(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099375
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】下位アドレス記憶方法を用いたリング網を利用したハンドオーバー
(51)【国際特許分類】
H04L 12/42 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
H04L12/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021215501
(22)【出願日】2021-12-31
(71)【出願人】
【識別番号】512243225
【氏名又は名称】龍野 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】龍野 秀雄
【テーマコード(参考)】
5K031
【Fターム(参考)】
5K031AA03
5K031CB11
5K031CB13
5K031DA12
5K031DA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】無線システムのハンドオーバーを低コストで高速に実現するパケット転送システムを提供する。
【解決手段】TCP携帯端末13からの基地局12経由のパケットがリング網1、2のパケットのアッド、ドロップ及び通過の装置6に到着した場合、パケットが移動先基地局を変更した直後のパケットである旨の信号が基地局により付与されている場合、パケット通過を指定する下位アドレスメモリ10に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されているときには、下位アドレスを消去するか又はパケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶して、パケットを左回りリングに送出し、パケットが装置6に到着した場合、パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを下位アドレスメモリ10に記憶し、パケットを左回りリング1により頂点装置5を介してサーバに向かわせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング網またはツリー状リング網の最下位リングに基地局を収容し、前記基地局配下の移動端末が前記リング網または前記ツリー状リングのOAMパケット以外のパケットの右回りリングからの流入を遮断するポートを持つ頂点装置に接続された電話中継局と通信する、また前記頂点装置に接続されたルータを介してサーバと通信する、通信網における移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システムであって、
前記携帯端末からのパケットの通過する基地局から前記携帯端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを一定周期で前記基地局の属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出し、その装置から前記パケットを左回りリングで頂点装置を介して、サーバまたはサーバ前のルータのパケット待機手段に向かわせ、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過を指定する下位アドレスメモリに記憶させる手段と、
移動先基地局に移動した直後のMACパケットがリング外から到着した場合,
パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケット通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合には、その下位アドレスを消去するか、または、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、前記パケットを左回りリング前方に送出し、
前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
パケット通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶して、前記パケットを左回りリングによりサーバ側に向かわせる手段と、
前記携帯端末からの
通過する基地局を移動した直後でないパケットがリング外から到着した場合、
パケット通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、前記パケットを左回りリング前方に送出し、
前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段と、
前記サーバからの通信開始パケット以外のパケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリングの前方のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に向けて送出し、上記以外は、前記パケットをリング外に送出する手段と、
前記サーバからの通信開始パケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットをコピーし、コピーパケットはリング外に送出し、コピー前のパケットは右回りリングの前方のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に向けて送出する手段とを
備えたことを特徴とするパケット転送システム。
【請求項2】
前記サーバからの通信開始パケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に代えて、
前記サーバからの通信開始パケットまたは再送パケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合にした
請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項3】
前記携帯端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを一定の周期で前記基地局の属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出する一定周期は、全携帯端末および通信中携帯端末に対しては、ともに0.1sec程度以下である請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項4】
前記携帯端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを一定の周期で前記基地局の属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出する一定周期は、通信中携帯端末に対しては0.1sec以下程度であり、それ以外の全携帯端末に対しては10sec
以下程度であり、かつ、サーバから携帯端末側に送出される通信開始パケットは、そのパケットの宛先MACアドレスを送信元MACアドレスとする片経路設定パケットがルータ等に置かれるパケット待機手段に到着するまで、前記パケット待機手段で待たせることを特徴とするる請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項5】
前記携帯端末は、移動先基地局に移動直後のパケットを送出する前に、移動先元基地局経由でサーバに移動先基地局への移動依頼の移動先基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを持つパケットを送出し、サーバがそのパケットの送信元MACアドレスまたは送信元IPv6の下位アドレスのMACアドレス部分からそのパケットを認証し、サーバからの移動先基地局宛てのMACアドレスまたはIPv6の下位アドレスを宛先MACアドレスとする移動許可パケットが移動先基地局に到着し、移動先基地局からの移動先基地局への移動許可信号を自携帯端末が受信することを特徴とする請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、移動先基地局に移動直後のパケットを送出する前に、移動元基地局経由でサーバに移動先基地局への移動依頼の移動先基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを持つパケットを送出し、サーバがそのパケットの送信元MACアドレスまたは送信元IPv6の下位アドレスのMACアドレス部分からそのパケットを認証し、サーバからの移動先基地局宛てのMACアドレスまたはIPv6の下位アドレスを宛先MACアドレスとする移動許可パケットが移動先基地局に到着し、かつ、サーバからの移動元基地局宛てのMACアドレスまたはIPv6の下位アドレスを宛先MACアドレスとする移動許可パケットが移動元基地局に到着し、移動元基地局からの移動先基地局への移動許可信号を自携帯端末が受信することを特徴とする請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載のパケット転送システムに適用するパケット待機手段であって、
携帯端末からの基地局を介し、さらに、ツリー状リング網の下位リング網を介して上位リング網からサーバに向かうパケットを受信し、そのパケットの送信元MACアドレスを自パケット待機手段の第1メモリに記憶して、前記パケットを前記サーバ方向に送出し、または、前記パケットの送信元MACアドレスをIPパケットのIPヘッダのオプション領域にいれて前記サーバ方向に送出し、
移動先基地局の属するリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を左回りリング上でサーバから離れる方向に変えた直後のパケットの旨の信号を持つパケットを、自パケット待機手段が受信した場合、
前記受信パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを下位アドレスとして持つ前記MACアドレスと異なるMACアドレスが自パケット待機手段の第1メモリに記憶されている場合、その第1メモリに記憶されているそのMACアドレスを自パケット待機手段の第2メモリに記憶し、
または、自パケット待機手段の第1メモリを使用しない場合、前記自パケット待機手段が受信した受信パケットの送信元MACアドレスを自パケット待機手段の第3メモリに記憶し、
前記自パケット待機手段の第1メモリを使用しない方式では、前記自パケット待機手段の第3メモリに記憶されているMACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスを、サーバから到着するパケットのIPパケットのIPヘッダのオプション領域に記されているMACアドレスの下位アドレスが持ち、そのMACアドレスが前記第3メモリに記されているMACアドレスと異なる場合に、そのMACアドレスを第4メモリに記憶し、そのパケットを、自パケット待機手段に携帯端末側から到着するパケットの送信元MACアドレスが前記自パケット待機手段の第4メモリに記憶されているMACアドレスと一致する場合となるまで、待機させた後、携帯端末側に送出後、前記自待機手段の第4メモリに記憶されているの前記MACアドレスを消去し、前記自待機手段の第3メモリに記憶されているの前記MACアドレスをそのアドレスの記憶から一定時間後に消去する
あるいは、
前記パケット待機手段の第1メモリを使用する方式では、前記自パケット待機手段にサーバから到着するIPパケットの宛先IPアドレスが前記自パケット待機手段の第2メモリに記憶されている場合には、そのパケットを、前記第2メモリに記憶されているその宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを送信元MACアドレスとする携帯端末からの再送要求パケットまたは再送パケットが到着するまで待機させ、前記再送要求パケットまたは再送パケットが到着した時、前記再送要求パケットまたは再送パケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを前記自パケット待機手段の第2メモリから消去する、
ことを
特徴とするパケッ待機手段。
【請求項8】
請求項1に記載のパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットアッド、ドロップおよび通過の装置のパケット通過を指定する下位アドレスメモリのメモリシステムであって、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をパケット通過を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置のビット1を下位アドレス記憶を意味するビット1として挿入記憶するメモリシステムで、
パケット通過を指定する下位アドレスメモリから送信元MACアドレスの下位アドレスを削除する場合は、パケット通過を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットのビット反転ビットとの論理積の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置にビット0を下位アドレス記憶無を意味するビット0として挿入記憶することを特徴とするパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットアッド、ドロップおよび通過の装置のパケット通過を指定する下位アドレスメモリのメモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MACアドレスの下位アドレス記憶方法を用いたイーサネットパケットを転送するリング網を利用したハンドオーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
アドレス記憶方法の従来例としては、特許文献1の特開2000-151617「テーブル作成検索装置」がある。この従来例は、MACアドレスの記憶回路に関するもので、行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第1のテーブルと行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第2のテーブルからなる。この従来例は、下位ビット列(例えば16ビット)で第1のテーブルのメモリを指定した位置AにMACアドレス48ビット全体を記憶する。その位置Aに既に他のMACアドレスが記憶されている場合には、、第2のテーブルのメモリの空きアドレス位置Bに記録し、その記録したアドレス位置Bを前記第1テーブルのアドレス位置Aのインデックスエリアに記憶する。これは記録エリアをネスティングで指定する方法である。
【0003】
また、アドレス記憶方法の従来技術としては、特許文献2の特開2004-15592「MACアドレスポインタ構造、MACアドレスの並べ替え方法」がある。この従来例は、下位ビット列で指定されるエントリーテーブルの同じアドレス位置に複数のMACアドレスを記憶する方法である。もし、空きエリアが無ければ、MACアドレスの前記下位ビット列と違う下位ビット列で指定されるエントリーテーブルにMACアドレスを記憶する。
【0004】
リング形ネットワークの従来例としては特許文献3のようにマスタスイッチとスレーブスイッチを用いたリングネットワークが一般的である。このリングネットワークはマスタスイッチの一方のリングポートがフレームを通過させないブロックポートになっていて、フラッディングによる輻輳を防止している。リングネットワークに障害が発生した場合には、マスタスイッチから出てマスタスイッチに戻る監視フレームが届かなくなり、代わりに障害点のスレーブスイッチから障害通知フレームがマスタスイッチに届くので、マスタスイッチは、マスタスイッチのブロックポートのブロックを解除してフレームを通過させる。また、障害点の一方のスレーブスイッチの障害伝送路側にブロックポートを設定し、リングネットワークの障害回復後もリングネットワークの動作を維持する。
【0005】
また、無線ネットワークにおけるハンドオーバーの従来例としては、特許文献4がある。この先行技術は、ATMセルを転送する制御局から基地局を介して携帯端末と通信するネットワークのハンドオーバーを、制御局から移動元の基地局を経由した携帯端末までの遅延D1と移動先の基地局を介して携帯端末までの遅延D2の差(D1-D2>0)の場合間、制御局から携帯端末への送出ATMセルの基地局切り換え場合にATMセルを制御局で遅延させて、切り換えることで実行して、ATMセルの順序逆転を防止する方法である。
【0006】
また、別のハンドオーバー方法の例として、特許文献5がある。この先行技術は、携帯端末とサーバ間にある基地局、ゲートウェイ経由の切り換え前の基地局経由のコネクションと切り換え先基地局経由のコネクションを持ち、コネクション経由のパケットがコネクション切り換え時に断時間を少なくする方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-151617 号公報
【特許文献2】特開2004-15592 号公報
【特許文献3】再表2008-068813 号公報
【特許文献4】特開2001-128212 号公報
【特許文献5】再表2017-195497 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のアドレス記憶法としての従来例特開2000-151617はネスティングでMACアドレスを記憶しているため、記憶アドレス先をたどるのに場合間がかかる問題がある。また、本質的MACアドレス48ビット全体を記憶しているので記憶エリアが大きくなる問題がある。
【0009】
また、従来アドレス記憶方法としての従来例特開2004-15592は、下位ビット列で指定されるMACアドレスのエントリーテーブル位置に空きが無ければ違う下位ビット列のエントリーテーブル位置にMACアドレスを記憶すると記載されているが、その場合には、MACアドレスを記憶する位置を選択する場合に、2つの下位ビット列で指定されるエントリーテーブル位置を検索しなければならないこと、および、同じエントリーテーブルの同じアドレス位置に、複数の記憶アドレスがあるので、それら複数のアドレス比較をする必要があり、検索に場合間がかかる問題がある。
下位ビット列によるMACアドレスの検索は高速になるが、基本的に下位ビット列位置にMACアドレス全体を記憶する方法は、正確記憶であるが、48ビット全体を記憶しなければならないので、記憶アドレス数が少ない問題がある。
従来のリングネットワークである特許文献3は、MACアドレス48ビットを用いるMACアドレステーブルを使用するため、記憶できるMACアドレス数が少ない欠点がある。
【0010】
従来のハンドオーバーの特許文献4は、制御局から携帯端末までの切り換え前の経路と切り換え後の経路の遅延場合間差を求める必要があり、制御が複雑である上に遅延場合間は制御局から携帯端末までの往復場合間の半分としてしか測定できないので遅延場合間測定の正確性に欠ける問題がある。
【0011】
また、従来のハンドオーバーの特許文献5は、サーバと携帯端末間に2つのコネクションを設けて切り換えているので、2つのコネクションの識別が必要になり、ハンドオーバー制御が複雑になる欠点がある。
【0012】
本発明の目的は、従来のMACアドレステーブルを用いないアドレス記憶方法を用いたリング網により携帯端末のハンドオーバーを行う方法を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて成されたもので、その解決手段は、TCP携帯端末からの基地局経由のパケットがリング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットが移動先基地局を変更した直後のパケットである旨の信号が基地局により付与されている場合、パケット通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合には、前記下位アドレスを消去するか、または、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶して、前記パケットを左回りリング前方に送出し、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットを左回りリングにより頂点装置を介して前記サーバに向かわせる方法である。
【0014】
本発明の第2の観点は、リング網またはツリー状リング網の最下位リングに基地局を収容し、前記基地局配下の移動端末が前記リング網または前記ツリー状リングのOAMパケット以外のパケットの右回りリングからの流入を遮断するポートを持つ頂点装置に接続された電話中継局と通信する、また前記頂点装置に接続されたルータを介してサーバと通信する、通信網における移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システムであって、
前記携帯端末からのパケットの通過する基地局から前記携帯端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを一定周期で前記基地局の属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出し、その装置から前記パケットを左回りリングで頂点装置を介して、サーバまたはサーバ前のルータのパケット待機手段に向かわせ、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過を指定する下位アドレスメモリに記憶させる手段と、
移動先基地局に移動した直後のMACパケットがリング外から到着した場合,
パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケット通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合には、その下位アドレスを消去するか、または、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、前記パケットを左回りリング前方に送出し、
前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
パケット通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶して、前記パケットを左回りリングによりサーバ側に向かわせる手段と、
前記携帯端末からの
通過する基地局を移動した直後でないパケットがリング外から到着した場合、
パケット通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、前記パケットを左回りリング前方に送出し、
前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段と、
前記サーバからの通信開始パケット以外のパケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリングの前方のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に向けて送出し、上記以外は、前記パケットをリング外に送出する手段と、
前記サーバからの通信開始パケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットをコピーし、コピーパケットはリング外に送出し、コピー前のパケットは右回りリングの前方のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に向けて送出する手段とを
備えたことを特徴とするパケット転送システムである。
【0015】
本発明の第3の観点は、前記パケット転送システムにおいて、前記サーバからの通信開始パケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に代えて、
前記サーバからの通信開始パケットまたは再送パケットが右回りリングでパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合にした
ことを特徴とするパケット転送システムである。
【0016】
本発明の第4の観点は、前記パケット転送システムにおいて、
前記携帯端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを一定の周期で前記基地局の属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出する一定周期は、全携帯端末および通信中携帯端末に対しては、ともに0.1sec程度以下であることを特徴とするパケット転送システムである。
【0017】
本発明の第5の観点は、前記パケット転送システムにおいて、
前記携帯端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを一定の周期で前記基地局の属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出する一定周期は、通信中携帯端末に対しては0.1sec以下程度であり、それ以外の全携帯端末に対しては10sec
以下程度であり、かつ、サーバから携帯端末側に送出される通信開始パケットは、そのパケットの宛先MACアドレスを送信元MACアドレスとする片経路設定パケットがルータ等に置かれるパケット待機手段に到着するまで、前記パケット待機手段で待たせることを特徴とするパケット転送システムである。
【0018】
本発明の第6の観点は、前記パケット転送システムにおいて、前記携帯端末は、移動先基地局に移動直後のパケットを送出する前に、移動先元基地局経由でサーバに移動先基地局への移動依頼の移動先基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを持つパケットを送出し、サーバがそのパケットの送信元MACアドレスまたは送信元IPv6の下位アドレスのMACアドレス部分からそのパケットを認証し、サーバからの移動先基地局宛てのMACアドレスまたはIPv6の下位アドレスを宛先MACアドレスとする移動許可パケットが移動先基地局に到着し、移動先基地局からの移動先基地局への移動許可信号を自携帯端末が受信することを特徴とするパケット転送システムである。
【0019】
本発明の第7の観点は、前記パケット転送システムにおいて、
前記携帯端末は、移動先基地局に移動直後のパケットを送出する前に、移動元基地局経由でサーバに移動先基地局への移動依頼の移動先基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを持つパケットを送出し、サーバがそのパケットの送信元MACアドレスまたは送信元IPv6の下位アドレスのMACアドレス部分からそのパケットを認証し、サーバからの移動先基地局宛てのMACアドレスまたはIPv6の下位アドレスを宛先MACアドレスとする移動許可パケットが移動先基地局に到着し、かつ、サーバからの移動元基地局宛てのMACアドレスまたはIPv6の下位アドレスを宛先MACアドレスとする移動許可パケットが移動元基地局に到着し、移動元基地局からの移動先基地局への移動許可信号を自携帯端末が受信することを特徴とするパケット転送システムである。
【0020】
本発明の第8の観点は、前記パケット転送システムに適用するパケット待機手段であって、
携帯端末からの基地局を介し、さらに、ツリー状リング網の下位リング網を介して上位リング網からサーバに向かうパケットを受信し、そのパケットの送信元MACアドレスを自パケット待機手段の第1メモリに記憶して、前記パケットを前記サーバ方向に送出し、または、前記パケットの送信元MACアドレスをIPパケットのIPヘッダのオプション領域にいれて前記サーバ方向に送出し、
移動先基地局の属するリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を左回りリング上でサーバから離れる方向に変えた直後のパケットの旨の信号を持つパケットを、自パケット待機手段が受信した場合、
前記受信パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを下位アドレスとして持つ前記MACアドレスと異なるMACアドレスが自パケット待機手段の第1メモリに記憶されている場合、その第1メモリに記憶されているそのMACアドレスを自パケット待機手段の第2メモリに記憶し、
または、自パケット待機手段の第1メモリを使用しない場合、前記自パケット待機手段が受信した受信パケットの送信元MACアドレスを自パケット待機手段の第3メモリに記憶し、
前記自パケット待機手段の第1メモリを使用しない方式では、前記自パケット待機手段の第3メモリに記憶されているMACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスを、サーバから到着するパケットのIPパケットのIPヘッダのオプション領域に記されているMACアドレスの下位アドレスが持ち、そのMACアドレスが前記第3メモリに記されているMACアドレスと異なる場合に、そのMACアドレスを第4メモリに記憶し、そのパケットを、自パケット待機手段に携帯端末側から到着するパケットの送信元MACアドレスが前記自パケット待機手段の第4メモリに記憶されているMACアドレスと一致する場合となるまで、待機させた後、携帯端末側に送出後、前記自待機手段の第4メモリに記憶されているの前記MACアドレスを消去し、前記自待機手段の第3メモリに記憶されているの前記MACアドレスをそのアドレスの記憶から一定時間後に消去する
あるいは、
前記パケット待機手段の第1メモリを使用する方式では、前記自パケット待機手段にサーバから到着するIPパケットの宛先IPアドレスが前記自パケット待機手段の第2メモリに記憶されている場合には、そのパケットを、前記第2メモリに記憶されているその宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを送信元MACアドレスとする携帯端末からの再送要求パケットまたは再送パケットが到着するまで待機させ、前記再送要求パケットまたは再送パケットが到着した時、前記再送要求パケットまたは再送パケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを前記自パケット待機手段の第2メモリから消去する、
ことを
特徴とするパケッ待機手段である。
【0021】
本発明の第9の観点は、前記パケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットアッド、ドロップおよび通過の装置のパケット通過を指定する下位アドレスメモリのメモリシステムであって、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をパケット通過を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置のビット1を下位アドレス記憶を意味するビット1として挿入記憶するメモリシステムで、
パケット通過を指定する下位アドレスメモリから送信元MACアドレスの下位アドレスを削除する場合は、パケット通過を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットのビット反転ビットとの論理積の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置にビット0を下位アドレス記憶無を意味するビット0として挿入記憶することを特徴とするパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットアッド、ドロップおよび通過の装置のパケット通過を指定する下位アドレスメモリのメモリシステムである。
【発明の効果】
【0022】
以上、説明したように、本発明は、記憶ビット長をMACアドレスの下位アドレスのみにして短くし、メモリへの記憶アドレス数の多くした、従来のMACアドレステーブルのような記憶アドレス抜けの無い下位アドレス記憶方法をイーサーネットフレームを転送するリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケットの通過を指定する下位アドレスメモリへの下位アドレス記憶を意味する1ビット記憶方法に適用したリング網により携帯端末のハンドオーバーを実現する方法なので、消費電力およびシステムコストが抑えられ、かつ、高速に通信できる効果がある。また、サーバに記憶した携帯端末のMACアドレスを携帯端末の移動先基地局変更時に参照するのでセキュリティが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施例のイーサーネットパケットを転送する、パケットの通過を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルとを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網に接続された基地局配下の携帯端末とルータを介したサーバとの間で通信するパケット転送システムにおける携帯端末のハンドオーバーの動作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1実施例を
図1により説明する。本実施例は、イーサーネットパケットを転送する、パケットの通過を指定する下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルとを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網に接続された基地局配下の携帯端末とルータを介したサーバとの間で通信するパケット転送システムにおける携帯端末のハンドオーバーの動作例である。前記サーバはデフォルトサーバ、またはインターネット接続サーバである。
各基地局はリング網配下の自基地局近傍の基地局の属するリングのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング上における位置関係情報を持っており、携帯端末が通過する基地局移動時に移動先基地局に移動前の基地局番号を持って、移動した時その移動が左回りリングをサーバ側への移動かサーバから離れる移動か移動先基地局が判断する。
【0025】
図1において、1は加入者系の左回りリング、2は加入者系の右回りリング、5は頂点装置、6-1,6-2,6-3はパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置、10はパケット通過を指定する下位アドレスメモリ、11はリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル、22はルータ、12-1,12-2,12-3は基地局、13-1,13-2,13-3はTCP携帯端末、14は携帯端末の移動、20はサーバである。また、(1)~(29)はパケット、I0,I1,I2,I3,I4はサービスプロバイダーの国内または地域プライベートIPアドレスである。またはIPv6アドレスである。
なお、リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11は従来のMACアドレステーブルと異なり、ポート番号を記憶しない、記憶MACアドレス数の少ないアドレステーブルである。
【0026】
以下に、
図1の動作を説明する。最初に、TCP携帯端末13-1,13-2,13-3,13-4はARPテーブルにルータ22のIPアドレスI1とリング伝送路インタフェースのMACアドレスr1r2が既に記憶されているものとする。TCP携帯端末13-2がパケット(1)Mr1r2a3a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a3a2はTCP携帯端末13-2のMACアドレスである上位MACアドレスa3と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出した例を示す。前記パケットがTCP携帯端末13-2から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、そのパケットは左回り光リング1で(2)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0027】
前記パケット(2)Mr1r2a3a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をパケット通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶する。そのパケットは左回りリング1で(3)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到着する。そのパケットはルータ22に到達する。
【0028】
前記パケット(4)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2および送信元IPアドレスI3を図に記してない第1メモリに記憶する。そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。そのパケットは(5)IPI3I0(IPはIPアドレスであることを示し、I3は送信元端末13-2のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。そのIPパケットのIPヘッダのオプション領域には、そのIPアドレスがIPv4の場合、前記パケットの送信元MACアドレスが挿入される。
【0029】
次に、TCP携帯端末13-1がパケット(6)Mr1r2a1a2(I0)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。前記パケットは(1)Mr1r2a3a2(I0)と同様に左回りリング1を転送されて、(10)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到着する。
【0030】
前記パケット(10)Mr1r2a1a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa1a2および送信元IPアドレスI2を図に記してない第1メモリに記憶する。そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。そのパケットは(11)IPI2I0(IPはIPアドレスであることを示し、I2は送信元端末13-1のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。そのIPパケットのIPヘッダのオプション領域には、そのIPアドレスがIPv4の場合、前記パケットの送信元MACアドレスが挿入される。
【0031】
サーバ20は、携帯端末から通信開始パケットが到着した場合、そのパケットの携帯番号と端末IDまたはIPv6アドレスと端末IDまたは国内用プライベートIPv4アドレスと端末IDをホームメモリに問い合わせて携帯端末認証し、そのパケットの送信元MACアドレスまたは送信元IPv6アドレスのMACアドレス部分を端末認証用にサーバのメモリに記憶する。
【0032】
次に、TCP携帯端末13-4がパケット(12)Mr1r2a6a2(I0)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶されているので、前記パケットの送信元MACアドレスa6a2をリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶する。そのパケットは左回りリング1を転送されて、(14)Mr1r2a6a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到着する。
【0033】
次に、TCP携帯端末13-3がパケット(15)Mr1r2a4a2(I0)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に送出する。前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶されているので、前記パケットの送信元MACアドレスa4a2をリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶する。そのパケットは左回りリングでルータ22に到着する。
【0034】
次に、TCP携帯端末13-3が基地局12-3使用から基地局12-1配下に移動し、パケット(16)Mr1r2a4a2(I0)が基地局12-1に到着した場合、基地局12-1はそのパケットに付与されている移動前に通過していた基地局情報よりそのパケットの送信元携帯端末使用基地局移動は左回りリングをサーバから離れる方向の移動であるの旨の信号glをそのパケットに付与し、そのパケットをパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。上記移動は基地局12-2を飛び越しているが、これは、携帯網がセルで敷き詰められ、セル内に基地局があり、各基地局を一つの2重リング網に接続するため、携帯端末の移動時に当然起こり得る移動である。
【0035】
前記携帯端末13-3は、移動先基地局12-1に移動直後のパケットを送出する前に、移動元基地局12-3経由でサーバ20に移動先基地局12-1への移動依頼の移動先基地局12-1のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを持つパケットを送出し、サーバ20がそのパケットの送信元MACアドレスまたは送信元IPv6の下位アドレスのMACアドレス部分とサーバのメモリに記憶されているMACアドレスとの比較からそのパケットを認証し、サーバ20から移動先基地局12-1宛てのMACアドレスまたはIPv6の下位アドレスのMACアドレス部分を宛先MACアドレスとする移動許可パケットを移動先基地局12-1に送出し、移動先基地局12-1が移動先基地局への移動許可信号を携帯端末13-3に送出する。
または、
前記携帯端末13-3は、移動先基地局12-1に移動直後のパケットを送出する前に、移動元基地局12-3経由でサーバ20に移動先基地局12-1への移動依頼の移動先基地局12-1のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを持つパケットを送出し、サーバ20がそのパケットの送信元MACアドレスまたは送信元IPv6の下位アドレスのMACアドレス部分からそのパケットを認証し、サーバ20から移動先基地局12-1宛てのMACアドレスまたはIPv6の下位アドレスのMACアドレス部分を宛先MACアドレスとする移動許可パケットを移動先基地局12-1に送出し、かつ、サーバ20から移動元基地局12-3宛てのMACアドレスまたはIPv6の下位アドレスを宛先MACアドレスとする移動許可パケットを移動元基地局12-3に送出し、移動元基地局12-3から移動先基地局への移動許可信号を携帯端末13-3に送出するようにしてもよい。
TCP携帯端末13-3からの前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、そのパケットを左回りリング1で(17)Mr1r2a4a2gl(I0)により図に示すように転送し、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に向かわせる。
【0036】
前記パケット(17)Mr1r2a4a2gl(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、そのパケットはサーバから離れる基地局への移動直後のパケットなので、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶されていれば、その記憶下位アドレスa2を消去する。または、図に示すように、消去せずに、前記パケットの送信元MACアドレスa4a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(18)Mr1r2a4a2gl(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0037】
前記パケット(18)Mr1r2a4a2gl(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、そのパケットはサーバから離れる基地局への移動直後のパケットなので、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶されていれば、その記憶下位アドレスa2を消去する。または、図に示すように下位アドレスa2は消去せずに、前記パケットの送信元MACアドレスa4a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されいるので、そのアドレスを消去する。図では、記号a4a2に横線がひかれ、消去されたことが示されている。そのパケットは左回り光リング1で(19)Mr1r2a4a2gl(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到着する。
頂点装置5に到着した前記パケットはルータ22に到達する。
【0038】
前記パケット(20)Mr1r2a4a2gl(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを図に記してない第1メモリに記憶後、そのパケットの宛先IPアドレスI0に対応する出力ポートを図示してないIPルーティングテーブルから読み出し、そのポートから、そのパケットをサーバ20に送出する。前記パケット(20)Mr1r2a4a2glに移動先基地局がサーバから離れる方向移動の移動直後のパケットである旨の信号glが付与されているので、パケット待機手段を動作させるため、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2と同じ下位アドレスのMACアドレスで、前記パケットの送信元MACアドレスa4a2と異なるMACアドレスであるMACアドレスa3a2とそれに対応のIPアドレスI3を前記図示してない第1メモリから読み取り、それらを図示してない第2メモリに記憶する。サーバ20から到着したIPパケットの宛先IPアドレスが前記第2メモリに記憶されているIPアドレスI3の場合、前記IPアドレスI3のサーバ20からのパケット(21)IPI0I3を、TCP携帯端末側から到着するパケットの送信元MACアドレスが図に記してない前記第2メモリに記憶されているMACアドレスa3a2の再送パケット(24)Mr1r2a3a2(I0)を受信するまで、または片経路設定パケットM0a3a2(I0)(MはMACパケットを示し、0は宛先MACアドレスがオールビット0を示し、a3a2は送信元携帯端末のMACアドレスを示す)を受信するまで、図に記してないバッファで待機させる。これは、下位アドレスa2の宛先MACアドレスのパケットが右回りリング転送中に誤って通過することを防ぐために行う。前記パケット(24)Mr1r2a3a2(I0)を受信した場合、前記宛先IPアドレスI2のサーバからのパケットの待機してあったパケットを(26)Ma3a2r1r2(I2)により図で示すように、頂点装置5に送出する。
【0039】
前記パケット(24)Mr1r2a3a2(I0)に関しては、端末13-2からの再送パケットが、パケット(22)Mr1r2a3a2(I0)により図で示されるように、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶されているので、前記パケットの送信元MACアドレスa3a2をリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶する。そのパケットは(23)Mr1r2a3a2(I0)により図に示されるように左回りリング1を転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。前記パケット(23)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をパケットの通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶する。そのパケットは、頂点装置5を経由して、ルータ22に到着する。
【0040】
次に、前記説明した、前記上位リングに接続する装置5に到着したパケット(26)Ma3a2r1r2(I3) が右回りリング2を転送される手順を記述する。パケット(27)Ma3a2r1r2(I3) は図に示すように転送されてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。そのパケットは、宛先MACアドレスa3a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されておらず、そのパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶されているので、その装置を通過する。
【0041】
そのパケットは、(28)Ma3a2r1r2(I3) により図に示すように転送されてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。パケット(28)Ma3a2r1r2(I3)は、宛先MACアドレスa3a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されているので、リング外に送出されて、(29)Ma3a2r1r2(I3)により図に示すように携帯端末13-2に到達する
【0042】
以上述べた実施例1ではTCP携帯端末13-3がリング網を左回りリング1をサーバから離れる方向の通過基地局移動の例であるが、逆にサーバに近づく方向の通過基地局移動の場合には、基地局12-3に到着した携帯端末13-3からのパケットに移動前の基地局12-1の番号が付与されているので、左回りリングをサーバに近づく向きの基地局移動直後のパケット信号grを付与されて、パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、そのパケットが頂点装置5に近づく基地局移動直後のパケットなので、その装置のパケットの通過を指定する下位アドレスメモリ10にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されていれば、リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11にそのパケットの送信元MACアドレスa4a2を記憶することになる。前記基地局移動直後のTCP携帯端末13-3からの移動直後の信号grが付与されたパケットがルータ22に到着した場合、そのパケットにはサーバから離れる移動の信号lが含まれていないので、パケット待機手段は動作しない。これはサーバに近づく方向の基地局移動をしても移動前のパケットにより頂点装置に向かう途中のノード装置のパケットの通過を指定する下位アドレスメモリ10にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されているためである。
【0043】
上記実施例1では、TCP移動端末がサーバと通信する際に、両方向のACK番号が増加する場合には、両方向に再送が行われることとしている。
【0044】
上記実施例1で、携帯端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを一定の周期で前記携帯端末のパケットの通過する基地局の属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出し、そのパケットを左回りリングでルータに送出し、途中のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケットの通過を指定する下位アドレスメモリにそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶する構成とし、その一定周期は、全携帯端末および通信中携帯端末に対しては、ともに0.1sec程度以下であるようにしてもい。
または、前記携帯端末の送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットを一定の周期で前記基地局の属するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出し、そのパケットを左回りリングでルータに送出し、途中のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケットの通過を指定する下位アドレスメモリにそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶する構成とし、その一定周期は、通信中携帯端末に対しては0.1sec以下程度であり、それ以外の全携帯端末に対しては10sec以下程度であり、かつ、サーバからリングに送出される通信開始パケットは、そのパケットの宛先MACアドレスを送信元MACアドレスとする片経路設定パケットがルータ等に置かれるパケット待機手段に到着するまで、前記パケット待機手段で待たせるようにしてもよい。
【0045】
また、以上の実施例1ではパケット通過を指定する下位アドレスメモリに送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶する例を示したが、これは、その下位アドレスメモリへの下位アドレスの記憶の中に下位アドレスのビット列の全てのビットがビット0のケースが無い場合を前提とした長い下位アドレス記憶である。
実施例1のパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、その下位アドレスのビット列の中にビット1のビットを少なくとも1つ含む場合に、パケット通過を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置に下位アドレス記憶を意味するビット1を記憶することであっても良い。
または、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、その下位アドレスのビット列の中にビット1のビットを少なくとも1つ含む場合に、パケット通過を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をパケット通過を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することで、送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分のデコードのビット1の位置のビット1を下位アドレス記憶を意味するビット1として挿入記憶することであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 加入者系の左回りリング
2 加入者系の右回りリング
5 頂点装置
6-1,6-2,6-3 パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置
10 パケット通過を指定する下位アドレスメモリ
11 リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル
12-1,12-2,12-3 基地局
13-1,13-2,13-3、13-4 携帯端末
14 携帯端末の移動
20 サーバ
22 ルータ