(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099418
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】取り外しやすい胸骨板
(51)【国際特許分類】
A61B 17/66 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
A61B17/66
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084969
(22)【出願日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】202111668929.8
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522206722
【氏名又は名称】チャンヂョウ ワストン メディカル アプライアンス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Changzhou Waston Medical Appliance Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】No.5 Longxiang Road, Nanxiashu Street, Wujin Hi-Tech Industry Zone,Changzhou City, Jiangsu Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】フー レンミン
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ ホン
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ ウェンフゥイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL18
4C160LL25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療器械技術分野に関し、人体組織の嵌入成長のため胸骨閉鎖固定器を迅速に取り外しができない場合でも、工具を用いて迅速に取り外すことができる胸骨板を提供する。
【解決手段】雄固定具1と雌固定具2を含み、雄固定具1はプラグ11と第一爪形フックプレート12を含み、雌固定具2はソケット21と第二爪形フックプレート22を含む。プラグ11とソケット21とは嵌合かつロックでき、プラグ11と第一爪形フックプレート12は取り外し可能に接続され、プラグ11の両側に弾性ストリップ31が設けられ、弾性ストリップ31の端部にクランプが延在し、クランプの端部に外向きのバックル33が設けられている。第一爪形フックプレート12の一端にスロットが設けられ、スロットの片側に段差部35が設けられ、バックル33は段差部35に引っ掛かり、プラグ11と第一爪形フックプレート12とをロックさせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄固定具(1)と雌固定具(2)を含み、前記雄固定具(1)はプラグ(11)と第一爪形フックプレート(12)を含み、前記雌固定具(2)はソケット(21)と第二爪形フックプレート(22)を含み、前記プラグ(11)と前記ソケット(21)とは嵌合かつロックでき、前記プラグ(11)と前記第一爪形フックプレート(12)は取り外し可能に接続され、前記プラグ(11)の両側に弾性ストリップ(31)が設けられており、前記弾性ストリップ(31)の端部にクランプ(32)が延在し、前記クランプ(32)の端部に外向きのバックル(33)が設けられており、前記第一爪形フックプレート(12)の一端に前記クランプ(32)が挿入しやすいスロット(34)が設けられ、前記スロット(34)の片側に段差部(35)が設けられ、前記クランプ(32)を前記スロット(34)に挿入した後、前記バックル(33)は前記スロット(34)の側壁と密着し、前記弾性ストリップ(31)を内向きに湾曲させ、前記バックル(33)は前記スロット(34)を通過した後、前記弾性ストリップ(31)の反発作用で、前記バックル(33)は前記段差部(35)に引っ掛かり、前記プラグ(11)と前記第一爪形フックプレート(12)とをロックさせることを特徴とする取り外しやすい胸骨板。
【請求項2】
前記弾性ストリップ(31)には、前記弾性ストリップ(31)を内向きに曲げることを容易にする取り外し孔(311)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項3】
前記プラグ(11)の端部にロックボルト(41)が設けられており、前記第一爪形フックプレート(12)の端部に形状が前記ロックボルト(41)とマッチングするロック溝(42)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項4】
前記ロックボルト(41)は全体として扁平な円錐形を呈していることを特徴とする請求項3に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項5】
前記クランプ(32)と前記バックル(33)との側壁に前記弾性ストリップ(31)を内向きに曲げることを容易にする取り外し溝(5)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項6】
前記プラグ(11)と前記第一爪形フックプレート(12)との接続箇所に前記プラグ(11)と前記第一爪形フックプレート(12)を分離しやすくする直線溝(6)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項7】
ロックホイール(7)をさらに含み、前記ロックホイール(7)の断面はオリーブ形又は楕円形であり、前記プラグ(11)の両側に第一鋸歯(81)が設けられており、前記プラグ(11)の中央部に締付け溝(82)が設けられ、且つ当該締付け溝(82)に前記ロックホイール(7)の外壁面に張り付いて嵌合するロック孔(83)が設けられており、前記ロック孔(83)の長軸方向は前記プラグ(11)が前記ソケット(21)に差し込まれる方向であり、前記ソケット(21)の両側に前記第一鋸歯(81)と係合する第二鋸歯(84)が設けられており、前記ロック孔(83)内に前記ロックホイール(7)が回転可能に取り付けられ、前記ロックホイール(7)が回転することにより、前記締付け溝(82)が大きくなるときに前記第一鋸歯(81)と前記第二鋸歯(84)とが噛み合い、前記締付け溝(82)が小さくなるときに前記第一鋸歯(81)と前記第二鋸歯(84)とが離脱することを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項8】
前記プラグ(11)と前記ソケット(21)との間に上下位置を制限する機構が設けられ、前記上下位置を制限する機構は二つのフィン(91)及び前記フィン(91)に合わせたアリ溝(92)を含み、二つの前記フィン(91)はそれぞれ前記プラグ(11)の両側に設けられ、且つ前記第一鋸歯(81)の下方に位置し、二つの前記アリ溝(92)はそれぞれ前記ソケット(21)の両側に設けられ、且つ前記第二鋸歯(84)の下方に位置することを特徴とする請求項7に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項9】
前記ロックホイール(7)の外壁面は外向きに膨出した円弧状構造であり、前記ロック孔(83)の壁面は当該ロックホイール(7)の外壁面に合致する円弧状構造であることを特徴とする請求項7に記載の取り外しやすい胸骨板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療器械技術分野に関し、特に取り外しやすい胸骨板に関する。
【背景技術】
【0002】
胸骨正中切開手術は胸骨全体を切開する必要があり、手術が終了する時に、胸骨を閉じる従来の方法はワイヤ締結術であり、手術医はワイヤに接続された針でそれぞれ左、右側胸骨又は胸骨周辺の軟部組織を貫通し、さらに両側のワイヤを互いに撚り合わせて切開された左半分と右半分の胸骨を閉じ且つ固定する。胸骨をワイヤで固定する従来の方法には以下の欠点があった。すなわち、1、固定伸縮度が把握しにくく、統一しにくい。2、ワイヤによる胸骨の切断が発生しやすく、胸骨の裂けを引き起こし、不良結果をもたらす。3、ワイヤを通すのに一定の技術難度があり、且つ出血を引き起こしやすく、止血操作に手間がかかり、二次開胸のリスクが高い。
【0003】
これに基づいて、胸骨閉鎖固定具はますます多くの医師に好まれるようになっている。従来の胸骨閉鎖固定具は雄固定具と雌固定具を有し、雄固定具の外側と雌固定具の内側に互いに係合する鋸歯が設けられている。雄固定具にロック溝が設けられ、ロック溝内にロックホイールが回転可能に設けられる。ロックホイールを回転させることにより、雄固定具の弾性変形を利用して雄固定具と雌固定具を互いにロックさせる。
【0004】
中国特許CN104107084Aは、内爪フックプレートと外爪フックプレートを含み、外爪フックプレートに歯溝部付きのソケットを有し、内爪フックプレートに歯溝部と噛み合う歯挿入部を有する爪形胸骨固定器を開示している。内爪フックプレートは、歯挿入部を介して、歯溝部と嵌合される。歯溝部内には第一鋸歯が設けられ、歯挿入部に第一鋸歯と係合する第二鋸歯が設けられている。内爪フックプレートにはさらに互いに嵌合するロック緩めバックルとロック緩め孔が設けられ、かつロック緩めバックルは内爪フックプレートにヒンジ接続されている。ロック緩めバックルが内爪フックプレートに対してロック緩め孔内に嵌合するまで回転すると、前記歯溝部の第一鋸歯と歯挿入部の第二鋸歯が噛み合って内爪フックプレートと外爪フックプレートが緊密に係合する。術後後期に二次開胸又は胸骨閉鎖固定器を取り外す必要がある患者に対して、胸骨の治癒時間が長いため、雄固定具と雌固定具との隙間内にいくつかの人体組織が成長し、ロック緩めバックルを開いた後、雄固定具の弾性爪は人体組織の嵌入成長のために反発できず、胸骨閉鎖固定器を順調に迅速に開くことができず、最終的に当該胸骨閉鎖固定器を迅速に取り外すことが困難になる。
【0005】
中国特許CN110123428Aには、ロックホイールと、互いに嵌合可能な雄固定具及び雌固定具とを含むクイックリリース式胸骨閉鎖固定器が開示されている。雄固定具は弾性プラグと第一爪形フックプレートを有し、弾性プラグの両側に第一鋸歯が設けられ、弾性プラグの中央部に締付け溝が設けられ、二つの弾性爪を形成する。ロックホイールと二つの弾性爪との間に二つの弾性爪を対向運動させるための張力付与機構が設けられる。ロックホイールが回転した後、雄固定具の弾性爪が人体組織の成長により弾性力を失った場合、ロックホイールを回転させることにより二つの弾性爪を初期状態に強制的に引き戻すことができ、スムーズかつ迅速に胸骨閉鎖固定器を開くことができ、使用方法が簡単で、操作性が良い。しかしその引張溝内に人体組織が成長した後、ロックホイールが回転しにくく、ひいては回転できず、最終的に胸骨閉鎖固定器を順調に迅速に開くことができなくなり、最終的に胸骨閉鎖固定器を迅速に取り外しにくくなる。
【発明の概要】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の引張溝内に人体組織が成長した後、ロックホイールが回転しにくく、ひいては回転できず、最終的に胸骨閉鎖固定器を順調に迅速に開くことができないという問題を解決することである。本発明は取り外しやすい胸骨板を提供し、プラグと第一爪形フックプレートとは取り外し可能に接続するように設けられ、ロックホイールが回転できず、又は弾性プラグが弾性を失って反発できない場合、工具を用いてプラグと第一爪形フックプレートを取り外すことができ、それにより胸骨板を迅速に取り外すという目的を達成する。
【0007】
本発明がその技術的課題を解決するために採用する技術的解決手段は以下のとおりである。取り外しやすい胸骨板であって、雄固定具と雌固定具を含み、前記雄固定具はプラグと第一爪形フックプレートを含み、前記雌固定具はソケットと第二爪形フックプレートを含み、前記プラグと前記ソケットとは嵌合かつロックでき、前記プラグと第一爪形フックプレートは取り外し可能に接続され、前記プラグの両側に弾性ストリップが設けられ、前記弾性ストリップの端部にクランプが延在し、クランプの端部に外向きのバックルが設けられている。前記第一爪形フックプレートの一端にクランプが挿入しやすいスロットが設けられ、前記スロットの片側に段差部が設けられ、クランプをスロットに挿入した後、バックルはスロットの側壁と密着し、弾性ストリップを内向きに湾曲させる。バックルはスロットを通過した後、弾性ストリップの反発作用で、バックルは段差部に引っ掛かり、プラグと第一爪形フックプレートとをロックさせる。
【0008】
ロックホイールが回転できず、又は弾性プラグが弾性を失って反発できない場合、バックルを強制的に押圧することにより、それを段差部から離脱させ、さらにスロット内から滑り出させ、胸骨板を取り外す目的を達成する。
【0009】
具体的には、前記弾性ストリップには、弾性ストリップを内向きに曲げることを容易にする取り外し孔が設けられている。胸骨板を迅速に取り外す必要がある場合、骨鉗子、鋏等の鋭い器具を用い、器具の先端を取り外し孔に刺し、弾性ストリップを圧迫して内向きに湾曲させ、バックルを段差部から滑り落とし、胸骨板を取り外すことができる。
【0010】
具体的には、前記プラグの端部にロックボルトが設けられており、前記第一爪形フックプレートの端部に形状がロックボルトとマッチングするロック溝が設けられている。このようにプラグと第一爪形フックプレートとの挿着が完了した後の位置が完全にマッチングすることを保証でき、プラグと第一爪形フックプレートとの間に発生する微細な位置ずれ現象を効果的に解決した。
【0011】
具体的には、前記ロックボルトは全体として扁平な円錐形を呈している。これにより、ロックボルトがロック溝に導かれた直後に、ロックボルトのロック溝への容易な挿入が保証される。
【0012】
具体的には、前記ロックボルトの高さはクランプの高さの1.5倍である。このようにプラグと第一爪形フックプレートとを挿着するとき、ロックボルトを先にロック溝内に挿入し、クランプを直接スロット内に進入させ、それにより挿着過程に対してガイドを形成し、位置ずれしにくいことを保証できる。
【0013】
具体的には、前記クランプとバックル側壁に弾性ストリップを内向きに曲げることを容易にする取り外し溝が設けられている。取り外し孔を介して弾性ストリップを圧迫したときにバックルを段差部から滑り落とすことができない場合、取り外し溝を圧迫することによってバックルを段差部から強制的に滑り落とすことができる。
【0014】
具体的には、前記プラグと前記第一爪形フックプレートとの接続箇所にプラグと第一爪形フックプレートを分離しやすくする直線溝が設けられている。取り外すときに、取り外し孔を介して弾性ストリップを圧迫したときにバックルを段差部から滑り落とす場合、又は取り外し溝を圧迫することによりバックルを段差部から強制的に滑り落とす場合、工具を直線溝内に挿入することにより、プラグと第一爪形フックプレートとを分離することができる。
【0015】
具体的には、ロックホイールをさらに含み、ロックホイールの断面はオリーブ形又は楕円形であり、前記プラグの両側に第一鋸歯が設けられ、プラグの中央部に締付け溝が設けられ、且つ当該締付け溝にロックホイールの外壁面に張り付いて嵌合するロック孔が設けられている。ロック孔の長軸方向はプラグがソケットに差し込まれる方向である。ソケットの両側に第一鋸歯と係合する第二鋸歯が設けられている。ロック孔内にロックホイールが回転可能に取り付けられ、ロックホイールが回転することにより、締付け溝が大きくなるときに第一鋸歯と第二鋸歯とが噛み合い、締付け溝が小さくなるときに第一鋸歯と第二鋸歯とが離脱する。
【0016】
具体的には、前記プラグと前記ソケットとの間に上下位置を制限する機構が設けられ、前記上下位置を制限する機構は二つのフィン及びフィンに合わせたアリ溝を含み、二つのフィンはそれぞれプラグの両側に設けられ、且つ第一鋸歯の下方に位置し、二つのアリ溝はそれぞれソケットの両側に設けられ、且つ第二鋸歯の下方に位置する。
【0017】
具体的には、前記ロックホイールの外壁面は外向きに膨出した円弧状構造であり、前記ロック孔の壁面は当該ロックホイールの外壁面に合致する円弧状構造である。
【0018】
本発明の有益な効果は、
(1)本発明は取り外しやすい胸骨板を提供し、プラグと第一爪形フックプレートとは取り外し可能に接続するように設けられ、ロックホイールが回転できず、又は弾性プラグが弾性を失って反発できない場合、工具を用いてプラグと第一爪形フックプレートを取り外すことができ、それにより胸骨板を迅速に取り外すという目的を達成する。
【0019】
(2)本発明は取り外しやすい胸骨板を提供し、前記弾性ストリップに弾性ストリップを内向きに曲げることを容易にする取り外し孔が設けられている。胸骨板を迅速に取り外す必要がある場合、骨鉗子、鋏等の鋭い器具を用い、器具の先端を取り外し孔に刺し、弾性ストリップを圧迫して内向きに湾曲させ、バックルを段差部から滑り落とし、胸骨板を取り外すことができる。
【0020】
(3)本発明は取り外しやすい胸骨板を提供し、プラグの端部にロックボルトが設けられ、前記第一爪形フックプレートの端部に形状がロックボルトとマッチングするロック溝が設けられている。このようにプラグと第一爪形フックプレートとの挿着が完了した後の位置が完全にマッチングすることを保証でき、プラグと第一爪形フックプレートとの間に発生する微細な位置ずれ現象を効果的に解決できる。
【0021】
(4)本発明は取り外しやすい胸骨板を提供し、前記ロックボルトの高さはクランプの高さの1.5倍である。このようにプラグと第一爪形フックプレートを挿着するとき、ロックボルトを先にロック溝内に挿入し、クランプを直接スロット内に進入させ、それにより挿着過程に対してガイドを形成し、位置ずれしにくいことを保証できる。
【0022】
(5)本発明は取り外しやすい胸骨板を提供し、クランプとバックル側壁に弾性ストリップを内向きに曲げることを容易にする取り外し溝が設けられている。取り外し孔を介して弾性ストリップを圧迫したときにバックルを段差部から滑り落とすことができない場合、取り外し溝を圧迫することによってバックルを段差部から強制的に滑り落とすことができる。
【0023】
(6)本発明は取り外しやすい胸骨板を提供し、プラグと第一爪形フックプレートとの接続箇所にプラグと第一爪形フックプレートを分離しやすくする直線溝が設けられている。取り外すときに、取り外し孔を介して弾性ストリップを圧迫してバックルを段差部から滑り落とす場合、又は取り外し溝を圧迫することによりバックルを段差部から強制的に滑り落とす場合、工具を直線溝内に挿入することにより、プラグと第一爪形フックプレートとを分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、具体的な実施形態又は先行技術の説明において使用する必要がある図面について簡単に説明する。以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって創造的な労力を払うことなく、これらの図面から他の図面を得ることができることは明白である。
【0025】
【
図2】
図2は本発明のロックホイールを取り外した後の雄固定具の構造概略図である。
【
図3】
図3は本発明のロックホイールを取り外した後の雄固定具の他の構造概略図である。
【
図4】
図4は本発明のロックホイールの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下は図面を参照して本発明の技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。
【0027】
図1から
図3に示すように、取り外しやすい胸骨板であって、雄固定具1と雌固定具2を含み、雄固定具1はプラグ11と第一爪形フックプレート12を含み、雌固定具2はソケット21と第二爪形フックプレート22を含み、前記プラグ11とソケット21とは嵌合かつロックでき、プラグ11と第一爪形フックプレート12は取り外し可能に接続され、プラグ11の両側に弾性ストリップ31が設けられ、弾性ストリップ31の端部にクランプ32が延在し、クランプ32の端部に外向きのバックル33が設けられている。前記第一爪形フックプレート12の一端にクランプ32が挿入しやすいスロット34が設けられ、スロット34の片側に段差部35が設けられ、クランプ32をスロット34に挿入した後、バックル33はスロット34の側壁と密着し、弾性ストリップ31を内向きに湾曲させる。バックル33はスロット34を通過した後、弾性ストリップ31の反発作用で、バックル33は段差部35に引っ掛かり、プラグ11と第一爪形フックプレート12とをロックさせる。
【0028】
ロックホイール7が回転できず、又は弾性プラグ11が弾性を失って反発できない場合、バックル33を強制的に押圧することにより、それを段差部35から離脱させ、さらにスロット34内から滑り出させ、胸骨板を取り外す目的を達成する。
【0029】
具体的な実施形態において、弾性ストリップ31には、弾性ストリップ31を内向きに曲げることを容易にする取り外し孔311が設けられている。胸骨板を迅速に取り外す必要がある場合、骨鉗子、鋏等の鋭い器具を用い、器具の先端を取り外し孔311に刺し、弾性ストリップ31を圧迫して内向きに湾曲させ、バックル33を段差部35から滑り落とし、胸骨板を取り外すことができる。ここでの取り外し孔は円形孔が好ましく、楕円孔、一字孔等であってもよい。
【0030】
具体的な実施形態において、プラグ11の端部にロックボルト41が設けられ、前記第一爪形フックプレート12の端部に形状がロックボルト41とマッチングするロック溝42が設けられている。このようにプラグ11と第一爪形フックプレート12との挿着が完了した後の位置が完全にマッチングすることを保証でき、プラグ11と第一爪形フックプレート12との間に発生する微細な位置ずれ現象を効果的に解決することができる。
【0031】
具体的な実施形態において、
図2に示すように、前記ロックボルト41は全体として扁平な円錐形を呈している。これにより、ロックボルト41がロック溝42に導かれた直後に、ロックボルト41のロック溝42への容易な挿入が保証される。もちろん、ロックボルト41は
図3に示すような階段状ロックボルト41であってもよい。
【0032】
具体的な実施形態において、ロックボルト41の高さはクランプ32の高さの1.2倍である。このようにプラグ11と第一爪形フックプレート12を挿着する時、ロックボルト41を先にロック溝42内に挿入し、クランプ32を直接スロット34内に進入させ、それにより挿着過程に対してガイドを形成し、位置ずれしにくいことを保証できる。
【0033】
具体的な実施形態において、クランプ32とバックル33との側壁に弾性ストリップ31を内向きに曲げることを容易にする取り外し溝5が設けられている。取り外し孔311を介して弾性ストリップ31を圧迫したときにバックル33を段差部35から滑り落とすことができない場合、取り外し溝5を圧迫することによってバックル33を段差部35から強制的に滑り落とすことができる。本実施例において、取り外し溝5はクランプ32とバックル33を貫通し、取り外す時に、扁平な鋭利な器具を取り外し溝5内に挿入することにより、スロット34内側壁を支点として、クランプ32とスロット34内側壁を強制的に分離させ、さらにバックル33を段差部35から滑り落とすことで、取り外しやすい。
【0034】
具体的な実施形態において、プラグ11と第一爪形フックプレート12との接続箇所にプラグ11と第一爪形フックプレート12を分離しやすくする直線溝6が設けられている。取り外すときに、取り外し孔311を介して弾性ストリップ31を圧迫してバックル33を段差部35から滑り落とす場合、又は取り外し溝5を圧迫することによりバックル33を段差部35から強制的に滑り落とす場合、工具を直線溝6内に挿入することにより、プラグ11と第一爪形フックプレート12とを分離することができる。
【0035】
具体的な実施形態において、
図1及び
図4に示すように、胸骨板はロックホイール7をさらに含み、ロックホイール7の断面はオリーブ形又は楕円形であり、プラグ11の両側に第一鋸歯81が設けられている。プラグ11の中央部に締付け溝82が設けられ、且つ当該締付け溝82にロックホイール7の外壁面に張り付いて嵌合するロック孔83が設けられている。ロック孔83の長軸方向はプラグ11がソケット21に差し込まれる方向である。ソケット21の両側には、第一鋸歯81と係合する第二鋸歯84が設けられている。ロック孔83内にロックホイール7が回転可能に取り付けられ、ロックホイール7が回転することにより、締付け溝82が大きくなるときに第一鋸歯81と第二鋸歯84とが噛み合い、締付け溝82が小さくなるときに第一鋸歯81と第二鋸歯84とが離脱する。
【0036】
具体的な実施形態において、プラグ11とソケット21との間に上下位置を制限する機構が設けられ、前記上下位置を制限する機構は二つのフィン91及びフィン91に合わせたアリ溝92を含み、二つのフィン91はそれぞれプラグ11の両側に設けられ、且つ第一鋸歯81の下方に位置し、二つのアリ溝92はそれぞれソケット21の両側に設けられ、且つ第二鋸歯84の下方に位置する。
【0037】
具体的な実施形態において、ロックホイール7の外壁面は外向きに膨出した円弧状構造であり、ロック孔83の壁面は当該ロックホイール7の外壁面に合致する円弧状構造である。
【0038】
上記の説明は、本発明に関して限定的なものではなく例示的なものに過ぎず、当業者は、特許請求の範囲によって定義される精神および範囲から逸脱することのない場合、多くの修正・変更、または同等の有用性がなされ得るが、いずれも本発明の保護範囲内に入ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0039】
1 雄固定具
2 雌固定具
11 プラグ
12 第一爪形フックプレート
21 ソケット
22 第二爪形フックプレート
31 弾性ストリップ
311 取り外し孔
32 クランプ
33 バックル
34 スロット
35 段差部
41 ロックボルト
42 ロック溝
5 取り外し溝
6 直線溝
7 ロックホイール
81 第一鋸歯
82 締付け溝
83 ロック孔
84 第二鋸歯
91 フィン
92 アリ溝
【手続補正書】
【提出日】2023-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄固定具(1)と雌固定具(2)を含み、前記雄固定具(1)はプラグ(11)と第一爪形フックプレート(12)を含み、前記雌固定具(2)はソケット(21)と第二爪形フックプレート(22)を含み、前記プラグ(11)と前記ソケット(21)とは嵌合かつロックでき、前記プラグ(11)と前記第一爪形フックプレート(12)は取り外し可能に接続され、前記ソケット(21)と前記第二爪形フックプレート(22)は取り外しできない一体型の構成であり、前記第一爪形フックプレート(12)と前記第二爪形フックプレート(22)は略同一の対称形状であり、前記第一爪形フックプレート(12)と前記第二爪形フックプレート(22)とが互いに対称的に向かい合うように構成されており、前記プラグ(11)の両側に弾性ストリップ(31)が設けられており、前記弾性ストリップ(31)の端部にクランプ(32)が延在し、前記クランプ(32)の端部に外向きのバックル(33)が設けられており、前記第一爪形フックプレート(12)の一端に前記クランプ(32)が挿入しやすいスロット(34)が設けられ、前記スロット(34)の片側に段差部(35)が設けられ、前記クランプ(32)を前記スロット(34)に挿入した後、前記バックル(33)は前記スロット(34)の側壁と密着し、前記弾性ストリップ(31)を内向きに湾曲させ、前記バックル(33)は前記スロット(34)を通過した後、前記弾性ストリップ(31)の反発作用で、前記バックル(33)は前記段差部(35)に引っ掛かり、前記プラグ(11)と前記第一爪形フックプレート(12)とをロックさせることを特徴とする取り外しやすい胸骨板。
【請求項2】
前記弾性ストリップ(31)には、前記弾性ストリップ(31)を内向きに曲げることを容易にする取り外し孔(311)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項3】
前記プラグ(11)の端部にロックボルト(41)が設けられており、前記第一爪形フックプレート(12)の端部に形状が前記ロックボルト(41)とマッチングするロック溝(42)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項4】
前記ロックボルト(41)は全体として扁平な円錐形を呈していることを特徴とする請求項3に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項5】
前記クランプ(32)と前記バックル(33)との側壁に前記弾性ストリップ(31)を内向きに曲げることを容易にする取り外し溝(5)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項6】
前記プラグ(11)と前記第一爪形フックプレート(12)との接続箇所に前記プラグ(11)と前記第一爪形フックプレート(12)を分離しやすくする直線溝(6)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項7】
ロックホイール(7)をさらに含み、前記ロックホイール(7)の断面はオリーブ形又は楕円形であり、前記プラグ(11)の両側に第一鋸歯(81)が設けられており、前記プラグ(11)の中央部に締付け溝(82)が設けられ、且つ当該締付け溝(82)に前記ロックホイール(7)の外壁面に張り付いて嵌合するロック孔(83)が設けられており、前記ロック孔(83)の長軸方向は前記プラグ(11)が前記ソケット(21)に差し込まれる方向であり、前記ソケット(21)の両側に前記第一鋸歯(81)と係合する第二鋸歯(84)が設けられており、前記ロック孔(83)内に前記ロックホイール(7)が回転可能に取り付けられ、前記ロックホイール(7)が回転することにより、前記締付け溝(82)が大きくなるときに前記第一鋸歯(81)と前記第二鋸歯(84)とが噛み合い、前記締付け溝(82)が小さくなるときに前記第一鋸歯(81)と前記第二鋸歯(84)とが離脱することを特徴とする請求項1に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項8】
前記プラグ(11)と前記ソケット(21)との間に上下位置を制限する機構が設けられ、前記上下位置を制限する機構は二つのフィン(91)及び前記フィン(91)に合わせたアリ溝(92)を含み、二つの前記フィン(91)はそれぞれ前記プラグ(11)の両側に設けられ、且つ前記第一鋸歯(81)の下方に位置し、二つの前記アリ溝(92)はそれぞれ前記ソケット(21)の両側に設けられ、且つ前記第二鋸歯(84)の下方に位置することを特徴とする請求項7に記載の取り外しやすい胸骨板。
【請求項9】
前記ロックホイール(7)の外壁面は外向きに膨出した円弧状構造であり、前記ロック孔(83)の壁面は当該ロックホイール(7)の外壁面に合致する円弧状構造であることを特徴とする請求項7に記載の取り外しやすい胸骨板。