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特開2023-99526超音波診断装置、画像処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099526
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】超音波診断装置、画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212490
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】202111662059.3
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャオ ルイ
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DE04
4C601EE09
4C601EE11
4C601FF03
4C601GA20
4C601GA26
4C601JC10
4C601JC11
4C601JC16
4C601JC37
4C601KK02
4C601KK24
4C601KK31
(57)【要約】
【課題】ドプラモードにおいて、穿刺針認識の正確性を向上させかつ穿刺針の視認性を改善することである。
【解決手段】実施形態に係る超音波診断装置は、画像生成部と、判別部と、表示制御部とを備える。画像生成部は、穿刺針が挿入された被検体に対して超音波を送信し、当該被検体で反射された超音波を受信することにより前記被検体の超音波画像を生成する。判別部は、前記被検体において前記穿刺針が静止したか否かを判別する。表示制御部は、前記被検体において前記穿刺針が静止したと判別した場合に、当該穿刺針が静止する前に取得された超音波画像に含まれる穿刺針を基に、当該穿刺針が静止した際に取得された超音波画像に含まれる穿刺針に係る情報を表示部に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺針が挿入された被検体に対して超音波を送信し、当該被検体で反射された超音波を受信することにより前記被検体の超音波画像を生成する画像生成部と、
前記被検体において前記穿刺針が静止したか否かを判別する判別部と、
前記被検体において前記穿刺針が静止したと判別した場合に、当該穿刺針が静止する前に取得された超音波画像に含まれる穿刺針を基に、当該穿刺針が静止した際に取得された超音波画像に含まれる穿刺針に係る情報を表示部に表示させる表示制御部と、
を備える、超音波診断装置。
【請求項2】
前記超音波画像において、前記穿刺針の動き形態の特徴を示す動き形態情報に基づいて、前記穿刺針を示す連結領域動き信号である穿刺針連結領域信号を検出する穿刺針検出部を備え、
前記判別部は、第1のフレームにおいて検出された穿刺針連結領域信号と第1のフレームより前の第2のフレームにおいて検出された穿刺針連結領域信号との関連度に基づいて、前記第1のフレームにおいて、継続して動いた前記穿刺針を示す連結領域動き信号である穿刺針継続動き信号が存在するか否かを判断することにより前記被検体において前記穿刺針が静止したか否かを判別し、
前記表示制御部は、前記判別部により前記第1のフレームにおいて前記穿刺針継続動き信号が検出されていない場合、前記穿刺針に係る情報として、強調表示された前記第2のフレームにおいて検出された前記穿刺針連結領域信号を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記穿刺針検出部は、前記穿刺針連結領域信号が初めて検出された前記第2のフレーム内において検出された前記穿刺針連結領域信号に対応する注目領域を形成し、前記第1のフレーム内に設定された、前記注目領域に対応する領域内から前記穿刺針連結領域信号を検出し、
前記判別部は、前記第1のフレームの前記注目領域において検出された穿刺針連結領域信号と前記第2のフレームの前記領域において検出された前記穿刺針連結領域信号との関連度に基づいて、前記第1のフレームにおいて、前記穿刺針継続動き信号が存在するか否かを判断する、
請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記穿刺針検出部は、ドプラモードにおいて、前記穿刺針連結領域信号を検出する、
請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記穿刺針検出部は、前記注目領域として、前記穿刺針連結領域信号が初めて検出された前記第2のフレーム内において、検出された前記穿刺針連結領域信号の輪郭の外に、前記穿刺針の動き軌跡を予測するための、短辺が前記穿刺針連結領域信号の輪郭の短辺よりも大きく、長辺が前記穿刺針連結領域信号の長辺と平行に延伸している前記注目領域を形成する、
請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記穿刺針検出部は、信号処理された前記穿刺針連結領域信号の輪郭に応じて最小外接矩形を形成し、前記最小外接矩形に応じて前記注目領域を形成する、
請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記判別部は、前記穿刺針継続動き信号に対して形成された最小外接矩形の長辺と前記注目領域の長辺とが交差していない場合、前記注目領域を流用し、前記穿刺針継続動き信号に対して形成された最小外接矩形の長辺と注目領域の長辺とが交差する場合、前記注目領域を、長辺が検出された前記穿刺針継続動き信号に対して形成された前記最小外接矩形の長辺と平行になるように更新する、
請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、Bモード画像にドプラモードにより検出された前記連結領域動き信号が重畳された画像を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記穿刺針検出部は、仮に検出された連結領域動き信号が、規定のエッジから始まること、面積が所定の閾値以上であること、向きが水平又は垂直方向に対して所定の角度範囲内にあること、及び、面積が以前のフレームと比較して連続的に増加又は減少している傾向があることの少なくとも1つの条件を満たす場合に、正式な連結領域動き信号としてみなす、
請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記判別部は、検出された前記穿刺針連結領域信号が、前回検出された前記穿刺針連結領域信号と表示画面上で接していること、前記注目領域の長さ方向に沿って増減していること、前回検出された前記穿刺針連結領域信号の向きとの偏差角が所定の範囲内にあることの少なくとも1つの条件を満たす場合に、前記穿刺針連結領域信号が前記穿刺針継続動き信号であると判断する、
請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記注目領域の下側エッジに応じて分けられた複数の領域の各領域に対して超音波送受信を行う超音波プローブを備え、
前記各領域に対する超音波を送受信する時間は、前記被検体における前記注目領域の下側エッジに対応する位置で超音波の反射波を受信するように設定されている、
請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記穿刺針検出部は、検出された連結領域動き信号に対して最小外接矩形を形成する、
請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
穿刺針が挿入された被検体に対して超音波を送信し、当該被検体で反射された超音波を受信することにより前記被検体の超音波画像を生成する生成ステップと、
前記被検体において前記穿刺針が静止したか否かを判別する判別ステップと、
前記被検体において前記穿刺針が静止したと判別した場合に、当該穿刺針が静止する前に取得された超音波画像に含まれる穿刺針を基に、当該穿刺針が静止した際に取得された超音波画像に含まれる穿刺針に係る情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、
を実行する画像処理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、超音波診断装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターベンション診療では、生体穿刺技術が広く用いられており、この技術では、穿刺針が人体に入った後、穿刺針の具体的な位置が見えなくなるため、通常、他の組織などに誤って刺入しないように、超音波画像を用いて穿刺針の位置をリアルタイムで観察しながら穿刺針を挿入する。このような場合では、ドプラモード(特に、カラードプラモード)で捉えられた動き信号に基づいて超音波画像中に穿刺針を検出する。
【0003】
しかしながら、ドプラモードでは、動き信号しか捉えられないため、穿刺針が一時止まって静止しているときには信号が捉えられず、超音波画像上で穿刺針が無くなるように見え、操作者が穿刺針の位置を見つけずに次の操作時に他の組織を誤って刺すなどのおそれがある。
【0004】
また、ドプラモードで捉えられたのは動き信号であるため、穿刺針以外の血流や組織の動き信号も捉えてしまい、これらの動き信号は穿刺針を認識する際の正確性に影響を与えるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2019/213532号
【特許文献2】特表2014-525328号公報
【特許文献3】特開2016-107061号公報
【特許文献4】国際公開第2017/006933号
【特許文献5】特開2009-279079号公報
【特許文献6】特開2014-028125号公報
【特許文献7】国際公開第2015/029499号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、ドプラモードにおいて、穿刺針認識の正確性を向上させかつ穿刺針の視認性を改善することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る超音波診断装置は、画像生成部と、判別部と、表示制御部とを備える。画像生成部は、穿刺針が挿入された被検体に対して超音波を送信し、当該被検体で反射された超音波を受信することにより前記被検体の超音波画像を生成する。判別部は、前記被検体において前記穿刺針が静止したか否かを判別する。表示制御部は、前記被検体において前記穿刺針が静止したと判別した場合に、当該穿刺針が静止する前に取得された超音波画像に含まれる穿刺針を基に、当該穿刺針が静止した際に取得された超音波画像に含まれる穿刺針に係る情報を表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る超音波診断装置により実行される画像処理方法を説明するためのフローチャートである。
図3図3は、第1の実施形態に係る穿刺針初期検出を示すフローチャートである。
図4図4は、第1の実施形態に係る連結領域動き信号に対して最小外接矩形を形成したことを模式的に示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る連結領域動き信号を信号処理した後の様子を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るROIを設定する方法を説明するための図である。
図7図7は、第1の実施形態に係るBモードによる組織画像とカラードプラモードによる強調後の穿刺針画像とが重畳された針強調画像を模式的に示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る超音波診断装置により実行される画像処理方法を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、第1の実施形態に係る穿刺針継続動き検出を示すフローチャートである。
図10図10は、第1の実施形態の変形例における超音波プローブの作動原理を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態は、ドプラモードにおいて、穿刺針認識の正確性を向上させかつ穿刺針の視認性を改善することが可能な超音波診断装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【0010】
本実施形態に係る超音波診断装置は、画像生成部と、判別部と、表示制御部とを備える。画像生成部は、穿刺針が挿入された被検体に対して超音波を送信し、当該被検体で反射された超音波を受信することにより前記被検体の超音波画像を生成する。判別部は、前記被検体において前記穿刺針が静止したか否かを判別する。表示制御部は、前記被検体において前記穿刺針が静止したと判別した場合に、当該穿刺針が静止する前に取得された超音波画像に含まれる穿刺針を基に、当該穿刺針が静止した際に取得された超音波画像に含まれる穿刺針に係る情報を表示部に表示させる。
【0011】
本実施形態に係る画像処理方法は、穿刺針が挿入された被検体に対して超音波を送信し、当該被検体で反射された超音波を受信することにより前記被検体の超音波画像を生成する生成ステップと、前記被検体において前記穿刺針が静止したか否かを判別する判別ステップと、前記被検体において前記穿刺針が静止したと判別した場合に、当該穿刺針が静止する前に取得された超音波画像に含まれる穿刺針を基に、当該穿刺針が静止した際に取得された超音波画像に含まれる穿刺針に係る情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、を実行する。
【0012】
本実施形態に係るプログラムは、上述した画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0013】
本実施形態によれば、穿刺針が静止している場合であっても、静止前の最後のフレームの針画像を新たな針画像の動きが検出されるまで表示することができるため、操作者が超音波画像上で穿刺針の位置を見つけずに次の操作時に組織を誤って刺すおそれを解消することができる。また、穿刺針を初めて検出した後、穿刺針の動き形態の特徴に合わせて、穿刺針の動き軌跡を予測するためのROI(注目領域)を自動的に設定し、そして、超音波画像全体に比べ縮小された当該ROI領域内でのみ、継続動きした穿刺針信号を検出して強調するため、他の領域内の非穿刺針の動き信号を排除することができ、処理速度を向上させることができる。
【0014】
本実施形態によれば、通常、血管や血流などの観察のために、元々穿刺針の認識に適していないカラードプラモードに用いられていても、穿刺針を正確に認識することができる。
【0015】
本実施形態によれば、ドプラモードにおいて、穿刺針認識の正確性を向上させかつ穿刺針の視認性を改善することが可能な超音波診断装置、画像処理方法、及びプログラムが提供されるので、高精度な穿刺針追跡技術を利用して患部に対する診察と治療を行うことができ、患者への誤診や不快感を軽減させることができ、インターベンション診療時の診断の正確率及び治療の精度を向上させて、医師の診察と治療をより確実に補助でき、医師の操作負担を軽減させることができる。
【0016】
以上のことから、本実施形態によれば、ドプラモードにおいて、穿刺針認識の正確性を向上させかつ穿刺針の視認性を改善することができる。
【0017】
以下、各実施形態の具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。この超音波診断装置は、複数の振動子を有し、複数の振動子によって超音波を被検体(患者)の体内に送信するとともに、被検体の体内の穿刺針2や目標組織から反射された超音波である反射波を受信するように配置されている超音波プローブ1と、超音波プローブ1に固定されて穿刺針2を所定の角度範囲内で穿刺させるためのアダプタを備えることが可能であり、かつ、被検体に挿入される穿刺針2と、反射波に基づいて生成された受信信号に対してノイズ低減、平滑化などの信号処理を行うための信号処理部3と、信号処理部3で信号処理された信号に基づいて超音波プローブ1が走査する領域の超音波画像を形成(生成)する画像生成部4と、超音波画像を表示する表示部5と、を含む。なお、ここで、超音波診断装置が備える公知の超音波装置基本機能ブロックの説明は省略する。このように、第1の実施形態では、穿刺針2と、穿刺針2が挿入された被検体に対して超音波を送受信する超音波プローブ1と、超音波プローブ1が受信した反射波の受信信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成部4と、超音波画像を表示する表示部5と、を備える。
【0018】
画像生成部4は、超音波画像上の穿刺針2の動き形態の特徴を示す動き形態情報に基づいて、穿刺針2を示す連結領域動き信号である穿刺針連結領域信号(穿刺針連結領域動き信号とも称される)をフレーム毎に検出するための穿刺針初期検出手段41と、後述する穿刺針2の動き軌跡を予測するためのROI(注目領域(関心領域):Region Of Interested)を超音波画像上に設定するためのROI設定手段42と、穿刺針連結領域信号が初めて検出された1フレームの次フレームから、ROIのみに対し穿刺針連結領域信号を検出し、検出された穿刺針連結領域信号と前回検出された穿刺針連結領域信号との関連度に基づいて、継続して動いた穿刺針を示す連結領域動き信号である穿刺針継続動き信号が存在するか否かを検出するための穿刺針継続動き検出手段43と、穿刺針2に対応する連結領域動き信号を超音波画像上に強調表示するための表示制御手段44とを含む。穿刺針初期検出手段41は、穿刺針初期検出部の一例である。ROI設定手段42は、ROI設定部の一例である。穿刺針継続動き検出手段43は、穿刺針継続動き検出部の一例である。表示制御手段44は、表示制御部の一例である。
【0019】
また、穿刺針初期検出手段41、ROI設定手段42及び穿刺針継続動き検出手段43は、機能的に、判別部及び穿刺針検出部に分けることができる。例えば、以下に説明するように、超音波診断装置は、穿刺針2が挿入された被検体に対して超音波を送信し、当該被検体で反射された超音波を受信することにより被検体の超音波画像を生成する画像生成部4と、第1のフレームにおいて検出された穿刺針連結領域信号と第1のフレームより前の第2のフレームにおいて検出された穿刺針連結領域信号との関連度に基づいて、第1のフレームにおいて、継続して動いた穿刺針2を示す連結領域動き信号である穿刺針継続動き信号が存在するか否かを判断することにより被検体において穿刺針2が静止したか否かを判別する判別部と、被検体において穿刺針2が静止したと判別した場合に、当該穿刺針2が静止する前に取得された超音波画像に含まれる穿刺針2を基に、当該穿刺針2が静止した際に取得された超音波画像に含まれる穿刺針2に係る情報を表示部5に表示させる表示制御部と、を備える。
【0020】
ここで、超音波画像は、例えばBモード画像に信号処理済みのカラードプラ画像を重畳したものであり、Bモード画像とは、被検体をBモード撮像して得られた白黒画面であって、検出しようとする組織や器官の一部の断面を表示するものであるが、Bモードに限定されるものではなく、Bモード以外の他の超音波撮像モードによって被検体の超音波画像を取得するようにしてもよい。カラードプラ画像は、走査範囲内の運動中の血流の画像や信号処理済みの穿刺針の画像を含み、ここではカラードプラモードに限定されるものではなく、他の運動中の血流、穿刺針等を取得可能なモードであってもよい。
【0021】
以下、図2~7を参照して、超音波診断装置による本実施形態の画像処理方法の一例について説明する。
【0022】
まず、操作者は、操作を開始し、操作者が穿刺針2が位置する平面と超音波プローブ1の走査断面とが面一である、いわゆる平行法を用いて、表示部5が表示しようとする画像の右上側エッジから(図4参照)、アダプタ角度範囲で穿刺針2を皮膚に挿入する。
【0023】
操作が開始されると、穿刺針初期検出手段41は、ドプラモード(例えばカラードプラモード)等の動き検出方法により、超音波画像全体における全ての連結領域動き信号をフレーム毎に検出し、図3を参照して後述するような穿刺針初期検出を行い(S100)、穿刺針に対応する連結領域動き信号が初めて検出されるまで、穿刺針2の動き形態の特徴を示す動き形態情報に基づいて画像中に穿刺針2が現れたか否かを判断する(後述するS101~S105)。ここで、連結領域とは、画面中の2つ以上の画素が連なる領域であり、連結領域動き信号とは、ドプラモードにより検出された、動いている連結領域の信号である。
【0024】
図3に示すように、穿刺針初期検出(S100)において、穿刺針初期検出手段41は、まず、ある1フレームにおいて、画面全体に連結領域動き信号があるか否かを検出し(ステップS101)、画面全体に連結領域動き信号がなければ(ステップS101:No)、次のフレームを待つ。そして、穿刺針初期検出手段41は、次のフレームに対して上述したステップS101における処理を行う。
【0025】
ある1フレームにおいて、画面全体に連結領域動き信号が検出される場合(ステップS101:Yes)について説明する。ここで、ステップS101において、ある1フレームにおいて、1つ又は複数の連結領域動き信号が検出される場合がある。そして、穿刺針初期検出手段41は、全ての連結領域動き信号のそれぞれに対してそれが指定されたエッジ(縁)から始まったかどうかを判断する(ステップS102)。
【0026】
穿刺針初期検出手段41は、指定されたエッジから始まっていないと判断された連結領域動き信号に対しては後述するS103~S105における処理を行わない。例えば、ある1フレームにおいて、全ての連結領域動き信号に対して、指定されたエッジから始まっていないと判断された場合(ステップS102:No)、穿刺針初期検出手段41は、ステップS101に戻り、次のフレームを待つ。そして、穿刺針初期検出手段41は、次のフレームに対して上述したステップS101における処理を行う。
【0027】
一方、指定されたエッジから始まったと判断された連結領域動き信号は、画面のエッジに接していない血流などの信号ではなく、画面のエッジから挿入されたばかりの穿刺針を示す信号である可能性がある。そこで、ある1フレームにおいて、全ての連結領域動き信号のうち少なくとも1つの連結領域動き信号に対して、指定されたエッジから始まったと判断された場合(ステップS102:Yes)、穿刺針初期検出手段41は、指定されたエッジから始まったと判断された連結領域動き信号に対してステップS103における処理を行う。具体的には、穿刺針初期検出手段41は、ある連結領域動き信号が指定されたエッジから始まったと判断されると、この連結領域動き信号の面積を所定の閾値と比較し、この連結領域動き信号の面積が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS103)。
【0028】
穿刺針初期検出手段41は、ある1フレームにおいて、指定されたエッジから始まったと判断された全ての連結領域動き信号に対して上述したステップS103における処理を行う。
【0029】
ここで、所定の閾値は、この連結領域動き信号が、挿入された一定の面積を有する穿刺針の信号であるか、それとも、面積が非常に小さな血流などの信号であるかを判断するために予め設定されたものである。本実施形態では、好ましくは、穿刺針初期検出手段41は、図4に示すように、この連結領域動き信号に対して最小外接矩形を形成し、この最小外接矩形の面積(以下、「最小連結領域面積」と称する)をこの連結領域動き信号の面積として所定の閾値と比較し、最小連結領域面積が閾値以上であるか否かを判断する。
【0030】
ある1フレームにおいて、指定されたエッジから始まったと判断された全ての連結領域動き信号のうち少なくとも1つの連結領域動き信号に対して最小連結領域面積が閾値以上である場合(ステップS103:Yes)、この連結領域動き信号は、面積が非常に小さな血流などの信号ではなく、一定の面積を有する穿刺針である可能性がある。そこで、この場合、穿刺針初期検出手段41は、最小連結領域面積が閾値以上であると判断された全ての連結領域動き信号に対してステップS104における処理を行う。
【0031】
一方、ある1フレームにおいて、指定されたエッジから始まったと判断された全ての連結領域動き信号に対して、最小連結領域面積が閾値以上ではないと判断された場合(ステップS103:No)、穿刺針初期検出手段41は、ステップS101に戻り、次のフレームを待つ。そして、穿刺針初期検出手段41は、次のフレームに対して上述したステップS101における処理を行う。
【0032】
ステップS103においてYesである場合、すなわち、ある連結領域動き信号に対して最小連結領域面積が所定の閾値以上であると判断されると、穿刺針初期検出手段41は、この連結領域動き信号の向き(すなわち、最小外接矩形の長手方向)が水平又は垂直方向に対して指定された角度範囲内にあるか否かを判断する(ステップS104)。ステップS104において、穿刺針初期検出手段41は、ある1フレームにおいて、最小連結領域面積が閾値以上であると判断された全ての連結領域動き信号に対して上述したステップS104における処理を行う。
【0033】
この時、ステップS103で形成された最小外接矩形の長辺と水平又は垂直方向との挟角を利用して、所定の角度範囲と比較することが好ましい。最小外接矩形の長辺と水平又は垂直方向との挟角が所定の角度範囲内にある場合(ステップS104:Yes)、この連結領域動き信号が所定の角度で挿入された穿刺針である可能性がある。そこで、この場合、穿刺針初期検出手段41は、最小外接矩形の長辺と水平又は垂直方向との挟角が所定の角度範囲内にあると判断された全ての連結領域動き信号に対してステップS105における処理を行う。
【0034】
一方、ある1フレームにおいて、最小連結領域面積が閾値以上であると判断された全ての連結領域動き信号に対して、最小外接矩形の長辺と水平又は垂直方向との挟角が所定の角度範囲内にないと判断された場合(ステップS104:No)、穿刺針初期検出手段41は、ステップS101に戻り、次のフレームを待つ。そして、穿刺針初期検出手段41は、次のフレームに対して上述したステップS101における処理を行う。
【0035】
ステップS104においてYesである場合、すなわち、ある連結領域動き信号に対して所定の角度範囲内にあると判断されると、穿刺針初期検出手段41は、ある1フレームにおける連結領域動き信号の面積が1つ前のフレームにおける連結領域動き信号の面積よりも増大又は減少しているかを判断する(ステップS105)。ステップS105において、穿刺針初期検出手段41は、ある1フレームにおいて、狭角が所定の角度範囲内にあると判断された全ての連結領域動き信号に対して上述したステップS105における処理を行う。
【0036】
ステップS105において、穿刺針初期検出手段41は、前の全てのフレームまたは前の所定数のフレームも合わせ、連結領域動き信号の面積が前に比べて継続的に増大又は減少している傾向があるか否かを判断してもよい。
【0037】
ある1フレームにおける連結領域動き信号の面積が1つ前のフレームにおける連結領域動き信号の面積よりも増大又は減少していると判断されるか、または、連結領域動き信号の面積が前に比べて継続的に増大又は減少している傾向があると判断された場合(ステップS105:Yes)、この連結領域動き信号は、一定の面積を有するものの挿入又は抜去行為がないため面積が相対的に一定となる血管(動脈血流のような周期的に変化する血流も含む)などではなく、挿入又は抜去中の穿刺針を示す信号であることを意味する。そこで、この場合、穿刺針初期検出手段41は、ある1フレームにおける連結領域動き信号の面積が1つ前のフレームにおける連結領域動き信号の面積よりも増大又は減少していると判断されるか、または、連結領域動き信号の面積が前に比べて継続的に増大又は減少している傾向があると判断された全ての連結領域動き信号を含む超音波画像を、穿刺針を含む画像(穿刺針画像)として認識し、ステップS300に進む。
【0038】
一方、ある1フレームにおいて、狭角が所定の角度範囲内にあると判断された全ての連結領域動き信号に対して、面積が1つ前のフレームにおける連結領域動き信号の面積よりも増大及び減少していないと判断されるか、または、面積が前に比べて継続的に増大及び減少している傾向がないと判断された場合(ステップS105:No)、穿刺針初期検出手段41は、ステップS101に戻り、次のフレームを待つ。そして、穿刺針初期検出手段41は、次のフレームに対して上述したステップS101における処理を行う。
【0039】
上述したように、穿刺針初期検出手段41は、仮に検出された連結領域動き信号が、規定のエッジから始まること、面積が所定の閾値以上であること、向きが水平又は垂直方向に対して所定の角度範囲内にあること、及び、面積が以前のフレームと比較して連続的に増加又は減少している傾向があることという全ての条件を満たす場合に、正式な連結領域動き信号としてみなす。なお、穿刺針初期検出手段41は、仮に検出された連結領域動き信号が、規定のエッジから始まること、面積が所定の閾値以上であること、向きが水平又は垂直方向に対して所定の角度範囲内にあること、及び、面積が以前のフレームと比較して連続的に増加又は減少している傾向があることの少なくとも1つの条件を満たす場合に、正式な連結領域動き信号としてみなしてもよい。
【0040】
ここで、第n(例えばnは自然数)フレームにおいて、ある連結領域動き信号に対して初めて上述したステップS101~S105の判断を順次行い、かつ結果がいずれもYesである場合、すなわち、運動中の穿刺針に対応する連結領域動き信号が初めて検出された場合、超音波診断装置は、この第nフレーム内において続いてこの連結領域動き信号に対して以下のステップS300~S500における処理を行う。
【0041】
具体的には、図2に戻ると、ステップS300において、信号処理部3は、この連結領域動き信号に対してノイズ低減、平滑化、抽出などの信号処理を行う。信号処理部3は、具体的には、例えば、近傍ノイズ低減、連結領域ノイズ低減などの方法を用いて、針動き信号以外の他の動きノイズなどを除去して、信号を平滑化することができる。また、ステップS300において、信号処理部3は、図5に示すようにノイズ低減、平滑化された連結領域動き信号に対してさらに新たな最小外接矩形を形成する。この図5に示す新たな最小外接矩形は、S103で形成された図4に示す最小外接矩形と比較して、ノイズ信号が除去されたため、エッジが狭くなり、針の形状により近く見える。
【0042】
そして、ROI設定手段42は、ROIの設定ステップであるステップS400を行う。具体的には、例えば、ステップS400において、ROI設定手段42は、図6に示すように、ステップS300で形成された穿刺針に対応する連結領域動き信号の輪郭に応じて、ここでは最小外接矩形の外で、短辺がこの最小外接矩形の短辺をそれぞれ両側へ対称的に幅を約2倍に広げ、かつ長辺がこの最小外接矩形の長辺と平行に延伸している矩形領域をROIとして形成する。ここで、長辺を図6に示すように画面のエッジまでに延伸して形成された長尺領域をROIとすることが好ましい。このROIは穿刺針の次の進行軌跡及び範囲を予測するためのものである。ここで、ROIの幅をステップS300で形成された最小外接矩形の幅の2倍とする例を説明したが、ここでの2倍は、後述するステップS310’の実行を容易にするために拡張した場合の一例であり、1.5倍、3倍などの任意の適切な数字であってもよいが、ROIがこの短辺に対して拡張した倍数が1倍に近いほど、つまり拡張の程度が小さいほど、ROIが穿刺針の輪郭に近づくため、穿刺針の進行軌跡を予測する正確性が高くなる。上述したような方法で、ROI設定手段42は、穿刺針連結領域信号が初めて検出された1フレーム内において、検出された穿刺針連結領域信号に対応する注目領域を形成する。具体的には、例えば、ROI設定手段42は、穿刺針連結領域信号が初めて検出された1フレーム内において、検出された穿刺針連結領域信号の輪郭の外に、穿刺針の動き軌跡を予測するための、短辺が穿刺針連結領域信号の輪郭の短辺よりも大きく、長辺が穿刺針連結領域信号の長辺と平行に延伸しているROIを形成する。このように、ROI設定手段42は、信号処理された穿刺針連結領域信号の輪郭に応じて最小外接矩形を設定し、最小外接矩形に応じてROIを設定する。
【0043】
図2に戻り、次に、ステップS500において、表示制御手段44は、ステップS300で抽出された穿刺針2(ここで、ステップS300で形成された最小外接矩形を直接利用できる)の動き信号(穿刺針連結領域信号)を、画像生成部4で生成された超音波画像上に他の動き信号と区別して視認できるように強調して、図7に示すような、穿刺針が着色されるように強調された画像を形成し、形成された画像を表示部5に表示させる。例えば、表示制御手段44は、穿刺針2の動き信号を強調し、それとBモードによる組織画像とを重畳して、針強調画像を形成し、形成された針強調画像を表示部5に表示させる。すなわち、表示部5に針強調画像として表示される超音波画像は、Bモード画像にドプラモードにより検出された連結領域動き信号が重畳された画像である。
【0044】
このようにして、1フレームに対して、ステップS100及びステップS300~S500における処理が行われる。
【0045】
穿刺針に対応する連結領域動き信号が初めて検出された後、超音波診断装置は、図8に示す第1の実施形態に係る画像処理方法を実行する。ある連結領域動き信号に対して初めて穿刺針として認識してS300~S500における処理が実行されたフレームを第nフレームといい、この第nフレームの次のフレーム(すなわち、第n+1フレーム)以降の各フレームに対して、超音波診断装置は、図8に示す第1の実施形態にかかる処理を実行する。
【0046】
具体的には、例えば、第n+1フレームにおいて、図8に示すように、まず、穿刺針継続動き検出手段43は、穿刺針継続動き検出処理を行う(ステップS200)。このとき、穿刺針継続動き検出手段43は、第nフレームにおいて形成されたROIと同一の領域(第nフレームにおいて形成されたROIに対応する領域)を第n+1フレームにおいて設定し、設定された領域内に、前回検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号と今回検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号との関連度に基づいて、継続して動いた穿刺針に対応する連結領域動き信号である穿刺針継続動き信号が存在するか否かを判断し、穿刺針継続動き信号を検出する。この穿刺針継続動き検出処理の詳細について、図9を参照して後述する。また、ステップS200において、穿刺針継続動き検出手段43は、第n+1フレームにおいて設定された領域内から連結領域動き信号を検出する。
【0047】
ステップS200において、設定された領域内から連結領域動き信号が検出できない場合(ステップS200:No)、または、穿刺針継続動き信号が検出できない場合(ステップS200:No)、表示制御手段44は、ステップS501に進む。ステップS501では、表示制御手段44は、最後に穿刺針2に対応する連結領域動き信号又は穿刺針継続動き信号が検出された最後のフレームの針強調画像を表示部5に表示させる。そして、穿刺針継続動き検出手段43は、ステップS200に戻り、次のフレーム(第n+2フレーム)を待つ。そして、穿刺針継続動き検出手段43は、次のフレームに対して上述したステップS200における処理を行う。なお、ステップS501において、表示制御手段44は、最後に穿刺針2に対応する連結領域動き信号又は穿刺針継続動き信号が検出された最後のフレームの穿刺針2の動き信号を強調し、それと第n+1フレームのBモードによる組織画像とを重畳して、針強調画像を形成し、形成された針強調画像を表示部5に表示させてもよい。
【0048】
ステップS200において、継続して動いている穿刺針が検出された場合(ステップS200:Yes)場合、信号処理部300は、ステップS300’の信号処理に進む。
【0049】
具体的には、ステップS300’において、信号処理部300は、図2におけるステップS300と同様に、連結領域動き信号に対してノイズ低減、平滑化、抽出などの処理を行い、第n+1フレームの最小外接矩形を形成する。その後、穿刺針継続動き検出手段43は、第n+1フレームのROIの設定を行う。なお、図9に示す処理において、穿刺針継続動き検出手段43ではなく、ROI設定手段42が、ROIを設定してもよい。
【0050】
具体的には、穿刺針継続動き検出手段43は、まず、この第n+1フレームの最小外接矩形の長辺が1つ前のフレームである第nフレームで形成されたROIの長辺と交差しているか否かを判断する(ステップS310’)。交差していない場合(ステップS310’:No)、この1フレームである第n+1フレームにおいて、検出された運動中の穿刺針は依然として第nフレームで形成された穿刺針の動き軌跡を予測するためのROI内を移動していることを意味するので、新たなROIを形成する必要がない。そこで、この場合、穿刺針継続動き検出手段43は、1つ前のフレームで形成されたROIを流用し続ければよい(ステップS320’)。
【0051】
一方、交差している場合(ステップS310’:Yes)、穿刺針がこのROIに示される予測軌跡から外れていることを意味する。そこで、この場合、穿刺針継続動き検出手段43は、この第n+1フレームに対してROIのリセットを行う(ステップS400’)。具体的に、例えばステップS400’において、穿刺針継続動き検出手段43は、上述したステップS400における処理と同様に、この第n+1フレームの最小外接矩形を拡張して延伸し、新たなROIを形成する。
【0052】
上述したステップS310’における処理は必須ではなく、穿刺針継続動き検出手段43は、ステップS310’における処理を省略して、そのままステップS400’のROIリセット処理を行うことができる。しかし、穿刺針継続動き検出手段43は、ステップS310’における処理を行うことにより、穿刺針が依然として1つ前のフレーム(すなわち、第nフレーム)の移動方向に沿って移動していると判断された場合、ROIを再生成する処理を省略し、処理量を減らして処理速度を向上することができるので好ましい。また、このステップS310’における処理の変形例として、ROI設定手段42は、ステップS310’において、上述した処理に加えて更に、第n+1フレームの最小外接矩形の長辺が1つ前のフレームである第nフレームで形成されたROIの長辺と平行であるか否かを判断してもよい。そして、第n+1フレームの最小外接矩形の長辺が1つ前のフレームである第nフレームで形成されたROIの長辺と交差していないが平行でないと判断された場合に、穿刺針継続動き検出手段43は、新たなROIを形成して、穿刺針がやがてROIに示される予測軌跡から外れることを回避するようにしてもよい。
【0053】
上述したように、穿刺針継続動き検出手段43は、検出された穿刺針継続動き信号に対して形成された最小外接矩形の長辺とROIの長辺とが交差していない場合、ROIを流用する。また、穿刺針継続動き検出手段43は、検出された穿刺針継続動き信号に対して形成された最小外接矩形の長辺とROIの長辺とが交差する場合、ROIを、長辺が検出された穿刺針継続動き信号に対して形成された最小外接矩形の長辺と平行になるように更新する。
【0054】
次に、ステップS500’において、図2におけるステップS500と同様に、表示制御手段44は、穿刺針2の動き信号を強調し、それとBモードによる組織画像とを重畳して、針強調画像を形成し、形成された針強調画像を表示部5に表示させる。
【0055】
上述したように、第n+1フレームの画像処理の流れについて説明した。第n+1フレーム以降の各フレームに対しても同様の処理が実行される。
【0056】
以下、図9を参照して、図8におけるステップS200における穿刺針継続動き検出処理を具体的に説明する。なお、図9に示す各ステップにおいて、穿刺針継続動き検出手段43は、例えば、設定された領域内の連結領域動き信号を用いて、処理を行う。なお、穿刺針継続動き検出手段43は、各フレームに対して、ステップS100における処理と同様の処理を行うことにより連結領域動き信号を検出することができる。
【0057】
図9に示すように、このステップS200において、穿刺針継続動き検出手段43は、まず、第n+1フレームで検出された、動いている連結領域動き信号のそれぞれに対して、それが1フレーム前(または数フレーム前)に検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号と画面上で接しているか否かを判断する(ステップS201)。接している場合、つまりこの検出された連結領域動き信号と1フレーム前に検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号とが同一画面において完全に分離された2つの領域でない場合(ステップS201:Yes)、この連結領域動き信号は、1フレーム前に検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号の動きの続きである可能性がある。そこで、この場合、穿刺針継続動き検出手段43は、第n+1フレームで検出され、かつ、接していると判断された全ての連結領域動き信号のそれぞれに対してステップS202における処理を行う。
【0058】
一方、接していない場合、つまり、この検出された連結領域動き信号と1フレーム前に検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号とが同一画面において完全に分離された2つの領域である場合、この連結領域動き信号は、他の運動中の血流や人体組織の信号である可能性がある。そこで、穿刺針継続動き検出手段43は、接していないと判断され、かつ、第n+1フレームで検出された連結領域動き信号に対しては後述するS202~S203における処理を行わない。
【0059】
なお、ステップS201でNoの場合、1フレーム前のフレーム(第nフレーム)の穿刺針の動きの続きが検出されていないことを意味する。すなわち、穿刺針が1つ前のフレームに対して動いておらず、静止状態にあることを意味する。このため、ドプラモードで動き信号が収集されていない。そこで、例えば、第n+1フレームで検出された全ての連結領域動き信号に対して、それらが1フレーム前(または数フレーム前)に検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号と画面上で接していないと判断された場合(ステップS201:No)、表示制御手段44は、上述したステップS501における処理を行う。例えば、ステップS501では、表示制御手段44は、最後に穿刺針2に対応する穿刺針連結領域信号が検出された最後のフレームの針強調画像を表示部5に表示させる。例えば、ステップS201でNoの場合、表示制御手段44は、1つ前のフレーム(第nフレーム)の、ステップS500又はステップS500’で形成された針強調画像を表示部5に表示させる。
【0060】
ステップS201においてYesである場合、すなわち、ある連結領域動き信号に対して、それと1フレーム前に検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号とが画面上で接していると判断される場合、穿刺針継続動き検出手段43は、この連結領域動き信号に対して、この信号がROI(例えば第nフレームのROI)の長辺方向に沿って増減しているか否かを判断する(ステップS202)。例えば、ステップS202において、穿刺針継続動き検出手段43は、1フレーム前に検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号(第nフレームにおいて検出された連結領域動き信号)と画面上で接していると判断された連結領域動き信号(第n+1フレームにおいて検出された連結領域動き信号)が、ROIの長辺方向に沿って移動しているか否かを判断する。、穿刺針継続動き検出手段43は、接していると判断された全ての連結領域動き信号(第n+1フレームにおいて検出された連結領域動き信号)に対して、ステップS203における処理を行う。
【0061】
ROIの長辺方向に沿って増減していると判断された連結領域動き信号は1フレーム前に検出された穿刺針が所定の軌跡で挿入又は抜去されることにより形成されたものである可能性がある。そこで、穿刺針継続動き検出手段43は、1フレーム前に検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号(第nフレームにおいて検出された連結領域動き信号)と画面上で接していると判断された全ての連結領域動き信号(第n+1フレームにおいて検出された連結領域動き信号)のうち少なくとも1つが、ROIの長辺方向に沿って増減していると判断された場合(ステップS202:Yes)、ROIの長辺方向に沿って増減していると判断された連結領域動き信号に対してステップS203における処理を行う。
【0062】
一方、ROIの長辺方向に沿って増減していないと判断された連結領域動き信号は、他の運動中の血流や人体組織の信号である可能性がある。そこで、穿刺針継続動き検出手段43は、ROIの長辺方向に沿って増減していないと判断され、かつ、第n+1フレームで検出された連結領域動き信号に対しては後述するS203における処理を行わない。
【0063】
なお、ステップS202でNoの場合、1フレーム前のフレーム(第nフレーム)の穿刺針の動きの続きが検出されていないことを意味する。すなわち、穿刺針が1つ前のフレームに対して動いておらず、静止状態にあることを意味する。このため、ドプラモードで動き信号が収集されていない。そこで、例えば、1フレーム前に検出された穿刺針に対応する連結領域動き信号と画面上で接していると判断された全ての連結領域動き信号が、ROIの長辺方向に沿って増減していないと判断された場合(ステップS202:No)、表示制御手段44は、上述したステップS501における処理を行う。例えば、ステップS501では、表示制御手段44は、最後に穿刺針2に対応する穿刺針連結領域信号が検出された最後のフレームの針強調画像を表示部5に表示させる。例えば、表示制御手段44は、ステップS201でNoの場合と同様に、1つ前のフレーム(第nフレーム)の、ステップS500又はステップS500’で形成された針強調画像を表示部5に表示させる。
【0064】
ステップS202においてYesである場合、すなわち、ROIにおけるある連結領域動き信号について、それがROIの長手方向に沿って増減していると判断された場合、穿刺針継続動き検出手段43は、この連結領域動き信号の向きと1つ前のフレームにおける連結領域動き信号の向きとが成す偏差角が所定の範囲内にあるか否かを判断する(ステップS203)。穿刺針継続動き検出手段43は、ROIの長辺方向に沿って増減していると判断された全ての連結領域動き信号(第n+1フレームにおいて検出された連結領域動き信号)について、上述したステップS203における処理を行う。
【0065】
ここで、例えば、1つ前のフレームで検出された穿刺針の向きがステップS104で取得されている。このステップS203において、穿刺針継続動き検出手段43は、上述した穿刺針の向きを取得する方法と同様の方法で、穿刺針の向きを取得してもよい。例えば、穿刺針継続動き検出手段43は、新規の連結領域動き信号に対して最小外接矩形を形成し、この最小外接矩形の長辺方向を連結領域動き信号の向きとして取得してもよい。また、穿刺針継続動き検出手段43は、新規の連結領域動き信号に対して最小外接矩形を形成し、この最小外接矩形の長辺と水平又は垂直方向との挟角を、ステップS104で1つ前のフレームで検出された穿刺針の向きと水平又は垂直方向との狭角と比較し、両者の狭角が所定温範囲内にあるか否かを判断してもよい。
【0066】
偏差角が所定の範囲内にある場合、連結領域動き信号が1つ前のフレームで検出された穿刺針が所定の角度で挿入又は抜去されることにより形成されたものであることを意味する。このため、ROIの長辺方向に沿って増減していると判断された全ての連結領域動き信号のうち少なくとも1つについて、上述した偏差角が所定の範囲内にあると判断された場合(ステップS203:Yes)、信号処理部300は、1つ前のフレームで検出された穿刺針の動きの続きであると認識し、ステップ300’に進む。このようにして、偏差角が所定の範囲内にあると判断された第n+1フレームの連結領域動き信号は、穿刺針継続動き信号として扱われる。
【0067】
また、ROIの長辺方向に沿って増減していると判断された全ての連結領域動き信号について、上述した偏差角が所定の範囲内にないと判断された場合(ステップS203:No)、表示制御手段44は、上述したステップS501における処理を行う。
【0068】
なお、ステップS203でNoの場合、1フレーム前のフレーム(第nフレーム)の穿刺針の動きの続きが検出されていないことを意味する。すなわち、穿刺針が1つ前のフレームに対して動いておらず、静止状態にあることを意味する。このため、ドプラモードで動き信号が収集されていない。そこで、ステップS203でNoの場合、表示制御手段44は、上述したステップS501における処理を行う。例えば、ステップS501では、表示制御手段44は、最後に穿刺針2に対応する穿刺針連結領域信号が検出された最後のフレームの針強調画像を表示部5に表示させる。例えば、表示制御手段44は、ステップS201でNoの場合と同様に、1つ前のフレーム(第nフレーム)の、ステップS500又はステップS500’で形成された針強調画像を表示部5に表示させる。
【0069】
ステップS203においてYESである場合、すなわち、ある連結領域動き信号に対して、その向きが1つ前のフレームの連結領域動き信号の向きに対して所定の範囲内にあると判断されると、継続して動いている穿刺針が検出されたとみなし、穿刺針継続動き検出処理が終了し、次いで、超音波診断装置は、この連結領域動き信号に対して、図8におけるステップS300’~S500’の処理を行う。すなわち、ステップS203においてYESである場合、穿刺針継続動き検出手段43は、第n+1フレームにおいて穿刺針継続動き信号があると判断する。
【0070】
図9に示す穿刺針継続動き検出処理では、ステップS201~S203の全てのステップでYesの場合、穿刺針継続動き検出手段43は、連結領域動き信号を穿刺針継続動き信号として検出する。一方、ステップS201~S203のいずれかのステップでNoの場合、穿刺針継続動き検出手段43は、穿刺針継続動き信号を検出しない。表示制御手段44は、穿刺針継続動き信号が検出されていない場合、強調表示された前回検出された穿刺針2に対応する穿刺針連結領域信号を表示部5に表示させる。また、表示制御手段44は、穿刺針継続動き信号が検出された場合、超音波画像上に当該検出された穿刺針継続動き信号を強調表示する。
【0071】
上述したように、穿刺針継続動き検出手段43は、検出された穿刺針連結領域信号が、前回検出された穿刺針連結領域信号と表示画面上で接していること、ROIの長さ方向に沿って増減していること、検出された穿刺針連結領域信号の向きと前回検出された穿刺針連結領域信号の向きとの偏差角が所定の範囲内にあることという全ての条件を満たす場合に、検出された穿刺針連結領域信号が穿刺針継続動き信号であると判断する。なお、穿刺針継続動き検出手段43は、検出された穿刺針連結領域信号が、前回検出された穿刺針連結領域信号と表示画面上で接していること、ROIの長さ方向に沿って増減していること、検出された穿刺針連結領域信号の向きと前回検出された穿刺針連結領域信号の向きとの偏差角が所定の範囲内にあることという複数の条件のうち少なくとも1つの条件を満たす場合に、検出された穿刺針連結領域信号が穿刺針継続動き信号であると判断してもよい。
【0072】
以上のようにして、この第n+1フレームに対して図8に示すS200、S300’~S500’、S501の処理が実行される。そして、第n+1フレームの次のフレームである第n+2フレームから操作終了して穿刺針を体外に抜去するまで、全てのフレームに対して図8に示すステップS200、S300’~S500’の処理が繰り返されて実行される。
【0073】
すなわち、超音波診断装置は、第n+2フレームにおいて、第n+1フレーム内で形成されたROIに対応する領域から連結領域動き信号を検出し、そして、操作が終了するまで、ステップS201~S203、S300’~S500’を順次行う。
【0074】
また、上述したように、図8に示すステップS310’において、現フレームの最小外接矩形の長辺が1つ前のフレームのROIの長辺と交差しているか否かを判断し、第n+1フレームから操作終了まで、ステップS400’において新たに形成された最小外接矩形の長辺が前のフレームのROIの長辺と交差していないと判断されると、新たなROIを形成する必要がなく、第nフレームで形成されたROIを操作終了まで流用し続ける。
【0075】
第1の実施形態によれば、穿刺針が検出されたフレームの後から、画面全体内ではなく、穿刺針の形状に合わせた、穿刺針の動き軌跡を予測するROIに対応する領域内にのみ動き信号を検出するため、常に画面全体内に穿刺針の動きを検出する場合に比べ、処理速度を向上させ、処理負荷及び時間を低減することができる。
【0076】
以上のことから、第1の実施形態によれば、ドプラモードにおいて、穿刺針認識の正確性を向上させかつ穿刺針の視認性を改善することができる。
【0077】
(変形例)
変形例では、上述した実施形態に加えて、超音波プローブ1が形成されたROIの下側エッジである図10における平行四角形の下方の斜辺を基準として、複数の領域に分けて超音波の送受信を行うことで、超音波プローブ1が信号を送受信する時間を減少する。すなわち、超音波プローブ1が有する複数の振動子を複数の領域に分けて、領域毎に振動子が信号を送受信する時間を設定することにより、各領域において、振動子が送信した超音波が被検体におけるROIの下側エッジに対応する位置に到達したときに反射されて振動子で受信され、そして、受信された反射波の受信信号を動き検出に用いるようになる。このように領域を分けて超音波の送受信時間を制御することにより、図10に示す例では、右側の領域であるほど、すなわち、ROIの下側エッジの深さが小さい(浅い)領域であるほど、超音波の送受信時間が短くなり、これにより、画像全体のフレームレートを向上させることができる。
【0078】
具体的には、この変形例において、上述したステップS400’において、新たなROI(上述したように、最小外接矩形の長辺が前に形成された旧ROIの長辺と交差していないと判断されると当該旧ROIを流用する)をさらに形成した後、このROIのエッジ情報を超音波プローブ1の制御部(図示せず)に送信することにより、制御部は、ROIに対して区画した領域毎の下側エッジに対応する、超音波プローブ1の有する振動子による信号(超音波)の送信時間の長さを設定する。
【0079】
図10では、ROIを、超音波プローブ1の被検体と接触する表面に沿って6つの領域に区画し、かつ下側エッジを境に、6組の振動子の信号の送受信を行うことが示されている。この図10では、最も右側の領域に対応する組の振動子の信号の送受信時間が最も短く設定されている。具体的には、この組の振動子の信号の送信時間は、この組の振動子が発する信号が、複数の振動子のうち、最も左側の振動子が発する信号がちょうどROIの下側境界に到達したときに戻るように設定されている。
【0080】
なお、図10ではROIを6つの領域に区画する例を示したが、本変形例はこの数に限定されるものではなく、区画された領域の数が多いほど、領域毎に信号を送受信する振動子の組数が多くなる。同じく各組の送受信時間を、当該組の最も左側の振動子が発する信号がちょうどROIの下側境界に到達したときに戻るように設定している場合、区画された領域の数が多いほど、右下隅の信号送受信時間減少領域はその上方のROI下側境界の方向に向かって大きくなる。
【0081】
これにより、超音波プローブ1の振動子は、できるだけ信号を右下隅の信号送受信時間減少領域に送信しないようにするため、信号送受信時間を短縮することができ、各フレームを形成する時間が短くなり、画像全体のリフレッシュレート、フレームレートが高くなる。
【0082】
このように、変形例では、超音波プローブ1は、ROIの下側エッジに応じて分けられた複数の領域の各領域に対して超音波送受信を行う。そして、各領域に対する超音波を送受信する時間は、被検体におけるROIの下側エッジに対応する位置で超音波の反射波を受信するように設定されている。
【0083】
以上、好適な実施形態に係る超音波診断装置及びそれにより実施される画像処理方法について説明したが、これに限定されるものではない。
【0084】
例えば、S100において、画面中に連結領域動き信号が検出された場合、穿刺針初期検出手段41が、連結領域動き信号ごとにS102~S105のステップを順次行うようにしたが、全ての連結領域動き信号に対してS102~S105のステップを同時に行うようにしてもよい。
【0085】
また、上述したS100、S200のステップにおいて、全てのステップS102~S105、ステップS201~S203においていずれもYESである場合こそ、肯定的な判断結果としてステップS300に進むが、これらのステップは、穿刺針を判断する際、及び軌跡を予測するためのROIを設定する際の正確性を向上させるために設定されたものであり、他の方式で判断できる場合、例えば操作者が直接判断結果を装置に入力したり、直接マウスなどで位置決めしたり、穿刺針の位置を描画できたりする場合、S100又はステップS200におけるいくつかのステップを適宜省略してもよい。また、S102~S105、S202~S203のステップの実行順も限定されず、任意に変更可能である。
【0086】
また、上述したステップS300、S300’において、連結領域動き信号に対してノイズ低減、平滑化を行うようにしたが、ノイズ低減、平滑化をせずに、抽出のみを行って最小外接矩形を形成するようにしてもよい。
【0087】
また、上述したステップS500、S500’において、抽出された穿刺針の動き信号を図7のように着色するように強調したが、穿刺針の動き信号を強調する方式はこれに限定されず、例えばステップS300、S300’で形成された外接矩形をそのまま用いてもよいし、この外接矩形の最先端の短辺のみを残してその輝度を向上してもよいし、抽出された穿刺針の動き信号の先端部分をポインタや三角形などとして描画してもよい。要するに、操作者が表示画像中にROIに沿って動いている穿刺針を認識できるようにするものであれば、任意の強調方式としてもよい。
【0088】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ドプラモードにおいて、穿刺針認識の正確性を向上させかつ穿刺針の視認性を改善することができる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0090】
41 穿刺針初期検出手段
42 ROI設定手段
43 穿刺針継続動き検出手段
44 表示制御手段
図1
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図10