(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099496
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】ハイブリッドコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/46 20060101AFI20230706BHJP
H01R 13/6581 20110101ALI20230706BHJP
【FI】
H01R13/46 B
H01R13/6581
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022207713
(22)【出願日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】202111665110.6
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516193944
【氏名又は名称】タイコ・エレクトロニクス・テクノロジー・(エスアイピー)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Technology (SIP) Co.Ltd.
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ヂィエンリィン フアン
(72)【発明者】
【氏名】ファン カルロス パァン
(72)【発明者】
【氏名】ユァンミィン トニー ヂァン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FB02
5E021FB07
5E021FB21
5E021FC40
5E021LA11
5E087EE14
5E087FF03
5E087FF12
5E087FF18
5E087MM02
5E087PP01
5E087RR04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電力供給端子と信号端子を有するハイブリッドコネクタを提供する。
【解決手段】ハイブリッドコネクタは、第1の側および第2の側を有するハウジング10であって、第2の側は、ハウジングの横方向において第1の側の反対側にあるハウジングと、電気エネルギーおよび信号をそれぞれ伝送するために、ハウジングに配置され、ハウジング)の長手方向に沿って延びる複数の端子(P、D、S)とを備える。複数の端子(P、D、S)は、第1の側と第2の側との間の中間領域に配置されている電力供給端子Pと、電力供給端子とハウジングの第1の側との間に配置されている第1の信号端子Dと、電力供給端子とハウジングの第2の側との間に配置されている第2の信号端子Sとを含む。電力供給端子は、ハウジングの中間領域に配置され、第1の信号端子および第2の信号端子は、それぞれ電力供給端子の両側に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側および第2の側を有するハウジング(10)であって、前記第2の側は、前記ハウジング(10)の横方向(X)において前記第1の側の反対側にある、ハウジング(10)と、
電気エネルギーおよび信号をそれぞれ伝送するために、前記ハウジング(10)に配置され、前記ハウジング(10)の長手方向に沿って延びる複数の端子(P、D、S)と、
を備え、
前記複数の端子(P、D、S)は、
前記第1の側と前記第2の側との間の中間領域に配置されている電力供給端子(P)と、
前記電力供給端子(P)と前記ハウジング(10)の前記第1の側との間に配置されている第1の信号端子(D)と、
前記電力供給端子(P)と前記ハウジング(10)の前記第2の側との間に配置されている第2の信号端子(S)と、
を含む、
ハイブリッドコネクタ。
【請求項2】
前記第1の信号端子(D)の信号伝送レートは、前記第2の信号端子(S)の信号伝送レートよりも高い、
請求項1に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項3】
前記電力供給端子(P)は、前記ハウジング(10)の高さ方向(Y)に沿って縦並びで配置されている一対の電力供給端子(P)を含む、
請求項1に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項4】
前記第1の信号端子(D)は、複数対の第1の信号端子(D)を含み、各対の第1の信号端子(D)は、前記ハウジング(10)の前記横方向(X)に沿って横並びで配置され、
隣接する2対の第1の信号端子(D)が、前記ハウジング(10)の高さ方向(Y)において位置合わせされ、前記ハウジング(10)の前記高さ方向(Y)において所定の距離だけ離隔している、
請求項1に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項5】
前記第1の信号端子(D)は、複数対の第1の信号端子(D)を含み、各対の第1の信号端子(D)は、前記ハウジング(10)の高さ方向(Y)に沿って縦並びで配置され、
隣接する2対の第1の信号端子(D)が、前記ハウジング(10)の前記横方向(X)において位置合わせされ、前記ハウジング(10)の前記横方向(X)において所定の距離だけ離隔している、
請求項1に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項6】
前記第2の信号端子(S)は、前記ハウジング(10)の前記横方向(X)または高さ方向(Y)に沿って位置合わせされている複数の第2の信号端子(S)を含む、
請求項1に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項7】
前記第2の信号端子(S)は、前記ハウジング(10)の前記横方向(X)および高さ方向(Y)に沿って複数の横列および縦列に配置されている複数の第2の信号端子(S)を含む、
請求項1に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項8】
前記第2の信号端子(S)は、複数対の第2の信号端子(S)を含み、各対の第2の信号端子(S)は、前記ハウジング(10)の前記横方向(X)に沿って横並びで、または前記ハウジング(10)の高さ方向(Y)に沿って縦並びで配置され、
隣接する2対の第2の信号端子(S)が、前記ハウジング(10)の前記横方向(X)または前記高さ方向(Y)において位置合わせされかつ離隔している、
請求項1に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項9】
前記電力供給端子(P)は、前記第1の信号端子(D)および前記第2の信号端子(S)とは異なり、
前記電力供給端子(P)の断面積は、前記第1の信号端子(D)および前記第2の信号端子(S)の断面積よりも大きい、
請求項1から8のいずれか一項に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項10】
前記第1の信号端子(D)および前記第2の信号端子(S)が交換可能に用いられることが可能であるように、前記第1の信号端子(D)および前記第2の信号端子(S)は同一である、
請求項9に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項11】
前記第1の信号端子(D)は、イーサネット信号を伝送するための少なくとも一対のイーサネット信号端子(D1、D2)を含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項12】
前記第2の信号端子(S)は、LAN信号を伝送するための少なくとも一対のLAN信号端子(S1、S2、S3、S4)を含む、
請求項11に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項13】
前記ハイブリッドコネクタは、前記ハウジング(10)に配置されている電磁シールド(20)をさらに備え、
前記電磁シールド(20)は、前記第1の信号端子(D)を前記電力供給端子(P)から隔離するように前記電力供給端子(P)と前記第1の信号端子(D)との間に配置されている第1の側壁(21)を少なくとも備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項14】
前記第1の側壁(21)および前記電力供給端子(P)は、前記ハウジング(10)の前記横方向(X)において互いに隣接する、
請求項13に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項15】
前記電磁シールド(20)はまた、
前記第1の側壁(21)の反対側の第2の側壁(22)と、
前記第1の側壁(21)と前記第2の側壁(22)との間に接続されている第3の側壁(23)と、
を備え、
前記電磁シールド(20)の前記第1の側壁(21)、前記第2の側壁(22)および前記第3の側壁(23)は、一方側に開口している収容空間を形成し、前記第1の信号端子(D)は、前記収容空間に収容されている、
請求項13に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項16】
前記電磁シールド(20)は、閉じた周壁を備え、前記第1の信号端子(D)は、前記第1の信号端子(D)が前記電力供給端子(P)から隔離されるように、前記電磁シールド(20)に格納されている、
請求項13に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項17】
前記電磁シールド(20)は、回路基板への電気的接続のために前記ハウジング(10)の外側まで長手方向に延びる接続ピン(20a)を有する、
請求項13に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項18】
前記ハウジング(10)は、
前記ハイブリッドコネクタを固定的に設置するための設置部(12)と、
前記設置部(12)の一方側に固定的に接続されている本体部(11)と
を備え、
前記本体部(11)の周壁の外面は、相手側コネクタの相手側ハウジングと嵌合するための一体の嵌合面を形成するように、周方向に沿って連続的に延びる、
請求項1から8のいずれか一項に記載のハイブリッドコネクタ。
【請求項19】
端子キャビティ(110)が、前記端子(P、D、S)を収容するように前記本体部(11)に形成され、
前記端子(P、D、S)は、前記相手側コネクタの相手側端子と嵌合するように前記端子キャビティ(110)内へと延びる嵌合端部と、回路基板と接続するように前記設置部(12)の他方側から延びる接続端部とを備える、
請求項18に記載のハイブリッドコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において2021年12月31日に出願された中国特許出願第CN202111665110.6号の利益を主張し、その全開示が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、ハイブリッドコネクタ、特にレーザレーダ用コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、レーザレーダ用コネクタは通常、ハウジング、ならびに、ハウジングに配置される電力供給のための電力端子、イーサネット信号を伝送するためのイーサネット信号端子、および一般的な信号(例えばLAN信号)を伝送するための通常の信号端子を備える。
【0004】
従来技術において、電力端子は通常、ハウジングの横側、例えばハウジングの左側または右側に近い領域に配置され、イーサネット信号端子または通常の信号端子は通常、ハウジングの横方向の中間領域に配置される。それにより、ハウジングの中間領域に信号端子を広げるための空間がなくなるため、信号端子をハウジングの左側または右側に向かって広げることが不可能になる。
【0005】
加えて、従来技術においては、電力端子および信号端子が全く同じであり、それにより、信号端子の横方向サイズが過大になり、コネクタ全体の寸法が増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の難点のうちの少なくとも1つの側面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、ハイブリッドコネクタが提供される。ハイブリッドコネクタは、第1の側および第2の側を有するハウジングであって、第2の側は、ハウジングの横方向において第1の側の反対側にある、ハウジングと、電気エネルギーおよび信号をそれぞれ伝送するために、ハウジングに配置され、ハウジングの長手方向に沿って延びる複数の端子とを備える。複数の端子は、第1の側と第2の側との間の中間領域に配置されている電力供給端子と、電力供給端子とハウジングの第1の側との間に配置されている第1の信号端子と、電力供給端子とハウジングの第2の側との間に配置されている第2の信号端子とを含む。
【0008】
本発明の例示的実施形態によれば、第1の信号端子の信号伝送レートは、第2の信号端子の信号伝送レートよりも高い。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電力供給端子は、ハウジングの高さ方向に沿って縦並びで(in a column)配置されている一対の電力供給端子を含む。
【0010】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1の信号端子は、複数対の第1の信号端子を含み、各対の第1の信号端子は、ハウジングの横方向に沿って横並びで(in a row)配置され、隣接する2対の第1の信号端子が、ハウジングの高さ方向において位置合わせされ、ハウジングの高さ方向において所定の距離だけ離隔している。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1の信号端子は、複数対の第1の信号端子を含み、各対の第1の信号端子は、ハウジングの高さ方向に沿って縦並びで配置され、隣接する2対の第1の信号端子が、ハウジングの横方向において位置合わせされ、ハウジングの横方向において所定の距離だけ離隔している。
【0012】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第2の信号端子は、ハウジングの横方向または高さ方向に沿って位置合わせされている複数の第2の信号端子を含む。
【0013】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第2の信号端子は、ハウジングの横方向および高さ方向に沿って複数の横列(row)および縦列(column)で配置されている複数の第2の信号端子を含む。
【0014】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第2の信号端子は、複数対の第2の信号端子を含み、各対の第2の信号端子は、ハウジングの横方向に沿って横並びで、またはハウジングの高さ方向に沿って縦並びで配置され、隣接する2対の第2の信号端子が、ハウジングの横方向または高さ方向において位置合わせされかつ離隔している。
【0015】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電力供給端子は、第1の信号端子および第2の信号端子とは異なり、電力供給端子の断面積は、第1の信号端子および第2の信号端子の断面積よりも大きい。
【0016】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1の信号端子および第2の信号端子が交換可能に用いられることが可能であるように、第1の信号端子および第2の信号端子は同一である。
【0017】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1の信号端子は、イーサネット信号を伝送するための少なくとも一対のイーサネット信号端子を含む。
【0018】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第2の信号端子は、LAN信号を伝送するための少なくとも一対のLAN信号端子を含む。
【0019】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ハイブリッドコネクタは、ハウジングに配置されている電磁シールドをさらに備え、電磁シールドは、第1の信号端子を電力供給端子から隔離するように電力供給端子と第1の信号端子との間に配置されている第1の側壁を少なくとも備える。
【0020】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1の側壁および電力供給端子は、ハウジングの横方向において互いに隣接する。
【0021】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電磁シールドはまた、第1の側壁の反対側の第2の側壁と、第1の側壁と第2の側壁との間に接続されている第3の側壁とを備える。電磁シールドの第1の側壁、第2の側壁および第3の側壁は、一方側に開口している収容空間を形成し、第1の信号端子は、収容空間に収容される。
【0022】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電磁シールドは、閉じた周壁を備え、第1の信号端子は、第1の信号端子が電力供給端子から隔離されるように、電磁シールドに格納される。
【0023】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電磁シールドは、回路基板への電気的接続のためにハウジングの外側まで長手方向に延びる接続ピンを有する。
【0024】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ハウジングは、コネクタを固定的に設置するための設置部と、設置部の一方側に固定的に接続されている本体部とを備える。本体部の周壁の外面は、相手側コネクタの相手側ハウジングと嵌合するための一体の嵌合面を形成するように、周方向に沿って連続的に延びる。
【0025】
本発明の別の例示的実施形態によれば、端子キャビティが、端子を収容するように本体部に形成される。端子は、相手側コネクタの相手側端子と嵌合するように端子キャビティ内へと延びる嵌合端部と、回路基板に接続するように設置部の他方側から延びる接続端部とを備える。
【0026】
本発明に係る上述の例示的実施形態において、電力供給端子は、ハウジングの中間領域に配置され、第1の信号端子および第2の信号端子は、それぞれ電力供給端子の両側に配置される。このレイアウトの利点は、信号端子をハウジングの両側に向かって広げるのに好都合なことである。
【0027】
本発明の上記および他の特徴が、添付の図面を参照してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの説明斜視図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの、前側から見た説明斜視図である。
【
図3】本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの、後ろ側から見た説明斜視図である。
【
図4】本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの、前側から見た平面図である。
【
図5】本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの端子および電磁シールドの空間的レイアウトを示す図である。
【
図6】本発明の別の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの、前側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付の図面を参照して、本開示の例示的実施形態を以下で詳細に説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供されており、本開示の概念を当業者に十分に伝達するであろう。
【0030】
以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例において、図面を簡略化するために、周知の構造および装置は模式的に示されている。
【0031】
本発明の一般概念によれば、ハイブリッドコネクタが提供される。ハイブリッドコネクタは、第1の側および第2の側を有するハウジングであって、第2の側は、ハウジングの横方向において第1の側の反対側にある、ハウジングと、電気エネルギーおよび信号をそれぞれ伝送するために、ハウジングに配置され、ハウジングの長手方向に沿って延びる複数の端子とを備える。複数の端子は、第1の側と第2の側との間の中間領域に配置されている電力供給端子と、電力供給端子とハウジングの第1の側との間に配置されている第1の信号端子と、電力供給端子とハウジングの第2の側との間に配置されている第2の信号端子とを含む。
【0032】
図1は、本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの説明斜視図を示す。
図2は、本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの、前側から見た説明斜視図を示す。
図4は、本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの、前側から見た平面図を示す。
【0033】
図1~
図2および
図4に示すように、例示の実施形態においては、例えばレーザレーダと接続するのに好適なハイブリッドコネクタが開示されており、これは電力および信号を同時に伝送することができる。ハイブリッドコネクタは主に、ハウジング10および複数対の端子P、D、Sを備える。ハウジング10は、第1の側(例えば図における右側)、およびハウジング10の横方向Xにおいて第1の側の反対側の第2の側(例えば図における左側)を有する。複数対の端子P、D、Sは、ハウジング10に配置され、ハウジング10の長手方向に沿って延びる。
【0034】
図1~
図2および
図4に示すように、例示の実施形態において、複数対の端子P、D、Sは、少なくとも一対の第1の信号端子D、少なくとも一対の第2の信号端子S、および一対の電力供給端子P(以下、「電力端子P」ということがある)を備える。少なくとも一対の第1の信号端子Dは、ハウジング10の第1の側の近くの第1の領域、例えば図における右側領域に配置される。少なくとも一対の第2の信号端子Sは、ハウジング10の第2の側に近い第2の領域、例えば図における左側の領域に配置される。一対の電力端子Pは、第1の領域と第2の領域との間の中間領域に配置される。
【0035】
図1~
図2および
図4に示すように、例示の実施形態において、電力端子Pは、ハウジングの中間領域に配置され、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sは、それぞれ電力端子Pの両側に配置される。このレイアウトの利点は、ハウジングの左側または右側の空間を容易に増大させることができので、信号端子をハウジングの左側または右側に向かって広げるのに好都合なことである。
【0036】
図1~
図2および
図4に示すように、例示の実施形態において、第1の信号端子Dの信号伝送レートは、第2の信号端子Sの信号伝送レートよりも高い。例えば、第1の信号端子Dは高速信号端子であり、第2の信号端子Sは低速信号端子である。
【0037】
図1~
図2および
図4に示すように、例示の実施形態において、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sは、対として構成される差動信号端子である。
図4に示すように、少なくとも一対の第1の信号端子Dは、イーサネット信号を伝送するためのイーサネット信号端子D1およびD2を含み、イーサネット信号端子D1およびD2は、高速差動信号端子である。少なくとも一対の第2の信号端子Sは、LAN信号(例えばCAN信号)を伝送するためのLAN信号端子S1およびS2ならびにLAN信号端子S3およびS4を含む。ただし、本発明は、例示の実施形態に限定されない。例えば、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sの数は、実際の必要性に従って変更されてよい。
例えば、ハイブリッドコネクタは、複数対の第1の信号端子Dおよび複数対の第2の信号端子Sを備えてもよく、または複数対の第1の信号端子Dおよび一対の第2の信号端子Sを備えてもよい。
【0038】
図1~
図2および
図4に示すように、例示の実施形態において、一対の電力端子Pは、ハウジング10の高さ方向Yに沿って縦並びで配置される。各対の第1の信号端子Dは、ハウジング10の横方向Xに沿って横並びで配置される。ハイブリッドコネクタが複数対の第1の信号端子Dを備える場合、隣接する2対の第1の信号端子Dは、ハウジング10の高さ方向Yにおいて位置合わせされ、ハウジング10の高さ方向Yにおいて所定の距離だけ離隔している。
【0039】
図1~
図2および
図4に示すように、例示の実施形態において、各対の第2の信号端子Sは、ハウジング10の高さ方向Yに沿って縦並びで配置される。ハイブリッドコネクタが複数対の第2の信号端子Sを備える場合、隣接する2対の第2の信号端子Sは、ハウジング10の横方向Xにおいて位置合わせされ、ハウジング10の横方向Xにおいて一定の距離だけ離隔している。
【0040】
図1~
図2および
図4を参照すると、本発明の例示的実施形態において、ハイブリッドコネクタは、ハウジング10の横方向Xまたは高さ方向Yに沿って位置合わせされている複数の第2の信号端子Sを備える。
【0041】
図1~
図2および
図4に示すように、例示の実施形態において、ハイブリッドコネクタは、ハウジング10の横方向Xおよび高さY方向に沿って複数の横列および縦列に配置されている複数の第2の信号端子Sを備える。隣接する縦2列の第2の信号端子Sは、ハウジング10の横方向Xにおいて位置合わせされ、ハウジング10の横方向Xにおいて一定の距離だけ離隔している。隣接する横2列の第2の信号端子Sは、ハウジング10の高さ方向Yにおいて位置合わせされ、ハウジング10の高さ方向Yにおいて一定の距離だけ離隔している。
【0042】
図3は、本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの、後ろ側から見た説明斜視図を示す。
図5は、本発明の例示的実施形態に係るハイブリッドコネクタの端子D、S、Pおよび電磁シールド20の空間的配置を示す。
【0043】
図1~
図5に示すように、例示の実施形態において、電力端子Pは、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sとは異なる。電力端子Pの断面積は、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sの断面積よりも大きい。すなわち、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sの断面積は、電力端子Pの断面積よりも小さい。例えば、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sの断面積は、電力端子Pの断面積の半分に等しくてよく、その結果、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sの体積を半分に低減することができ、それにより、ハイブリッドコネクタ全体のサイズが低減する。
【0044】
図1~
図5に示すように、例示の実施形態において、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sを交換可能に用いることができるように、第1の信号端子Dおよび第2の信号端子Sは全く同じである。これにより、製造がより簡便になり、製造コストを低減することができる。
【0045】
図1~
図5に示すように、例示の実施形態において、電力端子Pおよび第1の信号端子Dを通る電流は大きく、それらの間で強い信号干渉が生じやすい。電力端子Pと第1の信号端子Dとの間の干渉を低減するために。
図1~
図5に示すように、例示の実施形態において、ハイブリッドコネクタはまた、電磁シールド20を備える。電磁シールド20は、ハウジング10に配置される。電磁シールド20は、第1の信号端子Dを電力端子Pから隔離するように電力端子Pと第1の信号端子Dとの間に配置されている第1の側壁21を少なくとも備える。例示の実施形態において、第1の側壁21および電力供給端子Pは、ハウジング10の横方向Xにおいて互いに隣接して配置される。これにより、電力端子Pと第1の信号端子Dとの間の信号干渉を低減することができ、信号伝送の信頼性を向上させることができる。
【0046】
図1~
図5に示すように、例示の実施形態において、電磁シールド20はまた、第2の側壁22および第3の側壁23を備える。第2の側壁22は、第1の側壁21の反対側である。第3の側壁23は、第1の側壁21と第2の側壁22との間に接続される。電磁シールド20の第1の側壁21、第2の側壁22および第3の側壁23は、一方側に開口している収容空間を形成する。したがって、例示の実施形態において、電磁シールド20の断面形状はU字形であり、第1の信号端子Dは、U字形の電磁シールド20の収容空間に収容される。
【0047】
ただし、本発明は、例示の実施形態に限定されない。例えば、本発明の別の例示的実施形態において、電磁シールド20は、閉じた周壁を備えてよく、第1の信号端子Dは、第1の信号端子Dが電力端子Pから隔離されるように、電磁シールド20の閉じた周壁により取り囲まれる収容空間に収容される。
【0048】
図1~
図5に示すように、例示の実施形態において、ハウジング10は一体部品であり、ハウジング10は、本体部11および設置部12を備える。本体部11は、設置部12の一方側に接続される。例示の実施形態において、本体部11は円筒形状であり、その端部における外面は、相手側コネクタ(不図示)の相手側ハウジングと嵌合するのに好適な一体の嵌合面を形成するように、周方向に沿って連続的に延びる。端子キャビティ110が、端子P、D、およびSを収容するように本体部11に形成される。ハイブリッドコネクタの端子P、D、Sは、相手側コネクタの相手側端子と嵌合するように本体部11の端子キャビティ110内へと延びる嵌合端部と、回路基板(不図示)を接続するように設置部12の他方側から突出する接続端部とを備える。
例示の実施形態において、電磁シールド20は、回路基板への接続のためにハウジング10から延出する接続ピン20aを有する。
【0049】
図1~
図5に示すように、例示の実施形態において、ハイブリッドコネクタは、回路基板に接続するための回路基板エンドハイブリッドコネクタ(circuit board end hybrid connector)である。接続孔121が、設置部12の四隅の各々に形成され、金属ブッシュ122が各接続孔121に埋め込まれる。ねじ山付きの接続部材(不図示)、例えばボルトまたはねじが、金属ブッシュ122を通過し、回路基板に接続してよく、それにより、ハイブリッドコネクタのハウジング10を回路基板に固定することができる。加えて、設置部12の他方側には、それぞれ回路基板における複数の位置決め孔に組み付けられるのに好適な複数の位置決めポスト12aも形成される。例示の実施形態において、複数の位置決めコラム12aの断面形状は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。
【0050】
本発明のコネクタは、回路基板に接続するための回路基板エンドコネクタ(circuit board end connector)に限定されず、例えば、本発明のコネクタは、ケーブルに接続するためのケーブルエンドコネクタ(cable end connector)であってもよいことに留意されたい。回路基板エンドコネクタおよびケーブルエンドコネクタは、相互に適合させるのに好適である。
【0051】
図6は、本発明の別の例示的実施形態に係るコネクタの、前側から見た平面図を示す。
【0052】
図1~
図5に示すコネクタと比較して、
図6に示すコネクタの主な差異は、第1の信号端子Dの配置のみである。
【0053】
図6に示すように、例示の実施形態において、各対の第1の信号端子Dは、ハウジング10の高さ方向Yに沿って縦並びで配置される。本発明の例示的実施形態において、コネクタが複数対の第1の信号端子Dを備える場合、隣接する2対の第1の信号端子Dは、ハウジング10の横方向Xにおいて位置合わせされ、ハウジング10の横方向Xにおいて所定の距離だけ離隔している。
【0054】
加えて、本発明における第2の信号端子Sの配置は、
図1~
図6に示す実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、本発明の別の例示的実施形態において、各対の第2の信号端子Sは、ハウジング10の横方向Xに沿って横並びで配置されてよく、隣接する2対の第2の信号端子Sは、ハウジング10の高さ方向Yにおいて位置合わせされ、ハウジング10の高さ方向Yにおいて一定の距離だけ離隔している。
【0055】
上記の実施形態は、限定ではなく例示を意図したものであることが、当業者には理解されるべきである。例えば、多数の修正が当業者により上記の実施形態に対してなされてよく、種々の実施形態において説明されている様々な特徴は、構成または原理において矛盾しない限り互いに自由に組み合わされてよい。
【0056】
いくつかの例示的実施形態を示して説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱しない限り、これらの実施形態において様々な変更または修正がなされてよいことが、当業者には理解されるであろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物において定められる。
【0057】
本明細書において用いられる場合、単数形で記載され「a」または「an」の語に続く要素は、複数の当該要素またはステップを除外することが明示されていない限り、そのような除外をしないものとして理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」という記載は、記載されている特徴を同様に組み込むさらなる実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。加えて、そうでないことが明示されていない限り、特定の性質を有する要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その性質を有しないさらなるそのような要素を含み得る。
【外国語明細書】