(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099527
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】バルクパッケージングのためのワイヤ直線化ソリューション
(51)【国際特許分類】
B21F 1/02 20060101AFI20230706BHJP
B23K 9/12 20060101ALI20230706BHJP
B23K 9/133 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
B21F1/02 B
B23K9/12 311
B23K9/133 503C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023000239
(22)【出願日】2023-01-04
(31)【優先権主張番号】17/567,216
(32)【優先日】2022-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510202156
【氏名又は名称】リンカーン グローバル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ディー.モートン
【テーマコード(参考)】
4E070
【Fターム(参考)】
4E070AB00
4E070AC01
4E070BB01
4E070CA01
(57)【要約】
【課題】 バルクパッケージングのためのワイヤ直線化ソリューションを提供する。
【解決手段】 ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤを直線化するための構成及び方法。バルクパッケージハットは、螺旋状に曲げられたワイヤを収容する開放されたバルクパッケージの上に位置決めされるように構成される。ベアリングアセンブリは、バルクパッケージハットの内部において、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるときにワイヤがバルクパッケージハットを出る位置に装着される。ワイヤ直線化デバイスは、複数のローラ及び1つのみの単一直線化面を有し、且つワイヤ直線化デバイスを通してワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤに逆曲げを加えるように構成される。ワイヤ直線化デバイスは、バルクパッケージハットの内部において、ベアリングアセンブリにある角度で動作可能に接続される。ベアリングアセンブリ及び単一直線化面は、ワイヤが繰り出されるとき、ワイヤの現在の方向と継続的に再位置合わせしながら回転する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、前記ワイヤを直線化するためのワイヤ直線化構成であって、
螺旋状に曲げられたワイヤを収容する開放されたバルクパッケージの上に位置決めされるように構成されたバルクパッケージハットと、
前記バルクパッケージハットの内部において、前記ワイヤが前記バルクパッケージから繰り出されるときに前記ワイヤが前記バルクパッケージハットを出る位置に装着されたベアリングアセンブリと、
複数のローラ及び1つのみの単一直線化面を有するワイヤ直線化デバイスであって、前記ワイヤ直線化デバイスを通して前記ワイヤが前記バルクパッケージから繰り出されるとき、前記1つのみの単一直線化面で前記ワイヤに逆曲げを加えるように構成されるワイヤ直線化デバイスと
を含み、
前記ワイヤ直線化デバイスは、前記バルクパッケージハット内において、前記ベアリングアセンブリにある角度で動作可能に接続され、
前記ベアリングアセンブリは、前記ワイヤ直線化デバイスを通して前記バルクパッケージから繰り出されている前記ワイヤに応じて回転する一方、前記単一直線化面が、現在の方向が変わるとき、前記バルクパッケージから現在繰り出されている前記ワイヤの部分に向かって前記現在の方向と実質的に再位置合わせし続けるように、前記ワイヤ直線化デバイスを前記角度に保つように構成される、ワイヤ直線化構成。
【請求項2】
前記ワイヤ直線化デバイスは、それを通る長手方向軸を有し、前記ベアリングアセンブリは、前記構成の垂直軸に沿って位置合わせされ、前記角度は、前記垂直軸と前記長手方向軸との間に形成される、請求項1に記載のワイヤ直線化構成。
【請求項3】
前記ベアリングアセンブリの前記回転は、前記ワイヤ直線化デバイスを通して前記バルクパッケージから繰り出されている前記ワイヤによってもたらされる、請求項1に記載のワイヤ直線化構成。
【請求項4】
前記1つの単一直線化面は、前記バルクパッケージから繰り出されている前記ワイヤに応じて前記ワイヤとともに回転し、前記螺旋状が前記ワイヤ直線化デバイスによって直線化されることを可能にする、請求項1に記載のワイヤ直線化構成。
【請求項5】
前記角度は、5度~30度である、請求項1に記載のワイヤ直線化構成。
【請求項6】
前記角度は、1度~10度である、請求項1に記載のワイヤ直線化構成。
【請求項7】
前記角度は、15度~45度である、請求項1に記載のワイヤ直線化構成。
【請求項8】
前記複数のローラは、3つのローラを含む、請求項1に記載のワイヤ直線化構成。
【請求項9】
前記複数のローラは、5つのローラを含む、請求項1に記載のワイヤ直線化構成。
【請求項10】
前記複数のローラは、7つのローラを含む、請求項1に記載のワイヤ直線化構成。
【請求項11】
ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、前記ワイヤを直線化する方法であって、
螺旋状に曲げられたワイヤを収容する開放されたバルクパッケージの上にバルクパッケージハットを位置決めすることと、
前記バルクパッケージハットの内部において、前記ワイヤが前記バルクパッケージから繰り出されるときに前記ワイヤが前記バルクパッケージハットを出る位置にベアリングアセンブリを装着することと、
前記バルクパッケージハット内において、1つのみの単一直線化面を有するワイヤ直線化デバイスを前記ベアリングアセンブリにある角度で動作可能に接続することと、
前記ワイヤ直線化デバイスを通して前記ワイヤが前記バルクパッケージから繰り出されるとき、前記ワイヤ直線化デバイスを通して前記ワイヤの先端部分を送給して、前記1つの単一直線化面で前記ワイヤに逆曲げを加えることと、
前記ワイヤを繰り出し、及び前記ベアリングアセンブリが、前記ワイヤ直線化デバイスを通して前記バルクパッケージから繰り出されている前記ワイヤに応じて回転する一方、前記単一直線化面が、現在の方向が変わるとき、前記バルクパッケージから現在繰り出されている前記ワイヤの部分に向かって前記現在の方向と実質的に再位置合わせし続けるように、前記ワイヤ直線化デバイスを前記角度に保つことと
を含む方法。
【請求項12】
前記装着することの一部として、構成の垂直軸に沿って前記ベアリングアセンブリを位置合わせすることと、前記接続することの一部として、前記垂直軸と前記ワイヤ直線化デバイスの長手方向軸との間に前記角度を形成することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ワイヤ直線化デバイスを通して前記バルクパッケージから前記ワイヤを繰り出すことにより、前記ベアリングアセンブリの回転をもたらすことをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記1つの単一直線化面が、前記バルクパッケージから繰り出されている前記ワイヤに応じて前記ワイヤとともに回転し、前記螺旋状が前記ワイヤ直線化デバイスによって直線化されることを可能にすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記接続することの一部として、前記角度を5度~30度に設定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記接続することの一部として、前記角度を1度~10度に設定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記接続することの一部として、前記角度を15度~45度に設定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記送給することの一部として、前記ワイヤ直線化デバイスの3つのローラを通して前記ワイヤの前記先端部分を導くことをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記送給することの一部として、前記ワイヤ直線化デバイスの5つのローラを通して前記ワイヤの前記先端部分を導くことをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記送給することの一部として、前記ワイヤ直線化デバイスの7つのローラを通して前記ワイヤの前記先端部分を導くことをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照/参照による援用
1971年7月27日に発行された米国特許第3,595,277号明細書は、その全体が参照により本明細書に援用される。2014年4月8日に発行された米国特許第8,689,975号明細書は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明の実施形態は、ワイヤを直線化することに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、ワイヤ(例えば、消耗溶接ワイヤ)がバルクパッケージから繰り出されるとき、バルクパッケージ内でワイヤが曲げられる(例えば、螺旋状に曲げられる)場合にワイヤを直線化することに関する。
【背景技術】
【0003】
バルクパッケージング内のワイヤは、パッケージングプロセスの性質上、例えば螺旋状に曲げられる。螺旋を直線化するために、ワイヤは、通常、2つの平面で直線化が提供されるように、互いに90度に位置決めされた2つのワイヤストレートナに通される。しかしながら、ワイヤストレートナを使用すると、ワイヤに対する抗力が発生し、ワイヤ導管内での有害な削りくずの発生及びワイヤ送給システムの摩耗を増加させる。他の手段を使用することにより、ワイヤに対する抗力を低減することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、ワイヤ(例えば、消耗溶接ワイヤ)がバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤを直線化するためのアセンブリ及び方法に関係する。バルクパッケージハットは、螺旋状に曲げられたワイヤを収容するバルクパッケージの上に位置決めされるように構成される。ベアリングアセンブリは、バルクパッケージハットの内部において、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるときにワイヤがバルクパッケージハットを出る位置に装着される。ワイヤ直線化デバイスは、複数のローラ及び1つのみの単一直線化面を有する。ワイヤ直線化デバイスは、ワイヤ直線化デバイスを通してワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、1つのみの単一直線化面でワイヤに逆曲げを加えるように構成される。ワイヤ直線化デバイスは、バルクパッケージハットの内部において、ベアリングアセンブリにある角度で動作可能に接続される。ベアリングアセンブリは、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージから繰り出されているワイヤに応じて回転するように構成される。ワイヤ直線化デバイスは、単一直線化面が、現在の方向が変わるとき、バルクパッケージから現在繰り出されているワイヤの部分に向かって現在の方向と実質的に再位置合わせし続けるように、その角度にとどまる。
【0005】
1つの実施形態では、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤを直線化するためのワイヤ直線化構成が提供される。この構成は、螺旋状に曲げられたワイヤを収容する開放されたバルクパッケージの上に位置決めされるように構成されたバルクパッケージハットを含む。ベアリングアセンブリは、バルクパッケージハットの内部において、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるときにワイヤがバルクパッケージハットを出る位置に装着される。この構成は、複数のローラ及び1つのみの単一直線化面を有するワイヤ直線化デバイスも含む。ワイヤ直線化デバイスは、ワイヤ直線化デバイスを通してワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、1つのみの単一直線化面でワイヤに逆曲げを加えるように構成される。ワイヤ直線化デバイスは、バルクパッケージハットの内部において、ベアリングアセンブリにある角度で動作可能に接続される。ベアリングアセンブリの回転は、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージから繰り出されているワイヤによってもたらされる。ベアリングアセンブリは、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージから繰り出されているワイヤに応じて回転する一方、単一直線化面が、現在の方向が変わるとき、バルクパッケージから現在繰り出されているワイヤの部分に向かって現在の方向と実質的に再位置合わせし続けるように、ワイヤ直線化デバイスをその角度に保つように構成される。1つの単一直線化面は、バルクパッケージから繰り出されているワイヤに応じてワイヤとともに回転し、螺旋状がワイヤ直線化デバイスによって直線化されることを可能にする。1つの実施形態では、ワイヤ直線化デバイスは、それを通る長手方向軸を有する。ベアリングアセンブリは、構成の垂直軸に沿って位置合わせされ、角度は、垂直軸と長手方向軸との間に形成される。様々な実施形態によれば、垂直軸と長手方向軸との間の角度は、例えば、5度~30度、1度~10度又は15度~45度であり得る。様々な実施形態によれば、ワイヤ直線化デバイス内の複数のローラの数は、例えば、3つのローラ、5つのローラ又は7つのローラであり得る。
【0006】
1つの実施形態では、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤを直線化する方法が提供される。方法は、螺旋状に曲げられたワイヤを収容する開放されたバルクパッケージの上にバルクパッケージハットを位置決めすることと、バルクパッケージハットの内部において、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるときにワイヤがバルクパッケージハットを出る位置にベアリングアセンブリを装着することとを含む。方法は、バルクパッケージハットの内部において、1つのみの単一直線化面を有するワイヤ直線化デバイスをベアリングアセンブリにある角度で動作可能に接続することも含む。方法は、ワイヤ直線化デバイスを通してワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤ直線化デバイスを通してワイヤの先端部分を送給して、1つの単一直線化面でワイヤに逆曲げを加えることをさらに含む。方法は、ワイヤを繰り出し、及びベアリングアセンブリが、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージから繰り出されているワイヤに応じて回転する一方、単一直線化面が、現在の方向が変わるとき、バルクパッケージから現在繰り出されているワイヤの部分に向かって現在の方向と実質的に再位置合わせし続けるように、ワイヤ直線化デバイスをその角度に保つことも含む。1つの実施形態では、方法は、装着することの一部として、構成の垂直軸に沿ってベアリングアセンブリを位置合わせすることと、接続することの一部として、垂直軸とワイヤ直線化デバイスの長手方向軸との間に角度を形成することとを含む。ベアリングアセンブリの回転は、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージからワイヤを繰り出すことによってもたらされる。方法は、1つの単一直線化面が、バルクパッケージから繰り出されているワイヤに応じてワイヤとともに回転し、螺旋状がワイヤ直線化デバイスによって直線化されることを可能にすることをさらに含む。様々な実施形態によれば、方法は、垂直軸と長手方向軸との間の角度を例えば5度~30度、1度~10度又は15度~45度に設定することを含み得る。様々な実施形態によれば、ワイヤを送給することの一部として、ワイヤの先端部分は、ワイヤ直線化デバイスの3つ、5つ又は7つのローラを通して導かれる。
【0007】
一般的な発明概念の多数の態様は、以下の例示的な実施形態の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付の図面から容易に明らかになるであろう。
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の様々な実施形態を図示する。図中に図示される要素の境界(例えば、囲み枠、囲み枠の群又は他の形状)は、境界の1つの実施形態を表すことが認識されるであろう。いくつかの実施形態では、1つの要素が複数の要素として設計される場合もあれば、複数の要素が1つの要素として設計される場合もある。いくつかの実施形態では、別の要素の内部の構成部品として示される要素が外部の構成部品として実装される場合があり、その逆の場合もある。さらに、要素は、一定の縮尺で描かれていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤを直線化するためのワイヤ直線化構成の1つの実施形態の概略図を図示する。
【
図2】開放されたバルクパッケージの1つの実施形態を図示する。
【
図3】螺旋状に曲げられた消耗溶接ワイヤを収容するバルクパッケージの上方に設置されたワイヤ直線化構成の1つの実施形態を図示する。
【
図4】ワイヤ直線化構成のワイヤ直線化デバイスを通して直線化する平面を示す、
図3の実施形態を図示する。
【
図5】ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤを直線化する方法の1つの実施形態のフローチャートを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は、ワイヤ(例えば、消耗溶接ワイヤ)がバルクパッケージ(例えば、段ボール構造のバルクパッケージ)から繰り出されるとき、ワイヤを直線化する(すなわち螺旋状など、曲げられた形状をワイヤから除去する)ためのアセンブリ及び方法に関係する。バルクパッケージハットは、例えば、螺旋状(ただし、他の形状である可能性もあり得る)に曲げられたワイヤを収容する開放されたバルクパッケージの上に位置決めされるように構成される。ベアリングアセンブリは、バルクパッケージハットの内部において、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるときにワイヤがバルクパッケージハットを出る位置に装着される。ワイヤ直線化デバイスは、複数のローラ及び1つのみの単一直線化面を有し、且つワイヤ直線化デバイスを通してワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤに逆曲げを加えるように構成される。ワイヤ直線化デバイスは、バルクパッケージハットの内部において、ベアリングアセンブリにある角度で動作可能に接続される。ベアリングアセンブリは、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージから繰り出されているワイヤに応じて回転する。すなわち、ベアリングアセンブリの回転は、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージから繰り出されているワイヤによってもたらされる一方、単一直線化面が、現在の方向が変わるとき、バルクパッケージから現在繰り出されているワイヤの部分に向かって現在の方向と実質的に再位置合わせし続けるように、ワイヤ直線化デバイスをその角度に保つ。
【0011】
本明細書の例及び図は、単なる例示に過ぎず、本発明を限定することを意味するものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載の範囲及び趣旨によって判定される。ここで、図面を参照するが、図示されるものは、本発明の例示的な実施形態を図示することのみを目的とし、それを限定することを目的としない。
図1は、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤを直線化するためのワイヤ直線化構成100の1つの実施形態の概略図を図示する。
図2は、例えば、コイル状消耗溶接ワイヤ107を収容する開放されたバルクパッケージ105(すなわち蓋又はカバーが取り除かれたバルクパッケージ)の1つの実施形態を図示する。
図3は、螺旋状に曲げられた消耗溶接ワイヤ107を収容するバルクパッケージ105の上方に設置されたワイヤ直線化構成100の1つの実施形態を図示する。
図4は、ワイヤ直線化構成100のワイヤ直線化デバイス130を貫通する直線化面137を示す、
図3の実施形態を図示する。
【0012】
ワイヤ直線化構成100は、螺旋状に曲げられたコイル状ワイヤ107(例えば、
図2及び
図4を参照されたい)を収容する開放されたバルクパッケージ105(例えば、
図2、
図3及び
図4を参照されたい)の上に位置決めされるように構成されたバルクパッケージハット110を含む。すなわち、ワイヤ107は、ワイヤ107が螺旋状になるようにバルクパッケージ105内にワイヤ107をコイル状に巻き付けることにより、バルクパッケージ105内に保管される。バルクパッケージハット110は、1つの実施形態によれば、幾分円錐形状であり、透明プラスチック材料で作られている。他の実施形態によれば、他のタイプの(他の形状を有し、他の材料で作られている)ハットも同様に可能である。ワイヤ直線化構成100は、ベアリングアセンブリ120も含み、これは、バルクパッケージハット110の内部において、動作中にワイヤ107がバルクパッケージ105から繰り出されるときにベアリングアセンブリ120を通してワイヤ107がバルクパッケージハット110を出る位置122に装着される。当技術分野でよく知られているように、ワイヤ送給デバイス(図示せず)及び/又は溶接ガン(図示せず)により、ワイヤ107を繰り出し易くすることができる。
【0013】
ワイヤ直線化構成100は、複数のローラ135(例えば、3つ、5つ又は7つのローラ)及び1つのみの単一直線化面137を有するワイヤ直線化デバイス130をさらに含む(例えば、
図4を参照されたい)。ワイヤ直線化デバイス130は、ワイヤ107がワイヤ直線化デバイス130を通してバルクパッケージ105から繰り出されるとき、1つのみの単一直線化面137(例えば、
図4を参照されたい)で(ローラ135を介して)ワイヤ107に逆曲げを加えるように構成される。すなわち、ローラ135は、ワイヤ107に逆曲げ力を加える。バルクパッケージ105から繰り出されているワイヤ107に応じて、1つの単一直線化面137がワイヤ107とともに回転し、螺旋状がワイヤ直線化デバイス130によって直線化されることを可能にする。概して、動作中、ワイヤ107は、繰り出されるとき、ワイヤ直線化デバイス130を通して、ベアリングアセンブリ120を通して且つバルクパッケージハット110の上部を通してバルクパッケージ105から外に引っ張られる。
【0014】
ワイヤ直線化デバイス130は、バルクパッケージハット110内のベアリングアセンブリ120に角度αで(例えば、1つの実施形態ではブラケット143を介して)動作可能に接続される。1つの実施形態によれば、
図1に示されるように、角度αは、構成100を通る中心垂直軸125と、ワイヤ直線化デバイス130の長手方向軸140との間の角度である。ブラケット143は、例えば、金属、プラスチック及び/又はセラミック材料で作ることができる。他のタイプの材料も同様に可能である。他の実施形態によれば、ブラケット143以外の、ワイヤ直線化デバイス130をベアリングアセンブリ120に接続するための手段(例えば、ボルト、ねじ、ストラップ、磁石)も同様に可能である。ベアリングアセンブリ120は、ワイヤ直線化デバイス130を通してバルクパッケージ105から繰り出されているワイヤ107に応じて、垂直軸125を中心として(例えば、回転方向150に)回転するように構成される。すなわち、一部には、ワイヤ107が螺旋状にバルクパッケージ105に保管される方法のため、繰り出されるときに構成100を通して移動するワイヤ107の動きが回転をもたらす。
【0015】
ワイヤ直線化デバイス130は、単一直線化面137(例えば、
図4を参照されたい)が、回転により現在の方向が変わるとき、バルクパッケージ105から現在繰り出されているワイヤ107の部分に向かって現在の方向と実質的に再位置合わせし続けるように、角度αに維持される。すなわち、ワイヤ直線化デバイス130は、角度αでベアリングアセンブリ120に接続されるため、ベアリングアセンブリ120が回転するとき、ワイヤ直線化デバイス130も回転する。いくつかの実施形態では、角度αは、5度~30度である。他の実施形態では、角度αは、1度~10度である。さらに他の実施形態では、角度αは、15度~45度である。1つの実施形態によれば、角度αの値は、例えば、バルクパッケージ105の直径又は幅に基づいて選択することができる。すなわち、保管されたワイヤ107が垂直軸125から遠ざかるほど、角度αの値を大きく設定することができる。1つの実施形態によれば、角度αは、ブラケット143の調節可能な継手(図示せず)を介して調節可能である。
【0016】
1つの実施形態によれば、ワイヤ直線化デバイス130は、動作前のセットアップ中、その長手方向軸140を中心としてより好適な位置まで回転するように構成される。これにより、単一直線化面137は、より好適な位置に配置されることになる。例えば、設定鍵構成(図示せず)を使用して、ワイヤ直線化デバイス130を緩め、その長手方向軸140を中心として回転可能であるようにすることができる。回転を介してより好適な位置まで到達し次第、設定鍵構成を使用してワイヤ直線化デバイス130を再度締め付けて、その長手方向軸140に対してより好適な回転の位置に固定されたままにすることができる。1つの実施形態によれば、設定鍵構成は、例えば、L字型スパナ及びねじを含むことができる。理論上、ワイヤ直線化デバイス130(及び単一直線化面137)をより好適な位置まで回転させることにより、動作中に螺旋の(すべてではないにしても)大部分がワイヤから確実に除去されることになる。より好適な回転の位置は、例えば、角度α及び/又はバルクパッケージ105のサイズに応じて、ワイヤ直線化構成100及びバルクパッケージ105の異なる実施形態について異なる場合がある。
【0017】
図5は、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤを直線化する方法500の1つの実施形態のフローチャートを図示する。方法500のブロック510において、バルクパッケージハットは、螺旋状に曲げられたワイヤを収容する開放されたバルクパッケージの上に位置決めされる。ブロック520において、ベアリングアセンブリは、バルクパッケージハットの内部において、ワイヤがバルクパッケージから繰り出されるときにワイヤがバルクパッケージハットを出る位置に装着される。ベアリングアセンブリは、1つの実施形態によれば、ベアリングアセンブリを装着することの一部として、構成の垂直軸に沿って位置合わせされる。
【0018】
ブロック530では、ワイヤ直線化デバイスは、バルクパッケージハット内において、ベアリングアセンブリにある角度で動作可能に接続され、ワイヤ直線化デバイスは、1つのみの単一直線化面を有する。1つの実施形態によれば、ワイヤ直線化デバイスを接続することの一部として、角度は、垂直軸とワイヤ直線化デバイスの長手方向軸との間に形成される。ワイヤ直線化デバイスをベアリングアセンブリに接続することの一部として、いくつかの実施形態では、角度αの値は、5度~30度に設定される。他の実施形態では、角度αの値は、1度~10度に設定される。さらに他の実施形態では、角度αの値は、15度~45度に設定される。
【0019】
ブロック540において、ワイヤ直線化デバイスを通してワイヤがバルクパッケージから繰り出されるとき、ワイヤの先端部分がワイヤ直線化デバイスを通して送給されて、1つの単一直線化面でワイヤに逆曲げを加える。ベアリングアセンブリの回転は、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージからワイヤを繰り出すことによってもたらされる。1つの実施形態によれば、ワイヤを送給することの一部として、ワイヤの先端部分は、ワイヤ直線化デバイスのローラ(例えば、3つ、5つ又は7つのローラ)を通して導かれる。ローラは、ワイヤに逆曲げ力を加える。
【0020】
ブロック550において、ワイヤは、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージから繰り出され、ベアリングアセンブリは、ワイヤ直線化デバイスを通してバルクパッケージから繰り出されているワイヤに応じて回転する一方、単一直線化面が、現在の方向が変わるとき、バルクパッケージから現在繰り出されているワイヤの部分に向かって現在の方向と実質的に再位置合わせし続けるように、ワイヤ直線化デバイスをその角度に保つ。すなわち、ワイヤ直線化デバイスの1つの単一直線化面は、バルクパッケージから繰り出されているワイヤに応じてワイヤとともに回転し、螺旋形がワイヤ直線化デバイスによって直線化される(除去される)ことを可能にする。
【0021】
開示された実施形態は、図示され、かなり詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制約するように意図されず、決して限定するようにも意図されない。主題の様々な態様を説明する目的のため、考え得る構成要素又は方法論の組み合わせをすべて説明することは、当然のことながら不可能である。したがって、本開示は、特定の詳細に限定されず、図示及び説明されている例示的な例にも限定されない。このため、本開示は、添付の特許請求の範囲内にある改変形態、修正形態及び変形形態を包含するように意図され、それらは、米国特許法第101条の法定主題要件を満たす。上述した特定の実施形態は、例として与えられたものである。与えられた本開示から、当業者は、全体的な発明概念及び付随する利点を理解するだけでなく、開示された構造及び方法に対する明らかな様々な変更形態及び修正形態も見出すであろう。したがって、そのような変更形態及び修正形態のすべてを、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の全体的概念並びにその均等物の趣旨及び範囲内に入るものとして包含することが求められる。
【符号の説明】
【0022】
100 ワイヤ直線化構成
105 バルクパッケージ
107 消耗溶接ワイヤ
110 バルクパッケージハット
120 ベアリングアセンブリ
122 位置
125 垂直軸
130 ワイヤ直線化デバイス
135 ローラ
137 直線化面
140 長手方向軸
143 ブラケット
150 回転方向
500 方法
510、520、530、540、550 ブロック
α 角度
【外国語明細書】