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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099508
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】循環装置及びサンプル分析装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 60/00 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
B65G60/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209367
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】202111678360.3
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518344542
【氏名又は名称】シェンチェン・ニュー・インダストリーズ・バイオメディカル・エンジニアリング・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】朱亮
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼瑤超
(72)【発明者】
【氏名】耿涛
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、循環装置、循環方法及びサンプル分析装置に関する。
【解決手段】循環装置は、取付架台と、前記取付架台に設けられた搬入機構、搬出機構、回収機構及び移送機構と、を備え、搬入機構は、反応容器を収納した載置ボックスを供給するために使用され、搬出機構は、前記搬入機構からの反応容器を収納した前記載置ボックスを搬出するために使用され、回収機構は、前記搬出機構からの反応容器がアンロードされた前記載置ボックスを回収するために使用され、移送機構は、前記搬入機構、前記搬出機構及び前記回収機構に同時に対応する移送アセンブリを含み、前記移送アセンブリは、反応容器を収納した前記載置ボックスを前記搬入機構から前記搬出機構に搬送するためにも、反応容器がアンロードされた前記載置ボックスを前記搬出機構から前記回収機構に搬送するためにも使用される。このようにして、循環装置の構造をよりコンパクト化することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付架台と、前記取付架台に設けられた搬入機構、搬出機構、回収機構及び移送機構と、を備え、
搬入機構は、反応容器を収納した載置ボックスを供給するために使用され、
搬出機構は、前記搬入機構からの反応容器を収納した前記載置ボックスを搬出するために使用され、
回収機構は、前記搬出機構からの反応容器がアンロードされた前記載置ボックスを回収するために使用され、
移送機構は、前記搬入機構、前記搬出機構及び前記回収機構に同時に対応する移送アセンブリを含み、前記移送アセンブリは、反応容器を収納した前記載置ボックスを前記搬入機構から前記搬出機構に搬送するためにも、反応容器がアンロードされた前記載置ボックスを前記搬出機構から前記回収機構に搬送するためにも使用される、ことを特徴とする循環装置。
【請求項2】
前記載置ボックスが前記搬入機構から前記搬出機構に搬送される経路と、前記搬出機構から前記回収機構に搬送される経路とは、同一の経路である、ことを特徴とする請求項1に記載の循環装置。
【請求項3】
前記取付架台は、ベースと、前記ベースに摺動連結された支持台とを含み、前記搬入機構及び前記回収機構は、共に前記支持台に設けられ、前記搬出機構は、前記ベースに固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の循環装置。
【請求項4】
前記移送機構は、前記支持台に設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の循環装置。
【請求項5】
前記支持台には、収容室と、搬入孔と、回収孔とが設けられ、前記搬入孔及び前記回収孔は、いずれも前記収容室に連通し、前記移送アセンブリは、前記収容室内に部分的に収容され、前記搬入機構は、前記搬入孔が位置する箇所に設けられ、前記回収機構は、前記回収孔が位置する箇所に設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の循環装置。
【請求項6】
前記ベースに設けられ、前記支持台に連結された押し引きタイミングベルトをさらに備える、ことを特徴とする請求項3に記載の循環装置。
【請求項7】
前記移送アセンブリは、重力方向に垂直な方向に間隔をおいて設けられた2つの搬送ベルトユニットを含み、前記載置ボックスは、前記搬送ベルトユニットに載置される、ことを特徴とする請求項1に記載の循環装置。
【請求項8】
前記移送アセンブリは、回動軸と、駆動装置とをさらに含み、2つの前記搬送ベルトユニットは、前記回動軸の対向する両端にそれぞれ外嵌されており、前記駆動装置は、2つの前記搬送ベルトユニットの間に位置し、前記回動軸を回動駆動する、ことを特徴とする請求項7に記載の循環装置。
【請求項9】
前記移送機構は、前記搬送ベルトユニットに1対1で対応する移送体をさらに含み、前記移送体は、受け板と、前記受け板の対向する両端にそれぞれ連結される固定板及び規制板とを含み、前記固定板及び前記規制板は、前記受け板の厚み方向の対向する両側にそれぞれ位置し、前記受け板は、前記搬送ベルトユニットの張り側と緩み側との間の隙間を通すように設けられ、前記固定板及び前記規制板は、前記搬送ベルトユニットの両側にそれぞれ位置している、ことを特徴とする請求項7に記載の循環装置。
【請求項10】
前記搬入機構は、前記載置ボックスを載置するための搬入ブラケットを含み、前記搬出機構は、前記載置ボックスを載置するための搬出ブラケットを含み、前記搬入ブラケット及び前記搬出ブラケットの幅は、いずれも2つの前記搬送ベルトユニットの間の隙間よりも小さい、ことを特徴とする請求項7に記載の循環装置。
【請求項11】
前記搬入ブラケット及び前記搬出ブラケットは、いずれも前記取付架台に対して重力方向に運動し、前記載置ボックスは、前記移送アセンブリ上を重力方向に垂直な方向に運動する、ことを特徴とする請求項10に記載の循環装置。
【請求項12】
前記搬入機構は、前記取付架台に回動可能に設けられた支持板をさらに含み、前記支持板は、重力方向に垂直な中心軸線回りに回動可能であり、前記載置ボックスから離脱する退避位置と、前記載置ボックスを載置する支持位置とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の循環装置。
【請求項13】
前記搬入機構は、前記取付架台に設けられたモータをさらに含み、前記モータは前記支持板を回動駆動する、ことを特徴とする請求項12に記載の循環装置。
【請求項14】
前記回収機構は、前記載置ボックスを載置するための回収ブラケットを含み、前記回収ブラケットの幅は、2つの前記搬送ベルトユニットの間の隙間よりも大きい、ことを特徴とする請求項7に記載の循環装置。
【請求項15】
前記回収ブラケットは、前記取付架台に対して重力方向に運動し、前記載置ボックスは、前記移送アセンブリ上を重力方向に垂直な方向に運動する、ことを特徴とする請求項14に記載の循環装置。
【請求項16】
前記回収ブラケットは、回動可能に連結された摺動部及び反転部を含み、前記摺動部は、前記取付架台に対して摺動可能であり、前記反転部は、重力方向に垂直な中心軸線回りに回動可能であり、前記載置ボックスを載置可能な載置位置を有し、前記摺動部が前記搬送ベルトユニットに近接して運動する過程で、前記載置ボックスは、前記反転部を押して前記載置位置から離間して回動させることができる、ことを特徴とする請求項14に記載の循環装置。
【請求項17】
前記回収ブラケットは、前記摺動部と前記反転部との間に連結された弾性部をさらに含み、前記弾性部は、前記反転部が前記載置位置から離間して運動する過程でエネルギーを蓄え、また、前記弾性部は、エネルギーを放出して前記反転部を前記載置位置に近接して運動させる、ことを特徴とする請求項16に記載の循環装置。
【請求項18】
前記摺動部の数は2つであり、2つの前記摺動部の間隔方向は2つの前記搬送ベルトユニットの間隔方向と同じであり、かつ2つの前記摺動部の間の間隔距離は2つの前記搬送ベルトユニットの間の隙間よりも大きい、ことを特徴とする請求項16に記載の循環装置。
【請求項19】
前記搬入機構、前記搬出機構及び前記回収機構は、いずれも前記移送アセンブリの上側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の循環装置。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の循環装置を備えることを特徴とするサンプル分析装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、特に、循環装置及びそれを備えたサンプル分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
循環装置は、通常、反応容器を載置した載置ボックスを搬出機構に搬送するために使用され、マニピュレータが載置ボックス上の反応容器を取り出す。載置ボックス上の反応容器が全て取り出された後、空の載置ボックスは、載置ボックスの再利用のために循環装置の回収機構に搬送される。しかし、従来の循環装置では、載置ボックスが搬出機構に運動する経路、及び搬出機構から回収機構に運動する経路が複雑であるため、循環装置全体が肥大化し、循環装置の構造のコンパクト化に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決する技術的課題の1つは、循環装置をどのようにして構造的によりコンパクト化するかということである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
循環装置であって、取付架台と、前記取付架台に設けられた搬入機構、搬出機構、回収機構及び移送機構と、を備え、
搬入機構は、反応容器を収納した載置ボックスを供給するために使用され、
搬出機構は、前記搬入機構からの反応容器を収納した前記載置ボックスを搬出するために使用され、
回収機構は、前記搬出機構からの反応容器がアンロードされた前記載置ボックスを回収するために使用され、
移送機構は、前記搬入機構、前記搬出機構及び前記回収機構に同時に対応する移送アセンブリを含み、前記移送アセンブリは、反応容器を収納した前記載置ボックスを前記搬入機構から前記搬出機構に搬送するためにも、反応容器がアンロードされた前記載置ボックスを前記搬出機構から前記回収機構に搬送するためにも使用される。
【0005】
一実施形態では、前記載置ボックスが前記搬入機構から前記搬出機構に搬送される経路と、前記搬出機構から前記回収機構に搬送される経路とは、同一の経路である。
【0006】
一実施形態では、前記取付架台は、ベースと、前記ベースに摺動連結された支持台とを含み、前記搬入機構及び前記回収機構は、共に前記支持台に設けられ、前記搬出機構は、前記ベースに固定されている。
【0007】
一実施形態では、前記移送機構は、前記支持台に設けられている。
【0008】
一実施形態では、前記支持台には、収容室と、搬入孔と、回収孔とが設けられ、前記搬入孔及び前記回収孔は、いずれも前記収容室に連通し、前記移送アセンブリは、前記収容室内に部分的に収容され、前記搬入機構は、前記搬入孔が位置する箇所に設けられ、前記回収機構は、前記回収孔が位置する箇所に設けられている。
【0009】
一実施形態では、前記ベースに設けられ、前記支持台に連結された押し引きタイミングベルトをさらに備える。
【0010】
一実施形態では、前記移送アセンブリは、重力方向に垂直な方向に間隔をおいて設けられた2つの搬送ベルトユニットを含み、前記載置ボックスは、前記搬送ベルトユニットに載置される。
【0011】
一実施形態では、前記移送アセンブリは、回動軸と、駆動装置とをさらに含み、2つの前記搬送ベルトユニットは、前記回動軸の対向する両端にそれぞれ外嵌されており、前記駆動装置は、2つの前記搬送ベルトユニットの間に位置し、前記回動軸を回動駆動する。
【0012】
一実施形態では、前記移送機構は、前記搬送ベルトユニットに1対1で対応する移送体をさらに含み、前記移送体は、受け板と、前記受け板の対向する両端にそれぞれ連結される固定板及び規制板とを含み、前記固定板及び前記規制板は、前記受け板の厚み方向の対向する両側にそれぞれ位置し、前記受け板は、前記搬送ベルトユニットの張り側と緩み側との間の隙間を通すように設けられ、前記固定板及び前記規制板は、前記搬送ベルトユニットの両側にそれぞれ位置している。
【0013】
一実施形態では、前記搬入機構は、前記載置ボックスを載置するための搬入ブラケットを含み、前記搬出機構は、前記載置ボックスを載置するための搬出ブラケットを含み、前記搬入ブラケット及び前記搬出ブラケットの幅は、いずれも2つの前記搬送ベルトユニットの間の隙間よりも小さい。
【0014】
一実施形態では、前記搬入ブラケット及び前記搬出ブラケットは、いずれも前記取付架台に対して重力方向に運動し、前記載置ボックスは、前記移送アセンブリ上を重力方向に垂直な方向に運動する。
【0015】
一実施形態では、前記搬入機構は、前記取付架台に回動可能に設けられた支持板をさらに含み、前記支持板は、重力方向に垂直な中心軸線回りに回動可能であり、前記載置ボックスから離脱する退避位置と、前記載置ボックスを載置する支持位置とを有する。
【0016】
一実施形態では、前記搬入機構は、前記取付架台に設けられたモータをさらに含み、前記モータは前記支持板を回動駆動する。
【0017】
一実施形態では、前記回収機構は、前記載置ボックスを載置するための回収ブラケットを含み、前記回収ブラケットの幅は、2つの前記搬送ベルトユニットの間の隙間よりも大きい。
【0018】
一実施形態では、前記回収ブラケットは、前記取付架台に対して重力方向に運動し、前記載置ボックスは、前記移送アセンブリ上を重力方向に垂直な方向に運動する。
【0019】
一実施形態では、前記回収ブラケットは、回動可能に連結された摺動部及び反転部を含み、前記摺動部は、前記取付架台に対して摺動可能であり、前記反転部は、重力方向に垂直な中心軸線回りに回動可能であり、前記載置ボックスを載置可能な載置位置を有し、前記摺動部が搬送ベルトユニットに近接して運動する過程で、前記載置ボックスは、前記反転部を押して前記載置位置から離間して回動させることができる。
【0020】
一実施形態では、前記回収ブラケットは、前記摺動部と前記反転部との間に連結された弾性部をさらに含み、前記弾性部は、前記反転部が前記載置位置から離間して運動する過程でエネルギーを蓄え、また、前記弾性部は、エネルギーを放出して前記反転部を前記載置位置に近接して運動させる。
【0021】
一実施形態では、前記摺動部の数は2つであり、2つの前記摺動部の間隔方向は2つの前記搬送ベルトユニットの間隔方向と同じであり、かつ2つの前記摺動部の間の間隔距離は2つの前記搬送ベルトユニットの間の隙間よりも大きい。
【0022】
一実施形態では、前記搬入機構、前記搬出機構及び前記回収機構は、いずれも前記移送アセンブリの上側に位置する。
【0023】
サンプル分析装置は、上記のいずれか一項に記載の循環装置を備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施形態の技術効果の1つは、以下の通りである。移送アセンブリは、反応容器を収納した載置ボックスを搬入機構から搬出機構に搬送して、載置ボックスの搬出を実現する。載置ボックス上の反応容器が搬出機構上でアンロードされた後、移送アセンブリは、反応容器がアンロードされた載置ボックスを搬出機構から回収機構に搬送して、載置ボックスの回収を実現する。そのため、載置ボックスの搬出過程、及び載置ボックスの回収過程が同一の移送アセンブリによって実現され、他の移送アセンブリを設ける必要がなくなり、このようにして、循環装置全体の構造を簡素化することができるだけでなく、循環装置全体を小型化し、構造的によりコンパクト化し、循環装置が機器内で占める空間を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】載置ボックスの構造を示す斜視模式図である。
図2】一実施形態による循環装置の構造を示す斜視模式図である。
図3図1に示す循環装置の部分構造を示す模式図である。
図4図1に示す循環装置における取付架台及び移送機構を含む部分構造を示す模式図である。
図5図4の別の視点における構造を示す模式図である。
図6図1に示す循環装置におけるベース、押し引きタイミングベルト及び押し引きモータを含む部分構造を示す模式図である。
図7図1に示す循環装置における搬入機構を含む部分構造を示す模式図である。
図8図1に示す循環装置における、支持板が支持位置にあって、載置ボックスを支持する構造を示す模式図である。
図9図1に示す循環装置における搬出機構の構造を示す斜視模式図である。
図10図1に示す循環装置における回収機構を含む部分構造を示す模式図である。
図11図1に示す循環装置における、支持板が載置位置にあって、載置ボックスを支持する構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を理解しやすくするために、以下、関連する図面を参照して本発明をより包括的に説明する。図面には本発明の好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実現されることができ、本明細書に記載された実施形態に限定されるものではない。むしろ、これらの実施形態を提供する目的は、本発明に開示された内容の理解をより徹底的かつ包括的なものにすることである。
【0027】
なお、ある部品が別の部品に「固定」されていると記載された場合、その部品は直接別の部品上に設けられていてもよいし、それらの間に部品を介在させていてもよい。ある部品が別の部品に「連結」されていると見なされる場合、その部品は直接別の部品に連結されているか、又はそれらの間に部品を介在させている可能性がある。本明細書で使用される用語「内」、「外」、「左」、「右」及び同様の表現は、説明するためのものに過ぎず、唯一の実施形態であることを意味するものではない。
【0028】
図1及び図2の両方を参照すると、本発明の一実施形態による循環装置10は、載置ボックス20をロードし回収するためのものであり、載置ボックス20は略直方体状をなし、載置ボックス20内には、複数の行及び複数の列からなるマトリックス状に配列可能な複数の収容孔21が開設されており、この収容孔21と反応容器30とが協働することにより、1つの載置ボックス20内に複数の反応容器30が同時に収納可能であり、反応容器30と収容孔21とが1対1の対応関係を形成できるのは明らかである。載置ボックス20は、底面22と、天面23と、側周面24とを有し、底面22及び天面23は、載置ボックス20の厚み方向に水平に設けられた両端面であり、側周面24は、天面23と底面22との間に連結されて立設されている。収容孔21は天面23に開設され、載置ボックス20は、側周面24に設けられたイヤーハンドル25をさらに備え、イヤーハンドル25は、側周面24に対して一定の長さだけ突出する。イヤーハンドル25の数は2つであってもよく、2つのイヤーハンドル25は、載置ボックス20の長手方向の両端にそれぞれ位置してもよいし、載置ボックス20の幅方向の両端に位置してもよい。イヤーハンドル25は、上面25aと、下面25bと、側面25cとを有し、側面25cは、上面25aと下面25bとの間に連結されて立設され、上面25aは、天面23に近接して水平に設けられ、下面25bは、底面22に近接して水平に設けられている。複数の載置ボックス20は、自身の厚さ方向に互いに積み重ねることができ、積み重ねた状態にある隣接する2つの載置ボックス20のうち、一方の載置ボックス20の天面23が他方の載置ボックス20の底面22に当接する。
【0029】
図2及び図3の両方を参照すると、循環装置10は、取付架台100と、移送機構200と、搬入機構300と、搬出機構400と、回収機構500とを備える。移送機構200、搬入機構300、搬出機構400及び回収機構500は、いずれもこの取付架台100に設けられている。
【0030】
図2図3及び図6をあわせて参照すると、いくつかの実施形態では、取付架台100は、ベース110と支持台120とを含み、ベース110には、支持台120が摺動連結されたガイドレール111が設けられていてもよく、ガイドレール111は水平方向に延在する。重力方向は鉛直方向と読み取ることができ、水平方向は重力方向に垂直であるのが明らかである。このため、支持台120は、ベース110に対して水平方向に往復摺動することができるので、支持台120は「引き出し」として機能する。循環装置10は、押し引きタイミングベルト131と、押し引きモータ132とをさらに備えてもよく、押し引きモータ132は、押し引きタイミングベルト131を、押し引きタイミングベルト131の張り側又は緩み側が水平方向に直線運動するように運動駆動するために使用され、支持台120は、押し引きタイミングベルト131の張り側又は緩み側に固定され得るため、押し引きタイミングベルト131が支持台120をベース110に対して水平方向に往復直線運動させるようになっている。
【0031】
いくつかの実施形態では、搬入機構300及び回収機構500を同時に搬出機構400に対して摺動可能にし、例えば、搬出機構400がベース110に固定され、支持台120がベース110に摺動連結され、搬入機構300及び回収機構500が共に支持台120に設けられる。このようにして、搬入機構300、回収機構500及び搬出機構400の三者が同時に支持台120に載置されて同期して摺動することを回避することができ、支持台120に載置される重量を減らすとともに、ベース110に対する支持台120の摺動距離を小さくし、最終的に支持台120の摺動中の感度及び摺動軌跡の精度を向上させる。
【0032】
図2及び図3の両方を参照すると、搬出機構400がベース110に固定され、搬入機構300及び回収機構500の双方が支持台120に固定され、水平方向において、搬入機構300を搬出機構400と回収機構500との間に位置させることができる。支持台120がベース110に対して摺動すると、搬入機構300及び回収機構500の双方を、同時に搬出機構400に対して近接又は離間して摺動させることができる。換言すれば、搬入機構300及び回収機構500の双方は、ベース110に対して同期して摺動することができるが、搬出機構400はベース110に対して摺動することができない。支持台120には、搬入機構300及び回収機構500のみが載置されているため、搬出機構400が支持台120に設けられなくなり、このようにして、支持台120に載置される重量を減らして、ベース110上のガイドレール111に載置される重量を減らすことができる一方、ガイドレール111に対する支持台120の摺動距離を小さくすることができ、負荷がかかりすぎること及び相対摺動距離が長くなりすぎることに起因してガイドレール111が撓み変形したり、損傷したりすることを防止し、支持台120がガイドレール111を介してベース110に対して順調に摺動することを確保し、支持台120の摺動中の感度及び摺動軌跡の精度を向上させる。
【0033】
図3図4及び図5をあわせて参照すると、支持台120には、収容室121と、搬入孔122と、回収孔123とが設けられ、収容室121は、搬入孔122及び回収孔123の下方に位置し、搬入孔122及び回収孔123は、いずれも収容室121に互いに連通し、搬入機構300は、搬入孔122が位置する箇所に設けられ、回収機構500は、回収孔123が位置する箇所に設けられ、移送機構200は、この収容室121内に部分的に収容されている。
【0034】
いくつかの実施形態では、移送機構200は、支持台120に設けられてもよく、移送機構200を支持台120に追従してベース110に対して運動させることができるため、支持台120が運動すると、移送機構200、搬入機構300及び回収機構500の三者を、支持台120に追従して搬出機構400に近接又は離間して摺動させることができ、支持台120の運動終了後の位置が運動前の位置からずれて、搬入孔122及び回収孔123の移送機構200に対する位置ずれが発生するという問題を回避し、支持台120の運動終了後においても、搬入機構300が、対応する搬入孔122を介して載置ボックス20を移送機構200に正確に搬送でき、回収機構500が、対応する回収孔123を介して移送機構200上の載置ボックス20を正確に回収できることを確保する。
【0035】
移送機構200は、移送アセンブリ210と、移送体240とを含み、移送アセンブリは、回動軸220と、駆動装置230と、搬送ベルトユニット211とを含む。搬送ベルトユニット211の数は2つであり、2つの搬送ベルトユニット211は、水平面内で支持台120の摺動方向に垂直な方向に間隔をおいて設けられ、各搬送ベルトユニット211は、1つのタイミングベルトを含んでもよく、搬送ベルトユニット211の張り側又は緩み側は支持台120の摺動方向に直線運動可能である。搬送ベルトユニット211は、一部が収容室121内に収容され、他の部分が収容室121外に位置し、搬送ベルトユニット211の収容室121内に位置する部分は、搬入機構300及び回収機構500に対応し、搬送ベルトユニット211の収容室121外に位置する部分は、搬出機構400に対応する。搬入機構300、搬出機構400及び回収機構500は、いずれも搬送ベルトユニット211の上側に位置している。
【0036】
回動軸220は、支持台120に回動可能に設けられ、2つの搬送ベルトユニット211は、回動軸220の対向する両端にそれぞれ外嵌されており、駆動装置230は、支持台120に設けられ、駆動装置230はベルトドライバーであってもよい。駆動装置230が回動軸220を回動させると、回動軸220は2つの搬送ベルトユニット211を同時に駆動して同期して運動させ、載置ボックス20が2つの搬送ベルトユニット211の張り側又は緩み側に載置されるときに、載置ボックス20を2つの搬送ベルトユニット211に追従して同期して運動させることができ、これにより、移送アセンブリ210全体による載置ボックス20の搬送を可能にする。
【0037】
移送体240の数と搬送ベルトユニット211の数とは等しく、両者は1対1の対応関係にある。移送体240は、受け板241と、固定板242と、規制板243とを含む。受け板241、固定板242及び制限プレート243の三者が折り曲げられて連結され、具体的には、受け板241は略水平に設けられ、固定板242及び規制板243の双方は略鉛直に設けられていてもよく、固定板242及び規制板243は、受け板241の対向する両端にそれぞれ連結され、かつ、受け板241の厚さ方向の対向する両側にそれぞれ位置している。固定板242が支持台120に固定して連結されていることにより、移送体240全体が支持台120に固定される。移送体240が固定された後、受け板241は、搬送ベルトユニット211の張り側と緩み側との間の隙間を通すように設けられ、固定板242及び規制板243は、搬送ベルトユニット211の対向する両側にそれぞれ位置しているため、規制板243を搬送ベルトユニット211の張り側の脇側に位置させ、固定板242を搬送ベルトユニット211の緩み側の脇側に位置させることができる。また、搬送ベルトユニット211が載置ボックス20を搬送する際に、受け板241は、さらに載置ボックス20の重力の一部を分担することができるし、搬送ベルトユニット211が載置ボックス20の圧力によって撓み変形することを防止することもできる。一方、規制板243は、載置ボックス20が搬送ベルトユニット211から離脱することを防止することができ、規制板243は、載置ボックス20の運動軌跡を良好に規制する役割を果たす。したがって、移送体240が設けられることで、搬送ベルトユニット211が載置ボックス20を設定された直線軌跡に沿って順調に搬送することを確保することができる。
【0038】
図2図3図7及び図8をあわせて参照すると、いくつかの実施形態では、搬入機構300は、搬入フレーム310と、搬入ブラケット320と、搬入動力源330と、支持板340と、モータ350とを含む。搬入フレーム310は、略直方体の枠状構造とすることができ、搬入フレーム310は、鉛直方向に延在する搬入室311を取り囲むように形成されている。搬入フレーム310は、支持台120の搬入孔122が位置する箇所に固定されることで、搬入室311が搬入孔122を介して収容室121に互いに連通する。搬入ブラケット320はこの搬入室311内に位置し、搬入ブラケット320は、搬入フレーム310に対して鉛直方向に往復運動できるように、搬入フレーム310に摺動連結されている。搬入動力源330は、搬入タイミングベルト331と、搬入モータ332とを含み得る。搬入ブラケット320は、搬入タイミングベルト331の張り側又は緩み側に固定されてもよく、搬入モータ332は、搬入フレーム310に固定され、搬入タイミングベルト331を、搬入タイミングベルト331の張り側又は緩み側が鉛直方向に直線運動するように、さらに、搬入タイミングベルト331が搬入ブラケット320を上下動駆動するように運動駆動するために使用される。搬入ブラケット320は、反応容器30を収納した載置ボックス20を載置するために使用され、搬入ブラケット320は、搬入室311内に鉛直方向に積み重ねられ得る複数の載置ボックス20を載置することができる。搬入ブラケット320の幅は、搬入孔122の口径及び2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間よりも小さくされることで、搬入ブラケット320が搬入孔122及び2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間を鉛直方向に通過できるようになっている。搬入ブラケット320の幅が2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間よりも小さいため、搬入ブラケット320が載置ボックス20を下向きに運動させる過程において、搬入ブラケット320が2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間の下方に運動すると、搬送ベルトユニット211は、載置ボックス20と干渉して、それが搬入ブラケット320に追従して下向きに運動し続けることを防止する。このようにして、他の補助部品を必要とせずに、載置ボックス20を2つの搬送ベルトユニット211に自動的に載置させることができ、循環装置10の構造を簡素化し、循環装置10をより小型化することができる。
【0039】
支持板340は、支持台120の摺動方向に延在する中心軸線回りに回動可能となるように、ベアリングを介して支持台120に回動可能に設けられることができ、支持板340が回動する最大角度は90°であってもよい。モータ350が支持台120に設けられ、モータ350は、支持板340を回動駆動することができる。支持板340が水平状態にあるとき、支持板340は支持位置にあり、支持板340は、搬入室311内に入り込んで、載置ボックス20におけるイヤーハンドル25の下面25bに上向きの支持力を付与することができ、これにより、載置ボックス20を載置する役割を果たし、支持板340の上方に位置する載置ボックス20が搬送ベルトユニット211に近づく方向へ運動することを防止する。支持板340が水平状態から鉛直状態に上向きに回動すると、支持板340は退避位置にあり、支持板340は、載置ボックス20のイヤーハンドル25を支持しなくなるため、載置ボックス20に対する支持板340の干渉作用がなくなり、搬入ブラケット320の最下段に位置する載置ボックス20が搬送ベルトユニット211に載置されるまで、載置ボックス20を搬入ブラケット320に追従してベース110に近接して下向きに運動させることができる。
【0040】
搬入ブラケット320は、搬入フレーム310に対して、例えば、最上層位置、中間位置、支持位置、初期位置及び最下層位置といった複数の位置を有し、鉛直方向において、最上層位置、中間位置、支持位置、初期位置及び最下層位置のベース110に対する距離が順次減少し、これは、鉛直方向において、最上層位置、中間位置、支持位置、初期位置及び最下層位置のベース110に対する高さが順次減少するとも簡単に把握できる。搬送ベルトユニット211の高さは、最下層位置の高さよりも高い。搬入機構300は、搬入光結合部360をさらに含み得、搬入光結合部360の数は4つであってもよく、1つ目の光結合部は、搬入フレーム310の頂部に近接して設けられ、最上層位置に対応することができ、2つ目の光結合部は、搬入フレーム310の中部に設けられ、中間位置に対応することができ、3つ目の光結合部は、支持板340に設けられ、支持位置に対応することができ、4つ目の光結合部は、支持台120に設けられ、初期位置に対応することができる。光結合部が設けられることで、最上層位置、中間位置、支持位置及び初期位置には搬入ブラケット320又は載置ボックス20が存在するか否かを検出することができる。
【0041】
作動時、まず、支持板340を退避位置まで上向きに回動させ、搬入タイミングベルト331に、搬入ブラケット320を最上層位置まで摺動させるように駆動させ、このとき、反応容器30を収納した複数の載置ボックス20を、搬入ブラケット320に積み重ねるように搬入室311に入れることができ、搬入ブラケット320は、最下段に位置する載置ボックス20の底面22に上向きの支持力を付与するため、複数の載置ボックス20を持ち上げて載置する役割を果たす。次いで、搬入ブラケット320は、載置ボックス20をベース110に近接して下向きに運動させることで、搬入ブラケット320は、搬入孔122を通過して収容室121に入り、2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間を通って最下層位置まで運動する。最下段の載置ボックス20が支持位置から下向きに離れると、支持板340を退避位置から支持位置まで下向きに回動させるため、支持板340は、最下段の載置ボックス20に最も隣接する載置ボックス20のイヤーハンドル25の下面25bに上向きの支持力を付与して、最下段の載置ボックス20の上方に位置する他の複数の載置ボックス20を載置する役割を果たし、他の複数の載置ボックス20が搬入ブラケット320に追従して下向きに運動することを防止し、最下段の1つの載置ボックス20のみが搬入ブラケット320に追従して下向きに運動することを確保する。搬入ブラケット320が最下層位置まで運動すると、最下段の載置ボックス20が2つの搬送ベルトユニット211に載置される。搬送ベルトユニット211が運動するときに、この搬入機構300からの反応容器30を収納した載置ボックス20を搬送することができる。最下段の載置ボックス20が搬送ベルトユニット211に連れられて離れた後、支持板340に直接載置された載置ボックス20を上記の作動方法に照らして、搬入ブラケット320上の全ての載置ボックス20が搬送ベルトユニット211に順次搬送されるまで、搬送ベルトユニット211に搬送することができる。明らかなように、次の載置ボックス20を搬送ベルトユニット211に搬送する前に、搬入ブラケット320を介してブラケット上の全ての載置ボックス20を設定された距離だけ上向きに運動させる必要があり、これにより、支持板340が支持位置から退避位置まで運動するための退避空間が提供され、この次の載置ボックス20は、支持板340との干渉をなくして搬送ベルトユニット211に順調に載置できるようになっている。
【0042】
図2図3及び図9をあわせて参照すると、いくつかの実施形態では、搬出機構400は、搬出フレーム410と、搬出ブラケット420と、搬出動力源430と、弾性部材440とを含む。搬出フレーム410は、略直方体の枠状構造とすることができ、搬出フレーム410は、鉛直方向に延在する搬出室411を取り囲むように形成されている。搬出フレーム410は、搬送ベルトユニット211の収容室121の外に露出している部分の上方に位置してもよく、搬出ブラケット420はこの搬出室411内に位置し、搬出ブラケット420は、搬出フレーム410に対して鉛直方向に往復運動できるように、搬出フレーム410に摺動連結されている。搬出動力源430は、搬出タイミングベルト431と、搬出モータ432と、アイドラ433とを含み得る。搬出ブラケット420は、搬出タイミングベルト431の張り側又は緩み側に固定されてもよく、搬出モータ432は、搬出フレーム410に固定され、搬出タイミングベルト431を、搬出タイミングベルト431の張り側又は緩み側が鉛直方向に直線運動するように、さらに、搬出タイミングベルト431が搬出ブラケット420を上下動駆動するように運動駆動するために使用される。搬出ブラケット420は、載置ボックス20の底面22に上向きの支持力を付与することができるため、搬出ブラケット420は、反応容器30を収納した載置ボックス20を載置するために使用され、搬出ブラケット420は、載置ボックス20を搬出室411内で上向きに運動させることができる。搬出ブラケット420の幅は、2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間よりも小さくされることで、搬出ブラケット420が2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間を鉛直方向に通過できるようになっている。アイドラ433の数は複数、例えば、3つなどであってもよく、アイドラ433が搬出フレーム410に設けられ、搬出タイミングベルト431がアイドラ433に巻き付けられている。アイドラ433が設けられることで、搬出ブラケット420が摺動する安全性を向上させ、搬出ブラケット420が停電時に重力や荷重によって勢いよく滑り落ちることを防止することができる。
【0043】
搬出ブラケット420は、搬出フレーム410に対して、例えば、最上層位置、初期位置及び最下層位置といった複数の位置を有し、鉛直方向において、最上層位置、初期位置及び最下層位置のベース110に対する距離が順次減少し、これは、鉛直方向において、最上層位置、初期位置及び最下層位置のベース110に対する高さが順次減少するとも簡単に把握できる。搬送ベルトユニット211の高さは、最下層位置の高さよりも高い。搬出機構400は、搬出光結合部450をさらに含み得、搬出光結合部450の数は3つであってもよく、1つ目の光結合部は、搬出フレーム410の頂部に近接して設けられ、最上層位置に対応することができ、2つ目の光結合部は、搬出フレーム410の底部に近接して設けられ、初期位置に対応することができ、3つ目の光結合部は、搬出フレーム410に設けられ、第2の光結合部よりもベース110に近接して設けられ、第3の光結合部は、最下層位置に対応する。光結合部が設けられることで、最上層位置、初期位置及び最下層位置には搬出ブラケット420又は載置ボックス20が存在するか否かを検出することができる。
【0044】
搬出機構400は、搬出フレーム410の先端に設けられた弾性部材440をさらに含み得、搬出フレーム410の先端は、搬送ベルトユニット211から離れて設けられているのは明らかである。搬出ブラケット420が載置ボックス20を搬出室411内で搬出フレーム410の先端まで上向きに運動させる際に、弾性部材440は、この載置ボックス20に当接して、載置ボックス20を搬出フレーム410に固定することができる。載置ボックス20が固定された後、マニピュレータにより載置ボックス20内の反応容器30を取り出すことができる。
【0045】
作動時、まず、搬送ベルトユニット211が、搬入機構300からの反応容器30を持つ載置ボックス20を搬出フレーム410の下方に搬送した場合、最下層位置にある搬出ブラケット420が上向きに運動し、搬出ブラケット420は、2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間を通過して搬出室411内に入り、載置ボックス20を搬送ベルトユニット211から離脱させて搬出室411内に進入させる。搬出ブラケット420が載置ボックス20を搬出フレーム410の先端まで運動させると、弾性部材440は、マニピュレータが載置ボックス20内の反応容器30を取り出すように、載置ボックス20を搬出フレーム410に固定する。その後、載置ボックス20内の反応容器30を全て取り出した後、弾性部材440を載置ボックス20から離脱させ、このとき、搬出ブラケット420は、反応容器30がアンロードされた載置ボックス20の底面22に支持力を付与して載置ボックス20を下向きに運動させ、搬出ブラケット420が最下層位置まで運動すると、反応容器30がアンロードされた載置ボックス20が2つの搬送ベルトユニット211上に載置され、搬送ベルトユニット211が載置ボックス20を搬送するようにする。
【0046】
図2図3図10及び図11をあわせて参照すると、いくつかの実施形態では、回収機構500は、回収フレーム510と、回収ブラケット520と、回収動力源530とを含む。回収フレーム510は、略直方体の枠状構造とすることができ、回収フレーム510は、鉛直方向に延在する回収室511を取り囲むように形成されている。回収フレーム510は、支持台120の回収孔123が位置する箇所に固定されることで、回収室511が回収孔123を介して収容室121に互いに連通する。回収ブラケット520はこの回収室511内に位置し、回収ブラケット520は、回収フレーム510に対して鉛直方向に往復運動できるように、回収フレーム510に摺動連結されている。回収動力源530は、回収タイミングベルト531と、回収モータ532とを含み得る。回収ブラケット520は、回収タイミングベルト531の張り側又は緩み側に固定されてもよく、回収モータ532は、回収フレーム510に固定され、回収タイミングベルト531を、回収タイミングベルト531の張り側又は緩み側が鉛直方向に直線運動するように、さらに、回収タイミングベルト531が回収ブラケット520を上下動駆動するように運動駆動するために使用される。回収ブラケット520は、反応容器30がアンロードされた載置ボックス20を載置するために使用され、回収ブラケット520は、回収室511内に鉛直方向に積み重ねられ得る複数の載置ボックス20を載置することができる。回収ブラケット520の幅は、回収孔123の口径よりも小さく、かつ2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間よりも大きくされることで、回収ブラケット520が回収孔123を鉛直方向に通過できるようになっているが、回収ブラケット520が2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間に入ることを防止することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、回収ブラケット520は、摺動部521と、反転部522と、弾性部523とを含む。摺動部521は回収フレーム510に摺動連結され、摺動部521は回収タイミングベルト531に固定連結されている。摺動部521の数は2つであり、2つの摺動部521の間隔方向は、2つの搬送ベルトユニット211の間隔方向と同じであり、かつ2つの摺動部521の間の間隔距離は、2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間よりも大きくされることにより、回収ブラケット520の幅は2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間よりも大きくなっている。反転部522は、摺動部521に回動可能に連結され、反転部522は、支持台120の摺動方向に平行に延在する中心軸線回りに回動可能となっているため、反転部522は通過位置と載置位置とを有し、反転部522が回動する最大角度は90°であってもよい。弾性部523はばねであってもよく、弾性部523は、摺動部521と反転部522との間に連結される。反転部522が載置位置から通過位置へ運動する過程において、反転部522が弾性部523の弾性力に抗して回動することにより、弾性部523にエネルギーが蓄えられる。弾性部523がエネルギーを放出すると、反転部522を通過位置から載置位置まで自動的に運動させることができる。反転部522が載置位置にあるとき、反転部522は、水平状態となり、載置ボックス20のイヤーハンドル25の下面25bに支持力を付与するため、回収ブラケット520は、反転部522を介して、載置ボックス20を載置する役割を果たす。反転部522が通過位置にあるとき、反転部522は、載置ボックス20が搬送ベルトユニット211へ運動するのを許容し、反転部522は鉛直状態となってイヤーハンドル25との干渉を排除するため、反転部522はイヤーハンドル25を乗り越えることができる。回収ブラケット520は、回収フレーム510に対して、例えば、最上層位置、初期位置及び最下層位置といった複数の位置を有し、鉛直方向において、最上層位置、初期位置及び最下層位置のベース110に対する距離が順次減少し、これは、鉛直方向において、最上層位置、初期位置及び最下層位置のベース110に対する高さが順次減少するとも簡単に把握できる。搬送ベルトユニット211の高さは、最下層位置の高さよりも高い。回収機構500は、回収光結合部540をさらに含み得、回収光結合部540の数は3つであってもよく、1つ目の光結合部は、回収フレーム510の頂部に近接して設けられ、最上層位置に対応することができ、2つ目の光結合部は、回収フレーム510の底部に近接して設けられ、初期位置に対応することができ、3つ目の光結合部は、回収フレーム510に設けられ、第2の光結合部よりもベース110に近接して設けられ、第3の光結合部は、最下層位置に対応する。光結合部が設けられることで、最上層位置、初期位置及び最下層位置には回収ブラケット520又は載置ボックス20が存在するか否かを検出することができる。
【0048】
作動時、搬送ベルトユニット211が、搬出機構400からの反応容器30がアンロードされた載置ボックス20を回収フレーム510の下方に搬送した場合、回収室511内には載置ボックス20が存在しないとする。まず、回収ブラケット520は、載置ボックス20の上方に位置し、このとき、回収ブラケット520は下向きに運動し、搬送ベルトユニット211に位置する載置ボックス20のイヤーハンドル25の上面25aは、反転部522に上向きの支持力を付与することで、反転部522が載置位置から回動し始め、反転部522が回動する過程において、回収ブラケット520は下向きに運動し続け、回収ブラケット520全体に対するイヤーハンドル25の干渉力は徐々に減少し、反転部522が通過位置に回動したときに、イヤーハンドル25による干渉力はゼロに近づく。したがって、反転部522が載置位置から通過位置へ回動する過程において、イヤーハンドル25が回収ブラケット520の下向きの運動に対する干渉となることを防止することができる。回収ブラケット520が設定された距離だけ下向きに運動した後、反転部522がイヤーハンドル25の側面25cを乗り越え、側面25cを乗り越えた瞬間にイヤーハンドル25が反転部522への当接力を停止し、弾性部523がエネルギーを放出して反転部522を鉛直状態から水平状態に、すなわち通過位置から載置位置に回動させることで、反転部522をイヤーハンドル25の下面25bの下方に位置させることができる。反転部522がイヤーハンドル25の下面25bの下方に位置しているため、回収ブラケット520を上向きに運動させるように駆動することができ、これにより、反転部522がイヤーハンドル25の下面25bに支持力を付与して、載置ボックス20を載置して持ち上げる役割を果たし、回収ブラケット520が載置ボックス20を上向きに運動させることを確保する。回収ブラケット520に位置する載置ボックス20を直ちに取り出す必要はなく、回収ブラケット520上に複数の載置ボックス20を合理的な数だけ積み重ねることができ、最後に該複数の載置ボックス20を一度に取り出すことができる。
【0049】
回収ブラケット520に載置ボックス20がすでに載置され、かつ回収フレーム510の下方の搬送ベルトユニット211に載置ボックス20がある場合、この搬送ベルトユニット211上の載置ボックス20を回収ブラケット520に移送する必要がある。作動時、まず、載置ボックス20を載置した回収ブラケット520が下向きに運動することで、回収ブラケット520上の最下段の載置ボックス20が、搬送ベルトユニット211上の載置ボックス20に積み重ねられるようになり、このとき、搬送ベルトユニット211及び移送体240の受け板241は、全ての載置ボックス20を載置する役割を果たすことができる一方、回収ブラケット520上の最下段の載置ボックス20と、搬送ベルトユニット211上の載置ボックス20との双方のイヤーハンドル25の間には、鉛直方向に一定の離間空隙が存在する。明らかなように、回収ブラケット520がこの離間空隙内を下向きに運動する過程において、全ての載置ボックス20は、静止状態にあり、搬送ベルトユニット211に位置する載置ボックス20のイヤーハンドル25の上面25aが反転部522に上向きの支持力を付与することで、反転部522は載置位置から回動し始め、反転部522が回動する過程において、回収ブラケット520は下向きに運動し続け、回収ブラケット520全体に対するイヤーハンドル25の干渉力は徐々に減少し、反転部522が通過位置に回動したときに、イヤーハンドル25による干渉力はゼロに近づく。したがって、反転部522が載置位置から通過位置へ回動する過程において、イヤーハンドル25が回収ブラケット520の下向きの運動に対する干渉となることを防止することができる。回収ブラケット520が設定された距離だけ下向きに運動した後、反転部522がイヤーハンドル25の側面25cを乗り越え、側面25cを乗り越えた瞬間にイヤーハンドル25が反転部522への当接力を停止し、弾性部523がエネルギーを放出して反転部522を鉛直状態から水平状態に、すなわち通過位置から載置位置に回動させることで、反転部522をイヤーハンドル25の下面25bの下方に位置させることができる。反転部522がイヤーハンドル25の下面25bの下方に位置しているため、回収ブラケット520が載置ボックス20を上向きに運動させることを確保することができる。回収フレーム510の下方の搬送ベルトユニット211上に再び載置ボックス20が存在する場合には、上述した方法で回収ブラケット520上に移送することができる。
【0050】
2つの摺動部521の間隔方向が2つの搬送ベルトユニット211の間隔方向と同じであり、かつ2つの摺動部521の間の間隔距離が2つの搬送ベルトユニット211の間の隙間よりも大きいため、2つの摺動部521が搬送ベルトユニット211上の載置ボックス20の運動方向に間隔をおいて設けられることを回避することができる。このようにして、一方では、回収タイミングベルト531等の部品が回収フレーム510の外側の空間を占めることを防止することができ、回収タイミングベルト531等の部品がユーザの操作に影響を与えることを防止することができる。他方では、摺動部521が載置ボックス20の運動に対する干渉や障害となることを防止することができ、搬送ベルトユニット211が載置ボックス20を搬出機構400から回収機構500まで順調に到達させる。
【0051】
以下、図2図3及び図4を参照して、循環装置10全体の作動原理を説明する。
【0052】
第1のステップでは、搬入ブラケット320、搬出ブラケット420及び回収ブラケット520をいずれも初期位置にし(図7及び図8を参照)、押し引きタイミングベルト131に、支持台120を搬出機構400から離間して運動させるように駆動させ、これを具象化して説明すると、支持台120が引き出しのように引き出され、これにより、支持台120の搬出機構400から離れる運動に追従して搬入機構300及び回収機構500が引き出される。このとき、搬入機構300及び回収機構500の上方の部品による干渉を排除することができ、反応容器30を載置した載置ボックス20を搬入機構300に入れたり、回収機構500から反応容器30がアンロードされた載置ボックス20を取り出したりすることができる。
【0053】
第2のステップでは、搬入機構300における支持板340を退避位置まで上向きに運動させ、搬入ブラケット320を最上層位置まで上向きに運動させ、反応容器30を収納した複数の載置ボックス20を順次搬入ブラケット320に積み重ねる。明らかなように、1つの載置ボックス20が搬入ブラケット320上に積み重ねられるたびに、搬入ブラケット320は、1つの載置ボックス20の高さ分だけ下向きに運動するため、搬入ブラケット320上に積み重ねられた載置ボックス20がすべて搬入室311内に位置するようになっている。さらに、押し引きタイミングベルト131に、支持台120を搬出機構400に近づく方向に運動させるように駆動させ、すなわち、支持台120を引き出しのように元の位置に押し戻すことにより、収容室121の外に露出している搬送ベルトユニット211を搬出室411の下方に位置させる。次に、上述した搬入機構300の作動原理に照らして、搬入機構300に、反応容器30を収納した載置ボックス20を搬送ベルトユニット211上に1個ずつ搬送させる。
【0054】
第3のステップでは、搬出ブラケット420を初期位置から最下層位置まで運動させ、搬送ベルトユニット211を運動させて、搬入機構300からの反応容器30を収納した載置ボックス20を搬出室411の下方に搬送する。搬出ブラケット420が最下層位置から上向きに運動し、搬送ベルトユニット211に位置する反応容器30を収納した載置ボックス20を、搬出室411内を上向きに運動するように持ち上げる。上述した搬出機構400の作動原理に照らして、載置ボックス20内の反応容器30が全て取り出された後、搬出ブラケット420を下向きに運動させて、反応容器30がアンロードされた載置ボックス20を2つの搬送ベルトユニット211上に載置する。
【0055】
第4のステップでは、搬送ベルトユニット211は、搬出機構400からの反応容器30がアンロードされた載置ボックス20を、回収室511の下方に運動させ、上述した回収機構500の作動原理に照らして、反応容器30がアンロードされた複数の載置ボックス20を回収室511に保存する。回収室511内の載置ボックス20が設定された数に達した後、押し引きタイミングベルト131は、支持台120を搬出機構400から離れる方向に運動させるように駆動するため、支持台120が引き出され、このようにして、回収機構500の上方に位置する他の部品による干渉を防止し、反応容器30がアンロードされた載置ボックス20を回収室511から取り出してリサイクルすることを確保することができる。搬送ベルトユニット211が載置ボックス20を搬出室411の下方から回収室511の下方に運動させる過程において、搬入ブラケット320を初期位置にすることができ、このようにして、搬入ブラケット320が運動中の載置ボックス20と干渉することを防止することができる。
【0056】
上述した第1のステップから第4のステップまでの作動手順を循環操作することで、搬送ベルトユニット211に、反応容器30を収納した載置ボックス20を搬入機構300から搬出機構400に搬送させることができ、載置ボックス20の搬出を実現し、この過程を載置ボックスの搬出過程とする。載置ボックス20上の反応容器30が搬出機構400上でアンロードされた後、搬送ベルトユニット211は、反応容器30がアンロードされた載置ボックス20を搬出機構400から回収機構500に搬送して、載置ボックス20の回収を実現し、この過程を載置ボックスの回収過程とする。そのため、載置ボックスの搬出過程、及び載置ボックスの回収過程が同一の搬送ベルトユニット211によって実現され、この2つの過程を実現するために異なる搬送機構を設計することを回避するため、他の搬送機構を設ける必要がなくなり、このようにして、循環装置10全体の構造を簡素化することができるだけでなく、循環装置10全体を小型化し、構造的によりコンパクト化し、循環装置10が機器内で占める空間を小さくすることができる。
【0057】
搬送ベルトユニット211の張り側又は緩み側が直線に沿って運動することから、搬送ベルトユニット211が載置ボックス20を搬入機構300から搬出機構400に搬送させる経路と、搬出機構400から回収機構500に搬送させる経路とは、同一の経路であるため、該経路は、直線であってもよいことは明らかである。このようにして、載置ボックス20が常に同一の経路に沿って運動することを確保することができ、載置ボックス20の搬送効率及び安定性を向上させるとともに、移送機構200及び循環装置10全体の構造を大幅に簡素化することができる。他の実施形態では、搬入機構300、搬出機構400及び回収機構500の位置が同一の直線上にない場合、該経路は、折れ線又はアークなどの曲線であってもよく、例えば、三角形、円形、又は楕円形などであってもよい。
【0058】
本発明は、上記循環装置10を備えたサンプル分析装置をさらに提供する。上記循環装置10を備えることで、サンプル分析装置全体の構造をより簡単かつコンパクトにすることができる。
【0059】
上述した実施形態の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上述した実施形態における各技術的特徴のすべての可能な組み合わせについては説明していないが、しかし、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、すべて本明細書に記載された範囲であるとみなすべきである。
【0060】
上述した実施形態は、あくまでも本発明のいくつかの実施形態を表現しており、その説明は具体的かつ詳細であるが、発明特許の範囲を限定するものと理解することはできない。当業者にとって、本発明の思想から逸脱することなく、若干の変形及び改良が可能であり、これらは本発明の保護範囲に属することに留意されたい。したがって、本発明特許の保護範囲は、添付の請求項に基づくべきである。

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