(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099411
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/228 20060101AFI20230706BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20230706BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20230706BHJP
H01G 2/02 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
H01G4/228 A
H01G4/30 513
H01G4/30 201F
H01G4/30 516
H01G4/30 201G
H01G2/06 500
H01G2/02 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063158
(22)【出願日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194080
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビュン、マン ス
(72)【発明者】
【氏名】パーク、セ フン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、スー ホワン
(72)【発明者】
【氏名】リー、タク ジュン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC10
5E001AE02
5E001AE03
5E001AE04
5E001AH01
5E001AH04
5E001AH05
5E001AH07
5E001AH09
5E001AJ01
5E001AJ02
5E082AB03
5E082BC32
5E082BC40
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE26
5E082EE35
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082FG54
5E082GG01
5E082GG10
5E082GG28
5E082LL02
5E082MM24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】連結される他の構造(基板等)に対する連結構造の効率性(固着強度等)を向上させる積層型キャパシタを提供する。
【解決手段】積層型キャパシタ100aは、1以上の第1内部電極と1以上の第2内部電極が1以上の誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された本体110と、1以上の第1内部電極と1以上の第2内部電極に夫々連結されるように互いに離隔して本体に配置された第1外部電極131及び第2外部電極132と、一面が第1外部電極及び第2外部電極に配置され、一面又は反対面に位置する1以上の孔141、151を含む第1バンプ140及び第2バンプ150を含む。該孔の総面積はA
Vであり、第1及びバンプ第2バンプにおいて第1外部電極及び第2外部電極を向かい合う面の面積はA
Bであり、(A
V/A
B)は0.012超過0.189未満である。
【選択図】
図4a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、
前記少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように互いに離隔して前記本体に配置された第1及び第2外部電極と、
一面が前記第1及び第2外部電極に配置され、前記一面または反対面に位置する少なくとも一つの孔を含む第1及び第2バンプと、を含み、
前記少なくとも一つの孔の総面積はAVであり、
前記第1及び第2バンプにおいて、前記第1及び第2外部電極を向かい合う面の面積はABであり、
(AV/AB)は0.012超過0.189未満である、積層型キャパシタ。
【請求項2】
(AV/AB)は0.021以上0.132以下である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記本体において、前記少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が前記第1及び第2外部電極に連結される面は、前記第1及び第2バンプの一面と平行でない、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記第1及び第2バンプのそれぞれは銅(Cu)を含み、
前記少なくとも一つの孔は、銅(Cu)よりも低い溶融点のはんだ(solder)を収容するように構成された、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記第1及び第2バンプとの間の少なくとも一部分は空気を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記少なくとも一つの孔の少なくとも一部は、前記第1及び第2バンプの一面と反対面との間を貫通する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記第1及び第2バンプのそれぞれは、前記少なくとも一つの孔を2つ以上含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記少なくとも一つの孔は、前記第1及び第2バンプのそれぞれの中心から互いに向かい合う方向にさらに偏って位置する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記第1及び第2バンプのそれぞれは、前記第1及び第2バンプの一面と反対面が向かい合う方向と異なる方向に凹んだ凹部領域を含み、
ABは、前記第1及び第2バンプのそれぞれの長さの合計を2で割ったLBと、それぞれの幅の合計を2で割ったWBの積に、前記凹部領域の総面積を2で割ったARを減算して2をかけた値である、請求項1から8のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
AVはARよりも小さい、請求項9に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、
前記少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように互いに離隔して前記本体に配置された第1及び第2外部電極と、
一面が前記第1及び第2外部電極に配置され、前記一面または反対面に位置する少なくとも一つの孔を含む第1及び第2バンプと、を含み、
前記第1及び第2バンプのそれぞれは、前記第1及び第2バンプの一面と反対面が向かい合う方向と異なる方向に凹んだ凹部領域を含み、
前記少なくとも一つの孔の総面積は、前記凹部領域の総面積よりも小さい、積層型キャパシタ。
【請求項12】
前記本体において、前記少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が前記第1及び第2外部電極に連結される面は、前記第1及び第2バンプの一面と平行しない、請求項11に記載の積層型キャパシタ。
【請求項13】
前記第1及び第2バンプのそれぞれは、銅(Cu)を含み、
前記第1及び第2バンプとの間の少なくとも一部分は空気を含む、請求項11に記載の積層型キャパシタ。
【請求項14】
前記第1及び第2バンプのそれぞれは、前記少なくとも一つの孔を2つ以上含み、
前記2つ以上の孔の少なくとも一部は、前記第1及び第2バンプの一面と反対面との間を貫通する、請求項11から13のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項15】
前記少なくとも一つの孔の一部の半径は、前記第1及び第2バンプのそれぞれの厚さよりも短く、前記少なくとも一つの孔の残りの半径は、前記第1及び第2バンプのそれぞれの厚さ以上である、請求項14に記載の積層型キャパシタ。
【請求項16】
前記少なくとも一つの孔の少なくとも一部は、中心幅が一端の幅よりもさらに広い形態を有する、請求項15に記載の積層型キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型キャパシタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、コンピュータ、PDA、携帯電話などの電子機器部品として広く用いられており、高信頼性、高強度特性を有しているため、電気機器(車両を含む)部品としても広く用いられている。
【0003】
積層型キャパシタに用いられ得る高い誘電率の誘電体材料は、圧電性も有することができるため、積層型キャパシタは電圧の印加に応じて微細に振動する可能性がある。積層型キャパシタの微細な振動は、積層型キャパシタに連結されることができる基板に伝達され、基板は伝達された振動に応じて騒音を引き起こす可能性がある。上記騒音はアコースティックノイズ(acoustic noise)と定義することができる。
【0004】
アコースティックノイズは、基板を含む電子機器/電気機器の使用者の聴覚を刺激することがあるため、使用者は、上記騒音によって電子機器/電気機器が故障したと認識することがある。また、アコースティックノイズは、電子機器/電気機器が聴覚的入力/出力を提供する場合に上記聴覚的入力/出力の性能を低下させることがあり、電子機器/電気機器のセンサにノイズとして作用してセンサの感度を低下させることがある。したがって、アコースティックノイズは、積層型キャパシタの様々な性能の1つとして要求されることができる。
【0005】
積層型キャパシタの振動が積層型キャパシタに連結された他の構造(例:基板、電子機器/電気機器)に伝達される経路の構造は、アコースティックノイズに影響を与える可能性があり、積層型キャパシタと積層型キャパシタに連結された他の構造との間の固着強度にも影響を与える可能性がある。積層型キャパシタが用いられる電子機器/電気機器の動作信頼性は、上記固着強度が強いほど高くなることができるため、積層型キャパシタは、上記固着強度が強いほど、さらに多様な電子機器/電気機器に有利に用いられることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2020-0016586号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、連結される他の構造(例:基板、電子機器/電気機器)に対する連結構造の効率性(例:アコースティックノイズ、固着強度)を向上させることができる積層型キャパシタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、上記少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように互いに離隔して上記本体に配置された第1及び第2外部電極と、一面が上記第1及び第2外部電極に配置され、上記一面または反対面に位置する少なくとも一つの孔を含む第1及び第2バンプと、を含み、上記少なくとも一つの孔の総面積はAVであり、上記第1及び第2バンプにおいて上記第1及び第2外部電極を向かい合う面の面積はABであり、(AV/AB)は0.012超過0.189未満であることができる。
【0009】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、上記少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように互いに離隔して上記本体に配置された第1及び第2外部電極と、一面が上記第1及び第2外部電極に配置され、上記一面または反対面に位置する少なくとも一つの孔を含む第1及び第2バンプと、を含み、上記第1及び第2バンプのそれぞれは、上記第1及び第2バンプの一面と反対面が向かい合う方向と他の方向に凹んだ凹部領域を含み、上記少なくとも一つの孔の総面積は、上記凹部領域の総面積よりも小さいことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、連結される他の構造(例:基板、電子機器/電気機器)に対する連結構造の効率性(例:アコースティックノイズ、固着強度)を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの一部分を示した斜視図である。
【
図4a】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した斜視図である。
【
図4b】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した斜視図である。
【
図4c】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した斜視図である。
【
図5a】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した側面図である。
【
図5b】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した側面図である。
【
図5c】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した側面図である。
【
図5d】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した側面図である。
【
図5e】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した側面図である。
【
図5f】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した側面図である。
【
図5g】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した側面図である。
【
図6a】本発明の一実施形態による積層型キャパシタのバンプ(bump)を示した平面図である。
【
図6b】本発明の一実施形態による積層型キャパシタのバンプ(bump)を示した平面図である。
【
図6c】本発明の一実施形態による積層型キャパシタのバンプ(bump)を示した平面図である。
【
図6d】本発明の一実施形態による積層型キャパシタのバンプ(bump)を示した平面図である。
【
図6e】本発明の一実施形態による積層型キャパシタのバンプ(bump)を示した平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの孔/バンプ面積比による固着強度を示したグラフである。
【
図8a】
図7のグラフの値を得る測定構造を例示した図面である。
【
図8b】
図7のグラフの値を得る測定構造を例示した図面である。
【
図8c】
図7のグラフの値を得る測定構造を例示した図面である。
【
図8d】
図7のグラフの値を得る測定構造を例示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0013】
そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一参照符号を用いて説明する。
【0014】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0015】
本発明の実施形態を明確に説明するために、六面体の方向を定義すると、図面上に示されているX、Y、及びZはそれぞれ、長さ方向、幅方向、及び厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層される積層方向(または第1方向)と同一の概念として用いられる。
【0016】
以下では、本発明の一実施形態による積層型キャパシタを説明するが、特に積層セラミックキャパシタ(Multi-layer ceramic capacitor、MLCC)として説明するが、これに制限されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの一部分を示した斜視図であり、
図2は、
図1のA-A'を示した断面図であり、
図3は、
図1のB-B'を示した断面図である。
【0018】
図1、
図2及び
図3を参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの一部分(100pre)は、本体110、第1外部電極131及び第2外部電極132を含むことができる。
【0019】
本体110は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122が少なくとも一つの誘電体層111を間に挟んで第1方向(例:Z方向)に交互に積層された積層構造を含むことができる。
【0020】
例えば、本体110は、積層構造の焼成によってセラミック本体で構成されることができる。ここで、本体110に配置された少なくとも一つの誘電体層111は焼結された状態であり、隣接する誘電体層の間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0021】
例えば、本体110は、長さ方向Xの両側面、幅方向Yの両側面及び厚さ方向Zの両側面を有する六面体から形成されることができ、上記六面体の角及び/またはコーナーは研磨されることによって丸い形であることができる。但し、本体110の形状、寸法及び誘電体層111の積層数が本実施形態に示されたものに限定されるものではない。
【0022】
少なくとも一つの誘電体層111は、その厚さを積層型キャパシタの一部分(100pre)の容量設計に合わせて任意に変更することができ、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系粉末を含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。また、積層型キャパシタの一部分(100pre)の要求規格に応じて、セラミック粉末に様々なセラミック添加剤(例:MgO、Al2O3、SiO2、ZnO)、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0023】
少なくとも一つの誘電体層111の形成に用いられるセラミック粉末の平均粒径は特に制限されず、積層型キャパシタの一部分(100pre)の要求規格(例:電子機器用キャパシタのように小型化及び/または高容量が要求されるか、電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/または強い強度が要求されるなど)によって調節されることができるが、例えば、400nm以下に調節されることができる。
【0024】
例えば、少なくとも一つの誘電体層111は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して複数個のセラミックシートを設けることによって形成されることができる。上記セラミックシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法で数μmの厚さを有するシート(sheet)状に製作することによって形成されることができるが、これに限定されない。
【0025】
少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122は、導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して誘電体層の積層方向(例:Z方向)に沿って本体110の長さ方向Xの一側面と他側面に交互に露出するように形成されることができ、中間に配置された誘電体層によって互いに電気的に絶縁されることができる。
【0026】
例えば、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれは、粒子平均大きさが0.1~0.2μmであり、40~50重量%の導電性金属粉末を含む内部電極用導電性ペーストによって形成されることができるが、これに限定されない。上記導電性ペーストは、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉛(Pb)または白金(Pt)などの単独またはこれらの合金であることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0027】
例えば、上記セラミックシート上に上記内部電極用導電性ペーストを印刷工法などで塗布して内部電極パターンを形成することができる。上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、及びインクジェット印刷法などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、上記内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを200~300層積層し、圧着、焼成することで本体110を製作することができる。
【0028】
積層型キャパシタの一部分(100pre)の静電容量は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122との間の積層方向(例:Z方向)の重なり面積に比例し、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122の総積層数に比例し、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122との間の間隔に反比例することができる。上記間隔は、少なくとも一つの誘電体層111のそれぞれの厚さと実質的に同一であることができる。
【0029】
積層型キャパシタの一部分(100pre)は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122との間の間隔が短いほど、厚さに対してさらに大きい静電容量を有することができる。一方、積層型キャパシタの一部分(100pre)の耐電圧は、上記間隔が長いほど高いことができる。したがって、上記間隔は積層型キャパシタの一部分(100pre)の要求規格(例:電子機器用キャパシタのように小型化及び/または高容量が要求されるか、電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/または強い強度が要求されるなど)によって調節されることができる。少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれの厚さも上記間隔の影響を受けることができる。
【0030】
例えば、積層型キャパシタの一部分(100pre)は、高い耐電圧特性及び/または強い強度が要求される場合に、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122との間の間隔がそれぞれの厚さの2倍を超えるように設計されることができる。例えば、積層型キャパシタの一部分(100pre)は、小型化及び/または高容量が要求される場合に、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれの厚さが0.4μm以下であり、総積層数が400層以上になるように設計されることができる。
【0031】
第1及び第2外部電極131、132は、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122にそれぞれ連結されるように互いに離隔して本体110に配置されることができる。
【0032】
例えば、第1及び第2外部電極131、132のそれぞれは、金属成分が含まれたペーストにディッピング(dipping)する方法、導電性ペーストを印刷する方法、シート(Sheet)転写、パッド(Pad)転写方法、スパッタめっきまたは電解めっきなどで形成されることができる。例えば、第1及び第2外部電極131、132は、上記ペーストが焼成されることによって形成された焼成層及び上記焼成層の外面に形成されためっき層を含むことができ、上記焼成層と上記めっき層との間に導電性樹脂層をさらに含むことができる。例えば、上記導電性樹脂層は、エポキシなどの熱硬化性樹脂に導電性粒子が含有されることによって形成されることができる。上記金属成分は、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)、スズ(Sn)などの単独またはこれらの合金であることができるが、これに限定されない。
【0033】
積層型キャパシタの一部分(100pre)は、外部基板(例:プリント回路基板)に実装または埋め込まれることができ、第1及び第2外部電極131、132を介して上記外部基板の配線、ランド、はんだ及びバンプの少なくとも一つに連結されることによって、上記外部基板に電気的に連結された回路(例:集積回路、プロセッサ)に電気的に連結されることができる。
【0034】
図1、
図2及び
図3を参照すると、本体110は上部カバー層112、下部カバー層113、及びコア領域115を含むことができ、コア領域115はマージン領域114及び容量領域116を含むことができる。
【0035】
上部及び下部カバー層112、113は、第1方向(例:Z方向)にコア領域115を間に挟むように配置され、それぞれ少なくとも一つの誘電体層111のそれぞれよりもさらに厚いことができる。
【0036】
上部及び下部カバー層112、113は、外部環境要素(例:水分、めっき液、異物)がコア領域115に浸透することを防止することができ、本体110を外部衝撃から保護することができ、本体110の曲げ強度も向上させることができる。
【0037】
例えば、上部及び下部カバー層112、113は、少なくとも一つの誘電体層111と同一材料や他の材料(例:エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂)を含むことができる。
【0038】
容量領域116は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122との間を含むことができるため、積層型キャパシタの一部分(100pre)の静電容量を形成することができる。
【0039】
容量領域116は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122が少なくとも一つの誘電体層111を間に挟んで第1方向(例:Z方向)に交互に積層された積層構造を含むことができ、上記積層構造と同一のサイズを有することができる。
【0040】
マージン領域114は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122の境界線と本体110の表面との間を含むことができる。
【0041】
複数のマージン領域114は、第1方向(例:Z方向)に垂直な第2方向(例:Y方向)に容量領域116を間に挟むように配置されることができる。例えば、複数のマージン領域114は、少なくとも一つの誘電体層111と類似した方式(積層方向は異なる)で形成されることができる。
【0042】
複数のマージン領域114は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122が本体110から第2方向(例:Y方向)の表面に露出することを防止することができるため、外部環境要素(例:水分、めっき液、異物)が上記第2方向の表面を介して少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122に浸透することを防止することができ、積層型キャパシタの一部分(100pre)の信頼性及び寿命を向上させることができる。また、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122は、複数のマージン領域114によって第2方向に効率的に拡張して形成されることができるため、複数のマージン領域114は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122との重なり面積を広げて、積層型キャパシタの一部分(100pre)の静電容量の向上にも寄与することができる。
【0043】
図4a~
図4cは、本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した斜視図である。
【0044】
図4a~
図4cを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100a、100b、100cは、本体110、第1及び第2外部電極131、132、第1バンプ140及び第2バンプ150を含むことができる。
【0045】
本体110は、第1、第2、第3、第4、第5及び第6面1、2、3、4、5、6を含む六面体状であることができるが、これら限定されない。ここで、第1面1は、積層型キャパシタ100a、100b、100cがこれに連結される他の構造(例:基板、電子機器/電気機器)を向かい合う面に定義されることができる。第3及び第4面3、4は、本体110において少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が第1及び第2外部電極131、132に連結される面であることができ、第1面1に平行でないことができる。第1面1は、第1及び第2バンプ140、150の一面(例:上面)と平行することができる。
【0046】
第1及び第2外部電極131、132は、第3及び第4面3、4に配置された連結部131a、132aと、第1面1に配置されたベンディング部131b、132bを含むことができる。連結部131a、132aが本体110の内部電極に連結され、ベンディング部131b、132bが第1及び第2バンプ140、150に連結されるため、第1及び第2外部電極131、132は、本体110の内部電極と第1及び第2バンプ140、150との間を連結させることができる。
【0047】
第1バンプ140の一面(例:Z方向基準の上面)は、第1外部電極131の一面(例:Z方向基準の下面)に配置されることができ、第2バンプ150の一面(例:Z方向基準の上面)は、第2外部電極132の一面(例:Z方向基準の下面)に配置されることができる。
【0048】
第1及び第2バンプ140、150は、積層型キャパシタ100a、100b、100cとこれに連結される構造(例:基板、電子機器/電気機器)との間に配置されることができるため、上記連結される構造上で積層型キャパシタ100a、100b、100cを支持することができる。したがって、第1及び第2バンプ140、150は、本体110と他の構造(例:基板、電子機器/電気機器)との間の振動伝達経路の少なくとも一部分であることができるため、積層型キャパシタ100a、100b、100cのアコースティックノイズ及び/または他の構造に対する固着強度に影響を与える可能性がある。
【0049】
第1及び第2バンプ140、150は、
図1~
図3に示された積層型キャパシタの一部分から分離されて製造された後、第1及び第2外部電極131、132に配置されることができる。したがって、第1及び第2バンプ140、150は、第1及び第2外部電極131、132に比べてより自由に設計されることができるため、アコースティックノイズの低減及び固着強度を向上させるための設計においてより有利であることができる。設計に応じて、第1及び第2バンプ140、150は、導電性接着層(例:高融点はんだ、導電性ペースト)を介して第1及び第2外部電極131、132に接着されることができる。
【0050】
第1及び第2バンプ140、150は金属材料を含むことができるため、積層型キャパシタ100a、100b、100cとこれに連結される構造との間を電気的に連結させることができる。例えば、第1及び第2バンプ140、150は、銅(Cu)を含む直方体構造の表面にニッケル(Ni)めっき層及びスズ(Sn)めっき層が配置された形態を有することができる。
【0051】
積層型キャパシタ100a、100b、100cは、はんだ(solder)を介して他の構造(例:基板、電子機器/電気機器)に固着されることができ、はんだは積層型キャパシタ100a、100b、100cが上記他の構造のパッド上に載置された状態でリフロー(reflow)工程によって第1及び第2外部電極131、132と第1及び第2バンプ140、150に連結されてこれらを固着させることができる。はんだ(solder)は、第1及び第2バンプ140、150に含有され得る銅(Cu)よりも低い溶融点を有することができ、スズ(Sn)またはスズ系合金を含むことができる。
【0052】
はんだの一部分は、第1及び第2外部電極131、132の側面を這い上がることができ、これによって第1及び第2外部電極131、132と上記他の構造との間の経路の幅は広くなり、上記経路の音波インピーダンスは低くなる可能性がある。上記経路の音波インピーダンスが低くなるほど、本体110の振動は上記他の構造にさらに多く伝達されることができるため、アコースティックノイズが高まる可能性がある。
【0053】
第1バンプ140の一面または反対面(例:Z方向基準の下面)は、第1孔141を含むことができ、第2バンプ150の一面または反対面(例:Z方向基準の下面)は第2孔151を含むことができる。第1及び第2バンプ140、150は少なくとも一つの孔141、151を含むことができる。
【0054】
これによって、上記はんだの一部分は、第1及び第2外部電極131、132の側面を這い上がる代わりに、少なくとも一つの孔141、151に収容されることができるため、積層型キャパシタ100a、100b、100cと他の構造との間の経路の幅を減らすことができ、音波インピーダンスを高め、アコースティックノイズを減らすことができる。
【0055】
例えば、第1及び第2バンプ140、150との間の少なくとも一部分は空気を含むことができる。これによって、上記はんだの一部分は少なくとも一つの孔141、151だけでなく、第1及び第2バンプ140、150との間の空いた空間の一部分にも配置されることができるため、はんだが第1及び第2外部電極131、132を這い上がる高さはさらに減らすことができ、アコースティックノイズはさらに減少されることができる。
【0056】
図4bを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100bの第1及び第2バンプ140、150のそれぞれは、少なくとも一つの孔141、151を2つ以上含むことができる。
【0057】
これによって、少なくとも一つの孔141、151のそれぞれは、第1及び第2バンプ140、150の外側のはんだが少なくとも一つの孔141、151に効率的に移動するように第1及び第2バンプ140、150の端にさらに近く配置されることが有利であることができる。また、少なくとも一つの孔141、151の半径が互いに異なる場合、少なくとも一つの孔141、151の総面積はさらに正確に調節されることができる。
【0058】
図4cを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100cの第1及び第2バンプ140、150のそれぞれは、第1及び第2バンプ140、150の一面(例:上面)と反対面(例:下面)が向かい合う方向(例:Z方向)と異なる方向(例:X方向)に凹んだ凹部領域142、152を含むことができる。
【0059】
凹部領域142、152は、はんだによって第1及び第2外部電極131、132の側面を這い上がるはんだの一部分が収容される空間を提供することができるため、アコースティックノイズを減らすことができる。
【0060】
はんだが凹部領域142、152に収容されるように移動する経路と、少なくとも一つの孔141、151に収容されるように移動する経路は互いに異なることができる。したがって、凹部領域142、152と少なくとも一つの孔141、151の組み合わせは、はんだが収容される経路の多様性を高めることができ、はんだの収容効率性をさらに高めることができ、アコースティックノイズをさらに効率的に減らすことができる。例えば、少なくとも一つの孔141、151は、第1及び第2バンプ140、150のそれぞれの中心から互いに向かい合う方向(すなわち、X方向の内側)にさらに偏って位置することができる。
【0061】
凹部領域142、152に比べて、少なくとも一つの孔141、151は、はんだと第1及び第2バンプ140、150との間の接触面積を単位面積に対してさらに高くすることができるため、少なくとも一つの孔141、151は、接触面積の増加に応じた第1及び第2バンプ140、150と他の構造(例:基板、電子機器/電気機器)との間の固着強度をさらに効率的に向上させることができる。
【0062】
したがって、少なくとも一つの孔141、151の総面積は、凹部領域142、152の総面積よりも小さいことができる。これによって、全般的なアコースティックノイズの低減性能及び固着強度の向上性能は、効率的に向上されることができる。
【0063】
図5a~
図5gは、本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示した側面図である。
【0064】
図5a、
図5c、及び
図5gを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100d、100f、100jの少なくとも一つの孔141、151の少なくとも一部は、第1及び第2バンプ140、150の一面と反対面との間を貫通することができるが、これに限定されない。
【0065】
例えば、
図5b、
図5d、
図5e及び
図5fを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100e、100g、100h、100iの少なくとも一つの孔141、151は、第1及び第2バンプ140、150の一面と反対面との間を貫通しないことができる。すなわち、少なくとも一つの孔141、151の深さT
Vは、第1及び第2バンプ140、150の厚さT
Bよりも短いことができる。例えば、第1及び第2バンプ140、150の厚さT
Bは150μmであることができ、少なくとも一つの孔141、151の深さT
Vは150μm未満であることができる。
【0066】
図5c及び
図5dを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100f、100gの少なくとも一つの孔141、151の幅はさらに広くなることができる。
【0067】
図5eを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100hの少なくとも一つの孔141、151の少なくとも一部は、中心幅L
VIが一端の幅L
VXよりもさらに広い形態を有することができる。これにより、少なくとも一つの孔141、151は、平均面積に対してさらに多いはんだを収容することができ、はんだに対する接触面積をさらに広げることができるため、全般的なアコースティックノイズの低減性能及び固着強度の向上性能はさらに向上されることができる。
【0068】
図5fを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100iの少なくとも一つの孔141、151の内部は丸くてもよい。
【0069】
図5gを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100jの第2外部電極132は、焼成による焼成層132aとめっきによるめっき層132bを含むことができ、第1外部電極も同様であることができる。
【0070】
図6a~
図6eは、本発明の一実施形態による積層型キャパシタのバンプ(bump)を示した平面図である。
【0071】
図6aを参照すると、少なくとも一つの孔151の総面積であるA
V(下記表1を参照)は、少なくとも一つの孔151のそれぞれの面積A
V1、A
V2の合計であることができる。例えば、面積A
V1、A
V2の合計であるA
Vは、凹部領域152の面積A
Rよりも小さいことができる。面積A
V1、A
V2は、バンプを垂直平面に切断または研磨して露出する垂直断面において、少なくとも一つの孔151の水平方向の幅を垂直方向に積分して垂直方向の厚さを割った平均幅に2で割って二乗し、円周率をかけて測定されることができる。下記の面積A
Rも類似の方式で測定されることができる。
【0072】
例えば、長さLB、幅WB、面積AR及び面積AV1、AV2は、TEM(Transmission Electron Microscopy)、AFM(Atomic Force Microscope)、SEM(Scanning Electron Microscope)、光学顕微鏡、及びsurface profilerの少なくとも一つによって測定されることができる。
【0073】
第2バンプ150の面積は、第2バンプ150の長さLBと幅WBの積から凹部領域152の面積ARを減算した値であることができる。第1バンプの面積も同様に計算されることができるため、長さLB、幅WB、及び面積ARのそれぞれは、第1及び第2バンプのそれらのそれぞれを合計して2で割った値であることができる。
【0074】
下記表1のABは、上記2で割った値で面積を計算し、2をかけた値であることができる。孔の個数のsは半径が深さ(例:150μm)よりも短い孔を表し、lは半径が深さよりも長い孔を表し、mは半径及び深さが互いに類似した孔を表す。アコースティックノイズは、(AV/AB)が高いほど低くなることができ、(AV/AB)の単位変化に対するアコースティックノイズの減少量は、固着強度に比べて定数に近いことができる。
【0075】
孔の半径と深さの関係(または孔1つの面積)による固着強度の影響は、(AV/AB)による固着強度の影響よりも小さいことができるため、固着強度の変数として(AV/AB)は、孔の半径と深さの関係よりも優先的に考慮されることができる。例えば、試料3の固着強度は、試料3のs孔がm孔またはl孔に変更される場合に少し増加することができるが、m孔を有する試料2の固着強度やl孔を有する試料4の固着強度と類似した値を有することができる。例えば、試料2の固着強度は、試料2のm孔がs孔に変更される場合に少し減少することができるが、s孔を有する試料3の固着強度と類似した値を有することができる。例えば、試料6の固着強度は、試料6のl孔がs孔に変更される場合に少し減少することができるが、s孔を有する試料3の固着強度と類似または少し高い値を有することができる。
【0076】
図6b、
図6c及び
図6dは、下記表1の試料1、試料3及び試料2を示す。すなわち、
図6b及び
図6cの孔141はs孔であることができ、
図6dの孔141、151はm孔であることができ、l孔の面積は
図6d及び
図6eの孔141、151の面積A
V3、A
V4よりもさらに大きいことができる。
【0077】
【0078】
表1を参照すると、試料2は試料1よりもAVの単位増加に比べて固着強度が大きく増加するため、試料1の(AV/AB)よりも高い(AV/AB)を有する試料2のバンプはアコースティックノイズの減少性能及び固着強度の増加性能を効率的に提供することができる。
【0079】
表1を参照すると、試料7は試料6よりもAVの増加によって固着強度が低くなるため、試料7の(AV/AB)よりも低い(AV/AB)を有する試料6のバンプはアコースティックノイズの減少性能及び固着強度の増加性能を効率的に提供することができる。
【0080】
したがって、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの第1及び第2バンプの(AV/AB)は、0.012超過0.189未満であることができ、アコースティックノイズの減少性能及び固着強度の増加性能を効率的に提供することができる。
【0081】
また、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの第1及び第2バンプの(AV/AB)は、試料2の(AV/AB)である0.021以上、試料6の(AV/AB)である0.132以下であることができる。これにより、アコースティックノイズの減少性能及び固着強度の増加性能はより安定的に確保されることができる。
【0082】
設計によって、表1のs孔とm孔とl孔の少なくとも2つは、第1及び第2バンプのそれぞれで混合されることができる。例えば、少なくとも一つの孔151の一部の半径は、第1及び第2バンプのそれぞれの厚さ(例:150μm)よりも短く、少なくとも一つの孔151の残りの半径は、第1及び第2バンプのそれぞれの厚さ以上であることができる。
【0083】
図6d及び
図6eを参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100mにおいて、第1バンプ140の凹部領域142及び第2バンプ150の凹部領域152は、互いに向かい合うように第1及び第2バンプ140、150に形成されることができる。例えば、少なくとも一つの孔141、151の面積A
V3、A
V4と第1及び第2バンプ140、150の面積A
Bは、
図6aの面積A
V1、A
V2と同一の方式で測定されることができる。
【0084】
図7は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの孔/バンプの面積比による固着強度を示したグラフである。
【0085】
図7の横軸は(A
V/A
B)であり、
図6aの長さL
B、幅W
B、面積A
R、及び面積A
V1、A
V2に基づいて計算されることができる。
図7の縦軸の平均値は表1の固着強度と同一であることができる。
図7の各値は、下記表2及び表3のとおりである。
【0086】
【0087】
【0088】
表2及び表3の1行目は表1の試料番号に対応され、表2及び表3のNは各試料番号別の製作番号であることができ、FHは各製作番号別の固着強度であることができる。すなわち、表2及び表3は、総90個の製作番号による固着強度を示す。
【0089】
図8a~
図8dは、
図7のグラフの値が得られる測定構造を例示した図面である。
【0090】
図8aを参照すると、本体110と第1及び第2外部電極131、132を含む積層型キャパシタは、基板210の第1及び第2パッド221、222上ではんだ230によって実装されることができ、第1及び第2バンプ140、150は、第1及び第2外部電極131、132と第1及び第2パッド221、222との間に配置されることができる。
【0091】
外部の力は、積層型キャパシタの実装方向(例:Z方向)と第1及び第2外部電極131、132が向かい合う方向(例:X方向)に垂直な方向(例:Y方向)に本体110の中心に印加されることができ、時間が経つにつれて線形的に強くなることができる。外部の力の速度は1.0mm/secであることができる。
【0092】
ここで、外部の力が積層型キャパシタに印加された後に積層型キャパシタが基板210や第1及び第2パッド221、222から離脱または破壊される瞬間の外部の力は、積層型キャパシタの固着強度であることができる。
【0093】
例えば、基板210の面積は(100mm×40mm)であることができ、基板210の厚さは1.6mmであることができ、基板210の絶縁材料はFR4であることができ、基板210は断面基板であることができる。
【0094】
図8b~
図8dを参照すると、基板210は、間隔調節部330によって間隔が調節された支持部320に配置されることができ、積層型キャパシタ100は基板210の第1及び第2パッド221、222の少なくとも一部の上に実装されることができ、外力印加装置310は積層型キャパシタ100に力を印加することで、固着強度を測定することができる。例えば、外力印加装置310、支持部320、及び間隔調節部330は、TIRA万能試験機であることができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0096】
100 積層型キャパシタ
110 本体(body)
111 誘電体層
112 上部カバー層
113 下部カバー層
114 マージン領域
115 コア領域
116 容量領域
121 第1内部電極
122 第2内部電極
131 第1外部電極
132 第2外部電極
140 第1バンプ
141、151 少なくとも一つの孔
142、152 凹部領域
150 第2バンプ