内部空間101の圧力は調節されることができる。例えば、内部空間101の圧力は後述するガス供給ユニット300及び排気ライン(VL)が提供する減圧によって調節されることができる。内部空間101の圧力をさらに低めようとする場合排気ライン(VL)が提供する減圧を大きくするか、または、ガス供給ユニット300が供給する工程ガスの単位時間当り供給量を小さくすることができる。これと反対に、内部空間101の圧力をさらに高めようとする場合排気ライン(VL)が提供する減圧を小さくするか、または、ガス供給ユニット300が供給する工程ガスの単位時間当り供給量が大きくすることができる。
【0050】
支持ユニット200は基板(W)を支持することができる。支持ユニット200は内部空間101で基板(W)を支持することができる。支持ユニット200は内部空間101で電界を形成する対向電極のうちで何れか一つを有することができる。また、支持ユニット200は静電気力を利用して基板(W)を吸着固定することができる静電チャック(ESC)であることがある。
【0051】
支持ユニット200は誘電板210、静電電極220、ヒーター230、下部電極240、そして、絶縁板250を含むことができる。
【0052】
誘電板210は支持ユニット200の上部に提供されることができる。誘電板210は絶縁性素材で提供されることができる。例えば、誘電板210はセラミックス、または石英を含む素材で提供されることができる。誘電板210は基板(W)を支持する安着面を有することができる。誘電板210は上部から眺める時、その安着面が基板(W)の下面より小さな面積を有することができる。誘電板210に置かれた基板(W)の縁領域下面は後述するエッジリング710の上面と向い合うことができる。
【0053】
誘電板210には第1供給流路211が形成される。第1供給流路211は誘電板210の上面から底面まで延長されて形成されることができる。第1供給流路211はお互いに離隔して複数個形成され、基板(W)の底面に熱伝逹媒体が供給される通路で提供されることができる。例えば、第1供給流路211は後述する第1循環流路241及び第2供給流路243と流体連通することができる。
【0054】
また、誘電板210には、基板(W)を誘電板210に吸着させるための別途の電極(図示せず)が埋設されることができる。前記電極には直流電流が印加されることができる。印加された電流によって前記電極と基板との間には静電気力が作用し、静電気力によって基板(W)は誘電板210に吸着されることができる。
【0055】
静電電極220は静電気力を発生させて基板(W)をチャッキングすることができる。静電電極220は誘電板210内に提供されることができる。静電電極220は誘電板210内に埋設されることができる。静電電極220は静電電源221と電気的に連結されることができる。静電電源221は静電電極220で電力を印加して基板(W)を選択的にチャッキングすることができる。
【0056】
ヒーター230は外部電源(図示せず)と電気的に連結される。ヒーター230は外部電源から印加された電流に抵抗することで熱を発生させる。発生された熱は誘電板210を通じて基板(W)に伝達される。ヒーター230で発生された熱によって基板(W)は所定温度で維持される。ヒーター230は螺旋形状のコイルを含む。ヒーター230は均一な間隔で誘電板210に埋設されることができる。
【0057】
誘電板210の下部には下部電極240が位置する。下部電極240は内部空間101に電界を形成する電極であることができる。下部電極240は内部空間101に電界を形成する対向電極のうちで何れか一つであることができる。下部電極240は対向電極のうちで他のひとつである後述する上部電極420と向い合うように提供されることができる。下部電極240によって内部空間101に形成される電界は後述するガス供給ユニット300が供給する工程ガスを励起させ、プラズマを発生させることができる。下部電極240は誘電板210内に提供されることができる。
【0058】
下部電極240の上面は中心領域が縁領域より高く位置されるように段差になることがある。下部電極240の上面中心領域は誘電板210の底面に相応する面積を有して、誘電板210の底面と接着される。下部電極240には第1循環流路241、第2循環流路242、そして、第2供給流路243が形成されることができる。
【0059】
第1循環流路241は熱伝逹媒体が循環する通路で提供される。第1循環流路241には熱伝逹媒体が貯蔵部(GS)に貯蔵された熱伝逹媒体が媒体供給ライン(GL)を通じて供給されることができる。媒体供給ライン(GL)には媒体供給バルブ(GB)が設置されることができる。媒体供給バルブ(GB)のオン/オフまたは開放率の変化によって第1循環流路241には熱伝逹媒体が供給または第1循環流路241に供給される熱伝達媒体の単位時間当り供給流量を調節することができる。熱伝逹媒体はヘリウム(He)ガスを含むことができる。
【0060】
第1循環流路241は下部電極240内部に螺旋形状で形成されることができる。または、第1循環流路241はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。それぞれの第1循環流路241らはお互いに連通されることができる。第1循環流路241らは等しい高さに形成される。
【0061】
第2循環流路242は冷却流体が循環する通路で提供される。第2循環流路242には冷却流体貯蔵部(CS)に貯蔵された冷却流体が流体供給ライン(CL)を通じて供給されることができる。流体供給ライン(CL)には流体供給バルブ(CB)が設置されることができる。流体供給バルブ(CB)のオン/オフまたは開放率の変化によって第2循環流路242には冷却流体が供給または第2循環流路242に供給される冷却流体の単位時間当り供給流量を調節することができる。冷却流体は冷却水または冷却ガスであることができる。第2循環流路242に供給された冷却流体は下部電極240を所定の温度で冷却させることができる。所定の温度で冷却した下部電極240は誘電板210及び/または基板(W)の温度が所定の温度で維持されるようにできる。
【0062】
第2循環流路242は下部電極240内部に螺旋形状で形成されることができる。または、第2循環流路242はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。それぞれの第2循環流路242らはお互いに連通されることができる。第2循環流路242は第1循環流路241より大きい断面積を有することができる。第2循環流路242らは等しい高さに形成される。第2循環流路242は第1循環流路241の下部に位置されることができる。
【0063】
第2供給流路243は第1循環流路241から上部に延長され、下部電極240の上面に提供される。第2供給流路243は第1供給流路211に対応する個数で提供され、第1循環流路241と第1供給流路211をお互いに流体連通させることができる。
【0064】
下部電極240の下部には絶縁板250が提供される。絶縁板250は下部電極240に相応する大きさで提供される。絶縁板250は下部電極240とチャンバ100の底面との間に位置する。絶縁板250は絶縁材質で提供され、下部電極240とチャンバ100を電気的に絶縁させることができる。
【0065】
ガス供給ユニット300はチャンバ100に工程ガスを供給する。ガス供給ユニット300はガス貯蔵部310、ガス供給ライン320、そして、ガス流入ポート330を含む。ガス供給ライン320はガス貯蔵部310とガス流入ポート330を連結し、ガス貯蔵部310に貯蔵された工程ガスをガス流入ポート330に供給する。ガス流入ポート330は上部電極420に形成されたガス供給ホール422に設置されることができる。
【0066】
上部電極ユニット400は下部電極240と対向される上部電極420を有することができる。また、上部電極ユニット400には前述したガス供給ユニット300が連結されてガス供給ユニット300が供給する工程ガスの供給経路のうちで一部を提供することができる。上部電極ユニット400は支持胴体410、上部電極420、そして、分配板430を含むことができる。
【0067】
支持胴体410はチャンバ100に締結されることができる。支持胴体410は上部電極ユニット400の上部電極420及び分配板430が締結される胴体であることがある。支持胴体410は上部電極420及び分配板430がチャンバ100に設置されることができるようにする媒介体であることがある。
【0068】
上部電極420は下部電極240と対向される電極であることができる。上部電極420は下部電極240と向い合うように提供されることができる。上部電極420と下部電極240との間空間には電界が形成されることができる。形成された電界は内部空間101に供給される工程ガスを励起させてプラズマを発生させることができる。上部電極420は円盤形状で提供されることができる。上部電極420は上部板410aと下部板410bを含むことができる。上部電極420は接地されることができる。しかし、これに限定されるものではなくて、上部電極420にはRF電源(図示せず)が連結されてRF電圧を印加することができる。
【0069】
上部板412aの底面は中心領域が縁領域より高く位置するように段差になる。上部板420aの中心領域にはガス供給ホール422らが形成される。ガス供給ホール422らはガス流入ポート330と連結され、バッファー空間424に工程ガスを供給する。上部板410aの内部には冷却流路421が形成されることができる。冷却流路421は螺旋形状で形成されることができる。または、冷却流路421はお互いに相異な半径を有するリング形状の流路らが同一な中心を有するように配置されることができる。冷却流路421は後述する温度調節ユニット500が冷却流体を供給することができる。供給された冷却流体は冷却流路421に沿って循環し、上部板420aを冷却させることができる。
【0070】
下部板420bは上部板420aの下に位置する。下部板420bは上部板420aに相応する大きさで提供され、上部板420aと向い合って位置する。下部板410bの上面は中心領域が縁領域より低く位置するように段差になる。下部板420bの上面と上部板420aの底面はお互いに組合されてバッファー空間424を形成する。バッファー空間424はガス供給ホール422らを通じて供給されたガスがチャンバ100内部に供給される前に一時的にとどまる空間で提供される。下部板420bの中心領域にはガス供給ホール423らが形成される。ガス供給ホール423らは一定間隔で離隔されて複数個形成される。ガス供給ホール423らはバッファー空間424と連結される。
【0071】
分配板430は下部板420bの下部に位置する。分配板430は円盤形状で提供される。分配板430には分配ホール431らが形成される。分配ホール431らは分配板430の上面から下面に提供される。分配ホール431らはガス供給ホール423に対応する個数で提供され、ガス供給ホール423らが位置された支点に対応して位置される。バッファー空間424に泊まる工程ガスはガス供給ホール423と分配ホール431らを通じてチャンバ100内部で均一に供給される。
【0072】
温度調節ユニット500は上部電極420の温度を調節することができる。温度調節ユニット500は加熱部材511、加熱電源513、フィルター515、冷却流体供給部521、流体供給チャンネル523、そして、バルブ525を含むことができる。
【0073】
加熱部材511は下部板420bを加熱することができる。加熱部材511はヒーターであることができる。加熱部材511は抵抗性ヒーターであることができる。加熱部材511は下部板420bに埋設されることができる。加熱電源513は加熱部材511を発熱させるための電力を発生させることができる。加熱電源513は加熱部材511を発熱させて下部板420bを加熱することができる。加熱電源513は直流電源であることができる。フィルター515は後述する電源ユニット600が印加するアールエフ電圧(電力)が加熱電源513に伝達されることを遮断することができる。
【0074】
冷却流体供給部521は上部板520aを冷却するための冷却流体を貯蔵することができる。冷却流体供給部521は流体供給チャンネル523を通じて冷却流路421に冷却流体を供給することができる。冷却流路421に供給された冷却流体は冷却流路421に沿って流れながら上部板420aの温度を低めることができる。また、流体供給チャンネル523には流体バルブ525が設置されて冷却流体供給部521の冷却流体如何、または冷却流体の単位時間当り供給量を制御することができる。流体バルブ525はオン/オフバルブであるか、または、流量調節バルブであることができる。
【0075】
電源ユニット600は下部電極240にアールエフ(RF、Radio Frequency)電圧を印加することができる。電源ユニット600は下部電極240にアールエフ電圧を印加して内部空間101に電界を形成することができる。内部空間101に形成された電界は内部空間101に供給された工程ガスを励起させてプラズマを発生させることができる。電源ユニット600は第1電源610、第2電源620、第3電源630、そして、整合部材640を含むことができる。
【0076】
第1電源610は第1周波数を有する電圧を下部電極240に印加することができる。第1電源610が発生させる電圧が有する第1周波数は、後述する第2電源620及び第3電源630が発生させる電圧が有する後述する第2周波数及び第3周波数よりさらに高い周波数であることができる。第1電源610は内部空間101でプラズマを発生させるソースアールエフ(Source RF)であることがある。第1周波数は60MHzであることがある。
【0077】
第1電源610は第1周波数を有する第1持続電圧、または、第1周波数を有する第1パルス電圧を下部電極240に印加するように構成されることができる。第1持続電圧はCW(Continuous wave)RFであることがある。また、第1パルス電圧はPulsed RFであることがある。
【0078】
第2電源620は第2周波数を有する電圧を下部電極240に印加することができる。第2電源620が発生させる電圧が有する第2周波数は、前述した第1電源610が発生させる電圧の第1周波数より小さく、第3電源630が発生させる電圧の第3周波数より大きくなることがある。第2電源620は第1電源610とともに内部空間101でプラズマを発生させるソースアールエフ(Source RF)であることがある。第2周波数は2MHz乃至9.8MHzであることがある。
【0079】
第2電源620は第2周波数を有する第2持続電圧、または、第2周波数を有する第2パルス電圧を下部電極240に印加するように構成されることができる。第2持続電圧はCW(Continuous wave)RFであることがある。また、第2パルス電圧はPulsed RFであることがある。
【0080】
第3電源630は第3周波数を有する電圧を下部電極240に印加することができる。第3電源630が発生させる電圧が有する第3周波数は、前述した第1電源610が発生させる電圧の第1周波数及び第2電源620が発生させる第2周波数より小さいことがある。第2電源620は第1電源610とともに内部空間101でプラズマのイオンらを加速させることに活用されるバイアスアールエフ(Bias RF)であることがある。第3周波数は400kHzであることがある。
【0081】
第3電源630は第3周波数を有する第3持続電圧、または、第3周波数を有する第3パルス電圧を下部電極240に印加できるように構成されることができる。第3持続電圧はCW(Continuous wave)RFであることがある。また、第3パルス電圧はPulsed RFであることがある。
【0082】
整合部材640はインピーダンスマッチングを遂行することができる。整合部材640は第1電源610、第2電源620、そして、第3電源630と連結され、第1電源610、第2電源620、そして、第3電源630が下部電極240で印加する電圧に対してインピーダンスマッチングを遂行することができる。
【0083】
リングユニット700は支持ユニット200の縁領域に配置されることができる。リングユニット700はエッジリング710、絶縁胴体720、そして、カップリングリング730を含むことができる。
【0084】
エッジリング710は基板(W)の縁領域の下に配置されることができる。エッジリング710の少なくとも一部は基板(W)の縁領域の下に配置されるように構成されることができる。エッジリング710は全体的にリング形状を有することができる。エッジリング710は上部から眺める時、一部分が基板(W)の縁領域と重畳され、他の一部分が基板(W)の外周を取り囲むように構成されることができる。エッジリング710の上面は、内側上面、外側上面、傾斜上面を含むことができる。内側上面は基板(W)の中心領域と隣接した上面であることができる。外側上面は内側上面より基板(W)の中心領域と遠い上面であることができる。傾斜上面は内側上面と外側上面の間に提供される上面であることができる。傾斜上面は基板(W)の中心から遠くなる方向に上向き傾いた上面であることができる。エッジリング710はプラズマが形成される領域の中心に基板(W)が位置するように電場形成領域を拡張させることができる。エッジリング710はフォーカスリングであることができる。エッジリング710はSi、またはSiCを含む素材で提供されることができる。
【0085】
絶縁胴体720は上部から眺める時エッジリング710を取り囲むように構成されることができる。絶縁胴体720は絶縁素材で提供されることができる。絶縁胴体720は石英、またはセラミックスのような絶縁素材を含むように提供されることができる。
【0086】
カップリングリング730には電気ライン(EL)が連結されることができる。電気ライン(EL)は後述するフィルターユニット(F)と連結されることができる。フィルターユニット(F)はRFケーブル(CA)を媒介でインピーダンス制御ユニット800と連結されることができる。すなわち、カップリングリング730は電気ライン(EL)及びRFケーブル(CA)を媒介でインピーダンス制御ユニット800と連結されることができる。
【0087】
カップリングリング730はエッジリング710及び絶縁胴体720の下に配置されることができる。カップリングリング730はエッジリング710、絶縁胴体720、下部電極240、そして、誘電板210によって取り囲まれることができる。カップリングリング730はリング胴体731及びリング電極732、伝導性コンポーネントの一例)を含むことができる。リング胴体731は絶縁性素材で提供されることができる。例えば、リング胴体731は石英、またはセラミックスのような絶縁素材で提供されることができる。リング胴体731はリング電極732をくるむように構成されることができる。リング電極732は導電性素材、例えばメタルを含む素材で提供されることができる。
【0088】
制御機900は基板処理装置10を制御することができる。制御機900は基板処理装置10が有する構成らを制御することができる。制御機900は後述する高調波制御方法を遂行できるように基板処理装置10を制御することができる。
【0089】
制御機900は基板処理装置10の制御を実行するマイクロプロセッサー(コンピューター)でなされるプロセスコントローラーと、オペレーターが基板処理装置10を管理するためにコマンド入力操作などを行うキーボードや、基板処理装置の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどでなされるユーザーインターフェースと、基板処理装置10で実行される処理をプロセスコントローラーの制御で実行するための制御プログラムや、各種データ及び処理条件によって各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわち、処理レシピが記憶された記憶部を具備することができる。また、ユーザーインターフェース及び記憶部はプロセスコントローラーに接続されていることがある。処理レシピは記憶部のうちで記憶媒体に記憶されていることがあって、記憶媒体は、ハードディスクでも良く、CD-ROM、DVDなどの可搬性ディスクや、フラッシュメモリーなどの半導体メモリーであることもある。
【0090】
図2は、図1のインピーダンス制御ユニット及びフィルターユニットを概略的に示した図面である。図2を参照すれば、本発明の一実施例によるインピーダンス制御ユニット800はインピーダンス制御回路810、そして、アールエフ電源820を含むことができる。また、インピーダンス制御ユニット800はRFケーブル(CA)を媒介でフィルターユニット(F)とお互いに電気的に連結されることができる。また、フィルターユニット(F)は電気ライン(EL)を媒介でカップリングリング730のリング電極732と電気的に連結されることができる。すなわち、インピーダンス制御ユニット800はリングユニット700と電気的に連結されることができる。
【0091】
インピーダンス制御ユニット800のアールエフ電源820はリング電極732でアールエフ信号(アールエフ電圧)を印加することができる。アールエフ電源820は、例えば、60MHzのアールエフ電圧をリング電極732に印加することができる。アールエフ電源820が印加する電圧の強さまたは電圧の周波数によって基板(W)の縁領域の上部のプラズマの密度は制御されることができる。例えば、アールエフ電源820が印加する電圧の強さが強くなるか、または、周波数が高くなる場合プラズマの密度はさらに高くなることができる。
【0092】
また、インピーダンス制御ユニット800はインピーダンス制御回路810を有することができる。インピーダンス制御回路810は可変コンデンサを含むことができる。可変コンデンサのキャパシタンスが調節されると、エッジリング710の上端電圧が調節されることができる。エッジリング710の上端電圧が調節されると、基板(W)の縁領域でプラズマが有するイオンの入射角が調節されることができる。すなわち、プラズマの流動が調節されることができる。プラズマのイオンの入射角はエッジリング710の上端電位と基板(W)上端の電位差によって決定されることができるが、基板(W)上端の電位は電源ユニット600が印加するアールエフ電圧によって決定されることができる。インピーダンス制御回路810はエッジリング710の上端の電位を調節して基板(W)縁領域でのプラズマイオンの入射角を調節することができる。すなわち、インピーダンス制御ユニット800はリングユニット700と電気的に連結され、支持ユニット200に支持された基板(W)の縁領域のプラズマの流動またはプラズマの密度を調節することができるように構成されることができる。
【0093】
フィルターユニット(F)はインピーダンス制御ユニット800が発生させることができる高調波(Harmonics)成分がリングユニット700のリング電極732に伝達されることを遮断することができる。フィルターユニット(F)はインピーダンス制御ユニット800のアールエフ電源820が伝達するアールエフ信号の定数倍の周波数を有する信号をフィルタリングするように構成されることができる。フィルターユニット(F)はアールエフ電源820が伝達するアールエフ信号の3倍の周波数を有する信号、すなわち、インピーダンス制御ユニット800が発生させることができる高調波成分らのうちで第3調波をフィルタリングすることができるように構成されることができる。例えば、インピーダンス制御ユニット800のアールエフ電源820が発生させる信号が60MHzの周波数を有する場合、インピーダンス制御ユニット800は180MHzの周波数を有する高調波をフィルタリングすることができるように構成されることができる。
【0094】
フィルターユニット(F)は収容空間を有するハウジング(HU)及びハウジング(HU)の収容空間に提供されるフィルター(C)を含むことができる。ハウジング(HU)には図3に示されたように少なくとも一つ以上の放熱ホール(HO)が形成されることができる。放熱ホール(HO)は複数個が形成されることができる。フィルター(C)によって高調波がフィルタリングされる場合、フィルター(C)は熱を発生させることができるが、放熱ホール(HO)はフィルター(C)が発生させる熱を外部に排出するように助けることができる。また、ハウジング(HU)はフィルター(C)を外部から保護する役割を遂行することができる。
【0095】
また、フィルターユニット(F)のフィルター(C)は帯域通過フィルター(Band Pass Filter)、帯域遮断フィルター(Band Reject Filter)、低域通過フィルター(Low Pass Filter)、低域遮断フィルター(Low Reject Filter)、高域通過フィルター(High Pass Filter)、高域遮断フィルター(High Reject Filter)のうちで少なくとも一つ以上のフィルターが組合されて提供されることができる。フィルター(C)はインピーダンス制御ユニット800が発生させることができる高調波成分をフィルタリングすることができる遮断帯域を有することができる。フィルター(C)は図4に示されたように、インダクターと可変コンデンサで構成される回路であることができるし、インピーダンス制御ユニット800が発生させることができる60MHzの定数倍である第n調波(第2調波の場合120MHz、第3調波の場合180MHz)を接地で除去することができるように構成されることができる。すなわち、フィルター(C)はインピーダンス制御ユニット800が発生させる高調波が伝導性コンポーネントであるリング電極732に伝達されることをフィルタリングすることができる。また、フィルター(C)は第2調波、そして、第3調波のうちで少なくとも一つ以上の高調波成分をフィルタリングすることができるように構成されることができる。例えば、フィルター(C)は第2調波をフィルタリング、または第3調波をフィルタリング、または第2調波及び第3調波をフィルタリングするように構成されることもできる。第4調波以上の高調波成分の場合プラズマの密度または流動に及ぶ影響が非常に小さいことがあるためである。
【0096】
すなわち、本発明の一実施例によるフィルターユニット(F)が提供されることによって、インピーダンス制御ユニット800が発生させることができる高調波成分がリング電極732に伝達されることをフィルタリングして、プラズマの密度または流動を制御することに影響を及ぼすことを最小化することができる。これに、基板(W)に対する処理均一度が悪くなる問題を最小化することができる。
【0097】
また、前で説明したところのように基板(W)に対するプラズマ処理工程が進行されることによってCoaxialケーブルである、RFケーブル(CA)は劣化によってインピーダンスが変化する。一般に、RFケーブル(CA)に対するインピーダンスとは、180MHz(60MHzの第3調波)の周波数でRFケーブル(CA)のリアクタンスを指称することができる。前で説明したところのように第4調波以上の高調波はプラズマの密度または流動に及ぶ影響が少ないためである。
【0098】
以下の表1は、本願発明のフィルターユニット(F)が設置されない場合、RFケーブル(CA)の第3調波(180MHz)の周波数でのインピーダンス(より詳細には、リアクタンス)、そして、本願発明のフィルターユニット(F)が設置された場合RFケーブル(CA)及びフィルター(C)の第3調波(180MHz)の周波数でのインピーダンス(より詳細には、リアクタンス)をお互いに比べた表である。
【0099】
【表1】
【0100】
フィルターユニット(F)が設置されない場合、RFケーブル(CA)らは劣化された程度によってインピーダンスがお互いに相異なことがある。例えば、複数の基板処理装置10が提供され、基板処理装置10らのうちで何れか一つに設置されたRFケーブル(CA)のインピーダンスが112 Ohmであり、基板処理装置10らのうちで他の一つに設置されたRFケーブル(CA)のインピーダンスは311 Ohmであることがあって、基板処理装置10らのうちでまた他の一つに設置されたRFケーブル(CA)のインピーダンスは470 Ohmであることがある。この場合、基板処理装置10らの間のエッチングレート(Etch Rate)は、図5に示されたようにお互いの間に差が発生することがある。図5でX軸は、基板(W)の中心からの距離を示して、Y軸は基板(W)上の膜に対するエッチングレートを示す。PAはインピーダンスが112OhmであるRFケーブル(CA)が設置された基板処理装置10でのエッチングレートを示して、PBはインピーダンスが311 OhmであるRFケーブル(CA)が設置された基板処理装置10でのエッチングレートを示して、PCはインピーダンスが470 OhmであるRFケーブル(CA)が設置された基板処理装置10でのエッチングレートを示して、フィルターユニット(F)が設置された場合、RFケーブル(CA)らは劣化された程度によってインピーダンスが異なるようになっても、リング電極732から眺めたフィルター(C)+RFケーブル(CA)の間の偏差は非常に小さいことがある。これは第3調波成分が除去されるためである。例えば、複数の基板処理装置10が提供され、基板処理装置10らのうちで何れか一つに設置されたRFケーブル(CA)+フィルター(C)のインピーダンスが55.08 Ohmであり、基板処理装置10らのうちで他の一つに設置されたRFケーブル(CA)+フィルター(C)のインピーダンスは55.43 Ohmであることがあって、基板処理装置10らのうちでまた他の一つに設置されたRFケーブル(CA)+フィルター(C)のインピーダンスは55.18 Ohmであることがある。この場合、基板処理装置10らの間のエッチングレート(Etch Rate)は図6に示されたように差が非常に小さくなることがある。図6でX軸は、基板(W)の中心からの距離を示して、Y軸は基板(W)上の膜に対するエッチングレートを示す。RAはインピーダンスが112 OhmであるRFケーブル(CA)+フィルター(C)が設置された基板処理装置10でのエッチングレートを示して、RBはインピーダンスが311 OhmであるRFケーブル(CA)+フィルター(C)が設置された基板処理装置10でのエッチングレートを示して、RCはインピーダンスが470 OhmであるRFケーブル(CA)+フィルター(C)がこの設置された基板処理装置10でのエッチングレートを示すことができる。すなわち、フィルター(C)が設置されることによって、RFケーブル(CA)が劣化された程度が基板処理装置10らごとにお互いに異なると言っても、基板処理装置10らの間のエッチングレートに偏差が発生することを最小化することができる。
【0101】
本発明の一実施例による基板処理方法は、制御機900が基板処理装置10が有する構成らを制御することによって具現されることができる。基板処理方法は、チャンバ100が有する内部空間101でガス供給ユニット300が工程ガスを供給する段階、工程ガスを励起してプラズマを発生させて基板(W)を処理する段階を含むことができる。
【0102】
この時、基板(W)の縁領域の下に配置されたリングユニット700と電気的に連結されたインピーダンス制御ユニット800の可変コンデンサを調節して基板(W)に伝達されるプラズマの密度または流動を調節して、インピーダンス制御ユニット800とリングユニット700との間に配置されたフィルターユニット(F)はインピーダンス制御ユニット800が発生させる高調波がリングユニット700のリング電極732に伝達されることをフィルタリングすることができる。
【0103】
また、フィルター(C)とインピーダンス制御ユニット800はRFケーブル(CA)によってお互いに電気的に連結されるが、フィルター(C)がフィルタリングする高調波はインピーダンス制御ユニット800が発生させるアールエフ信号が有する3倍の周波数を有することができる。
【0104】
前述した例では伝導性コンポーネントがリングユニット700のリング電極732であることを例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、伝導性コンポーネントは基板(W)に伝達されるプラズマの流動または密度を調節することに利用されることができる多様な構成で変形されることができる。
【0105】
以上の実施例らは本発明の理解を助けるために提示されたものであり、本発明の範囲を制限しないし、これから多様な変形可能な実施例なども本発明の範囲に属するものであることを理解しなければならない。本発明で提供される図面は、本発明の最適の実施例を示したことに過ぎない。本発明の技術的保護範囲は特許請求範囲の技術的思想によって決まらなければならないはずであるし、本発明の技術的保護範囲は特許請求範囲の文言的記載その自体に限定されるものではなく、実質的には技術的価値が均等な範疇の発明まで及ぶものであることを理解しなければならない。
【符号の説明】
【0106】
100 チャンバ
101 内部空間
102 排気ホール
VL 排気ライン
200 下部電極ユニット
210 誘電板
211 第1供給流路
220 静電電極
221 静電電源
230 ヒーター
240 下部電極
241 第1循環流路
242 第2循環流路
243 第2供給流路
250 絶縁板
260 リング部材
270 絶縁胴体
280 カップリングリング
GS 熱伝逹媒体貯蔵部
GL 媒体供給ライン
GB 媒体供給バルブ
CS 冷却流体貯蔵部
CL 流体供給ライン
CB 流体供給バルブ
300 ガス供給ユニット
310 ガス貯蔵部
320 ガス供給ライン
330 ガス流入ポート
400 上部電極ユニット
410 支持胴体
420 上部電極
420a 上部板
420b 下部板
430 分配板
440 上部電力供給部
500 温度調節ユニット
511 加熱部材
513 加熱電源
515 フィルター
521 冷却流体供給部
523 流体供給チャンネル
525 流体バルブ
600 電源ユニット
610 第1電源
620 第2電源
630 第3電源
640 整合部材
800 インピーダンス制御ユニット
810 インピーダンス制御回路
820 アールエフ電源
F フィルターユニット
C フィルター
HU ハウジング
HO 放熱ホール
CA ケーブル
EL 電気ライン
900 制御機
図1
図2
図3
図4
図5
図6