(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099349
(43)【公開日】2023-07-12
(54)【発明の名称】心臓感知及びペーシングシステムにおける信号変換器をバイパスするための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/304 20210101AFI20230705BHJP
A61B 5/367 20210101ALI20230705BHJP
A61B 18/14 20060101ALN20230705BHJP
【FI】
A61B5/304
A61B5/367
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022211635
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】17/565,608
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】アロン・ボウメンディル
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127DD04
4C127EE03
4C127LL08
4C160KK47
(57)【要約】
【課題】スイッチングシステムを提供すること。
【解決手段】スイッチングシステムは、双方向信号搬送ラインに沿って、典型的には患者の心臓におけるカテーテル内の電極と外部コンソールとの間に配置される。スイッチングシステムは、患者の心臓にあるカテーテルの電極からスイッチユニットを介して外部コンソールに取得された心電信号を搬送する主ラインと、外部コンソールからカテーテルの電極に直接ペーシング信号を搬送するバイパスラインとの間で双方向信号搬送ラインをスイッチングすることを提供する。バイパスラインは、電極と外部コンソールとの間に中断されない電気的接続を提供し、したがって、スイッチユニットを回避する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者に対する心臓処置において使用するためのスイッチングシステムであって、
双方向ラインと通信するためのスイッチユニットであって、前記双方向ラインが、前記被験者の心臓における電極から外部コンソールに延在するように構成され、前記双方向ラインが、
取得された信号を含む信号を前記電極から前記外部コンソールに搬送するための、前記スイッチユニットを通って延在する主ラインと、
前記外部コンソールから前記電極にペーシング信号を含む信号を搬送するために前記スイッチユニットの外部に延在するバイパスラインと、
を備える、スイッチユニットと、
各々が前記スイッチユニットと通信する第1のスイッチ及び第2のスイッチであって、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの各々が、前記主ライン及び前記バイパスラインと通信し、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、1)前記主ラインが前記取得された信号を搬送するためにイネーブルにされ、前記バイパスラインがディセーブルにされている第1の状態と、2)前記バイパスラインが前記ペーシング信号を搬送するためにイネーブルにされ、前記主ラインがディセーブルにされている第2の状態との間で変更可能である、第1のスイッチ及び第2のスイッチと、を備える、スイッチングシステム。
【請求項2】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、前記第1の状態と前記第2の状態との間で共にスイッチングするように構成されている、請求項1に記載のスイッチングシステム。
【請求項3】
前記スイッチユニットは、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと通信する少なくとも1つのスイッチユニットプロセッサを備え、前記スイッチユニットプロセッサが、前記第1の状態と前記第2の状態との間で前記状態を変更するように、又は前記状態を前記第1の状態若しくは前記第2の状態に維持するように、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに信号を送るようにプログラムされている、請求項1に記載のスイッチングシステム。
【請求項4】
前記スイッチユニットが、更に、
前記スイッチユニットプロセッサと通信するセンサであって、少なくとも、前記外部コンソールに近接する前記双方向ライン上の検出されたペーシング信号の存在を感知し、前記検出されたペーシング信号を前記スイッチユニットプロセッサに示し、前記スイッチユニットプロセッサに、前記第1の状態と前記第2の状態との間で前記状態を変更するように、又は前記状態を前記第1の状態若しくは前記第2の状態に維持するように、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに信号を送らせるように構成されたセンサを備える、請求項3に記載のスイッチングシステム。
【請求項5】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、前記スイッチユニットを越えて前記双方向ラインに沿っている、請求項1に記載のスイッチングシステム。
【請求項6】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、各々、前記主ラインと前記バイパスラインとの接合部にある、請求項5に記載のスイッチングシステム。
【請求項7】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、双方とも、機械スイッチ又は固体スイッチのいずれかを備える、請求項1に記載のスイッチングシステム。
【請求項8】
前記スイッチユニットが、前記双方向ラインの前記主ラインと通信するデジタルアナログ信号変換器(DAC)を更に備える、請求項1に記載のスイッチングシステム。
【請求項9】
患者の心臓における電極と外部コンソールとの間の双方向ラインに沿って搬送される信号をスイッチングするための方法であって、
前記双方向ラインに沿ってスイッチングシステムを提供することであって、前記スイッチングシステムが、
前記双方向ラインと通信するためのスイッチユニットであって、前記双方向ラインが、前記患者の心臓における前記電極から前記外部コンソールに延在するように構成され、前記双方向ラインが、
取得された信号を含む信号を搬送するための、前記スイッチユニットを通って延在する主ラインと、
ペーシング信号を含む信号を搬送するために前記スイッチユニットの外部に延在するバイパスラインと、
を備える、スイッチユニットと、
各々が前記スイッチユニットと通信する第1のスイッチ及び第2のスイッチであって、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの各々が、前記主ライン及び前記バイパスラインと通信し、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、1)前記主ラインが前記取得された信号を搬送するためにイネーブルにされ、前記バイパスラインがディセーブルにされている第1の状態と、2)前記バイパスラインが前記ペーシング信号を搬送するためにイネーブルにされ、前記主ラインがディセーブルにされている第2の状態との間で変更可能である、第1のスイッチ及び第2のスイッチと、を備える、提供することと、
前記外部コンソールに近接する前記双方向ラインの一部に沿って少なくとも1つのペーシング信号を検出することと、
前記検出された少なくとも1つのペーシング信号に応答して、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの前記状態を前記第1の状態から前記第2の状態に変更することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記検出された少なくとも1つのペーシング信号に対する前記応答が、既存の状態が前記第2の状態である場合、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを前記第2の状態に維持することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのペーシング信号が所定の期間にわたって検出されなくなるまで、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが前記第2の状態に維持される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのペーシング信号が少なくとも所定の期間にわたって検出されないとき、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの前記状態が前記第2の状態から前記第1の状態に変更される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのペーシング信号を検出することが、少なくとも1つのセンサによるものである、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサの少なくとも一部が、前記外部コンソールに近接する前記双方向ライン部分と通信する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記検出された少なくとも1つのペーシング信号に対する前記応答が、前記少なくとも1つのペーシング信号が検出されたという少なくとも1つの信号を少なくとも1つのプロセッサが受信することを含み、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの前記状態を前記第1の状態から前記第2の状態に変更するように前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに信号を送る、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記外部コンソールに近接する前記双方向ライン部分に沿って前記少なくとも1つのペーシング信号を検出することが、前記双方向ライン部分を監視することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記監視が連続的である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが前記第1の状態と前記第2の状態との間で変更可能であることは、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、前記第1の状態と前記第2の状態との間で共にスイッチングすることを含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、心臓処置中の信号のためのスイッチングシステムに関し、特に、心臓処置中に取得された心電信号とペーシング信号との間でスイッチングするためのスイッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気生理学的(EP)感知処置などの心臓処置中に取得された心電信号は、患者の心臓の電極からシステムコンソールに送られ、そこで信号が記録され、分析され、表示される。信号は、電極から取得された又は「生の」デジタル信号を受け取り、それらをアナログ信号に変換する、デジタルアナログ変換器(DAC)を含むスイッチングシステムを介して送られてもよい。スイッチングシステムはまた、フィルタリング及び増幅などの他の機能を実行してもよい。この操作は、コンソールが限られた数の取得信号しか受け入れないように設計されているという従来の課題を克服する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の主題は、対応する又は同様の参照符号又は文字が対応する又は同様の要素を示す図面と併せて、その例の以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【
図1】本開示の実施例に係る、患者によって使用される心臓EP感知、マッピング、ペーシング、及びアブレーションシステムの概略図である。
【
図2】本開示に係る、
図1の心臓システムを用いた例示的な使用におけるスイッチングシステムの図である。
【
図3A】
図1の心臓システムと共に使用される例示的なスイッチングシステムの図であり、取得された心電信号が患者からコンソールに送られている。
【
図3B】
図1の心臓システムと共に使用される例示的なスイッチングシステムの図であり、取得された心電信号が患者からコンソールに送られており、スイッチングシステムがペーシング信号を検出している。
【
図3C】
図1の心臓システムと共に使用される例示的なスイッチングシステムの図であり、ペーシング信号がコンソールから患者に送信されている。
【
図4】本開示の実施例に係る、
図2及び
図3A~
図3Cのスイッチングシステムによって実行される例示的な動作プロセスを概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
概説
本開示の主題は、ペーシングが正常に進行することを可能にしながら、短期間にわたって、例えば、同時に取得され、患者の心臓における電極からコンソールに渡される、多数の(及び絶えず増大する数の)信号を処理するためのスイッチングシステム及び方法を提供する。
【0005】
開示された主題は、(デジタルアナログ変換器(DAC)による)デジタルアナログ信号変換及び他の信号処理動作などの動作を実行するスイッチユニットを含むスイッチングシステムを提供する。スイッチングシステムは、双方向ラインとしても知られている双方向信号搬送ラインに沿って配置される。双方向ラインは、例えば、電極を含む心臓のカテーテルとコンソールとの間に延在する。双方向ラインは、スイッチユニットを通って延在する主ラインと、スイッチユニットの周りのバイパスラインとを含み、主ライン及びバイパスラインは、主ラインとバイパスラインとの接合部におけるスイッチによってイネーブル及びディセーブルにされる。コンソール内で生成されたペーシング信号は、スイッチユニットのDAC及び/又は他の信号プロセッサを通過することができず、したがって、状態を変更するスイッチによってイネーブルにされなければならないバイパスライン上を移動しなければならない。イネーブルにされたバイパスラインは、コンソールからカテーテルへの中断されない電気的接続を提供し、ペーシング信号の安全な動作を可能にする。
【0006】
システムの説明
図1は、電気活動を評価し、生存被験者(例えば、患者13)の心臓12に対してEP感知、ペーシング及びアブレーション処置を実行するためのシステム10の絵図である。システム10は、患者13の血管系を通じて、心臓12の腔又は血管構造内に操作者16によって経皮的に挿入されるカテーテル14を備える。典型的には医師である操作者16は、カテーテルの遠位先端部18を、心臓壁と接触させる。
【0007】
そして、電気活動マップは、例えば、米国特許第6,226,542号、及び同第6,301,496号、並びに同一出願人による米国特許第6,892,091号に開示されている方法に従って、準備されてもよい。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、CARTO(登録商標)3システムとして入手可能であり、これは、カリフォルニア州91765、ダイヤモンドバー、ダイヤモンドキャニオンロード、3333のBiosense Webster,Inc.から入手可能である。
【0008】
例えば、電気活動マップの評価によって異常であると判定された領域は、例えば、カテーテル内のワイヤを通って遠位先端部18の1つ以上の電極に高周波電流を流すことによってアブレーションされることができる。
【0009】
カテーテル14は、通常、ハンドル20を備え、操作者16がアブレーションを行うために所望によりカテーテルの遠位端の操縦、位置決定、及び方向決めを行うことを可能にする、好適な制御部をハンドル上に有している。操作者16を補助するため、カテーテル14の遠位部分には、コンソール24内に分布された位置決定プロセッサ22に信号を供給する位置センサ(図示せず)が収容されている。
【0010】
アブレーションエネルギー及び電気信号は、遠位先端部18又はその近くに配置されたアブレーション電極32を通って、ケーブル34を介して心臓12との間でコンソール24に伝達されることができる。同様にコンソール24に接続される、感知電極33は、一般に、カテーテル14の遠位部分内に配置され、ケーブル34への接続を有する。
【0011】
例えば感知電極33から取得された心電信号は、電極33からケーブル34を通過し、例えば患者インタフェースユニット(PIU)(図示せず)の適切なアナログデジタル変換器(ADC)によってデジタル化され、このPIUは電極33と通信し、ケーブル34に沿って、例えば電極33に近接して配置される。結果として生じるデジタル信号は、本明細書では、「取得された心電信号」、「取得された信号」、又は「生信号」と呼ばれ、これらの用語は、本明細書では互換的に使用される。デジタル信号は、スイッチングシステム100、スイッチユニット110、そしてコンソール24に供給される。スイッチユニット110において、取得されたデジタル信号は、通常、デジタルアナログ変換、フィルタリング、増幅、及び他のプロセスなどの変更を含む処理を受ける。
【0012】
更に、ペーシング信号及び様々な他の信号は、コンソール24からケーブル34(及びカテーテル14)及び電極32、33を通って、スイッチングシステム100を介して心臓12に伝達されてもよい。電極32、33の多数の構成が可能である。例えば、アブレーション電極32は、遠位先端部18に配置されてもよい。コンソール24は、通常、アブレーション信号を生成するための1つ以上のアブレーション電力発生器25を収容している。
【0013】
位置決定プロセッサ22は、カテーテル14の位置座標及び配向座標を測定する、システム10の位置決定システム26の要素である。一例では、位置決定システム26は、その近傍の所定の作業容積内に磁場を生成し、磁場生成コイル28を使用してカテーテル14においてこれらの磁場を感知することによってカテーテル14の位置及び配向を決定する磁気位置追跡装置を備え、例えば、米国特許出願公開第2007/0060832号に教示されているように、インピーダンス測定を含んでもよい。位置決定システム26は、上述した米国特許第7,536,218号で説明される、インピーダンス測定を使用する位置測定によって強化されてもよい。ワイヤ接続35は、コンソール24を身体表面の電極30に連結させる。
【0014】
上記のように、カテーテル14は、コンソール24に連結されており、これにより操作者16はカテーテル14の機能を観察及び調整することを可能にする。コンソール24は、適切な信号処理回路を有するコンピュータとすることができるプロセッサ24x(
図2)を含む。プロセッサ24xは、モニタ29を駆動するように結合されている。コンソール24内の信号処理回路は、通常、スイッチユニット110によって処理され、そこから送信される、受信された取得アナログ信号又は生アナログ信号を受信し、増幅し、フィルタリングし、デジタル化する。スイッチユニット110によって出力されたアナログ信号は、コンソール24及び位置決定システム26によって受信されて使用され、カテーテル14の位置及び配向を計算し、電極32、33からの電気信号を分析する。
【0015】
システム10によって自動的に、又は医師16によって手動で検出されるような、処置の異常又は心拍の停止などの処置中の時間に、医師16は、ペーシング信号の生成を開始しなければならない場合がある。ペーシング信号は、取得された信号と同じケーブル34によって表される双方向ライン200を介してコンソール24から心臓12に送信される。ペーシング信号は、医師16によって要求に応じて、例えば(医師16がコンソール24内でペーシング信号発生器24y(
図2)を起動することによって)トリガされる。この起動は、例えば、医師16が、ペーシング信号を起動するために、例えば、ペーシング信号発生器24yと通信するコンソール24(又はコンソール24と通信する装置)上のボタン又は他の同様の構造(図示せず)を押すことを含んでもよい。
【0016】
スイッチングシステムの説明
図2は、本開示の実施例に係る、スイッチングシステム100(破線ボックスによって表される)を示している。スイッチングシステム100は、双方向ラインとしても知られる双方向信号搬送ライン200に沿って配置されたスイッチユニット110を含む。双方向ライン200は、例えば、(患者13の心臓12と通信する)電極202から、外部コンソールとしても知られるコンソール24に延在する単一の物理的ラインである。電極202は、上記で詳述したもの(例えば、電極32、33)及びコンソール24を含む複数の電極の代表である。双方向ライン200は、スイッチユニット110を介して延在する主ライン120と、バイパスライン130とを含む。
【0017】
コンソール24は、主ライン120を含む双方向ライン200からの受信信号を受信して分析するための、オペレーションプロセッサとしても知られるプロセッサ24xを含む。コンソール24はまた、例えば、ペーシング信号発生器24yを含み、これは、通常、プロセッサ24xと通信し、医師16によって手動でトリガされてもよい。生成されたペーシング信号は、以下に詳述されるように、バイパスライン130を介して電極202への双方向ライン200に送信される。
【0018】
スイッチ206a、206bは、例えば、双方向ライン200に沿って、スイッチユニット110を越えて、主ライン120とバイパスライン130との接合部に配置される。スイッチ206a、206bは、それらの状態を一緒に、調和して、及び同時に、例えば、同時期に又は同時に同じ状態に変化させることによって動作するように構成されている。
【0019】
スイッチ206a、206bは、例えば、主ライン120がイネーブルにされ、アクティブ化され/アクティブであり、開放され、又は接続され(これらの用語は本明細書では互換的に使用される)、バイパスライン130がディセーブルにされ、非アクティブ化され又は切断される(これらの用語は本明細書では互換的に使用される)第1の状態と、バイパスライン130がイネーブルにされ、アクティブ化され/アクティブであり、開放され、又は接続され(これらの用語は本明細書では互換的に使用される)、主ライン120がディセーブルにされ、非アクティブ化され又は切断される(これらの用語は本明細書では互換的に使用される)第2の状態とを含む状態間で切り替わる。例えば、第1の状態は、スイッチ206a、206bのデフォルト状態であってもよい。
【0020】
スイッチ206a、206bが第1の状態にあるとき、主ライン120はイネーブルにされ、取得された信号は、スイッチユニット110を介して電極202からコンソール24に移動する。取得された信号は、通常、本明細書において詳述されるように、スイッチユニットにおいて処理される。主ライン120がイネーブルにされる間、バイパスライン130は、ディセーブルにされるか、さもなければ切断される。逆に、スイッチ206a、206bが第2の状態にあるとき、バイパスライン130は、イネーブルにされるか、又は他の方法で接続され、ペーシング信号をコンソール24から直接電極202に搬送し、したがってスイッチユニット110をバイパスする。主ライン120は、取得された信号又は生信号が双方向ライン200上を移動することから遮断されるように、ディセーブルにされるか、又は他の方法で切断される。
【0021】
スイッチ206a、206bは、機械スイッチ又は固体スイッチのいずれかであってもよい。機械スイッチは、各々、第1及び第2の状態に対応する位置の間を物理的に移動するか又は「トグル」することによって切り替わる。固体スイッチは、設定を電子的に変更するか又はリセットすることによって切り替わり、設定は、各々の第1及び第2の状態に対応する。
【0022】
スイッチユニット110は、スイッチユニットプロセッサとしても知られるプロセッサ210と、関連付けられた記憶媒体211と、デジタルアナログ変換器(DAC)212と、センサ214とを含み、これらの双方がプロセッサ210と通信する。プロセッサ210は、有線リンクを介してスイッチ206a、206bと通信する。スイッチユニット110は、スイッチユニット110が実行すべき信号処理に応じて、本明細書で説明する構成要素に加えて、デジタルアナログ変換後の信号をフィルタリング及び/又は増幅するためのフィルタ及び/又は増幅器などの他の構成要素を含んでもよい。
【0023】
プロセッサ210は、1つ以上のプロセッサを含み、マイクロコントローラ又は中央処理装置(CPU)であってもよい。プロセッサ210は、スイッチ206a、206bの状態を制御するようにプログラムされ、センサ214から受信した信号に応答して、適切なときにスイッチ206a、206bを切り替える。
【0024】
記憶装置/メモリ211(いくつかの例ではプロセッサ210の内部メモリである)は、プロセッサ210による実行のための機械実行可能命令を記憶する。記憶装置/メモリ211はまた、データの一時記憶のための記憶媒体を含む。記憶装置/メモリ211はまた、DAC212及びセンサ214の動作に関連付けられた機械実行可能命令を含む。
【0025】
DAC212は、双方向ライン200の主ライン120を介して電極202から受信された取得信号又は生信号などのデジタル信号をアナログ信号に変換する。ここで変換されたアナログ信号は、双方向ライン200の主ライン120を介してコンソール24に送信される。
【0026】
センサ214は、例えばアナログペーシング信号を検出する検出器を含む。検出器は、主ライン120に沿って、典型的にはコンソール24とスイッチユニット110との中間に、例えばコンソール24とスイッチ206bとの中間に配置される。センサ214及び検出器は、以下では集合的に「センサ」と呼ばれ、要素符号214によって表される。
【0027】
例えば、センサ214は、ペーシング信号について双方向ライン200の主ライン120を連続的に監視し、検出されたペーシング信号をプロセッサ210に瞬時に報告することによって動作する。プロセッサ210に報告され、プロセッサ210によって取得されるペーシング信号の検出は、スイッチ206a、206bが既に第2の状態にある場合に、バイパスライン130をイネーブルにするためにそれらの状態を第1の状態から第2の状態に変更する(切り替える)ように、又は代替的に、バイパスライン130をイネーブルに保つためにスイッチ206a、206bを第2の状態に維持するように、スイッチ206a、206bに信号を送ることによって、プロセッサ210が動作することを可能にする。
【0028】
例えば、ペーシング信号がスイッチングユニット110によってスイッチングシステム100において検出されると、スイッチングシステム100は、取得された信号又は生信号がスイッチユニット110を介して心臓12からコンソール24に移動する主ライン120を切断するか、又は他の方法でディセーブルにする。切断は、即時に、例えば、瞬時に行われ、その直後に、例えば、瞬時にスイッチングユニット110が続き、ペーシング信号が移動するバイパスライン130をイネーブルにするか、又は他の方法で接続する(開放する)。ペーシング信号は、コンソール24から心臓12の電極までバイパスライン130を介して直接移動する。今やイネーブルにされたバイパスライン130の結果として、ペーシング信号はバイパスし、したがって、スイッチユニット110を回避し、信号は、バイパスライン130を介して直接カテーテル14に進み、スイッチングユニット110を完全にバイパスする。
【0029】
システム動作
ここで、スイッチングシステム100の例示的な動作を示す、
図3A、
図3B、及び
図3Cに注目する。
【0030】
図3Aは、スイッチングシステム100の動作を示しており、取得された信号300は、電極202からコンソール24へ、スイッチユニット110を通り、双方向ライン200の主ライン120上を移動している。スイッチ206a、206bは、双方向ライン200の主ライン120がイネーブルにされて開放され、前述の信号300が流れることを可能にするように、第1の状態にある。取得された信号は、例えば、デジタル信号(電極202に近接する双方向ライン200部分に沿って電極202と関連付けられ通信するPIU(図示せず)のアナログデジタル変換器によって電極202から取得されるような)であるため、これらのデジタル信号は、DAC変換器212によって少なくともアナログ信号に変換されることによって、スイッチユニット110において処理される。
【0031】
図3Bでは、ペーシング信号生成及び伝送は、医師16によって開始又は起動されている(例えば、コンソール24上の、又はコンソール24と通信するデバイス上のボタンを押して、ペーシング信号発生器24yをアクティブ化する)。ペーシング信号302は、コンソール24内の発生器24yによって生成され、コンソール24内の送信器(図示せず)によって双方向ライン200を介して送信される。ペーシング信号302は、例えば、アナログ信号であり、コンソール24においてトリガされると、電極202を介して患者13に直ちに到達する(双方向ライン200内の中断されていない電気的接続を介して移動する)。この図では、ペーシング信号302は、センサ214によって検出される。センサ214は、双方向ライン200においてペーシング信号302が検出されたことをプロセッサ210に信号で送る。プロセッサ210は、スイッチ206a、206bに信号を送ることによって、これらの受信信号に応答して、第1の状態から第2の状態に切り替え、双方向ライン200のバイパスライン130をイネーブルにするか又は開放する。
【0032】
図3Cに示すように、バイパスライン130がイネーブルにされると、ペーシング信号302は、コンソール24から直接移動して電極202に到達し、スイッチユニット110をバイパスする。バイパスライン130へのスイッチングは、スイッチ206a、206bを切り替え、双方向ライン200の主ライン120をディセーブルにするか、又は他の方法で切断することを引き起こし、その結果、取得された信号は、双方向ライン200の主ライン120を通って流れることから遮断される。
【0033】
ペーシング信号302は、コンソール24によって生成され続け、センサ214によって検出されるため、センサ214は、ペーシング信号302の存在をプロセッサ210に知らせ続ける。それに応答して、スイッチ206a、206bは、第2の状態に維持され、バイパスライン130は、イネーブルにされて開放されたままであり、ペーシング信号がコンソール24から電極202に直接伝わることを可能にする。
【0034】
ペーシング信号302が、例えば、所定の時間量の間、センサ214によってもはや検出されなくなると、センサ214は、この状態をプロセッサ210に信号で送る。プロセッサ210は、例えば、
図3Aに示されるように、第2の状態から第1の状態に切り替えるようにスイッチ206a、206bに信号を送ることによって応答し、ここで、主ライン120は、再びイネーブルにされ、バイパスライン130は、ディセーブルにされるか又は切断される。
【0035】
図4は、スイッチングシステム100によって実行される例示的なプロセスのフロー図である。例示的なプロセスは、医師16によって手動でトリガされるか又は起動されると、ペーシング信号の即時送信を可能にする。ペーシング信号は、コンソール24において生成され、患者の心臓12のカテーテル14の電極202に送信される。ペーシング信号がもはや送信されなくなると、スイッチングシステム100は、ペーシング信号が検出される前の以前の状態に戻る。このプロセスでは、上述したように、スイッチングシステム100の要素が参照される。プロセスは、例えば、自動的にリアルタイムで実行され、手動のサブプロセスを含んでもよい。このプロセスは、所望される限り実行されてもよい。
【0036】
プロセスは、スイッチ206a、206bが、例えば、
図3Aに示されるように、ここではデフォルト状態でもある第1の状態にある、開始ブロック400で始まる。ここで、電極202に関連付けられたPIU(図示せず)のデジタルアナログ変換器は、(電極202によって取得された)取得信号を、スイッチユニット110を介して、双方向ライン200のイネーブルにされた主ライン120上でコンソール24に送信している。取得された信号は、スイッチユニット110に到達すると、例えば、DAC212によってアナログ信号に変換されることによって処理される。取得された信号の送信中、バイパスライン130は、ディセーブルにされ、切断される。
【0037】
プロセスは、ブロック402に移動し、ここで、センサ214は、コンソール24から送信されるペーシング信号に関して、コンソール24に近接する双方向ライン200を監視する。監視は、例えば連続的である。
【0038】
プロセスは、ブロック404に移動し、ここで、センサ214は、ペーシング信号が検出されるかどうかを判定する。NOの場合、センサ214は、例えば、プロセッサ210に信号を送らず、スイッチ206a、206bの状態は、第1の状態又はデフォルト状態に維持される。プロセスは、ブロック404に戻り、そこから再開する。
【0039】
しかしながら、ブロック404において、センサ214が、例えば、
図3Bに示されるように、例えば、コンソール24からスイッチユニット110に向かって進行している双方向ライン200内のペーシング信号を検出した場合、センサ214は、この情報をプロセッサ210に信号で送る。プロセッサ210は、ブロック406において、例えば、
図3Cに示されるように、状態を第1の状態から第2の状態に瞬時に変更する(切り替える)ようにスイッチ206a、206bに信号を送る。スイッチ206a、206bが現在第2の状態にある状態で、バイパスライン130は、直ちにイネーブルにされるか又は開放され、ペーシング信号は、スイッチユニット110を回避して、コンソール24から電極202に直接送信される。
【0040】
プロセスは、ブロック408に移動し、ここで、センサ214は、コンソール24から送信されるペーシング信号に関して、コンソール24に近接する双方向ライン200を監視する。監視は、例えば連続的である。
【0041】
プロセスは、ブロック410に進み、ペーシング信号がコンソール24から送信(及び生成)されているかどうかがセンサ214によって判定される。YESの場合、プロセスは、ブロック408に戻り、そこから再開する。第2の状態におけるスイッチ206a、206bの状態は維持される。
【0042】
ブロック410においてNOの場合、ペーシング信号は検出されておらず、プロセスは、ブロック412に移動する。ブロック412において、プロセッサ210は、ペーシング信号が所定の期間にわたって検出されていないかどうかを判定する。例えば、プロセッサ210は、ペーシング信号の検出を示すセンサ214からの信号を受信していなくてもよい。ブロック412においてNOの場合、期間は満了しておらず、プロセスは、ブロック410に移動し、そこからプロセスが再開する。
【0043】
ブロック412において、期間が満了した場合、プロセスは、ブロック414に移動し、プロセッサ210は、第2の状態から、例えばデフォルト状態である第1の状態に変更する(切り替える)ように、スイッチ206a、206bに信号を送る。このスイッチングは、ペーシング信号がもはや送信されていないため、スイッチングシステム100をその以前の状態又はデフォルト状態に戻し、例えば
図3Aに示すように、取得された信号を電極202からコンソール24にスイッチユニット110を介して搬送するために、主ライン120が再びイネーブルにされる。
【0044】
ブロック414から、プロセスは、ブロック416に移動し、そこで終了する。プロセスは、必要に応じて繰り返されてもよい。
【0045】
本明細書に記載の実施例は、主に心電信号及びペーシング信号ラインのスイッチングに対処するが、本明細書に記載の方法及びシステムはまた、他のスイッチング用途にも使用されることができる。
【0046】
前述の開示された主題は、例えば、コンピュータソフトウェア製品の形態であってもよい。製品は、例えば、プログラム命令が記憶された有形の非一時的コンピュータ可読媒体を含み、命令は、プロセッサ210によって読み取られると、プロセッサ210に、双方向ライン200内のバイパスライン130をイネーブルにして開放するために、スイッチ206a、206bに共に同じ状態に切り替わるように信号を送らせ、それにより、ペーシング信号は、医師16によって手動でトリガされるか、又は他の方法で起動されると、コンソール24から電極に直接、迅速且つ効率的に送信されてもよい。スイッチユニット110をバイパスすることは、スイッチユニット110におけるいかなる処理遅延も回避する。バイパスライン130がイネーブルにされるか又は開放されている間、取得された信号が電極202からコンソール24に移動する主ライン120はディセーブルにされ、切断される。
【実施例0047】
(実施例1)
被験者(13)に対する心臓処置において使用するためのスイッチングシステム(100)。スイッチングシステムは、双方向ライン(200)と通信するためのスイッチユニット(110)であって、双方向ライン(200)が、被験者(13)の心臓(12)における電極(202)から外部コンソール(24)に延在するように構成されている、スイッチユニットを備える。双方向ライン(200)は、取得された信号を含む信号を電極(202)から外部コンソール(24)に搬送するための、スイッチユニット(110)を通って延在する主ライン(120)と、外部コンソール(24)から電極(202)にペーシング信号を含む信号を搬送するためにスイッチユニット(110)の外部に延在するバイパスライン(130)と、を備える。スイッチングシステム(110)はまた、各々がスイッチユニット(110)と通信する第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)であって、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)の各々が、主ライン(120)及びバイパスライン(130)と通信し、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)が、1)主ライン(120)が取得された信号を搬送するためにイネーブルにされ、バイパスライン(130)がディセーブルにされている第1の状態と、2)バイパスライン(130)がペーシング信号を搬送するためにイネーブルにされ、主ライン(120)がディセーブルにされている第2の状態との間で変更可能である、第1のスイッチ及び第2のスイッチを備える。
【0048】
(実施例2)
第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)が、第1の状態と第2の状態との間で共にスイッチングするように構成されている、実施例1に記載のスイッチングシステム(100)。
【0049】
(実施例3)
スイッチユニット(110)が、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)と通信する少なくとも1つのスイッチユニットプロセッサ(210)を備え、スイッチユニットプロセッサ(210)が、第1の状態と第2の状態との間で状態を変更するように、又は状態を第1の状態若しくは第2の状態に維持するように、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)に信号を送るようにプログラムされている、実施例1又は2のいずれかに記載のスイッチングシステム(100)。
【0050】
(実施例4)
スイッチユニット(110)が、更に、スイッチユニットプロセッサ(210)と通信するセンサ(214)であって、少なくとも、外部コンソール(24)に近接する双方向ライン(200)上の検出されたペーシング信号の存在を感知し、検出されたペーシング信号をスイッチユニットプロセッサ(210)に示し、スイッチユニットプロセッサ(210)に、第1の状態と第2の状態との間で状態を変更するように、又は状態を第1の状態若しくは第2の状態に維持するように、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)に信号を送らせるように構成されたセンサ(214)を備える、実施例1から実施例3のいずれかに記載のスイッチングシステム(100)。
【0051】
(実施例5)
第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)が、スイッチユニット(110)を越えて双方向ライン(200)に沿っている、実施例1から実施例4のいずれかに記載のスイッチングシステム(100)。
【0052】
(実施例6)
第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)が、各々、主ライン(120)とバイパスライン(130)との接合部にある、実施例1から実施例5のいずれかに記載のスイッチングシステム(100)。
【0053】
(実施例7)
第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)が、双方とも、機械スイッチ又は固体スイッチのいずれかを備える、実施例1から実施例6のいずれかに記載のスイッチングシステム(100)。
【0054】
(実施例8)
スイッチユニット(110)が、双方向ライン(200)の主ライン(120)と通信するデジタルアナログ信号変換器(DAC)(212)を更に備える、実施例1から実施例7のいずれかに記載のスイッチングシステム(100)。
【0055】
(実施例9)
患者(13)の心臓(12)における電極(202)と外部コンソール(24)との間の双方向ライン(200)に沿って搬送される信号をスイッチングするための方法。本方法は、双方向ライン(200)に沿ってスイッチングシステム(100)を提供することを含む。スイッチングシステム(100)は、双方向ライン(200)と通信するためのスイッチユニット(110)であって、双方向ライン(200)が、患者(13)の心臓(12)における電極(202)から外部コンソール(24)に延在するように構成されている、スイッチユニットを備える。双方向ライン(200)は、取得された信号を含む信号を搬送するための、スイッチユニット(110)を通って延在する主ライン(120)と、ペーシング信号を含む信号を搬送するためにスイッチユニット(110)の外部に延在するバイパスライン(130)と、を備える。スイッチングシステム(100)はまた、各々がスイッチユニット(110)と通信する第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)であって、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)の各々が、主ライン(120)及びバイパスライン(130)と通信し、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)が、1)主ライン(120)が取得された信号を搬送するためにイネーブルにされ、バイパスライン(130)がディセーブルにされている第1の状態と、2)バイパスライン(130)がペーシング信号を搬送するためにイネーブルにされ、主ライン(120)がディセーブルにされている第2の状態との間で変更可能である、第1のスイッチ及び第2のスイッチを備える。本方法はまた、外部コンソール(24)に近接する双方向ライン(200)の一部に沿って少なくとも1つのペーシング信号を検出することと、検出された少なくとも1つのペーシング信号に応答して、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)の状態を第1の状態から第2の状態に変更することと、を含む。
【0056】
(実施例10)
検出された少なくとも1つのペーシング信号に対する応答が、既存の状態が第2の状態である場合、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)を第2の状態に維持することを含む、実施例9に記載の方法。
【0057】
(実施例11)
少なくとも1つのペーシング信号が所定の期間にわたって検出されなくなるまで、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)が第2の状態に維持される、実施例9又は実施例10に記載の方法。
【0058】
(実施例12)
少なくとも1つのペーシング信号が少なくとも所定の期間にわたって検出されないとき、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)の状態が第2の状態から第1の状態に変更される、実施例9から実施例11のいずれかに記載の方法。
【0059】
(実施例13)
少なくとも1つのペーシング信号を検出することが、少なくとも1つのセンサ(214)によるものである、実施例9から実施例12のいずれかに記載の方法。
【0060】
(実施例14)
少なくとも1つのセンサ(214)の少なくとも一部が、外部コンソール(24)に近接する双方向ライン(200)の部分と通信する、実施例9から実施例13のいずれかに記載の方法。
【0061】
(実施例15)
検出された少なくとも1つのペーシング信号に対する応答が、少なくとも1つのペーシング信号が検出されたという少なくとも1つの信号を少なくとも1つのプロセッサ(210)が受信することを含み、少なくとも1つのプロセッサ(210)が、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)の状態を第1の状態から第2の状態に変更するように第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)に信号を送る、実施例9から実施例14のいずれかに記載の方法。
【0062】
(実施例16)
外部コンソール(24)に近接する双方向ライン(200)の部分に沿って少なくとも1つのペーシング信号を検出することが、双方向ライン(200)の部分を監視することを含む、実施例9から実施例15のいずれかに記載の方法。
【0063】
(実施例17)
監視が連続的である、実施例9から実施例16のいずれかに記載の方法。
【0064】
(実施例18)
第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)が第1の状態と第2の状態との間で変更可能であることは、第1のスイッチ(206a)及び第2のスイッチ(206b)が、第1の状態と第2の状態との間で共にスイッチングすることを含む、実施例9から実施例17のいずれかに記載の方法。
【0065】
したがって、上述した実施例は、上記で特に示されて記載されたものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書の上記に記載されている様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの双方、並びに前述の記載を一読すると当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び変更例を含むものである。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の一部とみなすものとする。
【0066】
〔実施の態様〕
(1) 被験者に対する心臓処置において使用するためのスイッチングシステムであって、
双方向ラインと通信するためのスイッチユニットであって、前記双方向ラインが、前記被験者の心臓における電極から外部コンソールに延在するように構成され、前記双方向ラインが、
取得された信号を含む信号を前記電極から前記外部コンソールに搬送するための、前記スイッチユニットを通って延在する主ラインと、
前記外部コンソールから前記電極にペーシング信号を含む信号を搬送するために前記スイッチユニットの外部に延在するバイパスラインと、
を備える、スイッチユニットと、
各々が前記スイッチユニットと通信する第1のスイッチ及び第2のスイッチであって、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの各々が、前記主ライン及び前記バイパスラインと通信し、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、1)前記主ラインが前記取得された信号を搬送するためにイネーブルにされ、前記バイパスラインがディセーブルにされている第1の状態と、2)前記バイパスラインが前記ペーシング信号を搬送するためにイネーブルにされ、前記主ラインがディセーブルにされている第2の状態との間で変更可能である、第1のスイッチ及び第2のスイッチと、を備える、スイッチングシステム。
(2) 前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、前記第1の状態と前記第2の状態との間で共にスイッチングするように構成されている、実施態様1に記載のスイッチングシステム。
(3) 前記スイッチユニットは、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチと通信する少なくとも1つのスイッチユニットプロセッサを備え、前記スイッチユニットプロセッサが、前記第1の状態と前記第2の状態との間で前記状態を変更するように、又は前記状態を前記第1の状態若しくは前記第2の状態に維持するように、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに信号を送るようにプログラムされている、実施態様1に記載のスイッチングシステム。
(4) 前記スイッチユニットが、更に、
前記スイッチユニットプロセッサと通信するセンサであって、少なくとも、前記外部コンソールに近接する前記双方向ライン上の検出されたペーシング信号の存在を感知し、前記検出されたペーシング信号を前記スイッチユニットプロセッサに示し、前記スイッチユニットプロセッサに、前記第1の状態と前記第2の状態との間で前記状態を変更するように、又は前記状態を前記第1の状態若しくは前記第2の状態に維持するように、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに信号を送らせるように構成されたセンサを備える、実施態様3に記載のスイッチングシステム。
(5) 前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、前記スイッチユニットを越えて前記双方向ラインに沿っている、実施態様1に記載のスイッチングシステム。
【0067】
(6) 前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、各々、前記主ラインと前記バイパスラインとの接合部にある、実施態様5に記載のスイッチングシステム。
(7) 前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、双方とも、機械スイッチ又は固体スイッチのいずれかを備える、実施態様1に記載のスイッチングシステム。
(8) 前記スイッチユニットが、前記双方向ラインの前記主ラインと通信するデジタルアナログ信号変換器(DAC)を更に備える、実施態様1に記載のスイッチングシステム。
(9) 患者の心臓における電極と外部コンソールとの間の双方向ラインに沿って搬送される信号をスイッチングするための方法であって、
前記双方向ラインに沿ってスイッチングシステムを提供することであって、前記スイッチングシステムが、
前記双方向ラインと通信するためのスイッチユニットであって、前記双方向ラインが、前記患者の心臓における前記電極から前記外部コンソールに延在するように構成され、前記双方向ラインが、
取得された信号を含む信号を搬送するための、前記スイッチユニットを通って延在する主ラインと、
ペーシング信号を含む信号を搬送するために前記スイッチユニットの外部に延在するバイパスラインと、
を備える、スイッチユニットと、
各々が前記スイッチユニットと通信する第1のスイッチ及び第2のスイッチであって、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの各々が、前記主ライン及び前記バイパスラインと通信し、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、1)前記主ラインが前記取得された信号を搬送するためにイネーブルにされ、前記バイパスラインがディセーブルにされている第1の状態と、2)前記バイパスラインが前記ペーシング信号を搬送するためにイネーブルにされ、前記主ラインがディセーブルにされている第2の状態との間で変更可能である、第1のスイッチ及び第2のスイッチと、を備える、提供することと、
前記外部コンソールに近接する前記双方向ラインの一部に沿って少なくとも1つのペーシング信号を検出することと、
前記検出された少なくとも1つのペーシング信号に応答して、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの前記状態を前記第1の状態から前記第2の状態に変更することと、を含む、方法。
(10) 前記検出された少なくとも1つのペーシング信号に対する前記応答が、既存の状態が前記第2の状態である場合、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを前記第2の状態に維持することを含む、実施態様9に記載の方法。
【0068】
(11) 前記少なくとも1つのペーシング信号が所定の期間にわたって検出されなくなるまで、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが前記第2の状態に維持される、実施態様9に記載の方法。
(12) 前記少なくとも1つのペーシング信号が少なくとも所定の期間にわたって検出されないとき、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの前記状態が前記第2の状態から前記第1の状態に変更される、実施態様9に記載の方法。
(13) 前記少なくとも1つのペーシング信号を検出することが、少なくとも1つのセンサによるものである、実施態様9に記載の方法。
(14) 前記少なくとも1つのセンサの少なくとも一部が、前記外部コンソールに近接する前記双方向ライン部分と通信する、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記検出された少なくとも1つのペーシング信号に対する前記応答が、前記少なくとも1つのペーシング信号が検出されたという少なくとも1つの信号を少なくとも1つのプロセッサが受信することを含み、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの前記状態を前記第1の状態から前記第2の状態に変更するように前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに信号を送る、実施態様9に記載の方法。
【0069】
(16) 前記外部コンソールに近接する前記双方向ライン部分に沿って前記少なくとも1つのペーシング信号を検出することが、前記双方向ライン部分を監視することを含む、実施態様9に記載の方法。
(17) 前記監視が連続的である、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが前記第1の状態と前記第2の状態との間で変更可能であることは、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチが、前記第1の状態と前記第2の状態との間で共にスイッチングすることを含む、実施態様9に記載の方法。