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特開2023-99493圧電材料組成物、それを製造する方法、圧電素子、および圧電素子を含む装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099493
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】圧電材料組成物、それを製造する方法、圧電素子、および圧電素子を含む装置
(51)【国際特許分類】
   H10N 30/853 20230101AFI20230706BHJP
   H10N 30/50 20230101ALI20230706BHJP
   H10N 30/078 20230101ALI20230706BHJP
   H10N 30/074 20230101ALI20230706BHJP
   H10N 30/20 20230101ALI20230706BHJP
   C04B 35/495 20060101ALI20230706BHJP
   C01G 35/00 20060101ALI20230706BHJP
   C01G 33/00 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
H10N30/853
H10N30/50
H10N30/078
H10N30/074
H10N30/20
C04B35/495
C01G35/00 C
C01G33/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204972
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0000010
(32)【優先日】2022-01-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】314000442
【氏名又は名称】高麗大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】KOREA UNIVERSITY RESEARCH AND BUSINESS FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】145, Anam-ro Seongbuk-gu Seoul 02841, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】李 用 雨
(72)【発明者】
【氏名】朴 承 烈
(72)【発明者】
【氏名】咸 龍 洙
(72)【発明者】
【氏名】高 有 善
(72)【発明者】
【氏名】成 升 鉉
(72)【発明者】
【氏名】南 山
(72)【発明者】
【氏名】金 大 洙
(72)【発明者】
【氏名】辛 昊 城
(72)【発明者】
【氏名】嚴 載 民
(72)【発明者】
【氏名】高 秀 丸
【テーマコード(参考)】
4G048
【Fターム(参考)】
4G048AA04
4G048AA05
4G048AB02
4G048AC01
4G048AD03
4G048AD08
4G048AE05
(57)【要約】
【課題】鉛を含まない圧電材料組成物を用いながら圧電特性を向上させる。
【解決手段】本明細書の実施例に係る圧電素子は、第1物質および第1物質層によって囲まれた第2物質を含む圧電素子層、圧電素子層の第1面に配置された第1電極部、および第1面に対向する圧電素子層の第2面に配置された第2電極部を含み、圧電素子層は、0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO(式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦d≦5.0、0≦x≦0.04)の組成を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1で表される圧電材料組成物:
[式1]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO(式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04、0≦d≦5.0である)。
【請求項2】
前記圧電材料組成物が、
第1物質と、
前記第1物質によって囲まれた第2物質とを含む、請求項1に記載の圧電材料組成物。
【請求項3】
前記第1物質が、式2で表される、請求項2に記載の圧電材料組成物:
[式2]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO(式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04である)。
【請求項4】
前記第1物質のアスペクト比が、5~20である、請求項2に記載の圧電材料組成物。
【請求項5】
前記第2物質が、NaNbOである、請求項2に記載の圧電材料組成物。
【請求項6】
前記圧電材料組成物が、0mol%~5mol%の前記第2物質を含む、請求項2に記載の圧電材料組成物。
【請求項7】
前記圧電材料組成物が、3mol%の前記第2物質を含む、請求項2に記載の圧電材料組成物。
【請求項8】
前記第1物質が、(001)単一方向に結晶配向した複数の結晶粒を含み、前記複数の結晶粒の内部には、前記第2物質が配置され、
前記複数の結晶粒は、前記第2物質から反応して成長した、請求項2に記載の圧電材料組成物。
【請求項9】
前記第2材料は、前記複数の結晶粒界のそれぞれの中心部に配置された、請求項8に記載の圧電材料組成物。
【請求項10】
前記圧電材料組成物のロザリングファクタが、94%以上である、請求項1に記載の圧電材料組成物。
【請求項11】
前記圧電材料組成物が、正方晶系(T)、直方晶系(O)、または菱面体(R)のうち、常温で少なくとも2つの相が共存する、請求項1に記載の圧電材料組成物。
【請求項12】
前記圧電材料組成物が、ナノドメインを含む、請求項1に記載の圧電材料組成物。
【請求項13】
前記圧電材料組成物が、極性ナノ領域を含む、請求項1に記載の圧電材料組成物。
【請求項14】
母体材料およびシード材料を混合してスラリーを準備する工程と、
前記スラリーを成形して成形体を準備する工程と、
前記成形体を焼結して焼結体を準備する工程とを含み、
前記母体材料および前記シード材料が、式1で表される、圧電材料組成物の製造方法:
[式1]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO(式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04、0≦d≦5.0である)。
【請求項15】
前記母体材料が、式2で表される、請求項14に記載の圧電材料組成物の製造方法:
[式2]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO(式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04である)。
【請求項16】
前記シード材料が、NaNbO単一結晶である、請求項11に記載の圧電材料組成物の製造方法。
【請求項17】
前記圧電材料組成物が、0mol%~5mol%の前記シード材料を含む、請求項14に記載の圧電材料組成物の製造方法。
【請求項18】
前記圧電材料組成物が、3mol%の前記シード材料を含む、請求項17に記載の圧電材料組成物の製造方法。
【請求項19】
前記成形体を焼結する工程で、前記成形体は、1070℃~1110℃で3時間~6時間維持される、請求項14に記載の圧電材料組成物の製造方法。
【請求項20】
前記母体材料が、
前記母体材料を製造するために原材料を混合および合成する工程と、
前記合成した母体材料を粉砕する工程とにより準備される、請求項14に記載の圧電材料組成物の製造方法。
【請求項21】
前記シード材料が、
前記シード材料を一次秤量する工程と、
前記一次シードを準備する工程と、
前記一次シードを含み二次秤量する工程と、
前記二次シードを準備する工程とを含み、
前記一次シードは、(Bi2.5Na3.5)Nb16であり、前記二次シードは、NaNbOである、請求項14に記載の圧電材料組成物の製造方法。
【請求項22】
前記二次シードを準備する工程が、前記一次シードおよび炭酸ナトリウム(NaCO)および塩化ナトリウム(NaCl)を秤量した混合物をトポケミカル反応を通じて行う、請求項21に記載の圧電材料組成物の製造方法。
【請求項23】
前記母体材料は、酸化鉄(Fe)を含み、前記圧電材料組成物は、5mol%のNaNbOシードを含む、請求項14に記載の圧電材料組成物の製造方法。
【請求項24】
圧電材料層を含み、
前記圧電材料層が、第1材料および第2材料を有する圧電材料組成物を含む複数の結晶を含み、
前記圧電材料組成物は、式1で表される、圧電素子:
[式1]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO(式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦d≦5.0、0≦x≦0.04である)。
【請求項25】
前記複数の結晶が、結晶粒界によって区別され、
前記結晶粒界は、複数の結晶における第1材料間の境界であり、
前記第2材料は、複数の結晶粒界に配置された、請求項24に記載の圧電素子。
【請求項26】
前記複数の結晶粒界の第1材料は、同一の結晶方向を有する、請求項25に記載の圧電素子。
【請求項27】
前記第2材料は、前記複数の結晶粒界のそれぞれの中心部に配置された、請求項25に記載の圧電素子。
【請求項28】
第1物質によって囲まれた第2物質を含む圧電材料組成物を含む圧電素子層と、
前記圧電素子層の第1面に配置された第1電極部と、
前記第1面に対向する前記圧電素子層の第2面に配置された第2電極部とを含み、
前記圧電材料組成物が、式1で表される、圧電素子:
[式1]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO(式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04、0≦d≦5.0である)。
【請求項29】
前記第2物質が、NaNbOである、請求項28に記載の圧電素子。
【請求項30】
前記圧電材料組成物が、0mol%~5mol%の前記第2物質を含む、請求項28に記載の圧電素子。
【請求項31】
前記第1物質が、(001)単一方向に結晶配向した複数の結晶粒を含み、前記複数の結晶粒の内部には、前記第2物質が配置され、
前記複数の結晶粒は、前記第2物質から反応して成長した、請求項28に記載の圧電素子。
【請求項32】
前記圧電材料組成物のロザリングファクタが、94%以上である、請求項28に記載の圧電素子。
【請求項33】
振動部材と、
前記振動部材の面にある請求項24~32のいずれか一項に記載の圧電素子とを含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、圧電材料組成物、それを製造する方法、圧電素子、および圧電素子を含む装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧電材料は、超音波機器、映像機器、音響機器、通信機器、およびセンサ等の広範な分野に用いられる超音波振動子、電気機械トランスデューサ(transducer)、およびアクチュエータ(actuator)部品の材料として広く用いられている。
【0003】
背景技術に提供される説明は、背景技術に言及されるが、または関連しているという理由だけで、先行技術と見なされてはならない。従来技術に対する議論は、本技術の1つ以上の例を説明する情報を含むことができ、背景技術の説明は、本明細書の発明を限定するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、圧電材料を開発し適用する際に、以下の問題を見出した。
【0005】
Pb(Zr,Ti)O(以下;PZT)系列の材料が高い圧電特性によって、大部分の圧電部品材料として活用されている。しかし、鉛(Pb)は毒性が強い物質であり、焼結過程に揮発性が強く、深刻な環境汚染を起こしている。
【0006】
したがって、圧電材料の大部分を占めているPZT圧電材料は、環境汚染問題のため非鉛系(Pb-free)圧電材料としての開発要求があり、さらに高い圧電特性が求められている。
したがって、本明細書は、背景技術の限界および欠点による1つ以上の問題を実質的に解決した圧電材料組成物、それを製造する方法、圧電素子、および圧電素子を含む装置または表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
本明細書の実施例に係る解決課題は、鉛を含まずに高圧電特性を有する圧電材料組成物を提供することである。
【0008】
本明細書の実施例に係る解決課題は、高圧電特性を有する圧電材料組成物を提供するために、テンプレートを用いて結晶を配向させることにより、圧電特性を向上させることができる圧電材料組成物の製造方法を提供することである。
【0009】
本明細書の実施例に係る解決課題は、高圧電特性を有する圧電素子とそれを含む装置および表示装置を提供することである。
【0010】
本明細書では、常温でR-O比の高いR-O-T構造が共存する材料を開発するための様々な組み合わせの組成を有する圧電素子を提供し、本明細書の工程を通じて高性能材料の性能の実現が可能な圧電素子を提供することである。
【0011】
本明細書の実施例に係る解決課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及していないまた他の課題は、以下の記載から、この技術分野の通常の技術者に明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書の実施例に係る圧電材料組成物は、式1:0.96(Na1-a)(NbSb1-b)O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04で表され得る。
【0013】
本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の製造方法は、母体材料およびシード材料を混合してスラリーを準備する工程、スラリーを成形して成形体を準備する工程、および成形体を焼結して焼結体を準備する工程を含み、母体材料およびシード材料は、式1:0.96(Na1-a)(NbSb1-b)O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO3、式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04で表され得る。
【0014】
本明細書の実施例に係る圧電素子は、第1物質によって囲まれた第2物質を含む圧電材料組成物を含む圧電素子層、圧電素子層の第1面に配置された第1電極部、および第1面に対向する圧電素子層の第2面に配置された第2電極部を含み、圧電材料組成物は、式1:0.96(Na1-a)(NbSb1-b)O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO3、式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04の組成を満足する。
【0015】
本明細書の実施例に係る表示装置は、振動部材と、振動部材の面に配置され、第1材料層および第1材料層によって囲まれた第2材料層を含む圧電素子層、圧電素子層の第1面に配置された第1電極部、および圧電素子層の第1面と対向する圧電素子層の第2面に配置された第2電極部を含む圧電素子を含む。
【発明の効果】
【0016】
本明細書の実施例によれば、圧電材料組成物は鉛を含まずに高い圧電特性を有するので、これを含む圧電素子および表示装置は、低い駆動電圧により駆動して圧電特性が向上する効果がある。
【0017】
そして、本明細書の実施例によれば、圧電材料組成物の製造方法は、単結晶製造方法と比較して時間および費用が大きく減少し、生産性が大きく向上する効果がある。
【0018】
他のシステム、方法、特徴、および利点は、次の図面および詳細な説明を検討すると、当業者に明らかまたは明白になるだろう。これらすべての追加システム、方法、特徴、および利点は、この説明に含まれ、本開示内容の範囲内にあり、次の請求範囲によって保護されることを意図しています。このセクションのどのような内容も、これらの主張に対する制限と見なされてはなりません。追加の態様および利点は、本開示の態様とともに以下で議論される。
【0019】
本明細書の前述の説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的で説明的であり、特許請求の範囲に記載された開示のさらなる説明を提供するために理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本明細書の追加理解を提供するために含まれ、本明細書に統合され、その一部を構成する添付図面は、本明細書の態様及び実施態様を例示し、説明と共に本明細書の原理を説明する役割をすることができる。
【0021】
図1】本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の製造方法フローチャートである。
図2】本明細書の実施例に係る圧電材料を示す断面図である。
図3】本明細書の実施例に係る圧電材料の結晶構造を示す図である。
図4A図4Aは、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の正方晶系(T)、直方晶系(O)、および菱面体(R)の結晶学的方位を示す図である。
図4B図4Bは、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の正方晶系(T)、直方晶系(O)、および菱面体(R)の結晶学的方位を示す図である。
図4C図4Cは、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の正方晶系(T)、直方晶系(O)、および菱面体(R)の結晶学的方位を示す図である。
図5】本明細書の実施例に係る圧電素子の温度変化による相転移温度を示す図である。
図6A図6Aは、本明細書の実施例に係るドメインの大きさによる圧電性能を示す図である。
図6B図6Bは、本明細書の実施例に係るドメインの大きさによる圧電性能を示す図である。
図7】本明細書の実施例に係る圧電材料組成物のNaNbOのシード含有量(mol%)による密度、誘電率(ε 33/ε、dielectric constant)、損失係数(tanderuta)、圧電電荷定数(d33、Piezoelectric Charge Constant)、および電気機械結合係数(kρ、Electromechanical Coupling FactorまたはMechanical quality factor)を示す図である。
図8】本明細書の実施例に係る圧電材料組成物のシード含有量によるロットゲーリング係数(Lotgering factor)を示す。
図9】本明細書の実施例に係る圧電材料組成物に3mol%のシードを適用しときの相転移温度を示す図である。
図10】本明細書の実施例に係る圧電材料組成物による微細構造の写真(a)、(b)、(c)である。
図11】本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の母体の製造方法フローチャートである。
図12】本明細書の実施例に係る母体材料のXRDデータである。
図13A図13Aは、本明細書の実施例に係る母体材料の回折ピークである。
図13B図13Bは、本明細書の実施例に係る母体材料の回折ピークである。
図13C図13Cは、本明細書の実施例に係る母体材料の回折ピークである。
図13D図13Dは、本明細書の実施例に係る母体材料の回折ピークである。
図13E図13Eは、本明細書の実施例に係る母体材料の回折ピークである。
図14】本明細書の実施例に係る母体材料の断面写真(a)~(e)である。
図15A】本明細書の実施例に係る母体材料の温度による誘電定数値の変化であり、図15B図15Fは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ((BiAg)ZrO)の含有量の増加による誘電率および損失係数の変化を示す図である。
図15B】本明細書の実施例に係る母体材料の温度による誘電定数値の変化であり、図15B図15Fは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ((BiAg)ZrO)の含有量の増加による誘電率および損失係数の変化を示す図である。
図15C】本明細書の実施例に係る母体材料の温度による誘電定数値の変化であり、図15B図15Fは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ((BiAg)ZrO)の含有量の増加による誘電率および損失係数の変化を示す図である。
図15D】本明細書の実施例に係る母体材料の温度による誘電定数値の変化であり、図15B図15Fは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ((BiAg)ZrO)の含有量の増加による誘電率および損失係数の変化を示す図である。
図15E】本明細書の実施例に係る母体材料の温度による誘電定数値の変化であり、図15B図15Fは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ((BiAg)ZrO)の含有量の増加による誘電率および損失係数の変化を示す図である。
図15F】本明細書の実施例に係る母体材料の温度による誘電定数値の変化であり、図15B図15Fは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ((BiAg)ZrO)の含有量の増加による誘電率および損失係数の変化を示す図である。
図16A図16Aは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ含有量の増加に伴う互いに異なる周波数による温度誘電率グラフである。
図16B図16Bは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ含有量の増加に伴う互いに異なる周波数による温度誘電率グラフである。
図16C図16Cは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ含有量の増加に伴う互いに異なる周波数による温度誘電率グラフである。
図16D図16Dは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ含有量の増加に伴う互いに異なる周波数による温度誘電率グラフである。
図16E図16Eは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ含有量の増加に伴う互いに異なる周波数による温度誘電率グラフである。
図17A図17Aは、本明細書の実施例に係る母体材料の透過電子顕微鏡写真である。
図17B図17Bは、本明細書の実施例に係る母体材料の透過電子顕微鏡写真である。
図18】本明細書の実施例に係る母体材料の相対密度、誘電率(ε 33/ε、dielectric constant)、圧電電荷定数(d33、Piezoelectric Charge Constant)、および電気機械結合係数(kρ、Electromechanical Coupling Factor)を示す図である。
図19A】本明細書の実施例に係る母体材料のポーリング(poling)温度による圧電電荷定数である。
図19B】本明細書の実施例に係る電場による圧電電荷定数である。
図19C】本明細書の実施例に係るアニーリング温度による圧電電荷定数である。
図20】本明細書の実施例に係る圧電材料組成物のシードの製造方法フローチャートである。
図21】本明細書の実施例に係る二次シードを準備する工程で発生する結晶変化を示したものである。
図22図22は、本明細書の実施例に係る表示装置を示す斜視図である。
図23】本明細書の実施例に係る図22に示す線I-I’に沿って図示した断面図である。
図24図23の圧電素子を詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書の実施例を詳細に参照し、その例は添付図面に例示できる。以下の説明で、よく知られた機能または構成の具体的な説明が本明細書の要旨を不必要に曇せる場合、その具体的な説明は、簡潔さのために省略することができる。説明された段階および/または動作の進行は、一例示的なものだが、段階および/または動作の順序は、本明細書に記載されたものに限定されず、特定の順序で必ず発生する段階および/または動作を除いて変更され得る。
【0023】
特に明記しない限り、同一の参照符号は、これらが異なる図面に図示されていても、全体的に類似の構成要素を指すことができる。1つ以上の実施例で、異なる図面で同一の構成要素(または同一の名前を有する構成要素)は、特に明記しない限り、同一または実質的に同一の機能および特性を有することができる。以下の説明で使用される構成要素のそれぞれの名称は、便宜上選択されたもので、実際の製品とは異なり得る。
【0024】
本明細書の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述されている一実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本明細書は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形状で実現されるものであり、単に本実施例は、本明細書の開示を完全にし、本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供され得る。
【0025】
本明細書の実施例を説明するため、図に示した形状、大きさ、面積、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本明細書が図に示した事項に限定されるものではない。
【0026】
本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」、「構成する」、「形成される」などが使用されている場合、「だけ」または「のみ」が使用されていない限り、他の部分を追加することができる。本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用され、本明細書示の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される用語は、例示的な実施例を説明するために使用されるだけで、本明細書示の範囲を限定することを意図するものではない。構成要素を単数で表現した用語は、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。「実施例」は、例示的な例であり得る。本明細書に記載された「実施例」または「一例」で説明された任意の実装は、必ずしも他の実装に比べて好ましくまたは有利なものと解釈される必要はない。
【0027】
1つ以上の実施例において、構成要素、特徴または対応する情報(例えば、レベル、範囲、寸法、サイズなど)は、これらの誤差または公差範囲について明示的な説明が提供されない場合でも、誤差または公差範囲を含むものと解釈され得る。誤差または公差範囲は、様々な要因(例:工程要因、内部または外部衝撃、騒音など)によって発生され得る。
【0028】
位置関係についての説明である場合、位置関係についての説明である場合、「上または上に」、「上部に」、「下または下に」、「下部に」、「近く」、「隣接して」、「横に」、または「次に」、などを使用して2つの部分の間に位置関係が説明されている場合、「すぐに」、「即時(に)」、「密接(に)」、または「直接(に)」が使用されていない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が配置され得る。例えば、構造物が、「上または上に」、「上部に」、「下または下に」、「下部に」、「近く」、「隣接に」、「横に」、または「次に」に位置していると説明されている場合、この説明は、構造物が互いに接触する場合、その間に第3構造物が配置される場合を含むものと解釈されなければならない。例えば、構造物が、「上または上に」、「上部に」、「下または下に」、「下部に」、「近く」、「隣接に」、「横に」、または「次に」に位置していると説明されている場合、この説明は、構造物が互いに接触する場合、その間に第3構造物が配置または介在される場合を含むものと解釈されなければならない。また、「前」、「後」、「背」、「左」、「右」、「上」、「底」、「下向」、「上向」、「上部」、「下部」、「列」、「行」、「垂直」、「水平」などは、任意の参照フレームを参照します。
【0029】
時間の関係についての説明である場合、例えば、「後に」、「に続いて」、「次に」、「前に」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに」、「即時(に)」、または「直接(に)」が使用されていない以上、連続的または連続的でない場合も含み得る。
【0030】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。さらに、第1要素、第2要素などは、本明細書の範囲から逸脱することなく、当業者の便宜に応じて任意に命名され得る。「第1」、「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用され得るが、構成要素の機能または構造は、構成要素の前の序数または構成要素の名称によって限定されない。
【0031】
本明細書の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用され得る。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのもので、その構成要素の本質、基礎、順番または個数な定義するために使用されない。
【0032】
ある構成要素または層が他の構成要素に「連結」、「結合」または「連結」すると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結するか、または連結することができるが、特に明示的な記載事項がない間接的に連結、または連結することができる各構成要素の間に、他の構成要素また他の層が「配置」または「介在」されることもあると理解されなければならない。
【0033】
ある構成要素または層が他の構成要素また他の層に「接触」または「重畳」などと記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素また他の層に直接に接触するか、または重畳されることができるが、特に明示的な記載事項がない間接的に接触するか、または重畳されることができる各構成要素また他の層の間に、1つ以上の他の構成要素また他の層が「配置」または「介在」されることもあると理解されなければならない。例えば、本明細書について、「重複するまたは重複し」、「重なり合い」などの用語は、例えば、面と面との連結による「重複する、電気的および/または物理的に連結する」、例えば、面と面との連結による「重なり合い、電気的および/または物理的に連結する」と理解されなければならない。
【0034】
「少なくとも1つ」の用語は、1つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、および第3項目のうちの少なくとも1つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目のうちの2つ以上から提示された項目の組み合わせだけではなく、第1項目、第2項目、および第3項目のいずれかの組み合わせのみを含むとすることができる。
【0035】
第1構成要素、第2構成要素「および/または」第3構成要素の表現は、第1、第2および第3の構成要素のうちの1つまたは第1、第2および第3の構成要素の任意の組み合わせまたはすべての組み合わせと理解されなければならない。例えば、A、Bおよび/またはCは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A、BおよびCの任意または何らかの組み合わせ、またはA、BおよびCのすべてと見なすことができる。さらに、「構成要素A/構成要素B」の表現は、構成要素Aおよび/または構成要素Bと理解されなければならない。
【0036】
1つ以上の実施例で、「の間」および「の中」の用語は、特に明記しない限り、便宜のために単に交換可能に使用され得る。例えば、「複数の構成要素の間」の表現は、「複数の構成要素の中」と理解することもできる。他の実施例で、「複数の構成要素の中」の表現は、「複数の構成要素の間」と理解することもできる。1つ以上の実施例で、構成要素の個数は、2であり得る。1つ以上の実施例で、構成要素の個数は、2よりも多いことがあり得る。
【0037】
1つ以上の実施例で、「互いに異なる」の表現は、任意の構成要素が他の構成要素と異なるものと理解することができる。
【0038】
1つ以上の実施例で、「の1つ以上」および「のうちの1つ以上」の表現は、特に明記しない限り、便宜のために単に交換可能に使用され得る。例えば、「の1つ以上」の表現は、「のうちの1つ以上」と理解することもできる。例えば、「のうちの1つ以上」の表現は、「の1つ以上」と理解することもできる。
【0039】
本明細書のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各例を互いに対して独立的に実施することができ、関連の関係で一緒に実施することもできる。1つ以上の実施例で、本明細書の多様な実施例による各装置の構成要素は、動作可能に結合されるか、または構成され得る。
【0040】
本明細書で使用される用語(技術的および科学的用語を含む)は、本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者によって理解されるものと同一の意味を有することができる。さらに、一般的に使用される辞書で定義された用語のような用語は、例えば、関連技術の文脈でその意味と一致する意味を有することして解釈されるべきであり、特に明記しない限り、理想化されるか、または過度に形式的な意味と解釈されてはならない。
【0041】
以下、添付の図を参照して、本明細書の実施例を詳細に説明する。
【0042】
図1は、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の製造方法フローチャートである。
【0043】
図1を参照すると、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の製造方法は、圧電材料組成物の母体材料を秤量する工程(S101)、秤量した母体材料を混合する工程(S102)、母体材料を成形(molding or press molding)工程(S103)、成形した圧電材料組成物を焼結する工程(S104)、焼結した圧電材料組成物に電極を形成する工程(S105)を含む。圧電材料組成物の製造方法による条件、例えば温度、粘度、および時間などが本明細書の内容を限定するものではない。
【0044】
まず、圧電材料組成物の母体材料を秤量(weighing)する工程(S101)は、母体材料を準備する方法(S10)およびシード(seed)材料を準備する方法(S20)を通じて、下記の式1のモル比を満足するようにそれぞれ準備した材料を秤量する工程である。例えば、母体材料を秤量する工程(S101)は、製造方法とは別個に進行するか、または省略することもできる。例えば、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の製造方法は、予め用意された母体材料を他の主体によってモル比で混合することから開始することができる。
【0045】
圧電材料組成物は、下記式1を満たすように準備することができる。
[式1]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO
式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦d≦5.0、0≦x≦0.04である。
【0046】
例えば、母体材料は、式1でシードであるNaNbOを除いた条件であり、図11で後述する母体材料を準備する方法(S10)により準備することができる。
【0047】
シード材料は、NaNbO組成を有し、10μm以上の大きさであり得、シードのアスペクト比(aspect ratio)は、5~20の範囲または10~15の範囲であり得、後述する図20で説明するシードの製造方法(S20)によって準備することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0048】
シード材料は、式1の全材料組成物に対して1~5mol%だけ添加され得、例えば、3mol%だけ添加され得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0049】
次に、秤量した母体材料を混合する工程(S102)は、先の工程で秤量した母体材料およびシード材料を混合する工程である。
【0050】
合成した母体材料は、母体材料で構成されたスラリーを準備する工程と、母体材料を含むスラリーにシード材料を混合する工程を含み得る。
【0051】
例えば、母体材料で構成されたスラリーを準備する工程は、式1の組成を有する母体材料に適切な量の分散剤および溶媒を添加することができる。例えば、溶媒は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン(MEK;methyl ethyl ketone)、トルエン、および蒸留水のうちの少なくとも1つ以上を含み得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。母材料に適切な量の分散剤および溶媒を添加することによって、母材料が溶媒によく分散したスラリーを準備することができる。本明細書の実施例によれば、分散剤は、母体材料を含むスラリーの粘度を低下させるために使用することができる。
【0052】
また、先に準備した母体材料スラリーに適切な量のバインダーおよび可塑剤(plasticiser)をさらに添加して、ボールミリングを行うことができる。バインダーは、成形体(green tape)の強度、柔軟性、延性、耐久性、靭性、および柔らかさを提供することができる。バインダーは、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコール(PEG)のうちの少なくとも1つを含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されず、圧電材料組成物の分野に公知のバインダーを使用することができる。可塑剤は、成形体形成の弾性およびプラスチック特性を提供するために添加することができる。可塑剤は、フタレート(Phthalate)系可塑剤、アジペート(Adipate)系可塑剤、ホスフェート(Phosphate)系可塑剤、ポリエーテル(Polyether)系可塑剤、およびポリエーテル(Polyester)系可塑剤のうちの少なくとも1つの系列を含むことができ、圧電材料組成物分野に公知の可塑剤物質を用いることができる。
【0053】
母体材料にシード材料を混合する工程は、先の工程で準備いた母体材料を含むスラリーにシード材料を混合する工程でミリング工程を通じて行うことができ、ボールがない状態で低速(例えば、40rpm)で他の混合工程よりも相対的に短い時間で行うことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0054】
さらに、母体材料を含むスラリーにシード材料を添加および混合した後、気泡およびガスを除去する脱泡工程(degassing)およびエージング(aging)する工程をさらに含み得る。
【0055】
脱泡工程は、後述する圧電材料を成形(またはプレスモールディング)する工程において、スラリーが成形(またはプレスモールディング)工程のために適した粘度を合わせるための工程である。例えば、脱泡工程は、室温で真空撹拌機を使用して1700cPs~2400cPs(centipoise)、または1900cPs~2200cPs(centipoise)、または2000cPs(centipoise)の粘度を有するように調整することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0056】
エージング工程は、先の脱泡工程で溶媒が揮発する際にスラリーが冷却し得るので、再び常温の温度に合わせるための工程である。例えば、エージング工程は、攪拌機を用いて約40rpmの低速で短時間攪拌を行うことができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0057】
次に、圧電材料を成形(またはプレスモールディング)する工程(S103)は、先の工程(S102)で準備した母体材料およびシード材料を混合したスラリーを、所定の体積と形態を有する成形体を製造する工程である。
【0058】
例えば、圧電材料を成形(またはプレスモールディング)する工程は、テープキャスティング(tape casting)する工程、テープキャストした圧電材料を一次成形(またはプレスモールディング)する工程、および一次成形(またはプレスモールディング)した圧電材料を二次成形(またはプレスモールディング)する工程を含み得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0059】
テープキャスティング工程は、テープキャスティング装置を用いて先の工程で準備した母体材料とシード材料が混合したスラリーをテープキャストする工程であり、1700~2400cPs粘度のスラリーでテープキャストする場合、約30μm厚さにキャストすることができます。
【0060】
テープキャスティングした圧電材料を一次成形する工程は温間等方成形(WIP:Warm Isostatic Press)で行うことができ、テープキャスティングした圧電材料を二次成形する工程は冷間等方成形(CIP:Cold Isostatic Press)で行うことができ、後述する焼結工程で焼結体の密度を高めるために用いることができる。また、温間等方成形の場合、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の場合、テープキャスティングなどのスタックおよびラミネーションに基づいて成形体(または成形物質)を準備する場合に行うことができる。
【0061】
また、圧電材料を成形(またはプレスモールディング)する工程(S103)は、一次成形(またはプレスモールディング)する工程後に脱脂(degreasing)工程をさらに含むことができ、脱脂工程は、溶媒または有機物を除去する工程である。脱脂工程は、炉(furnace)で300℃~600℃の温度範囲で約40時間維持した後、常温まで炉冷することができる。
【0062】
次に、成形体を焼結する工程(S104)について説明する。
【0063】
焼結する工程は、1つの温度区間で進行した後に炉冷することができる。例えば、焼結温度は1090℃であり得、維持時間は3時間であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。例えば、焼結温度は、1000℃~1150℃であり得、維持時間は、1時間~10時間であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0064】
次に、焼結体に電極を形成する工程(S105)について説明する。
【0065】
圧電材料焼結体の第1面および第1面と対向する第2面に電極を形成することができる。例えば、電極は、金属など銀(Ag)を塗布して形成することができるが、これに限定されるものではなく、公知の通常の電極は、制限なしに用いることができる。
【0066】
図2は、本明細書の実施例に係る圧電材料を示す断面図である。
【0067】
図2を参照すると、本明細書の実施例に係る圧電材料10は、第1物質11、第2物質12からなる複数の結晶(grain)を含み得る。第1物質11、第2物質12からなる結晶は、結晶粒界(GB:grain boundary)によって区別することができる。
【0068】
第2物質12は、第1物質11の内部に形成することができ、第1物質11は、第2物質12の結晶方向に基づいて結晶粒が成長し、複数の第1物質11は、同一または実質的に同一の結晶方向を有することができ、例えば、第1物質11は、(001)結晶方向を有することができる。したがって、第1物質11は、第2物質12を囲むように配置することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0069】
第2物質12は、第1物質11の中央部に位置することができる。ここで、中央部とは、所定の体積を有する第1物質11において、数値的に正確に半分ではなく、所定の体積を有する第1物質11の中心を含む所定の領域であり得、第1物質11の中心から外れる位置に第2物質12が位置していても、本明細書の範囲に含み得る。例えば、第2物質12は、第1物質11内に配置されながら結晶方向成長において、複数の第1物質11の間の境界である結晶粒界(GB)に隣接または近いように偏って配置することもでき、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0070】
また、圧電材料10は、所定の厚さに形成され、第1物質11および第2物質12を含む焼結体の第1面と第1面と対向する第2面それぞれに形成された電極部13をさらに含み得る。圧電材料10は、電極部13をさらに含む場合、圧電素子として機能することができる。
【0071】
第1物質11は、母体材料であり得る。第1物質11は、後述する母体材料を準備する方法(S10)によって準備することができる。
【0072】
第2物質12はシード材料であり得る。第2物質12は、後述するシード材料を準備する方法(S20)によって準備することができる。
【0073】
第2物質12は、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の製造方法(S100)の焼結工程(S104)において、第1物質11が第2物質12の結晶方向に沿って成長できるようにテンプレート(template)のように作用することができる。例えば、第1物質11は、第2物質12の結晶方向に依存して焼結しながら結晶方向が同じ方向に配向するように成長することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0074】
図3は、本明細書の実施例に係る圧電材料の結晶構造を示す図である。
【0075】
図3を参照すると、本明細書の式1の組成による圧電材料は、通常のABXの構造を有することができる。ここで、Aは第1カチオン、Bは第2カチオン、Xはそれらと結合するアニオンである。第1カチオンは、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr2+)、ビスマス(Bi3+)、および銀(Ag)であり得、第2カチオンは、ニオブ(Nb5+)、アンチモン(Sb3+)、およびジルコニウム(Zr4+)であり得、アニオンは、酸素(O2-)であり得る。第1カチオンとアニオンは、AX12の立方八面体構造を形成し、第2カチオンおよびアニオンは、BX6で八面体構造に結合する構造であり得る。
【0076】
図4A図4Bおよび図4Cは、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の直方晶系(O)、正方晶系(T)、および菱面体(R)の結晶学的方位を示す図である。
【0077】
図4A図4B、および図4Cを参照すると、本明細書による圧電セラミックの圧電性能は、自発分極の結晶学的方位の数が多いほど高くなり得る。正方晶系構造は6種類、直方晶系構造は12種類、菱面体構造は8種類の結晶学的方位を有する。圧電性能を高めるために、菱面体(R:Rhombohedral)-直方晶系(O:orthorhombic)-正方晶系(T:tetragonal)(以下、R-O-T)結晶構造が共存する組成最適化が必要である。
【0078】
図5は、圧電素子の温度変化による相転移温度を示す図である。例えば、図5は、純粋な(Na0.50.5)NbO圧電素子の温度変化による相転移温度を示すものである。
【0079】
図5を参照すると、約-50℃~約-100℃にTR-Oが、約200℃にTO-Tが存在することが分かる。純粋な(Na0.50.5)NbOにビスマス(Bi)、銀(Ag)、ストロンチウム(Sr)、アンチモン(Sb)、ジルコニウム(Zr)などを添加すると、常温にR-O-T構造が共存する材料を作ることができる。
【0080】
図6Aおよび図6Bは、ドメインの大きさによる圧電性能を示す図である。
【0081】
図6Aおよび図6Bを参照すると、ドメインの大きさが小さくなるほど圧電電荷定数(d33)値が増加する傾向を示し、これはドメインの大きさが小さくなるにつれてドメインバウンダリ(domain boundary)エネルギーを減少させ、ドメイン回転を容易にして圧電特性向上に寄与することが分かる。
【0082】
図7は、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物のNaNbOのシード含有量(mol%)による密度、誘電率(ε 33/ε0、dielectric constant)、損失係数(tanδ)、圧電電荷定数(d33、Piezoelectric Charge Constant)、および電気機械結合係数(kρ、Electromechanical Coupling Factor)を示す図である。図7の圧電材料組成物は、(Na、K、Sr、Bi、Ag)(Nb、Sb、Zr)O組成で準備し、NaNbOのシードを追加した。
【0083】
図7を参照すると、NaNbOのシード含量(mol%)が、0~3mol%の範囲で93%を超える密度を有することが分かる。例えば、NaNbOのシード含有量(mol%)が、5mol%の場合、90.1%の密度を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0084】
誘電率(ε 33/ε,dielectric constant)は、NaNbOのシード含量(mol%)が2mol%~5mol%の範囲で2000を超える値を示すことが分かる。例えば、NaNbOシードを添加しなかった場合は、誘電率値は約1800であり、NaNbOシードを1mol%添加した場合の誘電率値は約1990であり、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0085】
損失係数(tanδ)は、NaNbOのシード含量(mol%)が0のとき約0.033の値を示し、NaNbOのシード含量(mol%)が1mol%~5mol%の範囲で0.035を超える値を示すことが分かる。
【0086】
圧電電荷定数(d33、Piezoelectric Charge Constant)は、NaNbOのシード含量(mol%)が0mol%のとき約478pC/Nの値を示し、NaNbOのシード含量(mol%)が1mol%のとき約538pC/Nの値を示し、2mol%~5mol%の範囲では689pC/N以上の値を示した。例えば、NaNbOのシード含有量(mol%)が3mol%の場合、760pC/Nの値を示し、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0087】
電気機械結合係数(kρ,Electromechanical Coupling Factor)は、NaNbOのシード含量(mol%)が0のとき約0.476の値を示し、NaNbOのシード含量(mol%)が1mol%~5mol%の範囲で0.5を超える値を示し、例えばNaNbOのシード含有量(mol%)が3mol%のとき0.58の値を示すことが分か、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0088】
図8は、圧電材料組成物のシード含有量によるロットゲーリング係数(Lotgering factor)を示す。図8で測定に用いた圧電材料組成物の実施組成は、(Na、K、Sr、Bi、Ag)(Nb、Sb、Zr)Oを用いた。
【0089】
ここで、ロットゲーリング係数(lotgering factor, Lf(%))は、次の数式1で計算することができる。
【0090】
【数1】
【0091】
式1中、pは数式1により計算される配向程度であり、p0はランダム配向した同一または実質的に同一の組成の圧電材料組成物中のI00lの分率である。配向度(p)は、以下の数式2で計算することができる。
【0092】
【数2】
【0093】
式2中、I(00l)は、(00l)で表される(001)および(002)等の回折ピーク(peak)であり、Inon-(00l)は、(00l)で表されない、(110)、(111)、(210)、および(211)などの回折ピーク(peak)を意味する。
【0094】
図8を参照すると、圧電材料組成物にシードを添加しなければ、全く配向しないことが分かり、NaNbOのシード含量(mol%)が1mol%~5mol%である範囲で94.7%以上のロットゲーリング係数を示すことが分かり、NaNbOのシード含量(mol%)が3mol%で最も高い結晶配向度を示すことが分かる。
【0095】
図7および図8を参照すると、NaNbOのシード含量(mol%)が、1mol%~5mol%の範囲で密度、誘電率、損失係数、圧電電荷定数、および電気機械結合係数が向上することができ、結晶配向度が高くなることが分かる。
【0096】
図9は、圧電材料組成物に3mol%のシードを適用しときの相転移温度を示す図である。図9で測定に用いた圧電材料組成物の組成は、0.96(NaK)(NbSb)-0.02(SrZr)-0.02(BiAg)ZrOを用いた。
【0097】
図9を参照すると、約41℃付近で直方晶系-正方晶系の相転移領域が存在し、約151℃近付近で正方晶系-立方体の相転移が行われることが分かる。
【0098】
図10は、本明細書の圧電材料組成物による微細構造の写真(a)~(e)である。図10で測定に用いた圧電材料組成物の実施組成は、0.96(NaK)(NbSb)-0.02(SrZr)-0.02(BiAg)ZrOを用い、キャスティング(casting)した方向の垂直方向に実施して撮影した。
【0099】
図10の写真(a)は、NaNbOのシードを使用しなかったものであり、大部分20μm以下の大きさで存在することが分かる。
【0100】
図10の写真(b)~(e)は、順にNaNbOのシードが1mol%、2mol%、3mol%、および5mol%であるものであり、大部分の結晶(グレイン)が25μm以上の大きさで存在することが分かる。
【0101】
図11は、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の母体の製造方法フローチャートである。
【0102】
図11を参照すると、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の母体材料の製造方法は、式2を有する原材料を秤量する工程(S11)、原材料を混合する工程(S12)、混合した原材料を合成するか焼工程(S13)、合成した母体材料を粉砕する工程(S14)、粉砕した母体材料を成形する工程(S15)、母体成形体を焼結する工程(S16)、および母体焼結体に電極を形成する工程(S17)を含む。原材料を秤量する工程(S11)は、製造方法とは別個に進行するか、または省略することもできる。例えば、本開示のいくつかの実施例に係る母体材料の製造方法は、式2を有する原材料を他の主体によって混合することから開始することができる。圧電材料組成物の製造方法による条件、例えば温度、圧力、および時間などが、本明細書の実施例の内容を限定するものではない。
【0103】
まず、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の母体材料の製造方法で、原材料を秤量する工程(S11)は、母体材料をモル比に合わせて秤量して適切な量の溶媒を入れる工程であり得る。
【0104】
母体材料は、下記の式2を満足することができる。
[式2]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BicAg1-c)ZrO
【0105】
式2中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、xは0≦x≦0.04である。
【0106】
例えば、式2を満足する母体材料は、(Na、K、Sr、Bi、Ag)(Nb、Sb、Zr)Oであり、焼結性を高めるために0.5mol%の酸化鉄(Fe)を追加することができる。
【0107】
式2を満足する母体材料は、秤量する工程で炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化アンチモン(Sb)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化銀(AgO)、および酸化鉄(Fe)を合成しようとする組成のモル比に合わせて秤量して、ナイロンジャ(jar)に入れ、適量の溶媒(例えば、エタノール)を添加することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0108】
次に、原材料を混合する工程(S12)は、秤量した原材料とエタノールをボールミル(ball mill)工程を用いて、24時間混合および粉砕する工程である。また、混合する工程は、混合する工程の後、溶媒と混合したパウダーを分離するための乾燥する工程をさらに含み得る。ここで、乾燥する工程は、ディッシュ(dish)に混合した原材料を入れ、約100℃の温度で十分に乾燥して行うことができる。
【0109】
また、本明細書の実施例によれば、原材料を混合する工程(S12)は、一次混合した原材料を相合性するか焼工程(S13)をさらに含み得る。
【0110】
か焼する工程(S13)は、混合が完了した後、乾燥した混合物を乳鉢で細かく粉砕し、アルミナるつぼに入れて電気炉で5℃/分の昇温速度で昇温後、850℃で6時間焼成(calcination)した後、常温に自然冷却する工程であり得る。例えば、か焼温度は、800℃~900℃であり、維持時間は、1時間~10時間であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0111】
次に、相合成した母体材料を粉砕する工程(S14)は、相合成した母体材料に溶媒(エタノール)を一緒に入れ、ボールミル(ball mill)工程を用いて、24時間粉砕し、粒子を小さくする工程であり得る。
【0112】
また、粉砕する工程は、粉砕する工程の後、溶媒と混合したパウダーを分離するための乾燥する工程をさらに含み得る。ここで、乾燥する工程は、ディッシュに粉砕した母体材料を入れ、100℃の温度で十分に乾燥して行うことができ、例えば、3時間乾燥を進行することができ、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0113】
さらに、本明細書の実施例によれば、相合成した母体材料を粉砕する工程(S14)は、材料を選別(sieving)する工程をさらに含み得る。
【0114】
選別する工程は、40メッシュ(mesh)の篩を用いて乳鉢で細かく砕いて乾燥したパウダーを篩にかけて一定の大きさ以下の粒子からなるパウダーを作る工程である。40メッシュの篩を通ったパウダーは、400μm以下の大きさを有することができる。
【0115】
次に、粉砕した母材を成形する工程(S15)は、選別したパウダーを成形(または加圧成形)する工程であり得る。
【0116】
例えば、二次混合材料を成形(または加圧成形)する工程は、円形形状の成形モールドに入れて一軸加圧成形する工程であり得、一軸加圧成形の圧力は100kg/f(force)であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0117】
次に、母体成形体を焼結する工程(S16)は、設定した焼結温度で焼結する工程であり得る。
【0118】
例えば、焼結温度は、1070~1110℃の範囲で行うことができ、焼結時間は3時間~6時間維持することができ、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0119】
次に、母体焼結体に電極を形成する工程(S17)は、焼結体の一面および一面(または第1面)に対向する他面(または第2面)に電極を塗布する工程であり得る。
【0120】
例えば、焼結体に塗布する電極は、金属など銀(Ag)電極であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0121】
また、電極を塗布(または形成)した後に電極が塗布された焼結体をポーリング(poling)する工程をさらに含むことができ、ポーリングする工程は、例えば0℃~40℃の温度に設定されたシリコーンオイル中で4kV/mmの電界を約30分間印加して、分極を整列させることができる。
【0122】
図12は、本明細書の実施例に係る母体材料のXRD(X線回折パターン)データである。
【0123】
図12において、X軸はX線回折の2θ値であり、縦軸は相対的な強度である。
【0124】
図12において、母体材料の組成は、0.96(NaK)(NbSb)-(0.04-x)CaZrO-x(BiAg)ZrOで準備し、1090℃で3時間焼結して準備した。aはx=0、bはx=0.01、cはx=0.02、dはx=0.03、eはx=0.04に変更して測定した。
【0125】
図12を参照すると、BAZ((BiAg)ZrO)の添加量が増加するにつれて、全組成にわたって二次相のない均一なペロブスカイト構造を有することが分かる。
【0126】
図13A図13Eは、本明細書の実施例に係る母体材料の回折ピークである。母体材料の66.5°を0.3°/minの低速で測定した回折ピークである。図13は、小型アングルX線(small angle X-ray)の結果を示したもので、小型アングルX線は、通常1~1.5度の範囲の2θ値を分析し、ナノ構造を分析するために使用され、本明細書では該当する2θの範囲の相の共存、相転移などを観察するために用いた。
【0127】
図13A図13Eにおいて、X軸はX線回折の2θ値であり、縦軸は相対的な強度である。
【0128】
図13A図13Eにおいて、母体材料の組成は、0.96(NaK)(NbSb)-(0.04-x)CaZrO-x(BiAg)ZrO3で、1090℃で3時間焼結して準備した。回折ピークの測定は、図13Aでx=0、図13Bでx=0.01、図13Cでx=0.02、13Dでx=0.03、図13Eでx=0.04にして測定した。
【0129】
図13Aを参照すると、BAZを添加していない場合、菱面体(R)相と直方晶系(O)相が共存することが分かり、図13B図13Eを参照すると、BAZ添加量の増加に伴い、T相が徐々に増加する傾向が分かる。また、図13Eを参照すると、BAZx=0.04だけ添加した場合、直方晶系(O)相は消え、菱面体(R)-正方晶系(T)相が共存する構造を有することが分かる。
【0130】
図14は、本明細書の実施例に係る母体材料の断面写真(a)~(e)である。
【0131】
図14において、母体材料は、0.96(NaK)(NbSb)-(0.04-x)CaZrO-x(BiAg)ZrOの組成で準備し、0.5mol%の酸化鉄(Fe)を焼結性のために添加した。
【0132】
図14の(a)はx=0、bはx=0.01、cはx=0.02、dはx=0.03、eはx=0.04として準備したサンプルの破断面表面研磨後に撮影したものである。
【0133】
図14の(a)を参照すると、23μmの大きな結晶粒と0.5μmの小さな結晶粒の2種類の結晶粒を含むことが分かる。図14の(b)~(e)を参照すると、BAZの含有量が増加するにつれて大きな大きさの結晶粒のみを有することが示され、これはBAZが結晶成長に影響を与えることを意味する。また、結晶粒の大きさが大きくなるにつれて圧電特性が増加する傾向により、結晶粒の大きさが増加するにつれて圧電特性が増加することが分かる。
【0134】
図15Aは、本明細書の実施例に係る母体材料の温度による誘電定数値の変化であり、図15B図15Fは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ含有量の増加による誘電率および損失係数の変化を示す図である。図15A図15Fにおいて、母体材料は、0.96(Na、K)(Nb、Sb)O-(0.04-x)CaZrO+x(Bi、Ag)ZrOの組成で準備し、0.5mol%の酸化鉄(Fe)を焼結性のために添加した。
【0135】
図15A図15Fを参照すると、組成全体にわたって相転移温度であるTcは、178℃付近でBAZ添加によって大きな変化がないことが分かり、菱面体(R)-直方晶系(O)の転移温度(TR-O)がほぼ一定の傾向を示し、回折パターンで確認したようにBAZを添加していない0.96(Na,K)(Nb,Sb)O-(0.04-x)CaZrO組成の場合、常温で菱面体と直方晶系の共存がみられる。そして、BAZ含量の増加に伴い直方晶系(O)-正方晶系(T)の転移温度TO-Tが徐々に下がり、x=0.03組成では、3つの結晶構造の比率が約3:3:3の比率を見られ示す。x=0.04組成では、直方晶系(Orthorhombic)への相転移を飛び越えて菱面体と正方晶系相が共存する構造を有する。
【0136】
図16A図16Eは、本明細書の実施例に係る母体材料のBAZ含有量の増加に伴う互いに異なる周波数による温度誘電率グラフである。図16A図16Eにおいて、母体材料は、0.96(Na、K)(Nb、Sb)O-(0.04-x)CaZrO+x(Bi、Ag)ZrOの組成で準備し、0.5mol%の酸化鉄(Fe)を焼結性のために添加した。
【0137】
図16Aを参照すると、周波数が変化してもTO-T誘電ピークの温度が一定であることが分かる。図16B図16Eを参照すると、ナノドメインまたはPNR(Polar nano regions)を有する緩和型(Relaxor)誘電体であるか、欠陥双極子(defect dipole)によって、周波数によって誘電ピークが変化する傾向を示すことが分かる。例えば、図16Bでは、100Hzで500kHzに対比してTO-T誘電ピークが約1.5℃シフトしたことが分かり、図16Cでは、100Hzで500kHzに対比してTO-T誘電ピークは約5.5℃シフトしたことが分かり、図16Dでは、100Hzで500kHzに対比してTO-T誘電ピークが約14℃シフトしたことが分かり、図16Eでは、100Hzで500kHzに対比してTO-T誘電ピークは約15℃シフトしたことが分かるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0138】
したがって、本明細書の実施例による母体材料は、周波数依存性を有することによってBAZの組成を追加してナノドメインを有することが分かる。
【0139】
図17Aおよび図17Bは、本明細書の実施例に係る母体材料の透過電子顕微鏡写真である。図17Aおよび図17Bにおいて、母体材料は、0.96(Na、K)(Nb、Sb)O-(0.04-x)CaZrO+x(Bi、Ag)ZrOの組成で準備し、0.5mol%の酸化鉄(Fe)を焼結性のために添加し、図17Aはx=0、図17Bはx=0.03で準備した後に撮影したものである。
【0140】
図17Aおよび図17Bを参照すると、x=0の組成の場合は、約100nmのドメイン大きさを示し、x=0.03の組成は、約3×20nmのナノドメイン構造を有することを確認した。
【0141】
図17Aおよび図17B、および図16を結びつけると、誘電特性において周波数依存性が現れる現象は、ナノドメイン又は局所ナノ領域(polar nano region,PNR)の形成に起因することができる。
【0142】
したがって、BAZ添加によりナノサイズのドメイン構造や局所ナノ領域(polar nano region,PNR)が形成され得、周波数分散特性を示すことが分かる。
【0143】
図18は、本明細書の実施例に係る母体材料の損失係数、相対密度、誘電率(εT33/ε0、dielectric constant)、圧電電荷定数(d33、Piezoelectric Charge Constant)、および電気機械結合係数(kρ、Electromechanical Coupling Factor)を示す図である。図18において、母体材料は、0.96(Na,K)(Nb,Sb)O-(0.04-x)CaZrO-x(Bi,Ag)ZrOの組成で準備し、1090℃で3時間焼結を行って準備した。例えば、焼結温度は、1000℃~1150℃であり得、維持時間は、1時間~10時間であり得、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0144】
図18を参照すると、相対密度は、BAZの含有量0.00~0.04の範囲で約92%以上の相対密度を示すことが分かり、BAZ含有量の増加に伴って徐々に誘電率と圧電定数が増加する傾向を示すことが分かる。損失係数(loss)は、BAZの含有量0.00~0.04の範囲で4%以下の値を値することが分かる。圧電定数は、菱面体(R)-直方晶系(O)-正方晶系(T)の3つの結晶構造を類似の割合で有するx=0.03組成でd33=710pC/Nの最も優れた圧電特性を示し、それ以上に増加するほど正方晶系(T)相が多くなり、x=0.04組成ではd33=565pC/Nまで圧電特性が低下し始めることが分かる。電気機械結合係数(kρ、Electromechanical Coupling Factor)は、材料に伝達された応力を電荷に変換する係数値を示し、1の場合、100%の変換効率を有することができる。BAZの含有量0.00~0.04の範囲で約0.40以上の値を示すことが分かる。
【0145】
図19Aは、母体材料のポーリング(poling)温度による圧電電荷定数であり、図19Bは、電場による圧電電荷定数であり、図19Cはアニーリング温度による圧電電荷定数である。図19A図19Cにおいて、母体材料は、0.96(NaK)(NbSb)O3-0.01CaZrO-0.03(Bi0.5Ag0.5)ZrOの組成で準備した。
【0146】
図19Aを参照すると、x=0.03の組成は、20度付近で菱面体(R)-直方晶系(O)-正方晶系(T))R-O-T)3相の結晶構造を有するため、ポーリング温度もまた20度付近で最も優れた圧電定数値を有することが分かる。図19Bを参照すると、ポーリング電圧は、1kV/mm付近で飽和することが分かる。図19Cを参照すると、アニール温度が上昇するほど圧電電荷定数が減少することが分かり、130℃で568pC/Nの値に若干減少し、130℃以上では圧電特性が急激に減少することを確認した。これは、150℃以上の温度から強誘電-相誘電相転移領域に近づくためである。
【0147】
図20は、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物のシードの製造方法フローチャートである。
【0148】
図20を参照すると、本明細書の実施例に係る圧電材料組成物のシードの製造方法は、シード材料を一次秤量する工程(S21)、一次シードを準備する工程(S22)、二次秤量する工程(S23)、および二次シードを準備する工程(S24)を含む。
【0149】
まず、シード材料を一次秤量する工程(S21)は、一次シード材料をモル比に合わせて秤量して適切な量の溶媒を入れる工程である。
【0150】
ここで、一次シードで合成しようとする組成のモル比は(Bi2.5Na3.5)Nb16であり得る。したがって、以下では、一次シードを「BNNシード」と呼ぶことができる。
【0151】
例えば、シード材料を一次秤量する工程で、炭酸ナトリウム(NaCO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ビスマス(Bi)および塩化ナトリウム(NaCl)を合成しようとする組成のモル比に合わせて秤量し、ナイロンジャ(jar)に入れ、適切な量の溶媒を添加することができる。例えば、溶媒はエタノールであり得るが、本明細書の実施例はこれらに限定されるものではない。
【0152】
また、一次秤量する工程で炭酸ナトリウム(NaCO)、酸化ナイオブ(Nb)および酸化ビスマス(Bi)と塩化ナトリウム(NaCl)との比率を調節することができる。例えば、比率は、重量比またはモル比であり得る。例えば、炭酸ナトリウム(NaCO)、酸化ナイオブ(Nb)および酸化ビスマス(Bi)を含む酸化物対塩化ナトリウムの比率は1:1.5であり得るが、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0153】
一次シードを準備する工程(S22)は、前の工程で秤量された材料を混合する工程と混合した一次シード材料を相合成する工程をさらに含み得る。
【0154】
例えば、混合した一次シード材料を溶媒に混合し、ボールミル(ball mill)工程を用いて12時間混合および粉砕することができる。また、一次シードを混合する工程は、混合および粉砕工程が完了した後に溶媒と混合したパウダーを分離するための乾燥工程をさらに含み得る。ここで、乾燥する工程は、ディッシュに一次混合した母体材料を入れ、100℃の温度で十分に乾燥して行うことができ、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0155】
例えば、相合成する工程は、一次シード材料を混合および乾燥した後、混合物を乳鉢で細かく砕き、アルミナるつぼに入れて電気炉で5℃/分の昇温速度で昇温した後、1100~1175℃で6時間か焼(calcination)した後、常温に自然冷却する工程であり得る。か焼が完了したBNNシードは、所定の板状形態の粒子を有することができる。ここで、一次シード材料を相合成する工程は、一次か焼とすることができる。
【0156】
一次シードを準備する工程(S22)は、か焼が完了した一次シードを洗浄する工程をさらに含み得る。
【0157】
例えば、一次シードを洗浄する工程は、一次シードパウダーに付着した塩化ナトリウム(NaCl)を除去するために、80℃以上の水を用いて5回~10回洗浄した後にフィルタリングすることができ、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0158】
次に、二次秤量する工程(S23)は、一次シードパウダーと一次シードパウダーのビスマス(Bi)を置換するためのナトリウムを含む物質と適切な量の溶媒を入れ、組成のモル比に適合するように秤量する工程であり得る。
【0159】
ここで、二次シードの組成のモル比は、NaNbOであり得る。したがって、以下では、二次シードを「NNシード」と呼ぶことができる。
【0160】
例えば、二次秤量する工程で炭酸ナトリウム(NaCO)および塩化ナトリウム(NaCl)を合成しようとする組成のモル比に合わせて秤量してビーカーに入れ、適切な量の溶媒を添加することができる。例えば、溶媒はエタノールであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0161】
次に、二次シードを準備する工程(S24)は、二次秤量した物質を混合し、トポケミカル反応(topochemical reaction)を行う工程を含み得る。
【0162】
例えば、二次秤量した物質を混合する工程は、攪拌工程によって行うことができ、ビーカーにマグネチックバー(magnetic bar)を投入し、80rpmで6時間行うことができ、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0163】
また、二次シードを準備する工程は、混合した二次秤量物質を乾燥するための乾燥工程をさらに含み得る。ここで、乾燥する工程は、ディッシュに混合物を入れ、100℃の温度で3時間乾燥して行うことができる。
【0164】
例えば、トポケミカル反応を行う工程は、乾燥した二次シード材料をるつぼに入れ、975℃で6時間行うことができ、本明細書の実施例はこれらに限定されない。トポケミカル反応を行うことにより、一次シードに含まれていたビスマス(Bi)をナトリウム(Na)に交換することができる。トポケミカル反応については、図21を参照して詳細に後述することにする。
【0165】
ここで、トポケミカル反応を進行する工程は、二次か焼ということができる。
【0166】
二次シードを準備する工程(S24)は、トポケミカル反応が完了した二次シードを洗浄する工程をさらに含み得る。
【0167】
例えば、二次シードを洗浄する工程は、NNシードに付着した塩化ナトリウム(NaCl)を除去するために、80℃以上の水を用いて5回~10回洗浄した後にフィルタリングすることができ、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0168】
また、洗浄およびフィルタリング後にも、NNシードに残存するビスマス(Bi)を除去するために硝酸を用いて数回酸処理後、水で中和洗浄することができる。例えば、ビーカーに硝酸を注いだ後、NNシードを入れて10分毎に揺らして、これを1時間~2時間繰り返して行うことができる。
【0169】
図21は、二次シードを準備する工程で発生する結晶変化を示したものである。図21において、左側に示すBi[(Bi0.5Na3.5)Nb16]の組成を有する結晶構造は、一次シードを示したものであり、以下では、BNNシードと呼ぶことができる。次に、右側に示すNaNbO組成を有する結晶構造は、二次シードを示したものであり、以下では、NNシードと呼ぶことができ、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0170】
図21を参照すると、Bi[(Bi0.5Na0.5)Nb16]の組成を有する一次シードの結晶構造は、上からNbO八面体とNbO八面体の間にナトリウム(Na)およびビスマス(Bi)が混在した層、(Bi)2+層、擬似ペロブスカイト(Pseudo-perovskite)層、(Bi)2+層およびNbO八面体とNbO八面体の間にナトリウム(Na)およびビスマス(Bi)が混在した層が繰り返される構造であり得る。次に、NaNbO組成を有する二次シードの結晶構造は、NbO八面体を中心にしてナトリウム(Na)が囲む構造を有することができる。
【0171】
図21の二次シードを準備する工程(S24)により、一次シードは、トポケミカル反応(topochemical reaction)によって二次シードに変換することができる。ここで、トポケミカル(topochemical)とは、固相化学反応において母結晶の方位と生成物の結晶方位がそれぞれ異なる方位関係を有する一方、結晶粒子の形態が保存される化学反応を意味する。
【0172】
したがって、図21に示すように、一次シードのBi元素がNa元素に置換される過程で、NbO八面体とNbO八面体の間にナトリウム(Na)およびビスマス(Bi)が混在した層、(Bi)2+層、擬似ペロブスカイト層は、全てNaNbO組成を有する単一構造に変換することができる。
【0173】
図22は、本明細書の実施例に係る表示装置を示す斜視図であり、図23は、図22に示す線I-I’に沿って図示した断面図である。
【0174】
図22および図23を参照すると、本明細書の実施例に係る装置(または表示装置)は、画像を表示する振動部材(または表示パネル100)および振動部材100の後面(または背面)で振動部材または表示パネル100を振動させる圧電素子200とを含み得る。
【0175】
本明細書の実施例に係る装置(または表示装置)は、振動部材または表示パネル100および振動部材または表示パネル100の後面(または背面)に配置された圧電素子(または振動素子)200とを含み得る。例えば、振動部材または表示パネル100は、圧電素子200の振動に応じて音響を出力することができる。例えば、振動部材100または表示パネルは、振動対象物、表示パネル、振動板、または前面部材であり得、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0176】
例えば、振動部材または表示パネル100または振動対象物は、映像を表示する複数の画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段のガラス窓、運送手段の外装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、木材、プラスチック、ガラス、金属、布、繊維、紙、ゴム、皮革、および鏡のうちの1つ以上を含み得、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0177】
以下では、振動部材が表示パネル100であるものを例として説明する。
【0178】
表示パネル100は、映像、例えば、電子映像(electronic image)またはデジタル映像(digital image)または静止映像(still image)またはビデオ映像(video image)を表示することができる。例えば、表示パネル100は、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、量子ドット発光表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、および電気泳動表示パネルなどのような、あらゆる形状の表示パネルまたは曲面型表示パネルであり得る。表示パネル100は、フレキシブル表示パネルであり得る。例えば、表示パネル100は、フレキシブル発光表示パネル、フレキシブル電気泳動表示パネル、フレキシブル電子湿潤表示パネル、フレキシブルマイクロ発光ダイオード表示パネル、またはフレキシブル量子ドット発光表示パネルであり得、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0179】
本明細書の実施例に係る表示パネル100は、複数の画素の駆動によって映像を表示する表示領域(AA)を含み得る。そして、表示パネル100は、表示領域(AA)を囲む非表示領域(IA)をさらに含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0180】
圧電素子200は、表示パネル100の背面で表示パネル100を振動させることで、表示パネル100の振動に基づいて音響および/またはハプティックフィードバックを使用者に提供することができる。例えば、圧電素子200は、表示パネル100を直接振動させるように表示パネル100の背面に実現され得、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0181】
本明細書の実施例によると、圧電素子200は、表示パネル100に表示される映像と同期される振動驅動信号によって振動して表示パネル100を振動させることができる。本明細書の他の実施例によると、圧電素子200は、表示パネル100上に配置されるか、または表示パネル100に内蔵されたタッチパネル(またはタッチセンサー層)の対する使用者のタッチに同期されるハプティックフィードバック信号(またはタクタイルフィードバック信号)によって振動して表示パネル100を振動させることができる。これにより、表示パネル100は、圧電素子200の振動によって振動して音響およびハプティックフィードバックのうちの少なくとも1つ以上を使用者(または視聴者)に提供することができる。
【0182】
本明細書の実施例に係る圧電素子200は、振動部材または表示パネル100の表示領域(AA)と対応する大きさに実現され得る。圧電素子200の大きさは、表示領域(AA)の大きさに対して0.9倍~1.1倍であり得、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、圧電素子200の大きさは、表示領域(AA)の大きさと同一または実質的に同じか、または小さいことがあり得る。例えば、圧電素子200の大きさは、表示パネル100の表示領域(AA)と同一するか、またはほぼ同一の大きさを有することができるので、表示パネル100の大部分の領域をカバーすることができ、圧電素子200から発生する振動が表示パネル100の全体領域を振動させることができるので、音響の定位感が高く、使用者の満足度が向上し得る。また、表示パネル100と圧電素子200との間の接触面積(またはパネルカバレッジ(panel coverage))が増加して表示パネル100の振動領域が増加し得るので、表示パネル100の振動によって発生される中低音域帯の音響が向上され得る。そして、大型の装置(または表示装置)に適用される圧電素子200は、大型(または大面積)の表示パネル100の全体を振動させることができるので、表示パネル100の振動による音響の定位感がさらに向上されて向上された音響効果を実現することができる。したがって、本明細書の実施例に係る圧電素子200は、表示パネル100の背面に配置されて表示パネル100を上下(または前後)方向に十分に振動させることができるので、装置または表示装置の前方に音響を出力することができる。
【0183】
本明細書の実施例に係る圧電素子200は、フィルム形状に実現され得る。圧電素子200がフィルム形状に実現されるので、表示パネル100よりも薄い厚さを有することができるので、圧電素子200の配置によって装置または表示装置の厚さの増加が最小限に低減または抑えされ得る。例えば、圧電素子200は、表示パネル100を音響振動板として使用する音響発生モジュール、音響発生装置、フィルムアクチュエータ、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現され得、これらの用語に限定されるものではない。本明細書の他の実施例としては、圧電素子200は、表示パネルの背面に配置されずに、表示パネル100ではなく、振動対象物(vibration object)に適用され得る。例えば、振動対象物は、非表示パネル、木材、金属、プラスチック、ガラス、布、紙、鏡、繊維、ゴム、皮革、自動車の内装材、自動車のガラス窓、建物の室内天井、建物のガラス窓、航空機の内装材、および航空機のガラス窓などであり得、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、非表示パネルは、発光ダイオード照明パネル(または装置)、有機発光照明パネル(または装置)または無機発光照明パネル(または装置)などであり得、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。この場合、振動板として振動対象物を適用することができ、圧電素子200は、振動対象物を振動させて音響を出力することができる。
【0184】
本明細書の実施例に係る圧電素子200は、振動構造物230、および振動構造物230と表示パネル100との間に配置された連結部材210をさらに含み得る。
【0185】
本明細書の実施例によれば、連結部材210は、少なくとも1つの記載を含み、機材の一面または両面に付着された接着層を含むか、または単一層の接着層で構成され得る。
【0186】
例えば、連結部材210は、フォームパッド、両面テープ、または接着剤などを含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。連結部材210の接着層は、エポキシ(epoxy)、アクリル(acrylic)、シリコーン(silicone)、またはウレタン(urethane)を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0187】
本明細書の実施例に係る装置(または表示装置)は、表示パネル100の背面に配置された支持部材300をさらに含み得る。
【0188】
支持部材300は、表示パネル100の背面を覆うことができる。例えば、支持部材300は、ギャップ空間(GS)を間に置いて表示パネル100の背面全体を覆うことができる。例えば、支持部材300は、ガラス材質、金属材質およびプラスチック材質のうちの少なくとも1つ以上の材質を含み得る。例えば、支持部材300は、背面構造物またはセット構造物であり得る。例えば、支持部材300は、カバーボトム(Cover Bottom)、プレートボトム(Plate Bottom)、バックカバー(Back Cover)、ベースフレーム(Base Frame)、メタルフレーム(Metal Frame)、メタルシャーシ(Metal Chassis)、シャーシベース(Chassis Base)、またはm-シャーシなどの他の用語で表現され得る。例えば、支持部材300は、表示パネル100の背面に配置されるあらゆる形状のフレームまたは板状構造物などで実現され得る。しかし、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0189】
本明細書の実施例に係る装置(または表示装置)は、ミドルフレーム400をさらに含み得る。
【0190】
ミドルフレーム400は、表示パネル100の背面の縁部分と支持部材300の前面の縁部分との間に配置され得る。ミドルフレーム400は、表示パネル100の縁部分と支持部材300の縁部分のうちの1つ以上をそれぞれ支持し、表示パネル100と支持部材300のそれぞれの側面のうちの1つ以上を囲み得る。ミドルフレーム400は、表示パネルと支持部材300との間にギャップ空間(GS)を構成することができる。ミドルフレーム400は、ミドルキャビネット、ミドルカバー、またはミドルシャーシなどで表現され得、これらの用語に限定されるものではない。
【0191】
本明細書の実施例に係るミドルフレーム400は、第1支持部分410と第2支持部分430を含み得る。
【0192】
第1支持部分410は、表示パネル100の背面の縁部分と支持部材300の前面の縁部分との間に配置されることで、表示パネル100と支持部材300との間にギャップ空間(GS)を構成することができる。第1支持部分410の前面は、第1フレーム連結部材401を介して表示パネル100の背面の縁部分と結合されるか、または連結され得る。第1支持部分410の背面は、第2フレーム連結部材403を介して支持部材300の前面の縁部分と結合されるか、または連結され得る。例えば、第1支持部分410は、四角形状の単一のフレーム構造を有するか、または複数の分割バーの形状を有するフレーム構造を含むことができ、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0193】
第2支持部分430は、装置(または表示装置)の厚さ方向(Z)と平行するように第1支持部分410の外側面に垂直に結合され得る。第2支持部分430は、振動部材100の外側面と支持部材300の外側面のうちの1つ以上を囲むことにより、振動部材100と支持部材300のそれぞれの外側面を保護することができる。第1支持部分410は、第2支持部分430の内側面から表示パネル100と支持部材300との間のギャップ空間(GS)に突出され得る。
【0194】
図24は、図23の圧電素子を詳細に示す図である。
【0195】
図24を参照すると、本明細書の実施例に係る圧電素子200は、振動構造物230を含むことができ、振動構造物230は、圧電素子層231、および圧電素子層231の第1面に配置された第1電極部233、および第1面と対向する圧電素子層231の第2面に配置された第2電極部235を含み得る。
【0196】
圧電素子層231は、第1物質層231aおよび第1物質層231aによって囲まれた第2物質層231bを含む。本明細書の実施例によれば、1つの第1物質層231aおよび第2物質層231bは、同同一または実質的に同一の結晶方向を有する1つの結晶(grain)を形成することができ、隣接する他の1つの結晶粒(grain)をなす異なる1つの第1物質層231aおよび第2物質層231bと接する部分に結晶粒界(GB:grain boundary)が形成され得る。本明細書のいくつかの実施例で、結晶方向は、図で定義された+Z軸方向である。しかし、結晶方向は、様々な方向が適用可能である。
【0197】
本明細書の実施例によれば、第1物質層231aは、第2物質層231bの結晶方向に基づいて結晶粒が成長され、複数の第1物質層231aは、同同一または実質的に同一の結晶方向を有することができ、例えば(001)結晶方向を有することができ、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0198】
第1電極部233および第2電極部235は、金属電極を用いることができ、例えば、銀電極を用いることができ、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0199】
また、図19において振動構造物230は、単一層で示しているが、求められる圧電素子の性能値に応じて、追加積層されるように構成され得る。
【0200】
前述の振動構造物230の実施例は、例示的かつ説明的なものであることを理解されたい。本明細書の実施例に係る振動構造物230は、材料層の量および/または位置など特定の構造または構成に制限されない。
【0201】
本明細書の1つ以上の実施例に係る圧電素子は、装置(または表示装置)に配置される振動装置に適用され得る。本明細書の実施例に係る装置(または表示装置)は、モバイルデバイス、映像電話器、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable apparatus)、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブルデバイス(flexible apparatus)、カーブ・ド・機器(curved apparatus)、スライディング機器(sliding apparatus)、可変機器(variable apparatus)、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション、(workstation)、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用表示装置、車両用装置、劇場用装置、劇場用表示装置、テレビ、ウオールペーパー(wallpaper)機器、サイネージ(signage)機器、ゲーム機器、ノートパソコン、モニター、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などに適用され得る。そして、本明細書の実施例に係る振動装置は、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用され得る。振動装置が照明装置に適用される場合、照明装置は、照明およびスピーカーの役割をすることができる。そして、本明細書の実施例に係る振動装置がモバイルデバイスなどに適用される場合、振動装置は、スピーカー、レシーバー、およびハプティック装置のうちの1つ以上であり得、本明細書の実施例は、これに限定されるものではない。
【0202】
本明細書の実施例に係る圧電材料組成物、それを製造する方法、圧電素子、および圧電素子を含む装置は、以下のように説明され得る。
【0203】
本明細書の実施例に係る装置は式1で表され得る。
[式1]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BicAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO
【0204】
式1で、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04、0≦d≦5.0である。
【0205】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物は、第1物質、および第1物質によって囲まれた第2物質を含み得る。
【0206】
本明細書の1つ以上の実施例によると、第1物質は、式2で表され得る。
【0207】
[式2]
0.96(NaK1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BicAg1-c)ZrO
【0208】
式2で、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04である。
【0209】
本明細書の1つ以上の実施例によると、第1物質のアスペクト比は、5~20であり得る。
【0210】
本明細書の1つ以上の実施例によると、第2物質は、NaNbOであり得る。
【0211】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物は、0mol%~5mol%の第2物質を含み得る。
【0212】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物は、3mol%の第2物質を含み得る。
【0213】
本明細書の1つ以上の実施例によると、第1物質は、(001)単一方向に結晶配向した複数の結晶粒を含み、複数の結晶粒の内部には、第2物質が配置され、複数の結晶粒は、第2物質から反応して成長され得る。
【0214】
本明細書の1つ以上の実施例によると、第2材料は、複数の結晶粒界のそれぞれの中心部に配置され得る。
【0215】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物のロザリングファクタは、94%以上であり得る。
【0216】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物は、正方晶系(T)、直方晶系(O)、または菱面体(R)のうち、常温で少なくとも2つの相が共存することができる。
【0217】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物は、ナノドメインを含み得る。
【0218】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物は、極性ナノ領域を含み得る。
【0219】
本明細書の実施例に係る圧電材料組成物の製造方法は、母体材料およびシード材料を混合してスラリーを準備する工程、スラリーを成形して成形体を準備する工程、および成形体を焼結して焼結体を準備する工程を含み、秤量した母体材料およびシード材料が、式1で表される、圧電材料組成物の製造方法。
[式1]
0.96(NaK1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BicAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO
【0220】
式1で、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04、0≦d≦5.0であり得る。
【0221】
本明細書の1つ以上の実施例によると、母体材料は、式2で表され得る。
[式2]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BicAg1-c)ZrO
【0222】
式1で、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04であり得る。
【0223】
本明細書の1つ以上の実施例によると、シード材料は、NaNbO単一結晶であり得る。
【0224】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物は、0mol%~5mol%のシード材料を含み得る。
【0225】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物は、3mol%のシード材料を含み得る。
【0226】
本明細書の1つ以上の実施例によると、成形体を焼結する工程で、成形体は1070℃~1110℃で3時間~6時間維持され得る。
【0227】
本明細書の1つ以上の実施例によると、母体材料は、母体材料を製造するために原材料を混合および合成する工程、および合成した母体材料を粉砕する工程により準備され得る。
【0228】
本明細書の1つ以上の実施例によると、シード材料は、シード材料を一次秤量する工程、一次シードを準備する工程、一次シードを含み二次秤量する工程、および二次シードを準備する工程を含み、一次シードは、(Bi2.5Na3.5)Nb16であり、二次シードは、NaNbOであり得る。
【0229】
本明細書の1つ以上の実施例によると、二次シードを準備する工程は、一次シードおよび炭酸ナトリウム(NaCO)および塩化ナトリウム(NaCl)を秤量した混合物をトポケミカル反応を通じて行うことができる。
【0230】
本明細書の1つ以上の実施例によると、母体材料は、酸化鉄(Fe)を含み、圧電材料組成物は、5mol%のNaNbOシードを含み得る。
【0231】
本明細書の他の実施例によると、圧電素子は、圧電材料層を含み、圧電材料層は、第1材料および第2材料を有する圧電材料組成物を含む複数の結晶を含み、圧電材料組成物は、式1で表され得る:
[式1]
0.96(Na1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO(式中、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦d≦5.0、0≦x≦0.04である)。
【0232】
本明細書の1つ以上の実施例によると、複数の結晶は、結晶粒界によって区別され、結晶粒界は、複数の結晶における第1材料間の境界であり、第2材料は、複数の結晶粒界に配置され得る。
【0233】
本明細書の1つ以上の実施例によると、複数の結晶粒界の第1材料は、同一の結晶方向を有することができる。
【0234】
本明細書の1つ以上の実施例によると、第2材料は、複数の結晶粒界のそれぞれの中心部に配置され得る。
【0235】
本明細書の実施例に係る圧電素子は、第1物質によって囲まれた第2物質を含む圧電素子層、圧電素子層の第1面に配置された第1電極部、および第1面に対向する圧電素子層の第2面に配置された第2電極部を含み、圧電素子層は、式1で表され得る。
[式1]
0.96(NaK1-a)(Nb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO-x(BiAg1-c)ZrO+dmol%NaNbO
【0236】
式1で、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04、0≦d≦5.0であり得る。
【0237】
本明細書の1つ以上の実施例によると、第1物質は、0.96(NaK1-a)(Nbb(T1-b))O-(0.04-x)MZrO3-x(BicAg1-c)ZrOであり得る。
【0238】
式2で、TはSbまたはTa、MはSr、Ba、またはCa、0.4≦a≦0.6、0.90≦b≦0.98、0.4≦c≦0.6、0≦x≦0.04である。
【0239】
本明細書の1つ以上の実施例によると、第2物質は、NaNbOであり得る。
【0240】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成は、0mol%~5mol%を含み得る。
【0241】
本明細書の1つ以上の実施例によると、第1物質は、(001)単一方向に結晶配向した複数の結晶粒を含み、複数の結晶粒の内部には、第2物質が配置され、複数の結晶粒は、第2物質から反応して成長され得る。
【0242】
本明細書の1つ以上の実施例によると、圧電材料組成物のロザリングファクタは、94%以上であり得る。
【0243】
本明細書の実施例に係る表示装置は、振動部材、および振動部材の面にある圧電素子を含み、圧電素子層は、第1物質によって囲まれた第2物質を含む圧電素子層、圧電素子層の第1面に配置された第1電極部、および第1面に対向する圧電素子層の第2面に配置された第2電極部を含み、圧電素子層は、式1で表され得る。
【0244】
本明細書の技術的思想または範囲を逸脱しない範囲内で本明細書の実施例において様々な修正および変形を行うことができることは本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。したがって、本明細書の範囲は後述する特許請求の範囲によって決定され、特許請求の範囲の意味および範囲とその等価の概念から導出されるすべての変更または変形の形態が本明細書の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0245】
10:圧電材料組成物
11:第1物質
12:第2物質
13:電極部
100:表示パネル
200:圧電素子
210:連結部材
230:振動部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22
図23
図24