IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッドの特許一覧

特開2023-99361ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶
<>
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図1
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図2
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図3
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図4
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図5
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図6
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図7
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図8
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図9
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図10
  • 特開-ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099361
(43)【公開日】2023-07-12
(54)【発明の名称】ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶
(51)【国際特許分類】
   B63J 99/00 20090101AFI20230705BHJP
【FI】
B63J99/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212569
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193391
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0053822
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520387760
【氏名又は名称】ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク ヒョン ソク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】非常用発電機の修理のし易さを増加させて修理期間の間の損失を最小化することができるユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶を提供する。
【解決手段】ユニット型非常用発電装置は、ユニット単位で交換が可能であるように船舶の外部に搭載されることができる。ユニット型非常用発電装置は、エンジンケーシングで階段形状をなす水平面上に搭載される固定フレームと、固定フレームに連結される下壁と、下壁で非常用発電機の側面を閉鎖するために下壁と連結される側壁と、側壁に連結されて非常用発電機の上部を閉鎖する上壁と、を含む。側壁は、非常用発電機の駆動時に内部空間で発生する熱を外部に放出可能にする排出ルーバーと、内部空間に外部空気の流入を可能にする吸入ルーバーと、非常用発電機の駆動時に発生する排気ガスを前記側壁の外部に排出する排出口と、を含むことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンケーシングを有する船舶で、前記エンジンケーシングの一側に搭載されるユニット型非常用発電装置であって、
前記エンジンケーシングは、
階段形状をなしており、前記エンジンケーシングの上部には煙突が備えられおり、
前記エンジンケーシングで階段形状をなす水平面上に搭載される固定フレームと、
前記固定フレームに連結される下壁と、
前記下壁の上に備えられている非常用発電機と、
前記下壁の上に備えられているスイッチボードと、
前記下壁で前記非常用発電機の側面を閉鎖するために前記下壁と連結される側壁と、
前記側壁に連結されて前記非常用発電機の上部を閉鎖する上壁と、を含み、
前記側壁は、
前記非常用発電機の駆動時に内部空間で発生する熱を外部に放出可能にする排出ルーバーと、
前記内部空間に外部空気の流入を可能にする吸入ルーバーと、
前記非常用発電機の駆動時に発生する排気ガスを前記側壁の外部に排出する排出口と、を含み、
ユニット単位で交換が可能であるように船舶の外部に搭載されることを特徴とするユニット型非常用発電装置。
【請求項2】
前記側壁は、
前記内部空間への出入のための出入口と、
陸上電力の連結のための外部ケーブルが貫通する連結口と、
外部に設置される照明装置と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のユニット型非常用発電装置。
【請求項3】
前記非常用発電機の駆動のための燃料を貯蔵する燃料タンクと、
前記非常用発電機の電力を変換する変圧器と、
前記内部空間の空気循環のためのファンと、をさらに含み、
前記内部空間に、
第1方向に一側に前記非常用発電機、他側に前記燃料タンクと前記変圧器とが備えられ、前記内部空間で第1方向に垂直な第2方向に一側に前記ファンと、前記燃料タンクと、前記非常用発電機と、が備えられ、他側に前記変圧器と前記スイッチボードとが備えられたことを特徴とする請求項2に記載のユニット型非常用発電装置。
【請求項4】
前記側壁に連結されるユニット型拡張モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のユニット型非常用発電装置。
【請求項5】
前記側壁のうちで前記スイッチボードと隣接し、前記排出ルーバーから遠い前記側壁は、前記スイッチボードのメンテナンス空間のために開放可能に設けられることを特徴とする請求項2に記載のユニット型非常用発電装置。
【請求項6】
前記吸入ルーバーと、前記排出ルーバーと、を含む換気システム及びケーブルを含む電気システムが前記上壁の下方に設置されて、前記上壁の上方が別途の突出構造なしに設けられ、前記上壁に積層されるユニット型拡張モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のユニット型非常用発電装置。
【請求項7】
前記上壁の角部分のうち、
前記排出ルーバーと前記吸入ルーバーがそれぞれ備えられた前記側壁と連結される部分に対して、上方から落下する異物を防ぐためのコーミングが設けられることを特徴とする請求項2に記載のユニット型非常用発電装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載のユニット型非常用発電装置を備えたことを特徴とする船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニット型非常用発電装置およびこれを含む船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶は、プロペラを回転させる推進エンジンと、船舶内で必要な電気供給のための発電エンジンと、を備えている。推進エンジンは、船舶のプロペラを回転させて推進力を発生させるため船尾に位置し、また、発電エンジンも整備、管理のし易さのために推進エンジンのようにエンジンルーム内に位置する。
【0003】
船舶は、容量によって2~3台の発電エンジンが船体内部にあり、発電エンジンの故障などに備えて1~2台の非常用発電エンジンが備えられている。船舶の長距離運航中に一部の発電エンジンに問題が発生する場合、非常用発電エンジンを駆動して必要な電力を補充し、運航中に故障した発電エンジンを整備することができる。発電エンジンがエンジンルームに位置するのとは別に、非常用発電エンジンは、一般に船舶のエンジンケーシング(Casing)内に設置されている。
【0004】
船舶には、エンジンケーシング(Casing)と煙突(Funnel)が備えられている。エンジンケーシングは、エンジンルームの上部に設置される構造物で、エンジン駆動によって発生する排気ガスを排出し、船舶の航海に必要な主要装備および各種資機材が設置される。煙突は、エンジンケーシングの上部に位置し、メインエンジンおよび各種装備と連結された廃機関類が内蔵された構造物である。非常用発電エンジンは、エンジンケーシングに非常用発電エンジンルーム(Room)の形態で設置されている。
【0005】
非常用発電エンジンが故障する場合には運航中に整備できるが、整備が不可能なほど故障が深刻な場合には、船体内部から非常用発電エンジンを分離し、船体外に引き揚げた後、修理してから再び船体内部に再搭載しなければならない困難が発生する。
【0006】
船舶の出港前に非常用発電エンジンに問題が生じた場合には、「船舶電気設備基準」に従って非常用電源が設置されなければならないため、船舶の港からの出港が不可能である。従って、非常用発電エンジンの修理期間だけ船舶は出港ができなくなり、損失が発生することになる。また、非常用発電エンジンの修理のために、狭い非常用発電エンジンルーム内で作業をしなければならないため作業効率が落ちる可能性があり、状況によって非常用発電エンジンルームの壁面を除去する必要性が生じる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は、船舶に必須の非常用発電エンジンに問題が発生した時、非常用発電エンジンルームを、部品入れ替えするようにユニット単位で交換を可能にして、非常用発電エンジンルームの整備を容易にし、非常用発電エンジンルームの修理期間の間に船舶が出港できない状態を最小化することができる、ユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のユニット単位で交換可能に船舶の外部に搭載されるユニット型非常用発電装置は、エンジンケーシングを有する船舶で前記エンジンケーシングの一側に搭載されることができる。
【0009】
具体的に、前記エンジンケーシングは、階段形状をなしており、前記エンジンケーシングの上部には煙突が備えられていることができる。ユニット型非常用発電装置は、前記エンジンケーシングで階段形状をなす水平面上に搭載される固定フレームと、前記固定フレームに連結される下壁と、前記下壁の上に備えられている非常用発電機と、前記下壁の上に備えられているスイッチボードと、前記下壁で前記非常用発電機の側面を閉鎖するために前記下壁と連結される側壁と、前記側壁に連結されて前記非常用発電機の上部を閉鎖する上壁と、を含むことができる。
【0010】
具体的に、前記側壁は、前記非常用発電機の駆動時に内部空間で発生する熱を外部に放出可能にする排出ルーバーと、前記内部空間に外部空気の流入を可能にする吸入ルーバーと、前記非常用発電機の駆動時に発生する排気ガスを前記側壁の外部に排出する排出口と、を含むことができる。
【0011】
具体的には、前記側壁は、前記内部空間への出入のための出入口と、陸上電力の連結のための外部ケーブルが貫通する連結口と、外部に設置される照明装置と、を含むことができる。
【0012】
具体的に、前記内部空間は、前記非常用発電機の駆動のための燃料を貯蔵する燃料タンクと、前記非常用発電機の電力を変換する変圧器と、前記内部空間の空気循環のためのファンと、をさらに含むことができる。
【0013】
具体的には、前記内部空間に、第1方向に一側に前記非常用発電機、他側に前記燃料タンクと前記変圧器とが備えられ、前記内部空間で第1方向に垂直な第2方向に一側に前記ファンと、前記燃料タンクと、前記非常用発電機と、が備えられ、他側に前記変圧器と前記スイッチボードとが備えられることができる。
【0014】
具体的に、前記ユニット型非常用発電装置は、前記側壁に連結されるユニット型拡張モジュールをさらに含むことができる。
【0015】
具体的に、前記ユニット型非常用発電装置は、前記吸入ルーバーと、前記排出ルーバーと、を含む換気システム及びケーブルを含む電気システムが前記上壁の下方に設置されて、前記上壁の上方が別途の突出構造なしに設けられ、前記上壁に積層されるユニット型拡張モジュールをさらに含むことができる。
【0016】
具体的に、前記側壁のうちの前記スイッチボードと隣接し、前記排出ルーバーから遠い前記側壁は、前記スイッチボードのメンテナンス空間のために開放可能に設けられることができる。
【0017】
具体的に、前記上壁の角部分のうち、前記排出ルーバーと前記吸入ルーバーがそれぞれ備えられた前記側壁と連結される部分に対して、上方から落下する異物を防ぐためのコーミングが設けられることができる。
【0018】
本発明の実施形態に係る船舶は、前記ユニット型非常用発電装置を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるユニット型非常用発電装置及びこれを含む船舶は、非常用発電エンジンが設置された非常用発電機をユニット型に製作し、ユニット型非常用発電装置をエンジンケーシングの外部に搭載して、非常用発電機の修理のし易さを増加させ、修理期間の間の損失を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来の非常用発電装置が備えられた船舶の断面図である。
図2】従来の非常用発電装置の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間の水平断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の側面図である。
図8】本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の側面図である。
図9】本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の斜視図である。
図10】本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間に配置された燃料タンクの斜視図である。
図11】本発明の他の実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間に配置された燃料タンクの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、特定の長所および新規な特徴は、添付された図面に関する以下の詳細な説明と好ましい実施形態からさらに明らかになるであろう。本明細書において各図面の構成要素に参照番号を付加するにあたって、同一の構成要素に限っては、たとえ他の図面上に示されても可能な限り同一の番号を付するようにしていることに留意すべきである。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0022】
以下、添付された図を参照しながら本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
【0023】
ちなみに、本発明は以下で説明するユニット型非常用発電装置10が備えられる船舶を含む。
【0024】
この際、船舶は、少なくとも発電エンジン3aと推進エンジン3bとを使用する船舶であり、貨物や人などを運搬する商船の他にも、バンカリング船(Bunkering vessel)、海上プラントなどを全て含む概念である。
【0025】
また、以下で第1方向は、ユニット型非常用発電装置10がコンテナのような直方体形状を有するとしたら、相対的に短い幅方向(左右方向)であり、第2方向は、第1方向に垂直であり相対的に長い長さ方向(前後方向)でありうる。
また、上下方向は、前後方向と左右方向とに同時に垂直な方向であることにする。
さらに、前述の3つの方向は、図4を基準とするものであることを知らせておく。ただし、このような事項は説明の便宜を図るためのものであり、これによって権利範囲が制限されない。
【0026】
以下、従来の非常用発電装置がなすルームを、非常用発電エンジンルーム4と称する。
【0027】
図1は、非常用発電エンジンルーム4が備えられた船舶の断面図であり、図2は、非常用発電エンジンルーム4の斜視図である。
【0028】
図1を参照すると、船舶の甲板上にエンジンケーシング1が備えられており、エンジンケーシング1の上には煙突2が備えられて、船舶から発生する排気ガスの排出高さが高くなるように助けることができる。
【0029】
エンジンケーシング1は、船舶のエンジンルーム3の上部に設置される構造物であり、エンジンケーシング1には、エンジン駆動によって発生する排気ガスの排出通路と、船舶航海に必要な主要装備と、発電機及びボイラを含む重要機械と、が設けられることができる。
【0030】
図1において、エンジンケーシング1は、左側に非常用発電エンジンルーム4を含んでもよく、右側にそれと対称する位置に別途のルームを含んでもよい。別途のルームは、目的によって非常用発電エンジンルーム4と大きさが異なってもよく、一般にCO2ルーム(図示省略)が含まれることができる。もちろん、非常用発電エンジンルーム4とCO2ルームとの位置は互いに変動可能であり、対称する位置ではなく上下層に存在することもできる。
【0031】
図1を参照すると、エンジンケーシング1の下部に設置されたエンジンルーム3で生成される排気ガスは、排出通路を介してエンジンケーシング1と煙突2とを貫通して船舶の外部に排出されることができる。排出通路は、エンジンの個数とボイラ室などのその他の施設の種類とによって複数個になってもよく、通路の直径もまた異なってもよい。
【0032】
エンジンケーシング1の大きさもまた、各種施設の種類や排出通路によって異なってもよい。一般に階段形状に構成され、上部に行くほど面積が小さくなる形状に構成されることができる。
【0033】
エンジンルーム3は、エンジンケーシング1の下部の甲板下に設置することができ、エンジンの種類によって一つのエンジンルーム3内で層が分けられてもよい。図1を参照すると、発電エンジン3aと推進エンジン3bは同じ層に置かれてもよい。発電エンジン3aは、船舶内で必要な電気供給のために備えられ、推進エンジン3bは、船舶のプロペラを回転させて船舶を進むようにするエンジンであることから、互いに目的が異なる。
【0034】
従って、推進エンジン3bはプロペラと近接する必要があるので、最下層に推進エンジン3bを設け、その上に層を部分的に設け、そこに発電エンジン3aを配置してもよい。
【0035】
エンジンは、船舶の容量と種類によって2~3台の発電エンジン3aがあってもよく、発電エンジン3aの故障などに備えて1~2台の非常用発電エンジンが備えられてもよい。また、船舶の推進力を得るための推進エンジン3bは、プロペラに直接連結される機械的連結方式である場合には1台が備えられ、或いは電気推進方式である場合には2~3台が備えられてもよい。
【0036】
非常用発電エンジンルーム4は、一般に別途の空間で構成されており、階段形状のエンジンケーシング1内に位置することができる。
【0037】
非常用発電エンジンは、「船舶電気設備基準」に従って船舶に必須の施設である。従って、非常用発電エンジンルーム4がエンジンケーシング1内に位置する従来の場合では、非常用エンジンが故障した場合に修理が必要になることから、非常用エンジンの修理期間の間に船舶は出港できなくて損失を被ってしまう。
【0038】
また、非常用発電エンジンルーム4がエンジンケーシング1内に位置する場合、狭い非常用発電エンジンルーム4内で作業を進行しなければならないため作業効率が落ちることがあり、場合によっては非常用発電エンジンルーム4の壁面を除去する必要がある。
【0039】
図1を参照すると、非常用発電エンジンルーム4がケーシングの内部に存在しており、エンジンケーシング1は対称的な階段形状の様態を備えている。
【0040】
それに対して、本発明に係るユニット型非常用発電装置10は、エンジンケーシング1で階段形状をなす水平面上に搭載されることができる。従って、内部に非常用発電エンジンルーム4が装着されていないエンジンケーシング1は、左右が対称する形態を備えなくてもよい。
【0041】
本発明に係るユニット型非常用発電装置10は、非常用発電エンジンの修理が必要な場合に、ユニット型非常用発電装置10をモジュール形式で入れ替えすることができる。従って、前述した作業効率が落ちる危険性や修理期間の間に船舶が出港できないことによる損失を避けられる。
【0042】
図2を参照すると、非常用発電エンジンルーム4は、エンジンケーシング1の内部に含まれていて別途に分離移動の可能な構造ではない。従って、非常用発電エンジンルーム4は、エンジンケーシング1で壁などによって区画される空間として、別途のルーム形態を示すことになる。
【0043】
非常用発電エンジンルーム4は、上部にマッシュルームタイプのベントファン形態の換気システム141aが備えられている。上部に人や物の墜落を防止する装置も設置されており、図2には示されていないが、電気システムも備えることがある。
【0044】
従って、非常用発電エンジンルーム4の上部には、突出する様々な施設が設置されることができ、上部に別途の拡張モジュールを設置することは困難である。
【0045】
ただし、図2を非常用発電エンジンルーム4として説明したとしても、図2の構造が公知であると認めるわけではない。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置10の斜視図であり、図4は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間111の斜視図であり、図5は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間111を下壁12に水平に切った水平断面図である。
【0047】
図3図5を参照すると、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置10は、別途に分離移動の可能な構造である。
【0048】
以下では、ユニット型非常用発電装置10の外観をなす構成についてまず説明する。ユニット型非常用発電装置10は、骨組みをなす固定フレーム11に壁体が設置されて内部空間が形成されるコンテナ構造をなすことができ、外面に換気システムと出入口などとが設けられることができる。
【0049】
ユニット型非常用発電装置10は、所定規格のコンテナ形状で成り立って、コンテナクレーンやその他の様々なタイプのクレーンなどによって容易に移送可能である。従って、前述したように、非常用発電エンジンの修理が必要な場合にユニット型非常用発電装置10をモジュール形式でクレーンを介して入れ替えすることができる。
【0050】
ユニット型非常用発電装置10がコンテナクレーンによって移送されるには、コンテナクレーンのスプレッダーによってリフティングが可能でなければならない。従って、ユニット型非常用発電装置10の角には、スプレッダーと締結される締結具が必要になる。スプレッダーの締結方式によって、締結口の位置はユニット型非常用発電装置の側壁13や上壁14に存在することができる。
【0051】
固定フレーム11は、底フレームと脚部とで構成されることができる。
【0052】
底フレームは、水平面をなす四角形の形状を有することができ、底フレームの上部には、ユニット型非常用発電装置の下壁12が設置されることができる。底フレームと下壁12の面積は同じであっても、底フレームの面積がさらに大きくてもよい。
【0053】
底フレームと下壁12との結合は、溶接やボルティングなどの方式が用いられても、溝が掘られていて互いに噛み合う方式が用いられてもよい。底フレームの周りには、上方にユニット型非常用発電装置の側壁13が設置されてもよい。側壁13と底フレームとの結合もまた、溶接やボルティングなどの方式が用いられてもよい。
【0054】
脚部は、底フレームの下部に連結できる垂直的な施設で、エンジンケーシング1の階段形状をなす水平面上に固定することができる。脚部の形状と材質などは、脚部の材料と非常用発電機111aの諸元などとによって異なってもよい。
【0055】
脚部の高さ分だけでエンジンケーシング1の水平面上と底フレームとの間隔が決められてもよい。ユニット型非常用発電装置10の駆動時に内部空間111で熱が発生するので、脚部の高さを所定長さ以上にすることによって内部空間111の熱排出に役立つことができる。
【0056】
図3を参照すると、ユニット型非常用発電装置10の出入口13dの前に踏台があるので、エンジンケーシング1の水平面と離隔的な距離を維持することが分かる。
【0057】
また、固定フレーム11には、ユニット型非常用発電装置10の側壁13の間に配置される柱を含んでもよい。柱の配置を介して外部衝撃に抵抗でき、締結具を柱に配置することができる。
【0058】
前述したように、ユニット型非常用発電装置10は、コンテナ構造をなすことができる。固定フレーム11が別のコンテナ上に積載されることができる形状を有するなら、ユニット型非常用発電装置10も他のコンテナのように積載可能である。この場合、固定フレーム11の形状は、一般のコンテナの角と噛み合う構造を有してもよい。
【0059】
換気システムは、吸入ルーバー13bと排出ルーバー13cとを含むことができる。
【0060】
吸入ルーバー13bは、外部の空気をユニット型非常用発電装置の内部空間111に供給することができる。図3を参照すると、側壁13に取り付けられている吸入ルーバー13bは、対角線形状の羽板を含んでもよい。羽板は、光源から水平方向に来る直射光を遮断することができ、外部物質の出入りもある程度防止することができる。
【0061】
排出ルーバー13cは、非常用発電機111aの駆動時に発生する熱をユニット型非常用発電装置10の外部に排出することができる。図3を参照すると、側壁13に取り付けられている排出ルーバー13cもまた、吸入ルーバー13bと同様に羽板を含んでもよい。排出ルーバー13cには、ファン111dが連結されてもよく、内部空間111の熱を強制的に取り出すためにファン111dが用いられてもよい。
【0062】
ファン111dの位置は、図3から正確に確認することはできないが、後述する図4図5で確認することができる。
【0063】
排出ルーバー13cは、ファン111dと連結されることができ、吸入ルーバー13bよりも面積が小さくてもよい。ただし、ファン111dの性能と空気の流出入の必要程度によって、ルーバー13aの面積と形態は異なってもよい。ルーバー13aは、側壁13から突出した形態を有してもよく、突出した長さは設計によって異なってもよい。
【0064】
出入口13dは、外部からユニット型非常用発電装置の内部空間111への出入を可能にすることができ、側壁13に設置することができる。出入口の形態は、引き戸の形態を有しても、開き戸の形態を有してもよい。出入口が開く方向は、内部方向及び外部方向のいずれもが可能である。
【0065】
ただし、本発明のユニット型非常用発電装置10の場合、ユニット化をするために内部空間111の大きさを減らす設計も含むことができる。従って、内部空間111に余裕がなければ外部方向に開く出入口の形態を有してもよく、内部空間111の配置によって出入口が内部方向に開かれてもよい。
【0066】
出入口13dの取っ手は、様々な形態を有することができ、取っ手の個数も1つ以上であってもよい。出入口13dによって高さが高い場合には踏台が必要な場合があり、照明装置13gが必要な場合もある。
【0067】
このような外観を有するユニット型非常用発電装置10は、側面と上面のうち少なくとも一側に追加的なモジュールの連結を許容する構造を有してもよい。詳細については、後述する図6図8を参照して説明する。
【0068】
以下では、ユニット型非常用発電装置の内部空間111を形成する構成について説明する。内部空間111は、下壁12、側壁13、及び上壁14などによって形成することができる。
【0069】
下壁12は、四角形の形状を有することができ、内部空間111に配置された施設の重さに耐えなければならないので、剛性の材質を用いる。下壁12は、固定フレーム11を構成する底フレームと連結されて固定されることができる。
【0070】
側壁13は、 ユニット型非常用発電装置10の側面を閉鎖するために下壁12に連結されてもよい。側壁13は、下壁12又は底フレームと垂直に連結されてもよい。
【0071】
上壁14は、4つの側壁13と垂直に連結され、ユニット型非常用発電装置10の上部を閉鎖することができる。
【0072】
下壁12と側壁13と上壁14の材質及び厚さは同じであっても、異なってもよい。ユニット型非常用発電装置の内部空間111は、下壁12と側壁13と上壁14とで囲まれた空間であってもよく、非常用発電機111aの大きさによって内部空間111の大きさは異なってもよい。
【0073】
前述したように、側壁13には、排出ルーバー13cと吸入ルーバー13bと出入口13dとが含まれてもよい。また、側壁13には、非常用発電機111aの駆動時に発生する排気ガスを側壁13の外部に排出する排出口13hも含まれてもよく、陸上電力の連結のための外部ケーブルが貫通する連結口13fと、ユニット型非常用発電装置10の外部に設置され、外部を照らす照明装置13gと、も含まれてもよい。
【0074】
以下では、ユニット型非常用発電装置10の内部に配置される構成について説明する。ユニット型非常用発電装置10の内部には、非常用発電機111a、変圧器111b、スイッチボード111c、ファン111d、ファンスターター111e、燃料タンク111f、及びシート121aなどを含む。
【0075】
非常用発電機111aは、発電エンジン3aが故障等で使用の不可能な場合に、船舶内部に電力を供給するために駆動されることができる。非常用発電機111aの燃料は、ディーゼル又はLNGが使用され、使用目的によって非常用発電機111aの大きさもまた異なってもよい。
【0076】
船舶にディーゼルエンジンを利用する非常用発電機111aが設置される場合には、発電機の他に燃料タンク111f、エア圧縮機、始動用バッテリ、エア貯蔵所、排気ガスパイプ、及び消音器など多くの付加装置が設置されることができる。
【0077】
非常用発電機111aは、内部空間111で手動で運転することができ、発電エンジン3aが停止したり問題が生じた場合に遠隔又は自動で運転がされることができる。
【0078】
また、非常用発電機111aは、6ヶ月毎に作動するか否かをテストする必要である。
【0079】
変圧器111bは、非常用発電機111aで生産された電源の電圧と異なる負荷を必要とする施設がある場合に使用することができる。例えば、非常用発電機111aが駆動されて440Vの電源を生産する場合に、440Vはポンプやモータに使用することができるが、照明に使用するためには220Vに変圧が必要である。このような場合、変圧器111bが440Vを220Vに変換して供給することができる。
【0080】
スイッチボード111cは、非常用発電機111aとユニット型非常用発電装置10の施設を操作することができる。スイッチボード111cの操作を介して、非常用発電機111aで生産された電源を、それぞれの必要な施設に供給するようにすることができる。従って、スイッチボード111cは、別途の施設と多数のケーブルで連結されることができる。スイッチボード111cの内部には遮断器が存在してもよく、故障に備えた別途の電力システムが存在してもよい。
【0081】
ファン111dは、内部空間111の空気を循環させて内部空間111で発生する熱を外部に排出するために用いることができる。ファン111dの性能と内部空間111で発生する熱の量とによって、ファン111dは複数個設置されてもよい。図4を参照すると、ファン111dは、排出ルーバー13cと連結されており、ファン111dの大きさは、排出ルーバー13cの大きさよりも小さく示されている。設計によって、ファン111dは、排出ルーバー13cと直接連結されていなくてもよく、排出ルーバー13cの大きさよりも小さくなくてもよい。
【0082】
ファンスタータ111eは、エンジンケーシング1に位置した換気ファンの作動を調節できる装置である。エンジンケーシング1内には、ルームで構成された密閉空間が存在してもよく、密閉空間又は通路などに外部との空気循環のための換気ファンが装着されてもよい。従って、ファンスタータ111eと換気ファンとは、ケーブルなどで連結されていてもよい。
【0083】
また、ファンスタータ111eは、エンジンケーシング1に位置した換気ファンを操作する装置であるが、操作の利便性と容易性、及び設置空間を考慮してスイッチボード111cのように付着して構成していてもよい。
【0084】
燃料タンク111fは、非常用発電機111aの駆動時に必要な燃料を貯蔵することができる。燃料の種類は、ディーゼル、LNGなどが使用され、使用される燃料によって燃料タンク111fの形態と材質は変わってもよい。非常用発電機111aの駆動時に熱が発生するため、燃料タンク111fは、非常用発電機111aと離隔配置されてもよい。
【0085】
以下では、燃料タンク111fについて詳細に説明する。
【0086】
まず、図10図11が燃料タンク111fの説明に必要であるため、図10図11を参照して説明する。
【0087】
図10は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間111に配置された燃料タンク111fの斜視図である。
【0088】
図10を参照すると、燃料タンク111fは、六面体の形状を有することができる。燃料タンク111fは、1つの上面111gと1つの下面111hとを有することができ、4つの側面111iを有することができる。燃料タンクの下面111hは、下壁12と直接連結されてもよく、その間に漏油を防止するための別途の装置を設けてもよい。
【0089】
漏油を防止するための装置は、燃料タンクの下面111hよりも面積が広くてもよい。漏油を防止するための装置は、下壁12と離隔配置されてもよい。燃料タンクの上面111gは、上壁14と離隔配置されてもよく、燃料タンクの側面111iは、側壁13と離隔配置されてもよい。
【0090】
図11は、本発明の他の実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間111に配置された燃料タンク111fの斜視図である。
【0091】
燃料タンク111fは、六面体の形状を有してもよく、燃料タンク111fは、1つの上面111gと1つの下面111hとを有することができ、4つの側面111iを有することができる。燃料タンクの6面のうちの1面は、側壁13によって形成されてもよい。従って、1面が側壁13によって形成されると、側壁13で形成された1面と燃料タンク111fの他の5面との材質及び厚さは異なってもよい。
【0092】
図11を参照すると、燃料タンクの下面111hは、下壁12の一部によって形成されてもよく、燃料タンクの4つの側面111iのうちの少なくとも1つの側面111iは、側壁13の一部によって形成されてもよい。燃料タンクの下面111hが下壁12の一部によって、側面111iのうちの少なくとも1つの側面111iが側壁13の一部によって形成された場合には、揺れに抵抗することができる。
【0093】
従って、クレーンのスプレッダーでユニット型非常用発電装置10を移送する場合に、燃料タンク111fの揺れを減らすことができ、図10に示された燃料タンク111fと対比して、構造的に安定性が生じることができる。
【0094】
また、燃料タンクの側面111iのうちの1つ以上が側壁13の一部によって形成される場合に、図10に示された燃料タンク111fと対比して、内部空間111に占める空間が減ることができる。内部空間111の通路を確保するにも容易であり、ユニット型非常用発電装置10のサイズも減らすことができる。
【0095】
シート121aは、非常用発電機111aの騒音と振動の低減機能を行うことができる。
【0096】
図3を参照すると、シート121aは、下壁12と非常用発電機111aとの間に配置されることができる。非常用発電機111aは、ディーゼル発電機が用いられてもよく、ディーゼル発電機は、火力発電装置の一種で、燃料の燃焼によって生成された熱エネルギーを機械的エネルギーに変換することができる。そして、ディーゼル発電機は、騒音と振動が大きいので、防音と防塵装置が必要になる。
【0097】
ディーゼル発電機の振動や騒音には様々な原因があり得る。まず、ディーゼル発電機の騒音は、ディーゼル発電機内部のシリンダーヘッドとピストンの動きによって発生する機械的騒音と、シリンダー燃焼時の圧力変動によって発生する騒音である燃焼騒音が原因になりうる。また、ディーゼル発電機の駆動時に空気が必要であるが、空気を供給する空気吸入口から出る風の音も騒音の原因になりうる。
【0098】
ディーゼル発電機の振動は、シリンダー内で燃料が燃焼して発生した熱エネルギーが、ピストンを動かしながら機械的エネルギーに変換される過程で発生することができる。
【0099】
シート121aを配置することで、発電機の駆動による振動が下壁12に伝達されることを防止することができ、発電機から発生する振動を減少させて振動低減の効果があり得る。また、非常用発電機111aと下壁12との摩擦を減らして騒音低減の効果があり得る。シート121aが騒音と振動の低減機能を行うために、防塵ゴム、コイルスプリングなどの弾性体で製作されることができる。
【0100】
図3を参照すると、シート121aは、下壁12と当接していてもよい。シート121aは、下壁12又は非常用発電機111aと脱着可能であっても、固定されて一体化されてもよい。シート121aの大きさは、非常用発電機111aの大きさよりも大きくてもよく、シート121aの厚さは低減機能を行うなら様々な厚さが可能である。
【0101】
以下では、ユニット型非常用発電装置の内部空間111に含まれる構成の配置について説明する。その構成には、非常用発電機111a、スイッチボード111c、変圧器111b、燃料タンク111f、ファン111d、及びファンスタータ111eなどが含まれる。
【0102】
図4を参照すると、第1方向(左右方向)に一側に非常用発電機111aとファン111dとが備えられ、他側に燃料タンク111fと変圧器111bとが備えられる。
【0103】
第1方向に垂直な第2方向には、一側にファン111dと、燃料タンク111fと、非常用発電機111aと、ファンスタータ111eと、が備えられ、他側に変圧器111bとスイッチボード111cとが備えられる。
【0104】
構成の配置によって、エンジンと燃料タンク111fは離隔配置されてもよく、スイッチボード111cとファンスタータ111eも離隔配置されてもよい。ファンスタータ111e、変圧器111b、非常用発電機111aおよびスイッチボード111cは、ルーバー13a又は側壁13と離隔配置されてもよい。内部空間111の構成の配置によって出入口13dから通路が形成されることができ、通路を通じて管理者の往来が可能であることから構成の管理又は修理が容易になる。
【0105】
前述したスイッチボード111cとファンスタータ111eの離隔配置を説明する。
【0106】
ファンスタータ111eとスイッチボード111cは、共通して装置を操作する機能を行うことができる。操作の利便性と容易性のためには、ファンスタータ111eとスイッチボード111cは付着されて構成されることができる。
【0107】
図2を参照すると、ファンスタータ111eとスイッチボード111cは、付着されて構成されている。付着されて構成される場合には、分離された場合よりも左右方向の長さが長くなることができる。左右方向の長さによって、内部空間111での配置に制限が生じ、内部空間111の大きさもまた、相対的に大きくならなければならない。
【0108】
図4図5を参照すると、ファンスタータ111eとスイッチボード111cは分離されて配置されることができる。スイッチボード111cの位置は、図2での位置と同様であるが、ファンスタータ111eは、スイッチボード111cから分離されて燃料タンク111fと変圧器111bとの間に配置されたことが分かる。
【0109】
ファンスタータ111eの位置は、変圧器111b又は燃料タンク111fの位置と変わってもよい。ただし、燃料タンクの側面111iのうちの一部が側壁13と一体化された場合には、燃料タンク111fとの位置変更が困難であることがある。ファンスタータ111eがスイッチボード111cと分離されて配置された場合、左右方向の長さが縮まることができ、ユニット型非常用発電装置10のサイズを減らすことができる。
【0110】
前述したファンスタータ111e、変圧器111b、非常用発電機111a及びスイッチボード111cのルーバー13a又は側壁13からの離隔配置についてを説明する。
【0111】
図4を参照すると、内部空間111の構成は、排出ルーバー13cと吸入ルーバー13bとを含むルーバー13aから離隔配置されてもよい。それらの構成がルーバー13a又は側壁13から離隔配置される場合、その間に通路ができ、通路を介して空気が循環して、内部空間111の空気循環に役立つことができる。
【0112】
また、構成が駆動される場合には、熱が発生する。特に非常用発電機111aは、シリンダー内部で燃料を燃焼するためにさらに熱が発生することになる。内部空間111で発生した熱は、ルーバー13aを介して外部との空気交換が行われることができる。
【0113】
ルーバー13aの個数は複数個であってもよいが、本発明の一実施形態では、1つの吸入ルーバー13bと1つの排出ルーバー13cとを有することができる。ルーバー13aの配置によって、内部空間111で発生する熱の流動と外部から流入する空気の循環が異なってもよい。
【0114】
図4を参照すると、吸入ルーバー13bは、出入口13dが配置された側壁13に配置されてもよく、排出ルーバー13cは、他の側壁13に配置されてもよく、ファン111dと連結されてもよい。この場合、吸入ルーバー13bを介して内部空間111に流入した空気は、反対側の側壁13に当たった後、分散されて壁面に沿って迂回して、最終的にファン111dに流入される。
【0115】
このような配置にすることで、換気不足で局部的に高温の領域はなくなり、非常用発電機111aの周囲だけで高温の領域が発生することになる。
【0116】
非常用発電機111aの正常な運転のために、非常用発電機111aを適正温度に維持することが必要になる。非常用発電機111aを適正温度に維持するためには、発生する熱を冷却水を介して冷却したり、非常用発電機111aに供給される空気の温度を所定温度以下に維持する必要がある。
【0117】
非常用発電機111aに空気が供給される入口での空気の温度は、45度以下を維持しなければならない。ルーバー13aが配置された内部空間111の空気温度の分布を分析してみると、内部空間111の空気の平均温度は35.9度になり、ファン111d入口の空気の平均温度は39.4度になって、45度以下を満たすことができる。
【0118】
本発明の一実施形態であるユニット型非常用発電装置のルーバー13aと内部空間111の構成との配置を通じて、内部空間111の空気循環を最適化して内部空間111の空気温度を適正水準に維持することができる。
【0119】
図5を参照すると、内部空間111の構成の配置で通路が形成されることができる。管理者などが出入口13dを介して非常用発電機111aを通ることができ、スイッチボード111cが配置されたところで通路が2つに分かれることができる。
【0120】
側壁13に近いスイッチボード111cの後面に行ける通路があってもよく、その反対側であるスイッチボード111cの前面に行ける通路があってもよい。スイッチボード111cの前面の通路を通ると、変圧器111bとファンスタータ111eとを通って燃料タンク111fに達することができる。通路の幅と長さは、内部空間111の配置によって異なってもよい。
【0121】
以下では、スイッチボード111cの後面に行ける通路について説明する。
【0122】
理解を助けるためにまず、図7を参照して説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置10の側面図である。
【0123】
図7を参照すると、ユニット型非常用発電装置の開放可能な側壁13eが示されている。開放可能な側壁13eは、スイッチボード111cの後面と隣接し、排出ルーバー13cから遠い側壁13であり、他の側壁13とは異なって開放が可能である。
【0124】
開放可能な側壁13eは引き戸で製作することができる。引き戸で製作する場合、開き戸で製作する場合よりもスイッチボード111cの後面に行ける通路の幅が大きくなくても良い。従って、ユニット型非常用発電装置10の大きさを相対的に減らすことができる。
【0125】
また、スイッチボード111cの後面を作業する時、開放可能な側壁13eを開放すると、外部からも作業が可能であるので作業が容易になる。スイッチボード111cを一体に入れ替える時にも、側壁13を取り除くことなく開放可能な側壁13eを開放すると入れ替えが可能である。
【0126】
図6は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置10の斜視図である。
【0127】
ユニット型非常用発電装置の側壁13には、追加的に側壁拡張モジュール15aが連結されることができる。側壁拡張モジュール15aの形状は、コンテナのように直方体の形状を有してもよく、ユニット型非常用発電装置10のように固定フレームも有してもよい。側壁拡張モジュール15aは、ユニット型非常用発電装置10と大きさが異なってもよく、使用する材質もまた異なってもよい。
【0128】
側壁拡張モジュール15aとユニット型非常用発電装置10は脱着が可能であるので、ボルティングなどの方式で固定されたり、別途の締結具があって、噛み合って連結されることができる。例えば、側壁拡張モジュール15aは、船舶に必要な材料や設備などの保管用途として使用することができる。
【0129】
図7は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置10の側面図である。
【0130】
図7については既に説明したので、詳細な説明は省略する。
【0131】
図8は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置10の側面図である。
【0132】
図8のユニット型非常用発電装置10は、図2と比較すると、上壁14の上方に別途の突出した構造がない。ユニット型非常用発電装置10は、吸入ルーバー13bと排出ルーバー13cとを含む換気システムや、ケーブルを含む電気システムが上壁14の下方に設置されることができる。従って、上壁14の上方に追加的に上壁拡張モジュール15bが連結されてもよい。
【0133】
上壁拡張モジュール15bは、ユニット型非常用発電装置10のようにコンテナのような直方体の形状を有してもよい。図8を参照すると、上壁拡張モジュール15bとユニット型非常用発電装置10は同じ大きさで示されているが、上壁拡張モジュール15bは、ユニット型非常用発電装置10と大きさが異なってもよく、使用される材質もまた異なってもよい。
【0134】
上壁拡張モジュール15bとユニット型非常用発電装置10は脱着が可能であるので、ボルティングなどの方式で固定されたり、別途の締結具があって、噛み合って連結されることができる。例えば、上壁拡張モジュール15bは、船舶に必要な材料や設備などの保管用途として使用することができる。
【0135】
図9は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置10の斜視図である。
【0136】
排出ルーバー13cと吸入ルーバー13bがそれぞれ備えられた側壁13と連結される上壁14の角部分に対して、上方から落下する異物を防ぐためにコーミング141が設置されてもよい。
【0137】
コーミング141は、平面に製作され設置されて、異物を防ぐことができ、又は曲線状の排水口形式で製作して設置されて、異物を他の所に移動させることができる。コーミング141は、上壁14の角の長さ分だけ備えられてもよく、ルーバー13aと出入口13dを介して内部空間111に異物が入らないほどの長さを備えてもよい。例えば、異物は、天候の悪化時に雪や雨になることがあり、埃などにもなりうる。
【0138】
図10は、本発明の一実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間111に配置された燃料タンク111fの斜視図である。図11は、本発明の他の実施形態に係るユニット型非常用発電装置の内部空間111に配置された燃料タンク111fの斜視図である。
【0139】
しかし、燃料タンク111fについては図10図11を参照して既に説明したので、詳細な説明は省略する。
【0140】
本発明は前記で説明した実施形態に限らず、前記実施形態の組み合わせ又は前記実施形態のうちの少なくともいずれか一つと公知技術との組み合わせをさらに他の実施形態として含むことができる。
【0141】
以上、本発明を具体的な実施形態を通じて詳しく説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであって、本発明はこれに限らず、本発明の技術的思想の内で当該分野の通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であることは明白であると言える。
【0142】
本発明の単純な変形や変更は、全て本発明の領域に属するものであって、本発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0143】
1 エンジンケーシング
2 煙突
3 エンジンルーム
3a 発電エンジン
3b 推進エンジン
4 非常用発電エンジンルーム
10 ユニット型非常用発電装置
11 固定フレーム
111 内部空間
111a 非常用発電機
111b 変圧器
111c スイッチボード
111d ファン
111e ファンスタータ
111f 燃料タンク
111g 燃料タンク上面
111h 燃料タンク下面
111i 燃料タンク側面
12 下壁
121a シート
13 側壁
13a ルーバー
13b 吸入ルーバー
13c 排出ルーバー
13d 出入口
13e 開放可能な側壁
13f 連結口
13g 照明装置
13h 排出口
14 上壁
141 コーミング
141a 換気システム
15a 側壁拡張モジュール
15b 上壁拡張モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11