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特開2023-99498コネクタ封止アセンブリ、コネクタ、およびコネクタアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099498
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】コネクタ封止アセンブリ、コネクタ、およびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
H01R13/52 301E
H01R13/52 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022207715
(22)【出願日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】202111659649.0
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516193944
【氏名又は名称】タイコ・エレクトロニクス・テクノロジー・(エスアイピー)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Technology (SIP) Co.Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ヂィエンリィン フアン
(72)【発明者】
【氏名】ファン カルロス パァン
(72)【発明者】
【氏名】ミィンヂィエ ヂゥー
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087FF06
5E087LL03
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM05
5E087QQ01
5E087RR04
5E087RR25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コネクタのサイズを低減することができ、ケーブルシールを設置する困難さを低減することができ、封止信頼性を向上させる。
【解決手段】コネクタ封止アセンブリは、複数のシール装着部分(101a、102a、112b)が設けられている外側ハウジング(100)と、外側ハウジングと外側ハウジング内へと延びるケーブルとの間の封止を実現するために、複数のシール装着部分のうちのケーブルシール装着部分に装着されているケーブルシール(110、120)と、外側ハウジングと相手側コネクタの相手側ハウジングとの間の封止を実現するために、複数のシール装着部分のうちのハウジングシール装着部分(112b)に装着されているハウジングシール(130)とを備える。本発明においては、ケーブルシールおよびハウジングシールの両方が外側ハウジングに設けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシール装着部分(101a、102a、112b)が設けられている外側ハウジング(100)と、
前記外側ハウジング(100)と前記外側ハウジング(100)内へと延びるケーブル(1、2、3)との間の封止を実現するために、前記複数のシール装着部分(101a、102a、112b)のうちのケーブルシール装着部分(101a、102a)に装着されているケーブルシール(110、120)と、
前記外側ハウジング(100)と相手側コネクタの相手側ハウジングとの間の封止を実現するために、前記複数のシール装着部分(101a、102a、112b)のうちのハウジングシール装着部分(112b)に装着されているハウジングシール(130)と
を備える、コネクタ封止アセンブリ。
【請求項2】
前記ケーブルシール(110、120)は、
コネクタの一部のケーブル(1)を封止するための第1のケーブルシール(110)、および/または、
前記コネクタの他のケーブル(2)を封止するための第2のケーブルシール(120)
を備え、
前記外側ハウジング(100)には、
前記第1のケーブルシール(110)を収容するための第1の収容チャンバ(101)であって、前記第1の収容チャンバ(101)のチャンバ壁は前記第1のケーブルシール(110)と封止係合する、第1の収容チャンバ(101)と、
前記第2のケーブルシール(120)を収容するための第2の収容チャンバ(102)であって、前記第2の収容チャンバ(102)のチャンバ壁は前記第2のケーブルシール(120)と封止係合する、第2の収容チャンバ(102)と
が形成されている、請求項1に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項3】
前記第1のケーブルシール(110)を前記第1の収容チャンバ(101)に保持するために、前記第1の収容チャンバ(101)の開口部に挿入され、前記外側ハウジング(100)に固定されている保護エンドキャップ(40)
をさらに備える、請求項2に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項4】
前記外側ハウジング(100)は、
外周壁(111)と、
前記外周壁(111)から径方向に離隔している内周壁(112)と、
前記外周壁(111)と前記内周壁(112)との間に接続されている径方向側壁(113)と
を備え、
前記内周壁(112)は、前記第1の収容チャンバ(101)を前記第2の収容チャンバ(102)から分離し、
前記ハウジングシール(130)を収容するための第3の収容チャンバ(103)が、前記外周壁(111)、前記内周壁(112)および前記径方向側壁(113)により画定されている、
請求項2に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジングシール(130)は、前記内周壁(112)の外面に設けられ、前記内周壁(112)と封止係合する、
請求項4に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項6】
前記ハウジングシール(130)は、シールリングであり、前記内周壁(112)の外周面に外装され、
前記相手側ハウジングが前記ハウジングシール(130)と前記外周壁(111)との間に挿入されることを可能とするために、前記ハウジングシール(130)の外周面が、所定の間隙だけ前記外周壁(111)の内周面から径方向に離隔している、
請求項4に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項7】
前記ケーブルシール(110、120)は、複数の異なるタイプおよび/または複数の異なるサイズのケーブル(1、2、3)を同時に封止するように適合され、
前記ケーブルシール(110、120)には、それぞれ複数の異なるタイプおよび/または複数の異なるサイズのケーブル(1、2、3)と嵌合するように適合されている複数の異なるケーブル通過孔(102、103)が形成されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項8】
前記ケーブルシール(110、120)は、第1のケーブルシール(110)および第2のケーブルシール(120)を備え、
少なくとも2つの異なるケーブル通過孔(102、103)が、前記第1のケーブルシール(110)および前記第2のケーブルシール(120)のうちの少なくとも1つに形成されている、
請求項7に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項9】
スロット(112a)が、前記外側ハウジング(100)の前記内周壁(112)に形成され、前記スロット(112a)は、前記内側ハウジング(200)を前記外側ハウジング(100)に固定するために、前記コネクタの内側ハウジング(200)に形成されている突出部(212a)と係合するように適合されている、
請求項4に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項10】
それぞれ第1のケーブルシール(110)および第2のケーブルシール(120)を設置するための第1の収容チャンバ(101)および第2の収容チャンバ(102)が形成されている外側ハウジング(100)
を備え、
前記外側ハウジング(100)は、
コネクタの内側ハウジング(200)を収容するためのチャンバ(104)が形成されている外周壁(111)と、
ハウジングシール(130)を収容するための第3の収容チャンバ(103)を形成するように前記外周壁(111)から径方向に離隔している内周壁(112)と、
前記外周壁(111)と前記内周壁(112)との間に接続されている径方向側壁(113)と
を備える、コネクタ封止アセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジングシール(130)を装着するためのハウジングシール装着部分(112b)が、前記内周壁(112)の外壁面に形成されている、
請求項10に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項12】
第1のケーブルシール(110)および第2のケーブルシール(120)を装着するためのケーブルシール装着部分(101a、102a)が、前記内周壁(112)の内壁面に形成されている、
請求項10に記載のコネクタ封止アセンブリ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の前記コネクタ封止アセンブリと、
前記外側ハウジング(100)に少なくとも部分的に受け入れられている内側ハウジング(200)と
を備える、コネクタ。
【請求項14】
前記外側ハウジング(100)および前記内側ハウジング(200)内へと延び、前記ケーブルシール(110、120)を通過するケーブル(1、2、3)
をさらに備え、
前記ケーブル(1、2、3)は、信号を伝送するための信号ケーブル(1、2)、および電力を伝送するための電力ケーブル(3)を含む、
請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記ケーブル(1、2、3)は、
第1の信号を伝送するための第1のケーブル(1)と、
前記第1の信号とは異なる第2の信号を伝送するための第2のケーブル(2)と、
電力を伝送するための第3のケーブル(3)と
を備える、
請求項14に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記内側ハウジング(200)に設けられ、前記第1のケーブル(1)に電気的に接続されている第1の端子(10)と、
前記内側ハウジング(200)に設けられ、前記第2のケーブル(2)に電気的に接続されている第2の端子(20)と、
前記内側ハウジング(200)に設けられ、前記第3のケーブル(3)に電気的に接続されている第3の端子(30)と
をさらに備える、請求項15に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記内側ハウジング(200)に配置されているシールド(11)
をさらに備え、
前記第1のケーブル(1)は、イーサネット信号を伝送するためのイーサネットケーブルであり、前記シールド(11)は、前記第1のケーブル(1)のシールド層に電気的に接続され、前記第1の端子(10)は、前記シールド(11)に少なくとも部分的に収容されている、
請求項16に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記ケーブルシール(110、120)は、第1のケーブルシール(110)および第2のケーブルシール(120)を含み、
前記第1のケーブル(1)と嵌合するように適合されている第1のケーブル通過孔が、前記第1のケーブルシール(110)に形成され、
前記第2のケーブル(2)と嵌合するように適合されている第2のケーブル通過孔(122)、および前記第3のケーブル(3)と嵌合するように適合されている第3のケーブル通過孔(123)が、前記第2のケーブルシール(120)に形成されている、
請求項17に記載のコネクタ。
【請求項19】
前記第1のケーブル(1)の外径は、前記第2のケーブル(2)および前記第3のケーブル(3)の外径よりも大きく、前記第1のケーブル通過孔の内径は、前記第2のケーブル通過孔(122)および前記第3のケーブル通過孔(123)の内径よりも大きく、
前記第3のケーブル(3)の外径は、前記第2のケーブル(2)の外径よりも大きく、前記第3のケーブル通過孔(123)の内径は、前記第2のケーブル通過孔(122)の内径よりも大きい、
請求項18に記載のコネクタ。
【請求項20】
前記第1のケーブルシール(110)は、シールリングであり、前記第1のケーブル(1)に外装され、
前記第2のケーブルシール(120)は、前記第2のケーブル通過孔(122)および前記第3のケーブル通過孔(123)が形成されているブロック形状の封止体(121)を含む、
請求項18に記載のコネクタ。
【請求項21】
前記内側ハウジング(200)に設置され、前記コネクタの前記シールド(11)および相手側コネクタの相手側シールドを電気的に接続するために用いられるシールド接続ばね片
をさらに備える、請求項17に記載のコネクタ。
【請求項22】
請求項13から21のいずれか一項に記載の前記コネクタと、
前記コネクタと嵌合するように適合されている相手側コネクタと
を備える、コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において2021年12月31日に出願された中国特許出願第CN202111659649.0号の利益を主張し、その全開示が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、コネクタ封止アセンブリ、コネクタ封止アセンブリを含むコネクタ、およびコネクタを含むコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、レーザレーダ用コネクタは一般に、外側ハウジングと、外側ハウジングに設けられる内側ハウジングと、信号(例えばイーサネット信号)および電力を伝送するための、内側ハウジングに設けられる端子とを含む。従来技術において、防水封止機能を実現する目的で、通常、ケーブルシールを内側ハウジングに設置することが必要であり、ケーブルシールは、ケーブルとハウジングとの間の封止を実現するためにケーブルに外装される。加えて、外側ハウジングと相手側コネクタの相手側ハウジングとの間の封止を実現する目的で、ハウジングシールを外側ハウジングに設けることも必要である。
【0004】
しかしながら、従来技術においては、ケーブルシールおよびハウジングシールをそれぞれ内側ハウジングおよび外側ハウジングに設ける必要があるため、コネクタの構造が複雑になり、体積が過大になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の難点のうちの少なくとも1つの側面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、コネクタ封止アセンブリが提供される。コネクタ封止アセンブリは、複数のシール装着部分が設けられている外側ハウジングと、外側ハウジングと外側ハウジング内へと延びるケーブルとの間の封止を実現するために、複数のシール装着部分のうちのケーブルシール装着部分に装着されているケーブルシールと、外側ハウジングと相手側コネクタの相手側ハウジングとの間の封止を実現するために、複数のシール装着部分のうちのハウジングシール装着部分に装着されているハウジングシールとを備える。
【0007】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ケーブルシールは、コネクタの一部のケーブルを封止するための第1のケーブルシール、および/または、コネクタの他のケーブルを封止するための第2のケーブルシールを備える。外側ハウジングには、第1のケーブルシールを収容するための第1の収容チャンバであって、第1の収容チャンバのチャンバ壁は第1のケーブルシールと封止係合する、第1の収容チャンバと、第2のケーブルシールを収容するための第2の収容チャンバであって、第2の収容チャンバのチャンバ壁は第2のケーブルシールと封止係合する、第2の収容チャンバとが形成されている。
【0008】
本発明の別の例示的実施形態によれば、コネクタ封止アセンブリは、第1のケーブルシールを第1の収容チャンバに保持するために、第1の収容チャンバの開口部に挿入され、外側ハウジングに固定されている保護エンドキャップをさらに備える。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態によれば、外側ハウジングは、外周壁と、外周壁から径方向に離隔している内周壁と、外周壁と内周壁との間に接続されている径方向側壁とを備える。内周壁は、第1の収容チャンバを第2の収容チャンバから分離し、ハウジングシールを収容するための第3の収容チャンバが、外周壁、内周壁および径方向側壁により画定される。
【0010】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ハウジングシールは、内周壁の外面に設けられ、内周壁と封止係合する。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ハウジングシールは、シールリングであり、内周壁の外周面に外装され、相手側ハウジングがハウジングシールと外周壁の間に挿入されることを可能とするために、ハウジングシールの外周面が、所定の間隙だけ外周壁の内周面から径方向に離隔している。
【0012】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ケーブルシールは、複数の異なるタイプおよび/または複数の異なるサイズのケーブルを同時に封止するように適合され、ケーブルシールには、それぞれ複数の異なるタイプおよび/または複数の異なるサイズのケーブルと嵌合するように適合されている複数の異なるケーブル通過孔が形成される。
【0013】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ケーブルシールは、第1のケーブルシールおよび第2のケーブルシールを備え、少なくとも2つの異なるケーブル通過孔が、第1のケーブルシールおよび第2のケーブルシールのうちの少なくとも1つに形成される。
【0014】
本発明の別の例示的実施形態によれば、スロットが、外側ハウジングの内周壁に形成され、スロットは、内側ハウジングを外側ハウジングに固定するために、コネクタの内側ハウジングに形成されている突出部と係合するように適合される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、コネクタ封止アセンブリが提供される。コネクタ封止アセンブリは、それぞれ第1のケーブルシールおよび第2のケーブルシールを設置するための第1の収容チャンバおよび第2の収容チャンバが形成されている外側ハウジングを備える。外側ハウジングは、コネクタの内側ハウジングを収容するためのチャンバが形成されている外周壁と、ハウジングシールを収容するための第3の収容チャンバを形成するように外周壁から径方向に離隔している内周壁と、外周壁と内周壁との間に接続されている径方向側壁とを備える。
【0016】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ハウジングシールを装着するためのハウジングシール装着部分が、内周壁の外壁面に形成される。
【0017】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1のケーブルシールおよび第2のケーブルシールを装着するためのケーブルシール装着部分が、内周壁の内壁面に形成される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、上記のコネクタ封止アセンブリと、外側ハウジングに少なくとも部分的に受け入れられている内側ハウジングとを備える。
【0019】
本発明の例示的実施形態によれば、コネクタは、外側ハウジングおよび内側ハウジング内へと延び、ケーブルシールを通過するケーブルをさらに備え、ケーブルは、信号を伝送するための信号ケーブル、および電力を伝送するための電力ケーブルを含む。
【0020】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ケーブルは、第1の信号を伝送するための第1のケーブルと、第1の信号とは異なる第2の信号を伝送するための第2のケーブルと、電力を伝送するための第3のケーブルとを備える。
【0021】
本発明の別の例示的実施形態によれば、コネクタは、内側ハウジングに設けられ、第1のケーブルに電気的に接続されている第1の端子と、内側ハウジングに設けられ、第2のケーブルに電気的に接続されている第2の端子と、内側ハウジングに設けられ、第3のケーブルに電気的に接続されている第3の端子とをさらに備える。
【0022】
本発明の別の例示的実施形態によれば、コネクタは、内側ハウジングに配置されているシールドをさらに備え、第1のケーブルは、イーサネット信号を伝送するためのイーサネットケーブルであり、シールドは、第1のケーブルのシールド層に電気的に接続され、第1の端子は、シールドに少なくとも部分的に収容される。
【0023】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ケーブルシールは、第1のケーブルシールおよび第2のケーブルシールを含み、第1のケーブルと嵌合するように適合されている第1のケーブル通過孔が、第1のケーブルシールに形成され、第2のケーブルと嵌合するように適合されている第2のケーブル通過孔、および第3のケーブルと嵌合するように適合されている第3のケーブル通過孔が、第2のケーブルシールに形成される。
【0024】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1のケーブルの外径は、第2のケーブルおよび第3のケーブルの外径よりも大きく、第1のケーブル通過孔の内径は、第2のケーブル通過孔および第3のケーブル通過孔の内径よりも大きく、第3のケーブルの外径は、第2のケーブルの外径よりも大きく、第3のケーブル通過孔の内径は、第2のケーブル通過孔の内径よりも大きい。
【0025】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1のケーブルシールは、シールリングであり、第1のケーブルに外装され、第2のケーブルシールは、第2のケーブル通過孔および第3のケーブル通過孔が形成されているブロック形状の封止体を含む。
【0026】
本発明の別の例示的実施形態によれば、コネクタは、内側ハウジングに設置され、コネクタのシールドおよび相手側コネクタの相手側シールドを電気的に接続するために用いられるシールド接続ばね片をさらに備える。
【0027】
本発明の別の態様によれば、コネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、上記のコネクタと、コネクタと嵌合するように適合されている相手側コネクタとを備える。
【0028】
本発明に係る上述の例示的実施形態においては、ケーブルシールおよびハウジングシールの両方が外側ハウジングに設けられ、それにより、コネクタのサイズを低減することができ、ケーブルシールを設置する困難さを低減することができ、封止信頼性を向上させることができる。
【0029】
本発明の上記および他の特徴が、添付の図面を参照してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の例示的実施形態に係るコネクタの説明斜視図である。
図2】本発明の例示的実施形態に係るコネクタの縦断面図である。
図3】内側ハウジングが取り除かれている、本発明の1つの例示的実施形態に係るコネクタの別の縦断面図である。
図4】本発明の例示的実施形態に係るコネクタの外側ハウジング、ケーブルシール、およびハウジングシールの分解模式図である。
図5】本発明の例示的実施形態に係るコネクタの外側ハウジング、ケーブルシール、およびハウジングシールの説明組立図である。
図6】本発明の例示的実施形態に係るコネクタのケーブルおよびケーブルシールの説明組立図である。
図7図6に示す第2のケーブルシールの説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
添付の図面を参照して、本開示の例示的実施形態を以下で詳細に説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供されており、本開示の概念を当業者に十分に伝達するであろう。
【0032】
以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例において、図面を簡略化するために、周知の構造および装置は模式的に示されている。
【0033】
本発明の一般概念によれば、コネクタ封止アセンブリが提供される。コネクタ封止アセンブリは、複数のシール装着部分が設けられている外側ハウジングと、外側ハウジングと外側ハウジング内へと延びるケーブルとの間の封止を実現するために、複数のシール装着部分のうちのケーブルシール装着部分に装着されているケーブルシールと、外側ハウジングと相手側コネクタの相手側ハウジングとの間の封止を実現するために、複数のシール装着部分のうちのハウジングシール装着部分に装着されているハウジングシールとを備える。
【0034】
本発明の別の一般概念によれば、コネクタ封止アセンブリが提供される。コネクタ封止アセンブリは、それぞれ第1のケーブルシールおよび第2のケーブルシールを設置するための第1の収容チャンバおよび第2の収容チャンバが形成されている外側ハウジングを備える。外側ハウジングは、コネクタの内側ハウジングを収容するためのチャンバが形成されている外周壁と、ハウジングシールを収容するための第3の収容チャンバを形成するように外周壁から径方向に離隔している内周壁と、外周壁と内周壁との間に接続されている径方向側壁とを備える。外側ハウジングは、単一の一体部品として形成される。
【0035】
本発明の別の一般概念によれば、コネクタが提供される。コネクタは、上記のコネクタ封止アセンブリと、外側ハウジングに少なくとも部分的に受け入れられている内側ハウジングとを備える。
【0036】
図1は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの説明斜視図を示す。図2は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの縦断面図を示す。図3は、内側ハウジング200が取り除かれている、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの別の縦断面図を示す。図4は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの外側ハウジング100、ケーブルシール110、120、およびハウジングシール130の分解模式図を示す。
【0037】
図1図4に示すように、例示の実施形態においては、例えばレーザレーダとの接続に適したコネクタが開示されている。コネクタは、電力を伝送するための電力端子、および信号を伝送するための信号端子を含む。コネクタは、コネクタ封止アセンブリ、内側ハウジング200およびケーブル1、2、3を含む。コネクタ封止アセンブリは、外側ハウジング100、ケーブルシール110および120、ならびにハウジングシール130を含む。内側ハウジング200は、外側ハウジング100に少なくとも部分的に収容される。ケーブル1、2、3は、外側ハウジング100および内側ハウジング200内へと延び、ケーブルシール110、120を通過する。
【0038】
図1図4に示すように、例示の実施形態において、複数のシール装着部分101a、102a、および112bが、外側ハウジング100の内側に設けられる。ケーブルシール110および120は、複数のシール装着部分101a、102aおよび112bのうちのケーブルシール装着部分101aおよび102aに装着され、外側ハウジング100と、外側ハウジング100内へと延びるケーブル1、2および3との間の封止を実現するために用いられる。ハウジングシール130は、複数のシール装着部分101a、102a、および112bのうちのハウジングシール装着部分112bに装着され、外側ハウジング100と相手側コネクタの相手側ハウジングとの間の封止を実現するために用いられる。
【0039】
図5は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタの外側ハウジング100、ケーブルシール110、120、およびハウジングシール130の説明組立図を示す。
【0040】
図1図5に示すように、例示の実施形態において、ケーブルシール110および120は、外側ハウジング100と、外側ハウジング100内へと延びるケーブル1、2および3との間の封止を実現するように、外側ハウジング100に収容される。ハウジングシール130は、外側ハウジング100と相手側コネクタ(不図示)の相手側ハウジング(不図示)との間の封止を実現するように、外側ハウジング100に収容される。
【0041】
図1図5に示すように、例示の実施形態において、ケーブルシール110および120は、第1のケーブルシール110および第2のケーブルシール120を含む。第1のケーブルシール110は、コネクタの一部のケーブル1を封止するために用いられる。第2のケーブルシール120は、コネクタの他のケーブル2、3を封止するために用いられる。
【0042】
図1図5に示すように、例示の実施形態において、第1の収容チャンバ101、第2の収容チャンバ102、および第3の収容チャンバ103が、外側ハウジング100に形成される。第1の収容チャンバ101は、第1のケーブルシール110を収容するために用いられ、第1の収容チャンバ101のチャンバ壁は、第1のケーブルシール110と封止係合する。第2の収容チャンバ102は、第2のケーブルシール120を収容するために用いられ、第2の収容チャンバ102のチャンバ壁は、第2のケーブルシール120と封止係合する。第3の収容チャンバ103は、ハウジングシール130を収容するために用いられる。外側ハウジング100における第1の収容チャンバ101、第2の収容チャンバ102および第3の収容チャンバ103は、互いに隔離される。
【0043】
図1図5に示すように、例示の実施形態において、コネクタ封止アセンブリは、保護エンドキャップ40をさらに含む。保護エンドキャップ40は、第1の収容チャンバ101の開口部に挿入され、外側ハウジング100に固定される。これは、第1のケーブルシール110が第1の収容チャンバ101から引き抜かれることを防止するために、第1のケーブルシール110を第1の収容チャンバ101に保持するために用いられる。
【0044】
図1図5に示すように、例示の実施形態において、外側ハウジング100は、外周壁111、内周壁112、および径方向側壁113を含む。内周壁112は、外周壁111から径方向に離隔している。径方向側壁113は、外周壁111の一端部と内周壁112との間に接続される。第1の収容チャンバ101および第2の収容チャンバ102は、内周壁112により取り囲まれ、互いに隔離される。第3の収容チャンバ103は、外周壁111、内周壁112および径方向側壁113の間に画定される。ハウジングシール130は、内周壁112の外面に設けられ、内周壁112と封止係合する。
【0045】
図1図5に示すように、例示の実施形態において、スロット112aが外側ハウジング100の内周壁112に形成される。スロット112aは、内側ハウジング200を外側ハウジング100に固定するために、コネクタの内側ハウジング200に形成される突出部212aと係合するように適合される。外側ハウジング100と内側ハウジング200との間の固定機構は、例示の実施形態に限定されるものではなく、他の好適な機構が採用されてもよい。
【0046】
図1図5に示すように、例示の実施形態において、ハウジングシール130は、シールリングであり、内周壁112の外周面に取り付けられる。ハウジングシール130の外周面は、相手側コネクタの相手側ハウジングがハウジングシール130と外側ハウジング100の外周壁111との間に挿入されることを可能とするために、所定の間隙だけ外側ハウジング100の外周壁111の内周面から径方向に離隔している。すなわち、ハウジングシール130は、相手側コネクタの相手側ハウジングと外側ハウジング100の外周壁111との間で径方向に押し付けられ、それによりそれらの間の封止を実現する。
【0047】
図6は、本発明の例示的実施形態に係るコネクタのケーブル1、2、3およびケーブルシール110、120の説明組立図を示す。図7は、図6に示す第2のケーブルシール120の説明斜視図を示す。
【0048】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、ケーブルシール110、120は、複数の異なるタイプおよび/または複数の異なるサイズのケーブル1、2、3を同時に封止するように適合される。例えば、複数の異なるケーブル通過孔122、123がケーブルシール110、120に形成されてよく、これらは、それぞれ複数の異なるタイプおよび/または複数の異なるサイズのケーブル1、2、3と嵌合するように適合される。
【0049】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、ケーブルシール110および120は、第1のケーブルシール110および第2のケーブルシール120を含む。少なくとも2つの異なるケーブル通過孔122および123が、少なくとも2つの異なるタイプおよび/または異なるサイズのケーブル2および3と嵌合するように、第1のケーブルシール110および第2のケーブルシール120のうちの少なくとも1つに形成される。
【0050】
図1図7に示すように、本発明の例示的実施形態においては、コネクタも開示される。コネクタは、上述のコネクタ封止アセンブリ、内側ハウジング200、およびケーブル1、2、および3を含む。内側ハウジング200は、外側ハウジング100に少なくとも部分的に収容される。ケーブル1、2、3は、外側ハウジング100および内側ハウジング200内へと延び、ケーブルシール110および120を通過する。
【0051】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、ケーブル1、2、および3は、信号を伝送するための信号ケーブル1、2、および電力を伝送するための電力ケーブル3を含む。すなわち、コネクタは、信号および電力を同時に伝送するのに好適なハイブリッドコネクタである。例えば、コネクタは、レーザレーダと接続するためのハイブリッドコネクタであってよい。
【0052】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、ケーブル1、2、および3は、第1のケーブル1、第2のケーブル2、および第3のケーブル3を含む。第1のケーブル1は、第1の信号、例えばイーサネット信号を伝送するために用いられる。第2のケーブル2は、第1の信号とは異なる第2の信号の伝送、例えばLAN信号の伝送に用いられる。第3のケーブル3は、電力を伝送するために用いられる。
【0053】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、コネクタは、第1の端子10、第2の端子20、および第3の端子30をさらに含む。第1の端子10は、内側ハウジング200に設けられ、第1のケーブル1に電気的に接続される。第2の端子20は、内側ハウジング200に設けられ、第2のケーブル2に電気的に接続される。第3の端子30は、内側ハウジング200に設けられ、第3のケーブル3に電気的に接続される。
【0054】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、第1のケーブル1は、イーサネット信号を伝送するためのイーサネットケーブルであり、コネクタは、内側ハウジング200に設けられるシールド11をさらに含む。シールド11は、第1のケーブル1のシールド層に電気的に接続され、第1の端子10は、シールド11に少なくとも部分的に収容される。よって、信号干渉を防止するために、第1の端子10に電磁シールドを提供することができる。
【0055】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、コネクタは、一対のシールド接続ばね片(不図示)をさらに備える。一対のシールド接続ばね片は、それぞれコネクタのシールド11および相手側コネクタの相手側シールド(不図示)を電気的に接続するために、内側ハウジング200の両側に装着される。
【0056】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、ケーブルシール110および120は、第1のケーブルシール110および第2のケーブルシール120を含む。第1のケーブル1と嵌合するように適合される第1のケーブル通過孔が、第1のケーブルシール110に形成される。第2のケーブル2と嵌合するように適合される第2のケーブル通過孔122、および第3のケーブル3と嵌合するように適合される第3のケーブル通過孔123が、第2のケーブルシール120に形成される。
【0057】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、第1のケーブル1の外径は、第2のケーブル2および第3のケーブル3の外径よりも大きく、第1のケーブル通過孔の内径は、第2のケーブル通過孔122および第3のケーブル通過孔123の内径よりも大きい。第3のケーブル3の外径は、第2のケーブル2の外径よりも大きく、第3のケーブル通過孔123の内径は、第2のケーブル通過孔122の内径よりも大きい。
【0058】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、第1のケーブルシール110は、シールリングであり、第1のケーブル1に外装される。第2のケーブルシール120は、ブロック形状の封止体121を含む。第2のケーブル通過孔122および第3のケーブル通過孔123は、封止体121に形成される。
【0059】
図1図7に示すように、本発明の例示的実施形態においては、コネクタ封止アセンブリも開示され、コネクタ封止アセンブリは、外側ハウジング100を含む。外側ハウジング100には、それぞれ第1のケーブルシール110および第2のケーブルシール120を設置するための第1の収容チャンバ101および第2の収容チャンバ102が設けられる。外側ハウジング100は、外周壁111であって、チャンバ104がコネクタの内側ハウジング200を収容するように外周壁111の内側に形成された、外周壁111と、ハウジングシール130を収容するための第3の収容チャンバ103を形成するように外周壁111から径方向に離隔している内周壁112と、外周壁111および内周壁112に接続される径方向側壁113とを備える。外側ハウジング100は、単一の一体部品として形成される。
【0060】
図1図7に示すように、例示の実施形態において、ハウジングシール130を装着するためのハウジングシール装着部分112bが、内周壁112の外壁面に形成される。内周壁112の内壁面には、それぞれ第1のケーブルシール110および第2のケーブルシール120を装着するためのケーブルシール装着部分101aおよび102aが形成される。
【0061】
図示はしないが、本発明の例示的実施形態において、上述のコネクタ、および上述のコネクタと嵌合するように適合される相手側コネクタ(不図示)を含むコネクタアセンブリも開示される。
【0062】
上記の実施形態は、限定ではなく例示を意図したものであることが、当業者には理解されるべきである。例えば、多数の修正が当業者により上記の実施形態に対してなされてよく、種々の実施形態において説明されている様々な特徴は、構成または原理において矛盾しない限り互いに自由に組み合わされてよい。
【0063】
いくつかの例示的実施形態を示して説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱しない限り、これらの実施形態において様々な変更または修正がなされてよいことが、当業者には理解されるであろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物において定められる。
【0064】
本明細書において用いられる場合、単数形で記載され「a」または「an」の語に続く要素は、複数の当該要素またはステップを除外することが明示されていない限り、そのような除外をしないものとして理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」という記載は、記載されている特徴を同様に組み込むさらなる実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。加えて、そうでないことが明示されていない限り、特定の性質を有する要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その性質を有しないさらなるそのような要素を含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】