IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社電通の特許一覧

<>
  • 特開-ガラスセットおよびその製造方法 図1
  • 特開-ガラスセットおよびその製造方法 図2
  • 特開-ガラスセットおよびその製造方法 図3
  • 特開-ガラスセットおよびその製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099578
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】ガラスセットおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/00 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
A47G19/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074440
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2019193463の分割
【原出願日】2019-10-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日:2018年10月25日 公開場所:「2018年度 東京ビジネスデザインアワード」(主催:東京都、企画・運営:公益財団法人日本デザイン振興会)の応募用Webページ(https://www.tokyo-design.ne.jp/entry/apply/)を通じて本願発明を記載した書面をアップロードしたことにより、「2018年度 東京ビジネスデザインアワード」の事務局(所在地:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5階)において、事務局の担当者、審査委員およびテーマ選定企業の担当者に公開された。
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】北川 健司
(72)【発明者】
【氏名】志喜屋 徹
(57)【要約】
【課題】新たなガラスセットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】所定マークの一部分が視認可能に付された第1ガラス製品と、前記所定マー
クの他の一部分が視認可能に付された第2ガラス製品と、を備え、前記第1ガラス製品と
前記第2ガラス製品を所定の位置関係にすることによって、前記所定マークが視認される
、ガラスセットが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字または単語を分割して得られる一部分が視認可能に付された、食器である第1ガラス製品と、
前記文字または単語を分割して得られる他の一部分が視認可能に付された、食器である第2ガラス製品と、を備え、
前記一部分のみでは、前記文字または単語として視認されず、
前記他の一部分のみでは、前記文字または単語として視認されず、
前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品を重ね合わせて、前記文字または単語の一部分が互いに組み合わさって文字または単語の全体が視認できるような所定の位置関係にすることによって、前記文字または単語が視認され、前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品が前記所定の位置関係にない場合には前記文字または単語としては視認されず、
前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品を重ね合わせた際、前記文字または単語の一部分と、前記文字または単語の他の一部分とが重なり合わない、ガラスセット。
【請求項2】
前記第1ガラス製品および前記第2ガラス製品は、ガラス製のグラスであり、
前記第1ガラス製品は、前記第2ガラス製品内に収まる大きさであり、
前記所定の位置関係にすることは、前記文字または単語が視認されるよう前記第1ガラス製品を前記第2ガラス製品に収めることである、請求項1に記載のガラスセット。
【請求項3】
前記第1ガラス製品および前記第2ガラス製品は、ガラス製の皿であり、
前記所定の位置関係にすることは、前記文字または単語が視認されるよう前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品とを重ねることである、請求項1に記載のガラスセット。
【請求項4】
前記第1ガラス製品には、前記文字または単語の一部分を囲う模様が付されており、
前記第2ガラス製品には、前記文字または単語の他の一部分を囲う模様が付されている、請求項1乃至3のいずれかに記載のガラスセット。
【請求項5】
前記文字または単語の一部分は、前記文字または単語を所定の模様に対応付けて分割して得られたものであり、
前記文字または単語の他の一部分は、前記文字または単語を前記所定の模様に対応付けて分割して得られたものである、請求項1乃至3のいずれかに記載のガラスセット。
【請求項6】
前記所定の模様は、格子模様である、請求項5に記載のガラスセット。
【請求項7】
前記第1ガラス製品には、前記文字または単語の一部分を囲う格子模様が付されており、
前記第1ガラス製品には、前記文字または単語の他の一部分を囲う格子模様が付されている、請求項6に記載のガラスセット。
【請求項8】
前記文字または単語の一部分は、前記第1ガラス製品の平面になっている部分に付されており、
前記文字または単語の他の一部分は、前記第2ガラス製品の平面になっている部分に付されている、請求項1乃至7のいずれかに記載のガラスセット。
【請求項9】
文字または単語を分割して得られる一部分を視認可能に、食器である第1ガラス製品に付す工程と、
前記文字または単語を分割して得られる他の一部分を視認可能に、食器である第2ガラス製品に付す工程と、を備え、
前記一部分のみでは、前記文字または単語として視認されず、
前記他の一部分のみでは、前記文字または単語として視認されず、
前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品を重ね合わせて、前記文字または単語の一部分が互いに組み合わさって文字または単語の全体が視認できるような所定の位置関係にすることによって、前記文字または単語が視認され、
前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品が前記所定の位置関係にない場合には前記文字または単語としては視認されず、
前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品を重ね合わせた際、前記文字または単語の一部分と、前記文字または単語の他の一部分とが重なり合わない、ガラスセットの製造方法。
【請求項10】
前記第1ガラス製品および前記第2ガラス製品は、ガラス製のグラスであり、
前記第1ガラス製品は、前記第2ガラス製品内に収まる大きさであり、
前記所定の位置関係にすることは、前記文字または単語が視認されるよう前記第1ガラス製品を前記第2ガラス製品に収めることである、請求項9に記載のガラスセットの製造方法。
【請求項11】
前記第1ガラス製品および前記第2ガラス製品は、ガラス製の皿であり、
前記所定の位置関係にすることは、前記文字または単語が視認されるよう前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品とを重ねることである、請求項9に記載のガラスセットの製造方法。
【請求項12】
前記第1ガラス製品における前記文字または単語の一部分を囲う位置に模様を付す工程と、
前記第2ガラス製品における前記文字または単語の他の一部分を囲う位置に模様を付す工程と、を備える、請求項9乃至12のいずれかに記載のガラスセット。
【請求項13】
前記文字または単語の一部分は、前記文字または単語を所定の模様に対応付けて分割して得られたものであり、
前記文字または単語の他の一部分は、前記文字または単語を前記所定の模様に対応付けて分割して得られたものである、請求項9乃至11のいずれかに記載のガラスセット。
【請求項14】
前記所定の模様は、格子模様である、請求項13に記載のガラスセット。
【請求項15】
前記第1ガラス製品における前記文字または単語の一部分を囲う位置に格子模様を付す工程と、
前記第2ガラス製品における前記文字または単語の他の一部分を囲う位置に格子模様を付す工程と、を備える、請求項14に記載のガラスセット。
【請求項16】
前記第1ガラス製品の表面に均一な第1平面を形成し、該第1平面に前記文字または単語の一部分を付し、
前記第2ガラス製品の表面に均一な第2平面を形成し、該第2平面に前記文字または単語の他の一部分を付す、請求項9乃至15のいずれかに記載のガラスセットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスセットおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2枚の窓ガラスからなる装飾ガラスが開示されている。これら2枚の
窓ガラスに、光軸が互いに異なる所望形状の偏光性フィルムを接合し、2枚を重ねること
で当該形状が浮き立つようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5-96036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、偏光性フィルムは2枚を重ねた場合にのみ浮き立つのであって、重ねて
いない状態では視認されない。
本発明の課題は、新たなガラスセットおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、所定マークの一部分が視認可能に付された第1ガラス製品と
、前記所定マークの他の一部分が視認可能に付された第2ガラス製品と、を備え、前記第
1ガラス製品と前記第2ガラス製品を所定の位置関係にすることによって、前記所定マー
クが視認される、ガラスセットが提供される。
【0006】
前記第1ガラス製品および前記第2ガラス製品は、ガラス製のグラスであり、前記第1
ガラス製品は、前記第2ガラス製品内に収まる大きさであり、前記所定の位置関係にする
ことは、前記第1ガラス製品を前記第2ガラス製品に収めることであってもよい。
【0007】
前記第1ガラス製品および前記第2ガラス製品は、ガラス製の皿であり、前記所定の位
置関係にすることは、前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品とを重ねることであって
もよい。
【0008】
前記所定マークは、単語を含んでもよい。
前記所定マークは、ある言語で表された第1単語と、言語は異なるが前記第1単語と対
応する第2単語と、を含んでもよい。
前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品とが前記所定の位置関係にない場合、前記単
語としては視認されなくてもよい。
【0009】
本発明の別の態様によれば、所定マークの一部分を視認可能に第1ガラス製品に付す工
程と、前記所定マークの他の一部分を視認可能に第2ガラス製品に付す工程と、を備え、
前記第1ガラス製品と前記第2ガラス製品を所定の位置関係にすることによって、前記所
定マークが視認される、ガラスセットの製造方法が提供される。
【0010】
サンドブラストまたは印刷により、前記所定マークの一部分を前記第1ガラス製品に形
成し、サンドブラストまたは印刷により、前記所定マークの他の一部分を前記第2ガラス
製品に形成してもよい。
【0011】
前記第1ガラスの表面に均一な第1平面を形成し、該第1平面に前記所定マークの一部
分を付し、前記第2ガラスの表面に均一な第2平面を形成し、該第2平面に前記所定マー
クの他の一部分を付してもよい。
【0012】
平切子により、前記第1ガラスの表面に前記第1平面を形成し、平切子により、前記第
2ガラスの表面に前記第2平面を形成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
第1ガラス製品と第2ガラス製品とが所定の位置関係にない場合でも所定マークが部分
的に視認され、かつ、両ガラス製品を所定の位置関係にすることで、所定マークが視認さ
れるという、新規なガラスセットおよびその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係るグラスセット100の正面図。
図2】グラス1をグラス2に収めた状態のグラスセット100を示す図。
図3】第2の実施形態に係る皿セット200の正面図。
図4】皿5を皿6に重ねた状態の皿セット200を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るグラスセット100の正面図である。このグラスセット
100はガラスセットの一例であり、ガラス製のグラス1,2を備えている。グラス2は
グラス1より若干大きく、グラス1をグラス2に収めることができるようになっている。
【0017】
グラス1には、格子模様11と、単語「愛」を任意に分解した一部12と、単語「LO
VE」を任意に分解した一部13とが付されている。これらは単色(例えば赤)でもよい
し、複数の色であってもよい。また、これらが付されていない部分は透明である。なお、
グラス1だけを見ても、単語「愛」の一部12が部分的に視認できるが単語「愛」の一部
12からは「愛」であることが分からないのが望ましい。同様に、単語「LOVE」の一
部13が部分的に視認できるが単語「LOVE」の一部13からは「LOVE」であるこ
とが分からないのが望ましい。
【0018】
グラス1の製法例として、サンドブラストや印刷によって、グラス1の外面に格子模様
11、単語「愛」の一部12および単語「LOVE」の一部13を形成してもよい。また
、平切子によって予めグラス1の表面に均一な平面を形成した後、当該平面にこれらを形
成してもよい。
【0019】
グラス2には、格子模様21と、単語「愛」を任意に分解した他の一部22と、単語「
LOVE」を任意に分解した他の一部23とが付されている。これらは単色(例えば、グ
ラス1とは異なる濃紺)でもよいし、複数の色であってもよい。また、これらが付されて
いない部分は透明である。なお、グラス2だけを見ても、単語「愛」の他の一部22が部
分的に視認できるが単語「愛」の他の一部22からは「愛」であることが分からないのが
望ましい。同様に、単語「LOVE」の他の一部23が部分的に視認できるが単語「LO
VE」の他の一部23からは「LOVE」であることが分からないのが望ましい。
【0020】
グラス2の製法例として、サンドブラストや印刷によって、グラス2の外面に格子模様
21、単語「愛」の他の一部22および単語「LOVE」の他の一部23を形成してもよ
い。また、平切子によって予めグラス2の表面に均一な平面を形成した後、当該平面にこ
れらを形成してもよい。
【0021】
そして、グラス1をグラス2に収めて重ね合わせる(位置合わせする)ことにより、格
子模様11,21をベースとし、隠れていた単語「愛」32と単語「LOVE」33とが
視認されるようになる(図2)。
【0022】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る皿セット200の正面図である。この皿セット200は
ガラスセットの一例であり、ガラス製の皿5,6を備えている。皿5と皿6はほぼ同じ形
状となっており、皿5の上に皿6を乗せることもできるし、皿6の上に皿5を乗せること
もできるようになっている。
【0023】
皿5には、格子模様51と、単語「愛」を任意に分解した一部52と、単語「LOVE
」を任意に分解した一部53とが付されている。これらは単色(例えば赤)でもよいし、
複数の色であってもよい。また、これらが付されていない部分は透明である。なお、皿5
だけを見ても、単語「愛」の一部52が部分的に視認できるが単語「愛」の一部52から
は「愛」であることが分からないのが望ましい。同様に、単語「LOVE」の一部53が
部分的に視認できるが単語「LOVE」の一部53からは「LOVE」であることが分か
らないのが望ましい。
【0024】
皿5の製法例として、サンドブラストや印刷によって、皿5の表面(上面および/また
は下面)に格子模様51、単語「愛」の一部52および単語「LOVE」の一部53を形
成してもよい。また、平切子によって予め皿5の表面に均一な平面を形成した後、当該平
面にこれらを形成してもよい。
【0025】
皿6には、格子模様61と、単語「愛」を任意に分解した他の一部62と、単語「LO
VE」を任意に分解した他の一部63とが付されている。これらは単色(例えば、皿5と
は異なる濃紺)でもよいし、複数の色であってもよい。また、これらが付されていない部
分は透明である。なお、皿6だけを見ても、単語「愛」の他の一部62が部分的に視認で
きるが単語「愛」の他の一部62からは「愛」であることが分からないのが望ましい。同
様に、単語「LOVE」の他の一部63が部分的に視認できるが単語「LOVE」の他の
一部63からは「LOVE」であることが分からないのが望ましい。
【0026】
皿6の製法例として、サンドブラストや印刷によって、皿6の表面(上面および/また
は下面)に格子模様61、単語「愛」の他の一部62および単語「LOVE」の他の一部
63を形成してもよい。また、平切子によって予め皿6の表面に均一な平面を形成した後
、当該平面にこれらを形成してもよい。
【0027】
そして、皿5と皿6とを重ね合わせる(位置合わせする)ことにより、格子模様51,
61をベースとし、隠れていた単語「愛」72と単語「LOVE」73とが視認されるよ
うになる(図4)。
【0028】
なお、以上述べた第1(第2)の実施形態において、グラス1,2(皿5,6)に付す
のは切子らしい格子模様11,21(51,61)が望ましいが、他の模様であってもよ
いし、模様がなくてもよい。
【0029】
また、重ね合わせて視認されるのは、「愛」と「LOVE」といった意味や観念が共通
する(対応する)が、言語が互いに異なる単語とすることができる。例えば、グラスや皿
などを贈り物とする場合には、「愛」と「LOVE」の他、「美」と「BEAUTY」、
「生」と「LIFE」、「福」と「LUCKY」などが好適である。言語としては、例え
ば一方を日本語(漢字)とし、他方を英語、フランス語、ドイツ語またはロシア語とする
ことができる。もちろん、1言語の単語のみであってもよいし、2以上の単語やその他の
任意のマークが視認されるようにしてもよい。
【0030】
さらに、第1および第2の実施形態で説明したグラスや皿に限られず、任意の2以上の
ガラス製品を所定の位置関係にすることによって単語が視認されればよい。
【0031】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明
を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、
当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用
しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく
、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0032】
100 グラスセット
1,2 グラス
11,21 格子模様
12,22 単語「愛」の一部
13,23 単語「LOVE」の一部
32 単語「愛」
33 単語「LOVE」
200 ガラス皿セット
5,6 グラス
51,61 格子模様
52,62 単語「愛」の一部
53,63 単語「LOVE」の一部
72 単語「愛」
73 単語「LOVE」
図1
図2
図3
図4