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特開2023-99463電動化車両及びそのための電源管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099463
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】電動化車両及びそのための電源管理方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230706BHJP
   B60L 7/24 20060101ALI20230706BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20230706BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20230706BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20230706BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20230706BHJP
   B60L 58/16 20190101ALI20230706BHJP
   B60L 58/18 20190101ALI20230706BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230706BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J7/00 P
B60L7/24 D
B60L9/18 J
B60L50/60
B60L53/80
B60L58/12
B60L58/16
B60L58/18
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H01M10/44 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178882
(22)【出願日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194633
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョンヒョン
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503CC02
5G503DA08
5G503DA16
5G503EA05
5G503FA03
5G503FA06
5G503GB03
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
5H125AA01
5H125AC13
5H125BA00
5H125BB00
5H125BC05
5H125BC08
5H125BC09
5H125BC12
5H125BC19
5H125BC26
5H125BC28
5H125CB02
5H125CB07
5H125CD07
5H125EE22
5H125EE23
5H125EE24
5H125EE25
5H125EE27
5H125EE29
5H125EE44
5H125EE51
5H125EE55
5H125FF24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】着脱式バッテリーをさらに装着することができる電動化車両及びそのための電源管理方法を提供する。
【解決手段】電動化車両100は、モーター及びインバーターを備える電力駆動部140と、電力駆動部と電気的に連結され、第1バッテリー131及び第1バッテリーを制御する第1バッテリー制御器132を備え、電動化車両に固定式で配置されたメインバッテリー部130と、メインバッテリー部と電気的に連結され、コネクタ160を備え、コネクタを介して入力される充電電力を昇圧してメインバッテリー部に伝達する直流変換器120と、を含む。第1バッテリー制御器は、第2バッテリー111及び第2バッテリーを制御する第2バッテリー制御器112を備える着脱式バッテリー部110がコネクタに連結されれば、第2バッテリー制御器が出力する第2バッテリー情報を獲得することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動化車両であって、
モーター及びインバーターを備える電力駆動部と、
前記電力駆動部と電気的に連結され、第1バッテリー及び前記第1バッテリーを制御する第1バッテリー制御器を備え、前記電動化車両に固定式で配置されたメインバッテリー部と、
前記メインバッテリー部と電気的に連結され、コネクタを備え、前記コネクタを介して入力される充電電力を昇圧して前記メインバッテリー部に伝達する直流変換器と、を含み、
前記第1バッテリー制御器は、第2バッテリー及び前記第2バッテリーを制御する第2バッテリー制御器を備える着脱式バッテリー部が前記コネクタに連結されれば、前記第2バッテリー制御器が出力する第2バッテリー情報を獲得する、電動化車両。
【請求項2】
前記第1バッテリー制御器は、前記第2バッテリー情報を前記直流変換器を介して獲得する、請求項1に記載の電動化車両。
【請求項3】
前記第1バッテリー制御器は、前記第2バッテリー情報及び前記第1バッテリーについての第1バッテリー情報に基づいて総可用エネルギーを判断する、請求項1に記載の電動化車両。
【請求項4】
前記第2バッテリー情報は、セルタイプ情報及び定格容量情報を含み、
前記第1バッテリー制御器は、前記第2バッテリーの無負荷状態電圧に基づいて前記第2バッテリーの充電状態(SOC)を推定し、テスト電流の印加によって測定された結果に基づいて前記第2バッテリーの耐久状態(SOH)を推定する、請求項3に記載の電動化車両。
【請求項5】
前記第1バッテリー制御器は、各セルタイプに対する開回路電圧テーブルに基づいて前記充電状態を推定し、各セルタイプに対する内部抵抗テーブルに基づいて前記耐久状態を推定する、請求項4に記載の電動化車両。
【請求項6】
前記第1バッテリー情報及び前記第2バッテリー情報に基づいて前記第2バッテリーのエネルギーで前記第1バッテリーを充電する第1充電制御を遂行するかを判断する車両制御器をさらに含む、請求項1に記載の電動化車両。
【請求項7】
前記車両制御器は、前記第1バッテリーが充電可能な状態であるとともに前記第2バッテリーが放電可能な状態である場合、前記第1充電制御の遂行を決定する、請求項6に記載の電動化車両。
【請求項8】
前記車両制御器は、前記第1充電制御の遂行を決定すれば、充電指令を前記第1バッテリー制御器に伝達し、
前記第1バッテリー制御器は、前記充電指令を前記第2バッテリー制御器に伝達する、請求項6に記載の電動化車両。
【請求項9】
前記第2バッテリー制御器は、前記第1充電制御の開始に応じて前記第2バッテリーの温度に基づいて充電電流または充電パワーを制御する、請求項6に記載の電動化車両。
【請求項10】
前記着脱式バッテリー部は冷却ファンをさらに含み、
前記第2バッテリー制御器は、前記第1充電制御の開始に応じて車速及び前記第2バッテリーの温度に基づいて前記冷却ファンの動作を制御する、請求項6に記載の電動化車両。
【請求項11】
前記車両制御器は、前記第1充電制御の遂行を決定した後、前記第1バッテリーの充電状態が目標充電状態に到逹すれば、前記第1充電制御を中断する、請求項6に記載の電動化車両。
【請求項12】
前記目標充電状態は、前記第1バッテリーの可用エネルギー及び前記第2バッテリーの可用エネルギーに基づいて判断した総走行可能距離より全体経路が長い場合、充電予約地点または充電可能地点まで到達可能な充電状態を含む、請求項11に記載の電動化車両。
【請求項13】
前記車両制御器が総所要制動量を判断すれば、油圧制動量及び回生制動量を判断する制動制御器をさらに含み、
前記車両制御器は、前記判断された回生制動量による回生制動を制御するに際して前記第1バッテリーのエネルギーで前記第2バッテリーを充電する第2充電制御を遂行するかを判断する、請求項6に記載の電動化車両。
【請求項14】
前記車両制御器は、前記第1バッテリーが充電不可の状態であるとともに前記第2バッテリーが充電可能な状態の場合、前記第2充電制御の遂行を決定する、請求項13に記載の電動化車両。
【請求項15】
前記車両制御器は、前記第1バッテリーの充電不可状態による回生エネルギー損失と前記第1バッテリーのエネルギーで前記第2バッテリーを充電することによる経路損失とを比較し、前記経路損失が小さければ、前記第1バッテリーの充電状態が目標充電状態になるまで前記第2充電制御を遂行する、請求項13に記載の電動化車両。
【請求項16】
前記第1バッテリー制御器は、前記第2充電制御を遂行するとき、前記回生制動による回生制動実行量をモニタリングし、前記実行量の分だけ前記第2バッテリーを充電するように制御する、請求項13に記載の電動化車両。
【請求項17】
電動化車両であって、
モーター及びインバーターを備える電力駆動部と、
前記電力駆動部と電気的に連結され、第1バッテリー及び前記第1バッテリーを制御する第1バッテリー制御器を備え、前記電動化車両に固定式で配置されたメインバッテリー部と、
前記電力駆動部と電気的に連結され、コネクタを備える直流変換器と、を含み、
前記第1バッテリー制御器は、第2バッテリー及び前記第2バッテリーを制御する第2バッテリー制御器を備える着脱式バッテリー部が前記コネクタに連結されれば、前記第2バッテリー制御器が出力する第2バッテリー情報を獲得する、電動化車両。
【請求項18】
第1バッテリー及び前記第1バッテリーを制御する第1バッテリー制御器を備え、固定式で配置されたメインバッテリー部を含む電動化車両の電源管理方法であって、
前記メインバッテリー部と電気的に連結された直流変換器のコネクタに、第2バッテリー及び前記第2バッテリーを制御する第2バッテリー制御器を備える着脱式バッテリー部を連結する段階と、
前記第2バッテリー制御器が前記第2バッテリーについての第2バッテリー情報を出力する段階と、
前記第1バッテリー制御器が前記第2バッテリー情報を前記直流変換器を介して獲得する段階と、
前記第1バッテリー制御器が前記第1バッテリーについての第1バッテリー情報及び前記獲得した第2バッテリー情報に基づいて総可用エネルギーを判断する段階と、を含む、電動化車両の電源管理方法。
【請求項19】
請求項18に記載の電動化車両の電源管理方法を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータ可読の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着脱式バッテリーをさらに装着することができる電動化車両及びそのための電源管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、環境に対する関心が高くなるのに伴い、電気モーターを動力源として備えた電動化車両が増加している趨勢である。
【0003】
電動化車両利用者の相当数が短距離都心での走行パターンを有しているにもかかわらず、電動化車両は内燃機関車両の注油時間に比べてバッテリーの充電時間が相対的に長いので、一回の完全充電で走行可能な最大EV(Electric Vehicle)走行距離が重要である。
【0004】
しかし、EV走行距離を増大させるためにバッテリーの容量を増大させる場合、車両の重量が増加するだけでなく、電動化車両ではバッテリー値段が大きな比重を占めるので、車両価格まで大きく上昇する。
【0005】
一部の製造社では、バッテリーの劣化による走行距離の減少及び長い充電時間の問題を解消するために、バッテリーを着脱可能に交替する方法を考慮することもある。電動スクーターなどの小型モビリティーの場合、低電圧/低容量バッテリーの適用が可能であって使用者が直接交換することができるが、車両用の大容量バッテリーは大きな重量及び安全性の問題で自己交替が難しいので、専用インフラが要求される。しかし、バッテリー交替のためのインフラを拡充するためには、高費用で敷地及び交替装備を確保しなければならなく、インフラを備えると言っても、交替回数が累積するのに伴って締結部の物理的損傷や接点の焼損がある場合、走行自体が難しくなる問題点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は着脱式バッテリーをさらに装着することができる電動化車両及びそのための電源管理方法を提供するためのものである。
【0007】
本発明で達成しようとする技術的課題は以上で言及した技術的課題に限定されず、言及しなかった他の技術的課題も下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を実現するための本発明の一実施例による電動化車両は、モーター及びインバーターを備える電力駆動部と、前記電力駆動部と電気的に連結され、第1バッテリー及び前記第1バッテリーを制御する第1バッテリー制御器を備え、前記電動化車両に固定式で配置されたメインバッテリー部と、前記メインバッテリー部と電気的に連結され、コネクタを備え、前記コネクタを介して入力される充電電力を昇圧して前記メインバッテリー部に伝達する直流変換器とを含み、前記第1バッテリー制御器は、第2バッテリー及び前記第2バッテリーを制御する第2バッテリー制御器を備える着脱式バッテリー部が前記コネクタに連結されれば、前記第2バッテリー制御器が出力する第2バッテリー情報を獲得することができる。
【0009】
例えば、前記第1バッテリー制御器は、前記第2バッテリー情報を前記直流変換器を介して獲得することができる。
【0010】
例えば、前記第1バッテリー制御器は、前記第2バッテリー情報及び前記第1バッテリーについての第1バッテリー情報に基づいて総可用エネルギーを判断することができる。
【0011】
例えば、前記第2バッテリー情報は、セルタイプ情報及び定格容量情報を含み、前記第1バッテリー制御器は、前記第2バッテリーの無負荷状態電圧に基づいて前記第2バッテリーの充電状態(SOC)を推定し、テスト電流の印加によって測定された結果に基づいて前記第2バッテリーの耐久状態(SOH)を推定することができる。
【0012】
例えば、前記第1バッテリー制御器は、各セルタイプに対する開回路電圧テーブルに基づいて前記充電状態を推定し、各セルタイプに対する内部抵抗テーブルに基づいて前記耐久状態を推定することができる。
【0013】
例えば、前記第1バッテリー情報及び前記第2バッテリー情報に基づいて前記第2バッテリーのエネルギーで前記第1バッテリーを充電する第1充電制御を遂行するかを判断する車両制御器をさらに含むことができる。
【0014】
例えば、前記車両制御器は、前記第1バッテリーが充電可能な状態であるとともに前記第2バッテリーが放電可能な状態である場合、前記第1充電制御の遂行を決定することができる。
【0015】
例えば、前記車両制御器は、前記第1充電制御の遂行を決定すれば、充電指令を前記第1バッテリー制御器に伝達し、前記第1バッテリー制御器は、前記充電指令を前記第2バッテリー制御器に伝達することができる。
【0016】
例えば、前記第2バッテリー制御器は、前記第1充電制御の開始に応じて前記第2バッテリーの温度に基づいて充電電流または充電パワーを制御することができる。
【0017】
例えば、前記着脱式バッテリー部は冷却ファンをさらに含み、前記第2バッテリー制御器は、前記第1充電制御の開始に応じて車速及び前記第2バッテリーの温度に基づいて前記冷却ファンの動作を制御することができる。
【0018】
例えば、前記車両制御器は、前記第1充電制御の遂行を決定した後、前記第1バッテリーの充電状態が目標充電状態に到逹すれば、前記第1充電制御を中断することができる。
【0019】
例えば、前記目標充電状態は、前記第1バッテリーの可用エネルギー及び前記第2バッテリーの可用エネルギーに基づいて判断した総走行可能距離より全体経路が長い場合、充電予約地点または充電可能地点まで到達可能な充電状態を含むことができる。
【0020】
例えば、前記車両制御器が総所要制動量を判断すれば、油圧制動量及び回生制動量を判断する制動制御器をさらに含み、前記車両制御器は、前記判断された回生制動量による回生制動を制御するに際して前記第1バッテリーのエネルギーで前記第2バッテリーを充電する第2充電制御を遂行するかを判断することができる。
【0021】
例えば、前記車両制御器は、前記第1バッテリーが充電不可の状態であるとともに前記第2バッテリーが充電可能な状態の場合、前記第2充電制御の遂行を決定することができる。
【0022】
例えば、前記車両制御器は、前記第1バッテリーの充電不可状態による回生エネルギー損失と前記第1バッテリーのエネルギーで前記第2バッテリーを充電することによる経路損失とを比較し、前記経路損失が小さければ、前記第1バッテリーの充電状態が目標充電状態になるまで前記第2充電制御を遂行することができる。
【0023】
例えば、前記第1バッテリー制御器は、前記第2充電制御を遂行するとき、前記回生制動による回生制動実行量をモニタリングし、前記実行量の分だけ前記第2バッテリーを充電するように制御することができる。
【0024】
また、本発明の一実施例による、第1バッテリー及び前記第1バッテリーを制御する第1バッテリー制御器を備え、固定式で配置されたメインバッテリー部を含む電動化車両の電源管理方法は、前記メインバッテリー部と電気的に連結された直流変換器のコネクタに、第2バッテリー及び前記第2バッテリーを制御する第2バッテリー制御器を備える着脱式バッテリー部を連結する段階と、前記第2バッテリー制御器が前記第2バッテリーについての第2バッテリー情報を出力する段階と、前記第1バッテリー制御器が前記第2バッテリー情報を前記直流変換器を介して獲得する段階と、前記第1バッテリー制御器が前記第1バッテリーについての第1バッテリー情報及び前記獲得した第2バッテリー情報に基づいて総可用エネルギーを判断する段階とを含むことができる。
【0025】
さらに、本発明の他の実施例による電動化車両は、モーター及びインバーターを備える電力駆動部と、前記電力駆動部と電気的に連結され、第1バッテリー及び前記第1バッテリーを制御する第1バッテリー制御器を備え、前記電動化車両に固定式で配置されたメインバッテリー部と、前記電力駆動部と電気的に連結され、コネクタを備える直流変換器とを含み、前記第1バッテリー制御器は、第2バッテリー及び前記第2バッテリーを制御する第2バッテリー制御器を備える着脱式バッテリー部が前記コネクタに連結されれば、前記第2バッテリー制御器が出力する第2バッテリー情報を獲得することができる。
【発明の効果】
【0026】
上述したような本発明の多様な実施例によれば、メインバッテリーの他に着脱式バッテリーをさらに装着することができるようにすることで、不必要な車両価格上昇や重量増加を防止することができる。
【0027】
また、装着された着脱式バッテリーの状態を多様な方法で獲得し、メインバッテリーのエネルギーと統合して管理することができる。
【0028】
本発明によって得られる効果は以上で言及した効果に限定されず、言及しなかった他の効果も下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施例による着脱式バッテリーを装着した電動化車両の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施例による電動化車両の電源管理方法の一例を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施例による着脱式バッテリー部の第2バッテリー状態推定過程の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施例による電動化車両の回生制動の際の電源管理方法の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の他の実施例による着脱式バッテリーを装着した電動化車両の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して本明細書に開示する実施例を詳細に説明するにあたり、図面番号に関係なく、同一または類似の構成要素は同じ参照符号を付与し、これについての重複説明は省略する。以下の説明で使う構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は明細書作成の容易性を考慮して付与するか混用するものであり、その自体として互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示する実施例を説明するにあたり、関連した公知の技術についての具体的な説明が本明細書に開示する実施例の要旨をあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付図面は本明細書に開示する実施例を容易に理解することができるようにするためのものであるだけで、添付図面によって本明細書に開示する技術的思想が限定されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物及び代替物を含むものと理解されなければならない。
【0031】
第1、第2などのような序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使うことができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使われる。
【0032】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」されているまたは「接続」されていると言及したときには、その他の構成要素に直接的に連結されるかまたは接続されることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならないであろう。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」されているまたは「直接接続」されていると言及したときには、中間に他の構成要素が存在しないものと理解されなければならないであろう。
【0033】
単数の表現は、文脈上明白に他に指示しない限り、複数の表現も含む。
【0034】
本明細書で、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0035】
また、ハイブリッド制御器(HCU:Hybrid Control Unit)、車両統合制御器(VCU:Vehicle Control Unit)などの名称に含まれたユニット(Unit)または制御ユニット(Control Unit)は車両の特定機能を制御する制御装置(Controller)の命名に広く使われる用語であるだけで、普遍的機能ユニット(Generic function unit)を意味するものではない。例えば、それぞれの制御器は、担当する機能の制御のために、他の制御器またはセンサーと通信する通信装置、オペレーティングシステム、ロジッグ命令語及び入出力情報などを保存するメモリ、及び担当機能の制御に必要な判断、演算、決定などを遂行する一つ以上のプロセッサを含むことができる。
【0036】
本発明の一実施例によれば、電動化車両に、駆動モーターと電気的に連結されたメインバッテリーとともに着脱式(swappable)バッテリーをさらに連結することができるようにすることで、メインバッテリーの電力及び着脱式バッテリーの電力を統合して管理することを提案する。
【0037】
まず、図1を参照して実施例による電動化車両の構成を説明する。
【0038】
図1は本発明の一実施例による着脱式バッテリーを装着した電動化車両の一例を示すブロック図である。
【0039】
図1を参照すると、一実施例による電動化車両100は、着脱式バッテリー部110、直流変換器120、メインバッテリー部130、電力駆動部(PE:Power Electric)140、車両統合制御器(VCU)150、コネクタ160、スイッチ170、メインリレー180、及びペダルセンサー191、191を含むことができる。
【0040】
図1は本実施例に係わる構成要素を主として示すものであり、実際車両の具現においてはこれより少ないか多い構成要素を含むことができるというのは言うまでもない。
【0041】
以下、それぞれの構成要素を説明する。
【0042】
着脱式バッテリー部110は、第2バッテリー111及び第2バッテリー制御器(BMS:Battery Management System)112を含むことができる。第2バッテリー制御器112は第2バッテリー111の電圧、電流、温度、充電状態(SOC:State Of Charge)、耐久状態(SOH:State Of Health)などを管理し、第2バッテリー111の充放電を制御することができる。また、第2バッテリー制御器112は第2バッテリー111のSOCに対する上限及び下限を設定及び管理することができ、第2バッテリー111のセルタイプ情報、定格容量情報などを保存しておくことができる。さらに、第2バッテリー制御器112は、所定の車両通信プロトコル(例えば、CAN:Controller Area Network)を介して第2バッテリー111についての情報を外部(すなわち、直流変換器120)に伝送し、第2バッテリー111の充放電に対する指令を受信することもできる。便宜上、以下の記載で、車両通信プロトコルはCAN通信のものと仮定するが、CAN-FD(Flexible Data-rate)、イーサネットなどの他のプロトコルに取り替えられることもできるというのは当業者に明らかである。
【0043】
たとえ図1に示していないが、着脱式バッテリー部110に、第2バッテリー111の冷却のための冷却装置、例えば、空冷式ファンを備えることもできる。このような場合、第2バッテリー制御器112は、第2バッテリー111の状態や車速などによってファンの動作状態を制御することができる。もちろん、着脱式バッテリー部110は自然冷却方式で冷却することもでき、車両において着脱式バッテリー部110が装着される部分に冷却水が循環する冷却パッドを配置することで水冷式で冷却することもできる。
【0044】
一方、着脱式バッテリー部110は電動化車両のルーフ上に装着されるか、またはトランク内の空間または車両の下部空間に収容されることもでき、別途のホイールを備えることでトレーラー形態として車両に連結されることもできるが、これは例示的なものであり、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0045】
着脱式バッテリー部110はコネクタ160を介して直流変換器120と連結されることができる。ここで、連結されるとは、高電圧パワーケーブルとCAN通信ラインとがそれぞれ連結されることを意味することができる。また、直流変換器120はメインバッテリー部130と連結されることができる。すなわち、着脱式バッテリー部110は直流変換器120を介してメインバッテリー部130と電力を交換するか通信を遂行することができる。
【0046】
直流変換器120はHDC(High DC-DC Converter)タイプのものであってもよい。これは、着脱式バッテリー部110の第2バッテリー111がメインバッテリー部130の第1バッテリー131に比べて小型、すなわち、低電圧/低容量であることを想定して、第2バッテリー111の電圧を昇圧して第1バッテリー131側に伝達するためである。また、直流変換器120は、着脱式バッテリー部110の第2バッテリー制御器112とメインバッテリー部130の第1バッテリー制御器132との間の通信を中継することができる。
【0047】
具現によって、第1バッテリー131の電圧と第2バッテリー111の電圧とが同一である場合、直流変換器120は省略することもできる。第1バッテリー131の電圧より第2バッテリー111の電圧が高い場合、LDC(Low DC-DC Converter)タイプに構成されることができる。
【0048】
メインバッテリー部130は、図示のように、第1バッテリー131及び第1バッテリー制御器132を含むことができ、車両に固定型として常に装着されていることが好ましい。第1バッテリー制御器132は、始動の際(例えば、IG On、EV Readyなど)、第2バッテリー制御器112が直流変換器120に伝達した第2バッテリー111の状態情報を直流変換器120から獲得し、これに基づいて第1バッテリー131と第2バッテリー111との総エネルギーを判断することができる。仮に、第2バッテリー制御器112がSOCまたはSOH情報を提供しないでセルタイプ情報及び定格容量情報のみを提供する場合、第1バッテリー制御器111は提供された情報に基づいて第2バッテリー111のSOC及びSOHを推定することもできる。これについては図3を参照して後述する。
【0049】
また、第1バッテリー制御器132は、車両統合制御器150から充電指令を受信する場合、直流変換器120を介して第2バッテリー制御器112に充電指令を伝達することで、第2バッテリー111の電力で第1バッテリー131を充電するようにすることもできる。場合によっては、第1バッテリー131の電力で第2バッテリー111を充電するように制御することもできるというのは言うまでもない。
【0050】
メインバッテリー部130は電力駆動部140と連結されることができ、電力駆動部140はモーター及びインバーター(図示せず)を含むことができる。
【0051】
車両統合制御器150は、加速ペダル位置センサー(APS:Accelerator pedal Position Sensor)191のAPS値よって所要駆動力を判断し、ブレーキペダル位置センサー(BPS:Brake pedal Position Sensor)192のBPS値よって所要制動力を判断することができる。車両統合制御器150は、所要駆動力または所要制動力によって電力駆動部140のモーターが出力すべき駆動トークまたは回生制動トークを決定し、それによるトーク指令をモーター制御器(図示せず)またはインバーター(図示せず)に伝達することができる。また、車両統合制御器150は、走行状況や第1バッテリー131の状態によって、第1バッテリー131に対する充電または放電の指令を第1バッテリー制御器132に伝達することができる。
【0052】
さらに、車両統合制御器150は、第1バッテリー制御器132から受信した第1バッテリー131及び第2バッテリー111のそれぞれの状態情報または総可用エネルギー情報に基づいて第1バッテリー131及び第2バッテリー111のエネルギーを統合して管理することができる。
【0053】
ここで、第1バッテリー131及び第2バッテリー111の統合エネルギー管理において、着脱式バッテリーである第2バッテリー111の特性を考慮した制御が必要である。これは、一般的な高電圧バッテリーシステムではセルタイプ及び劣化度(SOH)が同一であるセルから構成されたメインバッテリーを使ったので制御が容易であったが、着脱式バッテリーが連結される場合、メインバッテリー、電圧、セルタイプ、劣化度などが異なる可能性が高いからである。
【0054】
下記の表1は多様なメインバッテリーと着脱式バッテリーとの組合例を示す。
【0055】
【表1】
【0056】
表1で、NCMはバッテリー陽極材の組成物の順にニッケル、コバルト、マンガンを意味し、NCMに続く三つの数字は10分位で示した成分比を示す。すなわち、NCM811バッテリーは、陽極材のニッケル:コバルト:マンガンの比が8:1:1であることを意味することができる。
【0057】
表1を参照すると、メインバッテリーと着脱式バッテリーとの間に、セルタイプ、容量及びSOHのうちの少なくとも一つが異なる多様な例示的組合例が示されている。
【0058】
上述したように、それぞれのバッテリーの種類や状態が異なることができるだけでなく、総可用エネルギーは第1バッテリー131及び第2バッテリー111のそれぞれのSOCを合算すると言っても、電力駆動部140のモーターは第1バッテリー131から電力を受けるので、第2バッテリー111の電力がそのまま走行距離に変換されないことがある。したがって、車両統合制御器150は、第2バッテリー111の電力で第1バッテリー131を充電するときの経路損失(例えば、第2バッテリー放電効率、直流変換器効率及び第1バッテリー充電効率など)及びバッテリー特性(セルタイプ、SOHなど)を考慮して、総可用エネルギーとは別に総走行可能距離を管理することができる。これにより、本実施例による電動化車両は、より正確な総走行可能距離情報を運転者に提供することができる。
【0059】
一方、図1に示すように、直流変換器120とメインバッテリー部130との間の高電圧パワーケーブルにはスイッチ170が配置されることができ、メインバッテリー部130と電力駆動部との間の高電圧パワーケーブルにはメインリレー180が備えられることができる。
【0060】
上述した車両の構成に基づき、実施例による電動化車両の電源管理方法を図2を参照して説明する。
【0061】
図2は本発明の一実施例による電動化車両の電源管理方法の一例を示すフローチャートである。
【0062】
図2を参照すると、着脱式バッテリー部110が車両100に装着され、直流変換器120と連結されたコネクタ160が締結(すなわち、高電圧パワーケーブル及び通信ラインが連結)されることができる(S210)。
【0063】
着脱式バッテリー部110が連結された後、始動すると(S220)、第2バッテリー制御器112、直流変換器120、及び第1バッテリー制御器132の電源が入って通信が開始し、通信を介して獲得した情報によって総可用エネルギー及び総走行可能距離を演算することができる(S230)。
【0064】
より詳細には、第2バッテリー制御器112が第2バッテリー111の情報(SOC、SOH、温度、電圧など)を直流変換器120に伝達し、直流変換器120はさらに当該情報を第1バッテリー制御器132に伝達することができる。また、第1バッテリー制御器132は第2バッテリー111のSOCと第1バッテリー131のSOCとを合算して総可用エネルギーを判断することができる。さらに、車両統合制御器150は、第1バッテリー制御器132が保有した情報に基づいて、上述したように総走行可能距離を判断することができる。
【0065】
仮に、第2バッテリー制御器112がCMU(Cell Management Unit)タイプから構成されるなど、SOC、SOH情報などを直接出力せず、セルタイプ情報や定格容量情報などの制限された情報のみを出力する場合には、第1バッテリー制御器132が第2バッテリー111の情報を推定することができる。これを図3を参照して説明する。
【0066】
図3は本発明の一実施例による着脱式バッテリー部の第2バッテリー状態推定過程の一例を示すフローチャートである。
【0067】
図3を参照すると、まず第1バッテリー制御器132が直流変換器120を介して第2バッテリー制御器112から第2バッテリー111のセルタイプ情報及び定格容量情報を受信することができる(310)。
【0068】
その後、第1バッテリー制御器132は、無負荷状態で第2バッテリー111の電圧を測定し(S320)、測定電圧に基づいてSOCを推定することができる(S330)。このために、第1バッテリー制御器132は、セルタイプ情報(NCM x/y/z、LFPなど)別に開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)に対するSOCが定義されたテーブルを保有して参照することができる。これとは違い、SOHの推定において、一定の電力で第2バッテリー111を充電し、充電電力印加量または印加時間に対する電圧上昇量を用いることもできるなど、多様な方法を適用することもできる。
【0069】
また、第1バッテリー制御器132は、第2バッテリー111に既設定の時間の間に既設定の大きさのテスト電流を印加して第2バッテリー111の内部抵抗を測定し(S340)、測定された抵抗に基づいてSOHを推定することができる(S350)。このために、第1バッテリー制御器132は、セルタイプ情報(NCM x/y/z、LFPなど)別に抵抗値に対するSOHが定義されたテーブルを保有して参照することができる。
【0070】
第1バッテリー制御器132は、推定されたSOC及びSOHと受信した定格容量情報に基づいて第2バッテリー111の可用エネルギーを演算することができる(S360)。
【0071】
ただ、図3を参照して上述した方法は、着脱式バッテリー部110に備えられた第2バッテリー111のセルタイプに対して標準化した環境で適用することが好ましい。これは標準化している場合にのみ、第1バッテリー制御器132が保有していなければならないセルタイプ別SOC-OCVテーブル及びSOH-抵抗値テーブルの適用を保障することができるからである。仮に、セルタイプ情報がテーブルに既に規定されていないセルタイプを示す場合、第1バッテリー制御器132はこのような状況を車両統合制御器150に通知することで、警告メッセージを表出するようにすることもできる。
【0072】
また、図2をまた参照すると、スイッチ170及びメインリレー180が閉じることで(S240)、第1バッテリー131の電力が電力駆動部140に伝達され、車両統合制御器150は第1バッテリー131の状態(SOC、温度)及び負荷(駆動エネルギー及び電場エネルギー含み)を考慮して第1バッテリーの充電可否を判断することができる(S250)。
【0073】
例えば、第1バッテリー131の温度が既設定の臨界温度以下であり、現在のSOCが既設定の上限SOCより低ければ、車両統合制御器150は第1バッテリー131が充電可能であると判断することができる(S250のはい)。
【0074】
仮に、現在のSOCが高くて第1バッテリー131の充電が不可であると判断されれば(S250のいいえ)、車両統合制御器150は、第1バッテリー131のSOCが一定量(△SOC)消耗されるまで待機することができる(S260)。
【0075】
その後、車両統合制御器150は、第2バッテリー111が放電可能な状態であるか、例えば、第2バッテリー111のSOCが既設定の下限SOCより大きいかを判断することができる(S270)。放電可能であると判断されれば(S270のはい)、車両統合制御器150は第1バッテリー制御器132に充電指令を伝達し、充電指令が第1バッテリー制御器132からさらに直流変換器120を介して第2バッテリー制御器112に伝達されることにより、第2バッテリー111の電力で第1バッテリー131を充電する充電制御を遂行することができる(S280)。
【0076】
充電制御(S280)過程は、温度に基づく充電マップ制御(280A)と、温度/車速に基づく冷却マップ制御(280B)とを含むことができる。
【0077】
温度に基づく充電マップ制御(280A)は、第2バッテリー制御器112が第2バッテリー111の温度による充電パワーまたは電流が定義された充電マップを参照して第2バッテリー111の放電を制御することを意味することができる。例えば、充電マップは下記の表2のような形態を有することができる。
【0078】
【表2】
【0079】
表2を参照すると、充電マップは複数の温度範囲によって充電パワーまたは充電電流がカットオフ電圧とともに定義された形態を有することができる。ただ、これは例示的なもので、多様な変形が可能であるというのは当業者に明らかである。
【0080】
次に、温度/車速に基づく冷却マップ制御(280B)は着脱式バッテリー部110の冷却方式によって冷却手段を制御することを意味することができる。例えば、着脱式バッテリー部110が冷却手段として冷却ファンを有する場合、第2バッテリー制御器112は下記の表3のような冷却マップを参照して冷却ファンを制御することができる。
【0081】
【表3】
【0082】
表3を参照すると、冷却マップは複数の温度範囲及び車速範囲によって冷却ファンの作動段数やデューティー(duty)が定義された形態を有することができる。ただ、これは例示的なもので、多様な変形が可能であるというのは当業者に明らかである。
【0083】
充電制御(S280)の過程は、第1バッテリー131のSOCが目標SOCに到逹するまで(S290のいいえ)、第2バッテリー111の放電が可能であるうち(S270のはい)持続することができる。言い換えれば、第1バッテリー131のSOCが目標SOCに到逹するか(S290のはい)、第2バッテリー111の放電が不可能になれば(S270のいいえ)、充電制御(S280)の過程を終了することができる。
【0084】
ここで、目標SOCは多様な方法で設定することができる。例えば、目標SOCは満充電(すなわち、SOC100%)を意味することもでき、第1バッテリー制御器132に既に設定されている上限SOC(BMS SOC upper limit)を意味することができる。他の例で、経路情報を車両統合制御器150が獲得した場合、全体(または往復)経路長が、第1バッテリー131及び第2バッテリー111のエネルギーを全部用いることを前提とする総走行可能距離より長い場合、充電予約地点または充電可能地点に到着するまで必要なエネルギーに基づいて目標SOCを決定することができる。さらに他の例で、使用者別に感性的な第1バッテリー131のSOC下限(すなわち、SOC低下によって不安感を感じるSOC)を目標SOCの設定にさらに考慮することもできる。
【0085】
以下では、図4を参照して回生制動時の電源管理方法を説明する。
【0086】
図4は本発明の一実施例による電動化車両の回生制動時の電源管理方法の一例を示すフローチャートである。
【0087】
図4を参照すると、ブレーキペダルを操作する(BPS on)ことにより(S410)、車両統合制御器150はBPS値に基づいて総所要制動量を判断することができる(S420)。
【0088】
統合制動制御器(例えば、iBAU:Integrated Brake Actuation Unit、図示せず)は、総所要制動量から、油圧ブレーキシステム(図示せず)で実行される摩擦制動量及びと電力駆動部140のモーターで実行される回生制動量を判断し(S430)、インバーターは、判断された回生制動量によってモーターから逆トークが印加されるように制御することで回生制動を実行することができる(S440)。
【0089】
このとき、車両統合制御器150は、第1バッテリー131が充電可能な状態であるかを判断し(S450)、充電可の状態であれば(S450のはい)、回生制動エネルギーで第1バッテリー131を充電するように第1バッテリー制御器132を制御することができる(S460)。
【0090】
これとは違い、第1バッテリー131の現在SOCが上限SOCに到逹した状態などの理由で第1バッテリー131の充電が不可な場合(S450のいいえ)、車両統合制御器150は第2バッテリー111の充電可否を判断することができる(S470)。例えば、第2バッテリー111のSOCが既設定の上限SOC未満の場合、車両統合制御器150は第2バッテリー111の充電が可能であると判断することができる。
【0091】
第2バッテリー111の充電が可能な場合(S470のはい)、車両統合制御器150は、第1バッテリー制御器132に充電指令を伝達して第1バッテリー131の電力で第2バッテリー111を充電することで第1バッテリー131の放電を誘導する充電制御を遂行することができる(S480)。
【0092】
充電制御過程(S480)は、第1モード充電制御(S480A)と、第2モード充電制御(S480B)とを含むことができる。
【0093】
第1モード充電制御(S480A)は第1バッテリー制御器132が回生充電量(エネルギー)をモニタリングし、回生充電量に対応して第2バッテリー111を充電するモードを意味することができる。
【0094】
次に、第2モード充電制御(S480B)は第1バッテリー131のSOC上限到達による追加回生制動マージンを予め考慮するモードであり、車両統合制御器150が経路情報を獲得した場合に特に有効である。具体的には、車両統合制御器150は、経路情報に基づいて前方に一定距離の経路で回生制動量を予測し、予測された回生制動量で第2バッテリー111を充電することにおける経路損失と比較する。比較結果、経路損失がより大きい場合、回生制動を遂行せず、摩擦制動によって所要制動量を実行するようにし、高地帯の長い下り坂の状況のように回生制動量が経路損失より大きい場合、第1バッテリー131の電力で第2バッテリー111を充電するように制御することができる。
【0095】
充電制御過程(S480)によって目標充電量に到逹すれば(S490のはい)、充電制御過程を終了することができる。ここで、目標充電量は既設定のSOCに相当することもでき、経路による回生制動予測量によって可変的に設定することもできるが、これは例示的なものであり、多様な設定が可能であるというのは当業者に明らかである。
【0096】
今まで説明した実施例では、着脱式バッテリー部110が直流変換器120を介してメインバッテリー部130と連結された。すなわち、第2バッテリー111のエネルギーは第1バッテリー131を充電する方式で電力駆動部140に間接的に伝達されることができた。これとは違い、本発明の他の実施例によれば、直流変換器をメインバッテリー部ではなく電力駆動部に直ちに連結することもできる。これを図5に基づいて説明する。
【0097】
図5は本発明の他の実施例による着脱式バッテリーを装着した電動化車両の一例を示すブロック図である。
【0098】
図5を参照すると、メインバッテリー部130’が電力駆動部140’に連結された形態及び着脱式バッテリー部110’が直流変換器120’に連結された形態は図1の場合と類似しているが、直流変換器120’がメインバッテリー部130’ではなく電力駆動部140’と連結される。明瞭な理解を手助けするために、車両統合制御器などの残りの構成要素の図示は省略した。
【0099】
このような場合、着脱式バッテリー部110’のエネルギーをメインバッテリー部130’に供給する代わりに、電力駆動部140’に直接伝達することができる。
【0100】
したがって、車両統合制御器(図示せず)は、バッテリーエネルギー統合管理において、メインバッテリー部130’のエネルギーを先に使い、メインバッテリー部130’のエネルギーが消尽すれば、着脱式バッテリー部110’のエネルギーを使うように順次エネルギー源を変更することができる。これとは違い、車両統合制御器は、メインバッテリー部130’のエネルギーと着脱式バッテリー部110’のエネルギーとを同時にまたは状況/効率によって選択的に使うこともできる。
【0101】
例えば、メインバッテリー部130’及び着脱式バッテリー部110’の状態が共に正常範囲の場合、高負荷走行の際には高負荷走行に相対的に有利な一側からエネルギーを供給し、低負荷走行の際には他側からエネルギーを供給することができる。ここで、一般的に、容量及び電圧の高い側が高負荷走行に有利であり得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0102】
他の例で、メインバッテリー部130’及び着脱式バッテリー部110’のうちの一方の状態が異常の場合、正常状態のバッテリー部からエネルギーを供給することができる。
【0103】
さらに他の例で、車両統合制御器が走行負荷及び各バッテリー部の状態を考慮し、システムの全体効率によって各バッテリー部の担当出力を判断することで両バッテリー部が同時にエネルギーを出力するようにすることができる。すなわち、電圧やSOCがより高いバッテリー部がより高いエネルギーを出力するようにすることができる。具体的には、メインバッテリー部130’の電圧が750Vであり、SOC 80%(すなわち、可用エネルギー60kWh)であり、着脱式バッテリー部110’の電圧が350Vであり、SOC 90%(すなわち、可用エネルギー30kwh)の場合を仮定すると、システム予想効率によって出力比は4:1~2:1になることができ、各バッテリー部の温度/SOC/電圧状態などを考慮して割当出力を可変制御することができる。
【0104】
回生制動の場合も前記放電の場合と同様に(例えば、走行負荷を所要制動力または所要回生制動力に置換)判断することができるというのは言うまでもない。
【0105】
一方、前述した本発明は、プログラムが記録された媒体にコンピュータが読めるコードで具現することが可能である。コンピュータ可読の媒体は、コンピュータシステムによって読められるデータを保存するすべての種類の記録装置を含む。コンピュータ可読の媒体の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Disk)、SDD(Silicon Disk Drive)、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記録装置などがある。よって、前記詳細な説明はすべての面で制限的に解釈されてはならなく例示的なものと見なされてはならない。本発明の範囲は特許添付の範囲の合理的解釈によって決定されなければならなく、本発明の等価的範囲内のすべての変更は本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5