(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099355
(43)【公開日】2023-07-12
(54)【発明の名称】バスケットカテーテルの製造におけるパッドへのリードのはんだ付け
(51)【国際特許分類】
B23K 1/00 20060101AFI20230705BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20230705BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20230705BHJP
B23K 1/06 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
B23K1/00 330D
H04R1/00 330Z
B23K26/00 B
B23K1/06 B
B23K26/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022211697
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】17/566,400
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】アタナシオス・パパイオアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジャスティン・ヘレラ
【テーマコード(参考)】
4E168
5D019
【Fターム(参考)】
4E168AA00
5D019FF06
(57)【要約】
【課題】はんだ付けするためのシステムを提供すること。
【解決手段】システムは、固定具と、レーザアセンブリと、位置決めアセンブリと、を含む。固定具は、(i)カテーテルの遠位端部アセンブリの基板と、(ii)基板上に配設された所与のはんだパッド上に配置されたリードと、を保持するように構成されており、レーザアセンブリは、レーザビームを放射するように構成されており、位置決めアセンブリは、基板及びリードとともに固定具をレーザアセンブリに対して移動させて、リードが所与のはんだパッドに取り付けられるべきはんだ付け位置をレーザビームのレーザスポットでマーキングするように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
(i)カテーテルの遠位端部アセンブリの基板と、(ii)前記基板上に配設された所与のはんだパッド上に配置されたリードと、を保持するように構成されている、固定具と、
レーザビームを放射するように構成されている、レーザアセンブリと、
前記基板及び前記リードとともに前記固定具を前記レーザアセンブリに対して移動させて、前記リードが前記所与のはんだパッドに取り付けられるべきはんだ付け位置を前記レーザビームのレーザスポットでマーキングするように構成されている、位置決めアセンブリと、を備える、システム。
【請求項2】
(i)前記カテーテルの遠位端部と近位端部との間で電気信号を伝導するために前記基板上に配設されている複数のはんだパッドのうちの前記所与のはんだパッドを識別するように、かつ(ii)前記はんだ付け位置をマーキングするために前記固定具を移動させるように前記位置決めアセンブリを制御するように構成されている、プロセッサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記はんだ付け位置において、前記リードを前記所与のはんだ付けパッドに取り付けるように構成されている、はんだ付けガンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記位置決めアセンブリが、前記はんだ付けガン及び前記レーザスポットを位置合わせするために、前記基板に対して少なくとも前記はんだ付けガンを移動させるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記はんだ付けガンが、超音波トランスデューサを備え、前記超音波トランスデューサが、前記はんだ付け位置に超音波信号を適用することによって、前記はんだ付け位置において、前記リードを前記所与のはんだ付けパッドに超音波で取り付けるように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
方法であって、
(i)カテーテルの遠位端部アセンブリの基板と、(ii)前記基板上に配設された所与のはんだパッド上に配置されたリードと、を保持することと、
前記基板に向けてレーザビームを放射することと、
前記基板及び前記リードを前記レーザビームに対して移動させて、前記リードが前記所与のはんだパッドに取り付けられるべきはんだ付け位置を前記レーザビームのレーザスポットでマーキングすることと、を含む、方法。
【請求項7】
前記基板及び前記リードを移動させることが、(i)前記カテーテルの遠位端部と近位端部との間で電気信号を伝導するために前記基板上に配設されている複数のはんだパッドのうちの前記所与のはんだパッドを識別することと、(ii)前記はんだ付け位置をマーキングするために前記基板を移動させることと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記はんだ付け位置において、前記リードを前記所与のはんだ付けパッドに取り付けることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記リードを前記所与のはんだ付けパッドに取り付けることが、前記取り付けを実行する少なくとも1つのはんだ付けガンを、前記はんだ付けガン及び前記レーザスポットを位置合わせするために、前記基板に対して移動させることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リードを前記所与のはんだ付けパッドに取り付けることが、前記はんだ付け位置に超音波信号を適用することを含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して医療装置に関し、具体的には、バルーンカテーテルを製造するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
拡張可能なカテーテルにおいてリードを溶接及び/又ははんだ付けするための様々な技術が公開されている。これらの技術のいくつかは、製造プロセスにおいて1つ又は2つ以上のレーザを使用する。
【0003】
以下の本開示の実施例の詳細な説明を図面と一緒に読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の一実施例による、カテーテルベースの位置追跡システム及びアブレーションシステムの概略描写図である。
【
図2A】本開示の一実施例による、
図1に提示されたシステムのカテーテルのスプラインの概略描写図である。
【
図2B】本開示の別の実施例による、カテーテルのスプラインの概略描写図である。
【
図3】本開示の一実施例による、リードをスプラインのはんだ付けパッドにはんだ付けするためのシステムの概略描写図である。
【
図4】本開示の一実施例による、リードをスプラインのはんだ付けパッドにはんだ付けするための方法を概略的に例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
概説
バスケットカテーテルなどの拡張可能なカテーテルは、典型的には、カテーテルの近位端部と遠位端部との間で信号を交換するために、それらのスプラインにおいて配設された電気接続部を有する。バスケットカテーテルの遠位端部は、100を超える接続部(例えば、各スプラインに対して約10を超える接続部)を備え得、各接続部は、互いにはんだ付けされる(又は別の技術を使用して取り付けられる)一対のリード及びはんだパッドを備える。リードは、American Wire Gauge(AWG)48に対応する約32μmの直径、又は任意の他の好適な形状及びサイズを有し得、スプラインのフットプリント内の10対のリード及びそれぞれのはんだパッドにわたるはんだ付けは、困難かつ時間のかかる作業であり、これはまた、2つ又はそれ以上の隣接する接続部間の電気的短絡をもたらすことがある。
【0006】
以下に記載される本開示の実施例は、改善されたはんだ付けシステム及び方法を使用してリードをそれぞれのはんだパッドにはんだ付けするための技術を提供する。
【0007】
いくつかの実施例では、はんだ付けするためのシステムは、(i)バスケットカテーテルの遠位端部アセンブリの基板(例えば、1つ又は2つ以上のスプライン)と、(ii)基板上に配設された所与のはんだパッド上に配置されているリードと、を保持するように構成されたはんだ付け固定具を備える。
【0008】
いくつかの実施例では、はんだパッドは、任意の隣接するパッド間の距離を増加させるようにスプラインに沿って配置され、したがって、はんだ付けプロセスを単純化し、それらの間の望ましくない電気的短絡の可能性を低減する。本実施例では、はんだパッドは、スプラインの長手方向軸に沿って延在する仮想対角線に沿って配設される。
【0009】
いくつかの実施例では、システムは、レーザアセンブリを備え、そのレーザアセンブリは、レーザビームを放射し、レーザビームをスプラインの基板に向けて方向付けるように構成されている。
【0010】
いくつかの実施例では、システムは、基板及びリードを保持するはんだ付け固定具をレーザアセンブリに対して移動させて、リード及び/又は所与のはんだパッド上に、リードが所与のはんだパッドに取り付けられるべきはんだ付け位置をレーザビームのレーザスポットでマーキングするように構成された位置決めアセンブリを備える。
【0011】
いくつかの実施例では、システムは、複数のはんだパッドが上に配設されたスプラインの基板の画像を受信するように構成されたプロセッサを備える。プロセッサは、(i)スプラインのはんだパッドの中から所与のはんだパッド、及び(ii)所与のはんだパッドの上に位置決めされるリードを識別するためにパターン認識ソフトウェアを適用するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施例では、システムは、はんだ付け位置においてリードを所与のはんだ付けパッドに取り付ける(例えば、はんだ付けする)ように構成されたはんだ付けガンを備える。本実施例では、はんだ付けガンは超音波トランスデューサを備え、その超音波トランスデューサは、はんだ付け位置に超音波信号を適用することによって、はんだ付け位置においてリードを所与のはんだ付けパッドに超音波で取り付けるように構成されている。他の実施例では、はんだ付けガンは、任意の他のはんだ付け技術を使用して、リードと所与のはんだパッドとの間のはんだ付けを実行し得る。
【0013】
開示された技術は、バスケットカテーテルスプラインの品質を改善し、そのようなはんだ付けプロセスの生産性及び自動化を改善する。開示された技術は、必要な変更を加えて他の種類のカテーテルを製造するため、及び他の種類の電子システムにおいてそれぞれのパッドにリードをはんだ付けするために使用され得る。
【0014】
システムの説明
図1は、本開示の一実施例による、カテーテルベースの位置追跡システム及びアブレーションシステム20の概略描写図である。
【0015】
いくつかの実施例では、システム20は、本実施例ではバスケット形状を有する拡張可能な心臓カテーテルであるカテーテル22と、制御コンソール24と、を備える。本明細書に記載される実施例では、カテーテル22は、限定されないが、問題となっている組織の心電図(electrocardiogram、ECG)のセンシング及び心臓26の組織へのアブレーション信号の適用などの任意の好適な治療及び/又は診断目的に使用され得る。
【0016】
いくつかの実施例では、コンソール24は、フロントエンド回路及びインターフェース回路を有する、典型的には汎用コンピュータであるプロセッサ42を備え、フロントエンド回路及びインターフェース回路は、カテーテル22からの信号を受信し、かつ、本明細書に記載されるシステム20の他の構成要素を制御することに好適なものである。プロセッサ42は、システムによって使用される機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされ得、かつ、プロセッサ42は、ソフトウェア用のデータをメモリ50内に記憶するように構成されている。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でコンソール24にダウンロードされ得るか、又は光学的記憶媒体、磁気的記憶媒体、若しくは電子的記憶媒体などの、非一時的な有形媒体で提供され得る。代替的に、プロセッサ42の機能の一部又は全部は、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)又は任意の好適な種類のプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素を使用して、実行され得る。
【0017】
ここで、挿入
図25を参照する。いくつかの実施例では、カテーテル22は、以下の
図2A及び
図2Bに構造が詳細に示される複数のスプラインを有する遠位端部アセンブリ40と、心臓26内の組織のアブレーションするために遠位端部アセンブリ40を標的場所に挿入するためのシャフト23と、を備える。EAセンシング及び/又はアブレーション処置中、医師30は、テーブル29に横たわる患者28の脈管系を通して、カテーテル22を挿入する。医師30は、プロセッサ42のインターフェース回路に接続されたカテーテル22の近位端部付近のマニピュレータ32を使用して、遠位端部アセンブリ40を心臓26内の標的場所に移動させる。
【0018】
いくつかの実施例では、カテーテル22は、例えば、遠位端部アセンブリ40に極めて近接してカテーテル22の遠位端部に連結される、位置追跡システムの位置センサ39を備える。本実施例では、位置センサ39は磁気位置センサを含むが、他の実施例では、任意の他の好適な種類の位置センサ(例えば、磁気系以外のもの)が使用され得る。
【0019】
ここで、再び
図1の全体図を参照する。いくつかの実施例では、心臓26内での遠位端部アセンブリ40の誘導中、プロセッサ42は、例えば、心臓26内での遠位端部アセンブリ40の位置を測定するために、外部磁場発生器36からの磁場に応答して、磁気位置センサ39から信号を受信する。いくつかの実施例では、コンソール24が、磁場発生器36を駆動するように構成された駆動回路34を備える。磁場発生器36は、例えば、テーブル29の下など、患者28の外部の既知の位置に配置される。
【0020】
いくつかの実施例では、プロセッサ42は、例えば、コンソール24のディスプレイ46上に、心臓26の画像44上に重ねられた遠位端部アセンブリ40の追跡された位置を表示するように構成されている。
【0021】
外部磁場を使用するこの位置センシング方法は、様々な医療用途において、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine、Calif.)により製造されているCARTO(商標)システムに実装されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号、及び同第2004/0068178(A1)号に詳細に記載されている。
【0022】
本開示の文脈において及び特許請求の範囲において、任意の数値や数値の範囲について用いられる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において述べるその意図された目的に沿って機能することを可能とする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。
【0023】
図1に示される例示的な構成は、概念的に分かりやすくするために例として選択されている。以下の
図2~
図4に開示される技術は、必要な変更を加えてシステム20の他の構成要素及び設定を使用して適用され得る。
【0024】
バスケットカテーテルのスプラインにおける接続部の製造
図2Aは、本発明の一実施形態による、遠位端部アセンブリ40のスプライン33の概略描写図である。5つのスプライン33(本明細書ではスパインとも称される)が
図2Aの実施例に提示されているが、遠位端部アセンブリ40は、任意の好適な数のスプライン33、例えば、約10個のスプラインを備え得る。
【0025】
いくつかの実施例では、スプライン33は典型的には互いに類似しており、各スプライン33は、本明細書では基板47上に配設されたパッド55とも称されるはんだパッドを有する基板47と、パッド55に取り付けられる(例えば、はんだ付けされる)ように構成されたリード66と、を備える。
【0026】
いくつかの実施例では、各リード66は、約32μmの直径を有する円形断面を有するが、他の実施例では、リード66は、任意の他の好適な断面形状及びそれぞれのサイズを有し得る。リード66は、リード66の1つ又は2つ以上の遮蔽ケーブル41又はロングフレックス回路などのカテーテル22の他の好適な導電性ワイヤを介して、(i)リード66に接続されるそれぞれのパッド55と、(ii)マニピュレータ32及び/又はコンソール24との間で信号を伝導するように構成されている。
【0027】
本実施例では、各スプライン33は、XYZ座標系のX軸に平行なスプライン33の長手方向軸に沿って互いに平行に配設された約10個のパッド55を備える。スプライン33の製造中、各リード66は、それぞれのパッド55に取り付けられ(例えば、はんだ付けされ)、パッド55及びリード66の高密集により、互いにはんだ付けされたパッド55及びリード66の隣接する対間に電気的短絡を引き起こすことがある。
【0028】
いくつかの実施例では、パッド55は、仮想対角線48に沿って配置され、隣接するパッド55間の距離を増加させて、上述の電気的短絡の発生を防止又は低減するようにする。他の実施例では、隣接するパッド55間の増加した距離は、基板47の表面上のパッド55の任意の他の好適な配置を使用して得られ得る。
【0029】
図2Bは、本発明の一実施形態による、遠位端部アセンブリ40のスプライン33aの概略描写図である。いくつかの実施例では、1つ又は2つ以上のスプライン33aは、上記の
図2Aの1つ又は2つ以上のそれぞれのスプライン33に置き換わり得る。
【0030】
いくつかの実施例では、スプライン33aは、上記の
図2Aに記載された基板47上に、又は任意の他の好適な基板上に形成された多層構造を含む。本実施例では、スプライン33aは、スプライン33aのZ軸に平行に配設されたフレキシブル回路基板(flexible circuit board、flex CB)のストライプから作製されたはんだパッド55aを備える。
【0031】
いくつかの実施例では、電気絶縁層56が基板47及びはんだパッド55aの上に配設され、リード66が層56の上に配設される。更に、スプライン33aは、層56を通って形成され、銅又は任意の他の好適な導電性物質で充填され、はんだパッド55aとリード66との間で信号を伝導するように構成されたスロットビア58を備える。
図2Bの実施例では、基板47は、白色で見えており、層56は、はんだパッド55a及びスロットビア58の構造を示すために透明であることに留意する。
【0032】
本実施例では、スロットビア58及びはんだパッド55aは、スプライン33aのX軸に沿ってほぼ同じサイズを有する。この構成は、パッド55aとスプライン33aのリード66との間の接続の機械的強度を改善する。
【0033】
半自動はんだ付けプロセスのためのシステム及び方法
図3は、本開示の一例による、リード66をスプライン33の基板47上に配設されたそれぞれのはんだ付けパッド55にはんだ付けするためのシステム60の概略描写図である。
【0034】
いくつかの実施例では、システム60は、本明細書では簡潔にするために固定具とも称される、本明細書でははんだ付け固定具(soldering fixture、SF)45と称される固定具を備え、この固定具は、(i)遠位端部アセンブリ40の基板47と、(ii)はんだパッド55上に(例えば、両方とも図示されていない操作者又はロボットアームによって)配置されたリード66とを保持するように構成されている。
【0035】
いくつかの実施例では、システム60は、本実施例では基板47に向けてレーザビーム78を放射するように構成されたレーザアセンブリ77を備える。本実施例では、レーザビーム78は、関心対象の位置をマーキングするために使用され、リード66をパッド55にはんだ付けするためには使用されないことに留意する。
【0036】
いくつかの実施例では、システム60は、XYZ座標系のX軸、Y軸、及びZ軸に沿ってSF45を移動させるように構成された、本明細書ではマウント又はステージとも称される位置決めアセンブリ(positioning assembly、PA)43を備える。本実施例では、PA43は、リード66がパッド55に取り付けられる(例えば、はんだ付けされる)、本明細書でははんだ付け位置とも称される位置80をレーザビーム78のレーザスポット99でマーキングするように、レーザアセンブリ77に対して、基板47及びリード66とともにSF45を移動させるように構成されている。換言すれば、リード66はパッド55の上に位置決めされ、スポット99はそれらの間のはんだ付け位置をマーキングする。
【0037】
いくつかの実施例では、システム60は、基板47の表面の画像を取得するように構成されたカメラ(図示せず)と、カメラによって取得された画像を以下で記載するディスプレイ63上に表示するように構成されたプロセッサ62(以下で詳細に記載する)とを備え得る。
【0038】
いくつかの実施例では、プロセッサ62は、例えば、カメラによって取得された画像にパターン認識ソフトウェアを適用することによって、位置80を識別するように構成されている。いくつかの実施例では、プロセッサ62は、ケーブル64を介して、又は無線で、PA43、レーザアセンブリ77、及びはんだ付けガン88(後述)に接続される。プロセッサ62は、リード66の表面上の識別された位置80にレーザスポット99を位置決めするために、レーザアセンブリ77及びPA43を制御するように構成されている。カメラ及びプロセッサ62を使用することにより、位置80におけるレーザスポット99の完全自動位置決めが可能になることに留意する。
【0039】
そのような実施例では、PA43は、遠位端部アセンブリ40とカテーテル22の近位端部との間で電気信号を伝導するために基板47上に配設された複数のパッド55のうちのパッド55を識別するように構成されている。特定のパッド55の識別は、上述したようなパターン認識ソフトウェアを使用して実行され得る。代替として、基板47は、パッド55が背景パターンに対して認識され得るように、特定のパターン(例えば、ストライプパターン又は緑色スクリーン)でマスクされ得る。その後、溶接のためにレーザ光を照射する前に、パッド55の各々の特定の場所を記憶するようにレーザがプログラムされ得る。
【0040】
他の実施例では、レーザスポット99の位置決めの少なくとも一部は、例えば、パターン認識ソフトウェアを適用することなく、手動で実行され得る。
【0041】
いくつかの実施例では、システム60は、プロセッサ62、ディスプレイ63、及び本明細書に記載される他の構成要素を有する、操作コンソール61を備える。コンソール61は、本明細書に記載されるように、システム60の構成要素から信号を受信し、システム60の構成要素を制御するための好適なフロントエンド及びインターフェース回路を伴う、汎用コンピュータを備え得る。プロセッサ62は、システムによって使用される機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされ得、ソフトウェアのためのデータをコンソール61のメモリ内に記憶するように構成されている。本ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でコンソール61にダウンロードされ得るか、又は光学的記憶媒体、磁気的記憶媒体、若しくは電子的記憶媒体などの、非一時的な有形媒体で提供され得る。代替的に、プロセッサ62の機能の一部又は全部は、特定用途向け集積回路(ASIC)又は任意の好適な種類のプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素を使用して、実行され得る。
【0042】
いくつかの実施例では、システム60は、位置80においてリード66をパッド55に取り付ける(例えば、はんだ付けする)ように構成されたはんだ付けガン88を備える。はんだ付けガン88は、典型的にはプロセッサ62によって制御され、位置80においてリード66及びパッド55に超音波信号を適用することによって、位置80においてリード66をパッド55に超音波で接合するように構成された超音波トランスデューサ89を備え得る。本開示の文脈及び特許請求の範囲では、「超音波で接合」及び「超音波で取り付け」という用語並びにそれらの文法的変形は、上記の
図2Aのリード66とはんだパッド55との間の溶接又ははんだ付けのための超音波技術を指す。他の実施例では、はんだ付けガン88は、当技術分野で既知の任意の他の好適なはんだ付け及び/又は溶接技術を使用してはんだ付けプロセスを実行するように構成されている。
【0043】
いくつかの実施例では、位置決めアセンブリ43は、超音波信号を適用する前に、はんだ付けガン88及びレーザスポット99を位置合わせするために、少なくともはんだ付けガン88を基板47に対して移動させるように構成されている。
【0044】
図4は、本開示の一実施例による、リード66をスプライン33のパッド55にはんだ付けするための方法を概略的に例示するフローチャートである。
【0045】
この方法は、(i)遠位端部アセンブリ40のそれぞれのスプライン33の基板47と、(ii)上記の
図3で詳細に記載されたように、基板47上に配設された所与のはんだパッド、例えば、上記の
図2Aのパッド55上に配置されたリード66とを保持するためにSF45を使用する基板及びリード固定ステップ100で始まる。
【0046】
はんだパッド識別ステップ102において、プロセッサ62は、複数のパッド55を有する基板47の表面の画像を受信し、上記の
図3で詳細に記載されたように、基板47上の(所与のはんだ)パッド55の位置を識別するように構成されたパターン認識ソフトウェアが画像に適用される。
【0047】
レーザビーム方向付けステップ104において、プロセッサ62は、上記の
図3で詳細に記載されたように、レーザビーム78を基板47に向けて放射及び方向付けるためにレーザアセンブリ77を制御するように構成されている。
【0048】
固定具移動ステップ106において、プロセッサ62は、はんだ付け固定具45を基板47及びリード66とともにレーザアセンブリ77に対して移動させて、リード66が(所与のはんだ)パッド55に取り付けられる(例えば、はんだ付けされる)位置80をマーキングするように位置決めアセンブリ43を制御するように構成されている。この実施例では、位置80は、上記の
図3で詳細に記載されたように、レーザビーム78のレーザスポット99を使用してマーキングされる。
【0049】
方法を終了するはんだ付けステップ108において、プロセッサ62は、はんだ付けガン88及びレーザスポット99を位置合わせするために、少なくともはんだ付けガン88を基板47に対して移動させ、その後、上記の
図3で記載されたように、位置80において超音波信号をリード66及びパッド55に適用することによって、リード66をパッド55に取り付けるプロセスを実行するように構成されている。
【0050】
図4の方法は、概念を明確化するために単純化されており、例として提供されている。他の実施例では、ステップの順序は、改善された生産性のために、及び/又は任意の好適な考慮事項のために変更することができる。
【実施例0051】
システム(60)であって、(a)(i)カテーテル(22)の遠位端部アセンブリ(40)の基板(47)と、(ii)基板(47)上に配設された所与のはんだパッド(55)上に配置されたリード(66)と、を保持するように構成された固定具(45)と、(b)レーザビーム(78)を放射するように構成されたレーザアセンブリ(77)と、(c)基板(47)及びリード(66)とともに固定具(45)をレーザアセンブリ(77)に対して移動させて、リード(66)が所与のはんだパッド(55)に取り付けられるべきはんだ付け位置(80)をレーザビーム(78)のレーザスポット(99)でマーキングするように構成された位置決めアセンブリ(43)と、を含む、システム。
(i)カテーテルの遠位端部と近位端部との間で電気信号を伝導するために基板上に配設された複数のはんだパッドのうちの所与のはんだパッドを識別し、はんだ付け位置をマーキングするために固定具を移動させるように位置決めアセンブリを制御するように構成されたプロセッサ(62)を含む、実施例1に記載のシステム。