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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099428
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
H01G4/30 201K
H01G4/30 201L
H01G4/30 201F
H01G4/30 515
H01G4/30 512
H01G4/30 513
H01G4/30 516
H01G4/30 201G
【審査請求】未請求
【請求項の数】124
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140336
(22)【出願日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194533
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン スー
(72)【発明者】
【氏名】ナ、ジェ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リム、ジン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、スン フン
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、ジ ホン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC09
5E001AD02
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単位体積当たりの容量が向上した積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品1000は、第1方向に対向する第1、第2面、第1、第2面と連結されて第2方向に対向する第3、第4面並びに第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5、第6面を含む本体110と、第3面に配置される第1接続部131a、第1接続部から第1面の一部まで延びる第1バンド部131b及び第1接続部から第2面の一部まで延びる第3バンド部131cを含む第1外部電極131と、同様に、第2接続部132a及び第2バンド部132b及び第4バンド部132cを含む第2外部電極132と、第1、第2接続部上に配置され、第2、第3、第4バンド部を覆うように配置されるBaを含む酸化物を含む絶縁層151と、第1バンド部上に配置される第1めっき層141と、第2バンド部上に配置される第2めっき層142と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、並びに前記誘電体層を挟んで交互に配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結されて第2方向に対向する第3面及び第4面、並びに前記第1面から前記第4面と連結されて第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、
前記第3面に配置される第1接続部、前記第1接続部から前記第1面の一部まで延びる第1バンド部、及び前記第1接続部から前記第2面の一部まで延びる第3バンド部を含む第1外部電極と、
前記第4面に配置される第2接続部、前記第2接続部から前記第1面の一部まで延びる第2バンド部、及び前記第2接続部から前記第2面の一部まで延びる第4バンド部を含む第2外部電極と、
前記第1接続部及び前記第2接続部上に配置され、前記第2面、並びに前記第3バンド部及び前記第4バンド部を覆うように配置される絶縁層と、
前記第1バンド部上に配置される第1めっき層と、
前記第2バンド部上に配置される第2めっき層とを含み、
前記絶縁層は、Baを含む酸化物を含む、積層型電子部品。
【請求項2】
前記Baを含む酸化物は、BaOである、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記絶縁層を構成する元素のうち酸素を除く他の元素の総モル数に対するBa元素のモル数は、0.95以上である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記絶縁層の平均厚さは、50nm以上3μm以下である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記絶縁層上に配置され、絶縁物質を含むカバー層をさらに含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記カバー層に含まれる絶縁物質は、ガラスである、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記カバー層に含まれる絶縁物質は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びエチルセルロースから選択された1種以上である、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記第1面から前記第1内部電極及び前記第2内部電極のうち前記第1面に最も近く配置された内部電極までの前記第1方向の平均サイズをH1、前記第1面の延長線から前記第1接続部及び前記第2接続部上に配置されためっき層の端部までの前記第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1≧H2を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記第1面から前記第1内部電極及び前記第2内部電極のうち前記第1面に最も近く配置された内部電極までの前記第1方向の平均サイズをH1、前記第1面の延長線から前記第1接続部及び前記第2接続部上に配置されためっき層の端部までの前記第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1<H2を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記本体の前記第1方向の平均サイズをTとしたとき、
前記H2及び前記Tは、H2<T/2を満たす、請求項9に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層は、前記第1面の延長線以下に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記本体の前記第2方向の平均サイズをL、前記第3面の延長線から前記第1バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB1、前記第4面の延長線から前記第2バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB2としたとき、
0.2≦B1/L≦0.4及び0.2≦B2/L≦0.4を満たす、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記第1面上に配置され、前記第1バンド部と前記第2バンド部間に配置される追加絶縁層をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記追加絶縁層は、Baを含む酸化物を含む、請求項13に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、Ni及びNi合金のうち1つ以上を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記第3面の延長線から前記第1バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB1、前記第4面の延長線から前記第2バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB2、前記第3面の延長線から前記第3バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB3、前記第4面の延長線から前記第4バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB4としたとき、
B3<B1及びB4<B2を満たす、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項17】
前記積層型電子部品は、前記第2方向の最大サイズが1.1mm以下であり、前記第3方向の最大サイズが0.55mm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項18】
前記誘電体層の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項19】
前記第1内部電極及び前記第2内部電極の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項20】
前記本体は、前記誘電体層を挟んで交互に配置される前記第1内部電極及び前記第2内部電極を含む容量形成部、並びに前記容量形成部の前記第1方向の両端面上に配置されるカバー部を含み、
前記カバー部の前記第1方向の平均サイズは、15μm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項21】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の平均厚さは、前記絶縁層の平均厚さより薄い、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項22】
前記第1めっき層は、前記第1外部電極上に配置された前記絶縁層の端部を覆うように配置され、前記第2めっき層は、前記第2外部電極上に配置された前記絶縁層の端部を覆うように配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項23】
前記絶縁層は、前記第1外部電極上に配置された前記第1めっき層の端部を覆うように配置され、前記絶縁層は、前記第2外部電極上に配置された前記第2めっき層の端部を覆うように配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項24】
前記第1外部電極は、前記第1接続部から前記第5面及び前記第6面の一部まで延びる第1側面バンド部を含み、
前記第2外部電極は、前記第2接続部から前記第5面及び前記第6面の一部まで延びる第2側面バンド部を含み、
前記第1側面バンド部及び前記第2側面バンド部の前記第2方向のサイズは、前記第1面に近くなるほど大きくなる、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項25】
前記第1外部電極は、前記第1接続部から前記第5面及び前記第6面の一部まで延びる第1側面バンド部を含み、
前記第2外部電極は、前記第2接続部から前記第5面及び前記第6面の一部まで延びる第2側面バンド部を含み、
前記絶縁層は、前記第1側面バンド部及び前記第2側面バンド部、並びに前記第5面及び前記第6面の一部を覆うように配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項26】
前記第1外部電極は、前記第1接続部から前記第5面及び前記第6面の一部まで延びる第1側面バンド部を含み、
前記第2外部電極は、前記第2接続部から前記第5面及び前記第6面の一部まで延びる第2側面バンド部を含み、
前記絶縁層は、前記第1側面バンド部及び前記第2側面バンド部、並びに前記第5面及び前記第6面の全部を覆うように配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項27】
前記第3面の延長線から前記第3バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB3、前記第4面の延長線から前記第4バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB4、前記第3面と前記第2内部電極とが離隔した領域の前記第2方向の平均サイズをG1、前記第4面と前記第1内部電極とが離隔した領域の前記第2方向の平均サイズをG2としたとき、
B3≧G1及びB4≧G2を満たす、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項28】
前記第3面の延長線から前記第1バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB1、前記第4面の延長線から前記第2バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB2としたとき、
B1≧G1及びB2≧G2を満たす、請求項27に記載の積層型電子部品。
【請求項29】
前記本体は、前記第1面と前記第3面とを連結する第1-3コーナー、前記第1面と前記第4面とを連結する第1-4コーナー、前記第2面と前記第3面とを連結する第2-3コーナー、及び前記第2面と前記第4面とを連結する第2-4コーナーを含み、
前記第1-3コーナー及び前記第2-3コーナーは、前記第3面に近くなるほど前記本体の前記第1方向の中央に収縮した形態を有し、前記第1-4コーナー及び前記第2-4コーナーは、前記第4面に近くなるほど前記本体の前記第1方向の中央に収縮した形態を有し、
前記第1外部電極は、前記第1-3コーナー及び前記第2-3コーナー上に配置されるコーナー部を含み、前記第2外部電極は、前記第1-4コーナー及び前記第2-4コーナー上に配置されるコーナー部を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項30】
誘電体層、並びに前記誘電体層を挟んで交互に配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結されて第2方向に対向する第3面及び第4面、並びに前記第1面から前記第4面と連結されて第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、
前記第3面に配置される第1接続部、前記第1接続部から前記第1面の一部まで延びる第1バンド部、及び前記第1接続部から前記第2面と前記第3面とを連結するコーナーに延びて配置される第1コーナー部を含む第1外部電極と、
前記第4面に配置される第2接続部、前記第2接続部から前記第1面の一部まで延びる第2バンド部、及び前記第2接続部から前記第2面と前記第4面とを連結するコーナーに延びて配置される第2コーナー部を含む第2外部電極と、
前記第1接続部及び前記第2接続部上に配置され、前記第2面、並びに前記第1コーナー部及び前記第2コーナー部を覆うように配置される絶縁層と、
前記第1バンド部上に配置される第1めっき層と、
前記第2バンド部上に配置される第2めっき層とを含み、
前記第3面の延長線から前記第1コーナー部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB3、前記第4面の延長線から前記第2コーナー部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB4、前記第3面と前記第2内部電極とが離隔した領域の前記第2方向の平均サイズをG1、前記第4面と前記第1内部電極とが離隔した領域の前記第2方向の平均サイズをG2としたとき、
B3≦G1及びB4≦G2を満たし、
前記絶縁層は、Baを含む酸化物を含む、積層型電子部品。
【請求項31】
前記Baを含む酸化物は、BaOである、請求項30に記載の積層型電子部品。
【請求項32】
前記絶縁層を構成する元素のうち酸素を除く他の元素の総モル数に対するBa元素のモル数は、0.95以上である、請求項30に記載の積層型電子部品。
【請求項33】
前記絶縁層の平均厚さは、50nm以上3μm以下である、請求項30に記載の積層型電子部品。
【請求項34】
前記絶縁層上に配置され、絶縁物質を含むカバー層をさらに含む、請求項30に記載の積層型電子部品。
【請求項35】
前記カバー層に含まれる絶縁物質は、ガラスである、請求項34に記載の積層型電子部品。
【請求項36】
前記カバー層に含まれる絶縁物質は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びエチルセルロースから選択された1種以上である、請求項34に記載の積層型電子部品。
【請求項37】
前記第1面から前記第1内部電極及び前記第2内部電極のうち前記第1面に最も近く配置された内部電極までの前記第1方向の平均サイズをH1、前記第1面の延長線から前記第1接続部及び前記第2接続部上に配置されためっき層の端部までの前記第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1≧H2を満たす、請求項30に記載の積層型電子部品。
【請求項38】
前記第1面から前記第1内部電極及び前記第2内部電極のうち前記第1面に最も近く配置された内部電極までの前記第1方向の平均サイズをH1、前記第1面の延長線から前記第1接続部及び前記第2接続部上に配置されためっき層の端部までの前記第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1<H2を満たす、請求項30に記載の積層型電子部品。
【請求項39】
前記本体の前記第1方向の平均サイズをTとしたとき、
前記H2及び前記Tは、H2<T/2を満たす、請求項38に記載の積層型電子部品。
【請求項40】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層は、前記第1面の延長線以下に配置される、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項41】
前記本体の前記第2方向の平均サイズをL、前記第3面の延長線から前記第1バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB1、前記第4面の延長線から前記第2バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB2としたとき、
0.2≦B1/L≦0.4及び0.2≦B2/L≦0.4を満たす、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項42】
前記第1面上に配置され、前記第1バンド部と前記第2バンド部間に配置される追加絶縁層をさらに含む、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項43】
前記追加絶縁層は、Baを含む酸化物を含む、請求項42に記載の積層型電子部品。
【請求項44】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、Ni及びNi合金のうち1つ以上を含む、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項45】
前記第3面の延長線から前記第1バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB1、前記第4面の延長線から前記第2バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB2としたとき、
B3<B1及びB4<B2を満たす、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項46】
前記積層型電子部品は、前記第2方向の最大サイズが1.1mm以下であり、前記第3方向の最大サイズが0.55mm以下である、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項47】
前記誘電体層の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項48】
前記第1内部電極及び前記第2内部電極の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項49】
前記本体は、前記誘電体層を挟んで交互に配置される前記第1内部電極及び前記第2内部電極を含む容量形成部、並びに前記容量形成部の前記第1方向の両端面上に配置されるカバー部を含み、
前記カバー部の前記第1方向の平均サイズは、15μm以下である、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項50】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の平均厚さは、前記絶縁層の平均厚さより薄い、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項51】
前記第1コーナー部及び前記第2コーナー部は、前記第2面の延長線以下に配置される、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項52】
前記第1接続部及び前記第2接続部は、前記第5面及び前記第6面から離隔して配置される、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項53】
前記第1コーナー部及び前記第2コーナー部は、前記第2面から離隔して配置される、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項54】
前記第1めっき層は、前記第1外部電極上に配置された前記絶縁層の端部を覆うように配置され、前記第2めっき層は、前記第2外部電極上に配置された前記絶縁層の端部を覆うように配置される、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項55】
前記絶縁層は、前記第1外部電極上に配置された前記第1めっき層の端部を覆うように配置され、前記絶縁層は、前記第2外部電極上に配置された前記第2めっき層の端部を覆うように配置される、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項56】
前記絶縁層は、前記第5面及び前記第6面の一部を覆うように配置される、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項57】
前記絶縁層は、前記第5面及び前記第6面の全部を覆うように配置される、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項58】
前記第3面の延長線から前記第1バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB1、前記第4面の延長線から前記第2バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB2としたとき、
B1≧G1及びB2≧G2を満たす、請求項30から39のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項59】
誘電体層、並びに前記誘電体層を挟んで交互に配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結されて第2方向に対向する第3面及び第4面、並びに前記第1面から前記第4面と連結されて第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、
前記第3面に配置される第1接続部、及び前記第1接続部から前記第1面の一部まで延びる第1バンド部を含む第1外部電極と、
前記第4面に配置される第2接続部、及び前記第2接続部から前記第1面の一部まで延びる第2バンド部を含む第2外部電極と、
前記第2面上に配置されて前記第1接続部及び前記第2接続部上に延びて配置される絶縁層と、
前記第1バンド部上に配置される第1めっき層と、
前記第2バンド部上に配置される第2めっき層とを含み、
前記絶縁層は、Baを含む酸化物を含む、積層型電子部品。
【請求項60】
前記Baを含む酸化物は、BaOである、請求項59に記載の積層型電子部品。
【請求項61】
前記絶縁層を構成する元素のうち酸素を除く他の元素の総モル数に対するBa元素のモル数は、0.95以上である、請求項59に記載の積層型電子部品。
【請求項62】
前記絶縁層の平均厚さは、50nm以上3μm以下である、請求項59に記載の積層型電子部品。
【請求項63】
前記絶縁層上に配置され、絶縁物質を含むカバー層をさらに含む、請求項59に記載の積層型電子部品。
【請求項64】
前記カバー層に含まれる絶縁物質は、ガラスである、請求項63に記載の積層型電子部品。
【請求項65】
前記カバー層に含まれる絶縁物質は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びエチルセルロースから選択された1種以上である、請求項63に記載の積層型電子部品。
【請求項66】
前記第1面から前記第1内部電極及び前記第2内部電極のうち前記第1面に最も近く配置された内部電極までの前記第1方向の平均サイズをH1、前記第1面の延長線から前記第1接続部及び前記第2接続部上に配置されためっき層の端部までの前記第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1≧H2を満たす、請求項59に記載の積層型電子部品。
【請求項67】
前記第1面から前記第1内部電極及び前記第2内部電極のうち前記第1面に最も近く配置された内部電極までの前記第1方向の平均サイズをH1、前記第1面の延長線から前記第1接続部及び前記第2接続部上に配置されためっき層の端部までの前記第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1<H2を満たす、請求項59に記載の積層型電子部品。
【請求項68】
前記本体の前記第1方向の平均サイズをTとしたとき、
前記H2及び前記Tは、H2<T/2を満たす、請求項67に記載の積層型電子部品。
【請求項69】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層は、前記第1面の延長線以下に配置される、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項70】
前記本体の前記第2方向の平均サイズをL、前記第3面の延長線から前記第1バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB1、前記第4面の延長線から前記第2バンド部の端部までの前記第2方向の平均サイズをB2としたとき、
0.2≦B1/L≦0.4及び0.2≦B2/L≦0.4を満たす、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項71】
前記第1面上に配置され、前記第1バンド部と前記第2バンド部間に配置される追加絶縁層をさらに含む、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項72】
前記追加絶縁層は、Baを含む酸化物を含む、請求項71に記載の積層型電子部品。
【請求項73】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、Ni及びNi合金のうち1つ以上を含む、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項74】
前記積層型電子部品は、前記第2方向の最大サイズが1.1mm以下であり、前記第3方向の最大サイズが0.55mm以下である、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項75】
前記誘電体層の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項76】
前記第1内部電極及び前記第2内部電極の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項77】
前記本体は、前記誘電体層を挟んで交互に配置される前記第1内部電極及び前記第2内部電極を含む容量形成部、並びに前記容量形成部の前記第1方向の両端面上に配置されるカバー部を含み、
前記カバー部の前記第1方向の平均サイズは、15μm以下である、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項78】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の平均厚さは、前記絶縁層の平均厚さより薄い、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項79】
前記第1接続部及び前記第2接続部は、前記第5面及び前記第6面から離隔して配置される、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項80】
前記第1接続部及び前記第2接続部は、前記第2面から離隔して配置される、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項81】
前記第1めっき層は、前記第1外部電極上に配置された前記絶縁層の端部を覆うように配置され、前記第2めっき層は、前記第2外部電極上に配置された前記絶縁層の端部を覆うように配置される、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項82】
前記絶縁層は、前記第1外部電極上に配置された前記第1めっき層の端部を覆うように配置され、前記絶縁層は、前記第2外部電極上に配置された前記第2めっき層の端部を覆うように配置される、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項83】
前記絶縁層は、前記第5面及び前記第6面の一部を覆うように配置される、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項84】
前記絶縁層は、前記第5面及び前記第6面の全部を覆うように配置される、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項85】
前記本体は、前記第1面と前記第3面とを連結する第1-3コーナー、前記第1面と前記第4面とを連結する第1-4コーナー、前記第2面と前記第3面とを連結する第2-3コーナー、及び前記第2面と前記第4面とを連結する第2-4コーナーを含み、
前記第1-3コーナー及び前記第2-3コーナーは、前記第3面に近くなるほど前記本体の前記第1方向の中央に収縮した形態を有し、前記第1-4コーナー及び前記第2-4コーナーは、前記第4面に近くなるほど前記本体の前記第1方向の中央に収縮した形態を有し、
前記第1外部電極は、前記第1-3コーナー上に配置されるコーナー部、及び前記第1接続部から前記第2-3コーナー上に延びて配置されるコーナー部を含み、前記第2外部電極は、前記第1-4コーナー上に配置されるコーナー部、及び前記第2接続部から前記第2-4コーナー上に延びて配置されるコーナー部を含む、請求項59から68のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項86】
誘電体層、並びに前記誘電体層を挟んで交互に配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結されて第2方向に対向する第3面及び第4面、並びに前記第1面から前記第4面と連結されて第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、
前記第3面に配置される第1連結電極、及び前記第1面に配置されて前記第1連結電極と連結される第1バンド電極を含む第1外部電極と、
前記第4面に配置される第2連結電極、及び前記第1面に配置されて前記第2連結電極と連結される第2バンド電極を含む第2外部電極と、
前記第1連結電極上に配置される第1絶縁層と、
前記第2連結電極上に配置される第2絶縁層と、
前記第1バンド電極上に配置される第1めっき層と、
前記第2バンド電極上に配置される第2めっき層とを含み、
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、Baを含む酸化物を含む、積層型電子部品。
【請求項87】
前記Baを含む酸化物は、BaOである、請求項86に記載の積層型電子部品。
【請求項88】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を構成する元素のうち酸素を除く他の元素の総モル数に対するBa元素のモル数は、0.95以上である、請求項86に記載の積層型電子部品。
【請求項89】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の平均厚さは、50nm以上3μm以下である、請求項86に記載の積層型電子部品。
【請求項90】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層上に配置され、絶縁物質を含むカバー層をさらに含む、請求項86に記載の積層型電子部品。
【請求項91】
前記カバー層に含まれる絶縁物質は、ガラスである、請求項90に記載の積層型電子部品。
【請求項92】
前記カバー層に含まれる絶縁物質は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びエチルセルロースから選択された1種以上である、請求項90に記載の積層型電子部品。
【請求項93】
前記第1面から前記第1内部電極及び前記第2内部電極のうち前記第1面に最も近く配置された内部電極までの前記第1方向の平均サイズをH1、前記第1面の延長線から前記第1連結電極及び前記第2連結電極上に配置された第1めっき層及び前記第2めっき層の端部までの前記第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1≧H2を満たす、請求項86に記載の積層型電子部品。
【請求項94】
前記第1面から前記第1内部電極及び前記第2内部電極のうち前記第1面に最も近く配置された内部電極までの前記第1方向の平均サイズをH1、前記第1面の延長線から前記第1連結電極及び前記第2連結電極上に配置された第1めっき層及び前記第2めっき層の端部までの前記第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1<H2を満たす、請求項86に記載の積層型電子部品。
【請求項95】
前記本体の前記第1方向の平均サイズをTとしたとき、
前記H2及び前記Tは、H2<T/2を満たす、請求項94に記載の積層型電子部品。
【請求項96】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層は、前記第1面の延長線以下に配置される、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項97】
前記第1面上に配置され、前記第1バンド電極と前記第2バンド電極間に配置される追加絶縁層をさらに含む、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項98】
前記追加絶縁層は、Baを含む酸化物を含む、請求項97に記載の積層型電子部品。
【請求項99】
前記第1連結電極及び前記第2連結電極は、Ni及びNi合金のうち1つ以上を含む、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項100】
前記積層型電子部品は、前記第2方向の最大サイズが1.1mm以下であり、前記第3方向の最大サイズが0.55mm以下である、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項101】
前記誘電体層の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項102】
前記第1内部電極及び前記第2内部電極の平均厚さは、0.35μm以下である、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項103】
前記本体は、前記誘電体層を挟んで交互に配置される前記第1内部電極及び前記第2内部電極を含む容量形成部、並びに前記容量形成部の前記第1方向の両端面上に配置されるカバー部を含み、
前記カバー部の前記第1方向の平均サイズは、15μm以下である、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項104】
前記第1めっき層及び前記第2めっき層の平均厚さは、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の平均厚さより薄い、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項105】
前記第1連結電極及び前記第2連結電極は、前記第5面及び前記第6面から離隔して配置される、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項106】
前記第1連結電極及び前記第2連結電極は、前記第2面から離隔して配置される、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項107】
前記第1めっき層は、前記第1外部電極上に配置された前記第1絶縁層の端部を覆うように配置され、前記第2めっき層は、前記第2外部電極上に配置された前記第2絶縁層の端部を覆うように配置される、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項108】
前記第1絶縁層は、前記第1外部電極上に配置された前記第1めっき層の端部を覆うように配置され、前記第2絶縁層は、前記第2外部電極上に配置された前記第2めっき層の端部を覆うように配置される、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項109】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、前記第5面及び前記第6面に延びて互いに連結され、前記第5面及び前記第6面の一部を覆うように配置される、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項110】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、前記第5面及び前記第6面に延びて互いに連結され、前記第5面及び前記第6面の全部を覆うように配置される、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項111】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、前記第2面に延びて互いに連結される、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項112】
前記本体は、前記第1面と前記第3面とを連結する第1-3コーナー、前記第1面と前記第4面とを連結する第1-4コーナー、前記第2面と前記第3面とを連結する第2-3コーナー、及び前記第2面と前記第4面とを連結する第2-4コーナーを含み、
前記第1-3コーナー及び前記第2-3コーナーは、前記第3面に近くなるほど前記本体の前記第1方向の中央に収縮した形態を有し、前記第1-4コーナー及び前記第2-4コーナーは、前記第4面に近くなるほど前記本体の前記第1方向の中央に収縮した形態を有し、
前記第1連結電極は、前記第1-3コーナー及び前記第2-3コーナー上に延びて配置されるコーナー部を含み、前記第2連結電極は、前記第1-4コーナー及び前記第2-4コーナー上に延びて配置されるコーナー部を含む、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項113】
前記第1外部電極は、前記第2面に配置され、前記第1連結電極と連結される第3バンド電極をさらに含み、
前記第2外部電極は、前記第2面に配置され、前記第2連結電極と連結される第4バンド電極をさらに含む、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項114】
前記第3面の延長線から前記第1バンド電極の端部までの距離をB1、前記第4面の延長線から前記第2バンド電極の端部までの距離をB2、前記第3面の延長線から前記第3バンド電極の端部までの距離をB3、前記第4面の延長線から前記第4バンド電極の端部までの距離をB4、前記第3面と前記第2内部電極とが離隔した領域の前記第2方向の平均サイズをG1、前記第4面と前記第1内部電極とが離隔した領域の前記第2方向の平均サイズをG2としたとき、
B1≧G1、B3≧G1、B2≧G2及びB4≧G2を満たす、請求項113に記載の積層型電子部品。
【請求項115】
前記第3面の延長線から前記第1バンド電極の端部までの距離をB1、前記第4面の延長線から前記第2バンド電極の端部までの距離をB2、前記第3面の延長線から前記第3バンド電極の端部までの距離をB3、前記第4面の延長線から前記第4バンド電極の端部までの距離をB4、前記第3面と前記第2内部電極とが離隔した領域の前記第2方向の平均サイズをG1、前記第4面と前記第1内部電極とが離隔した領域の前記第2方向の平均サイズをG2としたとき、
B1≧G1、B3≦G1、B2≧G2及びB4≦G2を満たす、請求項113に記載の積層型電子部品。
【請求項116】
前記第1バンド電極及び前記第2バンド電極は、前記内部電極に含まれる金属と同じ金属を含む、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項117】
前記第1連結電極及び前記第2連結電極は、前記内部電極に含まれる金属と同じ金属を含む、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項118】
前記第1バンド電極及び前記第2バンド電極は、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極である、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項119】
前記第1連結電極及び前記第2連結電極は、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極である、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項120】
前記第1バンド電極及び前記第2バンド電極は、めっき層である、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項121】
前記第1連結電極及び前記第2連結電極は、めっき層である、請求項86から95のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項122】
前記同じ金属は、Niである、請求項116に記載の積層型電子部品。
【請求項123】
前記同じ金属は、Niである、請求項117に記載の積層型電子部品。
【請求項124】
前記導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びこれらの合金のうち1つ以上である、請求項118に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の1つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン、携帯電話など、様々な電子製品のプリント基板に装着されて電気を充電又は放電する役割を果たすチップ型コンデンサである。
【0003】
このような積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも、高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子機器の部品として用いることができる。コンピュータ、モバイル機器などの各種電子機器が小型化、高出力化するにつれて、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
また、近年、自動車用電装部品に対する業界の関心が高まるにつれて、積層セラミックキャパシタも自動車やインフォテインメントシステムに用いられるために高信頼性特性が要求されている。
【0005】
積層セラミックキャパシタの小型化及び高容量化のためには、内部電極及び誘電体層を薄く形成して積層数を増加させる必要があり、容量の形成に影響を及ぼさない部分の体積を最小限に抑えて容量の実現に必要な有効体積分率を増加させる必要がある。
【0006】
また、限られた基板の面積内でできるだけ多くの部品を実装するためには、実装空間を最小限に抑える必要がある。
【0007】
さらに、積層セラミックキャパシタの小型化及び高容量化によりマージンの厚さが薄くなるにつれて、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透が容易になり、これにより信頼性が脆弱になるおそれがある。よって、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透から積層セラミックキャパシタを保護する方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の様々な目的の1つは、単位体積当たりの容量が向上した積層型電子部品を提供することにある。
【0009】
本発明の様々な目的の1つは、信頼性が向上した積層型電子部品を提供することにある。
【0010】
本発明の様々な目的の1つは、実装空間を最小限に抑えることのできる積層型電子部品を提供することにある。
【0011】
ただし、本発明の目的は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、誘電体層、並びに上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、並びに上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体と、上記第3面に配置される第1接続部、及び上記第1接続部から上記第1面の一部まで延びる第1バンド部を含む第1外部電極と、上記第4面に配置される第2接続部、及び上記第2接続部から上記第1面の一部まで延びる第2バンド部を含む第2外部電極と、上記第1及び第2接続部上に配置され、Baを含む酸化物を含む絶縁層と、上記第1バンド部上に配置される第1めっき層と、上記第2バンド部上に配置される第2めっき層とを含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、誘電体層、並びに上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、並びに上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体と、上記第3面に配置される第1接続部、上記第1接続部から上記第1面の一部まで延びる第1バンド部、及び上記第1接続部から上記第2面の一部まで延びる第3バンド部を含む第1外部電極と、上記第4面に配置される第2接続部、上記第2接続部から上記第1面の一部まで延びる第2バンド部、及び上記第2接続部から上記第2面の一部まで延びる第4バンド部を含む第2外部電極と、上記第1及び第2接続部上に配置され、上記第2面、並びに上記第3及び第4バンド部を覆うように配置され、Baを含む酸化物を含む絶縁層と、上記第1バンド部上に配置される第1めっき層と、上記第2バンド部上に配置される第2めっき層とを含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、誘電体層、並びに上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、並びに上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体と、上記第3面に配置される第1接続部、及び上記第1接続部から上記第1面の一部まで延びる第1バンド部を含む第1外部電極と、上記第4面に配置される第2接続部、及び上記第2接続部から上記第1面の一部まで延びる第2バンド部を含む第2外部電極と、上記第2面上に配置されて上記第1及び第2接続部上に延びて配置され、Baを含む酸化物を含む絶縁層と、上記第1バンド部上に配置される第1めっき層と、上記第2バンド部上に配置される第2めっき層とを含み、上記第1及び第2外部電極は、上記第2面の延長線以下に配置されることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の様々な効果の1つは、外部電極の接続部上には絶縁層を配置し、外部電極のバンド部上にはめっき層を配置することにより、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させると共に信頼性を向上させたことである。
【0016】
本発明の様々な効果の1つは、積層型電子部品の実装空間を最小限に抑えたことである。
【0017】
本発明の様々な効果の1つは、絶縁層がBaを含む酸化物を含むことにより、耐湿信頼性を向上させてクラックの発生及び伝播を抑制したことである。
【0018】
ただし、本発明の多様かつ有益な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図2図1の積層型電子部品の本体を概略的に示す斜視図である。
図3図1のI-I'線に沿った断面図である。
図4図2の本体を分解して概略的に示す分解斜視図である。
図5図1の積層型電子部品が実装された基板を概略的に示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図7図6のII-II'線に沿った断面図である。
図8】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図9図8のIII-III'線に沿った断面図である。
図10】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図11図10のIV-IV'線に沿った断面図である。
図12】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図13図12のV-V'線に沿った断面図である。
図14】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図15図14のVI-VI'線に沿った断面図である。
図16図14の変形例を示す図である。
図17】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図18図17のVII-VII'線に沿った断面図である。
図19】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図20図19のXIV-XIV'線に沿った断面図である。
図21】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図22図21のVIII-VIII'線に沿った断面図である。
図23図21の変形例を示す図である。
図24】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図25図24のIX-IX'線に沿った断面図である。
図26図24の変形例を示す図である。
図27】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図28図27のX-X'線に沿った断面図である。
図29図27の変形例を示す図である。
図30】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図31図30のXI-XI'線に沿った断面図である。
図32図30の変形例を示す図である。
図33】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図34図33のXII-XII'線に沿った断面図である。
図35】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図36図35のXIII-XIII'線に沿った断面図である。
図37図35の変形例を示す図である。
図38】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図39図38のXV-XV'線に沿った断面図である。
図40】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図41図40のXVI-XVI'線に沿った断面図である。
図42図40のK1領域を拡大した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、具体的な実施形態及び添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な異なる形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。よって、図面における要素の形状や大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面において同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0021】
なお、図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図面に示される各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は、必ずしも図示されたものに限定されない。また、同一思想の範囲内において同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
図面において、第1方向は厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0023】
図1は本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
【0024】
図2図1の積層型電子部品の本体を概略的に示す斜視図である。
【0025】
図3図1のI-I'線に沿った断面図である。
【0026】
図4図2の本体を分解して概略的に示す分解斜視図である。
【0027】
図5図1の積層型電子部品が実装された基板を概略的に示す斜視図である。
【0028】
以下、図1図5を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品1000について説明する。
【0029】
本発明の一実施形態による積層型電子部品1000は、誘電体層111、並びに上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、第1方向に対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面3、4、並びに上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面5、6を含む本体110と、上記第3面に配置される第1接続部131a、及び上記第1接続部から上記第1面の一部まで延びる第1バンド部131bを含む第1外部電極131と、上記第4面に配置される第2接続部132a、及び上記第2接続部から上記第1面の一部まで延びる第2バンド部132bを含む第2外部電極132と、上記第1及び第2接続部上に配置され、Baを含む酸化物を含む絶縁層151と、第1バンド部131b上に配置される第1めっき層141と、第2バンド部132b上に配置される第2めっき層142とを含むことができる。
【0030】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。
【0031】
本体110の具体的な形状は特に限定されないが、図示のように、本体110は、六面体形状又はこれに類似した形状からなることができる。焼成過程における本体110に含まれるセラミック粉末の収縮により、本体110は、完全な直線からなる六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0032】
本体110は、第1方向に互いに対向する第1及び第2面1、2、第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに対向する第3及び第4面3、4、並びに第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、第3方向に互いに対向する第5及び第6面5、6を有することができる。
【0033】
一実施形態において、本体110は、上記第1面と上記第3面とを連結する第1-3コーナー、上記第1面と上記第4面とを連結する第1-4コーナー、上記第2面と上記第3面とを連結する第2-3コーナー、及び上記第2面と上記第4面とを連結する第2-4コーナーを含み、上記第1-3コーナー及び上記第2-3コーナーは、上記第3面に近くなるほど上記本体の上記第1方向の中央に収縮した形態を有し、上記第1-4コーナー及び上記第2-4コーナーは、上記第4面に近くなるほど上記本体の上記第1方向の中央に収縮した形態を有することができる。
【0034】
誘電体層111上に内部電極121、122が配置されていないマージン領域が重なることにより、内部電極121、122の厚さによる段差が発生し、第1面と第3~第5面とを連結するコーナー及び/又は第2面と第3~第5面とを連結するコーナーは、第1面又は第2面を基準としてみたとき、本体110の第1方向の中央側に収縮した形態を有することができる。または、本体の焼結過程での収縮挙動により、第1面1と第3~第6面3、4、5、6とを連結するコーナー及び/又は第2面2と第3~第6面3、4、5、6とを連結するコーナーは、第1面又は第2面を基準としてみたとき、本体110の第1方向の中央側に収縮した形態を有することができる。または、チッピング不良などを防止するために本体110の各面を連結する角を別途の工程でラウンド処理することにより、第1面と第3~第6面とを連結するコーナー及び/又は第2面と第3~第6面とを連結するコーナーは、ラウンド形状を有することができる。
【0035】
上記コーナーは、第1面と第3面とを連結する第1-3コーナー、第1面と第4面とを連結する第1-4コーナー、第2面と第3面とを連結する第2-3コーナー、及び第2面と第4面とを連結する第2-4コーナーを含むことができる。また、上記コーナーは、第1面と第5面とを連結する第1-5コーナー、第1面と第6面とを連結する第1-6コーナー、第2面と第5面とを連結する第2-5コーナー、及び第2面と第6面とを連結する第2-6コーナーを含むことができる。本体110の第1~第6面がほぼ平坦な面であり、平坦でない領域がコーナーであるとみなすことができる。以下、各面の延長線は、各面の平坦な部分を基準として延びた線を意味することができる。
【0036】
ここで、外部電極131、132のうち、本体110のコーナー上に配置される領域をコーナー部、本体110の第3及び第4面上に配置される領域を接続部、本体110の第1及び第2面上に配置される領域をバンド部とすることができる。
【0037】
一方、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後、内部電極が本体の第5及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成する場合は、第1面と第5及び第6面とを連結する部分、並びに第2面と第5及び第6面とを連結する部分が収縮した形態を有さないくてもよい。
【0038】
本体110を形成する複数の誘電体層111は、焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いないと確認しにくい程度に一体化することができる。
【0039】
本発明の一実施形態によると、誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り特に限定されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、チタン酸ストロンチウム系材料などを使用することができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO系セラミック粉末を含んでもよく、上記セラミック粉末の例としては、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)又はBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)などが挙げられる。
【0040】
また、上記誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などのパウダーに、本発明の目的に応じて、様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0041】
一方、誘電体層111の平均厚さtdは特に限定する必要はない。
【0042】
ただし、一般に、誘電体層を0.6μm未満の厚さで薄く形成した場合、特に誘電体層の平均厚さが0.35μm以下の場合は、信頼性が低下する恐れがあった。
【0043】
本発明の一実施形態によると、絶縁層を外部電極の接続部上に配置し、めっき層を外部電極のバンド部上に配置することにより、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透などを防止して信頼性を向上させることができるため、誘電体層111の平均厚さtdが0.35μm以下の場合も、優れた信頼性を確保することができる。
【0044】
よって、誘電体層111の平均厚さtdが0.35μm以下の場合、本発明による信頼性向上効果がより顕著になる。
【0045】
誘電体層111の平均厚さtdは、第1及び第2内部電極121、122間に配置される誘電体層111の平均厚さを意味するものであってもよい。
【0046】
誘電体層111の平均厚さtdは、本体110の長さ及び厚さ方向L-Tの断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)でスキャンして測定することができる。より具体的には、スキャンされた画像において、1つの誘電体層に対して長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定することにより、平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、容量形成部Acで指定されることができる。また、このような平均値の測定において、10個の誘電体層に拡張して平均値を測定すると、誘電体層の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0047】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで対向して配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部Acと、容量形成部Acの第1方向の上部及び下部に形成されるカバー部112、113とを含むことができる。
【0048】
また、容量形成部Acは、キャパシタの容量の形成に寄与する部分であって、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122が繰り返し積層されて形成されることができる。
【0049】
カバー部112、113は、容量形成部Acの第1方向の上部に配置される上部カバー部112、及び容量形成部Acの第1方向の下部に配置される下部カバー部113を含むことができる。
【0050】
上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成してもよく、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防ぐ役割を果たす。
【0051】
上部カバー部112及び下部カバー部113は、内部電極を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。
【0052】
すなわち、上部カバー部112及び下部カバー部113は、セラミック材料を含んでもよく、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系セラミック材料を含んでもよい。
【0053】
一方、カバー部112、113の平均厚さtcは特に限定する必要はない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の平均厚さtcは、15μm以下であってもよい。また、本発明の一実施形態によると、絶縁層を外部電極の接続部上に配置し、めっき層を外部電極のバンド部上に配置することにより、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透などを防止して信頼性を向上させることができるため、カバー部112、113の平均厚さtcが15μm以下の場合も、優れた信頼性を確保することができる。
【0054】
カバー部112、113の平均厚さtcは、第1方向のサイズを意味するものであり、容量形成部Acの上部又は下部において等間隔の5個の地点で測定したカバー部112、113の第1方向のサイズを平均した値であることができる。
【0055】
また、容量形成部Acの側面には、マージン部114、115が配置されることができる。
【0056】
マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置される第1マージン部114と、本体110の第6面6に配置される第2マージン部115とを含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、上記本体110の幅方向の両端面(end surfaces)に配置されることができる。
【0057】
マージン部114、115は、図3に示すように、上記本体110を幅-厚さW-T方向に切断した断面(cross-section)において第1及び第2内部電極121、122の両端部と本体110の境界面間の領域を意味することができる。
【0058】
マージン部114、115は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防ぐ役割を果たす。
【0059】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上に、マージン部を形成する部分を除いて導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することにより形成されるものであってもよい。
【0060】
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後、内部電極が本体の第5及び第6面5、6から露出するように切断した後、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成することができる。
【0061】
一方、マージン部114、115の幅は特に限定する必要はない。ただし、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は、15μm以下であってもよい。また、本発明の一実施形態によると、絶縁層を外部電極の接続部上に配置し、めっき層を外部電極のバンド部上に配置することにより、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透などを防止して信頼性を向上させることができるため、マージン部114、115の平均幅が15μm以下の場合も、優れた信頼性を確保することができる。
【0062】
マージン部114、115の平均幅は、マージン部114、115の第3方向の平均サイズを意味するものであり、容量形成部Acの側面において等間隔の5個の地点で測定したマージン部114、115の第3方向のサイズを平均した値であることができる。
【0063】
内部電極121、122は、誘電体層111と交互に積層されてもよい。
【0064】
内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで対向するように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4からそれぞれ露出することができる。
【0065】
図3を参照すると、第1内部電極121は、第4面4から離隔し、第3面3から露出し、第2内部電極122は、第3面3から離隔し、第4面4から露出することができる。本体の第3面3には、第1外部電極131が配置されて第1内部電極121と連結され、本体の第4面4には、第2外部電極132が配置されて第2内部電極122と連結されることができる。
【0066】
すなわち、第1内部電極121は第2外部電極132と連結されるのではなく、第1外部電極131と連結され、第2内部電極122は第1外部電極131と連結されるのではなく、第2外部電極132と連結される。よって、第1内部電極121は、第4面4から所定距離離隔して形成され、第2内部電極122は、第3面3から所定距離離隔して形成されることができる。
【0067】
ここで、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111により互いに電気的に分離されることができる。
【0068】
本体110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシートとを交互に積層し、その後焼成して形成されることができる。
【0069】
内部電極121、122を形成する材料は、特に限定されず、電気伝導性に優れた材料を使用することができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含むことができる。
【0070】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成されることができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法やグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0071】
一方、内部電極121、122の平均厚さteは特に限定する必要はない。
【0072】
ただし、一般に、内部電極を0.6μm未満の厚さで薄く形成した場合、特に内部電極の平均厚さが0.35μm以下の場合は、信頼性が低下する恐れがあった。
【0073】
本発明の一実施形態によると、絶縁層を外部電極の接続部上に配置し、めっき層を外部電極のバンド部上に配置することにより、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透などを防止して信頼性を向上させることができるため、内部電極121、122の平均厚さteが0.35μm以下の場合も、優れた信頼性を確保することができる。
【0074】
よって、内部電極121、122の平均厚さteが0.35μm以下の場合、本発明による効果がより顕著になり、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成することができる。
【0075】
内部電極121、122の平均厚さteは、1つの内部電極121、122の平均厚さを意味することができる。
【0076】
内部電極121、122の平均厚さteは、本体110の長さ及び厚さ方向L-Tの断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)でスキャンして測定することができる。より具体的には、スキャンされた画像において、1つの内部電極に対して長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定することにより、平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の内部電極に拡張して平均値を測定すると、内部電極の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0077】
外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4に配置されることができる。外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。
【0078】
外部電極131、132は、上記第3面に配置される第1接続部131a及び上記第1接続部から上記第1面の一部まで延びる第1バンド部131bを含む第1外部電極131と、上記第4面に配置される第2接続部132a及び上記第2接続部から上記第1面の一部まで延びる第2バンド部132bを含む第2外部電極132とを含むことができる。第1接続部131aは、第1内部電極121と上記第3面で連結され、第2接続部132aは、第2内部電極122と上記第4面で連結されることができる。
【0079】
また、第1外部電極131は、第1接続部131aから上記第2面の一部まで延びる第3バンド部131cを含むことができ、第2外部電極132は、第2接続部132aから上記第2面の一部まで延びる第4バンド部132cを含むことができる。さらに、第1外部電極131は、第1接続部131aから上記第5及び第6面の一部まで延びる側面バンド部を含むことができ、第2外部電極132は、第2接続部132aから上記第5及び第6面の一部まで延びる側面バンド部を含むことができる。
【0080】
ただし、第3バンド部、第4バンド部及び側面バンド部は、本発明において必須の構成要素でなくてもよい。第1及び第2外部電極131、132は、第2面には配置されなくてもよく、第5及び第6面にも配置されなくてもよい。第1及び第2外部電極131、132が第2面に配置されないことにより、第1及び第2外部電極131、132は、本体の第2面の延長線以下に配置されることができる。また、第1及び第2接続部131a、132aは、第5及び第6面から離隔して配置されてもよく、第1及び第2接続部131a、132aは、第2面から離隔して配置されてもよい。さらに、第1及び第2バンド部131b、132bも、第5及び第6面から離隔して配置されることができる。
【0081】
一方、第1及び第2外部電極131、132が第3及び第4バンド部131c、132cを含む場合、第3及び第4バンド部131c、132c上に絶縁層が配置されることを示しているが、これに制限されず、実装の利便性を向上させるために、第3及び第4バンド部131c、132c上にめっき層を配置してもよい。また、第1及び第2外部電極131、132が第3及び第4バンド部131c、132cは含み、側面バンド部は含まない形態であってもよく、この場合、第1及び第2接続部131a、132a、並びに第1~第4バンド部131b、132b、131c、132cが第5及び第6面から離隔した形態であってもよい。
【0082】
本実施形態においては、積層型電子部品1000が2つの外部電極131、132を有する構造について説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは、内部電極121、122の形態やその他の目的などに応じて変更可能である。
【0083】
一方、外部電極131、132は、金属などのように電気伝導性を有するものであればいかなる物質を用いて形成してもよく、電気的特性や構造的安定性などを考慮して具体的な物質を決定してもよく、さらには多層構造を有してもよい。
【0084】
外部電極131、132は、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であってもよく、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であってもよい。
【0085】
また、外部電極131、132は、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であってもよい。さらに、外部電極131、132は、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、又は焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであってもよい。
【0086】
外部電極131、132に含まれる導電性金属としては、電気伝導性に優れた材料を使用することができるが、特に限定されない。例えば、導電性金属は、Cu、Ni、Pd、Ag、Sn、Cr及びこれらの合金のうち1つ以上であってもよい。好ましくは、外部電極131、132は、Ni及びNi合金のうち1つ以上を含むことができる。これにより、Niを含む内部電極121、122との連結性をより向上させることができる。
【0087】
絶縁層151は、第1及び第2接続部131a、132a上に配置されることができる。
【0088】
第1及び第2接続部131a、132aは、内部電極121、122と連結される部位であるため、めっき工程でのめっき液の浸透又は実使用時の水分の浸透の経路となり得る。本発明においては、接続部131a、132a上に絶縁層151が配置されるため、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透を防止することができる。
【0089】
絶縁層151は、第1及び第2めっき層141、142に接するように配置されることができる。ここで、絶縁層151が第1及び第2めっき層141、142の端部の一部を覆う形態で接するようにしてもよく、第1及び第2めっき層141、142が絶縁層151の端部の一部を覆う形態で接するようにしてもよい。
【0090】
絶縁層151は、第1及び第2接続部131a、132a上に配置され、第2面、第3及び第4バンド部131c、132cを覆うように配置されてることができる。ここで、絶縁層151は、第2面のうち第3及び第4バンド部131c、132cが配置されていない領域、第3及び第4バンド部131c、132cを覆うように配置されてもよい。よって、絶縁層151が第3及び第4バンド部131c、132cの端部と本体110が接する領域をカバーして水分浸透経路を遮断することにより、耐湿信頼性をより向上させることができる。
【0091】
絶縁層151は、第2面上に配置されて第1及び第2接続部131a、132aに延びるように配置されることができる。また、絶縁層は、外部電極131、132が第2面に配置されない場合、第2面の全部を覆うように配置されることができる。一方、絶縁層151が必ずしも第2面に配置される必要はなく、絶縁層が第2面の一部又は全部に配置されなくてもよく、絶縁層が2つに分離されて第1及び第2接続部131a、132a上にそれぞれ配置される形態であってもよい。絶縁層が第2面の全部に配置されない場合、第2面の延長線以下に配置されることができる。また、絶縁層は、第2面に配置されないが、第1及び第2接続部131a、132a上から第5及び第6面に延びて1つの絶縁層を形成することができる。
【0092】
さらに、絶縁層151は、第1及び第2側面バンド部、並びに第5面及び第6面の一部を覆うように配置されることができる。ここで、絶縁層151に覆われていない第5面及び第6面の一部は外部に露出することができる。
【0093】
さらに、絶縁層151は、第1及び第2側面バンド部、並びに第5面及び第6面の全部を覆うように配置されてもよく、この場合、第5面及び第6面が外部に露出しないため耐湿信頼性を向上させることができ、接続部131a、132aも直接的に外部に露出しないため積層型電子部品1000の信頼性を向上させることができる。より詳細には、絶縁層が第1及び第2側面バンド部を全て覆い、第5及び第6面のうち第1及び第2側面バンド部が形成された領域を除く領域を全て覆うことができる。
【0094】
絶縁層151は、絶縁層151が配置された外部電極131、132上にめっき層141、142が形成されることを防止する役割を果たし、シール特性を向上させて外部から水分やめっき液などが浸透することを最小限に抑える役割を果たす。
【0095】
絶縁層151は、Baを含む酸化物を含んでもよい。
【0096】
従来は、一般に、絶縁層にガラス系物質を用いていたが、ガラス系の特性上、焼結時に固まりすぎるため均一な膜を形成しにくく、焼結する過程で熱を必要とするため本体内に応力を発生させてクラックやデラミネーションの原因となることがあった。また、ガラス系物質を含む絶縁層を用いる場合、外部電極を焼成した後にガラス系物質を含む絶縁層を焼成する方法を用いていたが、絶縁層を焼成する過程で外部電極の金属物質が内部電極に拡散して放射クラックが発生する恐れがあった。さらに、ガラス系は、一般に硬い特性を有するため、小さな衝撃にも割れる恐れがあった。
【0097】
本発明は、絶縁層にガラス系の代わりにBaを含む酸化物を適用することにより、ガラス系の絶縁層が有する問題を解決するものである。Baを含む酸化物は、絶縁特性を有するだけでなく、ガラス系に比べて耐衝撃性に優れている。また、Baを含む酸化物は、水分やガスを吸着する吸湿特性を有するため、外部から流入する水分やガスを吸着し、水分やガスが第1、第2接続部131a、132a及び本体110の内部に浸透することを遮断する役割を果たす。さらに、水分やガスが他の経路で第1、第2接続部131a、132a及び本体110の内部に浸透した場合、水分やガスが再び外部に排出されるように誘導する役割を果たす。
【0098】
よって、絶縁層にガラス系の代わりにBaを含む酸化物を適用することにより、耐湿信頼性をより向上させることができ、熱収縮によるクラック、金属の拡散による放射クラックなどを抑制することができる。
【0099】
絶縁層151を形成する方法は特に限定する必要はない。
【0100】
例えば、本体100に外部電極131、132を形成した後、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)を用いて、Baを含む酸化物を含む絶縁層151を形成してもよい。すなわち、絶縁層151は、上記原子層堆積法により形成されたものであってもよく、これにより、薄くて均一な絶縁層151を形成することができる。上記原子層堆積法により絶縁層を形成するために用いられる前駆体は、Ba(C、Ba(C1119、Ba(CHF、Ba(C1010 Sr(C1010、Ba(C1119)-CH(OCHCHOCH及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものであってもよいが、これらに限定されるものではない。また、上記原子層堆積法は、約60℃~約200℃の温度範囲で行われてもよいが、これに限定されるものではない。
【0101】
絶縁層151に含まれるBaを含む酸化物の種類は、特に限定するものではないが、例えばBaOであってもよい。
【0102】
一実施形態において、絶縁層151は、酸素を除く他の元素の総モル数に対するBa元素のモル数が0.95以上であってもよい。すなわち、絶縁層151は、不純物として検出される元素を除けば、実質的にBaを含む酸化物からなるものであってもよい。ここで、Baを含む酸化物は、BaOであってもよい。これにより、熱収縮によるクラック、金属の拡散による放射クラックなどを抑制する効果及び耐湿信頼性向上効果をより向上させることができる。
【0103】
ここで、絶縁層151の成分は、SEM-EDS(Scanning Electron Microscope-Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)を用いて観察した画像から算出してもよい。具体的には、積層型電子部品を幅方向(第3方向)の中央の位置まで研磨して長さ方向及び厚さ方向の断面(L-T断面)を露出させた後に絶縁層を厚さ方向に5等分した領域のうち中央に配置された領域で、EDSを用いて絶縁層に含まれる各元素のモル数を測定し、酸素を除く他の元素の総モル数に対するBa元素のモル数を計算してもよい。
【0104】
一実施形態において、絶縁層151の平均厚さt2は、50nm以上3μm以下であってもよい。絶縁層151の平均厚さt2が50nm以上の場合は、絶縁層の水分透過率が0mg/[mday]であり、これにより、耐湿信頼性を向上させることができる。
【0105】
絶縁層151の平均厚さt2が50nm未満の場合は、熱収縮によるクラック、金属の拡散による放射クラックなどを抑制する効果及び耐湿信頼性向上効果を十分に確保できない恐れがあり、絶縁層の水分透過率が0mg/[mday]を超えることがある。それに対して、絶縁層151の平均厚さt2が3μmを超える場合は、絶縁層の形成時間が長すぎることがあり、積層型電子部品の全体サイズが大きくなって単位体積当たりの容量が低下する恐れがある。
【0106】
絶縁層151の平均厚さt2は、第1及び第2接続部131a、132a上の等間隔の5個の地点で測定した厚さを平均した値であってもよい。より具体的な例として、第1及び第2接続部131a、132aの第1方向の中央地点、上記第1方向の中央地点を基準に第1方向に5μm離隔した2個の地点、第1方向に10μm離隔した2個の地点で測定した絶縁層の厚さ値を平均した値であってもよい。
【0107】
一実施形態において、絶縁層151上に配置され、絶縁物質を含むカバー層をさらに含んでもよい。ここで、上記カバー層に含まれる絶縁物質は特に限定する必要はなく、上記カバー層は、絶縁物質を含み、電気的に絶縁特性を有するものであってもよい。より詳細な説明は後述する。
【0108】
一実施形態において、絶縁層151は、第1及び第2外部電極131、132に直接接するように配置され、第1及び第2外部電極131、132は、導電性金属及びガラスを含んでもよい。こうすることにより、第1及び第2外部電極131、132の外表面のうち絶縁層151が配置された領域にはめっき層141、142が配置されなくなるため、めっき液による外部電極の侵食を効果的に抑制することができる。
【0109】
ここで、第1めっき層141は、第1外部電極131上に配置された絶縁層151の端部を覆うように配置され、第2めっき層142は、第2外部電極132上に配置された絶縁層151の端部を覆うように配置されてもよい。外部電極131、132上にめっき層141、142を形成する前に絶縁層151を先に形成することにより、めっき層形成過程におけるめっき液の浸透をより確実に抑制することができる。めっき層より絶縁層を先に形成することにより、めっき層141、142が絶縁層151の端部を覆う形態を有することができる。
【0110】
第1及び第2めっき層141、142は、それぞれ第1及び第2バンド部131b、132b上に配置されることができる。めっき層141、142は、実装特性を向上させる役割を果たし、めっき層141、142がバンド部131b、132b上に配置されることにより、実装空間を最小限に抑えることができ、めっき液が内部電極に浸透することを最小限に抑えて信頼性を向上させることができる。第1及び第2めっき層141、142は、一端部が第1面に接し、他端部が絶縁層151に接するようにしてもよい。
【0111】
めっき層141、142は、特にその種類が限定されるものではなく、Cu、Ni、Sn、Ag、Au、Pd及びこれらの合金のうち1つ以上を含むめっき層であってもよく、また、複数層で形成されてもよい。
【0112】
めっき層141、142のより具体的な例として、めっき層141、142は、Niめっき層又はSnめっき層であってもよく、第1及び第2バンド部131b、132b上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であってもよい。
【0113】
一実施形態において、第1及び第2めっき層141、142は、それぞれ第1及び第2接続部131a、132aの一部を覆うように延びて配置されることができる。第1及び第2内部電極121、122のうち第1面1に最も近く配置された内部電極までの第1方向の平均サイズをH1、第1面1の延長線から第1及び第2接続部131a、132a上に配置された第1及び第2めっき層141、142の端部までの第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1>H2(またはH1≧H2)を満たすことができる。これにより、めっき工程時にめっき液が内部電極に浸透することを抑制し、信頼性を向上させることができる。
【0114】
H1及びH2は、本体110を第3方向に等間隔を有する5個の地点で第1及び第2方向に切断した断面(L-T断面)で測定した値を平均した値であることができる。H1は、各断面において第1面1に最も近く配置された内部電極が外部電極と連結される地点で測定した値を平均した値であることができ、H2は、各断面において外部電極に接するめっき層の端部を基準に測定した値を平均した値であることができ、H1及びH2の測定時に基準になる第1面の延長線は同じであることができる。
【0115】
一実施形態において、第1めっき層141は、第1外部電極131上に配置された絶縁層151の端部を覆うように配置され、第2めっき層142は、第2外部電極132上に配置された絶縁層151の端部を覆うように配置されてることができる。これにより、絶縁層151とめっき層141、142との結合力を強化し、積層型電子部品1000の信頼性を向上させることができる。
【0116】
一実施形態において、絶縁層151は、第1外部電極131上に配置された第1めっき層141の端部を覆うように配置され、絶縁層151は、第2外部電極132上に配置された第2めっき層142の端部を覆うように配置されることができる。これにより、絶縁層151とめっき層141、142との結合力を強化し、積層型電子部品1000の信頼性を向上させることができる。
【0117】
一実施形態において、本体110の第2方向の平均サイズをL、上記第3面の延長線から上記第1バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB1、上記第4面の延長線から上記第2バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB2としたとき、0.2≦B1/L≦0.4及び0.2≦B2/L≦0.4を満たすことができる。
【0118】
B1/L及びB2/Lが0.2未満の場合は、十分な固着強度を確保しにくい。それに対して、B2/Lが0.4を超える場合は、高圧電流下で第1バンド部131bと第2バンド部132b間で漏れ電流が発生する恐れがあり、めっき工程時のめっきのにじみなどにより第1バンド部131bと第2バンド部132bとが電気的に連結される恐れがある。
【0119】
B1、B2及びLは、本体110を第3方向に等間隔を有する5個の地点で第1及び第2方向に切断した断面(L-T断面)で測定した値を平均した値であることができる。
【0120】
積層型電子部品1000が実装された実装基板1100を示す図5を参照すると、積層型電子部品1000のめっき層141、142は、半田191、192により、基板180上に配置された電極パッド181、182と接合されてもよい。
【0121】
一方、内部電極121、122が第1方向に積層されている場合は、内部電極121、122が実装面と平行になるように、基板180に積層型電子部品1000を水平実装することができる。ただし、本発明は、水平実装の場合に限定されるものではなく、内部電極121、122を第3方向に積層する場合は、内部電極121、122が実装面と垂直になるように、基板に積層型電子部品を垂直実装することができる。
【0122】
積層型電子部品1000のサイズは特に限定する必要はない。
【0123】
ただし、小型化及び高容量化を同時に達成するためには、誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増加させる必要があるため、1005(長さ×幅、1.0mm×0.5mm)以下のサイズを有する積層型電子部品1000において、本発明による信頼性及び単位体積当たりの容量の向上効果がより顕著になる。
【0124】
よって、製造誤差、外部電極のサイズなどを考慮すると、積層型電子部品1000の長さが1.1mm以下であり、幅が0.55mm以下である場合、本発明による信頼性向上効果がより顕著になる。ここで、積層型電子部品1000の長さは、積層型電子部品1000の第2方向の最大サイズを意味し、積層型電子部品1000の幅は、積層型電子部品1000の第3方向の最大サイズを意味するものであってもよい。
【0125】
図6は本発明の一実施形態による積層型電子部品1001を概略的に示す斜視図であり、図7図6のII-II'線に沿った断面図である。
【0126】
図6及び図7を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品1001は、第1及び第2めっき層141-1、142-1が第1面の延長線以下に配置されることができる。これにより、実装時に半田の高さを最小限に抑えることができ、実装空間を最小限に抑えることができる。
【0127】
また、絶縁層151-1は、第1面の延長線以下まで延びて第1及び第2めっき層141-1、142-1に接するように配置されることができる。
【0128】
図8は本発明の一実施形態による積層型電子部品1002を概略的に示す斜視図であり、図9図8のIII-III'線に沿った断面図である。
【0129】
図8及び図9を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品1002は、第1面1上に配置され、第1バンド部131bと第2バンド部132b間に配置される追加絶縁層161をさらに含むことができる。こうすることにより、高圧電流下で第1バンド部131bと第2バンド部132b間で発生し得る漏れ電流などを防止することができる。
【0130】
追加絶縁層161の種類は特に限定する必要はない。例えば、追加絶縁層161は、絶縁層151と同様に、Baを含む酸化物を含んでもよく、BaOを含んでもよく、BaOであってもよい。ただし、追加絶縁層161と絶縁層151とは、同じ材料に限定する必要はなく、異なる材料で形成されてもよい。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース(Ethyl Cellulose)などから選択された1種以上を含んでもよく、ガラスを含んでもよい。
【0131】
図10は本発明の一実施形態による積層型電子部品1003を概略的に示す斜視図であり、図11図10のIV-IV'線に沿った断面図である。
【0132】
図10及び図11を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品1003は、第1面1から第1及び第2内部電極121、122のうち第1面1に最も近く配置された内部電極までの第1方向の平均サイズをH1、第1面1の延長線から第1及び第2接続部131a、132a上に配置されためっき層141-3、142-3の端部までの第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1<H2を満たすことができる。これにより、実装時に半田に接する面積を増加させ、固着強度を向上させることができる。
【0133】
より好ましくは、本体110の第1方向の平均サイズをTとしたとき、H2<T/2を満たすことができる。すなわち、H1<H2<T/2を満たすことができる。これは、H2がT/2以上の場合、絶縁層による耐湿信頼性向上効果が低下する恐れがあるためである。
【0134】
H1、H2及びTは、本体110を第3方向に等間隔を有する5個の地点で第1及び第2方向に切断した断面(L-T断面)で測定した値を平均した値であることができる。H1は、各断面において第1面1に最も近く配置された内部電極が外部電極と連結される地点で測定した値を平均した値であることができ、H2は、各断面において外部電極に接するめっき層の端部を基準に測定した値を平均した値であることができ、H1及びH2の測定時に基準になる第1面の延長線は同じであることができる。また、Tは、各断面において本体110の第1方向の最大サイズを測定した後に平均した値であることができる。
【0135】
図12は本発明の一実施形態による積層型電子部品1004を概略的に示す斜視図であり、図13図12のV-V'線に沿った断面図である。
【0136】
図12及び図13を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品1004は、第1バンド部131b-4の平均長さB1が第3バンド部131c-4の平均長さB3より長く、第2バンド部132b-4の平均長さが第4バンド部132c-4の平均長さB4より長いことができる。これにより、実装時に半田に接する面積を増加させ、固着強度を向上させることができる。
【0137】
より詳細には、第3面3の延長線から上記第1バンド部131b-4の端部までの上記第2方向の平均サイズをB1、第4面4の延長線から第2バンド部132b-4の端部までの上記第2方向の平均サイズをB2、上記第3面3の延長線から第3バンド部131c-4の端部までの上記第2方向の平均サイズをB3、上記第4面4の延長線から第4バンド部132c-4の端部までの上記第2方向の平均サイズをB4としたとき、B3<B1及びB4<B2を満たすことができる。
【0138】
ここで、本体110の第2方向の平均サイズをLとしたとき、0.2≦B1/L≦0.4及び0.2≦B2/L≦0.4を満たすことができる。
【0139】
B1、B2、B3、B4及びLは、本体110を第3方向に等間隔を有する5個の地点で第1及び第2方向に切断した断面(L-T断面)で測定した値を平均した値であることができる。
【0140】
また、第1外部電極131-4は、第1接続部131a-4から第5及び第6面の一部まで延びる第1側面バンド部を含み、第2外部電極132-4は、第2接続部132a-4から第5及び第6面の一部まで延びる第2側面バンド部を含むことができる。ここで、上記第1及び第2側面バンド部の上記第2方向のサイズは、第1面に近くなるほど徐々に大きくなることができる。すなわち、上記第1及び第2側面バンド部は、テーパー状または台形状に配置されてもよい。
【0141】
さらに、上記第3面の延長線から第3バンド部131c-4の端部までの上記第2方向の平均サイズをB3、上記第4面の延長線から第4バンド部132c-4の端部までの上記第2方向の平均サイズをB4、上記第3面と第2内部電極122とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG1、上記第4面と第1内部電極121とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG2としたとき、B3≦G1及びB4≦G2を満たすことができる。これにより、外部電極が占める体積を最小限に抑え、積層型電子部品1004の単位体積当たりの容量を増加させることができる。
【0142】
上記G1及びG2は、本体を第3方向の中央で第1及び第2方向に切断した断面において、第1方向の中央部に位置する任意の5個の第2内部電極に対して測定した第3面まで離隔した領域の第2方向のサイズを平均した値をG1、第1方向の中央部に位置する任意の5個の第1内部電極に対して測定した第4面まで離隔した領域の第2方向のサイズを平均した値をG2とすることができる。
【0143】
また、本体110を第3方向に等間隔を有する5個の地点で第1及び第2方向に切断した断面(L-T断面)においてG1及びG2を求め、それらを平均した値をG1及びG2にすることにより、さらに一般化することができる。
【0144】
ただし、本発明をB3≦G1及びB4≦G2に限定しようとする意図ではなく、B3≧G1及びB4≧G2を満たす場合も本発明の一実施形態に含まれることができる。よって、一実施形態において、上記第3面の延長線から上記第3バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB3、上記第4面の延長線から上記第4バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB4、上記第3面と上記第2内部電極とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG1、上記第4面と上記第1内部電極とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG2としたとき、B3≧G1及びB4≧G2を満たすことができる。
【0145】
一実施形態において、上記第3面の延長線E3から上記第1バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB1、上記第4面の延長線E4から上記第2バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB2としたとき、B1≧G1及びB2≧G2を満たすことができる。これにより、積層型電子部品1004と基板180との固着強度を向上させることができる。
【0146】
図14は本発明の一実施形態による積層型電子部品1005を概略的に示す斜視図であり、図15図14のVI-VI'線に沿った断面図である。
【0147】
図14及び図15を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品1005の第1及び第2外部電極131-5、132-5は、第2面上には配置されず、第3、第4及び第1面に配置されてL字形状を有することができる。すなわち、第1及び第2外部電極131-5、132-5は、第2面の延長線以下に配置されることができる。
【0148】
第1外部電極131-5は、第3面3に配置される第1接続部131a-5、及び第1接続部131a-5から第1面1の一部まで延びる第1バンド部131b-5を含み、第2外部電極132-5は、第4面4に配置される第2接続部132a-5、及び第2接続部132a-5から第1面1の一部まで延びる第2バンド部132b-5を含むことができる。第2面2上には外部電極131-5、132-5が配置されず、絶縁層151-5が第2面2の全部を覆うように配置されてもよい。これにより、外部電極131-5、132-5が占める体積を最小限に抑えることができるため、積層電子部品1005の単位体積当たりの容量をより向上させることができる。ただし、絶縁層151-5が第2面2の全部を覆う形態に限定する必要はなく、絶縁層が第2面2の一部又は全部を覆わず、分離されて第1及び第2接続部131a-5、132a-5をそれぞれ覆う形態を有してもよい。
【0149】
第1バンド部131b-5上には第1めっき層141-5が配置され、第2バンド部132b-5上には第2めっき層142-5が配置され、第1及び第2めっき層141-5、142-5は、第1及び第2接続部132a-5、132b-5上の一部まで延びて配置されることができる。
【0150】
ここで、第5及び第6面5、6上にも外部電極131-5、132-5が配置されなくてもよい。すなわち、外部電極131-5、132-5が第3、第4及び第1面上にのみ配置される形態を有してもよい。
【0151】
第1面1から第1及び第2内部電極121、122のうち上記第1面1に最も近く配置された内部電極までの第1方向の平均サイズをH1、上記第1面1の延長線から第1及び第2接続部131a-5、132a-5上に配置されためっき層141-5、142-5の端部までの第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1<H2を満たすことができる。これにより、実装時に半田に接する面積を増加させて固着強度を向上させることができ、外部電極131-5、132-5とめっき層141-5、142-5が接する面積を増加させてESR(Equivalent Series Resistance)の増加を抑制することができる。
【0152】
より好ましくは、本体110の第1方向の平均サイズをTとしたとき、H2<T/2を満たすことができる。すなわち、H1<H2<T/2を満たすことができる。これは、H2がT/2以上の場合、絶縁層による耐湿信頼性向上効果が低下する恐れがあるためである。
【0153】
また、第1及び第2めっき層141-5、142-5は、第3面及び第4面で絶縁層151-5の一部を覆うように配置されることができる。すなわち、めっき層141-5、142-5が第3面及び第4面で絶縁層151-5の端部を覆うように配置されることができる。これにより、絶縁層151-5とめっき層141-5、142-5との結合力を強化し、積層型電子部品1005の信頼性を向上させることができる。
【0154】
また、絶縁層151-5は、第3面及び第4面で第1及び第2めっき層141-5、142-5の一部を覆うように配置されることができる。すなわち、絶縁層151-5が第3面及び第4面でめっき層141-5、142-5の端部を覆うように配置されることができる。これにより、絶縁層151-5とめっき層141-5、142-5との結合力を強化し、積層型電子部品1005の信頼性を向上させることができる。
【0155】
図16図14の変形例を示す図である。図16を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品1005の変形例(1006)は、第1接続部131a-6と第3面間には、第1追加電極層134が配置されてもよく、第2接続部132a-6と第4面間には、第2追加電極層135が配置されてもよい。第1追加電極層134は、第3面から外れない範囲で配置されてもよく、第2追加電極層135は、第4面から外れない範囲で配置されてもよい。第1及び第2追加電極層134、135は、内部電極121、122と外部電極131-6、132-6との電気的連結性を向上させることができ、外部電極131-6、132-6との結合力に優れていて外部電極131-6、132-6の機械的結合力をより向上させる役割を果たすことができる。
【0156】
第1及び第2外部電極131-6、132-6は、第2面上に第1及び第2外部電極が配置されないL字形状を有することができる。
【0157】
第1外部電極131-6は、第1追加電極層134上に配置される第1接続部131a-6、及び第1接続部131a-6から第1面1の一部まで延びる第1バンド部131b-6を含んでもよく、第2外部電極132-6は、第2追加電極層135上に配置される第2接続部132a-6、及び第2接続部132a-6から第1面1の一部まで延びる第2バンド部132b-6を含んでもよい。
【0158】
一方、第1及び第2追加電極層131-6、132-6は、金属などのように電気伝導性を有するものであればいかなる物質を用いて形成してもよく、電気的特性や構造的安定性などを考慮して具体的な物質を決定することができる。また、第1及び第2追加電極層131-6、132-6は、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であってもよく、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であってもよい。さらに、第1及び第2追加電極層131-6、132-6は、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるものであってもよい。
【0159】
第1及び第2追加電極層131-6、132-6に含まれる導電性金属としては、電気伝導性に優れた材料を使用することができるが、特に限定されない。例えば、導電性金属は、Cu、Ni、Pd、Ag、Sn、Cr及びこれらの合金のうち1つ以上であってもよい。第1及び第2追加電極層131-6、132-6は、Ni及びNi合金のうち1つ以上を含むことが好ましく、これにより、Niを含む内部電極121、122との連結性をより向上させることができる。
【0160】
図17は本発明の一実施形態による積層型電子部品1007を概略的に示す斜視図であり、図18図17のVII-VII'線に沿った断面図である。
【0161】
図17及び図18を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品1007は、第1及び第2めっき層141-6、142-6の平均厚さt1が絶縁層151-6の平均厚さt2より薄い形態であることができる。
【0162】
絶縁層151-6は、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透を防止する役割を果たすが、めっき層141-6、142-6との連結性が弱いため、めっき層141-6、142-6のデラミネーション(delamination)の原因となり得る。めっき層にデラミネーションが発生した場合、基板180との固着強度が低下し得る。ここで、めっき層141-6、142-6のデラミネーションとは、めっき層が一部剥離したり外部電極131-5、132-5から物理的に分離したりすることを意味する。めっき層と絶縁層との連結性が弱いため、絶縁層とめっき層との界面に隙間が生じたり異物が浸透したりする可能性が高くなり、外部からの衝撃などに脆弱になってデラミネーションが発生する可能性が高くなり得る。
【0163】
本発明の一実施形態によると、めっき層の平均厚さt1を絶縁層の平均厚さt2より薄くすることにより、めっき層と絶縁層とが当接する面積を小さくすることができ、これにより、デラミネーションの発生を抑制し、積層型電子部品1007と基板180との固着強度を向上させることができる。
【0164】
第1及び第2めっき層141-6、142-6の平均厚さt1は、第1及び第2接続部131a-5、132a-5又は第1及び第2バンド部131b-5、132b-5上の等間隔の5個の地点で測定した厚さを平均した値であることができ、絶縁層151-6の平均厚さt2は、第1及び第2接続部131a-5、132a-5上の等間隔の5個の地点で測定した厚さを平均した値であることができる。
【0165】
図19は本発明の一実施形態による積層型電子部品1008を概略的に示す斜視図であり、図20図19のXIV-XIV'線に沿った断面図である。
【0166】
図19及び図20を参照すると、一実施形態による積層型電子部品1008の絶縁層151-7上には、絶縁物質を含むカバー層171が配置されてもよい。
【0167】
上述したように、絶縁層151-7に含まれるBaを含む酸化物は、水分やガスを吸着する吸湿特性を有するため、外部から流入する水分やガスを吸着し、水分やガスが第1、第2接続部131a、132a及び本体110の内部に浸透することを遮断する役割を果たす。また、水分やガスが他の経路で第1、第2接続部131a、132a及び本体110の内部に浸透した場合、水分やガスが再び外部に排出されるように誘導する役割を果たす。ただし、基本的に吸湿剤の役割を果たすため、過量の水分やガスが浸透した場合は、耐湿信頼性を十分に確保できないことがある。よって、絶縁層151-7上に絶縁物質を含むカバー層171を配置することにより、外部から絶縁層151-7に水分が浸透することを防止し、より確実に耐湿信頼性を向上させることができる。また、カバー層171にクラックが発生しても、絶縁層151-7が第1、第2接続部131a、132a及び本体110の内部にクラックが伝播することを防止する役割を果たし、クラックの発生を抑制することができる。
【0168】
カバー層171に含まれる絶縁物質は特に限定する必要はなく、カバー層171は、絶縁物質を含み、電気的に絶縁特性を有するものであってもよい。例えば、カバー層171は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース(Ethyl Cellulose)などから選択された1種以上を含んでもよく、ガラスを含んでもよい。
【0169】
一実施形態において、カバー層171に含まれる物質は、ガラスであってもよい。カバー層171がガラスを含む場合、クラック発生の原因となることがあるが、上述したように、絶縁層151-7が第1、第2接続部131a、132a及び本体110の内部にクラックが伝播することを抑制するため、クラックの発生を抑制することができる。よって、カバー層171に含まれる物質がガラスである場合、本発明の絶縁層151-7によるクラック抑制効果がより顕著になる。より具体的には、カバー層171を構成する材料としては、めっき液に対する耐性に優れたガラスであって、Siのモル分率が20mol%以上65mol%以下であるガラス材料が好ましい。
【0170】
一実施形態において、カバー層171に含まれる物質は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びエチルセルロース(Ethyl Cellulose)から選択された1種以上であってもよい。これにより、外部から絶縁層151-7に水分が浸透することを防止し、より確実に耐湿信頼性を向上させることができる。
【0171】
図21は本発明の一実施形態による積層型電子部品2000を概略的に示す斜視図である。図22図21のVIII-VIII'線に沿った断面図である。
【0172】
以下、図21及び図22を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品2000について詳細に説明する。ただし、上述した内容と重複する内容については重複した説明を避けるために省略する。
【0173】
本発明の一実施形態による積層型電子部品2000は、誘電体層111、並びに上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、第1方向に対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面3、4、並びに上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面5、6を含む本体110と、上記第3面に配置される第1連結電極231a、及び上記第1面に配置されて上記第1連結電極と連結される第1バンド電極231bを含む第1外部電極231と、上記第4面に配置される第2連結電極232a、及び上記第1面に配置されて上記第2連結電極と連結される第2バンド電極232bを含む第2外部電極232と、上記第1連結電極上に配置される第1絶縁層251と、上記第2連結電極上に配置される第2絶縁層252と、上記第1バンド電極上に配置される第1めっき層241と、上記第2バンド電極上に配置される第2めっき層242とを含み、第1及び第2絶縁層251、252は、Baを含む酸化物を含むことができる。
【0174】
第1連結電極231aは、第3面3に配置されて第1内部電極121と連結され、第2連結電極231bは、第4面4に配置されて第2内部電極122と連結されてもよい。また、第1連結電極231a上には第1絶縁層251が配置され、第2連結電極232a上には第2絶縁層252が配置されることができる。
【0175】
従来は、外部電極を形成する際に、導電性金属が含まれるペーストを用いて、本体の内部電極が露出した面をペーストにディッピング(dipping)する方法が主に用いられていた。しかし、ディッピング(dipping)工法により形成される外部電極は、厚さ方向の中央部での外部電極の厚さが厚すぎることがあった。また、このようなディッピング(dipping)工法による外部電極の厚さムラの問題でなくても、本体の第3及び第4面から内部電極が露出するため、外部電極を介した水分及びめっき液の浸透を抑制するために、第3及び第4面に配置された外部電極が所定の厚さ以上になるように形成していた。
【0176】
それに対して、本発明においては、連結電極231a、232a上に絶縁層251、252を配置するため、内部電極が露出する第3及び第4面での連結電極231a、232aの厚さを薄くしても、十分な信頼性を確保することができる。
【0177】
第1及び第2連結電極231a、232aは、それぞれ第3及び第4面に対応する形態であることができ、第1及び第2連結電極231a、232aにおいて本体110を向く面は、本体110の第3及び第4面とそれぞれ同じ面積を有することができる。第1及び第2連結電極231a、232aは、それぞれ第3及び第4面3、4から外れない範囲で配置されることができる。連結電極231a、232aは、本体110の第1、第2、第5及び第6面1、2、5、6に延びないように配置されることができる。具体的には、一実施形態において、第1及び第2連結電極231a、232aは、第5及び第6面から離隔して配置されることができる。これにより、内部電極121、122と外部電極231、232との十分な連結性を確保しながらも、外部電極が占める体積を最小限に抑えて積層型電子部品2000の単位体積当たりの容量を増加させることができる。
【0178】
このような観点から、第1及び第2連結電極231a、232aは、第2面2から離隔して配置されることができる。すなわち、外部電極231、232が第2面上には配置されないことにより、外部電極231、232が占める体積をさらに最小限に抑え、積層型電子部品2000の単位体積当たりの容量をより増加させることができる。
【0179】
ただし、連結電極231a、232aは、本体110のコーナーに延びてコーナー上に配置されるコーナー部を含むことができる。すなわち、一実施形態において、上記第1連結電極は、上記第1-3コーナー及び上記第2-3コーナー上に延びて配置されるコーナー部を含み、上記第2連結電極は、上記第1-4コーナー及び上記第2-4コーナー上に延びて配置されるコーナー部を含むことができる。
【0180】
また、連結電極231a、232aは、従来のディッピング方式により形成される外部電極と比較して、均一で薄い厚さを有することができる。
【0181】
連結電極231a、232aを形成する方法は特に限定する必要はない。例えば、導電性金属、バインダーなどの有機物質などを含むシートを第3及び第4面に転写する方式で形成してもよい。
【0182】
連結電極231a、232aの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば2~7μmであることができる。ここで、連結電極231a、232aの厚さは、最大厚さを意味し、連結電極231a、232aの第2方向のサイズを意味することができる。
【0183】
一実施形態において、第1及び第2連結電極231a、232aは、内部電極121、122に含まれる金属と同じ金属及びガラスを含むことができる。第1及び第2連結電極231a、232aが内部電極121、122に含まれる金属と同じ金属を含むことにより、内部電極121、122との電気的連結性を向上させることができ、第1及び第2連結電極231a、232aがガラスを含むことにより、本体110及び/又は絶縁層251、252との結合力を向上させることができる。ここで、内部電極121、122に含まれる金属と同じ金属は、Niであってもよい。
【0184】
第1及び第2絶縁層251、252は、それぞれ第1及び第2連結電極231a、232a上に配置され、第1及び第2連結電極231a、232a上にめっき層が形成されることを防止する役割を果たす。また、第1及び第2絶縁層251、252は、シール特性を向上させ、外部から水分やめっき液などが浸透することを最小限に抑える役割を果たす。
【0185】
第1及び第2絶縁層251、252は、Baを含む酸化物を含んでもよい。第1及び第2絶縁層251、252にガラス系の代わりにBaを含む酸化物を適用することにより、耐湿信頼性をより向上させることができ、熱収縮によるクラック、金属の拡散による放射クラックなどを抑制することができる。
【0186】
第1及び第2バンド電極231b、232bは、本体110の第1面1に配置されてもよい。第1及び第2バンド電極231b、232bは、それぞれ第1及び第2連結電極231a、232aに接触することにより、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ電気的に連結されることができる。
【0187】
従来のディッピング(dipping)工法により形成される外部電極は、第3及び第4面において厚く形成され、第1、第2、第5及び第6面にも一部延びて形成されることにより、高い有効体積率を確保しにくいという問題があった。
【0188】
それに対して、本発明の一実施形態によると、内部電極が露出した面には第1及び第2連結電極231a、232aを配置し、基板に実装される面には第1及び第2バンド電極231b、232bを配置することにより、高い有効体積率を確保することができる。
【0189】
一方、内部電極121、122が第1方向に積層されている場合は、内部電極121、122が実装面と平行になるように、基板に積層型電子部品2000を水平実装することができる。ただし、本発明は、水平実装の場合に限定されるものではなく、内部電極121、122を第3方向に積層する場合は、内部電極121、122が実装面と垂直になるように、基板に積層型電子部品を垂直実装してもよい。
【0190】
第1及び第2バンド電極231b、232bは、金属などのように電気伝導性を有するものであればいかなる物質を用いて形成してもよく、電気的特性や構造的安定性などを考慮して具体的な物質を決定することができる。例えば、第1及び第2バンド電極231、232bは、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であってもよく、本体の第1面に導電性金属及びガラスを含むペーストを塗布する方式を用いて形成してもよいが、これらに限定されるものではなく、導電性金属を本体の第1面にめっきしためっき層であってもよい。
【0191】
第1及び第2バンド電極231b、232bに含まれる導電性金属としては、電気伝導性に優れた材料を使用することができるが、特に限定されない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びこれらの合金のうち1つ以上であってもよく、内部電極121、122に含まれる金属と同じ金属を含んでもよい。
【0192】
一方、一実施形態において、第1外部電極231は、第2面2に配置され、第1連結電極231aと連結される第3バンド電極(図示せず)をさらに含み、第2外部電極232は、第2面2に配置され、第2連結電極232aと連結される第4バンド電極(図示せず)をさらに含むことができる。
【0193】
一実施形態において、上記第3面の延長線E3から第1バンド電極231bの端部までの距離をB1、上記第4面の延長線E4から第2バンド電極232bの端部までの距離をB2、上記第3面の延長線から上記第3バンド電極(図示せず)の端部までの距離をB3、上記第4面の延長線から上記第4バンド電極(図示せず)の端部までの距離をB4、上記第3面と第2内部電極122とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG1、上記第4面と第1内部電極121とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG2としたとき、B1≧G1、B3≦G1、B2≧G2及びB4≦G2を満たすことができる。これにより、外部電極が占める体積を最小限に抑えて積層型電子部品2000の単位体積当たりの容量を増加させると共に、実装時に半田に接する面積を増加させて固着強度を向上させることができる。
【0194】
ただし、本発明をB1≧G1、B3≦G1、B2≧G2及びB4≦G2に限定する意図ではなく、B1≧G1、B3≧G1、B2≧G2及びB4≧G2を満たす場合も本発明の一実施形態として含まれ得る。よって、一実施形態において、上記第3面の延長線E3から第1バンド電極231bの端部までの距離をB1、上記第4面の延長線E4から第2バンド電極232bの端部までの距離をB2、上記第3面の延長線から上記第3バンド電極(図示せず)の端部までの距離をB3、上記第4面の延長線から上記第4バンド電極(図示せず)の端部までの距離をB4、上記第3面と第2内部電極122とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG1、上記第4面と第1内部電極121とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG2としたとき、B1≧G1、B3≧G1、B2≧G2及びB4≧G2を満たすことができる。これにより、第1及び第2面のいずれか一面を実装面にすることができ、実装の利便性を向上させることができる。
【0195】
第1及び第2めっき層241、242は、第1及び第2バンド電極231b、232b上に配置されることができる。第1及び第2めっき層241、242は、実装特性を向上させる役割を果たす。第1及び第2めっき層241、242は、特にその種類が限定されるものではなく、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち1つ以上を含むめっき層であってもよく、また、複数層で形成されてもよい。
【0196】
第1及び第2めっき層241、242のより具体的な例として、第1及び第2めっき層241、242は、Niめっき層又はSnめっき層であることができ、第1及び第2バンド電極231b、232b上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができる。
【0197】
一実施形態において、第1及び第2めっき層241、242は、それぞれ第1及び第2連結電極231a、232aの一部を覆うように延びて配置されることができる。
【0198】
第1面1から第1及び第2内部電極121、122のうち第1面1に最も近く配置された内部電極までの第1方向の平均サイズをH1、第1面1の延長線から第1及び第2連結電極231a、232a上に配置された第1及び第2めっき層241、242の端部までの第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1>H2(またはH1≧H2)を満たすことができる。これにより、めっき工程時にめっき液が内部電極に浸透することを抑制し、信頼性を向上させることができる。
【0199】
一実施形態において、第1及び第2絶縁層251、252は、第1及び第2連結電極231a、232aにそれぞれ直接接するように配置され、第1及び第2連結電極231a、232aは、導電性金属及びガラスを含むことができる。こうすることにより、第1及び第2連結電極231a、232aの外表面のうち絶縁層251、252が配置された領域にはめっき層241、242が配置されなくなるため、めっき液による外部電極の侵食を効果的に防止することができる。
【0200】
一実施形態において、第1めっき層241は、第1外部電極231上に配置された第1絶縁層251の端部を覆うように配置され、第2めっき層242は、第2外部電極232上に配置された第2絶縁層252の端部を覆うように配置されてもよい。これにより、絶縁層251、252とめっき層241、242との結合力を強化し、積層型電子部品2000の信頼性を向上させることができる。また、外部電極231、232上にめっき層241、242を形成する前に第1及び第2絶縁層251、252を先に形成することにより、めっき層形成過程におけるめっき液の浸透をより確実に抑制することができる。めっき層より絶縁層を先に形成することにより、めっき層241、242が絶縁層251、252の端部を覆う形態を有することができる。
【0201】
一実施形態において、第1絶縁層251は、第1外部電極231上に配置された第1めっき層241の端部を覆うように配置され、第2絶縁層252は、第2外部電極232上に配置された第2めっき層242の端部を覆うように配置されることができる。これにより、絶縁層251とめっき層241、242との結合力を強化し、積層型電子部品2000の信頼性を向上させることができる。
【0202】
図23図21の変形例を示す図である。図23を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2000の変形例(2001)は、第1及び第2絶縁層251-1、252-1が第5及び第6面5、6に延びて互いに連結されることにより、1つの絶縁層253-1に連結されることができる。ここで、連結された第1及び第2絶縁層253-1が第5面及び第6面の一部を覆うように配置されてもよい。
【0203】
図24は本発明の一実施形態による積層型電子部品2002を概略的に示す斜視図である。図25図24のIX-IX'線に沿った断面図である。
【0204】
図24及び図25を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2002は、第1及び第2めっき層241-2、242-2が第1面の延長線以下に配置されてもよい。これにより、実装時に半田の高さを最小限に抑えることができ、実装空間を最小限に抑えることができる。
【0205】
また、第1及び第2絶縁層251-2、252-2は、第1面の延長線以下まで延びて第1及び第2めっき層241-2、242-2に接するように配置されてもよい。
【0206】
図26図24の変形例を示す図である。図26を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2002の変形例(2003)は、第1及び第2絶縁層251-3、252-3が第5及び第6面5、6に延びて互いに連結されることにより、1つの絶縁層253-3に連結されることができる。ここで、連結された第1及び第2絶縁層253-3が第5面及び第6面の全部を覆うように配置されてもよい。
【0207】
図27は本発明の一実施形態による積層型電子部品2004を概略的に示す斜視図である。図28図27のX-X'線に沿った断面図である。
【0208】
図27及び図28を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2004は、第1面1上に配置され、第1バンド電極231bと第2バンド電極232b間に配置される追加絶縁層261をさらに含むことができる。こうすることにより、高圧電流下で第1バンド電極231bと第2バンド電極232b間で発生し得る漏れ電流などを防止することができる。
【0209】
追加絶縁層261の種類は特に限定する必要はない。例えば、追加絶縁層261は、第1及び第2絶縁層251-2、252-2と同様に、Baを含む酸化物を含んでもよく、BaOを含んでもよく、BaOであってもよい。ただし、追加絶縁層261と第1及び第2絶縁層251-2、252-2とは、同じ材料に限定する必要はなく、異なる材料で形成されてもよい。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース(Ethyl Cellulose)などから選択された1種以上を含んでもよく、ガラスを含んでもよい。
【0210】
図29図27の変形例を示す図である。図29を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2004の変形例(2005)は、第1及び第2絶縁層251-5、252-5が第5及び第6面5、6に延びて互いに連結されることにより、1つの絶縁層253-5に連結されることができる。
【0211】
図30は本発明の一実施形態による積層型電子部品2006を概略的に示す斜視図である。図31図30のXI-XI'線に沿った断面図である。
【0212】
図30及び図31を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2006は、第1連結電極231a上に配置される第1絶縁層251-6、及び第2連結電極232a上に配置される第2絶縁層252-6を含み、第1面1から第1及び第2内部電極121、122のうち第1面1に最も近く配置された内部電極までの第1方向の平均サイズをH1、第1面1の延長線から第1及び第2連結電極231a、232a上に配置されためっき層241-6、242-6の端部までの第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1<H2を満たすことができる。これにより、実装時に半田に接する面積を増加させ、固着強度を向上させることができる。
【0213】
より好ましくは、本体110の第1方向の平均サイズをTとしたとき、H2<T/2を満たすことができる。すなわち、H1<H2<T/2を満たすことができる。これは、H2がT/2以上の場合、絶縁層による耐湿信頼性向上効果が低下する恐れがあるためである。
【0214】
図32図30の変形例を示す図である。図32を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2006の変形例(2007)は、第1及び第2絶縁層251-7、252-7が第5及び第6面5、6に延びて互いに連結されることにより、1つの絶縁層253-7に連結されることができる。
【0215】
図33は本発明の一実施形態による積層型電子部品2008を概略的に示す斜視図である。図34図33のXII-XII'線に沿った断面図である。
【0216】
図33及び図34を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2008は、第1及び第2絶縁層251-8、252-8が第2、第5及び第6面2、5、6に延びて互いに連結されることにより、1つの絶縁層253-8に連結されることができる。図33に示すように、絶縁層253-8は、第2面を全部覆っている形態であることができ、また、第5及び第6面は一部のみ覆っている形態であることができる。
【0217】
図35は本発明の一実施形態による積層型電子部品2009を概略的に示す斜視図である。図36図35のXIII-XIII'線に沿った断面図である。
【0218】
図35及び図36を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2009は、第1及び第2めっき層241-9、242-9の平均厚さt1'が第1及び第2絶縁層251-9、252-9の平均厚さt2'より薄い形態であることができる。
【0219】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2めっき層241-9、242-9の平均厚さt1'を第1及び第2絶縁層251-9、252-9の平均厚さt2'より薄くすることにより、めっき層と絶縁層とが当接する面積を小さくすることができ、これにより、デラミネーションの発生を抑制し、積層型電子部品2009と基板180との固着強度を向上させることができる。
【0220】
第1及び第2めっき層241-9、242-9の平均厚さt1'は、第1及び第2連結電極231a、232a又は第1及び第2バンド電極231b、232b上の等間隔の5個の地点で測定した厚さを平均した値であることができ、絶縁層251-9、252-9の平均厚さt2'は、第1及び第2連結電極231a、232a上の等間隔の5個の地点で測定した厚さを平均した値であることができる。
【0221】
図37図35の変形例を示す図である。図37を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品2009の変形例(2010)は、第1及び第2絶縁層251-10、252-10が第5及び第6面5、6に延びて互いに連結されることにより、1つの絶縁層253-10に連結されることができる。
【0222】
図38は本発明の一実施形態による積層型電子部品2011を概略的に示す斜視図である。図39図38のXV-XV'線に沿った断面図である。
【0223】
図38及び図39を参照すると、一実施形態による積層型電子部品2011の第1及び第2絶縁層251-11、252-11上には、それぞれ絶縁物質を含む第1及び第2カバー層271、272が配置されることができる。
【0224】
上述したように、絶縁層251-11、252-11上に絶縁物質を含むカバー層271、272を配置することにより、外部から絶縁層251-11、252-11に水分が浸透することを防止し、より確実に耐湿信頼性を向上させることができる。また、カバー層271、272にクラックが発生しても、絶縁層251-11、252-11が第1、第2連結電極231a、232a及び本体110の内部にクラックが伝播することを防止する役割を果たし、クラックの発生を抑制することができる。
【0225】
カバー層271、272に含まれる絶縁物質は特に限定する必要はなく、カバー層271、272は、絶縁物質を含み、電気的に絶縁特性を有するものであってもよい。例えば、カバー層271、272は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース(Ethyl Cellulose)などから選択された1種以上を含んでもよく、ガラスを含んでもよい。
【0226】
一実施形態において、カバー層271、272に含まれる物質は、ガラスであってもよい。カバー層271、272がガラスを含む場合、クラック発生の原因となることがあるが、上述したように、絶縁層251-11、252-11が第1、第2連結電極231a、232a及び本体110の内部にクラックが伝播することを抑制するため、クラックの発生を抑制することができる。よって、カバー層271、272に含まれる物質がガラスである場合、本発明の絶縁層251-11、252-11によるクラック抑制効果がより顕著になる。より具体的には、カバー層271、272を構成する材料としては、めっき液に対する耐性に優れたガラスであって、Siのモル分率が20mol%以上65mol%以下であるガラス材料が好ましい。
【0227】
一実施形態において、カバー層271、272に含まれる物質は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びエチルセルロース(Ethyl Cellulose)から選択された1種以上であってもよい。これにより、外部から絶縁層251-11、252-11に水分が浸透することを防止し、より確実に耐湿信頼性を向上させることができる。
【0228】
図40は本発明の一実施形態による積層型電子部品3000を概略的に示す斜視図である。図41図40のXVI-XVI'線に沿った断面図である。図42図40のK1領域を拡大した拡大図である。
【0229】
図40図42を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品3000は、誘電体層111、並びに上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、並びに上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体110と、上記本体の第3面に配置される第1接続部331a、上記第1接続部から上記第1面の一部まで延びる第1バンド部331b、及び上記第1接続部から上記本体の第2面と第3面とを連結するコーナーに延びて配置される第1コーナー部331cを含む第1外部電極331と、上記本体の第4面に配置される第2接続部332a、上記第2接続部から上記第1面の一部まで延びる第2バンド部332b、及び上記第2接続部から上記本体の第2面と第4面とを連結するコーナーに延びて配置される第2コーナー部332cを含む第2外部電極332と、第1及び第2接続部331a、332a上に配置され、上記第2面、並びに上記第1及び第2コーナー部を覆うように配置される絶縁層351と、上記第1バンド部上に配置される第1めっき層341と、上記第2バンド部上に配置される第2めっき層342とを含み、絶縁層351は、Baを含む酸化物を含むことができる。
【0230】
一実施形態において、上記第3面の延長線から第1コーナー部331cの端部までの上記第2方向の平均サイズをB3、上記第4面の延長線から第2コーナー部332cの端部までの上記第2方向の平均サイズをB4、上記第3面と上記第2内部電極とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG1、上記第4面と上記第1内部電極とが離隔した領域の上記第2方向の平均サイズをG2としたとき、B3≦G1及びB4≦G2を満たすことができる。これにより、外部電極331、332が占める体積を最小限に抑え、積層型電子部品3000の単位体積当たりの容量を増加させることができる。
【0231】
ここで、上記第3面の延長線から第1バンド部331bの端部までの上記第2方向の平均サイズをB1、上記第4面の延長線から第2バンド部332bの端部までの上記第2方向の平均サイズをB2としたとき、B1≧G1及びB3≧G2を満たすことができる。これにより、実装時に半田に接する面積を増加させ、固着強度を向上させることができる。
【0232】
一実施形態による積層型電子部品3000は、誘電体層111、並びに上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結されて第2方向に対向する第3及び第4面、並びに上記第1~第4面と連結されて第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体110を含むことができる。積層型電子部品3000の本体110は、後述するように本体110の第1面又は第2面の端部が収縮した形態を有することを除き、積層型電子部品1000の本体110と同様の構成を有することができる。
【0233】
外部電極331、332は、本体110の第3及び第4面3、4に配置されることができる。外部電極331、332は、本体110の第3面3に配置され、第1内部電極121と連結される第1外部電極331と、本体110の第4面4に配置され、第2内部電極122と連結される第2外部電極332とを含むことができる。
【0234】
外部電極331、332は、上記第3面に配置される第1接続部331a、上記第1接続部から上記第1面の一部まで延びる第1バンド部331b、及び上記第1接続部から上記第2面と上記第3面とを連結するコーナーに延びて配置される第1コーナー部331cを含む第1外部電極331と、上記第4面に配置される第2接続部332a、上記第2接続部から上記第1面の一部まで延びる第2バンド部332b、及び上記第2接続部から上記第2面と上記第4面とを連結するコーナーに延びて配置される第2コーナー部332cを含む第2外部電極332とを含むことができる。第1接続部331aは、第1内部電極121と上記第3面で連結され、第2接続部332aは、第2内部電極122と上記第4面で連結されてもよい。
【0235】
一実施形態において、第1及び第2接続部331a、332aは、上記第5及び第6面から離隔して配置されることができる。これにより、外部電極331、332が占める比重を最小限に抑え、積層型電子部品3000をより小型化することができる。
【0236】
誘電体層111上に内部電極121、122が配置されていないマージン領域が重なることにより、内部電極121、122の厚さによる段差が発生し、第1面と第3~第5面とを連結するコーナー及び/又は第2面と第3~第5面とを連結するコーナーは、第1面又は第2面を基準としてみたとき、本体110の第1方向の中央側に収縮した形態を有することができる。あるいは、本体の焼結過程での収縮挙動により、第1面1と第3~第6面3、4、5、6とを連結するコーナー及び/又は第2面2と第3~第6面3、4、5、6とを連結するコーナーは、第1面又は第2面を基準としてみたとき、本体110の第1方向の中央側に収縮した形態を有することができる。あるいは、チッピング不良などを防止するために本体110の各面を連結する角を別途の工程でラウンド処理することにより、第1面と第3~第6面とを連結するコーナー及び/又は第2面と第3~第6面とを連結するコーナーは、ラウンド形状を有することができる。
【0237】
上記コーナーは、第1面と第3面とを連結する第1-3コーナーC1-3、第1面と第4面とを連結する第1-4コーナーC1-4、第2面と第3面とを連結する第2-3コーナーC2-3、及び第2面と第4面とを連結する第2-4コーナーC2-4を含むことができる。また、上記コーナーは、第1面と第5面とを連結する第1-5コーナー、第1面と第6面とを連結する第1-6コーナー、第2面と第5面とを連結する第2-5コーナー、及び第2面と第6面とを連結する第2-6コーナーを含むことができる。ただし、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後、内部電極が本体の第5及び第6面5、6から露出するように切断した後、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成する場合は、第1面と第5及び第6面とを連結する部分、並びに第2面と第5及び第6面とを連結する部分が収縮した形態を有さないことができる。
【0238】
一方、本体110の第1~第6面がほぼ平坦な面であり、平坦でない領域をコーナーとみなすことができる。また、外部電極331、332のうちコーナー上に配置される領域をコーナー部とみなすことができる。
【0239】
このような観点から、第1及び第2コーナー部331c、332cは、上記第2面の延長線E2以下に配置されることができ、第1及び第2コーナー部331c、332cは、上記第2面から離隔して配置されることができる。すなわち、外部電極331、332が第2面上には配置されないことにより、外部電極331、332が占める体積をさらに最小限に抑え、積層型電子部品3000の単位体積当たりの容量をより増加させることができる。また、第1コーナー部331cは、第3面と第2面とを連結する第2-3コーナーC2-3上の一部に配置されてもよく、第2コーナー部332cは、第4面と第2面とを連結する第2-4コーナーC2-4上の一部に配置されてもよい。
【0240】
第2面の延長線E2は次のように定義することができる。
【0241】
積層型電子部品3000を幅方向の中央で切断した長さ-厚さ方向の断面(L-T断面)において、第3面から第4面まで長さ方向に均等な間隔を有する厚さ方向の7本の直線P0、P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7を引いたとき、P2と第2面とが交わる地点とP4と第2面とが交わる地点を通る直線を、第2面の延長線E2と定義することができる。
【0242】
一方、外部電極331、332は、金属などのように電気伝導性を有するものであればいかなる物質を用いて形成してもよく、電気的特性や構造的安定性などを考慮して具体的な物質を決定してもよく、さらには多層構造を有してもよい。
【0243】
外部電極331、332は、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であってもよく、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であってもよい。
【0244】
また、外部電極331、332は、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であってもよい。さらに、外部電極331、332は、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるものであってもよく、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるものであってもよい。
【0245】
外部電極331、332に含まれる導電性金属としては、電気伝導性に優れた材料を使用することができるが、特に限定されない。例えば、導電性金属は、Cu、Ni、Pd、Ag、Sn、Cr及びこれらの合金のうち1つ以上であることができる。外部電極331、332は、Ni及びNi合金のうち1つ以上を含むことが好ましく、これにより、Niを含む内部電極121、122との連結性をより向上させることができる。
【0246】
絶縁層351は、第1及び第2接続部331a、332a上に配置されることができる。
【0247】
第1及び第2接続部331a、332aは、内部電極121、122と連結される部位であるため、めっき工程でのめっき液の浸透又は実使用時の水分の浸透の経路となり得る。本発明においては、接続部331a、332a上に絶縁層351が配置されるため、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透を防止することができる。
【0248】
絶縁層351は、第1及び第2めっき層341、342に接するように配置されることができる。ここで、絶縁層351が第1及び第2めっき層341、342の端部の一部を覆う形態で接してもよく、第1及び第2めっき層341、342が絶縁層351の端部の一部を覆う形態で接してもよい。
【0249】
絶縁層351は、第1及び第2接続部331a、332a上に配置され、第2面、第1及び第2コーナー部331c、332cを覆うように配置されることができる。また、絶縁層351が第1及び第2コーナー部331c、332cの端部と本体110が接する領域をカバーして水分浸透経路を遮断することにより、耐湿信頼性をより向上させることができる。
【0250】
絶縁層351は、第2面上に配置されて第1及び第2接続部331a、332aに延びるように配置されることができる。また、絶縁層は、外部電極331、332が第2面に配置されない場合、第2面の全部を覆うように配置されることができる。一方、絶縁層351が必ずしも第2面に配置される必要はなく、絶縁層が第2面の一部又は全部に配置されなくてもよく、絶縁層が2つに分離されて第1及び第2接続部331a、332a上にそれぞれ配置される形態であってもよい。しかし、この場合も、絶縁層は、第1及び第2コーナー部331c、332cの全部を覆うように配置されることができる。絶縁層が第2面の全部に配置されない場合、第2面の延長線以下に配置されることができる。また、絶縁層は、第2面には配置されず、第1及び第2接続部331a、332a上から第5及び第6面に延びて1つの絶縁層を形成してもよい。
【0251】
一実施形態において、絶縁層351は、上記第5面及び第6面の一部を覆うように配置され、信頼性を向上させることができる。ここで、上記絶縁層に覆われていない上記第5面及び第6面の一部は外部に露出することができる。
【0252】
さらに、絶縁層351は、第5面及び第6面の全部を覆うように配置されることができ、この場合、第5面及び第6面が外部に露出しないため、耐湿信頼性をより一層向上させることができる。
【0253】
絶縁層351は、絶縁層351が配置された外部電極331、332上にめっき層341、342が形成されることを防止する役割を果たし、シール特性を向上させて外部から水分やめっき液などが浸透することを最小限に抑える役割を果たす。絶縁層351の成分、組成、平均厚さ及びこれによる効果は、積層型電子部品1000、2000またはこれらの様々な実施形態が含む絶縁層151、251、252、253と同様であるため、これについての説明は省略する。
【0254】
第1及び第2めっき層341、342は、それぞれ第1及び第2バンド部331b、332b上に配置されることができる。めっき層341、342は、実装特性を向上させる役割を果たし、めっき層341、342がバンド部331b、332b上に配置されることにより、実装空間を最小限に抑えることができ、めっき液が内部電極に浸透することを最小限に抑えて信頼性を向上させることができる。第1及び第2めっき層341、342は、一端部が第1面に接し、他端部が絶縁層351に接することができる。
【0255】
めっき層341、342は、特にその種類が限定されるものではなく、Cu、Ni、Sn、Ag、Au、Pd及びこれらの合金うち1つ以上を含むめっき層であってもよく、また、複数層で形成されてもよい。
【0256】
めっき層341、342のより具体的な例として、めっき層341、342は、Niめっき層又はSnめっき層であってもよく、第1及び第2バンド部331b、332b上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であってもよい。
【0257】
一実施形態において、第1めっき層341は、第1外部電極331上に配置された絶縁層351の端部を覆うように配置され、第2めっき層342は、第2外部電極332上に配置された絶縁層351の端部を覆うように配置されることができる。これにより、絶縁層351とめっき層341、342との結合力を強化し、積層型電子部品3000の信頼性を向上させることができる。また、外部電極331、332上にめっき層341、342を形成する前に絶縁層351を先に形成することにより、めっき層形成過程におけるめっき液の浸透をより確実に抑制することができる。めっき層より絶縁層を先に形成することにより、めっき層341、342が絶縁層351の端部を覆う形態を有することができる。
【0258】
一実施形態において、絶縁層351は、第1外部電極331上に配置された第1めっき層341の端部を覆うように配置され、絶縁層351は、第2外部電極332上に配置された第2めっき層342の端部を覆うように配置されることができる。これにより、絶縁層351とめっき層341、342との結合力を強化し、積層型電子部品3000の信頼性を向上させることができる。
【0259】
一実施形態において、第1及び第2めっき層341、342は、それぞれ第1及び第2接続部331a、332aの一部を覆うように延びて配置されることができる。第1及び第2内部電極121、122のうち第1面1に最も近く配置された内部電極までの第1方向の平均サイズをH1、第1面1の延長線から第1及び第2接続部331a、332a上に配置された第1及び第2めっき層341、342の端部までの第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1>H2(またはH1≧H2)を満たすことができる。これにより、めっき工程時にめっき液が内部電極に浸透することを抑制し、信頼性を向上させることができる。
【0260】
一実施形態において、上記第1面から第1及び第2内部電極121、122のうち上記第1面に最も近く配置された内部電極までの第1方向の平均サイズをH1、上記第1面の延長線から第1及び第2接続部331a、332a上に配置されためっき層341、342の端部までの第1方向の平均サイズをH2としたとき、H1<H2を満たすことができる。これにより、実装時に半田に接する面積を増加させ、固着強度を向上させることができる。より好ましくは、本体110の第1方向の平均サイズをTとしたとき、H2<T/2を満たすことができる。すなわち、H1<H2<T/2を満たすことができる。これは、H2がT/2以上の場合、絶縁層による耐湿信頼性向上効果が低下する恐れがあるためである。
【0261】
一実施形態において、第1及び第2めっき層341、342は、上記第1面の延長線以下に配置されることができる。これにより、実装時に半田の高さを最小限に抑えることができ、実装空間を最小限に抑えることができる。また、絶縁層351は、第1面の延長線以下まで延びて第1及び第2めっき層341、342に接するように配置されることができる。
【0262】
一実施形態において、上記本体の上記第2方向の平均サイズをL、上記第3面の延長線から上記第1バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB1、上記第4面の延長線から上記第2バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB2としたとき、0.2≦B1/L≦0.4及び0.2≦B2/L≦0.4を満たすことができる。
【0263】
B1/L及びB2/Lが0.2未満の場合は、十分な固着強度を確保しにくい。それに対して、B2/Lが0.4を超える場合は、高圧電流下で第1バンド部331bと第2バンド部332b間で漏れ電流が発生する恐れがあり、めっき工程時のめっきのにじみなどにより第1バンド部331bと第2バンド部332bとが電気的に連結される恐れがある。
【0264】
一実施形態において、上記第1面上に配置され、上記第1バンド部331bと上記第2バンド部332b間に配置される追加絶縁層をさらに含むことができる。こうすることにより、高圧電流下で第1バンド部331bと第2バンド部332b間で発生し得る漏れ電流などを防止することができる。
【0265】
追加絶縁層の種類は特に限定する必要はない。例えば、追加絶縁層は、絶縁層351と同様に、Baを含む酸化物を含んでもよい。ただし、追加絶縁層と絶縁層351とは、同じ材料に限定する必要はなく、異なる材料で形成されてもよい。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース(Ethyl Cellulose)などから選択された1種以上を含んでもよく、ガラスを含んでもよい。
【0266】
一実施形態において、上記第3面の延長線から上記第1バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB1、上記第4面の延長線から上記第2バンド部の端部までの上記第2方向の平均サイズをB2としたとき、B3<B1及びB4<B2を満たすことができる。第1バンド部331bの平均長さB1が第1コーナー部331cの平均長さB3より長く、第2バンド部332bの平均長さB2が第2コーナー部332の平均長さB4より長いことができる。これにより、実装時に半田に接する面積を増加させ、固着強度を向上させることができる。
【0267】
より詳細には、第3面3の延長線から第1バンド部331bの端部までの上記第2方向の平均サイズをB1、第4面4の延長線から第2バンド部332bの端部までの上記第2方向の平均サイズをB2、第3面3の延長線から第1コーナー部331cの端部までの上記第2方向の平均サイズをB3、第4面4の延長線から第2コーナー部332cの端部までの上記第2方向の平均サイズをB4としたとき、B3<B1及びB4<B2を満たすことができる。
【0268】
一実施形態において、第1及び第2めっき層341、342の平均厚さは、絶縁層351の平均厚さより薄いことができる。
【0269】
絶縁層351は、外部からの水分の浸透やめっき液の浸透を防止する役割を果たすが、めっき層341、342との連結性が弱いため、めっき層のデラミネーション(delamination)の原因となり得る。めっき層にデラミネーションが発生した場合、基板との固着強度が低下し得る。ここで、めっき層のデラミネーションとは、めっき層が一部剥離したり外部電極331、332から物理的に分離したりすることを意味する。めっき層と絶縁層との連結性が弱いため、絶縁層とめっき層との界面に隙間が生じたり異物が浸透したりする可能性が高くなり、外部からの衝撃などに脆弱になってデラミネーションが発生する可能性が高くなり得る。
【0270】
本発明の一実施形態によると、めっき層の平均厚さを絶縁層の平均厚さより薄くすることにより、めっき層と絶縁層とが当接する面積を小さくすることができ、これにより、デラミネーションの発生を抑制し、積層型電子部品3000と基板との固着強度を向上させることができる。
【0271】
積層型電子部品3000のサイズは特に限定する必要はない。
【0272】
ただし、小型化及び高容量化を同時に達成するためには、誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増加させる必要があるため、1005(長さ×幅、1.0mm×0.5mm)以下のサイズを有する積層型電子部品3000において、本発明による信頼性及び単位体積当たりの容量の向上効果がより顕著になる。
【0273】
よって、製造誤差、外部電極のサイズなどを考慮すると、積層型電子部品3000の長さが1.1mm以下であり、幅が0.55mm以下である場合、本発明による信頼性向上効果がより顕著になる。ここで、積層型電子部品3000の長さは、積層型電子部品3000の第2方向の最大サイズを意味し、積層型電子部品3000の幅は、積層型電子部品3000の第3方向の最大サイズを意味ことができる。
【0274】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態及び添付図面に限定されず、添付の特許請求の範囲により限定される。よって、特許請求の範囲に記載の本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、当該技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これらも本発明の範囲に属するといえる。
【0275】
なお、本発明に用いられる「一実施形態」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせられて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項は、他の一実施形態において説明されていなくても、他の一実施形態にその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に係る説明として理解することができる。
【0276】
本発明に用いられた用語は、単に一実施形態を説明するために用いられたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。ここで、単数の表現には、文脈上明らかに他の意味を示さない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0277】
1000、2000、3000 積層型電子部品
1100 実装基板
110 本体
111 誘電体層
112、113 カバー部
114、115 マージン部
121、122 内部電極
131、231、331 第1外部電極
132、232、332 第2外部電極
134、135 追加電極層
141、142、241、242、341、342 めっき層
151、251、252、253、351 絶縁層
161、261 追加絶縁層
171、271、272 カバー層
180 基板
181、182 電極パッド
191、192 半田
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
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図39
図40
図41
図42