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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099459
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/06 20060101AFI20230706BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
H01G2/06 500
H01G4/228 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177515
(22)【出願日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194175
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 度榮
(72)【発明者】
【氏名】安 進模
(72)【発明者】
【氏名】趙 志弘
(57)【要約】      (修正有)
【課題】性能が向上された積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品100は、第1方向に対向する第1面1及び第2面2、第2方向に対向する第3面及び第4面4、第3方向に対向する第5面5及び第6面6を含む本体110と、第3面に配置される第1接続部及び第1接続部から第1面の一部まで延長される第1バンド部を含む第1外部電極131と、第4面に配置される第2接続部及び第2接続部から第1面の一部まで延長される第2バンド部を含む第2外部電極132と、第1面上に配置され、第1バンド部及び第2バンド部上に延長されて配置されるカバー層140と、を含む。カバー層は、第1外部電極と第2外部電極との間に配置され、絶縁物質を含む絶縁部143、絶縁部と連結され、各バンド部上に配置され、導電性金属及び樹脂を含む第1導電部141及び第2導電部142を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び前記誘電体層を挟んで交互に配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、且つ第2方向に対向する第3面及び第4面、前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面と連結され、且つ第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、
前記第3面に配置される第1接続部、及び前記第1接続部から前記第1面の一部まで延長される第1バンド部を含む第1外部電極と、
前記第4面に配置される第2接続部、及び前記第2接続部から前記第1面の一部まで延長される第2バンド部を含む第2外部電極と、
前記第1面上に配置され、前記第1バンド部及び前記第2バンド部上に延長されて配置されるカバー層と、
を含み、
前記カバー層は、前記第1外部電極と前記第2外部電極との間に配置され、絶縁物質を含む絶縁部、前記絶縁部と連結され、前記第1バンド部上に配置される第1導電部、及び前記絶縁部と連結され、前記第2バンド部上に配置される第2導電部を含み、
前記第1導電部及び前記第2導電部は、導電性金属及び樹脂を含む、
積層型電子部品。
【請求項2】
前記絶縁部は、樹脂を含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記絶縁部に含まれた樹脂は、前記第1バンド部及び前記第2バンド部に含まれた樹脂と同一の種類である、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記絶縁部に含まれた樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース(Ethyl Cellulose)のうち一つ以上である、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記絶縁部は、セラミック物質を含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記絶縁部に含まれたセラミック物質は、TiO、BaTiO、Al、BaO、(PbZrTi)(0<x<1)、SiC、MgO及びSiOのうち一つ以上である、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記本体上に配置される電極層及び前記電極層上に配置されるメッキ層を含み、
前記カバー層は、前記メッキ層と接するように配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記カバー層は、前記電極層とは離隔して配置される、請求項7に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記電極層は、前記本体に接するように配置される第1電極層及び前記第1電極層上に配置される第2電極層を含み、
前記第1電極層は、導電性金属及びガラスを含み、前記第2電極層は、導電性金属及び樹脂を含む、請求項7に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記第1バンド部の末端から前記第3面の延長線までの第2方向平均大きさをLa1、前記第1バンド部の末端から前記第1外部電極上に配置されたカバー層の末端までの第2方向平均大きさをLb1とするとき、
Lb1>La1を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記絶縁部は、前記第1バンド部及び前記第2バンド部上に延長されて配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記第1バンド部の末端から前記第3面の延長線までの第2方向平均大きさをLa1、前記第1バンド部の末端から前記第1外部電極上に配置された絶縁部の末端までの第2方向平均大きさをLc1とするとき、
La1>Lc1を満たす、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記第1バンド部の末端から前記第1外部電極上に配置されたカバー層の末端までの第2方向平均大きさをLb1とするとき、
Lb1>La1>Lc1を満たす、請求項12に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像器機、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品の印刷回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割をするチップ形態のコンデンサである。
【0003】
かかる積層セラミックキャパシタは、小型でかつ高容量が保障され実装が容易であるという長所により多様な電子装置の部品として使用されることができる。コンピュータ、モバイル機器などの各種の電子機器が小型化、高出力化されることにより、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
また、最近、自動車用電装部品に対する業界の関心が高まっており、自動車用電装部品に使用される積層型セラミックキャパシタは、高い水準の電気的信頼性及び耐衝撃性が求められる。
【0005】
特に、積層型セラミックキャパシタが実装された基板の変形に対する耐久性が強く、曲げ強度特性に優れた積層型セラミックキャパシタの開発が求められている状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のいくつかの目的の一つは、信頼性が向上された積層型電子部品を提供することである。
【0007】
本発明のいくつかの目的の一つは、曲げ強度特性が向上された積層型電子部品を提供することである。
【0008】
本発明のいくつかの目的の一つは、基板間の固着強度に優れた積層型電子部品を提供することである。
【0009】
本発明のいくつかの目的の一つは、ESL(equivalent series inductance)が低下された積層型電子部品を提供することである。
【0010】
但し、本発明の目的は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、誘電体層及び上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、第1方向に対向する第1面及び第2面、上記第1面及び上記第2面と連結され、且つ第2方向に対向する第3面及び第4面、上記第1面、上記第2面、上記第3面、及び上記第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、上記第3面に配置される第1接続部、及び上記第1接続部から上記第1面の一部まで延長される第1バンド部を含む第1外部電極と、上記第4面に配置される第2接続部、及び上記第2接続部から上記第1面の一部まで延長される第2バンド部を含む第2外部電極と、上記第1面上に配置され、上記第1バンド部及び上記第2バンド部上に延長されて配置されるカバー層とを含み、上記カバー層は、上記第1外部電極と上記第2外部電極との間に配置され、絶縁物質を含む絶縁部、上記絶縁部と連結され、上記第1バンド部上に配置される第1導電部、及び上記絶縁部と連結され、上記第2バンド部上に配置される第2導電部を含み、上記第1導電部及び上記第2導電部は、導電性金属及び樹脂を含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のいくつかの効果の一つは、実装面にカバー層を配置することで、積層型電子部品の曲げ強度特性を向上させることである。
【0013】
本発明のいくつかの効果の一つは、外部電極のバンド部上に導電部を配置することで、積層型電子部品と基板間の固着強度を向上させ、曲げ強度特性を向上させることである。
【0014】
本発明のいくつかの効果の一つは、外部電極のバンド部上に導電部を配置することで、積層型電子部品のESL(equivalent series inductance)を低下させることである。
【0015】
但し、本発明の多様でかつ有益な長所及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
図2図1の積層型電子部品を他の方向からみた斜視図を概略的に示したものである。
図3図1のI-I’線に沿った断面図である。
図4図1のII-II’線に沿った断面図である。
図5図2の本体を分解して概略的に示した分解斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
図7図6の積層型電子部品を他の方向からみた斜視図を概略的に示したものである。
図8図6のIII-III’線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0018】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0019】
図面において、第1方向は積層方向又は厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
【0021】
図2は、図1の積層型電子部品を他の方向からみた斜視図を概略的に示したものである。
【0022】
図3は、図1のI-I’線に沿った断面図である。
【0023】
図4は、図1のII-II’線に沿った断面図である。
【0024】
図5は、図2の本体を分解して概略的に示した分解斜視図である。
【0025】
以下、図1図5を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品100について説明する。
【0026】
本発明の一実施形態による積層型電子部品100は、誘電体層111及び上記誘電体層を挟んで交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、第1方向に対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面3、4、上記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面5、6を含む本体110と、上記第3面に配置される第1接続部、及び上記第1接続部から上記第1面の一部まで延長される第1バンド部B1を含む第1外部電極131と、上記第4面に配置される第2接続部、及び上記第2接続部から上記第1面の一部まで延長される第2バンド部B2を含む第2外部電極132と、上記第1面上に配置され、上記第1及び第2バンド部上に延長されて配置されるカバー層140とを含み、上記カバー層は、上記第1外部電極と上記第2外部電極との間に配置され、絶縁物質を含む絶縁部143、上記絶縁部と連結され、上記第1バンド部上に配置される第1導電部141、及び上記絶縁部と連結され、上記第2バンド部上に配置される第2導電部142を含み、上記第1及び第2導電部は、導電性金属及び樹脂を含むことができる。
【0027】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。
【0028】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように、本体110は六面体形状であるかこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は、完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0029】
本体110は、第1方向に互いに対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに対向する第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、第3方向に互いに対向する第5及び第6面5、6を有することができる。
【0030】
一実施形態において、本体110は、第1面と第3面を連結する第1-3コーナー、上記第1面と第4面を連結する第1-4コーナー、上記第2面と第3面を連結する第2-3コーナー、上記第2面と第4面を連結する第2-4コーナーを含み、上記第1-3コーナー及び第2-3コーナーは、上記第3面に近くなるほど上記本体の第1方向中央に収縮された形態を有し、上記第1-4コーナー及び第2-4コーナーは、上記第4面に近くなるほど上記本体の第1方向中央に収縮された形態を有することができる。
【0031】
誘電体層111上に内部電極121、122が配置されていないマージン領域が重畳されることにより、内部電極121、122の厚さによる段差が発生して、第1面と第3~第5面を連結するコーナー及び/または第2面と第3~第5面を連結するコーナーは、第1面または第2面を基準としてみると、本体110の第1方向中央側に収縮された形態を有することができる。または、本体の焼結過程における収縮挙動により第1面1と第3~第6面3、4、5、6を連結するコーナー及び/または第2面2と第3~第6面3、4、5、6を連結するコーナーは、第1面または第2面を基準としてみると、本体110の第1方向中央側に収縮された形態を有することができる。または、チッピング不良などを防止するために、本体110の各面を連結する角を別途の工程を行いラウンド処理することによって第1面と第3~第6面を連結するコーナー及び/または第2面と第3~第6面を連結するコーナーは、ラウンド形態を有することができる。
【0032】
上記コーナーは、第1面と第3面を連結する第1-3コーナー、第1面と第4面を連結する第1-4コーナー、第2面と第3面を連結する第2-3コーナー、第2面と第4面を連結する第2-4コーナーを含むことができる。また、コーナーは、第1面と第5面を連結する第1-5コーナー、第1面と第6面を連結する第1-6コーナー、第2面と第5面を連結する第2-5コーナー、第2面と第6面を連結する第2-6コーナーを含むことができる。本体110の第1~第6面は、大体平坦な面であることができ、平坦でない領域をコーナーとしてみることができる。以下、各面の延長線とは、各面の平坦な部分を基準として延長した線を意味することができる。
【0033】
一方、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後に内部電極が本体の第5及び第6面5、6で露出するように切断した後、単一誘電体層または2個以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成する場合は、第1面と第5及び第6面を連結する部分及び第2面と第5及び第6面を連結する部分が収縮された形態を有しなくてよい。
【0034】
本体110を形成する複数の誘電体層111は、焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認し難い程度に一体化されることができる。
【0035】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り、特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを使用することができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例示として、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)などが挙げられる。
【0036】
また、上記誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などのパウダーに、本発明の目的に応じて多様なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0037】
一方、誘電体層111の平均厚さ(td)は特に限定する必要はない。例えば、誘電体層111の平均厚さ(td)は、0.2~3μmであることができる。
【0038】
上記誘電体層111の平均厚さ(td)は、上記第1及び第2内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の平均厚さを意味することができる。
【0039】
誘電体層111の平均厚さは、本体110の長さ及び厚さ方向(L-T)断面を1万倍率の走査型電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて一つの誘電体層を長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、容量形成部Acで指定されることができる。また、かかる平均値測定を10個の誘電体層に拡張して平均値を測定すれば、誘電体層の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0040】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部Acと、上記容量形成部Acの第1方向上部及び下部に形成されたカバー部112、113を含むことができる。
【0041】
また、上記容量形成部Acは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であり、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成されることができる。
【0042】
カバー部112、113は、上記容量形成部Acの第1方向上部に配置される上部カバー部112、及び上記容量形成部Acの第1方向下部に配置される下部カバー部113を含むことができる。
【0043】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一誘電体層または2個以上の誘電体層を容量形成部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割をすることができる。
【0044】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、内部電極を含まず、誘電体層111と同一の材料を含むことができる。
【0045】
即ち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、セラミック材料を含むことができ、例えばチタン酸バリウム(BaTiO)系セラミック材料を含むことができる。
【0046】
一方、カバー部112、113の平均厚さは特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の平均厚さ(tc)は15μm以下であることができる。
【0047】
カバー部112、113の平均厚さ(tc)は、第1方向大きさを意味することができ、容量形成部Acの上部または下部において等間隔の5個の地点において測定したカバー部112、113の第1方向大きさを平均した値であることができる。
【0048】
また、上記容量形成部Acの側面にはマージン部114、115が配置されることができる。
【0049】
マージン部114、115は、本体110の第5面5に配置された第1マージン部114と第6面6に配置された第2マージン部115を含むことができる。即ち、マージン部114、115は、上記セラミック本体110の幅方向両端面(end surfaces)に配置されることができる。
【0050】
マージン部114、115は、図4に示すように、上記本体110を幅-厚さ(W-T)方向に切った断面(cross-section)において、第1及び第2内部電極121、122の両末端と本体110の境界面間の領域を意味することができる。
【0051】
マージン部114、115は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割をすることができる。
【0052】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される所を除き、導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することで形成されたことができる。
【0053】
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後に内部電極が本体の第5及び第6面5、6で露出するように切断した後、単一誘電体層または2個以上の誘電体層を容量形成部Acの両側面に第3方向(幅方向)に積層してマージン部114、115を形成することもできる。
【0054】
一方、マージン部114、115の幅は特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、マージン部114、115の平均幅は15μm以下であることができる。
【0055】
マージン部114、115の平均幅はマージン部114、115の第3方向平均大きさを意味することができ、容量形成部Acの側面において等間隔の5個の地点において測定したマージン部114、115の第3方向大きさを平均した値であることができる。
【0056】
内部電極121、122は、誘電体層111と交互に積層される。
【0057】
内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ露出することができる。
【0058】
図3を参照すると、第1内部電極121は、第4面4と離隔し第3面3を通じて露出し、第2内部電極122は、第3面3と離隔し第4面4を通じて露出することができる。本体の第3面3には第1外部電極131が配置され第1内部電極121と連結され、本体の第4面4には第2外部電極132が配置され第2内部電極122と連結されることができる。
【0059】
即ち、第1内部電極121は、第2外部電極132とは連結されず第1外部電極131と連結され、第2内部電極122は、第1外部電極131とは連結されず第2外部電極132と連結される。よって、第1内部電極121は、第4面4で一定距離離隔して形成され、第2内部電極122は、第3面3で一定距離離隔して形成されることができる。
【0060】
この時、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離することができる。
【0061】
本体110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシートとを交互に積層した後、焼成して形成することができる。
【0062】
内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、電気伝導性に優れた材料を使用することができる。例えば、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。
【0063】
また、内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを使用することができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0064】
一方、内部電極121、122の平均厚さ(te)は特に限定する必要はない。例えば、内部電極121、122の平均厚さ(te)は0.2~2μmであることができる。
【0065】
上記内部電極121、122の平均厚さ(te)は、内部電極121、122の平均厚さを意味することができる。
【0066】
内部電極121、122の平均厚さは、本体110の長さ及び厚さ方向(L-T)断面を1万倍率の走査型電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージをスキャンして測定することができる。より具体的に、スキャンされたイメージにおいて、一つの内部電極を長さ方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して、平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、容量形成部Acで指定されることができる。また、かかる平均値の測定を0個の内部電極に拡張して平均値を測定すれば、内部電極の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0067】
外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4に配置されることができる。外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。
【0068】
外部電極131、132は、第3面に配置される第1接続部及び上記第1接続部から上記第1面の一部まで延長される第1バンド部B1を含む第1外部電極131、第4面に配置される第2接続部及び上記第2接続部から上記第1面の一部まで延長される第2バンド部B2を含む第2外部電極132を含むことができる。この時、第1バンド部B1は、第1外部電極のうち第3面の延長線E3から第1バンド部の末端B1eまでの領域を意味することができ、第2バンド部B2は、第2外部電極のうち第4面の延長線E4から第2バンド部の末端B2eまでの領域を意味することができる。
【0069】
また、第1外部電極131は、第1接続部から第2面の一部まで延長される第3バンド部を含むことができ、第2外部電極は、第2接続部から第2面の一部まで延長される第4バンド部を含むことができる。さらに、第1外部電極131は、第1接続部から第5及び第6面の一部まで延長される第1側面バンド部を含むことができ、第2外部電極は、第2接続部から第5及び第6面の一部まで延長される第2側面バンド部を含むことができる。
【0070】
但し、第3バンド部、第4バンド部、第1側面バンド部及び第2側面バンド部は、本発明に必須の構成要素でなくてよい。第1及び第2外部電極131、132は、第2面には配置されなくてよく、第5及び第6面にも配置されなくてよい。第1及び第2外部電極131、132が第2面に配置されないことにより、第1及び第2外部電極131、132は、本体の第2面の延長線以下に配置されることができる。また、第1及び第2接続部は、第5及び第6面と離隔して配置されることができ、第1及び第2接続部は、第2面と離隔して配置されることができる。また、第1及び第2バンド部B1、B2も第5及び第6面と離隔して配置されることができる。
【0071】
本実施形態では、積層型電子部品100が2個の外部電極131、132を有する構造を説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは、内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変わることができる。
【0072】
一方、外部電極131、132は、金属などのように電気伝導性を有するものであれば如何なる物質を使用して形成されてもよく、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0073】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層131a、132a、131b、132b及び電極層131a、132a、131b、132b上に形成されたメッキ層131c、132cを含むことができる。
【0074】
電極層131a、132a、131b、132bに対するより具体的な例を挙げると、電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0075】
また、電極層131a、132a、131b、132bは、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。
【0076】
電極層131a、132a、131b、132bに含まれる導電性金属として電気伝導性に優れた材料を使用することができ、特に限定しない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0077】
一実施形態において、電極層131a、132a、131b、132bは、本体110に接するように配置される第1電極層131a、132a、及び上記第1電極層上に配置される第2電極層131b、132bを含むことができる。第1電極層131a、132aは、導電性金属及びガラスを含むことができ、第2電極層131b、132bは、導電性金属及び樹脂を含むことができる。
【0078】
第1電極層131a、132aは、ガラスを含むことにより本体との結合力を向上させる役割をし、第2電極層131b、132bは、樹脂を含むことにより曲げ強度を向上させる役割をすることができる。
【0079】
第1電極層131a、132aに使用される導電性金属は、静電容量形成のために上記内部電極と電気的に連結されることができる材質であれば特に制限されず、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。第1電極層131a、132aは、上記導電性金属粉末にガラスフリットを添加して設けられた導電性ペーストを塗布した後、焼成することで形成されることができる。
【0080】
第2電極層131b、132bに含まれる導電性金属は、第1電極層131a、132aと電気的に連結されるようにする役割をする。
【0081】
第2電極層131b、132bに含まれる導電性金属は、第1電極層131a、132aと電気的に連結されることができる材質であれば特に制限されず、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0082】
第2電極層131b、132bに含まれる導電性金属は、球状粉末及びフレーク状粉末のうち1以上を含むことができる。即ち、導電性金属はフレーク状粉末のみからなるか、球状粉末のみからなることができ、フレーク状粉末と球状粉末が混合した形態であってもよい。ここで、球状粉末は、完全な球状でない形態を含んでもよく、例えば長軸と短軸の長さ割合(長軸/短軸)が1.45以下の形態を含むことができる。フレーク状粉末は、平たく長い形態を有する粉末を意味し、特に制限されるものではないが、例えば長軸と短軸の長さ割合(長軸/短軸)が1.95以上であることができる。上記球状粉末及びフレーク状粉末の長軸と短軸の長さは、セラミック電子部品の第3方向の中央部で切断した第1及び第2方向断面(L-T断面)を走査型電子顕微鏡(Scanning Eletron Microscope、SEM)でスキャンして得たイメージから測定することができる。
【0083】
第2電極層131b、132bに含まれる樹脂は、接合性の確保及び衝撃吸収の役割をする。第2電極層131b、132bに含まれる樹脂は、接合性及び衝撃吸収性を有し、導電性金属粉末と混合してペーストを作ることができるものであれば特に制限されず、例えばエポキシ系樹脂を含むことができる。
【0084】
また、第2電極層131b、132bは、複数の金属粒子、金属間化合物及び樹脂を含むことができる。上記金属間化合物を含むことにより第1電極層131a、132aとの電気的連結性をより向上させることができる。上記金属間化合物は、複数の金属粒子を連結して電気的連結性を向上させる役割をし、複数の金属粒子を取り囲み互いに連結する役割をすることができる。
【0085】
この時、上記金属間化合物は、樹脂の硬化温度より低い融点を有する金属を含むことができる。即ち、上記金属間化合物が樹脂の硬化温度より低い融点を有する金属を含むため、樹脂の硬化温度より低い融点を有する金属が乾燥及び硬化工程を経る過程で溶融され、金属粒子の一部と金属間化合物を形成して金属粒子を取り囲むようになる。この時、金属間化合物は好ましく300
【数1】
以下の低融点金属を含むことができる。
【0086】
例えば、213~220
【数2】
の融点を有するSnを含むことができる。乾燥及び硬化工程を経る過程でSnが溶融され、溶融されたSnがAg、NiまたはCuのような高融点の金属粒子を毛細管現象により濡らすようになり、Ag、NiまたはCu金属粒子の一部と反応してAgSn、NiSn、CuSn、CuSnなどの金属間化合物を形成するようになる。反応に参加しないAg、NiまたはCuは、金属粒子形態で残るようになる。
【0087】
したがって、上記複数の金属粒子は、Ag、Ni及びCuのうち一つ以上を含み、上記金属間化合物は、AgSn、NiSn、CuSn及びCuSnのうち一つ以上を含むことができる。
【0088】
メッキ層131c、132cは、実装特性を向上させる役割をする。メッキ層131c、132cの種類は特に限定せず、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち一つ以上を含むメッキ層であることができ、複数の層で形成されることができる。
【0089】
メッキ層131c、132cに対するより具体的な例を挙げると、メッキ層131c、132cは、Niメッキ層またはSnメッキ層であることができ、電極層131a、132a、131b、132b上にNiメッキ層及びSnメッキ層が順次に形成された形態であることができ、Snメッキ層、Niメッキ層及びSnメッキ層が順次に形成された形態であることができる。また、メッキ層131c、132cは、複数のNiメッキ層及び/または複数のSnメッキ層を含んでもよい。
【0090】
カバー層140は、本体110の第1面上に配置され、第1及び第2バンド部B1、B2上に延長されて配置されることができる。カバー層140は、第1外部電極131と第2外部電極132との間に配置され、絶縁物質を含む絶縁部143、絶縁部143と連結され、第1バンド部B1上に配置される第1導電部141、及び絶縁部143と連結され、第2バンド部B2上に配置される第2導電部142を含むことができる。
【0091】
カバー層140は、外部応力を緩和させて曲げ強度特性を向上させる役割をすることができる。カバー層140が本体110の第2面のうち第1及び第2バンド部B1、B2が配置されない領域のみに配置される場合、曲げ強度特性を向上させる効果が不十分であることがある。よって、本発明によると、カバー層140が第1及び第2バンド部B1、B2上にも配置されることにより、曲げ強度特性をさらに向上させることができる。
【0092】
一方、カバー層140が第1及び第2バンド部B1、B2上にも配置されるため、カバー層140全体が絶縁特性を有する場合、基板の電極パッドとはんだ接合にならず、固着強度が低下するおそれがあり、第1及び第2バンド部B1、B2には電流経路(current path)が生じず電流経路が長くなることによりESL(Equivalent series inductance)が増加するおそれがある。一方、カバー層140全体が導電性特性を有する場合、第1外部電極131と第2外部電極132が電気的に連結されるおそれがある。
【0093】
本発明の一実施形態によると、カバー層140は、第1外部電極131と第2外部電極132との間に配置され、絶縁物質を含む絶縁部143を含むため、第1外部電極と第2外部電極が電気的に連結されることを防止することができる。また、絶縁部143と連結され、第1バンド部B1上に配置される第1導電部141、及び絶縁部143と連結され、第2バンド部B2上に配置される第2導電部142を含むため、曲げ強度特性に優れたものにする効果を維持しながらも固着強度を向上させることができ、第1及び第2バンド部B1、B2に電流経路(current path)を形成してESLを減少させることができる。
【0094】
絶縁部143は、第1及び第2導電部141と連結された形態を有し、カバー層140は、第1導電部141、絶縁部143及び第2導電部142が連続的に並ぶことにより一つの層形状で配置されることができる。
【0095】
第1導電部141及び第2導電部142は、導電性金属及び樹脂を含むことができる。
【0096】
この時、第1導電部141及び第2導電部142に含まれた導電性金属は、電気伝導性に優れた材料を使用することができ、特に限定しない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金からなる群から選択された一つ以上を含むことができる。
【0097】
第1導電部141及び第2導電部142に含まれた樹脂は、接合性の確保及び衝撃吸収の役割をする。第2電極層131b、132bに含まれる樹脂は、接合性及び衝撃吸収性を有し、導電性金属粉末と混合してペーストを作ることができるものであれば特に制限されず、例えばエポキシ系樹脂を含むことができる。
【0098】
絶縁部143は、絶縁物質を含むことにより絶縁特性を有し曲げ強度特性を向上させ、外部の水分やメッキ液などが本体内部に浸透することを防止する役割をすることができる。
【0099】
一実施形態において、絶縁部143は樹脂を含むことができる。絶縁部143が樹脂を含むことにより、第1導電部及び第2導電部との結合力をより強化して、曲げ強度をさらに向上させることができる。
【0100】
また、絶縁部143が第1及び第2バンド部に含まれた樹脂と同一の種類の樹脂を含むことにより、第1導電部及び第2導電部との結合力をより強化することができ、曲げ強度をさらに向上させることができる。
【0101】
絶縁部143に含まれる樹脂の種類は特に限定する必要はない。例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース(Ethyl Cellulose)のうち一つ以上を含むことができる。
【0102】
但し、本発明は、絶縁部143が樹脂を含む場合に制限されるものではなく、絶縁部143は絶縁物質としてセラミック物質を含むこともできる。この時、絶縁部143に含まれたセラミック物質は、TiO、BaTiO、Al、BaO、(PbZrTi1-x)(0<x<1)、SiC、MgO及びSiO2のうち一つ以上であることができる。
【0103】
一実施形態において、第1及び第2外部電極131は、本体110上に配置される電極層131a、132a、131b、132b及び電極層131a、132a、131b、132b上に配置されるメッキ層131c、132cを含み、カバー層140は、メッキ層131c、132cと接するように配置されることができる。
【0104】
また、メッキ層131c、132cが電極層131a、132a、131b、132bをカバーすることにより、カバー層140は電極層131a、132a、131b、132bと離隔して配置されることができる。
【0105】
一実施形態において、第1バンド部の末端B1eから第3面の延長線E3までの第2方向平均大きさをLa1、第1バンド部の末端B1eから第1外部電極131上に配置されたカバー層の末端140e1までの第2方向平均大きさをLb1とするとき、Lb1>La1を満たすことができる。これにより、曲げ強度特性をさらに向上させることができ、Lb1がLa1以下の場合は、曲げ強度特性を充分に確保することができないおそれがある。
【0106】
一方、上記特徴は、第2外部電極132上に配置されたカバー層の末端140e2にも同一に適用することができる。すなわち、第2バンド部の末端B2eから第4面の延長線E4までの第2方向平均大きさをLa1、第2バンド部の末端B2eから第2外部電極132上に配置されたカバー層の末端140e2までの第2方向平均大きさをLb2とするとき、Lb2>La2を満たすことができる。
【0107】
La1、Lb1、La2及びLb2は、本体110を第3方向に等間隔を有する5個の地点において第1及び第2方向に切断した断面(L-T断面)で測定した値を平均した値であることができる。
【0108】
図6は、本発明の一実施形態による積層型電子部品100’の斜視図を概略的に示したものである。図7は、図6の積層型電子部品100’を他の方向からみた斜視図を概略的に示したものである。図8は、図6のIII-III’線に沿った断面図である。
【0109】
図6図8を参照すると、一実施形態において、絶縁部143’は、第1及び第2バンド部B1、B2上に延長されて配置されることができる。これにより、得ようとする特性及び積層型電子部品の使用環境を考慮して、基板との固着強度、ESL及び曲げ強度特性を調節することができる長所がある。第1導電部141’は、絶縁部143’と連結され、第1バンド部B1の一部上に配置されることができ、第2導電部142’は、絶縁部143’と連結され、第2バンド部B2の一部上に配置されることができる。
【0110】
一実施形態において、第1バンド部の末端B1eから第3面の延長線E3までの第2方向平均大きさをLa1、第1バンド部の末端B1eから第1外部電極131上に配置された絶縁部143’の末端までの第2方向平均大きさをLc1とするとき、La1>Lc1を満たすことができる。La1がLc1以下の場合は、固着強度の向上効果及びESLの低減効果が不十分なおそれがある。よって、La>Lc1であることが好ましく、より好ましくはLa1がLc1の1.2倍以上であることができ、さらに好ましくは、La1がLc1の1.5倍以上であることができる。
【0111】
同様に、第2バンド部の末端B2eから第4面の延長線E4までの第2方向平均大きさをLa2、第2バンド部の末端B2eから第2外部電極132上に配置された絶縁部143’の末端までの第2方向平均大きさをLc2とするとき、La2>Lc2を満たすことができる。
【0112】
また、第1バンド部の末端B1eから第1外部電極131上に配置されたカバー層の末端140e1’までの第2方向平均大きさをLb1とするとき、Lb1>La1>Lc1を満たすことができる。これにより、曲げ強度特性をさらに向上させることができ、Lb1がLa1以下の場合は、曲げ強度特性を充分に確保することができないおそれがある。
【0113】
同様に、第2バンド部の末端B2eから第2外部電極132上に配置されたカバー層の末端140e2’までの第2方向平均大きさをLb2とするとき、Lb2>La2>Lc2を満たすことができる。
【0114】
La1、Lb1、Lc1、La2、Lb2、Lc2は、本体110を第3方向に等間隔を有する5個の地点において第1及び第2方向に切断した断面(L-T断面)で測定した値を平均した値であることができる。
【0115】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0116】
また、本発明で使用された「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味せず、それぞれ互いに異なる固有な特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態で説明されていなくとも、他の一実施形態でその事項と反対するか矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に係わる説明として理解されることができる。
【0117】
本発明で使用された用語は、単に一実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。この時、単数の表現は文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0118】
100:積層型電子部品
110:本体
111:誘電体層
112、113:カバー部
114、115:マージン部
121、122:内部電極
131:第1外部電極
132:第2外部電極
140:カバー層
141、142:導電部
143:絶縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8