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特開2023-99372微弱電波送信機能付き視覚障害者誘導用ブロック
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  • 特開-微弱電波送信機能付き視覚障害者誘導用ブロック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099372
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】微弱電波送信機能付き視覚障害者誘導用ブロック
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/005 20060101AFI20230706BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20230706BHJP
   E01F 11/00 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
G08G1/005
G01C21/26 P
E01F11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215490
(22)【出願日】2021-12-31
(71)【出願人】
【識別番号】392002077
【氏名又は名称】松本 隆通
(72)【発明者】
【氏名】松本隆通
【テーマコード(参考)】
2D064
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2D064AA02
2D064AA22
2D064AA24
2D064BA01
2D064EA12
2F129AA02
2F129BB07
2F129EE43
2F129FF04
2F129FF61
2F129HH35
5H181AA23
5H181BB04
5H181BB09
5H181CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】デジタル技術をシステムの中核に使用せず、既にインフラが整い、その送受信に大きな費用負担が発生しない、アナログ技術である、FM微弱電波で、視覚障がい者などへの歩行支援や緊急避難場所情報などを放送する。
【解決手段】適宜更新される放送内容を、FMラジオ放送帯微弱電波送信機2と送出電波の方向や範囲を制御できるアンテナ4を使い、その放送を聞いた視覚障がい者などが自分の歩いている場所や方向が判断できる構造にした装置を視覚障害者誘導用ブロック41に組み込む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
FMラジオ放送帯微弱電波送信機と、情報を聞きたい人が持つFMラジオに向けて電波を送出する方向を制御できる指向性送信アンテナと、送信する音声などの情報が外部から更新できる記録再生装置と、電源装置が、組み込まれた構造を特徴とする視覚障害者誘導用ブロックなど道路設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指向性送信アンテナと再生音声の更新機能を備えるFMラジオ放送帯微弱電波送信機と電源装置を、視覚障害者誘導用ブロックに組み込んだ部材に関するものである。
【0002】
ここで言う指向性送信アンテナとは、送信したくない方向には送信電波を極めて小さく、あるいは電波を出さない状態にすることができる構造のアンテナを指す。
【0003】
ここで言う再生音声の更新機能とは、放送に供する音声内容を外部から更新できる機能を備えた記憶装置のことを指す。
【0004】
ここで言うFMとは周波数変調方式のアナログ電波を指す。
【0005】
ここで言うFMラジオとは概ね76から90メガヘルツ又はこれに概ね76から95メガヘルツの周波数帯を加えたFM電波を直接受信できる一般市場向けラジオ受信機(白杖の中に組み込まれたFM受信機や、FM電波を直接受信してアナログの音声として聞くことができる機能を持つスマートフォン、AM放送と呼ばれる振幅変調方式のアナログ電波で、概ね526キロヘルツから1,606キロヘルツの中波帯、又は概ね3メガヘルツから30メガヘルツの短波帯、を受信できる機能を併せ持つラジオも含む)を指し、AMラジオ放送やFMラジオ放送の内容などをデジタル(又はディジタル)データ化してネット配信されているものを受信するインターネットラジオ受信端末機(専用端末機のほかネットラジオ受信用アプリケーションソフトを入れたスマートフォンやパソコンなども含む)(以降ネットラジオ受信機と言う)のことではない。
【0006】
ここで言うデジタルとは、従来のアナログ電波や音声の様に連続した振動波形あるいは色彩映像などの情報を0と1で構成されるデータとして数値化して処理をする概念であり、デジタル技術とは、デジタル社会形成基本法第二条で説明するデジタル社会についてその技術の基となるインターネットその他の高度情報通信ネットワークあるいは比較的近距離間の双方向通信システムや、それを構成する電子部品やデジタルデータ処理用の機器類、プログラムなどを使って運用する技術全般を指す。
【0007】
ここで言う微弱電波送信機とは、電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする法律であることを謳う電波法の第4条第一項にある著しく微弱な電波であって、電波法施行規則第6条に定める無線設備から3メートル離れた電解強度が周波数別に定められた値以下の無線局を指し、FMラジオ放送帯ではその値は毎メートル500マイクロボルト以下のものである。
【0008】
ここで言う電源装置とは、太陽光や電磁誘導などの外部エネルギーによって起電し蓄電することができる装置を指し、電力供給先の装置が短期使用の目的にあっては乾電池も含む。
【0009】
ここで言う視覚障害者誘導用ブロックとは、視覚障害者が足裏の触感覚で認識できるよう、突起を表面につけたもので、視覚障害者を安全に誘導するために地面や床面に敷設されているブロック(プレート)を指し、日本工業規格で定められた最低寸法である30センチメートル四方で厚みが60乃至80ミリメートルのブロックが一般的である。
【0010】
簡素な構造にもかかわらず、足の裏の感触と白杖などでその形状を把握することにより、今自分が立つ場所が安全な歩道であり、前後方向に進める場所か左右に折れる場所なのか、あるいは危険な場所が先にあるのかなどが分かる便利な部材なので、日本で考案されて以来50年以上経っても基本的な概念やその活用方法は大きく変化していないのだが、白杖を持つ視覚障害者の慣れや感覚にその判断が大きく左右される構造も殆ど変わっていない。
【0011】
ここで言う白杖とは、身体障害者福祉法では盲人安全つえに分類され、視覚障害者が路面を叩くなどしてその音や感触から自らが歩く少し前方路面の状態や周囲の障害物などをいち早く察知するために持つ白く着色された杖のことを言い、視覚障害者にとっては視覚障害者誘導用ブロックと共に歩行時の路面状況などを把握するために便利で重要な道具である。
【背景技術】
【0012】
急激な少子高齢化や海外からの労働力移入に加え産業の国際化などにより増えてゆく視聴覚障害者や地域に不慣れな外国人などの健常者(以後視覚障がい者などと言う)に対して平時はもとより非常時にも歩行を支援し、地域の情報を伝え、あるいは迅速に避難誘導することができる安全で簡便な情報入手あるいは情報提供の手段(以降安全で簡便な情報手段と言う)を整備又は設置し運用することは国などの行政や自治体側(以後運営者と言う)にとって急務となっている。
【0013】
ここで言う安全とは、視覚障がい者などが、必要な情報を得たりその情報により行動する際に潜在的あるいは直接的な危険が生じないことを指す。
【0014】
ここで言う簡便とは、視覚障がい者などが、必要な情報を得るに際して個人情報など煩雑な事前登録や複雑な操作、あるいは利用のための高額な費用などが発生せず、運営者にとっても、高額なシステム開発費用や機器類の投資、高額で煩雑な運用作業が発生しない様に既存のインフラを活用するなどの工夫がなされていることを指す。
【0015】
近年急速に発達しているデジタル技術を活用した双方向通信システムを使った視覚障がい者などへのローカル情報の提供や歩行の支援システムが多数開発されている。
【0016】
近距離間のデジタル式双方向通信システムに使われるRFIDは自らの駆動用電池を内蔵するアクティブ型、外部エネルギーによって自己発電するパッシブ型、及び外部の制御信号によって電源を入り切りするセミアクティブ型に大別されるが、基本的な構造は超小型の無線送受信装置とデジタルデータの記憶演算処理装置などの部品を極小のガラス管やプラスチック製の薄板などに組み込んだ小型の電子部品である。
【0017】
RFIDがデータの送受信に用に使う電波は、瞬時に多量のデータを伝送させるためにUHFと呼ばれる非常に高い周波数帯の電波や、混信を防ぐために公共の電波帯を避けた周波数を使っている。
【0018】
このため、広く普及しているAMラジオやFMラジオなどの一般民生用受信装置ではこれらの周波数帯の電波は殆ど受信できず、あるいは電波が受信できたとしてもデジタル処理されたデータを人の耳に聞こえる音波として再生するにはデジタルからアナログに変換し、更に、場合によっては他人の傍受を防止するなどの目的で施された暗号を解除する機能も備えておく必要があるので、デジタル受信機の製造コストや処理プログラムの開発など、従来のアナログ技術を拡張する場合に比べて整備費用が高くなると共に運用が複雑になる構造的に不可避な欠点があった。
【0019】
例えばRFIDを組み込んだICタグと呼ばれる無線による情報発信用の集積回路を街中の至る所に設置し視聴覚障がい者などに対して街の案内をする実証実験が国土交通省などにより2005年6月から神戸で行われたが、ユビキタスコミュニケーターと呼ばれる専用端末や白杖の先に取り付けた読み取り装置で38桁の番号データを読み取りデータベースと通信をした結果を音声で案内するそのシステムの複雑さや事前のデータ入力の煩雑さなど運営者に重い負担が生じるばかりではなくデータ処理に電力を使う携帯端末の電池が1時間しか持たないことや端末が高価になったことに加え、機器類が使いづらいなどの使用者側の不便意見があり(非特許文献1及び2)、2006年4月以降に予定されていた全国展開は行われていない。
【0020】
この他にもデジタル技術の進歩に伴い視覚障害者誘導用ブロックや白杖に対する様々な付加機能や技術が考案され公開されているのでその内容を分析精査したのだが、それらの考案についても特許査定、拒絶査定などその結果を問わず、後述の不都合理由の通りデジタル技術を構成システムの基幹として使う限り安全で簡便な情報手段とは言えないと判断せざるを得ない欠点があった。
【0021】
例えば、靴に埋め込んだRFIDが視覚障害者誘導用ブロックに埋め込んだRFIDから発せられる位置情報をデジタル通信により解析し、手もとの受信機からイヤホンなどを通じて音声として聞くシステム(特許文献1)が公開されているが次の一歩先にある不意の障害を検知する白杖は必須であり、耳から離れた靴からの信号を聞くために、単純な構造のFMラジオなどの受信機と較べて重いスマートフォン受信機が必要になるなど視覚障がい者など利用者に負荷がかかるばかりではなく、運営者にもデジタル処理の特別なシステム機器が必要であるので、安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0022】
白杖の先端に埋め込んだ受信装置が視覚障害者誘導用ブロックなどに固定されたトランスポンダ又はタグ(データキャリア又はRFID)と規定される送信機から発せられる位置情報などの詳細データをデジタル通信により受信して解析し、手もとのイヤホンなどを通じて音声として聞くシステム(特許文献2)が公開されている。
【0023】
このシステムの基幹技術はデジタル技術であり、識別情報信号発信装置と呼ばれる送信機から発信される識別情報信号は、受信後に視覚障がい者が認識可能な識別情報に変換するコードデータ信号処理装置を通す方式としてあることから、一般のFMラジオで受信し音声として再生できないことが分かる。拡張運用例ではエレベータ壁面にある呼び出し釦付近にこのRFIDを設置しておけば釦の位置が分かるとする内容についても専用の受信機が必要であり、把握できる位置についても直接の方向が把握できるわけではなく釦の位置情報が分かる程度の支援で止まるものである。
【0024】
また、電波形式など詳細が不明だが説明では全周囲に電波が発射され、隣接する送信機との混信回避対策が必要となり、更に白杖を持つ人がどの方向を向いて立っているのかが分からないので提供する情報が誤認される恐れもある。
【0025】
運用者にとってはGPS(衛星による全地球測位システム)などの大掛かりなシステムとの連携プログラムの開発や専用の通信機器類の道路などへの設置によって費用が発生し、専用端末を持っていない人々にも広く利便を提供できるシステムではないので安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0026】
同じく、GPSデータを基にスマートフォンの地図アプリケーションと連動させて靴の中に組み込んだデバイスを進行方向変更の毎に違う部分を振動させることで目的地へ着用者を誘導する視覚障がい者向けナビゲーションシステムが開発投入されている(非特許文献3)が、道路のくぼみや小さな段差など地図に取り込めない障害物に対応困難なために白杖の併用が必須であり、そもそも目的地を事前に入力しているのであればそのスマートフォンのナビゲーションシステムからの地点毎の右左折指示などの音声案内をイヤホンなどを介して直接聞けばこのデバイスを付けない普通の靴で歩いてもほぼ同じ機能を手に入れることができるので安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0027】
音声データに識別コードを付加した赤外線データを、埋め込まれた視覚障害者誘導用ブロックなどから斜め方向に送り出す視覚障害者用送信機と、白杖に埋め込んだ視覚障害者用受信機から成るシステム(特許文献3)は、元データ送出用の光ファイバーやデジタルデータ処理装置あるいは赤外線受光機能を持つ視覚障害者用受信機など事前のデータ入力作業や専用の機器類の準備が必要なので安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0028】
公開情報では、光又は赤外線データを使うと表現されているが、これは周波数帯が概ね76から90メガヘルツ又は95メガヘルツの周波数変調方式の電波とは理解できずFMラジオでは受信できない。
【0029】
仮にFMラジオで音声データに識別コードを付加した赤外線データを受信できた場合であってもそれらのデータを復調することはできないので安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0030】
利用者側の装置負担を軽減し受信機を稼働させる電源の消耗を回避させる効果があるとして履物の底や白杖の先端などに埋め込んだ磁石によって視覚障害者誘導用ブロック内の発振器からラジオ波によって識別信号を発射させ、それを受信する仕組みの視覚障害者誘導装置(特許文献4)が実用新案登録されているがこの方式であっても白杖又は靴に磁石を埋め込む必要や識別信号の処理、更に情報を伝えるラジオ波を発信させるための起動ツールとなる磁石を持っていない人には手軽に聞けないので安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0031】
視覚障害者誘導用ブロックに、番地情報を持たせた多数のRFIDを埋め込みそれぞれが発するRFIDの情報を解析して体の向きや歩行の方角を歩行者に知らせる仕組み(特許文献5)が公開されているが、多数のRFIDへの番地情報入力やその管理及び解析装置など複雑なシステム投資が必要となり、利用者にもRFIDタグリーダなどの装置が必要となるなど、安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0032】
既存の公開技術を改善して新たに考案したとする視覚障害者誘導用ブロックと白杖に太陽電池で駆動する赤外光による音声情報通信装置を組み込み、ブロック側から複数方向に出射される赤外光を、白杖内部に組み込まれた装置により受信して直進右左折の情報を音声として利用者に伝えるシステム(特許文献6)が公開されているが、赤外光IRを受光して電気信号に変換する太陽電池や大量の赤外線LEDやデータ処理装置などが必要なことに加え、歩行者の靴底により傷つきやすいブロックの隆起部からの赤外光出射なので汚れや傷による通信品質の劣化に注意が必要になる。
【0033】
更にこれらを駆動するブロック側電源の記述が少ないため詳細は不明だが、外部からの電源調達方式とするならばその調達場所やそこからの配線工事手順、太陽光による自家発電素子を組み込む場合にはLED発光ユニットを避けるためにブロックのくぼみ部分に発電パネルを設置しなくてはならないので泥などによる電力不足対策も必要になるなどの不都合が考えられる上、赤外光IR受光ができる専用の白杖を持っていない視覚障がい者などには利用できないシステムなので安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0034】
パッシブ型RFIDを使った視覚障がい者向けナビゲーションシステムの開発に関しては、情報処理学会論文誌で、日本工学教育協会特別教育士らが、無線標識となるビーコン電波を一部のスマートフォンなどで直接受信して自分の位置を特定する方式の案内システムや先端にアンテナを組み込んでRFIDからの情報を読み取る特殊な白杖を使う方式などの既存技術の欠点を克服した新たな仕組みとして前置きしたした上で、UHF帯RFIDを用いた視覚障がい者向け歩行者ナビゲーションシステムの開発と展示会への適用と題して予備実験内容を書面公開(非特許文献4)している。
【0035】
これはUHF帯で通信距離が10メートル程度あるRFIDタグを点字ブロックの下に埋め込んだナビゲーションシステムの構築に向けての屋内実験であるが、論文によれば、事前に位置情報を入力してある手持ち型リーダーでは最大3メートルの読み取り距離を誇るRFIDを、床面に予め設置位置を把握した上で複数敷設しておき、専用の受信機でそれらの位置情報とRSSIと呼ばれる受信信号強度をもとに三辺推量法によって導き出した現在位置や歩行の方向を床平面図の座標と連動させて視覚障がい者に音声で知らせるものとなっている。
【0036】
このシステムではRFIDに外部から電波などによる電磁誘導を加えるためのバッテリーやその制御基板、RFIDリーダーと呼ばれる特殊機器、アプリケーションソフトを組み込んだスマートフォンなどの重い装備を身体に装着した上で手元の制御用ボタンを操作することが必要となるなど煩雑で大がかりなシステムを別途用意する必要があり、障がい者への身体的負担と設置運用に掛かる費用などを考慮すると安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0037】
RFIDを主として使わない方式による視覚障がい者向けの歩行支援システムが考案され、地下鉄駅構内エリア限定の実証実験として視覚障害者誘導用ブロックに貼り付けられた二次元バーコードをスマートフォンで撮影すれば目的地まで音声で案内してくれるシステム(非特許文献5、6、7及び8)が導入されたが、事前に個人情報と引き換えに提供されるアプリケーションソフトをスマートフォンに読み込み、歩行指導員から説明を受けた後に漸く認証キーを付与して貰えるなど事前手続きが煩雑であることに加え、乗降客錯綜時はもとより閑散時であっても、視覚障がい者が白杖を持つ他方の手でスマートフォンを持ち、対象の二次元バーコードを撮影し続けることは危険なので安全で簡便な情報手段とは言えず、3年経過した時点でも一部の駅での検討運用段階にとどまっている。
【0038】
次いで、多くの車に装備されておりAM・FMラジオ帯の放送が受信できるカーラジオや、近年普及が進むカーナビゲーションシステムに対して、情報を提供するために既に運用されている道路情報提供システムを歩行者向けに応用できないかどうか検討を加えた。
【0039】
道路関連施設を高速移動している際にも手軽に情報が入手できるハイウェイラジオは1620キロヘルツのAM電波を使用した比較的広域向けの放送なので視覚障がい者が今歩いている狭い周囲の情報を得る手段としては活用が困難である。
【0040】
更にこの方式では近い将来予定されているAMラジオ向け電波送信停止後のAMラジオ受信機の普及や受信環境を考えるとこれを活用するには不安が残る。
【0041】
アプリケーションソフトを読み込んだスマートフォンやカーナビゲーションシステムで受信したデータを画面上に表示して道路状況などが把握できる次世代ハイウェイラジオはネット通信環境の整備とスマートフォンなど受信装置及びデジタルデータの処理装置などが別途必要となるばかりではなく、視覚障がい者などにとっては徒歩範囲の情報を手軽な装置を介して耳で聞くことができないので安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0042】
デジタル技術と無線LAN又は近距離無線通信規格を活用し、スマートフォンなどに対して歩行者用信号情報を送信するとともに、スマートフォンなどの操作により青信号の延長を可能とする高度化PICS(歩行者等支援情報通信システム)が令和2年度から運用開始されている(非特許文献9)が、これについても、視覚障がい者にとって操作が困難な画面操作を中心としているスマートフォンが主な受信装置として使われてれており、更に事前にスマートフォンなどに対応アプリケーションをインストールしておく必要があるなど、安全で簡便な情報手段とは言えない。
【0043】
以上の事例に限らず視覚障がい者などの歩行支援に係る特許又は実用新案内容を分析し考察したが、最先端の電子技術や設計概念を使って歩行支援システムを構築する際にデジタル技術をシステムの中心として使う限り、安全で簡便な情報手段を求める視覚障がい者などの利用者と運営者双方にとっての不都合を排除することは困難であると考えられるので断念せざるを得ないとの結論に至った。
【0044】
これらの欠点を解消するためにはデジタル技術を中心として使わないアナログ汎用システムとすることが必須であり、安全と利便に関する情報が安全で簡便な情報手段によって提供される様になると、30万人を超えると言われる国内の視覚障がい者のみならず、地域に不慣れな外国人、更には高度な通信網などインフラが整っていない海外の多くの視覚障がい者にも恩恵をもたらすものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2003-91794号公報
【特許文献2】特開平7-334076号公報
【特許文献3】特許第2673258号公報
【特許文献4】実用新案第3019026号公報
【特許文献5】特開2019-75024号公報
【特許文献6】特開2007-50191号公報
【非特許文献】
【0046】
【非特許文献1】2005年4月2日読売新聞夕刊・道案内はICにおまかせ
【非特許文献2】2005年6月30日日刊建設産業新聞・ユビキタス技術を活用
【非特許文献3】本田技研工業株式会社 「2021年6月11日発ニュースリリース」
【非特許文献4】情報処理学会論文誌 コンシューマ・デバイス&システム 2017年1月号 UHF帯RFIDを用いた視覚障がい者向けナビゲーションシステムの開発と展示会への応用 IPSJーTCDS0701006.pdf
【非特許文献5】リンクス株式会社 shikAIホームページ
【非特許文献6】東京地下鉄株式会社 2021年1月18日 ニュースリリース
【非特許文献7】朝日新聞「視覚障碍者向二次元バーコード誘導システム」2021年5月15日夕刊
【非特許文献8】J-CASTニュース 「点字ブロックに二次元バーコード」 2021年7月10日
【非特許文献9】警察庁及び都道府県警 令和3年ホームページ 高度化PICSに関する広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0047】
視覚障がい者などにとって、生活圏、特に道路を歩く際の歩行支援や大規模災害の際の避難支援など地域の情報が安全で簡便に入手できるシステムが無かった。
【0048】
様々な情報が瞬時に遣り取りできるデジタル技術をシステムの中枢手段に使う視覚障がい者用歩行支援システムが多数開発されているのだが、環境整備のために別途多額の開発費用や機器類の整備費用が掛かるばかりではなく、白杖で片手がふさがっている視覚障がい者にとって他方の手で何かを操作するシステムでは両手がふさがる恐怖心が生まれ、更に個人情報などの煩雑な事前登録や複雑なデータ処理装置及びソフトウェアが必要であるばかりでなくスマートフォンを使う場合にはその通信や維持費用が嵩む欠点があり、また、大規模災害時など通信網の切断や錯綜により情報の遣り取りができなくなる恐れもあった。
【0049】
このため、既存のインフラと整合性があり、大規模災害時などで外部電源が喪失した場合でも着実に稼働する簡単な情報発信装置によって、道路状況など地域の情報が、それを必要とする地域の人々に、手軽な受信方法で確実に聞いて貰える、安価で持続可能な送信システムを開発し提供することが、視覚障がい者などの歩行時安全確保への有益かつ持続可能な手段となる。
【0050】
解決しようとする問題点は、近年便利になりつつある高度情報化社会の中で、その技術を使うことが必須であるかの如く扱われているデジタル技術を、視覚障がい者などに対する歩行支援システムの中枢手段に使おうとする限り、視覚障がい者などは、スマートフォンや専用端末の高額利用料を負担し、個人情報の事前登録を強いられたり、不慣れな機器類装着と視認しづらいその操作に煩わされるばかりではなく、運営者にとっても様々な開発整備に係る費用が発生するなど、安全で簡便な情報手段とすることができない点である。
【0051】
このため、システムの基幹部分としてデジタル技術を使わずに、従来のアナログ技術を活用することで、安全で簡便な情報手段とすることを目指した。
【0052】
デジタル技術を使わない視覚障がい者に対する歩行支援ツールとして、視覚障害者誘導用ブロックと白杖のほか、交差点脇の柱などに設置したスピーカーから今自分が立っている横断歩道の利用可否などをアナログ式の音声によって直接教えてくれる装置が挙げられるが、併せて重要なことは視覚障がい者などをその交差点まで誘導できる安全で簡便な情報手段を開発し提供することである。
【0053】
そこで既知の技術や考案を踏まえた上で独自の発想を加え、安全で簡便な情報手段を提供する方法について項目別に策定をした。
【0054】
視覚障がい者などの利用者にとって個人情報を含む煩雑な事前録や複雑な機器類の操作をすることなく必要な情報が入手でき、設置者側にとっても複雑なデータの事前入力作業や新規のシステム機器類などの整備負担ができるだけ少なくて済むように考慮された情報提供方法が良い。
【0055】
視覚障がい者などの利用者に提供される情報の形式は利用者が理解しやすいものとするため、文字や図形の画面表示ではなく、ラジオを聞く感覚で耳に直接届く音声による案内方法が良い。
【0056】
情報の提供手段は、大規模災害時にもネット回線切断やアクセス錯綜による受信困難などに陥ることなく電波が届く限り情報が受信でき、かつ受信人数の制限もない無線方式を使う方法が良い。
【0057】
その実現のために、利用者に利用料が発生しない小さなラジオさえ持っていれば、煩わしい事前登録などをせずとも手軽に情報が手に入る仕組みを考える。
【0058】
電波の型式はデータ処理など複雑な機器類を必要とせず、国内のみならず広く世界中で使用されている一般的なラジオで周波数さえ合えば耳でその放送を聞くことができるアナログ式電波が良い。
【0059】
その電波は混信を軽減するために直進性に優れていること、近距離間の通信に適していること、平時と大規模災害時を問わず公共放送が受信できるラジオで受信できること、受信音質が良いこと、近い将来に当該変調方式の当該周波数帯の電波発射が停止することが無いこと、などの条件に照らし合わせ、わが国では1950年代に本格的な試験放送が実施され1960年代のNHK‐FM開局以来幅広い受信環境が整っているFMラジオ放送帯の周波数電波を使用することを考える。
【0060】
デジタル技術を中心としたシステム支配下で視覚障がい者などの利用者が個々人の希望により個別の情報を入手しようとする場合には通常運営者に対して個人情報などの情報を遣り取りする双方向通信システムを使うのだが、FMラジオ放送帯の周波数電波を使う情報提供システムとすれば、一般のラジオ放送やテレビ放送の様に受信機の電源を入れチャンネルを合わせるだけで欲しい情報を入手できる。
【0061】
その実現のために、送信周波数を複数チャンネル持つ、あるいは単一の周波数のみを使用するシステムであっても、その方向と距離について狭い範囲にしか放出しない電波の構造として、受信者から近い場所から来た電波を選択的に受信することで利用者が必要な内容だけを受信できる構造を考える。
【0062】
電波の強さや送出範囲は既存の公共放送に影響を与えない出力と送出範囲とする。
【0063】
そのために電波法で規定する微弱電波の範囲に抑えて運用するシステムとする。
【0064】
情報電波の受信には、視覚障がい者や高齢者など、あるいは外国地域に住む人々にとっても、その所持や操作方法に違和感が少ない日常使用のFMラジオでも聞けることとするが、白杖に内蔵したFMラジオがあれば別途ラジオを持ち歩かずとも普段は片耳式イヤホンなどを通して公共放送を聞き、道路を歩くときは前もって知らされている歩行支援情報などの受信用周波数に合わせるだけで、煩雑な操作なくその放送が聞ける。
【0065】
更に、視覚障がい者などへの歩行支援情報以外にも、災害時に於ける最寄りの避難場所情報、景勝地に於ける観光情報や工場構内に於ける安全誘導情報など、設置場所や個人の希望に沿う情報を大きく分類した内容毎に異なる周波数として放送すれば利用者にとって必要な区分の情報が手軽に入手できることになる。
【0066】
視覚障がい者などが、現在の位置情報に加えて歩行の方角、あるいは正方向と逆方向などの進行方向を把握するために、受信する電波が発出されている方向を把握できる様にしてあればなお良い。
【0067】
運営者にとって、新規のシステム開発及び永続のための維持費用が重荷にならぬ様に狭域エリア完結型運用ができるシステムとし、部材敷設など展開費用についても既存の視覚障害者誘導用ブロックの敷設コストと大きく変わらず、且つ提供情報内容の更新が外部から容易に行える機能が備わった装置とすることを考える。
【0068】
なお、既存技術から容易に考案できるシステムとの差別化を図るための新しい発想としては、ややもするとデジタル技術が万能とも思われている現代にあって敢えてアナログ技術を使うシステムとすることで充分な差別化は図れるものであるが、更なる差別化としてその電波の送出方式に工夫を加える。
【0069】
本発明の全ての機器類は主として平面投影寸法が概ね30センチメートル四方の視覚障害者誘導用ブロックに組み込まれることを想定した構造となっているのでアンテナや送信機はその中に組み込まれる寸法(以降小型と言う)であることが前提となっている。
【0070】
FMラジオ放送帯微弱電波送信機は、古くからFMラジオで受信できるワイヤレスマイク、近年では無線LAN又は近距離無線通信規格技術で運用されるFMトランスミッターとしてオーディオ機器とカーラジオやワイヤレスイヤホンとの通信に使われているので特段新しい技術ではないのだが、それらは特定機器間の通信としての用に供されており、受信の容易性確保及び送出電波の波長とアンテナの構造上の制限のため全ての小型送信装置には指向性のアンテナは装着されていない。
【0071】
また地域のコミュニティ放送局としての目的の用に供せられるFMラジオ放送帯微弱電波送信機は、できるだけ多くの受信者に聞いて貰える様に無指向性のアンテナを使用して放送されており、特定方向の公衆に向けて電波を出す目的で指向性のアンテナを備えた放送局は見られず、ましてや指向性のアンテナを備えた小型送信装置は見られない。
【0072】
これはFMラジオ放送帯に使われる電波の波長は概ね3乃至4メートルであり、少ない電力で出来るだけ遠くまで電波を届ける使命を持つアンテナの構造上、指向性のアンテナを設計する場合には通常最短でも波長の4分の一又は波長の半分の長さで設定した主アンテナの後方に反射器、前方に導波器と呼ぶ干渉用の2本のアンテナ状構造を付加する必要があるので、送信装置からの出力に対して実質的にアンテナから送出される輻射電力又は電界強度の効率(以下利得と言う)が大幅に低下する小型の指向性アンテナを作る必然性も経済性も見出せなかったからである。
【0073】
そこで、少ない電力で遠くまで電波を届けるアンテナとしての使命を敢えてのぞけ除外すれば、小型の指向性アンテナができると考え、、アルミの筒にFMラジオ帯のワイヤレスマイクのアンテナをコイル状に短く巻いて差し入れ、正面にFMラジオを置いてみると受信できることを確認できたので、送信機側の出力及び筐体の素材や直径及び長さなどを変化させれば、送出後の電波の電界強度を電波法に規定する微弱電波の範囲内に抑え、かつ送出範囲を制御する小型の指向性アンテナができると考えた。
【0074】
つまり、送信機からの送出電波の利得が大幅に減衰することを容認した上で作られる小型の指向性アンテナを1基又は複数備えたFMラジオ放送帯微弱電波送信機は当事例が最初となり、隣接送信機との電波干渉回避やFMラジオで希望する入手内容を選択的に受信できることになるなど多くの利点が生まれることになる。
【0075】
以上の通り課題を解決するための指針をまとめた結果として、視覚障がい者などや運営者にとって安全で簡便な情報手段とするために出来る限り従来の技術や既存の装置を組み合わせることを基本的な開発概念としたものであるが、小型の指向性アンテナの開発・採用を含め、他者によって先に考案された視覚障がい者などに対する歩行支援システムなどは少なくとも1990年代以降の技術文献を見る限りデジタル技術がシステムの中心に据えられた考案なので、アナログ技術を使った既存技術から容易に着目や考案ができるものではないオリジナルのアイデアとなる。
【0076】
但し、デジタル技術は拡張性や応用性が優れているので、この発明のシステムを基本として、これの補完又は拡張機能として、発信する情報の更新時に悪意ある書き換えを防止する機能やGPSデータの解析による歩行方向と連動させた受信周波数の変更や制御機能として使えば良い。
【課題を解決するための手段】
【0077】
本発明は、既述の方向性を踏まえ、利用者と運営者双方にとって安全で簡便な情報手段となる様、送受信インフラが整っている従来のアナログ技術であるFMラジオ放送帯微弱電波送信機と、情報を聞きたい人が持つFMラジオに向けて電波を送出する方向を制御できる指向性送信アンテナと、送信する音声などの情報が外部から更新できる記録再生装置と、電源装置を、組み合わせた装置(以下当送信装置と言う)を、視覚障害者誘導用ブロックなど道路設備に組み込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0078】
本発明は、狭い範囲にしか届かない微弱電波の弱みを、狭い地域の情報発信用電波としての強みとして捉え、かつ直進性が強いFM形式の電波を指向性のあるアンテナを使った情報発信用に使うことで同じ周波数の微弱電波送信機が狭い地域に複数個所設置された場合でも混信せず、それらの電波を選択的に受信することで複雑な手順を経なくとも自分に必要な情報が聞ける利点がある。
【0079】
更にFMラジオで聞けるシステムなので利用者が通信費用や維持費用の掛かるスマートフォンや新たな受信装置を整備する必要もなく、電車での移動時にも通常放送・緊急放送が聞けるうえ、地域情報発信システムとしてのインフラ整備にも貢献できるものである。
【0080】
本発明の敷設及び運用費用に係る利点として、当送信装置が組み込まれた視覚障害者誘導用ブロックの敷設費用は、機能が付加されていない従来型の視覚障害者誘導用ブロックを敷設する場合と大きく変わることがない利点がある。
【0081】
更に、太陽光の当たる屋外のみならず、照明や電磁波など外部からのエネルギー供給環境がある場所であれば、特別なメンテナンスを必要とせず長期間安定した電波を射出し続けることができる利点がある。
【0082】
当送信装置が組み込まれた視覚障害者誘導用ブロック(以降情報発信用ブロックと言う)を使うことによって生じる運営者の主な作業は道路状態や設置場所の情報などを事前に吹き込み、あるいは設置済の情報発信用ブロックの情報を更新することであり、その情報更新作業に際して、当送信装置に組み込まれた外部入力用インターフェイスに適合する電磁誘導やRFID、あるいは無線LANや近距離無線通信規格などのデジタル通信技術を補完的に使えば、悪意ある書き換えを排除して安全かつ迅速に更新ができる。
【0083】
情報の更新作業については、GPSなどの位置データに連動させた当該箇所の一般名称などを自動的に音声データに変換して情報発信用ブロックの記録再生装置を適時更新するシステムと連動させるなどデジタル技術を補完的に使用すれば情報入力や更新作業も大幅に軽減できる。
【0084】
更に、高度化PICS歩行者等支援情報通信システムから近距離無線通信規格で送信されているデジタル音声データを、外部入力用インターフェイスによりアナログ信号に変換して、情報発信用ブロックから即時放送すれば、煩雑な事前手続きをしたスマートフォンの携行が無い人でも、FMラジオで聞ける安全で簡便な情報手段となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図1図1は、既存の視覚障害者誘導用ブロックと情報発信用ブロックの外観上の比較説明図である。(実施例1)
図2図2は、情報発信用ブロックの3方向断面を示した説明図である。(実施例2)
図3図3は、当送信装置から送出される電波の範囲を制御するための小型送信アンテナの構造概念を示した説明図である。(実施例3)
図4図4は、誘導ブロック型の情報発信用ブロックから送出される電波の範囲を側面から見たイメージ説明図である。(実施例4)
図5図5は、FMラジオ放送局や情報発信用ブロックから送出される電波を受信するための、ポケットラジオのイメージと、FMラジオ放送局や情報発信用ブロックから送出されるFM電波を選択受信できる様に個別のアンテナやスイッチ類を付加したFMラジオを内蔵した白杖のイメージ説明図である。(実施例5)
図6図6は、情報発信用ブロックを複数敷設して視覚障がい者などに情報を発信し、それを利用するイメージ説明図である。(実施例6)
図7図7は、高齢者や視覚障がい者などが安全に安心して横断歩道や鉄道を利用できるための支援策として主に警察組織が展開を開始した高度化PICSと、情報発信用ブロックを連携させて、安全で簡便な情報手段となる様に改善したシステムのイメージ説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
JIS規格T9251-2001に定義される視覚障害者誘導用ブロックを、その外形寸法、外観、施工手順を大きく変えないで高機能化することで、より安全で簡便な情報提供手段を実現させた。
【実施例0087】
図1は、誘導ブロック(線状ブロック)と警告ブロック(点状ブロック)の2種類ある視覚障害者誘導用ブロックであり、図1‐1は、番号40の誘導ブロック及び番号42の警告ブロック2種類の既存ブロックを上方及び側面の2方向から見た図であり、図1‐2の番号41は番号40番の誘導ブロックに、同じく番号43は番号42の警告ブロックに、当送信装置が組み込まれたそれぞれのブロックを上方から見たイメージ図である。
【0088】
図1-2の番号1は、電源装置であり、この実施例の場合は周辺部を黄色くしてブロックの色彩意匠ができるだけ損なわれないように配慮した上で表面を十分に硬い保護材でカバーした太陽光発電パネルと蓄電池を組み込んだイメージである。
【0089】
同図番号5は、当送信装置が送信する文言などを記憶装置に吹き込む場合や敷設後にその内容を更新する場合、あるいは機能状態を確認する場合などに、外部から非接触方式で当送信装置の内容を更新又は確認するために、ブロック表面に近い内部に埋め込まれた、情報授受用のインターフェイスである。
【0090】
同図番号6は、微弱電波を情報発信用ブロックの上方向に送出する口の位置を表しており、ブロック表面に近い内部に設けてある。
【0091】
同図番号7は、微弱電波を情報発信用ブロックの前後左右など水平又はやや上方向(以後水平上方向と言う)に送出する口の位置を表しており、ブロック表面に近い内部に設けてある。
【0092】
なお、同図番号1、5、6、7、とも、防水や破損、更に歩行者のつまずきから回避できる構造となっておればブロック表面への露出設置も可能である。
【実施例0093】
図2は、図1の番号41で説明した誘導ブロックと呼ばれる種類の情報発信用ブロックであり、上方からの平面外観と符号Zの線を境として上面を除去して内部を説明するための平面断面図、及び2方向からのそれぞれの側面断面を示した説明図である。
【0094】
図2の番号1は、図1の同番号で説明した電源装置である。
【0095】
同図番号2は、当送信装置のメイン基板(送信する音声などの情報が必要に応じて更新できる記録再生装置を備えるFMラジオ放送帯微弱電波送信機本体)であり、この実施例では番号1の太陽光パネル及び蓄電装置からの電源供給を受け、情報となる音声などをFM電波として送信する機能を持ち、インターフェイスを通した録音内容の更新や電源制御、あるいは送出周波数や送出電力の変更などの制御機能も併せ持っている。
【0096】
同図番号3は、当送信装置から送出される電波を、主として上方向に集束させる構造のアンテナである。
【0097】
同図番号4は、当送信装置から送出される電波を主として水平上方向の狭い範囲に送出するために工夫された指向性アンテナである。
【0098】
同図番号5は、図1の同番号で示したインターフェイスであり、番号6、番号7は、微弱電波の送出口である。
【0099】
同図番号23は情報発信用ブロックの底面に設置されたアース板である。
【実施例0100】
図3は、当送信装置から送出される電波の方向と範囲を制御するための小型指向性送信アンテナの構造と送出方向別の電波強度の概念を示した説明図であり、図3‐1は、図2で示した同番号3の上方向に集束させる目的で設置するアンテナ、図3‐2は、図2で示した同番号4の、主として水平上方向に送出するために工夫された指向性アンテナである。
【0101】
同図番号6、及び番号7は、アンテナ筐体への埃などの混入を防止するための、ブロック表面の保護材であり、微弱電波の送出口となっている。
【0102】
同図番号8は、当送信装置からFM電波を送出するための小形アンテナである。
【0103】
同図番号9は、番号8のアンテナから送出されるFM電波を干渉させ、あるいは金属表面でエネルギーを吸収するなどして筒先方向以外の方向に送出される電波を大幅に減衰させるための筐体である。
【実施例0104】
図4は、情報発信用ブロックから送出される電波の範囲を前後水平方向横から見たイメージ説明図である。
【0105】
図1、2、3、の同番号の通り、図4の番号6から送出された電波は番号20の様に上方向に集束され、番号7から送出された電波は番号21、番号22、の様に前後に向いた水平上方向に集束されている。
【0106】
この図では、図1の番号41として示す誘導ブロック(線状ブロック)型の情報発信用ブロックイメージを使って説明しているが、図1の番号43として示す警告ブロック(点状ブロック)型の情報発信用ブロックは前後に加え左右の水平上方向にも電波を送出する構造とするのが良い。
【0107】
便宜上、図4の番号20の上方向への送出電波を上方向電波、番号21の水平上方向への送出電波を前方向電波、番号22の水平上方向への送出電波を後方向電波、と区分するが、複数方向(この例では3方向)の電波はそれぞれ大きく重複しないように送出制御されており、あるいはFM電波の特色として強い電波が弱い電波を打ち消すので、混信による大きな混乱は起こらない。
【0108】
このため、図4の番号20、21、22、で表わす上方向電波、前方向電波、後方向電波、全てを同じ周波数で同じ内容として放送しても良く、あるいは、上方向電波、前方向電波、後方向電波、全てを同じ周波数で各々を異なる放送内容としたり、上方向電波、前方向電波、後方向電波、全てを異なる周波数で異なる放送内容とすることもできる。
【0109】
例えば、予め情報発信用ブロックから送出される周波数を、上方向電波用と、前方及び後方(点状ブロックにあっては左右も含む)に向けた水平上方向電波用の2チャンネルとして設定しておけば、上方向電波用チャンネルではFMラジオさえ持ち歩いておれば誰もが情報発信用ブロックが敷設してある地点に関する情報が聞け、前方及び後方に向けた水平上方向電波用チャンネルで向かう方向と遠ざかる方向が放送されておれば、電波の来る方向を選択受信できる構造を持ったFMラジオで受信すれば自分が向かっている方向の判断が付く。
【0110】
なお、当発明の情報発信用ブロックは、無線LANや近距離無線通信規格などデジタル電波の受信機能も持っているのでこれをアナログFM電波として放送することで、必ずしも視覚障がい者などの歩行支援情報だけではなく、風水害や地震など大規模災害時の避難場所情報や観光地情報、臨時ニュースなど、健常者にとっても必要な情報が、大災害や停電などでネット環境が錯綜している時でもFMラジオさえあれば聞けるシステムとして活用できるので、多くの送信チャンネルを持っておき、送信周波数を事前に告知しておけば利用範囲が広がる。
【実施例0111】
図5は、FMラジオ放送局や情報発信用ブロックから送出される電波を受信するための装置であり、図5‐1は、番号10の白杖を持った視覚障がい者などが手軽に受信できる大きさの、番号11のいわゆるポケットサイズFMラジオのイメージ図、図5‐2は、様々な入射方向や周波数の電波を選択受信できるFMラジオを内蔵した番号13の白杖のイメージ図である。
【0112】
同図番号10は視覚障がい者が今使用している白杖を指し、このシステムを利用するに際して新たな白杖を購入する必要がなく、使い慣れた白杖で歩きながらラジオからの歩行支援情報も聞けるイメージ図である。
【0113】
FMラジオは全方向からの電波を受信して音声を再現再生する機能を持っているので、図4でも説明した通り、当送信装置が敷設された路面を歩く場合には事前に告知されている周波数に合わせてさえおけば、煩雑な事前手続きなどをしなくても、難なく案内音声が聞ける利点がある。
【0114】
同図番号12は受信周波数のプリセットボタンのイメージであるが、この機能が備わったラジオなら予め告知されている歩行支援などの専用チャンネルとなる周波数を情報受信用に設定しておけば更に手軽に歩行支援情報が入手できる。
【0115】
単一又はプリセットされた複数のチャンネルが受信でき、電波の強いチャンネル又は強い方向からの電波のみを再生できる、スケルチの如き機能を持つインナーイヤー補聴器サイズのFMラジオとすればポケットの無い服であっても手軽に装着して出かけられる利点が生まれる。
【0116】
同図番号13は様々な入射方向や周波数の電波を選択受信できるFMラジオを番号14のグリップ部に内蔵した白杖であり、グリップはこの白杖が向いている前後方向が把握できる形状となっている。
【0117】
同図番号15は電源の入切や音量調整、受信に使用するアンテナの切り替え、受信チャンネルのプリセットなどの各種スイッチ部である。
【0118】
同図番号16は無指向性アンテナをその内部に設置する部分を示しているが、この無指向性アンテナは、白杖先端の石突部分まで伸ばす形で設置することにより情報発信用ブロックから上方向に送出される微弱なFM電波をすぐ近くで捉えることができる利点がある反面、前方や後方に設置された情報発信用ブロックからの水平上方向電波も受信するので、この電波についての受信感度を下げる運用とする場合や交通機関内などで一般の公共放送を聞く場合などを勘案して、便宜上番号16の位置に内蔵するイメージとした。
【0119】
同図番号17は歩行正面方向以外からの電波を減衰する目的で遮蔽物が設けられた構造の受信用アンテナであり、番号14のグリップ形状によりこのアンテナが、今歩いている正面方向に向く様に調整してある。
【0120】
将来的な拡張機能として他人の白杖に向けて電波等を送出して横方向から来る歩行者同士の衝突回避システムが普及するなどした場合に備えて、側面や後方からの送出電波を選択受信できる方向にアンテナを設置しておいても良い。
【0121】
同図番号18、及び番号19は、イヤホンジャックとイヤホンであるが、番号18の部分を近距離無線通信規格などの無線通信アンテナとし、番号19のイヤホンをそれに対応した通信仕様とすればイヤホンコードが不要となる。
【実施例0122】
図6は、図1及び図2及び図4の番号41で説明した情報発信用ブロックを複数敷設した場合の電波送出方向と、番号24、及び番号25の視覚障がい者などがこのシステムを利用するイメージ図であり、運用方法とその利点だけでなく、電波干渉や混信に関する問題点及び解決の考え方を示してある。
【0123】
番号の後ろに付してある、符号a、及び符号bは、便宜上その電波を送出する情報発信用ブロックを特定して指し示すための便宜の符号、又は当該ブロックが敷設されている位置を表している。
【0124】
なお、図6-1、図6-2、図6-3の番号20a、21a、22a、20b、21b、22bはそれぞれ同じ番号は同じ方向に送出される同じ電波であり、説明便宜上、電波の送出する方向と送出された電波のイメージを説明する為に表示を変えてある。
【0125】
図6‐1は、図4で説明した上方向電波と、前後への水平上方向電波の立体イメージ図であり、隣接するブロック間での前後方向の水平上方向電波の交差状態を示している。
【0126】
全方向からの電波を受信するFMラジオで発生する可能性がある水平上方向電波の交差地点での混信を防ぐには、前方向けと後方向けの水平上方向電波の周波数を異なったものとするか、同一周波数を使用する場合には受信に大きな支障が出る混信が起きない程度まで隣接する情報発信用ブロックの距離を離して敷設する方法が考えられるが、図5で説明する番号13の白杖の如く、歩いている方向など、特定の方向からの電波を選択受信できる機能を持たせたFMラジオがあれば、例えば進行方向前面から送出される電波のみを受信できるので混信無く聞くことができる。
【0127】
入射方向別に選択受信できる機能を持たないFMラジオであっても、混信が起こる位置はaのブロックとbのブロックの中間地点を移動する短い時間であり、その後はa地点かb地点に於ける強い電波が弱い電波を打ち消すので、大きな混乱にはならない。
【0128】
図6‐2は、複数個の視覚障害者誘導用ブロックを挟んでえだふごう番号41aと番号42b、2個の情報発信用ブロックを敷設した歩道を、普段使い慣れている番号10の既存型白杖を持ち、番号11のFMラジオで歩行支援情報を聞きながら歩く番号24の人物を示すイメージ図である。
【0129】
例えば、図6‐2に示す全ての方向に送出される電波の周波数を同じとしておき、番号20a、番号20bの上方向への電波では、地点a、地点bの地点名、番号21a、番号22aの水平上方向への電波では、a地点に向かっているかa地点から遠ざかっている旨の内容、番号21b、番号22bの水平上方向への電波では、b地点に向かっているかb地点から遠ざかっている旨の内容を、それぞれ放送しておけば、このチャンネルに設定したFMラジオを持つ番号24の人物がb地点からa地点方向に歩く際には、先ずb地点に向かっているかb地点から遠ざかっている旨の内容が聞こえ、次いでb地点に居る内容が聞こえ、再度b地点に向かっているかb地点から遠ざかっている旨の内容が聞こえ、次いでa地点に向かっているかa地点から遠ざかっている旨の内容が聞こえ、次いでa地点に居る内容が聞こえるので、番号24の人物は、結果として自分がb地点からa地点に向かって歩いたことが分かる。
【0130】
つまり、番号24の人物は普段使い慣れている白杖を使って今まで通りの歩行をしながら、何らの煩雑な事前手続きなどをせずとも、FMラジオから自分が居る場所や歩いている方向を把握できる情報などが聞けるのである。
【0131】
図6‐3は、図6‐2と同様の敷設環境の歩道を、図5-2の番号13として説明したFMラジオ内蔵型白杖を使い歩行支援情報を聞きながら歩く番号25の人物を示すイメージ図である。
【0132】
図6‐2の運用例では水平上方向の電波が歩行前方向からの電波も歩行後方向からの電波も受信してしまうので、ある地点に向かっているのか遠ざかっているのかの判別に窮する局面が発生するが、図6‐3の運用例で前方向電波、後方向電波、それぞれを次に到達する地点に向かっている旨の放送としておけば、番号25の人物は、水平上方向電波の内、歩いている前方から送出される電波だけを聞くことができるので、b地点からa地点方向に歩く際には、先ずb地点に向かっている旨の内容が聞こえ、次いでb地点に居る内容が聞こえ、次いでa地点に向かっている旨の内容が聞こえ、次いでa地点に居る内容が聞こえるので、自分はb地点からa地点に向かって歩いていることが分かる。
【0133】
つまり、図6-1及び図6-2のイメージ図で説明した通り、歩行方向に対して後方からの電波を受信することによる歩行方向に関する情報の二度聞きによる混乱を防止することができ、歩行方向や位置情報などの把握が更に確実なものとなる。
【0134】
電波の周波数やその送出方向別の放送内容を管理すれば、この先に階段や落差がある旨や、手摺がある側の情報、行き先別のプラットホーム誘導路案内、視覚障害者誘導用ブロックが敷設された通路に於ける分岐路手前での道案内などの重要な情報も、視覚障がい者などが事前に把握できる。
【0135】
つまり、複雑な座標処理やGPSデータを処理するRFIDなどのデジタル技術をこのシステムの基幹部に使わずとも、歩いている方向と現地点の情報などを視覚障がい者などに知らせることができる安全で簡便な情報手段である。
【実施例0136】
図7は、当送信装置、又は情報発信用ブロックを、既存のシステムと連携させて、視覚障がい者などがより安全に横断歩道を利用するための、アナログ技術を中枢部に使うシステムとして展開するイメージ図であり、番号26は当送信装置あるいは情報発信用ブロックを指し、番号27は上方向電波、番号28、番号29は水平上方向電波、番号43は横断歩道手前に設置された警告ブロック型の情報発信用ブロック、番号30は番号43から送出される電波、番号31は高度化PICS歩行者等支援情報通信システムの情報送受信用アンテナ、番号32は番号31から無線LAN又は近距離無線通信規格によって受発信されている横断歩道関連情報のデジタル電波、番号33は横断歩道用スイッチである。
【0137】
既に白色の視覚障害者誘導用ブロックを敷設して誘導路を設定している横断歩道については、適宜そのブロックを通過車重に耐える仕様の情報発信用ブロックに置き換えれば同じ運用となるのだが、誘導路の設定されていない従来型の横断歩道への敷設については通過車両の重みに耐えられる構造物で上面を平らにした情報発信用ブロック、又は電波を通過させるアスファルト様の施工材で上面が保護される構造にした当送信装置を、道路の整備工事の際に上面レベルを合わせて敷設すれば良い。
【0138】
図7-1は、番号31から、対応アプリケーションソフトを事前にインストールしたスマートフォンに向けて無線LAN又は近距離無線通信規格で送信されている番号32の交差点や信号に関するデジタル音声データを番号43の情報発信用ブロックが受信してアナログ化した音声を番号30の上方向電波で放送しているイメージ図である。
【0139】
この場合、番号32の無線LAN又は近距離無線通信規格の電波がスマートフォンに向けて送出されている範囲に対して番号43の情報発信用ブロックが送出する電波の範囲が狭くならないように上方向電波の送出範囲を遮蔽制御せずに広範囲への電波送出とするか、上方向電波だけではなく前後左右4方向への水平上方向電波でも同じ内容の放送をする運用としても良い。
【0140】
この場合、交差点を利用している番号34の視覚障がい者などは、通信や基本的な維持費用が嵩むスマートフォンでなく、バッテリーが長持ちし、受信に際する費用が発生しないFMラジオさえ持っておれば交差点や横断歩道に関する基本的な情報は全て聞けるので、この情報提供システムは安全で簡便な情報手段であると言える。
【0141】
図7-2は、番号35の視覚障がい者などが、番号33の横断歩道用スイッチを押した後に流れる電子音又はナレーションを直接音声として聞きながら、番号26の当送信装置あるいは情報発信用ブロックから送出される番号27の上方向電波、又は番号28、番号29の水平上方向電波から、歩道を渡り切るまでの距離などの歩行支援情報を番号11のFMラジオで聞いているイメージ図である。
【0142】
この敷設形態であれば通常視覚障害者誘導用ブロックが敷設されていない横断歩道エリアにも敷設でき、番号35の視覚障がい者などは、スピーカーから流れる歩行者用青信号の残時間メロディーやナレーションと併せて、番号27の電波で例えば目的地方面への渡り切りまでの距離を聞くことができれば焦ることなく安心して横断歩道を渡れる。
【0143】
また、この敷設形態の拡張運用として、横断歩道の中心線に沿って、電波の送信範囲もしくは送信出力を小さくした番号26の当送信装置あるいは情報発信用ブロックを、連結又は近接敷設しておけば、番号35の視覚障害者などは誘導路としての放送が聞こえている限り横断歩道から外れて歩いていないことが分かるので安心できる。
【0144】
なお、高度化PICS歩行者等支援情報通信システムでは、個人のスマートフォンによる青信号延長制御など便利と謳われている機能があるが、各県警での試験運用の設置交差点数が増加していない状況を見る限り視覚障がい者などや展開運営者はこのシステムの利便性に大きな魅力を感じていないと考えるのが妥当である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7