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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099483
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230706BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20230706BHJP
   H05F 3/02 20060101ALN20230706BHJP
【FI】
H01L21/304 646
H01L21/304 648K
H01L21/304 643A
H01L21/304 648G
H01L21/30 564
H05F3/02 L
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196824
(22)【出願日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193592
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヨン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リ,テ フン
(72)【発明者】
【氏名】リ,サン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ド ヨン
【テーマコード(参考)】
5F146
5F157
5G067
【Fターム(参考)】
5F146JA02
5F146JA03
5F146JA25
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB22
5F157BB45
5F157BH14
5F157CF14
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF48
5F157CF60
5F157CF74
5F157CF99
5F157DA21
5G067AA42
5G067DA01
5G067EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ESD現象を防止する基板処理装置及び基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、基板Wに処理液を吐出するノズル部20と、ノズル部及び処理液を供給する処理液供給部10に連結される配管30と、配管に配置され、正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部50を含み、フィルタ部の内部を通過する処理液の流量を調節する調節弁60及びフィルタ部に電圧を印加する電源供給部のうち少なくとも1つを含んで処理液の帯電量を調節する帯電量調節部40と、帯電量調節部に連結される制御部80と、を含む。
【効果】制御部が基板の帯電状態に応じて処理液供給部から配管を介して正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部を通過した処理液の帯電量を能動的に制御し、帯電量が制御された処理液をノズル部を介して基板に吐出させることにより、基板の帯電状態を効果的に調節することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理液を吐出するノズル部と、
前記ノズル部及び処理液を供給する処理液供給部に連結される配管と、
前記配管に配置され、正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部を含み、前記フィルタ部の内部を通過する処理液の流量を調節する調節弁、及び前記フィルタ部に電圧を印加する電源供給部のうち少なくとも1つを含んで処理液の帯電量を調節する帯電量調節部と、
前記帯電量調節部に連結される制御部と、を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記フィルタ部は、互いに異なる電荷に帯電する少なくとも2つのフィルタを含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記配管は、並列に分岐する第1分岐配管及び第2分岐配管を含み、
前記フィルタ部は、前記第1分岐配管に配置され、正電荷に帯電する第1フィルタ、及び前記第2分岐配管に配置され、負電荷に帯電する第2フィルタを含む、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記帯電量調節部は、前記第1分岐配管と第2分岐配管との合流点に配置され、前記制御部に連結されて前記第1分岐配管及び第2分岐配管を通過する処理液の流量を調節する前記調節弁を含む、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1フィルタは負電荷に帯電した多孔性膜を含み、第2フィルタは正電荷に帯電した多孔性膜を含む、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記フィルタ部は、負電荷又は正電荷に帯電する少なくとも1つのフィルタを含み、
前記帯電量調節部は、前記制御部に連結され、前記少なくとも1つのフィルタに電圧を印加する電源供給部を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記配管は、並列に分岐する第1分岐配管及び第2分岐配管を含み、
前記フィルタ部は、前記第1分岐配管に配置され、正電荷に帯電する第1フィルタ、及び前記第2分岐配管に配置され、負電荷に帯電する第2フィルタを含み、
前記電源供給部は、前記第1フィルタに正電荷を印加する第1電源供給部、及び前記第2フィルタに負電荷を印加する第2電源供給部を含む、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記フィルタ部は1つのフィルタを含み、前記電源供給部は前記フィルタに基板の帯電状態に対応する電圧を印加する、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ノズル部は、基板に処理液を噴射するノズルチップ、及び一端にノズルチップが連結されるノズルアームを含み、前記フィルタ部は前記ノズルアームに設置される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記処理液の供給方向において前記フィルタ部の上流及び下流に連結され、前記フィルタ部の上流及び下流を通過する処理液の電圧差を測定する電圧差測定部を含み、
前記制御部は、前記電圧差測定部の測定結果を考慮して前記帯電量調節部を制御するように構成された、請求項1から9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記処理液供給部の流出口部に連結された配管と前記処理液の供給方向において前記フィルタ部の下流に連結され、前記処理液供給部の流出口部に連結された配管と前記フィルタ部の下流を通過する処理液の電圧差を測定する電圧差測定部を含み、
前記制御部は、前記電圧差測定部の測定結果を考慮して前記帯電量調節部を制御するように構成された、請求項1から9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
基板の帯電状態を検出する検出部を含み、
前記制御部は、前記検出部に連結されて前記検出部から基板の帯電状態に関する検出信号の伝達を受け、前記検出信号に応じて前記電荷量調節部を制御するように構成された、請求項1から9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記検出部は電場測定器である、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記検出部は、前記ノズル部が配置されるノズルアームに設置される、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項15】
内部に基板を処理する空間が提供される処理容器と、
前記処理容器の内部に配置されて基板を支持する基板支持部材と、
基板に処理液を吐出するノズルチップ、一端に前記ノズルチップが連結されるノズルアーム、及び前記ノズルアームを支持するノズルアーム支持部材を含むノズル部と、
一部が前記ノズルアームの内部に配置され、前記ノズルチップ及び処理液を供給する処理液供給部に連結される配管と、
前記配管に並列に配置され、正電荷に帯電する第1フィルタ及び負電荷に帯電する第2フィルタ、並びに第1フィルタ及び第2フィルタが配置された前記配管の下流側の合流点に配置され、前記第1フィルタ及び第2フィルタを通過する処理液の流量を調節する調節弁を含む帯電量調節部と、
基板の帯電状態を検出する検出部と、
前記調節弁及び検出部に連結され、前記検出部から検出された基板の帯電状態に応じて前記調節弁を制御する制御部と、を含む、基板処理装置。
【請求項16】
前記帯電量調節部は、前記ノズルチップに隣接する前記ノズルアームに設置される、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記検出部は前記ノズルアームに設置される、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記配管は、並列に分岐する第1分岐配管及び第2分岐配管を含み、
前記第1フィルタは前記第1分岐配管に配置され、前記第2フィルタは前記第1分岐配管に配置され、
前記基板処理装置は、前記処理液の供給方向において、前記第1分岐配管と第2分岐配管の分岐点の上流及び合流点の下流に連結され、前記第1分岐配管と第2分岐配管の分岐点の上流及び合流点の下流を通過する処理液の電圧差を測定する電圧差測定部を含み、
前記制御部は、前記電圧差測定部の測定結果を考慮して前記調節弁を制御するように構成された、請求項15から17のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記処理液供給部の流出口部に連結された配管と前記処理液の供給方向において前記第1フィルタ及び第2フィルタが配置された前記配管の合流点の下流に連結され、前記処理液供給部の流出口部に連結された配管と前記第1フィルタ及び第2フィルタが配置された前記配管の合流点の下流を通過する処理液の電圧差を測定する電圧差測定部を含み、
前記制御部は、前記電圧差測定部の測定結果を考慮して前記調節弁を制御するように構成された、請求項15から17のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項20】
基板の帯電状態を検出する検出段階と、
検出された前記基板の帯電状態に応じて正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部を通過した処理液の帯電量を制御する制御段階と、
前記帯電量が制御された処理液を前記基板に吐出する吐出段階と、を含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関し、より詳細には、フィルタ部を通過する処理液の帯電量を制御して基板に吐出させることにより、基板の帯電状態を調節することができる基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程では、半導体ウエハなどの被処理基板に処理液を供給して液処理を行う基板処理装置が使用される。このような基板処理装置は、液体の金属物質など不純物を除去するために、一定電荷に帯電した多孔性フィルタが用いられることができる。基板処理の過程では、基板に向かってノズルから吐出される処理液又は基板の静電気の問題によりパーティクルが付着して汚染されたり、基板に静電気放電などが発生したりして基板の不良を引き起こすことがある。
【0003】
一般に、このような問題点を解決するために様々な方法が提示されているが、一例として、処理液を吐出するノズル部に除電素材をコーティングして処理液を除電させる方式、基板処理空間に別途の光源部を配置させてノズル部から吐出された処理液に光線を照射して除電するなどの方法が適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許番号10-2019-0015666A(2019.02.14)
【特許文献2】韓国公開特許番号10-2019-0010630A(2019.01.30)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、基板の帯電状態を効果的に調節することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一実施例によると、基板に処理液を吐出するノズル部と、上記ノズル部及び処理液を供給する処理液供給部に連結される配管と、上記配管に配置され、正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部を含み、上記フィルタ部の内部を通過する処理液の流量を調節する調節弁及び上記フィルタ部に電圧を印加する電源供給部のうち少なくとも1つを含んで処理液の帯電量を調節する帯電量調節部と、上記帯電量調節部に連結される制御部と、を含む、基板処理装置を提供する。
【0007】
また、本発明の他の一実施例によると、内部に基板を処理する空間が提供される処理容器と、上記処理容器の内部に配置されて基板を支持する基板支持部材と、基板に処理液を吐出するノズルチップ(tip)、一端に上記ノズルチップが連結されるノズルアーム及び上記ノズルアームを支持するノズルアーム支持部材を含むノズル部と、一部が上記ノズルアームの内部に配置され、上記ノズルチップ及び処理液を供給する処理液供給部に連結される配管と、上記配管に並列に配置され、正電荷に帯電する第1フィルタ及び負電荷に帯電する第2フィルタ、並びに上記第1フィルタ及び第2フィルタが配置された上記配管の下流側の合流点に配置され、上記第1フィルタ及び第2フィルタを通過する処理液の流量を調節する調節弁を含む帯電量調節部と、基板の帯電状態を検出する検出部と、上記調節弁及び検出部に連結されて上記検出部から検出された基板の帯電状態に応じて上記調節弁を制御する制御部と、を含む、基板処理装置をさらに提供する。
【0008】
また、本発明のさらに他の一実施例によると、基板の帯電状態を検出する検出段階と、検出された上記基板の帯電状態に応じて正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部を通過した処理液の帯電量を制御する制御段階と、上記帯電量が制御された処理液を上記基板に吐出する吐出段階と、を含む、基板処理方法をさらに提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の基板処理装置によると、制御部が基板の帯電状態に応じて処理液供給部から配管を介して正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部を通過した処理液の帯電量を能動的に制御し、帯電量が制御された処理液をノズル部を介して基板に吐出させることにより、基板の帯電状態を効果的に調節することができ、基板に帯電した静電気を除去して基板と処理液とが当接する際に発現するESD(Electro Static Discharge)現象などを防止することができる。さらに、基板のアーキング(Arcing)などの問題による基板の不良の発生を効果的に防止することができる。
【0010】
一方、本発明の基板処理方法によると、基板の帯電状態に応じて正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部を通過した処理液の帯電量を能動的に制御して基板に吐出させることにより、基板の帯電状態を効果的に調節することができるため、基板に帯電した静電気を除去して基板と処理液とが当接する際に発現するESD現象などを防止することができる。さらに、基板のアーキングなどの問題による基板の不良の発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例による基板処理装置の概略図である。
図2】本発明の一実施例による基板処理装置に提供されるフィルタ部の概略図である。
図3】本発明の一実施例による基板処理装置に提供されるフィルタ部の断面の概略図である。
図4図3のフィルタ部を適用した基板処理装置の概略図である。
図5】本発明の一実施例による基板処理装置に提供される他のフィルタ部の断面の概略図である。
図6】本発明の一実施例によるさらに他の構造を有するフィルタ部を適用した基板処理装置の概略図である。
図7】本発明の実施例による互いに異なる電圧差の測定位置が示された基板処理装置の概略図である。
図8】本発明の実施例による互いに異なる電圧差の測定位置が示された基板処理装置の概略図である。
図9】本発明の他の実施例による基板処理装置の概略図である。
図10】本発明のさらに他の実施例による基板処理装置の概略図である。
図11】本発明の一実施例による基板処理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように好ましい実施例を詳細に説明する。但し、本発明の好ましい実施例を詳細に説明するに当たり、関連する公知の機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、類似の機能及び作用をする部分については、図面全体にわたって同じ符号を使用する。なお、本明細書において、「上」、「上部」、「上面」、「下」、「下部」、「下面」、「側面」等の用語は、図面を基準としたものであり、実際には構成要素が配置される方向によって変わることができる。
【0013】
さらに、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているというとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素を「含む」とは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0014】
一般に、半導体の製造工程において、半導体ウエハ等の被処理基板に処理液を供給して液処理を行う基板処理装置は、基板処理過程において、基板に向かってノズルから吐出される処理液又は基板の静電気の問題によりパーティクルが付着して汚染されたり、基板に静電気放電等が発生したりすることで、基板の不良を引き起こすことがある。
【0015】
このような問題点を解決するために、従来には、処理液を吐出するノズル部に除電素材をコーティングして処理液を除電させる方式や、基板処理空間に別途の光源部を配置させ、ノズル部から吐出された処理液に光線を照射して除電するなどの方法が適用されていたが、このような方法により処理液が除電された状態で基板に吐出されるため、基板に静電気が存在する場合や、基板との摩擦等による基板の帯電状態を制御することができなかった。
【0016】
本発明は、このような問題を解決するために提供されたものであり、本発明による基板処理装置は、基板を処理するための装置であって、様々な工程に使用されることができる。一例として、本発明の基板処理装置は、フォト工程に使用されることができ、具体的に、塗布段階、洗浄段階、現像段階などに使用され、感光液、シンナー、洗浄液、現像液などの処理液を、処理液供給手段を用いて基板に提供することで基板を処理することができる。さらに、洗浄工程などの他の基板処理工程にも使用されることができる。
【0017】
以下では、図面を参照して、本発明の基板処理装置の第1実施形態及び第2実施形態について説明する。
【0018】
第1実施形態
実施例1
図1図4を参照して基板処理装置の実施例1について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施例1による基板処理装置の概略図である。図1を参照すると、本発明の一実施例による基板処理装置は、密閉された処理チャンバS内に位置し、内部に基板Wを処理する空間が提供される処理容器1、処理容器1の内部に配置されて基板Wを支持する基板支持部材2、及び基板Wに処理液を供給する処理液供給ユニットを含むことができる。
【0020】
処理容器1は、処理液の吐出時に、基板Wから飛散する処理液を受けて処理容器1の処理液回収ライン6を介して回収することができる。
【0021】
基板支持部材2は、処理容器1の内部で基板Wを回転及び上下移動可能に支持するスピンチャック3、及びスピンチャック3を駆動する駆動部4を含むことができる。したがって、基板処理時に、スピンチャック3により基板Wが回転支持された状態で処理液供給ユニットを介して処理液を基板Wに供給して基板Wを処理することができる。
【0022】
処理液供給ユニットは、処理液供給部10、ノズル部20、配管30及び帯電量調節部40を含むことができる。
【0023】
処理液供給部10は、処理液を貯蔵する構成、あるいは貯蔵された処理液をノズル部20に供給する構成であって、基板Wに向かって処理液を吐出するノズル部20に配管30を介して連結され、ノズル部20に処理液を供給することができる。処理液供給部10に貯蔵される処理液は、感光液、シンナー(Thinner)などの塗布液、現像液、脱イオン液、洗浄液などであってもよいが、これらに限定されるものではなく、実際の工程の必要に応じて様々な処理液を適用して基板処理工程を行うことができる。
【0024】
ノズル部20は、基板に処理液を吐出するものであって、配管30を介して処理液供給部10に連結される。ノズル部20は、基板に処理液を吐出するノズルチップ21、及び一端にノズルチップ21が連結されるノズルアーム22を含むことができる。ノズルアーム22の他端はノズルアーム支持部材23に連結され、ノズルアーム支持部材23を介してノズルアーム21が工程処理の必要に応じて移動することができる。
【0025】
帯電量調節部40は、処理液供給部10とノズル部20との間の配管30に配置され、帯電量調節部40を介してノズル部20のノズルチップ21に吐出される処理液の帯電量を変化させるように構成される。
【0026】
また、ノズル部20(具体的には、ノズルチップ21)から吐出される処理液の帯電量を精密に制御するために、フィルタ部50はノズルチップ21に隣接する配管30に配置されてもよい。すなわち、配管30は、一部分がノズルアーム22の内部に配置されてもよく、フィルタ部50はノズルチップ21に隣接するノズルアーム22の内部の配管に配置されてもよい。
【0027】
帯電量調節部40は、正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部50を含み、フィルタ部50の内部を通過する処理液の流量を調節する調節弁60を含んでフィルタ部50を通過した処理液の帯電量を調節するように構成されることができる。
【0028】
ここで、事前に説明すべきことは、本発明において、フィルタ部50が負電荷又は正電荷に帯電するように構成するとは、第1実施形態に適用されたように、事前にプラズマなどの処理によって負電荷又は正電荷に帯電処理され得るか、負電荷又は正電荷に帯電しやすい物質を含んで処理液が通過する際に処理液との摩擦によって負電荷又は正電荷に帯電するか、後述する第2実施形態に適用されたように必要に応じて電圧を印加する帯電装置によって負電荷又は正電荷に帯電し得るという意味であるという点である。
【0029】
実施例1では、電源供給部を含まずにフィルタ部50の内部を通過する処理液の流量を調節する調節弁60を含む帯電量調節部40について説明する。この場合、フィルタ部50は、事前に負電荷又は正電荷に帯電処理されるか、負電荷又は正電荷に帯電しやすい物質を含むことができ、これについては、以下で図1図4を参照して具体的に後述する。
【0030】
処理液中のイオンは、このような特定の電荷に帯電するフィルタ部50を通過すると、流動電流が発生するため、処理液はフィルタ部50を通過した後、一定量の電荷が多くなるにつれて特定の電荷に帯電し、ノズル部20を介して基板Wに吐出されることができる。
【0031】
また、基板処理装置は、配管30内において処理液の帯電量を制御する制御部80を含むことができる。具体的に、本実施例において、制御部80は、基板Wの帯電状態に応じて帯電量調節部40のフィルタ部50を通過する処理液の流量を調節する調節弁60を制御するように構成される。
【0032】
制御部80は、様々な方式でフィルタ部50を通過した処理液の帯電量を制御することができる。ここで、フィルタ部50は、複数個のフィルタを含み、制御部80は、基板Wの帯電状態に応じて処理液が選択的にフィルタを通過することによって処理液の帯電量を制御することができる。また、フィルタ部50は複数個のフィルタを含み、制御部80は、基板Wの帯電状態に応じて各フィルタを通過する処理液の流量を調節することによって処理液の帯電量を制御することもできる。図1では、フィルタ部50が2つのフィルタを含む場合を示しているが、これに限定されるものではなく、必要に応じて1つ又は3つ以上のフィルタを含んでもよい。
【0033】
本発明の実施例1による基板処理装置によると、制御部80は、基板Wの帯電状態に応じて処理液供給部10から配管30を介して正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部50を通過した処理液の流量を調節する調節弁60を調節することにより、ノズル部20に流動する処理液の帯電量を能動的に制御し、帯電量が制御された処理液をノズル部20を介して基板Wに吐出させることによって基板の帯電状態を効果的に調節することができる。これにより、基板に帯電した静電気を除去し、基板と処理液とが当接する際に発現するESD現象を防止することができる。さらに、基板のアーキングなどの問題による基板の不良の発生を効果的に防止することができる。また、基板の帯電状態を効果的に調節することができるため、基板が次の工程に適した帯電状態を有するように制御することができる。一例として、フォト工程の塗布段階において、負電荷に帯電しているシンナー層が塗布された基板Wに感光液を吐出する場合、制御部80は、負電荷に帯電した基板Wの帯電状態に応じて、フィルタ部50を通過した感光液の流量を調節弁60によって調節し、感光液が正電荷に帯電するように制御することにより、負電荷に帯電した基板Wにノズル部20を介して正電荷に帯電した感光液を吐出して中和させることで、基板Wが中性を示すようにすることができる。
【0034】
他の一例として、フォト工程の現像段階において、基板Wの現像させる表面の下層が、正電荷に帯電しやすい物質で積層されている状態である場合、制御部80は、フィルタ部50を通過した現像液の流量を調節弁60によって調節して負電荷に帯電するように制御することにより、基板Wに負電荷に帯電した現像液をノズル部20を介して吐出して中和させることで、基板Wへの現像処理時に、基板Wの下層の物質が正電荷に帯電することを効果的に抑制することができる。
【0035】
具体的に、フィルタ部50は、互いに異なる電荷に帯電する少なくとも2つのフィルタを含むことができる。図1に示すように、上記フィルタ部50は、正電荷に帯電する第1フィルタ51、及び負電荷に帯電する第2フィルタ52を含むことができる。ここで、第1フィルタ51及び第2フィルタ52は並列に連結された構造で示されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、直列に連結されてもよいことは言うまでもない。
【0036】
図2は、本発明の一実施例による基板処理装置に提供されるフィルタ部の概略図であり、図3は、本発明の一実施例による基板処理装置に提供されるフィルタ部の断面の概略図であり、図4は、図3に示すフィルタ部を適用した基板処理装置の概略図である。
【0037】
図2及び図3を参照すると、フィルタ部50において正電荷に帯電する第1フィルタ51の場合、処理液が第1フィルタ51を通過するとき、処理液中の正電荷は、正電荷に帯電する第1フィルタ51との電荷反発により拒否されて第1フィルタ51を通過し難くなるのに対し、処理液中の負電荷は、第1フィルタ51と電荷吸引により第1フィルタ51を容易に通過することができる。これにより、第1フィルタ51を通過した処理液は、全体的に負電荷に帯電してノズル部20を介して基板Wに吐出されることができる。
【0038】
同様に、フィルタ部50において負電荷に帯電する第2フィルタ52の場合、処理液が第2フィルタ52を通過するとき、処理液中の負電荷は、負電荷に帯電する第2フィルタ52の電荷反発により拒否されて第2フィルタ52を通過し難くなるのに対し、処理液中の正電荷は、第2フィルタ52と電荷吸引により第2フィルタ52を容易に通過することができる。これにより、第2フィルタ52を通過した処理液は、全体的に正電荷に帯電してノズル部20を介して基板Wに吐出されることができる。
【0039】
第1フィルタ51は正電荷に帯電した多孔性膜を含み、第2フィルタ52は負電荷に帯電した多孔性膜を含むことができる。
【0040】
一例として、図3及び図4に示すように、第1フィルタ51及び第2フィルタ52は、それぞれ正電荷及び負電荷に帯電した多孔性膜からなる本体50a及び処理液の流動方向に沿って本体50aの上流側の一側面から下流側の他側面に貫通形成される複数個の貫通孔50bを含むことができる。このような複数個の貫通孔50bを介して処理液の流動を円滑に実現することができる。図3に示すように、このような貫通孔50bは同じ直径で形成されてもよい。
【0041】
図3において、フィルタ部に連結された配管が同じ直径を有する形態で構成されているが、これに限定されるものではなく、フィルタ部が配置されている部分の配管は、処理液がフィルタ部を容易に通過して円滑な流動を成すために、処理液の流動方向に沿って直径が徐々に大きくなる拡張管の形態で実現されてもよい。
【0042】
フィルタ部50が第1フィルタ51及び第2フィルタ352を含む場合、第1フィルタ51及び第2フィルタ52は並列に連結され、第1フィルタ51及び第2フィルタ52を通過する処理液の流量を調節する方式で制御することができる。以下では、図4を参照して、第1フィルタ51及び第2フィルタ52を含むフィルタ部50を通過する処理液の流量を調節する方法について説明する。
【0043】
具体的に、図4を参照すると、配管30は、並列に分岐する第1分岐配管31及び第2分岐配管32を含むことができる。フィルタ部50の第1フィルタ51は第1分岐配管31に配置され、第2フィルタ52は第2分岐配管32に配置されることができる。このとき、調節弁60は、第1分岐配管31と第2分岐配管32の合流点に配置され、制御部80に連結されて、第1分岐配管31及び第2分岐配管32を通過する過程で第1フィルタ51及び第2フィルタ52をそれぞれ通過した処理液の流量を全体的に調節することができる。具体的に、ノズル部20に供給される処理液が正電荷に帯電する必要がある場合、第1分岐配管31を通過しながら正電荷の帯電状態である第1フィルタ51を介して負電荷に帯電した処理液の流量を、第2分岐配管32を通過しながら負電荷の帯電状態である第2フィルタ52を介して正電荷に帯電した処理液の流量より多くなるように、調節弁60を制御することができる。
【0044】
一例として、制御部80は、上記基板Wの帯電極性とは反対の帯電極性を有する処理液を、上記基板Wに供給するように調節弁60を制御することができる。基板Wの被処理面が正電荷に帯電した状態である場合、第1フィルタ51及び第2フィルタ52を通過する処理液の流量を調節し、最終的にノズル部20を介して吐出される処理液が負電荷に帯電した状態で基板に吐出されて基板と中和されることで、基板の静電気を除去することができる。さらに、基板上のパーティクルをトラップして除去する効果も発生させることができる。
【0045】
本発明による基板処理装置は、基板Wの帯電状態を検出する検出部90を含むことができる。制御部80は、検出部90から基板Wの帯電状態に関する検出信号の伝達を受け、上記検出信号に応じて調節弁60を制御して処理液の帯電量を調節するように構成されることができる。このような検出部90は様々な形態で実現されることができる。一例として、検出部90として静電気測定装置を用いることができ、具体的に、基板Wに接触が発生しない非接触状態で測定が可能な電場測定器を用いて、基板Wの表面によって形成された静電場を検出することができる。検出部90によって検出された検出信号は、制御部80に伝達され、制御部80が調節弁60を制御してフィルタ部50を通過した処理液の帯電量を調節することができる。
【0046】
このような検出部90は、処理空間内において様々な位置に配置されることができる。図4に示すように、検出部90は、ノズル部のノズルアーム22とは別に構成された検出部支持アーム91によって支持され、基板Wの上方の一側に配置されることにより基板Wの帯電状態を検出することができる。さらに、検出部支持アーム91は、検出部90が処理空間内の様々な位置に移動して様々な位置における基板の帯電状態を検出できるように、検出部90を移動可能に支持することができる。
【0047】
本実施例において、検出部として電場測定器を使用することを例に挙げて説明したが、検出部はこれに限定されず、基板の帯電状態を検出できる限り、イオン検出器など、様々な形態で実現できることは言うまでもない。
【0048】
本発明の実施例1による基板処理装置によると、制御部50が、検出部90を介して検出された基板の帯電状態に関する検出信号に応じて、処理液供給部から配管を介して並列に連結されて正電荷に帯電した第1フィルタ51を通過する処理液、及び負電荷に帯電した第2フィルタ52を通過する処理液の流量を調節弁60によって調節することにより、最終的に第1フィルタ51及び第2フィルタ52を通過して合流した処理液の帯電量を能動的に制御し、ノズル部20を介して基板Wに吐出させることにより、基板Wの帯電状態を効果的に調節することができ、基板Wに帯電した静電気を除去することで、基板Wと処理液とが当接する際に発現するESD現象などを防止することができる。さらに、基板Wのアーキングなどの問題による基板の不良の発生を効果的に防止することができる。
【0049】
特に、本発明の実施例1による基板処理装置は、フィルタ部50及びフィルタ部50を通過する調節弁60を含む帯電量調節部40によって、簡単な構造で容易に処理液の帯電量を調節することができる。さらに、並列に配置され、正電荷に帯電した第1フィルタ51及び負電荷に帯電した第2フィルタ52を通過した処理液の流量を調節弁60によって調節し、混合された処理液の帯電量を容易に調節することができ、第1フィルタ51及び第2フィルタ52を含むフィルタ部50と、調節弁60を含む帯電量調節部40とをノズルアーム22に配置された配管30に設置することにより、ノズル部20と一体に組み立てられた構造にも適用することができ、単純化構造を実現することができ、製造コストを下げることができる。
【0050】
実施例1の変形例1
図5は、本発明の実施例1の変形例1による基板処理装置に提供されるフィルタ部の断面の概略図である。
【0051】
本発明の実施例1の変形例1による基板処理装置については、図5を参照して説明する。この変形例において、フィルタ部450を除く構成は、実施例1の構成と同様に適用することができ、よって、重複を避けるために同一構成に対する説明は省略する。
【0052】
図5を参照すると、フィルタ部450の第1フィルタ及び第2フィルタは、正電荷と負電荷に帯電した多孔性膜からなる本体450a、及び処理液の流動方向に沿って本体450aの上流側の一側面から下流側の他側面に貫通形成される複数個の貫通孔450bを含むことができる。フィルタ部450の第1フィルタ又は第2フィルタの貫通孔40cは、本体40aの上流側の一側面から下流側の他側面に孔径が徐々に拡張するテーパ形状を有するように構成されてもよい。このような複数個の貫通孔50bを介して処理液の流動を円滑に実現することができる。しかし、本発明によるフィルタ部50は、このような形態に限定されるものではなく、処理液の円滑な流動を確保するとともに特定の電荷を通過することができれば、様々な形態で実現されてもよい。
【0053】
実施例1の変形例2
図6は、本発明の実施例1の変形例2によるさらに他の構造を有するフィルタ部を適用した基板処理装置の概略図である。
【0054】
本発明の実施例1の変形例2による基板処理装置については、図6を参照して説明する。本変形例において、フィルタ部350を除く構成は、実施例1の構成と同様に適用することができ、よって、重複を避けるために同一構成に対する説明は省略する。
【0055】
実施例1の変形例2において、図6を参照すると、フィルタ部350は、フィルタハウジング350a内に負電荷又は正電荷に帯電した重合単量体がコーティングされた多孔性膜350bが固定された構造を有することができる。具体的に、フィルタ部350が正電荷に帯電する第1フィルタ351及び負電荷に帯電する第2フィルタ352を含む場合、第1フィルタ351は、正電荷に帯電した重合単量体がコーティングされた多孔性膜350bが固定された構造を有することができ、第2フィルタ352は、負電荷に帯電した重合単量体がコーティングされた多孔性膜350bが固定された構造を有することができる。ここで、正電荷又は負電荷に帯電した重合単量体は、処理液と反応する役割として作用するものではなく、処理液との反応なしに処理液中の重合単量体とは反対の極性のイオンは通過させ、同じ極性のイオンは通過させないようにする役割として作用することを理解すべきである。
【0056】
第1フィルタ351及び第2フィルタ352を通過する処理液の流量を調節する方式は、実施例1による第1フィルタ51及び第2フィルタ52を通過する処理液の流量を調節する方式と同様であるため、ここでは省略する。
【0057】
実施例1の変形例3
図7は、本発明の実施例1の変形例3による電圧差測定部を含む基板処理装置の概略図である。
【0058】
本発明の実施例1の変形例3による基板処理装置については、図7を参照して説明する。本変形例において、電圧差測定部を除く構成は、実施例1の構成と同様に適用することができ、よって、重複を避けるために同一構成に対する説明は省略する。
【0059】
実施例1の変形例3による基板処理装置は、電圧差測定部をさらに含むことができる。
【0060】
図7に示すように、電圧差測定部は、上記処理液の供給方向において上記フィルタ部50の上流及び下流に連結され、上記フィルタ部50の上流及び下流を通過する処理液の電圧差を測定することができる。具体的に、電圧差測定部は、処理液の供給方向において、上記第1フィルタ51及び第2フィルタ52が配置された上記配管30の分岐点33(第1分岐配管31と第2分岐配管32とが分岐した地点)の上流及び合流点34(第1分岐配管31と第2分岐配管32とが合流した地点)の下流に連結され、上記第1フィルタ51及び第2フィルタ52が配置された上記配管の分岐点33の上流及び合流点34の下流を通過する処理液の電圧差を測定することができる。この場合、制御部80は、上記電圧差測定部の測定結果を考慮して調節弁60を制御するように構成されてもよい。したがって、制御部80は、基板Wの帯電状態に応じてフィルタ部50の通過前後における処理液の電圧差のフィードバックを受け、基板Wに吐出される処理液の帯電量をより正確に制御することができる。
【0061】
実施例1の変形例4
図8は、本発明の実施例1の変形例4による電圧差測定部を含む基板処理装置の概略図である。
【0062】
本発明の実施例1の変形例4による基板処理装置については、図8を参照して説明する。本変形例において、電圧差測定部を除く構成は、実施例1の構成と同様に適用することができ、よって、重複を避けるために同一構成に対する説明は省略する。
【0063】
実施例1の変形例4による基板処理装置は、電圧差測定部をさらに含むことができる。
【0064】
また、他の一例として、図8に示すように、電圧差測定部は、上記処理液供給部10の流出口部に連結された配管35と上記処理液の供給方向において上記フィルタ部50の下流に連結され、上記処理液供給部10の流出口部に連結された配管35と上記フィルタ部50の下流を通過する処理液の電圧差を測定することができる。具体的に、電圧差測定部は、上記処理液供給部10の流出口部に連結された配管35と、上記処理液の供給方向において上記第1フィルタ51及び第2フィルタ52が配置された上記配管の合流点34(第1分岐配管31と第2分岐配管とが合流した地点)の下流に連結され、上記処理液供給部10の流出口部に連結された配管35と上記第1フィルタ51及び第2フィルタ52が配置された上記配管の合流点34の下流を通過する処理液の電圧差を測定することができる。この場合、制御部80は、上記電圧差測定部の測定結果を考慮して調節弁60を制御するように構成されてもよい。
【0065】
以上において、第1実施形態の実施例1、実施例1の変形例1~変形例4による基板処理装置は並列に配置され、事前に正電荷に帯電した第1フィルタ及び第2フィルタ、並びに調節弁を含む帯電量調節部が適用された構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な形態で実現することができる。以下では、第2実施形態による基板処理装置について説明する。
【0066】
第2実施形態
実施例2
図9は、本発明の実施例2による電源供給部を含む帯電量調節部が適用された基板処理装置を示す例示図である。
【0067】
本発明の実施例2による基板処理装置については、図9を参照して説明する。帯電量調節部140及び検出部190を除く構成は、第1実施形態の実施例1の構成と同様に適用することができ、よって、重複を避けるために同一構成に対する説明は省略する。
【0068】
図9を参照すると、本実施例による帯電量調節部140は、フィルタ部150に電圧を供給する電源供給部170を提供し、基板Wの帯電状態に対応する電圧を印加して正電荷又は負電荷に帯電するように実現することができる。
【0069】
フィルタ部150は少なくとも1つのフィルタを含むことができ、電源供給部170は必要に応じて1つ又はフィルタの数に対応して提供することができる。
【0070】
実施例2では、図9を参照して並列に配置され、正電荷に帯電する第1フィルタ151及び負電荷に帯電する第2フィルタ152を含むフィルタ部150、第1フィルタ151及び第2フィルタ152を通過する処理液の流量を調節する調節弁60、並びに第1フィルタ151に電圧を印加する第1電源供給部171及び第2フィルタ152に電圧を印加する第2供給部172を含む電源供給部170を含む帯電量調節部140を一例として説明する。
【0071】
図9を参照すると、基板処理装置の帯電量調節部140は制御部180に連結され、第1フィルタ151に正電荷を印加する第1電源供給部171及び制御部180に連結され、上記第2フィルタ152に負電荷を印加する第2電源供給部172をさらに含むことができる。制御部180は、基板Wの帯電状態に応じて第1電源供給部171及び第2電源供給部172の動作を制御する。第1電源供給部171及び第2電源供給部172は、フィルタ部150に電圧が一定の固定電圧を印加することができる。この場合、第1フィルタ151及び第2フィルタ152は、図8に示すように並列に配置され、調節弁60を介して正電荷に帯電した第1フィルタ151及び負電荷に帯電した第2フィルタ152を通過する処理液の流量を、実施例1の調節方式と同様に調節することにより、処理液の帯電量を制御することができる。これに関する具体的な説明は、重複を避けるために省略する。
【0072】
基板処理装置は、さらに、基板Wの帯電状態を検出する検出部190を含むことができる。制御部180は、検出部190から基板Wの帯電状態に関する検出信号の伝達を受け、上記検出信号に応じて調節弁60を制御して処理液の帯電量を調節するように構成されることができる。このような検出部190は様々な形態で実現されてもよく、一例としては、検出部190として静電気測定装置を用いることができ、具体的に、基板Wに接触が発生しない非接触状態で測定可能な電場測定器を用いて基板Wの表面によって形成された静電場を検出することができる。検出部190によって検出された検出信号は、制御部180に伝達され、制御部180が調節弁60を制御して、フィルタ部150を通過した処理液の帯電量を調節することができる。
【0073】
このような検出部90は、処理空間内において様々な位置に配置されることができる。図9に示すように、検出部90は、ノズルチップ21が連結されたノズルアーム22に設置され、ノズルアーム20と一体に移動することができる。
【0074】
一方、本発明の実施例2による基板処理装置は、上記実施例1の変形例3又は実施例1の変形例4と同様の電圧差測定部を含むことができ、これについては、以下で簡単に説明する。
【0075】
第1実施形態の実施例1の変形例3で参考にした図7に示す電圧差測定部の電圧差測定位置と同様に、電圧差測定部は、処理液の供給方向において上記第1フィルタ151及び第2フィルタ152が配置された上記配管30の分岐点33(第1分岐配管31と第2分岐配管32とが分岐した地点)の上流及び合流点34(第1分岐配管31と第2分岐配管32とが合流した地点)の下流に連結され、上記第1フィルタ151及び第2フィルタ152が配置された上記配管の分岐点33の上流及び合流点34の下流を通過する処理液の電圧差を測定することができる。この場合、制御部180は、上記電圧差測定部の測定結果を考慮して調節弁60、第1電源供給部171及び第2電源供給部172を制御するように構成されてもよい。したがって、制御部180は、基板Wの帯電状態に応じてフィルタ部150の通過前後における処理液の電圧差のフィードバックを受け、基板Wに吐出される処理液の帯電量をより正確に制御することができる。
【0076】
また、第1実施形態の実施例1の変形例4で参考にした図8に示す電圧差測定部の電圧差測定位置と同様に、電圧差測定部は、処理液供給部10の流出口部に連結された配管35と、上記処理液の供給方向において上記第1フィルタ151及び第2フィルタ152が配置された上記配管の合流点34(第1分岐配管31と第2分岐配管32とが合流した地点)の下流に連結され、上記処理液供給部10の流出口部に連結された配管35と、上記第1フィルタ151及び第2フィルタ152が配置された上記配管の合流点34の下流を通過する処理液の電圧差を測定することができる。この場合、制御部180は、上記電圧差測定部の測定結果を考慮して調節弁60、第1電源供給部171及び第2電源供給部172を制御するように構成されてもよい。
【0077】
本発明の実施例2による基板処理装置によると、制御部150が検出部90を介して検出された基板の帯電状態に関する検出信号に応じて、第1電源供給部171、第2電源供給部172及び調節弁60を制御することにより、処理液供給部10から配管を介して並列に連結され、第1電源供給部171により正電荷に帯電した第1フィルタ151を通過する処理液、及び第2電源供給部172により負電荷に帯電した第2フィルタ152を通過する処理液の流量を調節することによって、最終的に第1フィルタ151及び第2フィルタ152を通過して合流した処理液の帯電量を能動的に制御し、ノズル部20を介して基板Wに吐出させることにより基板Wの帯電状態を効果的に調節することができ、基板Wに帯電した静電気を除去して基板Wと処理液とが当接する際に発現するESD現象等を防止することができる。さらに、基板Wのアーキング等の問題による基板の不良の発生を効果的に防止することができる。
【0078】
実施例2において、制御部は、第1電源供給部171及び第2電源供給部172が第1フィルタ151及び第2フィルタ152に固定電圧を印加する制御方式として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施例2の変形例として、必要な場合、制御部80は基板の帯電状態に応じてリアルタイムで入力電圧を変化させて第1フィルタ及び第2フィルタに印加するように第1電源供給部及び第2電源供給部を制御することもできる。
【0079】
また、実施例2では、並列に配置された第1フィルタ151及び第2フィルタ152を含む場合について説明したが、実施例2の変形例として、第1フィルタ及び第2フィルタは直列に連結されてもよく、この場合、バイパス管などを配置して処理液が第1フィルタ及び第2フィルタを選択的に通過できるように実現されてもよい。
【0080】
実施例3
図10は、本発明の実施例3による1つの第3フィルタを含むフィルタ部、及び1つの電源供給部を含む帯電量調節部が適用された基板処理装置を示す例示図である。
【0081】
本発明の実施例3による基板処理装置については、図10を参照して説明する。帯電量調節部240を除く構成は、実施例2の構成と同様に適用することができ、よって、重複を避けるために同一構成に対する説明は省略する。
【0082】
図10を参照すると、本実施例による帯電量調節部240は、1つの第3フィルタ251を含むフィルタ部250及び第3フィルタ251に電圧を供給する電源供給部270を提供して、基板Wの帯電状態に対応する電圧を印加することで、正電荷又は負電荷に帯電するように実現することができる。
【0083】
本実施例3において、制御部80は、基板Wの帯電状態に応じてフィルタ部250の帯電状態を制御するように構成されることができる。具体的に、制御部280は、基板Wの帯電状態に応じて第3フィルタ251が正電荷及び負電荷のうち選択的に帯電するように第3フィルタ251に印加する電圧を制御する方式で実現することができる。具体的に、制御部280は、基板Wの帯電状態に応じてリアルタイムで入力電圧を変化させて第3フィルタ251に印加するように電源供給部270を制御することができる。
【0084】
本発明の実施例3による基板処理装置によると、制御部250が検出部90を介して検出された基板の帯電状態に関する検出信号に応じて電源供給部270を制御することで、正電荷及び負電荷のうち基板の帯電状態(一例として、正電荷に帯電した状態の場合)に対応する電荷(一例として、負電荷)に帯電した第3フィルタ251を通過する処理液の帯電量を能動的に制御し、ノズル部20を介して基板Wに吐出させることにより、基板Wの帯電状態を効果的に調節することができ、基板Wに帯電した静電気を除去して基板Wと処理液とが当接する際に発現するESD(Electro static discharge)現象などを防止することができる。さらに、基板Wのアーキングなどの問題による基板の不良の発生を効果的に防止することができる。
【0085】
ここで、説明すべきことは、第2実施例において、電源供給部170、270、第1電源供給部171、第2電源供給部172が提供される実施例2及び3の場合、フィルタ部150、250は、電源供給部170、270、第1電源供給部171、第2電源供給部172に電気的に連結される導電層が形成された構造を用いて正電荷又は負電荷に帯電可能にすることができるという点である。この場合、フィルタ部150、250の形態や構造については特に限定されず、フィルタ部150、250が導電層を備えて電源供給部によって正電荷又は負電荷に帯電する構造であれば、様々な形態で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0086】
なお、図1図10を参照した上記第1実施形態及び第2実施形態では、帯電量調節部40、140、240がノズルアームの内部の配管に配置される形態で図示及び説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、帯電量調節部40のフィルタ部50は、ノズルアーム20の外部に配置される配管に配置されてもよい。
【0087】
また、本発明は基板処理方法をさらに提供する。
【0088】
図11は、本発明の一実施例による基板処理方法のフローチャートである。図11を参照すると、本発明の一実施例による基板処理方法は、検出段階S1、制御段階S2、及び吐出段階S3を含む。具体的に、検出段階S1では、基板の帯電状態を検出し、制御段階S2では、検出された基板の帯電状態に応じて正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部を通過した処理液の帯電量を制御し、吐出段階では、上記帯電量が制御された処理液を基板に吐出する。
【0089】
さらに、本発明の一実施例による基板処理方法は、上記制御段階S2において、上記基板の帯電極性とは反対の帯電極性を有する処理液を上記基板に供給することができる。
【0090】
以下では、図面を参照して、本発明の実施形態による基板処理装置及び基板処理方法を用いて基板を処理する過程について説明する。
【0091】
基板処理装置は、検出段階S1で、検出部90により基板Wの帯電状態を検出し、制御段階S2で、検出された基板Wの帯電状態に関する検出信号を制御部80、180、280に伝送し、制御部80、180、280は、検出信号に応じてフィルタ部50、150、250を通過した処理液の帯電量を制御し、吐出段階S3で、帯電量が調節された処理液を基板Wに吐出させる。
【0092】
ここで、図1を参照した実施例1による、並列に配置され、正電荷に帯電する第1フィルタ51及び負電荷に帯電する第2フィルタ52を含むフィルタ部50を含む帯電量調節部40を適用した基板処理装置の場合、制御部80は、第1フィルタ51及び第2フィルタ52を通過する処理液の流量を調節する制御信号を調節弁60に伝達し、第1フィルタ51及び第2フィルタ52を通過して合流した処理液の帯電量を最終的に調節した後、ノズル部20を介して基板Wに吐出させることにより、基板Wの帯電状態を調節することができる。具体的な一例として、基板Wが正電荷に帯電する帯電状態である場合、制御部80による調節弁60の調節によって第1フィルタ51及び第2フィルタ52を通過して合流した処理液が負電荷に帯電した帯電状態となり、ノズル部20を介して基板Wに吐出させることにより、基板Wの正電荷と中和され、基板Wが中性を示すようにすることで、基板Wに帯電した静電気を除去して基板Wと処理液とが当接する際に発現するESD現象を防止することができる。
【0093】
また、図9を参照した実施例2による、並列に配置され、第1電源供給部171及び第2電源供給部172、並びにこれらによってそれぞれ正電荷が印加される第1フィルタ151及び負電荷が印加される第2フィルタ152を含むフィルタ部150を含む帯電量調節部140を適用した基板処理装置の場合、制御部180は、基板Wの帯電状態に関する検出信号に応じて第1フィルタ151及び第2フィルタ152を通過した処理液の帯電量を制御する制御信号を第1電源供給部171、第2電源供給部172及び調節弁60に伝達し、第1電源供給部171及び第2電源供給部172を動作させて第1フィルタ151に正電荷が印加され、第2フィルタ152に負電荷が印加された状態で、第1フィルタ151及び第2フィルタ152を通過して合流した処理液の帯電量を調節弁60によって最終的に調節した後、ノズル部20を介して基板Wに吐出させることにより、基板Wの帯電状態を調節することができる。
【0094】
また、図10を参照した実施例3による、電源供給部270、及び電源供給部270により正電荷及び負電荷のうち選択的に電荷が印加される第3フィルタ251を含むフィルタ部250を含む帯電量調節部240を適用した基板処理装置の場合、制御部280は、基板Wの帯電状態に関する検出信号に応じて第3フィルタ251を制御する制御信号を電源供給部270に伝達し、電源供給部270を動作させて第3フィルタ251に正電荷又は負電荷を印加し、第3フィルタ251を通過した処理液の帯電量を調節した後、ノズル部20を介して基板Wに吐出させることにより、基板Wの帯電状態を調節することができる。
【0095】
結果として、本発明の基板処理装置及び基板処理方法によると、制御部が基板Wの帯電状態に応じて処理液供給部から配管を介して正電荷又は負電荷に帯電するフィルタ部を通過した処理液の帯電量を能動的に制御し、帯電量が制御された処理液をノズル部を介して基板に吐出させることにより、基板の帯電状態を効果的に調節することができ、基板に帯電した静電気を除去して基板と処理液とが当接する際に発現するESD現象を防止することができる。さらに、基板の不良の発生を効果的に防止することができる。
【0096】
以上のように、本発明は、限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想及び以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0097】
1:処理容器
2:基板支持部材
3:スピンチャック
4:駆動部
5:昇降部材
6:処理液回収ライン
10:処理液供給部
20:ノズル部
21:ノズルチップ
22:ノズルアーム
23:ノズルアーム支持部材
30:配管
31:第1分岐配管
32:第2分岐配管
40、140、240:帯電量調節部
50、150、250、350、450:フィルタ部
50a、450a:本体
50b、450b:貫通孔
51、151、351:第1フィルタ
52、152、352:第2フィルタ
60:調節弁
170、270:電源供給部
171:第1電源供給部
172:第2電源供給部
80、180、280:制御部
90:検出部
91:検出部支持アーム
251:第3フィルタ
350a:フィルタハウジング
350b:多孔性膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11