(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099497
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】保護エンドカバー、コネクタおよびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
H01R13/52 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022207714
(22)【出願日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】202111682070.6
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516193944
【氏名又は名称】タイコ・エレクトロニクス・テクノロジー・(エスアイピー)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Technology (SIP) Co.Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ヂィエンリィン フアン
(72)【発明者】
【氏名】ファン カルロス パァン
(72)【発明者】
【氏名】カァイ ヂゥー
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087FF06
5E087LL03
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM05
5E087QQ01
5E087RR04
5E087RR29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】保護エンドカバーおよびハウジングの構造を簡略化し、コネクタの体積を低減し、コネクタの製造コストを減少する。
【解決手段】保護エンドカバーは、コネクタのハウジング(10)の挿入孔に挿入される第1の端部、およびハウジング(10)の外側に配置される第2の端部を有する本体と、保護エンドカバー(30)が挿入孔から引き抜かれることを防止するために、ハウジング(10)に形成されているブロック部と係合第1のフランジと、保護エンドカバー(30)を所定の挿入位置に制限する第2のフランジとを備える。保護エンドカバーは、その両端部のフランジによりハウジングに固定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールリングのための保護エンドカバーであって、
コネクタのハウジング(10)の挿入孔(110)に挿入される第1の端部、および前記ハウジング(10)の外側に配置される第2の端部を有する本体(31)と、
前記保護エンドカバー(30)が前記挿入孔(110)から引き抜かれることを防止するために、前記ハウジング(10)に形成されているブロック部(10a)と係合するように前記本体(31)の前記第1の端部の外周面に形成されている第1のフランジ(30a)と、
前記保護エンドカバー(30)を所定の挿入位置に制限するために、前記ハウジング(10)の外端面(10b)に当接するように前記本体(31)の前記第2の端部の外周面に形成されている第2のフランジ(30b)と
を備える、保護エンドカバー。
【請求項2】
前記本体(31)の軸方向に延びるケーブル通過孔(301)が、ケーブル(1)が前記ケーブル通過孔(301)を通して前記ハウジング(10)の前記挿入孔(110)に入ることを可能とするために、前記保護エンドカバー(30)の前記本体(31)に形成され、
前記保護エンドカバー(30)の前記第1の端部の端面が、前記ケーブル(1)に外装されているシールリング(20)が前記ハウジング(10)の前記挿入孔(110)から引き抜かれることを防止するために、前記シールリング(20)の一端部に当接するように適合されている、
請求項1に記載の保護エンドカバー。
【請求項3】
前記第1のフランジ(30a)は、前記ブロック部(10a)に当接するように適合されている第1の係合面(320a)を有し、前記第2のフランジ(30b)は、前記ハウジング(10)の前記外端面(10b)に当接するように適合されている第2の係合面(320b)を有し、
前記第1の係合面(320a)および前記第2の係合面(320b)は、前記本体(31)の軸方向において所定の距離だけ離隔している、
請求項1に記載の保護エンドカバー。
【請求項4】
前記保護エンドカバー(30)の前記第1の端部を前記挿入孔(110)へと案内するように適合されているガイドスロープ(310)が、前記第1のフランジ(30a)に形成されている、
請求項1に記載の保護エンドカバー。
【請求項5】
複数の第1のフランジ(30a)が、前記本体(31)の前記第1の端部に形成され、前記複数の第1のフランジ(30a)は、前記本体(31)の周方向に沿って間隔を空けて配置され、
複数の第2のフランジ(30b)が、前記本体(31)の前記第2の端部に形成され、前記複数の第2のフランジ(30b)は、前記本体(31)の周方向に沿って間隔を空けて配置されている、
請求項1に記載の保護エンドカバー。
【請求項6】
前記第1のフランジ(30a)の外径は、前記挿入孔(110)と締まり嵌めされるように、前記挿入孔(110)の内径よりもわずかに大きく、
前記ブロック部(10a)における前記挿入孔(110)の内径は、前記挿入孔(110)の他の部分の内径よりも小さい、
請求項1に記載の保護エンドカバー。
【請求項7】
前記保護エンドカバー(30)の前記ケーブル通過孔(301)の内径は、前記ケーブル(1)が前記ケーブル通過孔(301)を通過することを容易にするように、前記ケーブル(1)の外径よりも大きい、
請求項2に記載の保護エンドカバー。
【請求項8】
前記第1のフランジ(30a)および前記第2のフランジ(30b)は、前記本体(31)の周方向においてずれており、前記第1のフランジ(30a)および前記第2のフランジ(30b)は、前記本体(31)の軸方向において離隔している、
請求項1から7のいずれか一項に記載の保護エンドカバー。
【請求項9】
挿入孔(110)が形成されたハウジング(10)であって、前記挿入孔(110)は、ケーブル(1)を受け入れるように構成され、前記ハウジング(10)の外端面(10b)に開口部を有する、ハウジング(10)と、
前記挿入孔(110)に挿入されているシールリング(20)と、
前記挿入孔(110)の前記開口部に挿入され、前記ハウジング(10)に固定されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の前記保護エンドカバー(30)と
を備え、
前記シールリング(20)が前記ハウジング(10)の前記外端面(10b)に向かって移動されると、前記シールリング(20)が前記挿入孔(110)から引き抜かれることを防止するために、前記保護エンドカバー(30)の前記第1の端部が前記シールリング(20)の一端部に当接する、
コネクタ。
【請求項10】
前記保護エンドカバー(30)が前記挿入孔(110)から引き抜かれることを防止するために、ブロック部(10a)が、前記保護エンドカバー(30)の前記第1のフランジ(30a)と係合するように前記ハウジング(10)の前記挿入孔(110)に形成されている、
請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記ブロック部(10a)は、放射状ブロック面を有し、前記第1のフランジ(30a)は、前記放射状ブロック面に当接するように適合されている第1の係合面(320a)を有し、前記第2のフランジ(30b)は、前記ハウジング(10)の前記外端面(10b)に当接するように適合されている第2の係合面(320b)を有し、
前記挿入孔(110)の軸方向における前記第1の係合面(320a)と前記第2の係合面(320b)との間の距離は、前記軸方向における前記ブロック部(10a)の前記放射状ブロック面と前記ハウジング(10)の前記外端面(10b)との間の距離に等しいまたはそれよりもわずかに大きい、
請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記保護エンドカバー(30)の前記ケーブル通過孔(301)を通過し、前記挿入孔(110)に挿入されているケーブル(1)
をさらに備え、
前記シールリング(20)は、前記挿入孔(110)の内壁と前記ケーブル(1)との間の封止を実現するために、前記ケーブル(1)に外装され、前記挿入孔(110)の前記内壁と前記ケーブル(1)との間に押し込まれている、
請求項9に記載のコネクタ。
【請求項13】
端子(50)が前記ケーブル(1)の一端部に接続され、前記ケーブル(1)および前記端子(50)は、イーサネット信号を伝送するために用いられる、
請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記ハウジング(10)に少なくとも部分的に受け入れられている内側ハウジング(40)と、
前記内側ハウジング(40)に挿入され、前記ケーブル(1)の一端部に電気的に接続されている端子(50)と
をさらに備える、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記コネクタの端子(50)を電磁干渉から保護するために、周方向において前記端子(50)を少なくとも部分的に取り囲む電磁シールド(60)
をさらに備える、請求項9から14のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記電磁シールド(60)の一端部は、前記ケーブル(1)のシールド層に圧着され、他端部は、相手側コネクタの相手側電磁シールドと嵌合するように適合されている、
請求項15に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記ハウジング(10)の前記ブロック部(10a)は、前記第1のフランジ(30a)の前記第1の係合面(320a)に当接するように適合されている放射状ブロック面を有し、
前記ハウジング(10)の一端部(11)は、前記第2のフランジ(30b)の前記第2の係合面(320b)と当接するように適合されている外端面(10b)を有する、
請求項10に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記挿入孔(110)は、前記ハウジング(10)の前記一端部(11)に開口部を有し、前記ブロック部(10a)は、前記挿入孔(110)の前記開口部の内面に形成されている放射状フランジのリングである、
請求項10に記載のコネクタ。
【請求項19】
請求項9から18のいずれか一項に記載のコネクタと、
前記コネクタと嵌合するように適合されている相手側コネクタと
を備える、コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において2021年12月31日に出願された中国特許出願第CN202111682070.6号の利益を主張し、その全開示が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、コネクタケーブルのためのシールリング保護エンドカバー、シールリング保護エンドカバーを含むコネクタ、およびコネクタを含むコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、レーザレーダ用コネクタは一般に、ハウジングと、ハウジングに設けられる、信号(例えばイーサネット信号)を伝送するための信号端子と、ハウジングの挿入孔に挿入され、信号端子に電気的に接続されるケーブルとを含む。防水封止機能を実現する目的で、通常、ケーブルとハウジングとの間の封止を実現するためにシールリングをケーブルに設置することが必要である。
【0004】
ケーブルを引いたときにシールリングがハウジングの挿入孔から引き抜かれることを防止する目的で、シールリングがハウジングの挿入孔から引き抜かれることを防止するためにハウジングの挿入孔の入口にエンドキャップが必要とされる。従来技術において、エンドキャップは通常、ねじ接続によりハウジングの一端部に接続される。しかしながら、ねじ山を付けたエンドキャップおよびハウジングは製造コストが高く、またコネクタ体積の増大につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の難点のうちの少なくとも1つの側面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、シールリングのための保護エンドカバーが提供される。保護エンドカバーは、コネクタのハウジングの挿入孔に挿入される第1の端部、およびハウジングの外側に配置される第2の端部を有する本体と、保護エンドカバーが挿入孔から引き抜かれることを防止するために、ハウジングに形成されているブロック部と係合するように本体の第1の端部の外周面に形成されている第1のフランジと、保護エンドカバーを所定の挿入位置に制限するために、ハウジングの外端面に当接するように本体の第2の端部の外周面に形成されている第2のフランジとを備える。
【0007】
本発明の例示的実施形態によれば、本体の軸方向に延びるケーブル通過孔が、ケーブルがケーブル通過孔を通してハウジングの挿入孔に入ることを可能とするために、保護エンドカバーの本体に形成され、保護エンドカバーの第1の端部の端面が、ケーブルに外装されているシールリングがハウジングの挿入孔から引き抜かれることを防止するために、シールリングの一端部に当接するように適合される。
【0008】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1のフランジは、ブロック部に当接するように適合されている第1の係合面を有し、第2のフランジは、ハウジングの外端面に当接するように適合されている第2の係合面を有し、第1の係合面および第2の係合面は、本体の軸方向において所定の距離だけ離隔している。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態によれば、保護エンドカバーの第1の端部を挿入孔へと案内するように適合されているガイドスロープが、第1のフランジに形成される。
【0010】
本発明の別の例示的実施形態によれば、複数の第1のフランジが、本体の第1の端部に形成され、複数の第1のフランジは、本体の周方向に沿って間隔を空けて配置され、複数の第2のフランジが、本体の第2の端部に形成され、複数の第2のフランジは、本体の周方向に沿って間隔を空けて配置される。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1のフランジの外径は、挿入孔と締まり嵌め(interference fit)されるように、挿入孔の内径よりもわずかに大きく、ブロック部における挿入孔の内径は、挿入孔の他の部分の内径よりも小さい。
【0012】
本発明の別の例示的実施形態によれば、保護エンドカバーのケーブル通過孔の内径は、ケーブルがケーブル通過孔を通過することを容易にするように、ケーブルの外径よりも大きい。
【0013】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1のフランジおよび第2のフランジは、本体の周方向においてずれており、第1のフランジおよび第2のフランジは、本体の軸方向において離隔している。
【0014】
本発明の別の態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、ケーブルを受け入れるように構成され、ハウジングの外端面に開口部を有する挿入孔が形成されたハウジングと、挿入孔に挿入されているシールリングと、挿入孔の開口部に挿入され、ハウジングに固定されている上記の保護エンドカバーとを備える。シールリングがハウジングの外端面に向かって移動されると、シールリングが挿入孔から引き抜かれることを防止するために、保護エンドカバーの第1の端部がシールリングの一端部に当接する。
【0015】
本発明の例示的実施形態によれば、保護エンドカバーが挿入孔から引き抜かれることを防止するために、ブロック部が、保護エンドカバーの第1のフランジと係合するようにハウジングの挿入孔に形成される。
【0016】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ブロック部は、放射状ブロック面を有し、第1のフランジは、放射状ブロック面に当接するように適合されている第1の係合面を有し、第2のフランジは、ハウジングの外端面に当接するように適合されている第2の係合面を有し、挿入孔の軸方向における第1の係合面と第2の係合面との間の距離は、軸方向におけるブロック部の放射状ブロック面とハウジングの外端面との間の距離に等しいまたはそれよりもわずかに大きい。
【0017】
本発明の別の例示的実施形態によれば、コネクタは、保護エンドカバーのケーブル通過孔を通過し、挿入孔に挿入されているケーブルをさらに備える。シールリングは、挿入孔の内壁とケーブルとの間の封止を実現するために、ケーブルに外装され、挿入孔の内壁とケーブルとの間に押し込まれる。
【0018】
本発明の別の例示的実施形態によれば、端子がケーブルの一端部に接続され、ケーブルおよび端子は、イーサネット信号を伝送するために用いられる。
【0019】
本発明の別の例示的実施形態によれば、コネクタは、ハウジングに少なくとも部分的に受け入れられている内側ハウジングと、内側ハウジングに挿入され、ケーブルの一端部に電気的に接続されている端子とをさらに備える。
【0020】
本発明の別の例示的実施形態によれば、コネクタは、コネクタの端子を電磁干渉から保護するために、周方向において端子を少なくとも部分的に取り囲む電磁シールドをさらに備える。
【0021】
本発明の別の例示的実施形態によれば、電磁シールドの一端部は、ケーブルのシールド層に圧着され、他端部は、相手側コネクタの相手側電磁シールドと嵌合するように適合される。
【0022】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ハウジングのブロック部は、第1のフランジの第1の係合面に当接するように適合されている放射状ブロック面を有し、ハウジングの一端部は、第2のフランジの第2の係合面と当接するように適合されている外端面を有する。
【0023】
本発明の別の例示的実施形態によれば、挿入孔は、ハウジングの一端部に開口部を有し、ブロック部は、挿入孔の開口部の内面に形成されている放射状フランジのリングである。
【0024】
本発明の別の態様によれば、コネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、上記のコネクタと、コネクタと嵌合するように適合されている相手側コネクタとを備える。
【0025】
本発明に係る上述の例示的実施形態において、保護エンドカバーは、その両端部のフランジによりハウジングに固定され、それにより、保護エンドカバーおよびハウジングの構造を簡略化することができ、コネクタの体積を低減することができ、コネクタの製造コストを減少させることができる。
【0026】
本発明の上記および他の特徴が、添付の図面を参照してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の例示的実施形態に係るコネクタの説明斜視図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態に係るコネクタの説明斜視図であり、内部のシールリングおよび保護エンドカバーを示すために、ハウジングが取り除かれている。
【
図3】本発明の例示的実施形態に係るコネクタの縦断面図である。
【
図4】
図3に示すコネクタの部分拡大模式図である。
【
図5】本発明の例示的実施形態に係るコネクタの縦断面図であり、ハウジングの挿入孔を示すために、保護エンドカバーが取り除かれている。
【
図6】本発明の例示的実施形態に係るコネクタの保護エンドカバーの説明斜視図である。
【
図7】
図6に示す保護エンドカバーの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面を参照して、本開示の例示的実施形態を以下で詳細に説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供されており、本開示の概念を当業者に十分に伝達するであろう。
【0029】
以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例において、図面を簡略化するために、周知の構造および装置は模式的に示されている。
【0030】
本発明の一般概念によれば、シールリングのための保護エンドカバーが提供される。保護エンドカバーは、コネクタのハウジングの挿入孔に挿入される第1の端部、およびハウジングの外側に配置される第2の端部を有する本体と、保護エンドカバーが挿入孔から引き抜かれることを防止するために、ハウジングに形成されているブロック部と係合するように本体の第1の端部の外周面に形成されている第1のフランジと、保護エンドカバーを所定の挿入位置に制限するために、ハウジングの外端面に当接するように本体の第2の端部の外周面に形成されている第2のフランジとを備える。
【0031】
本発明の別の一般概念によれば、コネクタが提供される。コネクタは、ケーブルを受け入れるように構成され、ハウジングの外端面に開口部を有する挿入孔が形成されたハウジングと、挿入孔に挿入されているシールリングと、挿入孔の開口部に挿入され、ハウジングに固定されている上記の保護エンドカバーとを備える。シールリングがハウジングの外端面に向かって移動されると、シールリングが挿入孔から引き抜かれることを防止するために、保護エンドカバーの第1の端部がシールリングの一端部に当接する。
【0032】
図1は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの説明斜視図を示す。
図2は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの説明斜視図を示す。内部のシールリング20および保護エンドカバー30を示すために、ハウジング10が取り除かれている。
図5は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの縦断面図を示す。ハウジング10の挿入孔110を示すために、保護エンドカバー30が取り除かれている。
【0033】
図1~
図2および
図5に示すように、例示の実施形態においては、例えばレーザレーダとの接続に適したコネクタが開示されており、これは電力および信号を同時に伝送することができる。コネクタは、ハウジング10、シールリング20および保護エンドカバー30を含む。ハウジング10には、ケーブル1を収容するための挿入孔110が形成される。シールリング20は、ハウジング10の挿入孔110に挿入される。挿入孔110は、ハウジング10の外端面10bに開口部を形成するように外端面10bまで延びる。保護エンドカバー30は、挿入孔110の開口部に挿入され、ハウジング10に固定される。
シールリング20がハウジング10の外端面10bに向かって移動されると(すなわちケーブル1が外方に引かれると)、シールリング20が挿入孔110から引き抜かれることを防止するために、保護エンドカバー30の第1の端部がシールリング20の一端部に当接し得る。
【0034】
図3は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの縦断面図を示す。
図4は、
図3に示すコネクタの部分拡大模式図を示す。
図6は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの保護エンドカバー30の斜視図を示す。
図7は、
図6に示す保護エンドカバー30の縦断面図を示す。
【0035】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、保護エンドカバー30は、本体31、第1のフランジ30aおよび第2のフランジ30bを含む。例示の実施形態において、本体31は円筒形である。本体31は、第1の端部と、本体31の軸方向において第1の端部と反対側の第2の端部とを有する。本体31の第1の端部は、コネクタのハウジング10の挿入孔110に挿入される。本体31の第2の端部は、ハウジング10の外側に配置されるように用いられる。
【0036】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、ブロック部10aがハウジング10の挿入孔110に形成される。ブロック部10aは、保護エンドカバー30が挿入孔110から引き抜かれることを防止するために、保護エンドカバー30の第1のフランジ30aと係合するように用いられる。
【0037】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、挿入孔110は、ハウジング10の一端部11に開口部を有し、ブロック部10aは、挿入孔110の開口部の内面に形成される放射状フランジのリングであってよい。
【0038】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、第1のフランジ30aは、本体31の第1の端部の外周面に形成される。第1のフランジ30aは、保護エンドカバー30が挿入孔110から引き抜かれることを防止するために、ハウジング10におけるブロック部10aと係合するように用いられる。
【0039】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、第2のフランジ30bは、本体31の第2の端部の外周面に形成される。第2のフランジ30bは、保護エンドカバー30を所定の挿入位置に制限するために、ハウジング10の外端面10bに当接するように適合される。これにより、保護エンドカバー30がハウジング10の挿入孔110にさらに挿入されることを防止することができる。
【0040】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、コネクタは、ケーブル1をさらに備える。軸方向に延びるケーブル通過孔301が保護エンドカバー30の本体31に形成され、それにより、ケーブル1がケーブル通過孔301を通してハウジング10の挿入孔110に入ることが可能となる。例示の実施形態において、ケーブル1は、イーサネット信号を伝送するためのイーサネット信号ケーブルであってよい。保護エンドカバー30の第1の端部の端面は、シールリング20がハウジング10の挿入孔110から引き抜かれることを防止するために、ケーブル1に外装されるシールリング20の一端部に当接するように適合される。
【0041】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、ハウジング10におけるブロック部10aは、放射状ブロック面を有する。保護エンドカバー30の第1のフランジ30aは、ハウジング10の放射状ブロック面に当接するように適合される第1の係合面320aを有する。保護エンドカバー30の第2のフランジ30bは、ハウジング10の外端面10bに当接するように適合される第2の係合面320bを有する。設置および製造を容易にするために、本発明の例示的実施形態においては、軸方向において第1の係合面320aと第2の係合面320bとの間に所定の距離が存在する。例えば、軸方向における第1の係合面320aと第2の係合面320bとの間の距離は、軸方向におけるブロック部10aの放射状ブロック面とハウジング10の外端面10bとの間の距離に等しいまたはそれよりもわずかに大きくてよい。
【0042】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、保護エンドカバー30の第1の端部を挿入孔110へと案内するように適合されるガイドスロープ310が、第1のフランジ30aに形成される。これにより、保護エンドカバー30の第1の端部を、ハウジング10の挿入孔110に容易に挿入することができる。
【0043】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、複数の第1のフランジ30aが本体31の第1の端部に形成され、複数の第1のフランジ30aは、本体31の周方向に沿って間隔を空けて配置される。複数の第2のフランジ30bが本体31の第2の端部に形成され、複数の第2のフランジ30bは、本体31の周方向に沿って間隔を空けて配置される。例示の実施形態において、2つの第1のフランジ30aが本体31の第1の端部に形成され、2つの第2のフランジ30bが本体31の第2の端部に形成される。ただし、第1のフランジ30aおよび第2のフランジ30bの数および形状は、例示の実施形態に限定されず、実際の状況に従って適当に設定されてよい。
【0044】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、第1のフランジ30aの外径は、挿入孔110と締まり嵌めされるように、挿入孔110の内径よりもわずかに大きい。ブロック部10aにおける挿入孔110の内径は、挿入孔110の他の部分の内径よりも小さい。すなわち、ブロック部10aの内径は、挿入孔110の他の部分の内径よりも小さい。
【0045】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、保護エンドカバー30のケーブル通過孔301の内径は、それを通過するケーブル1の外径よりも大きく、それによりケーブル1が容易にそれを通過することができる。
【0046】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、第1のフランジ30aおよび第2のフランジ30bは、本体31の周方向においてずれており、第1のフランジ30aおよび第2のフランジ30bは、本体31の軸方向において離隔している。
【0047】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、コネクタは、内側ハウジング40および一対の端子50をさらに含む。内側ハウジング40は、ハウジング10に設置され、一対の端子50は、内側ハウジングに設けられる。ケーブル1の一端部が、端子50に電気的に接続される。例示の実施形態において、ケーブル1および一対の端子50は、例えばイーサネット信号を伝送するために用いられる。例示の実施形態において、コネクタは、電磁シールド60をさらに含む。電磁シールド60は、周方向において一対の端子50を少なくとも部分的に取り囲み、一対の端子50が電磁干渉を受けることを防止するため、例えば一対の端子50がコネクタの電力供給端子(不図示)からの干渉を受けることを防止するために用いられる。
【0048】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、電磁シールド60の一端部は、ケーブル1のシールド層に圧着され、電磁シールド60の他端部は、一対の端子50を少なくとも部分的に取り囲む。電磁シールド60の他端部は、相手側コネクタの相手側電磁シールド(不図示)と嵌合するように適合される。
【0049】
図1~
図7に示すように、例示の実施形態において、イーサネット信号を伝送するための端子50に加えて、コネクタは、電力を伝送するための電力端子(不図示)および他の信号(CAN信号など)を伝送するための信号端子(不図示)も含む。
【0050】
図示はしないが、本発明の例示的実施形態において、上述のコネクタ、および上述のコネクタと嵌合するように適合される相手側コネクタ(不図示)を含むコネクタアセンブリも開示される。
【0051】
上記の実施形態は、限定ではなく例示を意図したものであることが、当業者には理解されるべきである。例えば、多数の修正が当業者により上記の実施形態に対してなされてよく、種々の実施形態において説明されている様々な特徴は、構成または原理において矛盾しない限り互いに自由に組み合わされてよい。
【0052】
いくつかの例示的実施形態を示して説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱しない限り、これらの実施形態において様々な変更または修正がなされてよいことが、当業者には理解されるであろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物において定められる。
【0053】
本明細書において用いられる場合、単数形で記載され「a」または「an」の語に続く要素は、複数の当該要素またはステップを除外することが明示されていない限り、そのような除外をしないものとして理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」という記載は、記載されている特徴を同様に組み込むさらなる実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。加えて、そうでないことが明示されていない限り、特定の性質を有する要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その性質を有しないさらなるそのような要素を含み得る。
【外国語明細書】